1 00:00:06,540 --> 00:00:09,376 (おぶん)駄目だよ! (辰吉)もう いいって…。 2 00:00:09,376 --> 00:00:11,879 (おぶん)私が 笑われちまう。 はい。 3 00:00:11,879 --> 00:00:14,781 あっ! 根岸の旦那! 4 00:00:14,781 --> 00:00:16,750 (慶次郎)ちょいと 近くまで 来たもんでな。 5 00:00:16,750 --> 00:00:19,753 あの… 何でもないんで。 あの あっし急ぎますんで➡ 6 00:00:19,753 --> 00:00:21,889 ゆっくり…。 7 00:00:21,889 --> 00:00:24,224 行っといで! 8 00:00:24,224 --> 00:00:28,562 旦那 どうぞ。 散らかってますが。 おう。 9 00:00:28,562 --> 00:00:30,497 すいません。 10 00:00:30,497 --> 00:00:33,433 (皐月)<常蔵の一人娘 おぶんさんと➡ 11 00:00:33,433 --> 00:00:36,303 辰吉さんが 共に暮らすようになって➡ 12 00:00:36,303 --> 00:00:40,908 初めての夏を迎えました> 13 00:00:40,908 --> 00:00:42,910 さあ どうぞ。 14 00:00:45,779 --> 00:00:56,390 ♬~ 15 00:00:56,390 --> 00:00:59,259 (皐月 お登世)そ~れ!➡ 16 00:00:59,259 --> 00:01:03,864 そ~れ! 17 00:01:03,864 --> 00:01:07,367 (佐七)見せびらかしやがって。 妬くな 妬くな。 18 00:01:07,367 --> 00:01:10,871 どうせ 俺の汗は 玉になんぞならねえよ。 19 00:01:10,871 --> 00:01:13,373 ダラ~ッと流れるだけだ。 20 00:01:13,373 --> 00:01:16,410 (笑い声) 21 00:01:16,410 --> 00:01:19,179 あ… もう 矢作。 22 00:01:19,179 --> 00:01:23,383 「汗が散ります ご勘弁を」ぐらい 言えないのかね! 23 00:01:23,383 --> 00:01:25,419 かまいませんよ。 (お登世)すいませんねえ。 24 00:01:25,419 --> 00:01:28,555 おっ おっ! 妬くな 妬くな。 25 00:01:28,555 --> 00:01:31,058 驚きました。 お登世さんのお店に➡ 26 00:01:31,058 --> 00:01:32,993 こんな人が いたなんて…。 27 00:01:32,993 --> 00:01:35,896 いや 何か 力仕事のあてがないかと➡ 28 00:01:35,896 --> 00:01:38,398 女将さんに 聞かれて 「なら うちで」と➡ 29 00:01:38,398 --> 00:01:40,334 旦那が いい格好しやがって…。 30 00:01:40,334 --> 00:01:43,904 矢作さん 瓜でも 頂きましょう。 (矢作)ええ。 31 00:01:43,904 --> 00:01:47,574 (お登世)ほらほら すごい汗…。 ああ。アハハハ。 32 00:01:47,574 --> 00:01:50,611 何か あったのかい? お気づきでしたか? 33 00:01:50,611 --> 00:01:53,113 今朝ほど 旦那様と…。 34 00:01:54,915 --> 00:01:57,417 (晃之助)そろそろとは どういう意味だ? 35 00:01:57,417 --> 00:02:01,188 ですから… 四十九日も 終わりましたゆえ。 36 00:02:01,188 --> 00:02:07,861 祝言を挙げさせろというのか 辰吉と おぶんに。 37 00:02:07,861 --> 00:02:13,200 旦那様 常蔵は もう この世には おりませぬ。 38 00:02:13,200 --> 00:02:15,702 これからは 生きている者の事を 考えねば…。 39 00:02:15,702 --> 00:02:19,539 死んだから 何だというのだ! 40 00:02:19,539 --> 00:02:24,211 「死んだから 何もかも 終わりにしろ」。 そう言うのか? 41 00:02:24,211 --> 00:02:29,082 そうではありませぬ! ただ… 辰吉さんも おぶんも➡ 42 00:02:29,082 --> 00:02:33,720 旦那様のお許しがないかぎり 夫婦になるつもりはございません。 43 00:02:33,720 --> 00:02:40,894 「幸せになれ」。 そう言えというのか? 44 00:02:40,894 --> 00:02:46,233 常蔵の娘に。 はい。 45 00:02:46,233 --> 00:02:48,568 (しづ)旦那様の お心うちは➡ 46 00:02:48,568 --> 00:02:51,905 ご新造様も よく分かっておられます。 47 00:02:51,905 --> 00:02:57,077 死んでもなお 旦那様は 常蔵を お許しではない。 48 00:02:57,077 --> 00:03:02,883 ですが 誰より おぶんさんの事を 案じておられるのです。 49 00:03:05,185 --> 00:03:10,857 三千代が もとで 皐月は 晃之助に嫁ぎ➡ 50 00:03:10,857 --> 00:03:16,196 おぶんは 辰吉と 出会った。 ご自分と同じように➡ 51 00:03:16,196 --> 00:03:20,200 おぶんさんにも 幸せになってほしいと。 52 00:03:24,071 --> 00:03:29,209 <程なくして 舅殿が 八丁堀の家を 訪ねてこられました> 53 00:03:29,209 --> 00:03:37,084 皐月。 お前は おぶんを 幸せにしてやりたい?はい。 54 00:03:37,084 --> 00:03:42,756 晃之助。 お前は そのように たやすくは 割りきれぬ。 55 00:03:42,756 --> 00:03:47,394 常蔵への憎しみは 消えない。 そうだな? 56 00:03:47,394 --> 00:03:51,264 それだけでは ございませぬ。 ん? 57 00:03:51,264 --> 00:03:56,570 (晃之助)藤沢に 常蔵を訪ねたと 聞いております。 58 00:03:56,570 --> 00:04:01,842 そこで 何があったかは 分かりませぬ。 ですが…。 59 00:04:01,842 --> 00:04:05,512 義父上は おそらく その折 常蔵に➡ 60 00:04:05,512 --> 00:04:10,217 なにがしかの引導を 渡したのでございましょう? 61 00:04:16,523 --> 00:04:19,526  回想 (常蔵)どうぞ。 62 00:04:21,862 --> 00:04:25,365 (晃之助)それが 常蔵を どう変えたのか。➡ 63 00:04:25,365 --> 00:04:28,702 義父上に どのように残られたのか。 64 00:04:28,702 --> 00:04:34,508 私には 分かりませぬ。 ですが…。 65 00:04:34,508 --> 00:04:38,044 いくら憎んでも 私には もう…➡ 66 00:04:38,044 --> 00:04:41,848 二度と 常蔵を殺す事は できませぬ! 67 00:04:44,551 --> 00:04:50,357 常蔵が逝ってから ずっと 考えておりました。 68 00:04:50,357 --> 00:04:52,726 なぜだ? 69 00:04:52,726 --> 00:04:56,229 この世で 最も消えてほしいはずの 男が いなくなったのに➡ 70 00:04:56,229 --> 00:04:59,132 なぜ 私の気は 晴れぬのだ? 71 00:04:59,132 --> 00:05:07,507 近ごろ ようやく 分かりました。 憎い。 いや 憎んではならぬ。 72 00:05:07,507 --> 00:05:12,179 絶えず その狭間で動いてきた 心そのものが➡ 73 00:05:12,179 --> 00:05:17,050 今まで 私を 動かしてきたのだと…。 74 00:05:17,050 --> 00:05:23,790 常蔵が 無残に つぶしたものを 必ず この身に 取り戻してみせる。 75 00:05:23,790 --> 00:05:30,197 そうして 私は… 私を 生きてきた。 76 00:05:30,197 --> 00:05:32,899 そんな…。 77 00:05:34,701 --> 00:05:38,872 それでは 私は 何のための妻です!? 78 00:05:38,872 --> 00:05:42,709 旦那様は 常蔵を見返すためだけに 私を娶り➡ 79 00:05:42,709 --> 00:05:44,644 子をなしたと言われるので ございますか? 80 00:05:44,644 --> 00:05:48,215 皐月! (晃之助)そうではない! 81 00:05:48,215 --> 00:05:52,219 そうではないが…。 おっしゃって下さいませ! 82 00:05:55,889 --> 00:06:03,196 これからの お役目を どう生きてよいか 分からぬ。 83 00:06:07,834 --> 00:06:10,837 旦那様…。 84 00:06:21,381 --> 00:06:23,850 義父上様。 85 00:06:23,850 --> 00:06:30,724 晃之助も 皐月も 詰まるところ➡ 86 00:06:30,724 --> 00:06:34,361 やり場をなくしてるのは てめえ自身だ。 87 00:06:34,361 --> 00:06:39,366 辰の事なんざ 案ずるな。 あいつらは 勝手にやるさ。 88 00:06:46,873 --> 00:06:52,746 お前たちにも 言う事はない。 89 00:06:52,746 --> 00:06:55,048 義父上! 90 00:06:56,883 --> 00:07:00,854 「これからの お役目を どう生きてよいか 分からぬ」。 91 00:07:00,854 --> 00:07:05,659 そう申したな? (晃之助)はい。 92 00:07:09,162 --> 00:07:12,866 俺には もう お役目はない。 93 00:07:14,834 --> 00:07:17,837 うらやましいよ。 94 00:07:30,383 --> 00:07:34,020 <舅殿は 何も おっしゃる事なく➡ 95 00:07:34,020 --> 00:07:40,527 すべてを 私と晃之助様に委ねて 帰っていかれました> 96 00:07:49,202 --> 00:07:54,541 (矢作)何か ご用で? 根岸では よく働いてくれたね。 97 00:07:54,541 --> 00:07:56,843 これ 旦那から…。 98 00:08:03,149 --> 00:08:07,020 八王子の おっ母さんに 送っておやり。 99 00:08:07,020 --> 00:08:11,658 根岸のわび住まいだ。 これからも 何かあったら 頼む。 100 00:08:11,658 --> 00:08:14,160 ちょうだいいたします! 101 00:08:18,431 --> 00:08:21,368 何だい? 楽しそうだな。 102 00:08:21,368 --> 00:08:26,506 いえね あの子見てると 無性に 楽しくなるんですよ。 103 00:08:26,506 --> 00:08:33,179 何だか 余計な見えや 体裁がない まっすぐ伸びた木みたいでねえ。 104 00:08:33,179 --> 00:08:35,515 なるほど…。 105 00:08:35,515 --> 00:08:40,353 少しは 妬いて頂けましたかね? 106 00:08:40,353 --> 00:08:43,023 妬けば それで お前さんの気が 済むのかい? 107 00:08:43,023 --> 00:08:48,194 ならば 妬くが…。これだもの。 お話にも何もなりゃしない。 108 00:08:48,194 --> 00:08:51,498 (笑い声) 109 00:08:54,367 --> 00:08:58,171 店を 大きくしたいんで ございますよ。 110 00:08:59,806 --> 00:09:04,477 今までは 考えた事もなかった。 ただ ここを つぶすまい➡ 111 00:09:04,477 --> 00:09:08,815 閉めるまいって 守る事で 精いっぱいでございました。 112 00:09:08,815 --> 00:09:12,652 ですが いつごろからで ございましょうか。 113 00:09:12,652 --> 00:09:16,823 そう お秋が ここを飛び出して➡ 114 00:09:16,823 --> 00:09:20,693 矢作を雇ったころからで ございましょうか。 115 00:09:20,693 --> 00:09:25,832 ふと 思ったんでございますよ。 守るのは 店じゃない。 116 00:09:25,832 --> 00:09:29,702 この子たちだって…。 117 00:09:29,702 --> 00:09:32,505 人か…。 118 00:09:32,505 --> 00:09:35,175 みな ここより ほかに➡ 119 00:09:35,175 --> 00:09:38,878 行くあてのない者ばかりで ございますから。 120 00:09:40,513 --> 00:09:45,685 (お登世)お秋には いつか 店の一軒も 持たせてやりたいし➡ 121 00:09:45,685 --> 00:09:49,189 おちえには よい嫁入りの口を 見つけてやりたい。➡ 122 00:09:49,189 --> 00:09:53,059 おかつには いずれ ここを切り盛りしてほしいし➡ 123 00:09:53,059 --> 00:09:58,364 矢作には きちんと 所帯を 持たせたい。 板前たちにも…。 124 00:10:00,200 --> 00:10:03,870 たとえ ここを離れても いつでも 戻れるように➡ 125 00:10:03,870 --> 00:10:06,372 「ああ 花ごろもで働いていて よかった」って➡ 126 00:10:06,372 --> 00:10:11,544 そう思えるような店に そんな強く 大きな家に…。 127 00:10:11,544 --> 00:10:16,549 それが 望みか? はい! 128 00:10:19,219 --> 00:10:22,255 嫌だ。 私ったら 何だか…。 129 00:10:22,255 --> 00:10:29,229 いや。 そうか…。 お前さんの家族か…。 130 00:10:29,229 --> 00:10:37,904 家族…。 そう そうでございます。 131 00:10:37,904 --> 00:10:41,608 あ… あ ちょいと! 132 00:10:43,776 --> 00:10:47,080 お銚子 もう一本! 133 00:10:52,452 --> 00:10:55,455 (ため息) 134 00:10:55,455 --> 00:10:58,458 今ごろ 妬けてきやがった…。 135 00:11:00,159 --> 00:11:03,163 (佐七)もう しょうがねえな。 ほら! 136 00:11:06,065 --> 00:11:10,370 そのまま 寝るなよ 寝るなよ! まったくもう! 137 00:11:12,205 --> 00:11:17,076 なんだよ。 今夜は帰らないのかと思ったよ。 138 00:11:17,076 --> 00:11:22,549 佐七… なあ 佐七。 なんだよ。 139 00:11:22,549 --> 00:11:27,420 俺の最期は お前が みとってくれよ。 140 00:11:27,420 --> 00:11:30,890 縁起でもない事 言うんじゃないよ! 141 00:11:30,890 --> 00:11:37,230 そうか…。 悲しいか。 言っとくがね そのころは➡ 142 00:11:37,230 --> 00:11:39,899 俺も とっくに あの世へ 逝っちまってるよ。 143 00:11:39,899 --> 00:11:46,606 そうか… 逝くのも 独りか…。 144 00:12:19,872 --> 00:12:25,211 「お元気になられたら また 花ごろもに お運び下さい」。 145 00:12:25,211 --> 00:12:28,114 そう言って 届けるんだよ。 分かったね。はい。 146 00:12:28,114 --> 00:12:33,553 行ってまいります。 あ お待ち。 147 00:12:33,553 --> 00:12:37,256 行っといで。 はい。 148 00:12:41,894 --> 00:12:44,897 (吉次)なるほどね。 149 00:12:46,566 --> 00:12:51,404 おや…。花ごろもの女将が 若いイロ かわいがってるって➡ 150 00:12:51,404 --> 00:12:59,279 耳にしたもんで ちょいとね。 で どうだい お前さんの見立ては。 151 00:12:59,279 --> 00:13:08,354 よろしいんじゃ ございませんか。 岡場所に 時々 訪ねる女がいて➡ 152 00:13:08,354 --> 00:13:14,527 ここでもらう 小遣いの半分は その女で 消えているようだが…。 153 00:13:14,527 --> 00:13:18,865 いや 女といっても 35の年を 23と言い張る➡ 154 00:13:18,865 --> 00:13:21,367 地獄宿の大年増で。 155 00:13:21,367 --> 00:13:27,240 そりゃ 豪気な嘘をつく女だね。 その年になるまで 足も洗わず➡ 156 00:13:27,240 --> 00:13:29,542 一本立ちもしねえっていうのは➡ 157 00:13:29,542 --> 00:13:33,713 よほど お人よしか のんびりか…。 158 00:13:33,713 --> 00:13:41,387 矢作に そっくり。厄介な女と 色恋沙汰を起こすくらいなら➡ 159 00:13:41,387 --> 00:13:45,725 まあ それくらいのなじみが いたほうが いいような…。 160 00:13:45,725 --> 00:13:50,129 ま ゆくゆくは よさげな娘を 見つけて➡ 161 00:13:50,129 --> 00:13:53,900 所帯を持たせてやるにせよ。 162 00:13:53,900 --> 00:13:58,771 念のため その大年増を 洗ってもらおうかね。 163 00:13:58,771 --> 00:14:02,709 いざって時 切れるの切れないのって➡ 164 00:14:02,709 --> 00:14:06,212 もめられたら 面倒だ。 165 00:14:28,735 --> 00:14:30,737 (遣手婆)いらっしゃい。 166 00:14:34,207 --> 00:14:38,911 お露 いつもの にいさんだよ。 167 00:14:43,216 --> 00:14:50,957 蝮の親分!お露さんてのは 今のにいさんの なじみかい? 168 00:14:50,957 --> 00:14:57,396 へえ。 後で いいんだがな 会わせてくれないか お露さんと。 169 00:14:57,396 --> 00:14:59,399 へえ。 170 00:15:04,170 --> 00:15:08,674 <そのころ 旦那様は お役目を終えても➡ 171 00:15:08,674 --> 00:15:12,178 家には お戻りにならずに…> 172 00:15:15,181 --> 00:15:19,051 <特に どこへというわけでは ありませんが➡ 173 00:15:19,051 --> 00:15:25,358 夜風に吹かれ もの思いに ふけられていたようでございます> 174 00:15:28,361 --> 00:15:36,869 おやじ… 酒だ。 おや 珍しゅうござんすね。 175 00:15:36,869 --> 00:15:44,043 お前の縄張りか ここは。 これから もう一仕事前の➡ 176 00:15:44,043 --> 00:15:45,978 腹ごしらえってやつでさ…。 177 00:15:45,978 --> 00:15:50,216 いや ちょいと 気の張る仕事でしてね これが。 178 00:15:50,216 --> 00:15:56,088 おい…。 ああ いや あっしは…。 179 00:15:56,088 --> 00:16:01,828 そばなど 家に戻れば いくらでも 食えるだろうに。 180 00:16:01,828 --> 00:16:05,698 エヘヘ そこでさ これがね➡ 181 00:16:05,698 --> 00:16:09,502 食いなれたもんを 欲しがる夜が あるんですよ。 182 00:16:09,502 --> 00:16:15,374 殊に 見なれないものを 見ちまった時ってのがね。 183 00:16:15,374 --> 00:16:21,514 ああ… 地獄宿にね 年増の女が おりやしてね。 184 00:16:21,514 --> 00:16:23,850 通い詰めてる おにいさんと➡ 185 00:16:23,850 --> 00:16:27,186 切れてもらうために いろいろ探ってたんですが➡ 186 00:16:27,186 --> 00:16:31,858 これが なんと… 女の方から➡ 187 00:16:31,858 --> 00:16:36,362 切れたいって そう持ちかけてきたんですよ。 188 00:16:36,362 --> 00:16:40,233 手間が省けたではないか。 いや ところがどっこい。 189 00:16:40,233 --> 00:16:44,537 男は 本気なんでさ。 女と 所帯を持ちてえ。 190 00:16:44,537 --> 00:16:48,407 そう 懸命に 口説いたそうで…。 191 00:16:48,407 --> 00:16:52,411 馬鹿な事を お言いでないよ。 192 00:16:52,411 --> 00:16:55,181 ここ どこだと 思ってんだい? 193 00:16:55,181 --> 00:17:00,486 岡場所も 一番 下の下の 地獄だよ。 194 00:17:00,486 --> 00:17:05,324 地獄で仏っていうじゃないか。 俺には 地獄で お露さんだ。 195 00:17:05,324 --> 00:17:08,361 俺みたいな 無一文のつぶれ百姓に 優しくしてくれた。 196 00:17:08,361 --> 00:17:15,501 そりゃあ 同じ つぶれ百姓の出で ござんすから…。 197 00:17:15,501 --> 00:17:20,339 お露さんに 会ってからこっち 俺は どんな つらい仕事にも➡ 198 00:17:20,339 --> 00:17:23,242 街で すれ違う いい匂いにも 辛抱できるようになったんだ。 199 00:17:23,242 --> 00:17:29,348 お前さんに 会える そう思うだけで…。あ~あ。 200 00:17:29,348 --> 00:17:34,186 年 幾つだと思ってんだい? 201 00:17:34,186 --> 00:17:36,889 35。 202 00:17:40,860 --> 00:17:45,364 言ってたじゃないか そう。 23って事になってるけど➡ 203 00:17:45,364 --> 00:17:53,105 私は 30と5になるって。 そこまで分かってて なぜ!? 204 00:17:53,105 --> 00:17:57,076 何を言っても 男は 諦めねえ。 困り果てた女が➡ 205 00:17:57,076 --> 00:18:00,646 俺に 頼んできた っていうわけで…。 206 00:18:00,646 --> 00:18:03,683 まことの年を 男に知らせて➡ 207 00:18:03,683 --> 00:18:07,420 別れてくれるように 含んでくれってね。 208 00:18:07,420 --> 00:18:14,493 まことの年?へえ。 40と7。 47!? 209 00:18:14,493 --> 00:18:18,831 そう 40と7。 あきれて 俺は 言ってやったよ。 210 00:18:18,831 --> 00:18:21,867 自分で言え。 そうしたら 男も さすがに➡ 211 00:18:21,867 --> 00:18:26,172 愛想を尽かすだろうって。 いや~ そしたら…。 212 00:18:26,172 --> 00:18:33,846 最後ぐらい 私にも 花 もたせて下さいよ。 213 00:18:33,846 --> 00:18:38,150 生まれて 一度も 咲かせた事のない…。 214 00:18:40,519 --> 00:18:44,857 女ってやつをね…。 215 00:18:44,857 --> 00:18:49,195 (吉次)惚れてやがった。 女も 男に。 216 00:18:49,195 --> 00:18:55,901 エヘヘ。 ところが 俺は そういう話が 大嫌えなんだ。 217 00:19:03,476 --> 00:19:08,180 身の程知らずの 一途ってやつが。 218 00:19:09,815 --> 00:19:13,486 おまけに この くそ暑いのに➡ 219 00:19:13,486 --> 00:19:17,356 てめえが身につけてた なま暖かい銭なんか➡ 220 00:19:17,356 --> 00:19:19,358 よこしやがって。 221 00:19:19,358 --> 00:19:22,361 おやじ ここに 置くぞ。 222 00:19:26,499 --> 00:19:35,508 金もうけというのは 面白いか? ええ? さてね。 223 00:19:35,508 --> 00:19:40,846 知った事を 金に換える。 224 00:19:40,846 --> 00:19:46,519 ひょっとして それが 一番 まっとうではないか。 225 00:19:46,519 --> 00:19:50,389 そう思う事がある。 226 00:19:50,389 --> 00:19:57,530 善か悪か そんな道理で 人を裁くより ずっと。 227 00:19:57,530 --> 00:20:00,433 金に換わる まことなんざ➡ 228 00:20:00,433 --> 00:20:04,870 そんなもん 所詮 大した事 ありやせんよ。 229 00:20:04,870 --> 00:20:11,377 誰をゆすった。 どこの店が危ねえ。 手入れが入る。 賭場が立つ。 230 00:20:11,377 --> 00:20:16,549 女がいる。 所詮 そんなもんは 悪でも何でもねえ。 231 00:20:16,549 --> 00:20:21,720 ただの汚れでさ。 汚れ? 232 00:20:21,720 --> 00:20:29,595 ええ 生きてりゃ 人も そりゃあ 汚れもしまさあ。 233 00:20:29,595 --> 00:20:34,433 その おかげで あっしも これが食える。 234 00:20:34,433 --> 00:20:43,576 でも… 本当に 悪いものってのは 誰も 暴けねえ。 235 00:20:43,576 --> 00:20:52,585 金にも 換えられねえ。 人の… ここの中の事はね。 236 00:20:52,585 --> 00:20:59,859 さてと…。 男に 引導でも 渡しにいくか。 237 00:20:59,859 --> 00:21:06,198 暴けぬものを… 生涯 追い続けて 生きるというのか…。 238 00:21:06,198 --> 00:21:10,903 ならば 抱えておゆきなさい。 239 00:21:14,540 --> 00:21:20,412 どのみち 人は 食いなれたもので 生きるしか 能がない。 240 00:21:20,412 --> 00:21:41,767 ♬~ 241 00:21:41,767 --> 00:21:44,470 (おぶん)森口の旦那! 242 00:21:46,238 --> 00:21:53,913 (辰吉)何か 急な探索でも? いや。 ちょっと いいか? 243 00:21:53,913 --> 00:21:56,415 どうぞ…。 244 00:21:56,415 --> 00:22:22,541 ♬~ 245 00:22:22,541 --> 00:22:25,878 こいつが 部屋を飾るのが 好きでして…。 246 00:22:25,878 --> 00:22:29,748 ずっと 逃げ回るような そんな育ちだったもんで…。 247 00:22:29,748 --> 00:22:32,451 そうか…。 248 00:22:35,888 --> 00:22:39,758 辰吉は 優しいか? 249 00:22:39,758 --> 00:22:42,761 旦那 そんなこっちゃ。 優しいです。 250 00:22:48,901 --> 00:22:51,203 そうか…。 251 00:22:57,576 --> 00:23:04,350 邪魔したな。 もう お帰りで? 252 00:23:04,350 --> 00:23:09,855 家に戻る途中だ。 八千代が 待っている。 253 00:23:17,062 --> 00:23:23,269 私が 妻を娶るのを 拒んだ時の事だ。 254 00:23:28,374 --> 00:23:32,244 私は 三千代殿が 忘れられなかった。➡ 255 00:23:32,244 --> 00:23:35,881 三千代が 不憫だと言った。 すると…。 256 00:23:35,881 --> 00:23:39,385  回想 死んだ者を 不憫などと 軽々しく 言うな! 257 00:23:39,385 --> 00:23:45,257 三千代は 生きている。 お前は お前を 生きてやれ。 258 00:23:45,257 --> 00:23:48,060 妻を娶れ。 259 00:23:51,096 --> 00:23:56,568 仏の旦那が…。 俺は そのようには 言えぬ。 260 00:23:56,568 --> 00:24:04,877 いや 言えるまで おそらく まだ 幾年も かかりそうだ。 261 00:24:09,848 --> 00:24:12,351 俺を 待つな。 262 00:24:14,186 --> 00:24:19,892 お前たちは… お前たちを 生きろ。 263 00:24:24,530 --> 00:24:26,465 (辰吉)旦那…。 264 00:24:26,465 --> 00:24:45,818 ♬~ 265 00:24:45,818 --> 00:24:49,388 おぶん! 私を…➡ 266 00:24:49,388 --> 00:24:52,191 根岸に連れてって下さい。 267 00:25:01,033 --> 00:25:03,502 お願いします! 268 00:25:03,502 --> 00:25:14,847 ♬~ 269 00:25:14,847 --> 00:25:18,150 親分さんと 夫婦になりたいんです。 270 00:25:22,721 --> 00:25:27,359 それが… どれほど おそれおおい事か➡ 271 00:25:27,359 --> 00:25:33,032 根岸の旦那様や 晃之助の旦那様に どれほど おつらい事か➡ 272 00:25:33,032 --> 00:25:38,837 よく… よく分かっています。 でも…。 273 00:25:43,742 --> 00:25:45,744 でも…。 274 00:25:51,383 --> 00:25:56,889 おぶん。 腹にある事 全部 言いな。 275 00:25:59,124 --> 00:26:02,127 俺と一緒に おわびしよう。 276 00:26:18,844 --> 00:26:26,151 辰吉の親分さんと… 一緒になります。 277 00:26:28,187 --> 00:26:34,193 こいつと 夫婦になります。 278 00:26:37,362 --> 00:26:39,865 おぶんさん…。 279 00:26:46,071 --> 00:26:49,074 祝言を 挙げろ。 280 00:26:52,845 --> 00:26:55,848 旦那様…。 281 00:27:00,152 --> 00:27:09,161 後見には 私と 皐月がなる。 よいな 皐月。 282 00:27:09,161 --> 00:27:11,463 はい。 283 00:27:15,033 --> 00:27:22,341 よろしいですか 義父上。 ああ。 284 00:27:28,847 --> 00:27:31,550 おぶんさん。 285 00:27:38,190 --> 00:27:45,063 生まれてから… ずっと言われてきました。 286 00:27:45,063 --> 00:27:50,536 お前のせいで… お前のお父っつぁんのせいで➡ 287 00:27:50,536 --> 00:27:53,839 みな 不幸になったと…。 288 00:27:59,811 --> 00:28:06,485 初めてでした。 「お前のおかげで 幸せになれた」。 289 00:28:06,485 --> 00:28:09,788 そんなふうに 言って下さったのは…。 290 00:28:11,823 --> 00:28:18,497 おぶん…。 ご新造様だけが私を…。 291 00:28:18,497 --> 00:28:40,752 ♬~ 292 00:28:40,752 --> 00:28:48,060 三千代様のご縁で 私たちは みな こうして ここに おります。 293 00:28:51,863 --> 00:28:57,169 三千代様に 手を合わせましょう。 できますか? 294 00:29:00,472 --> 00:29:02,808 はい。 295 00:29:02,808 --> 00:29:05,143 おしづ 八千代を…。 296 00:29:05,143 --> 00:29:07,079 はい。 297 00:29:07,079 --> 00:29:29,835 ♬~ 298 00:29:29,835 --> 00:29:31,770 <こうして おぶんさんは➡ 299 00:29:31,770 --> 00:29:35,774 辰吉さんに嫁ぐ事になりました> 300 00:29:43,382 --> 00:29:47,686 <祝言は よく晴れた日でございました> 301 00:29:49,521 --> 00:29:52,190 <花ごろもの お登世さんが➡ 302 00:29:52,190 --> 00:29:56,194 板前さんと 矢作さんを 手配して下さいました> 303 00:29:57,863 --> 00:30:02,734 <矢作さんは 吉次さんに 引導を渡されましたが➡ 304 00:30:02,734 --> 00:30:06,872 この先 どう思いきりますやら> 305 00:30:06,872 --> 00:30:35,567 ♬~ 306 00:30:35,567 --> 00:31:11,870 ♬~(「高砂」) 307 00:31:11,870 --> 00:31:15,207 ♬~ 308 00:31:15,207 --> 00:31:19,911 (晃之助)幾度も 同じ事を惑う。 309 00:31:23,548 --> 00:31:30,255 私の心は まだ狭く… 小さい。 310 00:31:34,192 --> 00:31:44,569 ひとつだけ…。 義父上に 孫を抱いてもらう事ができた。 311 00:31:44,569 --> 00:31:51,877 はい。 義父上様は 八千代を 大層 かわいがっておられます。 312 00:31:55,580 --> 00:31:58,283 お前のおかげだ。 313 00:32:02,187 --> 00:32:09,528 お前がいなくては 義父上も 私も➡ 314 00:32:09,528 --> 00:32:17,869 おそらく 辰吉も しづも みな独りだった。 315 00:32:17,869 --> 00:32:21,540 旦那様…。 316 00:32:21,540 --> 00:32:27,546 これからも 末長く よろしく頼む。 317 00:32:29,414 --> 00:32:31,716 はい。 318 00:32:36,087 --> 00:32:39,090 八千代 どうしたの。 319 00:32:39,090 --> 00:32:43,094 とと様に だっこして頂きましょう。 320 00:32:48,767 --> 00:32:50,902 きれいね 星が。 321 00:32:50,902 --> 00:32:57,909 お星さま…。 今宵は 七夕ですよ。 322 00:33:11,189 --> 00:33:14,493 お待ちしておりました。 323 00:33:20,866 --> 00:33:26,204 辰吉さんと おぶんさんの祝言 いかがでしたか? 324 00:33:26,204 --> 00:33:31,076 おぶんは ずっと泣きそうで 祝いの言葉をかけられるたびに➡ 325 00:33:31,076 --> 00:33:37,549 困ったように 辰を見るんだ。 ところが どうだ。 326 00:33:37,549 --> 00:33:39,885 みなに 声をかけられるたびに➡ 327 00:33:39,885 --> 00:33:43,221 だんだん この辺に 赤みが差して➡ 328 00:33:43,221 --> 00:33:50,929 そりゃあ きれいな 見事な花嫁になった。はい。 329 00:33:52,564 --> 00:33:55,867 三千代を 思い出した。 330 00:33:57,435 --> 00:34:04,175 「これで よいのだな?」。 何度も そう 心で尋ねた。 331 00:34:04,175 --> 00:34:12,851 三千代は 答えなかった。 途方に暮れて ふと見ると…➡ 332 00:34:12,851 --> 00:34:15,754 おぶんが いた。 333 00:34:15,754 --> 00:34:18,456 旦那…。 334 00:34:30,869 --> 00:34:50,889 ♬~ 335 00:34:50,889 --> 00:34:57,228 俺は 辰吉に おぶんに… 今まで 幾千もの罪びとに➡ 336 00:34:57,228 --> 00:35:04,836 こう言った。 言い続けた。 「生きろ」。 337 00:35:04,836 --> 00:35:11,009 だが 生きるとは何だ。 傷つき 傷をつけ 殺し 憎み➡ 338 00:35:11,009 --> 00:35:19,217 敵を狙い その因果の中で 人は まことに 己を生きられるのか。 339 00:35:21,519 --> 00:35:24,823 俺は 怖かったのだ。 340 00:35:29,194 --> 00:35:33,064 晃之助に 辰吉を許せと言うのは たやすい。 341 00:35:33,064 --> 00:35:38,903 だが 口先だけで幸せを願い おぶんを許した時➡ 342 00:35:38,903 --> 00:35:43,541 俺は また憎むのではないか…。 343 00:35:43,541 --> 00:35:48,413 とうに終わったはずの 常蔵への 憎しみが また 膨れ上がり➡ 344 00:35:48,413 --> 00:35:52,050 己を 苦しめるのではないか…。 345 00:35:52,050 --> 00:35:55,887 (お登世)旦那…。 346 00:35:55,887 --> 00:36:01,593 おぶんの涙が 俺を救った。 347 00:36:04,696 --> 00:36:14,005 憎んでも憎みきれないはずの 男の娘に… 俺は 救われた。 348 00:36:21,846 --> 00:36:26,851 お登世…。 俺は…。 349 00:36:36,861 --> 00:36:45,170 ご覧なさいまし。 花が 間近でございます。 花? 350 00:36:58,883 --> 00:37:07,692 咲くだろうか また…。 咲きます。 そして 散ります。 351 00:37:07,692 --> 00:37:15,834 花は散っても 命ですから…。 散っても 命…。 352 00:37:15,834 --> 00:37:19,504 三千代お嬢様も 旦那も。 353 00:37:19,504 --> 00:37:23,842 晃之助様も ご新造様も 八千代様も。 354 00:37:23,842 --> 00:37:28,513 常蔵っていう男も おぶんさんも…。 355 00:37:28,513 --> 00:37:32,217 みな 命でございます。 356 00:37:40,125 --> 00:37:48,433 旦那…。 長い旅でございましたね。 357 00:37:52,203 --> 00:37:56,508 お疲れさまでございました。 358 00:37:59,544 --> 00:38:02,147 お登世…。 359 00:38:02,147 --> 00:38:57,135 ♬~ 360 00:39:16,487 --> 00:39:19,324 おっ! しぶきが飛ぶじゃねえか! 361 00:39:19,324 --> 00:39:21,659 ぼんやりしてるのが いけねえんだよ こっちは朝から➡ 362 00:39:21,659 --> 00:39:23,595 あちこち飛び回ってんのによ! 363 00:39:23,595 --> 00:39:27,165 お前さん 近ごろ 始終 町なかへ出張っているようだな。 364 00:39:27,165 --> 00:39:30,001 まあね。 何やってやがんだい ええ? 365 00:39:30,001 --> 00:39:34,505 山口屋の使いかい? ちょいと 手習いにね。 366 00:39:34,505 --> 00:39:37,842 手習い? 旦那 水 まいててくれよ。 367 00:39:37,842 --> 00:39:40,345 俺は 冷やした瓜 切ってくるから。 368 00:39:40,345 --> 00:39:43,848 (佐七)ああ 暑くて かなわねえや。 369 00:39:47,518 --> 00:39:50,555 <嫁いで 3年と7か月。➡ 370 00:39:50,555 --> 00:39:56,527 私 嫁の皐月が お話しする 義父上様の物語は➡ 371 00:39:56,527 --> 00:40:01,232 ひとまず これで お別れでございます> 372 00:40:03,401 --> 00:40:07,038 「よろつ こゝろのいたみ」? 373 00:40:07,038 --> 00:40:11,209 「よろつ こゝろのいたみ なほします 仏」。 374 00:40:11,209 --> 00:40:14,245 佐七 こりゃ 何だい? 375 00:40:14,245 --> 00:40:18,082 これかい? 俺が 書いたんだ。 いいだろう?お前が? 376 00:40:18,082 --> 00:40:21,853 文は 女将さんが 考えたんだが。 女将さんが 俺の字を➡ 377 00:40:21,853 --> 00:40:25,556 初めての手習いにしちゃ 上出来だって… エヘヘヘ。 378 00:40:25,556 --> 00:40:29,894 女将さんって 花ごろものか? あの若い矢作ってのが➡ 379 00:40:29,894 --> 00:40:32,397 手助けしてくれて あちこち まいたんだよ。 380 00:40:32,397 --> 00:40:35,900 もう 暑かったのなんのって エヘヘヘ。 381 00:40:35,900 --> 00:40:38,736 ⚟(女)すみません。 382 00:40:38,736 --> 00:40:40,672 えっ!? 383 00:40:40,672 --> 00:40:44,409 こちらに 仏の旦那と 呼ばれる方が…。 384 00:40:44,409 --> 00:40:47,078 来た 来た! おい 待て!はい ただいま…。 385 00:40:47,078 --> 00:40:49,013 いや 佐七! 386 00:40:49,013 --> 00:40:51,416 はい 「よろつ こゝろのいたみ なほします」。 387 00:40:51,416 --> 00:40:53,451 仏でございます。 ちょっと ちょっと待ってくれ。 388 00:40:53,451 --> 00:40:55,586 俺じゃねえ 俺じゃねえ。 いや…。 389 00:40:55,586 --> 00:40:59,457 <お話は まだまだ 尽きないのでございますが➡ 390 00:40:59,457 --> 00:41:04,195 それは またの折に 致しとうございます> 391 00:41:04,195 --> 00:42:24,208 ♬~