1 00:01:34,156 --> 00:01:36,142 (祐介)僕の父親である 柳瀬 光三が➡ 2 00:01:36,142 --> 00:01:39,161 母親である あなたに書いた 手紙です。 3 00:01:39,161 --> 00:01:41,163 (あかね)あの人が? 4 00:01:41,163 --> 00:01:46,163 (祐介)遅くても 5日以内に 柳瀬は 死刑に処せられます。 5 00:01:48,154 --> 00:01:51,157 (祐介)柳瀬は 阿佐ヶ谷の事件の 犯人じゃない。➡ 6 00:01:51,157 --> 00:01:54,176 100% シロなのに 命を 奪われるんです。 7 00:01:54,176 --> 00:01:59,148 (祐介)でも もし あなたが 知ってることを 話してくれたら➡ 8 00:01:59,148 --> 00:02:02,168 この命令を 覆せるかもしれない。 9 00:02:02,168 --> 00:02:05,171 あなたに 懸けるしかないんです。 10 00:02:05,171 --> 00:02:07,171 (礼菜)お母さん。 11 00:02:11,210 --> 00:02:15,210 (あかね)読んでちょうだい。 あの人の手紙を。 12 00:02:21,170 --> 00:02:25,207 「拝啓 河村あかねさま」 13 00:02:25,207 --> 00:02:31,213 「あなたが 病床にあると知り 沈痛な思いで おります」 14 00:02:31,213 --> 00:02:36,168 「心より お見舞い申し上げます」 15 00:02:36,168 --> 00:02:42,141 「思えば あなたと共に 過ごしたのは わずか 1年半余り」 16 00:02:42,141 --> 00:02:46,145 「短い間ではありましたが 私にとっては 最も…」 17 00:02:46,145 --> 00:02:52,151 (柳瀬)「最も 華やかな 幸せに満ちた 日々でした」➡ 18 00:02:52,151 --> 00:02:55,170 「東京から やって来た 美しい人」➡ 19 00:02:55,170 --> 00:02:59,174 「高嶺の花だと 思っていた あなたが➡ 20 00:02:59,174 --> 00:03:02,161 私のような さえない男の妻になり➡ 21 00:03:02,161 --> 00:03:05,180 私の子を 産んでくれた」➡ 22 00:03:05,180 --> 00:03:07,166 「あなたの おなかの中で➡ 23 00:03:07,166 --> 00:03:10,169 わが子が 元気に 育っていく 毎日は➡ 24 00:03:10,169 --> 00:03:13,172 どんなに 掛け替えのない ものだったでしょう」 25 00:03:13,172 --> 00:03:15,190 (あかね)《そんな おっかない顔したら➡ 26 00:03:15,190 --> 00:03:17,192 赤ちゃんが びっくりするじゃない》 27 00:03:17,192 --> 00:03:20,195 (柳瀬)「つかの間の幸せは 夢のように 過ぎ去って➡ 28 00:03:20,195 --> 00:03:25,200 程なく あなたが 私と 光男の元を 去ったとき➡ 29 00:03:25,200 --> 00:03:30,172 これも しかたのないことだと 諦めが 先に立ちました」➡ 30 00:03:30,172 --> 00:03:32,191 「あなたと 夫婦になって なお➡ 31 00:03:32,191 --> 00:03:38,130 私は まだ 自分に 自信が 持てなかったのです」➡ 32 00:03:38,130 --> 00:03:45,170 「光男は あなたの面ざしを 写した 美しい子でした」➡ 33 00:03:45,170 --> 00:03:50,159 「毎日 光男を見ているだけで 幸せでした」➡ 34 00:03:50,159 --> 00:03:55,164 「ところが 健康だけが 取りえだった 私が➡ 35 00:03:55,164 --> 00:04:03,172 命に関わる病気を 患ってしまい それが 破綻の始まりでした」➡ 36 00:04:03,172 --> 00:04:08,193 「私は ただ 光男を 守りたかった」➡ 37 00:04:08,193 --> 00:04:12,164 「あなたが 授けてくれた いとしい わが子の未来を➡ 38 00:04:12,164 --> 00:04:15,184 守ってやりたかった」➡ 39 00:04:15,184 --> 00:04:19,171 「阿佐ヶ谷で 起こった あの事件の日➡ 40 00:04:19,171 --> 00:04:23,192 愚かな私が 何をしたか➡ 41 00:04:23,192 --> 00:04:27,162 すでに ご承知のことと 思います」➡ 42 00:04:27,162 --> 00:04:32,201 「その行為が 巡り巡って あなたを苦しめ➡ 43 00:04:32,201 --> 00:04:38,123 やがて あなたの娘の 礼菜さんをも 傷つけ➡ 44 00:04:38,123 --> 00:04:42,127 あれほど 幸せを願った 当の光男まで➡ 45 00:04:42,127 --> 00:04:47,132 絶望の淵へ 追いやることに なってしまいました」➡ 46 00:04:47,132 --> 00:04:51,153 「どうして もっと 自信を持って➡ 47 00:04:51,153 --> 00:04:54,156 真っすぐに あなたを見詰め➡ 48 00:04:54,156 --> 00:04:57,176 愛することが できなかったのか?」➡ 49 00:04:57,176 --> 00:05:00,145 「あなたと 光男の 幸せのために➡ 50 00:05:00,145 --> 00:05:07,169 男として 力を尽くすことが できなかったのか?」➡ 51 00:05:07,169 --> 00:05:13,142 「ただ そのことが 悔やまれて 申し訳なく 思うばかりです」➡ 52 00:05:13,142 --> 00:05:17,179 「今 遠からず 訪れるであろう そのときを➡ 53 00:05:17,179 --> 00:05:20,149 心 静かに 待ちながら➡ 54 00:05:20,149 --> 00:05:27,189 光男という 息子の存在は なおも 私の心を 照らし➡ 55 00:05:27,189 --> 00:05:30,192 温めてくれています」➡ 56 00:05:30,192 --> 00:05:36,115 「あかねさん。 ふがいない男に➡ 57 00:05:36,115 --> 00:05:42,137 こんなにも 素晴らしい宝物を 授けてくださって➡ 58 00:05:42,137 --> 00:05:47,137 本当に ありがとうございました」 59 00:06:00,172 --> 00:06:07,179 (あかね)あの人は 河村のことを 知った上で この手紙を? 60 00:06:07,179 --> 00:06:12,151 (あかね)バカよ。 自分が 一番の 被害者だっていうのに。 61 00:06:12,151 --> 00:06:17,151 話してくれますね? 事件について 知ってることを。 62 00:06:22,161 --> 00:06:25,180 お願いします。 63 00:06:25,180 --> 00:06:34,180 ♬~ 64 00:07:06,138 --> 00:07:10,142 (あかね)あれは 阿佐ヶ谷の事件から➡ 65 00:07:10,142 --> 00:07:15,147 もうすぐ 3年になろうってころだった。➡ 66 00:07:15,147 --> 00:07:17,149 ちょうど あんたが➡ 67 00:07:17,149 --> 00:07:21,170 つかまり立ちを 始めたころだったわ。 68 00:07:21,170 --> 00:07:24,173 (礼菜)この写真のころ? 69 00:07:24,173 --> 00:07:27,159 赤ちゃん 抱えてるのに➡ 70 00:07:27,159 --> 00:07:31,180 夜逃げみたいなことばっかり 繰り返して。 71 00:07:31,180 --> 00:07:35,117 ろくに 片付けても いなかった 荷物の中に➡ 72 00:07:35,117 --> 00:07:38,120 変なものが 入ってるのに 気が付いた。 73 00:07:38,120 --> 00:07:43,108 それが 血の付いた包丁と 衣類だったんですね。 74 00:07:43,108 --> 00:07:46,128 すぐに 河村を 問いただしたわ。 75 00:07:46,128 --> 00:07:49,131 (あかね)《何なのよ? これ》➡ 76 00:07:49,131 --> 00:07:52,134 《あんた いったい 何やらかしたのよ?》 77 00:07:52,134 --> 00:07:56,138 (真二)《しくじったんだよ。 お前の実家から➡ 78 00:07:56,138 --> 00:07:59,141 金 ふんだくってやろうと 思ったのによ》 79 00:07:59,141 --> 00:08:03,128 《私の実家?》 80 00:08:03,128 --> 00:08:08,150 (真二)《間違えちまった。 引っ越したなんて 知らねえから》 81 00:08:08,150 --> 00:08:11,169 《間違えたって どういうことよ?》 82 00:08:11,169 --> 00:08:13,138 (真二)《悪いのは お前の親父だぜ》➡ 83 00:08:13,138 --> 00:08:15,140 《お前の くそ親父が➡ 84 00:08:15,140 --> 00:08:18,143 ちっとも 金 よこさねえから 悪いんだろうが!》 85 00:08:18,143 --> 00:08:21,163 (あかね)5万や 10万の お金を せびり取ったって➡ 86 00:08:21,163 --> 00:08:24,166 らちが明かない。 だから いっそ➡ 87 00:08:24,166 --> 00:08:30,172 私の家族を 皆殺しにして 遺産を 手に入れるつもりだったって。 88 00:08:30,172 --> 00:08:32,190 遺産を 狙って? 89 00:08:32,190 --> 00:08:34,109 みんな いっぺんに 死んでしまえば➡ 90 00:08:34,109 --> 00:08:39,131 花木の お金は 全部 私が 相続することに なるからって。 91 00:08:39,131 --> 00:08:41,099 (礼菜)そんな…。 92 00:08:41,099 --> 00:08:44,119 大富さんの家へ 押し入った 河村は➡ 93 00:08:44,119 --> 00:08:51,119 ご主人と 奥さんを 殺し その勢いのまま おじいさんを…。 94 00:08:56,098 --> 00:08:58,100 (あかね)花木の父とは➡ 95 00:08:58,100 --> 00:09:01,119 似ても 似つかない おじいさんの顔を 見て➡ 96 00:09:01,119 --> 00:09:06,124 ようやく 間違いに 気が付いたそうよ。➡ 97 00:09:06,124 --> 00:09:09,127 気付いたのなら もう➡ 98 00:09:09,127 --> 00:09:12,164 赤ちゃんまで 殺すことは なかったのに。 99 00:09:12,164 --> 00:09:15,150 (真二)《くそっ》 (泣き声) 100 00:09:15,150 --> 00:09:20,150 (泣き声) 101 00:09:23,141 --> 00:09:27,162 (礼菜)何で 警察に 通報しなかったの?➡ 102 00:09:27,162 --> 00:09:30,148 無実の 柳瀬さんが 逮捕されてたのよ?➡ 103 00:09:30,148 --> 00:09:34,102 それなのに 何で…。 (あかね)柳瀬には➡ 104 00:09:34,102 --> 00:09:39,107 何か 考えがあるんだって 思ったから。 105 00:09:39,107 --> 00:09:41,109 (礼菜)考え? 106 00:09:41,109 --> 00:09:47,132 光男のことよ。 あんたのことよ。➡ 107 00:09:47,132 --> 00:09:52,104 河村は 祐介君を 殺したって 言った。➡ 108 00:09:52,104 --> 00:09:57,092 なのに 祐介君は 一人だけ 生き残って➡ 109 00:09:57,092 --> 00:10:00,145 伯母さん夫婦に 引き取られてる。 110 00:10:00,145 --> 00:10:04,116 じゃあ いったい 光男は どうなったの? 111 00:10:04,116 --> 00:10:08,120 殺されたのは 光男の方だったのかもしれない。 112 00:10:08,120 --> 00:10:10,122 そうも 思ったんだけど…。 113 00:10:10,122 --> 00:10:12,140 だったら 何で 柳瀬は➡ 114 00:10:12,140 --> 00:10:15,127 やってもいない罪を かぶったのか…。 115 00:10:15,127 --> 00:10:20,132 それで 気付いたんですね。 柳瀬が 2人を 入れ替えたことに。 116 00:10:20,132 --> 00:10:24,152 それしか 考えられなかった。 117 00:10:24,152 --> 00:10:31,143 あの子は…。 私が産んだ あの光男は➡ 118 00:10:31,143 --> 00:10:37,082 祐介君として 元気に 暮らしてるんだって。 119 00:10:37,082 --> 00:10:39,084 (礼菜)だからって➡ 120 00:10:39,084 --> 00:10:42,120 そのまま 柳瀬さんに 罪を 押し付けるなんて。 121 00:10:42,120 --> 00:10:45,107 分かってくれると 思ったのよ。 122 00:10:45,107 --> 00:10:48,093 そうまでして 光男を 守ろうとした 柳瀬なら➡ 123 00:10:48,093 --> 00:10:52,114 あんたを 守りたい 私の気持ちを。 124 00:10:52,114 --> 00:10:54,082 (礼菜)私のために? 125 00:10:54,082 --> 00:10:56,101 (あかね)河村が 犯人だって 分かったら➡ 126 00:10:56,101 --> 00:10:58,120 あんたは 世間から➡ 127 00:10:58,120 --> 00:11:02,124 人殺しの娘って 呼ばれることになる。 128 00:11:02,124 --> 00:11:06,124 それだけは 耐えられなかった。 129 00:11:09,131 --> 00:11:12,117 分かってる。 ずるい女だってことは。 130 00:11:12,117 --> 00:11:17,117 私は 全部 柳瀬 一人に 押し付けて 逃げたのよ。 131 00:11:19,141 --> 00:11:24,141 (あかね)それが みんなを 不幸に…。 132 00:11:28,150 --> 00:11:37,142 (礼菜)私は 平気よ。 人殺しの娘と 呼ばれたって。 133 00:11:37,142 --> 00:11:41,163 私には お母さんがいる。 祐介さんがいる。➡ 134 00:11:41,163 --> 00:11:44,149 祐介さんの ご両親だって➡ 135 00:11:44,149 --> 00:11:47,149 私を 家族だって 言ってくれたもの。 136 00:11:50,138 --> 00:11:54,176 (礼菜)人に 何を言われたって 怖くない。➡ 137 00:11:54,176 --> 00:12:00,182 お母さんだって 一人じゃない。 みんなに 支えられてる。➡ 138 00:12:00,182 --> 00:12:03,182 この私が そばに 付いてる。 139 00:12:06,188 --> 00:12:08,190 (あかね)私には あんたに➡ 140 00:12:08,190 --> 00:12:10,192 そんなこと 言ってもらう 資格がない。 141 00:12:10,192 --> 00:12:15,192 河村は それから ひとつきも しないうちに 死んだのよ? 142 00:12:17,182 --> 00:12:19,184 (あかね)おかしいと 思わない? 143 00:12:19,184 --> 00:12:21,203 憎くて しょうがない男が➡ 144 00:12:21,203 --> 00:12:25,173 そんなに 都合よく 死んでくれるなんて。 145 00:12:25,173 --> 00:12:28,193 どういうことですか? 146 00:12:28,193 --> 00:12:31,213 河村は ちんぴらと ケンカして 殺されたんですよね? 147 00:12:31,213 --> 00:12:34,132 ケンカが あったのは 間違いないわ。➡ 148 00:12:34,132 --> 00:12:39,154 私は 河村に言われて 仕方なく➡ 149 00:12:39,154 --> 00:12:45,143 礼菜を 預けて 夜の商売に 出るようになった。➡ 150 00:12:45,143 --> 00:12:50,148 お店の帰り道。 公園を 通り掛かったら…。 151 00:12:50,148 --> 00:13:06,164 ♬~ 152 00:13:06,164 --> 00:13:08,183 《あんた》➡ 153 00:13:08,183 --> 00:13:11,169 《あんた。 大丈夫?》 154 00:13:11,169 --> 00:13:14,172 (あかね)そのとき ふと 思ったの。➡ 155 00:13:14,172 --> 00:13:20,172 このまま 河村が 死んでくれたら どんなに いいかって…。 156 00:13:26,167 --> 00:13:28,203 (あかね)《あっ!》 157 00:13:28,203 --> 00:13:33,203 (真二)《てめえ。 どこへ 行く気だ…》 158 00:13:41,149 --> 00:13:43,151 (あかね)警察から 連絡があったのは➡ 159 00:13:43,151 --> 00:13:47,138 次の日の 明け方だった。 160 00:13:47,138 --> 00:13:50,125 きっと バレるって 覚悟したけど➡ 161 00:13:50,125 --> 00:13:58,125 犯人は 河村と ケンカして 姿を消した男に 違いないって。 162 00:14:00,151 --> 00:14:05,190 (あかね)河村と 一緒に 包丁や 服も 葬ってしまおう。 163 00:14:05,190 --> 00:14:10,178 そう 思い付いて あちこちから お金を借りて➡ 164 00:14:10,178 --> 00:14:15,183 目に入らない 遠いところへ お墓を建てた。➡ 165 00:14:15,183 --> 00:14:25,183 それから 何事も なかったように 血に汚れた手で あんたを育てた。 166 00:14:27,212 --> 00:14:32,200 (あかね)だけど あんまり苦しくて➡ 167 00:14:32,200 --> 00:14:36,104 お酒に 逃げたり 男に 逃げたり。 168 00:14:36,104 --> 00:14:41,104 結局 あんたに つらい思い させちゃって。 169 00:14:44,145 --> 00:14:48,145 許して 礼菜。 170 00:14:52,120 --> 00:14:56,120 許して 光男。 171 00:14:59,144 --> 00:15:05,200 (あかね)どうか 礼菜のこと よろしく お願いします。 172 00:15:05,200 --> 00:15:09,154 どうか どうか よろしく お願いします。 173 00:15:09,154 --> 00:15:14,192 礼菜さんは 兄として 僕が守ります。 174 00:15:14,192 --> 00:15:19,164 お願いします。 お願いします…。 175 00:15:19,164 --> 00:15:22,183 (礼菜)お母さん? お母さん!?➡ 176 00:15:22,183 --> 00:15:24,169 お母さん? (ボタンを押す音) 177 00:15:24,169 --> 00:15:28,169 桜井先生 呼んでください。 (礼菜)お母さん? 178 00:17:52,133 --> 00:17:54,133 (桜井)40に 上げて。 (看護師)はい。 179 00:17:59,157 --> 00:18:02,177 (礼菜)まさか お母さんが➡ 180 00:18:02,177 --> 00:18:06,177 こんなに重たい 秘密を 一人で 抱えていたなんて。 181 00:18:08,149 --> 00:18:12,187 (礼菜)私を 守ろうとしてくれたのに➡ 182 00:18:12,187 --> 00:18:18,187 自分のことしか 考えない女だって 憎んで さげすんで。 183 00:18:23,198 --> 00:18:26,201 (礼菜)お母さん 警察に? 184 00:18:26,201 --> 00:18:31,189 法律が 改定される前に 時効が 成立してる。 185 00:18:31,189 --> 00:18:34,125 聴取を 受けるにしても 体調を 考慮してもらえるように➡ 186 00:18:34,125 --> 00:18:37,125 僕から 警察に話しとくよ。 187 00:18:43,134 --> 00:18:48,139 もう 行って。 私のことは 心配いらないから。 188 00:18:48,139 --> 00:18:50,141 そうは いかない。 礼菜さんを 一人に できない。 189 00:18:50,141 --> 00:18:55,146 早く 行って 柳瀬さんを 救い出さなきゃ➡ 190 00:18:55,146 --> 00:18:58,166 お母さんが 振り絞った 最後の勇気が 無駄になる。 191 00:18:58,166 --> 00:19:01,202 ≪(戸の開く音) 192 00:19:01,202 --> 00:19:04,172 (礼菜)先生。 母の容体は? 193 00:19:04,172 --> 00:19:08,176 (桜井)油断は できません。 ただ…。 194 00:19:08,176 --> 00:19:10,195 (桜井)これまで 見たことも ないような 穏やかな顔で➡ 195 00:19:10,195 --> 00:19:14,182 眠っています。➡ 196 00:19:14,182 --> 00:19:17,185 きっと 今まで 無理に 無理を重ねて➡ 197 00:19:17,185 --> 00:19:20,185 生きてこられたんですね。 198 00:19:23,191 --> 00:19:26,191 (礼菜)さあ 行って。 兄さん。 199 00:19:28,179 --> 00:19:40,141 ♬~ 200 00:19:40,141 --> 00:19:42,143 検事。 (事務官)何だ 君は? いきなり。 201 00:19:42,143 --> 00:19:45,129 証人 河村あかねの供述が 取れました。 202 00:19:45,129 --> 00:19:47,148 今すぐ 死刑執行を 取りやめてください。 203 00:19:47,148 --> 00:19:49,150 (藤原)供述といっても 30年も前の 話でしょう。 204 00:19:49,150 --> 00:19:51,135 すでに 時効は成立してますが➡ 205 00:19:51,135 --> 00:19:54,155 証人は 真犯人 殺害まで 認めてるんです。 206 00:19:54,155 --> 00:19:56,124 信ぴょう性に 疑いの余地 ありません。 207 00:19:56,124 --> 00:20:01,129 今回の 死刑執行命令は 法に基づいて 出されたものです。 208 00:20:01,129 --> 00:20:06,129 法律は 人を 守るものじゃないんですか? 209 00:20:08,152 --> 00:20:11,155 検事。 柳瀬 光三は 無実なんです。 (事務官)いいかげんに しなさい。 210 00:20:11,155 --> 00:20:14,192 執行を 停止してください。 検事! 211 00:20:14,192 --> 00:20:19,147 (澤田)てこでも 動かねえか。 検事さんは。 212 00:20:19,147 --> 00:20:22,200 自信満々 勝ち取った 判決を➡ 213 00:20:22,200 --> 00:20:25,169 何十年も たった 土壇場で ひっくり返されちまったんじゃ➡ 214 00:20:25,169 --> 00:20:30,191 こけんに関わる。 おとなしく 死んでもらうってわけだ。 215 00:20:30,191 --> 00:20:34,191 もう 時間が ありません。 何か 打つ手は ないでしょうか? 216 00:20:44,138 --> 00:20:49,138 こうなりゃ イチかバチかだ。 217 00:20:51,145 --> 00:20:56,150 いっちょ おきて破りの賭けに 出てみようじゃねえか。 218 00:20:56,150 --> 00:20:58,152 賭け? 219 00:20:58,152 --> 00:21:01,122 (記者)柳瀬死刑囚の 死刑執行の 命令が 出たというのは➡ 220 00:21:01,122 --> 00:21:04,175 本当ですか? (記者)どこから漏れた情報ですか。 221 00:21:04,175 --> 00:21:08,146 あのう。 お静かに。 ちょっと。 ちょっと お静かに。 222 00:21:08,146 --> 00:21:13,167 質問のある方は 挙手で 願います。 あなた。 223 00:21:13,167 --> 00:21:15,153 (記者)死刑執行が 公表される場合➡ 224 00:21:15,153 --> 00:21:17,188 通常は 執行された後ですよね。➡ 225 00:21:17,188 --> 00:21:19,173 前もって それも 政府の了解を得ずに➡ 226 00:21:19,173 --> 00:21:22,176 執行の予定を 公にするというのは➡ 227 00:21:22,176 --> 00:21:24,178 法規違反には 当たらないんですか? 228 00:21:24,178 --> 00:21:26,164 当たるでしょうね。 そりゃ もちろん。 229 00:21:26,164 --> 00:21:28,199 (記者)それを あえて やるというのは? 230 00:21:28,199 --> 00:21:34,188 決まってます。 法律より 人の命が 大事だからです。 231 00:21:34,188 --> 00:21:36,190 おとがめが ありゃ 責めは負う。 232 00:21:36,190 --> 00:21:40,161 それでもね 無実の人間を➡ 233 00:21:40,161 --> 00:21:43,164 死刑にするわけにゃ いかないでしょう。 234 00:21:43,164 --> 00:21:45,183 (記者)柳瀬死刑囚が 無実というのは➡ 235 00:21:45,183 --> 00:21:47,185 間違いないんですか? 間違いありません。 236 00:21:47,185 --> 00:21:49,220 (記者)配布された 資料では➡ 237 00:21:49,220 --> 00:21:53,207 真犯人についての 詳細が 明確にされていませんが➡ 238 00:21:53,207 --> 00:21:55,209 阿佐ヶ谷事件は その人物の犯行だと➡ 239 00:21:55,209 --> 00:21:58,246 断言できるんでしょうか? できます。 240 00:21:58,246 --> 00:22:00,214 確実な証拠と 証言が 揃っています。 241 00:22:00,214 --> 00:22:02,216 (記者)ちなみに その証拠というのは? 242 00:22:02,216 --> 00:22:05,219 それにつきましては 個人の プライバシーの問題があり➡ 243 00:22:05,219 --> 00:22:09,257 現時点では 開示できません。 244 00:22:09,257 --> 00:22:11,242 (記者)資料によると 柳瀬死刑囚は➡ 245 00:22:11,242 --> 00:22:14,212 浅利弁護士の 実父だそうですね。 はい。 246 00:22:14,212 --> 00:22:16,214 (記者)実の父親に対する 身びいきで➡ 247 00:22:16,214 --> 00:22:19,233 死刑の執行を 阻止しようと してるってことは ありませんか? 248 00:22:19,233 --> 00:22:21,235 身びいき? 249 00:22:21,235 --> 00:22:23,271 (記者)真犯人の情報が 伏せられてる以上➡ 250 00:22:23,271 --> 00:22:25,223 そう 思われても 仕方ないんじゃ ありませんか? 251 00:22:25,223 --> 00:22:30,244 確かに 柳瀬 光三 死刑囚は 私の実父です。 252 00:22:30,244 --> 00:22:33,181 ですが これが まったくの 他人であったとしても➡ 253 00:22:33,181 --> 00:22:35,183 私は 同じことをします。 254 00:22:35,183 --> 00:22:38,202 (記者たち)ホントかよ? 信じられないな。➡ 255 00:22:38,202 --> 00:22:41,155 血が つながってるから…。 そう 思われても 仕方ない…。 256 00:22:41,155 --> 00:22:43,191 (記者)人は 殺していないとしても➡ 257 00:22:43,191 --> 00:22:45,176 犯罪として 相当 たちが悪いですよね。 258 00:22:45,176 --> 00:22:47,211 おっしゃるとおりです。 259 00:22:47,211 --> 00:22:51,215 私も 初めは 猛烈に 腹が立ちました。 260 00:22:51,215 --> 00:22:56,204 (TV)何よりも 育ててくれた 両親に 申し訳なかったし➡ 261 00:22:56,204 --> 00:22:59,207 自分自身 なかなか 気持ちの整理が つかなくて。 262 00:22:59,207 --> 00:23:03,227 (TV)父と分かっても 許せない思いが 強く➡ 263 00:23:03,227 --> 00:23:07,215 再審のために 働くことを ためらう気持ちも 生まれました。 264 00:23:07,215 --> 00:23:09,217 (記者)子供の 入れ替えについては➡ 265 00:23:09,217 --> 00:23:11,219 すでに 時効ということになると 思いますが? 266 00:23:11,219 --> 00:23:17,191 はい。 ですが 柳瀬本人は 四度目の再審請求を 行わず➡ 267 00:23:17,191 --> 00:23:20,228 このまま 死刑になるべきだと 覚悟しています。 268 00:23:20,228 --> 00:23:24,248 (記者)どういうことですか? しかし それは 間違ってる。 269 00:23:24,248 --> 00:23:30,221 誤った罪で 処刑されたら それは 殺人にすぎないんです。 270 00:23:30,221 --> 00:23:36,177 私も含め 何人もの人間が 柳瀬に 人生を狂わされました。 271 00:23:36,177 --> 00:23:40,164 同死刑囚が 虚偽の自白を しなければ➡ 272 00:23:40,164 --> 00:23:43,167 警察の捜査の 継続によって➡ 273 00:23:43,167 --> 00:23:46,187 すぐに 真犯人が捕まった 可能性だって あるんです。 274 00:23:46,187 --> 00:23:52,193 そうすれば 苦しまずに 済んだ人が 大勢いる。 275 00:23:52,193 --> 00:23:56,247 私の 生みの母親も その 一人です。 276 00:23:56,247 --> 00:24:00,184 (TV)柳瀬死刑囚は 生きて 本来の罪を 認め➡ 277 00:24:00,184 --> 00:24:02,186 心から 社会に わびてこそ➡ 278 00:24:02,186 --> 00:24:07,225 本当の償いの道を 歩き始めることが できるんです。 279 00:24:07,225 --> 00:24:10,244 間違った 死刑判決の執行を 阻止するために➡ 280 00:24:10,244 --> 00:24:13,244 どうか 皆さんの力を 貸してください。 281 00:24:16,200 --> 00:24:18,219 よろしく お願いします。 282 00:24:18,219 --> 00:24:27,219 ♬~ 283 00:26:03,140 --> 00:26:17,171 ♬~ 284 00:26:17,171 --> 00:26:32,169 ♬~ 285 00:26:32,169 --> 00:26:36,169 ♬~ 286 00:26:43,130 --> 00:26:57,128 ≪(足音) 287 00:26:57,128 --> 00:27:04,128 ≪(足音) 288 00:27:06,153 --> 00:27:08,153 ≪(中川)柳瀬。 289 00:27:11,158 --> 00:27:13,158 (柳瀬)はい。 290 00:27:17,148 --> 00:27:20,148 (中川)出房だ。 291 00:27:23,154 --> 00:27:25,156 はい。 292 00:27:25,156 --> 00:27:42,123 ♬~ 293 00:27:42,123 --> 00:27:56,120 ♬~ 294 00:27:56,120 --> 00:27:58,120 (柳瀬)お世話になりました。 295 00:28:00,107 --> 00:28:02,126 (中川)進め。 296 00:28:02,126 --> 00:28:17,141 ♬~ 297 00:28:17,141 --> 00:28:32,139 ♬~ 298 00:28:32,139 --> 00:28:48,122 ♬~ 299 00:28:48,122 --> 00:28:51,108 ったく もう。 法務省の ひよっこどもめ。 300 00:28:51,108 --> 00:28:56,147 話に ならねえ。 日本 もう おしまいだ。 301 00:28:56,147 --> 00:29:00,134 お前 何やってんだ? 何の まねだって 聞いてんだ。 302 00:29:00,134 --> 00:29:05,139 やれるだけのことは やりました。 何だと? 303 00:29:05,139 --> 00:29:07,141 柳瀬の無実を 証す。 304 00:29:07,141 --> 00:29:11,111 それが 弁護士になった僕に 課せられた 使命だった。 305 00:29:11,111 --> 00:29:14,114 だけど 結局 僕は…。 306 00:29:14,114 --> 00:29:18,169 ふざけるな! とっとと バッジ つけやがれ。 307 00:29:18,169 --> 00:29:21,138 まだ 何にも やりきっちゃ いねえのに➡ 308 00:29:21,138 --> 00:29:24,158 偉そうな ご託 並べてる暇 ねえんだ。 309 00:29:24,158 --> 00:29:27,161 拘置所 行くぞ。 ☎ 310 00:29:27,161 --> 00:29:34,161 ☎ 311 00:31:10,147 --> 00:31:20,174 ♬~ 312 00:31:20,174 --> 00:31:22,174 ≪(ドアの開く音) 313 00:31:24,178 --> 00:31:28,148 (刑務官)大丈夫か? (柳瀬)はい。 314 00:31:28,148 --> 00:31:31,185 前言撤回。 315 00:31:31,185 --> 00:31:37,185 この国も まだ 捨てたもんじゃねえや。 316 00:31:39,176 --> 00:31:41,178 どうして 死なせてくれなかったんですか? 317 00:31:41,178 --> 00:31:45,199 刑場へ入って いよいよと思ったら➡ 318 00:31:45,199 --> 00:31:49,219 お二人の尽力で 刑の執行が 中止になったって知らせが入って。 319 00:31:49,219 --> 00:31:52,189 (柳瀬)ようやく…。 320 00:31:52,189 --> 00:31:56,193 ようやく 罪の償いが できると 思ったのに。 321 00:31:56,193 --> 00:32:01,198 あなただって もう 分かってるはずだ。 322 00:32:01,198 --> 00:32:05,202 死んで 償いたいなんて 奇麗事です。 323 00:32:05,202 --> 00:32:10,202 死んだ方が楽だから 現実から 逃げようと してるんです。 324 00:32:13,210 --> 00:32:17,214 本気で 償いたいと思うなら 生きるしかない。 325 00:32:17,214 --> 00:32:22,214 生きて 苦しみぬくしか ないんです。 326 00:32:25,205 --> 00:32:30,205 それが これから あなたが 果たすべき 務めです。 327 00:32:34,181 --> 00:32:41,181 お父さんが 生きるべき道なんです。 328 00:33:01,191 --> 00:33:10,234 それじゃあ 洗いざらい 吐いてもらおうじゃねえか。 329 00:33:10,234 --> 00:33:12,234 まだ 言ってねえことを。 330 00:33:29,236 --> 00:33:33,173 (捜査員)あったぞ。 鑑識。 写真。 331 00:33:33,173 --> 00:33:35,173 (捜査員)供述どおりです。 332 00:33:39,163 --> 00:33:46,170 《祐介。 僕の分身。 もう一人の僕》 333 00:33:46,170 --> 00:33:50,174 《僕は 今まで 君の 生きるべき人生を➡ 334 00:33:50,174 --> 00:33:53,177 君の代わりに 生きてきた》 335 00:33:53,177 --> 00:33:57,197 《長い間 独りぼっちにして ごめん》 336 00:33:57,197 --> 00:34:00,167 《もうすぐ 大好きな パパと ママと➡ 337 00:34:00,167 --> 00:34:03,187 優しい おじいちゃんに 会えるからね》 338 00:34:03,187 --> 00:34:11,187 《みんなが 君のこと あったかく 抱き締めてくれるからね》 339 00:34:15,182 --> 00:34:19,182 (あかね)ありがとう 礼菜。 楽になったわ。 340 00:34:21,221 --> 00:34:24,224 (あかね)何だか 申し訳なくて。➡ 341 00:34:24,224 --> 00:34:30,230 私みたいのが こんなふうに みんなに よくしてもらって。 342 00:34:30,230 --> 00:34:35,152 (礼菜)お母さんの おかげで 柳瀬さんの命が 救われた。 343 00:34:35,152 --> 00:34:41,158 このまま 無事に 拘置所から 出てきてほしい。 344 00:34:41,158 --> 00:34:45,195 どうか。 どうか。 345 00:34:45,195 --> 00:34:50,195 (礼菜)大丈夫。 柳瀬さんには 祐介さんが 付いてるもの。 346 00:34:52,186 --> 00:34:54,171 ≪(戸の開く音) 347 00:34:54,171 --> 00:34:56,171 (礼菜)祐介さん。 348 00:35:09,186 --> 00:35:11,186 (重彦)あかね。 349 00:35:13,207 --> 00:35:15,207 (重彦)お父さんだ。 350 00:35:17,194 --> 00:35:21,194 (重彦)体は どうだ? つらくないか? 351 00:35:23,217 --> 00:35:27,204 (重彦)お父さんが 悪かった。 352 00:35:27,204 --> 00:35:31,191 何があっても 娘を 見捨てちゃ いけなかった。➡ 353 00:35:31,191 --> 00:35:34,194 あいつに どんな ひどい目に 遭わされたって➡ 354 00:35:34,194 --> 00:35:39,194 体を張って 守ってやらなきゃ いけなかったんだ。 355 00:35:41,151 --> 00:35:43,151 許してくれるか? 356 00:35:45,172 --> 00:35:50,177 お父さん…。 私。 357 00:35:50,177 --> 00:35:52,177 (重彦)いいんだ。 358 00:35:55,182 --> 00:35:58,182 何も言わなくて いいんだ。 359 00:36:08,195 --> 00:36:13,183 兄さんに会えて よかったな。➡ 360 00:36:13,183 --> 00:36:16,203 もし あのまま 君が 諦めてしまったら➡ 361 00:36:16,203 --> 00:36:22,192 今日という日は 来なかった。 ありがとう。 362 00:36:22,192 --> 00:36:32,219 ♬~ 363 00:36:32,219 --> 00:36:47,134 ♬~ 364 00:36:47,134 --> 00:36:55,158 ♬~ 365 00:36:55,158 --> 00:36:57,158 目が覚めた? 366 00:37:01,181 --> 00:37:04,181 (あかね)奇麗ね。 367 00:37:06,186 --> 00:37:09,189 プリザーブドフラワーだって。 368 00:37:09,189 --> 00:37:13,193 花木さんが 持ってきてくれた。 お母さんにって。 369 00:37:13,193 --> 00:37:17,180 今 私のこと お母さんって? 370 00:37:17,180 --> 00:37:20,200 家族みたいだよね。 371 00:37:20,200 --> 00:37:24,200 一つのバスケットに いろんな花が 入ってて。 372 00:37:26,206 --> 00:37:31,211 まとまって 見えるけど 本当は 一本一本 違ってて➡ 373 00:37:31,211 --> 00:37:35,148 ばらばらな個性が 集まってる。 374 00:37:35,148 --> 00:37:39,136 大きさも 色も 形も 違うのに➡ 375 00:37:39,136 --> 00:37:44,141 みんなで バランスを取りながら うまく 調和してる。 376 00:37:44,141 --> 00:37:49,162 家族って そんなものなのかも しれないね。 377 00:37:49,162 --> 00:37:51,162 光男。 378 00:37:54,167 --> 00:37:59,156 産んでくれて ありがとう。 379 00:37:59,156 --> 00:38:08,156 ♬~ 380 00:38:10,167 --> 00:38:12,167 ≪来たよ! 381 00:38:15,172 --> 00:38:18,191 裁判所が 再審開始 決定しました! 382 00:38:18,191 --> 00:38:21,194 (リポーター)再審開始 決定です。 阿佐ヶ谷事件の➡ 383 00:38:21,194 --> 00:38:25,194 柳瀬 光三 死刑囚の 再審請求が 通りました。 384 00:40:24,201 --> 00:40:28,201 (刑務官)行きなさい。 (柳瀬)お世話になりました。 385 00:40:36,146 --> 00:40:47,174 ♬~ 386 00:40:47,174 --> 00:40:57,150 ♬~ 387 00:40:57,150 --> 00:41:12,215 ♬~ 388 00:41:12,215 --> 00:41:27,197 ♬~ 389 00:41:27,197 --> 00:41:42,229 ♬~ 390 00:41:42,229 --> 00:41:48,229 ♬~ 391 00:41:54,257 --> 00:42:04,251 ♬~ 392 00:42:04,251 --> 00:42:06,251 光男。 393 00:42:08,238 --> 00:42:11,238 (柳瀬)悪かった。 394 00:42:13,260 --> 00:42:16,246 (柳瀬)すまなかった。 光男。 395 00:42:16,246 --> 00:42:35,215 ♬~ 396 00:42:35,215 --> 00:42:37,217 (由美子)おかげさまで➡ 397 00:42:37,217 --> 00:42:42,217 小さな 祐介ちゃんの お位牌も 納めることが できました。 398 00:42:44,224 --> 00:42:50,230 (柳瀬)長い間 申し訳ありませんでした。 399 00:42:50,230 --> 00:42:54,234 (由美子)そんなつもりで 言ったんじゃないんです。➡ 400 00:42:54,234 --> 00:42:59,239 これで やっと 家族 みんな 一緒になったんだと 思ったら➡ 401 00:42:59,239 --> 00:43:02,225 ホントに ありがたくて。 402 00:43:02,225 --> 00:43:05,245 (孝信)お墓にも 寄ってくださったんでしょ? 403 00:43:05,245 --> 00:43:14,245 はい。 ですが 大富さんご一家には どう おわびを 申し上げても。 404 00:43:16,256 --> 00:43:19,242 ホントに 申し訳ございませんでした。 405 00:43:19,242 --> 00:43:24,264 (由美子)私たちは あなたを 責められません。 406 00:43:24,264 --> 00:43:27,250 (孝信)お互いさまなんですよ。 われわれの したことは。 407 00:43:27,250 --> 00:43:31,287 (柳瀬)いえ。 今 こうして➡ 408 00:43:31,287 --> 00:43:34,190 皆さんの前に 出させていただいて➡ 409 00:43:34,190 --> 00:43:39,212 あらためて 自分の罪の重さを 実感しております。➡ 410 00:43:39,212 --> 00:43:41,214 ホントに。 ホントに すいません。 411 00:43:41,214 --> 00:43:45,201 (由美子)さあ もう 手を上げてください。 412 00:43:45,201 --> 00:43:48,204 (孝信)ささやかですけど お祝いの 支度も してありますから。 413 00:43:48,204 --> 00:43:52,225 (柳瀬)いや。 とんでもないです。 こんな 私のために とんでもない。 414 00:43:52,225 --> 00:43:58,214 (由美子)今日は 私たちにとっても 区切りの日なんです。➡ 415 00:43:58,214 --> 00:44:01,214 家族が 増えるんですもの。 416 00:44:04,237 --> 00:44:06,239 家族? 417 00:44:06,239 --> 00:44:09,225 夫婦で 一度は 話し合ったんです。 418 00:44:09,225 --> 00:44:14,247 俺たちは 祐介を➡ 419 00:44:14,247 --> 00:44:17,217 柳瀬さんに おかえし するべきなんじゃないか。➡ 420 00:44:17,217 --> 00:44:22,255 でも いっそ このまんま みんなで まとめて➡ 421 00:44:22,255 --> 00:44:27,227 一つの家族で いいんじゃないかって。 422 00:44:27,227 --> 00:44:32,227 それで いいですよね? 柳瀬さん。 423 00:44:35,218 --> 00:44:40,218 いいわよね? こんな家族が あったって。 424 00:44:43,193 --> 00:44:46,196 (柳瀬)ありがとうございます。 ありがとうございます。 425 00:44:46,196 --> 00:44:51,217 (孝信)さあさあ。 (由美子)すぐに 準備しますので。 426 00:44:51,217 --> 00:45:05,217 ♬~ 427 00:45:20,246 --> 00:45:22,265 眠れないの? (柳瀬)ああ ごめん。 428 00:45:22,265 --> 00:45:25,265 起こしちゃったか。 429 00:45:28,254 --> 00:45:33,209 祐介君。 私に 言ってくれたよね。 430 00:45:33,209 --> 00:45:39,199 生きること。 生きて 苦しみぬくこと。 431 00:45:39,199 --> 00:45:42,199 それが 私の なすべき 償いだって。 432 00:45:45,188 --> 00:45:50,193 もし 再審請求が 通ったら どうやって 生きてくべきなのか? 433 00:45:50,193 --> 00:45:57,217 あれから 毎日 拘置所の中で 自問自答してました。 434 00:45:57,217 --> 00:46:01,221 でも 実際 こうして 外に出てみると➡ 435 00:46:01,221 --> 00:46:05,225 祐介君は もちろんのこと➡ 436 00:46:05,225 --> 00:46:09,195 ただ 皆さんに ご迷惑を 掛けるばっかりで。 437 00:46:09,195 --> 00:46:11,214 私みたいな こんな ちっぽけな人間に➡ 438 00:46:11,214 --> 00:46:17,253 できることなんか 何もないような気がして。 439 00:46:17,253 --> 00:46:24,253 憎んだまま 終わるはずだった。 柳瀬 光三って人を 僕は 一生。 440 00:46:26,246 --> 00:46:30,216 いつか 死刑が執行されて 僕は それを聞いて➡ 441 00:46:30,216 --> 00:46:36,172 当然の報いだって 胸を なで下ろしたかもしれない。 442 00:46:36,172 --> 00:46:40,159 何も知らなければ それで済んだ。 443 00:46:40,159 --> 00:46:43,162 これほどまでに 傷つくことも➡ 444 00:46:43,162 --> 00:46:48,184 苦しい思いを 味わうことも なかっただろう。 445 00:46:48,184 --> 00:46:53,206 だけど 傷ついても 苦しんでも お父さんが➡ 446 00:46:53,206 --> 00:46:58,211 僕のために してくれたことを 知って よかった。 447 00:46:58,211 --> 00:47:02,211 ちゃんと 受け止めることが できて よかった。 448 00:47:04,217 --> 00:47:08,204 嘘みたいだよね。 僕らが こうやって➡ 449 00:47:08,204 --> 00:47:13,204 一つ部屋で 枕を並べて 寝てるなんて。 450 00:47:15,245 --> 00:47:18,214 今日までの 一つ一つが➡ 451 00:47:18,214 --> 00:47:21,234 奇跡の積み重ね みたいなもんだったんだよ。 452 00:47:21,234 --> 00:47:27,240 その 奇跡の積み重ねの中で 妹と 出会った。 453 00:47:27,240 --> 00:47:32,245 産んでくれた母に ありがとうと 言えた。 454 00:47:32,245 --> 00:47:39,202 母の最期を 妹と2人で みとることが できた。 455 00:47:39,202 --> 00:47:44,173 30年間 育ててくれた 両親の 深くて 大きな愛情を➡ 456 00:47:44,173 --> 00:47:47,173 あらためて 胸に刻むことも できた。 457 00:47:49,178 --> 00:47:56,202 僕は 今 生まれたこと 自分が この世に生きてることに➡ 458 00:47:56,202 --> 00:47:59,202 言葉に できないぐらい 感謝してる。 459 00:48:04,227 --> 00:48:12,227 お父さん。 生きていてくれて ありがとう。 460 00:48:16,222 --> 00:48:22,222 僕を 愛してくれて ありがとう。 461 00:48:25,198 --> 00:48:37,176 ♬~ 462 00:48:37,176 --> 00:48:52,175 ♬~ 463 00:48:52,175 --> 00:49:12,195 ♬~ 464 00:49:12,195 --> 00:49:21,220 ♬~ 465 00:49:21,220 --> 00:49:26,225 ほら。 見て あそこ。 ひなた荘。 466 00:49:26,225 --> 00:49:42,158 ♬~ 467 00:49:42,158 --> 00:49:52,168 ♬~ 468 00:49:52,168 --> 00:49:59,175 ♬~ 469 00:49:59,175 --> 00:50:05,175 (柳瀬)《ほら。 見えるか? 光男。 奇麗だな》 470 00:50:07,200 --> 00:50:15,200 奇麗だね。 ああ。 奇麗だな。 471 00:50:17,176 --> 00:50:20,179 もう少し 体力が ついたら➡ 472 00:50:20,179 --> 00:50:24,217 一緒に 登ってみようか? あの山に。 473 00:50:24,217 --> 00:50:27,203 (柳瀬)富士山に? 474 00:50:27,203 --> 00:50:30,239 日の沈む 富士山も 美しいけど➡ 475 00:50:30,239 --> 00:50:36,239 今度は あの頂上に立って 昇ってくる 朝日を 拝もうよ。 476 00:50:38,164 --> 00:50:40,164 昇る 朝日を。 477 00:50:44,203 --> 00:50:49,175 これから お父さんは あしたのために 生きる。 478 00:50:49,175 --> 00:50:52,178 僕は 僕の未来のために。 479 00:50:52,178 --> 00:50:57,166 お父さんは お父さんの未来のために 生きる。 480 00:50:57,166 --> 00:51:04,173 そこから 始めよう。 僕たちの 新しい人生を。 481 00:51:04,173 --> 00:51:09,173 うん。 うん。