1 00:01:33,549 --> 00:01:36,502 (祐介)教えてください。 あなたと もめていた男のことを。 2 00:01:36,502 --> 00:01:39,538 (祐介)誰なんですか? 教えてください。 3 00:01:39,538 --> 00:01:43,525 (重彦)河村だ。 河村 真二。 4 00:01:43,525 --> 00:01:46,545 (礼菜)父は この後 すぐ 死んじゃって➡ 5 00:01:46,545 --> 00:01:48,580 これ 1枚きりしか 残ってないんですけど。 6 00:01:48,580 --> 00:01:51,533 (あかね)許さないわよ。 あの 浅利 祐介と➡ 7 00:01:51,533 --> 00:01:53,569 おかしなことに なったりしたら。 8 00:01:53,569 --> 00:01:59,558 (澤田)光男は 生きてると 思いますか?➡ 9 00:01:59,558 --> 00:02:03,579 私は どうも 生きてる気が しないんですがね。 10 00:02:03,579 --> 00:02:06,565 (澤田)ひょっとしたら 光男君は➡ 11 00:02:06,565 --> 00:02:10,552 犯人に 殺されたんじゃねえかって 考えたんですよ。➡ 12 00:02:10,552 --> 00:02:14,590 もし そうだとしたらですよ➡ 13 00:02:14,590 --> 00:02:19,595 あんた 実の息子を 自分で 手に掛けたことに なっちまう。 14 00:02:19,595 --> 00:02:29,571 (泣き声) 15 00:02:29,571 --> 00:02:31,571 はっ! 16 00:02:35,527 --> 00:02:37,512 ≪(由美子)祐介。 17 00:02:37,512 --> 00:02:41,533 ≪(ノック) ≪(由美子)入るわよ。 18 00:02:41,533 --> 00:02:45,537 (由美子)具合でも 悪いの?➡ 19 00:02:45,537 --> 00:02:48,557 お客さんが 来てるわよ。 えっ? 20 00:02:48,557 --> 00:02:52,557 (由美子)女の人。 河村さんだって。 21 00:02:55,547 --> 00:02:57,516 (孝信)遠慮なく 上がってください。 散らかしてますけども。 22 00:02:57,516 --> 00:03:00,535 (礼菜)すぐに 失礼しますので。 23 00:03:00,535 --> 00:03:03,555 (孝信)うちの祐介を 女性が 訪ねてくるなんて➡ 24 00:03:03,555 --> 00:03:05,574 青天の へきれきってやつですよ。 25 00:03:05,574 --> 00:03:09,561 ≪(足音) (孝信)ああ。 やっと 起きてきた。 26 00:03:09,561 --> 00:03:11,563 礼菜さん。 どうして? (礼菜)ごめんなさい。➡ 27 00:03:11,563 --> 00:03:13,565 急に 来ちゃって。 (孝信)せっかく いらしたんだ。➡ 28 00:03:13,565 --> 00:03:15,550 上がってもらったら? いや。 いいんだ。 29 00:03:15,550 --> 00:03:18,553 ちょっと 出掛けてくる。 (孝信)うん…。 30 00:03:18,553 --> 00:03:21,556 行きましょう。 31 00:03:21,556 --> 00:03:23,556 ≪(ドアの閉まる音) 32 00:03:26,595 --> 00:03:28,563 (孝信)礼菜さんって 言ってたな。 33 00:03:28,563 --> 00:03:30,565 (由美子)あの人なのね。 34 00:03:30,565 --> 00:03:32,534 (孝信) 《いったい 何者なんだ?》➡ 35 00:03:32,534 --> 00:03:34,503 《お前に そんな でたらめな話 持ち込んだのは》 36 00:03:34,503 --> 00:03:36,521 《河村 礼菜さん》 37 00:03:36,521 --> 00:03:39,524 《柳瀬の 奥さんだった人が 再婚して産んだ 娘さんで➡ 38 00:03:39,524 --> 00:03:44,529 柳瀬 光男にとっては 父親の違う 妹に当たる人》 39 00:03:44,529 --> 00:03:46,515 まさかとは 思うけど あの 2人…。 40 00:03:46,515 --> 00:03:48,517 やめて。 41 00:03:48,517 --> 00:03:51,517 やめてちょうだい。 変な気 回すの。 42 00:03:59,561 --> 00:04:02,547 (礼菜)ホントは お宅に 寄るつもりなんか なかったの。➡ 43 00:04:02,547 --> 00:04:05,534 祐介さんが 忙しいのは 分かってたから。 44 00:04:05,534 --> 00:04:07,552 驚かせちゃって ごめんなさい。 45 00:04:07,552 --> 00:04:12,524 ご両親も びっくりなさったわよね。 46 00:04:12,524 --> 00:04:16,545 けさ 早起きしたら すごく いい お天気で。 47 00:04:16,545 --> 00:04:24,536 せっかくの休みだから たまには 横浜にでも 行ってみようかって。 48 00:04:24,536 --> 00:04:29,591 まずは 腹ごしらえだな。 (礼菜)えっ? 49 00:04:29,591 --> 00:04:33,495 駅前の 新しい店 パンケーキが 評判なんだって。 50 00:04:33,495 --> 00:04:36,498 そこで ランチして それから 行く場所 決めましょう。 51 00:04:36,498 --> 00:04:39,501 いいの? だって 祐介さん お仕事が…。 52 00:04:39,501 --> 00:04:43,522 地元だからね。 穴場は 任しといて。 53 00:04:43,522 --> 00:04:46,508 行きましょう。 54 00:04:46,508 --> 00:04:49,528 (従業員)お待たせしました。 (礼菜)わあ。 すごい。 55 00:04:49,528 --> 00:04:52,514 おいしそう。 すごいね これ。 56 00:04:52,514 --> 00:04:57,536 食べようか。 よし。 いただきます。 57 00:04:57,536 --> 00:05:02,536 (礼菜)うん。 おいしい。 うん。 おいしい。 58 00:05:05,527 --> 00:05:09,564 (礼菜)わあ。 奇麗。 すごい。 59 00:05:09,564 --> 00:05:11,516 ほら。 こっち 海。 わあ。 ホントだ。 60 00:05:11,516 --> 00:05:14,519 奇麗だな。 61 00:05:14,519 --> 00:05:20,525 (礼菜)わあ。 うわ。 これ すごいな。 62 00:05:20,525 --> 00:05:23,545 あっ ほら。 エイだ。 63 00:05:23,545 --> 00:05:26,565 サメも いる。 64 00:05:26,565 --> 00:05:29,568 (礼菜)ああ。 水中の中に いるみたい。 65 00:05:29,568 --> 00:05:31,568 ホントだね。 66 00:05:33,505 --> 00:05:39,511 (礼菜)奇麗ね。 海の色って こんなに 奇麗だったかしら?➡ 67 00:05:39,511 --> 00:05:41,513 もやもや していたものが➡ 68 00:05:41,513 --> 00:05:46,518 波と 一緒に 洗い流されていくみたい。 69 00:05:46,518 --> 00:05:51,523 ごめん。 僕が 悪かったんだ。 70 00:05:51,523 --> 00:05:54,526 あれっきり 何の連絡も しなかったから。 71 00:05:54,526 --> 00:05:59,531 礼菜さんから 借りた 写真のことなんだけど。 72 00:05:59,531 --> 00:06:03,518 (礼菜)柳瀬さんに 関係のあることでしょ? 73 00:06:03,518 --> 00:06:08,523 だったら いいの。 どんなふうに 使われたって。 74 00:06:08,523 --> 00:06:10,525 でも そういうわけには…。 75 00:06:10,525 --> 00:06:14,546 少しでも お役に立てれば それでいい。 76 00:06:14,546 --> 00:06:17,546 私は 祐介さんを 信じてるから。 77 00:06:23,555 --> 00:06:29,544 (礼菜)私 今まで 我慢し過ぎてたのかもしれない。➡ 78 00:06:29,544 --> 00:06:33,544 祐介さんが 言ってたとおり。 79 00:06:36,485 --> 00:06:38,503 (礼菜)私が 祐介さんを 思う気持ちに➡ 80 00:06:38,503 --> 00:06:44,493 あの人は 関係ないんだもの。 もう 放っておけば いいのよ。 81 00:06:44,493 --> 00:06:47,493 あの人って お母さんのこと? 82 00:06:52,517 --> 00:06:55,517 何か あったの? お母さんと。 83 00:06:59,524 --> 00:07:01,524 礼菜さん。 84 00:07:07,516 --> 00:07:14,523 (礼菜)母は 私が 幸せになるのが 許せないのよ。➡ 85 00:07:14,523 --> 00:07:22,547 私を がんじがらめにして 自由を 奪おうとする。➡ 86 00:07:22,547 --> 00:07:29,547 一生 自分と同じ 地獄で のたうち回らせたいのよ。 87 00:07:39,481 --> 00:07:44,481 大丈夫。 僕が 礼菜さんを 守るから。 88 00:07:48,506 --> 00:07:54,479 何があっても 僕が 一生 守っていく。 89 00:07:54,479 --> 00:07:57,482 本当に? 90 00:07:57,482 --> 00:08:02,487 たとえ 礼菜さんの身に どんなことが 起きても➡ 91 00:08:02,487 --> 00:08:05,487 そばを 離れない。 92 00:08:07,492 --> 00:08:10,495 祐介さん。 93 00:08:10,495 --> 00:08:29,495 ♬~ 94 00:09:11,523 --> 00:09:13,523 花木さん。 95 00:09:21,516 --> 00:09:24,519 (重彦)この間 あんたが 言ってたことなんだが。 96 00:09:24,519 --> 00:09:27,522 河村 真二のことですか? 97 00:09:27,522 --> 00:09:31,526 (重彦)ホントなのか? やつが 犯人だっていうのは。➡ 98 00:09:31,526 --> 00:09:33,495 証拠が あるわけじゃ ないんだろう?➡ 99 00:09:33,495 --> 00:09:35,463 あんたの思い込みに すぎないんじゃないのか? 100 00:09:35,463 --> 00:09:37,499 確かに 確証は ありません。 101 00:09:37,499 --> 00:09:40,485 でも 僕は 間違いないと 思っています。 102 00:09:40,485 --> 00:09:42,487 (重彦)そんな 不確かな話 信じられると 思うのか。 103 00:09:42,487 --> 00:09:44,472 あり得ないだろ。 うちと 間違われて➡ 104 00:09:44,472 --> 00:09:46,508 よその家族が 犠牲になったなんて。 105 00:09:46,508 --> 00:09:48,476 その あり得ないことが 起こり得る 条件が➡ 106 00:09:48,476 --> 00:09:50,476 揃っているんです。 107 00:09:59,504 --> 00:10:01,504 これを 見てください。 108 00:10:03,475 --> 00:10:06,511 花木家と 大富家の 家系図です。 109 00:10:06,511 --> 00:10:08,513 当時 住んでいた 阿佐ヶ谷の家へ➡ 110 00:10:08,513 --> 00:10:11,483 河村は 何度も 金を せびりに来た。 111 00:10:11,483 --> 00:10:13,518 はねつける 花木さんに 河村が➡ 112 00:10:13,518 --> 00:10:16,521 恨みを 抱いていても 不思議はない。 113 00:10:16,521 --> 00:10:18,490 花木さん ご自身 そう おっしゃって…。 114 00:10:18,490 --> 00:10:20,508 私らが 死ねば よかったって いうのか? 115 00:10:20,508 --> 00:10:23,511 河村の狙いどおりに。 116 00:10:23,511 --> 00:10:26,514 つまるところ そうなるじゃないか。 どうしたって。 117 00:10:26,514 --> 00:10:30,552 せめて 一度でも 花木さんが 河村のことを➡ 118 00:10:30,552 --> 00:10:35,490 警察に 通報してくれたら。 そういう気持ちは あります。 119 00:10:35,490 --> 00:10:40,478 そうすれば 河村の名前が 捜査線上に 挙がったかもしれない。 120 00:10:40,478 --> 00:10:43,448 間違い殺人の可能性に 気が付く 捜査員が いたかもしれません。 121 00:10:43,448 --> 00:10:45,467 呼びたかったさ。 私だって 警察を。 122 00:10:45,467 --> 00:10:49,487 だが そのたびに 河村は やつの親父が 幹部をやってた➡ 123 00:10:49,487 --> 00:10:52,474 暴力団の名前を 出して…。 124 00:10:52,474 --> 00:10:54,474 浅利先生。 125 00:10:59,497 --> 00:11:01,499 この話 このまま➡ 126 00:11:01,499 --> 00:11:04,486 伏せておいてもらうわけには いきませんか? 127 00:11:04,486 --> 00:11:07,489 伏せとく? もし 表沙汰になったら➡ 128 00:11:07,489 --> 00:11:09,524 今になって 私ら 家族が➡ 129 00:11:09,524 --> 00:11:11,476 後ろ指を さされることに なるんです。 130 00:11:11,476 --> 00:11:13,511 30年も前に 起こった 事件のために。 131 00:11:13,511 --> 00:11:16,498 しかし 花木さん。 先生だって 憎いでしょ。 132 00:11:16,498 --> 00:11:20,535 いや。 家族を 殺された あんただからこそ➡ 133 00:11:20,535 --> 00:11:24,535 誰よりも われわれが 憎いはずなんだ。 134 00:11:26,524 --> 00:11:29,494 どうして そのことを? 135 00:11:29,494 --> 00:11:33,515 息子が 調べてきたんです。 当時のことを。 136 00:11:33,515 --> 00:11:37,535 あの事件で 生き残った 赤ん坊は➡ 137 00:11:37,535 --> 00:11:41,556 先生と同じ 祐介という名前だった。 138 00:11:41,556 --> 00:11:47,545 しかも 養子を迎えた 遺族の名字は 浅利だと。 139 00:11:47,545 --> 00:11:49,531 だから そんな 必死になるんでしょ? 140 00:11:49,531 --> 00:11:52,534 何で お前たちが 死ななかったんだって➡ 141 00:11:52,534 --> 00:11:55,534 腹の底じゃ そう 思ってるんでしょ。 142 00:11:57,522 --> 00:12:01,559 悔しくないと 言ったら 嘘になります。 143 00:12:01,559 --> 00:12:04,579 だからといって 無事だった命を 憎んで➡ 144 00:12:04,579 --> 00:12:09,567 どうなるって いうんですか。 私が憎いのは 犯人なんです。 145 00:12:09,567 --> 00:12:15,590 父と母。 そして 祖父の命を奪った ホントの 犯人なんです。 146 00:12:15,590 --> 00:12:21,579 私と 私を育ててくれた 両親は この 30年間➡ 147 00:12:21,579 --> 00:12:25,583 柳瀬 光三が 犯人だと信じ 恨み続けてきました。 148 00:12:25,583 --> 00:12:28,553 柳瀬 光三は その憎しみを 受け止め➡ 149 00:12:28,553 --> 00:12:31,573 今は 死刑を 覚悟しています。 150 00:12:31,573 --> 00:12:34,509 その歳月の重さを 考えたら➡ 151 00:12:34,509 --> 00:12:38,546 真実を ねじ曲げたままになんか できるわけない。 152 00:12:38,546 --> 00:12:41,516 これから 河村が 犯人だという証拠を 揃え➡ 153 00:12:41,516 --> 00:12:45,516 全力で 柳瀬の冤罪を 晴らしたいと 思います。 154 00:12:48,523 --> 00:12:52,544 花木さんに お願いがあります。 155 00:12:52,544 --> 00:12:55,513 河村 礼菜さんを 孫として➡ 156 00:12:55,513 --> 00:12:58,533 受け入れてあげて いただけないでしょうか? 157 00:12:58,533 --> 00:13:00,552 河村 礼菜? 158 00:13:00,552 --> 00:13:02,554 礼菜さんから お聞きになっているとおり➡ 159 00:13:02,554 --> 00:13:07,542 あかねさんは 末期がんで 余命を 宣告されています。 160 00:13:07,542 --> 00:13:11,546 もし あかねさんが いなくなったら➡ 161 00:13:11,546 --> 00:13:14,566 礼菜さんは 独りぼっちに なってしまうんです。 162 00:13:14,566 --> 00:13:16,568 その上 父親が➡ 163 00:13:16,568 --> 00:13:21,589 事件の 犯人ということに なってしまったら…。 164 00:13:21,589 --> 00:13:26,578 せめて 礼菜さんに 血の つながった 身内がいれば➡ 165 00:13:26,578 --> 00:13:29,564 どんなにか 心強いと 思うんです。 だから どうか…。 166 00:13:29,564 --> 00:13:31,566 余計なこと 言わなきゃ よかったんだ。 私が。 167 00:13:31,566 --> 00:13:33,566 あの 礼菜って娘に。 168 00:13:35,503 --> 00:13:38,523 あかねの身勝手に 腹が立って➡ 169 00:13:38,523 --> 00:13:41,523 つい 柳瀬のことまで 口に出してしまった。 170 00:13:45,513 --> 00:13:49,513 あかねが 産んだ 柳瀬の息子のことも…。 171 00:13:52,537 --> 00:13:56,524 あの子は これで 初めて 知ったんだろう。 172 00:13:56,524 --> 00:13:58,559 その写真は? 173 00:13:58,559 --> 00:14:04,549 あかねが 甲府から 母親宛てに 送ってきたものだそうです。 174 00:14:04,549 --> 00:14:07,535 私に 見せたら 叱られると思って➡ 175 00:14:07,535 --> 00:14:10,535 女房が 死んでから 息子が しまいこんでいたんです。 176 00:14:13,524 --> 00:14:18,563 ゆうべ 初めて 見せられて 涙が出ましたよ。 177 00:14:18,563 --> 00:14:23,563 こんな カワイイ子。 あかねは 平気で 捨てたのかと思って。 178 00:14:31,609 --> 00:14:39,517 これは 柳瀬 光男ですか? あかねと 光男です。 179 00:14:39,517 --> 00:14:45,540 この赤ちゃんが 柳瀬 光男。 180 00:14:45,540 --> 00:14:50,540 柳瀬も 河村も どっちも あかねが 選んだ男です。 181 00:14:52,497 --> 00:14:55,533 もう 先が 長くないって いうんなら➡ 182 00:14:55,533 --> 00:15:01,539 どっちを 犯人と思って 死ぬのが あかねのためなのか…。 183 00:15:01,539 --> 00:15:12,539 ♬~ 184 00:17:19,527 --> 00:17:21,527 あっ。 あった。 185 00:17:37,478 --> 00:17:40,478 ≪(由美子)何してるの? 186 00:17:42,483 --> 00:17:46,487 何の騒ぎ? こんなに 散らかして。 187 00:17:46,487 --> 00:17:49,490 赤ちゃんのころの 僕のアルバム もう1冊 あったよね? 188 00:17:49,490 --> 00:17:51,509 確か そっちには 阿佐ヶ谷の両親が…。 189 00:17:51,509 --> 00:17:53,494 よく 覚えてるわね。 190 00:17:53,494 --> 00:17:57,494 ほんの ちっさいころに ちらっと 見たっきりなのに。 191 00:18:00,518 --> 00:18:03,504 事件のことは 別にして➡ 192 00:18:03,504 --> 00:18:05,523 あなたを産んでくれた パパと ママは➡ 193 00:18:05,523 --> 00:18:10,495 私の妹夫婦だってことは 隠さずに 話してきたわよね? 194 00:18:10,495 --> 00:18:13,531 うん。 195 00:18:13,531 --> 00:18:18,503 そうは 言っても 私も 父さんも➡ 196 00:18:18,503 --> 00:18:21,522 あなたのこと 本気で➡ 197 00:18:21,522 --> 00:18:25,526 本当の息子だと 思って 育ててきたの。 198 00:18:25,526 --> 00:18:28,529 だから 私 隠しちゃった。 199 00:18:28,529 --> 00:18:31,549 阿佐ヶ谷のころの アルバム。 200 00:18:31,549 --> 00:18:38,472 確か あなたが 小学校に 入る前くらいだったと 思うけど。 201 00:18:38,472 --> 00:18:44,495 心の どこかで 嫉妬してたのかも しれないわね。 202 00:18:44,495 --> 00:18:47,465 自分の体に 授かって➡ 203 00:18:47,465 --> 00:18:51,465 自分の おなかの中で あなたを育てた 妹のこと。 204 00:18:54,505 --> 00:18:59,527 あれから どこ いっちゃったのか。 ずっと 見つからないの。 205 00:18:59,527 --> 00:19:03,497 ごめんなさい。 あっ。 いや。 206 00:19:03,497 --> 00:19:08,502 でも どうして? んな 昔の写真なんて。 207 00:19:08,502 --> 00:19:12,540 うん。 ちょっと 久々に 見たくなって。 208 00:19:12,540 --> 00:19:15,493 でも これが あったから もう 十分。 懐かしいよね。 209 00:19:15,493 --> 00:19:19,493 父さんも 母さんも 若々しくて。 210 00:19:23,534 --> 00:19:25,553 ≪(孝信)ただいま。 (由美子)あっ。➡ 211 00:19:25,553 --> 00:19:30,553 お父さん 帰ってきた。 よっこらしょっと。 212 00:19:33,477 --> 00:19:35,463 (由美子)この間の 女の子。➡ 213 00:19:35,463 --> 00:19:39,467 お付き合いでも してるの? えっ? いや。 それは…。 214 00:19:39,467 --> 00:19:44,488 約束も なしに 家まで来るなんて どうかしてる。➡ 215 00:19:44,488 --> 00:19:47,491 女ってね ちょっと 甘い顔すると➡ 216 00:19:47,491 --> 00:19:50,478 すぐ その気になるから 気を付けなさい。 217 00:19:50,478 --> 00:19:56,478 ♬~ 218 00:20:18,506 --> 00:20:31,535 ♬~ 219 00:20:31,535 --> 00:20:48,469 ♬~ 220 00:20:48,469 --> 00:20:51,472 似てる? 221 00:20:51,472 --> 00:21:06,504 ♬~ 222 00:21:06,504 --> 00:21:21,519 ♬~ 223 00:21:21,519 --> 00:21:32,496 ♬~ 224 00:21:32,496 --> 00:21:34,515 あざ? 225 00:21:34,515 --> 00:21:51,549 ♬~ 226 00:21:51,549 --> 00:21:56,537 ♬~ 227 00:21:56,537 --> 00:21:59,557 どういうことだ? 228 00:21:59,557 --> 00:22:11,569 ♬~ 229 00:22:11,569 --> 00:22:17,569 ♬~ 230 00:23:51,519 --> 00:23:54,522 (礼菜)足りないもの 何か ある? 231 00:23:54,522 --> 00:24:00,544 (あかね)別に。 (礼菜)じゃあ 帰るわね。 232 00:24:00,544 --> 00:24:04,548 (あかね)しゃべってったら どうなの? ちょっとぐらい。 233 00:24:04,548 --> 00:24:09,537 (礼菜)話すことなんか ないもん。 234 00:24:09,537 --> 00:24:13,537 (あかね)何か あったでしょ? あの先生と。 235 00:24:15,543 --> 00:24:18,562 あんたは バカ正直だから すぐ 分かる。 236 00:24:18,562 --> 00:24:21,565 聞かれちゃ 困るって 顔に 書いてある。 237 00:24:21,565 --> 00:24:23,567 その手には 乗らないわ。 238 00:24:23,567 --> 00:24:26,554 まさか 変なこと してないだろうね? 239 00:24:26,554 --> 00:24:30,574 変なこと? (あかね)男と女が することだよ。 240 00:24:30,574 --> 00:24:32,493 やめてよ。 いやらしい。 241 00:24:32,493 --> 00:24:34,511 地獄に落ちるよ。 2人とも。 242 00:24:34,511 --> 00:24:39,516 その地獄から 救ってくれるって 言ったのよ。 あの人が。➡ 243 00:24:39,516 --> 00:24:42,486 お母さんが かけた 呪いから 解き放って➡ 244 00:24:42,486 --> 00:24:44,521 自由にしてくれるって。➡ 245 00:24:44,521 --> 00:24:49,521 一生 私を守るって 抱き締めて 約束してくれたのよ。 246 00:24:53,547 --> 00:25:00,521 (礼菜)どうやって お母さんの 最期を 見送ったら いいの?➡ 247 00:25:00,521 --> 00:25:06,543 これ以上 憎みたくない。 嫌な思い出だって➡ 248 00:25:06,543 --> 00:25:10,547 全部 何とかして 忘れようとしてるのに。➡ 249 00:25:10,547 --> 00:25:12,566 こんな気持ちで➡ 250 00:25:12,566 --> 00:25:15,552 どうやって お母さんの 最期を みとれば いいの? 251 00:25:15,552 --> 00:25:17,552 礼菜…。 252 00:25:24,578 --> 00:25:27,548 (澤田)ああ。 どうも。 (由美子)ご無沙汰しております。 253 00:25:27,548 --> 00:25:29,533 (澤田)こちらこそ。 254 00:25:29,533 --> 00:25:31,568 (澤田)ご無沙汰いたしました。 255 00:25:31,568 --> 00:25:34,488 いつも 祐介が お世話になって。 いえいえ。 256 00:25:34,488 --> 00:25:37,488 さあさあ どうぞ。 今 コーヒー 入れますから。 257 00:25:40,511 --> 00:25:47,511 先生。 ホントに 無実なんでしょうか? 柳瀬は。 258 00:25:50,504 --> 00:25:55,492 私たち家族は 30年間 あの男を 憎んできました。 259 00:25:55,492 --> 00:26:00,514 なのに 祐介は…。 そのことですか。 260 00:26:00,514 --> 00:26:02,514 さあ。 どうぞ どうぞ。 261 00:26:04,535 --> 00:26:07,535 どうぞ 召し上がってください。 262 00:26:09,556 --> 00:26:16,547 もちろん 祐介君も 最初は 半信半疑だったんです。 263 00:26:16,547 --> 00:26:23,570 しかし 柳瀬と じかに会い 柳瀬が暮らした 甲府を訪ね➡ 264 00:26:23,570 --> 00:26:28,575 自分自身の 目と 耳で 確信を つかんだようです。 265 00:26:28,575 --> 00:26:30,577 運命に 導かれたっていうのは こういうこと いうんでしょうな。 266 00:26:30,577 --> 00:26:33,577 やめてください。 運命だなんて。 267 00:26:36,500 --> 00:26:41,505 奥さんの不安は お察しします。 268 00:26:41,505 --> 00:26:47,494 しかし 祐介君が 柳瀬を 再審へ導けば➡ 269 00:26:47,494 --> 00:26:51,515 それだけ 真実に 近づくことに なるんですよ。 270 00:26:51,515 --> 00:26:56,503 ホントの犯人が 分かり 事件の 真実が 明かされることこそが➡ 271 00:26:56,503 --> 00:26:59,506 妹さんご一家への ご供養になる。 272 00:26:59,506 --> 00:27:03,494 奥さんにとっても 本望なんじゃ ありませんか? 273 00:27:03,494 --> 00:27:08,515 分かったんですか? 真犯人が。 274 00:27:08,515 --> 00:27:12,519 そうなんですか? まだ 断定は できません。 275 00:27:12,519 --> 00:27:17,541 しかし これも 祐介君の 執念の たまものです。 276 00:27:17,541 --> 00:27:23,547 真実だけが 正しいだなんて いったい 誰が 決めたんですか? 277 00:27:23,547 --> 00:27:26,517 今になって 真相 掘り起こせば➡ 278 00:27:26,517 --> 00:27:31,522 また 新たな苦しみが 生まれることだって。 279 00:27:31,522 --> 00:27:36,477 むろん 多くの人に 影響が及ぶでしょうな。 280 00:27:36,477 --> 00:27:39,496 今まで 無関係だったと 思われた人が➡ 281 00:27:39,496 --> 00:27:43,484 実は 殺人犯だったと 明かされるわけですから。 282 00:27:43,484 --> 00:27:47,504 傷つくのは 祐介なんです。 283 00:27:47,504 --> 00:27:51,475 祐介が 一番 苦しむことに なるんです。 284 00:27:51,475 --> 00:27:54,495 やめさせてください 先生。 285 00:27:54,495 --> 00:27:57,481 真実なんて 分かったって 何にも いいことなんか ないって➡ 286 00:27:57,481 --> 00:28:03,537 そう 言ってやってください。 お願いします! 287 00:28:03,537 --> 00:28:06,537 お母さん。 お母さん。 288 00:28:13,514 --> 00:28:20,504 どんなに つらくても 真実から 目を背けるな。 289 00:28:20,504 --> 00:28:26,527 私は ずっと 祐介君に そう 教えてきました。 290 00:28:26,527 --> 00:28:32,483 たとえ 自分自身に 関わりのある案件でも➡ 291 00:28:32,483 --> 00:28:35,469 とことん 信念を貫き通す。 292 00:28:35,469 --> 00:28:40,474 その覚悟 なくして 弁護士は 務まりません。 293 00:28:40,474 --> 00:28:49,466 弁護士である前に 一人の 人間なんです。 294 00:28:49,466 --> 00:28:52,503 弁護士さんに 代わりはいても➡ 295 00:28:52,503 --> 00:28:59,503 私たちの息子に 代わりは いないんです。 お願いします。 296 00:29:01,495 --> 00:29:08,495 お力になれず 申し訳ありません。 297 00:29:17,544 --> 00:29:35,544 ♬~ 298 00:30:04,491 --> 00:30:07,494 B型。 299 00:30:07,494 --> 00:30:10,514 ≪(桜井)お見舞いですか? 300 00:30:10,514 --> 00:30:12,516 (桜井)河村さん。 検査に行っています。➡ 301 00:30:12,516 --> 00:30:15,516 もうすぐ 戻ると 思いますよ。 302 00:30:26,513 --> 00:30:34,454 ♬~ 303 00:30:34,454 --> 00:30:37,457 (桜井)あれ? 弁護士さんと 会わなかったですか? 304 00:30:37,457 --> 00:30:40,460 浅利先生のことですか? 305 00:30:40,460 --> 00:30:44,498 (桜井)ええ。 たった今 お母さんの病室に。 306 00:30:44,498 --> 00:31:01,465 ♬~ 307 00:31:01,465 --> 00:31:04,501 ♬~ 308 00:31:04,501 --> 00:31:08,488 (アナウンス)メッセージを 録音してください。 309 00:31:08,488 --> 00:31:12,509 祐介さん。 どこ? 私も 病院にいるの。 310 00:31:12,509 --> 00:31:16,496 (礼菜のメッセージ) そばに いるなら 顔を見せて。➡ 311 00:31:16,496 --> 00:31:20,517 会いたい。 会いたいのよ 祐介さんに。 312 00:31:20,517 --> 00:31:30,527 ♬~ 313 00:31:30,527 --> 00:31:38,518 (呼び出し音) 314 00:31:38,518 --> 00:31:43,518 (アナウンス)発信音の後に メッセージを 録音してください。 315 00:32:04,544 --> 00:32:09,544 祐介さんの。 先日は 失礼しました。 316 00:34:15,525 --> 00:34:18,525 (礼菜)どうぞ。 今 お茶 入れますね。 317 00:34:22,516 --> 00:34:26,536 (由美子)あなたが 言いだしたことだもの。➡ 318 00:34:26,536 --> 00:34:31,541 あなたが やめるって言えば 祐介だって。➡ 319 00:34:31,541 --> 00:34:34,478 柳瀬さんには 申し訳ないけど。 320 00:34:34,478 --> 00:34:41,451 もう 十分なんじゃない? ここまで やれば。 321 00:34:41,451 --> 00:34:44,471 どういうことでしょうか? 322 00:34:44,471 --> 00:34:49,509 真犯人が 分かったんですってね。 (礼菜)真犯人が? 323 00:34:49,509 --> 00:34:54,509 祐介が 突き止めたって 澤田先生が おっしゃってたわ。 324 00:34:56,483 --> 00:35:01,521 (由美子)もう これ以上…。 何も知らない方がいい。 325 00:35:01,521 --> 00:35:05,509 それが あなたのためでも あるんだから。 326 00:35:05,509 --> 00:35:08,495 出会う前の 2人に戻って➡ 327 00:35:08,495 --> 00:35:13,567 何もなかったことに してちょうだい。 お願いだから。 328 00:35:13,567 --> 00:35:15,519 ≪(ドアの開く音) 329 00:35:15,519 --> 00:35:17,504 (男性)礼菜ちゃん。 3人だけど いい? 330 00:35:17,504 --> 00:35:20,507 (礼菜)はい。 331 00:35:20,507 --> 00:35:23,543 (男性)いい店じゃないですか。 (男性)お前 知らねえだろ。 332 00:35:23,543 --> 00:35:41,478 ♬~ 333 00:35:41,478 --> 00:35:44,497 ≪(孝信)由美子。 334 00:35:44,497 --> 00:35:46,497 (孝信)何やってんだ? 335 00:35:50,470 --> 00:35:53,490 私たちは どう 裁かれても 構わない。 336 00:35:53,490 --> 00:35:55,475 (孝信)えっ? 337 00:35:55,475 --> 00:36:02,499 だって 私たちは 祐介を 愛しただけだもの。 そうでしょ? 338 00:36:02,499 --> 00:36:04,501 (孝信)由美子。 339 00:36:04,501 --> 00:36:16,496 ♬~ 340 00:36:16,496 --> 00:36:24,554 ♬~ 341 00:36:24,554 --> 00:36:27,524 可能性は ある。 342 00:36:27,524 --> 00:36:41,488 ♬~ 343 00:36:41,488 --> 00:36:57,488 ♬~ 344 00:37:07,514 --> 00:37:13,514 柳瀬は 赤ん坊を抱いて 現場を出た。 345 00:37:15,505 --> 00:37:21,511 その赤ん坊は 犯人に殺されて➡ 346 00:37:21,511 --> 00:37:25,511 もう 冷たくなっていたとしたら。 347 00:37:29,519 --> 00:37:31,504 (康彦)《ほらほら。 祐介。 お猿さんだよ》 348 00:37:31,504 --> 00:37:33,456 (晴香)《祐介。 パパと遊んで 楽しいね》 349 00:37:33,456 --> 00:37:38,461 あの晩 河村は あかねの実家が 引っ越したことを 知らず➡ 350 00:37:38,461 --> 00:37:41,448 花木一家が 住んでると 思い込んで➡ 351 00:37:41,448 --> 00:37:44,451 阿佐ヶ谷の 大富家へ 踏み込んだ。 352 00:37:44,451 --> 00:37:46,453 ≪(チャイム) そして…。 353 00:37:46,453 --> 00:37:48,455 (康彦)《ああ。 いいよ》 354 00:37:48,455 --> 00:37:50,473 (真二)《おりゃ!》 355 00:37:50,473 --> 00:37:58,481 ♬~ 356 00:37:58,481 --> 00:38:00,481 (晴香)《祐介!》 357 00:38:02,502 --> 00:38:05,502 (忠)《祐介。 どうした?》 358 00:38:10,493 --> 00:38:13,513 おじいさんの顔を見て 河村は➡ 359 00:38:13,513 --> 00:38:18,501 一家が 花木家では ないことに 気が付いたはずだ。 360 00:38:18,501 --> 00:38:20,520 (真二)《くそ!》 361 00:38:20,520 --> 00:38:29,520 (泣き声) 362 00:38:37,454 --> 00:38:43,443 まさか そのとき 家の中に もう一人➡ 363 00:38:43,443 --> 00:38:48,443 赤ん坊が いたことなど 河村は 想像もしてなかったろう。 364 00:38:51,468 --> 00:38:54,471 河村が 立ち去って 間もなく➡ 365 00:38:54,471 --> 00:38:59,471 柳瀬が 八王子の 花木家から 帰ってきた。 366 00:39:03,463 --> 00:39:06,463 (柳瀬)《今 戻りました》 367 00:39:14,474 --> 00:39:18,474 (柳瀬)《大富さん? 大富…》 368 00:39:28,488 --> 00:39:33,426 《光男? 光男?》 369 00:39:33,426 --> 00:39:35,426 《光男…》 370 00:39:44,454 --> 00:39:47,474 そこには ただ一人 生き残ってる 光男の姿が! 371 00:39:47,474 --> 00:39:51,444 (柳瀬)《生きてた。 生きてた》 372 00:39:51,444 --> 00:39:53,463 何をやった? 柳瀬。 373 00:39:53,463 --> 00:39:57,450 お前は そこで いったい 何を やったんだ? 374 00:39:57,450 --> 00:40:10,480 ♬~ 375 00:40:10,480 --> 00:40:17,480 俺は 浅利 祐介として 30年 生きてきた。 376 00:40:19,472 --> 00:40:21,472 俺は…。 377 00:40:23,493 --> 00:40:28,498 俺は いったい 何者なんだ! 柳瀬! 378 00:40:28,498 --> 00:40:41,498 ♬~ 379 00:42:17,540 --> 00:42:19,540 おはようさん。 380 00:42:21,527 --> 00:42:25,531 おい 祐介。 泊まるんなら ちゃんと ソファで寝ろ。 381 00:42:25,531 --> 00:42:27,531 風邪 ひくぞ。 382 00:42:31,537 --> 00:42:35,537 祐介。 どうした? 383 00:42:38,478 --> 00:42:40,478 所長。 384 00:42:43,499 --> 00:42:46,502 僕は 祐介じゃ ありません。 385 00:42:46,502 --> 00:42:52,502 浅利 祐介でも 大富 祐介でもない。 386 00:42:54,494 --> 00:42:56,494 僕は…。 387 00:43:00,533 --> 00:43:03,533 僕じゃ なかったんです。 388 00:43:10,526 --> 00:43:12,512 祐介。 389 00:43:12,512 --> 00:43:26,509 ♬~ 390 00:43:26,509 --> 00:43:32,465 ♬~ 391 00:43:32,465 --> 00:43:34,467 ≪(ドアの開く音) 392 00:43:34,467 --> 00:43:44,494 ♬~ 393 00:43:44,494 --> 00:43:46,496 どうかしましたか? 394 00:43:46,496 --> 00:43:49,496 (柳瀬)いえ。 何でも ありません。 395 00:43:55,488 --> 00:43:59,492 この間は 途中で引き上げるような 格好に なっちまって➡ 396 00:43:59,492 --> 00:44:04,492 すいませんでした。 光男君のことですよ。 397 00:44:06,482 --> 00:44:08,518 こっちの言い分ばっかり 押し付けて➡ 398 00:44:08,518 --> 00:44:11,521 あなたの話 ろくすっぽ 聞かなかった。 399 00:44:11,521 --> 00:44:15,525 何か 言いたいことがあったら 伺いますよ。 400 00:44:15,525 --> 00:44:21,531 お聞きしたいことが あります。 何ですか? 401 00:44:21,531 --> 00:44:26,536 犯人の見当が ついた。 そう おっしゃってましたけど➡ 402 00:44:26,536 --> 00:44:30,540 何か 話してるんですか? その人が 事件のことについて。 403 00:44:30,540 --> 00:44:34,494 気になりますか? いえ。 404 00:44:34,494 --> 00:44:36,462 困るってことじゃ ないですか? 405 00:44:36,462 --> 00:44:39,482 いまさら 本物に しゃしゃり出てこられちゃ。 406 00:44:39,482 --> 00:44:43,469 (柳瀬)違います。 どうせ その人が 言ってることは➡ 407 00:44:43,469 --> 00:44:45,488 でたらめに 決まってますから。➡ 408 00:44:45,488 --> 00:44:50,476 きっと 面白がって 世間を 騒がせようと してるだけです。 409 00:44:50,476 --> 00:44:52,478 また 前回と 同じ芝居の 繰り返しですか。 410 00:44:52,478 --> 00:44:54,497 (柳瀬)芝居じゃ ありません。 411 00:44:54,497 --> 00:44:57,497 あれは ホントに 私が やったんです。 412 00:45:01,504 --> 00:45:07,510 柳瀬さん。 この男が どれほど 真剣に➡ 413 00:45:07,510 --> 00:45:12,498 この事件と 向き合ってるか あんたに お分かりですか? 414 00:45:12,498 --> 00:45:18,538 それは もう 分かってます。 でも…。 415 00:45:18,538 --> 00:45:23,526 殺されたのが 自分の 家族だからでは ありません。 416 00:45:23,526 --> 00:45:26,546 こいつは あんたの無実を 晴らすために➡ 417 00:45:26,546 --> 00:45:29,546 命懸けで 闘ってんだ。 418 00:45:31,534 --> 00:45:37,473 30年前の事件を 一から 洗い直し➡ 419 00:45:37,473 --> 00:45:39,442 あなたという人物を 知るために➡ 420 00:45:39,442 --> 00:45:42,478 血の にじむような努力を 重ねてる。 421 00:45:42,478 --> 00:45:46,465 ほらや はったりじゃなく こいつは 本当に➡ 422 00:45:46,465 --> 00:45:52,505 心ん中で 血を流してるんだ。 そこまで やって➡ 423 00:45:52,505 --> 00:45:56,492 あんたという男を 嫌というほど 知った上で➡ 424 00:45:56,492 --> 00:46:00,492 いつまで あんたの つく 嘘に 振り回されてると 思いますか? 425 00:46:02,498 --> 00:46:09,498 柳瀬さん。 質問には 私が お答えします。 426 00:46:11,490 --> 00:46:14,510 今 私が 真犯人と 目してる人物は➡ 427 00:46:14,510 --> 00:46:18,497 事件のことを 何も話していません。 428 00:46:18,497 --> 00:46:25,504 話したくても 話せない。 そう 言った方が 正確でしょう。 429 00:46:25,504 --> 00:46:27,523 話したくても 話せない? 430 00:46:27,523 --> 00:46:33,462 その人物は すでに この世に いないからです。 431 00:46:33,462 --> 00:46:38,462 死んだってことですか? そのとおりです。 432 00:46:40,469 --> 00:46:44,473 それじゃ その人が 犯人なんて 証拠 どこにもないじゃないですか。 433 00:46:44,473 --> 00:46:46,459 (柳瀬)真犯人 真犯人って➡ 434 00:46:46,459 --> 00:46:48,477 どんなネタ 見つけたか 知りませんけど➡ 435 00:46:48,477 --> 00:46:51,464 本人が 死んでるんじゃ 何の 証明も できないじゃないですか。 436 00:46:51,464 --> 00:46:57,470 ほっとしたようですね。 犯人が死んだと 聞いて。 437 00:46:57,470 --> 00:47:01,490 あなたは ずっと 恐れてきたんです。 438 00:47:01,490 --> 00:47:08,481 本当の犯人が 現れて 真実を 話してしまうことを。 439 00:47:08,481 --> 00:47:12,485 事件の直後。 逮捕されるまでの 数日も。 440 00:47:12,485 --> 00:47:15,504 冤罪を訴えてからも。 死刑を 受け入れてからも。 441 00:47:15,504 --> 00:47:19,475 今日までの 30年間 ずっとです。 (柳瀬)真実も 何も。➡ 442 00:47:19,475 --> 00:47:22,495 私が やったことが 事実ですから。 443 00:47:22,495 --> 00:47:27,495 では あなたは 赤ちゃんを 殺したんですか? 444 00:47:29,485 --> 00:47:33,439 殺したんですか? 445 00:47:33,439 --> 00:47:36,442 他人の罪を かぶってでも 隠したかったこと。 446 00:47:36,442 --> 00:47:38,461 あなたと 犯人しか 知らない真実。 447 00:47:38,461 --> 00:47:43,461 それは 赤ちゃんも 殺されていたと いうことです。 448 00:47:45,451 --> 00:47:50,473 そして その 殺されていた 赤ちゃんは➡ 449 00:47:50,473 --> 00:47:54,477 大富 祐介だった。 450 00:47:54,477 --> 00:47:56,479 あなたが 殺したんですか? 451 00:47:56,479 --> 00:48:00,483 大切な息子と 同じ まだ 生後 6カ月の 大富 祐介を。 452 00:48:00,483 --> 00:48:05,471 何を 言ってるんですか? あの子は 死んでなんか いません。 453 00:48:05,471 --> 00:48:07,473 だったら 柳瀬さん。 454 00:48:07,473 --> 00:48:10,493 どこに いるんです? 大富 祐介は。 455 00:48:10,493 --> 00:48:12,495 (柳瀬)どこにって。➡ 456 00:48:12,495 --> 00:48:16,465 ここに こうして 私の目の前に いるじゃないですか。 457 00:48:16,465 --> 00:48:20,503 八王子から 戻って あなたは 見たんです。 458 00:48:20,503 --> 00:48:22,521 両親と 祖父と 一緒に➡ 459 00:48:22,521 --> 00:48:26,521 冷たい むくろになって 転がっている 大富 祐介を。 460 00:48:28,511 --> 00:48:36,511 柳瀬さん。 あなたは そのとき まず 何を思いましたか? 461 00:48:38,471 --> 00:48:43,459 まあ 普通だったら 警察に 通報するところでしょうけど➡ 462 00:48:43,459 --> 00:48:47,463 あなた そう しなかった。 463 00:48:47,463 --> 00:48:52,468 大富さんとは 前の日に 知り合ったばかりだ。 464 00:48:52,468 --> 00:48:55,454 犯人の見当なんざ つくわけも ねえし➡ 465 00:48:55,454 --> 00:48:58,474 かばうってことは 考えられねえ。 466 00:48:58,474 --> 00:49:02,461 となると どうして 赤ん坊まで 殺した➡ 467 00:49:02,461 --> 00:49:09,468 冷酷無比な犯人を 野放しに したんでしょう? 468 00:49:09,468 --> 00:49:15,474 理由は 一つしか ありません。 あなたには 大富 祐介が➡ 469 00:49:15,474 --> 00:49:17,493 生きてることに しなければ ならない 理由があったからです。 470 00:49:17,493 --> 00:49:20,479 違います。 あの子は ホントに 死んでなんか いません。 471 00:49:20,479 --> 00:49:23,479 (刑務官)柳瀬。 座りなさい。 472 00:49:27,520 --> 00:49:32,441 胃がんを 患い 先行きを案じた あなたは➡ 473 00:49:32,441 --> 00:49:35,444 光男を あかねさんの実家に 託すつもりで 東京に出てきた。 474 00:49:35,444 --> 00:49:40,416 ところが 花木さんは 耳さえ 貸してくれませんでした。 475 00:49:40,416 --> 00:49:44,453 もし 自分が 死んだら 光男は どうなってしまうのか? 476 00:49:44,453 --> 00:49:48,474 途方に暮れて 大富家へ 戻ってみると➡ 477 00:49:48,474 --> 00:49:52,445 そこは 凄惨な殺人現場と 化していた。 478 00:49:52,445 --> 00:49:57,450 大富 祐介を 含めた 一家4人が 皆殺しにされ➡ 479 00:49:57,450 --> 00:50:00,469 たった一人 生き残っていたのは➡ 480 00:50:00,469 --> 00:50:06,492 犯人に気付かれずに済んだ あなたの息子 光男だけだった。 481 00:50:06,492 --> 00:50:11,480 そこで あなたは 思い当たった。 花木さんの代わりに➡ 482 00:50:11,480 --> 00:50:14,467 光男を預ける 格好の夫婦が いることに。 483 00:50:14,467 --> 00:50:18,471 その夫婦とは 大富 晴香の 姉夫婦で➡ 484 00:50:18,471 --> 00:50:21,474 大学教員の 浅利 孝信と 由美子です。 485 00:50:21,474 --> 00:50:24,493 もう いいかげんにしてください。 486 00:50:24,493 --> 00:50:26,462 おそらく 前の晩➡ 487 00:50:26,462 --> 00:50:30,483 ニューヨークにいた 浅利夫婦の 話題が 出たんでしょう。 488 00:50:30,483 --> 00:50:33,419 祐介が 生き残ったとなれば➡ 489 00:50:33,419 --> 00:50:37,456 間違いなく 夫婦は 引き取って 育てるに違いない。 490 00:50:37,456 --> 00:50:42,411 そう 思い付いた あなたは とっさに 何をしたか? 491 00:50:42,411 --> 00:50:45,431 入れ替えたんです。 492 00:50:45,431 --> 00:50:49,431 死んだ 祐介と 生き残った 光男を。 493 00:50:51,454 --> 00:50:57,454 その瞬間 祐介は 光男になり 光男は 祐介となった。 494 00:51:02,431 --> 00:51:06,452 私を よく 見てください。 495 00:51:06,452 --> 00:51:12,475 30年間 自分自身の存在を 疑ったことさえ ありません。 496 00:51:12,475 --> 00:51:19,465 でも ここにいる この私は 浅利 祐介じゃなかった。 497 00:51:19,465 --> 00:51:24,487 あなたと 河村あかねの間に 生まれた➡ 498 00:51:24,487 --> 00:51:27,487 柳瀬 光男だったんです。 499 00:51:29,475 --> 00:51:34,480 私は あなたの息子 柳瀬 光男です。 500 00:51:34,480 --> 00:51:47,480 ♬~