1 00:01:34,894 --> 00:01:36,896 (礼菜)祐介さん。 2 00:01:36,896 --> 00:01:38,914 (祐介)連絡は? 3 00:01:38,914 --> 00:01:41,917 (礼菜)お母さんの携帯 病室に 置きっ放しになってた。 4 00:01:41,917 --> 00:01:44,920 警察へは? 病院から 知らせるって。 5 00:01:44,920 --> 00:01:48,908 あんな体で いったい どこへ? 6 00:01:48,908 --> 00:01:52,928 (礼菜)もしかしたら 死ぬつもりなのかも。➡ 7 00:01:52,928 --> 00:01:55,948 意識が あったんだわ。 きっと あのとき。 8 00:01:55,948 --> 00:01:58,918 あのとき? お母さんを 責めたのよ。 9 00:01:58,918 --> 00:02:03,939 祐介さんから 話を聞いた晩 何もかも お母さんのせいだって。 10 00:02:03,939 --> 00:02:08,928 (礼菜)《何とか 言いなさいよ。 ねえ? 言い訳してみなさいよ》 11 00:02:08,928 --> 00:02:10,913 (礼菜)《もう いいんじゃない? お母さん》➡ 12 00:02:10,913 --> 00:02:15,951 《いっそのこと 楽になった方が》 (心電計の 警告音) 13 00:02:15,951 --> 00:02:24,951 (心電計の 警告音) (あかね)《ご… めん… ね》 14 00:02:26,962 --> 00:02:31,934 (礼菜)分かってたのよ。 私が 何をしようとしたか。 15 00:02:31,934 --> 00:02:34,903 だから きっと 自分から 命を…。 16 00:02:34,903 --> 00:02:37,906 とにかく 捜そう。 17 00:02:37,906 --> 00:02:40,906 思い当たるところを 片っ端から。 18 00:03:36,899 --> 00:03:49,895 ♬~ 19 00:03:49,895 --> 00:03:52,898 (柳瀬)《見えるか? 光男》➡ 20 00:03:52,898 --> 00:03:55,918 《奇麗だな》 21 00:03:55,918 --> 00:04:07,946 ♬~ 22 00:04:07,946 --> 00:04:11,946 《弁護士の 浅利 祐介と 申します》 23 00:04:14,953 --> 00:04:20,943 《生まれたときの名前は 大富 祐介》 24 00:04:20,943 --> 00:04:32,888 ♬~ 25 00:04:32,888 --> 00:04:35,874 《あなたが犯した 本当の罪は➡ 26 00:04:35,874 --> 00:04:40,874 死刑に 匹敵するぐらい 私にとっては 重いんです》 27 00:04:43,882 --> 00:04:49,882 《今後 私は あなたを 父と呼ぶことは ありません》 28 00:04:57,913 --> 00:04:59,882 どうだった? 29 00:04:59,882 --> 00:05:03,902 知り合いに 聞いても 誰も 心当たり ないって。 30 00:05:03,902 --> 00:05:05,938 やっぱり お母さん 死ぬつもりで…。 31 00:05:05,938 --> 00:05:07,923 他に 何か言ってなかった? 32 00:05:07,923 --> 00:05:10,926 どうしても 会っておきたい人とか やっておきたいこととか。 33 00:05:10,926 --> 00:05:13,946 お別れの挨拶状さえ 作ってしまえば➡ 34 00:05:13,946 --> 00:05:16,932 後は もう 未練は ないって。 35 00:05:16,932 --> 00:05:20,936 あっ。 待って。 そういえば…。 36 00:05:20,936 --> 00:05:23,922 お墓の心配をしてた。 37 00:05:23,922 --> 00:05:26,942 死んだ後 自分が 入ることになる お墓のことを。 38 00:05:26,942 --> 00:05:28,911 お墓? 39 00:05:28,911 --> 00:05:31,964 父の お墓は 千葉にあるの。 40 00:05:31,964 --> 00:05:33,866 (あかね)《私が 死んだら➡ 41 00:05:33,866 --> 00:05:37,870 あの お墓に 入れられるのよね? お父さんと 一緒に》 42 00:05:37,870 --> 00:05:40,873 《急に 何を 言いだすのかと 思ったら》 43 00:05:40,873 --> 00:05:43,876 (あかね)《入りたくない。 あそこにだけは》 44 00:05:43,876 --> 00:05:45,878 《えっ?》 45 00:05:45,878 --> 00:05:48,897 (あかね)《お願いよ。 礼菜。 私が 死んだら➡ 46 00:05:48,897 --> 00:05:51,884 お骨は 海にでも まいて 捨てちゃって》 47 00:05:51,884 --> 00:05:56,884 《あの お墓にだけは 絶対に 入れないでちょうだいね》 48 00:05:58,907 --> 00:06:02,895 どうして もっと 近くに お墓を 建てなかったのか➡ 49 00:06:02,895 --> 00:06:06,882 前から 不思議に思ってたの。 50 00:06:06,882 --> 00:06:21,914 ♬~ 51 00:06:21,914 --> 00:06:36,845 ♬~ 52 00:06:36,845 --> 00:06:53,845 ♬~ 53 00:07:22,925 --> 00:07:36,855 ♬~ 54 00:07:36,855 --> 00:07:51,870 ♬~ 55 00:07:51,870 --> 00:08:06,868 ♬~ 56 00:08:06,868 --> 00:08:14,893 ♬~ 57 00:08:14,893 --> 00:08:16,895 あった。 58 00:08:16,895 --> 00:08:27,889 ♬~ 59 00:08:27,889 --> 00:08:32,878 うっ。 うっ…。 60 00:08:32,878 --> 00:08:40,878 ♬~ 61 00:08:42,854 --> 00:08:45,854 おそらく この 一角の どこかに。 62 00:08:55,867 --> 00:08:57,867 (礼菜)お母さん! 63 00:08:59,888 --> 00:09:01,888 (礼菜)お母さん。 64 00:09:04,893 --> 00:09:06,912 お母さん。 しっかりして。 65 00:09:06,912 --> 00:09:08,912 すぐに 救急車を。 はい。 66 00:09:20,909 --> 00:09:22,878 これは…。 67 00:09:22,878 --> 00:09:25,897 (礼菜)救急車。 すぐ 来るって。 68 00:09:25,897 --> 00:09:32,897 ♬~ 69 00:09:39,878 --> 00:09:44,850 (刑事)30年前の事件って…。 いわゆる 阿佐ヶ谷事件です。 70 00:09:44,850 --> 00:09:48,870 これが 真犯人が 使用した 凶器の包丁と➡ 71 00:09:48,870 --> 00:09:50,889 犯行時に 着用して 返り血を浴びた 衣類に➡ 72 00:09:50,889 --> 00:09:52,889 間違いありません。 73 00:09:54,876 --> 00:09:57,879 (バイブレーターの音) 74 00:09:57,879 --> 00:09:59,881 (バイブレーターの音) すいません。 75 00:09:59,881 --> 00:10:03,902 (バイブレーターの音) 76 00:10:03,902 --> 00:10:06,872 はい。 (澤田)ご苦労さん。 77 00:10:06,872 --> 00:10:08,890 回収品は いったん 警察に預けます。 78 00:10:08,890 --> 00:10:12,894 (澤田)まさかとは思うが あかねが 事件 そのものに➡ 79 00:10:12,894 --> 00:10:14,913 関わってるってことは ねえだろうな? 80 00:10:14,913 --> 00:10:16,898 あかねの実家を 襲おうとしたんです。 81 00:10:16,898 --> 00:10:18,884 さすがに それは ないでしょう。 82 00:10:18,884 --> 00:10:20,902 (澤田)うん…。 83 00:10:20,902 --> 00:10:22,888 あかねは 河村が 犯人だと いうことを 知っていた。 84 00:10:22,888 --> 00:10:25,907 知った その上で 新しく 墓を建てて➡ 85 00:10:25,907 --> 00:10:31,913 凶器と 衣類を 隠したんです。 決定的な 証拠です。 86 00:10:31,913 --> 00:10:35,851 これで 柳瀬は 間違いなく 無罪を 勝ち取れます。 87 00:10:35,851 --> 00:10:39,838 (澤田)その柳瀬がな お前さんに 会いたいそうだ。 88 00:10:39,838 --> 00:10:41,857 えっ? 89 00:10:41,857 --> 00:10:43,859 (澤田)拘置所から 連絡があった。 90 00:10:43,859 --> 00:10:45,861 (澤田)やっこさんの方から➡ 91 00:10:45,861 --> 00:10:47,861 お前に 会わせてほしいって 言ってるってよ。 92 00:13:10,906 --> 00:13:12,906 ≪(ドアの開く音) 93 00:13:25,937 --> 00:13:28,974 (柳瀬)お呼び立てして 恐縮です。 94 00:13:28,974 --> 00:13:32,894 お話を 伺いましょう。 95 00:13:32,894 --> 00:13:35,880 その前に 一言 お礼を 言わしてください。 96 00:13:35,880 --> 00:13:37,916 お礼? 97 00:13:37,916 --> 00:13:42,904 (柳瀬)あなたは 私のことを 信じると 言ってくださった。➡ 98 00:13:42,904 --> 00:13:47,876 柳瀬 光三は 罪を犯してない。 誰一人 殺してない。 99 00:13:47,876 --> 00:13:50,912 そう おっしゃってくださった。➡ 100 00:13:50,912 --> 00:13:53,915 あなたに お目に かかれたこと。➡ 101 00:13:53,915 --> 00:13:56,935 そして 私を 信じてくださったこと。 102 00:13:56,935 --> 00:14:03,925 それは この 30年間 牢獄に つながれてきた 私にとって➡ 103 00:14:03,925 --> 00:14:06,928 何より うれしい 出来事でした。 104 00:14:06,928 --> 00:14:10,928 ホントに ありがとうございました。 105 00:14:13,952 --> 00:14:21,943 認めると いうことですね? 無実の罪を 自ら かぶったこと。 106 00:14:21,943 --> 00:14:24,946 はい。 107 00:14:24,946 --> 00:14:29,951 私が あなたを信じたことが そんなに うれしかったのなら➡ 108 00:14:29,951 --> 00:14:31,936 その時点で 何もかも➡ 109 00:14:31,936 --> 00:14:34,906 認めるべきだったんじゃ ありませんか? 110 00:14:34,906 --> 00:14:39,878 30年前。 私は 胃がんに 侵されていて➡ 111 00:14:39,878 --> 00:14:42,897 すぐに 死ぬんだと 思ってました。 112 00:14:42,897 --> 00:14:48,903 だから 迷わず 罪を 認めたんです。 113 00:14:48,903 --> 00:14:52,907 真犯人が 出てきて 余計なこと 言いだす前に➡ 114 00:14:52,907 --> 00:14:56,928 私が 犯人になってしまえば 息子は…。 115 00:14:56,928 --> 00:15:03,918 あなたは 無事 安全なところで 育ってくれる。 116 00:15:03,918 --> 00:15:10,892 たった一つ それだけが 私の願いでした。➡ 117 00:15:10,892 --> 00:15:13,895 ですが 私は 死ななかった。 118 00:15:13,895 --> 00:15:19,934 国の お金で 手厚い治療を受け 生かされてしまった。➡ 119 00:15:19,934 --> 00:15:22,921 折から 津村先生に➡ 120 00:15:22,921 --> 00:15:25,957 自白を 撤回するよう 勧められていました。➡ 121 00:15:25,957 --> 00:15:29,944 初めのうちこそ 迷っていましたが➡ 122 00:15:29,944 --> 00:15:33,882 私の中で だんだん➡ 123 00:15:33,882 --> 00:15:39,854 どうしようもない 欲が 膨れ上がってったんです。 124 00:15:39,854 --> 00:15:42,891 息子に 会いたい。 一目でいい。 125 00:15:42,891 --> 00:15:47,912 陰ながらでも 構わない。 成長した 息子を 見てみたい。 126 00:15:47,912 --> 00:15:53,885 そのためには ここから 出るしかない。 127 00:15:53,885 --> 00:15:58,890 そうだ。 ここを出て 会いに行けば いいんだ。➡ 128 00:15:58,890 --> 00:16:03,895 不意に 芽生えた 希望でした。 129 00:16:03,895 --> 00:16:11,936 それで 津村弁護士を頼って 無実を 証すことに。 130 00:16:11,936 --> 00:16:15,924 私は 潔白なんだ。 これは 正当な要求なんだ。 131 00:16:15,924 --> 00:16:17,909 実際 何も やっちゃいないんだから➡ 132 00:16:17,909 --> 00:16:20,929 再審を請求して 何が悪い?➡ 133 00:16:20,929 --> 00:16:25,934 そう 自分に 言い訳をして 津村先生に おすがりしました。 134 00:16:25,934 --> 00:16:29,938 なぜ 言い訳を? 135 00:16:29,938 --> 00:16:33,842 自分の犯した 本当の罪を 棚に上げて➡ 136 00:16:33,842 --> 00:16:36,878 まるで 何も なかったことのように しようとしていたからです。 137 00:16:36,878 --> 00:16:39,878 祐介と 光男を 入れ替えたことですね? 138 00:16:41,866 --> 00:16:43,885 真相を 闇に葬って➡ 139 00:16:43,885 --> 00:16:48,907 自分の思いどおりに 事実を ねじ曲げたことですね? 140 00:16:48,907 --> 00:16:51,876 おっしゃるとおりです。➡ 141 00:16:51,876 --> 00:16:53,878 憎まれたって 構わない。➡ 142 00:16:53,878 --> 00:16:56,865 どんなに あなたに 恨まれようが 本望だ。➡ 143 00:16:56,865 --> 00:16:59,884 そう 思って やったことなのに。➡ 144 00:16:59,884 --> 00:17:07,892 光男の…。 あなたの 幼いころの面影が➡ 145 00:17:07,892 --> 00:17:14,892 まざまざと 目に浮かんで 覚悟を 貫き通せませんでした。 146 00:17:19,938 --> 00:17:23,925 (柳瀬)三度の再審と 闘って 三度とも 敗れ➡ 147 00:17:23,925 --> 00:17:26,895 津村先生が お亡くなりに なったとき➡ 148 00:17:26,895 --> 00:17:30,915 自分の甘さを 痛感しました。➡ 149 00:17:30,915 --> 00:17:34,915 それで ようやく 諦めが ついたんです。 150 00:17:37,872 --> 00:17:43,878 (柳瀬)ところが そこへ 今度は あなたが 現れた。➡ 151 00:17:43,878 --> 00:17:48,900 私は あなたに お会いできて 喜びに 震えました。➡ 152 00:17:48,900 --> 00:17:53,900 うれしくて うれしくて まるで 夢を見てるようでした。 153 00:17:55,874 --> 00:17:58,977 (柳瀬)しかし その一方で➡ 154 00:17:58,977 --> 00:18:01,863 あなたが 弁護士になったこと 知って➡ 155 00:18:01,863 --> 00:18:06,901 あらためて 後悔に 打ちのめされました。➡ 156 00:18:06,901 --> 00:18:11,890 私が 自白を 撤回しなければ 再審なんか 請求しなければ➡ 157 00:18:11,890 --> 00:18:16,911 とっくに 処刑されて この世から消えていたはずなのに。 158 00:18:16,911 --> 00:18:20,932 私が ねじ曲げた そのままが 事実になって➡ 159 00:18:20,932 --> 00:18:23,902 誰にも 気付かれずに 終わったはずなのに。➡ 160 00:18:23,902 --> 00:18:26,905 悔やんでも 悔やんでも 後の祭りです。➡ 161 00:18:26,905 --> 00:18:31,926 自分の愚かさを 責めるより他 ありませんでした。 162 00:18:31,926 --> 00:18:34,846 私が 弁護士になったのは きっと➡ 163 00:18:34,846 --> 00:18:38,866 あなた自身が 導いた 運命なんです。 164 00:18:38,866 --> 00:18:40,852 私自身が? 165 00:18:40,852 --> 00:18:45,873 30年前 あなたが 祐介と 光男を 入れ替えた その瞬間に➡ 166 00:18:45,873 --> 00:18:48,876 運命は 動きだした。 167 00:18:48,876 --> 00:18:52,864 あなたが 私を ここへ呼んだんです。 168 00:18:52,864 --> 00:18:58,853 (柳瀬)私は あなたを 苦しめたくなかった。 169 00:18:58,853 --> 00:19:04,892 私は ただ あなたに 幸せになってほしかった。 170 00:19:04,892 --> 00:19:11,883 たった一つ。 これだけが 私の願いだったんです。 171 00:19:11,883 --> 00:19:18,906 苦しみました。 あなたの願いとは 裏腹に。 172 00:19:18,906 --> 00:19:24,912 僕だけじゃない。 みんなが 苦しみ抜きました。 173 00:19:24,912 --> 00:19:26,898 僕を引き取った 養父母は➡ 174 00:19:26,898 --> 00:19:32,854 あなたの子だと 知りながら 僕を 祐介として 育てました。 175 00:19:32,854 --> 00:19:38,854 気付いていたんですよ。 僕が 柳瀬 光男だってことに。 176 00:19:40,845 --> 00:19:44,832 今回の きっかけを つくった 河村 礼菜さんは➡ 177 00:19:44,832 --> 00:19:50,872 同じ母親から 生まれた 僕の妹だった。 178 00:19:50,872 --> 00:19:55,877 もし その事実を 知らずにいたら 僕と 礼菜さんは 間違いなく➡ 179 00:19:55,877 --> 00:20:00,865 道ならぬ道へ 落ちていたでしょう。 180 00:20:00,865 --> 00:20:03,885 僕らの母親である あかねも また➡ 181 00:20:03,885 --> 00:20:07,889 ねじ曲げられた 事実に 苦しめられてきた 一人です。 182 00:20:07,889 --> 00:20:09,874 あかねが? 183 00:20:09,874 --> 00:20:13,878 あかねは 本当の犯人を 知っていたんです。 184 00:20:13,878 --> 00:20:18,883 どうして あかねが? 河村 真二を ご存じですか? 185 00:20:18,883 --> 00:20:20,902 河村って。 186 00:20:20,902 --> 00:20:23,871 あかねを 甲府まで 追い掛けてきて➡ 187 00:20:23,871 --> 00:20:26,908 あなたの元から 連れ去った男です。 188 00:20:26,908 --> 00:20:30,908 まさか その 河村が? 189 00:20:33,865 --> 00:20:38,865 大富一家を 殺害した 本当の犯人です。 190 00:20:41,856 --> 00:20:44,842 河村は あなたと 同じように➡ 191 00:20:44,842 --> 00:20:48,846 花木さん一家が 八王子へ 引っ越したことを 知らなかった。 192 00:20:48,846 --> 00:20:53,868 金目当てだったのか? それとも 金の恨みだったのか? 193 00:20:53,868 --> 00:20:58,856 一家を 皆殺しにするつもりで 阿佐ヶ谷の家に行って➡ 194 00:20:58,856 --> 00:21:02,877 人違いの 家族違いの殺害を 起こしたんです。 195 00:21:02,877 --> 00:21:06,864 えっ!? あかねは 河村の墓に➡ 196 00:21:06,864 --> 00:21:11,886 凶器の包丁と 返り血を浴びた 衣類を 隠していた。 197 00:21:11,886 --> 00:21:13,888 昨日 病院を 抜け出して➡ 198 00:21:13,888 --> 00:21:16,874 それらの品物を 処分しようとしました。 199 00:21:16,874 --> 00:21:18,860 つまり 当然➡ 200 00:21:18,860 --> 00:21:20,862 あかねは あなたが 犯人ではないと➡ 201 00:21:20,862 --> 00:21:22,880 分かっていたことになる。 202 00:21:22,880 --> 00:21:27,902 当時 河村とは 婚姻関係に あったとはいえ➡ 203 00:21:27,902 --> 00:21:30,888 あなたを見捨てる形で 河村を かばったのは➡ 204 00:21:30,888 --> 00:21:34,892 決して 簡単な選択では なかったはずです。 205 00:21:34,892 --> 00:21:40,915 あなたは そうやって みんなを とてつもない苦しみに追いやった。 206 00:21:40,915 --> 00:21:47,905 しかも その もともとの原因は 光男だった。 この僕だった。 207 00:21:47,905 --> 00:21:50,908 あなたが 僕を思って したことが➡ 208 00:21:50,908 --> 00:21:52,944 こんなにも 多くの人たちを 苦しめた。 209 00:21:52,944 --> 00:21:56,948 それを 僕は どう 受け止めれば いいんですか? 210 00:21:56,948 --> 00:22:00,935 私は 本当に 愚かな父親です。 211 00:22:00,935 --> 00:22:03,938 なぜ 2人を 入れ替えたんですか? 212 00:22:03,938 --> 00:22:06,958 どうして すぐに 警察に 連絡をしなかったんですか? 213 00:22:06,958 --> 00:22:09,927 阿佐ヶ谷の家に 戻ったときに。 214 00:22:09,927 --> 00:22:13,948 わが子の 先行きばかり 考えて➡ 215 00:22:13,948 --> 00:22:15,950 冷静な判断が できなくなっていました。 216 00:22:15,950 --> 00:22:18,920 人が 殺されているんですよ。 217 00:22:18,920 --> 00:22:22,940 赤ちゃんまで 巻き込まれて 4人が 死んでいたんですよ。 218 00:22:22,940 --> 00:22:26,978 それも 見ず知らずの あなたに➡ 219 00:22:26,978 --> 00:22:30,948 救いの手を 差し伸べてくれた 人たちじゃ ありませんか。 220 00:22:30,948 --> 00:22:35,903 覚えているでしょう あの光景を。 忘れたとは 言わせません。 221 00:22:35,903 --> 00:22:39,891 忘れたことは ありません。 222 00:22:39,891 --> 00:22:42,910 現実とは 思えないような ありさまでした。 223 00:22:42,910 --> 00:22:47,899 現実です。 僕は そこに いたんです。 224 00:22:47,899 --> 00:22:52,920 血まみれの現場で あなたの帰りを 待っていたんです。 225 00:22:52,920 --> 00:22:54,889 はい。 226 00:22:54,889 --> 00:23:10,922 ♬~ 227 00:23:10,922 --> 00:23:18,922 (柳瀬)《光男? 光男? 光男!》 228 00:23:25,937 --> 00:23:31,959 (柳瀬)あなたは おとなしく いい子にして➡ 229 00:23:31,959 --> 00:23:34,959 私の帰りを 待っていた。 230 00:23:36,881 --> 00:23:39,881 (柳瀬)《生きてた》 231 00:23:41,886 --> 00:23:48,886 (柳瀬)《光男。 光男。 光男》 232 00:23:51,896 --> 00:23:54,916 河村は 最後まで➡ 233 00:23:54,916 --> 00:23:57,916 そこに 光男が いることに 気が付かなかった。 234 00:23:59,904 --> 00:24:02,907 幼い あなたは➡ 235 00:24:02,907 --> 00:24:06,928 奥さんが 着せてくださった ベビー服に くるまれて➡ 236 00:24:06,928 --> 00:24:10,898 何も知らずに すやすやと。➡ 237 00:24:10,898 --> 00:24:17,922 頼みの綱だった 花木さんに 光男を預かれないと 断られて➡ 238 00:24:17,922 --> 00:24:21,943 もう 2人 一緒に 死ぬしかないと 思ってました。➡ 239 00:24:21,943 --> 00:24:30,952 でも あなたは この世の 地獄のような 部屋の中で➡ 240 00:24:30,952 --> 00:24:34,889 たった一人 生き延びていた。 241 00:24:34,889 --> 00:24:38,889 (柳瀬)《怖かったろ? 怖かったな?》 242 00:24:46,884 --> 00:25:01,882 ♬~ 243 00:25:01,882 --> 00:25:13,928 ♬~ 244 00:25:13,928 --> 00:25:17,928 (柳瀬)《どうか お許しください》 245 00:25:19,934 --> 00:25:22,920 (柳瀬)前の晩に 聞いていた➡ 246 00:25:22,920 --> 00:25:26,941 奥さんの お姉さん夫婦のことが 頭にありました。➡ 247 00:25:26,941 --> 00:25:30,961 大丈夫。 きっと うまくいく。➡ 248 00:25:30,961 --> 00:25:36,867 祈るような思いで あなたと 祐介君を 入れ替えて➡ 249 00:25:36,867 --> 00:25:40,888 その場に 置いていくことに したんです。 250 00:25:40,888 --> 00:25:46,894 (柳瀬)《お別れだ 光男。 いいか? 光男》➡ 251 00:25:46,894 --> 00:25:52,883 《今日から お前は 光男じゃなくて➡ 252 00:25:52,883 --> 00:25:55,903 祐介として 生きてくんだ》 253 00:25:55,903 --> 00:25:58,873 《お前 絶対 幸せになれる》 254 00:25:58,873 --> 00:26:06,897 《パパな 死ぬまで。 いや。 死んでからも ずっと➡ 255 00:26:06,897 --> 00:26:09,897 お前の幸せ 祈ってるからな》 256 00:26:13,904 --> 00:26:21,904 《ごめんな。 こんな父親で。 ごめんな》 257 00:26:29,937 --> 00:26:46,937 (泣き声) 258 00:26:49,874 --> 00:26:52,874 (柳瀬)申し訳ありませんでした。 259 00:26:55,896 --> 00:27:01,886 祐介の遺体を どこに 隠したんですか? 260 00:27:01,886 --> 00:27:06,891 遺体の隠し場所を 含めた あなたの供述と➡ 261 00:27:06,891 --> 00:27:10,895 今回 発見された 証拠の品を 揃えて➡ 262 00:27:10,895 --> 00:27:14,915 再審請求の 手続きを 行います。 263 00:27:14,915 --> 00:27:17,902 それが あなたの 償いなんです。 264 00:27:17,902 --> 00:27:22,902 これから あなたの 本当の償いが 始まるんです。 265 00:27:28,913 --> 00:27:35,870 (柳瀬)償いは 私自身が 思う形で いたします。 266 00:27:35,870 --> 00:27:38,856 どういうことですか? 267 00:27:38,856 --> 00:27:42,877 四度目の 再審請求は いたしません。 268 00:27:42,877 --> 00:27:44,862 何だって!? 269 00:27:44,862 --> 00:27:52,870 私が犯した罪は 死をもってしか 償えない。 そう 思うからです。➡ 270 00:27:52,870 --> 00:27:55,873 今 私が 再び 冤罪を主張し➡ 271 00:27:55,873 --> 00:27:58,893 息子と 祐介君を 入れ替えたことを 公にしたら➡ 272 00:27:58,893 --> 00:28:01,896 ますます 不幸の連鎖が 広がっていく。 273 00:28:01,896 --> 00:28:07,885 おそらく 一番 苦しい思いを するのは 河村 礼菜さんでしょう。 274 00:28:07,885 --> 00:28:09,870 (柳瀬)そんなことに なるぐらいなら➡ 275 00:28:09,870 --> 00:28:13,874 このまま 私が 阿佐ヶ谷事件の 犯人として➡ 276 00:28:13,874 --> 00:28:17,912 処刑された方がいい。 それじゃ 罪を償えない。 277 00:28:17,912 --> 00:28:22,917 どっちみち 法律的な罪は 償えません。➡ 278 00:28:22,917 --> 00:28:27,917 死刑は 私にとって 心の償いなんです。 279 00:28:31,909 --> 00:28:34,845 初めっから そのつもりだったのか? 280 00:28:34,845 --> 00:28:39,850 再審を 求めるか 求めないか 最後の決定権を 振りかざして➡ 281 00:28:39,850 --> 00:28:42,850 僕を突き放す つもりだったのか? 282 00:28:45,873 --> 00:28:52,863 今日 あなたと お話をして 初めて 事件の真相を 知りました。 283 00:28:52,863 --> 00:28:58,886 あなたの 育ての ご両親。 礼菜さん。 あかね。 284 00:28:58,886 --> 00:29:02,907 皆さんの 耐え難い 苦しみを 伺って➡ 285 00:29:02,907 --> 00:29:08,896 あらためて 自分の決断が 正しいと 確信しました。 286 00:29:08,896 --> 00:29:13,901 あんまりじゃないか。 僕を 見放すなんて。 287 00:29:13,901 --> 00:29:19,907 あなたが 見捨てるんです。 今日かぎり この私を。 288 00:29:19,907 --> 00:29:21,907 僕が? 289 00:29:23,894 --> 00:29:30,901 あなたは 一生 私のことを 父と呼ばないと 言った。➡ 290 00:29:30,901 --> 00:29:35,901 あなたも 光男には戻れないし 戻る必要もない。 291 00:29:40,844 --> 00:29:46,844 この場で 私との縁は 断ち切るべきなんです。 292 00:29:48,869 --> 00:29:52,869 どこまで 身勝手なんだ? あんたって人は。 293 00:29:54,875 --> 00:29:57,861 お別れです。 逃げるのか? 294 00:29:57,861 --> 00:30:02,883 30年前 僕を 置き去りに したときのように➡ 295 00:30:02,883 --> 00:30:06,883 また 僕に 背中を向けて 一人で 行ってしまうのか? 296 00:30:15,863 --> 00:30:18,899 (柳瀬)《光男》 297 00:30:18,899 --> 00:30:24,872 どうか お元気で。 298 00:30:24,872 --> 00:30:38,852 ♬~ 299 00:30:38,852 --> 00:30:45,859 待ってくれ。 行くな。 行かないでくれ! 300 00:30:45,859 --> 00:30:53,867 ♬~ 301 00:30:53,867 --> 00:30:55,886 (中川)行くぞ。 302 00:30:55,886 --> 00:31:11,885 ♬~ 303 00:31:11,885 --> 00:31:20,885 ♬~ 304 00:32:59,910 --> 00:33:04,910 ≪(戸の開閉音) 305 00:33:11,922 --> 00:33:15,922 祐介さん。 来てくれたのね? 306 00:33:17,911 --> 00:33:21,915 まだ 眠ったまま? 307 00:33:21,915 --> 00:33:25,936 (礼菜)焦ったのね。 お母さん。➡ 308 00:33:25,936 --> 00:33:30,958 このまま死んで あの お墓に 入れられたら➡ 309 00:33:30,958 --> 00:33:34,895 隠しておいたものが 見つかってしまうから。➡ 310 00:33:34,895 --> 00:33:39,895 見ないようにして 忘れたふりを しようとしてた。 311 00:33:41,902 --> 00:33:47,925 だから わざと 遠いところへ お墓を建てて。 312 00:33:47,925 --> 00:33:51,912 少し 休んだ方が いいんじゃない? 313 00:33:51,912 --> 00:33:54,882 分からないのよ 私には。 314 00:33:54,882 --> 00:33:56,917 どうして 父のしたことを 黙っていたのか?➡ 315 00:33:56,917 --> 00:34:01,922 父親と お兄さん夫婦 小さな おいっ子まで➡ 316 00:34:01,922 --> 00:34:04,975 殺すつもりだった人なのに。 317 00:34:04,975 --> 00:34:08,912 そんな人を かばってやって➡ 318 00:34:08,912 --> 00:34:12,933 どうして 無実の柳瀬さんが 死刑を 言い渡されても➡ 319 00:34:12,933 --> 00:34:15,933 知らん顔が できたのか? 320 00:34:20,941 --> 00:34:24,928 (礼菜)もう 何も 隠してないわよね? 321 00:34:24,928 --> 00:34:28,966 これで おしまいよね? お母さん。 322 00:34:28,966 --> 00:34:31,966 母が 目覚めるのが 怖い。 323 00:34:33,887 --> 00:34:37,875 母の口から 本当のことを 聞くのが 恐ろしい。 324 00:34:37,875 --> 00:34:51,872 ♬~ 325 00:34:51,872 --> 00:35:06,887 ♬~ 326 00:35:06,887 --> 00:35:20,934 ♬~ 327 00:35:20,934 --> 00:35:25,956 (澤田)まだ 眠ったまんまか? 河村あかねは。 328 00:35:25,956 --> 00:35:30,928 何だか このまま 目覚めない方が いいような気が してしまって。 329 00:35:30,928 --> 00:35:33,864 だけど それじゃ 礼菜に 面倒を おっかぶせて➡ 330 00:35:33,864 --> 00:35:35,866 逝くことに なっちまう。 331 00:35:35,866 --> 00:35:39,886 あかねだって 本望じゃねえはずだぜ。 332 00:35:39,886 --> 00:35:44,891 あかねは お前を捨てた 駄目な おふくろだけどよ➡ 333 00:35:44,891 --> 00:35:47,878 駄目は 駄目なりに お前さんの分もと 思って➡ 334 00:35:47,878 --> 00:35:51,915 一生懸命 礼菜 育ててきたんだろう。 335 00:35:51,915 --> 00:35:54,868 あかねが 目覚めて 河村のことを しゃべったところで➡ 336 00:35:54,868 --> 00:35:56,903 もう 意味 ありません。 337 00:35:56,903 --> 00:36:00,907 肝心の柳瀬が 再審を やらないと 言ってるんだから。 338 00:36:00,907 --> 00:36:04,895 また ずいぶんと あっさりと 諦めたもんだな。 339 00:36:04,895 --> 00:36:08,915 俺に言わせりゃ そいつは 身内の甘えだぜ。 340 00:36:08,915 --> 00:36:10,884 身内の甘え? 341 00:36:10,884 --> 00:36:14,921 お前さん。 心のどっかに 親父さん➡ 342 00:36:14,921 --> 00:36:17,908 このまま 死なせてやりてえって 気持ちが あんだろ? 343 00:36:17,908 --> 00:36:19,926 そんなこと 思ってません。 344 00:36:19,926 --> 00:36:21,912 だったら 何で もっと 食い下がらねえ? 345 00:36:21,912 --> 00:36:24,915 「何で」って 言われても。 お前みてえなやつは➡ 346 00:36:24,915 --> 00:36:26,933 はなっから 弁護士には 向いてねえってこった。 347 00:36:26,933 --> 00:36:28,935 いまさら 何 言ってるんですか? 348 00:36:28,935 --> 00:36:31,922 河村 礼菜が この話 持ってきたとき➡ 349 00:36:31,922 --> 00:36:33,874 お前は 被害者の 遺族という立場で➡ 350 00:36:33,874 --> 00:36:37,878 やつの弁護人を 務めることに 戸惑った。 351 00:36:37,878 --> 00:36:40,864 それだけだって 大概じゃないのによ。 352 00:36:40,864 --> 00:36:42,866 今度は 冤罪死刑囚の➡ 353 00:36:42,866 --> 00:36:45,886 実の息子という 立場まで 加わっちまった。 354 00:36:45,886 --> 00:36:48,872 「冷静になれ。 客観的になれ」ってったって➡ 355 00:36:48,872 --> 00:36:50,907 そりゃ 無理な話さ。 356 00:36:50,907 --> 00:36:53,894 僕は 冷静です。 客観的に 柳瀬を見てます。 357 00:36:53,894 --> 00:36:58,882 お前さん。 甲府で 昔の話を 聞いてきて➡ 358 00:36:58,882 --> 00:37:01,885 柳瀬の 息子に対する愛情に いたく 感激してたろ? 359 00:37:01,885 --> 00:37:05,906 あんときゃ まるで 熱に 浮かされたみてえだった。 360 00:37:05,906 --> 00:37:07,908 それなのに 今は どうしても➡ 361 00:37:07,908 --> 00:37:09,926 柳瀬のしたことが 許せねえと 言いやがる。 362 00:37:09,926 --> 00:37:11,895 揚げ句の果てには ぽいっと 投げ出しちまおうってか? 363 00:37:11,895 --> 00:37:13,880 あのときは まだ➡ 364 00:37:13,880 --> 00:37:16,900 赤ん坊を 入れ替えたなんて 知らなかったから。 365 00:37:16,900 --> 00:37:20,921 人ごとだったら 素直に 受け止められた 柳瀬の親心が➡ 366 00:37:20,921 --> 00:37:22,906 自分が 当事者だと 分かった途端➡ 367 00:37:22,906 --> 00:37:25,942 受け入れられなくなった。 368 00:37:25,942 --> 00:37:29,942 俺は そいつをな 身内の甘えだと 言ってんだ。 369 00:37:33,884 --> 00:37:37,871 所長には 理解できるんですか? あの男のしたことを。 370 00:37:37,871 --> 00:37:39,873 はばかりながら 俺だって 人の親だよ。 371 00:37:39,873 --> 00:37:42,859 何遍だって 考えたよ。 372 00:37:42,859 --> 00:37:48,882 俺が もし 柳瀬と おんなじ立場に 置かれたら どうするか? 373 00:37:48,882 --> 00:37:50,867 赤ん坊を 入れ替えるなんてことは➡ 374 00:37:50,867 --> 00:37:53,887 金輪際しねえと 言い切れるのか どうかってな。 375 00:37:53,887 --> 00:37:55,889 少なくとも 柳瀬は➡ 376 00:37:55,889 --> 00:38:00,877 お前のためになると 信じて 人生を 棒に振った。 377 00:38:00,877 --> 00:38:07,884 30年間 牢に つながれて 死と向かい合わせに 生きてきた。 378 00:38:07,884 --> 00:38:10,921 怖がることは ねえやな。 379 00:38:10,921 --> 00:38:16,910 そういう 親の心を もっと 素直に 受け止めてみねぇ。 380 00:38:16,910 --> 00:38:21,898 息子の 光男として 弁護士の 祐介として➡ 381 00:38:21,898 --> 00:38:26,920 お前にしか できねえことを よくよく 考えてみねぇ。 382 00:38:26,920 --> 00:38:37,864 ♬~ 383 00:38:37,864 --> 00:38:39,833 (柳瀬) 《お前 絶対に 幸せになれる》➡ 384 00:38:39,833 --> 00:38:45,872 《パパな 死ぬまで。 死んでから ずっと…》➡ 385 00:38:45,872 --> 00:38:48,875 《ずっと お前の幸せ 祈ってるからな》 386 00:38:54,881 --> 00:38:57,868 おはようございます。 所長。 387 00:38:57,868 --> 00:39:00,887 これから もう一度 柳瀬に会ってみます。 388 00:39:00,887 --> 00:39:04,875 所長が 言うように 怖がっていたんだと 思います。 389 00:39:04,875 --> 00:39:06,893 僕は 今まで。 390 00:39:06,893 --> 00:39:09,896 今度は もっと 素直な気持ちで 話します。 391 00:39:09,896 --> 00:39:11,865 面会を 拒否されるかも しれないけど➡ 392 00:39:11,865 --> 00:39:13,884 とことん しつこく 食い下がって➡ 393 00:39:13,884 --> 00:39:18,872 腹を割って 話せるように 頑張ります。 394 00:39:18,872 --> 00:39:27,898 柳瀬の 死刑執行が 決まったそうだ。 395 00:39:27,898 --> 00:39:29,900 えっ!? 396 00:39:29,900 --> 00:39:40,844 極秘情報だ。 法務大臣が 死刑執行 命令書に サインをした。 397 00:39:40,844 --> 00:39:43,880 本当ですか? 398 00:39:43,880 --> 00:39:50,871 刑の執行は 死刑執行 命令書に サインをしてから➡ 399 00:39:50,871 --> 00:40:01,865 5日以内だ。 むろん 本人が知るのは➡ 400 00:40:01,865 --> 00:40:04,868 当日の朝だ。 401 00:40:04,868 --> 00:40:10,868 そんな。 そんな バカな!? 402 00:42:16,900 --> 00:42:19,919 柳瀬 光三は 無実です。 確かな証拠が あるんです。 403 00:42:19,919 --> 00:42:22,922 今すぐ 執行を 停止してください。 404 00:42:22,922 --> 00:42:25,892 (藤原)無茶を 言わないでください。 浅利先生。 405 00:42:25,892 --> 00:42:28,912 証拠が見つかったのは おとといなんです。 406 00:42:28,912 --> 00:42:30,914 1日や 2日の わずかな差で 死んではいけない人間を➡ 407 00:42:30,914 --> 00:42:33,867 殺そうって いうんですか? (藤原)証拠を 精査して➡ 408 00:42:33,867 --> 00:42:36,853 再審請求へ 持ち込むためには それ相応の 時間が かかります。 409 00:42:36,853 --> 00:42:39,889 (藤原)そうやって 時間稼ぎをする例が➡ 410 00:42:39,889 --> 00:42:42,859 後を絶たないんですから。 ≪(ノック) 411 00:42:42,859 --> 00:42:46,913 (事務官)失礼します。 検事。 お時間です。 412 00:42:46,913 --> 00:42:48,882 待ってください。 検事。 検事! 413 00:42:48,882 --> 00:42:50,900 (事務官)検事は スケジュールが 立て込んでおります。 414 00:42:50,900 --> 00:42:52,900 (事務官)お引き取り願います。 検事! 415 00:42:55,905 --> 00:42:58,858 拘置所長を 呼んでください。 じかに 話がしたいんです。 416 00:42:58,858 --> 00:43:01,878 (佐野)所長は 法務省に行ってます。 417 00:43:01,878 --> 00:43:05,882 命令が下ったのか? 執行日時は? 418 00:43:05,882 --> 00:43:07,884 (中川)執行? 419 00:43:07,884 --> 00:43:10,887 (佐野)決まったんですか? 柳瀬の 死刑執行が。 420 00:43:10,887 --> 00:43:13,907 執行 停止。 執行 停止! 421 00:43:13,907 --> 00:43:15,909 (中川)浅利弁護士。 落ち着いてください。 422 00:43:15,909 --> 00:43:17,911 真犯人が残した 証拠が 見つかったんだ。 423 00:43:17,911 --> 00:43:20,880 関係者の供述も 必ず 取れる。 命令があっても阻止してください。 424 00:43:20,880 --> 00:43:23,950 柳瀬 光三は 無実なんだ! 425 00:43:23,950 --> 00:43:26,920 (礼菜)お母さん。➡ 426 00:43:26,920 --> 00:43:29,906 気が付いたのね。 今 先生を。 427 00:43:29,906 --> 00:43:34,906 (あかね)待って。 礼菜。 私 どうして? 428 00:43:37,864 --> 00:43:45,864 お父さんの お墓の前で倒れてた。 私と 祐介さんが 見つけたの。 429 00:43:57,884 --> 00:44:00,870 (あかね)あのバッグは? 430 00:44:00,870 --> 00:44:03,873 もう 全部 分かってしまった。 431 00:44:03,873 --> 00:44:09,896 大富さんの一家を 殺した 犯人が お父さんだったってことも。 432 00:44:09,896 --> 00:44:13,900 それを お母さんが 知っていたことも。➡ 433 00:44:13,900 --> 00:44:18,872 もしかして お母さん。 気付いてたんじゃないの? 434 00:44:18,872 --> 00:44:25,895 祐介さんが 自分の産んだ 光男だってこと。➡ 435 00:44:25,895 --> 00:44:30,900 それを察して 私との仲を 引き裂こうとしたんじゃないの? 436 00:44:30,900 --> 00:44:34,854 (あかね)あんたのためだと 思ったから。➡ 437 00:44:34,854 --> 00:44:40,854 何もかも あんたに よかれと 思ったから。 438 00:44:42,862 --> 00:44:45,849 (礼菜)お母さん!? (あかね)んっ! んっ! 439 00:44:45,849 --> 00:44:48,868 (礼菜)誰か! 誰か! 誰か 来て! 440 00:44:48,868 --> 00:44:50,887 (桜井)どうしました? (礼菜)先生! 441 00:44:50,887 --> 00:44:52,856 (桜井)河村さん。 (あかね)死なせて!➡ 442 00:44:52,856 --> 00:44:55,859 お願いだから。 私を 死なせて! 443 00:44:55,859 --> 00:44:58,859 (礼菜)お母さん!? (あかね)死なせて! 444 00:45:12,892 --> 00:45:14,894 《少なくとも 柳瀬は➡ 445 00:45:14,894 --> 00:45:20,900 お前のためになると 信じて 人生を 棒に振った》 446 00:45:20,900 --> 00:45:27,900 《30年間 牢に つながれて 死と向かい合わせに 生きてきた》 447 00:45:33,830 --> 00:45:40,830 《どうか お元気で》 448 00:45:43,857 --> 00:45:50,847 《待ってくれ。 行くな。 行かないでくれ!》 449 00:45:50,847 --> 00:46:03,847 ♬~ 450 00:47:39,906 --> 00:47:51,901 ♬~ 451 00:47:51,901 --> 00:48:06,933 ♬~ 452 00:48:06,933 --> 00:48:11,921 ♬~ 453 00:48:11,921 --> 00:48:15,942 どうする? 454 00:48:15,942 --> 00:48:19,946 どうする? 祐介。 455 00:48:19,946 --> 00:48:22,946 どうする? 光男。 456 00:48:24,951 --> 00:48:27,951 ≪(足音) 457 00:48:33,910 --> 00:48:35,878 これは? 458 00:48:35,878 --> 00:48:42,885 (中川)柳瀬が書いた 手紙です。 手紙? あかねに? 459 00:48:42,885 --> 00:48:46,923 先生と 面会の後 一気に 書いたようです。➡ 460 00:48:46,923 --> 00:48:51,911 当然ながら 本来 正規の手続きを 取らなければ ならないんですが➡ 461 00:48:51,911 --> 00:48:55,911 私の一存で お渡しします。 どうぞ。 462 00:49:14,951 --> 00:49:17,937 (桜井)困った人だ 河村さんは。➡ 463 00:49:17,937 --> 00:49:21,941 これじゃ 娘さんの気持ちの 休まる暇がない。➡ 464 00:49:21,941 --> 00:49:24,944 あなたにとって 一番 大切な人でしょう。➡ 465 00:49:24,944 --> 00:49:28,915 安心させてあげてください。 娘さんを。➡ 466 00:49:28,915 --> 00:49:33,915 2人で過ごす時間を もっと 大切にしてください。 467 00:49:35,905 --> 00:49:38,905 (桜井)何かあったら すぐに 呼んでください。 468 00:49:42,879 --> 00:49:47,900 ≪(戸の開閉音) 469 00:49:47,900 --> 00:49:49,900 お母さん。 470 00:49:57,927 --> 00:50:03,900 ♬~ 471 00:50:03,900 --> 00:50:08,921 分かってますね? 僕が 何者なのか? 472 00:50:08,921 --> 00:50:15,928 分かってますね? 僕が 柳瀬 光男だってこと。 473 00:50:15,928 --> 00:50:18,931 僕の父親である 柳瀬 光三が➡ 474 00:50:18,931 --> 00:50:22,935 母親である あなたに書いた 手紙です。 475 00:50:22,935 --> 00:50:25,922 (あかね)あの人が? 476 00:50:25,922 --> 00:50:32,895 遅くても 5日以内に 柳瀬は 死刑に処せられます。 477 00:50:32,895 --> 00:50:35,865 柳瀬は 阿佐ヶ谷の事件の 犯人じゃない。 478 00:50:35,865 --> 00:50:39,886 100% シロなのに 命を 奪われるんです。 479 00:50:39,886 --> 00:50:44,874 でも もし あなたが 知ってることを 話してくれたら➡ 480 00:50:44,874 --> 00:50:48,895 この命令を 覆せるかもしれない。 481 00:50:48,895 --> 00:50:52,895 後は もう あなたに 懸けるしかないんです。 482 00:50:57,887 --> 00:51:00,907 お母さん。 483 00:51:00,907 --> 00:51:10,917 ♬~ 484 00:51:10,917 --> 00:51:15,922 (あかね)読んでちょうだい。 あの人の手紙。 485 00:51:15,922 --> 00:51:33,940 ♬~ 486 00:51:33,940 --> 00:51:39,946 「拝啓 河村あかねさま」 487 00:51:39,946 --> 00:51:44,951 「あなたが 病床にあると知り 沈痛な思いで おります」 488 00:51:44,951 --> 00:51:48,951 「心より お見舞い申し上げます」