1 00:00:33,234 --> 00:00:41,642 ♬~ 2 00:00:41,642 --> 00:00:43,978 (神谷)ああ~。 3 00:00:43,978 --> 00:00:52,278 ♬~ 4 00:01:01,328 --> 00:01:04,028 (ため息) 5 00:01:08,002 --> 00:01:12,002 (おすみ)あの… もし。 うん? 6 00:01:13,674 --> 00:01:16,343 よろしかったら これを。 7 00:01:16,343 --> 00:01:19,043 お~ こいつは助かる。 8 00:01:25,019 --> 00:01:28,889 ありがとよ。 …で いくらだい? 9 00:01:28,889 --> 00:01:32,460 いいえ 鼻緒の色があせてしまって➡ 10 00:01:32,460 --> 00:01:35,963 もう売り物にはなりませんので どうぞ。 11 00:01:35,963 --> 00:01:38,866 それじゃ すまねえよ。 12 00:01:38,866 --> 00:01:43,637 失礼かもしれませんが お使い下さいまし。 13 00:01:43,637 --> 00:01:47,508 せっかくの志だ ありがたく 頂戴しとくぜ。 14 00:01:47,508 --> 00:02:08,208 ♬~ 15 00:02:13,334 --> 00:02:17,204 おっ。 おっ いける! あ~っ。 16 00:02:17,204 --> 00:02:22,343 (お津世) まあ! 栄吉は 男の子ですよ。 あや取りなんかさせて…。 17 00:02:22,343 --> 00:02:24,678 男の子だから いけないって法は あるまい。 18 00:02:24,678 --> 00:02:28,516 俺だって小さい頃 妹相手に やったもんだ。 ほいっ。 19 00:02:28,516 --> 00:02:31,485 でも いいんですか? もう3日も こんな事して。 20 00:02:31,485 --> 00:02:35,956 「何事ぞ 花みる人の 長刀」。 21 00:02:35,956 --> 00:02:39,293 花の季節に二本差しは やぼだとさ。 22 00:02:39,293 --> 00:02:44,164 何言ってんですか。 とっくの昔に 桜は散っちまいました。 23 00:02:44,164 --> 00:02:49,864 そうか…。 3日見ぬ間の桜か。 24 00:02:52,306 --> 00:02:54,808 銀蔵親分が見えましたけど。 25 00:02:54,808 --> 00:02:57,144 おくつろぎのとこ すいません。 26 00:02:57,144 --> 00:02:59,647 旦那。 殺しですぜ。 27 00:02:59,647 --> 00:03:02,983 やれやれ。 …で どこなんだ? 28 00:03:02,983 --> 00:03:05,886 何だよ? 下がれ! 29 00:03:05,886 --> 00:03:09,857 いちょう屋ってぇ小料理屋で➡ 30 00:03:09,857 --> 00:03:13,627 やられたのは…。 31 00:03:13,627 --> 00:03:16,530 これが おかみの お鳥です。 32 00:03:16,530 --> 00:03:21,368 (鳥飼)どうやら こいつで絞められたようだな。 33 00:03:21,368 --> 00:03:24,271 ≪おい 下がれ! 34 00:03:24,271 --> 00:03:27,174 ≪下がれ 下がれ! 35 00:03:27,174 --> 00:03:32,780 (おみよ) 私… 買い物から帰ってきて➡ 36 00:03:32,780 --> 00:03:38,452 その品物を見てもらおうと思って 2階に。 37 00:03:38,452 --> 00:03:40,788 [ 回想 ] (うめき声) 38 00:03:40,788 --> 00:03:43,488 どうしたんですか? おかみさん。 39 00:03:48,529 --> 00:03:53,133 はっ! おかみさん…? おかみさん! 40 00:03:53,133 --> 00:03:57,471 それじゃ 後ろ姿しか見てない という訳か。 まあ 手文庫が➡ 41 00:03:57,471 --> 00:04:00,507 荒らされてるところを 見ると 金目当てだな。 違います! 42 00:04:00,507 --> 00:04:03,978 新さんは そんな人じゃ ありま… あっ! 43 00:04:03,978 --> 00:04:06,880 新さんって 誰だ? 44 00:04:06,880 --> 00:04:13,988 新七さんです。 天満屋っていう みそ問屋に勤めている真面目な…。 45 00:04:13,988 --> 00:04:17,858 ああ… ここの客なんだな? 46 00:04:17,858 --> 00:04:24,999 あんなに真っ正直で優しい いい人は いません。 47 00:04:24,999 --> 00:04:30,671 それなのに おかみさんや 源次のヤツ… はっ! 48 00:04:30,671 --> 00:04:35,275 はっ… 旦那さん。 新さんは殺されます! 49 00:04:35,275 --> 00:04:38,946 どうか 新さんを助けて下さい。 お願いします! 50 00:04:38,946 --> 00:04:42,616 どうも 言う事が支離滅裂で 訳が分からんな。 51 00:04:42,616 --> 00:04:47,287 源次のヤツが言ったんです! おいおいおい 源次ってのは? 52 00:04:47,287 --> 00:04:51,959 おかみさんの用心棒です。 そいつが仲間に➡ 53 00:04:51,959 --> 00:04:56,959 とっ捕まえたら 息の根止めて 大川に放り込めって。 54 00:05:01,969 --> 00:05:05,005 新七の野郎! 55 00:05:05,005 --> 00:05:08,475 おお~ 源次。 おう 見つけたか? 56 00:05:08,475 --> 00:05:11,512 いや あの野郎 どこへ隠れやがったんだ? 57 00:05:11,512 --> 00:05:14,281 確かに 追い詰めたはずなんだがな…。➡ 58 00:05:14,281 --> 00:05:17,184 まさか もう大川を 渡っちまったんじゃ。 59 00:05:17,184 --> 00:05:19,186 そんなはずはねえよ。 60 00:05:19,186 --> 00:05:29,863 ≪♬「なすの苗に かぼちゃの苗」 61 00:05:29,863 --> 00:05:32,266 よう! 62 00:05:32,266 --> 00:05:34,601 まあ。 63 00:05:34,601 --> 00:05:39,473 へえ~ ここが お前さんの店だったのか。 はい。 64 00:05:39,473 --> 00:05:43,277 この間は すまなかったな。 いいえ。 65 00:05:43,277 --> 00:05:46,947 一人で やってるのか? この店。 66 00:05:46,947 --> 00:05:51,618 はい。 でも 伯父の出店を 預かってるだけなんです。 67 00:05:51,618 --> 00:05:54,521 ふ~ん そうか。 68 00:05:54,521 --> 00:05:57,491 今夜は 妙なのが うろついてるようだから➡ 69 00:05:57,491 --> 00:06:00,961 戸締まりを しっかり しておきなよ。 えっ…。 70 00:06:00,961 --> 00:06:05,833 なに 町方も用心してるから 怖がるこたぁねえさ。 71 00:06:05,833 --> 00:06:10,971 あっ そうだ。 女の履物をもらおうか 2つ。 72 00:06:10,971 --> 00:06:15,843 お二つですか? ややこしい女が2人いてな。 73 00:06:15,843 --> 00:06:18,846 フッ。 まあ! 74 00:06:18,846 --> 00:06:22,146 (おすみ)ありがとうございました。 75 00:06:30,991 --> 00:06:33,260 (物音) はっ! 76 00:06:33,260 --> 00:06:36,163 (新七)しっ! 77 00:06:36,163 --> 00:06:41,463 すみません お嬢さん。 声を立てないで下さい。 78 00:06:44,271 --> 00:06:48,571 追われてるんです。 すぐに出ますから。 79 00:06:58,285 --> 00:07:01,121 確かに この道へ逃げ込んだと 思ったんだがな。 80 00:07:01,121 --> 00:07:05,421 逃げ足の速え野郎だぜ 全く。 あ~っ くっそ! 81 00:07:08,862 --> 00:07:14,968 こっちへ上がって下さい。 今 出たら 危ないでしょ? 82 00:07:14,968 --> 00:07:19,306 少し ほとぼりを冷ましてから 帰ったら? 83 00:07:19,306 --> 00:07:24,144 ありがとうございます。 いいえ いいんですよ。 さあ。 84 00:07:24,144 --> 00:07:27,444 ご迷惑をおかけします。 85 00:07:32,853 --> 00:07:40,260 あの新七が 店の金を使い込む事さえ➡ 86 00:07:40,260 --> 00:07:45,432 私には とても信じられないので ございます。 87 00:07:45,432 --> 00:07:50,604 でっち奉公に来ましてから13年。 88 00:07:50,604 --> 00:07:56,944 一日も早く 品川の親戚に 預けてある母親を引き取りたい…。 89 00:07:56,944 --> 00:08:05,285 そりゃもう 文句も言わず こつこつ 働いておりました。 90 00:08:05,285 --> 00:08:08,985 品川に 母親が? はい。 91 00:08:17,464 --> 00:08:19,800 うわ~っ! 92 00:08:19,800 --> 00:08:24,304 もう何…。 そこにいたのかよ。 いたのかじゃありませんよ。 93 00:08:24,304 --> 00:08:27,975 物音がしたから てっきり泥棒かと。 94 00:08:27,975 --> 00:08:33,413 すまん! 家を空けてばかりで おさくさんには 苦労かけてる。 95 00:08:33,413 --> 00:08:36,083 汚れ物は あの女に 洗ってもらって下さい。 96 00:08:36,083 --> 00:08:39,920 いや… 志だよ。 志? 97 00:08:39,920 --> 00:08:42,756 ああ。 御用があるから 俺は もう行くがな➡ 98 00:08:42,756 --> 00:08:45,659 おさくさん それ…➡ 99 00:08:45,659 --> 00:08:48,629 気に入らなかったら 嫁にくれてやれ。 なっ! 100 00:08:48,629 --> 00:08:51,932 ちょっと 玄次郎様! 101 00:08:51,932 --> 00:08:59,932 全く ろくに話もしないで 何しに寄ったのやら。 102 00:09:02,943 --> 00:09:08,282 あら! あら~。 103 00:09:08,282 --> 00:09:11,618 いや~ん フフフ~! 104 00:09:11,618 --> 00:09:15,122 あら! あら。 105 00:09:15,122 --> 00:09:18,992 あの お鳥ってヤツは 男の生き血を吸う➡ 106 00:09:18,992 --> 00:09:23,797 毒グモみてぇな女だそうで 次々に男を手玉に取って➡ 107 00:09:23,797 --> 00:09:27,668 搾り上げたあげくに 「金の切れ目が縁の切れ目」。 108 00:09:27,668 --> 00:09:31,538 ふ~ん。 しめえには 源次たちに 痛めつけさせて➡ 109 00:09:31,538 --> 00:09:34,408 追っ払ってんすよ。 なるほど。 110 00:09:34,408 --> 00:09:38,278 その悪評高え女を 一目見てえって男たちが➡ 111 00:09:38,278 --> 00:09:41,181 引きも切らなかった てぇんですからね。 112 00:09:41,181 --> 00:09:44,117 その中から一本気で 金を搾れそうな男を➡ 113 00:09:44,117 --> 00:09:46,586 たらし込むって寸法か。 へえ。 114 00:09:46,586 --> 00:09:49,923 それにしても 用心棒のヤツらが 仲間集めて➡ 115 00:09:49,923 --> 00:09:52,259 血眼になって 追っかけてるってのに➡ 116 00:09:52,259 --> 00:09:55,295 新七のヤツ どこに逃げ込んだんだか。 117 00:09:55,295 --> 00:09:59,433 親分。 すまねえが 品川へ飛んでくれねえか。 118 00:09:59,433 --> 00:10:03,270 品川へ? 新七の母親が 親戚に預けられてるそうだ。 119 00:10:03,270 --> 00:10:05,939 へえ。 行くとすりゃ そこしかねえ。 120 00:10:05,939 --> 00:10:08,842 おっ 承知しやした。 じゃあ 早速。 121 00:10:08,842 --> 00:10:12,612 しかし 源次たちが 仲間を増やしてるとなると➡ 122 00:10:12,612 --> 00:10:16,450 こちらも人手を増やさなくちゃ ならねえが…。 そうっすね。 123 00:10:16,450 --> 00:10:20,620 旦那。 何なら あっしが お手伝いしやすが。 124 00:10:20,620 --> 00:10:26,960 ああ そうしてもらえると 助かるが…。 125 00:10:26,960 --> 00:10:31,832 私じゃ お役に立てないんですから どうぞ。 あっ いやいや…➡ 126 00:10:31,832 --> 00:10:36,970 大いに役立って頂いてますよ。 はい。 127 00:10:36,970 --> 00:10:41,270 私にですか? うん。 うん? 128 00:10:54,521 --> 00:10:58,221 ありがとうございます。 129 00:11:02,195 --> 00:11:06,833 安物とバレたかな? いやいや 喜んでおりやすよ。 130 00:11:06,833 --> 00:11:09,169 てれ隠しです。 ハハッ! 131 00:11:09,169 --> 00:11:14,169 ≪(お津世)もう一本 つけますか? おう 御用があるから一本だけな。 132 00:11:28,555 --> 00:11:33,555 大丈夫のようですよ。 ありがとうございます。 133 00:12:08,662 --> 00:12:11,565 おすみを よろしく頼みましたよ。 134 00:12:11,565 --> 00:12:15,001 へえ 任して下さい。 135 00:12:15,001 --> 00:12:17,838 ほら おすみ。 お茶をお出しして。 136 00:12:17,838 --> 00:12:21,174 ご両親が生きてなすったら おすみさんは れっきとした➡ 137 00:12:21,174 --> 00:12:25,679 お店のお嬢さんじゃないか。 それを あんなガサツな下駄職人に➡ 138 00:12:25,679 --> 00:12:30,016 やっちまおうなんて 旦那様も あんまりだよ。 139 00:12:30,016 --> 00:12:34,287 いいのよ。 私は 伯父さんが引き取って➡ 140 00:12:34,287 --> 00:12:36,957 ここまで育ててくれただけで ありがたいと思ってる。 141 00:12:36,957 --> 00:12:39,292 独りぼっちになった 姪を引き取るのは➡ 142 00:12:39,292 --> 00:12:43,163 当たり前じゃないか。 私たちは お嬢さんとして➡ 143 00:12:43,163 --> 00:12:46,800 育てなさるもんだとばっかり 思ってたのに…。 144 00:12:46,800 --> 00:12:52,472 まるで 奉公人みたいな扱いで。 あげくが 辰三みたいな➡ 145 00:12:52,472 --> 00:12:57,344 下卑た男に! 一緒になれば その暮らしに慣れて➡ 146 00:12:57,344 --> 00:13:03,183 きっと私も ガサツな おかみさんに なっていくわ。 147 00:13:03,183 --> 00:13:07,183 それが私の運命なのよ。 148 00:13:09,322 --> 00:13:13,827 第一 私 「お嬢さん」なんて呼ばれた事➡ 149 00:13:13,827 --> 00:13:17,027 まるで 覚えてないもの。 150 00:13:27,340 --> 00:13:30,677 [ 回想 ] (物音) しっ! 151 00:13:30,677 --> 00:13:34,977 すみません お嬢さん。 声を立てないで下さい。 152 00:13:37,484 --> 00:13:41,484 お嬢さんだなんて あの人…。 153 00:13:48,161 --> 00:14:00,861 (戸をたたく音) 154 00:14:05,979 --> 00:14:08,481 (荒い息遣い) 何だって言うの? 155 00:14:08,481 --> 00:14:13,987 すみません お嬢さん。 もう少し かくまって下さい。 156 00:14:13,987 --> 00:14:17,490 連中が まだ いるんです。 157 00:14:17,490 --> 00:14:20,527 まだ いるんですって? 158 00:14:20,527 --> 00:15:09,643 ♬~ 159 00:15:09,643 --> 00:15:15,943 本当は 何をしたんですか? 160 00:15:20,287 --> 00:15:23,990 ただの けんかじゃないでしょう? 161 00:15:23,990 --> 00:15:28,662 相手を殺したんでもなきゃ いくら何でも あんなに大勢で➡ 162 00:15:28,662 --> 00:15:33,266 橋や町のつじつじを 見張るはずないでしょ? 163 00:15:33,266 --> 00:15:37,103 それは聞かないで下さい。 164 00:15:37,103 --> 00:15:42,275 明日の夜まで かくまって頂ければ 出ていきます。 165 00:15:42,275 --> 00:15:46,946 明日の夜…。 ご迷惑は重々承知しております。 166 00:15:46,946 --> 00:15:53,286 しかし ほかに頼るところも ありませんので…。 167 00:15:53,286 --> 00:15:59,626 この家は お嬢さん お一人なんですか? 168 00:15:59,626 --> 00:16:05,626 ええ。 それは…。 169 00:16:11,638 --> 00:16:15,975 本当は 出ていって もらいたいんですけど➡ 170 00:16:15,975 --> 00:16:21,975 しかたないわね 「乗りかかった船」ですから。 171 00:16:31,257 --> 00:16:39,933 <その夜 さすがに おすみは まんじりとも できなかった。➡ 172 00:16:39,933 --> 00:16:46,233 そして 隣の部屋の新七も…> 173 00:16:53,480 --> 00:16:56,680 (鶏の鳴き声) 174 00:16:58,952 --> 00:17:02,152 (鶏の鳴き声) 175 00:17:06,626 --> 00:17:10,296 (おえつ) 176 00:17:10,296 --> 00:17:15,468 (おさと)このうちの者が 見舞いに来るようにと言って➡ 177 00:17:15,468 --> 00:17:21,141 やったらしいのですが 新七に お会いになったら➡ 178 00:17:21,141 --> 00:17:29,015 そんな心配はいらないから お店第一に勤めるようにって…。 179 00:17:29,015 --> 00:17:33,586 どうか! どうか…。 180 00:17:33,586 --> 00:17:36,089 (せきこみ) 分かった。 おっ母さん 分かったよ 181 00:17:36,089 --> 00:17:38,425 な? それ以上 無理に しゃべっちゃいかん。 182 00:17:38,425 --> 00:17:41,225 どうか どうか…。 183 00:17:50,136 --> 00:17:57,277 言ってやって下さい。 「おっ母さんは 大丈夫。➡ 184 00:17:57,277 --> 00:18:04,150 新七が独り立ちして 引き取りに来てくれるまで➡ 185 00:18:04,150 --> 00:18:10,450 頑張って… 待ってるから」。 186 00:18:14,294 --> 00:18:17,797 預かったうちの者の話によると➡ 187 00:18:17,797 --> 00:18:22,302 長くもって あと10日の命だとか。 188 00:18:22,302 --> 00:18:26,806 (おみち) さぞ 会いたかろうにねぇ。 189 00:18:26,806 --> 00:18:29,309 あっしは もう探りを入れてる てめえが➡ 190 00:18:29,309 --> 00:18:31,578 情けなくなっちまいやしたよ。 191 00:18:31,578 --> 00:18:36,916 でも その様子じゃ 行っちゃいなかったんだね。 ああ。 192 00:18:36,916 --> 00:18:39,953 …で 旦那。 うん? 立ち回った時の事は➡ 193 00:18:39,953 --> 00:18:43,690 向こうの番屋に頼んどきやした。 あ~ ご苦労だったな 親分。 194 00:18:43,690 --> 00:18:47,093 ゆっくり 朝飯でも食って 一服してくんな。 へえ。 195 00:18:47,093 --> 00:18:49,429 旦那も どうぞ。 196 00:18:49,429 --> 00:18:53,600 急いで支度しますから。 すまねえ。 197 00:18:53,600 --> 00:19:11,951 ♬~ 198 00:19:11,951 --> 00:19:16,289 ここを出たら どうするつもり? 199 00:19:16,289 --> 00:19:21,961 品川に親戚がいますから そこへ立ち寄って➡ 200 00:19:21,961 --> 00:19:25,632 なんとか 江戸を出たいと 思っています。 201 00:19:25,632 --> 00:19:30,136 江戸に いられないような事をしたのね。 202 00:19:30,136 --> 00:19:34,574 本当に けんかだったんですか? 203 00:19:34,574 --> 00:19:37,574 はい。 204 00:19:44,918 --> 00:19:50,790 (戸をたたく音) ≪(辰三)おすみ~ 来たぞ~! 205 00:19:50,790 --> 00:19:55,929 (戸をたたく音) ≪(辰三)お~すみ~! 206 00:19:55,929 --> 00:19:58,831 すぐに帰ってもらいますから。 (戸をたたく音) 207 00:19:58,831 --> 00:20:02,602 ≪(辰三)おう おすみ! 開けてくれ!➡ 208 00:20:02,602 --> 00:20:07,774 おすみ 開けてくれ! (戸をたたく音) 209 00:20:07,774 --> 00:20:11,574 ≪(辰三)開けろ! (戸をたたく音) 210 00:20:16,950 --> 00:20:21,621 やけに早くから しんばり棒かってんじゃねえか。 211 00:20:21,621 --> 00:20:25,491 一人で不用心だから。 ああ…。 212 00:20:25,491 --> 00:20:29,491 どけよ。 待って。 213 00:20:34,200 --> 00:20:38,200 祝言まで あと半年か。 ヘヘヘヘ…。 214 00:20:43,876 --> 00:20:48,848 やめて下さい。 どうしてだ? え? 頭が痛むんです。 215 00:20:48,848 --> 00:20:52,548 頭痛なんざ 抱かれりゃ治るよ! 216 00:20:54,520 --> 00:20:57,220 やめて下さい! 217 00:21:01,995 --> 00:21:06,332 どういう事だ? 今夜は帰って下さい。 218 00:21:06,332 --> 00:21:10,203 何だよ? おすみ。 いつもと違うじゃねえか。 219 00:21:10,203 --> 00:21:13,206 ≪(おすみ)帰ってよ!➡ 220 00:21:13,206 --> 00:21:17,677 これ以上 変な事をしたら ご近所の人を呼ぶから! 221 00:21:17,677 --> 00:21:22,348 何でぇ 面白くもねえ! 俺ぁ 帰る。 222 00:21:22,348 --> 00:21:24,648 どうぞ。 223 00:21:27,020 --> 00:21:29,689 お前 今夜は おかしいぜ。 224 00:21:29,689 --> 00:21:32,989 まさか いい男ができたって訳じゃ あるめえな? 225 00:21:34,527 --> 00:21:37,827 くだらない事 言わないで下さい。 226 00:21:43,636 --> 00:21:45,936 何だってんだ 全く! 227 00:21:47,974 --> 00:21:51,844 おい! ちょい待ちな。 何でぇ 何の用だ? 228 00:21:51,844 --> 00:21:57,483 だいぶ違うな。 おう すまねえな 足 止めて。 229 00:21:57,483 --> 00:22:02,283 ああ~ これは これは 親分さんでしたか。 いや まあ…。 230 00:22:04,257 --> 00:22:08,995 心当たりはありませんが 一体 何やらかしたんです? 231 00:22:08,995 --> 00:22:13,666 いちょう屋のおかみ殺して この辺りに逃げ込みやがったんだ。 232 00:22:13,666 --> 00:22:18,004 そいつぁ物騒だ。 おすみのヤツ それで やけに早くから➡ 233 00:22:18,004 --> 00:22:21,674 しんばり棒を…。 おすみ? お前の情人かい? 234 00:22:21,674 --> 00:22:24,510 ヘヘッ。 秋に女房になる女でね。 235 00:22:24,510 --> 00:22:29,010 ここで履物の店を やってるんですが 今夜は妙に…。 236 00:22:32,618 --> 00:22:36,918 すみません お嬢さん。 私のために…。 237 00:22:38,491 --> 00:22:42,191 あんたのためばかりじゃないわ。 238 00:22:43,963 --> 00:22:50,837 聞こえたでしょうけど 半年先には 亭主になる人なの。 239 00:22:50,837 --> 00:22:55,837 でも 好きじゃない。 240 00:22:57,510 --> 00:23:01,514 みなしごになった私を 育ててくれた伯父が➡ 241 00:23:01,514 --> 00:23:05,251 決めてくれた縁談なんです。 242 00:23:05,251 --> 00:23:11,657 だから ああして やって来れば 断れなかった。 243 00:23:11,657 --> 00:23:17,530 近所の人の物笑いに なっているのは知ってたけれど➡ 244 00:23:17,530 --> 00:23:21,530 それが私の運命だと思って…。 245 00:23:27,006 --> 00:23:32,278 だから もう お嬢さんと呼ぶのは やめて。 246 00:23:32,278 --> 00:23:35,278 そんな女じゃない。 247 00:23:39,152 --> 00:23:43,289 5日前に 確かに この町まで 追い込んでるんだが➡ 248 00:23:43,289 --> 00:23:47,627 足跡が ここで ぷっつり消えてる。 この町のどこかに➡ 249 00:23:47,627 --> 00:23:50,963 隠れていると見て 一軒一軒 聞いて回ってるんだが➡ 250 00:23:50,963 --> 00:23:54,634 本当に 知らねえんだな? 251 00:23:54,634 --> 00:23:57,537 はい。 252 00:23:57,537 --> 00:24:02,308 この男に殺されたのも 1人暮らしの女だ。 253 00:24:02,308 --> 00:24:07,008 お前さんも1人住めえだ。 用心する事だ。 254 00:24:08,981 --> 00:24:13,152 女の人を殺したんですか? その人。 255 00:24:13,152 --> 00:24:17,490 ≪もっとも その女は 男をだますのが うまかった。 256 00:24:17,490 --> 00:24:20,827 この新七も だまされた一人で➡ 257 00:24:20,827 --> 00:24:24,127 だいぶ 店の金を つぎ込んじまった。 258 00:24:27,600 --> 00:24:31,437 まあ どっちみち お上の裁きを免れねえと➡ 259 00:24:31,437 --> 00:24:38,945 思い詰めて殺したんだろうが それだけに何をしでかすか…。 260 00:24:38,945 --> 00:24:41,945 怖いこと。 261 00:24:48,287 --> 00:24:55,061 もう一度 聞くが 本当に 知らねえんだな? 262 00:24:55,061 --> 00:24:58,631 知りません! お疑いなら 調べて下さい! 263 00:24:58,631 --> 00:25:01,631 これだけの うちなんですから。 264 00:25:07,306 --> 00:25:11,978 いや 見かけたら知らせてくれ。 265 00:25:11,978 --> 00:25:14,678 邪魔したな。 266 00:25:21,320 --> 00:25:25,020 (戸の開閉音) 267 00:25:27,660 --> 00:25:29,960 弥助。 268 00:25:32,265 --> 00:25:36,602 何か? 鳥飼と銀蔵親分に伝えてくれ。 269 00:25:36,602 --> 00:25:40,473 張り込み場所を橋の向こう側に 遠ざけるんだ。 270 00:25:40,473 --> 00:25:44,277 へえ。 また急に どうして? 271 00:25:44,277 --> 00:25:48,948 様子を見に来る人間の目に 触れねえようにさ。 272 00:25:48,948 --> 00:25:51,248 へえ。 273 00:25:58,291 --> 00:26:02,161 (金子)何をグズグズしておる!? 西永代まで追い込んだのなら➡ 274 00:26:02,161 --> 00:26:05,464 付近一帯 しらみつぶしに調べれば たちどころに➡ 275 00:26:05,464 --> 00:26:07,800 挙げられるではないか。 しかし そんな事をして➡ 276 00:26:07,800 --> 00:26:10,703 もし 人質に取られる者があれば その人質の命が➡ 277 00:26:10,703 --> 00:26:13,306 危険にさらされる事になります。 278 00:26:13,306 --> 00:26:16,976 そこを うまくやるのが お主の務めではないのか!? 279 00:26:16,976 --> 00:26:21,976 「急いては事をし損ずる」。 まあ 私に お任せ下さい。 280 00:26:23,849 --> 00:26:28,549 クァッ! 大きな口をたたきおって。 281 00:26:30,323 --> 00:26:34,927 嘘をついて すみませんでした。 282 00:26:34,927 --> 00:26:41,267 初めのうちは 逃げる事ばかり考えてました。 283 00:26:41,267 --> 00:26:47,073 でも… もう どちらでもいいのです。 284 00:26:47,073 --> 00:26:51,277 逃げきれる訳がない という気もしてきました。 285 00:26:51,277 --> 00:26:55,277 町方に引き渡して頂いても。 286 00:26:57,149 --> 00:27:02,621 殺された人 いくつだったんですか? 287 00:27:02,621 --> 00:27:04,557 28。 288 00:27:04,557 --> 00:27:06,959 あんたは? 289 00:27:06,959 --> 00:27:09,295 22です。 290 00:27:09,295 --> 00:27:14,166 あんたが 太刀打ちできる訳 ないじゃないの。 291 00:27:14,166 --> 00:27:17,636 ほかにも 男を だましてたらしいし。 292 00:27:17,636 --> 00:27:24,310 たちが悪い女だという事は 前から分かっていたんです。 293 00:27:24,310 --> 00:27:27,346 それなのに 気が付いた頃には➡ 294 00:27:27,346 --> 00:27:29,982 使い込んだ金は 30両を超えてました。 295 00:27:29,982 --> 00:27:33,419 [ 回想 ] (お鳥)笑わせるんじゃないよ。 文無しになって➡ 296 00:27:33,419 --> 00:27:36,255 泣きついてくるような バカな男につきあうほど➡ 297 00:27:36,255 --> 00:27:39,291 あたしゃ 男に不自由しちゃ いないんだ。 298 00:27:39,291 --> 00:27:43,029 お前の まぬけ面なんか 見たくないって言ってんのが➡ 299 00:27:43,029 --> 00:27:46,265 分かんないのかい!? アアッ! 300 00:27:46,265 --> 00:27:48,565 (唾を吐く音) 301 00:27:54,140 --> 00:27:58,140 (うめき声) 302 00:28:09,955 --> 00:28:13,626 かわいそうに。 303 00:28:13,626 --> 00:28:18,297 そんな悪い女のために➡ 304 00:28:18,297 --> 00:28:23,297 あんたが捕まって 死ぬ事はないわ。 305 00:28:26,172 --> 00:28:33,579 私が逃がしてあげる。 心配する事ないわ。 306 00:28:33,579 --> 00:28:37,917 私に任せて。 307 00:28:37,917 --> 00:28:44,917 きっと… きっと 私が。 308 00:28:52,465 --> 00:28:55,101 あんた…。 これ以上➡ 309 00:28:55,101 --> 00:28:58,437 ご迷惑をかける訳にはいきません。 310 00:28:58,437 --> 00:29:01,774 どうせ もう逃げきれや しないんです。 311 00:29:01,774 --> 00:29:07,580 待って! お願い 行かないで。 312 00:29:07,580 --> 00:29:10,280 お嬢さん。 313 00:29:14,487 --> 00:29:21,187 私は今まで 諦めて生きてきたの。 314 00:29:23,629 --> 00:29:27,500 諦めていたから➡ 315 00:29:27,500 --> 00:29:35,574 どんなつらい事にも 恥ずかしい事にも耐えられた。 316 00:29:35,574 --> 00:29:37,610 でも…。 317 00:29:37,610 --> 00:29:42,348 [ 回想 ] 頭が痛むんです。 頭痛なんざ 抱かれりゃ治るよ! 318 00:29:42,348 --> 00:29:49,588 誰にでも 一生に一度くらい➡ 319 00:29:49,588 --> 00:29:55,888 人を殺したいと思う事が ないとは 言えないんじゃないかしら。 320 00:29:58,597 --> 00:30:03,297 まして あんたのような目に遭ったら…。 321 00:30:09,942 --> 00:30:15,281 あんたを助けてあげたいの。 322 00:30:15,281 --> 00:30:24,290 いつも人の言いなりになってきた 私が たった一度➡ 323 00:30:24,290 --> 00:30:33,632 自分がしたいと思う事をしたって いいでしょ? 324 00:30:33,632 --> 00:30:40,632 お願いよ。 私の思うように させてちょうだい。 325 00:30:48,180 --> 00:30:51,180 おすみさん。 326 00:30:55,888 --> 00:30:59,158 なぜだ? なぜ おすみは➡ 327 00:30:59,158 --> 00:31:02,061 新七が 殺しの下手人と分かってなお➡ 328 00:31:02,061 --> 00:31:05,030 かくまおうとするんだ? 329 00:31:05,030 --> 00:31:10,730 心底 惚れちまったんですよ。 その新七って人に。 330 00:31:13,005 --> 00:31:17,176 しかし おすみには通ってくる いいなずけもいる。 331 00:31:17,176 --> 00:31:25,351 いや たとえ それが なかったとしても しょせん…。 332 00:31:25,351 --> 00:31:30,351 こればっかりは 理屈じゃありませんもの。 333 00:32:11,864 --> 00:32:13,864 (戸をたたく音) 334 00:32:24,343 --> 00:32:47,299 ♬~ 335 00:32:47,299 --> 00:32:52,599 とうとう 行ってしまったんだ。 336 00:32:54,173 --> 00:32:57,173 (戸の開閉音) 337 00:33:02,848 --> 00:33:08,587 どこへ行ってたんですか? 町の中をウロウロしたら危ないでしょ。 338 00:33:08,587 --> 00:33:11,887 橋まで行ってきました。 339 00:33:14,326 --> 00:33:19,998 見張りは もう いなかった。 いつからなんです? 340 00:33:19,998 --> 00:33:23,869 昨夜からよ。 341 00:33:23,869 --> 00:33:27,339 そうですか。 342 00:33:27,339 --> 00:33:31,944 町方も諦めたかな。 343 00:33:31,944 --> 00:33:35,447 そのようね。 344 00:33:35,447 --> 00:33:41,147 ひょっとすると うまく逃げられるかもしれない。 345 00:33:44,156 --> 00:33:49,628 戻ってこなくても よかったのに。 えっ? 346 00:33:49,628 --> 00:33:55,300 逃げようと思えば 逃げられたんでしょ? 347 00:33:55,300 --> 00:33:58,203 そんな事はできません。 348 00:33:58,203 --> 00:34:02,203 あんたに黙って 逃げられる訳はありません。 349 00:34:04,977 --> 00:34:08,480 ごやっかいになりました。 350 00:34:08,480 --> 00:34:11,780 決して忘れません。 351 00:34:14,286 --> 00:34:17,990 いいのよ そんな挨拶は。 352 00:34:17,990 --> 00:34:21,860 それで やっぱり品川に行くの? 353 00:34:21,860 --> 00:34:24,860 そのつもりです。 354 00:34:38,610 --> 00:34:41,947 おい! 俺の女を どこに連れていく気だ!? 355 00:34:41,947 --> 00:34:44,983 おすみ。 お前 殺しの下手人を かくまうたぁ➡ 356 00:34:44,983 --> 00:34:48,287 とんでもねえ事を してくれたもんだな。 えっ! 357 00:34:48,287 --> 00:34:51,623 俺には分かってたんだぜ。 この前 行った時 お前の様子が➡ 358 00:34:51,623 --> 00:34:53,959 ただ事じゃなかったからな。 それで ちょいちょい➡ 359 00:34:53,959 --> 00:34:58,630 見張ってたんだ。 ざまぁみろ! とうとう 尻尾を出しやがったな。 360 00:34:58,630 --> 00:35:01,967 そこを動くな。 今 人を呼んでくるからな。 やめて! 361 00:35:01,967 --> 00:35:13,979 ♬~ 362 00:35:13,979 --> 00:35:16,315 やめて! お願い! 363 00:35:16,315 --> 00:35:39,015 ♬~ 364 00:35:42,474 --> 00:35:45,277 (おすみ)死んだの? 365 00:35:45,277 --> 00:35:52,577 私は むやみに 人を殺したりしません。 366 00:35:59,625 --> 00:36:02,961 お世話になりました。 367 00:36:02,961 --> 00:36:06,261 ご恩は決して忘れません。 368 00:36:11,970 --> 00:36:14,670 気を付けてね。 369 00:36:41,600 --> 00:36:44,503 (新七)もっと早く➡ 370 00:36:44,503 --> 00:36:49,274 あんたのような人に 会いたかった。➡ 371 00:36:49,274 --> 00:36:56,148 そうじゃなかったから こんなバカな事になってしまった。 372 00:36:56,148 --> 00:37:01,987 逃げきれるとは思っちゃいません。 373 00:37:01,987 --> 00:37:09,294 品川の親戚に預けてある母に 一目会ったら お縄を受けます。 374 00:37:09,294 --> 00:37:15,294 逃げて。 そんな事言わないで 逃げて! 375 00:37:17,636 --> 00:37:21,336 私も一緒に行く。 376 00:37:25,510 --> 00:37:29,982 そんな事言っちゃいけません。 377 00:37:29,982 --> 00:37:34,252 ありがとう。 378 00:37:34,252 --> 00:37:39,591 そう言ってもらっただけで 十分です。 379 00:37:39,591 --> 00:37:44,591 あんたを忘れません。 380 00:38:23,168 --> 00:38:28,640 お願いでございます! あの家に母がおります。 381 00:38:28,640 --> 00:38:33,078 一目… 一目会わせて下さいまし! 382 00:38:33,078 --> 00:38:39,584 会わせて頂きましたら 必ず お縄を受けます。 どうか! 383 00:38:39,584 --> 00:38:44,284 お前さん 自分が何をしたのか 分かってるのかい? 384 00:38:45,924 --> 00:38:50,595 旦那。 おさとさんは もう長くはねえ。 385 00:38:50,595 --> 00:38:53,498 いまわの際に せめて一目…。 386 00:38:53,498 --> 00:38:58,270 えっ… それじゃ おっ母さんは!? 387 00:38:58,270 --> 00:39:02,941 旦那。 あっしからも お願い致しやす。 388 00:39:02,941 --> 00:39:06,812 会わせてやっておくんなせえ。 389 00:39:06,812 --> 00:39:11,283 あ~っ あっ! あ~っ! 390 00:39:11,283 --> 00:39:18,957 ああ あ~。 久しぶりの遠出で 足が棒になっちまったぜ。 391 00:39:18,957 --> 00:39:25,831 今夜は品川泊まり。 ゆっくり あんまにでも かかろうかい。 392 00:39:25,831 --> 00:39:28,300 旦那! 393 00:39:28,300 --> 00:39:33,138 お鳥殺しの下手人は 明日の朝まで 親分に預けるから➡ 394 00:39:33,138 --> 00:39:36,638 粗相のねえように頼んだぜ。 へえ。 395 00:39:42,814 --> 00:39:46,014 ありがとうございます。 396 00:39:52,491 --> 00:39:56,928 それじゃあ 母親の死に目に あえたんですね。 397 00:39:56,928 --> 00:40:02,601 ああ。 何にも知らずに 新七の手を握って➡ 398 00:40:02,601 --> 00:40:06,938 息を引き取ったそうだ。 399 00:40:06,938 --> 00:40:12,611 よかった。 …で その おすみさんって人➡ 400 00:40:12,611 --> 00:40:16,948 どうしてるのかしら? 今までどおりさ。 401 00:40:16,948 --> 00:40:20,819 何も変わっちゃいない。 402 00:40:20,819 --> 00:40:26,625 でも ほんのひととき 男に惚れて 男に尽くして…➡ 403 00:40:26,625 --> 00:40:29,961 その間 幸せだったんですよ きっと。 404 00:40:29,961 --> 00:40:35,661 それだけに 辰三との暮らしは つらかろうな。 405 00:40:37,636 --> 00:40:44,976 いいえ 違う。 おすみさんは 小ぬか雨の降る こんな日に➡ 406 00:40:44,976 --> 00:40:51,650 新七さんと別れた事 きっと いつまでも忘れませんよ。 407 00:40:51,650 --> 00:40:56,988 それで いいのよ。 それで…。 408 00:40:56,988 --> 00:41:25,688 ♬~ 409 00:41:56,314 --> 00:41:59,985 ♬~ 410 00:41:59,985 --> 00:42:40,625 ♬~ 411 00:42:40,625 --> 00:42:55,640 ♬~ 412 00:42:55,640 --> 00:43:08,653 ♬~ 413 00:43:08,653 --> 00:43:17,662 ♬~ 414 00:43:17,662 --> 00:43:26,362 ♬~