1 00:00:02,202 --> 00:00:09,409 りんは やっぱり 虎太郎のことが ザワ~ ザワ~ッと心配で➡ 2 00:00:09,409 --> 00:00:13,113 避病院を目指したんだねぇ。 3 00:00:15,115 --> 00:00:18,118 (りん)違う町みたい…。 4 00:00:21,622 --> 00:00:25,492 あ あの… 避病院は この道ですか? 5 00:00:25,492 --> 00:00:27,494 確か この通り沿いだと…。 6 00:00:27,494 --> 00:00:32,966 避病院? やめときな そんなとこ行くの。 でも…。 7 00:00:32,966 --> 00:00:34,968 はあ~…。 8 00:00:38,438 --> 00:00:42,442 あの… 避病院は? 9 00:00:47,180 --> 00:00:51,318 よしな! コロリだったら うつっちまうべ。 10 00:00:51,318 --> 00:00:55,155 でも…。 あの人の家のもん 呼んでくっから➡ 11 00:00:55,155 --> 00:01:00,160 早く帰んな。 すんません。 12 00:01:04,264 --> 00:01:06,199 ♬~ 13 00:01:06,199 --> 00:01:11,038 ♬「いつか馴染みあるこの景色が」 14 00:01:11,038 --> 00:01:14,975 ♬「遷り変わるように」 15 00:01:14,975 --> 00:01:19,813 ♬「あなたが残した香りを」 16 00:01:19,813 --> 00:01:23,617 ♬「懐かしむように」 17 00:01:23,617 --> 00:01:29,423 ♬「苦手なものが平気になってさ」 18 00:01:29,423 --> 00:01:33,627 ♬「ちょっぴり寂しさを知る」 19 00:01:33,627 --> 00:01:38,432 ♬「どこかでこの手を待ってる」 20 00:01:38,432 --> 00:01:45,138 ♬「人はいるのでしょうか」 21 00:01:45,138 --> 00:01:49,977 ♬「風が誘う この町は」 22 00:01:49,977 --> 00:01:54,815 ♬「私と誰かを愛で繋いで」 23 00:01:54,815 --> 00:01:58,652 ♬「泣きたくなる日がある事も」 24 00:01:58,652 --> 00:02:03,390 ♬「風はただ知っている」 25 00:02:03,390 --> 00:02:08,228 ♬「風は笑う あの町で」 26 00:02:08,228 --> 00:02:12,933 ♬「私は奇跡の愛で生まれて」 27 00:02:12,933 --> 00:02:17,104 ♬「思い返す 大切な日々を」 28 00:02:17,104 --> 00:02:21,908 ♬「風は ただ知っている」 29 00:02:28,281 --> 00:02:32,786 (安)叔父上 私 いい妻 いい母んなって➡ 30 00:02:32,786 --> 00:02:35,422 つつがなく いい一生を過ごしたく存じます。 31 00:02:35,422 --> 00:02:38,325 よろしくお願いします。 32 00:02:38,325 --> 00:02:40,961 (信勝)ハッハッハッハ…。 33 00:02:40,961 --> 00:02:45,298 では この縁談 進めさせてもらいます。 34 00:02:45,298 --> 00:02:48,802 (美津)よろしくお願いいたします。➡ 35 00:02:48,802 --> 00:02:54,674 しかし… 士族は皆 苦労しているというのに➡ 36 00:02:54,674 --> 00:02:58,512 信勝殿に ここまで商いの才があったとは…。 37 00:02:58,512 --> 00:03:03,316 ああ… ハッ それは… まあ あの… やり方次第で。 38 00:03:03,316 --> 00:03:06,920 (美津)さすが信勝殿。 39 00:03:06,920 --> 00:03:12,793 安 少し お店を見せてもらいなさい。 はい。 40 00:03:12,793 --> 00:03:16,496 お~い。 (女中)は~い ただいま。 41 00:03:18,632 --> 00:03:21,334 (女中)こちらへ。 (安)はい。 42 00:03:25,772 --> 00:03:31,278 いつも 申し訳ございません。 こちらの 緞子の帯は➡ 43 00:03:31,278 --> 00:03:35,148 私の母の形見の品でございます。 44 00:03:35,148 --> 00:03:40,620 形見? あ… 義姉上。 それは頂けません。 45 00:03:40,620 --> 00:03:47,294 一ノ瀬の家の皆様に着ていただけたら 母も喜びます。 46 00:03:47,294 --> 00:03:49,796 う~ん…。 47 00:03:51,798 --> 00:03:56,303 10円で。 ありがとうございます。 48 00:04:01,374 --> 00:04:03,577 ありがとうございます。 49 00:04:05,245 --> 00:04:10,383 兄上は このまま出仕されぬおつもりですか? 50 00:04:10,383 --> 00:04:13,587 私から…。 結構です。 51 00:04:13,587 --> 00:04:21,461 私は 存外 土にまみれた旦那様の手が好きなのです。 52 00:04:21,461 --> 00:04:31,671 (鐘の音) 53 00:04:36,610 --> 00:04:38,945 (直美)最近 よくお祈りしてますね。 54 00:04:38,945 --> 00:04:41,781 (吉江)あ…。 55 00:04:41,781 --> 00:04:45,118 コロリが また はやっているので。 吉江先生。 56 00:04:45,118 --> 00:04:48,989 それで 私にお話というのは…? あ…。 57 00:04:48,989 --> 00:04:56,696 直美さん この教会の伝道者になりませんか? 58 00:05:03,603 --> 00:05:06,239 虎太郎! 59 00:05:06,239 --> 00:05:18,585 (セミの声) 60 00:05:18,585 --> 00:05:21,888 (虎太郎)ただ待つしかねえって。 61 00:05:23,757 --> 00:05:28,628 (虎太郎)俺 何もできんくて…。➡ 62 00:05:28,628 --> 00:05:33,099 避病院は 普通の病院と同じように見えたけど➡ 63 00:05:33,099 --> 00:05:35,902 けど…。 64 00:05:39,406 --> 00:05:42,275 だいじだわ。 65 00:05:42,275 --> 00:05:46,479 きっと おばさんなら。 66 00:06:16,576 --> 00:06:19,079 もう帰れ。 うつっといけねえから。 67 00:06:19,079 --> 00:06:21,581 私…。 (虎太郎)でれすけ! 68 00:06:21,581 --> 00:06:24,484 誰かに見られたら どうすんだ? 69 00:06:24,484 --> 00:06:28,255 一ノ瀬様まで 村八分にさせるわけにはいかねえべ。 70 00:06:28,255 --> 00:06:30,924 でも…。 (足音) 71 00:06:30,924 --> 00:06:32,959 (足音) 72 00:06:32,959 --> 00:06:35,262 虎太郎! 73 00:06:43,270 --> 00:06:48,141 (信右衛門) 「子のたまわく過ちて改めざる。➡ 74 00:06:48,141 --> 00:06:51,344 これこそ過ち」…。 75 00:06:54,281 --> 00:06:57,784 あ… すんません。 76 00:06:57,784 --> 00:07:03,590 (信右衛門)人は間違える。 だが 過ちに気付いて 改めないことこそが➡ 77 00:07:03,590 --> 00:07:10,230 過ちである。 それが この言葉の意味するところだ。 78 00:07:10,230 --> 00:07:13,133 間違えた…。 ん? 79 00:07:13,133 --> 00:07:18,738 やっぱり 私 手を握ればよかった。 手? 誰の?虎太郎。 80 00:07:18,738 --> 00:07:23,543 正しいけれど 間違えた気がする。 81 00:07:28,448 --> 00:07:32,452 正しいとは難しいなぁ。 82 00:07:37,590 --> 00:07:42,462 虎太郎の母のことは心配だが 避病院は 皆が うわさするような➡ 83 00:07:42,462 --> 00:07:46,099 ひどいだけの所ではないと思うがの。 84 00:07:46,099 --> 00:07:55,809 御一新の前も後も 世を治める者は 同じく民のことを思うておると信じたい。 85 00:07:55,809 --> 00:07:59,946 ご家老のようなことをおっしゃいますね。 86 00:07:59,946 --> 00:08:03,350 あ… いや ただ いつも父上は のんきに句を詠んで…。 87 00:08:03,350 --> 00:08:06,553 お前の その うそがつけず 思うたままの言葉が➡ 88 00:08:06,553 --> 00:08:10,056 口から こぼれる癖は いつか痛い目を見るぞ。 89 00:08:10,056 --> 00:08:16,229 では いっそ思ったまま聞きます。 うん…。 90 00:08:16,229 --> 00:08:20,567 なぜ 私に家を継がずともよいと 言うのですか? 91 00:08:20,567 --> 00:08:25,071 めおとは 家を継ぐことや 家格の釣り合いもあるが➡ 92 00:08:25,071 --> 00:08:32,579 まず何より… まず何より 共に笑い合える相手であることが大事だ。 93 00:08:32,579 --> 00:08:38,785 けど 私も安も嫁いでは 父上たちは 年を取ったら生きていけない。 94 00:08:46,926 --> 00:08:51,598 今の世は お嫌いですか? 95 00:08:51,598 --> 00:08:55,101 嫌いというわけではない。 96 00:09:06,212 --> 00:09:14,220 (信右衛門)戊辰の戦の時 我が藩は 新政府軍にくみすると➡ 97 00:09:14,220 --> 00:09:21,961 殿は ご決断なされた。 おかげで この村は戦火を逃れたと…。 98 00:09:21,961 --> 00:09:30,069 その一方で 殿は 徳川様のご恩を裏切る 己が どうしても許せぬと…➡ 99 00:09:30,069 --> 00:09:33,573 ひそかに一人…。 100 00:09:36,576 --> 00:09:39,479 腹を召されたのだ。 101 00:09:39,479 --> 00:09:44,250 では 父上は忠義ゆえ 殿様にお供して ご家老…。 102 00:09:44,250 --> 00:09:47,754 (信右衛門) 忠義などという言葉は言えるはずもない。 103 00:09:47,754 --> 00:09:57,263 私は ただ 誰かが… 負けた者 弱った者の側に立ち➡ 104 00:09:57,263 --> 00:10:07,273 手を差し出せる世でなければ さみしい… さみしすぎる。➡ 105 00:10:07,273 --> 00:10:10,076 そう思っただけだ。 106 00:10:13,613 --> 00:10:17,283 そんな私は もはや 武士ではあるまい。 107 00:10:17,283 --> 00:10:20,086 今は…。 108 00:10:23,957 --> 00:10:34,968 この手で田畑を耕して ただ… ただ 生きているだけだ。 109 00:10:42,976 --> 00:10:45,278 私は…。 110 00:10:49,449 --> 00:10:55,989 私は うれしいです。 父上と 今 こうしてお話ができて。 111 00:10:55,989 --> 00:10:59,859 畑を耕せて 学問を教わって…。 112 00:10:59,859 --> 00:11:05,164 どうしたらよかったのか 正直 今でも分からん。 113 00:11:08,401 --> 00:11:14,607 いつか いつか分かる時が来たら そん時は…。 114 00:11:17,777 --> 00:11:20,079 そん時は…。 115 00:11:31,791 --> 00:11:37,297 正しいとは 難しいのう。 116 00:11:40,433 --> 00:11:47,740 「過ちて改めざる。 これこそ過ち」。 117 00:11:55,448 --> 00:11:58,151 あ…。 118 00:11:58,151 --> 00:12:00,920 (小声で)行くべ。 119 00:12:00,920 --> 00:12:50,136 ♬~ 120 00:12:50,136 --> 00:12:52,071 りん…。 121 00:12:52,071 --> 00:13:00,780 ♬ おっちょこちょいのちょい おっちょこちょいのちょい 122 00:13:00,780 --> 00:13:06,085 だから 私は 正しい人が嫌いなんです。 123 00:13:06,085 --> 00:13:12,392 正しい。 …で 生きられる幸せな人が嫌い。 124 00:13:12,392 --> 00:13:17,597 伝道者のお金には引かれるけど 私には無理です。 125 00:13:17,597 --> 00:13:21,467 直美さんは 伝道者が向いています。 126 00:13:21,467 --> 00:13:26,606 幼い頃から誰より 神の教えを学んできたではありませんか。 127 00:13:26,606 --> 00:13:31,411 それは 教会の前に捨てられれば嫌でも。 嫌でも…? 128 00:13:31,411 --> 00:13:35,281 え… 私 何か 直美さんにしてしまいましたか? 129 00:13:35,281 --> 00:13:41,087 吉江先生には 感謝してます。 いろんな 教会を転々としてきた私を受け入れて➡ 130 00:13:41,087 --> 00:13:45,925 住まいまで 世話してくださって…。 直美さん。 131 00:13:45,925 --> 00:13:52,131 私に伝道者はできません。 礼拝で居眠りしてますし。 132 00:13:52,131 --> 00:13:57,437 私… 嫌いなものばっかり。 133 00:13:57,437 --> 00:14:00,440 生まれつき家柄のいい人…➡ 134 00:14:00,440 --> 00:14:05,244 そう いい人も嫌いです。 135 00:14:05,244 --> 00:14:08,448 誰より 自分が一番嫌い。 136 00:14:12,585 --> 00:14:14,620 (ため息) 137 00:14:14,620 --> 00:14:19,926 こんなこと言って 吉江先生 泣かせて…。 138 00:14:19,926 --> 00:14:23,396 泣いてませんよ。 泣いてましたよ。 139 00:14:23,396 --> 00:14:26,299 泣いてませんて。 だって 今…。だから…。 140 00:14:26,299 --> 00:14:30,937 えい! えい! 141 00:14:30,937 --> 00:14:33,406 こん へっぴり腰! 142 00:14:33,406 --> 00:14:37,276 もっと 腰落とせ。 ほれ。 父上。 143 00:14:37,276 --> 00:14:41,280 一応 元家老だ。 144 00:14:44,050 --> 00:14:49,989 おお ほら 肩の力抜いて そう 背中 立てる。 145 00:14:49,989 --> 00:14:53,292 そう…。 (せきこみ) 146 00:14:53,292 --> 00:14:57,296 父上! うっ うう…。