1 00:00:06,740 --> 00:00:10,878 (皐月)<私の舅殿 森口慶次郎様が➡ 2 00:00:10,878 --> 00:00:14,381 根岸の里で 酒問屋の 寮番となられて➡ 3 00:00:14,381 --> 00:00:17,718 2年半余りの時が 流れました。➡ 4 00:00:17,718 --> 00:00:20,621 舅殿と 飯炊きの佐七さん➡ 5 00:00:20,621 --> 00:00:24,591 今や お二人は まるで長年連れ添われた➡ 6 00:00:24,591 --> 00:00:28,896 夫婦のような間柄でございます> 7 00:00:28,896 --> 00:00:39,907 ♬~ 8 00:00:39,907 --> 00:00:43,911 <梅雨晴れの昼下がりで ございます> 9 00:00:45,579 --> 00:00:48,916 (慶次郎)佐七! 今 帰ったぞ! (佐七)えっ どうだった!?➡ 10 00:00:48,916 --> 00:00:50,951 半ちゃん 働かしてくれるってかい? 11 00:00:50,951 --> 00:00:55,589 山口屋が雇ってくれるそうだ。 あっ そうかい! 12 00:00:55,589 --> 00:00:58,258 あいさつをすましたら あとで こっちに 寄るそうだよ。 13 00:00:58,258 --> 00:01:03,230 よ~し 今夜は お祝いだ。 旦那も早く 部屋片づけてくれよ。 14 00:01:03,230 --> 00:01:06,066 この下手な書きつけもさ。 15 00:01:06,066 --> 00:01:08,902 おい! これ俺の俳句じゃねえか! 16 00:01:08,902 --> 00:01:15,042 旦那。 俺だって分かるよ。 これは 書きつけ。 芸じゃないね。 17 00:01:15,042 --> 00:01:19,246 芸!? 半ちゃんに見せられっかってんだ。 18 00:01:25,218 --> 00:01:28,121 (笑い声) 19 00:01:28,121 --> 00:01:31,024 <佐七さんが 半ちゃんと呼ぶ➡ 20 00:01:31,024 --> 00:01:33,894 少年のころに 別れたきりのお友達➡ 21 00:01:33,894 --> 00:01:38,565 半次さんと 再会したのは 10日ほど前の事でした> 22 00:01:38,565 --> 00:01:44,438 (文五郎)賄いの掛かり 今月は 2か月分 渡しとくよ。➡ 23 00:01:44,438 --> 00:01:52,145 旦那に ご迷惑をかけないように しっかり やるんだよ。 へい。 24 00:01:55,582 --> 00:01:58,885 迷惑なのは こっちのほうだよ。 25 00:02:17,204 --> 00:02:20,907 おうおう おうおう 大丈夫かい? おい 起きな。 26 00:02:22,542 --> 00:02:26,847 何すんだい? アイタタタ! 27 00:02:33,053 --> 00:02:38,258 (半次)怪我は なかったかい? へえ。 ありがとう…。 28 00:02:54,741 --> 00:03:02,482 さあちゃん さあちゃんか…。 ああ 半ちゃん ああ! 29 00:03:02,482 --> 00:03:06,386 (喜び合う声) 30 00:03:06,386 --> 00:03:09,389 (笑い声) 31 00:03:09,389 --> 00:03:14,027 そうか。 佐七が 笛作りの職人だったとはな。 32 00:03:14,027 --> 00:03:18,698 見習いだよ 見習い。 40年も前の話さ。 33 00:03:18,698 --> 00:03:21,368 俺が笛吹き。 こいつは笛作り。 34 00:03:21,368 --> 00:03:23,303 2人とも 見習いだから➡ 35 00:03:23,303 --> 00:03:25,539 勝手に 口なんか きけやしねえんでさ。 36 00:03:25,539 --> 00:03:28,842 だから 顔合わせた時は せめて…。 37 00:03:30,410 --> 00:03:34,047 (2人の笑い声) 2人だけの合図ってわけだ。 38 00:03:34,047 --> 00:03:39,553 ええ。 待ち合わせも こう… 石っころを並べて➡ 39 00:03:39,553 --> 00:03:44,891 合図したっけな。 読み書き出来ねえから。 40 00:03:44,891 --> 00:03:48,762 さあちゃんだけが 仲間でした。 41 00:03:48,762 --> 00:03:55,902 生まれてすぐ 親 死にましてね。 うなぎ屋に 預けられました。 42 00:03:55,902 --> 00:04:00,740 笛吹きになりたいなんて とても 言いだせる立場じゃなかった。 43 00:04:00,740 --> 00:04:04,344 それでも 半ちゃん 一人で 稽古 続けたんだ。 44 00:04:04,344 --> 00:04:07,848 半ちゃんの笛は 誰よりも うまかったからね。 45 00:04:07,848 --> 00:04:10,550 ほう…。 46 00:04:23,864 --> 00:04:25,799 これは? 47 00:04:25,799 --> 00:04:29,736 さあちゃんが 初めて こさえてくれた笛だい。➡ 48 00:04:29,736 --> 00:04:35,041 励まされたのは 俺のほうだ。 こいつだけは どんな時でも➡ 49 00:04:35,041 --> 00:04:39,880 こうやって…。 半ちゃん…。 50 00:04:39,880 --> 00:04:43,216 佐七さん。 森口の旦那。 51 00:04:43,216 --> 00:04:45,152 よしとくれよ そんな 他人行儀な…。 52 00:04:45,152 --> 00:04:48,889 この度は 俺を 山口屋さんで 働けるよう 頼んで下さり➡ 53 00:04:48,889 --> 00:04:50,891 ありがとうございました。 54 00:04:52,559 --> 00:04:56,062 笛を あきらめてから 俺は よれちまった。 55 00:04:56,062 --> 00:05:00,667 そりゃもう 恥ずかしいぐらいだ。 半ちゃん…。 56 00:05:00,667 --> 00:05:02,702 さあちゃんに会って もういっぺんだけ➡ 57 00:05:02,702 --> 00:05:09,342 てめえを信じる気持ちになった。 山口屋で 一生懸命やるよ。 58 00:05:09,342 --> 00:05:13,847 必ず やり直してみせる。 59 00:05:13,847 --> 00:05:16,850 半ちゃん…。 60 00:05:19,719 --> 00:05:25,458 なんだよ この 笛に巻いてある籐 緩んでるじゃねえか…。➡ 61 00:05:25,458 --> 00:05:29,863 それに あちこち割れて かわいそうに…。 62 00:05:29,863 --> 00:05:35,535 直してやれ。 俺が? 63 00:05:35,535 --> 00:05:38,438 門出じゃねえか。 64 00:05:38,438 --> 00:05:51,885 ♬~ 65 00:05:51,885 --> 00:05:57,691 (しづ)おや まあ…。 いいお話でございますねえ。 66 00:05:57,691 --> 00:06:00,327 (晃之助)まあな。 旦那様は➡ 67 00:06:00,327 --> 00:06:03,163 何か気に入らない事でも おありなのですか? 68 00:06:03,163 --> 00:06:05,665 義父上は 甘い。 69 00:06:05,665 --> 00:06:09,336 夢 破れたのち 立ち直れぬまま 何十年も➡ 70 00:06:09,336 --> 00:06:12,172 いいかげんに暮らしてきた 男だぞ。 71 00:06:12,172 --> 00:06:17,010 そんな男でも 義父が頼めば 山口屋は断れまい。 72 00:06:17,010 --> 00:06:20,046 はあ… それを分かって 世話をしたのか。 73 00:06:20,046 --> 00:06:23,183 厳しゅうございますね。 74 00:06:23,183 --> 00:06:27,187 過ちを繰り返す者を 見てきたからな。 75 00:06:35,762 --> 00:06:38,465 辰吉さん。 76 00:06:40,734 --> 00:06:46,039 おぶんさんにも。 (辰吉)いつも すみません。 77 00:06:52,879 --> 00:06:57,183 あんた… こっちへ おいでよ。 78 00:06:59,686 --> 00:07:02,322 いいから おいでよ。 79 00:07:02,322 --> 00:07:09,095 <おぶんさんとは 義父上様と 旦那様の敵 常蔵の娘です。➡ 80 00:07:09,095 --> 00:07:13,500 世話になった お返しにと 辰吉さんの身の回りを➡ 81 00:07:13,500 --> 00:07:16,002 時々 世話しております> 82 00:07:16,002 --> 00:07:18,204 よいしょ! 83 00:07:20,840 --> 00:07:26,513 <半次さんが 働き始めて 半月が たちました> 84 00:07:26,513 --> 00:07:36,523 ♬~ 85 00:07:36,523 --> 00:07:40,860 佐七 そろそろ米が切れそうだが。 何だって? 86 00:07:40,860 --> 00:07:46,733 いや だから 米が…。 いいよ 俺が頼んでくるよ。 87 00:07:46,733 --> 00:07:49,736 ああ そうだ 煎餅もな。 88 00:07:51,871 --> 00:07:55,175 煎餅にも なびかねえ。 89 00:07:58,044 --> 00:08:02,816 辛気くさいのが おいでなすった。 90 00:08:02,816 --> 00:08:06,686 (吉次)ハハハ あれに言われちゃ 形なしだな。 91 00:08:06,686 --> 00:08:09,689 どうした? 何か あったのか? 恐れ入りやす。 92 00:08:09,689 --> 00:08:13,693 ちょいと おみ足を運んで頂きたい 所が ございまして…。 93 00:08:24,838 --> 00:08:26,773 やけに 繁盛してるな。 94 00:08:26,773 --> 00:08:30,710 ええ。 でも 肴は 食えたもんじゃねえんで。 95 00:08:30,710 --> 00:08:35,482 どういう事だ? へい。 明之鶴とか布袋とか➡ 96 00:08:35,482 --> 00:08:39,386 1合 30文もする 上物の酒が出るんで…。 97 00:08:39,386 --> 00:08:45,158 いくらで? 8文。 たったの。 98 00:08:45,158 --> 00:08:47,861 盗んだ酒か? 99 00:08:47,861 --> 00:08:50,764 おやじ! へい。 100 00:08:50,764 --> 00:08:56,870 主の九兵衛。 あの おやじが 頭になって 食い詰め連中が➡ 101 00:08:56,870 --> 00:09:01,708 あちこちの酒屋から 酒をくすねて ここで さばいているってわけで。 102 00:09:01,708 --> 00:09:04,677 なぜ 俺に話を持ってきた? 103 00:09:04,677 --> 00:09:11,818 ここんとこ 山口屋の上物も 出回ってるんで。 104 00:09:11,818 --> 00:09:16,689 なんでも 山口屋に 半月ぐらい前から➡ 105 00:09:16,689 --> 00:09:19,692 新しく男が入ったそうで…。 106 00:09:23,830 --> 00:09:27,500 (文五郎)残念ながら お話は まことでございます。 107 00:09:27,500 --> 00:09:32,372 (お登世)お酒が 盗まれてるんですか?はい。 108 00:09:32,372 --> 00:09:39,212 半次の仕業か?半次が来てから 始まったのは 確かでございます。 109 00:09:39,212 --> 00:09:42,849 手代が それとなく 気を配るようになりまして➡ 110 00:09:42,849 --> 00:09:45,752 少しは減ったようで ございますが…。 111 00:09:45,752 --> 00:09:47,720 番屋には 届けてねえんだな。 112 00:09:47,720 --> 00:09:51,191 旦那 それとなく 半次の事を➡ 113 00:09:51,191 --> 00:09:56,062 佐七から 尋ねては頂けませんか? う~ん…。 114 00:09:56,062 --> 00:10:01,534 盗み酒が その半次っていう人の 仕業なら 佐七さんは? 115 00:10:01,534 --> 00:10:04,437 しめしが つきませんので。 暇 出されるんですか? 116 00:10:04,437 --> 00:10:09,876 待ってくれ。 半次は 確かに 佐七の幼なじみだが➡ 117 00:10:09,876 --> 00:10:11,911 山口屋に頼んだのは この俺だぜ。 118 00:10:11,911 --> 00:10:19,119 ですから 佐七が そうなる前に ぜひ…。 119 00:10:22,455 --> 00:10:26,459 う~ん。 120 00:10:31,564 --> 00:10:36,402 おつろうござんすね。 佐七さんに言うのは…。 121 00:10:36,402 --> 00:10:39,906 ここんとこ 半ちゃん 半ちゃんだからなあ。 122 00:10:39,906 --> 00:10:43,243 朝から晩まで 笛の修理だ。 123 00:10:43,243 --> 00:10:45,912 俺の事なんざ ほったらかしだ。 124 00:10:45,912 --> 00:10:52,252 佐七さんが? いくら いい思い出だからって。 125 00:10:52,252 --> 00:10:58,124 旦那。 やきもち? いや 俺は 別に…。 126 00:10:58,124 --> 00:11:04,364 おつらかったんですよ 佐七さん。 昔の事を思い出すのも 嫌なほど。 127 00:11:04,364 --> 00:11:10,236 つらい?ええ…。 いい思い出ではないのか。 128 00:11:10,236 --> 00:11:12,539 精いっぱい 精進したのに➡ 129 00:11:12,539 --> 00:11:15,375 笛吹きにも 笛作りにも なれなかった。 130 00:11:15,375 --> 00:11:20,246 それは つろうございましょう。 そんな お二人を結ぶ➡ 131 00:11:20,246 --> 00:11:27,554 ただひとつの思い出が 一本の笛なんでございましょうね。 132 00:11:27,554 --> 00:11:32,425 壊れたままでは 苦労した昔も➡ 133 00:11:32,425 --> 00:11:36,896 笛吹きをあきらめた幼なじみも 救われない。➡ 134 00:11:36,896 --> 00:11:40,767 笛を直す事で つらかった昔も…➡ 135 00:11:40,767 --> 00:11:44,571 道を外れてしまった半次さんも きっと やり直せる。 136 00:11:44,571 --> 00:11:48,241 そう思ってらっしゃるんじゃ…。 137 00:11:48,241 --> 00:11:53,947 佐七の証し…。 138 00:12:02,188 --> 00:12:06,359 もうすぐ 池に蛍が参ります。 139 00:12:06,359 --> 00:12:13,533 会いたい方が 姿を変えて やってくるんだそうでございます。 140 00:12:13,533 --> 00:12:23,876 そうか… 三千代が来るか…。 141 00:12:23,876 --> 00:12:31,551 お亡くなりになって…。 6度目の夏だ。 142 00:12:31,551 --> 00:12:52,839 ♬~ 143 00:12:54,574 --> 00:12:57,477 旦那 ちょっと そこまで。 瓜 買ってくる。 144 00:12:57,477 --> 00:13:01,180 今から 冷やせば 夕涼みの時 ちょうど うまくなるからね。 145 00:13:01,180 --> 00:13:10,523 ああ そうだな。あ 笛に巻く いい籐を 見つけたんだ。 146 00:13:10,523 --> 00:13:12,859 割れも 何とか ふさがりそうだし➡ 147 00:13:12,859 --> 00:13:16,529 直ったら 前より う~んと 音が 締まる。 148 00:13:16,529 --> 00:13:19,032 早く 半ちゃんに 吹いてもらいてえな。 149 00:13:19,032 --> 00:13:27,540 佐七。 ちょいと話がある。 150 00:13:27,540 --> 00:13:31,711 半ちゃんが…。 むろん まだ 決まった訳じゃねえ。 151 00:13:31,711 --> 00:13:36,382 小僧の誰かが 小遣い欲しさに 酒を くすねてる。 152 00:13:36,382 --> 00:13:39,285 それだけの話かもしれねえ。 だが…。 153 00:13:39,285 --> 00:13:46,392 半ちゃんの仕業だ。 そう思ってるんですね。 154 00:13:46,392 --> 00:13:50,196 旦那も 山口屋さんも みな…。 155 00:13:52,565 --> 00:13:57,403 旦那が そう言うんなら そうなんでしょうよ。 156 00:13:57,403 --> 00:14:06,012 佐七…。俺は どこ行っても 出来損ないの半人前だ。 157 00:14:06,012 --> 00:14:11,684 でも 旦那は違う。 生まれた時からの お侍で➡ 158 00:14:11,684 --> 00:14:17,857 お役を継いで 「仏の旦那」とまで 言われたお人だ。 159 00:14:17,857 --> 00:14:20,760 俺なんかには 分からねえ➡ 160 00:14:20,760 --> 00:14:23,529 見えないものが 見えるんでしょうよ。 161 00:14:23,529 --> 00:14:26,432 佐七 俺は…。 でも…➡ 162 00:14:26,432 --> 00:14:32,438 旦那は 一体 半ちゃんの 何を知ってるってんだい。 163 00:14:36,109 --> 00:14:39,078 よく言われたもんさ。 164 00:14:39,078 --> 00:14:42,715 「道具が消えた 佐七の行李を捜せ」。 165 00:14:42,715 --> 00:14:46,219 「草履が消えた 佐七の動いた先を捜せ」。 166 00:14:46,219 --> 00:14:49,922 「銭が消えた 佐七の袖を探ってみろ」。 167 00:14:51,557 --> 00:15:02,268 物心ついて 奉公に出されてから ずっと そんな暮らしだったよ。 168 00:15:03,836 --> 00:15:11,711 半ちゃんだって 同じだよ。 何か 事が起きれば➡ 169 00:15:11,711 --> 00:15:15,414 何だって 俺らのせいになって…。 170 00:15:17,383 --> 00:15:20,186 旦那 さっき 何て言った? 171 00:15:20,186 --> 00:15:23,523 「小僧の誰かが 小遣い欲しさに➡ 172 00:15:23,523 --> 00:15:26,859 酒を くすねてる」。 そう言いなすったね。 173 00:15:26,859 --> 00:15:30,730 そうだ。 だから 半次だけを 疑ってるわけじゃ…。 174 00:15:30,730 --> 00:15:34,367 その小僧ってのは…➡ 175 00:15:34,367 --> 00:15:41,874 俺だよ。 40年前の俺だよ。 176 00:15:41,874 --> 00:15:47,213 旦那 いいかい? 旦那が 今 うたぐってるのは➡ 177 00:15:47,213 --> 00:15:53,219 半ちゃんだけじゃねえ この俺もだよ。 178 00:15:58,825 --> 00:16:02,695 半ちゃんは やってねえ。 179 00:16:02,695 --> 00:16:05,398 やって たまるか! 180 00:16:08,501 --> 00:16:10,436 何もしなくても➡ 181 00:16:10,436 --> 00:16:13,339 あったかい飯があって あったかい布団があって➡ 182 00:16:13,339 --> 00:16:19,145 そんな旦那に 俺や 半ちゃんの 昔が 分かってたまるかい! 183 00:16:24,050 --> 00:16:28,354 <どれほど親しいと 感じていた方との間にも➡ 184 00:16:28,354 --> 00:16:33,159 時に 渡れぬほどの 深い河がございます> 185 00:16:35,127 --> 00:16:39,699 <一番 身近なお人の事を 義父上様は➡ 186 00:16:39,699 --> 00:16:43,503 傷つけておしまいに なったのでした> 187 00:16:51,210 --> 00:16:55,214 おう さあちゃん こっちだ こっちだ! 188 00:16:59,819 --> 00:17:03,990 なんだよ 遅かったじゃねえかよ。 分かりにくかったかい。 189 00:17:03,990 --> 00:17:07,860 さあさあ 上がれ上がれ ヘヘヘ。 190 00:17:07,860 --> 00:17:10,496 なんだよ 辛気くさい顔しやがって➡ 191 00:17:10,496 --> 00:17:13,533 ほら… 一杯。 そんな事ねえけど…。 192 00:17:13,533 --> 00:17:17,370 おう おやじ こっちにも 酒だ。 肴もな。 193 00:17:17,370 --> 00:17:19,372 (九兵衛)あいよ。 194 00:17:21,140 --> 00:17:26,512 勤めは どうだい? 変わらないよ どこでも…。 195 00:17:26,512 --> 00:17:29,415 昔からの手代が 偉そうな顔してやがる。 196 00:17:29,415 --> 00:17:32,852 旦那は けちだし 番頭は 融通がきかねえや。 197 00:17:32,852 --> 00:17:38,524 へっ この年で 下働きになった 俺の事なんざ 虫けら扱いだよ。 198 00:17:38,524 --> 00:17:41,360 駄目だよ まじめに働かなくちゃ。 199 00:17:41,360 --> 00:17:45,197 分かってるよ。 だから ここに 呼んだんじゃねえか。 200 00:17:45,197 --> 00:17:49,702 なあ さあちゃん。 いつまで あんな 寂しい屋敷で➡ 201 00:17:49,702 --> 00:17:53,372 暮らすつもりだい? いつまでって…。 202 00:17:53,372 --> 00:17:59,812 俺とよ ひともうけしねえか? いつまでも下働きでもねえだろ。 203 00:17:59,812 --> 00:18:02,715 お前さんだって 隠居した町方の世話で➡ 204 00:18:02,715 --> 00:18:04,684 終わっていいはずがねえんだい。 205 00:18:04,684 --> 00:18:08,487 バ~ッと もうけてよ。 ここらで バ~ッと。 なっ。 206 00:18:08,487 --> 00:18:15,494 何して もうけるんだい? いや 何ってよ…。 207 00:18:21,200 --> 00:18:29,875 俺… 半ちゃん 信じてるよ。 な… なんだよ。 208 00:18:29,875 --> 00:18:36,849 俺… 半ちゃんと いつまでも 一緒だよ。 209 00:18:36,849 --> 00:18:43,155 分かってるよ。 ほれ やんなよ ほら。 210 00:18:48,194 --> 00:18:50,696 (半次)いや~ さあちゃんよ。 まだ飲み足りねえ➡ 211 00:18:50,696 --> 00:18:52,631 もう一軒 行こうよ。 なっ。 (佐七)いや もういいよ。 212 00:18:52,631 --> 00:18:56,435 俺がおごるから 行こうよ~。 よしなって。 213 00:18:59,205 --> 00:19:03,476 ヘヘヘ 迷ってやがら…。 214 00:19:03,476 --> 00:19:08,180 半ちゃん 笛 もうすぐ出来上がるよ。 215 00:19:10,816 --> 00:19:15,688 笛?ああ。 そしたら また吹いてくれよ。 216 00:19:15,688 --> 00:19:19,158 いつだったか 吹いて 聴かせてくれたじゃないか。 217 00:19:19,158 --> 00:19:21,460 あんなふうにさ。 218 00:19:23,029 --> 00:19:25,331 へっ…。 219 00:19:27,833 --> 00:19:30,536 半ちゃん! 220 00:19:47,853 --> 00:19:50,556 きっとだよ! 221 00:19:54,727 --> 00:19:58,864 <それから しばらくして 半次さんは➡ 222 00:19:58,864 --> 00:20:02,868 山口屋さんから 姿を消しました> 223 00:20:04,537 --> 00:20:07,840 どけどけどけどけ どきやがれ! 224 00:20:09,408 --> 00:20:11,877 半次が 刺した? 225 00:20:11,877 --> 00:20:16,382 居酒屋の主を…。 盗み酒を扱っていた男です。 226 00:20:16,382 --> 00:20:19,885 分け前に いざこざが あったようで。 227 00:20:19,885 --> 00:20:22,788 逃げているのか? 半次は。 その前より とうに➡ 228 00:20:22,788 --> 00:20:29,795 姿を消しております。 ご存じありませんでしたか? 229 00:20:34,233 --> 00:20:37,736 半次は 今 八丁堀からも➡ 230 00:20:37,736 --> 00:20:41,240 盗みの仲間からも 追われる立場です。 231 00:20:45,478 --> 00:20:51,250 見張って下さい 佐七を。 なんだと? 232 00:20:51,250 --> 00:20:53,919 このままでは 佐七も 義父上も➡ 233 00:20:53,919 --> 00:20:57,623 山口屋の寮になぞ 居られなくなります。 234 00:21:08,868 --> 00:21:12,705 な… なんだ あんたら。 半次は どこに居る? 235 00:21:12,705 --> 00:21:16,876 し… 知らねえよ。 知らねえ事はねえだろ➡ 236 00:21:16,876 --> 00:21:22,581 幼なじみが。 俺たち 半次に貸しがあるんだ! 237 00:21:28,487 --> 00:21:30,790  回想 気をつけろい! 238 00:21:32,424 --> 00:21:35,895 何すんだい? あっ! 239 00:21:35,895 --> 00:21:38,564 あんたたち…。 240 00:21:38,564 --> 00:21:43,869 隠し立てすると ためにならないぜ。 241 00:21:46,071 --> 00:21:50,910 あっ あっ! 誰だ!? てめえ。 242 00:21:50,910 --> 00:21:54,413 こちらの寮番が どなたか ご存じないようだ。 243 00:21:54,413 --> 00:21:58,284 森口の旦那と おっしゃってな。 八丁堀じゃ ちょいと➡ 244 00:21:58,284 --> 00:22:03,289 名の知れた お方よ。 なあ。 仏の慶次郎か…。 245 00:22:09,528 --> 00:22:13,532 おい 怪我はないかい? 246 00:22:16,869 --> 00:22:22,741 そうかい…。 そういう事だったのかい。 247 00:22:22,741 --> 00:22:27,580 端から 酒が 目当てだったのかい? 248 00:22:27,580 --> 00:22:33,219 教えてくれ。 何が あったんだ? 半ちゃん 何したんだ? 249 00:22:33,219 --> 00:22:38,057 佐七! 今 そこで 様子の悪い連中と 行きあった。 250 00:22:38,057 --> 00:22:43,262 大事ねえかい? へえ。 251 00:23:02,014 --> 00:23:07,820 思い出してたんだよ。 昔の事をさ…。 252 00:23:07,820 --> 00:23:13,359 あれは… ちょうど 今時分の事だった。 253 00:23:13,359 --> 00:23:19,231 日暮れ時に 半ちゃんが いきなり 訪ねてきて➡ 254 00:23:19,231 --> 00:23:23,869 笛を 聴かせてくれるって 言うんだ。 255 00:23:23,869 --> 00:23:30,743 あの時の笛は… 今でも 忘れられねえ。 256 00:23:30,743 --> 00:23:39,885 ♬~(笛) 257 00:23:39,885 --> 00:23:44,757 (佐七)いつもの 愛想がいいだけの 半ちゃんじゃねえ。➡ 258 00:23:44,757 --> 00:23:49,895 透き通った 悲しいような…➡ 259 00:23:49,895 --> 00:23:54,767 何か 俺が それまでに 聴いた事もないような➡ 260 00:23:54,767 --> 00:24:01,173 きれいな… そんな音色だったよ。➡ 261 00:24:01,173 --> 00:24:05,511 あたり一面 響きわたって…➡ 262 00:24:05,511 --> 00:24:10,849 俺は まるで… 中村座を買い切ったような➡ 263 00:24:10,849 --> 00:24:13,752 贅沢な気分だった…。 264 00:24:13,752 --> 00:24:31,170 ♬~ 265 00:24:31,170 --> 00:24:36,542 後から 聞いたんだ。 半ちゃんが➡ 266 00:24:36,542 --> 00:24:42,881 有名な囃子方の お師匠さんに 弟子入りを断られたって…。 267 00:24:42,881 --> 00:24:49,755 それっきり 半ちゃん… 俺の前から 消えちまった。 268 00:24:49,755 --> 00:24:53,058 そうか。 269 00:24:56,428 --> 00:24:59,732 助けてやりてえ。 270 00:25:01,667 --> 00:25:04,870 助けてやりてえんだ。 271 00:25:07,840 --> 00:25:15,014 待ってるって 言ってくれたんだ。 俺みたいな 半人前の笛を…。 272 00:25:15,014 --> 00:25:22,221 俺が作った笛なら きっと 一流の笛吹きになれるって…。 273 00:25:25,724 --> 00:25:29,428 そんな事 言ってくれたのは 半ちゃんだけだ。 274 00:25:35,868 --> 00:25:43,742 だから もし… もし 半ちゃんが 俺を頼ってきたら…。 275 00:25:43,742 --> 00:25:47,045 旦那 教えてくれ。 276 00:25:47,045 --> 00:25:50,549 人を助けるには どうしたらいいんだ。 277 00:25:50,549 --> 00:25:54,420 佐七…。 俺は 飯炊きも 庭掃除も 出来る。 278 00:25:54,420 --> 00:25:58,424 でも 人助けは した事がねえ。 279 00:25:58,424 --> 00:26:05,831 教えてくれ。 あんた 仏の慶次郎だろう。 280 00:26:05,831 --> 00:26:11,537 人っていうのは どうやって助けるんだ? 281 00:26:17,009 --> 00:26:21,513 <その翌朝の事でございました> 282 00:26:33,859 --> 00:26:38,530 相変わらず 早えな 佐七。 283 00:26:38,530 --> 00:26:41,834 どうした? ああ いや…。 284 00:26:50,876 --> 00:26:52,811 これは…。 285 00:26:52,811 --> 00:26:55,714  回想  待ち合わせも こんなふうに➡ 286 00:26:55,714 --> 00:26:59,218 石ころ並べて 合図したっけな。 287 00:26:59,218 --> 00:27:02,120 何でもねえ。 何でもないんだ これは。 288 00:27:02,120 --> 00:27:04,056 半次だろう? 289 00:27:04,056 --> 00:27:06,024 お前に会いにきたんだな。 290 00:27:06,024 --> 00:27:09,828 どこだ? どこに居るんだ? 291 00:27:09,828 --> 00:27:15,501 ち… 違うんだよ これは…。 助けるんじゃねえのか? 292 00:27:15,501 --> 00:27:23,842 そんな… そんな器じゃねえよ。 人助けは 器じゃねえ。 293 00:27:23,842 --> 00:27:29,348 ここだ。 旦那…。 294 00:27:29,348 --> 00:27:32,851 あいにくだが お前は 見張られてる。 295 00:27:32,851 --> 00:27:37,723 お前一人で 半次を逃がすのは 無理だ。 296 00:27:37,723 --> 00:27:42,528 逃がす? 逃がすんだ! 297 00:27:42,528 --> 00:27:46,198 駄目だよ そんな…。 お前が 追っ手をまく間に➡ 298 00:27:46,198 --> 00:27:48,700 俺が 半次に会う。 299 00:27:48,700 --> 00:27:51,904 半次を 江戸から逃がしてやる。 300 00:27:57,876 --> 00:28:02,714 お前が 見放したら 半次は どうなる? 301 00:28:02,714 --> 00:28:07,019 お前の直した あの笛を 半次は 二度と 吹けなくなるんだぞ。 302 00:28:09,154 --> 00:28:14,660 旦那に 旦那に 迷惑がかかる。 ここに 居られなくなる。 303 00:28:14,660 --> 00:28:19,331 それが どうした?ご法度は どうするんだ お裁きは…。 304 00:28:19,331 --> 00:28:25,837 法度が なんだ。 助けたいんじゃ ないのか お前は 半次を! 305 00:28:25,837 --> 00:28:29,508 旦那は… 旦那は 元同心じゃねえか。 306 00:28:29,508 --> 00:28:32,210 今は 寮番だ。 307 00:28:34,846 --> 00:28:38,150 お前と同じだ。 308 00:28:42,187 --> 00:28:45,190 旦那…。 309 00:29:26,164 --> 00:29:31,169 (半次)さあちゃん… さあちゃんかい? 310 00:29:34,840 --> 00:29:39,511 動くな! 佐七の使いで来た。 畜生… 裏切りやがったな! 311 00:29:39,511 --> 00:29:44,850 裏切りじゃねえ。 助けに来た。 312 00:29:44,850 --> 00:29:53,525 佐七からだ。 着物に路銀 食べ物。 313 00:29:53,525 --> 00:29:57,829 それに… これを。 314 00:30:06,872 --> 00:30:12,544 やっと 直したそうだ。 あいつが…。 315 00:30:12,544 --> 00:30:16,415 急げ。 夜が明けぬうちに 江戸を発て。 316 00:30:16,415 --> 00:30:19,885 旦那。 旦那のお役目は…。 317 00:30:19,885 --> 00:30:24,556 お前が お縄になったところで どうせ所払いだ。 318 00:30:24,556 --> 00:30:28,560 江戸に居られなくなるなら 同じ事だ。 319 00:30:33,899 --> 00:30:39,571 早くしろ! あいつ 何て言ってました? 320 00:30:39,571 --> 00:30:42,607 フフフ… あきれただろうさ。 321 00:30:42,607 --> 00:30:47,312 せっかくの幼なじみが とんだ疫病神で…。 322 00:30:47,312 --> 00:30:51,917 「助けたい」。 そう 言ってたよ。 323 00:30:51,917 --> 00:30:54,820 俺を…? 324 00:30:54,820 --> 00:30:57,789 てめえなんざ どこで 野たれ死んでも かまわねえ。 325 00:30:57,789 --> 00:31:02,861 それでも お前さんだけはって…。 326 00:31:02,861 --> 00:31:09,868 まさか…。 佐七は 笛を忘れたくねえんだ。 327 00:31:12,871 --> 00:31:18,744 まるで 中村座を買い切ったような そんな心持ちにさせてくれた➡ 328 00:31:18,744 --> 00:31:21,747 お前さんの笛をな。 329 00:31:28,887 --> 00:31:32,891 佐七を 裏切るな。 330 00:31:43,235 --> 00:31:47,572 畜生! やっぱ 裏切ったじゃねえか! 331 00:31:47,572 --> 00:31:49,875 畜生! 半次! 332 00:31:55,447 --> 00:31:59,851 畜生! 俺を売りやがって。 (晃之助)売ってはおらん! 333 00:31:59,851 --> 00:32:02,354 だったら なんだって ここに 八丁堀が 居るんだい! 334 00:32:02,354 --> 00:32:04,856 ⚟(佐七)俺が 教えたんだ。 335 00:32:11,863 --> 00:32:14,866 佐七…。 336 00:32:17,736 --> 00:32:24,876 晃之助の旦那に 知らせたんだ。 半ちゃんが ここに居るって。 337 00:32:24,876 --> 00:32:29,581 さあちゃん… まさか お前…。 338 00:32:37,889 --> 00:32:41,593 佐七… お前…。 339 00:32:43,228 --> 00:32:48,900 (半次)フッ 仕返しかい? 仕返し? 340 00:32:48,900 --> 00:32:53,238 そうだよ。 俺が お前を はめたんだ。 341 00:32:53,238 --> 00:32:55,907 端から お前が 山口屋の飯炊きと知って➡ 342 00:32:55,907 --> 00:32:58,743 助けたふりして 店に入り込んだんだ。よせ! 343 00:32:58,743 --> 00:33:03,014 ヘヘヘヘ すっかり だまされやがって。 344 00:33:03,014 --> 00:33:06,852 でもな もとはと言えば お前が いけねえんだい! 345 00:33:06,852 --> 00:33:09,754 半ちゃん…。 (半次)昔から そうだい。➡ 346 00:33:09,754 --> 00:33:13,358 ぐずのふりしやがって お人よしのふりしやがって。 347 00:33:13,358 --> 00:33:15,293 俺を舐めてやがったんだ。 348 00:33:15,293 --> 00:33:17,696 俺の笛には 能があるの何だのって。 349 00:33:17,696 --> 00:33:22,367 いや 半ちゃんの笛は 一流だ。 半ちゃんなんて 呼ぶな!➡ 350 00:33:22,367 --> 00:33:24,703 お前に 何が分かるんだい。 351 00:33:24,703 --> 00:33:27,038 お前は ただ ちょっと かまってもらったのが➡ 352 00:33:27,038 --> 00:33:30,075 うれしくて 世辞言っただけじゃねえか。 353 00:33:30,075 --> 00:33:32,210 お前に言われて➡ 354 00:33:32,210 --> 00:33:35,247 のぼせて その気になってた俺が 馬鹿だったって事よ。 355 00:33:35,247 --> 00:33:37,749 なんだ こんなもん! 356 00:33:41,553 --> 00:33:51,563 ♬~ 357 00:33:51,563 --> 00:33:53,498 (佐七)旦那 やめてくれ! 358 00:33:53,498 --> 00:33:56,902 佐七が お前のために どんなに どんなに…。 359 00:33:56,902 --> 00:34:01,172 いや いいんだ 旦那。 いいんだ! 360 00:34:01,172 --> 00:34:13,184 ♬~ 361 00:34:13,184 --> 00:34:22,861 半ちゃん… これは 半ちゃんの笛だ。佐七! 362 00:34:22,861 --> 00:34:30,201 これを直してる時 俺は 楽しかったよ。 363 00:34:30,201 --> 00:34:35,874 こんな俺でも 昔は 一人前の笛作りになろうなんて➡ 364 00:34:35,874 --> 00:34:41,746 そんな事を思ってた事が あったんだなって 思い出してさ。 365 00:34:41,746 --> 00:34:46,885 半ちゃんの おかげだ。 だから これは…➡ 366 00:34:46,885 --> 00:34:53,058 俺から 半ちゃんへの お礼だよ。 367 00:34:53,058 --> 00:34:55,894 ありがとう。 368 00:34:55,894 --> 00:35:07,172 ♬~ 369 00:35:07,172 --> 00:35:09,874 半ちゃん…。 370 00:35:11,509 --> 00:35:14,179 旦那…。 371 00:35:14,179 --> 00:35:29,728 ♬~ 372 00:35:29,728 --> 00:35:32,530 半ちゃん! 373 00:35:32,530 --> 00:36:07,232 ♬~ 374 00:36:15,106 --> 00:36:19,044 <それから しばらくして…> 375 00:36:19,044 --> 00:36:23,748 佐七! 今日も 暑くなりそうだな。 376 00:36:35,427 --> 00:36:38,863 佐七! 佐七! 377 00:36:38,863 --> 00:36:44,202 <佐七さんは 舅殿と山口屋さんに 迷惑をかけたと➡ 378 00:36:44,202 --> 00:36:47,539 居なくなってしまったのです> 379 00:36:47,539 --> 00:37:02,554 ♬~ 380 00:37:12,497 --> 00:37:15,500 馬鹿野郎…。 381 00:37:22,173 --> 00:37:24,843 馬鹿野郎! 382 00:37:24,843 --> 00:37:30,849 ⚟(煎餅を噛む音) 383 00:37:51,870 --> 00:37:55,540 食うかい? 384 00:37:55,540 --> 00:38:02,847 忘れて 取りに戻ったら 旦那が 帰ってきて…。 385 00:38:17,796 --> 00:38:21,499 腹が へった! 386 00:38:21,499 --> 00:38:27,505 茄子が 食いたい。 いや 茗荷が いいな。 387 00:38:30,175 --> 00:38:35,880 豆腐に そいつをのっけて きゅ~っと…。 388 00:38:37,849 --> 00:38:41,152 汁は どうするね? 389 00:38:42,720 --> 00:38:48,426 こんな時分だ。 今からじゃ ロクなものは 出来ねえよ。 390 00:38:56,534 --> 00:38:59,237 頼むよ。 391 00:39:11,049 --> 00:39:13,751 佐七…。 392 00:39:27,165 --> 00:40:34,899 ♬~ 393 00:40:34,899 --> 00:40:37,568 佐七! 佐七! 394 00:40:37,568 --> 00:40:41,439 何だね 佐七 佐七って! シッ! 395 00:40:41,439 --> 00:41:03,728 ♬~ 396 00:41:03,728 --> 00:41:09,200 <お二人は その夜 蛍に姿を変えた どなたと➡ 397 00:41:09,200 --> 00:41:12,503 お会いになったのでしょうか> 398 00:41:17,542 --> 00:41:21,212 お稲! お姉ちゃん…。 どうして? 399 00:41:21,212 --> 00:41:24,115 二人っきりの姉妹じゃないの! 400 00:41:24,115 --> 00:41:30,555 私は ずっと独りだったんだね。 401 00:41:30,555 --> 00:41:33,257 <次回は…> 402 00:41:34,892 --> 00:41:38,229 <どうぞお楽しみに> 403 00:41:38,229 --> 00:42:54,539 ♬~