1 00:00:14,547 --> 00:00:15,749 {\an8}(語り)夜 2 00:00:16,850 --> 00:00:21,855 {\an8}夕方から降り続けた雪は 強さを増している 3 00:00:40,407 --> 00:00:45,111 (歩き巫女(みこ))天命に逆らうな 4 00:01:12,138 --> 00:01:13,339 (義村(よしむら))どうして ここにいる 5 00:01:14,107 --> 00:01:15,742 (時房(ときふさ))聞かないであげてください 6 00:01:20,180 --> 00:01:22,682 (義時(よしとき))外されてしまった 7 00:01:28,655 --> 00:01:29,689 何だ 8 00:01:30,023 --> 00:01:32,092 (仲章(なかあきら))北条(ほうじょう)殿は ここまで 9 00:01:32,592 --> 00:01:33,726 私は太刀持ちの役目を… 10 00:01:33,793 --> 00:01:37,897 太刀は私が持つ 鎌倉殿のご命令だ 11 00:01:38,898 --> 00:01:42,936 おぬしは もう 用なしということよ 12 00:01:53,279 --> 00:01:55,248 (時房) 本当に鎌倉殿のご命令かどうか 13 00:01:55,315 --> 00:01:56,416 (義時)もうよい 14 00:01:57,784 --> 00:01:58,952 (時房)無念です 15 00:02:12,332 --> 00:02:13,166 どうなんだ 16 00:02:14,734 --> 00:02:15,635 (義村)何がだ 17 00:02:15,702 --> 00:02:17,904 (義時)公暁(こうぎょう)殿は どこに潜んでいる 18 00:02:18,938 --> 00:02:19,839 (義村)なぜ 俺に聞く 19 00:02:19,906 --> 00:02:20,974 (義時)察しはついている 20 00:02:23,409 --> 00:02:24,744 では 聞こう 21 00:02:26,179 --> 00:02:30,383 それが分かっていながら お前は なぜ動かぬ 22 00:02:34,487 --> 00:02:36,222 思いは同じ 23 00:02:39,526 --> 00:02:42,529 鎌倉殿は 私に憤っておられる 24 00:02:45,131 --> 00:02:48,334 もし 公暁殿が討ち損じたなら… 25 00:02:51,804 --> 00:02:53,706 私は終わりだ 26 00:03:01,447 --> 00:03:03,449 ♪~ 27 00:05:07,840 --> 00:05:09,842 ~♪ 28 00:05:23,089 --> 00:05:27,527 天命に逆らうな 29 00:05:34,133 --> 00:05:35,702 (足音) 30 00:05:36,135 --> 00:05:37,670 -(泰時(やすとき))父上! -(義時)おう 31 00:05:37,737 --> 00:05:40,339 (荒い息遣い) 32 00:05:40,406 --> 00:05:41,541 (泰時)どうして ここに 33 00:05:41,607 --> 00:05:43,309 (時房)聞かないであげてくれ 34 00:05:45,611 --> 00:05:47,914 (泰時)父上は ここから動かぬよう 35 00:05:48,548 --> 00:05:52,585 公暁殿は 父上の命も狙っております 36 00:06:30,723 --> 00:06:31,824 これは 37 00:06:34,093 --> 00:06:37,363 聖なる儀式の邪魔をしてはならぬ 38 00:06:49,108 --> 00:06:50,309 (公暁)覚悟ーっ! 39 00:06:52,211 --> 00:06:53,413 義時ーっ! 40 00:06:53,479 --> 00:06:54,547 (斬る音) 41 00:06:54,614 --> 00:06:57,717 (一同)ああ… ああ… 42 00:07:00,686 --> 00:07:03,055 ああ~っ! 43 00:07:03,122 --> 00:07:04,624 ああ~っ! 44 00:07:06,559 --> 00:07:08,427 ああ~っ! 45 00:07:08,494 --> 00:07:09,562 (突き刺す音) 46 00:07:17,170 --> 00:07:18,204 うっ… 47 00:07:20,373 --> 00:07:22,842 うっ… うっ… 48 00:07:24,210 --> 00:07:29,415 寒い… 寒いぞ… 49 00:07:30,116 --> 00:07:31,784 寒いぞ… 50 00:07:33,586 --> 00:07:39,592 ああ… 寒いんだよ~! 51 00:07:39,659 --> 00:07:40,593 (公暁)うおお~っ! 52 00:07:40,660 --> 00:07:41,694 (斬る音) 53 00:07:54,907 --> 00:07:56,309 鎌倉殿~! 54 00:07:56,375 --> 00:07:57,176 動くな! 55 00:08:30,977 --> 00:08:34,780 (歩き巫女)天命に逆らうな 56 00:09:25,531 --> 00:09:26,365 鎌倉殿~! 57 00:09:26,432 --> 00:09:27,867 うわあ~っ! 58 00:09:27,934 --> 00:09:29,068 (斬る音) 59 00:09:49,956 --> 00:09:54,727 阿闍梨(あじゃり)公暁 親の敵 討ったぞ! 60 00:09:56,529 --> 00:10:01,233 源氏嫡流 簒奪(さんだつ)の謀略は ここに明ら… 61 00:10:09,508 --> 00:10:11,110 斬り捨てよ! 62 00:10:11,177 --> 00:10:13,579 (一同)オ~! 63 00:10:13,646 --> 00:10:17,717 (喊声(かんせい)) 64 00:10:17,783 --> 00:10:24,624 (斬り合う音) 65 00:10:27,960 --> 00:10:29,061 (足音) 66 00:10:38,604 --> 00:10:40,339 (実衣(みい))気をしっかり持って 67 00:10:41,741 --> 00:10:42,775 (政子(まさこ))何… 68 00:10:44,143 --> 00:10:47,446 (歩き巫女)天命に逆らうな 69 00:10:48,981 --> 00:10:52,685 (朝時(ともとき))ああ このばあさん 誰彼構わず— 70 00:10:52,752 --> 00:10:54,920 “天命に逆らうな”ばっかり 言ってるんだ 71 00:10:54,987 --> 00:10:59,125 昔は よく当たる歩き巫女で 有名だったのにな 72 00:10:59,191 --> 00:11:01,660 -(朝時)どこから迷い込んだんだ -(歩き巫女)天命に逆らうな 73 00:11:01,727 --> 00:11:02,628 来なさい 74 00:11:02,695 --> 00:11:05,831 天命に… 天命に逆らうな 75 00:11:05,898 --> 00:11:06,732 (朝時)ああ… 76 00:11:12,705 --> 00:11:16,742 (義村)笑えるな お前の代わりに死んでくれた 77 00:11:20,212 --> 00:11:22,114 兄上は 天に守られているようです 78 00:11:41,600 --> 00:11:43,035 (義時)公暁を捕らえる 79 00:11:43,536 --> 00:11:44,870 決して逃してはならん 80 00:11:45,805 --> 00:11:48,841 (広元(ひろもと))更なる暴挙に出ぬよう 追討の兵を挙げます 81 00:11:48,908 --> 00:11:52,111 (泣き声) 82 00:11:52,178 --> 00:11:54,847 (広元)泣いているだけなら ここにいる必要はござらぬ 83 00:11:55,448 --> 00:11:56,282 出ていかれよ 84 00:11:57,183 --> 00:11:58,284 (康信(やすのぶ))申し訳ない 85 00:11:58,350 --> 00:12:00,853 急ぎ 跡継ぎを定めねばなるまい 86 00:12:01,554 --> 00:12:03,222 (広元)次の鎌倉殿… 87 00:12:03,956 --> 00:12:06,392 (康信)京に対しては いかがなさいます 88 00:12:06,459 --> 00:12:08,227 (義時)上皇様に文を出せ 89 00:12:09,161 --> 00:12:14,700 鎌倉殿は失ったが 動揺は一切ないと 90 00:12:14,767 --> 00:12:15,968 (広元)すぐに手配を 91 00:12:23,275 --> 00:12:25,544 ご無事で何よりでございました 92 00:12:28,247 --> 00:12:32,351 まさか私まで狙っていたとはな 93 00:12:32,985 --> 00:12:38,524 (広元)源(みなもとの)仲章殿には災難でしたが 自業自得 94 00:12:39,558 --> 00:12:42,962 おかげで手間が一つ省けました 95 00:12:44,663 --> 00:12:46,499 どうやら 私には… 96 00:12:48,067 --> 00:12:51,971 まだ やらねばならぬことが あるようだ 97 00:12:55,841 --> 00:12:59,912 (時房) 鎌倉殿の亡骸(なきがら)は 先ほど お部屋に 98 00:13:02,248 --> 00:13:03,682 御台所(みだいどころ)は? 99 00:13:05,050 --> 00:13:09,688 ご遺体の手を握りしめたまま 決して離そうとなさいません 100 00:13:23,536 --> 00:13:27,473 公暁は 必ず討ち取りなさい 101 00:13:29,475 --> 00:13:33,879 首は 御所の正面にさらすのです! 102 00:13:34,647 --> 00:13:35,481 (政子)実衣 103 00:13:35,815 --> 00:13:38,584 それくらいしないと 気が収まらないわ 104 00:13:43,722 --> 00:13:47,126 あの子は私と頼朝(よりとも)様の血を 引いているのです 105 00:13:49,195 --> 00:13:50,563 命は助けてやりましょう 106 00:13:54,266 --> 00:13:57,736 何を言ってるの 大丈夫? 107 00:13:58,504 --> 00:14:00,673 公暁は謀反人です 108 00:14:00,739 --> 00:14:03,108 尼御台(あまみだい)がそのようなことを 言ってはなりません 109 00:14:06,512 --> 00:14:11,884 公暁の首を取って 実朝(さねとも)が喜ぶとは私は思えない 110 00:14:14,186 --> 00:14:18,657 だったら 今から 実朝に会いに行きましょうよ 111 00:14:19,992 --> 00:14:22,728 あの子の前でも 同じことが言えるかどうか 112 00:14:24,396 --> 00:14:25,631 さあ 姉上 113 00:14:25,698 --> 00:14:29,401 (足音) 114 00:14:29,468 --> 00:14:30,903 御台所です 115 00:14:34,807 --> 00:14:36,075 (政子)御台所… 116 00:14:43,148 --> 00:14:46,252 (千世(ちよ))あの方のお部屋に これが 117 00:14:52,024 --> 00:14:57,696 鎌倉殿の最後のお言葉です 118 00:15:09,241 --> 00:15:10,075 (政子)お願い 119 00:15:19,518 --> 00:15:20,919 “出(いで)ていなば…” 120 00:15:22,321 --> 00:15:26,992 (実朝の声) 121 00:15:55,054 --> 00:15:57,423 (泣き声) 122 00:15:57,489 --> 00:15:58,524 (時房)これは… 123 00:16:00,526 --> 00:16:01,927 別れの歌… 124 00:16:16,375 --> 00:16:17,409 (番人)どうされた 125 00:16:18,277 --> 00:16:20,346 (番人)仲章様が討たれたらしい 126 00:16:21,747 --> 00:16:22,581 (関節を外す音) 127 00:16:31,023 --> 00:16:32,057 (番人)うっ…! 128 00:16:37,429 --> 00:16:38,263 (番人)おっ…! 129 00:16:51,777 --> 00:16:53,412 (のえ)お帰りなさいませ 130 00:16:55,948 --> 00:17:01,186 鎌倉殿が襲われたと聞いて 小四郎(こしろう)殿のことが心配で心配で 131 00:17:01,553 --> 00:17:03,589 ご無事で何よりでございます 132 00:17:08,193 --> 00:17:10,329 代わりに仲章が死んだ 133 00:17:12,898 --> 00:17:14,600 亡くなられたのですか? 134 00:17:16,201 --> 00:17:17,736 着替えて御所へ戻る 135 00:17:22,841 --> 00:17:24,410 お前も救われたな 136 00:17:26,311 --> 00:17:27,613 あ… は… はい? 137 00:17:31,417 --> 00:17:33,585 あいつは お前に目をつけていた 138 00:17:34,686 --> 00:17:35,921 いずれ お前は— 139 00:17:36,288 --> 00:17:38,757 言わなくてよいことを しゃべっていただろう 140 00:17:40,692 --> 00:17:43,362 私は お前を 斬っていたかもしれない 141 00:17:45,197 --> 00:17:50,369 えっ… 分からない 妬(や)いておられるのですか 142 00:17:55,507 --> 00:18:01,580 八重(やえ)も比奈(ひな)も もう少し出来た女子(おなご)だった 143 00:18:04,216 --> 00:18:07,186 言っていいことと 悪いことがございます! 144 00:18:08,987 --> 00:18:11,390 今のは どちらでしょうか 145 00:18:12,825 --> 00:18:15,160 今のは どちらでしょうか! 146 00:18:19,498 --> 00:18:23,635 早く若君を見つけ出せ ほかのやつらに先を越されるな 147 00:18:24,470 --> 00:18:27,873 (胤義(たねよし))見つけたら ここにお連れしてよろしいか 148 00:18:28,941 --> 00:18:30,642 見つけ次第 殺すんだ 149 00:18:30,709 --> 00:18:31,543 兄上! 150 00:18:31,610 --> 00:18:32,911 分からんのか! 151 00:18:33,612 --> 00:18:36,748 我らが謀反に加担していたことを しゃべられたら— 152 00:18:37,282 --> 00:18:39,218 三浦(みうら)は終わりなんだ! 153 00:18:43,489 --> 00:18:44,523 (縁側の板をたたく音) 154 00:18:59,438 --> 00:19:01,073 すぐに退散します 155 00:19:06,411 --> 00:19:08,780 (政子)ここにいては すぐに捕まってしまいます 156 00:19:09,781 --> 00:19:10,916 入りなさい 157 00:19:44,516 --> 00:19:46,018 (政子)実朝は— 158 00:19:47,219 --> 00:19:49,588 あなたに謝りたいと 言っていました 159 00:19:53,058 --> 00:19:54,459 (公暁)話をしました 160 00:19:56,728 --> 00:19:57,930 (政子)会ったのですか…? 161 00:19:59,264 --> 00:20:05,037 二人で 源氏の世をつくろうと 言われました 162 00:20:08,407 --> 00:20:10,175 あの子が そんなことを… 163 00:20:11,076 --> 00:20:15,247 (公暁)しかし 私には信じられなかった 164 00:20:18,283 --> 00:20:20,219 欺かれてると思いました 165 00:20:24,222 --> 00:20:25,591 こんなことをして 166 00:20:26,525 --> 00:20:29,361 鎌倉殿に本気でなれると 思っていたのですか 167 00:20:31,296 --> 00:20:35,567 謀反を起こした者に ついてくる御家人はいません 168 00:20:45,911 --> 00:20:47,279 多分 そうでしょう 169 00:20:48,313 --> 00:20:50,249 (政子) 分かっていたなら どうして 170 00:21:00,292 --> 00:21:02,494 知らしめたかったのかも しれません 171 00:21:04,029 --> 00:21:05,530 知らしめる… 172 00:21:07,232 --> 00:21:09,635 源頼朝を祖父に持ち 173 00:21:13,071 --> 00:21:18,110 源頼家(よりいえ)を父に持った 私の名を 174 00:21:25,617 --> 00:21:26,785 公暁 175 00:21:31,823 --> 00:21:32,858 結局… 176 00:21:36,595 --> 00:21:39,064 私には 武士の名はありませんでした 177 00:21:47,105 --> 00:21:48,440 お見せしたいものが 178 00:21:59,351 --> 00:22:02,087 (公暁) 実朝の部屋から持ってきました 179 00:22:08,727 --> 00:22:13,432 これぞ 鎌倉殿の証し 180 00:22:22,207 --> 00:22:23,875 四代目は私です 181 00:22:26,745 --> 00:22:31,483 それだけは 忘れないでください 182 00:22:39,858 --> 00:22:41,993 二度と お会いすることもないでしょう 183 00:22:43,128 --> 00:22:44,162 御免 184 00:22:51,603 --> 00:22:53,939 (義時)どこまで知っていた 185 00:22:57,042 --> 00:23:02,514 公暁から相談は受けた しかし 断った 186 00:23:08,487 --> 00:23:10,055 信じてもらえそうにないな 187 00:23:10,122 --> 00:23:11,323 (義時)無理だな 188 00:23:13,325 --> 00:23:17,362 では 正直に言うことにする 189 00:23:19,998 --> 00:23:22,167 確かに 一時は考えた 190 00:23:23,335 --> 00:23:30,142 公暁をたきつけて 実朝を殺し てっぺんに上り詰めようと思った 191 00:23:32,377 --> 00:23:33,712 だが やめた 192 00:23:36,848 --> 00:23:38,850 なぜだか教えてやろうか 193 00:23:43,688 --> 00:23:45,390 (義時)聞かせてもらおうか 194 00:23:49,428 --> 00:23:52,597 お前のことを考えたら 嫌になったんだよ 195 00:23:56,334 --> 00:24:01,840 今のお前は 力にしがみついて 恨みを集め 196 00:24:02,441 --> 00:24:03,775 おびえ切ってる 197 00:24:05,644 --> 00:24:11,049 そんな姿を見ていて 誰が取って代わろうと思う 198 00:24:16,054 --> 00:24:21,359 私には もう敵はいない 天も味方してくれた 199 00:24:22,527 --> 00:24:26,398 これからは 好きなようにやらせてもらう 200 00:24:27,866 --> 00:24:29,634 頼朝気取りか 201 00:24:31,536 --> 00:24:36,408 言っとくが これで鎌倉はガタガタだ 202 00:24:39,211 --> 00:24:44,816 せいぜい 馬から落ちないように 気をつけるんだな 203 00:24:49,287 --> 00:24:51,223 私が狙われていたことは? 204 00:24:55,393 --> 00:24:58,897 公暁が私を殺そうとしていたことは 205 00:25:01,399 --> 00:25:03,001 知っていたのか 206 00:25:13,645 --> 00:25:14,713 私に… 207 00:25:19,184 --> 00:25:21,620 死んでほしかったのでは ないのか! 208 00:25:32,564 --> 00:25:35,867 公暁がお前も殺そうとしていると 知ったら— 209 00:25:37,536 --> 00:25:40,205 俺は その場で あいつを殺していたよ 210 00:26:06,064 --> 00:26:07,732 (胤義)奥の間に若君が 211 00:26:09,167 --> 00:26:10,435 捕らえたのか 212 00:26:12,037 --> 00:26:14,239 助けを求めに来られました 213 00:26:25,350 --> 00:26:29,220 (戸の開閉音) 214 00:26:31,489 --> 00:26:33,224 (公暁)平六(へいろく) しくじった 215 00:26:35,093 --> 00:26:37,329 (義村)だから 申したではありませんか 216 00:26:38,196 --> 00:26:41,299 こたびは 取りやめるべきでした 217 00:26:43,001 --> 00:26:44,536 (公暁)京へ戻りたい 218 00:26:48,139 --> 00:26:51,109 (義村)それが よいと思います 219 00:26:52,978 --> 00:26:56,881 (公暁)園城寺(おんじょうじ)なら匿(かくま)ってくれる 手はずを整えてくれ 220 00:26:57,782 --> 00:26:59,050 (義村)かしこまりました 221 00:27:01,853 --> 00:27:06,291 (公暁)おかしなものだ こんな時でも腹は減る 222 00:27:08,026 --> 00:27:10,095 まだ諦めたわけではない 223 00:27:10,795 --> 00:27:12,864 いずれ再び立ち上がる 224 00:27:13,665 --> 00:27:15,033 必ず鎌倉に戻… 225 00:27:15,100 --> 00:27:16,134 (突き刺す音) 226 00:27:20,605 --> 00:27:21,439 (突き刺す音) 227 00:27:22,874 --> 00:27:23,708 うっ! 228 00:27:23,775 --> 00:27:26,511 (倒れる音) 229 00:27:27,045 --> 00:27:28,780 (公暁)うっ… ううっ… 230 00:27:39,357 --> 00:27:40,525 (突き刺す音) 231 00:27:41,192 --> 00:27:42,027 うっ… 232 00:27:55,840 --> 00:28:00,211 (義村) 公暁阿闍梨の首にございます 233 00:28:01,046 --> 00:28:02,714 ご検分いただきたい 234 00:28:25,537 --> 00:28:27,572 (義時)鎌倉殿の敵は— 235 00:28:28,339 --> 00:28:33,445 この 三浦平六左衛門尉(さえもんのじょう)義村が— 236 00:28:34,045 --> 00:28:35,747 とってくれたぞ 237 00:28:36,281 --> 00:28:37,449 (御家人たち)はっ 238 00:28:37,515 --> 00:28:41,386 (広元)さすが頼朝様挙兵以来の 忠臣でございますな 239 00:28:44,589 --> 00:28:50,228 この先も三浦一門 鎌倉のために身命を賭して— 240 00:28:50,295 --> 00:28:52,564 働く所存にございます 241 00:28:53,965 --> 00:28:58,436 北条と三浦が 手を携えてこその鎌倉 242 00:29:02,140 --> 00:29:04,242 これからも よろしく頼む 243 00:29:06,177 --> 00:29:07,512 ははっ! 244 00:29:13,551 --> 00:29:16,621 (時房) 公暁殿が三浦殿に討たれました 245 00:29:23,928 --> 00:29:25,163 一人にして 246 00:29:28,767 --> 00:29:30,101 お願いだから 247 00:29:53,958 --> 00:29:55,026 (泰時)父上 248 00:29:59,864 --> 00:30:04,135 先ほどは 人目があったので お話しできませんでした 249 00:30:07,605 --> 00:30:08,506 (義時)何だ 250 00:30:10,542 --> 00:30:15,413 あの時 なにゆえ 私の腕をつかまれたのですか 251 00:30:19,951 --> 00:30:25,190 父上は 鎌倉殿の死を望んでおられた 252 00:30:30,094 --> 00:30:33,097 全て父上の思いどおりに なりました 253 00:30:34,065 --> 00:30:37,735 これからは 好きに鎌倉を動かせる 254 00:30:37,802 --> 00:30:38,937 父上は そうお思いだ 255 00:30:41,272 --> 00:30:45,510 しかし そうはいきませぬ 256 00:30:50,248 --> 00:30:52,116 どういう意味だ 257 00:30:54,452 --> 00:30:56,788 私が それを止めてみせる 258 00:30:58,923 --> 00:31:01,292 あなたの思いどおりにはさせない 259 00:31:08,299 --> 00:31:10,301 面白い 260 00:31:15,640 --> 00:31:16,941 受けて立とう 261 00:32:03,855 --> 00:32:04,889 (政子)誰? 262 00:32:07,892 --> 00:32:08,926 (トウ)ならぬ 263 00:32:18,036 --> 00:32:19,871 では あなたが殺して 264 00:32:31,783 --> 00:32:37,021 主(あるじ)の命がなければ 人は殺せない 265 00:32:42,193 --> 00:32:47,565 自ら死んではならない 266 00:32:57,575 --> 00:33:02,480 (泣き声) 267 00:33:29,173 --> 00:33:30,708 (後鳥羽(ごとば)上皇) 実朝が殺されたというのは— 268 00:33:30,775 --> 00:33:31,809 まことか! 269 00:33:32,176 --> 00:33:36,414 (慈円(じえん))しかも 仲章殿までもが凶刃に倒れました 270 00:33:38,850 --> 00:33:42,787 (後鳥羽上皇) つくづく鎌倉とは忌まわしい所だ 271 00:33:42,854 --> 00:33:44,655 (兼子(かねこ))恐ろしや恐ろしや 272 00:33:45,456 --> 00:33:48,726 (兼子)鎌倉なんぞに 親王様を行かせてはなりません! 273 00:33:49,460 --> 00:33:52,463 こたびの下向の話 なかったことにいたしましょう 274 00:33:52,530 --> 00:33:54,232 どうか お断りあそばされませ! 275 00:33:54,298 --> 00:33:55,500 (後鳥羽上皇)まあ 待て! 276 00:33:55,967 --> 00:33:57,935 右大臣が殺されたのだ 277 00:33:58,169 --> 00:34:01,773 僧を集め まずは国の安泰を祈らせよ 278 00:34:01,839 --> 00:34:03,274 (慈円)かしこまりました 279 00:34:03,541 --> 00:34:04,842 (後鳥羽上皇)その上で… 280 00:34:06,477 --> 00:34:08,946 頼仁(よりひと)を鎌倉にやるのは やめじゃ やめじゃ! 281 00:34:09,013 --> 00:34:10,047 (慈円)しかしながら— 282 00:34:10,114 --> 00:34:13,985 実朝が死んで 親王様も下られぬとなれば— 283 00:34:14,052 --> 00:34:17,755 鎌倉は ますます北条の やりたい放題でございますぞ 284 00:34:18,423 --> 00:34:19,624 それよ 285 00:34:20,691 --> 00:34:23,828 (慈円)早々に手を打つべきでは? 286 00:34:26,731 --> 00:34:29,000 (義時)これを機会に断ってしまえ 287 00:34:29,634 --> 00:34:33,704 そして 別の方を推挙していただく 288 00:34:35,740 --> 00:34:39,010 もっと我らに扱いやすいお方を 289 00:34:39,377 --> 00:34:41,546 親王様をお迎えするべきです 290 00:34:42,947 --> 00:34:44,615 実朝様の悲願でございます! 291 00:34:45,917 --> 00:34:47,452 それを進めることこそ— 292 00:34:47,518 --> 00:34:49,587 何よりの供養になるのでは ありませぬか 293 00:34:49,654 --> 00:34:51,055 (時房)私も そう思います 294 00:34:51,122 --> 00:34:53,691 死んだ者に気を遣って どうする 295 00:34:55,660 --> 00:34:58,830 (広元)すぐに 上皇様に文を出します 296 00:34:58,896 --> 00:35:01,899 (康信)お待ちください ここまで進んでいた話を— 297 00:35:01,966 --> 00:35:04,535 今更 反故(ほご)にするのは いかがなものかと 298 00:35:04,869 --> 00:35:07,872 朝廷のご信用を 全て失いかねませぬ 299 00:35:07,939 --> 00:35:11,008 (時房)そうですよ 私は京まで行ったのですから 300 00:35:11,843 --> 00:35:13,110 (泰時)お考え直しを 301 00:35:19,817 --> 00:35:24,622 確かに こちらから断れば そうなるな 302 00:35:26,457 --> 00:35:27,792 ならば— 303 00:35:28,459 --> 00:35:32,096 向こうから断ってくるように しむけたい 304 00:35:34,932 --> 00:35:35,967 こうしよう 305 00:35:37,435 --> 00:35:39,170 この者の申すとおり— 306 00:35:40,671 --> 00:35:44,475 一日も早く 親王様に来ていただきたいと— 307 00:35:44,542 --> 00:35:46,177 強く催促するのだ 308 00:35:47,044 --> 00:35:49,747 あえて でございますな 309 00:35:49,814 --> 00:35:50,848 (義時)そうだ 310 00:35:52,416 --> 00:35:56,587 上皇様は 実朝様をみすみす死なせた鎌倉に 311 00:35:56,654 --> 00:35:58,055 お怒りのはず 312 00:35:59,290 --> 00:36:01,092 必ず断ってくる 313 00:36:02,260 --> 00:36:04,128 (広元)よいお考えかと 314 00:36:05,663 --> 00:36:07,198 (義時)さりとて— 315 00:36:08,799 --> 00:36:12,870 向こうも 我らを操る手駒は残したい 316 00:36:16,541 --> 00:36:20,177 さて どう出るか 317 00:36:22,880 --> 00:36:25,650 のう 太郎(たろう) 318 00:36:34,258 --> 00:36:36,227 ここが正念場ですよ 319 00:36:36,861 --> 00:36:39,397 (時元(ときもと))しかし 私に目はないと 320 00:36:41,832 --> 00:36:46,504 鎌倉で源氏嫡流の血を引くのは— 321 00:36:47,872 --> 00:36:51,075 全成(ぜんじょう)様の子である あなただけなのですよ 322 00:36:54,211 --> 00:36:57,648 必ず鎌倉殿にしてみせます 323 00:36:59,750 --> 00:37:02,386 この母に任せておきなさい 324 00:37:11,262 --> 00:37:13,464 (義時)公暁が持っておりました 325 00:37:18,336 --> 00:37:19,370 もうよい 326 00:37:21,772 --> 00:37:24,342 どこかに 丁寧に埋めてしまいなさい 327 00:37:25,343 --> 00:37:26,644 (義時)かしこまりました 328 00:37:32,283 --> 00:37:37,521 (政子)小四郎 私は鎌倉を去ります 329 00:37:40,491 --> 00:37:41,359 なりません 330 00:37:42,893 --> 00:37:44,095 伊豆へ帰ります 331 00:37:44,161 --> 00:37:45,396 (義時)できませぬ 332 00:37:47,298 --> 00:37:51,168 もう たくさんなんです なぜ止めるのですか 333 00:37:52,403 --> 00:37:55,172 姉上が頼朝様の妻だからです 334 00:37:57,508 --> 00:38:00,745 頼朝様のご威光を 示すことができるのは— 335 00:38:01,245 --> 00:38:02,880 あなただけだ 336 00:38:03,781 --> 00:38:07,752 むしろ立場は 今まで以上に重くなります 337 00:38:09,453 --> 00:38:14,492 今こそ 北条の鎌倉をつくるのです 338 00:38:15,793 --> 00:38:18,062 邪魔する者は もう誰もいない 339 00:38:21,332 --> 00:38:22,633 勝手にやりなさい 340 00:38:25,870 --> 00:38:27,905 姉上には とことん つきあってもらう 341 00:38:27,972 --> 00:38:29,273 (政子)放っておいて! 342 00:38:34,845 --> 00:38:38,449 (義時) 鎌倉の闇を忌み嫌うのは結構 343 00:38:40,484 --> 00:38:46,357 しかし 姉上は今まで何をなされた 344 00:38:51,996 --> 00:38:54,165 お答えになってください 345 00:38:57,635 --> 00:38:59,870 闇を断つために— 346 00:39:02,139 --> 00:39:04,608 あなたは何をなされた 347 00:39:10,081 --> 00:39:15,286 頼朝様から学んだのは 私だけではない 348 00:39:19,156 --> 00:39:21,425 我らは一心同体 349 00:39:23,360 --> 00:39:28,666 これまでも そして この先も 350 00:39:44,782 --> 00:39:46,384 仏像を作ってほしい 351 00:39:46,450 --> 00:39:47,485 (運慶(うんけい))ほう 352 00:39:48,385 --> 00:39:50,387 私に似せた仏像を 353 00:39:53,991 --> 00:39:58,596 (運慶)ハハッ 面白いこと言うな 354 00:39:59,764 --> 00:40:01,031 (義時)できるか 355 00:40:01,098 --> 00:40:02,400 造作もないこと 356 00:40:02,833 --> 00:40:04,335 しかし やらん 357 00:40:07,405 --> 00:40:08,239 なぜだ 358 00:40:09,507 --> 00:40:11,809 お前が申したことではないか 359 00:40:12,843 --> 00:40:14,211 (ため息) 360 00:40:17,114 --> 00:40:18,983 変わったなあ 361 00:40:19,950 --> 00:40:20,785 (義時)何が 362 00:40:22,520 --> 00:40:23,654 お前だよ 363 00:40:25,189 --> 00:40:27,291 迷いのない顔 364 00:40:28,759 --> 00:40:30,194 つまらん顔だ 365 00:40:31,796 --> 00:40:33,664 今のお前に興味はない 366 00:40:34,999 --> 00:40:36,801 (義時)天下の運慶に— 367 00:40:37,368 --> 00:40:42,206 神仏と一体となった己の像を 作らせる 368 00:40:44,708 --> 00:40:47,545 頼朝様が なしえなかったことがしたい 369 00:40:47,945 --> 00:40:53,517 (運慶)ハハハハハハハハ 偉くなったなあ 370 00:40:53,584 --> 00:40:56,187 (義時) 望むものは 何でもくれてやる 371 00:40:59,056 --> 00:41:01,926 (運慶)俺が欲得で 仕事をしていると思わんでくれ 372 00:41:03,494 --> 00:41:04,829 (義時)早く仕上げるために— 373 00:41:04,895 --> 00:41:07,765 弟子に手伝わせていると 申しておったな 374 00:41:08,699 --> 00:41:12,269 その分 ほかの仕事ができると 375 00:41:14,538 --> 00:41:16,841 十分 欲得ではないのか 376 00:41:21,412 --> 00:41:23,247 (運慶)よくぞ見抜いた 377 00:41:25,382 --> 00:41:27,184 お前は俗物だ 378 00:41:29,286 --> 00:41:33,724 だから お前の作るものは 人の心を打つ 379 00:41:44,134 --> 00:41:45,035 期日は 380 00:41:46,971 --> 00:41:48,105 決めておらぬ 381 00:41:53,510 --> 00:41:58,883 そのかわり お前が一人で彫るのだ 382 00:42:00,851 --> 00:42:05,990 正真正銘の運慶の作として 383 00:42:13,931 --> 00:42:14,965 {\an8}いいだろう 384 00:42:16,000 --> 00:42:17,334 {\an8}それじゃあ— 385 00:42:18,302 --> 00:42:20,704 {\an8}お前のために 作ってやるよ 386 00:42:22,907 --> 00:42:24,074 {\an8}それがよい 387 00:42:44,061 --> 00:42:47,031 {\an8}(義時) 鎌倉は 誰にも渡さん 388 00:42:47,097 --> 00:42:48,098 {\an8}(政子) 尼将軍の言うことに— 389 00:42:48,165 --> 00:42:49,567 {\an8}逆らってはなりませんよ 390 00:42:49,633 --> 00:42:50,568 {\an8}(後鳥羽上皇) こうなったら— 391 00:42:50,634 --> 00:42:52,736 {\an8}化かし合いよ 392 00:42:52,803 --> 00:42:53,904 {\an8}(秀康) 鎌倉を攻め落として— 393 00:42:53,971 --> 00:42:54,838 {\an8}ご覧に入れます 394 00:42:55,472 --> 00:42:57,074 {\an8}鎌倉の行く末は— 395 00:42:57,141 --> 00:42:59,009 {\an8}叔父上に かかっております