1 00:00:09,976 --> 00:00:11,277 (義時(よしとき))お二人は 2 00:00:12,112 --> 00:00:14,681 御所に参るための 装束にお着替えになり 3 00:00:15,715 --> 00:00:21,621 その時 渡された腰刀を使っての 見事なご最期だったそうで 4 00:00:23,823 --> 00:00:25,425 (八重(やえ))そんなの おかしい 5 00:00:28,028 --> 00:00:30,397 あなただって同じ思いのはずです 6 00:00:32,165 --> 00:00:36,569 小四郎(こしろう) 本当は何があったのですか 7 00:00:41,141 --> 00:00:46,913 父は なぜ死ななければ ならなかったのですか 8 00:00:48,848 --> 00:00:50,917 これ以上の詮索は やめましょう 9 00:00:51,618 --> 00:00:52,819 申し訳ありません 10 00:00:59,526 --> 00:01:01,461 江間(えま)に来てくれませんか 11 00:01:02,529 --> 00:01:04,831 伊豆は 私たちの ふるさと 12 00:01:05,899 --> 00:01:09,836 今は ゆっくり休まれることです 13 00:01:14,707 --> 00:01:15,442 どうか 14 00:01:20,580 --> 00:01:22,348 お任せします 15 00:01:26,619 --> 00:01:28,621 ♪~ 16 00:03:31,844 --> 00:03:33,846 ~♪ 17 00:03:37,383 --> 00:03:41,454 (実衣(みい))鎌倉殿 父上 そして姉上 18 00:03:41,788 --> 00:03:45,858 全成(ぜんじょう)殿との婚儀 お認めくださり ありがとうございます 19 00:03:46,292 --> 00:03:49,662 (頼朝(よりとも))フフフ いつから ほれておったのだ 20 00:03:50,563 --> 00:03:52,632 (全成) 生まれる前からにございます 21 00:03:53,199 --> 00:03:54,601 (実衣)言ってることが よく分からないところに 22 00:03:54,667 --> 00:03:55,768 引かれました 23 00:03:57,103 --> 00:04:00,340 (政子(まさこ))さて こうなると 次は小四郎の番ね 24 00:04:00,406 --> 00:04:01,708 (義時)私のことは 25 00:04:02,241 --> 00:04:05,178 (時政(ときまさ))八重と 一緒になってほしかったなあ 26 00:04:05,245 --> 00:04:06,546 (政子)かわいそうでしょう 27 00:04:06,613 --> 00:04:09,515 ようやく 心の傷が癒えてきたというのに 28 00:04:10,049 --> 00:04:11,718 (実衣)八重さんといえば 29 00:04:12,619 --> 00:04:15,288 爺様(じさま)は 何であんなことに なってしまわれたの? 30 00:04:20,593 --> 00:04:24,897 祐親(すけちか)は 見事に武士としての意地を通した 31 00:04:25,498 --> 00:04:27,066 あっぱれと言うほかない 32 00:04:27,367 --> 00:04:31,571 (時政)最後まで 筋の通ったお方でござった 33 00:04:33,873 --> 00:04:36,509 八重さんは 私が引き取ることにしました 34 00:04:37,510 --> 00:04:38,578 嘘(うそ)でしょう? 35 00:04:38,645 --> 00:04:40,713 一緒に暮らすの? 振られたのに 36 00:04:40,780 --> 00:04:42,548 そういうことではなく 37 00:04:42,715 --> 00:04:45,184 あの方には 江間で暮らしてもらいます 38 00:04:45,251 --> 00:04:47,587 私は たまに 様子を見に行くだけです 39 00:04:48,087 --> 00:04:49,555 執念深い 40 00:04:49,622 --> 00:04:51,991 そういうことではなくて 41 00:04:52,525 --> 00:04:55,895 いいんじゃねえか 江間は もともと伊東(いとう)のもんだし 42 00:04:55,962 --> 00:04:58,931 八重だって あんなことがあっちゃ 鎌倉にいたくねえだろう 43 00:04:58,998 --> 00:04:59,699 (義時)はい 44 00:04:59,766 --> 00:05:02,802 さっきから その江間というのが よく分からないんですけど 45 00:05:02,869 --> 00:05:04,804 あら 聞いてないの? 46 00:05:05,171 --> 00:05:06,105 全く 47 00:05:07,106 --> 00:05:10,777 小四郎は 江間の領主になったんだ 48 00:05:11,244 --> 00:05:15,715 (政子)だから名字も変わって 江間小四郎義時に 49 00:05:18,184 --> 00:05:20,186 (実衣)聞いてません! 50 00:05:20,253 --> 00:05:24,857 でもね 言わせてもらうけど その江間小四郎という名 51 00:05:24,924 --> 00:05:26,759 私 まだ なじまないんです 52 00:05:27,226 --> 00:05:30,763 (時政)北条(ほうじょう)の一族の所領が 増えた証しだ 53 00:05:30,830 --> 00:05:32,131 誇りと思わんか 54 00:05:32,198 --> 00:05:33,933 (政子)そうなんですけどね 55 00:05:34,000 --> 00:05:37,236 で 北条の家は誰が継ぐんですか 56 00:05:42,075 --> 00:05:43,076 (実衣)私が何か言ったら 57 00:05:43,142 --> 00:05:45,578 静まり返る決まりでも あるんですか 58 00:05:45,645 --> 00:05:48,514 跡を継ぐのは小四郎に決まっとる 59 00:05:48,781 --> 00:05:49,582 (りく)今のところは 60 00:05:51,684 --> 00:05:52,652 今のところ? 61 00:05:53,953 --> 00:05:56,923 私が男子を産めば もちろん その子が 62 00:05:57,490 --> 00:05:58,257 ねえ 63 00:05:58,958 --> 00:06:02,795 そうなる… かな 64 00:06:02,862 --> 00:06:03,563 (政子)それでいいの? 65 00:06:04,097 --> 00:06:05,298 私は別に 66 00:06:05,365 --> 00:06:06,866 (政子) あなたは そういう人だから 67 00:06:06,933 --> 00:06:08,334 いいかもしれないけど 68 00:06:08,568 --> 00:06:10,403 私は ちょっとねえ 69 00:06:10,470 --> 00:06:14,440 こちらは 私が産んだ子では 不満だとおっしゃってるのかしら 70 00:06:14,507 --> 00:06:15,775 (政子)そうは言ってませんけど 71 00:06:17,110 --> 00:06:22,415 正室たる私の子が跡を継ぎ それを小四郎が支える 72 00:06:22,482 --> 00:06:24,517 すばらしいではないですか 73 00:06:24,951 --> 00:06:26,085 (せきばらい) 74 00:06:27,620 --> 00:06:31,224 北条は この鎌倉の要石(かなめいし)じゃ 75 00:06:31,290 --> 00:06:33,960 その家督は 鎌倉の一大事 76 00:06:34,694 --> 00:06:36,529 軽々(けいけい)に話すことではない 77 00:06:38,231 --> 00:06:39,532 この人が言いだしたんです 78 00:06:40,299 --> 00:06:42,135 ご無礼いたしました 79 00:06:42,201 --> 00:06:44,771 北条は もはや伊豆の小者ではない 80 00:06:45,271 --> 00:06:47,540 それを忘れてもらっては困る 81 00:06:48,341 --> 00:06:49,175 -(義時)はっ -(時政)はっ 82 00:06:49,242 --> 00:06:50,676 (政子)かしこまりました 83 00:06:53,980 --> 00:07:00,253 (語り)能員(よしかず)の義理の母 比企尼(ひきのあま)は 頼朝の乳母(めのと)である 84 00:07:02,522 --> 00:07:07,960 これは これは 遠路ようこそ おいでくださった 85 00:07:08,027 --> 00:07:09,829 ハハハハハハハ 86 00:07:09,896 --> 00:07:14,801 (比企尼)まあ 随分と ご立派になられましたね 87 00:07:14,867 --> 00:07:18,337 ハハハハ 子にとって乳母は 88 00:07:18,404 --> 00:07:22,041 実の親にも勝るとも劣らぬ ありがたきもの 89 00:07:22,108 --> 00:07:28,381 婆様(ばばさま) 長きにわたり よう仕送りをしてくださった 90 00:07:29,816 --> 00:07:30,883 フフ… 91 00:07:32,919 --> 00:07:35,121 ハハハハハハハハ! 92 00:07:35,188 --> 00:07:39,225 おっ オホホホホ 昔のまんまじゃ 93 00:07:39,292 --> 00:07:40,493 (笑い声) 94 00:07:41,260 --> 00:07:44,397 (義盛(よしもり))鎌倉殿のおなりでござる 95 00:07:46,165 --> 00:07:48,401 一同 そろいましてございます 96 00:07:54,607 --> 00:07:55,808 この者たちは… 97 00:07:59,078 --> 00:08:03,449 三善康信(みよしのやすのぶ)の推挙で 都より下ってきた文官じゃ 98 00:08:04,116 --> 00:08:08,321 いずれも 長年 朝廷に仕え 政に精通しておる 99 00:08:09,388 --> 00:08:11,791 大江安芸介広元(おおえのあきのすけひろもと)殿 100 00:08:12,358 --> 00:08:14,894 {\an8}中原斎院次官親能(なかはらさいいんのすけちかよし)殿 101 00:08:15,695 --> 00:08:18,598 {\an8}藤原主計允行政(ふじわらのかずえのじょうゆきまさ)殿で ございます 102 00:08:18,931 --> 00:08:22,201 {\an8}方々 以後お見知りおきを 103 00:08:24,770 --> 00:08:29,108 間もなく 鎌倉殿のお子が お生まれになります 104 00:08:29,709 --> 00:08:32,245 産養(うぶやしない)の儀は 三夜(みつや)を小山(おやま)殿 105 00:08:33,012 --> 00:08:34,780 五夜(いつや)を上総介(かずさのすけ)殿 106 00:08:35,414 --> 00:08:40,386 七夜(しちや)を千葉(ちば)殿 九夜(くや)を北条殿に それぞれ沙汰をお願いいたします 107 00:08:42,588 --> 00:08:43,789 (広常(ひろつね))これが? 108 00:08:44,457 --> 00:08:46,225 (盛長(もりなが))小山(おやま)殿の母上は 109 00:08:46,292 --> 00:08:49,095 鎌倉殿の 乳母のお一人でございます 110 00:08:49,495 --> 00:08:51,063 (広常)乳母かよ 111 00:08:51,430 --> 00:08:54,300 謹んで お受けいたしまする 112 00:08:54,667 --> 00:08:57,570 上総介殿には 引目(ひきめ)役も頼む 113 00:08:58,971 --> 00:09:02,108 喜んでお引き受けつかまつろう 114 00:09:02,508 --> 00:09:06,479 さて 生まれてくる子の乳母夫(めのと)だが… 115 00:09:08,714 --> 00:09:10,650 比企殿に頼むことにした 116 00:09:11,317 --> 00:09:13,619 (能員)身に余る誉れにござる 117 00:09:14,820 --> 00:09:16,822 何で こいつが 118 00:09:17,723 --> 00:09:19,125 これは随分な物言い 119 00:09:19,191 --> 00:09:23,629 武衛(ぶえい) どうせなら 乳母夫も 俺 やるよ 120 00:09:24,864 --> 00:09:27,833 何から何まで そなたというわけにもいくまい 121 00:09:28,401 --> 00:09:33,039 ここは 産養の世話役も含めて 比企殿にお願いした 122 00:09:34,407 --> 00:09:35,141 (能員)かしこまりました 123 00:09:35,908 --> 00:09:38,778 二代にわたり この比企が乳母夫とは 124 00:09:38,844 --> 00:09:40,980 これ以上ない喜びにございます 125 00:09:41,047 --> 00:09:41,948 ふん 126 00:09:44,917 --> 00:09:47,920 (義時)また 安産を祈願し 127 00:09:47,987 --> 00:09:52,391 鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)に神馬(じんめ)一匹を 奉納されることになりました 128 00:09:52,825 --> 00:09:57,263 馬引きのお役は 九郎義経(くろうよしつね)殿 畠山重忠(はたけやまのしげただ)殿 129 00:09:57,330 --> 00:09:59,799 (義経)ちょっと待て もう一度 130 00:10:00,633 --> 00:10:02,535 お二人には 馬引き役をお願いいたします 131 00:10:02,601 --> 00:10:03,903 私が馬引き? 132 00:10:04,737 --> 00:10:07,707 やはり こういうものは 見栄えが大事だからな 133 00:10:08,374 --> 00:10:10,876 (重忠)謹んでお受けいたします 134 00:10:12,178 --> 00:10:13,913 私でなければなりませんか 135 00:10:16,015 --> 00:10:17,283 …というと 136 00:10:18,484 --> 00:10:20,953 馬の扱いが うまくないのです 137 00:10:21,020 --> 00:10:22,288 手綱を引くだけでござる 138 00:10:22,355 --> 00:10:24,857 馬に近づくと やたら くしゃみが出る 139 00:10:25,891 --> 00:10:27,793 安産祈願が不服か 140 00:10:29,328 --> 00:10:30,496 そういうわけでは 141 00:10:30,563 --> 00:10:31,797 そう聞こえたが 142 00:10:31,864 --> 00:10:33,666 では はっきり申し上げます 143 00:10:33,733 --> 00:10:35,534 そんなことをするために 144 00:10:35,601 --> 00:10:38,437 私は ここにいるのでは ありません! 145 00:10:38,904 --> 00:10:43,442 (重忠)九郎殿 これは鎌倉殿の ご信任が厚い証し 146 00:10:43,509 --> 00:10:46,379 私は 名誉なことと思っております 147 00:10:46,445 --> 00:10:49,915 おぬしら御家人にとっては そうかもしれない しかし 私は! 148 00:10:49,982 --> 00:10:52,685 もうよい! お前には頼まぬ 149 00:10:52,752 --> 00:10:53,953 (義時)九郎殿 150 00:10:54,020 --> 00:10:56,589 (常胤(つねたね))そのお役目 わしにお任せください 151 00:10:56,655 --> 00:10:58,391 見栄えがする者と 言ったはずだ! 152 00:10:59,692 --> 00:11:01,694 小四郎 お前がやれ! 153 00:11:01,761 --> 00:11:04,030 お待ちください やはり ここは九郎殿に 154 00:11:04,096 --> 00:11:05,664 この話は ここまでじゃ! 155 00:11:16,042 --> 00:11:18,144 (頼朝)見てのとおりじゃ 156 00:11:18,744 --> 00:11:21,681 あの者たちを束ねるのも 骨が折れる 157 00:11:21,981 --> 00:11:23,783 (広元)お察しいたします 158 00:11:26,018 --> 00:11:28,320 しばらく わしのそばにいて— 159 00:11:28,387 --> 00:11:33,392 この鎌倉に足りぬものは何か 見極めてもらいたい 160 00:11:35,361 --> 00:11:36,996 (広元)かしこまりました 161 00:11:38,330 --> 00:11:45,071 平家と戦えぬ私は ただの役立たず 呼んでください さあ 役立たずと 162 00:11:45,237 --> 00:11:47,740 誰も そうは思っておりませぬ 163 00:11:48,407 --> 00:11:50,976 鎌倉殿を支えてやってくださいな 164 00:11:51,844 --> 00:11:57,550 兄上は本当に 私を跡継ぎと 考えてくれてるのだろうか 165 00:11:59,652 --> 00:12:04,256 あの方は お身内を失い 一人で生きてこられたの 166 00:12:04,724 --> 00:12:08,561 血を分けた兄弟ほど 心強い味方はおりませんよ 167 00:12:08,627 --> 00:12:12,364 でも残念ながら 兄弟は私一人では ない 168 00:12:13,799 --> 00:12:15,301 鎌倉殿は 169 00:12:15,601 --> 00:12:19,872 武人としての九郎殿の才に 一目置いておられます 170 00:12:21,073 --> 00:12:24,844 必ず 鎌倉殿の お役に立つ時が来ます 171 00:12:28,814 --> 00:12:32,017 九郎殿 どうか 172 00:12:36,055 --> 00:12:41,527 御台所(みだいどころ)は 男子(おのこ)か女子(おなご) どちらがいいのです? 173 00:12:42,361 --> 00:12:44,196 丈夫なら どちらでもいいわ 174 00:12:47,399 --> 00:12:49,235 触ってもいいですか 175 00:12:59,211 --> 00:13:02,648 いい子が 生まれますように 176 00:13:11,557 --> 00:13:13,692 (遠元(とおもと))足元 お気をつけて 177 00:13:22,735 --> 00:13:24,470 行ってまいります 178 00:13:24,537 --> 00:13:27,273 よい子を 産んでくれよ 179 00:13:29,742 --> 00:13:35,381 (語り)出産が近づいた政子が 比企の館へ移される 180 00:13:36,382 --> 00:13:37,883 さあ こちらへ 181 00:13:37,950 --> 00:13:40,085 (道(みち))お足元に気をつけて 182 00:13:43,489 --> 00:13:44,757 (大姫(おおひめ))母上! 183 00:13:46,892 --> 00:13:50,229 大姫 案じることはありませんよ 184 00:13:50,296 --> 00:13:51,897 すぐに戻ります 185 00:13:58,837 --> 00:14:02,641 私の時と 随分 扱いが違うじゃありませんか 186 00:14:03,342 --> 00:14:06,278 競い合って どうする 187 00:14:06,345 --> 00:14:07,980 政子も いい気になって… 188 00:14:08,047 --> 00:14:10,349 (政子のまねで)行ってまいります 189 00:14:10,649 --> 00:14:11,550 偉そうに 190 00:14:20,960 --> 00:14:23,662 (義時) しばらく放っておかれたので 191 00:14:23,729 --> 00:14:25,431 少々 荒れておりますが 192 00:14:26,398 --> 00:14:28,567 (八重)片づけ甲斐(がい)があります 193 00:14:29,301 --> 00:14:33,372 八重さんが寂しくないように なるべく顔を出します 194 00:14:33,439 --> 00:14:35,507 二日に一度は来るつもりです 195 00:14:35,574 --> 00:14:40,379 無理なさらないでください 月に一度で結構です 196 00:14:40,446 --> 00:14:41,914 十日に三度 197 00:14:45,084 --> 00:14:46,986 お任せいたします 198 00:14:47,486 --> 00:14:48,220 あっ 199 00:14:58,631 --> 00:15:02,434 (語り)寿永(じゅえい)元年八月十二日 200 00:15:03,302 --> 00:15:06,238 政子は男子(だんし)を出産する 201 00:15:07,006 --> 00:15:09,174 (頼朝)ハハハ 笑った! 202 00:15:09,808 --> 00:15:11,577 政子 ようやった 203 00:15:12,444 --> 00:15:13,279 どうじゃ 204 00:15:13,345 --> 00:15:15,047 (能員) まことに かわいらしゅうござる 205 00:15:15,648 --> 00:15:18,550 {\an8}(語り)万寿(まんじゅ)と 名付けられた この子は 206 00:15:18,617 --> 00:15:22,688 {\an8}後の二代将軍 頼家(よりいえ) 207 00:15:23,756 --> 00:15:25,557 {\an8}(頼朝)ようやった! 208 00:15:29,828 --> 00:15:32,564 ここは どなたの館ですか 209 00:15:32,631 --> 00:15:34,533 すぐに分かります 210 00:15:39,104 --> 00:15:40,105 (義時)あっ… 211 00:15:41,540 --> 00:15:43,409 よう来た 212 00:15:44,777 --> 00:15:45,678 (義時)御免 213 00:15:51,817 --> 00:15:53,285 まあ 座れ 214 00:15:53,519 --> 00:15:54,420 (義時)はっ 215 00:15:59,958 --> 00:16:03,729 いわゆる 隠れがじゃ 216 00:16:05,297 --> 00:16:06,932 ハハハハハハ 217 00:16:13,872 --> 00:16:15,708 (亀(かめ))こんなものしかないけれど 218 00:16:15,975 --> 00:16:17,409 (頼朝)十分じゃ 219 00:16:20,746 --> 00:16:22,014 (亀)いらっしゃい 220 00:16:22,715 --> 00:16:24,383 (盛長)驚かれましたか 221 00:16:24,783 --> 00:16:31,290 あ… 私の知らぬ間に こんな館まで与えているとは 222 00:16:31,357 --> 00:16:33,625 (亀)さすがに 妻の弟に 223 00:16:33,692 --> 00:16:36,829 そばめのことは 話しにくかったんじゃないの 224 00:16:40,232 --> 00:16:42,067 お前も いずれ分かる 225 00:16:42,601 --> 00:16:48,073 妻というものは 子ができたら 夫のことなど そっちのけ 226 00:16:48,140 --> 00:16:51,543 政子は 比企のところへ行ったままじゃ 227 00:16:52,378 --> 00:16:54,213 寂しいぞ 228 00:16:55,147 --> 00:16:56,382 八重さんは お達者で? 229 00:16:58,050 --> 00:16:58,917 はい 230 00:16:59,718 --> 00:17:01,253 伝えておいて 231 00:17:01,520 --> 00:17:06,792 鎌倉殿は 亀が親身に真心尽くして お世話いたしておりますから 232 00:17:06,859 --> 00:17:08,761 ご心配なくって 233 00:17:14,433 --> 00:17:19,872 万寿の乳母夫の件だが 時政は文句を言ってはおらぬか 234 00:17:20,973 --> 00:17:23,275 残念がってはおりましたが 235 00:17:24,676 --> 00:17:26,945 北条のことは頼りにしておる 236 00:17:27,513 --> 00:17:32,184 だが 一つの家に 力が集まり過ぎてはならんのだ 237 00:17:38,524 --> 00:17:41,693 (義時) やはり 亀と何かあったのですね 238 00:17:43,829 --> 00:17:45,597 (義時)亀から聞きました 239 00:17:50,002 --> 00:17:51,303 ここにお願い 240 00:17:53,572 --> 00:17:54,940 忘れました 241 00:17:55,007 --> 00:17:56,875 (義時) 何を言われたか知りませんが 242 00:17:56,942 --> 00:17:58,577 気にすることはありません 243 00:17:58,644 --> 00:17:59,912 忘れましょう 244 00:17:59,978 --> 00:18:02,181 ですから忘れたと申しています 245 00:18:03,816 --> 00:18:05,050 そうでした 246 00:18:09,922 --> 00:18:11,423 (八重)小四郎殿 247 00:18:11,490 --> 00:18:12,324 はい 248 00:18:13,592 --> 00:18:15,894 鎌倉へ戻ってはいけませんか 249 00:18:18,897 --> 00:18:22,334 これ以上 あなたにご迷惑は… 250 00:18:22,401 --> 00:18:23,602 迷惑だなんて 251 00:18:25,104 --> 00:18:30,642 やはり あのお方のおそばに… 252 00:18:34,680 --> 00:18:36,548 おそばにいたいのです 253 00:18:43,589 --> 00:18:47,125 うすうす気付いているとは 思いますが… 254 00:18:51,630 --> 00:18:54,733 あなたの父上のお命を奪うよう 命じたのは 255 00:18:54,800 --> 00:18:56,168 鎌倉殿です 256 00:18:57,803 --> 00:18:59,571 じかに聞いたわけでは ありませんが 257 00:18:59,638 --> 00:19:00,839 間違いない 258 00:19:03,041 --> 00:19:06,345 あの方は 恐ろしい人です 259 00:19:13,519 --> 00:19:16,421 それを私に伝えて どうしたいのですか 260 00:19:19,825 --> 00:19:22,995 私が何と言ったら あなたは喜ぶのですか 261 00:19:24,196 --> 00:19:26,131 “頼朝は許さぬ” 262 00:19:26,198 --> 00:19:29,101 そんなこと言うと あなたは思ったのですか 263 00:19:30,202 --> 00:19:31,170 八重さん… 264 00:19:31,236 --> 00:19:33,539 分かっていました それくらいのこと 265 00:19:34,773 --> 00:19:39,444 あのお方は 千鶴(せんつる)の敵(かたき)を とってくださったのです 266 00:19:39,745 --> 00:19:43,949 ありがたいことではないですか 違いますか 267 00:19:45,350 --> 00:19:46,952 答えなさい 小四郎 268 00:19:54,860 --> 00:19:56,795 余計なことを申しました 269 00:19:57,963 --> 00:20:00,566 ただ 私は八重さんが… 270 00:20:00,632 --> 00:20:03,368 もう 放っておいてください 271 00:20:07,139 --> 00:20:08,140 御免 272 00:20:30,696 --> 00:20:33,599 (道の荒い息遣い) 273 00:20:33,665 --> 00:20:34,833 万寿様が! 274 00:20:36,068 --> 00:20:37,769 またか!? 275 00:20:37,836 --> 00:20:38,870 それで どうなった 276 00:20:38,937 --> 00:20:41,473 すぐに 息を吹き返したらしいですが 277 00:20:41,940 --> 00:20:44,242 こうも病がちだと心配で 278 00:20:47,179 --> 00:20:51,550 親の不徳が 子に災いをもたらすというね 279 00:20:51,883 --> 00:20:53,552 親の不徳? 280 00:20:56,255 --> 00:20:58,423 決して誰にも言ってはいけないよ 281 00:21:00,626 --> 00:21:03,929 兄上には 御台所とは別に 思い人がおられる 282 00:21:04,997 --> 00:21:05,831 えっ 283 00:21:05,931 --> 00:21:07,432 よほど うれしかったんだろう 284 00:21:07,499 --> 00:21:09,001 私に話してくれた 285 00:21:09,067 --> 00:21:10,769 お前も見習えと 286 00:21:10,836 --> 00:21:13,605 もちろん 私には そのつもりはないよ 287 00:21:16,608 --> 00:21:18,143 どこの誰? 288 00:21:18,944 --> 00:21:21,480 あの亀という侍女の頭(かしら)よ 289 00:21:22,147 --> 00:21:24,616 しばらく御所で見ないと思ったら 290 00:21:24,683 --> 00:21:26,451 くれぐれも人に言うな 291 00:21:27,052 --> 00:21:29,187 姉上が御所にいないのを いいことに 292 00:21:29,755 --> 00:21:31,356 ひどい話! 293 00:21:33,225 --> 00:21:37,429 親の悪行が 子どもに たたりをもたらすんですって 294 00:21:38,630 --> 00:21:40,766 鎌倉殿にお伝えして 295 00:21:45,237 --> 00:21:46,805 息が止まったそうですね 296 00:21:46,872 --> 00:21:48,807 止まったように見えただけです 297 00:21:48,874 --> 00:21:50,976 赤子には よくあることですから 298 00:21:51,543 --> 00:21:53,612 さあ こちらに 299 00:21:54,980 --> 00:21:56,948 もう少し抱いていてもいいですか 300 00:21:57,015 --> 00:21:58,984 (道) お乳は決まった時にやらないと 301 00:21:59,051 --> 00:22:01,586 だらしない子に育ってしまいます 302 00:22:11,096 --> 00:22:13,065 足が大きい 303 00:22:13,131 --> 00:22:16,134 若君は 偉丈夫(いじょうぶ)になられますぞ 304 00:22:16,201 --> 00:22:17,369 実衣殿 ごゆっくり 305 00:22:26,978 --> 00:22:28,847 (実衣)御所に戻ってきては? 306 00:22:30,082 --> 00:22:33,819 鎌倉殿から ひと月は ここで ゆっくりするようにって 307 00:22:34,486 --> 00:22:36,188 帰ってきた方がいいですよ 308 00:22:39,391 --> 00:22:41,093 いろんな意味で 309 00:22:49,401 --> 00:22:50,569 言いたい… 310 00:22:54,339 --> 00:22:55,173 (範頼(のりより))兄上が!? 311 00:22:55,240 --> 00:22:57,142 ひどいと思いませんか? 312 00:22:57,943 --> 00:23:00,512 褒められたことではありませぬな 313 00:23:02,547 --> 00:23:03,682 分かりました 314 00:23:04,816 --> 00:23:06,551 私が なんとかしましょう 315 00:23:07,219 --> 00:23:10,789 鎌倉殿の女好きにも 困ったもんじゃ 316 00:23:11,189 --> 00:23:13,658 北条を軽く見ている証しです 317 00:23:14,226 --> 00:23:15,660 そちらから鎌倉殿に 318 00:23:15,727 --> 00:23:17,562 くぎを刺しておいて もらえないだろうか 319 00:23:17,996 --> 00:23:19,931 承知いたしました 320 00:23:23,602 --> 00:23:26,605 政子には言うなよ かわいそうじゃ 321 00:23:32,944 --> 00:23:35,313 (りく) 都の やんごとなきお家では 322 00:23:35,380 --> 00:23:39,217 母親が好きに 子に会うことすらできないのです 323 00:23:39,417 --> 00:23:43,488 万寿は私のこと 母だと分かっているのかしら 324 00:23:44,790 --> 00:23:49,895 あなたも気が気ではありませんね あれやこれやと 325 00:23:51,530 --> 00:23:52,564 あれやこれや? 326 00:23:55,333 --> 00:23:58,136 ごめんなさい 忘れて 327 00:23:59,671 --> 00:24:04,042 嫌だ あなたの耳にも入ってるとばかり 328 00:24:04,109 --> 00:24:06,945 ちょっと待ってください 教えてください 329 00:24:09,648 --> 00:24:14,019 うわさよ これは あくまでも… 330 00:24:18,723 --> 00:24:19,891 実は… 331 00:24:28,700 --> 00:24:30,402 許せない 332 00:24:30,869 --> 00:24:33,271 みんな知っていたんですね ひどすぎます! 333 00:24:33,505 --> 00:24:35,874 皆 姉上のことを心配して… 334 00:24:35,941 --> 00:24:37,142 特に あなた! 335 00:24:37,709 --> 00:24:40,111 鎌倉殿の顔色うかがって くっついて回って 336 00:24:40,178 --> 00:24:42,013 この 田んぼのヒル! 337 00:24:42,447 --> 00:24:43,281 た… 338 00:24:44,382 --> 00:24:47,052 (りく)都では 高貴なお方が そばめを持つことは 339 00:24:47,118 --> 00:24:48,186 よくあることです 340 00:24:48,253 --> 00:24:50,021 ここは都ではありません 341 00:24:50,088 --> 00:24:53,358 (りく)あなたから お心が 離れたわけではないのですから 342 00:24:53,425 --> 00:24:55,827 坂東(ばんどう)の女子を 見くびらないでください! 343 00:24:55,894 --> 00:24:57,062 まあ 344 00:24:57,128 --> 00:24:58,163 (義時)田んぼ… 345 00:24:58,230 --> 00:25:01,900 (政子) 小四郎 教えなさい どこの誰 346 00:25:03,068 --> 00:25:04,803 姉上 よしましょう 347 00:25:04,870 --> 00:25:05,971 教えなさい! 348 00:25:14,779 --> 00:25:16,281 亀という侍女です 349 00:25:19,384 --> 00:25:24,089 はっ… あの薄い顔の女ね 今夜も一緒なの? 350 00:25:24,155 --> 00:25:27,459 鎌倉殿は 御所におられます 351 00:25:27,859 --> 00:25:32,097 で 亀は 今どこに 352 00:25:36,034 --> 00:25:38,603 この先 どうすればいい 353 00:25:38,670 --> 00:25:41,640 (義村(よしむら))これでお前の姉上が 引き下がればよいが 354 00:25:42,274 --> 00:25:44,576 まさか 亀の居場所までは 教えてないだろうな 355 00:25:44,643 --> 00:25:46,111 まさか 356 00:25:46,878 --> 00:25:51,549 少しは知恵が働くようになったな あの方は 今や御台所 357 00:25:51,616 --> 00:25:53,919 居場所を知ったら 何をするか分からねえ 358 00:25:53,985 --> 00:25:54,986 平六(へいろく) 359 00:25:56,121 --> 00:25:57,022 何だ 360 00:25:59,291 --> 00:26:00,792 教えてしまいました 361 00:26:06,498 --> 00:26:08,099 こうしましょう 362 00:26:08,833 --> 00:26:12,604 鎌倉殿が 都をまねて そばめを作ったのなら 363 00:26:13,538 --> 00:26:16,741 こちらは 後妻(うわなり)打ちで仕返しするのです 364 00:26:17,208 --> 00:26:18,310 (政子)うわなり? 365 00:26:18,777 --> 00:26:21,012 (りく)都には そういう習わしがあるんです 366 00:26:22,080 --> 00:26:27,018 (りく)前妻はね 後妻(ごさい)の家を 打ち壊しても構わないの 367 00:26:27,085 --> 00:26:28,320 前妻って やめてください 368 00:26:28,386 --> 00:26:29,654 場所は分かってるんだし 369 00:26:31,022 --> 00:26:32,590 打ち壊すの? 370 00:26:33,825 --> 00:26:35,293 (りく)形だけね 371 00:26:37,295 --> 00:26:41,166 ここは鎌倉殿に 肝を冷やしていただきましょう 372 00:26:43,068 --> 00:26:44,035 やります 373 00:26:44,803 --> 00:26:46,438 そう来なくては 374 00:26:46,504 --> 00:26:49,007 このままでは 腹の虫が おさまりません 375 00:26:49,841 --> 00:26:51,276 誰にお願いいたしましょうか 376 00:26:52,711 --> 00:26:56,715 とりあえず 夫に頼んでみます 377 00:26:57,148 --> 00:27:00,685 待って 父は巻き込みたくありません 378 00:27:02,053 --> 00:27:03,388 あのお方は? 379 00:27:05,690 --> 00:27:07,826 (宗親(むねちか))後妻打ちとはなあ 380 00:27:08,026 --> 00:27:10,195 (りく)面白くなってきました 381 00:27:10,462 --> 00:27:11,563 そんなことをしたら 382 00:27:11,630 --> 00:27:14,666 鎌倉殿が 黙っているわけがありません 383 00:27:14,733 --> 00:27:16,368 こじれるで 384 00:27:16,568 --> 00:27:18,703 いい薬です 385 00:27:19,137 --> 00:27:22,474 御台所にとっても 鎌倉殿にとっても 386 00:27:22,540 --> 00:27:25,443 それにしても 楽しそやな 387 00:27:25,977 --> 00:27:30,815 (笑い声) 388 00:27:30,882 --> 00:27:32,017 (りく)兄上様 389 00:27:32,917 --> 00:27:36,988 ちょっと壊してくるだけで いいですからね 門の辺りを 390 00:27:37,389 --> 00:27:39,524 大ごとにはしたくないので 391 00:27:40,225 --> 00:27:41,693 ちょっと 392 00:27:48,166 --> 00:27:50,035 (義時)すぐに ここを出ます 支度してください 393 00:27:50,101 --> 00:27:50,902 (亀)何の騒ぎ? 394 00:27:50,969 --> 00:27:53,471 (義村)もたもたするな お前の身が危ない 395 00:27:56,274 --> 00:27:58,977 自分が嫌になる 俺は何をやってるんだ… 396 00:27:59,044 --> 00:28:00,612 (義村)連れていく当てはあるのか 397 00:28:00,679 --> 00:28:01,646 (義時)これから考える 398 00:28:06,284 --> 00:28:08,920 いっそ 俺の女になるか 399 00:28:09,454 --> 00:28:10,155 悪くない 400 00:28:10,221 --> 00:28:11,823 (義時)女なら誰でもいいのか! 401 00:28:11,890 --> 00:28:13,191 (義村)誰でもではない 402 00:28:13,658 --> 00:28:17,328 頼朝の女だ その時 初めて俺は 403 00:28:18,063 --> 00:28:20,065 頼朝を超える 404 00:28:20,498 --> 00:28:22,534 難しすぎて もう分からん 405 00:28:24,069 --> 00:28:27,405 (義時)鎌倉殿に尽くす 大事なお役目です 406 00:28:28,006 --> 00:28:29,441 何があった 407 00:28:29,507 --> 00:28:31,309 今から言う場所に向かい 408 00:28:31,376 --> 00:28:34,312 そこで朝まで見張りに 立っていただきたいのです 409 00:28:35,947 --> 00:28:37,849 これ以上 聞かないでください 410 00:28:38,450 --> 00:28:41,553 あなたがいれば きっと何も起こらない 411 00:28:44,222 --> 00:28:45,957 鎌倉殿のためです 412 00:28:56,000 --> 00:28:57,068 何用だ 413 00:28:57,936 --> 00:29:00,004 この館を壊しに来た 414 00:29:00,638 --> 00:29:02,006 (弁慶(べんけい))壊す? 415 00:29:02,574 --> 00:29:04,042 (義経)誰の館だ 416 00:29:04,109 --> 00:29:08,046 知らんのかいな 鎌倉殿の そばめのや 417 00:29:08,813 --> 00:29:10,014 何だと 418 00:29:11,382 --> 00:29:14,719 (宗親)御台所はお怒りやで 419 00:29:15,520 --> 00:29:17,355 御台所に言われて来たのか 420 00:29:17,422 --> 00:29:18,123 (宗親)ああ 421 00:29:18,556 --> 00:29:20,158 ちょっと壊すだけや 422 00:29:29,167 --> 00:29:30,568 ありがとう 423 00:29:37,876 --> 00:29:39,310 手伝(てつど)うてくれへんか 424 00:29:46,684 --> 00:29:48,086 (義経)武蔵坊(むさしぼう) 425 00:29:48,153 --> 00:29:49,120 (弁慶)はっ 426 00:29:51,589 --> 00:29:53,024 派手に行け 427 00:29:54,292 --> 00:29:55,460 (弁慶)心得た! 428 00:30:02,634 --> 00:30:03,835 (宗親)ええ~っ! 429 00:30:04,803 --> 00:30:07,772 威勢よくやれー! 430 00:30:08,006 --> 00:30:12,076 (門を破壊する音) 431 00:30:12,143 --> 00:30:14,179 いや… ちょっ… 432 00:30:15,046 --> 00:30:18,216 やり過ぎや~! 433 00:30:18,283 --> 00:30:21,519 (館を破壊する音) 434 00:30:34,866 --> 00:30:37,969 なんということだ 435 00:30:43,308 --> 00:30:44,342 亀… 436 00:30:44,409 --> 00:30:46,277 か… 亀殿は無事です 437 00:30:52,851 --> 00:30:54,519 (景時(かげとき))一部始終を見ておった者を 438 00:30:54,586 --> 00:30:55,887 見つけました 439 00:30:56,087 --> 00:30:59,090 どうやら 付け火のようでござる 440 00:31:00,124 --> 00:31:01,759 付け火? 441 00:31:07,699 --> 00:31:08,633 まさか… 442 00:31:15,273 --> 00:31:17,308 恐ろしすぎる 443 00:31:19,444 --> 00:31:21,946 ここまでするか? 444 00:31:29,887 --> 00:31:34,559 昨夜 亀の館が襲われました 445 00:31:36,828 --> 00:31:38,162 やってくれましたね 446 00:31:39,998 --> 00:31:43,401 鎌倉殿は さぞ 冷や汗をかかれたことでしょうね 447 00:31:44,903 --> 00:31:47,472 梶原(かじわら)殿が下手人を捜しています 448 00:31:50,174 --> 00:31:53,945 手間を省いてさしあげます やったのは牧(まき)殿です 449 00:31:54,012 --> 00:31:54,779 牧殿? 450 00:31:54,846 --> 00:31:56,681 りく様の兄上様ね 451 00:31:59,083 --> 00:32:02,287 ご詮議を受けることになりますが よろしいですか 452 00:32:05,023 --> 00:32:06,057 もちろん 453 00:32:09,594 --> 00:32:13,731 義母(はは)上は 亀のこと わざと私に吹き込んだの 454 00:32:14,866 --> 00:32:16,501 なんて意地悪なこと 455 00:32:17,068 --> 00:32:18,936 たっぷり叱られるといいわ 456 00:32:20,505 --> 00:32:22,907 それで済めばよいのですが 457 00:32:24,108 --> 00:32:25,476 (政子)どういうこと 458 00:32:27,812 --> 00:32:29,814 館は焼け落ちました 459 00:32:31,783 --> 00:32:33,184 嘘でしょ 460 00:32:33,651 --> 00:32:34,852 そこまでやれとは 誰も言ってません 461 00:32:35,320 --> 00:32:36,454 死んだの? 462 00:32:36,521 --> 00:32:37,755 女は無事ですが 463 00:32:38,523 --> 00:32:40,124 脅かさないで 464 00:32:40,558 --> 00:32:42,360 牧殿のことは 465 00:32:43,261 --> 00:32:46,731 鎌倉殿には黙っていた方が よいかと思われます 466 00:32:47,965 --> 00:32:51,502 御台所は 後妻打ちを なされたのではないでしょうか 467 00:32:51,569 --> 00:32:54,806 政子が 後妻打ちを知っているとは思えん 468 00:32:54,872 --> 00:32:56,774 御台所のお近くに 469 00:32:56,841 --> 00:32:59,377 都のことに詳しい方は おられませんか 470 00:33:00,712 --> 00:33:03,247 政子の まま母が怪しい 471 00:33:05,216 --> 00:33:06,217 あっ! 472 00:33:08,486 --> 00:33:10,555 あの女には兄がおった 473 00:33:11,255 --> 00:33:14,058 下手人は そいつじゃ すぐに調べよ 474 00:33:14,959 --> 00:33:15,927 ははっ 475 00:33:16,728 --> 00:33:18,129 (景時)もう一つ 476 00:33:19,097 --> 00:33:22,700 お伝えせねばならぬことが ござりまする 477 00:33:23,768 --> 00:33:24,702 (頼朝)申せ 478 00:33:26,304 --> 00:33:29,073 見ていた者が申すには 479 00:33:30,074 --> 00:33:31,876 ゆうべ 火を放ったのは… 480 00:33:35,213 --> 00:33:36,247 誰じゃ 481 00:33:38,282 --> 00:33:40,585 九郎義経殿 482 00:33:42,787 --> 00:33:45,390 九郎が関わっておるのか! 483 00:33:47,592 --> 00:33:50,361 あの ばかめが! 484 00:33:52,263 --> 00:33:55,500 全て 鎌倉殿の 知るところとなりました 485 00:33:56,567 --> 00:33:58,703 このままでは えらいことになります 486 00:33:59,003 --> 00:34:02,106 鎌倉殿を静められるのは 姉上しかおりませぬ 487 00:34:02,173 --> 00:34:03,474 嫌です 488 00:34:03,541 --> 00:34:06,010 元はといえば 義母上が言いだしたこと 489 00:34:06,077 --> 00:34:07,578 自業自得です 490 00:34:08,446 --> 00:34:10,181 それだけでは済みませぬ 491 00:34:11,215 --> 00:34:13,251 九郎殿も絡んでおられるのです 492 00:34:15,386 --> 00:34:16,521 どうして? 493 00:34:18,356 --> 00:34:20,158 私のせいなんです 494 00:34:21,059 --> 00:34:24,729 ああ 自分が嫌になる! 495 00:34:28,566 --> 00:34:33,404 (頼朝)では 館を襲ったことは 認めるのだな 496 00:34:34,472 --> 00:34:39,477 御台所のお頼みなんや 何で断れます? 497 00:34:39,544 --> 00:34:42,013 (頼朝)政子に頼まれれば 何でもやるのか 498 00:34:42,513 --> 00:34:44,582 殺せと言われれば わしを殺すか 499 00:34:45,149 --> 00:34:48,853 火ぃつけたんは わしやない 九郎殿や 500 00:34:50,254 --> 00:34:51,722 そのとおり 501 00:34:52,256 --> 00:34:56,260 火をつけたのは 私の一存にございます 502 00:34:56,627 --> 00:34:58,863 (宗親)わしは ちょっとだけと言うたんや 503 00:34:59,530 --> 00:35:02,233 せやのに こちらが 504 00:35:02,633 --> 00:35:05,603 物騒なお仲間と 好き放題に暴れおって 505 00:35:08,339 --> 00:35:09,507 なぜ あの場にいた 506 00:35:09,974 --> 00:35:13,110 私が 九郎殿に 館の番をお願いしたのです 507 00:35:13,177 --> 00:35:14,045 お前は黙ってろ! 508 00:35:18,249 --> 00:35:22,553 九郎 政子のために やったのであろうが 509 00:35:23,020 --> 00:35:25,990 これを許せば ほかの御家人に示しがつかん 510 00:35:27,859 --> 00:35:29,760 謹慎を命じる 511 00:35:36,501 --> 00:35:38,069 そして お前 512 00:35:38,569 --> 00:35:39,937 は… はい 513 00:35:42,173 --> 00:35:43,241 お前のせいで わしは 514 00:35:43,307 --> 00:35:45,443 かわいい弟を 罰するはめになった 515 00:35:46,577 --> 00:35:51,015 なぜ 九郎を巻き込んだ なぜ 火を放つのを止めなかった! 516 00:35:51,082 --> 00:35:52,350 わしのせいやない! 517 00:35:52,416 --> 00:35:54,685 いいや お前が悪い! 518 00:35:55,186 --> 00:35:56,420 断じて許さん! 519 00:35:57,955 --> 00:36:03,227 平三(へいぞう) この者の髻(もとどり)を切れ 520 00:36:03,995 --> 00:36:04,695 鎌倉殿! 521 00:36:04,762 --> 00:36:05,997 堪忍しとくれやす! 522 00:36:06,063 --> 00:36:07,298 いいから切れ 523 00:36:07,365 --> 00:36:09,734 -(義時)お待ちください! -(宗親)堪忍しとくれやす! 524 00:36:10,535 --> 00:36:13,070 どうかお慈悲を! 525 00:36:13,137 --> 00:36:14,105 (頼朝)平三 526 00:36:15,106 --> 00:36:15,806 やれ 527 00:36:18,409 --> 00:36:19,477 (景時)御免 528 00:36:22,013 --> 00:36:26,184 (悲鳴) 529 00:36:26,250 --> 00:36:32,356 (悲鳴) 530 00:36:32,423 --> 00:36:36,827 (宗親の泣き声) 531 00:36:43,568 --> 00:36:46,737 (泣き声) 532 00:36:46,804 --> 00:36:49,540 どうして こういうことになるのです 533 00:36:50,341 --> 00:36:52,376 なぜ わしに相談しなかった 534 00:36:52,443 --> 00:36:55,746 こんなに大ごとになるなんて 誰が思いますか! 535 00:36:57,815 --> 00:36:59,016 御所へ参ります! 536 00:37:01,619 --> 00:37:04,088 (時政)おい! おい… 537 00:37:06,224 --> 00:37:08,826 (りく)あまりといえば あまりでございます 538 00:37:09,126 --> 00:37:11,762 全ては鎌倉殿の女子癖の悪さが 539 00:37:11,829 --> 00:37:13,998 引き起こしたことでは ありませぬか 540 00:37:14,599 --> 00:37:17,201 八つ当たりされた兄が 不憫(ふびん)でなりません 541 00:37:18,035 --> 00:37:19,804 源氏の棟梁(とうりょう)が 542 00:37:19,870 --> 00:37:21,472 そばめの一人や二人 持ったところで 543 00:37:21,539 --> 00:37:23,407 文句を言われる筋合いはない 544 00:37:24,242 --> 00:37:26,911 都育ちのお前なら 分かるであろうが! 545 00:37:27,345 --> 00:37:30,815 なんと! よう申されますね 546 00:37:31,248 --> 00:37:35,152 夫に そばめがいて それを心より許せる女子など 547 00:37:35,219 --> 00:37:36,420 都にだっておりません 548 00:37:37,221 --> 00:37:41,125 そばめが当たり前と 開き直られては たまりません! 549 00:37:41,726 --> 00:37:42,893 下がれ 550 00:37:43,394 --> 00:37:44,962 (りく)下がりませぬ 551 00:37:46,264 --> 00:37:48,432 夫が そんな物言いとは 552 00:37:48,733 --> 00:37:52,603 懸命に御台たろうと励んでいる 政子が哀れでなりませぬ! 553 00:37:55,806 --> 00:37:57,408 御台所がお見えです 554 00:38:02,580 --> 00:38:06,284 義母上 今のお言葉 かたじけのうございます 555 00:38:07,852 --> 00:38:10,388 あなたには 聞かれたくありませんでした 556 00:38:16,227 --> 00:38:19,330 女子同士で つまらぬ争いを してしまったこと 557 00:38:19,397 --> 00:38:21,032 恥ずかしく思います 558 00:38:23,834 --> 00:38:25,603 肝心なのは夫の裏切り! 559 00:38:26,737 --> 00:38:28,873 (りく) 咎(とが)めるべきは 夫のふしだら! 560 00:38:29,640 --> 00:38:32,543 (盛長)お方様方 いささか お言葉が過ぎまするぞ 561 00:38:32,610 --> 00:38:33,377 うるさい! 562 00:38:34,912 --> 00:38:37,448 病がちな我が子を放って そばめと会っていたなんて 563 00:38:37,515 --> 00:38:39,417 許せることではございませぬ! 564 00:38:40,818 --> 00:38:43,454 今すぐ御台に 頭をお下げください! 565 00:38:44,188 --> 00:38:45,189 さあ! 566 00:38:48,592 --> 00:38:53,030 黙れ! わしに指図するなど もっての外! 567 00:38:53,397 --> 00:38:55,499 源(みなもとの)頼朝を愚弄すると 568 00:38:55,566 --> 00:38:57,768 たとえ お前たちでも 容赦はせぬぞ! 569 00:38:58,969 --> 00:39:01,605 身の程をわきまえよ! 下がれ! 570 00:39:02,039 --> 00:39:04,375 源頼朝が何だってんだ! 571 00:39:05,643 --> 00:39:06,310 何じゃ… 572 00:39:06,777 --> 00:39:07,778 父上… 573 00:39:07,845 --> 00:39:08,979 わしの大事な身内に 574 00:39:09,046 --> 00:39:11,082 ようも そんな口をたたいてくれたな! 575 00:39:11,148 --> 00:39:13,818 たとえ鎌倉殿でも許せねえ! 576 00:39:13,884 --> 00:39:17,154 いや… ここは お前が怒るところではない 577 00:39:17,221 --> 00:39:18,522 お気持ちは うれしいですけど 578 00:39:18,589 --> 00:39:21,258 どうか お心を静めてください 579 00:39:25,229 --> 00:39:27,264 言っちまった 580 00:39:28,232 --> 00:39:32,970 (盛長)あっ… ハハハ 北条殿は酔っておられるのかな 581 00:39:34,205 --> 00:39:36,607 風にでも当たってこられては いかがか 582 00:39:36,674 --> 00:39:40,211 いや 素面(しらふ)だ 583 00:39:44,215 --> 00:39:46,951 どうやら ここまでのようだ 584 00:39:48,385 --> 00:39:51,756 小四郎 わしは降りた 585 00:39:52,523 --> 00:39:53,691 伊豆へ帰る 586 00:39:53,758 --> 00:39:54,458 ええっ! 587 00:39:54,525 --> 00:39:55,826 お待ちください! 588 00:39:55,893 --> 00:39:57,561 誰も そんなことは言っておらん 589 00:39:58,028 --> 00:40:02,333 やっぱり 鎌倉の暮らしは窮屈で性に合わん 590 00:40:03,267 --> 00:40:06,370 伊豆へ帰って 米を作っておる方がいい 591 00:40:07,805 --> 00:40:11,208 小四郎 後は任せた 592 00:40:16,881 --> 00:40:17,615 (義時・政子)父上! 593 00:40:17,681 --> 00:40:20,317 (りく) どうして そうなるのです! 594 00:40:29,393 --> 00:40:30,928 なんとかせよ 小四郎! 595 00:40:32,863 --> 00:40:33,898 はっ! 596 00:40:35,065 --> 00:40:38,135 父上! 父上! 597 00:40:44,275 --> 00:40:48,179 みんな もう寝ちまっててな これぐらいしかなかった 598 00:40:48,245 --> 00:40:50,047 どうか お気遣いなく 599 00:40:51,382 --> 00:40:53,617 お孫さんの手習いですか? 600 00:40:55,953 --> 00:40:57,121 俺が書いたんだよ 601 00:40:58,422 --> 00:40:59,790 これは ご無礼を! 602 00:41:00,791 --> 00:41:05,563 若い頃から戦ばかりでな まともに文筆は学ばなかった 603 00:41:07,665 --> 00:41:11,302 京へ行って 公家どもに ばかにされたくねえだろ 604 00:41:11,836 --> 00:41:14,772 だから 今のうちに稽古してんだよ 605 00:41:17,174 --> 00:41:18,542 人に言ったら殺す 606 00:41:20,177 --> 00:41:21,245 はい 607 00:41:23,581 --> 00:41:27,485 しかし さんざんだったな 608 00:41:28,786 --> 00:41:31,622 何もかもが嫌になりました 609 00:41:32,923 --> 00:41:39,063 私も父上のように 全てを放り出して伊豆に帰りたい 610 00:41:42,333 --> 00:41:44,268 まだお休みにならないの? 611 00:41:45,769 --> 00:41:46,470 おう 612 00:41:46,971 --> 00:41:48,505 お忙しいこと 613 00:41:54,111 --> 00:41:56,614 {\an8}いつまで預かってりゃ いいんだよ 614 00:41:56,680 --> 00:42:00,284 {\an8}今 引き取り手を 探しているところです 615 00:42:00,684 --> 00:42:02,620 {\an8}俺に 色目使ってきやがった 616 00:42:02,686 --> 00:42:04,288 {\an8}ああいう女は好かねえ 617 00:42:05,256 --> 00:42:06,557 {\an8}早急に 618 00:42:10,261 --> 00:42:11,762 {\an8}(広元)小四郎殿は— 619 00:42:11,829 --> 00:42:13,898 {\an8}決して 手放してはなりません 620 00:42:14,498 --> 00:42:15,266 {\an8}まだ若く 621 00:42:15,332 --> 00:42:17,034 {\an8}しくじりも ありますが 622 00:42:17,234 --> 00:42:19,937 {\an8}あの者は鎌倉殿に 忠義を尽くします 623 00:42:20,938 --> 00:42:22,640 {\an8}わしも そう思う 624 00:42:22,706 --> 00:42:23,908 {\an8}(広元)ご安心を 625 00:42:24,808 --> 00:42:27,111 {\an8}鎌倉は安泰でございます 626 00:42:28,979 --> 00:42:32,182 ただ 一つ気になったのが… 627 00:42:34,051 --> 00:42:35,085 言ってくれ 628 00:42:39,056 --> 00:42:42,026 {\an8}(行家(ゆきいえ))義仲(よしなか) そなたこそが源氏の嫡流 629 00:42:42,092 --> 00:42:43,594 {\an8}(重忠)このままでは 皆の心は— 630 00:42:43,661 --> 00:42:45,162 {\an8}鎌倉殿から 離れていきます 631 00:42:45,596 --> 00:42:48,332 {\an8}(八重) 私 つらいです 632 00:42:48,732 --> 00:42:51,035 {\an8}(広常)鎌倉は 真っ二つに割れちまうぞ 633 00:42:51,101 --> 00:42:52,603 {\an8}(行家)ハハハハハハ 634 00:42:52,670 --> 00:42:53,404 {\an8}(八重)小四郎殿 635 00:42:53,470 --> 00:42:54,805 {\an8}(義時) 私は好きなのです 636 00:42:55,806 --> 00:42:58,709 {\an8}(義時)八重さんの 笑っている姿が