1 00:00:05,539 --> 00:00:09,009 (くしゃみ) 2 00:00:09,009 --> 00:00:11,912 (慶次郎)ああ だから寝てろって 言ってるだろうが。 3 00:00:11,912 --> 00:00:13,881 (佐七)じゃあ お聞きしますがね➡ 4 00:00:13,881 --> 00:00:17,184 俺が一寝入りしてる間に 縁側は土埃➡ 5 00:00:17,184 --> 00:00:20,087 二寝入りしてる間に 旦那は腹へったと➡ 6 00:00:20,087 --> 00:00:22,856 羊羹を飯代わりに。 俺が寝込んじまったら➡ 7 00:00:22,856 --> 00:00:25,692 屋敷と旦那の面倒は 誰が見るんだい! 8 00:00:25,692 --> 00:00:28,362 (せきこみ) 9 00:00:28,362 --> 00:00:30,697 ⚟(皐月)ごめんくださいませ。 10 00:00:30,697 --> 00:00:41,341 ♬~ 11 00:00:41,341 --> 00:00:47,047 <舅殿の娘御 三千代様のお位牌です。➡ 12 00:00:47,047 --> 00:00:52,920 今から 8か月前 義父上様が 寮番になられた折に➡ 13 00:00:52,920 --> 00:00:55,222 お持ちになったものでございます> 14 00:00:55,222 --> 00:00:57,557 こりゃあ 佐七が喜ぶ。 15 00:00:57,557 --> 00:00:59,493 わざわざ 持ってきてくれたのかい? 16 00:00:59,493 --> 00:01:04,164 頂きものですが…。 佐七さんは お風邪ですか? 17 00:01:04,164 --> 00:01:06,199 いろいろあってな…。 18 00:01:06,199 --> 00:01:09,670 ここんところ 年甲斐もなく 飲んだくれやがって。 19 00:01:09,670 --> 00:01:12,172 ⚟(佐七)聞こえてるよ! 聞こえるように言ってんだよ! 20 00:01:12,172 --> 00:01:16,343 じゃあ お聞きしますがね 俺が一寝入りしてる間に…。 21 00:01:16,343 --> 00:01:19,246 もういいって! その話は…。 よかぁないよ! 22 00:01:19,246 --> 00:01:25,352 その… お線香の匂いが…。 23 00:01:25,352 --> 00:01:28,055 (晃之助)線香? 24 00:01:29,690 --> 00:01:32,693 どちらで? 25 00:01:34,361 --> 00:01:38,031 町廻りは歩くが お役目。 26 00:01:38,031 --> 00:01:42,903 どこで どんな匂いが付いたかなど いちいち覚えておらぬ。 27 00:01:42,903 --> 00:01:46,373 どうした? いえ…。 28 00:01:46,373 --> 00:01:50,711 佐七さんは? ようやく寝にやらせた。 29 00:01:50,711 --> 00:01:54,881 寄ってもらったついでに悪いが 留守を頼めるか? 30 00:01:54,881 --> 00:01:58,218 お出かけになるので ございますか? 31 00:01:58,218 --> 00:02:01,922 佐七に うまい煎餅でも。 32 00:02:03,490 --> 00:02:08,996 どうした? いえ。 どうぞ。 33 00:02:08,996 --> 00:02:11,999 ⚟いってらっしゃいませ。 34 00:02:16,870 --> 00:02:19,873 (せきこみ) ⚟皐月です。 35 00:02:22,009 --> 00:02:24,678 しばらく こちらにおります。 36 00:02:24,678 --> 00:02:28,515 何かありましたら どうぞ 何なりと言いつけて下さい。 37 00:02:28,515 --> 00:02:31,418 どうせね…。 はい? 38 00:02:31,418 --> 00:02:36,923 俺の代わりなんざ いくらでもいるってこった。 39 00:02:38,692 --> 00:02:45,365 義父上が 身内の外で あんなに 打ち解けて お話をするのは➡ 40 00:02:45,365 --> 00:02:48,668 佐七さんしか おりませんよ。 41 00:03:26,973 --> 00:03:29,509  回想 旦那様が お墓に? 42 00:03:29,509 --> 00:03:33,847 (しづ)お使いの帰りに。 「旦那様」と お声をかけても➡ 43 00:03:33,847 --> 00:03:39,019 気づかれずに お寺の方へ 歩いていかれたので もしやと。 44 00:03:39,019 --> 00:03:41,354 三千代様のお墓参りを…。 45 00:03:41,354 --> 00:03:49,062 それとなく ご住職に伺いましたら このところ度々。 46 00:03:54,067 --> 00:03:56,870 ⚟(物音) 47 00:04:01,975 --> 00:04:05,679 佐七さん? ⚟(悲鳴) 48 00:04:11,651 --> 00:04:13,587 どなたです! 49 00:04:13,587 --> 00:04:16,490 (お雪)お金! お金? 50 00:04:16,490 --> 00:04:18,425 こっちは 捨て身なんだ! 51 00:04:18,425 --> 00:04:20,994 あとは もう 身を売るしかないんだよ! 52 00:04:20,994 --> 00:04:23,897 怖くなんか…。 53 00:04:23,897 --> 00:04:26,199 はっ! はっ! 54 00:04:36,343 --> 00:04:45,018 (泣き声) 55 00:04:45,018 --> 00:04:47,721 落ち着きましたか? 56 00:04:49,356 --> 00:04:54,027 出来心だったんでございます。 ふらっと近くを…。 57 00:04:54,027 --> 00:04:58,899 根岸は お金持ちの別荘が 多いってのを思い出して つい…。 58 00:04:58,899 --> 00:05:01,768 お許し下さい 雪と申します。 59 00:05:01,768 --> 00:05:05,472 神田相生町の大工 助八の女房です。 60 00:05:05,472 --> 00:05:09,643 お雪さん。 お金は どういう訳で? 61 00:05:09,643 --> 00:05:12,679 そりゃ いろいろでしょうよ。 62 00:05:12,679 --> 00:05:15,515 普請のための 掛かりですか? 63 00:05:15,515 --> 00:05:18,985 大工なら 前払いの金は もらってるでしょうに。 64 00:05:18,985 --> 00:05:25,659 30両ぽっちのお金じゃ とても。 材木の注文 人足の手配。 65 00:05:25,659 --> 00:05:28,328 せめて あと20両。 66 00:05:28,328 --> 00:05:30,997 頼まれている 川崎の料理屋さんは➡ 67 00:05:30,997 --> 00:05:34,334 ざっと見積もっても 300両の大仕事なんでございます。 68 00:05:34,334 --> 00:05:37,671 ご主人 腕のよい大工さんなんですね。 69 00:05:37,671 --> 00:05:39,606 それに 借金も…。 70 00:05:39,606 --> 00:05:42,008 ほ~ら そんなこった 博打かい? 71 00:05:42,008 --> 00:05:45,345 酒も博打も 亭主はやりません。 72 00:05:45,345 --> 00:05:49,015 借金は 兄弟子のを おっつけられたんです。 73 00:05:49,015 --> 00:05:50,951 そりゃ…。 74 00:05:50,951 --> 00:05:53,520 しかたなかったんですよ。 75 00:05:53,520 --> 00:05:56,356 兄弟子に嫁ぐはずだった 棟梁の娘を➡ 76 00:05:56,356 --> 00:05:59,192 うちの人が 女房にしちまったから。 77 00:05:59,192 --> 00:06:02,963 棟梁の娘の方が この人じゃなきゃ嫌だって…。 78 00:06:02,963 --> 00:06:09,836 それ以来 うちの人 兄弟子にも 棟梁にも 気兼ねがあって…。 79 00:06:09,836 --> 00:06:13,306 うちの人って? 80 00:06:13,306 --> 00:06:15,642 私は 後妻です。 81 00:06:15,642 --> 00:06:21,982 娘さんは… 先妻は とうに 亡くなりました。➡ 82 00:06:21,982 --> 00:06:24,885 ですから 私が何とかしないと…。➡ 83 00:06:24,885 --> 00:06:27,787 兄弟子の借金も 大仕事の掛かりも。 84 00:06:27,787 --> 00:06:30,991 今は 私が 女房なんですから。 そうでしょ? 85 00:06:30,991 --> 00:06:34,027 それでも 盗みはいけません。 86 00:06:34,027 --> 00:06:36,863 胸 たたいちまったんですよ。 87 00:06:36,863 --> 00:06:39,332 借金に追われて 途方に暮れてる亭主に➡ 88 00:06:39,332 --> 00:06:42,235 任せてくれ。 女房は 私だよって。 89 00:06:42,235 --> 00:06:47,207 でも 先妻と違って ロクな身寄りもいませんから…。 90 00:06:47,207 --> 00:06:52,212 どうにも算段がつかなくて。 それで…。 91 00:06:54,881 --> 00:06:58,018 (晃之助)様子を見てほしい? 92 00:06:58,018 --> 00:07:00,620 町廻りの合間にでも。 93 00:07:00,620 --> 00:07:03,123 大きな普請のお金に困っています。 94 00:07:03,123 --> 00:07:05,458 兄弟子の借金も背負って…。 95 00:07:05,458 --> 00:07:08,361 ですから その…。 96 00:07:08,361 --> 00:07:10,630 盗みでも 働かないかと。 97 00:07:10,630 --> 00:07:15,135 (晃之助)金に困った者が 皆 盗みに走るわけではあるまい。 98 00:07:15,135 --> 00:07:17,070 それは そうですが…。 99 00:07:17,070 --> 00:07:20,006 それだけで わざわざ 神田まで行くわけにはいかん。 100 00:07:20,006 --> 00:07:24,311 差し迫ったお役目は ほかにもある。 101 00:07:24,311 --> 00:07:28,648 差し迫ったお役目とは どのような? 102 00:07:28,648 --> 00:07:34,354 いろいろだ。 例えば お墓に参られるとか? 103 00:07:36,323 --> 00:07:40,493 ご新造様…。 三千代様が同じ事を願われても➡ 104 00:07:40,493 --> 00:07:44,297 旦那様は 断られるのですか? 105 00:07:55,008 --> 00:07:57,344 辰吉。 旦那様。(辰吉)へい。 106 00:07:57,344 --> 00:08:00,246 探索中の一件だが。 旦那様…。 107 00:08:00,246 --> 00:08:02,949 近々 大がかりな賭場が 立ちそうだと言ってたな。 108 00:08:02,949 --> 00:08:05,285 (辰吉)明日にでも 確かめてみましょう。 109 00:08:05,285 --> 00:08:07,220 いや 私が確かめる。 旦那様! 110 00:08:07,220 --> 00:08:10,123 近頃 足しげく 三千代様のお墓に 参っているのは➡ 111 00:08:10,123 --> 00:08:12,158 何故でございますか? 112 00:08:12,158 --> 00:08:16,296 何か 私に至らないところが あるのでしょうか? 113 00:08:16,296 --> 00:08:20,967 それで旦那様は 三千代様に…。 114 00:08:20,967 --> 00:09:01,274 ♬~ 115 00:09:01,274 --> 00:09:04,611 あの… この辺りに 助八さんという…。 116 00:09:04,611 --> 00:09:06,946 ああ お雪さんとこなら この奥だけど。 117 00:09:06,946 --> 00:09:09,949 ありがとうございます。 ちょっと 今行ったら… お前さん。 118 00:09:11,618 --> 00:09:13,920 ごめんくだ…。 119 00:09:16,289 --> 00:09:19,325 お許し下さい 借金なら 必ず…。 120 00:09:19,325 --> 00:09:22,162 待ってくれ 待ってくれってな➡ 121 00:09:22,162 --> 00:09:25,799 こっちも わざわざ 足運んできてるんだよ。 122 00:09:25,799 --> 00:09:29,636 助八 大きな料理屋 建てるっていうじゃねえか。 123 00:09:29,636 --> 00:09:35,809 その大仕事の前に 亭主に怪我されたら 困るわな。 124 00:09:35,809 --> 00:09:38,645 怪我!? それは 脅しではありませんか。 125 00:09:38,645 --> 00:09:43,316 何だと! もういっぺん 言ってみろ! 126 00:09:43,316 --> 00:09:48,988 おい。 うちの嫁だ。 何か? 旦那…。義父上…。 127 00:09:48,988 --> 00:09:52,492 ヘヘヘヘヘ… 「仏の旦那」のお身内ですかい。 128 00:09:52,492 --> 00:09:54,694 こりゃ どうも…。 129 00:09:56,329 --> 00:09:59,032 ごめんなすって…。 130 00:10:01,000 --> 00:10:05,872 佐七から 根岸での一件 聞いたよ。 131 00:10:05,872 --> 00:10:08,675 亭主とは 幼なじみです。 132 00:10:08,675 --> 00:10:11,344 棟梁の娘と 夫婦になったって 聞いて➡ 133 00:10:11,344 --> 00:10:17,150 一度は諦めたんですが 思いがけず 後添いになって…。 134 00:10:17,150 --> 00:10:20,687 床についた姑の世話が 要るとかで…。 135 00:10:20,687 --> 00:10:23,022 亭主を産んでくれた人です。 136 00:10:23,022 --> 00:10:27,527 先年 亡くなるまで 一生懸命 看病しました。 137 00:10:27,527 --> 00:10:30,363 亭主は 幸せもんだ。 138 00:10:30,363 --> 00:10:32,298 そうでしょうか。 139 00:10:32,298 --> 00:10:35,535 何もかも 一人で 背負い込んでねえで➡ 140 00:10:35,535 --> 00:10:41,407 仕事の金なら 亭主と2人 棟梁に 頭を下げてみちゃ。 141 00:10:41,407 --> 00:10:43,910 嫌です。 142 00:10:46,546 --> 00:10:51,885 先妻の お身内には 頼りたくない? 143 00:10:51,885 --> 00:10:57,690 嫁いでから ずっと 死んだ人の 陰になって 生きてきました。 144 00:10:57,690 --> 00:11:00,593 自分が 信じられないんです。 145 00:11:00,593 --> 00:11:03,830 私は 本当に 助八の女房なんだろうか。 146 00:11:03,830 --> 00:11:05,865 先妻の 身代わりなんじゃ ないだろうかって。 147 00:11:05,865 --> 00:11:10,169 いや そいつは…。 お金だって 前の女房だったら➡ 148 00:11:10,169 --> 00:11:13,006 実家に泣きついて 借金なんか すぐに返した。 149 00:11:13,006 --> 00:11:17,343 前の女房だったら 亭主は もっともっと 幸せになれた。 150 00:11:17,343 --> 00:11:20,847 私なんかじゃない 前の女房だったら もっともっと。 151 00:11:20,847 --> 00:11:24,183 まことの夫婦になれた。 152 00:11:24,183 --> 00:11:26,686 棟梁のお内儀さんは➡ 153 00:11:26,686 --> 00:11:29,722 いまだに私の事を こう呼びます。 154 00:11:29,722 --> 00:11:36,229 2度目の人。 亭主も それを ただしません。 155 00:11:43,703 --> 00:11:48,575 <私の姑 里和様のお位牌で ございます。➡ 156 00:11:48,575 --> 00:11:54,347 義父上は 根岸の寮へ移られる際 連れ合いの里和様に➡ 157 00:11:54,347 --> 00:11:58,651 森口の家を見守るよう 託されたのです> 158 00:12:00,186 --> 00:12:05,325 お聞きしても よろしいでしょうか? 159 00:12:05,325 --> 00:12:07,660 何だ? 160 00:12:07,660 --> 00:12:16,669 亡くなられた義母上様の事を… 今も覚えておられますか? 161 00:12:16,669 --> 00:12:21,541 気になるのか お雪の事が。 162 00:12:21,541 --> 00:12:24,010 あれは 手を出しちゃいけねえ。 163 00:12:24,010 --> 00:12:29,682 夫婦の… それも ここの内の話だ。 164 00:12:29,682 --> 00:12:35,021 当人同士が ぶつかって それで 乗り越えられなきゃ➡ 165 00:12:35,021 --> 00:12:38,691 それまでの縁だったんだ。 166 00:12:38,691 --> 00:12:47,700 覚えておられるのですね。 義父上も 亡くなられた方を。 167 00:12:47,700 --> 00:12:58,411 忘れた事はない。 里和も 三千代の事も。 168 00:13:01,247 --> 00:13:10,923 お前は賢い。 ごまかしが効かぬ。 だから「真」を言った。 169 00:13:10,923 --> 00:13:13,226 はい。 170 00:13:16,329 --> 00:13:18,631 はい。 171 00:13:23,002 --> 00:13:30,710 つらいな。 真というのは。 172 00:13:40,019 --> 00:13:41,954 今年は まだかい? 173 00:13:41,954 --> 00:13:45,892 (お登世)蓮の花でございますか。 気配ばかりで まだ…。 174 00:13:45,892 --> 00:13:48,194 咲くのは 朝だったな。 175 00:13:48,194 --> 00:13:51,030 ええ 厄介な花ですよ。 176 00:13:51,030 --> 00:13:54,901 朝の たった4日の間しか 咲かないんでございます。 177 00:13:54,901 --> 00:13:57,904 朝顔だって もう少し 愛想がいいでしょうに。 178 00:13:57,904 --> 00:14:01,974 なあ お登世。 はい? 179 00:14:01,974 --> 00:14:05,278 鎌倉屋に帰る気は ねえのかい? 180 00:14:06,846 --> 00:14:11,651 後見人のところへ? いや 思ったのさ。 181 00:14:11,651 --> 00:14:15,321 鎌倉屋が あれこれ かまってくるのは➡ 182 00:14:15,321 --> 00:14:19,625 お前さんに帰ってほしいからじゃ ないかってな…。 183 00:14:24,664 --> 00:14:26,966 吉次から聞いたよ。 184 00:14:28,534 --> 00:14:32,004 借金を増やした っていうじゃねえか。 185 00:14:32,004 --> 00:14:37,343 はい。 増やしてしまいました。 186 00:14:37,343 --> 00:14:42,215 おかげさまで みんなが よく働いてくれます。 187 00:14:42,215 --> 00:14:45,017 お帰り下さい! 客に向かって 何じゃ この野郎! 188 00:14:45,017 --> 00:14:49,355 お帰り下さい! いいから 入れろ…。 189 00:14:49,355 --> 00:14:51,691 帰れ! 帰れ! 190 00:14:51,691 --> 00:14:54,594 (お登世)女将じゃ 心もとない。➡ 191 00:14:54,594 --> 00:15:02,969 自分らが しっかりしなくてはと フフ そう思われておりますかね。 192 00:15:02,969 --> 00:15:10,843 正味な話 鎌倉屋に戻って 働く夢をみた事もございました。 193 00:15:10,843 --> 00:15:17,984 お世話になった鎌倉屋 老舗の灯が 消えたようになってしまう。 194 00:15:17,984 --> 00:15:25,324 つろうございました。 でも… その つらさが ふっ切れたのは➡ 195 00:15:25,324 --> 00:15:28,661 旦那の お言葉です。 俺の? 196 00:15:28,661 --> 00:15:34,333 みんなが止める中 旦那が 根岸に移られたのは➡ 197 00:15:34,333 --> 00:15:38,004 生きたかったからだと…。 198 00:15:38,004 --> 00:15:40,706 目が覚めました。 199 00:15:42,341 --> 00:15:46,179 「花ごろも」での出会いを 大切にしよう。 200 00:15:46,179 --> 00:15:50,016 私が 鎌倉屋に戻っても 何の力にもならない。 201 00:15:50,016 --> 00:15:56,322 私は ここで よく生きたい。 202 00:16:05,965 --> 00:16:09,468 (志乃)まあ これを お前が? 203 00:16:09,468 --> 00:16:11,971 作りすぎてしまいました。 204 00:16:11,971 --> 00:16:14,640 時節が時節ですので おすそ分けに。 205 00:16:14,640 --> 00:16:17,543 しづに持たせれば よかったのに。 206 00:16:17,543 --> 00:16:22,315 今朝のうちから 親戚の家に出かけました。 207 00:16:22,315 --> 00:16:27,653 頂きます。 ありがとうございました。 208 00:16:27,653 --> 00:16:32,525 ほかに 何か? いえ…。 209 00:16:32,525 --> 00:16:35,161 皐月。 210 00:16:35,161 --> 00:16:41,667 嫁いだ朝の事を 覚えていますか? 嫁ぐ朝? 211 00:16:41,667 --> 00:16:46,973 私は 3人の家に 嫁ぐのでございます。 212 00:16:48,541 --> 00:16:52,378 加えて 4人にして頂くのでございます。 213 00:16:52,378 --> 00:16:57,016 その覚悟で この屋敷を 後にしたうえは➡ 214 00:16:57,016 --> 00:17:01,287 お菜を言い訳に 愚痴を聞いて もらおうなどと みっともない。 215 00:17:01,287 --> 00:17:05,157 お帰りなさい。 母上…。 216 00:17:05,157 --> 00:17:11,163 それくらいの辛抱ができぬ娘に 育てた覚えはありません。 217 00:17:21,140 --> 00:17:26,312 はあ… 皐月 可哀想に…。 218 00:17:26,312 --> 00:17:29,215 お察し致します。 219 00:17:29,215 --> 00:17:33,653 お前が 厳しくしてくれと 頭下げるから。 220 00:17:33,653 --> 00:17:38,991 はい。 旦那様も ご新造様も 今が正念場でございます。 221 00:17:38,991 --> 00:17:43,663 いましばらく お嬢様の事 黙って 見守ってあげて下さいまし。 222 00:17:43,663 --> 00:17:46,365 お願い致します。 223 00:17:48,000 --> 00:17:53,873 お前 やせたかえ。 はあ 残念ながら! 224 00:17:53,873 --> 00:17:56,876 (笑い声) 225 00:18:03,282 --> 00:18:07,620 わずかですが。 ご新造さん。 226 00:18:07,620 --> 00:18:12,458 10両あります。 嫁入りの時に持たされたお金です。 227 00:18:12,458 --> 00:18:15,962 それでも足りないでしょうが…。 228 00:18:20,633 --> 00:18:27,340 疲れました…。 先妻の代わりは もう…。 229 00:18:29,642 --> 00:18:35,948 私の夫にも 亡くなった許婚がおりました。 230 00:18:39,318 --> 00:18:43,189 だったら お内儀さんも お分かりでしょう。 231 00:18:43,189 --> 00:18:48,327 死んだ人に 勝てやしません。 232 00:18:48,327 --> 00:18:52,164 それでも いっぺんでもいい。 233 00:18:52,164 --> 00:18:57,336 あの人の前に こう お金をそろえて見せて➡ 234 00:18:57,336 --> 00:19:00,940 「でかした! よい女房だ。➡ 235 00:19:00,940 --> 00:19:03,609 役立つのは 死んだ女房なんかじゃない。➡ 236 00:19:03,609 --> 00:19:10,616 生きてる お雪 お前だ」 そう言わせてみせたかった。 237 00:19:13,285 --> 00:19:15,988 言わせましょう。 238 00:19:18,157 --> 00:19:24,864 言わせなきゃ。 元気を出して! ねっ。 239 00:19:27,299 --> 00:19:30,202 <根岸へ向かっておりました。➡ 240 00:19:30,202 --> 00:19:35,174 何とかしてやりたい。 何とかしなくては。➡ 241 00:19:35,174 --> 00:19:40,312 ただ その一心でございました> 242 00:19:40,312 --> 00:19:44,183 どうぞ。 折角いらしたのに➡ 243 00:19:44,183 --> 00:19:47,653 あいにく 旦那は 出かけたところで…。 244 00:19:47,653 --> 00:19:49,588 そうですか。 245 00:19:49,588 --> 00:19:53,993 お前様 顔色が悪いようだ。 ちょっと休んで…。 246 00:19:53,993 --> 00:19:57,329 あっ そうだ。 水菓子でも買ってこよう。 247 00:19:57,329 --> 00:20:01,200 佐七さん。 加減は? 248 00:20:01,200 --> 00:20:03,669 はい。 もう すっかり。 249 00:20:03,669 --> 00:20:07,173 ゆうべも 若旦那に 声をかけてもらって。 250 00:20:07,173 --> 00:20:10,076 晃之助様が ここに? 251 00:20:10,076 --> 00:20:15,514 はい。 急にいらして 何だか お位牌と話して お帰りになった。 252 00:20:15,514 --> 00:20:19,318 旦那と 2人 ずっと そこに…。 253 00:21:10,336 --> 00:22:05,524 ♬~ 254 00:22:05,524 --> 00:22:08,828 何をしている? 255 00:22:24,677 --> 00:22:26,979 要るだけとりな。 256 00:22:28,547 --> 00:22:31,550 親子じゃねえか。 257 00:22:33,352 --> 00:22:37,056 親子…。 そうだ。 258 00:22:38,691 --> 00:22:41,026 皐月。 259 00:22:41,026 --> 00:22:43,929 (佐七)買ってきたよ。 260 00:22:43,929 --> 00:22:47,233 どうする? 少し冷やして…。 261 00:22:49,368 --> 00:22:53,239 親子だなんて。 262 00:22:53,239 --> 00:23:00,646 いらない… いりませぬ。 皐月。 263 00:23:00,646 --> 00:23:05,517 おっしゃって下さい。 娘は 三千代様お一人だと。 264 00:23:05,517 --> 00:23:10,322 私を 他人だと思って下さい。 265 00:23:10,322 --> 00:23:13,225 この期に及んで まだ…。 266 00:23:13,225 --> 00:23:19,665 まだ亡くなった人の代わりなら そんな情けなら 私…。 267 00:23:19,665 --> 00:23:22,568 情けじゃねえ! 268 00:23:22,568 --> 00:23:37,683 ♬~ 269 00:23:37,683 --> 00:23:41,387 親子じゃねえか。 270 00:23:43,555 --> 00:23:47,026 義父上様…。 271 00:23:47,026 --> 00:24:13,986 ♬~ 272 00:24:13,986 --> 00:24:18,290 お雪に貸してやろう そう思ったのか? 273 00:24:20,326 --> 00:24:26,832 あと10両あれば。 お雪さん それさえあれば➡ 274 00:24:26,832 --> 00:24:29,735 亡くなった人の陰から 抜け出せる…。 275 00:24:29,735 --> 00:24:34,340 なぜ 俺に言わなかった。 276 00:24:34,340 --> 00:24:37,643 俺が 三千代の父だからか。 277 00:24:39,678 --> 00:24:45,017 晃之助とお前の事は 2人の話だ。 2人でつけろ。 278 00:24:45,017 --> 00:24:52,358 だが これだけは言っておく。 己を誰かの陰と思うな。 279 00:24:52,358 --> 00:24:54,693 義父上様…。 280 00:24:54,693 --> 00:25:00,966 お前は お前だ。 三千代になるな。 281 00:25:00,966 --> 00:25:04,636 俺も 三千代は 2人いらない。 282 00:25:04,636 --> 00:25:10,342 でも。 でも…。 283 00:25:15,814 --> 00:25:18,016 どうした? 284 00:25:19,651 --> 00:25:22,354 俺も…。 285 00:25:24,323 --> 00:25:28,994 おひでが消せねえ。 286 00:25:28,994 --> 00:25:34,867 死ぬまで あの馬鹿が忘れられねえ。 287 00:25:34,867 --> 00:25:38,003 佐七…。 288 00:25:38,003 --> 00:25:43,876 そこにあるもんが なくなっちまうんだよ。 289 00:25:43,876 --> 00:25:47,346 忘れちゃいけねえんだ。 290 00:25:47,346 --> 00:25:52,351 心底 惚れたものは 忘れちゃいけねえ。 291 00:25:54,019 --> 00:25:58,690 そういう旦那と 若旦那だから➡ 292 00:25:58,690 --> 00:26:03,962 お前さんも惚れなすったんじゃ ねえのかい? 293 00:26:03,962 --> 00:26:06,632 佐七さん…。 294 00:26:06,632 --> 00:26:14,973 俺は お前さんが消えちまっても 忘れねえと思うよ。 295 00:26:14,973 --> 00:26:23,282 優しい言葉 かけてくれたなって。 ずっと覚えてると思うよ。 296 00:26:28,987 --> 00:26:34,326 どうした? (せきこみ) 297 00:26:34,326 --> 00:26:38,630 大事ないかい? 皐月。 298 00:26:40,199 --> 00:26:46,338 お前… ひょっとして。 まさか? え? 299 00:26:46,338 --> 00:26:50,676 そうか。 そうか! 300 00:26:50,676 --> 00:26:58,350 えっ 何だい? え…。 俺にも教えてくれよ! 301 00:26:58,350 --> 00:27:01,620 そうか! どうしたんだよ? 302 00:27:01,620 --> 00:27:03,622 (おきわ)いらっしゃい。 303 00:27:16,969 --> 00:27:19,872 大店の跡継ぎを たぶらかし➡ 304 00:27:19,872 --> 00:27:24,643 大がかりな賭場で 銭を巻き上げてる連中がいる。 305 00:27:24,643 --> 00:27:30,516 (吉次)この暑いのに。 次の賭場が いつか知りたい。 306 00:27:30,516 --> 00:27:32,985 さあてねえ。 307 00:27:32,985 --> 00:27:34,920 あの…。 308 00:27:34,920 --> 00:27:37,156 そばならいいよ。 すぐ お帰りだ。 309 00:27:37,156 --> 00:27:40,359 もらおう。 はい。 310 00:27:45,864 --> 00:27:51,336 神田相生町に 助八という大工がいる。 311 00:27:51,336 --> 00:27:55,641 この男に 高利の借金を 背負わせてる輩がいてな。 312 00:27:58,844 --> 00:28:07,352 賭場に出入りしている男だ。 たたけば出る。 いろいろな。 313 00:28:16,628 --> 00:28:21,500 おい 菊松。(菊松)へい。 そば 上に運んでくれ。へい。 314 00:28:21,500 --> 00:28:24,203 旦那…。 315 00:28:38,650 --> 00:28:41,687 (伊助)道端で飲みつぶれて いたところを こっちに…。 316 00:28:41,687 --> 00:28:47,192 (辰吉)旦那…。 後は 俺が。 へえ。 317 00:28:55,200 --> 00:29:01,506 小せえ男だ 俺は。 318 00:29:05,277 --> 00:29:12,284 小せえだけじゃねえ。 情け知らずの男だ。 319 00:29:16,888 --> 00:29:25,597 仏と言われた義父を超えよう。 超えねばと お役目に励む。 320 00:29:25,597 --> 00:29:34,306 一日 町を廻り 罪を暴き 家に戻れば 皐月と憩い➡ 321 00:29:34,306 --> 00:29:37,309 泥のように眠る。 322 00:29:38,977 --> 00:29:43,315 よろしいじゃございませんか。 323 00:29:43,315 --> 00:29:51,023 いつの間にか この世にいない者を忘れる。 324 00:29:52,991 --> 00:30:01,300 忘れる己が やりきれず 墓参りを繰り返した。 325 00:30:20,686 --> 00:30:29,695 (すすり泣き) 326 00:30:29,695 --> 00:30:35,033 愛しい気持ちに変わりはないが➡ 327 00:30:35,033 --> 00:30:44,743 今 愛しい者のために この先 忘れるかもしれぬ。 328 00:30:52,050 --> 00:30:58,757 昔 人を殺そうとしやした。 329 00:31:00,325 --> 00:31:03,995 女房を殺した男です。 330 00:31:03,995 --> 00:31:09,334 「殺すな! 生きろ!」…。 331 00:31:09,334 --> 00:31:15,640 大旦那に どなられ 振り上げた匕首を下ろしやした。 332 00:31:18,343 --> 00:31:27,352 死んだ女房も 殺した男も。 333 00:31:27,352 --> 00:31:30,355 許せねえ てめえも…。 334 00:31:33,225 --> 00:31:46,371 ここで くすぶっておりやす。 そうやって生きておりやす。 335 00:31:46,371 --> 00:32:00,652 ♬~ 336 00:32:00,652 --> 00:32:09,995 次の賭場が 月末に立つ。 吉次から聞いた。 337 00:32:09,995 --> 00:32:14,299 吉次を… お使いに? 338 00:32:16,334 --> 00:32:20,038 大きな捕り物になる。 339 00:32:25,677 --> 00:32:33,018 辰吉。 頼む。 340 00:32:33,018 --> 00:32:35,720 心得ました。 341 00:32:37,355 --> 00:32:39,291 ただいま戻った。 342 00:32:39,291 --> 00:32:41,593 皐月…。 343 00:32:46,698 --> 00:32:49,401 皐月? 344 00:32:52,037 --> 00:32:53,972 いたのか。 345 00:32:53,972 --> 00:32:57,709 すみませぬ。 表の風に当たっておりました。 346 00:32:57,709 --> 00:33:03,014 どうした。 具合が悪いのか? 347 00:33:16,194 --> 00:33:19,197 旦那様。 348 00:33:20,932 --> 00:33:27,339 私 子ができました。 349 00:33:27,339 --> 00:33:35,347 子…? はい。 身ごもりました。 350 00:33:39,351 --> 00:33:46,691 私 嫁ぐ折に このように思っておりました。 351 00:33:46,691 --> 00:33:50,996 3人の家に嫁ぐのだと。 352 00:33:54,366 --> 00:34:03,675 義父上様 晃之助様 三千代様。 353 00:34:06,945 --> 00:34:12,317 でも それは 間違いでございました。 354 00:34:12,317 --> 00:34:15,020 間違い? 355 00:34:17,989 --> 00:34:27,666 お姑様 その母上様 父上様…。 356 00:34:27,666 --> 00:34:30,001 大勢の方がいらして➡ 357 00:34:30,001 --> 00:34:33,004 子は 生まれるのでございます。 358 00:34:35,340 --> 00:34:41,680 私は ただ その中の 小さき一人。 359 00:34:41,680 --> 00:35:04,803 ♬~ 360 00:35:04,803 --> 00:35:09,474 ⚟(晃之助)でかしたぞ~! 361 00:35:09,474 --> 00:35:12,978 (笑い声) 362 00:35:12,978 --> 00:35:18,149 先日 ふらっと 鎌倉屋を 訪ねました。 363 00:35:18,149 --> 00:35:22,020 いえね。 通町に 用がございまして ついでに…。 364 00:35:22,020 --> 00:35:24,322 7年ぶりでございました。 365 00:35:24,322 --> 00:35:28,994 店を出て以来か。 安右衛門 どうだった? 366 00:35:28,994 --> 00:35:31,329 それが 追い返されました。 367 00:35:31,329 --> 00:35:34,666 店に 一足 入った途端に こうですよ…。 368 00:35:34,666 --> 00:35:37,569 (安右衛門)何か ご用で…。 369 00:35:37,569 --> 00:35:39,537 (笑い声) 370 00:35:39,537 --> 00:35:45,310 何だか ずっと肩ひじ張ってたのが すっと取れましてね。 371 00:35:45,310 --> 00:35:48,013 私も 言い返してやりましたよ。 372 00:35:48,013 --> 00:35:50,915 近くまで来たもんで また参ります。 373 00:35:50,915 --> 00:35:53,885 文句を言いに 度々 行ってやります。 374 00:35:53,885 --> 00:35:57,355 (笑い声) 375 00:35:57,355 --> 00:36:01,226 意地と我を 取り違えてたんでしょうかねえ。 376 00:36:01,226 --> 00:36:04,129 勝手に 敷居を高くして➡ 377 00:36:04,129 --> 00:36:06,631 やっかんでたのは 私の方かもしれません。 378 00:36:06,631 --> 00:36:12,637 そんな事はねえ。 意地がなきゃ てめえは てめえでいられねえ。 379 00:36:16,141 --> 00:36:19,644 亭主に 線香をあげて参りました。 380 00:36:21,312 --> 00:36:26,184 大旦那にそっくりの いい人でした。 381 00:36:26,184 --> 00:36:30,321 掛けがえのない人でした。 382 00:36:30,321 --> 00:36:34,192 改めて そう思いました。 383 00:36:34,192 --> 00:36:37,195 そうか…。 384 00:36:50,175 --> 00:36:54,679 なかなか咲かぬものだな。 385 00:36:54,679 --> 00:36:58,016 よろしいじゃございませんか。 386 00:36:58,016 --> 00:37:02,287 焦らずとも ゆっくりと…。 387 00:37:02,287 --> 00:37:09,627 咲くのは 朝だったな。 はい。 388 00:37:09,627 --> 00:37:14,632 待たれます? それまで。 389 00:37:17,502 --> 00:37:26,644 このまま… こうして待ちたい。 はい。 390 00:37:26,644 --> 00:37:47,332 ♬~ 391 00:37:50,335 --> 00:37:56,674 行ってくる。 行ってらっしゃいませ。 392 00:37:56,674 --> 00:38:00,445 <お雪さんから お金の工面が つきそうだとの➡ 393 00:38:00,445 --> 00:38:02,947 言づてが 届きました。➡ 394 00:38:02,947 --> 00:38:07,118 いま一度 夫婦二人で 乗り越える 決心をしたのです> 395 00:38:07,118 --> 00:38:10,622 あっ! ああ…。 396 00:38:10,622 --> 00:38:16,494 今日も 暑くなりそうだね。 どれ 水打つか。 397 00:38:16,494 --> 00:38:21,199 座っててくんな 仏の旦那。 398 00:38:56,000 --> 00:39:01,272 おや 綺麗な お嬢さんだ。 399 00:39:01,272 --> 00:39:22,126 ♬~ 400 00:39:22,126 --> 00:39:24,929 旦那? 401 00:39:27,298 --> 00:39:34,639 今 つらかった時の事を 思い出した。 402 00:39:34,639 --> 00:39:41,512 ここに来る前。 二度と 思い出したくねえ。 403 00:39:41,512 --> 00:39:45,149 だが 忘れられねえ。 404 00:39:45,149 --> 00:39:48,653 その時の事をだ…。 405 00:39:50,955 --> 00:39:56,327 だが なぜだい? 406 00:39:56,327 --> 00:40:01,199 いつもは苦しいだけの その昔が…。 407 00:40:01,199 --> 00:40:07,939 ふっと 懐かしく思えやがった。 408 00:40:07,939 --> 00:40:22,353 ♬~ 409 00:40:22,353 --> 00:40:25,356 三千代…。 410 00:40:28,693 --> 00:40:31,696 三千代…。 411 00:40:45,043 --> 00:40:51,382 <義父上様の物語は ひとまず これで おしまいでございます> 412 00:40:51,382 --> 00:40:54,285 お前 食いなよ。 いや 旦那 どうぞ。 413 00:40:54,285 --> 00:40:59,590 <この続きは またの折に 致しとうございます> 414 00:41:02,660 --> 00:41:05,563 だから お前が食えって 言ってんだろ。 415 00:41:05,563 --> 00:41:09,334 何で 食べてえなら すすめなきゃいいじゃないかい。 416 00:41:09,334 --> 00:42:24,642 ♬~