1 00:00:05,739 --> 00:00:10,878 (皐月)<母となり 1年と7か月がたちました。➡ 2 00:00:10,878 --> 00:00:13,547 皐月でございます。➡ 3 00:00:13,547 --> 00:00:16,216 女中のおしづと 私は➡ 4 00:00:16,216 --> 00:00:19,553 私が生まれた時から ずっと一緒です。➡ 5 00:00:19,553 --> 00:00:23,223 おしづのお乳を飲んで 育った私には➡ 6 00:00:23,223 --> 00:00:28,562 奉公人といっても 家族と同じでございます> 7 00:00:28,562 --> 00:00:39,373 ♬~ 8 00:00:44,578 --> 00:00:49,249 <それは 秋の初めの事でございました> 9 00:00:49,249 --> 00:00:53,921 (慶次郎)そうかい そうかい じじ様と 遊びたかったのかい。 10 00:00:53,921 --> 00:00:56,757 はい。 八千代とお久しぶりですから。 11 00:00:56,757 --> 00:00:59,660 とと様は お役目 お役目だ。 12 00:00:59,660 --> 00:01:02,029 (佐七)いつ見ても かわいい お嬢さんだ。 13 00:01:02,029 --> 00:01:03,964 もう愛想ばかりが よくて。 14 00:01:03,964 --> 00:01:06,867 人見知りは しねえし 誰にでも よく懐く。 15 00:01:06,867 --> 00:01:08,802 外面が よすぎるのです。 16 00:01:08,802 --> 00:01:12,205 あちこち 擦り傷こさえて おてんばちゃんかい? 17 00:01:12,205 --> 00:01:14,875 私の話を ちっとも聞いて下さいません。 18 00:01:14,875 --> 00:01:17,210 何を話しかけても 上の空です。 19 00:01:17,210 --> 00:01:21,048 持ち帰られた書物を 「危ないので 片づけ下さいませ」と申しても➡ 20 00:01:21,048 --> 00:01:23,383 「ああ」とか 「うん」とか…。 そのくせ つまずかれて➡ 21 00:01:23,383 --> 00:01:26,053 お怒りになるのです。 「なぜ このようなところに置く。➡ 22 00:01:26,053 --> 00:01:29,556 八千代が危ないではないか」と さんざん…。 23 00:01:32,225 --> 00:01:38,899 あっ いえ… 私は…。 24 00:01:38,899 --> 00:01:41,201 ⚟(しづ)ごめんくださりませ! 25 00:01:43,236 --> 00:01:47,107 (しづ)ご新造様! 26 00:01:47,107 --> 00:01:52,412 お… おい… 大丈夫かい!? おい 大丈夫かい。 27 00:01:55,248 --> 00:01:58,151 旦那様は お役目が お忙しくて➡ 28 00:01:58,151 --> 00:02:00,854 気がたっておいでなのです。 そのくらいの事…。 29 00:02:00,854 --> 00:02:05,692 分かっております。 おりますが 日がな一日 八千代と のんびり➡ 30 00:02:05,692 --> 00:02:09,529 遊んでいるかのように言われては こちらだって つい…。 31 00:02:09,529 --> 00:02:11,531 つい…? 32 00:02:13,200 --> 00:02:18,705 私のようなものが おりましても お仕事の障りになりましょうと…。 33 00:02:18,705 --> 00:02:22,876 出てきちまったのかい? よろしいですか ご新造様。 34 00:02:22,876 --> 00:02:28,749 売り言葉に 買い言葉で お屋敷を 飛び出して どうなさいます! 35 00:02:28,749 --> 00:02:33,220 お実家の神山家で 乳母として お仕えして以来 20年。 36 00:02:33,220 --> 00:02:36,123 そのような わがまま勝手に お育てした覚えは ございません! 37 00:02:36,123 --> 00:02:39,393 まあまあ 長く暮らしているからこそ➡ 38 00:02:39,393 --> 00:02:41,328 たまる事も あるんだろうよ。 お前さんだって➡ 39 00:02:41,328 --> 00:02:44,898 覚えがあるだろう? 私の連れ合いは たまる前に➡ 40 00:02:44,898 --> 00:02:49,603 あっさり亡くなりましたゆえ。 あ… そりゃあ…。 41 00:02:51,238 --> 00:02:54,574 (辰吉)ご新造さん! あっ あの…。 42 00:02:54,574 --> 00:02:58,245 辰吉さん! 43 00:02:58,245 --> 00:03:00,180 戻りませんよ 私。 44 00:03:00,180 --> 00:03:07,187 あ… いや あの おしづさんに。 私!? 45 00:03:10,190 --> 00:03:13,527 おゆう! (おゆう)おばちゃん! 46 00:03:13,527 --> 00:03:18,532 どうしたの? えっ どうして こんな事になったの。 47 00:03:21,401 --> 00:03:25,138 皐月と八千代には 帰ってもらった。 48 00:03:25,138 --> 00:03:27,140 (せきばらい) 49 00:03:29,076 --> 00:03:33,847 (晃之助)糸問屋で 糸を一巻 懐に 入れたのだ。➡ 50 00:03:33,847 --> 00:03:36,750 きれいな色を見て 欲しくなったのだろう。 51 00:03:36,750 --> 00:03:39,653 問屋の主が 迷子という事に してやってくれと➡ 52 00:03:39,653 --> 00:03:44,224 伍助に 預けやしてね。 ところが 親の名を言いません。 53 00:03:44,224 --> 00:03:49,096 何度か尋ねて ようやく 出た名前が…。 54 00:03:49,096 --> 00:03:55,402 姪でございます。 稲の… 私の妹の娘でございます。 55 00:03:55,402 --> 00:03:59,906 二度と させません。 私が 連れて帰りますゆえ。 56 00:04:02,509 --> 00:04:05,412 すいやせん。 子供の万引きを 捕らえやした。 57 00:04:05,412 --> 00:04:07,848 近ごろ あちこち 荒らしている子で…。 58 00:04:07,848 --> 00:04:10,684 よりによって 母親に手伝わしていやがった。 59 00:04:10,684 --> 00:04:13,487 おう 入んな。 60 00:04:21,194 --> 00:04:27,534 お稲! (お稲)お姉ちゃん どうして…。➡ 61 00:04:27,534 --> 00:04:34,541 おゆう! おっ母さん 私… 万引きしたの。 62 00:04:41,081 --> 00:04:44,885 (しづ)お稲!(泣き声) お稲! 63 00:04:44,885 --> 00:04:49,723 おい こら こら こら。 おっ母さん置いて 逃げんのか? 64 00:04:49,723 --> 00:04:52,526 (浜吉)おっ母さんじゃねえ。 65 00:04:55,896 --> 00:05:01,701 (徳三)盗んだものを 母親に預けて 一緒に逃げようとしたんで…。 66 00:05:01,701 --> 00:05:05,505 そんな事を…。 (おゆうの泣き声) 67 00:05:05,505 --> 00:05:08,842 浜吉にも おゆうにも 必ず言ってきかせます! 68 00:05:08,842 --> 00:05:12,712 ですから 今度だけは! 尾張町の界わいじゃ➡ 69 00:05:12,712 --> 00:05:15,515 軒並み 2人の盗みに やられてまして➡ 70 00:05:15,515 --> 00:05:18,518 もう 勘弁ならねえと…。 71 00:05:22,389 --> 00:05:27,861 (泣き声) 72 00:05:27,861 --> 00:05:33,867 お稲… お前 どうして こんな…。 73 00:05:41,041 --> 00:05:44,544 世も末だね。 74 00:05:44,544 --> 00:05:48,415 親子で 万引きとは どういう しつけ してるんだい。 75 00:05:48,415 --> 00:05:50,417 とりあえず 子らは➡ 76 00:05:50,417 --> 00:05:54,120 母親から離したほうが よかろうという事になってな。 77 00:05:58,091 --> 00:06:02,495 なんだい。 恨みがましい目で 見るんじゃないよ! 78 00:06:02,495 --> 00:06:06,833 じじい! じ… じじい!? 79 00:06:06,833 --> 00:06:10,704 逃げるのかい? 途中で 人買いに あわねえようにな。 80 00:06:10,704 --> 00:06:14,507 見てのとおり この辺りは 人通りが少ない。 81 00:06:14,507 --> 00:06:19,379 人買いが現れると もっぱらの噂だ。 なあ? 82 00:06:19,379 --> 00:06:25,685 ああ…。 出るんだ よく この辺りは。 83 00:06:30,690 --> 00:06:35,195 畜生! 畜生! いてててて… こら! 84 00:06:35,195 --> 00:06:37,530 何するんだ こら! 85 00:06:37,530 --> 00:06:42,402 <しづの妹 お稲さんは 夫を病で失い➡ 86 00:06:42,402 --> 00:06:49,542 実の娘 おゆうを連れて 大工の後添いに入りました。➡ 87 00:06:49,542 --> 00:06:54,414 新しいご亭主には 先妻の子 浜吉がいて➡ 88 00:06:54,414 --> 00:06:58,418 苦労は 覚悟の上だったのですが…> 89 00:07:06,493 --> 00:07:09,796 申し訳ございません。 90 00:07:13,366 --> 00:07:16,503 私事で このような…。 91 00:07:16,503 --> 00:07:21,841 よりにもよって 妹が 子の万引きの手伝いなど…。 92 00:07:21,841 --> 00:07:24,511 おしづが 悪いんじゃありません。 93 00:07:24,511 --> 00:07:29,182 明日 妹の様子を見にいって よろしゅうございますか? 94 00:07:29,182 --> 00:07:33,520 私も。 お稲の事が 案じられますゆえ。 95 00:07:33,520 --> 00:07:38,525 八千代の世話は どうするのだ? 私 一人で…。 96 00:07:41,861 --> 00:07:46,533 子守の心当たりなら ございますので。 97 00:07:46,533 --> 00:07:48,868 (おぶん)私? 98 00:07:48,868 --> 00:07:52,205 出来ません。 子守だなんて 私…。 99 00:07:52,205 --> 00:07:56,876 ご新造さんが よければ ぜひにと…。 100 00:07:56,876 --> 00:08:02,882 私みたいな者に…。 やってみるか? 101 00:08:06,486 --> 00:08:12,492 お屋敷なんか 上がったら 申し訳なくて。 102 00:08:14,160 --> 00:08:17,664 そうか…。 お役に立てなくて。 103 00:08:17,664 --> 00:08:21,167 いや 俺こそ すまなかった。 104 00:08:30,844 --> 00:08:35,682 <おぶんさんは かつて 晃之助様の許嫁を➡ 105 00:08:35,682 --> 00:08:38,718 死に追いやった男の 娘でございます。➡ 106 00:08:38,718 --> 00:08:41,855 自身に 咎めはないのですが➡ 107 00:08:41,855 --> 00:08:47,727 申し訳ないと 引け目に感じているのです> 108 00:08:47,727 --> 00:08:52,499 おとなしくしててね。 うん。 109 00:08:52,499 --> 00:08:55,869 <明くる日 八千代と おゆうちゃんを➡ 110 00:08:55,869 --> 00:09:02,675 お稽古に来る娘さんに預けて お稲さんの家に出かけました> 111 00:09:02,675 --> 00:09:07,480 亭主の十兵衛とは 3年ばかり前➡ 112 00:09:07,480 --> 00:09:12,352 口を利いてくれる方がいて 所帯を もちました。 113 00:09:12,352 --> 00:09:16,489 ですが どうやっても 浜吉は 私に懐いてくれません。 114 00:09:16,489 --> 00:09:18,425 そのくらい 後添えになるなら➡ 115 00:09:18,425 --> 00:09:20,360 初めから 分かっていた事じゃ ありませんか! 116 00:09:20,360 --> 00:09:24,831 だから 懸命に やったよ! やりました! 117 00:09:24,831 --> 00:09:27,734 おゆうは 私の娘だけれど➡ 118 00:09:27,734 --> 00:09:30,003 浜吉には 一生懸命 努めなければ➡ 119 00:09:30,003 --> 00:09:36,209 親にはなれないと思って…。 その事を ご亭主は なんと? 120 00:09:38,178 --> 00:09:43,850 浜吉が 懐かないと 幾度か話しました。 121 00:09:43,850 --> 00:09:48,188 ですが 亭主は 根っからの職人です。 122 00:09:48,188 --> 00:09:52,058 鉋や鑿の扱いは 心得ておりますが➡ 123 00:09:52,058 --> 00:09:55,061 家の事は からきし…。 124 00:09:55,061 --> 00:09:57,530 (おゆうの泣き声) 125 00:09:57,530 --> 00:10:04,404 (お稲)そのうち 浜吉は おゆうを いじめるようになって…。 126 00:10:04,404 --> 00:10:09,142 浜吉さん! 浜吉さん! 127 00:10:09,142 --> 00:10:16,916 あいつが 水を! 水 かけたの? え? 128 00:10:16,916 --> 00:10:20,720 浜吉さんに 水 ひっかけたのかい? 129 00:10:25,558 --> 00:10:29,896 浜吉の嘘だと 分かっていました。 130 00:10:29,896 --> 00:10:33,766 でも 私 もう… どうしていいか 分からなくて…。 131 00:10:33,766 --> 00:10:38,071 浜吉に 少しでも 心を 開いてほしくて…。 132 00:10:43,443 --> 00:10:48,915 おゆうを ぶちました。 133 00:10:48,915 --> 00:10:55,255 そのあとも おゆうにだけ きつく 当たるようになって。 134 00:10:55,255 --> 00:10:57,957 万引きは? 135 00:11:00,860 --> 00:11:07,534 浜吉に 手伝えって言われて それで あの子の 気が済むならと。 136 00:11:07,534 --> 00:11:10,036 馬鹿!おしづ! 馬鹿です お前は! 137 00:11:10,036 --> 00:11:13,706 よしなさい おしづ! 二人っきりの姉妹じゃないの! 138 00:11:13,706 --> 00:11:17,911 こんなに… こんなになる前に なんで 私に! 139 00:11:19,512 --> 00:11:24,417 思ったよ! お姉ちゃんに話そう って何度も思った! 140 00:11:24,417 --> 00:11:28,888 でも お姉ちゃん いつも 皐月お嬢さんのお世話で➡ 141 00:11:28,888 --> 00:11:33,760 忙しくて…。 だから だから… 迷惑かけちゃいけないと思って➡ 142 00:11:33,760 --> 00:11:38,231 私… 私! 143 00:11:38,231 --> 00:11:44,103 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿! 144 00:11:44,103 --> 00:11:55,782 ♬~ 145 00:11:55,782 --> 00:12:03,856 離縁?ああ 継子の心を開くため 親が 実の子に 手を上げる。 146 00:12:03,856 --> 00:12:10,530 殴られた子は 親の気を引くため 継子のまねをして 盗みを働く。 147 00:12:10,530 --> 00:12:16,836 いたましすぎる。 離縁させるなら 早いほうが よかろう。 148 00:12:19,539 --> 00:12:21,841 どうした? 149 00:12:24,210 --> 00:12:28,548 此度の事 おしづは 自分のせいと 思っております。 150 00:12:28,548 --> 00:12:32,418 しづは かかわりあるまい。 子供らが 悪さをするのは➡ 151 00:12:32,418 --> 00:12:36,289 母親にかまってほしい気持ちの 裏返しだと思うのです。 152 00:12:36,289 --> 00:12:39,192 そうであろうな。 153 00:12:39,192 --> 00:12:42,562 お稲も それは 分かっていたのでしょう。 154 00:12:42,562 --> 00:12:45,231 ただ一人の肉親である おしづに➡ 155 00:12:45,231 --> 00:12:49,569 どれほど 話を聞いてほしかった事か…。 156 00:12:49,569 --> 00:12:53,906 ですが… おしづは 私に かかりきりでしたから。 157 00:12:53,906 --> 00:12:59,245 しかたあるまい。 八千代が生まれたばかりだった。 158 00:12:59,245 --> 00:13:04,250 私のせいで… お稲は 独りでした。 159 00:13:07,520 --> 00:13:11,858 おしづは 悔やんでおります。 おゆうが 万引きをするのも➡ 160 00:13:11,858 --> 00:13:13,793 浜吉が お稲に懐かないのも➡ 161 00:13:13,793 --> 00:13:16,529 自分が そばに いてやれなかったからだと。 162 00:13:16,529 --> 00:13:20,199 言いたい事は 分かる。 163 00:13:20,199 --> 00:13:23,870 だが 子供らが また盗みを働いたら どうする? 164 00:13:23,870 --> 00:13:28,541 おしづは 身内でございます。 身内なればこそ…。 165 00:13:28,541 --> 00:13:32,879 お役の障りになる という事ですか? 166 00:13:32,879 --> 00:13:36,716 そんな事は言ってない。 167 00:13:36,716 --> 00:13:42,889 (ため息) お前は 時々 すぐに先走りする。 168 00:13:42,889 --> 00:13:47,393 私が どのような? 昨日も そうだ。 169 00:13:47,393 --> 00:13:54,167 昨日?子守に 常蔵の娘を 雇おうとした。 170 00:13:54,167 --> 00:13:57,570 おぶんに 罪は ございません。 もちろんだ。 171 00:13:57,570 --> 00:14:02,842 だが なぜ 前もって ひと言 言ってくれなかった。 それは…。 172 00:14:02,842 --> 00:14:07,180 お前には そういうところがある。 どういうところでございましょう。 173 00:14:07,180 --> 00:14:10,016 思い込んだら あとさき見ずに走る! 174 00:14:10,016 --> 00:14:14,520 よかれと思って始めた事でも 皆が そう思うとは限らぬ! 175 00:14:19,525 --> 00:14:23,396 いや…。 何もかもがそうだと 申しておるわけでは…。 176 00:14:23,396 --> 00:14:26,199 よく分かりました! 皐月…。 177 00:14:26,199 --> 00:14:29,202 八千代に 添い寝をいたしますので。 178 00:14:33,873 --> 00:14:36,542 なんなんだ! あれは。 179 00:14:36,542 --> 00:14:42,048 何でございます? 藪から棒に。 今夜は こちらで やすみます! 180 00:14:42,048 --> 00:14:44,717 また 諍いでございますか? 181 00:14:44,717 --> 00:14:49,222 八千代 おゆうちゃんも 一緒に やすみましょうね。 182 00:14:49,222 --> 00:14:54,227 まあ… ウフフフ。 今夜は み~んな 一緒ですよ。 183 00:15:01,801 --> 00:15:06,506 なんなんだよ! (くしゃみ) 184 00:15:14,180 --> 00:15:22,522 <私が生まれてすぐ おしづは 神山家の乳母になりました。➡ 185 00:15:22,522 --> 00:15:26,859 連れ合いを亡くしたあと 生まれたばかりの お子を➡ 186 00:15:26,859 --> 00:15:31,731 流行り病で失った おしづは 溢れでる お乳で➡ 187 00:15:31,731 --> 00:15:35,434 私を 育ててくれたのでございます> 188 00:15:38,471 --> 00:15:41,207 どうしました? お嬢様。 189 00:15:41,207 --> 00:15:45,545 <おしづは 私を まことの娘のように➡ 190 00:15:45,545 --> 00:15:49,882 大切に 慈しんで 育ててくれました> 191 00:15:49,882 --> 00:16:09,836 ♬~ 192 00:16:09,836 --> 00:16:14,173 高い 高~い 高い 高~い。 193 00:16:14,173 --> 00:16:17,210 おはようございます。 あっ おはようございます。 194 00:16:17,210 --> 00:16:22,849 おはようございます。 お願いいたします。はい。 195 00:16:22,849 --> 00:16:26,152 はい お待ち遠さまです。 196 00:16:29,188 --> 00:16:31,490 はい どうぞ。 197 00:16:34,861 --> 00:16:39,565 よいしょ… はい お願いいたします。 198 00:16:43,870 --> 00:16:46,873 ああ…。 199 00:16:49,208 --> 00:16:55,882 あ~あ。 何度言ったら 分かるんだろうね! 200 00:16:55,882 --> 00:17:00,152 そんなに力を入れたら 米が 割れちまうだろ! 201 00:17:00,152 --> 00:17:02,088 米っていうのは…。 (腰の骨が鳴る音) 202 00:17:02,088 --> 00:17:10,796 あ… 痛…。 あ… あ… いたた…。 203 00:17:12,732 --> 00:17:16,702 うまいもんだ 助かった…。 204 00:17:16,702 --> 00:17:19,171 お父っつぁん 腕のいい大工だそうだ。 205 00:17:19,171 --> 00:17:24,043 鉈の扱いは さすがに 慣れてるんだな。 206 00:17:24,043 --> 00:17:29,181 そうやって 懸命に働いてたら そうさな➡ 207 00:17:29,181 --> 00:17:34,353 この薪 全部 割り終わるころには お父っつぁんや おっ母さんが➡ 208 00:17:34,353 --> 00:17:38,190 必ず 迎えにくるからな。 どうした? 209 00:17:38,190 --> 00:17:43,529 迎えなんか 待ってねえ! 210 00:17:43,529 --> 00:17:45,531 お~い! 211 00:17:57,543 --> 00:18:01,147 う~ん… 親子か…。 212 00:18:01,147 --> 00:18:05,017 いや 言われれば わしも 志乃も…➡ 213 00:18:05,017 --> 00:18:10,489 あれの兄の方ばかりに 目が向いておってのう。 214 00:18:10,489 --> 00:18:16,162 皐月は しづに育てられたようなものだ。 215 00:18:16,162 --> 00:18:18,831 そうでしたか…。 うん。 216 00:18:18,831 --> 00:18:20,766 (お登世) お話がはずんでおられますね。 217 00:18:20,766 --> 00:18:25,504 おう どんどん 持ってこい。 いや よい夜だ。 218 00:18:25,504 --> 00:18:30,376 婿殿が わしに 相談事をの。 まあ どのような…。 219 00:18:30,376 --> 00:18:36,849 うん? 実の親より 育ての親という話だ アハハハ。 220 00:18:36,849 --> 00:18:41,020 そういえば 晃之助様も 実の親御さんより➡ 221 00:18:41,020 --> 00:18:44,523 養子に入られた 森口の旦那のほうが➡ 222 00:18:44,523 --> 00:18:47,860 実のお父上らしゅう ございますものね。 223 00:18:47,860 --> 00:18:50,696 冷や飯食いの三男坊が 今じゃ➡ 224 00:18:50,696 --> 00:18:56,869 仏に よく似た 町廻りだ。 アハハハハ。 義父上。 225 00:18:56,869 --> 00:19:03,142 私も早くに 親を亡くしまして 嫁ぎ先の鎌倉屋の大旦那が➡ 226 00:19:03,142 --> 00:19:08,314 親代わりでございました。 ほう お前もか。 227 00:19:08,314 --> 00:19:15,187 よい方でございました。 ですが 大切にされるほど➡ 228 00:19:15,187 --> 00:19:18,491 遠慮が まさってしまいましてね。 229 00:19:18,491 --> 00:19:23,162 親せきに預けてきた小さな妹を つい後回しに…。 230 00:19:23,162 --> 00:19:27,033 それは それで つろうございました。 231 00:19:27,033 --> 00:19:42,515 ♬~ 232 00:19:42,515 --> 00:19:46,218 皆様 おやすみでございます。 233 00:19:50,856 --> 00:19:55,194 ⚟お帰りなさいませ。 234 00:19:55,194 --> 00:20:00,533 八千代が ぐずって おりましたので。うん…。 235 00:20:00,533 --> 00:20:19,552 ♬~ 236 00:20:19,552 --> 00:20:23,222 <それから しばらく後の事でした> 237 00:20:23,222 --> 00:20:27,226 失礼いたしました! 寝過ごしまして…。 238 00:20:31,897 --> 00:20:34,734 おしづ よいのですよ。 239 00:20:34,734 --> 00:20:36,669 たまには ゆるりと おやすみなさい。 240 00:20:36,669 --> 00:20:42,908 はい。 いえ… あの この子は? おふみです。 241 00:20:42,908 --> 00:20:48,247 今日から 通ってもらいます。 ふみと申します。 242 00:20:48,247 --> 00:20:53,919 ♬「山椒に 椎茸 牛蒡に 無患子」 243 00:20:53,919 --> 00:20:58,090 これまで おしづには 十分 働いてもらいました。 244 00:20:58,090 --> 00:21:01,861 いえ とんでもない。 245 00:21:01,861 --> 00:21:06,532 お稲という妹さんが いながら 私のために…。 246 00:21:06,532 --> 00:21:11,203 ですが これからは おしづにも 少し休んでもらおうと思います。 247 00:21:11,203 --> 00:21:13,873 あの それは どのような? 248 00:21:13,873 --> 00:21:20,546 お稲の事や おしづ自身の事。 存分に 好きな事をすればよい。 249 00:21:20,546 --> 00:21:24,416 これは 旦那様も おっしゃって下さった事ですよ。 250 00:21:24,416 --> 00:21:28,888 旦那様が? うれしゅうございました。 251 00:21:28,888 --> 00:21:33,225 こんなふうに 思いやって下さるなんて…。 252 00:21:33,225 --> 00:21:37,096 さようでございましたか。 253 00:21:37,096 --> 00:21:42,902 ですから おしづ 遠慮なく 体を いたわっておくれ。 254 00:21:42,902 --> 00:21:47,239 案じるでない。 これからは ふみが おります。 255 00:21:47,239 --> 00:21:51,911 私と ふみとで なんとか やっていけますから。 256 00:21:51,911 --> 00:21:55,614 ありがとう存じます。 257 00:22:01,187 --> 00:22:07,526 <それから しばらく おしづは 毎日 出かけていきました> 258 00:22:07,526 --> 00:22:28,547 ♬~ 259 00:22:28,547 --> 00:22:34,853 <身の振り方を決めた お稲さんが 根岸に やってきたのです> 260 00:22:37,556 --> 00:22:40,893 離縁を? 261 00:22:40,893 --> 00:22:45,898 はい。 決心いたしました。 262 00:22:48,234 --> 00:22:53,906 十兵衛は よく働く大工でございます。 263 00:22:53,906 --> 00:22:58,577 私と違って 子のない方が 後添えにくれば➡ 264 00:22:58,577 --> 00:23:03,182 浜吉も きっと 心を入れ替えると思います。 265 00:23:03,182 --> 00:23:05,117 冗談じゃないよ! 266 00:23:05,117 --> 00:23:09,521 浜吉は あんたや お父っつぁんが 迎えにくると思って➡ 267 00:23:09,521 --> 00:23:11,857 それで ここで辛抱してるんじゃないか。 268 00:23:11,857 --> 00:23:16,195 佐七。 でも また…。 269 00:23:16,195 --> 00:23:23,202 また… 浜吉が おゆうを いじめたら 私…。 270 00:23:24,870 --> 00:23:27,873 もう耐えられません。 271 00:23:29,541 --> 00:23:35,848 ご迷惑を おかけしまして…。 272 00:23:41,553 --> 00:23:46,725 <浜吉さんは 父親の十兵衛さんが 迎えにくるまで➡ 273 00:23:46,725 --> 00:23:50,529 根岸で預かる事になりました> 274 00:23:52,531 --> 00:23:59,238 おや… 虫だね。 虫が 何で鳴くか 知ってるかい? 275 00:24:03,509 --> 00:24:11,517 連れ合いを探してるんだそうだ。 短い間を 共に暮らす。 276 00:24:14,520 --> 00:24:18,824 うるせえぐらい 鳴いてやがる。 277 00:24:22,394 --> 00:24:27,700 おゆうを 大切にな。 278 00:24:48,420 --> 00:25:06,505 (煎餅を噛む音) 279 00:25:06,505 --> 00:25:10,209 浜吉 その煎餅…。 280 00:25:16,181 --> 00:25:19,218 返しなさい! 281 00:25:19,218 --> 00:25:23,856 黙って取っちゃ 駄目だろ! おい どうしたんだ? 282 00:25:23,856 --> 00:25:27,159 おっ。 浜吉! 283 00:25:40,873 --> 00:25:47,746 浜吉。 人のものに手をつけるのは しちゃならねえ事だ。 284 00:25:47,746 --> 00:25:51,050 佐七に謝れ。 285 00:25:54,053 --> 00:25:57,856 あ! あ! 286 00:26:06,698 --> 00:26:10,002 これは 俺の娘だ! 287 00:26:13,839 --> 00:26:16,542 謝れ。 288 00:26:18,510 --> 00:26:57,216 (泣き声) 289 00:26:57,216 --> 00:27:09,928 ♬~ 290 00:27:12,698 --> 00:27:17,402 (吉次)ちらっと 小耳に挟んだんですがね。 291 00:27:21,173 --> 00:27:25,344 お身内が 盗みで しょっぴかれたそうで…。 292 00:27:25,344 --> 00:27:27,846 何のお話でございましょう。 293 00:27:27,846 --> 00:27:31,717 え? ハハ… 八丁堀を得意先に 脅すほど➡ 294 00:27:31,717 --> 00:27:33,719 度胸は ございませんよ。 295 00:27:33,719 --> 00:27:38,857 いや ただね 無理な探索を おっつけられた折には➡ 296 00:27:38,857 --> 00:27:42,194 ちょいと嫌みを言う事ぐらいはね。 297 00:27:42,194 --> 00:27:44,530 私の事で 嫌みなんか言われたって➡ 298 00:27:44,530 --> 00:27:46,565 旦那様は びくともなさいませんよ。 299 00:27:46,565 --> 00:27:49,201 そりゃあ どうでござんしょう。 300 00:27:49,201 --> 00:27:52,871 あんたは あのご新造の親代わりだ。 301 00:27:52,871 --> 00:27:56,542 お身内以上の強~い絆だ。 302 00:27:56,542 --> 00:28:00,145 あんたの事なら 旦那だって きっと…。 303 00:28:00,145 --> 00:28:04,650 お身内以上…。 ええ。 304 00:28:04,650 --> 00:28:10,322 蝮さん! え? 「さん」は…。蝮さん! 305 00:28:10,322 --> 00:28:19,831 ああ… あ~…。 306 00:28:21,500 --> 00:28:25,170 (きわ)いらっしゃ~い! 307 00:28:25,170 --> 00:28:28,840 馬鹿! 何 張り切ってやがんだい。 308 00:28:28,840 --> 00:28:32,711 (きわ)だって 兄さんが 女の人 連れてくるなんて。 309 00:28:32,711 --> 00:28:36,014 (菊松)なかなか よさそうな人じゃないですか。 310 00:28:45,857 --> 00:28:48,193 妹さんですか? 311 00:28:48,193 --> 00:28:54,866 え? ヘヘ 不肖の兄に できた妹ってやつで。 312 00:28:54,866 --> 00:29:03,475 蝮さん お内儀さんは? ああ… いや 昔はね。 313 00:29:03,475 --> 00:29:08,814 妹さんと うらやましい。 314 00:29:08,814 --> 00:29:16,154 へっ 女房に逃げられて 妹の厄介になってるって➡ 315 00:29:16,154 --> 00:29:22,027 締まらない話で…。 でも うらやましい。 316 00:29:22,027 --> 00:29:29,501 私なんぞ 亭主と子供に死なれて 生きてくのに 精いっぱいでした。 317 00:29:29,501 --> 00:29:33,372 神山様のお屋敷から 森口の家に移って➡ 318 00:29:33,372 --> 00:29:37,175 ここで死のうと 覚悟 決めてたのに…。 319 00:29:37,175 --> 00:29:41,513 代わりがいると言われては…。 320 00:29:41,513 --> 00:29:48,387 妹は?今更 姉さん風 吹かすなんぞ 出来ません。 321 00:29:48,387 --> 00:29:54,693 一番 苦しい時に ついててやれなくて… なんで…。 322 00:29:56,528 --> 00:29:59,865 今 気づきましたよ。 323 00:29:59,865 --> 00:30:05,570 私は ずっと 独りだったんだねえ。 324 00:30:10,042 --> 00:30:15,213 なんですって? ですから 姉は一度も…。 325 00:30:15,213 --> 00:30:19,885 訪ねてない? はい。 326 00:30:19,885 --> 00:30:25,223 そんな… このところ 毎日 出かけておりましたのに。 327 00:30:25,223 --> 00:30:29,895 暇を取らせて これまでの分も 妹さんのお力になるようにと➡ 328 00:30:29,895 --> 00:30:37,569 私…。暇を? ご新造様が? はい。 329 00:30:37,569 --> 00:30:44,276 そんな… むごい。 むごい? 330 00:30:47,579 --> 00:30:50,282 お稲? 331 00:30:51,917 --> 00:30:53,952 小さいころ➡ 332 00:30:53,952 --> 00:30:57,789 私が どんなに おなかが痛い 熱があると言っても➡ 333 00:30:57,789 --> 00:31:01,193 姉は お屋敷に戻ってゆきました。 334 00:31:01,193 --> 00:31:03,862 「皐月お嬢様が 待ってらっしゃる。➡ 335 00:31:03,862 --> 00:31:07,733 皐月お嬢様が 案じられてならない」。 336 00:31:07,733 --> 00:31:15,474 姉の口癖でした。 宿下がりの度に 聞かされたお名前が➡ 337 00:31:15,474 --> 00:31:19,778 皐月お嬢様でした。 338 00:31:21,880 --> 00:31:27,586 私… とんでもない事を…。 339 00:31:31,890 --> 00:31:37,562 ご新造様。 おゆうちゃんを呼んできました。 340 00:31:37,562 --> 00:31:42,234 おふみ。 しばらく 八千代を お願いします。 341 00:31:42,234 --> 00:31:46,738 旦那! 浜吉がいねえ! 裏にも 近くにも…。 342 00:31:46,738 --> 00:31:48,940 なんだと!? 343 00:31:54,913 --> 00:31:59,217 おしづ… おしづ…。 344 00:32:07,492 --> 00:32:38,890 ♬~ 345 00:32:38,890 --> 00:32:42,561 (店主)おい! また お前か!? 346 00:32:42,561 --> 00:32:45,464 私です! 347 00:32:45,464 --> 00:32:49,467 捕まえて下さい どうぞ。 348 00:32:55,574 --> 00:32:58,243 虫売りのおやじは 収めておきやした。 349 00:32:58,243 --> 00:33:01,546 それと ご新造さんは お出かけのようで…。 350 00:33:10,188 --> 00:33:14,860 浜吉さん! お姉ちゃん…。 351 00:33:14,860 --> 00:33:19,197 稲。 しづが この子を かばってくれたんだぞ。 352 00:33:19,197 --> 00:33:25,537 (稲)かばった? かばったんでは ございません。 353 00:33:25,537 --> 00:33:31,543 力を貸したんです。 力って…。 354 00:33:36,548 --> 00:33:42,420 なんで? なんで 私を そんなに困らせたいんだい? 355 00:33:42,420 --> 00:33:47,058 言ったろ? お父っつぁんとは 別れるって。 356 00:33:47,058 --> 00:33:50,095 なのに なんで? 357 00:33:50,095 --> 00:33:54,232 帰りたいんだよ この子は。 358 00:33:54,232 --> 00:34:00,839 帰りたい? どういう事? 359 00:34:00,839 --> 00:34:06,177 帰りたくて… どうしていいか分からなくて…。 360 00:34:06,177 --> 00:34:09,881 それで 盗みをしたんだよ。 361 00:34:14,886 --> 00:34:20,525 ⚟(晃之助)なぜ 分かる? 聞いたのか? 362 00:34:20,525 --> 00:34:27,399 聞かなくても… 同じ事を思いましたから 私も。 363 00:34:27,399 --> 00:34:31,169 帰る家など ございません。 364 00:34:31,169 --> 00:34:34,072 好きにしてよいと ほうり出されても➡ 365 00:34:34,072 --> 00:34:37,542 したい事など なにひとつ…。 366 00:34:37,542 --> 00:34:44,849 この20年 朝から晩まで走り回って 汗をかいてただけですから…。 367 00:34:49,554 --> 00:34:56,895 帰りたい。 その ひと言が 素直に 口に出せなくて…。 368 00:34:56,895 --> 00:35:03,501 そうだ。 いっそ 盗みでもすれば 皆が来てくれるかと…。 369 00:35:03,501 --> 00:35:06,171 違うかい? 370 00:35:06,171 --> 00:35:44,542 ♬~ 371 00:35:44,542 --> 00:35:47,245 持っておゆき。 372 00:35:48,880 --> 00:35:52,217 大切にしておやり。 373 00:35:52,217 --> 00:36:01,493 ♬~ 374 00:36:01,493 --> 00:36:04,496 虫…。 375 00:36:07,365 --> 00:36:14,072 虫がね… 何で鳴くか 知ってるかい? 376 00:36:14,072 --> 00:36:18,043 お仲間を探してるんだってさ。 377 00:36:18,043 --> 00:36:21,046 一緒に暮らす。 378 00:36:28,186 --> 00:36:30,889 帰ろう。 379 00:36:43,368 --> 00:36:46,171 おにいちゃん…。 380 00:36:58,550 --> 00:37:10,829 ♬~ 381 00:37:10,829 --> 00:37:19,504 お稲 私も 後添いのようなものです。 382 00:37:19,504 --> 00:37:24,175 許嫁を亡くされ 舅殿の ご養子になられた旦那様に➡ 383 00:37:24,175 --> 00:37:27,512 嫁いだのです。 384 00:37:27,512 --> 00:37:33,218 もとは 皆 お稲と同じ 他人でした。 385 00:37:42,060 --> 00:37:48,800 (泣き声) 386 00:37:48,800 --> 00:38:30,842 ♬~ 387 00:38:30,842 --> 00:38:33,745 おしづ…。 388 00:38:33,745 --> 00:38:39,951 帰りましょう。 家に 帰りましょう。 389 00:38:41,553 --> 00:38:48,193 なんですね いい年をして 子供みたいに…。 390 00:38:48,193 --> 00:39:10,315 ♬~ 391 00:39:10,315 --> 00:39:12,984 じゃあ あとは ここだな。 ああ…。 392 00:39:12,984 --> 00:39:17,155 <申し訳ない事に 慣れない子供の世話で➡ 393 00:39:17,155 --> 00:39:23,461 舅殿と佐七さんは しばらく腰を痛めてしまいました> 394 00:39:27,165 --> 00:39:31,035 この辺だね。 あっ そこだねえ。 395 00:39:31,035 --> 00:39:36,841 覚えていますか? 私が 手習いを始めた年の事。 396 00:39:36,841 --> 00:39:38,776 なんでございましょう。 397 00:39:38,776 --> 00:39:41,713 兄の お習字ばかりが 褒められるので➡ 398 00:39:41,713 --> 00:39:44,182 私が すねて 言ったのです。 399 00:39:44,182 --> 00:39:49,020 兄上なんか 死んでしまえばいい。 まあ! 400 00:39:49,020 --> 00:39:51,522 すると それまで なんでも➡ 401 00:39:51,522 --> 00:39:54,025 ニコニコと 味方をしてくれていた しづが➡ 402 00:39:54,025 --> 00:39:58,529 本気で怒って 私を たたきました。 403 00:39:58,529 --> 00:40:02,867 お嬢様 兄上に お謝りなさい。 404 00:40:02,867 --> 00:40:06,537 死ねなどと 決してそのような事を 言ってはなりませぬ。 405 00:40:06,537 --> 00:40:12,844 人が はかなくなるという事が どんなに つらく 悲しい事か。 406 00:40:15,880 --> 00:40:22,553 おしづ… ありがとう。 407 00:40:22,553 --> 00:40:28,359 お嬢様。 その呼び方 久しぶり。 408 00:40:28,359 --> 00:40:31,229 (笑い声) 409 00:40:31,229 --> 00:40:36,901 おう。 そこに いたのか。 旦那様! 410 00:40:36,901 --> 00:40:41,572 なんだよ。八千代様が お一人では かわいそうです。 411 00:40:41,572 --> 00:40:45,243 早く ごきょうだいを おつくりなさいませ! 412 00:40:45,243 --> 00:40:47,178 え? 413 00:40:47,178 --> 00:40:50,081 きょうだいは ようございますよ。 414 00:40:50,081 --> 00:40:55,253 比べあったり けんかしたり いたわりあったり…。 415 00:40:55,253 --> 00:41:05,063 ♬~ 416 00:41:05,063 --> 00:41:10,368 <庭から 虫の声が 聞こえてまいりました> 417 00:41:17,875 --> 00:41:20,778 お前さん… 久しぶり。 418 00:41:20,778 --> 00:41:22,747 どっちがいいのかね。 419 00:41:22,747 --> 00:41:26,050 二度と会えねえのと 俺みてえに➡ 420 00:41:26,050 --> 00:41:30,555 会いたくもねえ姿を 見ちまうのと…。 421 00:41:30,555 --> 00:41:33,257 <次回は…> 422 00:41:34,892 --> 00:41:37,795 <どうぞお楽しみに> 423 00:41:37,795 --> 00:42:54,505 ♬~