1 00:00:33,771 --> 00:00:41,846 ♬~ 2 00:00:41,846 --> 00:00:45,182 [ 心の声 ] (磐音)琴平 慎之輔 舞殿…➡ 3 00:00:45,182 --> 00:00:49,882 これより 関前に行ってまいる。 待っていてくれ。 4 00:00:53,057 --> 00:00:56,794 (カラスの鳴き声) 5 00:00:56,794 --> 00:01:02,733 (雑賀)我らの栄光を図り 決戦の地は 遠州 相良。 6 00:01:02,733 --> 00:01:09,206 坂崎磐音の素っ首 必ずや 打ち落とすのじゃ。 7 00:01:09,206 --> 00:01:12,877 (部下たち)お~っ! 8 00:01:12,877 --> 00:01:20,751 ♬~ 9 00:01:20,751 --> 00:01:22,887 ≪(鈴の音) 10 00:01:22,887 --> 00:01:39,837 ♬~ 11 00:01:39,837 --> 00:01:41,772 (柳次郎) これは 越中 富山の薬です。 12 00:01:41,772 --> 00:01:44,508 坂崎さんは 旅慣れてるからと 言ったのですが➡ 13 00:01:44,508 --> 00:01:47,845 母が どうしてもと言うので…。 ありがたい。 14 00:01:47,845 --> 00:01:49,780 薬は いくらあっても 助かります。 15 00:01:49,780 --> 00:01:52,182 (武左衛門)わしも 何か 持たせたいところだが➡ 16 00:01:52,182 --> 00:01:56,520 永の貧乏暮らしで それができん。 アハハ…。 17 00:01:56,520 --> 00:02:02,393 だが 道中の無事は 祈っておるぞ。 (かしわ手を打つ音) 18 00:02:02,393 --> 00:02:04,862 (勢津)お体を大切に。 おこんさん。 19 00:02:04,862 --> 00:02:07,197 (おこん)はい。 ありがとうございます。 20 00:02:07,197 --> 00:02:11,068 (磯次)元気な姿で戻ってくるのを 楽しみにしてるよ。 なっ 幸吉。 21 00:02:11,068 --> 00:02:14,071 (幸吉)分かってねえな。 坂崎さんは 帰ってきたら➡ 22 00:02:14,071 --> 00:02:17,541 江戸一の佐々木道場の 跡継ぎなんだぜ。 父ちゃん。 23 00:02:17,541 --> 00:02:19,877 (徳三) そうそう。 この長屋だって➡ 24 00:02:19,877 --> 00:02:22,212 今日を限りに 引き払ったんだからなあ。 25 00:02:22,212 --> 00:02:25,883 (おいち)寂しくなるねぇ。 (はつね)忘れないでおくれよ。 26 00:02:25,883 --> 00:02:28,552 深川をさ。 この長屋をさ。 27 00:02:28,552 --> 00:02:32,823 忘れるわけないでしょ。 私は ここで 生まれたんだから。 28 00:02:32,823 --> 00:02:35,726 某も 忘れることはありません。 29 00:02:35,726 --> 00:02:39,163 (金兵衛)あ~ さあさあさあさあ もう行った 行った~。 30 00:02:39,163 --> 00:02:41,498 いつまでも ぐずぐずしたって しょうがねえや。 なっ。 31 00:02:41,498 --> 00:02:43,434 早く行け 行け 行け ほら。 32 00:02:43,434 --> 00:02:46,370 じゃあね お父っつぁん。 33 00:02:46,370 --> 00:02:50,670 何でえ… おめえ 深川女のくせ しやがって。 34 00:02:53,844 --> 00:02:57,514 そんな娘に育てた 覚えはねえぞ。 こん畜生。 35 00:02:57,514 --> 00:03:00,851 てめえだって 泣いてんじゃねえかよ。 36 00:03:00,851 --> 00:03:04,521 おい! どてらの金兵衛 しっかりせい! 37 00:03:04,521 --> 00:03:09,193 (柳次郎)まことに! (一同の笑い声) 38 00:03:09,193 --> 00:03:15,866 ♬~ 39 00:03:15,866 --> 00:03:19,203 いつもと変わらぬ 江戸の朝。 40 00:03:19,203 --> 00:03:24,074 しかし 磐音とおこんにとっては 新たな旅立ちの朝であった。 41 00:03:24,074 --> 00:03:30,547 ♬~ 42 00:03:30,547 --> 00:03:40,547 ♬~(テーマ音楽) 43 00:03:42,826 --> 00:03:46,126 足は痛みますか? 大丈夫です。 44 00:03:48,165 --> 00:03:54,838 あ~あ いい景色。 こんは 幸せ者です。 45 00:03:54,838 --> 00:03:57,741 坂崎さんといると➡ 46 00:03:57,741 --> 00:04:02,513 こうして 2人で 何度も 旅ができます。 フフフ…。 47 00:04:02,513 --> 00:04:06,383 関前の母に会うことを思えば おこんさんにとって➡ 48 00:04:06,383 --> 00:04:09,386 気の重い旅ではないかと 案じておりましたが。 49 00:04:09,386 --> 00:04:11,522 まだ 江戸を離れたばかりです。 50 00:04:11,522 --> 00:04:17,194 考えても しかたのないことは 考えないことにしたんです。 51 00:04:17,194 --> 00:04:23,534 あっ… 私 お義母上様から頂いた 帯を持ってきたんです。 52 00:04:23,534 --> 00:04:25,869 さようですか。 53 00:04:25,869 --> 00:04:29,206 喜んで頂けると いいんだけど…。 54 00:04:29,206 --> 00:04:39,817 ♬~ 55 00:04:39,817 --> 00:04:44,154 (娘)お父! おっ母みてえな雲だ。 (父)んだのう! 56 00:04:44,154 --> 00:04:46,090 (2人の笑い声) 57 00:04:46,090 --> 00:04:49,790 今頃 金兵衛殿は どうしているでしょうね。 58 00:04:51,495 --> 00:04:54,832 長屋を出る時 泣いておられた。 59 00:04:54,832 --> 00:05:03,841 ♬~ 60 00:05:03,841 --> 00:05:07,841 ≪(男)竿屋~ 竿竹~。 61 00:05:11,715 --> 00:05:15,853 早苗~ 早苗! 62 00:05:15,853 --> 00:05:17,788 (早苗)父上! 63 00:05:17,788 --> 00:05:21,191 よ~う 元気にしておったか? 64 00:05:21,191 --> 00:05:24,094 どうしたのですか? このような所へ…。 65 00:05:24,094 --> 00:05:26,063 近くに 用があってな。 66 00:05:26,063 --> 00:05:29,867 ついでに 今津屋に 御用がないか 聞きにきた。 67 00:05:29,867 --> 00:05:33,737 そうそう 父上に 御用があるはずなどありません。 68 00:05:33,737 --> 00:05:37,474 困ります。 このような所に 顔を出されては…。 69 00:05:37,474 --> 00:05:41,812 何を言っとる。 父が娘の働く 場所に顔を出して 何が悪い。 70 00:05:41,812 --> 00:05:45,682 それより 奉公はどうだ? つらくはないか? 71 00:05:45,682 --> 00:05:48,485 文句があるなら 父が 言うてやるぞ。 72 00:05:48,485 --> 00:05:52,356 (由蔵)ああ これは 竹村様。 なんぞ 御用でございますかな? 73 00:05:52,356 --> 00:05:54,358 申し訳ございません! 74 00:05:54,358 --> 00:05:56,360 (お佐紀) 何を謝っているのですか? 75 00:05:56,360 --> 00:05:59,997 かわいい娘が 心配で心配で たまらなくなって➡ 76 00:05:59,997 --> 00:06:04,168 やって来て下さったのですよ。 ね 竹村様。 77 00:06:04,168 --> 00:06:06,503 あっ いや~ そのような。 78 00:06:06,503 --> 00:06:10,374 あっ 椎茸だ 椎茸だ。 干し椎茸で ございます。 79 00:06:10,374 --> 00:06:13,377 ただいま 関前から着いた船から ちょっと…➡ 80 00:06:13,377 --> 00:06:17,377 ちょうだいしてまいりました。 早苗。 はい。 81 00:06:19,082 --> 00:06:24,521 なるほど 関前か…。 お そういえば➡ 82 00:06:24,521 --> 00:06:27,858 坂崎さんと おこんさんは 今頃 どの辺りかの? 83 00:06:27,858 --> 00:06:30,761 藤沢を過ぎた辺りでしょうか。 84 00:06:30,761 --> 00:06:34,131 お二人には 関前への 帰り船も ありますから➡ 85 00:06:34,131 --> 00:06:37,467 それに乗った方が早いと お勧めしたのですがな。➡ 86 00:06:37,467 --> 00:06:40,137 どちらにしても あちら様への土産も➡ 87 00:06:40,137 --> 00:06:44,007 積まねばなりませんから。 あっ ハハハ… 土産な。 88 00:06:44,007 --> 00:06:47,811 そうです! いかがなさいました。 89 00:06:47,811 --> 00:06:50,511 よいことを思いつきました! 90 00:06:55,485 --> 00:07:03,485 (宿場のざわめき) 91 00:07:12,836 --> 00:07:14,771 霧子さん…! 92 00:07:14,771 --> 00:07:18,709 霧子。 このような所で 何をしておる? 93 00:07:18,709 --> 00:07:23,180 答えよ 霧子! このこと 玲圓先生は ご存じなのか? 94 00:07:23,180 --> 00:07:25,515 ちょっと待ってよ 坂崎さん。 95 00:07:25,515 --> 00:07:28,185 そんなふうに 頭ごなしに言われたら➡ 96 00:07:28,185 --> 00:07:31,485 霧子さんだって 答えづらいでしょう。 97 00:07:33,023 --> 00:07:36,793 霧子さん 何か 訳があるんでしょ? 98 00:07:36,793 --> 00:07:40,130 坂崎さんだって 訳さえ 話してくれれば➡ 99 00:07:40,130 --> 00:07:43,130 きっと 分かってくれるはずだから。 100 00:07:44,801 --> 00:07:50,674 (霧子)私… 坂崎様の お手伝いが したいのです。 101 00:07:50,674 --> 00:07:52,674 …手伝い? 102 00:07:54,811 --> 00:08:00,484 私がいた雑賀衆のせいで 坂崎様は お命を狙われてきました。 103 00:08:00,484 --> 00:08:05,355 此度の関前への道中 必ず 頭の雑賀泰造が 現れます。 104 00:08:05,355 --> 00:08:11,128 なんとしてでも 頭との決着を この手で つけたいのです。 105 00:08:11,128 --> 00:08:15,832 霧子… そなたは そのようなことは考えず➡ 106 00:08:15,832 --> 00:08:19,703 玲圓先生の下 道場の仲間とともに➡ 107 00:08:19,703 --> 00:08:24,174 己の生きる道を見つけよと 言うておいたはずだ。 108 00:08:24,174 --> 00:08:27,077 雑賀泰造を葬った その時 初めて➡ 109 00:08:27,077 --> 00:08:30,777 己の道が 見つかるような気がするのです。 110 00:08:32,449 --> 00:08:34,384 お願いいたします。 111 00:08:34,384 --> 00:08:38,121 どうぞ 霧子を お供に連れていって下さい。 112 00:08:38,121 --> 00:08:40,791 玲圓先生には お手紙を置いてまいりました。 113 00:08:40,791 --> 00:08:42,726 決して お二人の邪魔は いたしません。 114 00:08:42,726 --> 00:08:46,129 お願いいたします! 115 00:08:46,129 --> 00:08:58,709 ♬~ 116 00:08:58,709 --> 00:09:01,678 [ 心の声 ] (玲圓)己の道を旅先で探るか…。 117 00:09:01,678 --> 00:09:05,816 ♬~ 118 00:09:05,816 --> 00:09:07,751 それも よかろう。 119 00:09:07,751 --> 00:09:16,451 ♬~ 120 00:09:18,161 --> 00:09:20,831 (竜間)4人も刺客を 送っておきながら➡ 121 00:09:20,831 --> 00:09:23,734 ことごとく しくじるとは なんということじゃ。 122 00:09:23,734 --> 00:09:28,505 勝負は 時の運。 ざれ言を申すな。 123 00:09:28,505 --> 00:09:33,110 財政逼迫の折に いくらの金をかけたと思うておる。 124 00:09:33,110 --> 00:09:39,449 心配無用。 坂崎磐音は まもなく この相良にて 死ぬことになる。 125 00:09:39,449 --> 00:09:41,785 …まことか? 126 00:09:41,785 --> 00:09:44,121 のんきな女連れの旅。 127 00:09:44,121 --> 00:09:49,459 その気の緩みにつけ込み 一気に 片をつけ申す。 128 00:09:49,459 --> 00:09:53,797 そうか。 うまくいけば よいがのう。 129 00:09:53,797 --> 00:10:00,137 では 首尾よく 坂崎磐音を 葬った時にでも また会おう。 130 00:10:00,137 --> 00:10:02,072 ごめん! 131 00:10:02,072 --> 00:10:06,810 ♬~ 132 00:10:06,810 --> 00:10:10,480 おてん 多聞。 133 00:10:10,480 --> 00:10:15,352 ♬~ 134 00:10:15,352 --> 00:10:19,823 田沼様を これ以上 お待たせするわけにはいかぬ。 135 00:10:19,823 --> 00:10:26,696 最後の勝負をかける時じゃ。 坂崎磐音を見逃すな。 136 00:10:26,696 --> 00:10:30,167 (多聞)お任せ下され。 (雑賀)行け! 137 00:10:30,167 --> 00:10:37,040 ♬~ 138 00:10:37,040 --> 00:10:42,179 どうした。 (おてん) 霧子を いかがいたしましょう? 139 00:10:42,179 --> 00:10:46,049 ♬~ 140 00:10:46,049 --> 00:10:49,853 裏切り者は 始末するのみ。 141 00:10:49,853 --> 00:10:53,523 坂崎磐音…。 142 00:10:53,523 --> 00:10:57,223 目に物 見せてくれるわ! 143 00:10:59,863 --> 00:11:01,863 ごちそうさまでした。 144 00:11:04,734 --> 00:11:09,539 霧子さん 親御さんは? 145 00:11:09,539 --> 00:11:12,539 知らないのです。 知らない…? 146 00:11:16,413 --> 00:11:19,549 私は 母も父も知りません。 147 00:11:19,549 --> 00:11:24,221 仲間がいつぞや 「お前は 摂津の 商家から かどわかされて➡ 148 00:11:24,221 --> 00:11:28,558 雑賀衆に加わった子だ」と もらしたことがございます。 149 00:11:28,558 --> 00:11:32,258 そんな…。 それが 雑賀なのです。 150 00:11:33,830 --> 00:11:37,501 物心ついた時には 女の背に背負われ➡ 151 00:11:37,501 --> 00:11:40,837 山葡萄の実を つんでおりました。 152 00:11:40,837 --> 00:11:44,708 西日がさした山葡萄が 鮮やかで 女の手が➡ 153 00:11:44,708 --> 00:11:49,179 せっせと 山葡萄をつむ度に 私の体が 前かがみになったり➡ 154 00:11:49,179 --> 00:11:53,049 そっくり返ったりしたのを 覚えております。 155 00:11:53,049 --> 00:11:55,049 その女は? 156 00:11:57,854 --> 00:12:00,524 くノ一の小頭だった おてんです。 157 00:12:00,524 --> 00:12:02,859 おてん? 158 00:12:02,859 --> 00:12:06,530 ♬~ 159 00:12:06,530 --> 00:12:12,230 おてんは かつて 磐音の命を 狙った 雑賀のくノ一であった。 160 00:12:14,204 --> 00:12:17,904 (五木)やあ~! (おてん)うわぁ~! 161 00:12:20,076 --> 00:12:22,078 (おてんの悲鳴) 162 00:12:22,078 --> 00:12:27,378 ♬~ 163 00:12:29,553 --> 00:12:33,823 それは すまぬことをした。 某のために。 164 00:12:33,823 --> 00:12:37,160 いえ。 あのことがあった おかげで➡ 165 00:12:37,160 --> 00:12:41,031 今 こうして 生きていられるんです。 166 00:12:41,031 --> 00:12:44,034 それでも 紀州で暮らした 幼い頃は➡ 167 00:12:44,034 --> 00:12:49,506 日が暮れるまで 野山を駆けめぐり 楽しい日々も ございましたから。 168 00:12:49,506 --> 00:12:53,376 ♬~ 169 00:12:53,376 --> 00:12:57,180 初めてだな…。 …はい? 170 00:12:57,180 --> 00:13:00,083 初めて そのような話を聞く。 171 00:13:00,083 --> 00:13:03,853 ♬~ 172 00:13:03,853 --> 00:13:06,756 霧子さん 私でよかったら➡ 173 00:13:06,756 --> 00:13:09,726 これからは 霧子さんの力になるから。 174 00:13:09,726 --> 00:13:31,426 ♬~ 175 00:13:36,486 --> 00:13:39,186 (正睦)磐音たちは 今 どの辺りかのう? 176 00:13:44,160 --> 00:13:47,831 どうした。 うれしくは ないのか? 177 00:13:47,831 --> 00:13:50,500 (照埜) うれしゅうございます。 178 00:13:50,500 --> 00:13:56,373 磐音が この母の願いを聞いて 帰ってくるのですから。 179 00:13:56,373 --> 00:14:01,511 ですが…。 ですが どうした? 180 00:14:01,511 --> 00:14:03,847 何でもございません。 181 00:14:03,847 --> 00:14:05,847 おこんさんのことか? 182 00:14:07,517 --> 00:14:11,187 よいではないか。 そなたに会いたい一心で➡ 183 00:14:11,187 --> 00:14:13,857 この 関前まで来るという。 184 00:14:13,857 --> 00:14:16,760 快く迎えてやればよい。 185 00:14:16,760 --> 00:14:23,533 それもこれも おこん殿という お方しだいでございます。 186 00:14:23,533 --> 00:14:27,871 ♬~ 187 00:14:27,871 --> 00:14:32,142 女子というものは いやはや…。 188 00:14:32,142 --> 00:14:50,160 ♬~ 189 00:14:50,160 --> 00:14:52,860 [ 心の声 ] 磐音…。 190 00:14:54,831 --> 00:14:59,703 そのころ 磐音たち一行は 田沼の 領地 遠州 相良に入っていた。 191 00:14:59,703 --> 00:15:03,506 (女)ひぇ~…。 (男)うるせえ! こっちへ 来やがれ! 192 00:15:03,506 --> 00:15:05,506 (男)…立てよ! 193 00:15:07,177 --> 00:15:09,112 霧子。 はい。 194 00:15:09,112 --> 00:15:13,850 ♬~ 195 00:15:13,850 --> 00:15:15,785 (女の泣き声) (男)とっとと歩け! 196 00:15:15,785 --> 00:15:30,400 ♬~ 197 00:15:30,400 --> 00:15:32,335 おてん…! 198 00:15:32,335 --> 00:15:42,812 ♬~ 199 00:15:42,812 --> 00:15:45,482 おてん! 生きていたのか! 霧子! 200 00:15:45,482 --> 00:15:50,153 ♬~ 201 00:15:50,153 --> 00:15:52,088 そなたは! 202 00:15:52,088 --> 00:15:55,825 坂崎磐音 いつぞやの借りを返す! 203 00:15:55,825 --> 00:16:00,697 ♬~ 204 00:16:00,697 --> 00:16:04,501 やめろ おてん! うるさい! 裏切り者の言葉など聞かぬ! 205 00:16:04,501 --> 00:16:10,173 霧子を離せ。 霧子は生きて 己の 道を見つけるために 離れたのだ。 206 00:16:10,173 --> 00:16:14,043 雑賀のもとにおれば 人を殺す道具でしかない。 207 00:16:14,043 --> 00:16:16,045 よいか。 あ奴にあるのは➡ 208 00:16:16,045 --> 00:16:19,182 そなたたち 雑賀衆のことではない。 209 00:16:19,182 --> 00:16:21,117 己の立身出世のみ! 210 00:16:21,117 --> 00:16:23,417 そうだ。 早く気づけ おてん! 211 00:16:25,054 --> 00:16:27,857 おこんさん! 212 00:16:27,857 --> 00:16:32,695 待ちくたびれたぞ。 坂崎磐音。 213 00:16:32,695 --> 00:16:35,131 雑賀泰造…! 214 00:16:35,131 --> 00:16:37,467 ここが お前の墓場だ~! 215 00:16:37,467 --> 00:16:39,467 (多聞)かかれ~! 216 00:16:46,810 --> 00:16:49,145 目を覚ませ おてん! 何を言うか! 217 00:16:49,145 --> 00:16:52,482 頭は 逃げたのだぞ! 218 00:16:52,482 --> 00:16:57,153 (雑賀)憶するな~! 雑賀衆が 生きるか死ぬかの戦いじゃ。 219 00:16:57,153 --> 00:16:59,088 一人残らず 打ち倒せ~! 220 00:16:59,088 --> 00:17:02,492 ♬~ 221 00:17:02,492 --> 00:17:05,395 (霧子)倒れた喰助を捨て 我らの仲間を捨てて➡ 222 00:17:05,395 --> 00:17:07,363 逃げたのだぞ! 思い出せ! 223 00:17:07,363 --> 00:17:12,502 喰助… 喰助や… 喰助~! 224 00:17:12,502 --> 00:17:15,839 お前は 血にまみれて 一生を過ごす気か! 225 00:17:15,839 --> 00:17:18,174 それでよいのか! うるさい! 226 00:17:18,174 --> 00:17:30,186 ♬~ 227 00:17:30,186 --> 00:17:32,121 坂崎 死ね~! 228 00:17:32,121 --> 00:17:34,121 うっ…! 229 00:17:38,461 --> 00:17:40,396 ああ…! 230 00:17:40,396 --> 00:17:43,800 親方… あっ ううっ…! 231 00:17:43,800 --> 00:17:47,100 あっ 多聞…。 232 00:17:49,472 --> 00:17:51,808 悪運の強い奴め。 233 00:17:51,808 --> 00:17:54,143 ひえ~っ! (雑賀)うりゃ~! 234 00:17:54,143 --> 00:17:56,479 (悲鳴) 235 00:17:56,479 --> 00:18:00,350 なんということを…。 仲間ではないのか! 236 00:18:00,350 --> 00:18:04,821 ほざけ。 仲間などと なまぬるいことを。➡ 237 00:18:04,821 --> 00:18:08,691 地をはいずり 泥水を飲んで もがき苦しみ➡ 238 00:18:08,691 --> 00:18:11,991 生きたこともない男に 何が分かる! 239 00:18:14,831 --> 00:18:17,500 霧子! おこんさんを。 240 00:18:17,500 --> 00:18:20,403 ♬~ 241 00:18:20,403 --> 00:18:25,375 田沼様も そろそろ しびれを切らし始めておる。 242 00:18:25,375 --> 00:18:29,512 雑賀泰造。 己の立身出世のために 仲間を利用し➡ 243 00:18:29,512 --> 00:18:32,782 その骸を踏みにじり 果ては 刺客を使い➡ 244 00:18:32,782 --> 00:18:37,120 某を襲わせし お主の振る舞い。 卑怯千万。 245 00:18:37,120 --> 00:18:40,023 今 この場で 引導を渡してくれる! 246 00:18:40,023 --> 00:18:44,794 何 たわ言をぬかしておる。 この世に生まれたからには➡ 247 00:18:44,794 --> 00:18:48,464 立身出世を望まぬ者など おらん。 248 00:18:48,464 --> 00:18:51,801 誰しもが 己のために 生きておる。 249 00:18:51,801 --> 00:18:55,471 そのためなら なんびとであろうと 利用する。 250 00:18:55,471 --> 00:18:58,771 それが わしじゃ! 雑賀泰造よ! 251 00:19:00,343 --> 00:19:04,480 引導を渡されるのは お主の方じゃ~! 252 00:19:04,480 --> 00:19:06,416 頭…。 253 00:19:06,416 --> 00:19:29,706 ♬~ 254 00:19:29,706 --> 00:19:33,109 坂崎さ~ん! おてん。 そ奴らを殺せ! 255 00:19:33,109 --> 00:19:37,447 ♬~ 256 00:19:37,447 --> 00:19:39,382 おて~ん! 257 00:19:39,382 --> 00:19:59,702 ♬~ 258 00:19:59,702 --> 00:20:04,402 うわっ… う~ あっ! う~…。 259 00:20:06,142 --> 00:20:08,142 (うめき声) 260 00:20:09,812 --> 00:20:17,512 (笑い声) 261 00:20:19,489 --> 00:20:25,828 (笑い声) 262 00:20:25,828 --> 00:20:35,828 (火の燃える音) 263 00:20:38,174 --> 00:20:40,174 坂崎さん…。 264 00:20:43,046 --> 00:20:46,346 すべては 終わりました。 265 00:20:50,753 --> 00:20:53,523 おてん…。 266 00:20:53,523 --> 00:20:56,192 頼む。 死なせてくれ! 267 00:20:56,192 --> 00:20:58,127 おてん! 268 00:20:58,127 --> 00:21:03,866 ♬~ 269 00:21:03,866 --> 00:21:08,538 死んでどうなる。 雑賀は もういないのだ。 270 00:21:08,538 --> 00:21:15,211 これからは 己の生きる道を探し 目指すのだ。 271 00:21:15,211 --> 00:21:21,084 坂崎様の言うとおりだ。 生きるのだ。 272 00:21:21,084 --> 00:21:24,554 生きてこそ 報われることもある。 273 00:21:24,554 --> 00:21:28,891 私が 坂崎様や おこんさんと 知り合ったように。 274 00:21:28,891 --> 00:21:32,591 分かるか おてん。 275 00:21:34,497 --> 00:21:39,368 (2人の泣き声) 276 00:21:39,368 --> 00:21:52,068 ♬~ 277 00:21:55,785 --> 00:21:58,721 そうか。 里に戻るか。 278 00:21:58,721 --> 00:22:03,526 はい。 おてんと共に はなから やり直したいのです。 279 00:22:03,526 --> 00:22:06,429 寂しくなるわね。 280 00:22:06,429 --> 00:22:11,429 忘れません。 おこんさんの 温かい手を。 うん。 281 00:22:15,872 --> 00:22:17,872 元気でいて下さいね。 282 00:22:21,210 --> 00:22:24,881 よいか 霧子。 いつでも戻ってくればよい。 283 00:22:24,881 --> 00:22:27,784 我らは 身内じゃ。 284 00:22:27,784 --> 00:22:32,784 坂崎様… ありがとうございます。 285 00:22:34,490 --> 00:22:38,790 おてんさん。 霧子さんを よろしくお願いします。 286 00:22:41,364 --> 00:22:47,503 はい。 坂崎様 おこんさん… お元気で。 287 00:22:47,503 --> 00:23:06,856 ♬~ 288 00:23:06,856 --> 00:23:13,156 こうして 磐音と おこんは 再び 関前を目指して歩き始めた。 289 00:23:14,730 --> 00:23:19,030 (鈴の音) 290 00:23:29,879 --> 00:23:36,152 おのぶ… 坂崎さんと おこんの奴は➡ 291 00:23:36,152 --> 00:23:40,489 そろそろ 関前に着く頃じゃねえか?➡ 292 00:23:40,489 --> 00:23:44,827 世が世ならば 結ばれない2人だが➡ 293 00:23:44,827 --> 00:23:49,527 縁があって ああいうことに なってしまった。 294 00:23:51,167 --> 00:23:56,839 こうなったうえは 先様の親御さんと➡ 295 00:23:56,839 --> 00:24:00,710 うまくいくようにと 願うばかりだ。 296 00:24:00,710 --> 00:24:10,186 まぁ… 長い間 今津屋に 奉公してきた娘だ。 297 00:24:10,186 --> 00:24:19,528 粗相はしねえと思うが… どうか 見守ってやってくれ。 298 00:24:19,528 --> 00:24:24,867 頼むぜ おのぶ。 299 00:24:24,867 --> 00:24:28,204 ♬~ 300 00:24:28,204 --> 00:24:30,873 (鳥の鳴き声) 301 00:24:30,873 --> 00:24:35,478 その青空は 遠く関前まで続いていた。 302 00:24:35,478 --> 00:24:43,152 ♬~ 303 00:24:43,152 --> 00:24:46,055 美しいお城…。 304 00:24:46,055 --> 00:24:51,027 白鶴城です。 白鶴…。 305 00:24:51,027 --> 00:24:54,497 ここで 坂崎さんは 育ったのですね。 306 00:24:54,497 --> 00:25:00,836 はい。 小さい国ですが 海の幸 山の幸に恵まれ➡ 307 00:25:00,836 --> 00:25:04,507 気候は温暖 住む人々は おおらかです。 308 00:25:04,507 --> 00:25:27,530 ♬~ 309 00:25:27,530 --> 00:25:30,433 いかがしました? 310 00:25:30,433 --> 00:25:34,733 こんを… よろしくお願いしますね。 311 00:25:36,339 --> 00:25:40,109 我が母が どのようなことを 言いだそうとも➡ 312 00:25:40,109 --> 00:25:44,814 おこんさんと某の間に 変わりが あろうはずも ありません。 313 00:25:44,814 --> 00:25:46,749 生涯一緒です。 314 00:25:46,749 --> 00:25:51,153 ♬~ 315 00:25:51,153 --> 00:25:55,024 はい。 …さあ。 316 00:25:55,024 --> 00:26:07,703 ♬~ 317 00:26:07,703 --> 00:26:09,703 (伊代)兄上! 318 00:26:11,474 --> 00:26:14,377 伊代。 ちょうどようございました。 319 00:26:14,377 --> 00:26:17,179 兄上たちが お戻りになられる頃かと➡ 320 00:26:17,179 --> 00:26:19,515 坂崎の家へ向かう途中でした。 321 00:26:19,515 --> 00:26:22,184 そうか。 元気そうで なによりじゃ。 322 00:26:22,184 --> 00:26:24,854 (源太郎)義兄上 お久しぶりでございます。 323 00:26:24,854 --> 00:26:27,523 よく お戻りになられました。 324 00:26:27,523 --> 00:26:31,394 源太郎殿か。 伊代が 世話になっておる。 325 00:26:31,394 --> 00:26:36,394 伊代 源太郎殿 こちらが おこんさんじゃ。 326 00:26:38,134 --> 00:26:42,004 こんでございます。 よろしくお願いいたします。 327 00:26:42,004 --> 00:26:45,808 井筒源太郎です。 328 00:26:45,808 --> 00:26:51,680 妻の伊代にございます。 私どもの祝言の際には➡ 329 00:26:51,680 --> 00:26:56,152 過分な物を ちょうだいいたし ありがとうございました。 330 00:26:56,152 --> 00:26:58,087 いいえ。 そのような…。 331 00:26:58,087 --> 00:27:01,023 まこと 父のおっしゃったとおりの お方です。 332 00:27:01,023 --> 00:27:04,026 ねっ 源太郎様。 ああ。 333 00:27:04,026 --> 00:27:06,796 父上が 何と申したのだ。 334 00:27:06,796 --> 00:27:13,702 それはもう お美しいお方だと… いや~ まことに。 はい。 335 00:27:13,702 --> 00:27:19,002 困ります。 そのような…。 336 00:27:20,843 --> 00:27:25,514 あっ お忘れですか。 弟の遼次郎です。 337 00:27:25,514 --> 00:27:27,514 遼次郎 ご挨拶せぬか。 338 00:27:29,185 --> 00:27:32,455 井筒遼次郎です。 以後 お見知りおきを。 339 00:27:32,455 --> 00:27:38,127 お目にかかったことがある。 あのころは まだ 少年だったが。 340 00:27:38,127 --> 00:27:40,062 坂崎磐音でござる。 341 00:27:40,062 --> 00:27:42,998 はい! ご高名は かねがね…。 342 00:27:42,998 --> 00:27:44,998 (源太郎)では 参りましょうか。 343 00:27:47,470 --> 00:28:18,167 ♬~ 344 00:28:18,167 --> 00:28:20,503 (家臣)磐音様 お見えにございます。 345 00:28:20,503 --> 00:28:55,503 ♬~ 346 00:28:58,807 --> 00:29:02,678 その節は 上意とはいえ 某 琴平をこの手であやめ➡ 347 00:29:02,678 --> 00:29:06,482 許婚であった奈緒殿までを捨て 申し訳ござらぬ。 348 00:29:06,482 --> 00:29:10,352 坂崎家は 当代で終わりと しなければなりません。 349 00:29:10,352 --> 00:29:15,824 今津屋には 跡継ぎ 関前では 仮祝言。 350 00:29:15,824 --> 00:29:19,161 (正睦)忘れるな 磐音。 友の死があったればこそ➡ 351 00:29:19,161 --> 00:29:22,064 今のそなたがおる。 352 00:29:22,064 --> 00:30:26,764 ♬~ 353 00:30:33,769 --> 00:30:48,183 ♬~ 354 00:30:48,183 --> 00:30:53,983 この国には こんな光と色があったんだ。