1 00:00:06,100 --> 00:00:08,167 お二人は 2 00:00:08,167 --> 00:00:11,433 御所に参るための装束にお着替えになり 3 00:00:11,433 --> 00:00:17,733 その時渡された腰刀を使っての みごとなご最期だってたそうで 4 00:00:20,067 --> 00:00:22,433 そんなのおかしい 5 00:00:24,233 --> 00:00:27,267 あなただって同じ思いのはずです 6 00:00:28,200 --> 00:00:30,267 小四郎 7 00:00:30,267 --> 00:00:32,933 本当は何があったのですか 8 00:00:37,300 --> 00:00:39,867 父は 9 00:00:39,867 --> 00:00:43,367 なぜ死なねばならなかったのですか 10 00:00:44,967 --> 00:00:47,767 これ以上の詮索はやめましょう 11 00:00:47,767 --> 00:00:49,733 申し訳ありません 12 00:00:55,733 --> 00:00:58,700 江間に来てくれませんか 13 00:00:58,700 --> 00:01:01,367 伊豆は私たちの故郷 14 00:01:02,067 --> 00:01:06,300 今はゆっくり休まれることです 15 00:01:10,800 --> 00:01:12,400 どうか 16 00:01:16,533 --> 00:01:18,367 お任せします 17 00:03:19,167 --> 00:03:23,467 それはやがて 大波となって押し寄せる 18 00:03:33,467 --> 00:03:36,167 鎌倉殿 父上 19 00:03:36,167 --> 00:03:37,900 そして姉上 20 00:03:37,900 --> 00:03:42,333 全成殿との婚儀お認め下さり ありがとうございます 21 00:03:43,867 --> 00:03:46,633 いつから惚れていたのだ 22 00:03:46,633 --> 00:03:49,000 生まれる前からにございます 23 00:03:49,000 --> 00:03:51,800 言っていることが よく分からないところに惹かれました 24 00:03:53,267 --> 00:03:56,600 さて こうなると次は小四郎の番ね 25 00:03:56,600 --> 00:03:58,433 私のことは 26 00:03:58,433 --> 00:04:01,367 八重と一緒になって欲しかったよなあ 27 00:04:01,367 --> 00:04:06,233 かわいそうでしょう ようやく心の傷が癒えてきたというのに 28 00:04:06,233 --> 00:04:08,667 八重さんといえば 29 00:04:08,667 --> 00:04:12,067 爺様はなんであんなことに なってしまわれたの 30 00:04:16,733 --> 00:04:21,567 祐親は見事に武士としての意地を通した 31 00:04:21,567 --> 00:04:23,567 あっぱれと言う他はない 32 00:04:23,567 --> 00:04:28,100 最後まで筋の通ったお方でござった 33 00:04:30,000 --> 00:04:31,333 八重さんは 34 00:04:31,333 --> 00:04:33,567 私が引き取ることにしました 35 00:04:33,567 --> 00:04:35,967 -嘘でしょう -一緒に暮らすの? 36 00:04:35,967 --> 00:04:36,867 フラれたのに 37 00:04:36,867 --> 00:04:38,833 そういうこではなく 38 00:04:38,833 --> 00:04:41,333 あの方には江間で暮らしてもらいます 39 00:04:41,333 --> 00:04:44,300 私はたまに様子を見に行くだけです 40 00:04:44,300 --> 00:04:48,433 -執念深い -そういうことではなくて 41 00:04:48,433 --> 00:04:49,867 いいんじゃねえか 42 00:04:49,867 --> 00:04:52,100 江間はもともと伊東のもんだし 43 00:04:52,100 --> 00:04:55,300 八重だって あんなことがあっちゃ 鎌倉にはいたくねえだろう 44 00:04:55,300 --> 00:04:57,167 -はい -さっきから 45 00:04:57,167 --> 00:04:59,767 その江間っていうのが よく分からないんですけど 46 00:04:59,767 --> 00:05:01,300 あら 聞いてないの 47 00:05:01,300 --> 00:05:03,133 全く 48 00:05:03,133 --> 00:05:07,400 小四郎は 江間の領主になったんだ 49 00:05:07,400 --> 00:05:09,500 だから 苗字も変わって 50 00:05:09,500 --> 00:05:11,800 江間小四郎義時に 51 00:05:14,467 --> 00:05:16,500 聞いてません 52 00:05:16,500 --> 00:05:18,967 でもね 言わせてもらうけど 53 00:05:18,967 --> 00:05:23,367 その江間小四郎義時という名 私まだ馴染まないんです 54 00:05:23,367 --> 00:05:26,733 北条の一族の所領が増えた証だ 55 00:05:26,733 --> 00:05:28,333 誇りと思わんか 56 00:05:28,333 --> 00:05:30,067 そうなんですけどね 57 00:05:30,067 --> 00:05:31,433 で 58 00:05:31,433 --> 00:05:33,967 北条の家は誰が継ぐのですか 59 00:05:38,200 --> 00:05:41,867 私が何か言ったら静まりかえる 決まりでもあるんですか 60 00:05:41,867 --> 00:05:44,933 後を継ぐのは小四郎に決まっとる 61 00:05:44,933 --> 00:05:47,233 今のところは 62 00:05:47,233 --> 00:05:50,033 今のところ? 63 00:05:50,033 --> 00:05:53,600 私が男子を産めば もちろんその子が 64 00:05:53,600 --> 00:05:55,067 ねえ 65 00:05:55,067 --> 00:05:58,967 そうなるかな 66 00:05:58,967 --> 00:06:00,267 それでいいの 67 00:06:00,267 --> 00:06:01,533 私は別に 68 00:06:01,533 --> 00:06:04,333 あなたはそういう人だから いいかもしれないけど 69 00:06:04,333 --> 00:06:06,633 私はちょっとねえ 70 00:06:06,633 --> 00:06:10,233 こちらは私の産んだ子では 不満だとおしゃってるのかしら 71 00:06:10,233 --> 00:06:13,067 そうは言っていませんけど 72 00:06:13,067 --> 00:06:16,200 正室たる私の子が跡を継ぎ 73 00:06:16,200 --> 00:06:18,600 それを小四郎が支える 74 00:06:18,600 --> 00:06:21,367 素晴らしいではないですか 75 00:06:23,733 --> 00:06:27,533 北条はこの鎌倉の要石じゃ 76 00:06:27,533 --> 00:06:30,833 その家督は鎌倉の一大事 77 00:06:30,833 --> 00:06:32,967 軽々に話すことではない 78 00:06:34,100 --> 00:06:36,400 この人が言い出したんです 79 00:06:36,400 --> 00:06:38,233 ご無礼いたしました 80 00:06:38,233 --> 00:06:41,233 北条はもはや伊豆の小者ではない 81 00:06:41,233 --> 00:06:44,067 それを忘れてもらっては困る 82 00:06:44,067 --> 00:06:46,733 -は -かしこまりました 83 00:06:50,167 --> 00:06:54,467 能員の義理の母比企尼は 84 00:06:54,467 --> 00:06:56,900 頼朝の乳母である 85 00:06:58,900 --> 00:07:04,067 これはこれは 遠路ようこそおいで下さった 86 00:07:06,633 --> 00:07:11,167 随分とご立派になられましたね 87 00:07:12,500 --> 00:07:18,433 子にとって乳母は実の親にも 勝るとも劣らぬありがたきもの 88 00:07:18,433 --> 00:07:24,633 婆様 長きに渡り よう仕送りをしてくださった 89 00:07:33,633 --> 00:07:36,000 昔のまんまじゃ 90 00:07:37,500 --> 00:07:40,333 鎌倉殿のおなりでござる 91 00:07:42,500 --> 00:07:44,733 一同揃いましてございます 92 00:07:50,733 --> 00:07:52,433 この者たちは 93 00:07:55,267 --> 00:08:00,167 三善康信の推挙で都より 下ってきた文官じゃ 94 00:08:00,167 --> 00:08:02,633 いずれも長年朝廷に仕え 95 00:08:02,633 --> 00:08:05,000 政に精通しておる 96 00:08:05,667 --> 00:08:08,300 大江安芸介 広元殿 97 00:08:08,300 --> 00:08:11,500 中原斎院次官 親能殿 98 00:08:11,500 --> 00:08:15,000 藤原主計允 行政殿でございます 99 00:08:15,000 --> 00:08:18,533 方々 以後お見知りおきを 100 00:08:20,933 --> 00:08:25,733 まもなく 鎌倉のお子が生まれになります 101 00:08:25,733 --> 00:08:29,100 産養の儀は 三夜を小山殿 102 00:08:29,100 --> 00:08:31,200 五夜を上総介殿 103 00:08:31,200 --> 00:08:33,300 七夜を千葉殿 104 00:08:33,300 --> 00:08:34,867 九夜を北条殿に 105 00:08:34,867 --> 00:08:36,967 それぞれ沙汰をお願い致します 106 00:08:38,733 --> 00:08:40,333 これが? 107 00:08:40,333 --> 00:08:45,900 小山殿の母上は 鎌倉殿の乳母のお一人でございます 108 00:08:45,900 --> 00:08:47,567 乳母かよ 109 00:08:47,567 --> 00:08:50,800 謹んでお受けいたします 110 00:08:50,800 --> 00:08:54,300 上総介殿には引目役も頼む 111 00:08:55,067 --> 00:08:58,367 喜んでお引き受けつかまつろう 112 00:08:58,367 --> 00:09:02,633 さて 生まれてくる子の乳母父だが 113 00:09:04,733 --> 00:09:07,433 比企殿に頼むことにした 114 00:09:07,433 --> 00:09:09,767 身にあまる誉にござる 115 00:09:10,967 --> 00:09:13,767 なんでこいつが 116 00:09:13,767 --> 00:09:15,567 これは随分な物言い 117 00:09:15,567 --> 00:09:17,000 ブエイ 118 00:09:17,000 --> 00:09:20,367 どうせなら乳母夫も俺やるよ 119 00:09:20,367 --> 00:09:24,367 何から何まで そなたというわけにもいくまい 120 00:09:24,367 --> 00:09:29,967 ここは産養の世話役も含めて 比企殿にお願いした 121 00:09:30,600 --> 00:09:32,033 かしこまりました 122 00:09:32,033 --> 00:09:34,933 二代に渡りこの比企が乳母夫とは 123 00:09:34,933 --> 00:09:37,400 これ以上ない喜びにございます 124 00:09:41,167 --> 00:09:44,000 また安産を祈願し 125 00:09:44,000 --> 00:09:48,833 鶴岡八幡宮に神馬一匹を 奉納されることになりました 126 00:09:48,833 --> 00:09:53,500 馬引きのお役は九郎義経殿 畠山重忠殿 127 00:09:53,500 --> 00:09:55,100 ちょっと待って 128 00:09:55,100 --> 00:09:56,800 もう一度 129 00:09:56,800 --> 00:09:58,800 お二人には馬引き役をお願いします 130 00:09:58,800 --> 00:10:00,833 私が馬引き 131 00:10:00,833 --> 00:10:04,200 やはりこういうものは 見栄えが大事だからな 132 00:10:04,200 --> 00:10:06,867 謹んでお受けいたします 133 00:10:08,300 --> 00:10:10,900 私でなければなりませんか 134 00:10:12,100 --> 00:10:14,433 というと 135 00:10:14,433 --> 00:10:17,167 馬の扱いがうまくないのです 136 00:10:17,167 --> 00:10:18,567 手綱を引くだけでござる 137 00:10:18,567 --> 00:10:21,900 馬に近づくとやたらくしゃみが出る 138 00:10:21,900 --> 00:10:25,300 安産祈願が不服か 139 00:10:25,300 --> 00:10:26,500 そういうわけでは 140 00:10:26,500 --> 00:10:27,833 そう聞こえたが 141 00:10:27,833 --> 00:10:29,867 でははっきり申し上げます 142 00:10:29,867 --> 00:10:35,033 そんなことをするために 私はここにいるのではありません 143 00:10:35,033 --> 00:10:36,467 九郎殿 144 00:10:36,467 --> 00:10:39,633 これは鎌倉殿のご親任が厚い証 145 00:10:39,633 --> 00:10:42,667 私は名誉なことと思っております 146 00:10:42,667 --> 00:10:44,800 おぬしら御家人にとっては そうかもしれない 147 00:10:44,800 --> 00:10:47,633 -しかし私は -もう良い 148 00:10:47,633 --> 00:10:49,067 お前には頼まぬ 149 00:10:49,067 --> 00:10:50,400 九郎殿 150 00:10:50,400 --> 00:10:52,967 そのお役目 わしにお任せください 151 00:10:52,967 --> 00:10:55,767 見栄えのする者と言ったはずだ 152 00:10:55,767 --> 00:10:57,867 小四郎 お前がやれ 153 00:10:57,867 --> 00:10:59,967 お待ちください やはりここは九郎殿に 154 00:10:59,967 --> 00:11:01,933 この話はここまでじゃ 155 00:11:12,267 --> 00:11:14,800 見ての通りじゃ 156 00:11:14,800 --> 00:11:18,100 あの者たちを束ねるのも骨が折れる 157 00:11:18,100 --> 00:11:20,133 お察しいたします 158 00:11:22,133 --> 00:11:24,600 しばらくわしのそばにいて 159 00:11:24,600 --> 00:11:29,500 この鎌倉に足りぬものは何か 見極めてもらいたい 160 00:11:31,100 --> 00:11:33,167 かしこまりました 161 00:11:34,867 --> 00:11:37,900 平家と戦えぬ私はただの役立たず 162 00:11:37,900 --> 00:11:41,367 呼んでください さあ 役立たずと 163 00:11:41,367 --> 00:11:44,500 誰もそうは思っておりませぬ 164 00:11:44,500 --> 00:11:48,000 鎌倉殿を支えてやってくださいな 165 00:11:48,000 --> 00:11:54,000 兄上は本当に私を後継ぎと 考えてくれているのだろうか 166 00:11:55,933 --> 00:12:00,767 あの方は お身内を失い 一人で生きて来られたの 167 00:12:00,767 --> 00:12:04,400 血を分けた兄弟ほど 心強い味方はおりませんよ 168 00:12:04,400 --> 00:12:08,767 でも残念ながら兄弟は私一人ではない 169 00:12:09,967 --> 00:12:16,167 鎌倉殿は武人としての九郎殿の才に 一目置いておられます 170 00:12:17,233 --> 00:12:22,033 必ず 鎌倉殿のお役に立つ時が来ます 171 00:12:24,933 --> 00:12:28,567 九郎殿 どうか 172 00:12:32,200 --> 00:12:34,033 御台所は 173 00:12:34,033 --> 00:12:38,200 男子か女子どちらがいいのです 174 00:12:38,200 --> 00:12:40,900 丈夫ならどちらでもいいわ 175 00:12:43,533 --> 00:12:45,933 触ってもいいですか 176 00:12:55,333 --> 00:12:59,167 いい子が生まれますように 177 00:13:07,633 --> 00:13:10,167 足元にお気をつけて 178 00:13:18,833 --> 00:13:20,833 行って参ります 179 00:13:20,833 --> 00:13:23,733 良い子産んでくれよ 180 00:13:25,933 --> 00:13:29,033 出産が近づいた政子が 181 00:13:29,033 --> 00:13:31,633 比企の館へ移される 182 00:13:32,600 --> 00:13:34,033 さ こちらへ 183 00:13:34,033 --> 00:13:36,167 お足元に気を付けて 184 00:13:39,633 --> 00:13:41,300 母上 185 00:13:43,000 --> 00:13:46,300 大姫 案じることはありませんよ 186 00:13:46,300 --> 00:13:48,433 すぐに戻ります 187 00:13:54,967 --> 00:13:59,267 私の時とずいぶん扱いが 違うじゃありませんか 188 00:13:59,267 --> 00:14:02,167 競いあってどうする 189 00:14:02,167 --> 00:14:04,033 政子もいい気になって 190 00:14:04,033 --> 00:14:06,600 『行って参ります』 191 00:14:06,600 --> 00:14:08,267 偉そうに 192 00:14:17,267 --> 00:14:19,867 しばらく放っておかれたので 193 00:14:19,867 --> 00:14:22,467 少々荒れておりますが 194 00:14:22,467 --> 00:14:25,400 片付け甲斐があります 195 00:14:25,400 --> 00:14:29,533 八重さんが淋しくないように なるべく顔を出しますが 196 00:14:29,533 --> 00:14:31,700 二日に一度は来るつもりです 197 00:14:31,700 --> 00:14:34,100 無理なさらないで下さい 198 00:14:34,100 --> 00:14:36,400 月に一度で結構です 199 00:14:36,400 --> 00:14:38,533 十日に三度 200 00:14:41,133 --> 00:14:43,233 お任せいたします 201 00:14:54,867 --> 00:14:59,000 寿永元年八月十二日 202 00:14:59,000 --> 00:15:02,300 政子は男子を出産する 203 00:15:04,700 --> 00:15:05,733 笑った 204 00:15:05,733 --> 00:15:08,533 政子 ようやった 205 00:15:08,533 --> 00:15:11,167 どうじゃ 206 00:15:11,167 --> 00:15:14,733 萬壽と名つけられたこの子は 207 00:15:14,733 --> 00:15:18,900 のちの二代将軍頼家 208 00:15:25,933 --> 00:15:28,767 ここはどなたの館ですか 209 00:15:28,767 --> 00:15:31,100 すぐに分かります 210 00:15:37,867 --> 00:15:39,867 よう来た 211 00:15:40,933 --> 00:15:42,333 ごめん 212 00:15:47,967 --> 00:15:49,700 まあ座れ 213 00:15:56,267 --> 00:15:59,733 いわゆる隠れ場じゃ 214 00:16:10,033 --> 00:16:12,233 こんなものしかないけれど 215 00:16:12,233 --> 00:16:13,733 十分じゃ 216 00:16:16,800 --> 00:16:18,400 いらっしゃい 217 00:16:18,400 --> 00:16:20,867 驚かれましたか 218 00:16:22,800 --> 00:16:27,500 私の知らぬ間に こんな館まで与えているとは 219 00:16:27,500 --> 00:16:32,933 流石に 妻の弟に 妾のことは話にくかったんじゃないの 220 00:16:36,500 --> 00:16:38,633 お前もいずれ分かる 221 00:16:38,633 --> 00:16:44,200 妻というものは子ができたら 夫のことなどそっちのけ 222 00:16:44,200 --> 00:16:48,467 政子は比企のところへ行ったままじゃ 223 00:16:48,467 --> 00:16:50,400 淋しいぞお 224 00:16:51,167 --> 00:16:53,667 八重さんはお達者で? 225 00:16:53,667 --> 00:16:55,667 はい 226 00:16:55,667 --> 00:16:57,600 伝えておいて 227 00:16:57,600 --> 00:17:03,000 鎌倉殿は亀が親身に真心尽くして お世話いたしておりますから 228 00:17:03,000 --> 00:17:05,000 ご心配なくって 229 00:17:10,567 --> 00:17:13,267 萬壽の乳母夫の件だが 230 00:17:13,267 --> 00:17:16,967 時政は文句を言っておらぬか 231 00:17:16,967 --> 00:17:19,833 残念がってはおりましたが 232 00:17:20,833 --> 00:17:23,600 北条のことは頼りにしておる 233 00:17:23,600 --> 00:17:28,533 だが 一つの家に力が集まりすぎてはならんのだ 234 00:17:35,167 --> 00:17:39,067 やはり亀と何かあったんですね 235 00:17:39,933 --> 00:17:42,300 亀から聞きました 236 00:17:46,067 --> 00:17:47,567 ここにお願い 237 00:17:49,767 --> 00:17:51,133 忘れました 238 00:17:51,133 --> 00:17:53,067 何を言われたか知りませんが 239 00:17:53,067 --> 00:17:54,700 気にすることはありません 240 00:17:54,700 --> 00:17:56,100 忘れましょう 241 00:17:56,100 --> 00:17:58,833 ですから忘れたと申しています 242 00:17:59,867 --> 00:18:01,467 そうでした 243 00:18:06,033 --> 00:18:08,700 -小四郎殿 -はい 244 00:18:09,700 --> 00:18:13,067 鎌倉へ戻ってはいけませんか 245 00:18:15,233 --> 00:18:18,567 これ以上あなたにご迷惑は 246 00:18:18,567 --> 00:18:20,333 迷惑だなんて 247 00:18:21,067 --> 00:18:23,167 やはり 248 00:18:25,033 --> 00:18:27,533 あの方のお側に 249 00:18:30,767 --> 00:18:33,567 お側にいたいのです 250 00:18:39,867 --> 00:18:43,467 うすうす気づいているとは思いますが 251 00:18:47,600 --> 00:18:52,833 あなたの父上のお命を奪うよう 命じたのは鎌倉殿です 252 00:18:53,867 --> 00:18:57,400 直に聞いたわけではありませんが 間違いない 253 00:18:59,067 --> 00:19:02,933 あのお方は恐ろしい人です 254 00:19:09,467 --> 00:19:13,467 それを私に伝えてどうしたいのですか 255 00:19:15,933 --> 00:19:20,067 私がなんと言ったら あなたは喜ぶのですか 256 00:19:20,067 --> 00:19:22,300 頼朝は許さぬ 257 00:19:22,300 --> 00:19:26,300 そんなことを言うと あなたは思ったのですか 258 00:19:26,300 --> 00:19:30,333 -八重さん -分かっていました それくらいのこと 259 00:19:30,933 --> 00:19:35,867 あのお方は 千鶴丸の仇を取って下さったのです 260 00:19:35,867 --> 00:19:38,433 ありがたいことではないですか 261 00:19:39,267 --> 00:19:41,400 違いますか 262 00:19:41,400 --> 00:19:44,167 答えなさい 小四郎 263 00:19:51,000 --> 00:19:53,267 余計なこと申しました 264 00:19:54,133 --> 00:19:56,933 ただ 私は八重さんが 265 00:19:56,933 --> 00:19:59,700 もう 放っておいてください 266 00:20:03,267 --> 00:20:04,867 御免 267 00:20:29,700 --> 00:20:31,867 萬壽様が 268 00:20:31,867 --> 00:20:34,033 またか 269 00:20:34,033 --> 00:20:38,033 -それでどうなった -すぐに息を吹き返したらしいですが 270 00:20:38,033 --> 00:20:40,867 こうも病がちだと心配で 271 00:20:43,367 --> 00:20:47,933 親の不徳が子に災いをもたらす というね 272 00:20:47,933 --> 00:20:49,900 親の不徳 273 00:20:52,433 --> 00:20:54,733 決して誰にも言ってはいけないよ 274 00:20:56,700 --> 00:21:00,600 兄上には 御台所とは別に思い人がおられる 275 00:21:02,067 --> 00:21:05,200 よほどうれしかったんだろう 私に話してくれた 276 00:21:05,200 --> 00:21:07,133 お前も見習えと 277 00:21:07,133 --> 00:21:09,967 もちろん私にはそのつもりはないよ 278 00:21:12,700 --> 00:21:14,733 どこの誰 279 00:21:15,267 --> 00:21:18,200 あの亀という侍女の頭よ 280 00:21:18,200 --> 00:21:20,800 しばらく御所で見ないと思ったら 281 00:21:20,800 --> 00:21:22,900 くれぐれも人に言うな 282 00:21:22,900 --> 00:21:25,800 姉上が御所にいないのをいいことに 283 00:21:25,800 --> 00:21:27,800 ひどい話 284 00:21:29,300 --> 00:21:33,900 親の悪行が子供にたたりもたらすんって 285 00:21:34,700 --> 00:21:37,200 鎌倉殿にお伝えして 286 00:21:41,367 --> 00:21:42,867 息が止まったそうですね 287 00:21:42,867 --> 00:21:44,967 止まったように見えただけです 288 00:21:44,967 --> 00:21:47,633 赤子にはよくあることですから 289 00:21:47,633 --> 00:21:50,067 さ こちらに 290 00:21:51,133 --> 00:21:53,100 もう少し抱いてもいいですか 291 00:21:53,100 --> 00:21:57,600 お乳は決まった時にやらないと だらしない子に育ってしまいます 292 00:22:07,067 --> 00:22:09,233 足が大きい 293 00:22:09,233 --> 00:22:12,100 若君は偉丈夫になられますぞ 294 00:22:12,100 --> 00:22:14,000 実衣殿 ごゆっくり 295 00:22:23,100 --> 00:22:26,100 御所に戻って来ては? 296 00:22:26,100 --> 00:22:30,500 鎌倉殿から 一月ここでゆっくりするようにって 297 00:22:30,500 --> 00:22:32,900 帰って来た方がいいですよ 298 00:22:35,433 --> 00:22:37,333 いろんな意味で 299 00:22:45,500 --> 00:22:47,267 言いたい 300 00:22:50,367 --> 00:22:51,600 兄上が 301 00:22:51,600 --> 00:22:54,100 ひどいと思いませんか 302 00:22:54,100 --> 00:22:57,167 褒められた事ではありませんぬなあ 303 00:22:58,667 --> 00:23:00,767 分かりました 304 00:23:00,767 --> 00:23:02,733 私がなんとかしましょう 305 00:23:03,367 --> 00:23:07,167 鎌倉殿の女好きにも困ったもんじゃ 306 00:23:07,167 --> 00:23:10,300 北条を軽く見ている証です 307 00:23:10,300 --> 00:23:14,000 そちらから鎌倉殿に釘を刺しておいて もらえないだろうか 308 00:23:14,000 --> 00:23:15,933 承知いたしました 309 00:23:19,667 --> 00:23:23,233 政子には言うなよ 可哀そうじゃ 310 00:23:29,067 --> 00:23:35,233 都のやんごとなきお家では 母親が 好きに子に会う事すらできないのです 311 00:23:35,233 --> 00:23:39,867 萬壽は私のこと 母だと分かっているのかしら 312 00:23:40,900 --> 00:23:44,100 あなたも気が気ではありませんね 313 00:23:44,100 --> 00:23:47,200 あれやこれやと 314 00:23:47,200 --> 00:23:49,300 あれやこれや? 315 00:23:51,467 --> 00:23:54,700 ごめんなさい 忘れて 316 00:23:55,900 --> 00:24:00,100 いやだ あなたの耳にも入ってるとばかり 317 00:24:00,100 --> 00:24:03,833 ちょっと待って下さい 教えて下さい 318 00:24:05,733 --> 00:24:10,033 噂よ これはあくまでも 319 00:24:14,933 --> 00:24:17,067 実は 320 00:24:25,067 --> 00:24:26,800 許せない 321 00:24:26,800 --> 00:24:29,833 みんな知っていたんですね 酷すぎます 322 00:24:29,833 --> 00:24:32,033 皆 姉上のことを心配して 323 00:24:32,033 --> 00:24:33,700 特にあなた 324 00:24:33,700 --> 00:24:36,267 鎌倉殿の顔色窺って くっついて回って 325 00:24:36,267 --> 00:24:38,433 この 田んぼのヒル 326 00:24:38,433 --> 00:24:39,967 田ん 327 00:24:40,600 --> 00:24:43,033 都では高貴なお方が妾を持つのは 328 00:24:43,033 --> 00:24:44,433 -よくあることです -田んぼのヒル 329 00:24:44,433 --> 00:24:46,133 ここは都ではありません 330 00:24:46,133 --> 00:24:49,467 あなたから御心が離れた わけではないのですから 331 00:24:49,467 --> 00:24:51,900 坂東の女子をみくびらないで下さい 332 00:24:51,900 --> 00:24:54,333 まあ 田んぼのヒル 333 00:24:54,333 --> 00:24:56,867 小四郎 教えなさい 334 00:24:56,867 --> 00:24:58,533 どこの誰 335 00:24:59,267 --> 00:25:00,600 姉上 336 00:25:00,600 --> 00:25:02,633 -よしましょう -教えなさい 337 00:25:10,800 --> 00:25:12,733 亀という侍女です 338 00:25:16,600 --> 00:25:19,133 あの薄いの女ね 339 00:25:19,133 --> 00:25:20,500 今夜も一緒なの 340 00:25:20,500 --> 00:25:23,733 鎌倉殿は御所におられます 341 00:25:23,733 --> 00:25:25,333 で 342 00:25:26,500 --> 00:25:29,200 亀は今どこに 343 00:25:32,267 --> 00:25:34,800 この先どうすればいい 344 00:25:34,800 --> 00:25:38,367 これでお前の姉上が引き下がれば良いが 345 00:25:38,367 --> 00:25:40,833 まさか 亀の居場所までは 教えてないだろうな 346 00:25:40,833 --> 00:25:43,000 まさか 347 00:25:43,000 --> 00:25:45,800 少しは知恵が働くようになったな 348 00:25:45,800 --> 00:25:47,767 あの方は今や御台所 349 00:25:47,767 --> 00:25:50,133 居場所を知ったら 何をするか分からねえ 350 00:25:50,133 --> 00:25:52,000 平六 351 00:25:52,000 --> 00:25:53,600 なんだ 352 00:25:55,300 --> 00:25:57,267 教えてしましました 353 00:26:02,700 --> 00:26:04,867 こうしましょう 354 00:26:04,867 --> 00:26:09,433 鎌倉殿が都を真似て妾を作ったのなら 355 00:26:09,433 --> 00:26:12,867 こちらは後妻打ちで仕返しするのです 356 00:26:12,867 --> 00:26:14,900 後妻打ち 357 00:26:14,900 --> 00:26:17,900 都にはそういう習わしがあるんです 358 00:26:17,900 --> 00:26:23,133 前妻はね 後妻の家を打ち壊しても構わないの 359 00:26:23,133 --> 00:26:24,533 前妻ってやめてください 360 00:26:24,533 --> 00:26:27,100 場所は分かってるんだし 361 00:26:27,100 --> 00:26:29,867 打ち壊すの? 362 00:26:29,867 --> 00:26:32,400 形だけね 363 00:26:33,433 --> 00:26:37,333 ここは鎌倉殿に肝を冷やして頂きましょう 364 00:26:39,133 --> 00:26:40,967 やります 365 00:26:40,967 --> 00:26:42,600 そう来なくては 366 00:26:42,600 --> 00:26:45,867 このままでは腹の虫が収まりまっせん 367 00:26:45,867 --> 00:26:48,133 誰にお願い致しましょうか 368 00:26:48,900 --> 00:26:53,333 とりあいず 夫に頼んでみます 369 00:26:53,333 --> 00:26:56,833 待って 父は巻き込みたくありません 370 00:26:58,067 --> 00:27:00,267 あのお方は? 371 00:27:01,800 --> 00:27:04,367 後妻打ちとはなあ 372 00:27:04,367 --> 00:27:06,533 面白くなってきました 373 00:27:06,533 --> 00:27:10,867 そんな事したら 鎌倉殿が黙っているわけがありません 374 00:27:10,867 --> 00:27:12,700 こじれるで 375 00:27:12,700 --> 00:27:18,800 いい薬です 御台所にとっても鎌倉殿にとっても 376 00:27:18,800 --> 00:27:22,100 それにしても楽しそうやなあ 377 00:27:27,067 --> 00:27:28,600 兄上様 378 00:27:28,600 --> 00:27:33,200 ちょっと壊してくるだけで良いですからね 379 00:27:33,200 --> 00:27:36,333 門のあたりを 大事にはしたくないので 380 00:27:36,333 --> 00:27:37,800 大丈夫 381 00:27:44,333 --> 00:27:46,267 すぐにここを出ます 支度してください 382 00:27:46,267 --> 00:27:47,233 なんの騒ぎ 383 00:27:47,233 --> 00:27:49,567 もたもたするな お前の身が危ない 384 00:27:52,400 --> 00:27:55,133 自分が嫌になる 俺は何をやってるんだ 385 00:27:55,133 --> 00:27:56,867 連れていく当てはあるのか 386 00:27:56,867 --> 00:27:58,400 これから考える 387 00:28:02,500 --> 00:28:05,567 いっそ俺の女になるか 388 00:28:05,567 --> 00:28:06,433 悪くない 389 00:28:06,433 --> 00:28:08,067 女なら誰でもいいのか 390 00:28:08,067 --> 00:28:09,767 誰でもではない 391 00:28:09,767 --> 00:28:11,600 頼朝の女だ 392 00:28:11,600 --> 00:28:14,067 その時初めて 俺は 393 00:28:14,067 --> 00:28:16,533 頼朝を超える 394 00:28:16,533 --> 00:28:18,533 難しすぎてもう分からん 395 00:28:20,233 --> 00:28:24,167 鎌倉殿に尽くす大事なお役目です 396 00:28:24,167 --> 00:28:25,733 何があった 397 00:28:25,733 --> 00:28:30,800 今から言う場所に向かい そこで 朝まで見張りに立って頂きたいのです 398 00:28:32,067 --> 00:28:34,633 これ以上は聞かないで下さい 399 00:28:34,633 --> 00:28:38,200 あなたがいればきっと何も起こらない 400 00:28:40,267 --> 00:28:42,400 鎌倉殿のためです 401 00:28:52,100 --> 00:28:54,100 何用だ 402 00:28:54,100 --> 00:28:56,700 この館を壊しに来た 403 00:28:56,700 --> 00:28:58,633 壊す? 404 00:28:58,633 --> 00:29:00,267 誰の館だ 405 00:29:00,267 --> 00:29:02,133 知らんのかいな 406 00:29:02,133 --> 00:29:04,900 鎌倉殿の妾のや 407 00:29:04,900 --> 00:29:06,933 なんだと 408 00:29:07,567 --> 00:29:11,667 御台所はお怒りやで 409 00:29:11,667 --> 00:29:14,333 御台所に言われてきたのか 410 00:29:14,333 --> 00:29:16,600 ちょっと壊すだけや 411 00:29:25,200 --> 00:29:26,933 ありがとう 412 00:29:33,967 --> 00:29:36,000 手伝うてくれへんか 413 00:29:42,800 --> 00:29:45,500 -武蔵坊 -は 414 00:29:47,367 --> 00:29:49,900 派手に行け 415 00:29:49,900 --> 00:29:51,667 心得た 416 00:30:01,100 --> 00:30:03,900 威勢よくやれ 417 00:30:08,400 --> 00:30:09,933 ええって 418 00:30:11,233 --> 00:30:14,033 やりすぎや 419 00:30:31,367 --> 00:30:34,733 なんということだ 420 00:30:39,400 --> 00:30:42,600 -亀 -亀殿は無事です 421 00:30:49,100 --> 00:30:52,133 一部始終を見ておった者を見つけました 422 00:30:52,133 --> 00:30:56,167 どうやら付け火のようでござる 423 00:30:56,167 --> 00:30:58,233 付け火? 424 00:31:03,833 --> 00:31:05,367 まさか 425 00:31:11,500 --> 00:31:15,567 恐ろしすぎる 426 00:31:15,567 --> 00:31:18,133 ここまでするか 427 00:31:26,033 --> 00:31:28,167 昨夜 428 00:31:28,167 --> 00:31:31,267 亀の館が襲われました 429 00:31:32,900 --> 00:31:35,467 やってくれましたね 430 00:31:36,067 --> 00:31:39,433 鎌倉殿はさぞ 冷や汗をかかれたことでしょうね 431 00:31:41,067 --> 00:31:43,833 梶原殿が下手人を探しています 432 00:31:46,200 --> 00:31:48,367 手間を省いて差し上げます 433 00:31:48,367 --> 00:31:50,267 やったのは牧殿です 434 00:31:50,267 --> 00:31:53,267 -牧殿? -陸様の兄上様ね 435 00:31:55,367 --> 00:31:58,733 ご詮議を受けることになりますが よろしいですか 436 00:32:00,967 --> 00:32:02,767 もちろん 437 00:32:05,600 --> 00:32:10,933 義母上は亀のこと わざと私に吹き込んだの 438 00:32:10,933 --> 00:32:13,167 なんて意地悪なこと 439 00:32:13,167 --> 00:32:15,733 たっぷり叱られるといいわ 440 00:32:16,667 --> 00:32:20,100 それで済めば良いのですが 441 00:32:20,100 --> 00:32:22,267 どういうこと 442 00:32:23,900 --> 00:32:26,333 館は焼け落ちました 443 00:32:27,867 --> 00:32:29,733 嘘でしょ 444 00:32:29,733 --> 00:32:31,400 そこまでやれとは誰も言ってません 445 00:32:31,400 --> 00:32:32,600 死んだの? 446 00:32:32,600 --> 00:32:34,533 女は無事ですが 447 00:32:34,533 --> 00:32:36,600 おどかさないで 448 00:32:36,600 --> 00:32:42,733 牧殿のことは 鎌倉殿には 黙っていた方が良いかと思われます 449 00:32:44,000 --> 00:32:47,900 御台所は『後妻打ち』をなさった のではないでしょうか 450 00:32:47,900 --> 00:32:51,100 政子が『後妻打ち』を 知っているとは思えぬ 451 00:32:51,100 --> 00:32:55,800 御台所のお近くに 都のことに詳しい方はおられませんか 452 00:32:56,833 --> 00:32:59,900 政子の継母が怪しい 453 00:33:04,533 --> 00:33:07,267 あ あの女には兄がおった 454 00:33:07,267 --> 00:33:09,333 下手人はそいつじゃ 455 00:33:09,333 --> 00:33:10,967 すぐに調べよ 456 00:33:10,967 --> 00:33:12,767 ははっ 457 00:33:12,767 --> 00:33:19,500 もうひとつお伝えせねばならぬこと がございます 458 00:33:19,500 --> 00:33:21,233 申せ 459 00:33:22,467 --> 00:33:26,200 見ていた者が申すには 460 00:33:26,200 --> 00:33:29,167 ゆべ火を放ったのは 461 00:33:31,333 --> 00:33:34,400 誰じゃ 462 00:33:34,400 --> 00:33:37,367 九郎義経殿 463 00:33:39,133 --> 00:33:41,867 九郎が関わっておるのか 464 00:33:44,100 --> 00:33:46,700 あの馬鹿めだ 465 00:33:48,433 --> 00:33:52,567 すべて鎌倉殿の知るところとなりました 466 00:33:52,567 --> 00:33:55,133 このままではえらいことになります 467 00:33:55,133 --> 00:33:58,333 鎌倉殿を静められるのは 姉上しかおりませぬ 468 00:33:58,333 --> 00:33:59,733 いやです 469 00:33:59,733 --> 00:34:02,167 元は言えば母上が言い出したこと 470 00:34:02,167 --> 00:34:04,567 自業自得です 471 00:34:04,567 --> 00:34:07,233 それだけではすみませぬ 472 00:34:07,233 --> 00:34:10,200 九郎殿も絡んでおられるのです 473 00:34:11,267 --> 00:34:13,133 どうして 474 00:34:14,433 --> 00:34:16,400 私のせいなんです 475 00:34:18,700 --> 00:34:20,900 ああ 自分が嫌になる 476 00:34:24,767 --> 00:34:26,767 では 477 00:34:26,767 --> 00:34:30,333 館を襲ったことは認めるのだな 478 00:34:30,333 --> 00:34:33,433 御台所のお頼みなんや 479 00:34:33,433 --> 00:34:35,633 なんで断れます? 480 00:34:35,633 --> 00:34:38,833 政子に頼まれればなんでもやるのか 481 00:34:38,833 --> 00:34:41,300 殺せと言われれば わしを殺すか 482 00:34:41,300 --> 00:34:44,933 火つけたんはわしやない 九郎殿や 483 00:34:46,400 --> 00:34:48,367 その通り 484 00:34:48,367 --> 00:34:52,600 火をつけたのは私の一存にございます 485 00:34:52,600 --> 00:34:55,700 わしはちょっとだけと言うたんや 486 00:34:55,700 --> 00:34:58,700 せやのにこちらが 487 00:34:58,700 --> 00:35:02,133 物騒なお仲間と好き放題に暴れおって 488 00:35:04,467 --> 00:35:06,033 なぜあの場にいた 489 00:35:06,033 --> 00:35:08,967 俺が九郎殿に館の番をお願いしたのです 490 00:35:08,967 --> 00:35:10,633 お前は黙っていろ 491 00:35:14,367 --> 00:35:16,267 九郎 492 00:35:16,267 --> 00:35:19,100 政子のためにやったのであろうが 493 00:35:19,100 --> 00:35:22,667 これを許すしては 他の御家人に示しがつかん 494 00:35:24,067 --> 00:35:26,467 謹慎を命じる 495 00:35:32,600 --> 00:35:34,733 そしてお前 496 00:35:34,733 --> 00:35:36,467 は はい 497 00:35:37,800 --> 00:35:42,700 お前のせいで わしは可愛い弟を罰する羽目になった 498 00:35:42,700 --> 00:35:44,900 なぜ九郎を巻き込むんだ 499 00:35:44,900 --> 00:35:47,233 なぜ火を放つのを止めなかった 500 00:35:47,233 --> 00:35:48,667 わしのせいやない 501 00:35:48,667 --> 00:35:51,167 いや お前が悪い 502 00:35:51,167 --> 00:35:53,133 断じて許さん 503 00:35:53,933 --> 00:35:55,667 平三 504 00:35:57,467 --> 00:36:00,133 この者の髻をきれ 505 00:36:00,133 --> 00:36:02,133 -鎌倉殿 -堪忍しとくれやす 506 00:36:02,133 --> 00:36:03,600 いいから切れ 507 00:36:03,600 --> 00:36:06,767 -お待ちください -堪忍しとくれやす 508 00:36:06,767 --> 00:36:09,267 どうかお慈悲を 509 00:36:09,267 --> 00:36:10,933 平三 510 00:36:10,933 --> 00:36:12,433 やれ 511 00:36:14,767 --> 00:36:15,867 御免 512 00:36:42,900 --> 00:36:46,467 どうしてこういうことになるのです 513 00:36:46,467 --> 00:36:48,667 なぜ わしに相談しなかった 514 00:36:48,667 --> 00:36:51,900 こんな大事になるなんて 誰が思いますか 515 00:36:53,767 --> 00:36:55,700 御所へ参ります 516 00:37:02,267 --> 00:37:05,233 余りと言えば余りでございます 517 00:37:05,233 --> 00:37:10,567 全ては鎌倉殿の女癖の悪さが 引き起こしたことではありませんぬか 518 00:37:10,567 --> 00:37:14,133 八つ当たりされた兄上が不憫でなりません 519 00:37:14,133 --> 00:37:20,367 源氏の棟梁妾の一人や二人持ったところで 文句を言われる筋合いはない 520 00:37:20,367 --> 00:37:23,333 都育ちのお前なら分かるであろうが 521 00:37:23,333 --> 00:37:25,033 なんと 522 00:37:25,033 --> 00:37:27,067 よう申されますね 523 00:37:27,067 --> 00:37:33,333 夫に妾がいて それを心より許せる 女子など都にだっておりませぬ 524 00:37:33,333 --> 00:37:37,667 妾が当たり前と 開き直られてはたまりませぬ 525 00:37:37,667 --> 00:37:39,500 下がれ 526 00:37:39,500 --> 00:37:41,767 下がりませぬ 527 00:37:42,400 --> 00:37:44,833 夫がそんな物言いとは 528 00:37:44,833 --> 00:37:49,133 懸命に御台たろうと励んでいる政子が 哀れでなりませぬ 529 00:37:51,967 --> 00:37:54,200 御台所のお見えです 530 00:37:58,633 --> 00:38:02,800 義母上 今のお言葉 かたじけのうございます 531 00:38:03,933 --> 00:38:06,567 あなたには聞かれたくありませんでした 532 00:38:12,433 --> 00:38:18,033 女子同士でつまらぬ争いをしてしまった こと 恥ずかしく思います 533 00:38:19,667 --> 00:38:22,933 肝心なのは夫の裏切り 534 00:38:22,933 --> 00:38:25,867 咎めるべきは夫のふしだら 535 00:38:25,867 --> 00:38:28,967 お方様がた いささかお言葉が過ぎまするぞ 536 00:38:28,967 --> 00:38:30,900 うるさい 537 00:38:30,900 --> 00:38:33,733 病がちな我が子を放って 妾と会っていたなんて 538 00:38:33,733 --> 00:38:36,467 許せることではございませぬ 539 00:38:36,467 --> 00:38:39,967 今すぐ御台に頭を下げ下さい 540 00:38:39,967 --> 00:38:41,833 さあ 541 00:38:44,700 --> 00:38:46,567 黙れ 542 00:38:46,567 --> 00:38:49,367 わしに指図るなどもっての他 543 00:38:49,367 --> 00:38:54,967 源頼朝を愚弄すると 例えお前たちでも容赦はせぬぞ 544 00:38:54,967 --> 00:38:56,567 身の程をわきまえよ 545 00:38:56,567 --> 00:38:58,067 下がれ 546 00:38:58,067 --> 00:39:01,333 源頼朝がなんだってんだ 547 00:39:01,333 --> 00:39:03,633 -なんじゃ -父上 548 00:39:03,633 --> 00:39:06,933 わしの大事な身内に よくもそんな口を叩いてくれたな 549 00:39:06,933 --> 00:39:10,367 例え鎌倉殿でも許せねえ 550 00:39:11,433 --> 00:39:13,567 ここはお前が怒るところではない 551 00:39:13,567 --> 00:39:17,533 -お気持ちは嬉しいですけど -どうかお心を静めてください 552 00:39:21,867 --> 00:39:24,033 言っちまった 553 00:39:26,533 --> 00:39:30,133 北条殿は酔っておられるかな 554 00:39:30,133 --> 00:39:32,933 風にでも当たってこられてはいかがか 555 00:39:32,933 --> 00:39:36,533 いや 素面じゃ 556 00:39:40,333 --> 00:39:43,400 どうやらここまでのようだ 557 00:39:44,500 --> 00:39:46,600 小四郎 558 00:39:46,600 --> 00:39:50,500 わしは降りた 伊豆へ帰る 559 00:39:50,500 --> 00:39:51,833 お待ち下さい 560 00:39:51,833 --> 00:39:54,133 誰もそんなことは言っておらん 561 00:39:54,133 --> 00:39:59,233 やっぱり鎌倉の暮らしは 窮屈で性に合わん 562 00:39:59,233 --> 00:40:02,633 伊豆に帰って米を作っておる方が良い 563 00:40:03,800 --> 00:40:08,033 小四郎 あとは任せた 564 00:40:13,167 --> 00:40:16,200 -父上 -どうしてそうなるのです 565 00:40:25,533 --> 00:40:27,867 なんとかせよ 小四郎 566 00:40:28,833 --> 00:40:29,967 はっ 567 00:40:31,267 --> 00:40:34,267 父上 568 00:40:40,400 --> 00:40:44,200 皆もう寝ちまってから これくらいしかなかった 569 00:40:44,200 --> 00:40:46,133 どうかお気遣いなく 570 00:40:47,533 --> 00:40:49,900 お孫さんの手習いですか 571 00:40:52,067 --> 00:40:54,367 俺が書いたんだよ 572 00:40:54,367 --> 00:40:56,333 これはご無礼を 573 00:40:56,933 --> 00:40:59,900 若い頃は戦ばかりでな 574 00:40:59,900 --> 00:41:03,433 まともに文筆は学ばなかった 575 00:41:03,433 --> 00:41:08,033 京へ行って公家ともに 馬鹿にされたくねえだろ 576 00:41:08,033 --> 00:41:11,000 だから今のうちに稽古してんだよ 577 00:41:13,233 --> 00:41:15,967 人に言ったら殺す 578 00:41:15,967 --> 00:41:17,700 はい 579 00:41:19,733 --> 00:41:23,900 しかし さんざんだったな 580 00:41:24,933 --> 00:41:28,200 何もかもが嫌になりました 581 00:41:29,033 --> 00:41:31,633 私も父上のようにすべてを放り出して 582 00:41:31,633 --> 00:41:35,333 伊豆へ帰りたい 583 00:41:38,400 --> 00:41:40,833 まだお休みにならないの 584 00:41:43,067 --> 00:41:45,067 お忙しいこと 585 00:41:49,900 --> 00:41:52,767 いつまで預かってりゃいいんだよ 586 00:41:52,767 --> 00:41:56,633 今引き取り手を探しているところです 587 00:41:56,633 --> 00:41:58,800 俺に色目使いやがった 588 00:41:58,800 --> 00:42:01,333 ああいう女は好かね 589 00:42:01,333 --> 00:42:02,967 早急に 590 00:42:06,367 --> 00:42:10,433 小四郎殿は決して手放してはなりません 591 00:42:10,433 --> 00:42:13,267 まだ若くしくじりもありますが 592 00:42:13,267 --> 00:42:16,767 あの者は鎌倉殿に忠義を尽くします 593 00:42:16,767 --> 00:42:18,833 わしもそう思う 594 00:42:18,833 --> 00:42:20,700 ご安心を 595 00:42:20,700 --> 00:42:23,533 鎌倉は安泰でございます 596 00:42:25,167 --> 00:42:28,867 ただ 一つ気になったのが 597 00:42:30,133 --> 00:42:31,700 言ってくれ 598 00:42:33,033 --> 00:42:35,033 © NHK