1 00:00:05,038 --> 00:00:07,941 (皐月)<嫁いで ようやく半年。➡ 2 00:00:07,941 --> 00:00:13,213 森口家の不束な嫁 皐月でございます。➡ 3 00:00:13,213 --> 00:00:16,550 舅殿の森口慶次郎様は➡ 4 00:00:16,550 --> 00:00:20,387 根岸の里で 別荘の寮番をされておりますが➡ 5 00:00:20,387 --> 00:00:27,561 かつては 南町奉行所の 定町廻り同心でございました。➡ 6 00:00:27,561 --> 00:00:29,496 隠居された今も➡ 7 00:00:29,496 --> 00:00:34,735 「仏の慶次郎」と 慕われるお方でございます> 8 00:00:34,735 --> 00:00:45,078 ♬~ 9 00:00:45,078 --> 00:00:47,981 根岸の別荘が 道場に? (辰吉)ああ。 10 00:00:47,981 --> 00:00:49,950 (しづ)剣術のでございますか? 11 00:00:49,950 --> 00:00:52,953 (晃之助)ああ。 武家の三男 四男を集めてな。 12 00:00:52,953 --> 00:00:57,658 しかもですよ 近所でも評判の 鼻つまみ連中でして。 13 00:01:01,361 --> 00:01:06,033 <きっかけは 3日ほど前の事でございます> 14 00:01:06,033 --> 00:01:11,705 (騒ぐ声) 15 00:01:11,705 --> 00:01:15,576 <義父上様は お仲間にいじめられている➡ 16 00:01:15,576 --> 00:01:19,046 若いお武家様と 行き合われたのです> 17 00:01:19,046 --> 00:01:22,716 (右近)待て! 待て!➡ 18 00:01:22,716 --> 00:01:26,720 おい! 待て! 19 00:01:28,388 --> 00:01:31,091 (新五郎)どけ。 20 00:01:34,061 --> 00:01:36,964 痛え! 21 00:01:36,964 --> 00:01:39,967 くそじじい! 22 00:01:42,402 --> 00:01:45,105 くそ~! 23 00:01:56,950 --> 00:02:00,520 (佐七)さっ どうぞ。 頂きます! 24 00:02:00,520 --> 00:02:06,326 <助けられたお方は 秋元右近様と申しました> 25 00:02:08,261 --> 00:02:12,232 (慶次郎)ほう…。 (佐七)見事なものですねえ! 26 00:02:12,232 --> 00:02:14,868 よろしいですよ。 正直に おっしゃっても。 27 00:02:14,868 --> 00:02:16,903 絵で ぶち壊し でしょ? 28 00:02:16,903 --> 00:02:21,041 しかし 書は 大したものだ。 今に 絵も書に追いつく。 29 00:02:21,041 --> 00:02:24,711 ありがとうございます。 私は 書画で身を立てたいのです。 30 00:02:24,711 --> 00:02:27,381 だが お前様は 跡取りなんだろ? 31 00:02:27,381 --> 00:02:30,417 たかだか 150俵 無役の御家人です。 32 00:02:30,417 --> 00:02:34,254 それでも お武家様は お武家様だ。 33 00:02:34,254 --> 00:02:38,725 剣術は苦手です。 道場通いなど 早くやめて➡ 34 00:02:38,725 --> 00:02:42,896 墨絵の稽古に 専念したいのですが 父が なかなか…。 35 00:02:42,896 --> 00:02:47,067 ⚟(門をたたく音) ⚟開けろ! 出てこい! 36 00:02:47,067 --> 00:02:50,404 仕返しだ…。 仕返しにきたんだ。 37 00:02:50,404 --> 00:02:53,707 まあ 待て。 今 開けてやる。 38 00:02:55,575 --> 00:03:00,347 お願いします。 預かって下さい。 硯も…。 39 00:03:00,347 --> 00:03:05,018 父に見つかると叱られるのです。 お願いします。 40 00:03:05,018 --> 00:03:10,323 ⚟出てこい! ああ ちょちょちょ… こちらへ! 41 00:03:12,359 --> 00:03:16,229 右近が ここにいるだろう。 出せ。 42 00:03:16,229 --> 00:03:19,533 よく ここが分かったな。 43 00:03:25,906 --> 00:03:28,708 むかむかするんだよ。 44 00:03:28,708 --> 00:03:31,611 てめえのそういう面 見てるとな。 45 00:03:31,611 --> 00:03:36,383 跡取り息子の右近も 楽隠居気取りのじじいもな。 46 00:03:36,383 --> 00:03:38,885 何もかも むかむかする。 47 00:03:38,885 --> 00:03:42,389 ほう。 気が合うな。 48 00:03:42,389 --> 00:03:45,292 俺も お前らのような 弱い者いじめを見ていると➡ 49 00:03:45,292 --> 00:03:47,594 むかむかするんだ。 50 00:03:53,733 --> 00:03:56,636 やあっ! 51 00:03:56,636 --> 00:04:00,941 ああ… あっ! 52 00:04:22,896 --> 00:04:25,031 (勇三郎)野郎! 53 00:04:25,031 --> 00:04:28,869 お前さん ただの寮番じゃねえな。 54 00:04:28,869 --> 00:04:32,672 寮番さ ただの。 55 00:04:35,041 --> 00:04:37,944 頼みがある。 56 00:04:37,944 --> 00:04:40,914 稽古をつけてもらいてえ。 57 00:04:40,914 --> 00:04:42,916 ちょ… ちょっと…。 58 00:04:42,916 --> 00:04:46,553 よしな。 俺のは 悪党たちを 追いかけてるうちに➡ 59 00:04:46,553 --> 00:04:51,057 身についた剣法だ。 お前たちの覚えるもんじゃねえ。 60 00:04:51,057 --> 00:04:52,993 ふっ 町方か…。 61 00:04:52,993 --> 00:04:57,397 町方が どうした。 いいじゃねえか。 62 00:04:57,397 --> 00:05:00,667 俺は 喧嘩だけは 誰にも負けたかねえ。 63 00:05:00,667 --> 00:05:05,172 親父さんが定町廻りだろうと 押し込み強盗だろうと➡ 64 00:05:05,172 --> 00:05:08,208 稽古をつけてもらいてえ。 65 00:05:08,208 --> 00:05:13,346 親父さんか。 じじい呼ばわりから大した出世だ。 66 00:05:13,346 --> 00:05:15,682 いや ちょ… ちょっと 待ってくれ。 67 00:05:15,682 --> 00:05:19,519 ここは 山口屋の別荘だ。 剣術の稽古なら よそで…。 68 00:05:19,519 --> 00:05:23,023 よろしく頼むぜ 親父さん。 69 00:05:25,025 --> 00:05:28,061 次の日から 早速 連中が押しかけまして。 70 00:05:28,061 --> 00:05:30,197 やっとうの稽古です。 71 00:05:30,197 --> 00:05:33,033 困った佐七が 相談しに来まして あっしが様子を見に。 72 00:05:33,033 --> 00:05:36,703 (かけ声) 73 00:05:36,703 --> 00:05:39,005 ああ…。 74 00:05:40,574 --> 00:05:44,578 ああ…。 うわ~! 75 00:05:44,578 --> 00:05:52,252 あっ…。あ~あ。 あ~あ。 76 00:05:52,252 --> 00:05:54,721 別荘が壊れてしまいます! 77 00:05:54,721 --> 00:05:59,559 それよ。 山口屋は 義父上には 何も文句は言うまい。 78 00:05:59,559 --> 00:06:01,494 だが…。 79 00:06:01,494 --> 00:06:03,830 壊されて 叱られるのは 佐七さん。 80 00:06:03,830 --> 00:06:09,002 ご意見なさいませ。 旦那様から ご隠居様に びしっと。 81 00:06:09,002 --> 00:06:14,341 うん…。 何か? 82 00:06:14,341 --> 00:06:20,013 俺も 三男坊だったからな。 分かるのだ 連中のつらさが。 83 00:06:20,013 --> 00:06:23,350 武家の三男など 惨めなものだ。 84 00:06:23,350 --> 00:06:26,186 養子の口がなければ 妻も娶れぬ。 85 00:06:26,186 --> 00:06:30,357 生涯 厄介者の 冷や飯食いだ。 86 00:06:30,357 --> 00:06:34,027 剣術の稽古くらいで 憂さが晴れるなら。 87 00:06:34,027 --> 00:06:36,696 情けをかけていては キリが ございません。 88 00:06:36,696 --> 00:06:39,366 ここは びしっと。 89 00:06:39,366 --> 00:06:44,204 よし。 いっそ 山口屋と図ってみるか。 90 00:06:44,204 --> 00:06:46,139 それでございます! いや…➡ 91 00:06:46,139 --> 00:06:48,074 でも そいつは 告げ口になります。 92 00:06:48,074 --> 00:06:51,945 ですよねえ…。 お前は どちらの味方なのだ? 93 00:06:51,945 --> 00:06:55,248 私は ご新造様の。 94 00:06:56,916 --> 00:06:59,052 こうしたら いかがでしょう。 95 00:06:59,052 --> 00:07:01,021 剣術の事は 伏せたまま➡ 96 00:07:01,021 --> 00:07:03,657 山口屋さんに 来てもらうというのは。 97 00:07:03,657 --> 00:07:08,161 お客様が来られれば その者たちも おのずから遠慮いたしましょう。 98 00:07:08,161 --> 00:07:10,830 なるほど…。 さすが ご新造様。 99 00:07:10,830 --> 00:07:15,335 しかし 何だって 旦那 今頃 剣術指南なんぞ…。 100 00:07:15,335 --> 00:07:21,675 <私たちの心配をよそに お稽古は続けられておりました> 101 00:07:21,675 --> 00:07:31,351 (かけ声) 102 00:07:31,351 --> 00:07:34,254 <丹精したお庭を 荒らされまいと➡ 103 00:07:34,254 --> 00:07:39,693 佐七さんの奮闘も 尋常ではなかったようですが…> 104 00:07:39,693 --> 00:07:57,711 ♬~ 105 00:07:57,711 --> 00:08:01,715 (一同)ありがとうございました。 ああ。 106 00:08:10,657 --> 00:08:14,327 (お登世)それで 肩が? 動かねえ。 107 00:08:14,327 --> 00:08:17,998 連中の前じゃ見え張って 何でもねえような顔してるが➡ 108 00:08:17,998 --> 00:08:20,667 帰ったあと もう…。 109 00:08:20,667 --> 00:08:25,338 むちゃは いけません。 もっと いとうて下さいませ。 110 00:08:25,338 --> 00:08:29,676 覚えがあるんだよ。 111 00:08:29,676 --> 00:08:35,014 あいつらは 部屋住みの三男 四男。 俺は 跡取りの長男。 112 00:08:35,014 --> 00:08:38,852 立場が違うっていや 違うかもしれねえが…。 113 00:08:38,852 --> 00:08:41,688 見習同心に なった頃だ。 114 00:08:41,688 --> 00:08:46,559 同じ与力 同心でも 町方は 低く見られがちでな。 115 00:08:46,559 --> 00:08:49,562 それも あったんだろうが➡ 116 00:08:49,562 --> 00:08:53,867 十手の扱いを教える 道場に通うのが 嫌だった。 117 00:08:53,867 --> 00:08:58,038 旦那が? 十手が お嫌だったんですか? 118 00:08:58,038 --> 00:09:01,307 町方で 生涯 終えるのが嫌だった。 119 00:09:01,307 --> 00:09:04,978 だから 一刀流の道場へ通った。 120 00:09:04,978 --> 00:09:08,648 誰にも内緒でな。 お父上 どうされました? 121 00:09:08,648 --> 00:09:12,986 そりゃ 怒ったさ。 怒髪天をつくだ。 122 00:09:12,986 --> 00:09:19,492 だが 俺は どうしようもねえ。 町方を嫌うてめえも 憎かった。 123 00:09:19,492 --> 00:09:23,663 てめえの行く末を てめえで恨む。 124 00:09:23,663 --> 00:09:27,333 今のあいつらと 同じだった。 125 00:09:27,333 --> 00:09:31,838 厄介なものでございますね。 若いっていうのは。 126 00:09:31,838 --> 00:09:34,674 ⚟(客)おい 酒! まだ こないのかい? 127 00:09:34,674 --> 00:09:37,177 はい ただいま あいすみません。 128 00:09:37,177 --> 00:09:39,979 ⚟(おかつ)女将さん。 はい。 129 00:09:42,348 --> 00:09:45,251 楓の間のお客様が ご挨拶をと。 130 00:09:45,251 --> 00:09:47,854 今 行きます。 あやめの間に お酒を。 131 00:09:47,854 --> 00:09:49,789 あっ はい。 132 00:09:49,789 --> 00:09:52,525 そういや 今日は 女中が 少ねえようだが。 133 00:09:52,525 --> 00:09:54,561 どうしたんですかねえ。 134 00:09:54,561 --> 00:09:57,197 あいにく 風邪っぴきが 増えましてね。 135 00:09:57,197 --> 00:09:59,399 失礼。 136 00:10:07,373 --> 00:10:09,709 (お秋)女将さんが お見送りできなくて…。 137 00:10:09,709 --> 00:10:14,047 いいんだ。 繁盛が 何よりだ。 138 00:10:14,047 --> 00:10:16,950 近頃 鎌倉屋は どうだい? おとなしくしてるかい? 139 00:10:16,950 --> 00:10:20,386 女将さんなら 平気でございます。 140 00:10:20,386 --> 00:10:25,692 そうか。 そうだな…。 141 00:10:28,728 --> 00:10:30,663 親分さん。 142 00:10:30,663 --> 00:10:37,070 (吉次)ハハ こんな場所が好きで チビチビやっておりやした。 143 00:10:37,070 --> 00:10:42,876 ああ 一人は 墨屋っていう店におりやす。 144 00:10:42,876 --> 00:10:48,681 板場の方は 深川の料理屋に 落ち着きそうで。 145 00:10:48,681 --> 00:10:51,084 何のお話でしょう? 146 00:10:51,084 --> 00:10:54,954 「花ごろも」を辞めた 奉公人の話でさあ。 147 00:10:54,954 --> 00:10:59,259 安右衛門って因業の差し金でねえ。 148 00:10:59,259 --> 00:11:03,696 辞めた者なんか どうでもようござんす。 149 00:11:03,696 --> 00:11:09,869 お気遣いどおり 辞めた者の分が 忙しゅうございましてね。 150 00:11:09,869 --> 00:11:12,539 お引き取り下さいまし。 151 00:11:12,539 --> 00:11:16,876 出直して頂いても うちじゃ ご商売になりませんでしょう。 152 00:11:16,876 --> 00:11:19,379 鎌倉屋がねえ…。 153 00:11:23,049 --> 00:11:26,352 なくなるかもしれやせん。 154 00:11:28,922 --> 00:11:31,925 どういう事です? 155 00:11:36,596 --> 00:11:41,401 鎌倉屋の商いは 傾く一方だ。 156 00:11:41,401 --> 00:11:48,074 7年前 番頭の弐吉を 追い出したのが 痛かったね。➡ 157 00:11:48,074 --> 00:11:51,411 あげく 盗品買いに 手を出しちまった。 158 00:11:51,411 --> 00:11:54,080 盗品買い? 盗んだ品を? 159 00:11:54,080 --> 00:12:00,853 老舗が そんなものに手を出しゃ いいように 笑われるだけだ。 160 00:12:00,853 --> 00:12:04,357 安右衛門も ようよう気づいたってわけだ。 161 00:12:04,357 --> 00:12:08,695 今は 何とかして 弐吉を 呼び戻したい。 162 00:12:08,695 --> 00:12:13,366 あの番頭なら 客を 呼び戻せるってね。 163 00:12:13,366 --> 00:12:16,402 追い出したの 自分のくせに。 164 00:12:16,402 --> 00:12:25,378 弐吉は 女将さんが戻るんなら 店に 戻ってもいいって。 165 00:12:25,378 --> 00:12:31,250 じゃあ… 安右衛門は ここつぶして 私を…。 166 00:12:31,250 --> 00:12:34,387 どうしやす? 女将さん。 167 00:12:34,387 --> 00:12:38,057 戻りゃ 花ごろもは つぶれる。 168 00:12:38,057 --> 00:12:43,763 ほっときゃ 鎌倉屋が危ねえ。 169 00:12:46,399 --> 00:12:50,903 <晃之助様が 山口屋さんを訪ねられた➡ 170 00:12:50,903 --> 00:12:54,741 その数日後の事でございます> 171 00:12:54,741 --> 00:12:57,577 お前さんたち 旦那を知らないかね? 172 00:12:57,577 --> 00:13:01,014 (英之助)煎餅を買ってくると 出ていったが。 173 00:13:01,014 --> 00:13:04,517 もう 急ぎの使いが来た というのに…。 174 00:13:04,517 --> 00:13:08,354 誰か これを読んでくれないか? 175 00:13:08,354 --> 00:13:12,225 昼過ぎには 誰かと来ると あるようなんだが…。 176 00:13:12,225 --> 00:13:18,064 (主税)「絵師 木村玉山を案内し 番頭の文五郎が行く」とある。 177 00:13:18,064 --> 00:13:20,066 えっ! 178 00:13:21,868 --> 00:13:25,705 どうした? じじい。 お前さんたち 今日は帰ってくれ! 179 00:13:25,705 --> 00:13:27,640 何だと? 180 00:13:27,640 --> 00:13:30,877 あっ しょ… 障子を 直さなければ…。 181 00:13:30,877 --> 00:13:34,714 いやいや… 庭を元に戻さなければ。 182 00:13:34,714 --> 00:13:38,217 いやいや… まず お湯を沸かさなければ! 183 00:13:38,217 --> 00:13:40,153 おい じじい! 184 00:13:40,153 --> 00:13:44,390 何だい 気に入らなきゃ打ちやがれ! 185 00:13:44,390 --> 00:13:47,060 大事な お客が来るんだ。 186 00:13:47,060 --> 00:13:53,766 おらあ ここを追い出されたら 野たれ死にだよ…。 187 00:13:58,571 --> 00:14:03,009 佐七! 山口屋の使いと つい そこで行き合わせた。 188 00:14:03,009 --> 00:14:06,312 今から文五郎が… 佐七! 189 00:14:10,350 --> 00:14:14,020 お前さんたち…。 稽古の礼だ。 190 00:14:14,020 --> 00:14:16,689 案じるな。 庭や屋敷の手入れなんぞ➡ 191 00:14:16,689 --> 00:14:19,692 俺たち 冷や飯食いには 慣れたもんよ。 192 00:14:35,375 --> 00:14:39,045 よ~し。 俺も。 193 00:14:39,045 --> 00:14:51,624 ♬~ 194 00:14:51,624 --> 00:14:56,062 どうだ? 間に合いそうか? ああ。 195 00:14:56,062 --> 00:15:18,017 ♬~ 196 00:15:18,017 --> 00:15:21,721 ⚟(文五郎)玉山先生を お連れしました。 197 00:15:26,359 --> 00:15:30,696 お待ちしておりました。 198 00:15:30,696 --> 00:15:33,699 先生 どうぞ。 199 00:16:00,993 --> 00:16:03,896 そうか 晃之助が。 200 00:16:03,896 --> 00:16:07,166 (文五郎)たまには お客様の もてなしに使ってほしいと。 201 00:16:07,166 --> 00:16:11,504 手前どもの主に。 いや すまねえ。 202 00:16:11,504 --> 00:16:14,841 剣術の鍛錬ってのは 俺の一存で決めた事でな。 203 00:16:14,841 --> 00:16:17,176 佐七を責めないでやってほしい。 204 00:16:17,176 --> 00:16:22,348 はい。 主も 松の手入れで 枝を切られるより➡ 205 00:16:22,348 --> 00:16:25,251 剣術の稽古をされてる方が 心安らかだと➡ 206 00:16:25,251 --> 00:16:27,954 きっと申しましょう。 207 00:16:32,024 --> 00:16:35,361 あの玉山先生は 山口屋とは古いそうだな? 208 00:16:35,361 --> 00:16:39,699 (文五郎)はい。 若い頃から先代が面倒を。➡ 209 00:16:39,699 --> 00:16:42,702 ご立派になられました。 210 00:17:16,335 --> 00:17:19,238 ん。 211 00:17:19,238 --> 00:17:22,675 (安右衛門)何の用だ? こんなところまで。 212 00:17:22,675 --> 00:17:27,546 ハハハ 世間話ですよ。 ちょいと近くまで来たもんで。 213 00:17:27,546 --> 00:17:29,549 帰れ! 214 00:17:39,025 --> 00:17:42,528 旦那が出入りなさってた あそこ➡ 215 00:17:42,528 --> 00:17:47,033 ちょいと いい女が 盗んだ品物を回してた あの家。 216 00:17:47,033 --> 00:17:50,703 近々 手入れがあるんだ。 217 00:17:50,703 --> 00:17:52,638 何だと!? 218 00:17:52,638 --> 00:17:55,374 売っ払った品物についても➡ 219 00:17:55,374 --> 00:17:58,678 厳しい お調べが。 220 00:18:04,183 --> 00:18:13,759 ハハハハ… いや 妹のそば屋がね あちこち ガタが きやしてね。 221 00:18:13,759 --> 00:18:15,995 いや まあ 兄貴としては➡ 222 00:18:15,995 --> 00:18:21,701 ここらで気前よく 建て直しでも してやろうかと思いまして。 223 00:18:27,006 --> 00:18:30,009 先生 どうぞ。 ありがとう。 224 00:18:47,026 --> 00:18:50,363 皆様 今日は お疲れさまでした。 225 00:18:50,363 --> 00:18:54,200 森口様と佐七から 皆様のお働き 伺いました。 226 00:18:54,200 --> 00:18:58,371 誠に ありがとうございました。 227 00:18:58,371 --> 00:19:02,975 さあ どうぞ お好きなだけ 召し上がって下さい。 228 00:19:02,975 --> 00:19:07,680 これを 俺たちに? 229 00:19:10,649 --> 00:19:17,356 何だい これだけじゃ 不服かい。 ほい。 230 00:19:20,326 --> 00:19:24,664 湯気が立ってる。 ああ…。 231 00:19:24,664 --> 00:19:26,666 おい。 232 00:19:48,354 --> 00:19:53,025 俺にも 味噌汁! ああ 順番だ 順番だ。 233 00:19:53,025 --> 00:19:57,697 <武家では 三男 四男に生まれた者の食事は➡ 234 00:19:57,697 --> 00:20:01,033 どの家でも最後に回されます。➡ 235 00:20:01,033 --> 00:20:04,704 ですから ご飯も汁も 冷えているのが➡ 236 00:20:04,704 --> 00:20:07,039 当たり前だったのです> 237 00:20:07,039 --> 00:20:12,344 さあ 煮物だ。 わあ! うまそう。 238 00:20:19,618 --> 00:20:22,221 (新五郎)お前。 239 00:20:22,221 --> 00:20:24,256 あっ。 240 00:20:24,256 --> 00:20:28,094 玉山に会いにきたんだろう! 私は…。 241 00:20:28,094 --> 00:20:31,897 絵を見せにきたんじゃ ねえのかよ! 242 00:20:31,897 --> 00:20:35,401 そうです。 上野の山で先生を見かけて➡ 243 00:20:35,401 --> 00:20:38,737 ずっと後をついてきたんです。 でも…。 244 00:20:38,737 --> 00:20:40,673 見せればいいじゃねえか。 245 00:20:40,673 --> 00:20:45,077 いいんです もう帰ります。 246 00:20:45,077 --> 00:20:50,783 どうせ 私の描いた絵など。 どうせ? 247 00:20:52,952 --> 00:20:56,655 道楽みたいなものですから。 248 00:20:58,424 --> 00:21:03,028 ああ! 痛い…。 249 00:21:03,028 --> 00:21:19,478 ♬~ 250 00:21:19,478 --> 00:21:22,281 (佐七)おい ちょ ちょ…。 251 00:21:26,719 --> 00:21:31,223 どなた様で? 諏訪新五郎。 252 00:21:31,223 --> 00:21:33,425 おい! 253 00:21:35,094 --> 00:21:37,396 おい おい! 254 00:21:37,396 --> 00:21:49,408 ♬~ 255 00:21:49,408 --> 00:21:54,079 先生に これを見て頂きたい。 256 00:21:54,079 --> 00:21:57,383 あの者が 描きました。 257 00:22:13,032 --> 00:22:16,035 いかがですか? 258 00:23:02,348 --> 00:23:05,251 お前のせいだぞ。 259 00:23:05,251 --> 00:23:09,688 俺の? こいつはな➡ 260 00:23:09,688 --> 00:23:12,591 ずっと あの絵描きの周りを うろうろしてたんだぞ。 261 00:23:12,591 --> 00:23:15,561 いいんです もう。 何がいいんだ! 262 00:23:15,561 --> 00:23:19,198 やはり 私の絵では…。 謝れ。 263 00:23:19,198 --> 00:23:21,700 謝れ? 264 00:23:23,702 --> 00:23:30,376 おい。 お前ら いつから こいつの味方に なったんだよ。 265 00:23:30,376 --> 00:23:35,381 こいつはな ただの跡取りの道楽息子だぞ! 266 00:23:37,049 --> 00:23:39,952 とどのつまり お前は➡ 267 00:23:39,952 --> 00:23:44,390 剣が苦手で 絵に逃げて 弱虫じゃねえか! 268 00:23:44,390 --> 00:23:47,726 玉山とやらに すげなくされたぐらいで…。 269 00:23:47,726 --> 00:23:50,629 何が 絵描きで身を立てたいだ! 270 00:23:50,629 --> 00:23:57,736 お前たちもだ! 人が よすぎる! 271 00:23:57,736 --> 00:24:02,341 出来たての飯で ちょっと腹が いっぱいになったぐらいで➡ 272 00:24:02,341 --> 00:24:05,644 ほだされてんじゃねえよ! 何だと!? 273 00:24:10,683 --> 00:24:15,020 ほだされて 何がいかん。 274 00:24:15,020 --> 00:24:17,923 俺は 五男だ。 275 00:24:17,923 --> 00:24:20,693 働きに見合った あったかい飯が うれしかった。 276 00:24:20,693 --> 00:24:25,698 何が いけない! やめて… やめて下さい もう。 277 00:24:36,041 --> 00:24:40,913 表へ出ろ。 出てどうする? 278 00:24:40,913 --> 00:24:44,917 貴様らなど この剣で…。 剣で どうなる!? 279 00:24:48,053 --> 00:24:50,723 いくら剣を学んでも➡ 280 00:24:50,723 --> 00:24:53,058 勝ち負けだけに こだわり 無頼を気取っていたら➡ 281 00:24:53,058 --> 00:24:56,762 そのうち ただの厄介者に なるだけではないか! 282 00:25:09,007 --> 00:25:10,943 あっ お前さん! 283 00:25:10,943 --> 00:25:15,347 じじい! おかわりだ! 284 00:25:15,347 --> 00:25:20,686 佐七! 俺も おかわりだ。 285 00:25:20,686 --> 00:25:50,382 ♬~ 286 00:25:50,382 --> 00:25:53,052 <ですが それきり。➡ 287 00:25:53,052 --> 00:25:56,889 お武家の若い方たちは 根岸の別荘に➡ 288 00:25:56,889 --> 00:26:00,692 お姿を見せなくなったので ございます> 289 00:26:03,495 --> 00:26:07,666 何で みんなの屋敷 聞いとかなかったんだよ。 290 00:26:07,666 --> 00:26:09,601 面目ねえ。 291 00:26:09,601 --> 00:26:14,606 へっ。 八丁堀の旦那が 聞いて あきれらあ! 292 00:26:16,341 --> 00:26:23,649 あ~あ こいつで 味噌汁 作ってやりたかったなあ。 293 00:26:26,018 --> 00:26:28,353 ⚟(辰吉)旦那。 294 00:26:28,353 --> 00:26:30,355 ちょっと…。 295 00:26:32,024 --> 00:26:35,360 (辰吉)あそこです。 新五郎って若造がいるのは。 296 00:26:35,360 --> 00:26:37,863 よく分かったな 新五郎の一件。 297 00:26:37,863 --> 00:26:42,367 いや ご新造さんから。 皐月が? 298 00:26:42,367 --> 00:26:45,704 集まった若い衆の事を それとなく気にしてほしいと。➡ 299 00:26:45,704 --> 00:26:53,045 旦那を案じておりやした。 そうか… 皐月が。 300 00:26:53,045 --> 00:26:57,549 あそこは 新五郎といい仲の 小唄の女師匠の家です。 301 00:26:57,549 --> 00:27:00,986 屋敷に戻らず 入り浸りって事か。 302 00:27:00,986 --> 00:27:03,322 若いってのは 厄介なもんです。 303 00:27:03,322 --> 00:27:05,257 道を外していると 分かっていても➡ 304 00:27:05,257 --> 00:27:07,192 どうにもならない事がある。 305 00:27:07,192 --> 00:27:09,495 覚えがあります。 306 00:27:18,670 --> 00:27:20,973 あいつ…。 307 00:27:28,347 --> 00:27:32,684 描き直したんです。 308 00:27:32,684 --> 00:27:35,687 こりゃ…。 309 00:27:40,359 --> 00:27:42,294 いい絵だ。 310 00:27:42,294 --> 00:27:46,698 はい。 新さんのおかげです。 前よりも いいものが描けました。 311 00:27:46,698 --> 00:27:53,005 ぜひ 見てほしくて。 嫌みか それは。 312 00:27:56,041 --> 00:28:00,045 思う存分 道楽できるのを 自慢しにきたのか! 313 00:28:01,647 --> 00:28:08,320 道楽ではありません。 私は もう 武士ではありません。 314 00:28:08,320 --> 00:28:11,223 私は 絵描きになります。 315 00:28:11,223 --> 00:28:15,093 父にも そう申して 勘当されました。 316 00:28:15,093 --> 00:28:20,899 もう 後戻りは できません。 何としてでも 絵師を目指します。 317 00:28:23,335 --> 00:28:28,207 玉山先生に入門を願い出て ようやく お許しを頂けました。 318 00:28:28,207 --> 00:28:32,511 断られて 断られて… やっと 4日目で。 319 00:28:34,346 --> 00:28:38,216 そうか おめでとう。 320 00:28:38,216 --> 00:28:41,119 ありがとうございます。 321 00:28:41,119 --> 00:28:44,990 新さんに 逃げていると 責められたおかげです。 322 00:28:44,990 --> 00:28:47,693 ですから この絵を真っ先に➡ 323 00:28:47,693 --> 00:28:52,197 新さんに 見てほしくて。 帰れ…。 324 00:28:52,197 --> 00:28:55,234 新さん 私は…。 325 00:28:55,234 --> 00:28:57,369 帰れ! 326 00:28:57,369 --> 00:28:59,304 投げるな! 327 00:28:59,304 --> 00:29:04,977 それを投げれば お前は まさしく 道を外す事になる。 328 00:29:04,977 --> 00:29:07,012 だから どうだってんだ! 329 00:29:07,012 --> 00:29:14,653 さっき 酒の入った杯を投げた時 お前は それを 襖に投げた。 330 00:29:14,653 --> 00:29:18,357 絵に 酒が かからないようにした。 331 00:29:20,525 --> 00:29:23,328 お前には 分かっていたのだ。 332 00:29:23,328 --> 00:29:28,200 これが 秋元右近 覚悟の作だって事がな。 333 00:29:28,200 --> 00:29:31,203 だから 汚せなかった。 334 00:29:35,340 --> 00:29:37,275 考えすぎだ。 335 00:29:37,275 --> 00:29:41,213 お前が 右近をかまうのは 跡継ぎだからじゃねえ。 336 00:29:41,213 --> 00:29:46,685 これだけは 誰にも譲れねえ。 これだけは 手放したくねえ。 337 00:29:46,685 --> 00:29:51,023 そういう道のある男が 妬ましかったんだ。 違うか? 338 00:29:51,023 --> 00:29:54,693 黙れ じじい! 今のてめえには それがねえ。 339 00:29:54,693 --> 00:29:58,030 道も見つからねえ。 340 00:29:58,030 --> 00:30:01,366 そういう てめえの不甲斐なさに 腹が立って➡ 341 00:30:01,366 --> 00:30:03,702 それで お前は…。 342 00:30:03,702 --> 00:30:05,704 黙れ! 343 00:30:08,373 --> 00:30:15,047 今のおめえは 俺には勝てねえ。 右近にも 勝てねえ。 344 00:30:15,047 --> 00:30:22,387 だが… 明日のおめえは 分からねえ。 345 00:30:22,387 --> 00:30:34,966 ♬~ 346 00:30:34,966 --> 00:30:42,274 俺の腕は 今より鈍る。 確かに鈍る。 347 00:30:47,612 --> 00:30:53,752 俺は… おめえが羨ましい…。 348 00:30:53,752 --> 00:31:47,739 ♬~ 349 00:31:47,739 --> 00:31:50,575 何だね わざわざ呼び出しておいて。 350 00:31:50,575 --> 00:31:52,511 玄関には 打ち水もなしかい。 351 00:31:52,511 --> 00:31:54,446 一体 どうなってるんだ この店は。 352 00:31:54,446 --> 00:31:56,448 あいすみません。 ただいま。 353 00:31:56,448 --> 00:31:58,450 気のせいか 人手も足りないようだが➡ 354 00:31:58,450 --> 00:32:02,687 こんな事で お客様の相手が 務まるのかね。 355 00:32:02,687 --> 00:32:06,858 お待ちしておりました。 安右衛門さん。 356 00:32:06,858 --> 00:32:11,363 おお。 おお…。 357 00:32:13,365 --> 00:32:16,868 帳面を見せてもらったら すぐ帰る。 358 00:32:16,868 --> 00:32:18,804 まあ そうおっしゃらずに。 359 00:32:18,804 --> 00:32:21,206 珍しい置物を 手に入れたんでございますよ。 360 00:32:21,206 --> 00:32:24,543 是非 見てやって 目利きして下さいまし。 361 00:32:24,543 --> 00:32:28,747 フッ どうせ 安物だろうて。 362 00:32:37,722 --> 00:32:40,425 どうぞ。 363 00:32:50,302 --> 00:32:52,904 なんでも 一昨年あたり➡ 364 00:32:52,904 --> 00:32:57,409 さる お屋敷から 盗まれた品物 なんだそうでございます。 365 00:32:57,409 --> 00:33:01,680 そういう物ばかりを 商っている家がございましてね。 366 00:33:01,680 --> 00:33:06,184 手入れが入ると 買った方も 取り次いだ方も➡ 367 00:33:06,184 --> 00:33:14,059 大層 お困りになるとかで 是非にと引き取りを頼まれまして。 368 00:33:14,059 --> 00:33:19,698 吉次か? あの蝮が教えたんだな。 369 00:33:19,698 --> 00:33:22,601 (お登世) 何のお話でございましょう。➡ 370 00:33:22,601 --> 00:33:28,707 すべて 私ども 花ごろもで 買い戻させて頂きました。 371 00:33:28,707 --> 00:33:33,578 たとえ この先 商った者らが お縄になったとしても➡ 372 00:33:33,578 --> 00:33:38,717 取り次いだ店にまで お調べが 及ぶ事は ございません。➡ 373 00:33:38,717 --> 00:33:42,053 この品を含めて すべてを➡ 374 00:33:42,053 --> 00:33:46,558 盗まれたお屋敷に お返し致しました。 375 00:33:46,558 --> 00:33:49,594 先代に ご恩を受けた嫁として➡ 376 00:33:49,594 --> 00:33:52,364 鎌倉屋の名を汚さぬよう➡ 377 00:33:52,364 --> 00:33:56,268 出すぎたまねを させて頂きました。 378 00:33:56,268 --> 00:34:02,274 おかげさまで 分不相応の借金も致しましたが。 379 00:34:05,343 --> 00:34:13,518 今後は ここで働く者たちのために なお一層 店を守り続け➡ 380 00:34:13,518 --> 00:34:17,389 商いに精進する覚悟でございます。 381 00:34:17,389 --> 00:34:24,696 店の者の引き抜き 口出しは 今後 一切 ご無用に願います。 382 00:34:24,696 --> 00:34:41,046 ♬~ 383 00:34:41,046 --> 00:34:45,383 お前… 蝮と できているのか。 384 00:34:45,383 --> 00:34:51,389 はい。 私 蝮さん 大好きでございます。 385 00:35:07,005 --> 00:35:09,908 女将さん! ありがとうございます! 386 00:35:09,908 --> 00:35:15,613 やりましたね! ああ すっきりした! 387 00:35:20,018 --> 00:35:23,688 <そして 義父上様は…> 388 00:35:23,688 --> 00:35:25,624 どうだい 汁粉でも…。 389 00:35:25,624 --> 00:35:29,194 折角ですが 玉山先生のお供で 旅に出ます。 390 00:35:29,194 --> 00:35:32,697 初めは 身の回りの お世話ですが…。 391 00:35:32,697 --> 00:35:37,569 そうかい。 先を急ぎますので ご免。 392 00:35:37,569 --> 00:35:56,721 ♬~ 393 00:35:56,721 --> 00:36:00,025 先を急ぐか…。 394 00:36:02,327 --> 00:36:08,633 いや あっしは… 甘いものは。 知ってるよ。 395 00:36:17,876 --> 00:36:21,346 いらっしゃい。 396 00:36:21,346 --> 00:36:27,352 (太鼓の音) 当た~り~! 397 00:36:38,697 --> 00:36:41,599 どいつも こいつも! 398 00:36:41,599 --> 00:36:44,903 全くだ! 399 00:36:52,243 --> 00:36:57,048 知りたい事を 教えましょうか? 400 00:36:57,048 --> 00:37:03,655 旦那 知りたかったはずだ。 この面が…。 401 00:37:03,655 --> 00:37:08,960 この因業が どうして出来たか。 402 00:37:10,995 --> 00:37:15,667 俺は 次男坊でね。 403 00:37:15,667 --> 00:37:17,602 ほ~う。 404 00:37:17,602 --> 00:37:21,005 親父は 兄貴ばかりを可愛がり➡ 405 00:37:21,005 --> 00:37:24,876 俺には 何も 教えてはくれなかった。 406 00:37:24,876 --> 00:37:28,680 だが 俺は やりたかったさ。 407 00:37:28,680 --> 00:37:34,552 てめえの才覚で 商売ってやつをね。 408 00:37:34,552 --> 00:37:40,024 親父も 兄貴も死んで さあ 俺がって 意気込んだら➡ 409 00:37:40,024 --> 00:37:47,198 この年だ。 そりゃ しくじりもするさ。 410 00:37:47,198 --> 00:37:49,868 しくじって 何が悪い! 411 00:37:49,868 --> 00:37:53,538 悪かねえ。 四十の手習いだ。 412 00:37:53,538 --> 00:37:58,042 それだ… 旦那 それだよ。 413 00:38:05,650 --> 00:38:09,988 まだだ。 まだ やるぞ。 414 00:38:09,988 --> 00:38:12,690 これからだ。 俺は…。 415 00:38:14,325 --> 00:38:17,162 (太鼓の音) 当た~り~! 416 00:38:17,162 --> 00:38:20,665 あんた強えな…。 417 00:38:24,669 --> 00:38:31,009 今日は ちょいとばかり 気に入らねえ事が あってな。 418 00:38:31,009 --> 00:38:36,347 ふらふらしてる若い者に 剣術の指南をした。 419 00:38:36,347 --> 00:38:39,384 道を教えてるつもりで いい気になってた。 420 00:38:39,384 --> 00:38:42,687 ところがだ…。 421 00:38:42,687 --> 00:38:46,357 気がついたら 誰も いねえのさ。 422 00:38:46,357 --> 00:38:50,862 いつの間にか てめえで てめえの行き先を決めて➡ 423 00:38:50,862 --> 00:38:58,036 すいっと 俺を 追い抜いて いきやがる。 「お先に…」ってな。 424 00:38:58,036 --> 00:39:01,906 それで 初めて気づいたんだ。 425 00:39:01,906 --> 00:39:07,478 剣術の稽古をしてやると 言ったのは あれは➡ 426 00:39:07,478 --> 00:39:11,683 ひょっとして 憎かったんじゃねえか。 427 00:39:14,652 --> 00:39:25,363 願えば これから 何でも叶う。 そういう連中の若さがな…。 428 00:39:27,232 --> 00:39:30,235 だから 何だ? 429 00:39:33,338 --> 00:39:39,010 外すな。 狙え…。 430 00:39:39,010 --> 00:39:41,512 狙え! 431 00:39:41,512 --> 00:39:44,716 よ~し! 432 00:39:47,318 --> 00:39:53,024 (太鼓の音) 当た~り~! 433 00:39:53,024 --> 00:39:55,360 はあ…。 434 00:39:55,360 --> 00:40:05,703 ♬~ 435 00:40:05,703 --> 00:40:08,373 ああ…。 436 00:40:08,373 --> 00:40:13,077 もう こんなになるまで つぶれちゃって! 437 00:40:14,712 --> 00:40:17,615 お? これは? 438 00:40:17,615 --> 00:40:21,586 夕方 来たんだよ 新五郎がさ。 439 00:40:21,586 --> 00:40:25,356 お仲間も それぞれ 何とか やってるみたいだ。 440 00:40:25,356 --> 00:40:29,260 味噌汁が うまかったって。 441 00:40:29,260 --> 00:40:35,400 へっ。 どこへでも 行きやがれってんだ。 442 00:40:35,400 --> 00:40:41,272 どこででも やっていけるさ。 佐七…。 443 00:40:41,272 --> 00:40:43,274 何だい? 444 00:40:43,274 --> 00:40:48,413 明日の朝は うまい味噌汁が 飲みたい。 445 00:40:48,413 --> 00:40:52,283 何だよ 急に。 446 00:40:52,283 --> 00:40:55,586 うまいだけじゃないぞ。 447 00:40:58,423 --> 00:41:02,427 熱~い味噌汁だ。 448 00:41:09,033 --> 00:41:15,340 <若き風が ことさら薫る 初夏の夜でした> 449 00:41:20,044 --> 00:41:22,947 お姫様を連れてきたぜ。 450 00:41:22,947 --> 00:41:24,916 はい。 451 00:41:24,916 --> 00:41:27,719 親父! わ~! 452 00:41:27,719 --> 00:41:29,654 恋…。 ん? 453 00:41:29,654 --> 00:41:33,358 親父は 私と旦那 どっちが大事なんだい! 454 00:41:37,061 --> 00:41:39,731 <どうぞお楽しみに> 455 00:41:39,731 --> 00:42:54,739 ♬~