1 00:00:34,362 --> 00:00:37,332 (由蔵)おこんさんの姿が 見えないのですよ。 2 00:00:37,332 --> 00:00:41,470 (お佐紀)女の気持ちというものは 揺れ続けるものでございます。 3 00:00:41,470 --> 00:00:46,341 今 大切にせねばならぬのは おこんさんなのではありませんか。 4 00:00:46,341 --> 00:00:49,144 (雑賀) 坂崎磐音を生かしておくこと➡ 5 00:00:49,144 --> 00:00:51,480 後々 田沼家のためならず。 6 00:00:51,480 --> 00:00:56,351 (玲圓)残りは3人。 さらに 雑賀泰造が 残っております。 7 00:00:56,351 --> 00:01:05,026 ♬~ 8 00:01:05,026 --> 00:01:08,830 (おこん)私を置いて 死んだりしたら承知しませんから。 9 00:01:08,830 --> 00:01:11,733 (磐音)おこんさんを 一人にはしません。 10 00:01:11,733 --> 00:01:21,843 ♬~(テーマ音楽) 11 00:01:21,843 --> 00:01:24,513 (竹蔵)大丈夫かよ。 金兵衛さんよ。 12 00:01:24,513 --> 00:01:28,850 (金兵衛)そりゃあ 娘だからよ いつか 誰かにな➡ 13 00:01:28,850 --> 00:01:34,456 さらわれて いっちまうってことは そりゃ~ 思っちゃいたよ。 14 00:01:34,456 --> 00:01:37,359 その さらっていくって相手がよ➡ 15 00:01:37,359 --> 00:01:41,329 神田三崎町の 佐々木道場の養子に➡ 16 00:01:41,329 --> 00:01:44,799 入るかもしんねえって 言いやがるんだ。 17 00:01:44,799 --> 00:01:49,137 ってことは何か? おこんは 武家に嫁ぐってことか? 18 00:01:49,137 --> 00:01:52,040 坂崎さんだって お武家じゃねえか。 19 00:01:52,040 --> 00:01:58,480 坂崎さんはよ 9尺2間に住むよぉ 鰻割きの素浪人だぞ。 20 00:01:58,480 --> 00:02:01,816 おう バカ野郎。 何が 武家だってんだよ。 21 00:02:01,816 --> 00:02:03,752 笑かしちゃ いけねえよ おい。 22 00:02:03,752 --> 00:02:08,490 けどよ その話 まだ 決まったわけじゃねえんだろ? 23 00:02:08,490 --> 00:02:11,393 あれ~ あれ~➡ 24 00:02:11,393 --> 00:02:15,363 お前 なんで そんなこと 知ってんの? お地蔵のよ。 25 00:02:15,363 --> 00:02:20,101 触んなよ! え~。 何べんも聞いたから。 26 00:02:20,101 --> 00:02:26,508 あっ あ そう。 そうなんだ。 アッハハハハハ… そりゃ いいけどさ。 27 00:02:26,508 --> 00:02:29,844 あ~ だけどよ とにかくなあ➡ 28 00:02:29,844 --> 00:02:33,448 父親の俺が そのことを 知らねえってのは➡ 29 00:02:33,448 --> 00:02:35,383 一体 どういうわけだ え~っ? 30 00:02:35,383 --> 00:02:39,120 こりゃ~ どうしようもねえ バカ野郎どもだな。 31 00:02:39,120 --> 00:02:43,792 「柳さんも 竹村の旦那も 知ってたのによ~」って➡ 32 00:02:43,792 --> 00:02:46,127 続くんだろ? そのあとに。 33 00:02:46,127 --> 00:02:50,799 あれ~ あれ~ なんで 知ってんの? そういうこと。 34 00:02:50,799 --> 00:02:53,468 ねえ お前。 これ 地蔵のいわれか? 35 00:02:53,468 --> 00:02:58,340 何 言ってんだよ もう。 だから 何べんも聞いたっつってんだろ。 36 00:02:58,340 --> 00:03:00,342 何べんも聞いちゃったわけ? ん。 37 00:03:00,342 --> 00:03:03,342 何 脱いでんだよ おいおい! 風邪ひくだろ! 38 00:03:06,815 --> 00:03:08,750 ≪(金兵衛)矢でも 鉄砲でも➡ 39 00:03:08,750 --> 00:03:12,487 持ってこいってんだい。 この野郎め~。 40 00:03:12,487 --> 00:03:16,825 親の気持ちも 知らねえでよ~。 分かった 分かった。 41 00:03:16,825 --> 00:03:18,760 親分。 金兵衛殿も…。 42 00:03:18,760 --> 00:03:22,497 お~ 現れやがったなあ。 このスットコドッコイが…。 43 00:03:22,497 --> 00:03:25,166 飲んでおられるのか。 ほう~。 44 00:03:25,166 --> 00:03:28,837 飲んじゃあ いけねえとでも 言うんですかい? 45 00:03:28,837 --> 00:03:31,740 分かったから もう あんた 引っ込んでなよ。 46 00:03:31,740 --> 00:03:34,442 どうなすったんです? 慌てた顔して…。 それが…➡ 47 00:03:34,442 --> 00:03:37,112 おこんさんを見かけません でしたか? おこんさん? 48 00:03:37,112 --> 00:03:39,447 昼間から 姿が見えないのだそうです。 49 00:03:39,447 --> 00:03:45,120 もしかしたら 長屋かと思い 来てみたのですが どこにも…。 50 00:03:45,120 --> 00:04:04,472 ♬~ 51 00:04:04,472 --> 00:04:06,408 ここが ねぐら…? 52 00:04:06,408 --> 00:04:13,815 ♬~ 53 00:04:13,815 --> 00:04:17,485 はあっ! 女…。 54 00:04:17,485 --> 00:04:22,157 ねぐらを突き止めて 役人にでも 知らせるつもりだったか? 55 00:04:22,157 --> 00:04:25,827 その度胸は ほめてやろう。 そりゃ どうも。 56 00:04:25,827 --> 00:04:28,730 ついでに このまま帰してくれたら ありがたいんですけどね! 57 00:04:28,730 --> 00:04:30,699 つけあがるな! 58 00:04:30,699 --> 00:04:39,774 ♬~ 59 00:04:39,774 --> 00:04:41,710 (木幡)何者だ? 60 00:04:41,710 --> 00:04:49,117 (風の音) 61 00:04:49,117 --> 00:04:52,454 あんたか…。 62 00:04:52,454 --> 00:04:55,454 相変わらず 飲んでおるのか? 63 00:04:57,792 --> 00:05:02,464 酒でも飲まねば やっておられる仕事ではない。➡ 64 00:05:02,464 --> 00:05:07,464 その女は 確か…。 (雑賀)坂崎磐音の女よ。 65 00:05:09,337 --> 00:05:13,337 お主の後を つけておった。 人質か。 66 00:05:15,477 --> 00:05:17,812 いかに 坂崎といえど➡ 67 00:05:17,812 --> 00:05:22,684 惚れた女が 人質ともなれば 心 穏やかではあるまい。 68 00:05:22,684 --> 00:05:25,487 そういうやり方は 好かんな。 69 00:05:25,487 --> 00:05:30,825 どのような手を使おうが… 奴の命を奪えばよいのだ。 70 00:05:30,825 --> 00:05:42,437 ♬~ 71 00:05:42,437 --> 00:05:46,137 ≪今津屋さん 竹蔵です。 今津屋さん! 72 00:05:51,446 --> 00:05:54,783 元締殿 おこんさんは? まだ 戻ってきておりません。 73 00:05:54,783 --> 00:05:57,685 (竹蔵)今時分まで 姿を現さねえってことは➡ 74 00:05:57,685 --> 00:05:59,654 何かあったと考えた方がいい。 あっしは➡ 75 00:05:59,654 --> 00:06:02,354 木下様に お知らせしてきやす。 76 00:06:05,126 --> 00:06:07,061 お佐紀様は? (吉右衛門)休ませました。 77 00:06:07,061 --> 00:06:10,799 体に障るといけませんからな。 金兵衛さん 申し訳ありません。 78 00:06:10,799 --> 00:06:14,469 こちらの目が行き届かずに。 はっ… は… い… いえ…。 79 00:06:14,469 --> 00:06:17,138 それにしても 何があったというのか…。 80 00:06:17,138 --> 00:06:22,477 坂崎様 心当たり ありませんかな。 それが…。 81 00:06:22,477 --> 00:06:24,412 [ 回想 ] そういえば さっき そこで➡ 82 00:06:24,412 --> 00:06:27,348 見知らぬお侍を 見かけたんだけど…。 83 00:06:27,348 --> 00:06:30,151 まさか…。 いかがなされました? 84 00:06:30,151 --> 00:06:34,022 実は 某 故あって 刺客に狙われております。 85 00:06:34,022 --> 00:06:35,957 例の四出縄綱も その一人。 86 00:06:35,957 --> 00:06:38,960 昨日 おこんさんが 見知らぬ侍を 長屋の表で➡ 87 00:06:38,960 --> 00:06:41,763 見たと言っていたのを 思い出しました。 なんですと? 88 00:06:41,763 --> 00:06:44,432 では その男が もしかして…。 89 00:06:44,432 --> 00:06:49,304 坂崎さんよ~! 一体ぜんたい どうなってんだよ! 90 00:06:49,304 --> 00:06:53,441 おこんは あんたに くれてやるって 約束だ。 91 00:06:53,441 --> 00:06:57,779 けどよ それは あんたを信じてのこった。 92 00:06:57,779 --> 00:07:02,116 え~ それなのに なんだい。 え~ なんだ 刺客だあ? 93 00:07:02,116 --> 00:07:06,454 お~い おこんに なんかあったら 一体 どうしてくれるんでぇ! 94 00:07:06,454 --> 00:07:09,123 えっ どうしてくれるんだよ~。 金兵衛さん 金兵衛さん。 95 00:07:09,123 --> 00:07:12,026 まだ そうだと 決まったわけじゃありませんから。 96 00:07:12,026 --> 00:07:16,998 あんただけなんだよ~。 あんただけが 頼りなんだよ~。 97 00:07:16,998 --> 00:07:20,468 だから あんたに くれてやったんだあ。 98 00:07:20,468 --> 00:07:24,806 分かるだろ? なあ 坂崎さん 分かるだろ~! 99 00:07:24,806 --> 00:07:26,741 金兵衛殿…。 100 00:07:26,741 --> 00:07:28,676 ≪(矢が当たる音) 101 00:07:28,676 --> 00:07:36,751 ♬~ 102 00:07:36,751 --> 00:07:40,088 「小石川片町 大善寺…➡ 103 00:07:40,088 --> 00:07:43,758 恋しきお方が お待ちおり候。 木幡闇斎」。 104 00:07:43,758 --> 00:07:48,096 やはり おこんは人質に。 坂崎様! 105 00:07:48,096 --> 00:07:52,396 舅殿。 おこんさんは 必ず この手で! 106 00:07:54,969 --> 00:08:01,643 た… 頼みましたぜ~ 坂崎さ~ん。 頼みましたよ~。 107 00:08:01,643 --> 00:08:15,943 ♬~ 108 00:08:18,793 --> 00:08:23,464 坂崎とは 夫婦の約束でも しておるのか。 109 00:08:23,464 --> 00:08:26,164 だったら なんだってんですか。 110 00:08:28,136 --> 00:08:31,739 鼻っ柱が強いなあ~。 111 00:08:31,739 --> 00:08:37,078 そなたの泣き顔は 見たくはないが しかたがない。 112 00:08:37,078 --> 00:08:39,981 冗談じゃない。 坂崎さんが➡ 113 00:08:39,981 --> 00:08:42,750 あんたなんかに やられるわけないでしょう! 114 00:08:42,750 --> 00:08:45,653 あ~ いい目だ…。 115 00:08:45,653 --> 00:08:50,625 そなたのような女子がおれば 俺も 酒びたりにならず➡ 116 00:08:50,625 --> 00:08:53,625 このような稼業は しておらなかったなあ。 117 00:08:56,297 --> 00:09:03,438 ♬~ 118 00:09:03,438 --> 00:09:05,373 おこんさん! 坂崎さん! 119 00:09:05,373 --> 00:09:08,373 ごめんなさい。 こんなつもりじゃ…。 120 00:09:10,778 --> 00:09:16,451 貴公を思って 俺の後を つけたそうだ。 121 00:09:16,451 --> 00:09:19,354 健気なものではないかあ。 122 00:09:19,354 --> 00:09:24,125 だが 今宵限りで 逢瀬もしまいだ。 123 00:09:24,125 --> 00:09:27,125 なあ… 坂崎磐音。 124 00:09:29,464 --> 00:09:31,464 やくたいもないことを。 125 00:09:33,334 --> 00:09:35,269 東軍流 木幡闇斎…。 126 00:09:35,269 --> 00:09:39,569 貴公に恨みはないが 金を貰っておるのでなあ。 127 00:09:43,011 --> 00:09:45,413 では… 参ろうか。 128 00:09:45,413 --> 00:09:59,413 ♬~ 129 00:10:03,431 --> 00:10:43,471 ♬~ 130 00:10:43,471 --> 00:10:47,341 なるほど 居眠り剣法とは そのことか。 131 00:10:47,341 --> 00:10:49,811 …ならば。 132 00:10:49,811 --> 00:11:26,714 ♬~ 133 00:11:26,714 --> 00:11:29,714 無駄です。 もう 剣は握れません。 134 00:11:31,786 --> 00:11:34,086 俺の運命も これまでかあ。 135 00:11:35,656 --> 00:11:38,459 討たぬのか。 136 00:11:38,459 --> 00:11:40,394 無益な殺生ゆえ。 137 00:11:40,394 --> 00:11:42,394 (ため息) 138 00:11:44,332 --> 00:11:46,334 (手裏剣が刺さる音) 139 00:11:46,334 --> 00:11:50,471 ♬~ 140 00:11:50,471 --> 00:11:53,808 卑怯者! 出てこぬか 雑賀泰造! 141 00:11:53,808 --> 00:11:55,743 (雑賀)坂崎磐音。 142 00:11:55,743 --> 00:11:59,680 ♬~ 143 00:11:59,680 --> 00:12:07,980 (雑賀)まだまだ これからじゃ。 (不気味な笑い声) 144 00:12:09,824 --> 00:12:12,160 おこんさん 大丈夫でござるか? 145 00:12:12,160 --> 00:12:14,829 申し訳ありません。 私のために。 146 00:12:14,829 --> 00:12:18,499 謝らねばならぬのは 某の方です。 147 00:12:18,499 --> 00:12:23,371 おこんさんを 危ない目に 遭わせてしまい 申し訳ござらぬ。 148 00:12:23,371 --> 00:12:26,374 いいんです。 そんなこと。 149 00:12:26,374 --> 00:12:31,445 私は 坂崎磐音さんの許嫁なんですから。 150 00:12:31,445 --> 00:12:34,445 そうでしょ? …おこんさん。 151 00:12:37,318 --> 00:12:40,618 奈緒様から お手紙を頂きました。 152 00:12:42,456 --> 00:12:45,126 「辛いことがあっても 共に➡ 153 00:12:45,126 --> 00:12:48,796 りんと胸を張って 生きていきましょう」って。 154 00:12:48,796 --> 00:12:52,133 だから 私 もう 泣き言なんか言いません。 155 00:12:52,133 --> 00:12:55,469 ♬~ 156 00:12:55,469 --> 00:13:00,808 でも… 今だけ。 157 00:13:00,808 --> 00:13:18,508 ♬~ 158 00:13:21,495 --> 00:13:23,831 それから 半月後のこと。 159 00:13:23,831 --> 00:13:28,531 磐音は 鶴吉の店の一件で 吉原会所に呼ばれていた。 160 00:13:30,171 --> 00:13:35,009 (四郎兵衛)例の 四代目三味芳の花川戸の店は➡ 161 00:13:35,009 --> 00:13:39,981 今は 豆腐屋になっておりましてね 随分と 繁盛してるようです。 162 00:13:39,981 --> 00:13:43,451 さようですか。 ですが 昔の➡ 163 00:13:43,451 --> 00:13:47,321 二代目三味芳が入っていた➡ 164 00:13:47,321 --> 00:13:52,126 聖天町の表店が 売りに出ておりました。 165 00:13:52,126 --> 00:13:55,463 今戸橋の 船宿の持ち物ですが➡ 166 00:13:55,463 --> 00:14:00,134 70両なら売ると 言ってましたが。 70両…。 167 00:14:00,134 --> 00:14:02,803 あそこなら ここからも近い。 168 00:14:02,803 --> 00:14:07,675 三味芳を継ぐはずだった 鶴吉が戻ってきたとなりゃあ➡ 169 00:14:07,675 --> 00:14:12,146 吉原の芸者衆も 贔屓にするはずです。 170 00:14:12,146 --> 00:14:17,485 70両を 60両にして 会所で 押さえておきました。 171 00:14:17,485 --> 00:14:19,420 それは ありがたい。 172 00:14:19,420 --> 00:14:24,158 では 鶴吉殿と相談し 早々に ご返事いたします。 173 00:14:24,158 --> 00:14:26,158 はい。 174 00:14:33,968 --> 00:14:35,968 (おこね)申し訳ありません。 175 00:14:39,440 --> 00:14:42,740 (鶴吉)おい 待てよ。 …あっ 旦那! 176 00:14:44,312 --> 00:14:46,612 おい おこね。 坂崎の旦那だ。 177 00:14:48,449 --> 00:14:52,320 まあ いつも お話は鶴吉さんから。 こねでございます。 178 00:14:52,320 --> 00:14:56,320 坂崎磐音でござる。 いかがした? 179 00:14:58,125 --> 00:15:01,996 あっ それが… あっ ヘヘヘヘ…。 180 00:15:01,996 --> 00:15:07,296 ♬~(新内) 181 00:15:09,136 --> 00:15:12,473 (鶴吉)実は こいつは 遠州相良の三味線作りの師匠の➡ 182 00:15:12,473 --> 00:15:16,811 2番目の娘でして。 こっちで 店を出すって約束で➡ 183 00:15:16,811 --> 00:15:19,714 連れてきたんですけどね。 手ごろな所が なかなか➡ 184 00:15:19,714 --> 00:15:22,683 見つからず このままじゃ らちが明かねえから➡ 185 00:15:22,683 --> 00:15:26,487 相良に戻るかって つい 口が 滑っちまって。 そしたら 急に…。 186 00:15:26,487 --> 00:15:29,156 だって お父っつぁんに 何て言い訳するんですか? 187 00:15:29,156 --> 00:15:32,760 内々だけど 盃事まで して貰ってきたってのに。 188 00:15:32,760 --> 00:15:35,096 このまま帰るんじゃ 情けない。 189 00:15:35,096 --> 00:15:39,767 どうして 江戸で頑張ろうって 言ってくれないのかって…。 190 00:15:39,767 --> 00:15:42,670 泣くなよ。 分かってるって。 だから➡ 191 00:15:42,670 --> 00:15:45,439 つい 口が滑っちまっただけ なんだからさあ~。 192 00:15:45,439 --> 00:15:48,109 あ~ ヘヘヘヘ…。 鶴吉殿。 193 00:15:48,109 --> 00:15:51,779 へい。 二代目三味芳の頃まで 店を構えていた➡ 194 00:15:51,779 --> 00:15:54,448 聖天町の表店が空いております。 195 00:15:54,448 --> 00:15:57,351 いえ ちょっと 待っておくんなせえ。 196 00:15:57,351 --> 00:16:02,123 あっしがためた金子では とても あの表店は無理です。 197 00:16:02,123 --> 00:16:05,793 すでに 吉原の会所が 押さえてくれています。 198 00:16:05,793 --> 00:16:07,728 …会所が? 199 00:16:07,728 --> 00:16:11,465 某が頼んで動いて頂きました。 200 00:16:11,465 --> 00:16:15,136 会所の四郎兵衛殿も 鶴吉殿が 店を構えたら➡ 201 00:16:15,136 --> 00:16:18,806 吉原の芸者衆が 喜ぶだろうと 言っておられた。 202 00:16:18,806 --> 00:16:23,477 いや ですが… 旦那に そこまでして貰う覚えがねえ。 203 00:16:23,477 --> 00:16:27,348 2年前の一件の後 与力の笹塚様から➡ 204 00:16:27,348 --> 00:16:29,817 報奨金を頂いております。 205 00:16:29,817 --> 00:16:33,687 その金子は 鶴吉殿が 戻られた時に使うと➡ 206 00:16:33,687 --> 00:16:36,624 某 決めておった。 しかし それは 旦那の…。 207 00:16:36,624 --> 00:16:41,429 鶴吉殿 おこね殿のことも 考えられよ。 208 00:16:41,429 --> 00:16:44,331 女子の気持ちは 揺れ動くもの。 209 00:16:44,331 --> 00:16:48,331 それを つなぎ止めるのが 男の務めです。 210 00:16:50,104 --> 00:16:54,804 今 大切にせねばならぬのは おこね殿の思いでござる。 211 00:16:57,445 --> 00:17:00,114 旦那…! 坂崎様。 212 00:17:00,114 --> 00:17:03,984 ♬~ 213 00:17:03,984 --> 00:17:07,988 磐音の言葉 お佐紀の受け売りである。 214 00:17:07,988 --> 00:17:12,460 ♬~ 215 00:17:12,460 --> 00:17:14,460 数日後…。 216 00:17:19,133 --> 00:17:22,470 品川さん。 (柳次郎)あ~ 坂崎さん。 217 00:17:22,470 --> 00:17:25,806 どちらへ? 麹町の椎葉家まで。 はい。 218 00:17:25,806 --> 00:17:30,678 お有殿の…。 そういえば お屋敷に 招かれたと聞いておりました。 219 00:17:30,678 --> 00:17:32,613 今日でしたか。 220 00:17:32,613 --> 00:17:36,417 どうなることやら…。 坂崎さんは どちらへ? 221 00:17:36,417 --> 00:17:41,755 父からの手紙が届いておるとの ことで 富士見坂の上屋敷まで。 222 00:17:41,755 --> 00:17:45,426 では 養子話の返答が? はい。 223 00:17:45,426 --> 00:17:49,096 その手紙で 今後の行く末が 決まるのですね…。 224 00:17:49,096 --> 00:17:52,396 お互い 大変ですね 本日は。 ハハハ…。 はい。 225 00:17:55,436 --> 00:17:57,736 では…。 では。 226 00:18:03,310 --> 00:18:11,452 ♬~ 227 00:18:11,452 --> 00:18:15,122 (正睦)「その方 いかなる道を 選びそうらえども➡ 228 00:18:15,122 --> 00:18:21,795 父は 承知致し候。 しかれども 照埜は その方 嫡男につき➡ 229 00:18:21,795 --> 00:18:25,132 いま一度 お家に戻り ご奉公致し➡ 230 00:18:25,132 --> 00:18:28,802 坂崎家を継ぐ夢を いまだ 抱きおり候。➡ 231 00:18:28,802 --> 00:18:33,641 この思いも また やむをえぬことと存じ候。➡ 232 00:18:33,641 --> 00:18:39,079 されば その方に 一つ頼み事 これあり候」。 233 00:18:39,079 --> 00:18:42,950 ♬~ 234 00:18:42,950 --> 00:18:48,422 (中居)そうか 玲圓先生の道場を 継ぐ話があったのか。 235 00:18:48,422 --> 00:18:52,293 …はい。 (中居)それでは お母上も➡ 236 00:18:52,293 --> 00:18:55,296 ご心痛であったろう。➡ 237 00:18:55,296 --> 00:19:00,768 母とは よきもの。 いつ いかなる時も 母でいてくれる。➡ 238 00:19:00,768 --> 00:19:09,109 その思い むげにはできぬな。 なればこそ ご家老の願い➡ 239 00:19:09,109 --> 00:19:13,409 かなえてさしあげたいのだが こればかりは…。 240 00:19:15,983 --> 00:19:20,454 そうじゃ。 国許のどんこを 江戸に持ち込んだのだが➡ 241 00:19:20,454 --> 00:19:23,357 これが なかなかの評判でな。 242 00:19:23,357 --> 00:19:28,329 此度の船は 大量に積んできたので 今津屋に 運んでくれぬか。 243 00:19:28,329 --> 00:19:30,464 かしこまりました。 244 00:19:30,464 --> 00:19:35,164 なに 心配無用じゃ。 おこんさんなら 大丈夫。 245 00:19:41,742 --> 00:19:45,412 そのころ 神田三崎町の佐々木道場では…。 246 00:19:45,412 --> 00:19:47,748 旦那様…。 247 00:19:47,748 --> 00:19:52,419 これはまた 思いのほかの お話でございますなあ。 248 00:19:52,419 --> 00:19:57,758 (速水)今津屋。 よくよく 相談のうえ 返答されたい。 249 00:19:57,758 --> 00:19:59,758 は はい…。 250 00:20:01,428 --> 00:20:08,769 ♬~ 251 00:20:08,769 --> 00:20:13,069 うわぁ~… 立派な椎茸。 はい。 252 00:20:16,110 --> 00:20:20,110 お屋敷に行ったってことは 何かあったんですか? 253 00:20:21,782 --> 00:20:27,782 実は… 国許の父から 返事が来たのです。 254 00:20:29,657 --> 00:20:34,957 これを読んで 後で おこんさんの 気持ちを聞かせて貰えませんか? 255 00:20:43,804 --> 00:20:46,804 分かりました。 お預かりします。 256 00:20:49,677 --> 00:20:55,149 ♬~ 257 00:20:55,149 --> 00:21:00,821 そうですか。 ご家老様は ご養子の一件に ご異存はないが➡ 258 00:21:00,821 --> 00:21:04,491 お母上は そうではない ということですね。 259 00:21:04,491 --> 00:21:09,363 (お佐紀)お腹を痛めた 我が子。 しかも 坂崎様はご嫡子。 260 00:21:09,363 --> 00:21:15,836 母親が 他家へ 快く送り出せる はずは ございませんものね。 261 00:21:15,836 --> 00:21:20,708 で いかがなさいますか? 262 00:21:20,708 --> 00:21:26,480 父は 佐々木家に入るなら その前に 一度➡ 263 00:21:26,480 --> 00:21:31,318 関前に戻ってはこられぬかと 書き送ってまいりました。 264 00:21:31,318 --> 00:21:34,121 それと…。 ≪失礼いたします。 265 00:21:34,121 --> 00:21:41,995 ♬~ 266 00:21:41,995 --> 00:21:44,765 で お父上様は なんと…。 267 00:21:44,765 --> 00:21:50,471 できることなら おこんさんを 関前に 同道して貰えぬかと…➡ 268 00:21:50,471 --> 00:21:53,471 そう望んでおります。 おこんを? 269 00:21:55,142 --> 00:21:58,142 そういうことで ございましたかあ…。 270 00:22:03,484 --> 00:22:05,784 おこん 今の話は…。 271 00:22:08,155 --> 00:22:15,028 存じております。 お母上様は 私と所帯を持つことも➡ 272 00:22:15,028 --> 00:22:18,499 決して 得心なされては いないようです。 273 00:22:18,499 --> 00:22:21,168 そうでしたか…。 274 00:22:21,168 --> 00:22:25,506 でも きっと お母上様は 関前から 歯がゆい思いで➡ 275 00:22:25,506 --> 00:22:28,842 坂崎様を 見守って おいでなのです。 276 00:22:28,842 --> 00:22:34,448 おこんさんのことも…。 その心情 お察しできます。 277 00:22:34,448 --> 00:22:38,148 はい。 ですから 私…。 278 00:22:41,321 --> 00:22:46,794 旦那様 お佐紀様 元締さん。 279 00:22:46,794 --> 00:22:52,666 こんは… できることなら 坂崎さんと ご一緒に関前へ参り➡ 280 00:22:52,666 --> 00:22:57,137 お母上様に 直々 許しを こいたいと思っています。 281 00:22:57,137 --> 00:23:00,474 おこんさん…。 282 00:23:00,474 --> 00:23:05,345 ♬~ 283 00:23:05,345 --> 00:23:10,150 その時は この今津屋を辞める時ですぞ。 284 00:23:10,150 --> 00:23:12,450 分かっていますね。 おこん。 285 00:23:15,022 --> 00:23:17,825 …はい。 286 00:23:17,825 --> 00:23:26,500 ♬~ 287 00:23:26,500 --> 00:23:32,773 実は 坂崎様。 本日 玲圓先生に 呼ばれましてな。 はい。 288 00:23:32,773 --> 00:23:36,109 伺うと 速水様が いらっしゃいました。 289 00:23:36,109 --> 00:23:40,447 おこん。 速水様に お会いになったそうな。 290 00:23:40,447 --> 00:23:44,117 はい。 その速水様から➡ 291 00:23:44,117 --> 00:23:49,790 思いもかけぬお話を 頂きましてなあ。 のう 由蔵。 292 00:23:49,790 --> 00:23:51,790 はい。 293 00:23:53,460 --> 00:23:56,363 (玲圓)実はのう 今津屋殿。 294 00:23:56,363 --> 00:24:01,335 速水殿が おこんさんを 養女に 貰い受けたいと言われるのじゃ。 295 00:24:01,335 --> 00:24:03,335 おこんを養女に? 296 00:24:05,072 --> 00:24:10,477 先日 おこんに会って その素直な 心ばえに いたく感じ入った。➡ 297 00:24:10,477 --> 00:24:15,148 聞けば 坂崎殿と 夫婦の約束をしておるとか。➡ 298 00:24:15,148 --> 00:24:18,819 もし 坂崎殿が 玲圓殿のご養子になるなら➡ 299 00:24:18,819 --> 00:24:24,157 おこんを 我が家の養女にして 祝言をあげれば 何の支障もない。 300 00:24:24,157 --> 00:24:27,494 いえ それは…。 301 00:24:27,494 --> 00:24:30,831 この速水左近では 不服かな? 302 00:24:30,831 --> 00:24:37,104 滅相もない! 不服などとは…。➡ 303 00:24:37,104 --> 00:24:39,039 旦那様…。 304 00:24:39,039 --> 00:24:44,444 これはまた 思いのほかのお話で ございますなあ。 305 00:24:44,444 --> 00:24:48,115 よくよく 相談のうえ 返答されたい。 306 00:24:48,115 --> 00:24:50,450 はっ… はい。 307 00:24:50,450 --> 00:24:56,790 ♬~ 308 00:24:56,790 --> 00:25:00,127 そのようなことが…。 はい。 309 00:25:00,127 --> 00:25:04,798 坂崎様 どうなされますか? 310 00:25:04,798 --> 00:25:11,138 某 剣の道は捨てられぬと 思うております。 311 00:25:11,138 --> 00:25:18,478 父の許しは得ました。 あとは 母の承諾を得るだけです。 312 00:25:18,478 --> 00:25:20,778 …おこんさん。 313 00:25:23,150 --> 00:25:26,150 私の気持ちは 決まっております。 314 00:25:29,489 --> 00:25:34,094 許されるのなら 速水様の養女となり➡ 315 00:25:34,094 --> 00:25:37,794 坂崎さんと 生涯 添い遂げとうございます。 316 00:25:40,434 --> 00:25:44,304 ♬~ 317 00:25:44,304 --> 00:25:49,109 由蔵… これは しかたありませんなあ。 318 00:25:49,109 --> 00:25:52,012 …はい。 319 00:25:52,012 --> 00:25:55,449 ♬~ 320 00:25:55,449 --> 00:25:58,118 よかったですね おこんさん。 321 00:25:58,118 --> 00:26:02,456 ♬~ 322 00:26:02,456 --> 00:26:04,456 はい。 323 00:26:07,127 --> 00:26:12,799 旦那様…。 この由蔵は 悔しゅうございますぞ。 324 00:26:12,799 --> 00:26:18,472 坂崎様と おこんさん。 この 今津屋にとって 大切な人を➡ 325 00:26:18,472 --> 00:26:23,343 …玲圓先生と速水様という➡ 326 00:26:23,343 --> 00:26:26,813 お武家に とられるのでございますから。 327 00:26:26,813 --> 00:26:30,150 ♬~ 328 00:26:30,150 --> 00:26:33,420 由蔵…。 (由蔵)はい はい はい… しかし➡ 329 00:26:33,420 --> 00:26:39,092 これは おめでたいことなので ございますよね… はい。➡ 330 00:26:39,092 --> 00:26:42,392 めでたい…。 元締さん…。 331 00:26:44,431 --> 00:26:50,103 実に めでたい! めでたい めでたい…。 332 00:26:50,103 --> 00:27:01,448 ♬~ 333 00:27:01,448 --> 00:27:05,318 (お有)ほっといたしました。 何がですか? 334 00:27:05,318 --> 00:27:08,121 あの父が 柳次郎様を 温かく➡ 335 00:27:08,121 --> 00:27:10,791 もてなしてくれたことで ございます。 336 00:27:10,791 --> 00:27:13,126 坂崎さんのおかげです。 337 00:27:13,126 --> 00:27:17,998 私が 両替商行司の今津屋や 御側衆の速水様のお骨折りで➡ 338 00:27:17,998 --> 00:27:21,802 品川家を継げたことが 幸いしたのでしょう。 339 00:27:21,802 --> 00:27:23,737 それも ありましょうが➡ 340 00:27:23,737 --> 00:27:28,475 柳次郎様のお人柄を 随分と 好ましく思ったようでした。 341 00:27:28,475 --> 00:27:30,811 さようですか。 はい。 342 00:27:30,811 --> 00:27:34,081 いや~ 母も きっと 喜びます。 343 00:27:34,081 --> 00:27:37,751 髪結いに行けだの 羽織 袴は どうしたなど➡ 344 00:27:37,751 --> 00:27:40,420 大騒ぎだったのですから。 まあ…。 345 00:27:40,420 --> 00:27:42,420 (2人の笑い声) 346 00:27:44,091 --> 00:27:47,961 元締さんったら すっかり 涙もろくなって。 347 00:27:47,961 --> 00:27:53,433 お佐紀殿に お子が生まれた時が 目に浮かぶようです。 はい。 348 00:27:53,433 --> 00:27:56,433 (柳次郎)坂崎さん! あら~。 349 00:27:59,306 --> 00:28:01,308 お二人して どちらへ? 350 00:28:01,308 --> 00:28:04,444 お有殿の家に ちょっと ご挨拶に行ってきました。 351 00:28:04,444 --> 00:28:07,114 それでは 首尾よく いったのですね。 352 00:28:07,114 --> 00:28:09,049 はい! いやぁ…。 353 00:28:09,049 --> 00:28:10,984 (2人の笑い声) 354 00:28:10,984 --> 00:28:15,455 行く末を決めた 男と女が そこにいた…。 355 00:28:15,455 --> 00:28:21,128 ♬~ 356 00:28:21,128 --> 00:28:23,063 どうだ! 357 00:28:23,063 --> 00:28:25,999 そして ここにも…。 358 00:28:25,999 --> 00:28:33,073 ♬~ 359 00:28:33,073 --> 00:28:35,976 お! 先に行くのが 坂崎さんで➡ 360 00:28:35,976 --> 00:28:38,945 後を追うのが おこんさんだ。 ハハハハ…。 361 00:28:38,945 --> 00:28:43,083 違いますよ~。 品川さんと お有さんです。 362 00:28:43,083 --> 00:28:47,420 だって「キユウ~ン ヒユ~ン」って 鳴いてたもの。 ね! 363 00:28:47,420 --> 00:28:51,291 うそでしょう? (3人の笑い声) 364 00:28:51,291 --> 00:28:56,291 磐音にとって 束の間の 安らぎの時であった。 365 00:28:59,032 --> 00:29:02,769 (柳次郎)荷揚げの最中 足を滑らせ けがしたそうです。 366 00:29:02,769 --> 00:29:05,438 (早苗)父が あんなことでは 母が かわいそうです。 367 00:29:05,438 --> 00:29:08,775 (武左衛門)金のために 奉公に 出るなど このわしが許さん! 368 00:29:08,775 --> 00:29:11,444 (金兵衛)親を捨てる度に 娘は➡ 369 00:29:11,444 --> 00:29:14,347 幸せになっていくもんなんですよ。 370 00:29:14,347 --> 00:29:18,118 (千次)坂崎様は 橘 右馬介って お侍を ご存じで? 371 00:29:18,118 --> 00:29:20,053 刺客の1人です。 372 00:29:20,053 --> 00:30:26,353 ♬~ 373 00:30:33,393 --> 00:30:38,131 (ユカイ)本当に ミニチュアを見てるみたいだな~。 374 00:30:38,131 --> 00:30:40,831 豆粒のような…。 375 00:30:50,477 --> 00:30:54,814 いや~ 富士山が うすぼんやりと見えますけどね。 376 00:30:54,814 --> 00:30:58,485 これは 幻想じゃないですよね? うん。 377 00:30:58,485 --> 00:31:03,485 これが またね すてきなもんなんですよ。