1 00:00:05,367 --> 00:00:08,067 さっさと兵を退かれよ 2 00:00:09,500 --> 00:00:12,300 これ以上 にらみ合っても無駄じゃ 3 00:00:13,100 --> 00:00:16,067 あとは力ずくで頼朝を奪い取るのみ 4 00:00:16,933 --> 00:00:19,933 この北条時政 5 00:00:19,933 --> 00:00:24,000 命に代えても 頼朝を守ってみせる 6 00:00:24,867 --> 00:00:27,067 語るに落ちたな 7 00:00:27,067 --> 00:00:29,467 やつらは 頼朝を匿っていることを認めたぞ 8 00:00:29,467 --> 00:00:31,900 父上は もう黙っていてください 9 00:00:31,900 --> 00:00:33,767 時政 10 00:00:34,433 --> 00:00:36,400 戦になるぞ 11 00:00:37,267 --> 00:00:38,633 爺様 12 00:00:38,633 --> 00:00:42,700 俺だって 何で こんなことになったのか よく分からねえんです 13 00:00:42,700 --> 00:00:44,333 でも 14 00:00:44,333 --> 00:00:48,267 武士として 一度 匿うと決めたからには 15 00:00:48,267 --> 00:00:51,033 北条時政 16 00:00:51,033 --> 00:00:55,000 死んでも佐殿を渡すわけには いかねえんじゃ 17 00:02:51,867 --> 00:02:57,167 やがて 義時の運命が動き出す 18 00:03:07,933 --> 00:03:10,867 伊豆より 知らせが届いております 19 00:03:10,867 --> 00:03:13,500 源 頼朝を覚えてらっしゃいますか 20 00:03:18,400 --> 00:03:20,500 義朝の息子です 21 00:03:22,233 --> 00:03:24,567 ああ… 懐かしい名前じゃ 22 00:03:25,367 --> 00:03:28,500 息子は何人かいたはずだが 23 00:03:28,500 --> 00:03:32,033 長男と次男は 先の戦で討ち取りました 24 00:03:32,033 --> 00:03:34,333 三男坊が頼朝で 25 00:03:34,333 --> 00:03:36,900 捕らえたあと 伊豆へ流しました 26 00:03:36,900 --> 00:03:39,433 なぜ殺さなかった 27 00:03:40,067 --> 00:03:42,933 父上が お助けになられたのです 28 00:03:45,700 --> 00:03:47,267 忘れた 29 00:03:48,367 --> 00:03:50,933 その頼朝が どうした 30 00:03:51,667 --> 00:03:57,667 身柄を預かっていた伊東祐親の娘に 男児を産ませたとのこと 31 00:03:57,667 --> 00:04:01,000 怒った祐親は 頼朝を殺そうとしたのですが 32 00:04:01,000 --> 00:04:03,367 すんでのところで逃げられたようです 33 00:04:03,967 --> 00:04:07,600 いちいち そんな つまらんことを わしの耳に入れるな 34 00:04:08,667 --> 00:04:13,333 東国の不始末は 東国の者に片をつけさせよ 35 00:04:14,433 --> 00:04:16,333 ご無礼をいたしました 36 00:04:18,667 --> 00:04:20,867 追っ手は まきました 37 00:04:20,867 --> 00:04:22,400 何よりじゃ 38 00:04:24,667 --> 00:04:26,100 佐殿 39 00:04:26,100 --> 00:04:27,367 どっからじゃ 40 00:04:28,167 --> 00:04:30,933 頼朝を連れて逃げた義時は 41 00:04:30,933 --> 00:04:33,867 今 富士の山裾にいる 42 00:04:34,367 --> 00:04:37,000 山内首藤と 43 00:04:37,000 --> 00:04:38,667 山内? 44 00:04:41,200 --> 00:04:43,000 佐殿 45 00:04:43,000 --> 00:04:44,033 待て 46 00:04:44,033 --> 00:04:46,333 佐殿 おケガはありませんか? 47 00:04:47,533 --> 00:04:50,733 経俊 無沙汰である 48 00:04:51,467 --> 00:04:53,367 お知り合いですか 49 00:04:53,367 --> 00:04:56,833 経俊の母御は わしの乳母じゃ 50 00:04:59,467 --> 00:05:01,933 では 今後は北条のところに 51 00:05:01,933 --> 00:05:03,200 そうだ 52 00:05:04,167 --> 00:05:07,467 源氏のご恩を忘れず 平家に恨みを持つ者は 53 00:05:07,467 --> 00:05:09,900 この坂東にも大勢おります 54 00:05:09,900 --> 00:05:12,767 皆 佐殿が立ち上がるのを 待っておるのです 55 00:05:15,700 --> 00:05:20,000 この山内首藤経俊もしかり 56 00:05:20,600 --> 00:05:25,800 そちの気持ちは しかと受け取った 57 00:05:42,433 --> 00:05:44,000 待て待て待て 58 00:05:45,733 --> 00:05:47,600 景親 59 00:05:49,767 --> 00:05:52,733 何をやってるんだ お前たちは 60 00:05:53,367 --> 00:05:55,067 おぬしの出番ではない 61 00:05:55,733 --> 00:05:59,100 伊東も北条も まあ 落ち着け 62 00:06:02,000 --> 00:06:05,000 身内同士の諍いなんぞ 見ちゃいられねえぞ 63 00:06:09,300 --> 00:06:14,200 突然現れた この男は 大庭景親 64 00:06:15,700 --> 00:06:18,400 平 清盛を後ろ盾に 65 00:06:18,400 --> 00:06:21,600 相模の武士団を束ねる存在で 66 00:06:21,600 --> 00:06:25,467 勢力は伊東をも上回る 67 00:06:25,467 --> 00:06:28,967 ちなみに このころの北条は 68 00:06:28,967 --> 00:06:33,867 伊豆の端の そのまた一角を治めるにすぎない 69 00:06:35,200 --> 00:06:40,367 実はのう ゆうべ 三浦義澄が わしのところへ来て 70 00:06:40,367 --> 00:06:44,267 北条が頼朝を匿ってると 教えてくれたんじゃ 71 00:06:45,067 --> 00:06:49,533 北条が頼朝を館に匿っておるのです 72 00:06:49,533 --> 00:06:52,033 伊東のおやじに知られたら 73 00:06:52,033 --> 00:06:54,533 戦になるかもしれません 74 00:06:56,067 --> 00:06:59,567 このままでは 北条と伊東が ぶつかると 75 00:06:59,567 --> 00:07:02,100 あいつなりに気を利かせたんだろう 76 00:07:03,800 --> 00:07:06,067 で 時政 77 00:07:06,067 --> 00:07:08,767 頼朝を差し出す気はねえか 78 00:07:10,200 --> 00:07:11,667 ねえな 79 00:07:13,767 --> 00:07:19,533 祐親 頼朝を北条に移す気はねえか 80 00:07:19,533 --> 00:07:25,000 頼朝は 平相国 清盛公から じきじきに頼まれ 身柄を預かったのじゃ 81 00:07:25,633 --> 00:07:27,567 渡す道理がない 82 00:07:29,233 --> 00:07:31,167 しかし それなら 83 00:07:31,167 --> 00:07:36,667 平相国のお許しもなく 勝手に命を奪っていいはずもあるまい 84 00:07:36,667 --> 00:07:38,700 おう そのとおりじゃ 85 00:07:39,300 --> 00:07:42,133 殺せば必ず あのお方の耳に入る 86 00:07:42,133 --> 00:07:46,267 この失態じゃ おぬしも ただじゃ済まんぞ 87 00:07:49,133 --> 00:07:52,400 佐殿は北条に預け 88 00:07:52,400 --> 00:07:57,633 以後一切 お前の娘とは縁を切ると 起請文を書かせる 89 00:07:58,600 --> 00:08:00,700 この辺りが収めどころと思うが 90 00:08:00,700 --> 00:08:02,367 どうだ 祐親 91 00:08:02,367 --> 00:08:04,233 悪くあるめえ 92 00:08:09,033 --> 00:08:10,600 時政 93 00:08:12,467 --> 00:08:14,333 悪くねえ 94 00:08:15,667 --> 00:08:17,333 祐親 95 00:08:20,967 --> 00:08:23,733 ここは おぬしの顔を立ててやる 96 00:08:24,067 --> 00:08:25,967 よしっ 決まりじゃ 97 00:08:26,800 --> 00:08:29,700 大庭殿が来てくれて助かったわ 98 00:08:29,700 --> 00:08:32,167 わしは すぐに平相国に文を出し 99 00:08:32,167 --> 00:08:35,667 頼朝は北条に預けることになったと お伝えしよう 100 00:08:35,667 --> 00:08:37,033 お頼み申す 101 00:08:37,033 --> 00:08:39,967 平相国と わしの仲じゃ 任せておけ 102 00:08:41,000 --> 00:08:44,167 さあ これで一件落着じゃ 103 00:08:45,300 --> 00:08:47,333 お前らには貸しが出来たわい 104 00:09:03,900 --> 00:09:06,467 祐親 覚悟 105 00:09:19,767 --> 00:09:20,900 祐経 106 00:09:23,567 --> 00:09:24,767 追え 107 00:09:24,767 --> 00:09:26,467 雑魚に構うな 108 00:09:51,400 --> 00:09:53,067 佐殿 109 00:09:57,300 --> 00:10:00,600 改めて よろしく頼む 110 00:10:03,367 --> 00:10:06,733 佐殿のお世話ができること 光栄に存じます 111 00:10:08,400 --> 00:10:09,900 父上 112 00:10:12,433 --> 00:10:17,700 我が北条は伊東に比べて 領地も小さく 財も少なく 113 00:10:17,700 --> 00:10:20,900 住み心地も悪いかとは存じますが 114 00:10:20,900 --> 00:10:23,500 何とぞ ご容赦いただきたい 115 00:10:24,467 --> 00:10:27,467 住む所があれば十分である 116 00:10:28,200 --> 00:10:33,267 何か食べ物で 苦手なものがありましたら 先にお教えくださいませ 117 00:10:33,267 --> 00:10:36,067 好き嫌いを言える立場ではない 118 00:10:36,067 --> 00:10:37,567 お任せしよう 119 00:10:37,567 --> 00:10:38,967 かしこまりました 120 00:10:45,333 --> 00:10:46,933 小四郎 121 00:10:49,300 --> 00:10:52,267 どうか ここを我が家と思って 122 00:10:52,267 --> 00:10:55,000 心行くまで おくつろぎください 123 00:10:55,000 --> 00:10:56,667 よう申した 124 00:11:03,600 --> 00:11:05,367 三郎殿 125 00:11:05,367 --> 00:11:07,267 いかがなされた 126 00:11:09,033 --> 00:11:11,667 佐殿のご好物でございます 127 00:11:12,633 --> 00:11:14,667 小骨の多い魚は苦手です 128 00:11:14,667 --> 00:11:19,367 貝など 食べるのに手間がかかるものも あまり好まれません 129 00:11:19,367 --> 00:11:20,700 任せた 130 00:11:20,700 --> 00:11:22,900 忙しくなりますね 131 00:11:27,233 --> 00:11:30,167 姉上を近づけてはなりません 132 00:11:30,167 --> 00:11:33,367 伊東の八重さんが どんな目に遭ったか ご存じでしょう 133 00:11:33,967 --> 00:11:37,000 佐殿は無類の女好きです 134 00:11:37,000 --> 00:11:40,233 姉上に もしものことがあったら 取り返しがつきません 135 00:11:40,767 --> 00:11:42,567 父上 136 00:11:42,567 --> 00:11:44,767 もっと身を入れて聞いてください 137 00:11:44,767 --> 00:11:46,967 わしはわしで忙しいんじゃ 138 00:11:46,967 --> 00:11:50,300 りくが来るまでに 少しでも きれいにしておかねばな 139 00:11:50,300 --> 00:11:51,800 誰ですか? 140 00:11:51,800 --> 00:11:53,000 ばか 141 00:11:53,000 --> 00:11:55,233 俺の ほら 新しい… 142 00:11:56,800 --> 00:11:58,567 文が来たんじゃ 143 00:12:01,100 --> 00:12:04,167 ほれ 富士川まで迎えに行ってくる 144 00:12:06,467 --> 00:12:08,900 今のわしに何を言っても無駄じゃよ 145 00:12:08,900 --> 00:12:11,267 頭いっぱいだから 146 00:12:13,000 --> 00:12:15,500 あ~ りく~ 147 00:12:18,933 --> 00:12:22,367 佐殿のこと 大庭に言ったらしいじゃないか 148 00:12:22,367 --> 00:12:25,300 でも そのおかげで まるく収まった 149 00:12:25,300 --> 00:12:27,500 礼を言ってもらいたいぐらいだ 150 00:12:29,833 --> 00:12:33,600 どうするんだ これから 頼朝は 151 00:12:33,600 --> 00:12:36,567 身内が一人増えたと思うしかない 152 00:12:36,567 --> 00:12:38,967 首 はねちまえよ 153 00:12:40,100 --> 00:12:43,567 はねて 平 清盛に届ければ済むことだ 154 00:12:45,400 --> 00:12:47,033 あれだったら手伝うぜ 155 00:12:47,033 --> 00:12:49,267 兄上が許すはずがない 156 00:12:51,500 --> 00:12:54,133 まあ 頑張ってくれ 157 00:13:01,600 --> 00:13:05,833 あの男は 北条が預かることになった 158 00:13:07,367 --> 00:13:09,767 二度と会ってはならん 159 00:13:10,600 --> 00:13:13,233 父上にお任せいたします 160 00:13:13,233 --> 00:13:15,600 お前には嫁に行ってもらう 161 00:13:18,033 --> 00:13:20,933 父上にお任せいたします 162 00:13:22,300 --> 00:13:23,900 それだけだ 163 00:13:25,433 --> 00:13:27,700 千鶴丸に会わせてください 164 00:13:27,700 --> 00:13:28,667 ならん 165 00:13:28,667 --> 00:13:30,533 会わせてくださらぬのなら 166 00:13:30,533 --> 00:13:32,967 私は川に身を投げます 167 00:13:36,500 --> 00:13:38,233 好きにせい 168 00:13:47,867 --> 00:13:51,100 千鶴丸は出家させた 169 00:13:56,000 --> 00:13:58,400 今は どちらに 170 00:14:00,000 --> 00:14:02,300 伊豆山権現じゃ 171 00:14:02,300 --> 00:14:03,967 安心せい 172 00:14:05,067 --> 00:14:07,567 まことでございますね 173 00:14:07,567 --> 00:14:09,800 娘に嘘はつかん 174 00:14:15,233 --> 00:14:17,900 八重殿が嫁ぐことが決まったそうだ 175 00:14:17,900 --> 00:14:20,200 随分 早くないですか 176 00:14:20,200 --> 00:14:23,700 相手は 見張りにつけていた家人だ 177 00:14:29,800 --> 00:14:31,800 身分が違いすぎます 178 00:14:31,800 --> 00:14:35,367 それだけ父上の怒りが 大きかったということだ 179 00:14:37,000 --> 00:14:38,733 実は小四郎 180 00:14:38,733 --> 00:14:41,300 八重殿はな 嫁ぐ前に 181 00:14:41,300 --> 00:14:45,733 どうしても もう一度 佐殿に会いたいと申されておる 182 00:14:45,733 --> 00:14:48,967 もちろん 爺様の目の届かないところでだ 183 00:14:48,967 --> 00:14:49,900 やめておきましょう 184 00:14:49,900 --> 00:14:51,133 会わせることにした 185 00:14:51,133 --> 00:14:52,667 決まったんですか!? 186 00:14:52,667 --> 00:14:56,100 このままでは八重が不憫でならんのだ 187 00:14:56,100 --> 00:14:57,967 願いをかなえてやりたい 188 00:14:59,067 --> 00:15:03,600 2日後 場所は比企能員殿の館 189 00:15:03,600 --> 00:15:05,967 わざわざ武蔵まで出向くんですか? 190 00:15:05,967 --> 00:15:09,067 比企殿の母と佐殿は 繋がりが深い 191 00:15:09,067 --> 00:15:11,967 あそこなら表に漏れることはあるまい 192 00:15:12,700 --> 00:15:15,433 俺は先に比企殿と話をつけてくる 193 00:15:15,433 --> 00:15:18,867 九郎は これより伊東へ戻り 八重殿を連れ出す 194 00:15:18,867 --> 00:15:23,100 お前は佐殿を連れて 比企館に来てくれ 195 00:15:23,100 --> 00:15:24,900 また私ですか 196 00:15:24,900 --> 00:15:27,733 ほかに人がいねえんだ 力を貸せ 197 00:15:36,500 --> 00:15:38,000 この魚は 198 00:15:38,000 --> 00:15:39,800 アジでございます 199 00:15:40,767 --> 00:15:43,033 せっかく出してもらって申し訳ないが 200 00:15:43,033 --> 00:15:44,767 アジは好まぬ 201 00:15:46,000 --> 00:15:48,500 ちゃんと伝えておくように 言ったではないか 202 00:15:48,500 --> 00:15:50,767 小骨は抜いておきましたよ 203 00:15:50,767 --> 00:15:54,833 佐殿は アジがお嫌いなのではなくて 小骨がお嫌いなんでしょう 204 00:15:54,833 --> 00:15:58,067 脂が乗っていて おいしゅうございますよ 205 00:16:18,733 --> 00:16:21,200 お膳をお運びしただけです 206 00:16:29,933 --> 00:16:32,700 明日の朝 出立し 比企へ向かいます 207 00:16:32,700 --> 00:16:37,567 八重殿は 心労を癒やすために湯治をする という名目で伊東の館を出ます 208 00:16:37,567 --> 00:16:40,500 佐殿も早く ここをたたれた方が よろしいかと 209 00:16:41,167 --> 00:16:44,400 それは 行かねばならぬのか 210 00:16:47,067 --> 00:16:49,633 八重さんに会うのですよ 211 00:16:49,633 --> 00:16:52,433 今更 会ってどうなる 212 00:16:52,433 --> 00:16:54,867 時の流れに逆らうものではない 213 00:16:54,867 --> 00:16:56,733 違うか? 藤九郎 214 00:16:56,733 --> 00:16:58,500 おっしゃるとおりでございます 215 00:17:01,133 --> 00:17:02,833 わしは行かぬ 216 00:17:03,967 --> 00:17:06,833 お… お待ちください それでは あんまりです 217 00:17:06,833 --> 00:17:11,300 あの人は 嫁ぐ前に もう一度だけ 佐殿の顔が見たいと申しておるのです 218 00:17:11,300 --> 00:17:14,200 今の気持ちを伝えたいと 219 00:17:15,200 --> 00:17:18,033 気持ちくらい 会わなくても分かる 220 00:17:18,033 --> 00:17:19,567 佐殿 221 00:17:19,567 --> 00:17:21,967 何をムキになっておる 222 00:17:23,167 --> 00:17:24,633 そうじゃ 223 00:17:24,633 --> 00:17:26,700 よい折なので言っておく 224 00:17:26,700 --> 00:17:28,933 そなたの兄に伝えてほしい 225 00:17:28,933 --> 00:17:31,633 世話を焼いてくれるのは ありがたいが 226 00:17:31,633 --> 00:17:34,133 わしに多くを望むなと 227 00:17:35,567 --> 00:17:37,633 わしは 兵なぞ挙げん 228 00:17:37,633 --> 00:17:40,667 決めた 戦は苦手じゃ 229 00:17:41,667 --> 00:17:45,533 この地で ゆっくりと過ごすことにした 230 00:17:47,267 --> 00:17:49,633 できれば ご自分でお伝えくださいませ 231 00:17:49,633 --> 00:17:51,400 その方が兄も納得すると 232 00:17:51,400 --> 00:17:52,533 お前から頼む 233 00:17:52,533 --> 00:17:54,700 いえ 是非ここは 佐殿の口で 234 00:17:54,700 --> 00:17:56,433 後は任せた 235 00:17:56,433 --> 00:17:57,933 佐殿 236 00:18:14,700 --> 00:18:16,467 姉上が… 237 00:18:17,333 --> 00:18:19,200 姉上が何だ 238 00:18:21,300 --> 00:18:23,000 化粧してる 239 00:18:23,000 --> 00:18:27,333 佐殿が誘ってくださったので 近々 三島明神にお参りに行ってきます 240 00:18:27,333 --> 00:18:28,600 なりません 241 00:18:28,600 --> 00:18:30,000 分かってますよね 242 00:18:30,000 --> 00:18:32,000 あなたが口を出すことではないって 243 00:18:32,000 --> 00:18:33,833 言ったではないですか 244 00:18:33,833 --> 00:18:35,867 あの男は ろくなやつではないと 245 00:18:35,867 --> 00:18:37,700 言葉を慎みなさい 小四郎 246 00:18:37,700 --> 00:18:40,467 姉上の前で あまり あの人の悪口を言いたくありませんが 247 00:18:40,467 --> 00:18:42,400 では言うな 248 00:18:42,400 --> 00:18:45,600 もう一度 会いたいという 八重さんの申し出を 249 00:18:45,600 --> 00:18:48,000 佐殿は断ったんです 250 00:18:48,800 --> 00:18:53,367 それは だって 八重さんを思ってのことでしょう? 251 00:18:53,367 --> 00:18:56,733 あの人も 同じようなことを言ってましたけど 252 00:18:56,733 --> 00:18:58,467 ほら 253 00:18:59,233 --> 00:19:00,767 ご覧なさい 254 00:19:00,767 --> 00:19:02,733 でも 私の目には 255 00:19:02,733 --> 00:19:06,533 八重さんへの思いが冷めたとしか 映らなかった 256 00:19:06,533 --> 00:19:07,900 ああ そうですか 257 00:19:07,900 --> 00:19:10,867 では もっと好きな人が 現れたんじゃないかしら 258 00:19:10,867 --> 00:19:15,333 佐殿は 一度でも姉上の前で 八重さんの話をしましたか 259 00:19:15,333 --> 00:19:17,133 するわけないでしょう 260 00:19:18,400 --> 00:19:22,000 本当に姉上を慕っているのなら 261 00:19:22,000 --> 00:19:24,533 話すべきなんです 262 00:19:24,533 --> 00:19:27,833 佐殿と関わって 八重さんが どうなったか 263 00:19:27,833 --> 00:19:30,300 あの人は自分の口で言うべきなんだ 264 00:19:32,500 --> 00:19:35,600 あなたは昔からそう 265 00:19:35,600 --> 00:19:36,800 どういうことですか 266 00:19:36,800 --> 00:19:39,900 私に好きな人が現れたら 必ず悪口を言う 267 00:19:39,900 --> 00:19:42,567 私を取られるのが嫌だから 268 00:19:42,567 --> 00:19:45,500 そんな気味の悪いことを言うのは やめてください 269 00:19:45,500 --> 00:19:47,167 私の気持ちは変わりません 270 00:19:47,167 --> 00:19:48,600 行きなさい 271 00:19:54,800 --> 00:19:57,467 武蔵国 比企 272 00:19:57,467 --> 00:20:02,300 この地を治める比企能員の母親 比企尼は 273 00:20:02,300 --> 00:20:04,800 頼朝の乳母である 274 00:20:05,767 --> 00:20:09,433 乳母とは生涯の後見役 275 00:20:09,433 --> 00:20:12,867 頼朝が伊豆に流罪となった時 276 00:20:12,867 --> 00:20:15,367 比企尼も関東に下り 277 00:20:15,367 --> 00:20:20,300 以来 15年にわたって頼朝を援助している 278 00:20:20,300 --> 00:20:27,800 北条宗時は 是非とも この館で 佐殿と 八重殿を会わせたいと 言っております 279 00:20:31,900 --> 00:20:34,567 どうして我が家 どうして 280 00:20:34,567 --> 00:20:37,367 もっと近い所があるでしょうに 281 00:20:37,367 --> 00:20:39,367 伊東には内密に進めたいので 282 00:20:39,367 --> 00:20:41,767 どこでもいいというわけには いかんようだ 283 00:20:41,767 --> 00:20:43,167 不承知です 284 00:20:43,167 --> 00:20:47,300 もしも平家ゆかりの者に知られたら どんなことになるか 285 00:20:48,033 --> 00:20:50,567 母上 いかがいたしましょう 286 00:20:50,567 --> 00:20:55,233 確かに こたびは 佐殿とは あまり 関わりを持たない方が無難かもしれません 287 00:20:55,233 --> 00:20:58,633 お断りしてよろしいですね 288 00:20:58,633 --> 00:21:04,100 私は あのお方が 子供の頃から知っております 289 00:21:04,100 --> 00:21:08,667 もちろん 母上の気持ちは分かっております 290 00:21:08,667 --> 00:21:12,100 -その上で… -場所を貸すだけです 291 00:21:13,033 --> 00:21:16,800 源氏をお支えするのは比企の役目 292 00:21:16,800 --> 00:21:20,733 ここは 役目を果たしましょう 293 00:21:52,033 --> 00:21:54,367 北条の せがれだな 294 00:21:54,367 --> 00:21:56,667 小四郎義時にございます 295 00:21:56,667 --> 00:21:59,600 わしが誰か分かっておるか 296 00:21:59,600 --> 00:22:01,833 伊豆の権守の堤様でございます 297 00:22:05,733 --> 00:22:13,700 わしは 平相国より じきじきに この伊豆の権守を仰せつかっておる 298 00:22:15,867 --> 00:22:18,367 跪かぬか 299 00:22:20,100 --> 00:22:22,367 そこまでする道理はござらぬ 300 00:22:24,400 --> 00:22:30,533 北条ごときが 源 頼朝の世話を 買って出て いい気になったか 301 00:22:30,533 --> 00:22:31,700 御免 302 00:22:35,567 --> 00:22:37,967 何をする 何をする 303 00:22:39,567 --> 00:22:41,267 無礼者 跪け 304 00:22:48,733 --> 00:22:52,033 源氏なんぞ ありがたがって何になる 305 00:22:53,500 --> 00:22:57,300 全ては我らの胸三寸よ 306 00:22:57,300 --> 00:22:58,900 身の程を知れ 307 00:23:35,833 --> 00:23:39,433 先の戦で父を亡くし 308 00:23:39,433 --> 00:23:42,467 14で こちらへ流された 309 00:23:44,767 --> 00:23:46,967 ご苦労なされたのですね 310 00:23:49,900 --> 00:23:55,967 兄弟たちの中には 父と共に命を落とした者もいれば 311 00:23:57,467 --> 00:24:01,867 平家に捕らわれ 死罪となった者もおる 312 00:24:05,300 --> 00:24:08,700 私は 運がよかったのだ 313 00:24:22,133 --> 00:24:25,133 信心深くなったのは その時からじゃ 314 00:24:35,667 --> 00:24:38,767 伊東の八重のことは存じておるか 315 00:24:45,067 --> 00:24:47,800 八重は 316 00:24:47,800 --> 00:24:50,467 私の子を産んでくれた 317 00:24:52,300 --> 00:24:59,167 私にとっては 掛けがえがなかった支えであった 318 00:25:01,433 --> 00:25:06,467 しかし そのせいで 八重を苦しめることに 319 00:25:11,133 --> 00:25:13,200 聞いています 320 00:25:21,200 --> 00:25:24,133 同じ過ちを繰り返したくはない 321 00:25:25,567 --> 00:25:31,100 政子殿に 八重のような思いはさせたくないのだ 322 00:25:47,900 --> 00:25:50,667 あの方の代わりはできません 323 00:25:52,367 --> 00:25:58,367 でも 私なりに 佐殿をお支えしとうございます 324 00:26:00,667 --> 00:26:02,867 政子殿 325 00:26:08,433 --> 00:26:11,067 生きていたからこそ 326 00:26:11,067 --> 00:26:14,600 今 私は ここにいる 327 00:26:14,600 --> 00:26:18,667 政子殿と知り合うこともできた 328 00:26:19,800 --> 00:26:26,167 生き長らえてよかったと これほど深く感じたことはないぞ 329 00:26:41,033 --> 00:26:46,033 やっと現れたのよ 私が一生を捧げたいと思う殿方が 330 00:26:46,700 --> 00:26:48,233 何がいいの 331 00:26:48,233 --> 00:26:52,000 今まで私が知り合った男の人と 全く違うの 332 00:26:52,000 --> 00:26:54,200 -何が -何もかもよ 333 00:26:54,200 --> 00:26:57,500 私は苦手だったの 荒々しい坂東武者が 334 00:26:57,500 --> 00:26:59,967 粗野で意地っ張りで すぐ いきりたって 335 00:27:00,800 --> 00:27:04,167 でも あの人は 決して声を荒げない 336 00:27:04,167 --> 00:27:06,000 乱暴な口も利かない 337 00:27:06,000 --> 00:27:10,267 私には ただの はっきりしない男にしか 見えないけど 338 00:27:10,267 --> 00:27:12,267 あの方は悩んでらっしゃる 339 00:27:12,267 --> 00:27:16,367 これまでの自分 これからの自分を己に問いかけている 340 00:27:16,367 --> 00:27:21,433 私は あの方のそばにいて あの方が 正しい道を選ぶ お手伝いをしたいの 341 00:27:21,433 --> 00:27:23,600 はい 頂きました 342 00:27:24,133 --> 00:27:27,100 あなたも 早く いい人 見つかるといいわね 343 00:27:30,200 --> 00:27:32,133 ありがとうございます 344 00:27:47,000 --> 00:27:48,333 どうした その格好は 345 00:27:48,333 --> 00:27:50,600 佐殿は 八重さんに会いたくないそうです 346 00:27:50,600 --> 00:27:53,900 -ばかな -これは どういうことかな 347 00:27:53,900 --> 00:27:55,700 佐殿が そう申されたのか 348 00:27:55,700 --> 00:27:57,367 それで のこのこ 1人でやって来たのか 349 00:27:57,367 --> 00:27:59,733 私だって来たくはなかった 350 00:27:59,733 --> 00:28:02,133 妹に どうやって話せばいいのだ 351 00:28:02,133 --> 00:28:04,700 それは… そちらで考えてもらって 352 00:28:04,700 --> 00:28:07,567 しょうがない こうなったら切り替えて先に進もう 353 00:28:07,567 --> 00:28:10,767 佐殿のお心を見誤った我らのせいだ 354 00:28:12,100 --> 00:28:13,467 とにかくだね 355 00:28:13,467 --> 00:28:16,233 まずは母に謝ってもらおうか 356 00:28:16,233 --> 00:28:19,900 随分と気落ちされると思うがのう 357 00:28:19,900 --> 00:28:21,200 かしこまりました 358 00:28:21,200 --> 00:28:23,267 小四郎 頼む 359 00:28:23,267 --> 00:28:25,333 ここは兄上でしょう 360 00:28:25,333 --> 00:28:28,000 俺は これからのことを 九郎と相談しなければならん 361 00:28:28,000 --> 00:28:29,333 しかし… 362 00:28:29,333 --> 00:28:31,133 誰でもいいから 早くお願いいたす 363 00:28:31,133 --> 00:28:32,267 小四郎 364 00:28:35,067 --> 00:28:39,167 佐殿のために 支度を調えてお待ちしていたのです 365 00:28:39,167 --> 00:28:42,400 料理も全て無駄になってしまったでは ありませんか 366 00:28:42,400 --> 00:28:44,200 申し訳ありません 367 00:28:44,200 --> 00:28:47,500 前もって佐殿のお気持ちを確かめたのか? 368 00:28:47,500 --> 00:28:50,633 勝手に話を進めたのではないのか? 369 00:28:50,633 --> 00:28:52,533 言葉もありません 370 00:28:52,533 --> 00:28:57,100 北条殿 まともに聞くことはありませんよ 371 00:28:58,200 --> 00:29:00,100 母上 372 00:29:00,100 --> 00:29:03,467 この者たちは 口では ああ申しておるが 373 00:29:03,467 --> 00:29:08,200 心の中では 佐殿が来なくて ほっとしておるのですから 374 00:29:09,167 --> 00:29:11,633 -何をおっしゃいますか -お黙りなさい 375 00:29:13,800 --> 00:29:16,767 佐殿にお伝えください 376 00:29:16,767 --> 00:29:23,400 比企尼は いつでも殿をお待ち申しておりますよと 377 00:29:25,767 --> 00:29:27,467 かしこまりました 378 00:30:05,467 --> 00:30:08,967 佐殿は ここには お見えになりません 379 00:30:12,267 --> 00:30:14,900 佐殿からのお言葉です 380 00:30:14,900 --> 00:30:20,633 思いの外 北条の守りが厳しく とても館を抜け出せそうにありません 381 00:30:20,633 --> 00:30:23,500 必ず また会える日が来ることを 祈っています 382 00:30:26,167 --> 00:30:27,933 以上 383 00:30:34,667 --> 00:30:37,167 もっと まともな嘘をつきなさい 384 00:30:40,600 --> 00:30:43,333 私は命懸けで ここに来ている 385 00:30:43,333 --> 00:30:47,300 父に咎められれば 自害する覚悟もあった 386 00:30:50,533 --> 00:30:54,400 なぜ あなたも命懸けで嘘をつかない 387 00:30:56,900 --> 00:31:00,033 そんなことで 私をだませると思ったか 388 00:31:02,167 --> 00:31:04,100 なぜじゃ… 389 00:31:04,100 --> 00:31:07,200 なぜ佐殿はお見えにならぬのじゃ 390 00:31:07,200 --> 00:31:08,900 言いなさい 391 00:31:12,467 --> 00:31:14,800 さんざんだったな 392 00:31:14,800 --> 00:31:17,467 八重さんが不憫でなりません 393 00:31:17,467 --> 00:31:22,067 しかし 同じ分だけ 佐殿も おつらいのだ 394 00:31:25,100 --> 00:31:27,067 兄上 395 00:31:27,067 --> 00:31:29,867 一つ伺いたいことがあります 396 00:31:31,067 --> 00:31:32,467 何だ 397 00:31:34,133 --> 00:31:39,300 佐殿は 兵を挙げると はっきり言われたのでしょうか 398 00:31:39,300 --> 00:31:41,433 なぜ そんなことを聞く 399 00:31:41,433 --> 00:31:45,067 本当のところをお聞かせください 兄上 400 00:31:52,900 --> 00:31:55,167 やはり そうですか 401 00:31:55,167 --> 00:31:56,467 どういうことだ 402 00:31:56,467 --> 00:32:01,333 佐殿は 平家を滅ぼす日を 待ち望んでおられる 間違いない 403 00:32:01,333 --> 00:32:04,233 私に挙兵はせぬと申されました はっきりと 404 00:32:04,233 --> 00:32:06,733 -何だと -三郎 どういうことだ 405 00:32:06,733 --> 00:32:09,200 それは困る それは困るぞ 小四郎 406 00:32:09,200 --> 00:32:11,100 兄上は思いが強すぎるのです 407 00:32:11,100 --> 00:32:14,067 ちょっと待て そうなると話が変わってくる 408 00:32:15,767 --> 00:32:19,767 佐殿は 俺を試しておられるのだ 409 00:32:20,433 --> 00:32:24,133 いや どうやら佐殿は まだまだ 我らのことを信じておられぬようだ 410 00:32:24,133 --> 00:32:25,600 兄上 そういうことでは… 411 00:32:25,600 --> 00:32:29,567 坂東武者の棟梁となるべきお方が すぐに人を信じてはいかん 412 00:32:29,567 --> 00:32:32,767 いや さすがとしか言いようがないな 413 00:32:32,767 --> 00:32:34,533 なるほど 414 00:32:36,133 --> 00:32:37,067 そういうことか 415 00:32:37,067 --> 00:32:38,367 違うと思います 416 00:32:38,367 --> 00:32:40,233 これは うかうかとしておられんぞ 417 00:32:40,233 --> 00:32:42,967 挙兵に向けて次の一手を考えなくてはな うむ 418 00:32:52,667 --> 00:32:54,433 どういうことなのじゃ 419 00:32:56,767 --> 00:32:58,567 なぜ 誰もおらんのだ 420 00:32:58,567 --> 00:33:01,633 せっかく妻を披露しようと思ったのに 421 00:33:01,633 --> 00:33:05,200 申し訳ありませんでした こちらも いろいろとございまして 422 00:33:05,200 --> 00:33:07,867 りくが かわいそうでならんわ 423 00:33:07,867 --> 00:33:09,600 今は どちらに 424 00:33:09,600 --> 00:33:11,200 部屋におる 425 00:33:11,867 --> 00:33:13,400 姉上は? 426 00:33:14,700 --> 00:33:16,600 聞いて驚くな 427 00:33:17,200 --> 00:33:18,700 佐殿と出ていったわ 428 00:33:18,700 --> 00:33:20,700 -佐殿と!? -佐殿と どこへ 429 00:33:20,700 --> 00:33:21,733 湯河原じゃ 430 00:33:21,733 --> 00:33:23,033 なぜ止めなかったのです 431 00:33:23,033 --> 00:33:25,233 わしが帰った時は もう おらんかった 432 00:33:25,233 --> 00:33:27,967 政子と佐殿は もう そこまで進んでいるのか 433 00:33:27,967 --> 00:33:29,700 うれしそうに言わないでください 434 00:33:29,700 --> 00:33:32,800 佐殿を婿に取れば 北条の家も盤石だぞ 435 00:33:32,800 --> 00:33:34,900 断じて なりません 436 00:33:35,567 --> 00:33:37,533 湯河原のどこへ行ったのか ご存じありませんか 437 00:33:37,533 --> 00:33:41,000 かわいそうに りくはのう 部屋から出てこん 438 00:33:41,000 --> 00:33:43,500 その人のことは いいですから 湯河原の どこですか 439 00:33:43,500 --> 00:33:45,567 -土肥次郎のところと… -行ってきます 440 00:33:55,833 --> 00:33:58,033 邪魔をするぞ 441 00:33:59,000 --> 00:34:01,767 どうじゃ 腹はすかんか 442 00:34:01,767 --> 00:34:04,833 私のことは 気になさらないでください 443 00:34:04,833 --> 00:34:08,400 今日は 本当に すまなかった 444 00:34:08,400 --> 00:34:10,600 その話ばかり 445 00:34:10,600 --> 00:34:13,033 気を悪うせんでくれな 446 00:34:13,033 --> 00:34:15,133 しい様 447 00:34:15,133 --> 00:34:18,433 私は あなた様に嫁いできたのです 448 00:34:18,433 --> 00:34:22,633 ほかの皆さんに嫌われようが そんなことは どうでもよいのです 449 00:34:22,633 --> 00:34:25,667 嫌っているわけではないのだが 450 00:34:25,667 --> 00:34:30,367 しい様が おそばにいてくだされば それで満足 451 00:34:32,933 --> 00:34:35,433 かわいいのう 452 00:34:41,400 --> 00:34:42,867 さあ さあ 453 00:34:42,867 --> 00:34:46,167 こんなに朝早くから 申し訳もございません 454 00:34:46,167 --> 00:34:49,300 いつでも 湯につかりに来てくれと 言ったのは こちらだ 455 00:34:49,300 --> 00:34:52,633 しかし まさか 本当に来るとは 456 00:34:52,633 --> 00:34:54,067 申し訳ありません 457 00:34:54,067 --> 00:34:57,100 佐殿は 朝湯に入っておられるようだ 458 00:34:57,100 --> 00:35:00,900 よかったら 小四郎殿も どうかな 459 00:35:00,900 --> 00:35:03,167 朝湯 さあ さあ 460 00:35:03,167 --> 00:35:04,133 失礼いたします 461 00:35:04,133 --> 00:35:05,733 はいはい どうぞ どうぞ 462 00:35:11,067 --> 00:35:14,733 お前の姉なら ここには来ておらん 463 00:35:17,433 --> 00:35:20,233 誘ったが断られた 464 00:35:20,233 --> 00:35:22,833 まだ早いそうだ 465 00:35:26,133 --> 00:35:28,267 今は… 466 00:35:30,033 --> 00:35:32,467 伊東へ行った 467 00:35:32,467 --> 00:35:35,167 伊東へ… 何しに 468 00:35:35,833 --> 00:35:38,933 わしは やめておけと言ったのだが 469 00:35:38,933 --> 00:35:43,600 八重と どうしても話したいことがあるそうだ 470 00:35:49,733 --> 00:35:54,967 佐殿のお心は 既に八重様から離れておいでです 471 00:35:55,767 --> 00:35:59,867 旅から帰ったばかりで 私は疲れているのです 472 00:35:59,867 --> 00:36:02,600 用件は それだけですか 473 00:36:02,600 --> 00:36:04,667 大事なことでございます 474 00:36:06,167 --> 00:36:09,533 佐殿が あなたをよこしたのですか 475 00:36:09,533 --> 00:36:11,267 いえ 476 00:36:11,267 --> 00:36:13,567 あなたの一存で? 477 00:36:13,567 --> 00:36:15,200 はい 478 00:36:17,433 --> 00:36:22,133 何故 そのような ずうずうしいまねをする 479 00:36:23,000 --> 00:36:28,733 八重様の 佐殿への思いを 断ち切るためでございます 480 00:36:31,400 --> 00:36:37,400 お会いになりたいなどと 二度とお思いになりませぬよう 481 00:36:42,900 --> 00:36:45,533 あなたは 482 00:36:45,533 --> 00:36:48,367 佐殿の思い人か 483 00:36:52,367 --> 00:36:57,833 伊東から北条へ乗り換えたということか 何もかも 484 00:37:02,567 --> 00:37:05,200 わざわざ すまなかった 485 00:37:11,933 --> 00:37:15,567 出過ぎたまね お許しください 486 00:37:20,867 --> 00:37:23,667 佐殿は難しいお方 487 00:37:23,667 --> 00:37:27,100 決して心の内をお見せになりません 488 00:37:28,133 --> 00:37:33,333 喜んでおられるかと思えば すぐに機嫌が悪くなる 489 00:37:33,333 --> 00:37:35,900 ついていくのが一苦労 490 00:37:38,267 --> 00:37:40,700 肝に銘じておきます 491 00:37:41,667 --> 00:37:46,000 あと 寝汗をかかれることがあります 492 00:37:46,000 --> 00:37:50,867 枕元には 常に手拭いを置いておくように 493 00:37:50,867 --> 00:37:54,700 それで 首の周りを拭いてさしあげてください 494 00:37:57,333 --> 00:37:59,667 かしこまりました 495 00:38:03,500 --> 00:38:05,700 あと… 496 00:38:10,867 --> 00:38:12,800 もうよい 497 00:38:18,500 --> 00:38:21,200 後は お任せくださいませ 498 00:38:26,567 --> 00:38:29,333 思いを断ち切ることはできぬ 499 00:38:30,267 --> 00:38:32,567 しかし… 500 00:38:33,867 --> 00:38:36,600 断ち切るようには努めます 501 00:38:44,667 --> 00:38:48,367 姉を どうされるおつもりですか 502 00:38:49,000 --> 00:38:52,667 佐殿は 馬を換えるように 503 00:38:52,667 --> 00:38:56,133 八重殿から姉に乗り移ろうとされている 504 00:38:57,433 --> 00:39:00,300 とても承服できません 505 00:39:00,300 --> 00:39:02,900 姉を渡すわけにはいきませぬ 506 00:39:08,500 --> 00:39:14,000 まこと きょうだい思いの よい弟よの 507 00:39:16,167 --> 00:39:18,933 出ていってください 北条から 508 00:39:39,867 --> 00:39:44,567 伊豆に流されてきた時 わしは 一人だった 509 00:39:45,633 --> 00:39:51,567 藤九郎のように 身の回りの世話をしてくれる者はいる 510 00:39:51,567 --> 00:39:57,867 比企尼のように 何かと わしのことを 気遣ってくれる者もいる 511 00:40:01,167 --> 00:40:04,200 しかし わしには身内がおらん 512 00:40:05,733 --> 00:40:10,967 いざという時に 力になってくれる後ろ盾がおらん 513 00:40:14,033 --> 00:40:19,200 伊東の者たちが そうなってくれることを望んだ 514 00:40:22,267 --> 00:40:24,867 考えが甘かった 515 00:40:29,833 --> 00:40:32,533 そこに北条が現れた 516 00:40:34,433 --> 00:40:36,800 もう失敗は許されない 517 00:40:37,500 --> 00:40:40,100 わしには 時がない 518 00:40:40,100 --> 00:40:45,000 わしは 北条の婿となり 北条を後ろ盾として 519 00:40:46,433 --> 00:40:49,267 悲願を成就させる 520 00:40:50,600 --> 00:40:55,367 それゆえ 政子殿に近づいたのだ 521 00:40:58,367 --> 00:41:00,700 悲願… 522 00:41:04,367 --> 00:41:07,233 お前だけには話しておく 523 00:41:09,567 --> 00:41:12,800 いずれ わしは挙兵する 524 00:41:12,800 --> 00:41:15,267 都に攻め上り 525 00:41:15,267 --> 00:41:19,267 にっくき清盛の首を取り この世を正す 526 00:41:22,900 --> 00:41:24,100 お待ちください 527 00:41:24,100 --> 00:41:28,133 法皇様をお支えし この世を あるべき姿に戻す 528 00:41:35,367 --> 00:41:37,733 そのためには 529 00:41:37,733 --> 00:41:42,700 政子が 北条が欠かせぬのだ 530 00:41:50,667 --> 00:41:53,267 よいな 531 00:41:53,267 --> 00:41:56,533 事は慎重に運ばねばならぬ 532 00:41:58,300 --> 00:42:01,467 このことは 兄にも話すな 533 00:42:06,767 --> 00:42:09,733 小四郎 534 00:42:09,733 --> 00:42:15,833 お前は わしの 頼りになる弟じゃ 535 00:42:20,000 --> 00:42:21,800 ははっ 536 00:42:26,000 --> 00:42:29,267 © NHK 537 00:42:30,267 --> 00:42:33,633 この度の宮様のお企て 538 00:42:33,634 --> 00:42:35,259 失敗いたします 539 00:42:35,259 --> 00:42:38,838 そなたは 打ち首 540 00:42:38,839 --> 00:42:41,142 頼朝は疫病神なんだよ 541 00:42:41,142 --> 00:42:43,379 源氏は もう終わった 542 00:42:43,379 --> 00:42:45,274 いずれ成敗されるだろう 543 00:42:45,274 --> 00:42:47,949 今こそ全国の源氏が立ち上がる時 544 00:42:47,949 --> 00:42:50,484 平家打倒の好機なり 545 00:42:52,540 --> 00:42:54,866 勝てます この戦