1 00:00:36,126 --> 00:00:40,263 (北条宗時)さっさと兵を退かれよ! 2 00:00:40,263 --> 00:00:43,600 (伊東祐親) これ以上 にらみ合っても無駄じゃ。 3 00:00:43,600 --> 00:00:47,470 あとは力ずくで頼朝を奪い取るのみ。 4 00:00:47,470 --> 00:00:55,612 (北条時政)この北条時政 命に代えても 頼朝を守ってみせる! 5 00:00:55,612 --> 00:00:57,947 (祐親)語るに落ちたな。 6 00:00:57,947 --> 00:01:00,617 やつらは 頼朝を匿っていることを認めたぞ。 7 00:01:00,617 --> 00:01:02,952 父上は もう黙っていてください。 8 00:01:02,952 --> 00:01:04,888 (祐親)時政! 9 00:01:04,888 --> 00:01:07,624 戦になるぞ。 10 00:01:07,624 --> 00:01:11,294 爺様。 俺だって 何で こんなことになったのか➡ 11 00:01:11,294 --> 00:01:13,630 よく分からねえんです。 12 00:01:13,630 --> 00:01:18,968 でも 武士として 一度 匿うと決めたからには➡ 13 00:01:18,968 --> 00:01:26,643 北条時政 死んでも佐殿を渡すわけには いかねえんじゃ! 14 00:01:26,643 --> 00:03:12,943 ♬~ 15 00:03:24,828 --> 00:03:28,828 義時の運命が動き出す。 16 00:03:38,575 --> 00:03:41,911 (平 宗盛)伊豆より 知らせが届いております。➡ 17 00:03:41,911 --> 00:03:45,211 源 頼朝を覚えてらっしゃいますか。 18 00:03:49,252 --> 00:03:51,187 義朝の息子です。 19 00:03:51,187 --> 00:03:55,925 (平 清盛)ああ… 懐かしい名前じゃ。 20 00:03:55,925 --> 00:03:59,596 息子は何人かいたはずだが。 21 00:03:59,596 --> 00:04:02,932 (宗盛) 長男と次男は 先の戦で討ち取りました。 22 00:04:02,932 --> 00:04:05,268 三男坊が頼朝で➡ 23 00:04:05,268 --> 00:04:07,937 捕らえたあと 伊豆へ流しました。 24 00:04:07,937 --> 00:04:10,840 なぜ殺さなかった。 25 00:04:10,840 --> 00:04:13,840 父上が お助けになられたのです。 26 00:04:16,279 --> 00:04:18,214 忘れた。 27 00:04:18,214 --> 00:04:22,151 その頼朝が どうした。 28 00:04:22,151 --> 00:04:26,289 身柄を預かっていた伊東祐親の娘に➡ 29 00:04:26,289 --> 00:04:28,625 男児を産ませたとのこと。➡ 30 00:04:28,625 --> 00:04:31,895 怒った祐親は 頼朝を殺そうとしたのですが➡ 31 00:04:31,895 --> 00:04:34,564 すんでのところで逃げられたようです。 32 00:04:34,564 --> 00:04:39,235 いちいち そんな つまらんことを わしの耳に入れるな。 33 00:04:39,235 --> 00:04:45,575 東国の不始末は 東国の者に片をつけさせよ。 34 00:04:45,575 --> 00:04:48,244 ご無礼をいたしました。 35 00:04:48,244 --> 00:04:51,915 (北条義時)追っ手は まきました。 36 00:04:51,915 --> 00:04:54,584 (源 頼朝)何よりじゃ。 37 00:04:54,584 --> 00:04:56,920 (矢を射る音) 佐殿! 38 00:04:56,920 --> 00:04:58,855 どっからじゃ。 39 00:04:58,855 --> 00:05:04,794 頼朝を連れて逃げた義時は 今 富士の山裾にいる。 40 00:05:04,794 --> 00:05:07,931 山内首藤と。 41 00:05:07,931 --> 00:05:10,231 山内? 42 00:05:12,268 --> 00:05:14,203 (山内首藤経俊)佐殿! 43 00:05:14,203 --> 00:05:17,941 待て! ハハッ。 佐殿 おケガはありませんか? 44 00:05:17,941 --> 00:05:20,276 経俊。➡ 45 00:05:20,276 --> 00:05:22,211 無沙汰である。 46 00:05:22,211 --> 00:05:24,147 お知り合いですか。 47 00:05:24,147 --> 00:05:28,447 経俊の母御は わしの乳母じゃ。 48 00:05:30,286 --> 00:05:34,891 では 今後は北条のところに。 そうだ。 49 00:05:34,891 --> 00:05:38,227 源氏のご恩を忘れず 平家に恨みを持つ者は➡ 50 00:05:38,227 --> 00:05:40,563 この坂東にも大勢おります。 51 00:05:40,563 --> 00:05:44,563 皆 佐殿が立ち上がるのを 待っておるのです。 52 00:05:46,235 --> 00:05:51,107 この山内首藤経俊もしかり。 53 00:05:51,107 --> 00:05:57,107 そちの気持ちは しかと受け取った。 54 00:06:06,923 --> 00:06:10,623 (馬が歩く音) 55 00:06:12,795 --> 00:06:15,932 (大庭景親)待て待て待て! 56 00:06:15,932 --> 00:06:18,632 (時政)景親! 57 00:06:20,603 --> 00:06:23,940 何をやってるんだ お前たちは。 58 00:06:23,940 --> 00:06:26,275 (祐親)おぬしの出番ではない。 59 00:06:26,275 --> 00:06:30,275 伊東も北条も まあ 落ち着け。 60 00:06:32,882 --> 00:06:36,582 身内同士の諍いなんぞ 見ちゃいられねえぞ。 61 00:06:38,554 --> 00:06:40,490 フフフフ…。 62 00:06:40,490 --> 00:06:45,895 突然現れた この男は 大庭景親。 63 00:06:45,895 --> 00:06:49,565 平 清盛を後ろ盾に➡ 64 00:06:49,565 --> 00:06:52,468 相模の武士団を束ねる存在で➡ 65 00:06:52,468 --> 00:06:56,239 勢力は伊東をも上回る。 66 00:06:56,239 --> 00:06:59,909 ちなみに このころの北条は➡ 67 00:06:59,909 --> 00:07:05,782 伊豆の端の そのまた一角を治めるにすぎない。 68 00:07:05,782 --> 00:07:11,254 実はのう ゆうべ 三浦義澄が わしのところへ来て➡ 69 00:07:11,254 --> 00:07:15,591 北条が頼朝を匿ってると 教えてくれたんじゃ。 70 00:07:15,591 --> 00:07:20,463 (三浦義澄) 北条が頼朝を館に匿っておるのです。➡ 71 00:07:20,463 --> 00:07:26,602 伊東のおやじに知られたら 戦になるかもしれません。 72 00:07:26,602 --> 00:07:34,410 このままでは 北条と伊東が ぶつかると あいつなりに気を利かせたんだろう。 73 00:07:34,410 --> 00:07:37,213 で 時政。 74 00:07:37,213 --> 00:07:40,883 頼朝を差し出す気はねえか。 75 00:07:40,883 --> 00:07:44,554 ねえな。 76 00:07:44,554 --> 00:07:50,226 祐親。 頼朝を北条に移す気はねえか。 77 00:07:50,226 --> 00:07:56,566 頼朝は 平相国 清盛公から じきじきに頼まれ 身柄を預かったのじゃ。 78 00:07:56,566 --> 00:07:59,902 渡す道理がない。 79 00:07:59,902 --> 00:08:07,243 しかし それなら 平相国のお許しもなく 勝手に命を奪っていいはずもあるまい。 80 00:08:07,243 --> 00:08:09,912 おう そのとおりじゃ。 81 00:08:09,912 --> 00:08:12,815 (景親)殺せば必ず あのお方の耳に入る。 82 00:08:12,815 --> 00:08:17,515 この失態じゃ おぬしも ただじゃ済まんぞ。 83 00:08:19,922 --> 00:08:23,259 佐殿は北条に預け➡ 84 00:08:23,259 --> 00:08:29,132 以後一切 お前の娘とは縁を切ると 起請文を書かせる。 85 00:08:29,132 --> 00:08:35,132 この辺りが収めどころと思うが どうだ 祐親 悪くあるめえ。 86 00:08:39,742 --> 00:08:42,211 時政。 87 00:08:42,211 --> 00:08:45,548 悪くねえ。 88 00:08:45,548 --> 00:08:48,548 祐親。 89 00:08:51,420 --> 00:08:54,891 ここは おぬしの顔を立ててやる。 90 00:08:54,891 --> 00:08:57,226 よしっ 決まりじゃ。 91 00:08:57,226 --> 00:08:59,896 大庭殿が来てくれて助かったわ。 92 00:08:59,896 --> 00:09:03,232 ハハハ。 わしは すぐに平相国に文を出し➡ 93 00:09:03,232 --> 00:09:06,903 頼朝は北条に預けることになったと お伝えしよう。 94 00:09:06,903 --> 00:09:11,574 お頼み申す。 平相国と わしの仲じゃ 任せておけ。 95 00:09:11,574 --> 00:09:15,912 さあ これで一件落着じゃ。 96 00:09:15,912 --> 00:09:19,248 お前らには貸しが出来たわい。 97 00:09:19,248 --> 00:09:26,548 ハハハハハハハハハ! ハハハハハハハハハ! 98 00:09:34,530 --> 00:09:37,867 祐親 覚悟! 99 00:09:37,867 --> 00:09:46,209 (斬り合う音) 100 00:09:46,209 --> 00:09:48,209 (工藤祐経)やあ~! 101 00:09:50,546 --> 00:09:52,546 (祐親)祐経! 102 00:09:54,417 --> 00:09:57,417 (河津祐泰)追え! (祐親)雑魚に構うな! 103 00:10:17,240 --> 00:10:19,540 おい。 (仁田忠常)はい。 104 00:10:22,111 --> 00:10:24,111 佐殿! 105 00:10:27,884 --> 00:10:31,884 改めて よろしく頼む。 106 00:10:33,789 --> 00:10:39,262 佐殿のお世話ができること 光栄に存じます。 107 00:10:39,262 --> 00:10:41,562 父上。 108 00:10:43,132 --> 00:10:48,604 我が北条は伊東に比べて 領地も小さく 財も少なく➡ 109 00:10:48,604 --> 00:10:51,941 住み心地も悪いかとは存じますが➡ 110 00:10:51,941 --> 00:10:55,278 何とぞ ご容赦いただきたい。 111 00:10:55,278 --> 00:10:59,148 住む所があれば十分である。 112 00:10:59,148 --> 00:11:01,951 (政子)何か食べ物で 苦手なものがありましたら➡ 113 00:11:01,951 --> 00:11:04,287 先にお教えくださいませ。 114 00:11:04,287 --> 00:11:08,157 好き嫌いを言える立場ではない。 お任せしよう。 115 00:11:08,157 --> 00:11:10,457 (政子)かしこまりました。 116 00:11:15,898 --> 00:11:18,198 小四郎。 117 00:11:19,835 --> 00:11:22,972 どうか ここを我が家と思って➡ 118 00:11:22,972 --> 00:11:25,875 心行くまで おくつろぎください。 119 00:11:25,875 --> 00:11:28,175 (宗時)よう申した。 120 00:11:34,250 --> 00:11:36,185 (安達盛長)三郎殿。 121 00:11:36,185 --> 00:11:39,588 いかがなされた。 122 00:11:39,588 --> 00:11:43,259 (盛長)佐殿のご好物でございます。➡ 123 00:11:43,259 --> 00:11:45,594 小骨の多い魚は苦手です。➡ 124 00:11:45,594 --> 00:11:50,266 貝など 食べるのに手間がかかるものも あまり好まれません。 125 00:11:50,266 --> 00:11:54,266 任せた。 忙しくなりますね。 126 00:11:57,940 --> 00:12:00,843 姉上を近づけてはなりません。 127 00:12:00,843 --> 00:12:04,613 伊東の八重さんが どんな目に遭ったか ご存じでしょう。 128 00:12:04,613 --> 00:12:07,950 佐殿は無類の女好きです。 129 00:12:07,950 --> 00:12:11,620 姉上に もしものことがあったら 取り返しがつきません。 130 00:12:11,620 --> 00:12:15,491 父上 もっと身を入れて聞いてください。 131 00:12:15,491 --> 00:12:17,960 わしはわしで忙しいんじゃ。 132 00:12:17,960 --> 00:12:21,297 りくが来るまでに 少しでも きれいにしておかねばな。 133 00:12:21,297 --> 00:12:25,634 誰ですか? ばか! 俺の ほら 新しい…。 134 00:12:25,634 --> 00:12:27,570 ああ。 135 00:12:27,570 --> 00:12:30,506 文が来たんじゃ。 ハハハハハ。 136 00:12:30,506 --> 00:12:37,246 ほれ。 富士川まで迎えに行ってくる。 137 00:12:37,246 --> 00:12:39,915 今のわしに何を言っても無駄じゃよ。 138 00:12:39,915 --> 00:12:43,586 頭いっぱいだから。 ハハハハハハハ。 139 00:12:43,586 --> 00:12:47,256 あ~ りく~。 ハハハハハハハ。 140 00:12:47,256 --> 00:12:49,592 (ため息) 141 00:12:49,592 --> 00:12:53,262 佐殿のこと 大庭に言ったらしいじゃないか。 142 00:12:53,262 --> 00:12:55,931 (三浦義村) でも そのおかげで まるく収まった。 143 00:12:55,931 --> 00:13:00,603 礼を言ってもらいたいぐらいだ。 144 00:13:00,603 --> 00:13:04,273 どうするんだ これから。 頼朝は。 145 00:13:04,273 --> 00:13:07,176 身内が一人増えたと思うしかない。 146 00:13:07,176 --> 00:13:10,613 首 はねちまえよ。 147 00:13:10,613 --> 00:13:15,484 はねて 平 清盛に届ければ済むことだ。 148 00:13:15,484 --> 00:13:20,623 あれだったら手伝うぜ。 兄上が許すはずがない。 149 00:13:20,623 --> 00:13:25,623 フッ… まあ 頑張ってくれ。 150 00:13:32,234 --> 00:13:38,107 あの男は 北条が預かることになった。 151 00:13:38,107 --> 00:13:41,243 二度と会ってはならん。 152 00:13:41,243 --> 00:13:44,146 (八重)父上にお任せいたします。 153 00:13:44,146 --> 00:13:48,117 お前には嫁に行ってもらう。 154 00:13:48,117 --> 00:13:52,855 父上にお任せいたします。 155 00:13:52,855 --> 00:13:56,258 それだけだ。 156 00:13:56,258 --> 00:13:59,595 千鶴丸に会わせてください。 ならん。 157 00:13:59,595 --> 00:14:04,295 会わせてくださらぬのなら 私は川に身を投げます。 158 00:14:07,269 --> 00:14:09,269 好きにせい。 159 00:14:18,280 --> 00:14:21,980 千鶴丸は出家させた。 160 00:14:26,622 --> 00:14:29,322 今は どちらに。 161 00:14:30,960 --> 00:14:35,564 伊豆山権現じゃ。 安心せい。 162 00:14:35,564 --> 00:14:38,467 まことでございますね。 163 00:14:38,467 --> 00:14:41,167 娘に嘘はつかん。 164 00:14:45,908 --> 00:14:48,811 (宗時) 八重殿が嫁ぐことが決まったそうだ。 165 00:14:48,811 --> 00:14:50,779 随分 早くないですか。 166 00:14:50,779 --> 00:14:55,079 (伊東祐清) 相手は 見張りにつけていた家人だ。 167 00:15:00,456 --> 00:15:02,458 身分が違いすぎます。 168 00:15:02,458 --> 00:15:07,596 (祐清)それだけ父上の怒りが 大きかったということだ。 169 00:15:07,596 --> 00:15:11,267 (宗時)実は小四郎。 八重殿はな➡ 170 00:15:11,267 --> 00:15:16,605 嫁ぐ前に どうしても もう一度 佐殿に会いたいと申されておる。➡ 171 00:15:16,605 --> 00:15:19,942 もちろん 爺様の目の届かないところでだ。 172 00:15:19,942 --> 00:15:21,877 やめておきましょう。 (宗時)会わせることにした。 173 00:15:21,877 --> 00:15:23,812 決まったんですか!? 174 00:15:23,812 --> 00:15:26,815 このままでは八重が不憫でならんのだ。 175 00:15:26,815 --> 00:15:29,618 願いをかなえてやりたい。 176 00:15:29,618 --> 00:15:34,456 2日後。 場所は比企能員殿の館。 177 00:15:34,456 --> 00:15:36,892 わざわざ武蔵まで出向くんですか? 178 00:15:36,892 --> 00:15:39,795 比企殿の母と佐殿は 繋がりが深い。 179 00:15:39,795 --> 00:15:43,566 あそこなら表に漏れることはあるまい。 180 00:15:43,566 --> 00:15:46,468 俺は先に比企殿と話をつけてくる。 181 00:15:46,468 --> 00:15:49,905 九郎は これより伊東へ戻り 八重殿を連れ出す。 182 00:15:49,905 --> 00:15:53,776 お前は佐殿を連れて 比企館に来てくれ。 183 00:15:53,776 --> 00:15:55,778 また私ですか。 184 00:15:55,778 --> 00:15:59,915 ほかに人がいねえんだ。 力を貸せ。 185 00:15:59,915 --> 00:16:02,215 (矢を射る音) 186 00:16:06,789 --> 00:16:08,924 この魚は。 187 00:16:08,924 --> 00:16:11,594 アジでございます。 188 00:16:11,594 --> 00:16:16,465 せっかく出してもらって申し訳ないが アジは好まぬ。 189 00:16:16,465 --> 00:16:19,468 ちゃんと伝えておくように 言ったではないか。 190 00:16:19,468 --> 00:16:21,604 小骨は抜いておきましたよ。 191 00:16:21,604 --> 00:16:25,474 佐殿は アジがお嫌いなのではなくて 小骨がお嫌いなんでしょう。 192 00:16:25,474 --> 00:16:29,478 脂が乗っていて おいしゅうございますよ。 193 00:16:29,478 --> 00:16:49,231 ♬~ 194 00:16:49,231 --> 00:16:52,931 お膳をお運びしただけです。 195 00:17:00,242 --> 00:17:03,579 明日の朝 出立し 比企へ向かいます。 196 00:17:03,579 --> 00:17:08,450 八重殿は 心労を癒やすために湯治をする という名目で伊東の館を出ます。 197 00:17:08,450 --> 00:17:11,920 佐殿も早く ここをたたれた方が よろしいかと。 198 00:17:11,920 --> 00:17:15,620 それは 行かねばならぬのか。 199 00:17:17,793 --> 00:17:20,596 八重さんに会うのですよ。 200 00:17:20,596 --> 00:17:23,265 今更 会ってどうなる。 201 00:17:23,265 --> 00:17:27,603 時の流れに逆らうものではない。 違うか? 藤九郎。 202 00:17:27,603 --> 00:17:29,903 おっしゃるとおりでございます。 203 00:17:31,874 --> 00:17:34,543 わしは行かぬ。 204 00:17:34,543 --> 00:17:37,446 お… お待ちください。 それでは あんまりです。 205 00:17:37,446 --> 00:17:42,217 あの人は 嫁ぐ前に もう一度だけ 佐殿の顔が見たいと申しておるのです。 206 00:17:42,217 --> 00:17:45,888 今の気持ちを伝えたいと。 207 00:17:45,888 --> 00:17:48,557 気持ちくらい 会わなくても分かる。 208 00:17:48,557 --> 00:17:50,492 佐殿! 209 00:17:50,492 --> 00:17:53,896 何をムキになっておる。 210 00:17:53,896 --> 00:17:57,566 そうじゃ よい折なので言っておく。 211 00:17:57,566 --> 00:17:59,501 そなたの兄に伝えてほしい。 212 00:17:59,501 --> 00:18:02,438 はっ。 世話を焼いてくれるのは ありがたいが➡ 213 00:18:02,438 --> 00:18:04,907 わしに多くを望むなと。 214 00:18:04,907 --> 00:18:08,577 は? (頼朝)わしは 兵なぞ挙げん。 215 00:18:08,577 --> 00:18:12,247 決めた。 戦は苦手じゃ。➡ 216 00:18:12,247 --> 00:18:17,920 この地で ゆっくりと過ごすことにした。 217 00:18:17,920 --> 00:18:22,257 できれば ご自分でお伝えくださいませ。 その方が兄も納得すると。 218 00:18:22,257 --> 00:18:25,928 お前から頼む。 いえ! 是非ここは 佐殿の口で。 219 00:18:25,928 --> 00:18:27,863 後は任せた。 220 00:18:27,863 --> 00:18:30,265 佐殿! 221 00:18:30,265 --> 00:18:32,965 (ため息) 222 00:18:34,870 --> 00:18:39,170 (足音) 223 00:18:45,214 --> 00:18:47,549 (実衣)姉上が…。 224 00:18:47,549 --> 00:18:51,420 姉上が何だ。 225 00:18:51,420 --> 00:18:54,223 化粧してる。 226 00:18:54,223 --> 00:18:58,093 (政子)佐殿が誘ってくださったので 近々 三島明神にお参りに行ってきます。 227 00:18:58,093 --> 00:19:00,896 なりません。 (政子)分かってますよね➡ 228 00:19:00,896 --> 00:19:04,767 あなたが口を出すことではないって。 言ったではないですか。 229 00:19:04,767 --> 00:19:08,570 あの男は ろくなやつではないと。 言葉を慎みなさい 小四郎! 230 00:19:08,570 --> 00:19:11,473 姉上の前で あまり あの人の悪口を言いたくありませんが。 231 00:19:11,473 --> 00:19:13,442 では言うな。 232 00:19:13,442 --> 00:19:16,445 もう一度 会いたいという 八重さんの申し出を➡ 233 00:19:16,445 --> 00:19:19,581 佐殿は断ったんです。 234 00:19:19,581 --> 00:19:24,253 それは だって 八重さんを思ってのことでしょう? 235 00:19:24,253 --> 00:19:27,589 あの人も 同じようなことを言ってましたけど。 236 00:19:27,589 --> 00:19:30,259 ほら ご覧なさい。 237 00:19:30,259 --> 00:19:33,862 でも 私の目には➡ 238 00:19:33,862 --> 00:19:37,533 八重さんへの思いが冷めたとしか 映らなかった。 239 00:19:37,533 --> 00:19:41,870 ああ そうですか。 では もっと好きな人が 現れたんじゃないかしら。 240 00:19:41,870 --> 00:19:46,542 佐殿は 一度でも姉上の前で 八重さんの話をしましたか。 241 00:19:46,542 --> 00:19:49,211 するわけないでしょう。 242 00:19:49,211 --> 00:19:55,551 本当に姉上を慕っているのなら 話すべきなんです。 243 00:19:55,551 --> 00:19:58,887 佐殿と関わって 八重さんが どうなったか。 244 00:19:58,887 --> 00:20:01,587 あの人は自分の口で言うべきなんだ。 245 00:20:03,225 --> 00:20:07,896 あなたは昔からそう。 どういうことですか。 246 00:20:07,896 --> 00:20:10,799 私に好きな人が現れたら 必ず悪口を言う。 247 00:20:10,799 --> 00:20:13,569 私を取られるのが嫌だから。 248 00:20:13,569 --> 00:20:16,472 そんな気味の悪いことを言うのは やめてください! 249 00:20:16,472 --> 00:20:19,772 私の気持ちは変わりません。 行きなさい。 250 00:20:25,581 --> 00:20:28,250 武蔵国 比企。 251 00:20:28,250 --> 00:20:31,920 この地を治める比企能員の母親➡ 252 00:20:31,920 --> 00:20:36,792 比企尼は 頼朝の乳母である。 253 00:20:36,792 --> 00:20:40,262 乳母とは生涯の後見役。 254 00:20:40,262 --> 00:20:46,134 頼朝が伊豆に流罪となった時 比企尼も関東に下り➡ 255 00:20:46,134 --> 00:20:51,273 以来 15年にわたって頼朝を援助している。 256 00:20:51,273 --> 00:20:54,943 (比企能員) 北条宗時は 是非とも この館で➡ 257 00:20:54,943 --> 00:20:59,243 佐殿と八重殿を会わせたいと 言っております。 258 00:21:02,618 --> 00:21:05,521 (道)どうして我が家 どうして! 259 00:21:05,521 --> 00:21:08,290 もっと近い所があるでしょうに。 260 00:21:08,290 --> 00:21:10,225 伊東には内密に進めたいので➡ 261 00:21:10,225 --> 00:21:14,162 どこでもいいというわけには いかんようだ。 不承知です。 262 00:21:14,162 --> 00:21:18,634 もしも平家ゆかりの者に知られたら どんなことになるか。 263 00:21:18,634 --> 00:21:22,971 (能員)母上 いかがいたしましょう。 確かに こたびは➡ 264 00:21:22,971 --> 00:21:26,642 佐殿とは あまり関わりを持たない方が 無難かもしれません。 265 00:21:26,642 --> 00:21:29,545 お断りしてよろしいですね。 266 00:21:29,545 --> 00:21:35,250 (比企尼)私は あのお方が 子供の頃から知っております。 267 00:21:35,250 --> 00:21:39,588 もちろん 母上の気持ちは分かっております。 268 00:21:39,588 --> 00:21:43,458 その上で…。 場所を貸すだけです。 269 00:21:43,458 --> 00:21:47,462 源氏をお支えするのは比企の役目。 270 00:21:47,462 --> 00:21:52,162 ここは 役目を果たしましょう。 271 00:22:22,631 --> 00:22:27,502 (堤 信遠)北条の せがれだな。 小四郎義時にございます。 272 00:22:27,502 --> 00:22:30,305 わしが誰か分かっておるか。 273 00:22:30,305 --> 00:22:33,605 伊豆の権守の堤様でございます。 274 00:22:36,578 --> 00:22:46,588 わしは 平相国より じきじきに この伊豆の権守を仰せつかっておる! 275 00:22:46,588 --> 00:22:49,288 跪かぬか! 276 00:22:50,926 --> 00:22:53,595 そこまでする道理はござらぬ。 277 00:22:53,595 --> 00:22:57,466 ハハハハハハ… 北条ごときが。 278 00:22:57,466 --> 00:23:01,470 源 頼朝の世話を買って出て いい気になったか。 279 00:23:01,470 --> 00:23:03,470 御免。 280 00:23:06,608 --> 00:23:09,945 何をする! 何をする! 281 00:23:09,945 --> 00:23:12,645 無礼者 跪け! 282 00:23:19,287 --> 00:23:24,159 源氏なんぞ ありがたがって何になる。 ああ? 283 00:23:24,159 --> 00:23:28,296 全ては我らの胸三寸よ。 284 00:23:28,296 --> 00:23:30,596 身の程を知れ。 285 00:24:06,134 --> 00:24:14,609 (頼朝)先の戦で父を亡くし 14で こちらへ流された。 286 00:24:14,609 --> 00:24:18,609 ご苦労なされたのですね。 287 00:24:20,482 --> 00:24:28,156 兄弟たちの中には 父と共に命を落とした者もいれば➡ 288 00:24:28,156 --> 00:24:35,564 平家に捕らわれ 死罪となった者もおる。 289 00:24:35,564 --> 00:24:40,264 私は 運がよかったのだ。 290 00:24:47,576 --> 00:24:50,276 うっ うっ…。 291 00:24:52,914 --> 00:24:56,251 (頼朝) 信心深くなったのは その時からじゃ。 292 00:24:56,251 --> 00:25:06,261 ♬~ 293 00:25:06,261 --> 00:25:10,932 伊東の八重のことは存じておるか。 294 00:25:10,932 --> 00:25:12,932 え? 295 00:25:15,804 --> 00:25:22,944 (頼朝)八重は 私の子を産んでくれた。➡ 296 00:25:22,944 --> 00:25:28,283 私にとっては 掛けがえがなかった。➡ 297 00:25:28,283 --> 00:25:31,887 支えであった。➡ 298 00:25:31,887 --> 00:25:38,887 しかし そのせいで 八重を苦しめることに。 299 00:25:41,563 --> 00:25:44,563 (政子)聞いています。 300 00:25:51,907 --> 00:25:56,244 同じ過ちを繰り返したくはない。 301 00:25:56,244 --> 00:26:02,584 政子殿に 八重のような思いはさせたくないのだ。 302 00:26:02,584 --> 00:26:18,600 ♬~ 303 00:26:18,600 --> 00:26:22,938 (政子)あの方の代わりはできません。 304 00:26:22,938 --> 00:26:26,274 でも 私なりに➡ 305 00:26:26,274 --> 00:26:29,974 佐殿をお支えしとうございます。 306 00:26:31,546 --> 00:26:34,246 政子殿。 307 00:26:39,221 --> 00:26:45,560 生きていたからこそ 今 私は ここにいる。 308 00:26:45,560 --> 00:26:50,432 政子殿と知り合うこともできた。 309 00:26:50,432 --> 00:26:57,432 生き長らえてよかったと これほど深く感じたことはないぞ。 310 00:27:11,786 --> 00:27:16,925 やっと現れたのよ 私が一生を捧げたいと思う殿方が。 311 00:27:16,925 --> 00:27:18,860 何がいいの。 312 00:27:18,860 --> 00:27:22,797 今まで私が知り合った男の人と 全く違うの。 313 00:27:22,797 --> 00:27:25,267 何が。 何もかもよ。 314 00:27:25,267 --> 00:27:28,169 私は苦手だったの 荒々しい坂東武者が。 315 00:27:28,169 --> 00:27:31,539 粗野で意地っ張りで すぐ いきりたって。 316 00:27:31,539 --> 00:27:36,878 でも あの人は 決して声を荒げない。 乱暴な口も利かない。 317 00:27:36,878 --> 00:27:41,216 私には ただの はっきりしない男にしか 見えないけど。 318 00:27:41,216 --> 00:27:43,151 あの方は悩んでらっしゃる。 319 00:27:43,151 --> 00:27:47,088 これまでの自分 これからの自分を己に問いかけている。➡ 320 00:27:47,088 --> 00:27:49,090 私は あの方のそばにいて➡ 321 00:27:49,090 --> 00:27:52,560 あの方が正しい道を選ぶ お手伝いをしたいの。 322 00:27:52,560 --> 00:27:55,230 はい 頂きました。 323 00:27:55,230 --> 00:27:58,930 あなたも 早く いい人 見つかるといいわね。 324 00:28:01,102 --> 00:28:03,402 ありがとうございます。 325 00:28:17,485 --> 00:28:21,456 どうした その格好は。 佐殿は 八重さんに会いたくないそうです。 326 00:28:21,456 --> 00:28:24,926 ばかな。 ん? これは どういうことかな。 327 00:28:24,926 --> 00:28:26,861 佐殿が そう申されたのか。 328 00:28:26,861 --> 00:28:30,265 (宗時) それで のこのこ 1人でやって来たのか。 私だって来たくはなかった! 329 00:28:30,265 --> 00:28:32,867 (祐清)妹に どうやって話せばいいのだ。 330 00:28:32,867 --> 00:28:35,770 それは… そちらで考えてもらって。 331 00:28:35,770 --> 00:28:38,540 しょうがない。 こうなったら切り替えて先に進もう。 332 00:28:38,540 --> 00:28:42,877 佐殿のお心を見誤った我らのせいだ。 ふ~ん。 333 00:28:42,877 --> 00:28:47,215 とにかくだね まずは母に謝ってもらおうか。 334 00:28:47,215 --> 00:28:50,885 随分と気落ちされると思うがのう。 335 00:28:50,885 --> 00:28:54,222 かしこまりました。 小四郎 頼む。 336 00:28:54,222 --> 00:28:56,558 ここは兄上でしょう。 337 00:28:56,558 --> 00:28:59,227 俺は これからのことを 九郎と相談しなければならん。 338 00:28:59,227 --> 00:29:02,130 しかし…。 誰でもいいから 早くお願いいたす。 339 00:29:02,130 --> 00:29:04,130 小四郎! 340 00:29:05,900 --> 00:29:09,771 (道)佐殿のために 支度を調えてお待ちしていたのです。 341 00:29:09,771 --> 00:29:12,774 料理も全て無駄になってしまったでは ありませんか! 342 00:29:12,774 --> 00:29:14,909 申し訳ありません。 343 00:29:14,909 --> 00:29:18,246 前もって佐殿のお気持ちを確かめたのか? 344 00:29:18,246 --> 00:29:21,583 勝手に話を進めたのではないのか? 345 00:29:21,583 --> 00:29:23,518 言葉もありません! 346 00:29:23,518 --> 00:29:28,456 北条殿 まともに聞くことはありませんよ。 347 00:29:28,456 --> 00:29:30,925 ん? 母上! 348 00:29:30,925 --> 00:29:34,529 この者たちは 口では ああ申しておるが➡ 349 00:29:34,529 --> 00:29:39,200 心の中では 佐殿が来なくて ほっとしておるのですから。 350 00:29:39,200 --> 00:29:41,136 まあ。 何をおっしゃいますか! 351 00:29:41,136 --> 00:29:43,872 お黙りなさい。 352 00:29:43,872 --> 00:29:47,742 佐殿にお伝えください。 353 00:29:47,742 --> 00:29:54,742 比企尼は いつでも殿をお待ち申しておりますよと。 354 00:29:56,451 --> 00:29:59,151 かしこまりました。 355 00:30:02,557 --> 00:30:04,557 (ため息) 356 00:30:13,201 --> 00:30:17,501 (鐘の音) 357 00:30:32,554 --> 00:30:36,257 (鐘の音) 358 00:30:36,257 --> 00:30:40,257 佐殿は ここには お見えになりません。 359 00:30:42,931 --> 00:30:45,600 佐殿からのお言葉です。 360 00:30:45,600 --> 00:30:51,473 思いの外 北条の守りが厳しく とても館を抜け出せそうにありません。 361 00:30:51,473 --> 00:30:55,173 必ず また会える日が来ることを 祈っています。 362 00:30:56,945 --> 00:30:58,880 以上。 363 00:30:58,880 --> 00:31:03,580 (鐘の音) 364 00:31:05,620 --> 00:31:08,620 もっと まともな嘘をつきなさい! 365 00:31:11,292 --> 00:31:14,195 私は命懸けで ここに来ている。 366 00:31:14,195 --> 00:31:18,195 父に咎められれば 自害する覚悟もあった。 367 00:31:21,636 --> 00:31:26,975 なぜ あなたも命懸けで嘘をつかない。 368 00:31:26,975 --> 00:31:32,580 そんなことで 私をだませると思ったか。 369 00:31:32,580 --> 00:31:38,253 なぜじゃ… なぜ佐殿はお見えにならぬのじゃ! 370 00:31:38,253 --> 00:31:40,553 言いなさい! 371 00:31:42,924 --> 00:31:45,827 (祐清)さんざんだったな。 372 00:31:45,827 --> 00:31:48,263 八重さんが不憫でなりません。 373 00:31:48,263 --> 00:31:52,963 しかし 同じ分だけ 佐殿も おつらいのだ。 374 00:31:55,603 --> 00:32:01,276 兄上 一つ伺いたいことがあります。 375 00:32:01,276 --> 00:32:03,945 何だ。 376 00:32:03,945 --> 00:32:10,285 佐殿は 兵を挙げると はっきり言われたのでしょうか。 377 00:32:10,285 --> 00:32:12,220 なぜ そんなことを聞く。 378 00:32:12,220 --> 00:32:16,520 本当のところをお聞かせください 兄上。 379 00:32:22,297 --> 00:32:27,168 はあ… やはり そうですか。 どういうことだ。 380 00:32:27,168 --> 00:32:32,106 佐殿は 平家を滅ぼす日を 待ち望んでおられる。 間違いない! 381 00:32:32,106 --> 00:32:35,243 私に挙兵はせぬと申されました はっきりと。 382 00:32:35,243 --> 00:32:37,579 何だと! 三郎 どういうことだ! 383 00:32:37,579 --> 00:32:40,248 それは困る それは困るぞ 小四郎。 384 00:32:40,248 --> 00:32:42,183 兄上は思いが強すぎるのです。 385 00:32:42,183 --> 00:32:45,119 ちょっと待て。 そうなると話が変わってくる。 386 00:32:45,119 --> 00:32:50,592 ああ… 佐殿は 俺を試しておられるのだ。 387 00:32:50,592 --> 00:32:55,263 いや どうやら佐殿は まだまだ 我らのことを信じておられぬようだ。 388 00:32:55,263 --> 00:32:58,600 兄上 そういうことでは…。 坂東武者の棟梁となるべきお方が➡ 389 00:32:58,600 --> 00:33:03,471 すぐに人を信じてはいかん。 いや さすがとしか言いようがないな。 390 00:33:03,471 --> 00:33:08,276 なるほど そういうことか。 391 00:33:08,276 --> 00:33:11,179 違うと思います。 これは うかうかとしておられんぞ。 392 00:33:11,179 --> 00:33:14,879 挙兵に向けて次の一手を考えなくてはな。 うむ。 393 00:33:21,823 --> 00:33:23,825 (ため息) 394 00:33:23,825 --> 00:33:25,825 どういうことなのじゃ! 395 00:33:27,629 --> 00:33:32,467 なぜ 誰もおらんのだ。 せっかく妻を披露しようと思ったのに。 396 00:33:32,467 --> 00:33:36,237 申し訳ありませんでした。 こちらも いろいろとございまして。 397 00:33:36,237 --> 00:33:38,573 りくが かわいそうでならんわ。 398 00:33:38,573 --> 00:33:42,443 今は どちらに。 部屋におる。 399 00:33:42,443 --> 00:33:45,446 姉上は? 400 00:33:45,446 --> 00:33:47,915 聞いて驚くな。 401 00:33:47,915 --> 00:33:49,851 佐殿と出ていったわ。 402 00:33:49,851 --> 00:33:51,786 佐殿と!? 佐殿と どこへ! 403 00:33:51,786 --> 00:33:54,255 湯河原じゃ。 なぜ止めなかったのです! 404 00:33:54,255 --> 00:33:56,190 わしが帰った時は もう おらんかった! 405 00:33:56,190 --> 00:33:59,127 政子と佐殿は もう そこまで進んでいるのか。 406 00:33:59,127 --> 00:34:01,129 うれしそうに言わないでください! 407 00:34:01,129 --> 00:34:06,267 佐殿を婿に取れば 北条の家も盤石だぞ! 断じて なりません! 408 00:34:06,267 --> 00:34:08,603 湯河原のどこへ行ったのか ご存じありませんか。 409 00:34:08,603 --> 00:34:11,939 かわいそうに りくはのう 部屋から出てこん。 410 00:34:11,939 --> 00:34:14,275 その人のことは いいですから。 湯河原の どこですか。 411 00:34:14,275 --> 00:34:16,210 土肥次郎のところと…。 行ってきます! 412 00:34:16,210 --> 00:34:18,210 おい! 413 00:34:26,287 --> 00:34:29,624 (時政)邪魔をするぞ。 414 00:34:29,624 --> 00:34:32,527 どうじゃ 腹はすかんか。 415 00:34:32,527 --> 00:34:35,430 (りく)私のことは 気になさらないでください。 416 00:34:35,430 --> 00:34:39,233 今日は 本当に すまなかった。 417 00:34:39,233 --> 00:34:44,105 その話ばかり。 気を悪うせんでくれな。 418 00:34:44,105 --> 00:34:49,243 しい様 私は あなた様に嫁いできたのです。 419 00:34:49,243 --> 00:34:53,581 ほかの皆さんに嫌われようが そんなことは どうでもよいのです。 420 00:34:53,581 --> 00:34:56,484 嫌っているわけではないのだが。 421 00:34:56,484 --> 00:35:01,484 しい様が おそばにいてくだされば それで満足。 422 00:35:03,925 --> 00:35:08,925 かわいいのう。 フフフ…。 423 00:35:11,799 --> 00:35:13,935 (土肥実平)さあ さあ。 424 00:35:13,935 --> 00:35:16,838 こんなに朝早くから 申し訳もございません。 425 00:35:16,838 --> 00:35:20,274 いつでも 湯につかりに来てくれと 言ったのは こちらだ。 426 00:35:20,274 --> 00:35:24,946 しかし まさか 本当に来るとは。 申し訳ありません。 427 00:35:24,946 --> 00:35:33,221 佐殿は 朝湯に入っておられるようだ。 よかったら 小四郎殿も どうかな 朝湯。 428 00:35:33,221 --> 00:35:37,221 さあ さあ。 失礼いたします。 はいはい どうぞ どうぞ。 429 00:35:41,562 --> 00:35:45,900 (頼朝)お前の姉なら ここには来ておらん。 430 00:35:45,900 --> 00:35:47,835 え…。 431 00:35:47,835 --> 00:35:51,239 誘ったが断られた。 432 00:35:51,239 --> 00:35:53,539 まだ早いそうだ。 433 00:35:56,911 --> 00:36:00,581 今は…。 434 00:36:00,581 --> 00:36:03,251 伊東へ行った。 435 00:36:03,251 --> 00:36:06,587 伊東へ… 何しに。 436 00:36:06,587 --> 00:36:10,258 わしは やめておけと言ったのだが➡ 437 00:36:10,258 --> 00:36:14,958 八重と どうしても話したいことがあるそうだ。 438 00:36:17,598 --> 00:36:19,534 (ため息) 439 00:36:19,534 --> 00:36:26,607 (政子)佐殿のお心は 既に八重様から離れておいでです。 440 00:36:26,607 --> 00:36:30,478 旅から帰ったばかりで 私は疲れているのです。 441 00:36:30,478 --> 00:36:33,414 用件は それだけですか。 442 00:36:33,414 --> 00:36:36,884 (政子)大事なことでございます。 443 00:36:36,884 --> 00:36:40,555 佐殿が あなたをよこしたのですか。 444 00:36:40,555 --> 00:36:44,425 いえ。 (八重)あなたの一存で? 445 00:36:44,425 --> 00:36:47,228 はい。 446 00:36:47,228 --> 00:36:53,568 何故 そのような ずうずうしいまねをする。 447 00:36:53,568 --> 00:37:00,268 八重様の 佐殿への思いを 断ち切るためでございます。 448 00:37:01,909 --> 00:37:05,246 お会いになりたいなどと➡ 449 00:37:05,246 --> 00:37:08,946 二度とお思いになりませぬよう。 450 00:37:13,921 --> 00:37:19,221 あなたは 佐殿の思い人か。 451 00:37:22,930 --> 00:37:28,930 伊東から北条へ乗り換えたということか 何もかも。 452 00:37:33,207 --> 00:37:36,507 わざわざ すまなかった。 453 00:37:42,550 --> 00:37:46,850 出過ぎたまね お許しください。 454 00:37:51,559 --> 00:37:54,462 佐殿は難しいお方。 455 00:37:54,462 --> 00:37:58,900 決して心の内をお見せになりません。 456 00:37:58,900 --> 00:38:04,238 喜んでおられるかと思えば すぐに機嫌が悪くなる。 457 00:38:04,238 --> 00:38:07,238 ついていくのが一苦労。 458 00:38:09,110 --> 00:38:12,113 肝に銘じておきます。 459 00:38:12,113 --> 00:38:16,817 (八重) あと 寝汗をかかれることがあります。 460 00:38:16,817 --> 00:38:22,256 枕元には 常に手拭いを置いておくように。 461 00:38:22,256 --> 00:38:28,596 それで 首の周りを拭いてさしあげてください。 462 00:38:28,596 --> 00:38:31,296 かしこまりました。 463 00:38:34,201 --> 00:38:36,901 あと…。 464 00:38:41,542 --> 00:38:43,842 もうよい。 465 00:38:49,216 --> 00:38:52,516 後は お任せくださいませ。 466 00:38:57,091 --> 00:39:00,828 思いを断ち切ることはできぬ。 467 00:39:00,828 --> 00:39:07,828 しかし… 断ち切るようには努めます。 468 00:39:15,242 --> 00:39:19,580 姉を どうされるおつもりですか。 469 00:39:19,580 --> 00:39:23,451 佐殿は 馬を換えるように➡ 470 00:39:23,451 --> 00:39:28,255 八重殿から姉に乗り移ろうとされている。 471 00:39:28,255 --> 00:39:31,158 とても承服できません。 472 00:39:31,158 --> 00:39:34,158 姉を渡すわけにはいきませぬ! 473 00:39:36,530 --> 00:39:46,874 フフフ…。 まこと きょうだい思いの よい弟よの。 474 00:39:46,874 --> 00:39:50,174 出ていってください 北条から。 475 00:40:10,564 --> 00:40:16,237 伊豆に流されてきた時 わしは 一人だった。 476 00:40:16,237 --> 00:40:22,576 藤九郎のように 身の回りの世話をしてくれる者はいる。 477 00:40:22,576 --> 00:40:29,276 比企尼のように 何かと わしのことを 気遣ってくれる者もいる。 478 00:40:31,919 --> 00:40:36,257 しかし わしには身内がおらん。 479 00:40:36,257 --> 00:40:42,257 いざという時に 力になってくれる後ろ盾がおらん。 480 00:40:44,932 --> 00:40:50,632 伊東の者たちが そうなってくれることを望んだ。 481 00:40:52,807 --> 00:40:55,807 考えが甘かった。 482 00:41:00,481 --> 00:41:04,952 そこに北条が現れた。 483 00:41:04,952 --> 00:41:08,289 もう失敗は許されない。 484 00:41:08,289 --> 00:41:10,958 わしには 時がない。 485 00:41:10,958 --> 00:41:17,298 わしは 北条の婿となり 北条を後ろ盾として➡ 486 00:41:17,298 --> 00:41:21,168 悲願を成就させる。 487 00:41:21,168 --> 00:41:26,468 それゆえ 政子殿に近づいたのだ。 488 00:41:28,909 --> 00:41:31,609 悲願…。 489 00:41:35,249 --> 00:41:40,121 お前だけには話しておく。 490 00:41:40,121 --> 00:41:43,591 いずれ わしは挙兵する。 491 00:41:43,591 --> 00:41:50,591 都に攻め上り にっくき清盛の首を取り この世を正す。 492 00:41:53,267 --> 00:41:55,202 お待ちください。 493 00:41:55,202 --> 00:41:59,502 法皇様をお支えし この世を あるべき姿に戻す! 494 00:42:05,846 --> 00:42:13,846 そのためには 政子が 北条が欠かせぬのだ。 495 00:42:21,295 --> 00:42:23,964 よいな。 496 00:42:23,964 --> 00:42:28,836 事は慎重に運ばねばならぬ。 497 00:42:28,836 --> 00:42:32,836 このことは 兄にも話すな。 498 00:42:37,912 --> 00:42:39,847 小四郎。 499 00:42:39,847 --> 00:42:46,547 お前は わしの 頼りになる弟じゃ。 500 00:42:50,925 --> 00:42:52,925 ははっ! 501 00:43:01,268 --> 00:43:06,140 この度の宮様のお企て 失敗いたします。 502 00:43:06,140 --> 00:43:09,610 そなたは 打ち首! 503 00:43:09,610 --> 00:43:11,946 頼朝は疫病神なんだよ。 504 00:43:11,946 --> 00:43:14,281 源氏は もう終わった。 505 00:43:14,281 --> 00:43:16,217 いずれ成敗されるだろう。 506 00:43:16,217 --> 00:43:18,953 今こそ全国の源氏が立ち上がる時。 507 00:43:18,953 --> 00:43:21,622 平家打倒の好機なり! 508 00:43:21,622 --> 00:43:23,557 (一同)オ~! 509 00:43:23,557 --> 00:43:26,257 勝てます この戦。 510 00:43:33,200 --> 00:43:36,604 静岡県伊東市。 511 00:43:36,604 --> 00:43:41,604 頼朝の監視役を務めた 伊東一族が治めた地です。 512 00:43:43,944 --> 00:43:52,644 現在の物見塚公園の一帯に 八重の父 伊東祐親の館があったと伝わります。 513 00:43:54,588 --> 00:44:02,296 安産や縁結びの神社として信仰を集める 音無神社。 514 00:44:02,296 --> 00:44:06,634 伊東一族の 数奇な運命を描いた 「曽我物語」に➡ 515 00:44:06,634 --> 00:44:09,970 頼朝と八重は この地で逢瀬を重ねたと➡ 516 00:44:09,970 --> 00:44:12,970 つづられています。 517 00:44:15,843 --> 00:44:19,647 川の対岸には森が広がっていて➡ 518 00:44:19,647 --> 00:44:24,347 頼朝は そこで 日暮れを待ったと伝わります。 519 00:44:26,987 --> 00:44:30,658 男児に恵まれた頼朝と八重でしたが➡ 520 00:44:30,658 --> 00:44:35,930 そのことを知った祐親は激怒しました。 521 00:44:35,930 --> 00:44:41,602 命を狙われた頼朝は 北条氏を頼ります。 522 00:44:41,602 --> 00:44:48,275 政子を妻に迎え 北条という後ろ盾を得た頼朝。 523 00:44:48,275 --> 00:44:53,975 この地から 源氏再興の道を歩みだしました。 524 00:45:33,187 --> 00:45:35,756 ♬~ 525 00:45:35,756 --> 00:45:37,791 (指を鳴らす音) <享保の頃➡ 526 00:45:37,791 --> 00:45:45,099 江戸市中はもとより 各地で縦横無尽に 盗み働きをしていた一味があった。➡ 527 00:45:45,099 --> 00:45:51,605 一人も傷つけず 大金を奪い 雲か霧のように消えてしまうところから➡ 528 00:45:51,605 --> 00:45:55,109 人呼んで 雲霧一党。➡ 529 00:45:55,109 --> 00:46:00,909 その頭の名は 雲霧仁左衛門という>