1 00:00:38,354 --> 00:00:42,024 (いななき) 2 00:00:42,024 --> 00:00:46,695 天文16年秋 尾張の織田信秀は➡ 3 00:00:46,695 --> 00:00:49,598 2万余りの兵を率い➡ 4 00:00:49,598 --> 00:00:53,035 美濃との国境に陣を敷いた。 5 00:00:53,035 --> 00:00:56,735 戦の構えである。 6 00:01:00,376 --> 00:01:28,404 ♬~ 7 00:01:28,404 --> 00:01:32,274 あれは 美濃の国の 軍勢でございますか? 8 00:01:32,274 --> 00:01:37,679 違います。 城まであと僅か。 急ぎましょう。 9 00:01:37,679 --> 00:04:18,379 ♬~ 10 00:04:25,714 --> 00:04:27,649 叔父上。 (明智光安)おお! 11 00:04:27,649 --> 00:04:31,649 長い間 留守をいたしました。 (光安)よう帰った! 12 00:04:33,322 --> 00:04:35,257 敵は尾張ですか? うむ。 13 00:04:35,257 --> 00:04:37,993 性懲りもなく また織田信秀じゃ。 14 00:04:37,993 --> 00:04:40,896 明智の者は 井ノ口の守りに就く。 15 00:04:40,896 --> 00:04:42,864 来い。 16 00:04:42,864 --> 00:04:45,867 これだけは心しておけ。 こたびは苦戦じゃ。 17 00:04:45,867 --> 00:04:50,339 敵の数は2万。 我が方は 僅か4, 000ほど。 18 00:04:50,339 --> 00:04:53,675 はっ? どの城も 自分たちの領地を➡ 19 00:04:53,675 --> 00:04:57,546 守ることしか考えておらぬ。 美濃は皆で力を合わせて➡ 20 00:04:57,546 --> 00:05:05,546 戦うほかないのだ。 兵が足りぬ。 それゆえ 殿は ご機嫌斜めじゃ。 21 00:05:07,689 --> 00:05:19,034 (斎藤山城守利政) 〽 おもしろや この宿は 22 00:05:19,034 --> 00:05:30,334 〽 縦は十五里 横七里 23 00:05:31,980 --> 00:05:34,883 光安殿。 (光安)はっ。 24 00:05:34,883 --> 00:05:38,654 敵をよく知れば 戦を100ぺんしても➡ 25 00:05:38,654 --> 00:05:40,989 負けぬと申したお方がいたな。 26 00:05:40,989 --> 00:05:43,689 誰であった? 27 00:05:45,327 --> 00:05:49,197 孫子でしょうか。 「彼を知り己を知らば➡ 28 00:05:49,197 --> 00:05:52,668 百戦して殆からず」。 それよ! 29 00:05:52,668 --> 00:05:58,340 わしは それを忠実に守って戦をしてきた。 フッ…。 30 00:05:58,340 --> 00:06:02,340 織田信秀のことは何でも知っておる。 31 00:06:04,212 --> 00:06:08,684 夫婦の寝屋のことまでもな。 32 00:06:08,684 --> 00:06:13,021 信秀は金はあるが さほどの人望はない。 33 00:06:13,021 --> 00:06:21,363 信秀が集めた2万の兵は 金が欲しいか お義理で集まった輩じゃ。 もろいぞ。 34 00:06:21,363 --> 00:06:28,036 戦は数ではない。 そのことを思い知らせてやる。 35 00:06:28,036 --> 00:06:33,642 長井と稲葉を呼び戻せ。 勝つ策を思いついたとな。 36 00:06:33,642 --> 00:06:35,642 はっ! 37 00:06:39,314 --> 00:06:42,651 (利政)十兵衛。 はっ。 38 00:06:42,651 --> 00:06:48,323 (利政)鉄砲はどうした? はっ。 39 00:06:48,323 --> 00:06:51,623 これに。 40 00:07:18,687 --> 00:07:21,356 うむ…。 41 00:07:21,356 --> 00:07:26,228 医者は連れてまいったか。 はっ。 ただいま➡ 42 00:07:26,228 --> 00:07:28,697 小見の方様の館に入っておられます。 43 00:07:28,697 --> 00:07:33,535 すぐにお方様のご容体を診たいと申され。 上々じゃ。 44 00:07:33,535 --> 00:07:37,506 さぞや名医であろうな? 45 00:07:37,506 --> 00:07:41,643 京で名高い名医と聞き及んでいます。 46 00:07:41,643 --> 00:07:46,982 よしよし。 堺は見たか? はい。 47 00:07:46,982 --> 00:07:49,651 どう思うた? 48 00:07:49,651 --> 00:07:55,524 美濃も あのような豊かな町を持ちたいと…。 49 00:07:55,524 --> 00:07:59,327 その気持ちを忘れるな。 50 00:07:59,327 --> 00:08:04,627 豊かであれば 無用な戦もせずに済む。 51 00:08:14,876 --> 00:08:21,583 (利政)ところで そなたに渡した 旅の費用だが あれで足りたか? 52 00:08:21,583 --> 00:08:24,553 はい 十分でございました。 53 00:08:24,553 --> 00:08:28,023 すぐにとは言わぬが 半分返せよ。 はっ? 54 00:08:28,023 --> 00:08:34,830 皆やったわけではないぞ。 金がないと申すゆえ 貸したのだ。 55 00:08:34,830 --> 00:08:36,832 はっ? (利政)ハッハッハ…。➡ 56 00:08:36,832 --> 00:08:40,602 返す当てがなければ 戦で返せ。 戦で? 57 00:08:40,602 --> 00:08:44,973 こたびの戦で 侍大将の首を2つ取れ。 58 00:08:44,973 --> 00:08:47,642 それで帳消しにしてやる。➡ 59 00:08:47,642 --> 00:08:51,342 では行け! 60 00:08:54,516 --> 00:08:57,216 はっ! 61 00:09:09,898 --> 00:09:13,869 侍大将の首を 2つも!? 62 00:09:13,869 --> 00:09:17,639 (近習)十兵衛様 こちらへ。➡ 63 00:09:17,639 --> 00:09:22,344 小見の方様の館へお寄り頂くよう 命じられてまいりました。 64 00:09:22,344 --> 00:09:25,680 こちらへ。 小見の方様の館へ? 65 00:09:25,680 --> 00:09:30,380 おい 誰の命かと申しておるのだ! 66 00:09:34,956 --> 00:09:37,256 参られました。 67 00:09:41,630 --> 00:09:44,532 帰蝶様…! 68 00:09:44,532 --> 00:09:50,972 (帰蝶)十兵衛。 久々じゃな。➡ 69 00:09:50,972 --> 00:09:54,272 堅苦しい挨拶はいらぬ。 70 00:10:00,315 --> 00:10:07,989 何年ぶりであろう。 母上のお供で明智荘へ行って以来か。 71 00:10:07,989 --> 00:10:10,325 はっ。 72 00:10:10,325 --> 00:10:16,197 こたびは 母上のために 京より よき医者を連れてきてくれ➡ 73 00:10:16,197 --> 00:10:22,904 かたじけなく思うています。 その礼を ひと言 言いたかった。 74 00:10:22,904 --> 00:10:25,674 お方様のお加減は? 75 00:10:25,674 --> 00:10:27,974 (帰蝶)一進一退じゃ。 76 00:10:30,011 --> 00:10:32,347 (武士)注進!➡ 77 00:10:32,347 --> 00:10:37,218 織田の軍勢が 木曽川を渡り ご城下目がけて進み来る由! 78 00:10:37,218 --> 00:10:40,221 十兵衛 参ります! 79 00:10:40,221 --> 00:10:42,691 (帰蝶)もう一つ! 80 00:10:42,691 --> 00:10:45,991 武運を祈る。 81 00:10:57,238 --> 00:11:04,379 (掛り太鼓の音) 82 00:11:04,379 --> 00:11:07,716 (藤田伝吾)十兵衛様 お帰りなさいませ! 83 00:11:07,716 --> 00:11:11,586 (一同)お帰りなさいませ! うむ 待たせた! 84 00:11:11,586 --> 00:11:26,286 (掛り太鼓の音) 85 00:11:29,738 --> 00:11:40,015 (掛り太鼓の音) 86 00:11:40,015 --> 00:11:43,351 (いななき) 87 00:11:43,351 --> 00:11:50,225 (掛り太鼓の音) 88 00:11:50,225 --> 00:12:05,225 (ほら貝の音) 89 00:12:11,046 --> 00:12:15,346 (織田軍)エイエイエイ! エイエイエイ! 90 00:12:16,918 --> 00:12:20,388 織田の大軍は木曽川を越え➡ 91 00:12:20,388 --> 00:12:25,260 村々を放火しながら 稲葉山城下に侵攻した。 92 00:12:25,260 --> 00:12:32,967 数に劣る斎藤軍は 城下町の守りを固め 迎え撃つしかなかった。 93 00:12:32,967 --> 00:12:37,872 来るぞ。 (一同)オ~! 94 00:12:37,872 --> 00:12:41,676 エイエイエイ! エイエイエイ! 95 00:12:41,676 --> 00:12:44,976 エイエイエイ! エイエイエイ! 96 00:12:47,348 --> 00:12:49,684 うわ~っ! 97 00:12:49,684 --> 00:12:51,684 構え~! 98 00:12:55,023 --> 00:12:57,023 放て~! 99 00:13:00,361 --> 00:13:05,661 (光安)構え~! 放て~! 100 00:13:07,235 --> 00:13:11,005 殿! 十兵衛様! 向こうが押されております。 101 00:13:11,005 --> 00:13:13,374 (光安)加勢してまいれ。 はっ! 102 00:13:13,374 --> 00:13:17,245 伝吾 佐助 行くぞ! (伝吾 佐助)はっ! 103 00:13:17,245 --> 00:13:39,334 ♬~ 104 00:13:39,334 --> 00:13:41,269 押し戻せ~! 105 00:13:41,269 --> 00:13:43,671 (一同)オオ~! 106 00:13:43,671 --> 00:13:46,574 侍大将はいずこ!? 107 00:13:46,574 --> 00:13:50,011 侍大将 いずこ~! 108 00:13:50,011 --> 00:13:52,347 侍大将! 109 00:13:52,347 --> 00:13:54,347 侍大将 いたぞ~! 110 00:13:59,020 --> 00:14:04,720 首2つ! 取ったぞ~! 侍大将! 111 00:14:16,371 --> 00:14:19,071 侍大将! 112 00:14:23,711 --> 00:14:26,047 エイエイエイ! エイエイエイ! 113 00:14:26,047 --> 00:14:27,982 くそっ! 114 00:14:27,982 --> 00:14:31,319 うわ~っ! エイエイエイ! 115 00:14:31,319 --> 00:14:34,222 (使い武者)注進! 116 00:14:34,222 --> 00:14:36,922 注進! 117 00:14:39,661 --> 00:14:44,332 茜部口が破られました! 御免! 118 00:14:44,332 --> 00:14:51,032 申し上げます! 田代城が落城! 小熊城も落城の由! 御免! 119 00:15:06,588 --> 00:15:12,360 兵を城に戻せ。 まず退くのだ。 120 00:15:12,360 --> 00:15:15,697 退き終わったら 全ての門を閉じよ。 121 00:15:15,697 --> 00:15:19,567 籠城いたす。 (3人)はっ! 122 00:15:19,567 --> 00:15:24,567 (長井秀元)皆に伝えよ! 籠城じゃ! はっ! 123 00:15:28,710 --> 00:15:30,710 侍大将! 124 00:15:38,319 --> 00:15:40,619 侍大将! 125 00:15:42,991 --> 00:15:45,326 雑魚に用はないわ! 126 00:15:45,326 --> 00:15:57,672 ≪(退き鉦の音) 127 00:15:57,672 --> 00:16:00,575 退き鉦~! 退け 退け 退け~! 何じゃ 何じゃ! 128 00:16:00,575 --> 00:16:03,344 (伝吾)十兵衛様 退き鉦です!➡ 129 00:16:03,344 --> 00:16:06,247 十兵衛様! 何だ! 130 00:16:06,247 --> 00:16:09,684 ≪退き鉦じゃ~! 退き鉦じゃ~! 131 00:16:09,684 --> 00:16:11,619 何だ!? 132 00:16:11,619 --> 00:16:14,022 構え~! 133 00:16:14,022 --> 00:16:17,022 放て~! 134 00:16:19,360 --> 00:16:23,660 構え~! 放て~! 135 00:16:28,703 --> 00:16:34,309 申し上げます! 美濃勢に退き鉦! 城に逃げ込む者 多数! 136 00:16:34,309 --> 00:16:38,646 (織田信康)敵は退き始めたか!? 雪崩を打って退き始めております! 137 00:16:38,646 --> 00:16:44,986 (織田信秀)我らは熱田社大宮司 千秋殿の神通力も頂いておる。 138 00:16:44,986 --> 00:16:50,986 もはや 勝ちは疑いない! (一同)オ~! 139 00:16:54,996 --> 00:16:59,696 エイエイエイ! エイエイエイ! 140 00:17:02,670 --> 00:17:06,970 構え~! 放て~! 141 00:17:08,543 --> 00:17:12,243 構え~! 放て~! 142 00:17:15,016 --> 00:17:17,685 構え~! 143 00:17:17,685 --> 00:17:20,588 下がれ~! 下がれ 下がれ! 144 00:17:20,588 --> 00:17:24,559 エイエイエイ! エイエイエイ! 145 00:17:24,559 --> 00:17:29,259 構え~! 放て~! 146 00:17:33,968 --> 00:17:37,668 退け~ 退け~! 147 00:17:42,643 --> 00:17:58,192 ♬~ 148 00:17:58,192 --> 00:18:01,192 あああ~! 149 00:18:03,331 --> 00:18:07,201 エイエイエイ! エイエイエイ! 150 00:18:07,201 --> 00:18:12,201 火ぃつけい! 押せ~! 151 00:18:18,346 --> 00:18:20,281 うわ~っ! 152 00:18:20,281 --> 00:18:22,281 うわ~! 153 00:18:27,688 --> 00:18:30,688 ひるむな~! 154 00:18:38,633 --> 00:18:41,633 こちらへ こちらへ! こちらへ早く! 155 00:18:43,304 --> 00:18:48,643 (斎藤高政)父上に そう申しておいてくれ。 わしの意見など お聞きになるまいが。 156 00:18:48,643 --> 00:18:55,343 (稲葉良通)言いだしたら聞かぬお方じゃ。 我らとて不満は大いにある! 157 00:18:59,987 --> 00:19:03,658 おい 高政。 何だ? 158 00:19:03,658 --> 00:19:12,333 わしは お主の父上がやっぱり嫌いじゃ! そうか。 今いた 稲葉殿もそのようだ。 159 00:19:12,333 --> 00:19:17,205 美濃の古くからの領主たちは 皆 父上のやり方が気に食わんらしい。 160 00:19:17,205 --> 00:19:20,675 何故 籠城なのだ。 わしも同感だ。 161 00:19:20,675 --> 00:19:24,545 退き鉦が早すぎる。 わしに侍大将の首を 2つ取れと申されておいて➡ 162 00:19:24,545 --> 00:19:28,015 もうやめろときた。 借金をどうしてくれるんだ! 163 00:19:28,015 --> 00:19:31,886 かといって 相手は2万の軍だ。 このまま続けて勝てると思うか? 164 00:19:31,886 --> 00:19:35,623 ある程度 蹴散らしておいて そのまま和議に持ち込めばよいのだ! 165 00:19:35,623 --> 00:19:37,959 (高政)籠城など ばかげておる。➡ 166 00:19:37,959 --> 00:19:41,629 兵3, 000 領民も2, 000を下らず逃げ込んできた。➡ 167 00:19:41,629 --> 00:19:44,966 どうやって食わす。 お父上に そう言え! 168 00:19:44,966 --> 00:19:48,836 わしの言うことなど 聞いてくれたためしがない。 何故だ。 169 00:19:48,836 --> 00:19:52,840 お主 嫡男であろう! わしは正室の子ではない。 170 00:19:52,840 --> 00:19:55,840 側女の子だ。 171 00:20:01,516 --> 00:20:04,986 何? 飯を食いだした? 172 00:20:04,986 --> 00:20:06,921 (毛利十郎)城に入れた乱波の知らせでは➡ 173 00:20:06,921 --> 00:20:11,859 半数の兵たちに 酒も振る舞われているとのこと。 174 00:20:11,859 --> 00:20:16,330 (信秀) 今日は やる気なしということか…? 175 00:20:16,330 --> 00:20:20,668 (信康)では 一気に総攻めにかかれば 落とせるな。 176 00:20:20,668 --> 00:20:25,006 しかし 山城は高さもあり 守りが堅うございます。 177 00:20:25,006 --> 00:20:30,678 攻める度に手傷を負う者が増え 到底一気にとは…。 178 00:20:30,678 --> 00:20:36,350 ええい 分かった! 明朝 陣容を立て直し 総攻めといたそう。 179 00:20:36,350 --> 00:20:41,650 今日はこれまで。 兵を陣に戻せ。 はっ! はっ! 180 00:20:46,994 --> 00:20:49,294 う~ん…。 181 00:21:20,394 --> 00:21:23,394 (利政)よし…。 182 00:21:25,066 --> 00:21:29,766 (利政)一同 杯を置かれよ。 183 00:21:32,673 --> 00:21:36,010 水では さすがに まずいものじゃな。 184 00:21:36,010 --> 00:21:43,351 我らに このようなものを飲めとは 殿もお人が悪い。 185 00:21:43,351 --> 00:21:48,689 稲葉殿。 城内には 織田方の乱波が うようよしておる。 186 00:21:48,689 --> 00:21:52,689 それらを たぶらかさねばなるまい。 187 00:21:54,362 --> 00:21:59,700 芝居は ここまでじゃ。 今 織田軍は我らに背を向け➡ 188 00:21:59,700 --> 00:22:05,700 のこのこ歩いておる。 この機を逃して いつ勝てる。 189 00:22:08,042 --> 00:22:12,913 籠城は ここまでじゃ! 全軍を集めよ! 門を開け! 190 00:22:12,913 --> 00:22:19,654 織田軍を追い打ちにするのじゃ! 音もなく 風のように追うのじゃ! 191 00:22:19,654 --> 00:23:20,047 ♬~ 192 00:23:20,047 --> 00:23:24,385 (望月東庵)駒! はい! 193 00:23:24,385 --> 00:23:55,349 ♬~ 194 00:23:55,349 --> 00:23:58,049 侍大将! 195 00:24:03,023 --> 00:24:06,894 (伝令)注進! 注進! 196 00:24:06,894 --> 00:24:09,363 因幡守様の軍勢が崩れました! 197 00:24:09,363 --> 00:24:11,298 紀伊守様も同じく!➡ 198 00:24:11,298 --> 00:24:16,704 美濃の軍勢が こちらに 向かっております! 御免! 199 00:24:16,704 --> 00:24:21,375 (斎藤軍)エエトウエエ! エエトウエエ! 200 00:24:21,375 --> 00:24:23,711 しまった…! 201 00:24:23,711 --> 00:24:27,047 (信康)兄上…! うっ! 202 00:24:27,047 --> 00:24:29,950 信康~! 203 00:24:29,950 --> 00:24:35,322 エエトウエエ! エエトウエエ! 204 00:24:35,322 --> 00:24:39,193 (掛り太鼓の音) 205 00:24:39,193 --> 00:24:41,996 エエトウエエ! エエトウエエ! 206 00:24:41,996 --> 00:24:44,899 侍大将~! て… 敵襲~! 207 00:24:44,899 --> 00:24:48,335 侍大将~! 敵襲じゃあ~! 敵襲~! 208 00:24:48,335 --> 00:24:52,673 (掛り太鼓の音) 侍大将! 209 00:24:52,673 --> 00:25:17,364 (掛り太鼓の音) 210 00:25:17,364 --> 00:25:21,235 侍大将! 名を名乗れ! 211 00:25:21,235 --> 00:25:24,535 名を名乗れ! 名は!? 212 00:25:38,986 --> 00:25:41,286 (悲鳴) 213 00:25:48,329 --> 00:26:20,629 (掛り太鼓の音) 214 00:26:30,905 --> 00:26:34,642 殿~! お下がり下さい! 止めるな! 215 00:26:34,642 --> 00:26:37,311 お下がり下さい! 木曽川へ! 216 00:26:37,311 --> 00:26:40,311 殿! さあ! 217 00:26:55,996 --> 00:26:59,867 エイエイ。 (一同)オ~! 218 00:26:59,867 --> 00:27:03,671 エイエイ。 (一同)オ~! 219 00:27:03,671 --> 00:27:07,541 エイエイ。 (一同)オ~! 220 00:27:07,541 --> 00:27:18,218 (一同)エイエイ オ~! 221 00:27:18,218 --> 00:27:23,023 ≪エイエイ オ~! 次は誰じゃ!? 222 00:27:23,023 --> 00:27:25,926 ≪エイエイ オ~! 223 00:27:25,926 --> 00:27:35,626 (一同)エイエイ オ~! 224 00:27:56,323 --> 00:28:01,195 信康は いかがいたした? 225 00:28:01,195 --> 00:28:04,999 (近習)討ち死にされた由。 226 00:28:04,999 --> 00:28:09,870 青山や毛利たちは…? 227 00:28:09,870 --> 00:28:12,873 同じく…! 228 00:28:12,873 --> 00:28:17,173 千秋殿は…? 229 00:28:19,013 --> 00:28:25,013 皆 討ち死にか…。 230 00:28:44,171 --> 00:28:52,171 城へ帰って… 寝るか。 231 00:28:58,318 --> 00:29:27,018 ♬~(歌声) 232 00:29:58,979 --> 00:30:01,315 (光安)十兵衛!➡ 233 00:30:01,315 --> 00:30:05,185 おお! 叔父上! 234 00:30:05,185 --> 00:30:08,989 叔父上! ああ 油断したわい。 235 00:30:08,989 --> 00:30:11,989 ここをやられた。 ハッハッハ。 236 00:30:19,333 --> 00:30:25,672 (東庵)駒! 皮つきの柳の枝を 添え木にするゆえ用意せよ! 237 00:30:25,672 --> 00:30:28,342 はい! (東庵)明智様。➡ 238 00:30:28,342 --> 00:30:32,212 奥で手当てをいたします。 あちらへ さあ。 239 00:30:32,212 --> 00:30:35,212 うむ かたじけない。 (東庵)ほれ! 240 00:30:49,630 --> 00:30:53,367 (東庵)おめでとうございます。 241 00:30:53,367 --> 00:30:57,704 お手柄をお立てになったと聞きました。 242 00:30:57,704 --> 00:31:06,380 侍大将を討ち取られたそうで。 叔父上様も喜んでらっしゃいましたよ。 243 00:31:06,380 --> 00:31:10,680 …そうですか。 244 00:31:12,252 --> 00:31:17,391 それほど おめでたくもない気分です。 245 00:31:17,391 --> 00:31:38,679 ♬~ 246 00:31:38,679 --> 00:31:46,979 討った侍大将の顔が… 叔父上に少し似ていた。 247 00:31:49,022 --> 00:32:00,033 急にためらいが…。 それで 首を落とすのが遅れてしまい…。 248 00:32:00,033 --> 00:32:05,333 その時 妙なことを思うていたのです。 249 00:32:08,375 --> 00:32:15,048 これが武士の本懐かと。 武士の誉かと。 250 00:32:15,048 --> 00:32:18,719 こんなことが…。 251 00:32:18,719 --> 00:32:26,059 しかし 戦は戦だ。 勝たなければ自分が討たれる。 252 00:32:26,059 --> 00:32:33,359 戦がある限り… 勝つしかない。 253 00:32:38,338 --> 00:32:43,038 首を落とすのをためろうた自分を 愚かだと…。 254 00:32:45,212 --> 00:32:48,512 武士の誉を…。 255 00:32:53,887 --> 00:33:02,029 (東庵)よいではありませんか。 256 00:33:02,029 --> 00:33:07,029 それでお勝ちになった。 257 00:33:15,042 --> 00:33:21,715 ああ そうじゃ。 叔父上様は 傷がうむやもしれぬ。 258 00:33:21,715 --> 00:33:27,054 お帰りの折 駒を付き添わせよう。 ええ…。 259 00:33:27,054 --> 00:33:33,054 ああ 駒! よいか? はい。 260 00:33:36,330 --> 00:33:38,330 さあ 駒。 261 00:33:44,671 --> 00:33:47,574 おめでとうございます。 262 00:33:47,574 --> 00:34:06,574 ♬~ 263 00:34:08,695 --> 00:34:13,567 本日 このよき日に 守護様じきじきのご来駕を頂き➡ 264 00:34:13,567 --> 00:34:17,371 城中の者一同 欣喜雀躍いたしておりまする。 265 00:34:17,371 --> 00:34:23,043 (土岐頼純)こたびの戦勝は 我が土岐家にとっても 一代の誉である。 266 00:34:23,043 --> 00:34:28,382 城中の喜びの一端を分けてもらおうと 取るものも取りあえず はせ参じた。 267 00:34:28,382 --> 00:34:31,651 妻 帰蝶ともども 喜び申し上げる。 268 00:34:31,651 --> 00:34:34,988 (利政)ありがたきお言葉。 269 00:34:34,988 --> 00:34:40,988 帰蝶も お父上に ひと言 お喜びを申し上げよ。 270 00:34:43,663 --> 00:34:47,334 大桑の城をご出立される時➡ 271 00:34:47,334 --> 00:34:54,207 殿は父と織田方と どちらが勝つとお思いでしたか? 272 00:34:54,207 --> 00:34:57,677 もちろん 舅殿がお勝ちになると。 273 00:34:57,677 --> 00:35:02,015 織田方は2万。 こちらは4, 000と少々。 274 00:35:02,015 --> 00:35:07,354 それでも勝つと? 苦労はひとしおと案じはした。 275 00:35:07,354 --> 00:35:14,654 では 何故 鎧 兜を身に着けて おいでにならぬのですか!? 276 00:35:17,030 --> 00:35:21,701 土岐家は 源氏の流れをくむ武門。 277 00:35:21,701 --> 00:35:28,375 父が苦戦となれば 共に戦う備えも 肝要とは お思いになりませんでしたか!? 278 00:35:28,375 --> 00:35:34,675 勝つと思うていたゆえ 浅慮であったやもしれぬ。 279 00:35:37,184 --> 00:35:39,884 (利政)帰蝶。 280 00:35:42,322 --> 00:35:51,622 父上。 我が夫を… お許し下さい。 281 00:35:53,934 --> 00:35:59,634 もうよい。 そなたは下がっておれ。 282 00:36:19,226 --> 00:36:27,367 帰蝶は 身共が思っておった以上に 守護様のご事情を存じておるようで。 283 00:36:27,367 --> 00:36:31,238 (頼純)事情? こたびの戦が何故起きたのか➡ 284 00:36:31,238 --> 00:36:37,177 何故 織田が挙兵したのか その事情に あなた様が深く関わっておいでだという➡ 285 00:36:37,177 --> 00:36:41,314 その事情にござります。 何? 286 00:36:41,314 --> 00:36:47,988 織田信秀と取り引きなさいましたな。➡ 287 00:36:47,988 --> 00:36:51,858 この美濃に攻め込み 身共を討ち果たした暁には➡ 288 00:36:51,858 --> 00:36:55,862 相当の領地を与えると…。 289 00:36:55,862 --> 00:37:00,333 誰がそのような根も葉もない ざれ言を? 290 00:37:00,333 --> 00:37:07,674 ほう… あなた様が みつき前 織田信秀の舎弟 信康に➡ 291 00:37:07,674 --> 00:37:12,374 お出しになった文に しかと そう書いてありますぞ。 292 00:37:21,021 --> 00:37:25,358 紛れもなく あなた様の文でござりましょう? 293 00:37:25,358 --> 00:37:32,165 もともと 土岐家の方々は 尾張の織田家とは 深い絆がございます。 294 00:37:32,165 --> 00:37:37,637 何か事あれば 共に戦う仲であることは 重々 承知いたしております。 295 00:37:37,637 --> 00:37:41,975 さりながら 身共を討てとは心外千万。 296 00:37:41,975 --> 00:37:47,314 美濃のため 土岐家のために どれほど尽くしてまいったか➡ 297 00:37:47,314 --> 00:37:51,651 よ~くご存じのはず。 土岐家のために どう尽くした! 298 00:37:51,651 --> 00:37:56,323 叔父の頼芸をそそのかし 我が父 頼武を 守護の座から引きずり下ろしたのは➡ 299 00:37:56,323 --> 00:37:59,659 そちであろう! 愚かな叔父は 守護の座にしがみつき➡ 300 00:37:59,659 --> 00:38:03,997 そちの言いなりであった。 この美濃をのみ込まんとする蝮が➡ 301 00:38:03,997 --> 00:38:08,868 大きな口を開けていることにも 気付かずにな! 302 00:38:08,868 --> 00:38:12,672 蝮…? 303 00:38:12,672 --> 00:38:14,608 誰が? 304 00:38:14,608 --> 00:38:16,543 そちであろうが! 305 00:38:16,543 --> 00:38:19,346 (利政)これは異なことを仰せじゃ。 306 00:38:19,346 --> 00:38:24,017 黙れ 黙れ! そちの父は 身分卑しき油売りであった。 307 00:38:24,017 --> 00:38:27,354 それを我らが温情をかけて 世に出してやったのじゃ。 308 00:38:27,354 --> 00:38:33,159 その恩を忘れ 土岐家を2つに裂き 美濃を我が物のごとく振る舞うておる。 309 00:38:33,159 --> 00:38:36,459 この成り上がり者! 310 00:38:41,635 --> 00:38:45,972 (利政) 恩を忘れたのは どちらでございます? 311 00:38:45,972 --> 00:38:49,643 あ? (利政)身共に背いてばかりのあなた様を➡ 312 00:38:49,643 --> 00:38:53,513 守護の座におつけし 娘まで差し上げたのじゃ。 313 00:38:53,513 --> 00:38:59,653 それがどうした! わしは そちの言いなりにはならぬ! 314 00:38:59,653 --> 00:39:02,653 頼純! 315 00:39:07,327 --> 00:39:09,663 …様。 316 00:39:09,663 --> 00:39:15,335 いま一度 お座りなさりませ。 この城の主は身共でございます。 317 00:39:15,335 --> 00:39:23,035 身共がならぬと申したら あなた様とて 出ていくことはかないませぬぞ。 318 00:39:33,286 --> 00:39:38,958 さあ お座りなさりませ。 319 00:39:38,958 --> 00:39:56,509 ♬~ 320 00:39:56,509 --> 00:39:59,646 それでよろしい。 321 00:39:59,646 --> 00:40:03,983 あなた様にも いろいろ不満はござりましょう。 322 00:40:03,983 --> 00:40:10,857 それを 今日は じっくりと お聞かせ願いとうございます。 323 00:40:10,857 --> 00:40:18,998 まずは 心を落ち着け 茶などお召し上がり下さりませ。 324 00:40:18,998 --> 00:41:50,998 ♬~ 325 00:41:55,695 --> 00:42:00,567 そうじゃ。 近頃 風流踊りというものがはやり➡ 326 00:42:00,567 --> 00:42:05,038 面白き節をつけて 百姓たちが踊るそうでございます。 327 00:42:05,038 --> 00:42:11,911 身共も 一つ二つ覚えました。 お聴き下され。 328 00:42:11,911 --> 00:42:22,388 〽 おもしろや この宿は 329 00:42:22,388 --> 00:42:32,198 〽 縦は十五里 横七里 330 00:42:32,198 --> 00:42:41,341 〽 薬師詣でのその道に 331 00:42:41,341 --> 00:42:51,684 〽 梅と桜を植えまぜて 332 00:42:51,684 --> 00:43:01,027 〽 おもしろや この宿は 333 00:43:01,027 --> 00:43:04,697 そなた 頼純を殺したそうじゃな。 私が? 334 00:43:04,697 --> 00:43:08,368 私の父親は まことに あの父上でございますか? 335 00:43:08,368 --> 00:43:10,303 何? 今川め…。 336 00:43:10,303 --> 00:43:13,239 この美濃は 先行き真っ暗じゃな! 会いたいです。 337 00:43:13,239 --> 00:43:18,044 一緒にいると離れ難くなるお方ですね。 (くしゃみ) 338 00:43:18,044 --> 00:43:20,713 痛っ! いかがなされた? 339 00:43:20,713 --> 00:43:23,049 あっ 痛い! 340 00:43:23,049 --> 00:43:25,749 十兵衛 話があります。 341 00:43:32,926 --> 00:43:37,664 岐阜市のシンボルとして親しまれている 金華山。 342 00:43:37,664 --> 00:43:45,004 この山に 斎藤道三が拠点を置いた 稲葉山城があります。 343 00:43:45,004 --> 00:43:51,344 鎌倉時代から 軍事拠点としての 役割を持っていたこの地。 344 00:43:51,344 --> 00:43:59,344 稲葉山城は 道三が大改修を行い 難攻不落の名城となりました。 345 00:44:01,020 --> 00:44:07,360 山の麓には 館が築かれ 道三の時代のものといわれる➡ 346 00:44:07,360 --> 00:44:10,660 石垣が発見されています。 347 00:44:14,033 --> 00:44:17,904 更に道三は 城下町を整備。 348 00:44:17,904 --> 00:44:21,708 かつては 井ノ口と呼ばれた一帯には➡ 349 00:44:21,708 --> 00:44:25,578 道三が築いた惣構の土塁や➡ 350 00:44:25,578 --> 00:44:32,652 稲葉山城へ つながる道など 当時の面影を見ることができます。 351 00:44:32,652 --> 00:44:37,991 この地は 尾張の織田信秀に 度々 攻め込まれ➡ 352 00:44:37,991 --> 00:44:41,661 戦いの舞台となりました。 353 00:44:41,661 --> 00:44:50,336 市内には犠牲になった織田軍を弔う塚が ひっそりと残されています。 354 00:44:50,336 --> 00:44:58,036 斎藤道三は この稲葉山から 勢力を伸ばしていくこととなるのです。 355 00:45:46,359 --> 00:45:53,699 (喚声と鳴り物の音)