1 00:00:05,939 --> 00:00:08,975 (鐘の音) 2 00:00:10,076 --> 00:00:14,180 (広元(ひろもと))これより 訴訟沙汰の評議をいたします 3 00:00:19,152 --> 00:00:24,924 鎌倉殿に取り次ぐ重責に恥じない 公正な評議をお願いいたす 4 00:00:25,458 --> 00:00:26,493 (康信(やすのぶ))まずは— 5 00:00:26,559 --> 00:00:32,098 常陸(ひたち)の御家人 大谷太郎(おおやのたろう)と 弟 次郎(じろう)の土地争いについて 6 00:00:32,866 --> 00:00:36,403 (行政(ゆきまさ))太郎は父親から 受け継いだ所領の一部を— 7 00:00:36,503 --> 00:00:38,638 次郎が欲しがるのは不当と言い 8 00:00:40,106 --> 00:00:45,078 次郎は 死んだ父の言いつけで 自分が譲り受けたと言う 9 00:00:45,311 --> 00:00:48,281 (時政(ときまさ))次郎の言う 言いつけってのは あれだろ 10 00:00:48,348 --> 00:00:49,582 口約束だ 11 00:00:49,649 --> 00:00:50,917 ほっといていいんじゃねえか 12 00:00:51,217 --> 00:00:53,520 (広元)次郎の訴えを退けると 13 00:00:54,087 --> 00:00:56,723 (時政)大谷太郎は わしも よう知っておる 14 00:00:57,524 --> 00:00:58,725 頼むよ 15 00:00:58,792 --> 00:01:01,728 (義澄(よしずみ)) あれは決して強欲な男ではない 16 00:01:01,795 --> 00:01:04,364 よっぽどのことがあったと思うぞ 17 00:01:04,431 --> 00:01:05,698 (義盛(よしもり))次! 18 00:01:06,132 --> 00:01:09,269 (能員(よしかず))待て待て それは どうだろうか 19 00:01:09,803 --> 00:01:13,339 誰それを よく知っているというだけで— 20 00:01:13,406 --> 00:01:16,543 そちらの肩を持つというのは いかがなものか 21 00:01:16,609 --> 00:01:17,510 (康信)確かに 22 00:01:17,811 --> 00:01:20,413 相手にかかわらず 事情をよく聞いてやるのが 23 00:01:20,480 --> 00:01:21,614 我らの役目 24 00:01:21,681 --> 00:01:22,515 (行政)同意! 25 00:01:22,582 --> 00:01:29,322 あっ そういえば 大谷次郎の妻は 比企(ひき)の出ではなかったか 26 00:01:29,389 --> 00:01:30,423 (時政)思い出した! 27 00:01:30,490 --> 00:01:31,324 それが何か 28 00:01:31,391 --> 00:01:33,393 政に私情を挟むんじゃねえ! 29 00:01:33,460 --> 00:01:35,095 どの口が! どの口が! 30 00:01:35,161 --> 00:01:36,196 (義盛)表に出ろ! 31 00:01:36,296 --> 00:01:39,999 (能員)表に出ろと言われて 表に出てよかったためしはない! 32 00:01:42,435 --> 00:01:43,803 (義時(よしとき)のため息) 33 00:01:44,938 --> 00:01:46,706 (義時)弱りましたね 34 00:01:48,541 --> 00:01:52,178 (知家(ともいえ))どうも引っ掛かる 35 00:01:52,245 --> 00:01:53,146 (広元)八田(はった)殿 36 00:01:53,213 --> 00:01:57,784 (知家)その土地で ずっと米を作らせてきたのは— 37 00:01:57,851 --> 00:02:01,621 太郎ではなく 次郎のはずだ 38 00:02:02,222 --> 00:02:03,289 (広元)まことでございますか 39 00:02:03,356 --> 00:02:04,757 確かめていただけますか 40 00:02:04,824 --> 00:02:06,226 (行政)少々お待ちを 41 00:02:06,292 --> 00:02:08,595 (知家) あいつらの父親が死んだのは— 42 00:02:08,661 --> 00:02:11,164 二十年以上も前の話だぜ 43 00:02:12,398 --> 00:02:16,236 (盛長(もりなが)の寝息) 44 00:02:16,302 --> 00:02:20,340 (盛長の寝息) 45 00:02:21,040 --> 00:02:22,542 誰か起こせ 46 00:02:22,742 --> 00:02:23,576 安達(あだち)… 47 00:02:24,544 --> 00:02:25,578 (たたく音) 48 00:02:26,279 --> 00:02:28,948 (盛長)難しいところですなあ 49 00:02:30,150 --> 00:02:31,017 いかがですか 50 00:02:31,584 --> 00:02:32,519 (康信)おっしゃるとおり— 51 00:02:32,585 --> 00:02:36,389 この二十年 その土地の耕作を 取りしきってきたのは— 52 00:02:36,456 --> 00:02:37,457 次郎の方です 53 00:02:37,957 --> 00:02:39,025 (時政)はあ? 54 00:02:39,092 --> 00:02:41,394 では なぜ 太郎は今になって 55 00:02:42,128 --> 00:02:46,733 大谷太郎は 鎌倉殿が 代わられたのをいいことに— 56 00:02:46,799 --> 00:02:48,268 この機に乗じて— 57 00:02:48,334 --> 00:02:51,137 次郎の土地を奪おうと しているのではないでしょうか 58 00:02:51,204 --> 00:02:54,774 はあ~! 新しい鎌倉殿につけ込むとは 59 00:02:55,408 --> 00:02:56,442 言いがかりじゃ! 60 00:02:56,509 --> 00:02:57,810 あんた どう思う 61 00:02:58,211 --> 00:02:59,946 (遠元(とおもと)) “言いがかりじゃ!”に同意 62 00:03:00,013 --> 00:03:01,214 (親能(ちかよし))申し訳ないが— 63 00:03:01,714 --> 00:03:04,817 皆様 しゃべるのが速すぎて 追いつけぬ 64 00:03:04,884 --> 00:03:06,286 (義時)どこまで書かれましたか 65 00:03:07,153 --> 00:03:11,224 (親能)オオヤというのは “大きい谷”で よろしいのか 66 00:03:11,291 --> 00:03:12,559 (義時)まだ そこか… 67 00:03:14,060 --> 00:03:15,295 (景時(かげとき))そこまで! 68 00:03:17,330 --> 00:03:21,467 誼(よしみ)を重んじ 便宜を図るのは 政の妨げになるので 69 00:03:21,534 --> 00:03:23,203 以後 やめていただきたい! 70 00:03:23,469 --> 00:03:24,571 (能員)全くでござる 71 00:03:24,637 --> 00:03:26,039 (景時)あなたもだ! 72 00:03:27,073 --> 00:03:29,876 内情も知らずに 次郎の肩を持たれた 73 00:03:30,510 --> 00:03:33,212 北条(ほうじょう)殿を責めることは できませぬぞ 74 00:03:33,279 --> 00:03:34,881 (時政)そのとおり! 75 00:03:35,315 --> 00:03:37,317 (景時)これでは評議になり申さぬ 76 00:03:37,650 --> 00:03:39,819 鎌倉殿には どうお伝えいたします 77 00:03:39,886 --> 00:03:41,654 (景時)お伝えはいたさぬ 78 00:03:42,822 --> 00:03:48,962 いま一度 双方の言葉を聞き 評議をやり直す 79 00:03:53,766 --> 00:03:54,801 (ため息) 80 00:03:55,835 --> 00:03:57,904 無駄な時でござった 81 00:04:01,774 --> 00:04:04,510 (時政)そんなに怒らねえでも… 82 00:04:09,749 --> 00:04:11,751 ♪~ 83 00:06:16,142 --> 00:06:18,144 ~♪ 84 00:06:20,546 --> 00:06:22,648 (頼家(よりいえ)) あいつらの魂胆は分かっておる 85 00:06:24,317 --> 00:06:28,755 裁きを下すのは わしで 十三人は補佐役 86 00:06:29,722 --> 00:06:31,324 {\an8}そんなものは建前だ 87 00:06:32,425 --> 00:06:34,994 {\an8}補佐役なら 二~三人いれば足る話 88 00:06:37,964 --> 00:06:41,067 {\an8}寄ってたかって わしを のけ者にするつもりだ! 89 00:06:42,001 --> 00:06:44,170 {\an8}(頼時(よりとき)) 考え過ぎだと思いますが 90 00:06:44,237 --> 00:06:45,071 {\an8}(時連(ときつら))しっ! 91 00:06:45,138 --> 00:06:47,106 {\an8}早速 仕事に 取りかかってもらう 92 00:06:47,573 --> 00:06:48,708 {\an8}まずは見回りだ 93 00:06:49,175 --> 00:06:51,811 {\an8}鎌倉の風紀を乱す者を 許してはならぬ 94 00:06:52,512 --> 00:06:56,315 {\an8}それゆえ 特に腕の立つ者を選んだ 95 00:06:57,116 --> 00:06:58,384 {\an8}しっかりやってこい! 96 00:06:58,451 --> 00:06:59,285 {\an8}(一同)はい! 97 00:06:59,352 --> 00:07:03,556 北条五郎(ごろう) お前は この中で誰よりも若いが 98 00:07:04,357 --> 00:07:07,794 臆するな 存分に暴れていいぞ 99 00:07:09,595 --> 00:07:10,730 かしこまりました! 100 00:07:10,797 --> 00:07:11,831 (頼家)うん 101 00:07:20,139 --> 00:07:21,374 (ため息) 102 00:07:21,974 --> 00:07:24,043 (政子(まさこ))全く何を考えているのか 103 00:07:24,877 --> 00:07:26,579 勝手なことばかり 104 00:07:27,280 --> 00:07:30,116 その者たちだけで 何ができるというのです 105 00:07:30,783 --> 00:07:34,887 (義時)今のところは 道の掃除をさせたり 106 00:07:35,588 --> 00:07:38,324 迷い犬の飼い主を 捜してやったりと 107 00:07:38,391 --> 00:07:40,026 たあいのないことばかりですが 108 00:07:40,092 --> 00:07:42,528 (政子)まあ かわいいこと 109 00:07:42,762 --> 00:07:48,167 いずれは この六人に もっと力を与えようと— 110 00:07:48,234 --> 00:07:50,369 鎌倉殿は お考えのようです 111 00:07:52,872 --> 00:07:54,674 この先 どうするのです 112 00:07:55,041 --> 00:07:58,511 ひとまずは 好きにしていただきます 113 00:07:59,345 --> 00:08:03,783 我らのなすべきは 鎌倉殿への そしりを防ぐこと 114 00:08:04,550 --> 00:08:06,819 それに心血を注ぎます 115 00:08:07,954 --> 00:08:11,190 頼家のこと よろしく頼みます 116 00:08:11,724 --> 00:08:12,758 (景時)はっ 117 00:08:17,163 --> 00:08:19,765 (語り)正治(しょうじ)元年 六月 118 00:08:23,069 --> 00:08:25,605 政子を不幸が襲う 119 00:08:27,974 --> 00:08:33,846 次女の三幡(さんまん)が 闘病の末 そのまま帰らぬ人となる 120 00:08:38,584 --> 00:08:42,822 三幡の乳母夫(めのと)であった中原(なかはらの)親能 121 00:08:43,589 --> 00:08:47,760 これを機に出家し 鎌倉を離れる 122 00:08:57,703 --> 00:09:00,106 頼朝(よりとも)様が亡くなって どのくらい? 123 00:09:01,908 --> 00:09:02,942 半年… 124 00:09:06,078 --> 00:09:08,114 あの方が連れていかれたの? 125 00:09:10,816 --> 00:09:13,252 そんなふうに考えるのは よしましょう 126 00:09:22,194 --> 00:09:23,029 母上… 127 00:09:25,197 --> 00:09:27,300 あなたは いつも肝心な時にいない 128 00:09:27,366 --> 00:09:30,803 申し訳ありません 狩りに行っておりました 129 00:09:33,539 --> 00:09:36,108 入内(じゅだい)させてやれなかったのは 残念でした 130 00:09:38,277 --> 00:09:39,445 頼家… 131 00:09:44,183 --> 00:09:47,286 (頼家)でも 母上 ご安心ください 132 00:09:47,987 --> 00:09:50,790 この頼家が自ら朝廷と結び付き 133 00:09:51,257 --> 00:09:53,893 鎌倉を 揺るぎないものにしてみせます 134 00:09:54,794 --> 00:09:56,162 お約束します 135 00:09:59,665 --> 00:10:02,001 (琵琶の演奏) 136 00:10:09,442 --> 00:10:11,177 (朝光(ともみつ))首をもう少し上げて 137 00:10:16,215 --> 00:10:17,783 琵琶の首を 138 00:10:21,554 --> 00:10:23,222 (おなかの鳴る音) (実衣(みい))うっ… 139 00:10:24,056 --> 00:10:27,593 もう 一休みしませんか 140 00:10:29,862 --> 00:10:31,630 おいしい瓜(うり)があるんですよ 141 00:10:32,732 --> 00:10:34,300 フフフフフ 142 00:10:35,334 --> 00:10:37,236 -(朝光)お持ちしましょう -(実衣)ありがとうございます 143 00:10:38,237 --> 00:10:42,375 はあ… 何で うまくならないんでしょう 144 00:10:42,441 --> 00:10:45,678 フフフフフ フフフフ 145 00:10:46,245 --> 00:10:49,015 そりゃ 姉上は立派だと思いますよ 146 00:10:50,082 --> 00:10:54,453 でもね 私だって 陰ながら支えてきました 147 00:10:55,154 --> 00:10:57,289 少しは感謝してもいいと 思うんです 148 00:11:00,126 --> 00:11:02,995 ごめんなさい こんな話 聞きたくないでしょ 149 00:11:03,062 --> 00:11:04,030 (朝光)そんなことは… 150 00:11:04,630 --> 00:11:09,268 夫は こういう話をすると すぐ いなくなってしまうんです 151 00:11:10,436 --> 00:11:12,304 いくらでも お相手します 152 00:11:12,838 --> 00:11:14,240 ご迷惑ですよね 153 00:11:15,474 --> 00:11:16,776 はい おしまい 154 00:11:22,782 --> 00:11:27,219 琵琶を始めたのもね そういうのがあったんですよ 155 00:11:27,920 --> 00:11:30,589 何かで姉を超えたかった 156 00:11:31,924 --> 00:11:33,359 超えてみせましょう 157 00:11:35,227 --> 00:11:36,796 超えられる気がする 158 00:11:42,034 --> 00:11:42,868 実は… 159 00:11:44,336 --> 00:11:45,371 なに 160 00:11:47,540 --> 00:11:49,975 私にも 一つ悩みが 161 00:11:50,309 --> 00:11:53,412 あら 伺ってしまおうかしら 162 00:11:55,347 --> 00:11:57,983 実は ちょうど この間 163 00:11:58,050 --> 00:12:01,020 ここで仁田(にった)殿と 雑談をしていたのですが… 164 00:12:02,555 --> 00:12:05,224 仁田殿は どう思われます 165 00:12:05,891 --> 00:12:10,096 (忠常(ただつね))これからです 鎌倉殿は まだお若い 166 00:12:11,464 --> 00:12:16,702 宿老方に耳を貸さず 蹴鞠(しゅうきく)に興じるお姿は— 167 00:12:17,436 --> 00:12:20,339 とても鎌倉を率いるに ふさわしいとは思えない 168 00:12:20,740 --> 00:12:21,807 (忠常)長い目で 169 00:12:23,843 --> 00:12:27,246 頼朝様には もっと生きていてほしかった 170 00:12:33,085 --> 00:12:36,522 “忠臣は二君(じくん)に仕えず” 171 00:12:41,494 --> 00:12:45,831 (鳥の鳴き声) 172 00:12:46,599 --> 00:12:48,734 (朝光)その翌日のことです 173 00:12:49,368 --> 00:12:55,107 鎌倉殿に対しての誹謗(ひぼう) 聞き流すわけにはまいらぬ 174 00:12:55,674 --> 00:12:56,575 お待ちください 175 00:12:56,642 --> 00:12:59,044 (景時)今の鎌倉殿を蔑み 176 00:13:00,079 --> 00:13:04,683 もっと頼朝様に お仕えしたかったとは何事か 177 00:13:04,750 --> 00:13:06,519 (朝光)ざれ言にございます 178 00:13:08,187 --> 00:13:10,956 {\an8}(景時)“忠臣は 二君に仕えず”と— 179 00:13:11,023 --> 00:13:12,758 {\an8}言った唐(から)の王燭(おうしょく)は— 180 00:13:13,726 --> 00:13:16,195 自ら命を絶った 181 00:13:18,798 --> 00:13:23,536 頼家様にお仕えするくらいなら 死んだ方がましか 182 00:13:25,404 --> 00:13:27,006 (朝光)そのようなつもりは 183 00:13:29,074 --> 00:13:32,945 (景時)不穏な振る舞いをすれば どうなるか 皆に知らしめる 184 00:13:34,246 --> 00:13:36,482 謹慎してもらおう 185 00:13:38,751 --> 00:13:40,019 (朝光)うかつでした 186 00:13:40,753 --> 00:13:43,522 謹慎中だったんですね おかわいそうに 187 00:13:48,727 --> 00:13:49,562 大丈夫 188 00:13:51,664 --> 00:13:52,932 なんとかします 189 00:13:55,301 --> 00:13:56,702 私に任せて 190 00:13:59,205 --> 00:14:04,210 (泣き声) 191 00:14:15,588 --> 00:14:19,024 (つつじ) 捜されても ここにはおりませぬ 192 00:14:20,860 --> 00:14:24,697 (せつ)そんなはずないです 鎌倉殿に会わせて 193 00:14:26,265 --> 00:14:28,567 私も同じ思いです 194 00:14:31,203 --> 00:14:32,037 うっ… 195 00:14:34,139 --> 00:14:35,241 (せつ)何それ 196 00:14:39,278 --> 00:14:40,546 何でもありません 197 00:14:43,749 --> 00:14:45,618 鎌倉殿は ご存じなの 198 00:14:52,558 --> 00:14:56,195 冷めてから食べると 気持ち悪くならなくて済みますよ 199 00:14:58,764 --> 00:15:00,032 ありがとうございます 200 00:15:07,573 --> 00:15:10,709 (頼家)今度 那須野に 狩りに行こうと思っている 201 00:15:11,243 --> 00:15:12,378 ゆうも行かないか 202 00:15:12,745 --> 00:15:14,079 (ゆう)私もいいの? 203 00:15:14,380 --> 00:15:17,216 ただし ゆう 狩りは遊びではない 204 00:15:17,750 --> 00:15:22,621 戦がない世では 狩りこそが 武士の力を示す一番の機会だ 205 00:15:22,688 --> 00:15:24,456 長くかかるのですか? 206 00:15:29,161 --> 00:15:30,496 十日ほどか 207 00:15:30,929 --> 00:15:36,035 では 夫をごまかす算段を 208 00:15:42,608 --> 00:15:43,809 手を考えよう 209 00:15:50,316 --> 00:15:53,319 (頼時)鎌倉殿 やはりお考え直しください 210 00:15:53,786 --> 00:15:55,621 おぬしが指図することではない 211 00:15:55,688 --> 00:15:57,156 人の道に反しております! 212 00:15:57,222 --> 00:15:58,324 うるさい! 213 00:16:08,534 --> 00:16:10,302 (景時)よう伝えてくれた 214 00:16:11,704 --> 00:16:14,573 (頼時)鎌倉殿を止めてください 215 00:16:17,476 --> 00:16:20,946 お前の父を呼んでこい 急げ 216 00:16:22,648 --> 00:16:23,482 (頼時)はい 217 00:16:24,450 --> 00:16:25,484 (頼家)弥九郎(やくろう) 218 00:16:27,720 --> 00:16:29,388 ゆうを わしにくれ 219 00:16:29,722 --> 00:16:31,657 (景盛(かげもり))それだけはご勘弁を 220 00:16:31,724 --> 00:16:34,126 (頼家)通りで見かけて ほれてしまったのだ 221 00:16:34,526 --> 00:16:36,829 (景盛)私の妻でございます 222 00:16:36,895 --> 00:16:38,998 だから こうやって 頭を下げてるではないか 223 00:16:39,064 --> 00:16:43,669 鎌倉殿は 生涯かけて ゆう殿を大切にされると仰せだ 224 00:16:44,236 --> 00:16:46,905 ここは ひとつ 譲ってはもらえないか 225 00:16:47,773 --> 00:16:48,707 できませぬ 226 00:16:53,078 --> 00:16:56,415 藤九郎(とうくろう) 息子に なんとか言ってくれ 227 00:16:57,983 --> 00:17:03,055 私は 頼朝様が 伊豆に流されてきた時から— 228 00:17:03,322 --> 00:17:04,857 仕えてまいりました 229 00:17:06,258 --> 00:17:08,193 鎌倉殿は そのお子 230 00:17:09,762 --> 00:17:12,264 異を唱えることなど もっての外 231 00:17:15,567 --> 00:17:21,740 しかしながら こればかりは 承服するわけにはまいりません 232 00:17:25,944 --> 00:17:30,849 わしに背くは 父に背くことぞ 233 00:17:31,417 --> 00:17:38,257 力ずくで人の妻を奪ったとなれば 鎌倉殿の名に傷がつきます 234 00:17:40,559 --> 00:17:43,162 そのことを申し上げておるのです 235 00:17:43,228 --> 00:17:45,164 家を焼き払われてもよいのか! 236 00:17:45,230 --> 00:17:48,767 家を焼き払われようが 鎌倉を追われようが— 237 00:17:49,735 --> 00:17:54,807 たとえ首をはねられても 私の心は変わりませぬ! 238 00:17:59,745 --> 00:18:03,015 お父上を悲しませてはなりませぬ 239 00:18:08,153 --> 00:18:10,522 よう申した 240 00:18:12,958 --> 00:18:15,427 安達親子を連れていき 今すぐ首をはねよ 241 00:18:20,933 --> 00:18:21,767 (景時)お待ちくださりませ 242 00:18:21,834 --> 00:18:23,135 お前は口を出すな 243 00:18:24,570 --> 00:18:27,272 これは大きな分かれ道に ございまする 244 00:18:28,140 --> 00:18:30,709 このようなことで 安達親子を討てば— 245 00:18:30,776 --> 00:18:32,911 必ず騒ぎになります 246 00:18:33,512 --> 00:18:35,414 御家人たちが黙っておりませぬ 247 00:18:36,715 --> 00:18:38,217 面白いではないか 248 00:18:51,997 --> 00:18:54,199 いいかげんに目を覚ましなさい 249 00:18:54,867 --> 00:18:57,236 誰が呼んだ 平三(へいぞう)か! 250 00:18:59,271 --> 00:19:01,240 (政子) 安達殿に手を触れてはなりません 251 00:19:01,840 --> 00:19:03,342 (頼家) 口出しはしないでいただきたい 252 00:19:03,408 --> 00:19:05,711 自分のやってることが 分かってるのですか! 253 00:19:06,612 --> 00:19:08,146 思い合っておれば— 254 00:19:08,680 --> 00:19:11,283 誰の妻であろうが そんなことは関わりない! 255 00:19:14,453 --> 00:19:18,624 同じことを せつや つつじの前でも言えますか 256 00:19:22,794 --> 00:19:24,163 (政子)ここへ連れてきて 257 00:19:24,563 --> 00:19:25,297 待て! 258 00:19:28,800 --> 00:19:30,669 恐れながら申し上げます 259 00:19:34,106 --> 00:19:35,941 藤九郎殿ほど— 260 00:19:37,209 --> 00:19:41,213 頼朝様や鎌倉殿に 忠義の心を持つお方を— 261 00:19:42,381 --> 00:19:44,283 私は知りませぬ 262 00:19:48,186 --> 00:19:50,923 こんなことで首をはねるなど— 263 00:19:52,658 --> 00:19:55,193 許されることではございませぬ! 264 00:19:59,298 --> 00:20:03,068 頭を冷やしなさい 頼家 265 00:20:18,984 --> 00:20:21,286 (頼家)よくも母上を担ぎ出したな 266 00:20:22,988 --> 00:20:25,190 (景時) ほかに手がございませんでした 267 00:20:25,824 --> 00:20:26,858 覚えておれ 268 00:20:28,093 --> 00:20:29,728 覚えておきまする 269 00:20:31,230 --> 00:20:32,264 では 270 00:20:34,766 --> 00:20:37,402 父上も同じことを してきたではないか! 271 00:20:37,769 --> 00:20:39,238 なぜ わしだけ 272 00:20:47,579 --> 00:20:49,047 -(若衆)鎌倉殿! -(頼家)うるさい! 273 00:20:50,983 --> 00:20:52,918 困ったお人よ 274 00:21:00,492 --> 00:21:05,497 結城七郎(ゆうきのしちろう)朝光には 気の毒だが死んでもらおう 275 00:21:06,265 --> 00:21:08,066 (康信)死罪でございますか 276 00:21:08,867 --> 00:21:13,372 (景時)謀反は 思い描いた時点で 既に謀反 277 00:21:14,873 --> 00:21:19,511 その旨 訴状にして 鎌倉殿にお示しする 278 00:21:19,578 --> 00:21:20,879 (広元)お待ちください 279 00:21:21,913 --> 00:21:23,949 ひょっとして… 280 00:21:25,317 --> 00:21:27,853 安達殿の一件が 尾を引いているのですか 281 00:21:29,221 --> 00:21:35,627 あれ以来 鎌倉殿は 御家人たちの信用を損ねられた 282 00:21:36,728 --> 00:21:39,665 厳しく当たらねば 鎌倉は割れる 283 00:21:40,899 --> 00:21:44,369 結城殿を見せしめに 284 00:21:44,936 --> 00:21:49,708 御家人の引き締めは 頼朝様の頃からの習い 285 00:21:50,776 --> 00:21:54,646 不満を持つ者を一掃する よい機会でござる 286 00:22:01,286 --> 00:22:03,121 (実衣)結城殿を助けてあげて 287 00:22:04,189 --> 00:22:07,959 (義時)これは 結城七郎一人の問題ではないんだ 288 00:22:08,927 --> 00:22:13,031 (重忠(しげただ))今や鎌倉のあちこちに 梶原(かじわら)殿の手の者が潜んでいます 289 00:22:13,098 --> 00:22:15,801 (義盛)俺は ほかにも 取り調べを受けたやつを— 290 00:22:15,867 --> 00:22:17,235 何人も知ってるぜ 291 00:22:18,503 --> 00:22:21,807 (義時)ここで 梶原殿と私までが 対立しては よくない 292 00:22:22,841 --> 00:22:24,710 宿老ではないお前に頼みたい 293 00:22:25,811 --> 00:22:26,978 (義村(よしむら))何をすればいい 294 00:22:27,045 --> 00:22:29,081 (義時)梶原殿のところへ行って 295 00:22:29,548 --> 00:22:32,484 じかに御家人たちの気持ちを 伝えてもらえるか 296 00:22:32,784 --> 00:22:33,919 (実衣)お願いします 297 00:22:34,353 --> 00:22:38,356 (義村)弱いな それじゃあ あいつには響かねえよ 298 00:22:38,790 --> 00:22:40,025 (重忠)何か いい手が? 299 00:22:41,827 --> 00:22:47,532 人数を集めて 訴状に名を連ね 鎌倉殿に処分を訴え出るんだ 300 00:22:47,599 --> 00:22:49,167 (義盛)おお それでいこう 301 00:22:49,668 --> 00:22:52,537 大丈夫? この人で人数が集まる? 302 00:22:53,772 --> 00:22:54,639 (義村)言うじゃねえか 303 00:22:54,706 --> 00:22:56,007 (実衣)だって うさんくさい… 304 00:22:59,411 --> 00:23:02,781 心配するな 俺は裏に回るよ 305 00:23:03,081 --> 00:23:04,049 (重忠)私もお手伝いを 306 00:23:04,116 --> 00:23:07,152 (義村)お前は裏に回るには 見栄えがよすぎる 307 00:23:08,353 --> 00:23:11,089 そうですか やはり見栄えが… 308 00:23:13,959 --> 00:23:15,427 (義時)あまり大ごとにはするな 309 00:23:15,994 --> 00:23:17,462 四~五人 集めればよい 310 00:23:17,529 --> 00:23:18,630 (義村)任せとけ 311 00:23:21,199 --> 00:23:23,502 (義村)ここに一筆お願いします 312 00:23:23,735 --> 00:23:25,971 (義盛)梶原のやつが 気にくわねえ御家人は— 313 00:23:26,037 --> 00:23:27,038 山ほどいます 314 00:23:27,339 --> 00:23:28,774 (時政)訴状… 315 00:23:28,840 --> 00:23:31,476 (義盛)この紙じゃ 足りねえんじゃねえか 316 00:23:31,543 --> 00:23:32,744 ハハハハハ 317 00:23:32,811 --> 00:23:35,046 (義村)まずは 四郎(しろう)殿から 318 00:23:37,816 --> 00:23:41,219 (りく)これを機会に梶原を 引きずり下ろしてしまいましょう 319 00:23:41,686 --> 00:23:45,123 確かに 梶原には頭に来てたんだ 320 00:23:45,190 --> 00:23:47,993 いつの間にか 御家人で一番みてえな顔して 321 00:23:49,027 --> 00:23:52,431 四郎様のお名前は 御家人のおもしになります 322 00:23:54,099 --> 00:23:56,968 一番最後にデンとお書きください 323 00:23:58,003 --> 00:23:59,237 (時政)心得た 324 00:24:04,676 --> 00:24:08,547 わしも 梶原のやり方は 腹に据えかねておった 325 00:24:08,880 --> 00:24:10,849 できるだけ多くの名を集めよ 326 00:24:10,916 --> 00:24:12,751 そのつもりでございます 327 00:24:12,818 --> 00:24:17,823 う~ん… これ 時政は なぜ あんな後ろに書いたのだ 328 00:24:20,725 --> 00:24:24,196 (義村)一番を比企殿に お譲りになられたのでしょう 329 00:24:24,462 --> 00:24:27,632 比企殿には 一番初めにお願いします 330 00:24:27,699 --> 00:24:30,202 (能員)ああ そう はいはいはい 331 00:24:31,336 --> 00:24:32,337 ここでいいのかな 332 00:24:32,404 --> 00:24:34,072 -(義村)お願いします -(能員)うん はいはい 333 00:24:34,139 --> 00:24:38,276 うん… うん… うん… 334 00:24:39,277 --> 00:24:41,146 おい いるかい 335 00:24:41,913 --> 00:24:43,114 (景時)いかがなされた 336 00:24:45,116 --> 00:24:49,387 (知家)侍所(さむらいどころ)で 何やら大変な騒ぎになってるぜ 337 00:24:51,256 --> 00:24:52,624 (義盛)まだ名を書いてない者… 338 00:24:53,692 --> 00:24:56,027 おう 書け書け さあ さあ さあ 339 00:24:57,629 --> 00:24:59,264 (義村)どうだ 集まったろう 340 00:24:59,331 --> 00:25:01,233 (義時)大ごとにするなと 言ったではないか 341 00:25:01,299 --> 00:25:04,569 思ったよりも 梶原のおっさん 嫌われていたようだ 342 00:25:04,636 --> 00:25:07,672 (常胤(つねたね))これは梶原と 一戦交えることになりそうだな 343 00:25:07,739 --> 00:25:08,840 戦にはなりませぬ 344 00:25:08,907 --> 00:25:11,343 加わっていただき かたじけのうございます 345 00:25:11,409 --> 00:25:15,046 (常胤)危うく お迎えの支度を 始めるところであったわ 346 00:25:15,580 --> 00:25:20,785 またもや 誉れある戦をせぬかと 声がかかれば 乗らない手はない 347 00:25:21,353 --> 00:25:24,522 (義盛)皆 書き終わった 八幡宮(はちまんぐう)へ誓いを立てに行こう 348 00:25:24,589 --> 00:25:25,690 (義村)全部で何人だ 349 00:25:25,757 --> 00:25:26,691 (義盛)六十七 350 00:25:26,758 --> 00:25:27,626 (義時)多すぎる! 351 00:25:27,692 --> 00:25:28,960 (戸が開く音) 352 00:25:29,027 --> 00:25:32,030 (実平(さねひら)) お前たち どういうつもりだ! 353 00:25:33,164 --> 00:25:35,267 皆 共に 力を合わせて 354 00:25:35,333 --> 00:25:37,769 ここまでやってきた 仲間ではないのか 355 00:25:38,236 --> 00:25:41,072 ようやく泰平(たいへい)の世となったのに— 356 00:25:41,139 --> 00:25:44,876 なにゆえ また 身内同士で いがみ合わねばならんのだ! 357 00:25:45,710 --> 00:25:47,279 かようなことをして— 358 00:25:47,345 --> 00:25:49,915 頼朝様がお喜びになると お思いか! 359 00:25:49,981 --> 00:25:51,316 (義盛)いいんだぜ 360 00:25:52,083 --> 00:25:56,421 一緒に土肥(どいの)実平殿への 訴状をこしらえても 361 00:25:59,324 --> 00:26:03,395 (実平)この先 鎌倉は どうなっていくのだ! 362 00:26:03,828 --> 00:26:04,863 ったく… 363 00:26:06,264 --> 00:26:07,299 あっ… 364 00:26:23,081 --> 00:26:28,520 (義村)これを明日 大江(おおえ)殿に預け 鎌倉殿に披露していただきます 365 00:26:32,057 --> 00:26:33,091 (りく)失礼 366 00:26:33,625 --> 00:26:34,993 (義盛)ああ~っ! 367 00:26:37,395 --> 00:26:38,496 (時政)何をする! 368 00:26:39,130 --> 00:26:43,034 うちの人は関わりなかったことに させていただきます 369 00:26:44,202 --> 00:26:45,570 訳を伺いましょう 370 00:26:46,271 --> 00:26:47,806 百に一つ— 371 00:26:48,173 --> 00:26:52,277 鎌倉殿と梶原殿が結託したら どうするのです 372 00:26:52,744 --> 00:26:57,349 名を連ねた御家人たちは 根こそぎ やっつけられてしまいます 373 00:26:57,749 --> 00:27:01,019 (時政)それで 紙の端に名を書かせたのか 374 00:27:01,453 --> 00:27:03,688 切り取ったのが分からぬように 375 00:27:04,623 --> 00:27:08,560 (時政)大した女子(おなご)じゃのう 376 00:27:13,865 --> 00:27:15,066 おやめなさい 377 00:27:17,669 --> 00:27:20,271 あんた やるな 378 00:27:24,275 --> 00:27:28,179 (比奈(ひな))梶原殿は どうして そんなに嫌われているのですか 379 00:27:29,614 --> 00:27:32,317 あまり 心を開かれるお方ではないから— 380 00:27:32,784 --> 00:27:33,852 誤解もされやすい 381 00:27:35,620 --> 00:27:37,155 (比奈)心配です 382 00:27:37,389 --> 00:27:40,659 小四郎(こしろう)殿も いつ狙われるか 分からないではないですか 383 00:27:41,459 --> 00:27:43,328 肝に銘じておかねばな 384 00:27:44,763 --> 00:27:48,566 太郎殿 鎌倉殿から離れてはなりませんよ 385 00:27:48,900 --> 00:27:51,636 小四郎殿に不都合なことがあったら すぐに知らせるのです 386 00:27:56,307 --> 00:28:00,912 それにしても 坂東(ばんどう)武者は 内輪で争うのが好きですね 387 00:28:02,447 --> 00:28:03,782 これで終わりにしたいものだ 388 00:28:06,551 --> 00:28:09,354 (比奈)新たな始まりでなければ いいんですけど 389 00:28:11,656 --> 00:28:12,490 (義盛)何っ!? 390 00:28:13,758 --> 00:28:16,094 まだ鎌倉殿は 御覧になっておらんのか! 391 00:28:16,928 --> 00:28:19,297 (広元) 訴状を上げるのは最後の一手 392 00:28:20,198 --> 00:28:22,934 事を穏便に済ませる 手だてがないか 393 00:28:23,435 --> 00:28:25,070 今は それを考えておる 394 00:28:25,403 --> 00:28:27,605 (義盛)梶原が そんなに怖いか 395 00:28:28,339 --> 00:28:30,008 (広元)恐れているからではない 396 00:28:31,076 --> 00:28:33,011 不憫(ふびん)に思ってのことである 397 00:28:33,878 --> 00:28:37,882 これだけ多くの御家人の声を 封じ込めるおつもりか 398 00:28:41,052 --> 00:28:44,289 鎌倉殿に渡すか 渡さないか 399 00:28:44,956 --> 00:28:46,891 今 ここで返答せい! 400 00:29:05,043 --> 00:29:09,180 これより 鎌倉殿のご沙汰が 401 00:29:10,782 --> 00:29:12,484 行くことはありません 402 00:29:13,852 --> 00:29:16,054 私が頼家と話します 403 00:29:18,123 --> 00:29:19,991 (景時)それには及びませぬ 404 00:29:21,860 --> 00:29:27,465 あなたが欲得で動く人でないことは 頼朝様からも聞いていました 405 00:29:29,033 --> 00:29:30,902 恐れ多いお言葉 406 00:29:31,503 --> 00:29:35,907 もし おかしなことになったら 取り返しがつきませんよ 407 00:29:37,675 --> 00:29:41,779 鎌倉殿は 賢いお方 408 00:29:43,748 --> 00:29:47,085 某(それがし)を手放すようなことは 決してございませぬ 409 00:29:50,388 --> 00:29:57,362 一つは 梶原景時からの 結城朝光謀反を訴える訴状 410 00:30:00,064 --> 00:30:05,069 そして一つは 梶原景時に対する訴状 411 00:30:06,137 --> 00:30:07,739 (康信)調べによりますれば— 412 00:30:08,273 --> 00:30:13,044 結城朝光に謀反の疑いは ないと見て よいようにございます 413 00:30:14,746 --> 00:30:16,581 (頼家)だそうだが 平三 414 00:30:17,448 --> 00:30:20,919 疑いが晴れれば これに越したことはござりませぬ 415 00:30:23,254 --> 00:30:24,756 (頼家)では この訴状は… 416 00:30:28,426 --> 00:30:29,794 さて こちらは… 417 00:30:33,865 --> 00:30:37,836 梶原殿の行いは目に余ります 418 00:30:38,369 --> 00:30:42,707 断固たるご処分を 下されるべきでございましょう 419 00:30:45,210 --> 00:30:47,212 言われておるぞ 平三 420 00:30:48,980 --> 00:30:52,150 全ては鎌倉殿がお決めになること 421 00:30:54,519 --> 00:30:58,790 梶原殿は 鎌倉を守りたい一心であったはず 422 00:30:58,856 --> 00:31:00,291 私欲はござらぬ 423 00:31:00,358 --> 00:31:02,460 分からねえぜ 424 00:31:06,631 --> 00:31:11,569 (頼家)平三 申し開きしたければしてみよ 425 00:31:14,606 --> 00:31:17,175 この梶原平三景時 426 00:31:18,443 --> 00:31:22,247 恥じ入るところは ただの一点もござらぬ 427 00:31:33,191 --> 00:31:35,460 父は御家人たちをまとめるため— 428 00:31:37,362 --> 00:31:39,797 上総介広常(かずさのすけひろつね)を斬った 429 00:31:41,933 --> 00:31:43,134 お前を許せば— 430 00:31:43,868 --> 00:31:47,005 この六十六人の御家人が 黙ってはいまい 431 00:31:48,906 --> 00:31:50,942 梶原平三景時 432 00:31:52,243 --> 00:31:53,278 (景時)はっ 433 00:31:56,047 --> 00:32:01,119 役目を解き 謹慎を申しつける 434 00:32:15,400 --> 00:32:20,338 (後鳥羽(ごとば)上皇)頼朝が死んで 早速 仲たがいが始まったか 435 00:32:22,907 --> 00:32:26,177 (後鳥羽上皇) ああ 梶原… 何といった? 436 00:32:27,178 --> 00:32:29,614 (通親(みちちか))景時にございます 437 00:32:31,582 --> 00:32:33,351 それほど有能か 438 00:32:34,319 --> 00:32:36,954 かねてより誼がございまして 439 00:32:39,357 --> 00:32:46,030 頼朝に気に入られ 鎌倉では 最も力のある御家人でございます 440 00:32:47,632 --> 00:32:53,871 それほどの男なら 我が手中に置きとうなった 441 00:32:57,575 --> 00:33:01,746 試しに くすぐってみよ 442 00:33:02,613 --> 00:33:03,648 (通親)はっ 443 00:33:06,651 --> 00:33:08,386 (義時)残念でございます 444 00:33:11,289 --> 00:33:15,960 某の過ちは 己を過信したこと 445 00:33:18,162 --> 00:33:20,431 鎌倉殿と御家人たち 446 00:33:21,966 --> 00:33:24,836 どちらも意のままに操れると 思い込み 447 00:33:26,471 --> 00:33:28,740 どちらからも疎まれた 448 00:33:31,576 --> 00:33:36,147 (義時)一日も早く復帰できるよう 今 動いております 449 00:33:38,616 --> 00:33:41,252 捨てる神あれば 拾う神あり 450 00:33:49,360 --> 00:33:50,728 上皇様からだ 451 00:33:57,068 --> 00:33:59,037 京へ来いとの仰せ 452 00:33:59,971 --> 00:34:02,073 通親公が伝えてきた 453 00:34:04,909 --> 00:34:06,978 いかがなされるおつもりですか 454 00:34:09,881 --> 00:34:12,550 (景時)鎌倉にいても先は見えた 455 00:34:16,320 --> 00:34:17,789 いてもらわねば困ります 456 00:34:20,425 --> 00:34:22,026 某は もはや… 457 00:34:22,093 --> 00:34:23,127 (ハサミを置く音) 458 00:34:31,369 --> 00:34:32,703 行ってはなりませぬ! 459 00:34:39,177 --> 00:34:40,211 (はなをすする音) 460 00:34:58,830 --> 00:35:02,233 (琵琶の音) 461 00:35:02,300 --> 00:35:04,435 (義村)しばらく姿を隠せ 462 00:35:07,271 --> 00:35:11,375 全ては こちらの思いどおりに進んだ 463 00:35:11,442 --> 00:35:13,344 (朝光)さすがでございます 464 00:35:13,845 --> 00:35:16,781 (義村)例のこと くれぐれも他言は無用で頼む 465 00:35:17,548 --> 00:35:21,819 実衣殿に相談を持ちかけたのは あくまで おぬしの一存 466 00:35:26,958 --> 00:35:28,960 (朝光) そんなに梶原殿が憎いですか 467 00:35:30,628 --> 00:35:31,696 別に 468 00:35:32,630 --> 00:35:38,569 ただ あいつにいられると 何かと話が進まないんでね 469 00:35:44,242 --> 00:35:45,276 (ため息) 470 00:35:48,479 --> 00:35:50,515 我が手の者から聞いた 471 00:35:52,250 --> 00:35:54,585 京から誘いがあったそうだな 472 00:35:57,455 --> 00:36:03,227 わしに伝えなかったということは その気があるということ 473 00:36:04,829 --> 00:36:06,731 そう考えて間違いないな 474 00:36:08,499 --> 00:36:10,434 結構にございます 475 00:36:12,236 --> 00:36:16,874 “忠臣は二君に仕えず” 476 00:36:18,809 --> 00:36:22,480 お前は自分が忠臣でないことを 認めたわけだ 477 00:36:25,116 --> 00:36:30,655 この鎌倉に 忠義を誓わぬ者は要らぬ! 478 00:36:33,324 --> 00:36:37,461 奥州外ヶ浜(おうしゅうそとがはま)に流罪とする 479 00:36:44,535 --> 00:36:47,805 (語り)正治二年 正月 480 00:37:08,626 --> 00:37:09,460 ばかな! 481 00:37:10,595 --> 00:37:13,698 (比奈)すぐに比企の館に 手遅れになる前に! 482 00:37:19,704 --> 00:37:20,805 (能員)待っておった 483 00:37:22,607 --> 00:37:25,242 (義村) このこと 知っている者は? 484 00:37:25,509 --> 00:37:27,511 (能員) そなたにしか声はかけておらぬ 485 00:37:29,647 --> 00:37:31,248 (義時)あとはお任せください 486 00:37:31,916 --> 00:37:36,621 万一のことがあれば 比企は終わりだ 487 00:37:38,289 --> 00:37:39,657 (義時)分かっております 488 00:37:40,558 --> 00:37:42,360 (せつ)一幡(いちまん)をお助けください! 489 00:37:46,497 --> 00:37:47,632 穏便に… 490 00:37:49,767 --> 00:37:51,535 穏便に済ませるのだ 491 00:37:53,170 --> 00:37:56,607 鎌倉殿の耳には決して入れるな 492 00:38:06,984 --> 00:38:09,286 (景時)そっと連れ出すつもりが 493 00:38:09,353 --> 00:38:12,556 一幡様に泣かれてしまい かようなことに 494 00:38:14,859 --> 00:38:19,463 このようなことをして ただで済むとお思いか 495 00:38:20,598 --> 00:38:22,500 我らは これより京へ向かう 496 00:38:23,701 --> 00:38:26,671 向こうに着いたら 一幡様は送り返す 497 00:38:27,271 --> 00:38:29,073 このようなことをせずとも— 498 00:38:30,675 --> 00:38:34,645 京へ無事にたどりつけるよう 私が手配いたしましょう 499 00:38:34,712 --> 00:38:39,283 (景時)申し訳ないが そなたを信じるわけにはゆかぬ 500 00:38:40,718 --> 00:38:42,953 上皇様からのお誘いの件 501 00:38:44,388 --> 00:38:47,258 鎌倉殿に流したのは そなたであろう 502 00:38:52,296 --> 00:38:53,397 (景時)なにゆえ 503 00:38:53,931 --> 00:38:54,965 行けば— 504 00:38:56,200 --> 00:38:58,469 鎌倉殿は決して あなたを許さない 505 00:39:00,371 --> 00:39:02,373 必ず討ち取ろうとされる 506 00:39:03,007 --> 00:39:07,945 それは 朝廷との争いの火種となる 507 00:39:10,781 --> 00:39:14,518 鎌倉を守るのが私の役目 508 00:39:16,520 --> 00:39:18,656 (景時)ひけらかすものではないな 509 00:39:18,723 --> 00:39:22,393 (義時)誰にも見せず 破り捨てるべきでした 510 00:39:32,603 --> 00:39:37,875 刀は 斬り手によって 511 00:39:39,443 --> 00:39:42,079 名刀にも なまくらにもなる 512 00:39:45,549 --> 00:39:48,319 なまくらで終わりたくはなかった 513 00:40:00,831 --> 00:40:01,899 (せつ)一幡! 514 00:40:05,503 --> 00:40:07,037 (義時)手を出すな! 515 00:40:08,773 --> 00:40:13,144 (景時)これより 流罪先の外ヶ浜へ参る 516 00:40:15,246 --> 00:40:16,814 (義時)通してさしあげよ 517 00:40:22,620 --> 00:40:23,854 小四郎殿 518 00:40:25,923 --> 00:40:29,560 そなたは 上総介広常の前で こう申した 519 00:40:31,028 --> 00:40:36,066 我らは 坂東武者のために 立ち上がったのだと 520 00:40:37,101 --> 00:40:39,470 源氏は飾りにすぎぬと 521 00:40:42,139 --> 00:40:43,941 忘れてはおらぬな 522 00:40:52,716 --> 00:40:54,952 己の道を突き進め 523 00:40:56,921 --> 00:41:00,324 置き土産じゃ これへ 524 00:41:00,391 --> 00:41:01,225 (家人(けにん))はっ 525 00:41:02,993 --> 00:41:05,663 (鳥の鳴き声) 526 00:41:08,599 --> 00:41:10,167 おぬしに譲る 527 00:41:13,838 --> 00:41:15,039 参ろう 528 00:41:39,530 --> 00:41:41,532 (義時)すぐに兵を調えよ 529 00:41:42,867 --> 00:41:43,901 (頼時)えっ… 530 00:41:44,802 --> 00:41:48,272 (義時)梶原殿は 必ず西へ向かわれる 531 00:41:49,073 --> 00:41:50,107 (頼時)京へ? 532 00:41:51,775 --> 00:41:53,310 (義時)東海道で討ち取る 533 00:41:58,249 --> 00:41:59,416 分からぬのか 534 00:42:01,819 --> 00:42:06,724 梶原殿は 華々しく戦で死ぬおつもり 535 00:42:09,193 --> 00:42:10,527 武士らしくな 536 00:42:14,932 --> 00:42:15,766 急げ 537 00:42:19,770 --> 00:42:20,804 はっ 538 00:42:27,311 --> 00:42:28,545 (ため息) 539 00:42:39,556 --> 00:42:41,625 {\an8}これからは 好きにやらせてもらう 540 00:42:41,692 --> 00:42:45,029 {\an8}信じてないけど 信じたいのです 541 00:42:45,095 --> 00:42:45,963 {\an8}(善児(ぜんじ))見ました? 542 00:42:47,097 --> 00:42:48,432 {\an8}(家人)いたぞ! 543 00:42:48,499 --> 00:42:51,535 {\an8}比企と争う時は 終わったのです 544 00:42:52,636 --> 00:42:55,306 {\an8}(読経) 545 00:42:55,372 --> 00:42:57,174 {\an8}(頼家) 鎌倉から放り出せ! 546 00:42:57,241 --> 00:42:59,009 {\an8}(時政)次郎ーっ!