1 00:00:34,324 --> 00:00:38,194 弘治2年4月 斎藤道三は➡ 2 00:00:38,194 --> 00:00:42,198 大桑城を出 南の鶴山に向かった。 3 00:00:42,198 --> 00:00:46,336 嫡男の高政と 戦うためである。 4 00:00:46,336 --> 00:00:48,336 (藤田伝吾)十兵衛様! 5 00:00:50,673 --> 00:00:53,009 (伝吾)行く先はいずこに? 6 00:00:53,009 --> 00:00:56,679 (明智十兵衛光秀)叔父上の後を追う。 鶴山へ! 7 00:00:56,679 --> 00:01:00,350 はっ! 敵は➡ 8 00:01:00,350 --> 00:01:03,350 高政様! 9 00:01:06,689 --> 00:01:09,592 (帰蝶)落ち着きませぬな。 10 00:01:09,592 --> 00:01:13,363 (織田信長)そなたの親父殿は そろそろ 鶴山へ着かれる頃じゃな。 11 00:01:13,363 --> 00:01:15,698 (帰蝶)放っておけば よろしゅうございます。➡ 12 00:01:15,698 --> 00:01:19,569 せっかく こちらが 越前へ行けるよう取り計ろうたのに➡ 13 00:01:19,569 --> 00:01:23,573 かいのない父上じゃ。 14 00:01:23,573 --> 00:01:27,043 むざむざ見殺しにするつもりか。 15 00:01:27,043 --> 00:01:30,914 (帰蝶)負けと分かった戦に 巻き込まれるのは愚かというもの。 16 00:01:30,914 --> 00:01:33,850 しかし 戦はやりようじゃ。 17 00:01:33,850 --> 00:01:40,850 たった2, 000の兵で! 兄は 1万2, 000を 超える兵を集めたと申しますぞ! 18 00:01:47,330 --> 00:01:52,001 わしは行くぞ! 鶴山へ行く! 親父殿を助ける! 19 00:01:52,001 --> 00:01:58,001 親父殿には戦の借りがあるのじゃ。 助けてみせようぞ! 20 00:02:05,348 --> 00:02:08,348 皆 愚か者じゃ! 21 00:02:13,690 --> 00:04:54,990 ♬~ 22 00:04:56,986 --> 00:05:08,598 (斎藤道三)〽 おもしろや この宿は 23 00:05:08,598 --> 00:05:15,672 〽 縦は十五里 (重臣)お主の軍勢を川上のあちらに置き➡ 24 00:05:15,672 --> 00:05:19,342 わしは手勢を率いて 川下から向こうに渡る。 25 00:05:19,342 --> 00:05:25,214 いや わしも お主の軍と共に川下に回り そこで二手に分かれ➡ 26 00:05:25,214 --> 00:05:28,351 川を渡り攻めようではないか。 27 00:05:28,351 --> 00:05:35,625 〽 その道に 28 00:05:35,625 --> 00:05:49,325 〽 梅と桜を植えまぜて 29 00:05:53,976 --> 00:06:01,851 (稲葉良通)殿 竹腰道鎮殿が 600の兵で 先陣を切らせてくれと申しております。➡ 30 00:06:01,851 --> 00:06:04,987 いかがいたします? 31 00:06:04,987 --> 00:06:08,658 (斎藤高政)よかろう。 (竹腰道鎮)はっ! 32 00:06:08,658 --> 00:06:14,530 (高政)竹腰の後をわしが行く。 (稲葉)ほう 二番槍を! 33 00:06:14,530 --> 00:06:22,004 わしが じきじきに行けば 勝負も早くつこう。 34 00:06:22,004 --> 00:06:26,676 (稲葉)いかにも。 敵とはいえ 向こう岸にいる面々は➡ 35 00:06:26,676 --> 00:06:31,280 昨日まで酒を酌み交わした仲じゃ。 36 00:06:31,280 --> 00:06:37,580 殿のお顔を拝すれば 皆 早々に降参するはず。 37 00:06:39,956 --> 00:06:45,956 で 道三殿の始末はいかがいたします? 38 00:06:53,503 --> 00:06:59,976 殺すな。 生け捕りにせよ。 39 00:06:59,976 --> 00:07:04,976 (稲葉)親殺しは 外聞が悪うございますからな。 40 00:07:18,327 --> 00:07:20,327 稲葉。 41 00:07:22,665 --> 00:07:29,338 織田信長が 国境の大良に着いたそうだ。 42 00:07:29,338 --> 00:07:34,177 道三軍と合流する前にたたけ。 43 00:07:34,177 --> 00:07:37,947 (稲葉)それは手はずどおりに。 44 00:07:37,947 --> 00:07:46,247 (高政)明智の一党は まだこちらに参陣せぬか? 45 00:07:52,495 --> 00:08:01,195 (稲葉)この期に及んで参陣なきは 道三方に寝返ったと見るべきかと! 46 00:08:07,944 --> 00:08:17,320 長良川を挟み 北に斎藤道三の軍勢と 南に 嫡男 高政の軍勢が対峙した。 47 00:08:17,320 --> 00:08:35,020 (ほら貝の音) 48 00:08:44,480 --> 00:08:49,252 (掛り太鼓の音) 49 00:08:49,252 --> 00:08:53,623 (高政軍)エエヤアエエ! エエヤアエエ! 50 00:08:53,623 --> 00:08:55,558 かかれ~! 51 00:08:55,558 --> 00:08:58,961 戦は早朝に始まった。 52 00:08:58,961 --> 00:09:03,633 高政軍の竹腰道鎮が先陣を切って 川を渡り➡ 53 00:09:03,633 --> 00:09:08,304 迎え撃つ道三軍と激しい戦いとなった。 54 00:09:08,304 --> 00:09:12,975 (竹腰)行くぞ~! (喚声) 55 00:09:12,975 --> 00:09:23,619 (掛り太鼓の音) 56 00:09:23,619 --> 00:09:48,811 ♬~ 57 00:09:48,811 --> 00:09:51,111 (伝吾)行くぞ! 58 00:09:54,283 --> 00:09:58,154 (伝吾)どけどけ~! うら~っ! うら~っ!➡ 59 00:09:58,154 --> 00:10:01,958 うら~っ! うら~っ! 60 00:10:01,958 --> 00:10:19,508 ♬~ 61 00:10:19,508 --> 00:10:23,245 伝吾 後は頼むぞ! (伝吾)承知しました! 62 00:10:23,245 --> 00:10:38,327 ♬~ 63 00:10:38,327 --> 00:10:42,027 叔父上! 64 00:10:43,666 --> 00:10:48,537 (明智光安)十兵衛 この河原は駄目じゃ。 敵が山のようにおる! 65 00:10:48,537 --> 00:10:52,675 しかし 川を渡らねば 道三様の陣には行けませぬ。 66 00:10:52,675 --> 00:10:57,013 川下へ行こう! 敵が手薄なのは もっと下じゃ。 67 00:10:57,013 --> 00:10:59,915 あっ…。 叔父上! 68 00:10:59,915 --> 00:11:05,688 先に行け! なんとしても 道三様をお助けせねば! 69 00:11:05,688 --> 00:11:10,359 承知しました! 叔父上を頼む! はっ! 70 00:11:10,359 --> 00:11:24,707 ♬~ 71 00:11:24,707 --> 00:11:27,043 (掛り太鼓の音) 72 00:11:27,043 --> 00:11:31,647 戦いは 一進一退の攻防を繰り返していたが➡ 73 00:11:31,647 --> 00:11:35,518 高政自らが 大軍を率いて押し寄せるにいたり➡ 74 00:11:35,518 --> 00:11:38,988 勝敗は決定的となった。 75 00:11:38,988 --> 00:11:41,657 (一同)オオ~! 76 00:11:41,657 --> 00:11:52,301 (掛り太鼓の音) 77 00:11:52,301 --> 00:11:55,671 (近習)殿 ここは危のうございます。➡ 78 00:11:55,671 --> 00:11:58,574 お立ち退きを! 79 00:11:58,574 --> 00:12:00,543 お立ち退きを! 80 00:12:00,543 --> 00:12:04,680 (道三)馬じゃ。 馬を引け! 81 00:12:04,680 --> 00:12:07,380 (近習)はっ! 82 00:12:11,020 --> 00:12:13,355 (いななき) 83 00:12:13,355 --> 00:12:43,655 (掛り太鼓の音) 84 00:12:50,192 --> 00:12:52,492 殿! 85 00:13:00,336 --> 00:13:03,672 くそっ! はっ! 86 00:13:03,672 --> 00:13:17,972 (掛り太鼓の音) 87 00:13:22,691 --> 00:13:49,318 ♬~ 88 00:13:49,318 --> 00:13:54,018 (いななき) 89 00:13:59,662 --> 00:14:02,962 高政! 90 00:14:05,000 --> 00:14:08,671 一騎打ちじゃ! 91 00:14:08,671 --> 00:14:13,342 それはまた 大仰な。 92 00:14:13,342 --> 00:14:19,042 負けと分かった 悪あがきか! 93 00:14:25,354 --> 00:14:29,054 構え~! 94 00:15:08,330 --> 00:15:12,030 (高政)手出し無用! 95 00:15:50,906 --> 00:15:55,644 負けを認めよ! 命までは取らぬ! 96 00:15:55,644 --> 00:15:58,314 我が軍門に下れ! 97 00:15:58,314 --> 00:16:04,987 己を偽り 人を欺く者の軍門には下らぬ。 98 00:16:04,987 --> 00:16:09,325 誰が己を偽った! 99 00:16:09,325 --> 00:16:16,325 ならば聞く。 そなたの父の名を申せ! 100 00:16:19,335 --> 00:16:22,004 父の名を申せ! 101 00:16:22,004 --> 00:16:26,004 黙れ! 油売りの子! 102 00:16:27,676 --> 00:16:33,676 成り上がり者! 蝮の道三! 103 00:16:37,953 --> 00:16:43,625 父の名を申せ! 104 00:16:43,625 --> 00:16:47,925 ハッハッハッハ…! 105 00:16:52,301 --> 00:16:56,601 父の名を申せ! 106 00:17:00,175 --> 00:17:08,317 我が父は土岐頼芸様。 107 00:17:08,317 --> 00:17:13,655 土岐源氏の棟梁ぞ! 108 00:17:13,655 --> 00:17:20,996 ハッハッハッハッハッハ…! 109 00:17:20,996 --> 00:17:34,276 我が子よ 高政よ この期に及んで まだ己を飾らんとするか。 110 00:17:34,276 --> 00:17:43,276 その口で皆を欺き この美濃をかすめ取るのか! 111 00:17:46,288 --> 00:17:54,288 おぞましき我が子! 醜き高政! 112 00:17:56,932 --> 00:17:59,932 黙れ! 113 00:18:04,973 --> 00:18:12,973 そなたの父は この斎藤道三じゃ! 114 00:18:21,323 --> 00:18:30,023 成り上がり者の道三じゃ。 115 00:18:33,268 --> 00:18:39,141 黙れ… 黙れ~! 116 00:18:39,141 --> 00:18:45,441 討て! この者を討て! 117 00:18:56,492 --> 00:18:59,792 高政! 118 00:19:29,992 --> 00:20:03,859 ♬~ 119 00:20:03,859 --> 00:20:11,967 我が子… 高政…➡ 120 00:20:11,967 --> 00:20:16,305 愚か者…➡ 121 00:20:16,305 --> 00:20:24,646 勝ったのは 道三じゃ。 122 00:20:24,646 --> 00:20:55,010 ♬~ 123 00:20:55,010 --> 00:20:58,680 (兵)敵の大将 斎藤道三を討ち取ったり!➡ 124 00:20:58,680 --> 00:21:01,583 道三を討ち取ったり~! 125 00:21:01,583 --> 00:21:06,021 (一同)オオ~! 126 00:21:06,021 --> 00:21:21,370 ♬~ 127 00:21:21,370 --> 00:21:24,370 何者じゃ! 128 00:21:26,708 --> 00:21:31,408 この者 明智と申しておりますが…。 129 00:21:33,315 --> 00:21:35,250 はっ! はっ! 130 00:21:35,250 --> 00:21:38,950 殿…。 131 00:21:45,894 --> 00:21:48,894 道三様…。 132 00:21:52,000 --> 00:21:54,903 貴様…! 133 00:21:54,903 --> 00:21:58,903 (高政)蝮の罠にはめられた。 134 00:22:02,010 --> 00:22:09,310 殺せば 親殺しの汚名が さきざき つきまとう…。 135 00:22:12,020 --> 00:22:16,720 蝮のねらいどおりだ。 136 00:22:31,506 --> 00:22:34,643 (高政)十兵衛! 137 00:22:34,643 --> 00:22:38,313 そなたは間違いを犯した。 138 00:22:38,313 --> 00:22:48,313 わしのもとに参らず 敵に寝返り わしを裏切った! 139 00:22:49,925 --> 00:22:58,925 (高政)いま一度 機会を与える。 ただちにわしのもとに参れ。 140 00:23:00,569 --> 00:23:04,539 わしの行う政を助けよ。 141 00:23:04,539 --> 00:23:11,839 さすれば こたびの過ちは忘れよう。 142 00:23:30,031 --> 00:23:34,031 まことの気持ちを聞きたい。 143 00:23:35,837 --> 00:23:42,978 道三様は そなたの実の父親ではなかったのか。 144 00:23:42,978 --> 00:23:53,278 わしの父親は 土岐頼芸様。 145 00:23:58,527 --> 00:24:10,005 そうか… わしは 土岐頼芸様にお会いして➡ 146 00:24:10,005 --> 00:24:15,005 一度たりとも 立派なお方と思うたことはない。 147 00:24:20,348 --> 00:24:24,219 しかし 道三様は立派な主君であった。 148 00:24:24,219 --> 00:24:28,223 己への誇りがおありであった。 149 00:24:28,223 --> 00:24:32,523 揺るぎなき誇りだ。 150 00:24:40,635 --> 00:24:46,335 土岐様にも お主にもないものだ。 151 00:24:51,646 --> 00:24:55,317 わしは そなたには くみせぬ。 152 00:24:55,317 --> 00:24:58,017 それが答えだ。 153 00:25:00,188 --> 00:25:08,330 次 会うた時は そなたの首をはねる。 154 00:25:08,330 --> 00:25:16,671 明智城は 即刻攻め落とす。 覚悟せよ。 155 00:25:16,671 --> 00:26:09,658 ♬~ 156 00:26:09,658 --> 00:26:12,327 (前田利家) まことに口惜しき次第にございます。➡ 157 00:26:12,327 --> 00:26:14,996 殿は川をお渡りになりましたが➡ 158 00:26:14,996 --> 00:26:18,333 道三様の陣に行き着く前に➡ 159 00:26:18,333 --> 00:26:24,205 ご無念の報を受け やむなく! 160 00:26:24,205 --> 00:26:29,344 さようか…➡ 161 00:26:29,344 --> 00:26:33,344 父上は…。 162 00:26:35,150 --> 00:26:37,152 殿は? 163 00:26:37,152 --> 00:26:41,289 (利家)敵の待ち伏せにあわれましたが 辛うじて船で引き返され➡ 164 00:26:41,289 --> 00:26:44,960 こちらに向かわれております。 165 00:26:44,960 --> 00:26:47,862 (帰蝶)分かった。➡ 166 00:26:47,862 --> 00:26:53,969 殿がご無事で何よりじゃ。 ご苦労であった。 167 00:26:53,969 --> 00:26:56,269 (利家)はっ。 168 00:27:12,988 --> 00:27:27,688 (すすり泣き) 169 00:27:54,963 --> 00:27:58,633 伊呂波太夫は いかがした? 170 00:27:58,633 --> 00:28:01,970 (侍女頭)隣に控えております。 171 00:28:01,970 --> 00:28:05,970 これへ。 (侍女頭)はい。 172 00:28:16,985 --> 00:28:24,859 太夫 大儀であろうが いま一度 美濃へ行ってくれぬか。➡ 173 00:28:24,859 --> 00:28:33,159 頼みたき儀があるのじゃ。 礼は望みのままに。 174 00:28:41,609 --> 00:28:44,512 (菊丸)お駒さん 少し休みませんか。 175 00:28:44,512 --> 00:28:46,948 (駒)さっき休んだばかりですよ。 176 00:28:46,948 --> 00:28:51,286 (菊丸)お駒さんは休みましたが わしは 関所の様子を見に行ったり➡ 177 00:28:51,286 --> 00:28:55,957 寺へ寄って 美濃の戦のことを聞いたり 少しも休んでおらぬのです。 178 00:28:55,957 --> 00:28:58,293 (駒)今日中に明智荘に入りたいのです。 179 00:28:58,293 --> 00:29:00,962 (菊丸)無理無理 それは無理です。 180 00:29:00,962 --> 00:29:04,833 (駒)何だかんだと言うて 本心は もう駿河へ帰りたいのでしょう。 181 00:29:04,833 --> 00:29:07,635 (菊丸)そりゃそうです。 (駒)いいですか➡ 182 00:29:07,635 --> 00:29:11,973 美濃がとうとう戦になって 明智様も巻き込まれたらしいと➡ 183 00:29:11,973 --> 00:29:15,310 そういう話を聞けば 気になるでしょ。 明智の方たちが➡ 184 00:29:15,310 --> 00:29:19,180 どうなさっているのか 菊丸さんだって気になるでしょ。 185 00:29:19,180 --> 00:29:25,320 戦のさなかなのです。 そんな所へ お駒さんを連れていきたくないのです。 186 00:29:25,320 --> 00:29:28,990 少しは分かって下さい! どう分かれというの? 187 00:29:28,990 --> 00:29:33,261 (菊丸)どうって…。 嫌なら 一人で駿河へ帰ればよいでしょ。 188 00:29:33,261 --> 00:29:35,261 私は行きます! 189 00:29:36,931 --> 00:29:42,231 行きますよ。 行かないとは言ってませんよ。 190 00:29:55,283 --> 00:29:57,619 叔父上。 191 00:29:57,619 --> 00:30:02,290 おお 案じておったぞ! これへ これへ。 192 00:30:02,290 --> 00:30:05,193 はっ。 ここに座れ。 193 00:30:05,193 --> 00:30:07,629 は? 194 00:30:07,629 --> 00:30:17,929 わしは 今日この場で明智家の主の座を そなたに譲りたい。 195 00:30:36,324 --> 00:30:42,997 道三様のことは 無念至極であった。➡ 196 00:30:42,997 --> 00:30:52,340 この城も間もなく高政方に攻められる。 197 00:30:52,340 --> 00:30:55,677 3, 000余りの兵だという。 198 00:30:55,677 --> 00:30:59,547 我々は 300に満たぬ兵じゃ。 戦にならぬ。 199 00:30:59,547 --> 00:31:03,351 それは! (光安)まあ聞け。 200 00:31:03,351 --> 00:31:08,690 先ほど おもだった家臣たちと 話し合うたのじゃ。 201 00:31:08,690 --> 00:31:12,560 このまま ここに立て籠もり あの手この手で戦うても➡ 202 00:31:12,560 --> 00:31:20,301 いずれは 皆 討ち死にじゃ。 そなたも わしも 左馬助も。➡ 203 00:31:20,301 --> 00:31:24,301 そうはならぬと言い切れるか? 204 00:31:28,042 --> 00:31:30,945 それは…。 205 00:31:30,945 --> 00:31:39,645 (光安) 我らが討たれれば 明智家は途絶える。 206 00:31:41,322 --> 00:31:49,664 わしは そなたの父上から家督を継いだ折 行く末 そなたを立て➡ 207 00:31:49,664 --> 00:31:54,664 明智家の血は決して絶やさぬと約束した。 208 00:32:18,359 --> 00:32:25,033 (光安) 兄上から渡された明智家の旗印じゃ。➡ 209 00:32:25,033 --> 00:32:28,033 そなたに渡す。 210 00:32:29,704 --> 00:32:36,511 城を失うのはつらい。 亡き兄上に申し開きができぬ。 211 00:32:36,511 --> 00:32:42,283 されど 明智家が滅びるのは座視できぬ。➡ 212 00:32:42,283 --> 00:32:45,583 なんとしても それは避けねばならぬ。 213 00:32:48,189 --> 00:32:53,895 (光安)これは そなたの父上の声と思うて聞け。 214 00:32:53,895 --> 00:32:59,334 一旦 城を離れ 逃げよ。 215 00:32:59,334 --> 00:33:02,236 逃げて逃げて生き延び➡ 216 00:33:02,236 --> 00:33:10,678 明智家の主として 再び城を持つ身になってもらいたい。➡ 217 00:33:10,678 --> 00:33:21,689 そなたなら それがやれる。 許されるなら この左馬助も そこに加えてもらいたい。 218 00:33:21,689 --> 00:33:24,592 (明智左馬助)私からもお願いいたします。 219 00:33:24,592 --> 00:33:30,698 父の願いをお聞き届けて下さりませ! 220 00:33:30,698 --> 00:33:41,976 ♬~ 221 00:33:41,976 --> 00:33:49,650 (光安)事 ここに至ったのは わしの力のなさがもとじゃ。 222 00:33:49,650 --> 00:33:52,950 伏して わびを申す! 223 00:33:54,989 --> 00:34:03,998 我らは逃げて… 皆は… 伝吾たちは…? 224 00:34:03,998 --> 00:34:09,871 ほかの者も 落ち延びるよう命じた。 225 00:34:09,871 --> 00:34:16,577 伝吾たちは槍を持つが 元は百姓じゃ。 226 00:34:16,577 --> 00:34:27,021 我らを助け よう戦ってくれたが 刀を捨て 田畑へ戻れば➡ 227 00:34:27,021 --> 00:34:30,358 高政も斬り捨てはせぬ。 228 00:34:30,358 --> 00:34:42,637 ♬~ 229 00:34:42,637 --> 00:34:47,308 (伝令)申し上げます! 丘向こうに 敵が押し寄せております! 230 00:34:47,308 --> 00:34:52,980 (光安)早いぞ! 十兵衛 左馬助 急げ! 一刻も早う行け! 231 00:34:52,980 --> 00:34:55,680 (左馬助)はっ! 232 00:34:57,652 --> 00:35:00,988 十兵衛 ぐずぐずするでない! 233 00:35:00,988 --> 00:35:03,324 叔父上は? 234 00:35:03,324 --> 00:35:10,024 わしも後から行く。 案ずるな。 早う行け! 235 00:35:13,334 --> 00:35:16,003 叔父上! 236 00:35:16,003 --> 00:35:22,703 わしは この城の最期をしかと見届け 後を追う! 237 00:35:29,350 --> 00:35:31,619 はっ! 238 00:35:31,619 --> 00:35:53,319 ♬~ 239 00:35:54,842 --> 00:35:57,845 (熙子)さあ 皆 急ぐのじゃ! 母上! 240 00:35:57,845 --> 00:35:59,981 (牧)十兵衛➡ 241 00:35:59,981 --> 00:36:05,319 籠城の支度はできました。 すぐ城へ参りますか? 242 00:36:05,319 --> 00:36:07,255 城へは参りませぬ。 243 00:36:07,255 --> 00:36:10,191 城へ行かぬと!? 244 00:36:10,191 --> 00:36:14,662 逃げまする! 逃げる…? 245 00:36:14,662 --> 00:36:21,362 それが叔父上のご命令です。 落ち延びよと。 246 00:36:23,004 --> 00:36:25,704 (伝吾)十兵衛様! 247 00:36:31,279 --> 00:36:38,619 (伝吾)村の者が お別れを 申したいと言うので連れてまいりました。 248 00:36:38,619 --> 00:36:50,919 十兵衛様 大方様 奥方様。 249 00:36:56,971 --> 00:37:04,971 今日まで長々とお世話になりました。 250 00:37:06,647 --> 00:37:18,993 私も村の者も 何もお助けできず 口惜しい限りでございます。➡ 251 00:37:18,993 --> 00:37:26,667 お供をして お守りしたくとも 田や畑は持って歩けませぬ。➡ 252 00:37:26,667 --> 00:37:33,367 ご一緒にと思うても… できませぬ。 253 00:37:35,276 --> 00:37:37,976 かたじけない。 254 00:37:41,148 --> 00:37:44,848 そう申してくれるだけで…。 255 00:37:47,288 --> 00:38:00,988 我ら明智家こそ 長きにわたり 皆に支えてもらい… 世話になり。 256 00:38:04,839 --> 00:38:14,139 それが… こうして出ていくことになろうとは…。 257 00:38:18,653 --> 00:38:22,523 無念と言うよりほか…。 258 00:38:22,523 --> 00:38:25,223 伝吾! 259 00:38:27,995 --> 00:38:31,295 すまぬ! 260 00:38:34,268 --> 00:38:37,605 無念じゃ! 261 00:38:37,605 --> 00:38:52,953 ♬~ 262 00:38:52,953 --> 00:38:58,253 皆の志は まことにありがたい。 263 00:39:00,828 --> 00:39:06,828 だが早々にたち帰れ! 264 00:39:08,502 --> 00:39:14,502 皆 達者でおれよ。 265 00:39:16,177 --> 00:39:18,877 また会おう。 266 00:39:20,648 --> 00:39:23,648 また会おうぞ! 267 00:39:26,987 --> 00:39:31,287 行くぞ! (一同)はい! 268 00:39:32,793 --> 00:39:37,793 私は ここに残りまする。 269 00:39:39,934 --> 00:39:49,276 ここは亡き夫 光綱様が 終生大事にされた父祖伝来の地。 270 00:39:49,276 --> 00:39:56,617 今 捨てろと言われても 捨てるわけにはいきませぬ。 271 00:39:56,617 --> 00:39:58,552 母上! 272 00:39:58,552 --> 00:40:00,955 できぬものはできぬ! 273 00:40:00,955 --> 00:40:04,291 高政勢が この館を焼き払いますぞ! 274 00:40:04,291 --> 00:40:10,291 ここで死ぬは本望! 275 00:40:12,166 --> 00:40:18,305 母上がお逃げにならぬのなら 私も逃げませぬ。 276 00:40:18,305 --> 00:40:25,980 私も 十兵衛様のおそばを 離れるわけにはまいりませぬ。 277 00:40:25,980 --> 00:40:29,680 (常)私も おそばに。 278 00:40:33,654 --> 00:40:35,954 (伝吾)大方様…。 279 00:40:37,525 --> 00:40:40,225 大方様。 280 00:40:41,996 --> 00:40:49,670 お気持ちは 私も村の者も 皆 同じでござります。 281 00:40:49,670 --> 00:40:57,344 大事な田や 畑や 山や 川や➡ 282 00:40:57,344 --> 00:41:05,219 この先 10年 20年 皆で守っていこうと思うております。 283 00:41:05,219 --> 00:41:14,895 いつの日か 大方様が またお戻りになられた時➡ 284 00:41:14,895 --> 00:41:25,706 何も変わらず この里は 村はあります。 285 00:41:25,706 --> 00:41:36,984 それを また見て頂くために 今日は 旅に出て下さりませ。➡ 286 00:41:36,984 --> 00:41:39,984 どうか…。 287 00:41:43,657 --> 00:41:46,657 伝吾…。 288 00:41:58,672 --> 00:42:05,372 義母上様… 参りましょう。 289 00:42:08,349 --> 00:42:12,219 急ぎ支度を。 (熙子)はい。 290 00:42:12,219 --> 00:42:16,690 ≪エエヤアエエ! エエヤアエエ! 291 00:42:16,690 --> 00:42:20,361 (伝吾)お急ぎ下さい! 敵は近うございます!➡ 292 00:42:20,361 --> 00:42:24,031 皆 行くぞ! (一同)はっ! 293 00:42:24,031 --> 00:42:28,369 熙子 母上と皆を表へ! 私は外を見てくる! 294 00:42:28,369 --> 00:42:31,639 エエヤアエエ! 295 00:42:31,639 --> 00:42:33,574 構え~! 296 00:42:33,574 --> 00:42:36,510 放て~! 297 00:42:36,510 --> 00:42:54,662 ♬~ 298 00:42:54,662 --> 00:43:01,001 エエヤアエエ! エエヤアエエ! 299 00:43:01,001 --> 00:43:03,337 越前? 越前へ参りましょう。 300 00:43:03,337 --> 00:43:05,272 越前は よい国と聞きますよ。 301 00:43:05,272 --> 00:43:09,009 明智様を この越前に おかくまい頂きたいのです。 302 00:43:09,009 --> 00:43:11,679 金が要るのであろう? くれてやろうぞ。 303 00:43:11,679 --> 00:43:15,549 その時 父上は こう仰せられました。 誇り高く。 304 00:43:15,549 --> 00:43:20,354 再び謀反の兆しが…。 我が弟 信勝か…。 305 00:43:20,354 --> 00:43:26,054 必ず戦は終わる。 麒麟がくると…。 306 00:43:33,634 --> 00:43:38,505 金華山の麓を流れる長良川。 307 00:43:38,505 --> 00:43:45,646 斎藤道三と その息子 高政の親子が 対決した地です。 308 00:43:45,646 --> 00:43:53,520 決戦の前 道三は 稲葉山の北 鶴山に陣を構えました。 309 00:43:53,520 --> 00:44:00,194 しかし 道三に味方する者は 少なかったといいます。 310 00:44:00,194 --> 00:44:04,999 劣勢の中 道三は討ち死に。 311 00:44:04,999 --> 00:44:10,337 遺体は埋葬され 道三塚が築かれました。 312 00:44:10,337 --> 00:44:14,008 川の氾濫により度々流され➡ 313 00:44:14,008 --> 00:44:19,308 後に この場所に移され 供養碑が建てられました。 314 00:44:20,881 --> 00:44:27,881 出家して家督も譲った道三が詠んだ 辞世の句が残されています。 315 00:44:29,556 --> 00:44:34,294 そこには「この世のほかには 何もない我が身に➡ 316 00:44:34,294 --> 00:44:41,294 どこに終の住処があるのだろう」と その思いをつづっています。 317 00:44:43,303 --> 00:44:48,976 下克上により一国の主にまで上り詰めた 道三でしたが➡ 318 00:44:48,976 --> 00:44:55,976 嫡男の謀反により 命果てることとなったのです。 319 00:45:33,821 --> 00:45:38,525 草刈さん 今日は ずいぶん のんびりですね。 320 00:45:38,525 --> 00:45:42,396 お~い お茶 持ってきて。 321 00:45:42,396 --> 00:45:44,698 あっ 来た 来た。 322 00:45:44,698 --> 00:45:48,102 え~ 何ですか? これ。 323 00:45:48,102 --> 00:45:51,405 ねっ すごいでしょ。 324 00:45:51,405 --> 00:45:54,975 もしかして スマートスピーカーですか?