1 00:00:02,202 --> 00:00:04,938 (将監)これは私怨か。 2 00:00:04,938 --> 00:00:08,709 それとも 上意討ちか。 3 00:00:08,709 --> 00:00:10,944 (源五)問答無用! 4 00:00:10,944 --> 00:00:39,039 ♬~ 5 00:00:39,039 --> 00:00:41,475 褒美は何だ? 6 00:00:41,475 --> 00:00:43,777 鷹島屋敷の屋敷番。 7 00:00:43,777 --> 00:00:47,180 わしの首が たかだか それしきとは。 8 00:00:47,180 --> 00:00:50,550 不満か。 当たり前じゃ! 9 00:00:50,550 --> 00:00:55,389 わしの首なら 500石の加増は望めるはず。 10 00:00:55,389 --> 00:00:58,692 相変わらず うぬぼれの強い男だ。 11 00:01:06,033 --> 00:01:10,837 (みつ) まあ! 珍しいお客様ですこと! 12 00:01:12,806 --> 00:01:16,009 源五殿が いらっしゃるとは。➡ 13 00:01:16,009 --> 00:01:20,747 まるで 昔に戻ったようでございます。 14 00:01:20,747 --> 00:01:23,283 さ どうぞ お上がり下さいませ。 15 00:01:23,283 --> 00:01:26,553 おいしい羊羹があるのですよ。 さあ どうぞ。➡ 16 00:01:26,553 --> 00:01:29,156 さあ さあ。 17 00:01:36,229 --> 00:01:39,132 (重輔) あのお二人は どのような…。 18 00:01:39,132 --> 00:01:42,936 (みつ)竹馬の友です。 19 00:01:42,936 --> 00:02:01,254 ♬~ 20 00:02:01,254 --> 00:02:04,157 そうしておられると➡ 21 00:02:04,157 --> 00:02:08,028 七弦琴の稽古にいらしていた頃を 思い出します。➡ 22 00:02:08,028 --> 00:02:14,434 お二人とも まだ元服前の 初々しいお姿で。 23 00:02:14,434 --> 00:02:18,939 フフフ。 調子を外すのは いつも 源五殿。 24 00:02:18,939 --> 00:02:21,842 それでも 堂々と お弾きになるので➡ 25 00:02:21,842 --> 00:02:25,479 稽古をつける父も あきれておりました。 26 00:02:25,479 --> 00:02:27,414 みつ。 27 00:02:27,414 --> 00:02:29,416 もう 下がっておれ。 28 00:02:29,416 --> 00:02:31,952 はい。 29 00:02:31,952 --> 00:02:34,655 失礼致します。 30 00:02:51,138 --> 00:02:54,441 命じたのは 山崎多聞か。 31 00:02:54,441 --> 00:02:56,943 上意との事だ。 32 00:02:58,645 --> 00:03:00,580 教えろ。 33 00:03:00,580 --> 00:03:03,483 月ヶ瀬のお家に何が起こっている。 34 00:03:08,922 --> 00:03:12,759 我が殿は➡ 35 00:03:12,759 --> 00:03:18,165 ご公儀の要職に就く事を 望まれておる。 36 00:03:18,165 --> 00:03:20,400 ご公儀の要職? 37 00:03:20,400 --> 00:03:22,469 そして ご公儀は➡ 38 00:03:22,469 --> 00:03:26,206 殿に しかるべき要職を 与える代わりに➡ 39 00:03:26,206 --> 00:03:31,645 三河の松平家との 国替えを持ち出してきた。 40 00:03:31,645 --> 00:03:33,947 松平家との国替え!? 41 00:03:33,947 --> 00:03:39,820 先方は 将軍家のご一門とはいえ その台所向きは火の車。 42 00:03:39,820 --> 00:03:43,123 大坂の商人から 10万両もの金を借りて➡ 43 00:03:43,123 --> 00:03:45,792 なんとか しのいでおったが まだ足りず➡ 44 00:03:45,792 --> 00:03:50,664 ご公儀に 1万5千両を無心しておる。 45 00:03:50,664 --> 00:03:56,970 まさか! そんなお家と 月ヶ瀬の地を取り替えると? 46 00:03:56,970 --> 00:03:59,005 そうじゃ。 ばかな! 47 00:03:59,005 --> 00:04:00,974 殿様は お断りになられよう。 48 00:04:00,974 --> 00:04:03,543 いや お受けなさるおつもり。 49 00:04:03,543 --> 00:04:05,479 殿をお諫めしなかったのか! 50 00:04:05,479 --> 00:04:08,982 お諫めしたゆえ お前が わしを斬りに来たのだ。 51 00:04:11,284 --> 00:04:15,288  回想  主命なれば 否は許されぬ。 52 00:04:19,760 --> 00:04:22,262 これで合点がいったか。 53 00:04:22,262 --> 00:04:26,500 山崎多聞は その事に どう関わっている? 54 00:04:26,500 --> 00:04:29,769 やつの望みは 天下に名を上げる事。 55 00:04:29,769 --> 00:04:32,672 国替えをしとげたら お家を去り➡ 56 00:04:32,672 --> 00:04:36,243 ご公儀の学問所で 教授にでもしてもらうのであろう。 57 00:04:36,243 --> 00:04:41,948 そのため 殿をたぶらかし ご公儀に恩を売っておるのだ。 58 00:04:41,948 --> 00:04:46,720 それでは 山崎多聞こそが奸臣ではないか! 59 00:04:46,720 --> 00:04:49,122 わしは家老。 60 00:04:49,122 --> 00:04:52,893 腹を切って お諫めする事も考えたが➡ 61 00:04:52,893 --> 00:04:58,298 多聞が 殿の側におっては 無駄死に。 62 00:05:00,133 --> 00:05:02,135 どうする。 63 00:05:05,372 --> 00:05:07,307 脱藩する。 64 00:05:07,307 --> 00:05:10,243 脱藩!? 65 00:05:10,243 --> 00:05:13,914 何としても この国替えを止める。 66 00:05:13,914 --> 00:05:18,818 江戸に出て さるお方に訴え出ようと思う。 67 00:05:18,818 --> 00:05:21,488 再び 鷹島騒動をやるつもりか。 68 00:05:21,488 --> 00:05:28,361 ご本家を動かし 殿様の首をすげ替える腹であろう。 69 00:05:28,361 --> 00:05:33,667 1度目は可能でも 2度目は 難しかろうが…。 70 00:05:36,136 --> 00:05:39,606 ま 好きにしろ。 71 00:05:39,606 --> 00:05:42,509 源五 お前も手伝え。 72 00:05:42,509 --> 00:05:45,478 何で わしが…。 お前が来たから➡ 73 00:05:45,478 --> 00:05:48,715 わしの腹が決まったのだ。 知るか。 74 00:05:48,715 --> 00:05:51,651 長年の友垣ではないか。 75 00:05:51,651 --> 00:05:54,521 友だと? 76 00:05:54,521 --> 00:05:57,524 お前とは とうに絶交しておる! 77 00:05:59,292 --> 00:06:04,898 この国替えで 最も痛い目を見るのは 百姓ぞ。 78 00:06:07,100 --> 00:06:09,903 月ヶ瀬をよそ者に渡さば➡ 79 00:06:09,903 --> 00:06:13,206 十蔵は何のために命を賭したのだ。 80 00:06:23,416 --> 00:06:26,920 どの面下げて そんな事が言えるんだ。 81 00:06:26,920 --> 00:06:31,258 小弥太! 十蔵は お前が…➡ 82 00:06:31,258 --> 00:06:33,960 お前が殺したんだぞ! 83 00:06:35,595 --> 00:06:39,799 それが 政だ。 84 00:06:41,768 --> 00:06:47,440 松浦将監。 ここで聞いた事は 全て忘れた。 85 00:06:47,440 --> 00:06:50,277 お前が何をしようと わしは知らん! 86 00:06:50,277 --> 00:06:53,179 改めて言うておくぞ。 87 00:06:53,179 --> 00:06:55,949 お前とは 20年も前に➡ 88 00:06:55,949 --> 00:06:58,952 絶交しておる! 89 00:07:00,787 --> 00:07:03,690 わしは この命を➡ 90 00:07:03,690 --> 00:07:06,893 使い切りたいのだ。 91 00:07:11,765 --> 00:07:17,904 わしが死して後の この月ヶ瀬の地を➡ 92 00:07:17,904 --> 00:07:22,409 何としても 守りたい。 93 00:07:28,915 --> 00:07:30,850 断る。 94 00:07:30,850 --> 00:07:47,667 ♬~ 95 00:07:51,304 --> 00:07:53,306 (ため息) 96 00:08:03,216 --> 00:08:05,185 (三五郎)母上…。➡ 97 00:08:05,185 --> 00:08:07,187 母上。 98 00:08:07,187 --> 00:08:10,390 あ~ 三五郎。 99 00:08:10,390 --> 00:08:13,393 いかがされましたか? 100 00:08:13,393 --> 00:08:16,196 何でもありません。 101 00:08:16,196 --> 00:08:20,567 そなたは 心配せずともよい。 102 00:08:20,567 --> 00:08:23,103 キャ~! キャ~! 103 00:08:23,103 --> 00:08:26,973 何者! 拙者は 怪しい者ではない! 104 00:08:26,973 --> 00:08:31,244 (みつ)源五殿! みつ殿。 105 00:08:31,244 --> 00:08:35,115 酒を飲ませて頂けぬか。 お酒? 106 00:08:35,115 --> 00:08:39,452 急ぎ 酔わねばならぬ事情が。 107 00:08:39,452 --> 00:08:42,689 すぐに お支度を。➡ 108 00:08:42,689 --> 00:08:45,959 今日は おいで頂き➡ 109 00:08:45,959 --> 00:08:50,263 まことに うれしゅうございました。 110 00:08:51,798 --> 00:08:54,100 どうぞ。 111 00:08:58,938 --> 00:09:04,077 どうか 将監を助けてやって下さいませ。 112 00:09:04,077 --> 00:09:07,881 夫には 源五殿のほかに➡ 113 00:09:07,881 --> 00:09:12,685 もう 味方は おらぬのです。 114 00:09:34,908 --> 00:09:43,917 (鼻歌) 115 00:09:57,597 --> 00:10:02,035 (酒井)日下部は酒に酔い 足元も おぼつかない様子にて➡ 116 00:10:02,035 --> 00:10:04,337 暗殺は失敗かと。 117 00:10:04,337 --> 00:10:09,075 (山崎)将監め 酒で籠絡したか。 118 00:10:09,075 --> 00:10:13,780 (酒井) 新たな刺客を立てられた方が。 119 00:10:13,780 --> 00:10:17,617 いや。 こたびは 日下部でのうてはならぬ。 120 00:10:17,617 --> 00:10:21,287 しかし…。 あくまで 私怨により➡ 121 00:10:21,287 --> 00:10:24,157 日下部が ご家老を斬るのだ。 122 00:10:24,157 --> 00:10:26,493 誰も あずかり知らぬ事。 123 00:10:26,493 --> 00:10:28,962 お家には関わりのない➡ 124 00:10:28,962 --> 00:10:33,766 日下部の私事だ。 よいな。 125 00:10:33,766 --> 00:10:36,169 はっ。 126 00:10:41,975 --> 00:10:45,845 あ~。 うぉ~。 あ~。 127 00:10:45,845 --> 00:10:48,848 (蕗)旦那様! 128 00:10:48,848 --> 00:10:52,152 随分と飲まれたのですね。 129 00:10:52,152 --> 00:10:58,958 いや~ 小弥太め。 ハハッ いい酒 置いとるわ。 ハハハハ。 130 00:11:00,593 --> 00:11:05,098 はて どうしたものか…。 131 00:11:05,098 --> 00:11:07,600 んっ! 132 00:11:09,269 --> 00:11:11,204 んっ! はっ。 133 00:11:11,204 --> 00:11:13,806 よっ! 大丈夫でございますか? 134 00:11:13,806 --> 00:11:30,189 ♬~ 135 00:11:30,189 --> 00:11:32,792 (次郎作)随分早いですね。 136 00:11:32,792 --> 00:11:35,628 あっ しじみ汁! 137 00:11:35,628 --> 00:11:38,731 二日酔いには これが一番効くの。 138 00:11:40,500 --> 00:11:42,502 ん…。 139 00:11:49,642 --> 00:11:52,545 例のお役目は どうなっておるのですか? 140 00:11:52,545 --> 00:11:55,515 え? 141 00:11:55,515 --> 00:11:57,817 ご家老様は? 142 00:11:57,817 --> 00:12:02,422 あ… ああ あれは また今度…。 143 00:12:02,422 --> 00:12:04,357 今度!? 144 00:12:04,357 --> 00:12:07,160 今度とは どういう事でございます! 145 00:12:08,928 --> 00:12:12,599 旦那様 朝餉の用意が 出来ておりますが。 146 00:12:12,599 --> 00:12:14,601 おお! 147 00:12:16,269 --> 00:12:18,271 父上! 148 00:12:20,940 --> 00:12:23,276 あ~。 149 00:12:23,276 --> 00:12:27,146 五臓六腑に しみわたるわ~。 150 00:12:27,146 --> 00:12:32,619 こたびの事は お殿様からの ご密命だそうではありませぬか。 151 00:12:32,619 --> 00:12:36,289 父上にとっても名誉な事。 152 00:12:36,289 --> 00:12:38,958 ま… そうだのう。 153 00:12:38,958 --> 00:12:43,296 もしや 命が惜しゅうなったのですか? 154 00:12:43,296 --> 00:12:45,798 ばかを申せ! 155 00:12:45,798 --> 00:12:49,168 (足音) 156 00:12:49,168 --> 00:12:51,804 蕗 うまいぞ。 157 00:12:51,804 --> 00:12:54,307 よかった。 お代わりもございますから。 158 00:12:54,307 --> 00:12:56,242 蕗。 159 00:12:56,242 --> 00:12:59,646 そなた いつまで この家に居座るつもりです。 160 00:12:59,646 --> 00:13:04,417 あ…。 私は 旦那様の 身の回りのお世話をするしか➡ 161 00:13:04,417 --> 00:13:06,452 ご恩返しができませんから。 162 00:13:06,452 --> 00:13:09,322 ずっと お側にいさせて頂ければと 存じます。 163 00:13:09,322 --> 00:13:13,426 いやいや それはならん。 次こそ よき婿を見つけるゆえ➡ 164 00:13:13,426 --> 00:13:16,262 幸せになってもらわねば。 いえ 私は…。 165 00:13:16,262 --> 00:13:18,197 蕗。 166 00:13:18,197 --> 00:13:21,100 お前は 罪人の娘なのですよ。 167 00:13:21,100 --> 00:13:24,604 この家にいるだけで 父上に迷惑をかけておるのが➡ 168 00:13:24,604 --> 00:13:26,673 分からぬか。 たつ。 169 00:13:26,673 --> 00:13:29,442 お前のような者を置いておくのは 日下部家の恥。 170 00:13:29,442 --> 00:13:32,945 ひいては 津田の家名に 泥を塗る事にもなるのです。 171 00:13:32,945 --> 00:13:35,515 よさぬか たつ! いいえ! 172 00:13:35,515 --> 00:13:40,620 蕗。 今すぐ この家から出ていきなさい。 173 00:13:46,159 --> 00:13:49,629 私は 日下部家の 女中でございますれば➡ 174 00:13:49,629 --> 00:13:53,966 津田家の方から 暇を出される 筋合いはございませんので。 175 00:13:53,966 --> 00:13:56,169 失礼致します。 176 00:14:03,409 --> 00:14:05,345 父上。 177 00:14:05,345 --> 00:14:08,915 かつて 母上も 蕗を引き取って➡ 178 00:14:08,915 --> 00:14:12,118 どれだけ 肩身の狭い思いをなさったか。 179 00:14:13,786 --> 00:14:17,623 さきは 分かってくれていた。 180 00:14:17,623 --> 00:14:20,360 いいえ。 181 00:14:20,360 --> 00:14:26,265 私は 母上の まことのお気持ちを 申し上げているのです。 182 00:14:28,134 --> 00:14:31,137 母上が危篤だと使いを出しても➡ 183 00:14:31,137 --> 00:14:33,940 父上は 戻られませんでした。 184 00:14:37,610 --> 00:14:43,483 少しは 母上に悪いと お思いには ならぬのですか。 185 00:14:43,483 --> 00:15:03,236 ♬~ 186 00:15:03,236 --> 00:15:07,907 お家のため お殿様のため➡ 187 00:15:07,907 --> 00:15:13,246 その命 お使い下さいませ。 188 00:15:13,246 --> 00:15:19,118 母上も きっと お喜びになりまする。 189 00:15:19,118 --> 00:15:23,890 たとえ つまらぬ命でも➡ 190 00:15:23,890 --> 00:15:27,360 人に言われて使うものではない。 191 00:15:27,360 --> 00:15:46,279 ♬~ 192 00:15:46,279 --> 00:16:03,963 (泣き声) 193 00:16:15,241 --> 00:16:17,543 ありがとう。 194 00:16:26,586 --> 00:16:28,921 (たつ)ただいま戻りました。 おお。 195 00:16:28,921 --> 00:16:31,257 お父上のご様子は どうだった? 196 00:16:31,257 --> 00:16:36,128 お役目は まだ…。 「また今度」と申しておりました。 197 00:16:36,128 --> 00:16:39,599 「また今度」? 198 00:16:39,599 --> 00:16:42,935 まあ せかせる訳にもいかぬしのう。 199 00:16:42,935 --> 00:16:45,605 さっさと済ませればよいのです。 200 00:16:45,605 --> 00:16:49,108 父の命など ほかに使いみちは ないのですから。 201 00:16:49,108 --> 00:16:52,144 そう あしざまに言うな。 父上は➡ 202 00:16:52,144 --> 00:16:56,282 わしの出世のために 命を捨てると 言って下さっておるのだ。 203 00:16:56,282 --> 00:16:59,318 今まで さんざん 好き勝手に生きてきたのです。 204 00:16:59,318 --> 00:17:02,755 親として このくらいの事は 当然でございます。 205 00:17:02,755 --> 00:17:06,092 そうかもしれぬが…。 父には 感謝してもらわねば。 206 00:17:06,092 --> 00:17:08,895 こたびのお役目がなければ ただの持て余し者で➡ 207 00:17:08,895 --> 00:17:11,163 終わった身なのですから。 なにも そこまで…。 208 00:17:11,163 --> 00:17:13,399 父が死んだとて 誰も困らないのですよ。 209 00:17:13,399 --> 00:17:15,968 それなのに いつまでたっても ぐずぐず ぐずぐず…。 210 00:17:15,968 --> 00:17:18,704 最後まで ぶざまな…。 211 00:17:18,704 --> 00:17:21,107 お… たつ。 212 00:17:28,247 --> 00:17:58,244 ♬~ 213 00:17:58,244 --> 00:18:00,546 蕗…。 214 00:18:02,882 --> 00:18:05,851 旦那様。 先ほどは ご無礼を。 215 00:18:05,851 --> 00:18:09,221 いや。 たつの方が悪い。 216 00:18:09,221 --> 00:18:12,892 何としても悪い。 217 00:18:12,892 --> 00:18:16,228 ただ…。 218 00:18:16,228 --> 00:18:18,531 …はい。 219 00:18:21,901 --> 00:18:24,570 すまぬ。 220 00:18:24,570 --> 00:18:27,773 たつを許してやってくれ。 221 00:18:27,773 --> 00:18:32,211 わしは よき父では なかったのだ。 222 00:18:32,211 --> 00:18:34,413 え? 223 00:18:36,115 --> 00:18:39,952 ちょっと 出かけぬか? 224 00:18:39,952 --> 00:18:44,590 ん… ん… あ… あ~。 225 00:18:44,590 --> 00:18:47,593 ん~。 水を。 226 00:18:47,593 --> 00:18:50,096 はい。 227 00:18:57,603 --> 00:19:01,507 あ~。 このお体で江戸までは➡ 228 00:19:01,507 --> 00:19:04,877 ご無理でございましょう。 229 00:19:04,877 --> 00:19:10,750 源五殿とのお話 聞こえてしまいました。 230 00:19:10,750 --> 00:19:14,053 江戸まで お供させて頂きます。 231 00:19:14,053 --> 00:19:16,389 それは ならぬ。 232 00:19:16,389 --> 00:19:20,893 どうか連れていって下さいませ。 足手まといには なりませぬ。 233 00:19:20,893 --> 00:19:25,331 せめて 杖の代わりに あなた様をお支えしたいのです。 234 00:19:25,331 --> 00:19:28,901 …みつ。 235 00:19:28,901 --> 00:19:32,772 そなたは 生き延びよ。 236 00:19:32,772 --> 00:19:37,977 そして 三五郎を守ってくれ。 237 00:19:39,912 --> 00:19:42,581 そなたらの事は➡ 238 00:19:42,581 --> 00:19:47,920 菩提寺の和尚に計らっておる。 239 00:19:47,920 --> 00:19:52,224 尼になるほどの信心は ございませぬ。 240 00:19:55,594 --> 00:19:58,597 今 お薬を。 241 00:20:05,604 --> 00:20:10,109 これは 難問じゃ。 242 00:20:15,281 --> 00:20:17,616 ここは➡ 243 00:20:17,616 --> 00:20:20,319 五郎右衛門堰ですね。 244 00:20:22,288 --> 00:20:25,191 五郎右衛門は 立派な庄屋だった。 245 00:20:25,191 --> 00:20:29,161 お知り合いですか? ああ。 246 00:20:29,161 --> 00:20:32,932 百姓衆のために 命懸けで➡ 247 00:20:32,932 --> 00:20:36,135 田に水を引く井堰の普請を 願い出た。 248 00:20:36,135 --> 00:20:40,039  回想  日照りの度に 餓死する者が大勢出るのです。➡ 249 00:20:40,039 --> 00:20:42,908 雲居川の水を村まで引けば➡ 250 00:20:42,908 --> 00:20:45,811 百姓は 安心して暮らせるのでございます。 251 00:20:49,315 --> 00:20:51,984 どうした 五郎右衛門。 252 00:20:51,984 --> 00:20:54,653 言うてはならんと 命じられておるのですが…。 253 00:20:54,653 --> 00:20:56,589 うむ。 254 00:20:56,589 --> 00:21:00,426 もう 考えただけで 何も喉を通らんのでございます。 255 00:21:00,426 --> 00:21:02,361 だから 何だ! 256 00:21:02,361 --> 00:21:05,264 雲居川に井堰を造りたいと➡ 257 00:21:05,264 --> 00:21:08,167 ご家老様に 普請のお願いにあがりました。 258 00:21:08,167 --> 00:21:10,369 ご家老に? 259 00:21:15,975 --> 00:21:19,578 普請の件 相分かった。 260 00:21:19,578 --> 00:21:22,948 (五郎右衛門)ご家老様…。 261 00:21:22,948 --> 00:21:26,785 この普請 百姓だけでは 極めて困難。 262 00:21:26,785 --> 00:21:28,754 藩も力を貸そう。 263 00:21:28,754 --> 00:21:33,292 まことでございますか? ありがとうございます。 264 00:21:33,292 --> 00:21:35,961 ただし…➡ 265 00:21:35,961 --> 00:21:40,866 藩の力を借りるからには 相応の覚悟をしてもらうぞ。 266 00:21:43,469 --> 00:21:46,972 普請の失敗は 決して許さぬ。 267 00:21:46,972 --> 00:21:50,810 万一 失敗した折は その責を問い➡ 268 00:21:50,810 --> 00:21:54,680 その方ら3名を 磔と致す! 269 00:21:54,680 --> 00:21:56,682 磔!? 270 00:22:02,454 --> 00:22:05,925 よくも そんな事を…。 271 00:22:05,925 --> 00:22:08,627 鬼め。 272 00:22:08,627 --> 00:22:13,265 さりとて 磔とは あまりに恐ろしゅうて。 273 00:22:13,265 --> 00:22:17,136 やめろ やめろ! 井堰など なくてもよい。 274 00:22:17,136 --> 00:22:20,039 いや そうは まいりません。 日照りの度に➡ 275 00:22:20,039 --> 00:22:24,877 餓死する者が大勢出るのです。 雲居川の水を村まで引けば➡ 276 00:22:24,877 --> 00:22:27,880 百姓は 安心して暮らせるのでございます。 277 00:22:30,816 --> 00:22:33,586 小弥太のやつめ。 278 00:22:33,586 --> 00:22:38,791  回想  十蔵は 己の命と引き換えに➡ 279 00:22:38,791 --> 00:22:43,128 事を成し遂げた。 280 00:22:43,128 --> 00:22:48,934 友ならば 見事あっぱれと褒めてやれ。 281 00:22:50,636 --> 00:22:52,638 あ~! 282 00:22:54,306 --> 00:22:56,642 すまん! 283 00:22:56,642 --> 00:23:01,914 だが 一介の鉄砲衆のわしには➡ 284 00:23:01,914 --> 00:23:05,618 何もしてやれん。 285 00:23:05,618 --> 00:23:20,599 ♬~ 286 00:23:20,599 --> 00:23:24,470 おい 次郎吉! おい! 287 00:23:24,470 --> 00:23:28,474 (重左衛門) 雲居川の井堰の普請は➡ 288 00:23:28,474 --> 00:23:34,280 あまり はかどっておらぬようで ございますな。➡ 289 00:23:34,280 --> 00:23:37,483 旦那様も ご心痛でございましょう。 290 00:23:39,952 --> 00:23:45,291 失敗すれば お腹を召されるお覚悟では? 291 00:23:45,291 --> 00:23:49,628 フフッ 重左。万一の時は この重左も お供つかまつります。 292 00:23:49,628 --> 00:23:54,500 いらぬわ。 責を負うのは家老の役目。 293 00:23:54,500 --> 00:23:56,769  回想 (十蔵)小弥太…。➡ 294 00:23:56,769 --> 00:24:02,107 お前が使ってくれてこそ この命が生きる。 295 00:24:02,107 --> 00:24:08,580 これ以上 餓死者は出さぬ。 296 00:24:08,580 --> 00:24:14,453 そのためなら 鬼にもなる。 297 00:24:14,453 --> 00:24:19,591 叶うなら この手で石も運ぼう。 298 00:24:19,591 --> 00:24:22,428 だが…。 299 00:24:22,428 --> 00:24:29,234  回想 お前との… お前との縁も これまでだ! 300 00:24:30,936 --> 00:24:35,341 今 お城で 手の空いている者は誰じゃ。 301 00:24:35,341 --> 00:24:45,951 ♬~ 302 00:24:45,951 --> 00:24:48,854 おい! 日下部様…。 303 00:24:48,854 --> 00:24:53,826 五郎右衛門。 我ら鉄砲衆も 普請を手伝えとの命が出た。 304 00:24:53,826 --> 00:24:56,662 ありがたい事でございます。 305 00:24:56,662 --> 00:25:00,199 お侍様の目が光っておれば 皆 よう働きましょう。 306 00:25:00,199 --> 00:25:02,801 うむ。 307 00:25:16,782 --> 00:25:19,918 手を休めるな! 308 00:25:19,918 --> 00:25:22,621 しっかりやれ ほら! 申し訳ございません。 309 00:25:26,792 --> 00:25:29,595 力の出し惜しみか。 310 00:25:29,595 --> 00:25:32,131 こ… 腰をやられまして。 嘘をつくな! 311 00:25:32,131 --> 00:25:35,601 嘘じゃございませぬ。 何!? こら! 312 00:25:35,601 --> 00:25:39,304 佐吉…。 ん? おっ! 313 00:25:42,941 --> 00:25:44,877 お願いでございます。 314 00:25:44,877 --> 00:25:47,646 家に帰らせて下さいまし。 何!? 315 00:25:47,646 --> 00:25:51,250 すぐに戻りますから どうか お願いします! 316 00:25:51,250 --> 00:25:54,286 寝ぼけた事を言うな! ほら 戻れ。 317 00:25:54,286 --> 00:25:56,922 ほら 戻れ。 どうか…。いいから! 318 00:25:56,922 --> 00:25:59,625 さあ 来い! よっしゃ~! 頂き! 319 00:25:59,625 --> 00:26:02,227 こら! 320 00:26:02,227 --> 00:26:06,098 今 ちょうど 仕事に…。 つべこべ抜かすな こら! 321 00:26:06,098 --> 00:26:12,004 こら! さっさと働け。 怠けたら ぶった斬るぞ! ほら! 322 00:26:12,004 --> 00:26:14,406 ほら! 323 00:26:24,917 --> 00:26:26,919 佐吉! 324 00:26:30,255 --> 00:26:33,592 足を滑らせて溺れ死んだようです。 325 00:26:33,592 --> 00:26:36,495 子どもが生まれたばかりで➡ 326 00:26:36,495 --> 00:26:40,265 一目だけでも顔が見たいと 言ってたのに…。 327 00:26:40,265 --> 00:26:42,468 行くぞ。 328 00:26:49,975 --> 00:26:55,814 (五郎右衛門)井堰が出来れば 田に水が引かれ 実り豊かになる。 329 00:26:55,814 --> 00:26:59,184 もう 百姓一揆が起きる事もなく➡ 330 00:26:59,184 --> 00:27:03,789 皆が幸せに過ごせるよう 思うておりましたが…。 331 00:27:07,960 --> 00:27:10,796  回想  誰かがやらねば 皆が飢え死ぬ。 332 00:27:10,796 --> 00:27:15,400 どっちにしても死ぬのなら この命 使い切る。 333 00:27:21,907 --> 00:27:24,910 え? 日下部様! 334 00:27:26,778 --> 00:27:29,248 石を積む。 335 00:27:29,248 --> 00:27:32,518 切りなき石を積むのだ。 336 00:27:32,518 --> 00:27:35,053 日下部様! 337 00:27:35,053 --> 00:27:57,075 ♬~ 338 00:27:57,075 --> 00:28:00,979 鬼源五め。 すっ転んで溺れるぞ。 339 00:28:03,215 --> 00:28:05,217 あ~っ! 340 00:28:06,885 --> 00:28:09,521 百姓にやらしておけばいいものを。 341 00:28:09,521 --> 00:28:11,456 一人で ええかっこしおって。 342 00:28:11,456 --> 00:28:24,970 ♬~ 343 00:28:39,251 --> 00:28:41,520 (さき)お前様…。 344 00:28:41,520 --> 00:28:45,457 さき。 具合は どうだ? 345 00:28:45,457 --> 00:28:50,929 ええ。 今日は よいようです。 346 00:28:50,929 --> 00:28:55,601 すまぬのう。 お前の側に ついててやれずに。 347 00:28:55,601 --> 00:29:00,205 お忙しいのですから…。 348 00:29:00,205 --> 00:29:06,078 何年たっても 普請は 思うように進まぬわ。 ハハッ。 349 00:29:06,078 --> 00:29:11,283 百姓衆も わしを 鬼源五などと呼んどるわ。 350 00:29:11,283 --> 00:29:13,252 ハハハハハハハ。 351 00:29:13,252 --> 00:29:17,556 私は 誇らしゅうございます。 352 00:29:17,556 --> 00:29:19,491 え? 353 00:29:19,491 --> 00:29:24,196 お前様の 思うとおりになされませ。 354 00:29:27,232 --> 00:29:29,267 さき…。 355 00:29:29,267 --> 00:29:56,828 ♬~ 356 00:29:56,828 --> 00:29:59,131 (五郎右衛門)日下部様! 357 00:30:01,033 --> 00:30:04,469 奥様が ご危篤だそうでございます。 358 00:30:04,469 --> 00:30:06,471 さきが? 359 00:30:06,471 --> 00:30:09,775 すぐに お帰りにならないと。 360 00:30:12,611 --> 00:30:15,013 日下部様! 361 00:30:15,013 --> 00:30:22,821 今 堰が破れたら 川が溢れる。 362 00:30:22,821 --> 00:30:26,525 全てが無駄になる! 363 00:30:45,644 --> 00:30:48,146 ハァ ハァ…。 364 00:30:52,984 --> 00:31:02,661 (すすり泣き) 365 00:31:02,661 --> 00:31:04,763 父上…。 366 00:31:07,332 --> 00:31:12,604 井堰の普請とは…➡ 367 00:31:12,604 --> 00:31:18,810 母上のご臨終にも立ち会えぬほど 大事な事でございますか! 368 00:31:24,950 --> 00:31:29,621 父上を…➡ 369 00:31:29,621 --> 00:31:32,390 お恨み致します。 370 00:31:32,390 --> 00:31:49,908 ♬~ 371 00:31:49,908 --> 00:31:51,910 さき…。 372 00:31:59,985 --> 00:32:02,687 すまん。 373 00:32:06,792 --> 00:32:12,264 わしは…➡ 374 00:32:12,264 --> 00:32:15,267 甘えておった。 375 00:32:27,112 --> 00:32:30,615 井堰の普請 間もなく成るとの事。 376 00:32:30,615 --> 00:32:34,453 まことに 大儀であった。 377 00:32:34,453 --> 00:32:38,790 完成した暁には 褒美をつかわすぞ。 378 00:32:38,790 --> 00:32:44,329 こたびの普請 私一人の働きではございません。 379 00:32:44,329 --> 00:32:50,969 大変な普請でございまして 皆 命懸けで働き➡ 380 00:32:50,969 --> 00:32:53,872 けがを負った者➡ 381 00:32:53,872 --> 00:32:58,743 命を落とした者もおります。 382 00:32:58,743 --> 00:33:03,548 また 鬼と呼ばれた お侍様もおられます。 383 00:33:03,548 --> 00:33:06,751 鬼? 384 00:33:06,751 --> 00:33:08,687 誰じゃ? 385 00:33:08,687 --> 00:33:12,891 日下部源五様にございまする。 386 00:33:15,260 --> 00:33:19,931 百姓ばかりか お侍様方にも憎まれ➡ 387 00:33:19,931 --> 00:33:25,804 それでも怯まず 皆を動かして下さいます。 388 00:33:25,804 --> 00:33:28,640 あのお方が おられなければ➡ 389 00:33:28,640 --> 00:33:31,142 ここまで こぎ着けられてはおりませぬ。 390 00:33:32,944 --> 00:33:36,815 鬼か…。 391 00:33:36,815 --> 00:33:40,619 我ら 鬼にならねば 生きられぬか。 392 00:33:44,956 --> 00:33:47,359 フフフフフ。 393 00:33:47,359 --> 00:34:30,902 ♬~ 394 00:34:30,902 --> 00:34:32,837 あっ! 395 00:34:32,837 --> 00:34:34,839 何だ! 396 00:34:40,278 --> 00:34:42,614 鬼源五め! くたばれ! 397 00:34:42,614 --> 00:34:44,549 おら! 思い知れ! 398 00:34:44,549 --> 00:34:48,253 逃げろ! 逃げろ! 399 00:35:00,098 --> 00:35:07,405 う… う… う… う…。 400 00:35:37,602 --> 00:35:41,272 たとえ わしが くたばっても➡ 401 00:35:41,272 --> 00:35:47,612 井堰は… ここに あり続ける。 402 00:35:47,612 --> 00:35:51,483 フフフフフ…。 403 00:35:51,483 --> 00:35:59,224 ハハハハハハハハ…。 404 00:35:59,224 --> 00:36:02,660 十蔵! 405 00:36:02,660 --> 00:36:07,499 わしは…➡ 406 00:36:07,499 --> 00:36:10,902 やったぞ。 407 00:36:10,902 --> 00:36:24,916 ♬~ 408 00:36:31,589 --> 00:36:47,138 ♬~ 409 00:36:47,138 --> 00:36:51,276 まるで 黄金の海のようです。 410 00:36:51,276 --> 00:36:53,978 十蔵のおかげだ。 411 00:36:55,780 --> 00:36:57,882 父の? 412 00:37:01,219 --> 00:37:08,426 十蔵が 己の命を使い切って 百姓たちを守った。 413 00:37:19,904 --> 00:37:26,611 そのおかげで こんな美しい景色がある。 414 00:37:31,916 --> 00:37:34,219 いいえ。 415 00:37:37,589 --> 00:37:43,161 旦那様が 懸命に石を積み 井堰を造ったからでございます。 416 00:37:43,161 --> 00:37:45,597 え? 417 00:37:45,597 --> 00:37:48,933 旦那様方のお働きで 田に水が引かれ➡ 418 00:37:48,933 --> 00:37:57,375 民も 月ヶ瀬の地も 豊かになったのだと➡ 419 00:37:57,375 --> 00:38:00,278 蕗は思います。 420 00:38:09,087 --> 00:38:12,857 (足音) 421 00:38:12,857 --> 00:38:16,227 お呼びでございますか。 422 00:38:16,227 --> 00:38:18,429 うむ…。 423 00:38:20,098 --> 00:38:25,570 みつ。 この先 そなたと三五郎は…。 424 00:38:25,570 --> 00:38:29,440 私は 寺へなど参りません。 425 00:38:29,440 --> 00:38:34,579 何とおっしゃっても 江戸まで お供させて頂きます。 426 00:38:34,579 --> 00:38:39,450 しかしのう…。 あなた様は この月ヶ瀬のために➡ 427 00:38:39,450 --> 00:38:42,921 そのお命を懸けて➡ 428 00:38:42,921 --> 00:38:48,226 大事を成し遂げようと されているのでございましょう。 429 00:38:48,226 --> 00:38:51,596 夫婦の心は 二つで一つと申します。 430 00:38:51,596 --> 00:38:55,099 されば 私も➡ 431 00:38:55,099 --> 00:38:58,136 あなたと同じ思いでございます。 432 00:38:58,136 --> 00:39:01,139 聞き分けるのだ。 433 00:39:05,543 --> 00:39:09,547 万が一の時は 私が。 434 00:39:12,417 --> 00:39:15,887 そのご意志を私が継いで➡ 435 00:39:15,887 --> 00:39:18,690 代わりに 江戸に参ります。 436 00:39:25,230 --> 00:39:29,534 分かった。 一緒に参れ。 437 00:39:31,736 --> 00:39:33,671 供をせよ。 438 00:39:33,671 --> 00:39:35,874 いや…。 439 00:39:38,509 --> 00:39:45,216 供をしてくれと申しておる。 440 00:39:49,153 --> 00:39:52,423 はい。 441 00:39:52,423 --> 00:39:54,926 うむ。 442 00:40:06,938 --> 00:40:19,517 ♬~ 443 00:40:19,517 --> 00:40:25,323  回想  この国替えで 最も痛い目を見るのは 百姓ぞ。 444 00:40:25,323 --> 00:40:28,226 月ヶ瀬を よそ者に渡さば➡ 445 00:40:28,226 --> 00:40:31,930 十蔵は何のために命を賭したのだ。 446 00:40:34,065 --> 00:40:40,305 わしが死して後の この月ヶ瀬の地を➡ 447 00:40:40,305 --> 00:40:44,909 何としても 守りたい。 448 00:40:47,645 --> 00:40:50,315 この地は…➡ 449 00:40:50,315 --> 00:40:53,117 月ヶ瀬は 誰にも渡さん。 450 00:40:53,117 --> 00:40:58,623 ここは わしらのふるさと。 451 00:41:02,260 --> 00:41:06,931 将監よ 決めたぞ。 452 00:41:06,931 --> 00:41:12,537 お前の命 使い切らせてやる。 453 00:41:20,278 --> 00:41:22,647 みつを連れてまいる。 454 00:41:22,647 --> 00:41:25,016 一族郎党を引き連れていくと いうのか。 455 00:41:25,016 --> 00:41:26,951 それで! 456 00:41:26,951 --> 00:41:29,854 風越峠に向かいましてございます。 何!? 457 00:41:29,854 --> 00:41:32,690 脱藩!? 458 00:41:32,690 --> 00:41:36,494 旦那様と峠を越えます。 越えれば➡ 459 00:41:36,494 --> 00:41:40,098 再び月ヶ瀬には帰ってはこれん。 460 00:41:42,800 --> 00:41:48,973 ♬「遥かなり時代に」 461 00:41:48,973 --> 00:41:55,480 ♬「想いを馳せれば」 462 00:41:55,480 --> 00:42:01,586 ♬「お前との日々が」 463 00:42:01,586 --> 00:42:08,092 ♬「嗚呼~ いちばん」 464 00:42:08,092 --> 00:42:13,965 ♬「呼び捨てあう 仲でも」 465 00:42:13,965 --> 00:42:20,271 ♬「互いに気づかい」 466 00:42:20,271 --> 00:42:26,144 ♬「大事な事さえ」 467 00:42:26,144 --> 00:42:33,284 ♬「嗚呼~ 伝えず」 468 00:42:33,284 --> 00:42:39,157 ♬「時が呼びあい」 469 00:42:39,157 --> 00:42:45,296 ♬「今を呼ぶ」 470 00:42:45,296 --> 00:42:51,102 ♬「夕映えに 燃ゆる」 471 00:42:51,102 --> 00:42:54,906 ♬「漢ありて」