1 00:00:06,006 --> 00:00:08,975 (イノシシの鳴き声) 2 00:00:11,845 --> 00:00:13,146 {\an8}(時連(ときつら)) いかがでしょうか 3 00:00:14,147 --> 00:00:16,483 (義時(よしとき))梶原(かじわら)と和田(わだ)の宿所は 離した方がいい 4 00:00:17,250 --> 00:00:19,886 この二人は あまり仲が良くないのだ 5 00:00:20,920 --> 00:00:24,524 (時連)さすがは兄上 気配りが尋常ではありませんね 6 00:00:24,591 --> 00:00:27,394 (時政(ときまさ)) お前が手伝ってくれて助かったよ 7 00:00:29,162 --> 00:00:32,332 五郎(ごろう) ちょっと 二人になりたいのだが 8 00:00:33,833 --> 00:00:35,001 かしこまりました 9 00:00:41,007 --> 00:00:42,208 -(時連)父上 -(時政)ん? 10 00:00:42,275 --> 00:00:45,912 (義時)父上と二人になりたいのだ 11 00:00:46,312 --> 00:00:49,015 (時連) あっ ご無礼をいたしました 12 00:01:04,264 --> 00:01:05,331 (義時)父上 13 00:01:05,398 --> 00:01:06,433 (時政)ん? 14 00:01:08,234 --> 00:01:10,403 (義時)私に 隠していることはございませんか 15 00:01:12,572 --> 00:01:13,773 何の話だ 16 00:01:18,778 --> 00:01:19,913 曽我(そが)の兄弟 17 00:01:21,114 --> 00:01:23,216 梶原平三(へいぞう)殿が動いております 18 00:01:24,350 --> 00:01:26,986 ありゃ ただの敵討ちだよ 19 00:01:30,023 --> 00:01:33,359 やはり ご存じないのですね 20 00:01:33,793 --> 00:01:34,828 ん? 21 00:01:40,033 --> 00:01:42,535 -(家人(けにん))おりゃあ! -(家人)うう~… くっ! 22 00:01:44,237 --> 00:01:46,439 (義時)敵討ちというのは見せかけ 23 00:01:47,474 --> 00:01:51,444 あの者たちは鎌倉殿への 謀反をたくらんでおります 24 00:01:53,079 --> 00:01:53,913 何だと! 25 00:01:53,980 --> 00:01:58,852 父上は 利用されたのです 26 00:02:01,588 --> 00:02:03,590 ♪~ 27 00:04:07,981 --> 00:04:09,983 ~♪ 28 00:04:12,185 --> 00:04:15,321 (万寿(まんじゅ))それでは 行ってまいります 29 00:04:15,388 --> 00:04:18,157 (道(みち)) ご立派でございますよ 万寿様 30 00:04:18,558 --> 00:04:21,561 (政子(まさこ))大きな獲物が しとめられますように 31 00:04:21,961 --> 00:04:24,964 (実衣(みい))お土産は 熊の毛皮でお願いしますね 32 00:04:25,031 --> 00:04:28,401 (大姫(おおひめ))あやめた獣たちの怨念を 持って帰ってこないでくださいね 33 00:04:28,468 --> 00:04:30,737 (全成(ぜんじょう))邪気は 私が はらって進ぜましょう 34 00:04:30,803 --> 00:04:32,538 (範頼(のりより))留守は お任せください 35 00:04:32,972 --> 00:04:34,841 (頼朝(よりとも))万寿の初陣じゃ 36 00:04:35,475 --> 00:04:40,446 自ら獲物をうち取り 皆々の前で山の神に捧(ささ)げる 37 00:04:40,813 --> 00:04:44,484 万寿こそが 次なる鎌倉殿と 知らしめるのだ 38 00:04:52,925 --> 00:04:54,494 (語り)巻狩(まきが)りとは— 39 00:04:54,560 --> 00:04:58,431 イノシシや鹿をしとめる 大規模な狩りのこと 40 00:04:59,699 --> 00:05:04,003 何日もかけて行われる 大軍事演習でもある 41 00:05:12,979 --> 00:05:19,385 (語り)この日 坂東(ばんどう)各地から 御家人が頼朝のもとに集結した 42 00:05:34,901 --> 00:05:37,370 (義盛(よしもり))俺の獲物だ! 43 00:05:37,437 --> 00:05:40,239 どけ! どけ~! 44 00:05:42,408 --> 00:05:46,679 気落ちすることはない まだ初日ではないか 45 00:05:46,746 --> 00:05:48,314 (能員(よしかず))焦ることはありませんぞ 46 00:05:52,885 --> 00:05:54,887 (頼朝) マメが出来ておるではないか 47 00:05:55,655 --> 00:05:56,789 今日は もう やめにしよう 48 00:05:56,856 --> 00:05:57,690 (万寿)嫌です 49 00:05:58,825 --> 00:06:03,296 (盛長(もりなが)) 退(ひ)くことも時には大事ですぞ 若君 50 00:06:05,698 --> 00:06:06,766 (いななき) 51 00:06:07,433 --> 00:06:10,269 (義村(よしむら))万寿様は 矢の勢いが足りねえんだよ 52 00:06:10,937 --> 00:06:12,572 (義時)明日は… 53 00:06:13,139 --> 00:06:15,341 (金剛(こんごう))父上 見てください 54 00:06:15,408 --> 00:06:16,275 (義村)おう 金剛 55 00:06:17,410 --> 00:06:18,244 (金剛)鶴丸(つるまる)! 56 00:06:18,311 --> 00:06:19,345 (鶴丸)はい! 57 00:06:21,047 --> 00:06:22,582 (金剛)初めて しとめました 58 00:06:25,118 --> 00:06:26,853 見事ではないか 59 00:06:26,919 --> 00:06:29,188 (金剛)早速 鎌倉殿に ご報告に行ってきます 60 00:06:29,255 --> 00:06:30,123 (義村・義時)やめておけ! 61 00:06:34,660 --> 00:06:37,063 (時政)急げ! じきに鎌倉殿がお入りになるぞ 62 00:06:37,130 --> 00:06:38,231 (一同)はっ 63 00:06:42,335 --> 00:06:44,637 (義時)父上 畠山(はたけやま)殿です 64 00:06:44,704 --> 00:06:46,239 (時政)おお 婿殿 65 00:06:46,739 --> 00:06:47,940 (重忠(しげただ))話は伺いました 66 00:06:49,142 --> 00:06:49,976 (時政)こちらへ 67 00:06:55,715 --> 00:06:59,318 家人どもを呼び戻したいのだが どこにおるやら 68 00:06:59,385 --> 00:07:02,288 巻狩りを 取りやめにするわけには いかないのですか 69 00:07:02,355 --> 00:07:05,358 鎌倉殿が許すはずがあるまい 70 00:07:05,425 --> 00:07:08,628 (義時)あのお方は 企てのことはご存じない 71 00:07:08,694 --> 00:07:09,862 (重忠) お伝えした方がよろしいのでは 72 00:07:09,929 --> 00:07:13,166 お伝えしたところで 取りやめにはなさらぬ 73 00:07:14,267 --> 00:07:17,036 源氏の威信に 傷がつくだけだからな 74 00:07:17,103 --> 00:07:20,907 ならば できるのは 守りを固めることのみ 75 00:07:21,908 --> 00:07:22,842 よろしく頼む 76 00:07:22,909 --> 00:07:26,312 お任せください 私が食い止めてみせましょう 77 00:07:26,646 --> 00:07:27,780 頼む 78 00:07:33,286 --> 00:07:35,488 (時政)頼りになる婿殿じゃ 79 00:07:40,893 --> 00:07:41,994 (祐経(すけつね))北条(ほうじょう)殿 80 00:07:42,662 --> 00:07:46,499 万寿様が獲物を挙げられなければ おぬしの手落ちだぞ 81 00:07:47,433 --> 00:07:49,001 分かっておるのだろうな 82 00:07:53,105 --> 00:07:54,407 {\an8}(義時)明日は— 83 00:07:55,508 --> 00:07:57,443 {\an8}この辺りに 行ってみましょう 84 00:07:57,510 --> 00:07:59,412 {\an8}近くに 川が流れております 85 00:07:59,912 --> 00:08:02,315 水を飲みに 獣たちも集まってくるはず 86 00:08:03,249 --> 00:08:06,319 もう少し四方に 散ってみてはいかがでしょうか 87 00:08:07,119 --> 00:08:10,923 あまり一か所に大勢でいると 獣たちも恐れて出てきません 88 00:08:12,525 --> 00:08:14,026 (頼朝)そうしよう 89 00:08:14,527 --> 00:08:17,530 (祐経)小四郎(こしろう) 誰がどこに陣取るか考えてくれ 90 00:08:17,597 --> 00:08:19,198 (義時)すぐに取りかかります 91 00:08:20,967 --> 00:08:23,736 鎌倉殿 比奈(ひな)でございます 92 00:08:24,203 --> 00:08:27,707 おお 比奈! 来ておったのか 93 00:08:27,773 --> 00:08:28,774 (能員)お相手を 94 00:08:28,841 --> 00:08:29,876 (比奈)お邪魔いたします 95 00:08:29,942 --> 00:08:31,010 (頼朝)うん 96 00:08:35,848 --> 00:08:36,816 おっ 97 00:08:36,883 --> 00:08:37,717 (能員)ご苦労にござる 98 00:08:38,184 --> 00:08:39,418 かたじけない 99 00:08:40,720 --> 00:08:44,390 (能員)最後まで つつがなくいってもらいたいものだ 100 00:08:44,891 --> 00:08:47,026 わしも それを祈っておる 101 00:08:47,093 --> 00:08:49,629 (頼朝)アハハハハハハ! 102 00:09:07,013 --> 00:09:09,548 鎌倉殿のそばにいなくて よろしいのですか 103 00:09:10,750 --> 00:09:12,184 (比奈)放っておきましょう 104 00:09:14,754 --> 00:09:16,188 何をしておられるのですか 105 00:09:17,189 --> 00:09:21,193 明日 誰がどこに陣を張るかを 考えている 106 00:09:23,629 --> 00:09:25,431 鹿は群れで動くから— 107 00:09:25,498 --> 00:09:28,334 一匹いると何匹もいると 思った方がいいですよ 108 00:09:32,838 --> 00:09:37,243 (比奈)父が北陸道にいたから 私も向こうの暮らしが長かったの 109 00:09:37,843 --> 00:09:40,346 鹿と共に過ごしたと言っても いいくらい 110 00:09:49,689 --> 00:09:50,523 鹿の糞(ふん) 111 00:09:52,792 --> 00:09:55,962 ああ 結構 落ちてる 112 00:09:56,028 --> 00:09:58,798 ほら あなたも踏んでるし 113 00:10:08,441 --> 00:10:09,275 見て… 114 00:10:11,644 --> 00:10:12,778 イノシシ… 115 00:10:19,352 --> 00:10:20,753 逃げた方がいいんじゃないか 116 00:10:21,487 --> 00:10:24,890 (比奈)走っちゃ駄目 追いかけてくるから 117 00:10:26,726 --> 00:10:29,061 ゆっくり背中を… 118 00:10:29,395 --> 00:10:30,463 向けないで… 119 00:10:32,465 --> 00:10:35,701 このまま後ろ向きに下がる 120 00:10:37,336 --> 00:10:39,171 ゆっくり 121 00:10:41,574 --> 00:10:47,546 ゆっくり ゆっくり… 122 00:10:49,615 --> 00:10:51,050 (イノシシの鳴き声) 123 00:10:51,117 --> 00:10:52,218 走って! 124 00:11:33,426 --> 00:11:35,628 (義村) 足の踏み込みが足りないんです 125 00:11:35,695 --> 00:11:37,463 (義盛)丹田に力を入れるんだ 126 00:11:37,530 --> 00:11:39,498 (重忠) 腕で引くのではなく 肩を使って 127 00:11:39,565 --> 00:11:41,634 (義時)集まってくるなと 言ったではないですか 128 00:11:41,701 --> 00:11:42,535 気になるんだよ 129 00:11:42,601 --> 00:11:45,604 (義盛)坂東武者だぞ 弓が苦手でどうする 130 00:11:45,671 --> 00:11:46,706 (せきばらい) 131 00:11:46,772 --> 00:11:50,810 人が多いと 鹿がおびえて 逃げていってしまうんです 132 00:11:50,876 --> 00:11:52,011 分からない人たちだな 133 00:11:52,078 --> 00:11:53,145 (義時) お前だって来てるじゃないか! 134 00:11:54,814 --> 00:11:56,582 目障りだ 散れ! 135 00:11:57,850 --> 00:11:59,518 (盛長)場所を変えてみますか 136 00:12:06,725 --> 00:12:07,760 (万寿)やってみて 137 00:12:08,861 --> 00:12:09,895 はい 138 00:12:19,872 --> 00:12:20,906 (鴨(かも)を射ぬく音) 139 00:12:21,640 --> 00:12:22,708 (鴨が落ちる音) 140 00:12:29,882 --> 00:12:30,716 すいません 141 00:12:33,552 --> 00:12:34,386 万寿様! 142 00:12:38,324 --> 00:12:39,959 (頼朝)一人にしといてやれ 143 00:12:50,936 --> 00:12:53,506 (足音) 144 00:12:56,108 --> 00:13:00,312 (景時(かげとき))矢を射るばかりが 巻狩りではござりませぬ 145 00:13:01,747 --> 00:13:06,118 戦に作法というものはござらぬ 146 00:13:09,188 --> 00:13:12,792 それを九郎(くろう)義経(よしつね)殿に教わり申した 147 00:13:16,729 --> 00:13:21,400 この毒餌を獣道のあちこちに 仕掛けておけば— 148 00:13:22,201 --> 00:13:24,870 明日の朝には死屍累々(ししるいるい) 149 00:13:25,638 --> 00:13:27,873 矢で射止めなければ意味がない! 150 00:13:35,047 --> 00:13:36,682 (盛長)明日こそは— 151 00:13:36,749 --> 00:13:40,152 万寿様に獲物を しとめていただかねばなりませぬ 152 00:13:41,453 --> 00:13:45,291 本来ならば このようなことは したくないのだが 153 00:13:45,825 --> 00:13:47,259 (時政)何をいたせば? 154 00:13:48,227 --> 00:13:52,364 動かぬ鹿を 一匹 用意してほしい 155 00:13:52,798 --> 00:13:54,567 動かぬ鹿… 156 00:13:54,633 --> 00:13:57,870 なんとか一匹 明日の昼までに 157 00:13:58,170 --> 00:14:00,606 (盛長) 無理は承知でお願いしておる 158 00:14:02,841 --> 00:14:04,443 それで よろしいのですか 159 00:14:08,948 --> 00:14:13,252 この件 鎌倉殿のお耳に入ってはおらぬ 160 00:14:19,325 --> 00:14:22,828 万寿様 ひいては鎌倉のため 161 00:14:32,304 --> 00:14:34,273 (知家(ともいえ))これで いかがかな 162 00:14:35,140 --> 00:14:36,742 私の鹿… 163 00:14:36,809 --> 00:14:38,410 (金剛)初めて しとめました 164 00:14:40,746 --> 00:14:42,014 許せ 165 00:14:42,081 --> 00:14:44,583 (時政)よう細工しておる 166 00:14:55,427 --> 00:14:57,596 (頼朝)落ち着け 焦るな 167 00:14:58,063 --> 00:14:59,398 お前ならできる 168 00:15:08,908 --> 00:15:09,942 -(盛長)当たった! -(頼朝)よ~し! 169 00:15:10,009 --> 00:15:11,844 (能員)当たりました! おめでとうございます! 170 00:15:12,344 --> 00:15:13,479 やりました 父上! 171 00:15:13,545 --> 00:15:14,847 でかしたぞ 万寿! 172 00:15:14,913 --> 00:15:15,748 (義時)おめでとうございます 173 00:15:16,181 --> 00:15:19,485 (能員)いや~ あのように 大きな鹿をしとめるとは 174 00:15:19,551 --> 00:15:20,819 -(金剛)子鹿では? -(能員)ああっ! 175 00:15:21,287 --> 00:15:22,888 ああ 遠くにいたから 小さく見えたのだ 176 00:15:22,955 --> 00:15:24,356 動きが おかしゅうございました 177 00:15:24,423 --> 00:15:27,693 (頼朝) 山の神もお認めになられた! 178 00:15:28,127 --> 00:15:30,362 万寿こそ 我が跡継ぎに ふさわしい! 179 00:15:30,429 --> 00:15:31,997 (笑い声) 180 00:15:32,531 --> 00:15:33,365 (万寿)鹿を見てくる 181 00:15:33,432 --> 00:15:35,567 (能員・盛長)ああ~っ! 182 00:15:35,634 --> 00:15:37,136 あとは我らが 183 00:15:37,202 --> 00:15:39,371 すぐに宿に運んで さばけ! 184 00:15:39,438 --> 00:15:40,706 今夜は鹿(しし)汁だ! 185 00:15:40,773 --> 00:15:42,841 (能員)かしこまりました 藤九郎(とうくろう)殿 参ろう! 186 00:15:42,908 --> 00:15:45,110 -(能員)ハハハハハハ! -(盛長)はい! ハハハハハハ! 187 00:15:48,647 --> 00:15:50,082 宿所に戻ろう 188 00:15:51,917 --> 00:15:53,352 先に行っててください 189 00:16:08,600 --> 00:16:11,804 父上が手を回して 細工をしたんだ 190 00:16:19,111 --> 00:16:23,315 私は いつか 弓の達人になってみせる 191 00:16:25,250 --> 00:16:29,455 必ず自分の力で 鹿をしとめてみせる 192 00:16:31,256 --> 00:16:32,091 必ず 193 00:16:36,662 --> 00:16:38,230 楽しみにしています 194 00:16:53,545 --> 00:16:54,580 (矢が刺さる音) (能員)ああっ! ああっ… 195 00:16:54,646 --> 00:16:55,481 (盛長)どうされました! 196 00:16:55,547 --> 00:16:58,851 ああっ… 誰じゃ! やみくもに矢を放ったのは! 197 00:16:58,917 --> 00:17:00,185 ああっ… 198 00:17:03,122 --> 00:17:08,527 (語り)矢口祝いは 武家の男子が 初めて獲物をしとめた際に— 199 00:17:08,594 --> 00:17:13,198 三色の餅を 山の神に供える儀式である 200 00:17:21,573 --> 00:17:23,142 おお~! 201 00:17:32,017 --> 00:17:33,752 (義時)お前の分も もらってきた 202 00:17:34,186 --> 00:17:35,454 (金剛)ありがとうございます 203 00:17:46,298 --> 00:17:47,633 (義時)工藤(くどうの)祐経殿だ 204 00:17:50,536 --> 00:17:51,937 金剛と申します 205 00:17:53,205 --> 00:17:55,274 母親は八重(やえ)だったな 206 00:17:56,275 --> 00:17:58,177 目元が よく似ている 207 00:17:59,678 --> 00:18:04,883 近頃は 鎌倉殿の覚えもめでたく よかったですね 208 00:18:07,519 --> 00:18:09,855 これから京へ行くことも多くなる 209 00:18:10,956 --> 00:18:15,861 となれば 向こうの 暮らしが長かった私のような男は 210 00:18:15,928 --> 00:18:18,997 そばに置いておいた方が よいに決まっておるのだ 211 00:18:20,199 --> 00:18:21,667 そんなことより 小四郎 212 00:18:21,934 --> 00:18:22,768 はい 213 00:18:23,168 --> 00:18:25,137 お前に聞きたいことがある 214 00:18:26,505 --> 00:18:28,273 比奈のことなんだが 215 00:18:30,742 --> 00:18:35,280 万寿様がしとめられた鹿というのは これが… はあっ! 216 00:18:35,647 --> 00:18:37,316 これが とんでもなく大きく 217 00:18:37,382 --> 00:18:39,985 それまでは和田殿が しとめた鹿が 一番であったが 218 00:18:40,052 --> 00:18:42,588 それを上回るものでござった 219 00:18:42,988 --> 00:18:44,123 すごいな 220 00:18:44,189 --> 00:18:46,992 (道)すばらしいではありませんか 221 00:18:47,059 --> 00:18:50,062 万寿様は立派に育っておられますよ 222 00:18:50,128 --> 00:18:52,831 御台所(みだいどころ) おめでとうございます 223 00:18:55,734 --> 00:18:58,203 万寿は源氏の嫡流ですよ 224 00:18:58,770 --> 00:19:02,374 巻狩りで鹿一匹しとめたところで 何を騒ぐことがあります 225 00:19:03,108 --> 00:19:05,644 そんなことは 当たり前ではないですか 226 00:19:05,711 --> 00:19:06,545 んっ しかし… 227 00:19:06,945 --> 00:19:07,779 だって 鹿でしょ 228 00:19:08,981 --> 00:19:12,451 鵺(ぬえ)を射落としたのならまだしも 大したことではありません 229 00:19:13,819 --> 00:19:14,653 (政子)参りましょう 230 00:19:15,220 --> 00:19:16,922 (大姫)はい 母上 231 00:19:25,831 --> 00:19:27,032 何なのだ! 232 00:19:27,099 --> 00:19:29,501 (全成)うれしくないわけでは ないと思いますよ 233 00:19:29,568 --> 00:19:31,470 (実衣)誰かさんが はしゃぎ過ぎなのよ 234 00:19:32,037 --> 00:19:35,607 (道)夫は 一日でも早く 御台所にお伝えしようと— 235 00:19:35,674 --> 00:19:40,646 痛む足で わざわざ戻ってきたのに 全く! 236 00:19:44,249 --> 00:19:48,954 万寿が帰ってきたら うんと褒めてやりましょう 237 00:19:50,355 --> 00:19:51,190 はい! 238 00:20:02,701 --> 00:20:09,308 (語り)さて 事件が起こったのは 五月二十八日の夜のこと 239 00:20:18,283 --> 00:20:21,520 頼む これを最後にする 240 00:20:22,321 --> 00:20:23,455 なりませぬ 241 00:20:25,991 --> 00:20:28,660 祐経が比奈の居場所を 聞き出してくれた 242 00:20:29,695 --> 00:20:32,464 あれは頼りになる男だ 行ってくる 243 00:20:32,864 --> 00:20:33,932 (盛長)なりませぬ 244 00:20:35,634 --> 00:20:37,636 それで済むわけが ないではありませんか 245 00:20:38,737 --> 00:20:40,172 朝までには帰ってくる 246 00:20:40,239 --> 00:20:41,073 なりませぬ! 247 00:21:34,526 --> 00:21:37,829 (頼朝)比奈 起きておるのかな 248 00:21:51,843 --> 00:21:54,012 本当に来られるとは… 249 00:21:54,813 --> 00:21:57,516 わしは征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)じゃ! 250 00:21:57,849 --> 00:22:00,652 そばめを持つのが そんなに いけないことか! 251 00:22:00,719 --> 00:22:03,622 あなたというお人が分かりません 252 00:22:04,256 --> 00:22:06,058 比奈殿と私を 結び付けようとされたのは— 253 00:22:06,124 --> 00:22:07,492 ご自身ではないですか 254 00:22:07,559 --> 00:22:10,862 政子じゃ! あれが勝手に言いだしたこと 255 00:22:10,929 --> 00:22:16,368 それに お前 比奈には その気はないんだろ 256 00:22:17,669 --> 00:22:20,138 そのようなことは申しておりません 257 00:22:21,206 --> 00:22:22,441 よい方を— 258 00:22:22,541 --> 00:22:24,943 お引き合わせくださったと 思っております 259 00:22:27,779 --> 00:22:28,613 あっそう! 260 00:22:30,015 --> 00:22:32,017 お前と女子(おなご)を取り合うのは もう ごめんじゃ 261 00:22:32,617 --> 00:22:33,452 帰る! 262 00:22:33,919 --> 00:22:34,753 お送りいたします 263 00:22:34,820 --> 00:22:36,555 無用である! 264 00:22:38,223 --> 00:22:39,791 (戸を開ける音) 265 00:22:39,858 --> 00:22:41,560 お待ちください! 266 00:22:41,993 --> 00:22:42,828 何ですか! 267 00:22:42,894 --> 00:22:45,097 お気持ち うれしゅうございます 268 00:22:45,163 --> 00:22:46,331 あれは方便 269 00:22:47,132 --> 00:22:49,701 いいえ 違うと思います 270 00:22:55,540 --> 00:22:56,375 まずい… 271 00:23:06,885 --> 00:23:10,322 (雷鳴) 272 00:23:10,388 --> 00:23:15,394 (雨の音) 273 00:23:22,134 --> 00:23:24,169 最悪だ… 274 00:23:25,103 --> 00:23:30,609 (雷鳴) 275 00:23:35,981 --> 00:23:39,785 (忠常(ただつね))待て 方角が違う 276 00:23:44,055 --> 00:23:45,257 (五郎)こちらでよいのだ 277 00:23:45,657 --> 00:23:47,759 そっちは 鎌倉殿のご寝所だ 278 00:23:47,826 --> 00:23:48,960 ついてくればよい! 279 00:23:50,595 --> 00:23:52,497 何をたくらんでおる! 280 00:23:52,564 --> 00:23:56,201 (雷鳴) 281 00:23:58,170 --> 00:23:59,538 (十郎(じゅうろう))うあ~っ! 282 00:24:02,407 --> 00:24:03,608 先へ行けーっ! 283 00:24:03,675 --> 00:24:06,077 (雷鳴) 284 00:24:18,890 --> 00:24:21,960 うああ~っ! 285 00:24:41,313 --> 00:24:42,981 ついに現れたか 286 00:24:46,618 --> 00:24:47,686 かかれ 287 00:24:47,752 --> 00:24:48,954 (喊声(かんせい)) 288 00:25:02,934 --> 00:25:04,069 (斬る音) 289 00:25:17,382 --> 00:25:18,750 覚悟! 290 00:25:22,821 --> 00:25:24,089 (斬る音) 291 00:25:28,426 --> 00:25:30,195 源(みなもとの)頼朝 292 00:25:33,131 --> 00:25:35,100 討ち取ったり! 293 00:25:35,166 --> 00:25:36,201 (刺す音) 294 00:25:38,103 --> 00:25:39,170 (義時)父上! 295 00:25:39,237 --> 00:25:41,039 (時政) 小四郎は万寿様をお守りしろ 296 00:25:41,106 --> 00:25:42,040 五郎は わしと行く! 297 00:25:42,107 --> 00:25:43,141 (時連)はい! 298 00:25:43,808 --> 00:25:46,344 (時政) 小四郎 えれえことになったぞ 299 00:25:47,045 --> 00:25:49,347 鎌倉殿は やられたみてえだ 300 00:25:49,414 --> 00:25:50,448 まさか 301 00:25:50,515 --> 00:25:53,051 (時連)首を取られるところを 見た者がおります 302 00:25:54,085 --> 00:25:56,421 世の中 ひっくり返るぞ 303 00:25:59,024 --> 00:26:00,458 -(義時)金剛! -(金剛)はい! 304 00:26:02,027 --> 00:26:03,328 -(時政)来い! -(時連)はい! 305 00:26:20,145 --> 00:26:21,179 (義時)若君 306 00:26:21,246 --> 00:26:22,480 (金剛)万寿様! 307 00:26:28,520 --> 00:26:31,523 (雷鳴) 308 00:26:31,589 --> 00:26:32,691 (義時)若君! 309 00:26:32,757 --> 00:26:33,959 (万寿)私は大丈夫だ 310 00:26:34,693 --> 00:26:37,696 敵は甲斐(かい)の武田(たけだ)の手の者か 平泉の残党か 311 00:26:37,762 --> 00:26:39,364 (義時)まだ分かりませぬ 312 00:26:39,431 --> 00:26:40,999 母上たちが心配だ 313 00:26:41,066 --> 00:26:42,300 守りを固めるようにと— 314 00:26:42,367 --> 00:26:44,669 今 兵を割いて 鎌倉に戻すよう命じた 315 00:26:46,237 --> 00:26:47,806 -(義時)お見事 -(万寿)小四郎 316 00:26:48,473 --> 00:26:51,109 父上が討たれたと聞いた すぐに真偽を 317 00:26:51,543 --> 00:26:52,577 はっ! 318 00:26:52,911 --> 00:26:55,213 金剛 お前は ここで わしを守れ 319 00:26:55,647 --> 00:26:56,681 はい! 320 00:27:02,454 --> 00:27:03,855 (義時)仁田(にった)殿! 321 00:27:04,990 --> 00:27:06,358 (忠常)鎌倉殿が… 322 00:27:07,592 --> 00:27:09,160 鎌倉殿が…! 323 00:27:28,713 --> 00:27:31,850 これは 何事じゃ! 324 00:27:34,119 --> 00:27:36,121 (忠常)鎌倉殿… 325 00:27:45,964 --> 00:27:51,369 (語り)混乱の中 襲撃の第一報が 鎌倉に もたらされる 326 00:27:52,604 --> 00:27:55,206 詳しいことは まだ分かっておりませんが— 327 00:27:55,273 --> 00:27:58,143 鎌倉殿のご寝所が襲われたのは 間違いないようです 328 00:27:59,911 --> 00:28:02,280 あの方は ご無事なのですか 329 00:28:02,814 --> 00:28:04,682 富士野には 名うての御家人がそろっている 330 00:28:04,749 --> 00:28:07,218 どこの誰かは知らないけど 富士野の陣を襲うなんて— 331 00:28:07,285 --> 00:28:08,987 ばかじゃないの 勝てるわけないのに 332 00:28:09,054 --> 00:28:11,356 万寿… 万寿は? 333 00:28:11,423 --> 00:28:15,493 (りく)落ち着きなさい むしろ心配なのは この鎌倉です 334 00:28:15,560 --> 00:28:17,896 これに応じて 兵を挙げる者が出たら— 335 00:28:17,962 --> 00:28:19,197 どうするのです 336 00:28:22,867 --> 00:28:26,271 御台所 鎌倉は私がお守りいたす 337 00:28:27,205 --> 00:28:31,042 万一のため 逃げられる支度だけは しておいていただきたい 338 00:28:32,711 --> 00:28:34,045 (道)まことですか 339 00:28:34,813 --> 00:28:36,548 やつら 本当に やりおった 340 00:28:37,348 --> 00:28:42,554 千載一遇の機会ではありませぬか 万寿様を次の鎌倉殿に! 341 00:28:42,620 --> 00:28:44,856 実は その万寿様も討たれたとか 342 00:28:47,859 --> 00:28:49,828 (能員)何がどうなっておるのか 343 00:28:51,229 --> 00:28:54,499 ならば 蒲(かば)殿を鎌倉殿に! 344 00:28:55,533 --> 00:29:00,371 万寿様まで亡くなったのなら 比企(ひき)が生き残る道は それしかない 345 00:29:00,739 --> 00:29:01,940 (道)急がなければ 346 00:29:04,943 --> 00:29:06,177 賭けに出るか 347 00:29:10,281 --> 00:29:11,649 待って 348 00:29:15,420 --> 00:29:19,991 万寿の身に もしものことがあれば その時は? 349 00:29:24,262 --> 00:29:28,133 源氏の棟梁(とうりょう)になるのは… 千幡(せんまん) あの子 350 00:29:28,199 --> 00:29:29,033 実衣 351 00:29:29,100 --> 00:29:30,335 だって ほかに誰がいるというの 352 00:29:33,505 --> 00:29:37,275 乳母夫(めのと)となって 育ててきた甲斐が あったというものだわ 353 00:29:37,342 --> 00:29:40,078 不届きなことを 考えるのは よしなさい 実衣! 354 00:29:46,384 --> 00:29:48,186 それは できぬ 355 00:29:48,253 --> 00:29:51,256 この機に乗じて 鎌倉殿に不満を持つ者たちが— 356 00:29:51,322 --> 00:29:52,991 挙兵するおそれがござる 357 00:29:54,125 --> 00:29:56,895 今こそ誰かが 上に立たねばならんのです! 358 00:30:09,140 --> 00:30:11,009 わしが鎌倉殿に… 359 00:30:11,075 --> 00:30:13,178 ほかに誰がいるのです 360 00:30:17,182 --> 00:30:22,387 念を押すが まことなのか 兄上が亡くなられたというのは 361 00:30:23,054 --> 00:30:24,355 (能員)残念ながら 362 00:30:27,158 --> 00:30:31,162 腹をくくっていただきたい 鎌倉が滅びますぞ! 363 00:30:41,873 --> 00:30:42,941 (広元(ひろもと))なりませぬ 364 00:30:43,374 --> 00:30:45,710 まだ鎌倉殿の生死も はっきりせぬうちから— 365 00:30:45,777 --> 00:30:47,178 そのようなことは まかり通りませぬ 366 00:30:47,512 --> 00:30:49,447 (康信(やすのぶ))しかし 事は急を要するぞ 367 00:30:50,014 --> 00:30:52,617 (広元)まずは 頼朝様の生死を確かめてからじゃ 368 00:30:52,684 --> 00:30:53,651 時がないのが分からぬか 369 00:30:53,718 --> 00:30:54,719 なりませぬ! 370 00:30:56,521 --> 00:30:58,089 (康信)私が なんとかいたします 371 00:31:02,193 --> 00:31:05,430 鎌倉殿の座を継ぐには どうすればよい? 372 00:31:07,198 --> 00:31:09,334 代替わりは これが初めて 373 00:31:09,867 --> 00:31:13,204 帝(みかど)に頼朝様のご逝去を報告申し上げ 374 00:31:13,271 --> 00:31:16,975 蒲殿が跡を継ぐことを お認めいただくのです 375 00:31:20,778 --> 00:31:23,047 (語り)そのころ 富士野では… 376 00:31:24,649 --> 00:31:27,185 (五郎)頼朝に 気に入られた者だけが甘い汁を吸い 377 00:31:27,252 --> 00:31:30,188 そうでない者は虐げられる 378 00:31:31,456 --> 00:31:34,092 だから頼朝を討ったのだ! 379 00:31:39,497 --> 00:31:42,767 血迷うたか 曽我五郎 380 00:31:44,569 --> 00:31:48,873 鎌倉殿は生きておられる 381 00:31:53,511 --> 00:31:54,779 嘘(うそ)だ! 382 00:31:55,580 --> 00:31:59,584 (時政)なんとか 命だけは 助けてやるわけにはいかねえかな 383 00:31:59,651 --> 00:32:03,254 (義時)それは 諦めていただくしかありません 384 00:32:06,124 --> 00:32:09,761 ただし このまま殺せば— 385 00:32:10,295 --> 00:32:14,065 鎌倉殿は己の不満の 口封じをしたと うわさが立ちます 386 00:32:14,132 --> 00:32:18,970 そして 兵を貸した父上も 罪を問われかねない 387 00:32:19,537 --> 00:32:20,905 それは困る! 388 00:32:22,173 --> 00:32:28,813 ならば 手は一つしかございません 389 00:32:31,549 --> 00:32:34,218 謀反ではないと申すか 390 00:32:35,987 --> 00:32:37,789 (義時)鎌倉殿の 身代わりとなった工藤殿は— 391 00:32:39,090 --> 00:32:41,492 曽我兄弟とは因縁深き間柄 392 00:32:43,161 --> 00:32:46,564 かつて 兄弟の父親をあやめたのが 工藤殿 393 00:32:48,633 --> 00:32:50,268 (頼朝)敵討ち… 394 00:32:55,840 --> 00:33:00,912 これは敵討ちを装った謀反ではなく 395 00:33:02,280 --> 00:33:05,917 謀反を装った敵討ちにございます 396 00:33:11,456 --> 00:33:12,290 (頼朝)確かに 397 00:33:13,825 --> 00:33:19,297 わしが治める この坂東で 謀反など起こるはずもない 398 00:33:23,167 --> 00:33:29,807 つきましては 一つ お願いがございます 399 00:33:46,391 --> 00:33:48,159 (景時)曽我五郎時致(ときむね) 400 00:33:48,793 --> 00:33:55,767 父 河津祐泰(かわづのすけやす)の敵 工藤祐経を討ったこと 401 00:33:57,235 --> 00:34:00,972 坂東武者として まことに あっぱれ 402 00:34:02,407 --> 00:34:03,241 何? 403 00:34:04,308 --> 00:34:10,715 (景時)さりながら 恐れ多くも 巻狩りの場で騒ぎを起こしたことは 404 00:34:11,949 --> 00:34:14,152 到底 許し難し 405 00:34:15,153 --> 00:34:18,623 よって 斬首とする 406 00:34:20,525 --> 00:34:22,960 (義時) 鎌倉殿からのお言葉でござる 407 00:34:27,298 --> 00:34:28,633 曽我五郎 408 00:34:29,934 --> 00:34:33,938 おぬしら兄弟の討ち入り 見事であった 409 00:34:35,006 --> 00:34:40,244 まれなる美談として 末代までも語り継ごう 410 00:34:43,247 --> 00:34:44,615 違う! 411 00:34:45,416 --> 00:34:46,784 うっ… ううっ… 412 00:34:46,851 --> 00:34:48,186 -(景時)引っ立てい -(家人たち)はっ 413 00:34:48,252 --> 00:34:50,188 (五郎)俺が狙ったのは頼朝だ! 414 00:34:50,955 --> 00:34:55,259 祖父 伊東祐親(いとうのすけちか)を死なせたのも 坂東をおかしくしたのも— 415 00:34:55,560 --> 00:34:57,228 頼朝なんだ! 416 00:34:57,295 --> 00:34:58,129 聞いてくれ! 417 00:35:03,267 --> 00:35:04,435 以上でございます 418 00:35:22,487 --> 00:35:23,821 ご苦労であった 419 00:35:26,357 --> 00:35:29,560 首は鎌倉に持ち帰り さらします 420 00:35:31,829 --> 00:35:35,900 祐経も丁重に葬ってやれ 421 00:35:37,502 --> 00:35:38,803 かしこまりました 422 00:35:41,606 --> 00:35:42,473 藤九郎 423 00:35:43,574 --> 00:35:47,645 鎌倉へ戻るぞ 出立の支度をせよ 424 00:35:47,712 --> 00:35:48,746 (盛長)はっ 425 00:35:56,654 --> 00:36:01,893 時政は 曽我五郎の烏帽子親(えぼしおや)だと聞いた 426 00:36:02,426 --> 00:36:03,694 さようでございます 427 00:36:09,600 --> 00:36:15,540 こたびの一件 北条は関わりないのだな 428 00:36:16,841 --> 00:36:18,676 信じてよいな 429 00:36:23,381 --> 00:36:24,782 もちろんでございます 430 00:36:28,219 --> 00:36:29,253 よかろう 431 00:36:31,522 --> 00:36:36,561 小四郎 二度と わしのそばを離れるな 432 00:36:37,929 --> 00:36:43,034 わしのためでもあるが お前のためでもある 433 00:36:45,336 --> 00:36:46,704 かしこまりました 434 00:36:57,648 --> 00:36:58,950 やはり… 435 00:37:02,019 --> 00:37:04,822 鎌倉殿は天に守られております 436 00:37:15,666 --> 00:37:17,969 そうだろうか 437 00:37:23,074 --> 00:37:28,279 確かに こたびも命は助かった 438 00:37:30,681 --> 00:37:33,251 だが これまでとは違った 439 00:37:37,288 --> 00:37:41,926 今までは はっきりと天の導きを感じた 440 00:37:43,794 --> 00:37:45,296 声が聞こえた 441 00:37:49,000 --> 00:37:53,337 だが 昨日は 何も聞こえなかった 442 00:37:55,606 --> 00:37:57,908 たまたま助かっただけじゃ 443 00:38:00,244 --> 00:38:01,879 次は もうない 444 00:38:09,854 --> 00:38:11,255 小四郎 445 00:38:14,492 --> 00:38:17,094 わしが なすべきことは… 446 00:38:19,463 --> 00:38:23,034 もう この世に残っていないのか… 447 00:38:31,042 --> 00:38:32,309 ハハハハ… 448 00:39:12,917 --> 00:39:15,353 (床をたたく音) 449 00:39:21,926 --> 00:39:24,095 (義時)明日 ここを引き払う 450 00:39:24,161 --> 00:39:27,398 鎌倉に帰ったら 私の世話は無用ですから 451 00:39:30,167 --> 00:39:32,369 御台所には お伝えしておきます 452 00:39:34,739 --> 00:39:36,173 ご迷惑ですか 453 00:39:37,274 --> 00:39:38,342 そういうことでは 454 00:39:40,177 --> 00:39:45,349 では もう少し そばにいさせてください 455 00:39:57,027 --> 00:39:58,295 私は… 456 00:40:00,464 --> 00:40:04,135 あなたが思っているよりも ずっと汚い 457 00:40:07,004 --> 00:40:11,976 一族を守るためなら 手だてを選ばぬ男です 458 00:40:14,478 --> 00:40:16,614 一緒にいても幸せにはなれぬ 459 00:40:20,618 --> 00:40:22,153 そして何より… 460 00:40:28,526 --> 00:40:34,064 私は 死んだ妻のことを 忘れることができない 461 00:40:37,368 --> 00:40:38,402 申し訳ない 462 00:40:41,005 --> 00:40:42,973 私の方を向いてくれとは言いません 463 00:40:53,284 --> 00:40:58,923 私が小四郎殿を見ていれば それでいいのです 464 00:41:18,175 --> 00:41:23,547 (足音) 465 00:41:31,322 --> 00:41:32,823 (政子)よかった! 466 00:41:40,164 --> 00:41:43,467 (語り) 事は それで終わりではなかった 467 00:41:48,539 --> 00:41:49,874 (範頼)お帰りなさいませ 468 00:41:50,474 --> 00:41:51,842 (頼朝)死ぬところであった 469 00:41:52,977 --> 00:41:55,379 お元気そうで ほっといたしました 470 00:42:04,688 --> 00:42:06,257 {\an8}(頼朝)範頼が!? 471 00:42:07,458 --> 00:42:10,761 {\an8}私は 正しいことが 分からぬうちは— 472 00:42:10,828 --> 00:42:13,230 {\an8}動かぬようにと 申し上げたのですが 473 00:42:14,698 --> 00:42:15,733 {\an8}蒲殿は— 474 00:42:16,433 --> 00:42:18,802 {\an8}まるで次の鎌倉殿に なったかのような— 475 00:42:18,869 --> 00:42:20,604 {\an8}お振る舞いで ございました 476 00:42:25,476 --> 00:42:27,645 {\an8}信じられん 477 00:42:32,917 --> 00:42:35,586 範頼め… 478 00:42:39,056 --> 00:42:40,724 {\an8}(大姫)れっきとした 許婚(いいなずけ)がいます 479 00:42:40,791 --> 00:42:42,159 {\an8}(丹後局(たんごのつぼね)) 厚かましいにも— 480 00:42:42,226 --> 00:42:43,060 {\an8}程がある! 481 00:42:43,127 --> 00:42:43,894 {\an8}お大事に 482 00:42:43,961 --> 00:42:46,463 {\an8}わしを説き伏せてみよ 範頼! 483 00:42:46,530 --> 00:42:48,198 {\an8}今の鎌倉殿は… 484 00:42:48,265 --> 00:42:49,833 {\an8}(義時)何と言うか… 485 00:42:49,900 --> 00:42:50,968 {\an8}(義村) 唾つけとかねえと— 486 00:42:51,035 --> 00:42:51,969 {\an8}取られちまうぞ 487 00:42:52,036 --> 00:42:53,137 {\an8}残念でした 488 00:42:53,203 --> 00:42:55,606 {\an8}(頼朝) わしは諦めぬぞ 489 00:42:55,673 --> 00:42:56,707 {\an8}言いがかりで ございます! 490 00:42:56,774 --> 00:42:59,009 {\an8}(範頼) 兄のこと よろしく頼む