1 00:00:33,094 --> 00:00:42,503 (ほら貝の音) 2 00:00:42,503 --> 00:00:45,406 天文16年秋。 3 00:00:45,406 --> 00:00:47,375 (織田軍)エイエイエイ! 4 00:00:47,375 --> 00:00:52,513 尾張の織田信秀が 2万余りの兵を率い 美濃に押し入り➡ 5 00:00:52,513 --> 00:00:55,416 壮絶な戦いが繰り広げられた。 6 00:00:55,416 --> 00:01:02,116 この戦は 斎藤利政の策により 美濃方が勝利した。 7 00:01:06,527 --> 00:01:13,201 (帰蝶)父上。 我が夫を… お許し下さい。 8 00:01:13,201 --> 00:01:17,872 織田信秀を扇動し この戦いを起こした 首謀者は➡ 9 00:01:17,872 --> 00:01:22,572 帰蝶の夫 土岐頼純であった。 10 00:01:24,545 --> 00:01:26,481 (帰蝶)出かける。 11 00:01:26,481 --> 00:01:30,418 美濃の実権を取り戻そうとした この若き守護は➡ 12 00:01:30,418 --> 00:01:35,823 家臣である 斎藤利政によって その命を絶たれた。 13 00:01:35,823 --> 00:01:41,162 美濃の勢力図が 大きく変わろうとしていた。 14 00:01:41,162 --> 00:01:43,462 (いななき) 15 00:01:53,174 --> 00:01:57,874 (明智十兵衛光秀)あ… 口に入った。 16 00:02:05,186 --> 00:02:08,523 はね返りが すごいな。 17 00:02:08,523 --> 00:02:14,195 (菊丸)そんなやり方じゃ駄目ですね。 ん? 18 00:02:14,195 --> 00:02:19,067 そなたは…。 (菊丸)覚えておいでですか。 19 00:02:19,067 --> 00:02:24,839 以前 野盗に連れ回されて ここで明智様に助けられた…。 20 00:02:24,839 --> 00:02:28,743 ほら 鉄砲のことをお尋ねになって…。 21 00:02:28,743 --> 00:02:33,147 ああ… 鉄砲ですか。 22 00:02:33,147 --> 00:02:36,484 ああ あの時の。 23 00:02:36,484 --> 00:02:40,154 その折は ありがとうございました。 24 00:02:40,154 --> 00:02:44,826 ここで何をしている? はい あのあと 三河の家へ戻って➡ 25 00:02:44,826 --> 00:02:48,696 明智十兵衛様というお方に 助けられたのだと母に申しましたら➡ 26 00:02:48,696 --> 00:02:51,499 それは ちゃんとお礼してこいと言われまして➡ 27 00:02:51,499 --> 00:02:55,199 家で造った みそを持たされました。 28 00:02:57,171 --> 00:03:00,508 餅もあります。➡ 29 00:03:00,508 --> 00:03:06,808 腹痛に効く薬草も みんな お渡ししてこいと。 30 00:03:08,383 --> 00:03:14,856 まさか こんな所で野良仕事されてるとは 思いませんでした。 ハッハッハ…。 31 00:03:14,856 --> 00:03:17,759 藤田伝吾という男が 戦で足をやられた。 32 00:03:17,759 --> 00:03:21,529 みんなで 手伝うておるのだ。 33 00:03:21,529 --> 00:03:26,868 おい 伝吾。 あまり歩き回るな。 休んでおれ。 34 00:03:26,868 --> 00:03:31,472 (藤田伝吾)そうは思うのですが 気が急いて。 せめて鍬でも洗おうかと。 35 00:03:31,472 --> 00:03:34,142 いや…。 36 00:03:34,142 --> 00:03:37,478 駒殿 伝吾の具合はどうです? 37 00:03:37,478 --> 00:03:40,815 あと2~3日もすれば つえなしで歩けるかと。 38 00:03:40,815 --> 00:03:45,153 お~ それは上々。 駒殿の手当てはよく効くと➡ 39 00:03:45,153 --> 00:03:48,056 叔父上も感心していましたよ。 40 00:03:48,056 --> 00:03:52,827 今までは なんとかできたのですが もう薬草が底をつき…。 41 00:03:52,827 --> 00:03:58,499 稲葉山城の東庵先生も 薬草集めが大変だと言っておられます。 42 00:03:58,499 --> 00:04:01,402 ほう 薬草…。 43 00:04:01,402 --> 00:04:03,838 どんな薬草ですか? 44 00:04:03,838 --> 00:04:05,773 あっ! 45 00:04:05,773 --> 00:04:09,177 イワソバ草! どこで これを? 46 00:04:09,177 --> 00:04:13,047 家の近くだけど… ここへ来る途中にも たくさん生えてたよ。 47 00:04:13,047 --> 00:04:20,788 へえ~ あっ 酢漿草もある! これも 近くにあります? 48 00:04:20,788 --> 00:04:23,488 向こうの麓にいっぱい…。 49 00:04:25,726 --> 00:04:30,198 あの… お名前は? 50 00:04:30,198 --> 00:04:33,198 菊丸。 51 00:04:35,036 --> 00:04:41,142 菊丸さん 私を その場所へ 連れていってもらえませんか? 52 00:04:41,142 --> 00:04:44,045 いいですよ… いいですよ! 53 00:04:44,045 --> 00:04:46,013 フフッ…。 54 00:04:46,013 --> 00:04:49,016 (せきばらい) 55 00:04:49,016 --> 00:07:29,716 ♬~ 56 00:07:35,783 --> 00:07:38,119 与八。 (与八)はっ。 57 00:07:38,119 --> 00:07:41,989 もう 肩の具合は大事なさそうじゃな。 (与八)はっ。 もう このとおり!➡ 58 00:07:41,989 --> 00:07:44,792 うっ…。 (笑い声) 59 00:07:44,792 --> 00:07:47,128 (佐助)何 無理するな。 与八。 (与八)はっ。 60 00:07:47,128 --> 00:07:51,999 タニシを踏んだ具合はどうじゃ? はっ もう このとおり。 (笑い声) 61 00:07:51,999 --> 00:07:54,001 後で 駒さんに薬草を塗ってもらうとよい。 62 00:07:54,001 --> 00:07:58,472 おお 治るかのう? 当たり前じゃ! 63 00:07:58,472 --> 00:08:01,772 治るかのう? (いななき) 64 00:08:11,052 --> 00:08:13,752 帰蝶様…? 65 00:08:22,697 --> 00:08:24,997 帰蝶様。 66 00:08:26,834 --> 00:08:29,737 こんな所まで 何用でおいでになりましたか? 67 00:08:29,737 --> 00:08:37,437 伯父上のおけがの見舞いじゃ。 あ… それは かたじけのうございます。 68 00:08:45,119 --> 00:08:50,791 昨日 明智の者が城へ来たゆえ 十兵衛は何をしておると聞いたら➡ 69 00:08:50,791 --> 00:08:54,662 毎日 田起こしで 腰が翁のように 曲がってきましたと➡ 70 00:08:54,662 --> 00:08:58,666 笑うておったゆえ それを見るのも一興かと思うてな。 71 00:08:58,666 --> 00:09:03,371 うっ! あ… あ…。 72 00:09:03,371 --> 00:09:06,807 このとおりでございます。 73 00:09:06,807 --> 00:09:12,807 (笑い声) 74 00:09:14,482 --> 00:09:18,352 (帰蝶)そなたの母上に土産を持参した。 は? 75 00:09:18,352 --> 00:09:23,491 リスをこれへ。 (若侍)はっ。 76 00:09:23,491 --> 00:09:25,826 リス…? 77 00:09:25,826 --> 00:09:30,498 来る途中 森の中で リスが 木の上にいるのを見つけたのじゃ。 78 00:09:30,498 --> 00:09:33,401 木登りは得意ゆえ そっと登って捕まえた。 79 00:09:33,401 --> 00:09:40,107 かわいいゆえ 伯母上が喜ばれると思うてな。 80 00:09:40,107 --> 00:09:42,407 (リスの鳴き声) (若侍)あっ 痛っ! 81 00:09:43,978 --> 00:09:48,783 愚か者! ひもで結んでおけと申したであろう! 82 00:09:48,783 --> 00:09:53,120 申し訳ござりませぬ! (ため息) 83 00:09:53,120 --> 00:09:56,991 もうよい。 使えぬやつじゃ。 84 00:09:56,991 --> 00:09:59,460 そちは城へ帰れ! 85 00:09:59,460 --> 00:10:02,363 あっ 痛っ! 86 00:10:02,363 --> 00:10:04,799 いかがなされた? 87 00:10:04,799 --> 00:10:11,138 (帰蝶)木に登った時 小枝で切った。 さしたる傷ではない。 88 00:10:11,138 --> 00:10:14,809 あっ 痛い! 89 00:10:14,809 --> 00:10:17,109 ご辛抱を。 90 00:10:23,818 --> 00:10:27,818 (牧)もうそれでよい。 早う 早う 早う! 91 00:10:29,690 --> 00:10:34,829 あ… 十兵衛。 帰蝶様のおけが 重いのか? 92 00:10:34,829 --> 00:10:41,702 ああ… 木に登って 小枝で足を傷つけた。 それだけです。 93 00:10:41,702 --> 00:10:43,838 小枝…。 94 00:10:43,838 --> 00:10:47,508 さっ 早う。 (常)はい。 95 00:10:47,508 --> 00:10:51,846 51じゃぞ? まことなのですか? 96 00:10:51,846 --> 00:10:56,517 (笑い声) 97 00:10:56,517 --> 00:10:58,817 ≪(牧)入りますよ。 98 00:11:01,856 --> 00:11:06,193 おやおや 何かおかしなことでも? 99 00:11:06,193 --> 00:11:11,065 (帰蝶)十兵衛の弱みを私は握っている という話をしていたのです。 100 00:11:11,065 --> 00:11:14,869 まあ 十兵衛の弱み? 101 00:11:14,869 --> 00:11:19,540 伯母上はご存じないと思います。 おや。 102 00:11:19,540 --> 00:11:24,411 これを言うと 十兵衛は コソコソと逃げていくのです。 103 00:11:24,411 --> 00:11:28,549 さっきも ねっ。 (笑い声) 104 00:11:28,549 --> 00:11:31,452 まあ 何でしょう。 105 00:11:31,452 --> 00:11:37,358 子どもの頃 よくここへ遊びに来て 十兵衛と双六をしたのです。 106 00:11:37,358 --> 00:11:41,128 (牧)ええ。 ちゃんと数を覚えていますよ。 107 00:11:41,128 --> 00:11:46,834 51回やって 十兵衛は一度も勝てなかったんです。 108 00:11:46,834 --> 00:11:49,737 とんでもなく弱いのです 双六が。 109 00:11:49,737 --> 00:11:52,706 まあ! (笑い声) 110 00:11:52,706 --> 00:11:54,708 (くしゃみ) 111 00:11:54,708 --> 00:11:58,408 お風邪でございますか? 違う! 112 00:12:02,383 --> 00:12:05,853 ここへ来ると懐かしい。 113 00:12:05,853 --> 00:12:09,523 子どもの頃を思い出す。 114 00:12:09,523 --> 00:12:16,864 母上が出来たばかりの稲葉山の お城に移って 私はここへ預けられ➡ 115 00:12:16,864 --> 00:12:21,201 この部屋で… 1年ぐらいいましたか? 116 00:12:21,201 --> 00:12:24,104 そんなものでしょう。 117 00:12:24,104 --> 00:12:30,544 (帰蝶)伯母上は お話が上手でね 夜になると よく昔話をして下さった。➡ 118 00:12:30,544 --> 00:12:35,816 今でも覚えていますよ。 美濃のキツネの話。 119 00:12:35,816 --> 00:12:41,488 ああ あの話。 (帰蝶)大好きで 何度も話してもらって…。 120 00:12:41,488 --> 00:12:45,826 へえ~ どういうお話ですか? 121 00:12:45,826 --> 00:12:53,500 昔々 村の一人の若者が お嫁さん探しの旅に出て➡ 122 00:12:53,500 --> 00:12:58,372 ある野原で かわいいみなしごの娘を見つけ➡ 123 00:12:58,372 --> 00:13:03,510 大層気に入ってお嫁にするという話。 そうですね。 124 00:13:03,510 --> 00:13:06,413 ええ。 (駒)へえ~。 125 00:13:06,413 --> 00:13:12,853 若者と娘は かわいい子どももできて 幸せに暮らすのだけど➡ 126 00:13:12,853 --> 00:13:19,193 家に犬がいて それが いつも 娘にほえてしかたがないの。 127 00:13:19,193 --> 00:13:23,864 実は娘はキツネだったのね。➡ 128 00:13:23,864 --> 00:13:28,736 ある日 犬がひどくほえて 娘に迫り➡ 129 00:13:28,736 --> 00:13:33,674 とうとう 娘は 若者の前で キツネの姿を見せてしまい➡ 130 00:13:33,674 --> 00:13:39,974 ここで暮らすことはできないと 子どもを残して去っていくという話。 131 00:13:42,149 --> 00:13:49,490 その時 若者が歌を歌う お話ではありませんか?➡ 132 00:13:49,490 --> 00:13:52,393 こんな歌ですか? 133 00:13:52,393 --> 00:14:03,837 ♬「わたし一人残して」 134 00:14:03,837 --> 00:14:14,848 ♬「玉の光のように…」 135 00:14:14,848 --> 00:14:25,192 ♬「ほんのわずかの間で」 136 00:14:25,192 --> 00:14:43,143 ♬「おん前は消えてしまった」 137 00:14:43,143 --> 00:14:47,815 少し違うけれど… そなたは 京から来たのに➡ 138 00:14:47,815 --> 00:14:50,718 どうして この話を? 139 00:14:50,718 --> 00:14:56,824 これは 美濃に古くから伝わる話です。 140 00:14:56,824 --> 00:15:02,496 ある人から聞いたことが… 昔…。 141 00:15:02,496 --> 00:15:08,496 では そのお方は 美濃のお方やも…。 142 00:15:15,075 --> 00:15:17,075 ≪御免。 143 00:15:18,846 --> 00:15:22,182 帰蝶様 使いの者が参られました。 144 00:15:22,182 --> 00:15:25,853 すぐ城へお戻りになるようにと 申しています。 145 00:15:25,853 --> 00:15:28,188 分かった。 146 00:15:28,188 --> 00:15:31,458 では また城で。 147 00:15:31,458 --> 00:15:35,329 伯母上 今日は かたじけのうございました。 148 00:15:35,329 --> 00:15:39,329 歩けますか? 心配いりません。 149 00:15:41,468 --> 00:15:46,768 十兵衛 話があります。 150 00:16:15,169 --> 00:16:21,469 (帰蝶)夫の土岐頼純が 相果てたいきさつを存じているか? 151 00:16:23,043 --> 00:16:29,043 (帰蝶)皆は どう思うている? それを知っておきたい。 152 00:16:33,654 --> 00:16:39,793 それは叔父上から聞いただけです。 153 00:16:39,793 --> 00:16:43,664 (帰蝶)どう聞いた? 154 00:16:43,664 --> 00:16:51,405 頼純様が 尾張の織田信秀とひそかに通じ➡ 155 00:16:51,405 --> 00:16:54,341 あの戦を起こすよう はかられた。 156 00:16:54,341 --> 00:17:01,041 それゆえ 殿は頼純様を亡き者にされた。 そう伺いました。 157 00:17:02,816 --> 00:17:07,816 (帰蝶)それを聞いて どう思うた? 158 00:17:12,492 --> 00:17:15,792 やむをえぬと。 159 00:17:18,832 --> 00:17:25,505 理由はどうあれ 守護のお立場にある 頼純様が 他国の手を借り➡ 160 00:17:25,505 --> 00:17:28,505 美濃は戦に巻き込まれたのです。 161 00:17:30,377 --> 00:17:33,077 やむなしと。 162 00:17:40,988 --> 00:17:43,688 分かった。 163 00:17:48,729 --> 00:17:51,029 ただ…。 164 00:17:52,666 --> 00:18:00,340 頼純様とお父上である殿との間に立たれた 帰蝶様のお気持ちは➡ 165 00:18:00,340 --> 00:18:05,640 誰もが よく承知をいたしております。 166 00:18:10,017 --> 00:18:13,317 母も 胸が痛むと…。 167 00:18:46,787 --> 00:18:50,657 母上は? 帰蝶様の使いの方に➡ 168 00:18:50,657 --> 00:18:55,796 帰り道でお食べになる蒸し菓子を 差し上げると申され 表へ。 169 00:18:55,796 --> 00:19:02,135 そうか。 お優しい母上様ですね。 ん? 170 00:19:02,135 --> 00:19:06,807 私に何度も「十兵衛や伝吾たちが 世話になった」とおっしゃられ➡ 171 00:19:06,807 --> 00:19:11,144 頭をお下げになるのです。 フフッ…。 172 00:19:11,144 --> 00:19:18,018 不思議なお話を伺いました。 ん? 173 00:19:18,018 --> 00:19:24,491 私が子どもの頃 火事に遭って そこから助けてくれたお武家様のこと➡ 174 00:19:24,491 --> 00:19:28,362 お話ししましたよね? ああ。 175 00:19:28,362 --> 00:19:34,768 そのお武家様 私を慰めようとして いろんな話をして下さって…。➡ 176 00:19:34,768 --> 00:19:42,109 その中に キツネが かわいい娘になって 若い男のお嫁になるという➡ 177 00:19:42,109 --> 00:19:53,453 昔話があったのです。 それと同じ話を 母上様と帰蝶様が…。 178 00:19:53,453 --> 00:19:55,789 ん? 179 00:19:55,789 --> 00:20:03,130 ひょっとすると私の命を助けてくれたのは 美濃の方かもしれません。➡ 180 00:20:03,130 --> 00:20:08,130 美濃に連れてきてもらってよかった…。 181 00:20:11,805 --> 00:20:17,477 もし そうなら そのお侍に会えるといいですね。 182 00:20:17,477 --> 00:20:22,816 はい 会いたいです! 私の命の恩人だから。 183 00:20:22,816 --> 00:20:27,154 いろんな いい話を教えてくれた人だから…➡ 184 00:20:27,154 --> 00:20:30,854 会ってみたい。 185 00:20:36,496 --> 00:20:39,833 美濃の国の守護 土岐氏は➡ 186 00:20:39,833 --> 00:20:42,169 源氏の流れをくむ名家として➡ 187 00:20:42,169 --> 00:20:45,072 絶大な権力を持ち続けていた。 188 00:20:45,072 --> 00:20:48,041 しかし 一族の内紛は絶えず➡ 189 00:20:48,041 --> 00:20:51,511 土岐頼武 頼芸兄弟が➡ 190 00:20:51,511 --> 00:20:53,447 守護の座を争うに至り➡ 191 00:20:53,447 --> 00:20:56,850 その権力は大きく衰えていた。 192 00:20:56,850 --> 00:21:02,150 (鷹の鳴き声) 193 00:21:03,723 --> 00:21:10,197 土岐頼芸は 一度は守護になったが 今は美濃の実権を握った➡ 194 00:21:10,197 --> 00:21:13,100 家臣の斎藤利政に支えられ➡ 195 00:21:13,100 --> 00:21:17,100 隠居同然の生活に甘んじている。 196 00:21:18,872 --> 00:21:23,572 (近習)山城守様 お越しにございます。 197 00:21:37,157 --> 00:21:40,827 (土岐頼芸)利政 楽にいたせ。 198 00:21:40,827 --> 00:21:44,527 (斎藤山城守利政)ははっ。 199 00:21:56,176 --> 00:22:02,516 (頼芸)利政 鷹の絵を描くのはつらいぞ。➡ 200 00:22:02,516 --> 00:22:08,388 苦じゃ。 苦でございますか。 201 00:22:08,388 --> 00:22:13,860 皆 わしが好んで鷹の絵を描いていると 思うている。 202 00:22:13,860 --> 00:22:19,733 さにあらず。 鷹の絵は 祖父 成頼が得意とし➡ 203 00:22:19,733 --> 00:22:22,536 父 政房がそれを継いだ。 204 00:22:22,536 --> 00:22:26,873 我が土岐家の輝ける画題ぞ。 205 00:22:26,873 --> 00:22:31,478 まことに。 のう 高政。 206 00:22:31,478 --> 00:22:36,349 はっ まことに そのように。 207 00:22:36,349 --> 00:22:40,820 祖父 成頼の鷹のごとく 凜々しく描けているか➡ 208 00:22:40,820 --> 00:22:46,493 父 政房の鷹のごとく精緻を極めているか。 209 00:22:46,493 --> 00:22:56,169 絶えず 己の鷹のつたなさに 身の縮む思いがいたすのじゃ。 210 00:22:56,169 --> 00:23:00,507 分かるか? この苦しみが。 211 00:23:00,507 --> 00:23:07,380 (利政)まことに 恐れ多いことにござります。 212 00:23:07,380 --> 00:23:15,380 (頼芸) 利政。 そなた 頼純を殺したそうじゃな。 213 00:23:18,525 --> 00:23:22,195 私が? 頼純様を? 214 00:23:22,195 --> 00:23:25,865 誰がそのような世まい言を申しました? 215 00:23:25,865 --> 00:23:29,736 (頼芸)女どもが そう申しておるぞ。 216 00:23:29,736 --> 00:23:33,473 (ため息) 217 00:23:33,473 --> 00:23:37,143 頼純様は 土岐家の大事なお世継ぎ。 218 00:23:37,143 --> 00:23:43,483 御殿の甥御様でもあらせられるお方。 殺すなど めっそうもない。 219 00:23:43,483 --> 00:23:47,783 しかし 死んだ。 220 00:23:49,823 --> 00:23:54,494 あの戦を起こした 張本人であることを恥じられ➡ 221 00:23:54,494 --> 00:23:59,194 自ら毒をあおられたのでございます。 222 00:24:04,838 --> 00:24:11,138 で 今日は 親子そろうて何の用じゃ? 223 00:24:13,513 --> 00:24:20,186 頼純様が亡くなられ 美濃から守護が消えうせました。 224 00:24:20,186 --> 00:24:26,526 守護は国の主。 速やかに次の主を決めませぬと➡ 225 00:24:26,526 --> 00:24:33,133 政が滞ります。 そのご相談に伺いましたる次第。 226 00:24:33,133 --> 00:24:37,003 ほう… 守護がいようがいまいが➡ 227 00:24:37,003 --> 00:24:41,808 守護代のそなたが 全てを取りしきっているではないか。 228 00:24:41,808 --> 00:24:50,150 今や土岐家は そなたの操り人形じゃと 皆が申しておる。 229 00:24:50,150 --> 00:24:52,819 今更 守護など…。 230 00:24:52,819 --> 00:24:58,491 お嫌でございますか? 守護にお就きになるのが。 231 00:24:58,491 --> 00:25:04,831 まだ そなたに毒は盛られたくはない。 232 00:25:04,831 --> 00:25:10,531 操り人形に毒は盛りませぬ。 233 00:25:17,410 --> 00:25:22,849 戦で町が焼けました。 田畑も荒らされました。 234 00:25:22,849 --> 00:25:26,519 一刻も早く 元に復さねばなりませぬ。 235 00:25:26,519 --> 00:25:32,792 この利政が声を上げても そしらぬ顔の国衆が多くいます。 236 00:25:32,792 --> 00:25:37,464 今は皆で力を合わせねば 美濃は立ち直れない。 237 00:25:37,464 --> 00:25:41,134 土岐様がウンと仰せられれば 皆動きます。 238 00:25:41,134 --> 00:25:46,473 どうか お力をお貸し下されませ。 239 00:25:46,473 --> 00:26:05,825 ♬~ 240 00:26:05,825 --> 00:26:11,164 (侍女)高政様 しばしお待ちを。 241 00:26:11,164 --> 00:26:13,500 ん? 242 00:26:13,500 --> 00:26:16,200 (頼芸)高政殿。 243 00:26:17,837 --> 00:26:22,175 お母上の深芳野殿にお変わりはないか? 244 00:26:22,175 --> 00:26:25,078 はあ つつがなく。 うん。 245 00:26:25,078 --> 00:26:29,849 元はといえば この館で共に過ごした女性じゃ。 246 00:26:29,849 --> 00:26:33,549 よろしう伝えてもらいたい。 はっ。 247 00:26:35,121 --> 00:26:39,459 (頼芸)そなたの父は 当てにならぬ。➡ 248 00:26:39,459 --> 00:26:43,759 わしが頼りとするのは そなたじゃ。 249 00:26:47,801 --> 00:26:53,801 (頼芸)我が子と思うて頼りにしておるぞ。 250 00:26:59,813 --> 00:27:01,813 はっ。 251 00:27:18,164 --> 00:27:22,502 すぐに尾張へ使いを出すのじゃ! 織田信秀に。 252 00:27:22,502 --> 00:27:27,373 この美濃を あの成り上がり者から取り返すのじゃ! 253 00:27:27,373 --> 00:27:30,176 織田に いま一度 出兵を促す。➡ 254 00:27:30,176 --> 00:27:33,446 手だては選ばずじゃ! (一同)はっ! 255 00:27:33,446 --> 00:27:36,746 (鷹の鳴き声) 256 00:28:01,474 --> 00:28:09,349 (深芳野)さようか。 頼芸様は 相も変わらず鷹の絵か。 257 00:28:09,349 --> 00:28:16,049 私に よろしう伝えてくれと そう仰せられたのか。 258 00:28:18,825 --> 00:28:25,164 ハハッ… 嫌らしいお方じゃ。 259 00:28:25,164 --> 00:28:30,970 人の気を引くようなことを いつまでも…。 260 00:28:30,970 --> 00:28:37,443 別に母上の気を引くために 仰せになられたとは思いませぬが。 261 00:28:37,443 --> 00:28:43,783 私の気を引く以外に 誰の気を引くのじゃ? 262 00:28:43,783 --> 00:28:50,123 昔 そばにいた 女子が 今になって懐かしうなって➡ 263 00:28:50,123 --> 00:28:56,796 さてもしくじった 家来にくれてやるではなかったと➡ 264 00:28:56,796 --> 00:29:00,496 ほぞをかんでおられるのじゃ。 265 00:29:09,375 --> 00:29:14,814 母上にお聞きしたいと 思うていたことがあります。 266 00:29:14,814 --> 00:29:17,483 ん? 267 00:29:17,483 --> 00:29:24,183 このところ ずっと心を離れぬことです。 268 00:29:26,826 --> 00:29:36,126 私の父親は まことに あの父上でございますか? 269 00:29:38,438 --> 00:29:44,777 私の父親は… 頼芸様では? 270 00:29:44,777 --> 00:29:51,477 我が子と思うて頼りにしておるぞ。 271 00:29:54,454 --> 00:29:57,790 何をたわけたことを。 272 00:29:57,790 --> 00:30:06,466 そなたの父親は 紛れものう殿じゃ。 273 00:30:06,466 --> 00:30:11,137 殿じゃ。 274 00:30:11,137 --> 00:30:14,137 分かったか。 275 00:30:16,476 --> 00:30:18,811 (戸が開く音) 276 00:30:18,811 --> 00:30:21,714 (雷鳴) 277 00:30:21,714 --> 00:30:24,014 殿! 278 00:30:25,685 --> 00:30:30,385 ハッハッハ…。 さあ。 279 00:30:35,361 --> 00:30:37,361 どうぞ。 280 00:30:54,714 --> 00:30:58,414 ≪(深芳野)お待ちしておりました。 281 00:31:07,860 --> 00:31:10,860 おう…。 282 00:31:17,870 --> 00:31:42,829 ♬~ 283 00:31:42,829 --> 00:31:47,700 では 私はこれから所用があるので これで。 284 00:31:47,700 --> 00:31:51,504 私も東庵先生の所へ行って 明智光安様のおけがが➡ 285 00:31:51,504 --> 00:31:54,407 おおむね癒えたと伝えます。 286 00:31:54,407 --> 00:31:59,378 長い間 皆を治療して頂き このとおりです。 287 00:31:59,378 --> 00:32:04,851 小見の方様のご容体次第で 東庵先生は 美濃を離れると申していました。 288 00:32:04,851 --> 00:32:07,520 その折は お知らせいたします。 289 00:32:07,520 --> 00:32:12,520 それまでに 例のお侍に会えるとよいのですが。 290 00:32:15,862 --> 00:32:18,562 菊丸さん。 291 00:32:20,199 --> 00:32:22,535 わしは どこで待っていればいいですか? 292 00:32:22,535 --> 00:32:26,405 一緒に来て下さい。 私の先生も 薬草採りに行くと思います。 293 00:32:26,405 --> 00:32:30,409 はあ。 どこでも案内するとおっしゃるので➡ 294 00:32:30,409 --> 00:32:34,480 しばらく一緒に歩いてもらうつもりです。 うん よろしく頼む。 295 00:32:34,480 --> 00:32:38,180 はい。 では。 296 00:32:43,156 --> 00:32:45,456 これ 行くぞ。 297 00:32:47,026 --> 00:32:51,030 いいお方ですね。➡ 298 00:32:51,030 --> 00:32:55,168 歩き方もいいですね。➡ 299 00:32:55,168 --> 00:33:00,168 一緒にいると離れ難くなるお方ですね。 300 00:33:06,779 --> 00:33:10,516 わざわざ呼び出してすまぬ。 ああ 急ぎの用とは? 301 00:33:10,516 --> 00:33:14,387 ああ これだ。 父上が わしとお主で➡ 302 00:33:14,387 --> 00:33:18,191 この鉄砲が どれほどのものか よく調べろと仰せになった。 303 00:33:18,191 --> 00:33:21,491 戦で使えるかどうかをな。 304 00:33:23,062 --> 00:33:25,865 わしは こういう訳の分からんものは駄目だ。 305 00:33:25,865 --> 00:33:29,735 持ち帰ったお主に任せる。 任せる? 306 00:33:29,735 --> 00:33:33,673 ああ。 わしは 扱い方も分からん。 307 00:33:33,673 --> 00:33:37,476 これが… ん? 308 00:33:37,476 --> 00:33:40,813 この口から飛び出すそうだな。 うむ。 309 00:33:40,813 --> 00:33:45,151 まあ 仕組みぐらいは分かるが…。 まっ いろいろやってみてくれ。 310 00:33:45,151 --> 00:33:47,486 使い物にならんと分かれば それはそれで構わん。 311 00:33:47,486 --> 00:33:51,157 これは 堺では貴重なものなのだ。 あちこちの大名から➡ 312 00:33:51,157 --> 00:33:55,828 引き合いがあるという代物だ。 それだけ値打ちがあるのだ。 313 00:33:55,828 --> 00:33:58,497 お主も殿も そこのところ よく分かってもらいたい。 314 00:33:58,497 --> 00:34:03,169 はっきり言うが 父上は あまり これに興味がないのだ。 315 00:34:03,169 --> 00:34:05,504 はっ? (高政)わしやお主にやらせるというのは➡ 316 00:34:05,504 --> 00:34:08,174 そういうことだ。 興味がない? 317 00:34:08,174 --> 00:34:12,511 取るに足らん物は 取るに足らん者たちに やらせてみるわけだ。 318 00:34:12,511 --> 00:34:16,849 もし 殿がそうお思いなら 先を見る志がなさすぎる。 319 00:34:16,849 --> 00:34:19,752 お主もお主だ! 取るに足らん者と思われて➡ 320 00:34:19,752 --> 00:34:24,724 それに甘んじているようでは先がない! この美濃は 先行き真っ暗じゃな! 321 00:34:24,724 --> 00:34:27,024 まあ 待て! 322 00:34:30,396 --> 00:34:35,134 鉄砲から弾が飛び出すところぐらい わしも見てみたい。 323 00:34:35,134 --> 00:34:38,471 裏山で 試し撃ちをしようではないか。 324 00:34:38,471 --> 00:34:41,771 話もある。 325 00:34:46,145 --> 00:34:49,482 (高政)時がたつのは早い。 326 00:34:49,482 --> 00:34:57,356 お主と寺で机を並べて 経典や兵法を学んだのは何年前だ? 327 00:34:57,356 --> 00:35:03,496 10年前だ。 うん 今日まで あっという間だった。 328 00:35:03,496 --> 00:35:10,369 これから10年先も あっという間だぞ。 329 00:35:10,369 --> 00:35:13,172 だから 何だ? 330 00:35:13,172 --> 00:35:19,472 その時まで 父上が あの城の城主でいるかどうか分からんぞ。 331 00:35:21,047 --> 00:35:27,720 父上は 戦には強いが 国の政は手抜かりが多い。 332 00:35:27,720 --> 00:35:31,657 先年の洪水で あちこちの田畑が荒れ果てた。 333 00:35:31,657 --> 00:35:36,395 川から水を引く治水も 村同士の水の奪い合いで➡ 334 00:35:36,395 --> 00:35:41,334 どこもギクシャクしている。 そういうことに うまく手が打てていない。 335 00:35:41,334 --> 00:35:48,007 戦に勝って 領地を守れば それで国が治まるわけではないのだ。➡ 336 00:35:48,007 --> 00:35:52,478 国を治めるためには 土地土地に古くから根ざした➡ 337 00:35:52,478 --> 00:35:59,352 国衆の力が欠かせぬ。 父上は そういう者たちを 力でねじ伏せてきた。 338 00:35:59,352 --> 00:36:06,492 いざとなると そういう者たちは動かない。 去年の戦がいい例だ。 339 00:36:06,492 --> 00:36:10,162 はっきり言うが 父上には先がない。 340 00:36:10,162 --> 00:36:14,033 どうだ? そうは思わぬか? 341 00:36:14,033 --> 00:36:20,506 若君から そういう話を聞くとはな。 お主だから こういう話をするのだ。 342 00:36:20,506 --> 00:36:22,842 はっ! 343 00:36:22,842 --> 00:36:25,142 はっ! 344 00:36:27,713 --> 00:36:30,516 確かに この国はまとまりがない。 345 00:36:30,516 --> 00:36:36,789 古い国衆が それぞれ己の領地のことばかり考えてる。 346 00:36:36,789 --> 00:36:42,661 昔は 土岐家が「鶴の一声」で 美濃を一つにまとめたという。 347 00:36:42,661 --> 00:36:46,661 その代わりを 殿が果たしているとは 到底思えぬ。 348 00:36:48,401 --> 00:36:54,140 土岐頼芸様はな 既に父上を見限っておられる。 349 00:36:54,140 --> 00:36:59,440 当てにしてるのは わしだと そう仰せられた。 350 00:37:03,482 --> 00:37:10,156 わしは 土岐様のそのお気持ちに 乗ろうと思う。 351 00:37:10,156 --> 00:37:13,826 父上に代わって 国を支える。 352 00:37:13,826 --> 00:37:18,526 そう遠くない先に そうしたいと思う。 353 00:37:21,500 --> 00:37:24,170 (高政)わしが そなたに言いたいのは➡ 354 00:37:24,170 --> 00:37:27,840 その折には 力になってもらいたいということだ。➡ 355 00:37:27,840 --> 00:37:34,113 共に この国を治めてほしい。➡ 356 00:37:34,113 --> 00:37:38,451 幼い頃から 友と思うてきた。➡ 357 00:37:38,451 --> 00:37:44,451 立場は違うが 一番近くにいると思うてきた。 358 00:37:46,125 --> 00:37:49,462 (高政)お主の知恵をわしに分けてくれ。➡ 359 00:37:49,462 --> 00:37:55,762 どうすれば この国をまとめてゆけるか。 360 00:37:59,805 --> 00:38:02,505 (高政)どうだ? 361 00:38:06,145 --> 00:38:09,145 (高政)嫌か。 362 00:38:11,016 --> 00:38:17,016 嫌ではない。 そう思うてくれるのはありがたい。 363 00:38:19,158 --> 00:38:26,832 その話 しかと承った。 (高政)うむ。 364 00:38:26,832 --> 00:38:33,105 ただし 美濃をどう変えれば よい国になるのか➡ 365 00:38:33,105 --> 00:38:40,446 お主と話し合わなければならない。 全ては それからだ。 366 00:38:40,446 --> 00:38:45,146 (高政)どうすれば よい国に? 367 00:38:46,785 --> 00:38:50,656 麒麟がくる国に…。 368 00:38:50,656 --> 00:38:53,125 麒麟? 369 00:38:53,125 --> 00:38:55,125 (銃声) 370 00:38:56,996 --> 00:38:59,296 あっ…! 371 00:39:08,674 --> 00:39:14,813 そうだ 麒麟がくる国にだ。 372 00:39:14,813 --> 00:39:27,513 ♬~ 373 00:39:42,441 --> 00:39:48,441 (伝令)美濃守護様よりの使いでござる! お取り次ぎ願おう! 374 00:39:57,790 --> 00:40:03,128 ここ尾張の国の古渡城に 織田信秀はいる。 375 00:40:03,128 --> 00:40:07,466 前年 美濃に攻め込み 手痛い敗北を喫したが➡ 376 00:40:07,466 --> 00:40:12,166 美濃を攻める野心は捨て切れていない。 377 00:40:14,139 --> 00:40:17,476 (織田信秀)美濃の土岐頼芸様からじゃ。 378 00:40:17,476 --> 00:40:23,816 守護代の斎藤利政を倒し 尾張と手を結びたいとある。 379 00:40:23,816 --> 00:40:29,154 (平手政秀)また 我らに 美濃へ攻め込めとのお誘いですか。 380 00:40:29,154 --> 00:40:35,828 (信秀)さりとて 去年のこともある。 こちらの守護様も守護代様も➡ 381 00:40:35,828 --> 00:40:39,698 おいそれとは 戦の許しを出すまい。 382 00:40:39,698 --> 00:40:45,504 (平手)戦のお許しなど 金を積めば何とでもなりましょう。 383 00:40:45,504 --> 00:40:48,407 我が方には それだけの用意はあります。 384 00:40:48,407 --> 00:40:50,843 しかし その値打ちが➡ 385 00:40:50,843 --> 00:40:53,746 あるかどうかでございましょう 美濃に。 386 00:40:53,746 --> 00:41:00,185 値打ちはある! 負けたまま 黙っておるわけにもいかぬしな。 387 00:41:00,185 --> 00:41:04,056 (近習)殿! 戦でございます! 388 00:41:04,056 --> 00:41:07,860 戦でございます! (信秀)落ち着け!➡ 389 00:41:07,860 --> 00:41:11,530 どこが戦じゃ? はっ。 たった今➡ 390 00:41:11,530 --> 00:41:18,203 三河の上和田砦より知らせがあり 今川義元が大軍をもって駿河を出➡ 391 00:41:18,203 --> 00:41:23,542 三河まで押し出した由! 何…? 392 00:41:23,542 --> 00:41:29,214 殿! 三河の西には 我らの味方が あまたおります。 393 00:41:29,214 --> 00:41:36,914 よし 戦支度じゃ! (平手)はっ! 394 00:41:44,163 --> 00:41:48,033 駿河の国から出陣した 今川軍は➡ 395 00:41:48,033 --> 00:41:51,503 重臣の太原雪斎を総大将として➡ 396 00:41:51,503 --> 00:41:56,503 1万を超える将兵で 三河へ侵攻した。 397 00:42:05,517 --> 00:42:09,188 エイエイ エイエイエイ! 398 00:42:09,188 --> 00:42:11,123 かかれ~! 399 00:42:11,123 --> 00:42:16,528 今川 織田の両軍は 三河の小豆坂で相対し➡ 400 00:42:16,528 --> 00:42:20,528 ひときわ激しい戦いを繰り広げた。 401 00:42:22,868 --> 00:42:29,742 駿河遠江の守護である 今川義元は 海道一の弓取りとはやされ➡ 402 00:42:29,742 --> 00:42:34,146 名実ともに 戦国大名の雄であった。 403 00:42:34,146 --> 00:42:40,018 その今川義元が 尾張を視野に入れ 隣国の三河の覇権を巡って➡ 404 00:42:40,018 --> 00:42:42,318 攻め入ったのである。 405 00:42:52,831 --> 00:42:57,131 東海は動乱のさなかにあった。 406 00:43:01,173 --> 00:43:03,108 十兵衛! はっ。 407 00:43:03,108 --> 00:43:07,045 そなたの手で首をはねよ。 今すぐ斬れ! 408 00:43:07,045 --> 00:43:12,184 尾張で兄弟ではないと正体を見破られたら どうなるのでしょう? 409 00:43:12,184 --> 00:43:16,054 一緒に連れてまいった娘を人質に取り 戻らねば殺すと言え。 410 00:43:16,054 --> 00:43:18,857 どこにおりますかな? 東庵。 411 00:43:18,857 --> 00:43:21,760 お前ら 死にたいか!? 私を助けてくれた者がいる。 412 00:43:21,760 --> 00:43:25,460 怪しい者なら斬れ。 413 00:43:33,105 --> 00:43:35,040 岐阜県瑞浪市。 414 00:43:35,040 --> 00:43:40,846 美濃の国の守護 土岐一族は 鎌倉時代にこの地に土着し➡ 415 00:43:40,846 --> 00:43:44,716 土岐を名乗ったと伝わっています。 416 00:43:44,716 --> 00:43:51,190 室町時代には 足利将軍家を支える 武士団として活躍し➡ 417 00:43:51,190 --> 00:43:54,890 幕府と深いつながりを築きました。 418 00:43:56,528 --> 00:44:00,866 土岐一族が用いた桔梗紋。 419 00:44:00,866 --> 00:44:05,537 土岐光衡が 桔梗の花を兜にさし 戦ったところ➡ 420 00:44:05,537 --> 00:44:11,537 敵を打ち破ったことにちなみ 家紋にしたと伝わっています。 421 00:44:14,213 --> 00:44:20,886 分家筋にあたる明智家も 桔梗の紋を用いていました。 422 00:44:20,886 --> 00:44:26,758 家督争いを繰り返し 衰退の一途をたどる土岐一族。 423 00:44:26,758 --> 00:44:35,167 頼芸の時代には 家中の混乱に乗じ 斎藤道三が頭角を現しました。 424 00:44:35,167 --> 00:44:39,505 頼芸が築いた館の一つ 枝広館は➡ 425 00:44:39,505 --> 00:44:43,375 長良公園一帯にあったといいます。 426 00:44:43,375 --> 00:44:50,849 道三に実権を奪われ ついには 美濃を追放されることとなる頼芸。 427 00:44:50,849 --> 00:44:57,549 土岐一族の栄光は 頼芸の代で 潰えることとなるのです。 428 00:45:33,091 --> 00:45:42,768 ♬~ 429 00:45:42,768 --> 00:45:45,170 もう1年か。 430 00:45:45,170 --> 00:45:47,105 早えもんだ。 431 00:45:47,105 --> 00:45:49,041 (お清)出来ましたよ。 432 00:45:49,041 --> 00:45:52,311 ああ。 悪いな お清さん。 433 00:45:52,311 --> 00:45:54,246 これも ご供養。 434 00:45:54,246 --> 00:45:56,181 きっと おっ義母さんも喜びますよ。