1 00:00:33,672 --> 00:00:39,411 (伊織)かつては竹馬の友 今は絶交されている父上様に➡ 2 00:00:39,411 --> 00:00:44,711 ご家老 松浦将監様を 斬って頂けませぬか? 3 00:00:48,420 --> 00:00:51,623 (源五)分かった。 4 00:00:51,623 --> 00:00:56,123 将監を斬ったあと わしも腹を切る。 5 00:01:03,302 --> 00:01:06,772 とは言ったものの…。 6 00:01:06,772 --> 00:01:10,275 おっ。 おっ! 7 00:01:10,275 --> 00:01:12,275 おっ! 8 00:01:13,946 --> 00:01:15,914 あっ! 9 00:01:15,914 --> 00:01:38,070 ♬~ 10 00:01:38,070 --> 00:01:40,370 さ。 11 00:01:41,940 --> 00:01:45,577 いや~ 見事な自然薯。 痛み入ります。 12 00:01:45,577 --> 00:01:50,082 されど 土産など 気を遣われますな。 13 00:01:50,082 --> 00:01:54,082 さ ぐいっと。 14 00:02:01,693 --> 00:02:05,897 父上を招いたのは たつにございますよ。 15 00:02:05,897 --> 00:02:10,202 今生の名残のお杯を 差し上げたいと申しましてな。 16 00:02:10,202 --> 00:02:12,402 え? 17 00:02:17,442 --> 00:02:19,945 (たつ)お目にかかるのは3年ぶり。 18 00:02:19,945 --> 00:02:22,447 お久しゅうございまする 父上。 19 00:02:22,447 --> 00:02:26,952 こたびは 夫 伊織の願い事を お聞き届け頂き➡ 20 00:02:26,952 --> 00:02:29,454 かたじけのうございまする。 たつ…。 21 00:02:29,454 --> 00:02:31,456 そのような他人行儀な挨拶。➡ 22 00:02:31,456 --> 00:02:34,292 実の父 娘であろう。➡ 23 00:02:34,292 --> 00:02:37,262 では 父上 拙者は寄り合いがありますゆえ➡ 24 00:02:37,262 --> 00:02:39,264 これにて。 25 00:02:39,264 --> 00:02:41,400 いや…。 26 00:02:41,400 --> 00:02:57,900 ♬~ 27 00:03:10,429 --> 00:03:15,767 驚きました。 片や書院番 勘定方 郡奉行➡ 28 00:03:15,767 --> 00:03:19,104 ついには家老と 鯉の滝登り。 29 00:03:19,104 --> 00:03:24,443 片や 普請方から やっと鉄砲衆。 そして また普請方に逆戻り。 30 00:03:24,443 --> 00:03:28,647 ついには 郡方見回りと まるで 鯰の泥潜り。 31 00:03:28,647 --> 00:03:30,582 泥潜り? 32 00:03:30,582 --> 00:03:35,420 その鯉と鯰が竹馬の友とは まことでございまするな? 33 00:03:35,420 --> 00:03:40,258 ああ まことだ。 だが 20年前に絶交した。 34 00:03:40,258 --> 00:03:45,063 その私怨をもって 斬ってくれと言われ 承知した。 35 00:03:45,063 --> 00:03:48,400 鯉を斬ったあとは 鯰も腹を切る。 36 00:03:48,400 --> 00:03:52,571 お前たちに 累は及ばないようにする。 37 00:03:52,571 --> 00:03:56,908 されば その私怨は何か お教え下さい。 38 00:03:56,908 --> 00:04:00,108 言わぬ。 腹に持って逝く。 39 00:04:01,747 --> 00:04:06,418 されば 長年の不遇を逆恨みしての ご乱心➡ 40 00:04:06,418 --> 00:04:09,755 という事で ようございまするな。 41 00:04:09,755 --> 00:04:12,455 帰る。 42 00:04:15,093 --> 00:04:20,966 もう一つ。 蕗を出戻らせたと 聞きましたが まことか? 43 00:04:20,966 --> 00:04:23,869 ああ。 まことだ。 44 00:04:23,869 --> 00:04:28,440 20年前 蕗の父が何をしでかしたか お忘れか! 45 00:04:28,440 --> 00:04:32,310 そのような者を また日下部家に 出戻らせて どうなさいまする! 46 00:04:32,310 --> 00:04:36,047 妾にでもなさるおつもりか! ばかもん! 47 00:04:36,047 --> 00:04:40,847 たとえ 親子であっても 言っていい事と悪い事があるぞ! 48 00:04:44,723 --> 00:04:46,723 ばかは どちらか! 49 00:04:48,593 --> 00:04:51,596 あっ 痛っ! あ… あ…。 50 00:04:51,596 --> 00:04:54,496 誰に似たんだ。 ばか力め! 51 00:04:58,270 --> 00:05:01,273 (将監)ならぬな 山崎殿。 52 00:05:01,273 --> 00:05:05,510 藩校は既にある。 この上 もう一つ作るなど➡ 53 00:05:05,510 --> 00:05:08,246 屋上屋を重ねる 愚じゃ。 54 00:05:08,246 --> 00:05:10,282 (山崎多聞)しかしながら 松浦様。 55 00:05:10,282 --> 00:05:17,956 各藩とも 朱子学の藩校を 作っておりまする。 56 00:05:17,956 --> 00:05:25,764 このままでは 月ヶ瀬藩だけが 時流に乗り遅れまする。 57 00:05:25,764 --> 00:05:31,436 山崎殿 政には金がかかる。 58 00:05:31,436 --> 00:05:36,708 新しき藩校を作る金は 月ヶ瀬には ござらん。 59 00:05:36,708 --> 00:05:40,045 口を開けば 金 金と。 60 00:05:40,045 --> 00:05:45,517 政は志。 それを教える朱子学。 61 00:05:45,517 --> 00:05:48,053 控えよ! 62 00:05:48,053 --> 00:05:54,253 側用人が出過ぎると お家を乱すもとぞ。 63 00:06:01,066 --> 00:06:05,766 これは 殿のお考えでありまするぞ。 64 00:06:11,076 --> 00:06:13,144 (浅川惟忠)控えよ 多聞。 65 00:06:13,144 --> 00:06:18,744 将監の言う事も 一理ある。 66 00:06:22,254 --> 00:06:24,289 はっ。 67 00:06:24,289 --> 00:06:31,429 確かに 名家老 松浦将監様のご評判は➡ 68 00:06:31,429 --> 00:06:37,702 藩の内外 知らぬ者はござりませぬ。➡ 69 00:06:37,702 --> 00:06:43,575 まるで かつての… あ いや。 70 00:06:43,575 --> 00:06:46,711 (惟忠)九鬼夕斎➡ 71 00:06:46,711 --> 00:06:49,711 とでも言いたいのか 多聞。 72 00:06:51,549 --> 00:06:55,387 (山崎)つきましては 郡方見回りの下士に➡ 73 00:06:55,387 --> 00:06:58,890 私怨という事で 斬らせる手はずを➡ 74 00:06:58,890 --> 00:07:02,727 整えておるところにございまする。 75 00:07:02,727 --> 00:07:07,399 隠居では済まぬのか? 76 00:07:07,399 --> 00:07:10,302 済みませぬ。 77 00:07:10,302 --> 00:07:13,271 いまだ ご親戚の中には➡ 78 00:07:13,271 --> 00:07:17,742 松浦将監を 重んじるお方もござりますれば➡ 79 00:07:17,742 --> 00:07:22,742 老いたりといえど 油断はなりませぬ。 80 00:07:24,616 --> 00:07:26,916 万事 任せる。 81 00:07:29,354 --> 00:07:31,354 はっ。 82 00:07:37,228 --> 00:07:39,698 (次郎作) お帰りなさいませ 旦那様。 83 00:07:39,698 --> 00:07:42,033 おう 次郎作。 土産だ。 84 00:07:42,033 --> 00:07:44,703 あっ お団子! ありがとうございます。 85 00:07:44,703 --> 00:07:47,605 ハハハ。 留守中 変わった事は なかったか? 86 00:07:47,605 --> 00:07:49,574 はい。 87 00:07:49,574 --> 00:07:51,574 (重輔)ごめん。 88 00:07:54,412 --> 00:07:59,884 松浦将監様が家臣 伊藤重輔と申す。 89 00:07:59,884 --> 00:08:04,723 明朝 ご家老が 郷中を見回りをなされる。 90 00:08:04,723 --> 00:08:11,396 その案内役を 日下部源五殿に頼む との仰せだ。 91 00:08:11,396 --> 00:08:14,733 もう 段取りをつけたか…。 92 00:08:14,733 --> 00:08:19,733 段取り? 段取りとは何だ? 93 00:08:22,140 --> 00:08:24,075 何だ? 94 00:08:24,075 --> 00:08:27,746 いや こちらの事だ。 95 00:08:27,746 --> 00:08:30,446 承知した。 96 00:08:39,691 --> 00:08:46,031 [ 回想 ] これは お前の父親と わしが交わした証文だ。 97 00:08:46,031 --> 00:08:52,704 この証文がある限り 蕗も 蕗の母も➡ 98 00:08:52,704 --> 00:08:56,204 わしは 生涯 大事にする。 99 00:08:58,576 --> 00:09:01,276 (蕗)おっ父…。 100 00:09:12,724 --> 00:09:16,024 おっ父…。 101 00:09:19,597 --> 00:09:22,400 旦那様 お帰りなさいませ。 102 00:09:22,400 --> 00:09:24,900 おたつ様は お達者でございましたか? 103 00:09:29,074 --> 00:09:33,044 あ~ 掃除をしていたら これを見つけ ただ懐かしく。 104 00:09:33,044 --> 00:09:35,847 読めませんので 眺めていました。 105 00:09:35,847 --> 00:09:38,349 団子を買って帰った。 106 00:09:38,349 --> 00:09:42,220 次郎作が 全部 食べてしまわんうちに 蕗も食え。 107 00:09:42,220 --> 00:09:44,220 はい。 108 00:09:47,358 --> 00:09:50,662 おたつ様と 仲直りは…。 109 00:09:50,662 --> 00:09:52,597 フン。 110 00:09:52,597 --> 00:09:55,197 お団子 頂いてまいります。 111 00:10:15,820 --> 00:10:18,620 銀漢…。 112 00:10:25,396 --> 00:10:27,866 (十蔵)ハハハハハ。 そうか。 113 00:10:27,866 --> 00:10:31,736 小弥太は達者か? 達者だ。 114 00:10:31,736 --> 00:10:36,508 なんと あいつめ ついに 郡奉行になったぞ。 115 00:10:36,508 --> 00:10:38,877 (十蔵)お奉行様に!? 116 00:10:38,877 --> 00:10:41,779 さすが 小弥太だ。 117 00:10:41,779 --> 00:10:44,415 わしらとは出来が違うな。 118 00:10:44,415 --> 00:10:47,085 いや~ 出来が違う。 ハハハハハ。 119 00:10:47,085 --> 00:10:49,754 文武両道 品もよくて。 120 00:10:49,754 --> 00:10:54,092 しかも このごろは 水墨画の 名手として 他国に名も知れた。 121 00:10:54,092 --> 00:10:57,328 殿様の覚えも めでたいらしいわ。 122 00:10:57,328 --> 00:11:00,231 わしらも 鼻が高いな。 123 00:11:00,231 --> 00:11:03,067 そうだ。 鼻高々だ。 124 00:11:03,067 --> 00:11:06,467 (笑い声) 125 00:11:08,973 --> 00:11:11,442 源五…。 126 00:11:11,442 --> 00:11:15,313 お前 今も 小弥太と行き来があるか? 127 00:11:15,313 --> 00:11:17,782 いや それはない。 128 00:11:17,782 --> 00:11:21,119 松浦兵右衛門様の婿養子となり➡ 129 00:11:21,119 --> 00:11:25,990 政の場に踏み出した小弥太に… いや 将監様に➡ 130 00:11:25,990 --> 00:11:30,461 わしのような下士が いつまでも 友達面をしては いかんのだ。 131 00:11:30,461 --> 00:11:32,730 出世に障る。 132 00:11:32,730 --> 00:11:35,633 だが 心は➡ 133 00:11:35,633 --> 00:11:38,603 永久に つながっておる。 134 00:11:38,603 --> 00:11:41,739 お前も そうだろう? 十蔵。 135 00:11:41,739 --> 00:11:44,039 ああ。 136 00:11:49,480 --> 00:11:51,480 …十蔵? 137 00:11:53,351 --> 00:11:59,924 郡奉行なら 仇 九鬼夕斎に 手が届くかもしれんな。 138 00:11:59,924 --> 00:12:02,427 いや…。 139 00:12:02,427 --> 00:12:05,930 まだ難しい。 140 00:12:05,930 --> 00:12:09,734 悪家老の九鬼夕斎は 公を退き➡ 141 00:12:09,734 --> 00:12:12,637 隠居所の潮見閣から➡ 142 00:12:12,637 --> 00:12:17,408 家老時分よりも 更にあくどく 政を操っておる。 143 00:12:17,408 --> 00:12:20,278 悪家老から裏家老だ。 144 00:12:20,278 --> 00:12:22,780 裏家老…。 145 00:12:22,780 --> 00:12:25,480 そうか…。 146 00:12:28,453 --> 00:12:33,057 十蔵。 これは わしから 蕗の7つの祝いだ。 147 00:12:33,057 --> 00:12:35,557 受け取ってくれ。 148 00:12:51,743 --> 00:12:53,743 いや あの…。 助かる。 149 00:13:14,432 --> 00:13:16,367 わしに 天狗を撃てと? 150 00:13:16,367 --> 00:13:20,104 しっ! 声が高い。 151 00:13:20,104 --> 00:13:22,774 本物の天狗ではない。 152 00:13:22,774 --> 00:13:27,445 百姓じゃ。 近く一揆がある。 153 00:13:27,445 --> 00:13:32,417 百姓の総代が村々を回り 一揆の企てをしておるそうな。 154 00:13:32,417 --> 00:13:34,552 見つかれば打ち首。 155 00:13:34,552 --> 00:13:39,223 よって 総代は面相が分からぬよう 天狗の面をつけておる。 156 00:13:39,223 --> 00:13:42,160 その天狗を撃てと? 鉄砲で。 157 00:13:42,160 --> 00:13:46,964 当たり前ではないか。 我らは お城の鉄砲衆ぞ。 158 00:13:46,964 --> 00:13:50,401 佐多様。 159 00:13:50,401 --> 00:13:52,337 お断り申す。 160 00:13:52,337 --> 00:13:56,574 源五! お前は 上役の命を断るか! 161 00:13:56,574 --> 00:14:00,745 百姓たちを取り締まるは 郡方のお役目。 162 00:14:00,745 --> 00:14:04,615 鉄砲衆が出しゃばるのは 筋ではない。 163 00:14:04,615 --> 00:14:10,755 これは 郡奉行 松浦将監様からの密命じゃ。 164 00:14:10,755 --> 00:14:14,625 小弥太… いや 将監様が わしに? 165 00:14:14,625 --> 00:14:18,429 お奉行が お前など知る訳がなかろう。 166 00:14:18,429 --> 00:14:21,466 お奉行から 鉄砲衆に下った密命を受け➡ 167 00:14:21,466 --> 00:14:24,202 わしが お前を選んだのじゃ。 168 00:14:24,202 --> 00:14:28,439 天狗を撃てる剛の者は お前のほかに おらぬ。 169 00:14:28,439 --> 00:14:32,043 腕前も随一。 170 00:14:32,043 --> 00:14:37,743 ひそかに総代を撃ち殺し 一揆を潰すというのか…。 171 00:14:39,384 --> 00:14:41,319 そうだ。 172 00:14:41,319 --> 00:14:43,921 侍らしからぬ策じゃが➡ 173 00:14:43,921 --> 00:14:49,421 お奉行も よほど 追い詰められて おられるのであろう。 174 00:14:52,397 --> 00:14:54,332 (ため息) 175 00:14:54,332 --> 00:14:56,734 承知。 176 00:14:56,734 --> 00:15:29,434 ♬~ 177 00:15:29,434 --> 00:15:34,705 [ 回想 ] (小弥太) 「暮雲 収め尽くして 清寒 溢れ➡ 178 00:15:34,705 --> 00:15:39,677 銀漢 声無く 玉盤を転ず」。 179 00:15:39,677 --> 00:15:43,714 銀は金銀の銀 漢は男。 180 00:15:43,714 --> 00:15:50,054 しかし 天の川を指す場合の漢は 大きな川という意味になる。 181 00:15:50,054 --> 00:15:53,357 天の 大きな川…。 182 00:15:53,357 --> 00:15:55,357 銀漢…。 183 00:15:57,061 --> 00:15:59,361 (鈴の音) 184 00:16:16,080 --> 00:16:18,983 火縄の臭いに気付いたか! 185 00:16:18,983 --> 00:16:22,683 さすがは天狗。 見事な覚悟だ! 186 00:16:25,756 --> 00:16:28,659 今夜は下がれ。 187 00:16:28,659 --> 00:16:33,030 下がらねば 撃つ。 188 00:16:33,030 --> 00:16:35,700 天狗は山の神。 189 00:16:35,700 --> 00:16:39,036 わしを撃てば 天罰が下るぞ。 190 00:16:39,036 --> 00:16:43,736 天罰か。 面白い。 なら 当ててみろ! 191 00:16:49,680 --> 00:16:51,616 十蔵!? 192 00:16:51,616 --> 00:16:54,585 見てのとおりだ 源五。 193 00:16:54,585 --> 00:16:58,723 もう 誰にも止められんところまで 来ていると➡ 194 00:16:58,723 --> 00:17:03,060 郡奉行 松浦将監様に伝えてくれ。 195 00:17:03,060 --> 00:17:07,732 ばかな… ばかなまねをするな! 196 00:17:07,732 --> 00:17:13,604 これも 裏家老 九鬼夕斎の 長年にわたる悪政の付けだ。 197 00:17:13,604 --> 00:17:17,408 言ったはずだ。 将監様は お奉行。 198 00:17:17,408 --> 00:17:20,745 わしは鉄砲衆の一人だ。 199 00:17:20,745 --> 00:17:23,648 身分が 天と地ほど違う。 200 00:17:23,648 --> 00:17:28,619 お前の… 一揆の総代の 言い分を伝えるなど…。 201 00:17:28,619 --> 00:17:31,419 もはや 行き来もないんだ! 202 00:17:34,025 --> 00:17:39,897 この大日照りで 稲の大半は枯れた。 203 00:17:39,897 --> 00:17:43,034 けど 年貢の取り立ては厳しく➡ 204 00:17:43,034 --> 00:17:45,836 米がないなら 銀で納めろと。➡ 205 00:17:45,836 --> 00:17:50,174 百姓は 女房や娘を売り➡ 206 00:17:50,174 --> 00:17:54,345 年貢を納め 飢えて死んだ。➡ 207 00:17:54,345 --> 00:17:57,945 年寄りも子も死んだ。 208 00:17:59,717 --> 00:18:05,590 なのに お上は 来年の大麦 小麦➡ 209 00:18:05,590 --> 00:18:11,329 菜種の夏物成を 今より増やすとのお達し。 210 00:18:11,329 --> 00:18:15,266 お前まで わしらが作り➡ 211 00:18:15,266 --> 00:18:19,737 決して食えない米を わしに施した。 212 00:18:19,737 --> 00:18:22,640 施しではない…。 213 00:18:22,640 --> 00:18:25,610 施しではない! 214 00:18:25,610 --> 00:18:30,147 誓って 施しではないぞ 十蔵! 215 00:18:30,147 --> 00:18:34,352 わしら百姓が死に絶えても 侍だけは生き残るか。 216 00:18:34,352 --> 00:18:37,021 お前たち侍は そう思っているのか! 217 00:18:37,021 --> 00:18:40,891 そんな事 誓って思わん! 218 00:18:40,891 --> 00:18:45,391 小弥太だって 決して そんな事は思っては…。 219 00:18:47,665 --> 00:18:53,004 「漢庭巧官栄え 雲閣辺功を薄んず➡ 220 00:18:53,004 --> 00:18:55,706 憐れむべし 聡馬の使➡ 221 00:18:55,706 --> 00:18:59,006 白首 誰が為にか雄んなる」。 222 00:19:02,380 --> 00:19:05,716 この詩を松浦将監様に。 223 00:19:05,716 --> 00:19:09,587 きっと お分かりになる。 224 00:19:09,587 --> 00:19:13,224 わしには分からん。 225 00:19:13,224 --> 00:19:16,260 分かってたまるか! 226 00:19:16,260 --> 00:19:18,963 一揆の総代は打ち首。 227 00:19:18,963 --> 00:19:22,733 蕗は どうする。 228 00:19:22,733 --> 00:19:25,069 たみさんは どうする! 229 00:19:25,069 --> 00:19:28,739 誰かが やらねば 皆が飢え死ぬ。 230 00:19:28,739 --> 00:19:31,008 どっちにしても死ぬのなら➡ 231 00:19:31,008 --> 00:19:33,408 この命 使い切る。 232 00:19:43,587 --> 00:19:48,359 心配するな。 わしは天狗じゃ。 233 00:19:48,359 --> 00:19:50,559 永久に死なん。 234 00:20:09,780 --> 00:20:14,585 「天狗は 拙者のごとき 下手鉄砲の ひょろひょろ弾にては➡ 235 00:20:14,585 --> 00:20:18,055 命中も到底かなわず候えば➡ 236 00:20:18,055 --> 00:20:22,393 このお役目は 御免蒙りたく候。➡ 237 00:20:22,393 --> 00:20:28,065 なお 天狗申し候には 昨今の百姓らの困窮は➡ 238 00:20:28,065 --> 00:20:31,368 長年の悪政の付けなる由➡ 239 00:20:31,368 --> 00:20:36,507 甚だ 恐れながら 右 お伝え申し候」。 240 00:20:36,507 --> 00:20:39,910 お屋敷の裏門にて 夜を明かされ➡ 241 00:20:39,910 --> 00:20:43,581 今朝 女中が見つけて 悲鳴を上げ 私が参りましたところ➡ 242 00:20:43,581 --> 00:20:45,516 この文を…。 243 00:20:45,516 --> 00:20:48,085 字は人を表すというが➡ 244 00:20:48,085 --> 00:20:52,757 まこと 味のある悪筆。 まあ。 245 00:20:52,757 --> 00:20:55,426 それで 源五は? 246 00:20:55,426 --> 00:20:59,296 文を私に託され すぐさま帰られました。 247 00:20:59,296 --> 00:21:01,766 うむ…。 248 00:21:01,766 --> 00:21:07,766 時候の挨拶状だ。 源五も達者なようだ。 249 00:21:11,776 --> 00:21:15,076 朝餉の支度を。 250 00:21:25,322 --> 00:21:28,325 [ 回想 ] これが 九鬼夕斎の潮見閣か。 251 00:21:28,325 --> 00:21:30,461 でかいな。 252 00:21:30,461 --> 00:21:33,731 (十蔵) 潮が満ちれば 舟でしか渡れん。➡ 253 00:21:33,731 --> 00:21:36,231 夜は 見張りが薄い。 254 00:21:51,749 --> 00:21:56,086 源五 小弥太は何と書いてるんだ? 255 00:21:56,086 --> 00:21:58,989 まあ… 漢詩だな。 256 00:21:58,989 --> 00:22:01,959 意味は 後で教えてやる。 257 00:22:01,959 --> 00:22:09,433 「漢庭巧官栄え 雲閣辺功を薄んず」。 258 00:22:09,433 --> 00:22:13,771 口のうまい高官ばかりが栄え 汗や血を流す下っ端は➡ 259 00:22:13,771 --> 00:22:16,440 いつも報われぬ。 260 00:22:16,440 --> 00:22:18,776 腹が立つという意味だ。 261 00:22:18,776 --> 00:22:22,112 へえ~ それはいい。 262 00:22:22,112 --> 00:22:25,783 九鬼夕斎め 恥を知れ。 263 00:22:25,783 --> 00:22:29,453 源五は 小弥太と違い 詩が得意ではないんだな。 264 00:22:29,453 --> 00:22:31,722 俺が得意なのは剣術だ。 265 00:22:31,722 --> 00:22:33,691 今度 教えてやる 十蔵。 266 00:22:33,691 --> 00:22:39,291 わしは 剣術より 詩の方がいいな。 267 00:22:44,735 --> 00:22:50,435 源五は 詩が不得意…。 268 00:22:55,079 --> 00:22:58,779 この詩を託したのは…。 269 00:23:01,752 --> 00:23:04,452 まさか…。 270 00:23:11,095 --> 00:23:14,498 天狗は…。 271 00:23:14,498 --> 00:23:17,935 十蔵…。 272 00:23:17,935 --> 00:23:22,106 わしに何を謎かけておる…。 273 00:23:22,106 --> 00:24:08,085 ♬~ 274 00:24:08,085 --> 00:24:12,423 (本庄内記)一揆の気配 まことにないと申すか 将監。 275 00:24:12,423 --> 00:24:15,459 はっ。 ござりませぬ。 276 00:24:15,459 --> 00:24:19,296 ならば 重畳。 277 00:24:19,296 --> 00:24:23,596 (夕斎)飲め。 ははっ。 ありがたく。 278 00:24:27,771 --> 00:24:32,042 あ… ハハッ。 うまい! 279 00:24:32,042 --> 00:24:34,712 将監。 280 00:24:34,712 --> 00:24:38,412 いえ 拙者は…。 将監! 281 00:24:44,722 --> 00:24:49,059 (内記)どうじゃ? うまいか? うまいであろう? 282 00:24:49,059 --> 00:24:53,359 まこと うまい酒にございまする。 283 00:24:54,932 --> 00:24:56,934 (夕斎)食え。 284 00:24:56,934 --> 00:25:00,070 百姓が飢えておるのに➡ 285 00:25:00,070 --> 00:25:03,370 こうして うまい酒を飲み…。 286 00:25:05,409 --> 00:25:08,409 うまい飯を食うのは…。 287 00:25:10,748 --> 00:25:13,448 (内記)まことに うまい。 288 00:25:17,254 --> 00:25:19,254 将監! 289 00:25:41,578 --> 00:25:44,415 (夕斎)内記。 はっ。 290 00:25:44,415 --> 00:25:49,720 殿は 今 江戸屋敷におわす。 291 00:25:49,720 --> 00:25:54,391 国元を守るのが 家老 この本庄内記の務め。 292 00:25:54,391 --> 00:25:56,727 そこで 尋ねる。 293 00:25:56,727 --> 00:25:59,063 もし 一揆が起きたら➡ 294 00:25:59,063 --> 00:26:02,332 百姓を治める郡奉行のお主は どうする?➡ 295 00:26:02,332 --> 00:26:07,032 腹を切るしかあるまいのう。 296 00:26:10,741 --> 00:26:12,741 食え。 297 00:26:21,085 --> 00:26:23,020 ≪(家士)申し上げます。 298 00:26:23,020 --> 00:26:26,490 祇園神社の森に 百姓どもが 集まってございまする。➡ 299 00:26:26,490 --> 00:26:29,093 その数 およそ50。 300 00:26:29,093 --> 00:26:32,863 将監! 先ほど 一揆の気配はないと申したな。 301 00:26:32,863 --> 00:26:35,163 祭りでございまする。 302 00:26:36,733 --> 00:26:39,736 (内記)祭り? はい。 303 00:26:39,736 --> 00:26:44,374 稲の刈り入れも済み 秋物成も納め➡ 304 00:26:44,374 --> 00:26:49,713 歓喜した百姓たちの… 例年の祭りでございまする。 305 00:26:49,713 --> 00:26:52,249 (夕斎)ならば 確かめてこい。 306 00:26:52,249 --> 00:26:57,449 松浦将監。 お前一人で確かめてこい。 307 00:27:01,925 --> 00:27:04,125 はっ。 308 00:27:09,666 --> 00:27:14,666 重佐 ここで待て。 (重左衛門)はっ。 309 00:27:24,281 --> 00:27:29,753 郡奉行 松浦将監である。 310 00:27:29,753 --> 00:27:33,453 天狗と話がしたい。 311 00:27:35,359 --> 00:27:37,359 (鈴の音) 312 00:28:09,893 --> 00:28:16,233 この者たちの総代 十蔵と申します。 313 00:28:16,233 --> 00:28:20,404 郡奉行 松浦将監である。 314 00:28:20,404 --> 00:28:27,277 総代 十蔵とやら。 315 00:28:27,277 --> 00:28:32,049 皆を直ちに 村に返し 速やかに縛につけ。 316 00:28:32,049 --> 00:28:35,886 お上にも 慈悲はある。 317 00:28:35,886 --> 00:28:41,024 望みの かのうた暁には そう致しましてございまする。 318 00:28:41,024 --> 00:28:43,093 望みとは何だ? 319 00:28:43,093 --> 00:28:45,896 たった一度の大日照りで➡ 320 00:28:45,896 --> 00:28:51,034 何百人も飢え死にを出す 政をなさる極悪人を➡ 321 00:28:51,034 --> 00:28:54,234 我らに お引き渡し下さいませ。 322 00:28:56,206 --> 00:28:58,508 極悪人とは? 323 00:28:58,508 --> 00:29:01,411 潮見閣におりまする➡ 324 00:29:01,411 --> 00:29:05,811 裏家老の 九鬼夕斎。 325 00:29:09,553 --> 00:29:12,422 極悪人さえ取り除けば➡ 326 00:29:12,422 --> 00:29:15,726 慈悲深いお殿様は きっと➡ 327 00:29:15,726 --> 00:29:21,026 来年の夏物成の ご容赦を下さるはず。 328 00:29:25,435 --> 00:29:28,435 我らの嘆願書でございます。 329 00:29:32,009 --> 00:29:35,009 お取り上げ下さいませ。 330 00:29:38,682 --> 00:29:41,482 待て! 下がれ! 331 00:29:54,531 --> 00:29:57,567 覚えておられますか? 332 00:29:57,567 --> 00:30:05,242 ここで一緒に あなた様と源五と私の3人で➡ 333 00:30:05,242 --> 00:30:08,942 銀漢を眺めました事を。 334 00:30:13,917 --> 00:30:15,917 ああ。 335 00:30:18,722 --> 00:30:21,558 (十蔵)子どもの頃➡ 336 00:30:21,558 --> 00:30:28,065 仇と斬り合った あなた様と源五の手伝いを➡ 337 00:30:28,065 --> 00:30:32,365 私も 心底 しとうございました。 338 00:30:35,939 --> 00:30:39,409 侍になりたいと思ったのは➡ 339 00:30:39,409 --> 00:30:43,080 後にも先にも あの一度きり。 340 00:30:43,080 --> 00:30:45,015 [ 回想 ] (吉四郎)介錯を! 341 00:30:45,015 --> 00:30:47,315 うわ~っ! 342 00:30:52,756 --> 00:30:56,626 我らの望みをかなえるためなら➡ 343 00:30:56,626 --> 00:31:01,098 私の この総代の命➡ 344 00:31:01,098 --> 00:31:04,935 お奉行様が いかようにも お使い下さいませ。 345 00:31:04,935 --> 00:31:11,135 お前の… 命を…? 346 00:31:13,443 --> 00:31:21,318 いくら 九鬼夕斎を倒すためとはいえ➡ 347 00:31:21,318 --> 00:31:25,789 わしが使えると思うか? 348 00:31:25,789 --> 00:31:31,461 十蔵。 349 00:31:31,461 --> 00:31:36,461 わしは… 使えぬ。 350 00:31:39,069 --> 00:31:42,939 小弥太…。 351 00:31:42,939 --> 00:31:46,139 わしも 銀漢でありたいのだ。 352 00:31:48,578 --> 00:31:51,615 ほかの者には使わせん。 353 00:31:51,615 --> 00:31:55,085 お前が使ってくれてこそ➡ 354 00:31:55,085 --> 00:31:57,485 この命が生きる。 355 00:32:08,098 --> 00:32:10,434 お奉行様。 356 00:32:10,434 --> 00:32:16,834 恐らく これが お目にかかる 最初で最後でございますれば…。 357 00:32:18,608 --> 00:32:20,608 どうか…。 358 00:32:23,447 --> 00:32:26,747 お取り上げ下さいませ。 359 00:32:44,234 --> 00:32:47,537 十蔵! 360 00:32:47,537 --> 00:33:17,037 ♬~ 361 00:33:18,635 --> 00:33:21,771 本日は ご家老様のお供でございますね。 362 00:33:21,771 --> 00:33:23,771 ああ。 363 00:33:27,110 --> 00:33:30,013 何を にやにやしているんだ? 蕗。 364 00:33:30,013 --> 00:33:33,884 あ… 久しぶりに 父の夢を見ましたので。 365 00:33:33,884 --> 00:33:37,587 おっ 十蔵の! 何か言っていたか? 366 00:33:37,587 --> 00:33:43,393 いいえ。 ただ黙って にこにこと。 367 00:33:43,393 --> 00:33:47,063 父が亡くなったのは 私が7つの時。 368 00:33:47,063 --> 00:33:49,966 もう 顔も どこか あやふやなのですけど➡ 369 00:33:49,966 --> 00:33:53,737 今日は はっきりと 顔を見せてくれました。 370 00:33:53,737 --> 00:33:57,407 (次郎作)夢でも 会えれば うれしいんですか? 蕗さん。 371 00:33:57,407 --> 00:34:00,607 ええ。 今日は いい事がありそう。 372 00:34:07,751 --> 00:34:11,621 [ 心の声 ] 十蔵。 わしは今日➡ 373 00:34:11,621 --> 00:34:13,921 将監の供をする。 374 00:34:22,265 --> 00:34:24,265 [ 回想 ] 十蔵! 375 00:34:26,770 --> 00:34:29,105 [ 心の声 ] いよいよ➡ 376 00:34:29,105 --> 00:34:33,305 お前の無念を晴らす時が来たぞ。 377 00:34:41,685 --> 00:34:44,387 行ってらっしゃいませ。 378 00:34:44,387 --> 00:34:50,260 蕗。 もしも わしに 万一の事があったら➡ 379 00:34:50,260 --> 00:34:57,400 次郎作と共に 婿殿の 津田伊織の所へ行け。 380 00:34:57,400 --> 00:34:59,400 え? 381 00:35:02,072 --> 00:35:04,007 行ってくる。 382 00:35:04,007 --> 00:35:29,307 ♬~ 383 00:35:38,375 --> 00:35:44,547 源五。 古い友から見て 今のわしは どう見える? 384 00:35:44,547 --> 00:35:47,584 拙者は友ではございませぬ。 385 00:35:47,584 --> 00:35:50,720 友ではない? はて なぜじゃ? 386 00:35:50,720 --> 00:35:56,059 20年前 天狗騒ぎの折 絶交をしておりまする。 387 00:35:56,059 --> 00:35:59,729 そうだったかのう。 388 00:35:59,729 --> 00:36:03,229 この辺りで一休みじゃ。 389 00:36:08,405 --> 00:36:11,307 源五 ついてまいれ。 390 00:36:11,307 --> 00:36:14,807 重輔 ここで待て。 391 00:36:24,421 --> 00:36:29,121 ん~! フフフ 甘露。 392 00:36:30,927 --> 00:36:36,466 わしは 死病に 取りつかれておるそうじゃ。 393 00:36:36,466 --> 00:36:39,169 死病? 394 00:36:39,169 --> 00:36:42,706 腹に しこりがある。 395 00:36:42,706 --> 00:36:48,006 もって あと1年だと 医者に言われた。 396 00:36:52,382 --> 00:36:55,051 これも➡ 397 00:36:55,051 --> 00:36:58,351 天狗の罰かのう。 398 00:36:59,923 --> 00:37:05,061 50を既に過ぎ そう惜しい命とも思わぬ。 399 00:37:05,061 --> 00:37:10,400 だが このごろ 妙に昔の事ばかりを思い出し➡ 400 00:37:10,400 --> 00:37:15,271 久しぶりに お前と話をしたくなってな。 401 00:37:15,271 --> 00:37:18,771 十蔵の事は どう思っておる? 402 00:37:21,745 --> 00:37:28,418 十蔵は わしとお前の 掛けがえのない友だった。 403 00:37:28,418 --> 00:37:33,618 その友を お前は出世のために殺した。 404 00:37:35,225 --> 00:37:39,028 お前が殺さずに済ませたから➡ 405 00:37:39,028 --> 00:37:43,728 わしが 殺さねばならなかったのだ。 406 00:37:45,368 --> 00:37:47,437 なんという物言い。 407 00:37:47,437 --> 00:37:51,241 20年もたって 何を怒っておる。 408 00:37:51,241 --> 00:37:55,445 斬りたいなら 20年前に斬ればよいものを。 409 00:37:55,445 --> 00:37:59,315 あのころは 斬るにも値せぬやつと 見下げ果てたのだ! 410 00:37:59,315 --> 00:38:01,918 だから 絶交した。 411 00:38:01,918 --> 00:38:07,018 それを 今 斬ろうとするは 誰に頼まれた? 412 00:38:17,433 --> 00:38:21,733 拙者が側用人 山崎多聞である。 413 00:38:23,573 --> 00:38:26,609 鷲巣清右衛門にございまする。 414 00:38:26,609 --> 00:38:31,614 このたび 書院番を仰せつかり まことにありがたき幸せ。 415 00:38:31,614 --> 00:38:34,017 堅苦しい挨拶は抜きじゃ。 416 00:38:34,017 --> 00:38:36,352 出仕は明日からでよい。 417 00:38:36,352 --> 00:38:39,389 まずは 旅の疲れをとれ。 418 00:38:39,389 --> 00:38:41,524 はっ。 419 00:38:41,524 --> 00:38:49,265 時に お主の父 鷲巣角兵衛を斬ったのは➡ 420 00:38:49,265 --> 00:38:52,265 松浦将監の叔父だとか。 421 00:38:57,073 --> 00:39:00,910 (山崎)表向きは 剣術の諍いであったが➡ 422 00:39:00,910 --> 00:39:08,051 その実は…。 深き因縁のござりまするようで。 423 00:39:08,051 --> 00:39:13,351 さればこそ お主を国元に呼んだのは…。 424 00:39:18,228 --> 00:39:20,228 わしじゃ。 425 00:39:42,552 --> 00:39:47,757 源五。 覚えておるか? 426 00:39:47,757 --> 00:39:52,028 子ども時分に➡ 427 00:39:52,028 --> 00:39:55,531 鷲巣角兵衛に 道場で打ち据えられて➡ 428 00:39:55,531 --> 00:39:58,368 わしら2人 寝込んだ事があった。 429 00:39:58,368 --> 00:40:00,303 ああ。 430 00:40:00,303 --> 00:40:03,706 あのあと お前とわしは 悔しさのあまり➡ 431 00:40:03,706 --> 00:40:07,377 ここまで2人で早駆けした。 432 00:40:07,377 --> 00:40:09,712 うむ…。 433 00:40:09,712 --> 00:40:15,051 お前は ここで わしに言った。 434 00:40:15,051 --> 00:40:18,922 「たかが6万5,000石の小藩など 飛び出し➡ 435 00:40:18,922 --> 00:40:24,727 江戸に行こう 小弥太!➡ 436 00:40:24,727 --> 00:40:30,066 俺は江戸で修行をして 道場を開く。➡ 437 00:40:30,066 --> 00:40:35,738 お前も江戸で修業をして 学問所を開け!」。 438 00:40:35,738 --> 00:40:39,438 ハハッ。 覚えておるか? 439 00:40:46,749 --> 00:40:50,249 わしらの故郷だ。 440 00:40:53,623 --> 00:40:58,761 途方もなく美しい。 441 00:40:58,761 --> 00:41:01,264 ああ。 442 00:41:01,264 --> 00:41:07,064 この眺め 十蔵にも見せてやりたかった。 443 00:41:09,772 --> 00:41:14,610 人は 死ぬのが定めだ。 444 00:41:14,610 --> 00:41:19,410 わしも 間もなく 逆臣と呼ばれるかもしれん。 445 00:41:22,118 --> 00:41:25,788 供 大儀であった。 446 00:41:25,788 --> 00:41:28,488 戻るぞ。 447 00:41:34,063 --> 00:41:36,863 逆臣…? 448 00:41:51,614 --> 00:41:55,351 主命なれば 否は許されぬ。 449 00:41:55,351 --> 00:41:57,286 殿のご所望でござるか? 450 00:41:57,286 --> 00:42:01,290 要は 父と 逆に逆に動けばよろしいのです。 451 00:42:01,290 --> 00:42:05,028 長年の勤め 大儀であった。 452 00:42:05,028 --> 00:42:09,565 これは私怨か。 それとも上意討ちか。 453 00:42:09,565 --> 00:42:11,565 問答無用! 454 00:42:13,936 --> 00:42:20,109 ♬「遥かなり時代に」 455 00:42:20,109 --> 00:42:26,983 ♬「想いを馳せれば」 456 00:42:26,983 --> 00:42:33,056 ♬「お前との日々が」 457 00:42:33,056 --> 00:42:39,729 ♬「嗚呼~ いちばん」 458 00:42:39,729 --> 00:42:45,234 ♬「呼び捨てあう 仲でも」 459 00:42:45,234 --> 00:42:51,407 ♬「互いに気づかい」 460 00:42:51,407 --> 00:42:57,747 ♬「大事な事さえ」 461 00:42:57,747 --> 00:43:04,620 ♬「嗚呼~ 伝えず」 462 00:43:04,620 --> 00:43:10,760 ♬「時が呼びあい」 463 00:43:10,760 --> 00:43:16,632 ♬「今を呼ぶ」 464 00:43:16,632 --> 00:43:22,271 ♬「夕映えに 燃ゆる」 465 00:43:22,271 --> 00:43:26,071 ♬「漢ありて」