1 00:00:37,158 --> 00:00:41,295 (武田信玄)出陣じゃ! 2 00:00:41,295 --> 00:00:43,995 (一同)はは~っ! 3 00:00:48,970 --> 00:00:52,306 (足利義昭)信長の命運は尽きた! 4 00:00:52,306 --> 00:00:55,977 (明智十兵衛光秀) いま一度 お考え直しを…! 5 00:00:55,977 --> 00:01:02,316 わしは 信玄と共に戦う! 6 00:01:02,316 --> 00:01:04,616 公方様…! 7 00:01:06,187 --> 00:01:08,189 御免! 8 00:01:08,189 --> 00:01:10,889 (三淵藤英)十兵衛殿! 追うな! 9 00:01:13,661 --> 00:01:18,332 元亀4年3月 将軍 足利義昭は➡ 10 00:01:18,332 --> 00:01:22,332 織田信長に対し 討伐の兵を挙げた。 11 00:01:24,005 --> 00:01:27,875 義昭の意をくんだ 甲斐の武田信玄は➡ 12 00:01:27,875 --> 00:01:33,814 三方ヶ原で 徳川 織田連合軍を打ち破り 三河に侵攻していた。 13 00:01:33,814 --> 00:01:36,114 しかし…。 14 00:01:39,287 --> 00:01:43,958 武田軍は 突如 兵を引き返した。 15 00:01:43,958 --> 00:01:47,828 (町衆) 信玄様は 京へは上られなかったのか。 16 00:01:47,828 --> 00:01:53,634 今度こそ 織田と決戦じゃと 思うたが…。 うん…。 17 00:01:53,634 --> 00:01:56,537 (いななき) 18 00:01:56,537 --> 00:02:07,237 ♬~ 19 00:02:08,983 --> 00:02:14,283 義昭は 宇治 槙島城に陣を構えた。 20 00:02:18,993 --> 00:02:23,331 朝倉 浅井 そして 信玄。 21 00:02:23,331 --> 00:02:26,234 なぜじゃ? なぜ姿を見せぬ? 22 00:02:26,234 --> 00:02:31,934 皆 わしを助け 信長を討つと書いておるではないか! 23 00:02:35,910 --> 00:02:41,282 (喚声と悲鳴) 24 00:02:41,282 --> 00:02:59,634 ♬~ 25 00:02:59,634 --> 00:03:03,934 (木下藤吉郎)足利義昭公! 26 00:03:11,245 --> 00:03:18,545 織田信長様のご下命により 木下藤吉郎が召し捕らえる。 27 00:03:22,857 --> 00:03:26,861 うおお~っ! 28 00:03:26,861 --> 00:03:29,630 引っ立てい! 29 00:03:29,630 --> 00:03:31,930 (一同)はっ! 30 00:03:44,612 --> 00:03:49,912 (藤吉郎)公方様をお召し連れ申した! 31 00:04:00,961 --> 00:04:05,633 ご覧あれ 明智殿。 32 00:04:05,633 --> 00:04:14,975 皆が 武家の棟梁とあがめ奉った将軍様が このざまじゃ。 33 00:04:14,975 --> 00:04:21,275 これからは 我らの世でござる。 34 00:04:24,318 --> 00:04:26,987 我らの。 35 00:04:26,987 --> 00:05:00,855 ♬~ 36 00:05:00,855 --> 00:05:03,290 (武士)参られい。 37 00:05:03,290 --> 00:05:25,590 ♬~ 38 00:05:27,314 --> 00:08:08,314 ♬~ 39 00:08:11,278 --> 00:08:16,617 義昭と共に戦った三淵藤英も投降した。 40 00:08:16,617 --> 00:08:23,317 三淵の弟 細川藤孝は 信長についたのである。 41 00:08:30,631 --> 00:08:36,631 (細川藤孝)兄上 面を上げられよ。 42 00:08:38,439 --> 00:08:41,575 (三淵)義昭様は…? 43 00:08:41,575 --> 00:08:47,448 義昭様は宇治の南 枇杷庄へ座を移されました。 44 00:08:47,448 --> 00:08:54,448 信長様も 将軍のお命までは取らぬ と。 45 00:08:56,123 --> 00:08:59,593 (三淵)さようか…。 46 00:08:59,593 --> 00:09:07,468 (藤孝)ともあれ 兄上もご無事で ようございました。 47 00:09:07,468 --> 00:09:10,604 無事? 48 00:09:10,604 --> 00:09:14,475 わしが無事で何がよいのじゃ! 49 00:09:14,475 --> 00:09:25,775 藤孝 お主 義昭様や幕府の内情を ひそかに信長に漏らしておったな。 50 00:09:29,957 --> 00:09:32,559 いつから裏切り者になり果てた!? 51 00:09:32,559 --> 00:09:35,229 三淵様! 52 00:09:35,229 --> 00:09:39,566 私は気が付いただけです。 53 00:09:39,566 --> 00:09:46,440 政を行うには 時の流れを見ることが肝要だと。 54 00:09:46,440 --> 00:09:49,910 時の流れ? 55 00:09:49,910 --> 00:09:53,781 この世には大きな時の流れがある。 56 00:09:53,781 --> 00:10:04,925 それを見誤れば 政はよどみ 滞り 腐る…。 57 00:10:04,925 --> 00:10:12,625 それが公方様を見捨てた言い訳か。 58 00:10:14,935 --> 00:10:21,235 (藤孝)信長様からのご沙汰をお伝え申す。 59 00:10:22,810 --> 00:10:31,952 (藤孝)岩成友通が籠城しておる淀城を 私と兄上 2人で落とせとのこと。➡ 60 00:10:31,952 --> 00:10:35,823 よき機会を与えられました。 61 00:10:35,823 --> 00:10:40,523 この上は 兄弟 力を合わせ…。 62 00:10:52,973 --> 00:10:57,311 (藤孝)淀城攻めの手はずは また後日。➡ 63 00:10:57,311 --> 00:11:01,648 私は これにて。 64 00:11:01,648 --> 00:11:33,280 ♬~ 65 00:11:33,280 --> 00:11:42,289 十兵衛殿 わしは負け そなたは勝った。➡ 66 00:11:42,289 --> 00:11:50,964 わしは 二条城で死んでもよいと思うた。➡ 67 00:11:50,964 --> 00:11:55,264 説得に応じたのは ただ一つ。 68 00:11:57,638 --> 00:12:04,338 義昭様のお命を 助けていただけるかどうか。 69 00:12:21,662 --> 00:12:29,336 私と三淵様の間に 勝ちも負けもございませぬ。 70 00:12:29,336 --> 00:12:38,336 あるのは 紙一重の立場の違い。 71 00:12:42,282 --> 00:12:48,582 私は今 そう思うております。 72 00:12:53,894 --> 00:13:04,194 この上は この十兵衛光秀に お力をお貸し下さいませ。 73 00:13:10,310 --> 00:13:13,010 何とぞ。 74 00:13:18,185 --> 00:13:35,469 (セミの声) 75 00:13:35,469 --> 00:13:38,472 (菊丸)織田が朝倉 浅井を討たねば➡ 76 00:13:38,472 --> 00:13:41,942 盟約を結んでいる三河は ゆくゆく危うい。➡ 77 00:13:41,942 --> 00:13:47,942 織田が出ていけぬのは 背後に武田がいるからじゃ。 78 00:13:52,286 --> 00:13:56,156 よいか。 明智十兵衛様にお渡しせよ。 (町衆姿の男)はっ。 79 00:13:56,156 --> 00:13:59,456 抜かるな。 わしは仕事がある。 80 00:14:12,973 --> 00:14:16,310 大事ないか。 ほら…。 81 00:14:16,310 --> 00:14:19,980 (町衆姿の男) あっ これはこれは とんだご無礼を。 82 00:14:19,980 --> 00:14:22,883 (小声で)明智様 これを。➡ 83 00:14:22,883 --> 00:14:26,320 さあ 大丈夫か? 84 00:14:26,320 --> 00:14:45,605 ♬~ 85 00:14:45,605 --> 00:14:48,305 ごめんください。 86 00:14:50,477 --> 00:14:56,950 (望月東庵)ん? あ… どなたかな? 87 00:14:56,950 --> 00:15:00,287 東庵先生! お久しゅうございます。 88 00:15:00,287 --> 00:15:04,157 あの薬屋の! 菊丸でございます! 89 00:15:04,157 --> 00:15:11,631 (東庵)ああ 菊丸… そうであった。 久しいのう。 90 00:15:11,631 --> 00:15:14,534 あの… お駒さんは? 91 00:15:14,534 --> 00:15:20,307 あいにく 駒は 今 留守をしておってな。 92 00:15:20,307 --> 00:15:23,210 ≪(なか)先生 何してるの? 93 00:15:23,210 --> 00:15:27,981 (東庵)ああ はい はい。➡ 94 00:15:27,981 --> 00:15:32,586 話は後じゃ。 ゆっくりしていくがよい。 95 00:15:32,586 --> 00:15:34,586 はい。 96 00:15:41,261 --> 00:15:46,133 (なか)お前様 だいぶ長旅のご様子じゃが どちらから? 97 00:15:46,133 --> 00:15:50,604 遠江の方から参りました。 まあ 遠江。 98 00:15:50,604 --> 00:15:54,274 徳川様は どうされておるかの? 99 00:15:54,274 --> 00:15:58,612 去年 三方ヶ原では 大負けされたそうじゃが…。 100 00:15:58,612 --> 00:16:01,948 負けはしましたが 徳川様はご健在です。 101 00:16:01,948 --> 00:16:04,851 あのまま 京へ攻め上がってくるかと思うたが➡ 102 00:16:04,851 --> 00:16:06,820 どうした 武田は? 103 00:16:06,820 --> 00:16:11,291 あ… なか様 じっとして じっと! 104 00:16:11,291 --> 00:16:13,591 (なか)はい。 105 00:16:36,917 --> 00:16:41,217 そなたとは もう会えぬと思うていた。 106 00:16:42,789 --> 00:16:46,489 ここは さみしい所じゃ。 107 00:17:03,610 --> 00:17:06,910 (駒)これをお返しに参りました。 108 00:17:10,283 --> 00:17:12,983 (ため息) 109 00:17:15,622 --> 00:17:18,291 これを見よ。 110 00:17:18,291 --> 00:17:25,966 わしが書いた書状じゃ。 これが上杉 これが武田 朝倉 浅井。 111 00:17:25,966 --> 00:17:30,637 そして 今 書いておるのが 毛利宛てのもの。 112 00:17:30,637 --> 00:17:36,910 備えが整えば わしは いま一度立つ。 113 00:17:36,910 --> 00:17:42,249 そして 信長を討つ! 114 00:17:42,249 --> 00:17:48,249 このまま戦を続けて 勝てるとお思いですか? 115 00:17:49,923 --> 00:17:53,593 この書状に 返事が来るかどうかは分からぬ。 116 00:17:53,593 --> 00:18:00,593 だが わしは書き続ける 将軍である限り。 117 00:18:02,602 --> 00:18:05,505 (駒)では➡ 118 00:18:05,505 --> 00:18:09,943 将軍をお辞め下さい。 119 00:18:09,943 --> 00:18:16,616 初めてお会いした時 公方様は お坊様でいらした。 120 00:18:16,616 --> 00:18:21,488 大和の貧しい人たちに 施しをしていらした。➡ 121 00:18:21,488 --> 00:18:25,625 毎日毎日 同じ時刻に。➡ 122 00:18:25,625 --> 00:18:33,233 でも 自分のできることは限られている 仏とは程遠い➡ 123 00:18:33,233 --> 00:18:36,136 そう おっしゃって…。➡ 124 00:18:36,136 --> 00:18:39,906 そのようなお方が 将軍になられると聞いて➡ 125 00:18:39,906 --> 00:18:47,247 これからは きっと よい世の中になる そう思いました。 なのに…➡ 126 00:18:47,247 --> 00:18:56,256 戦 戦 戦…。 127 00:18:56,256 --> 00:19:00,927 (義昭)辞められるものであれば… そう思うたこともある。 128 00:19:00,927 --> 00:19:08,627 将軍として わしにできることは何か ずっと考えてきた。 129 00:19:11,271 --> 00:19:15,609 にらみ合う大名たちに和議を勧めた。 130 00:19:15,609 --> 00:19:19,279 しかし 戦はやまぬ。 131 00:19:19,279 --> 00:19:25,952 幕府の旗の下 武家が一つにまとまるよう 働きかけた。 132 00:19:25,952 --> 00:19:28,952 しかし 戦はやまぬ! 133 00:19:32,225 --> 00:19:40,525 これ以上 わしに何ができるのか… 答えは出ぬ。 134 00:19:42,569 --> 00:19:55,569 だが 今 わしは こうして 大名たちに宛て 戦のための書状を書いておる。 135 00:20:00,587 --> 00:20:06,887 戦を終わらせるには 戦をするしかない。 136 00:20:08,928 --> 00:20:12,628 そう思うて これを書いておる。 137 00:20:23,276 --> 00:20:32,976 わしは駒を 欺いてしもうたのかもしれぬな。 138 00:20:44,564 --> 00:20:51,971 (織田信長)貞正 安永 延祿…。 139 00:20:51,971 --> 00:20:54,671 うむ…。 140 00:20:56,309 --> 00:20:59,212 ≪(近習)明智様 お見えでございます。 141 00:20:59,212 --> 00:21:01,212 入れ。 142 00:21:13,660 --> 00:21:17,360 その後 山城の方はどうじゃ? 143 00:21:19,999 --> 00:21:24,871 愛宕郡の一乗寺山城は 我らの説得に応じ➡ 144 00:21:24,871 --> 00:21:29,008 開城いたしましたゆえ 仰せのとおり 破却。 145 00:21:29,008 --> 00:21:31,708 そうか。 146 00:21:34,614 --> 00:21:37,951 改元を言上した。 147 00:21:37,951 --> 00:21:41,821 は…。 本来 改元の申し出は➡ 148 00:21:41,821 --> 00:21:46,960 将軍が行うべきもの。 なれど 今や将軍はおらぬ。 149 00:21:46,960 --> 00:21:51,660 わしが その役目を負わずばなるまい 違うか? 150 00:21:55,635 --> 00:21:58,538 仰せのとおり。 151 00:21:58,538 --> 00:22:03,977 そうしたら 見よ。 早速 朝廷から 5つの案を出してきた。 152 00:22:03,977 --> 00:22:06,677 う~ん…。 153 00:22:09,649 --> 00:22:13,649 やはり これだな。 154 00:22:16,523 --> 00:22:20,223 「天が正しい」…。 155 00:22:24,664 --> 00:22:27,567 天正。 156 00:22:27,567 --> 00:22:30,567 どうだ? 157 00:22:36,609 --> 00:22:39,609 よし 決まりだ! 158 00:22:41,948 --> 00:22:45,618 時に。 何だ。 159 00:22:45,618 --> 00:22:49,289 公方様を どうなされるおつもりでございますか? 160 00:22:49,289 --> 00:22:52,625 将軍? 161 00:22:52,625 --> 00:22:57,297 家来を何人かつけて どこへでも追い払えばよい。 162 00:22:57,297 --> 00:23:00,597 藤吉郎に任せてある。 163 00:23:07,307 --> 00:23:11,644 武田のこと 聞いておるか? 三河に攻め入ったあと➡ 164 00:23:11,644 --> 00:23:15,315 急に兵を返したというが…。 165 00:23:15,315 --> 00:23:19,185 信玄め 何があった…? 166 00:23:19,185 --> 00:23:25,185 東への心配がなくなれば 一息に 朝倉 浅井を潰せるのだが…。 167 00:23:32,599 --> 00:23:36,936 まだ 確かなことは分かりませぬが…➡ 168 00:23:36,936 --> 00:23:40,236 武田信玄が…。 169 00:23:43,610 --> 00:23:47,310 死んだという噂がございます。 170 00:23:48,948 --> 00:23:51,648 何? 171 00:23:56,623 --> 00:24:01,494 元号が改まった 天正元年8月。 172 00:24:01,494 --> 00:24:06,966 浅井家の重臣が寝返ったという 大きな知らせが入った。 173 00:24:06,966 --> 00:24:12,305 信長は すぐさま近江へ出陣した。 174 00:24:12,305 --> 00:24:14,641 (朝倉義景)かかれ! 175 00:24:14,641 --> 00:24:17,977 同じころ 朝倉義景も越前から出陣。 176 00:24:17,977 --> 00:24:22,849 信長は 再び 朝倉 浅井軍と相対した。 177 00:24:22,849 --> 00:24:27,320 (喚声) 178 00:24:27,320 --> 00:24:33,320 織田軍の奇襲により 朝倉家家老 山崎吉家は討ち死に。 179 00:24:35,595 --> 00:24:39,265 追え! たたき潰せ! 180 00:24:39,265 --> 00:24:46,940 勢いを増す織田軍は 義景の本拠 一乗谷へも突き進み 火をかけた。 181 00:24:46,940 --> 00:25:11,164 ♬~ 182 00:25:11,164 --> 00:25:14,464 何のまねじゃ? 183 00:25:16,936 --> 00:25:19,839 (朝倉景鏡)もはやこれまで。➡ 184 00:25:19,839 --> 00:25:25,539 義景殿 ここは潔くお腹を召されませ。 185 00:25:28,314 --> 00:25:34,587 ばかな。 ここで わしが腹を切れば 朝倉家はどうなる? 186 00:25:34,587 --> 00:25:37,924 100年続いた朝倉の名が絶え果てるぞ。 187 00:25:37,924 --> 00:25:44,924 朝倉の名… この期に及んで…。 188 00:25:49,535 --> 00:25:55,835 景鏡… お前 寝返ったな! 189 00:25:58,945 --> 00:26:05,645 つろうございますが これも戦の世。 190 00:26:07,286 --> 00:26:11,286 (義景)許さぬ 景鏡! 191 00:26:12,959 --> 00:26:15,659 (景鏡)お覚悟を。 192 00:26:20,299 --> 00:26:26,172 (義景)お主ら 誰に筒先を向けておる?➡ 193 00:26:26,172 --> 00:26:33,246 足利尊氏公から 越前をあてがわれて以来 11代➡ 194 00:26:33,246 --> 00:26:40,546 一乗谷に本拠を構えて 5代。 195 00:26:46,259 --> 00:26:49,959 わしは朝倉宗家…。 196 00:26:51,597 --> 00:26:54,597 朝倉義景じゃ! 197 00:26:56,269 --> 00:27:00,139 越前の朝倉義景は散った。 198 00:27:00,139 --> 00:27:06,439 信長は小谷城を攻め落とし 近江 浅井家も滅ぼした。 199 00:27:08,281 --> 00:27:13,152 240年続いた室町幕府は ついに倒れた。 200 00:27:13,152 --> 00:27:21,828 群雄が割拠した乱世は 信長による 新しき時代を迎えようとしていた。 201 00:27:21,828 --> 00:27:25,298 (今井宗久)80貫。 202 00:27:25,298 --> 00:27:31,598 これは 50貫。 203 00:27:35,575 --> 00:27:38,911 十兵衛 これへ。 204 00:27:38,911 --> 00:27:40,911 はっ。 205 00:27:51,491 --> 00:27:58,264 松永久秀が 許しを乞うてきた。 松永殿が? 206 00:27:58,264 --> 00:28:02,602 朝倉 浅井 今はなく 将軍も去った。 207 00:28:02,602 --> 00:28:07,473 悟ったのであろう 孤立無援じゃと。 208 00:28:07,473 --> 00:28:10,473 どう思う? 209 00:28:12,278 --> 00:28:18,951 松永殿は 味方にすれば心強い。 欲しいお方です。 210 00:28:18,951 --> 00:28:26,626 ならば許すか。 土産は 城じゃ。 211 00:28:26,626 --> 00:28:32,626 城? 多聞山城を明け渡す と。 212 00:28:40,573 --> 00:28:47,914 (宗久)さすが越前で5代続いた大大名 名品ぞろいでございました。➡ 213 00:28:47,914 --> 00:28:55,788 しかし 織田様 これだけのものを 一手に収められた方は➡ 214 00:28:55,788 --> 00:28:58,925 ほかにはございますまい。 215 00:28:58,925 --> 00:29:03,625 もはや天下を取ったも同然。 216 00:29:12,939 --> 00:29:19,939 蘭奢待… 存じておるか? 217 00:29:26,285 --> 00:29:34,560 あの「古めきしずか」と呼ばれ えも言われぬ香りの? 218 00:29:34,560 --> 00:29:41,901 天下一の名香と名高き 確か 伽羅の香木とか…。 219 00:29:41,901 --> 00:29:49,575 (宗久)代々続く世の中で 大きなことを 成し遂げた者しか 見ることかないませぬ。 220 00:29:49,575 --> 00:29:56,916 そのようじゃな。 (宗久)その蘭奢待が何か…? 221 00:29:56,916 --> 00:30:00,586 わしはどうかな? 222 00:30:00,586 --> 00:30:09,586 今のわしは 蘭奢待を拝見できると思うか? 223 00:30:15,134 --> 00:30:18,137 どうじゃ? 224 00:30:18,137 --> 00:30:21,874 ハッハッハッハッハ…! 225 00:30:21,874 --> 00:30:30,950 それは もう! 今や この国のお武家衆で 織田様の右に出る者はおりませぬ。➡ 226 00:30:30,950 --> 00:30:35,621 拝見には何の障りもございますまい。 227 00:30:35,621 --> 00:30:40,493 そう思うか? (宗久)はい。 228 00:30:40,493 --> 00:30:45,631 ならば… 一度 見てみるか。 229 00:30:45,631 --> 00:30:48,931 どうだ 十兵衛? 230 00:30:51,304 --> 00:31:00,313 もし拝見となれば 東大寺はもとより 帝のお許しを得ませぬと…。 231 00:31:00,313 --> 00:31:11,324 帝… 帝は お許しになるであろう。 232 00:31:11,324 --> 00:31:22,668 ♬~ 233 00:31:22,668 --> 00:31:26,368 宗久殿は どう思われますか? 234 00:31:28,541 --> 00:31:32,241 蘭奢待拝見について。 235 00:31:37,183 --> 00:31:42,183 殿は一体 何をお考えなのか? 236 00:31:45,624 --> 00:31:51,964 公方様を京から追われ 朝倉 浅井を討ち果たした。 237 00:31:51,964 --> 00:31:59,839 今や 京の周りに敵なし。 いわば 一つの山の頂に立たれた。 238 00:31:59,839 --> 00:32:07,839 そういうお方なればこそ 見たい景色が あるということでございましょう。 239 00:32:13,652 --> 00:32:16,952 そうであろうか。 240 00:32:20,526 --> 00:32:25,526 まことに そうであろうか? 241 00:32:28,000 --> 00:32:33,272 私に言わせれば 頂はまだこれから。 242 00:32:33,272 --> 00:32:40,946 公方様を退け さて これから どのような世をお作りになるのか。 243 00:32:40,946 --> 00:32:47,286 今は それを熟慮すべき大事の時。 244 00:32:47,286 --> 00:32:55,628 まだ山の中腹なのです。 頂は遠い。 245 00:32:55,628 --> 00:32:58,297 なるほど。 246 00:32:58,297 --> 00:33:05,171 しかし あのお方は 今 ここで ご自分の値打ちを知りたがっておられる。 247 00:33:05,171 --> 00:33:09,909 人の値打ちは目には見えませぬ。 248 00:33:09,909 --> 00:33:16,649 しかし 何か見える形で お知りになりたい…➡ 249 00:33:16,649 --> 00:33:20,649 違いますかな? 250 00:33:25,991 --> 00:33:32,264 見る景色が変われば 人もまた変わるとか…。 251 00:33:32,264 --> 00:33:35,601 ごめんくださいまし。 252 00:33:35,601 --> 00:33:54,954 ♬~ 253 00:33:54,954 --> 00:33:58,254 (三条西実澄)申し上げます。 254 00:33:59,825 --> 00:34:07,533 いよいよ明日 信長が従五位下に叙され➡ 255 00:34:07,533 --> 00:34:14,640 晴れて昇殿が許される運びに なりましてございます。➡ 256 00:34:14,640 --> 00:34:22,515 将軍家なき今 信長は しかるべき官位に就けねばなりません。➡ 257 00:34:22,515 --> 00:34:28,654 これで少しく 安堵いたしました。 258 00:34:28,654 --> 00:34:34,354 (正親町天皇)今 信長には勢いがある。 259 00:34:36,929 --> 00:34:43,602 天下静謐のための働きは見事である。 260 00:34:43,602 --> 00:34:48,274 褒美をやってもよい。 261 00:34:48,274 --> 00:34:50,943 (実澄)仰せのとおり。 262 00:34:50,943 --> 00:34:54,243 とは思うが…。 263 00:34:56,282 --> 00:35:01,954 蘭奢待を所望と言うてまいった。 264 00:35:01,954 --> 00:35:06,292 は…? 信長じゃ。 265 00:35:06,292 --> 00:35:09,962 蘭奢待を…。 266 00:35:09,962 --> 00:35:14,300 (正親町天皇)いかがであろうな。 267 00:35:14,300 --> 00:35:20,973 あ… 所望とは つまり… 切り取りを許せと?➡ 268 00:35:20,973 --> 00:35:24,843 う~ん…。➡ 269 00:35:24,843 --> 00:35:32,918 8代将軍 足利義政が 拝観して以来 110年。➡ 270 00:35:32,918 --> 00:35:37,790 しかるべき者が しかるべき手順を踏んで➡ 271 00:35:37,790 --> 00:35:41,594 初めて かないますものを。➡ 272 00:35:41,594 --> 00:35:50,269 あまりにも急な申し出。 しかも 切り取り所望とは…➡ 273 00:35:50,269 --> 00:35:56,942 あまりにも不遜の仕儀かと。➡ 274 00:35:56,942 --> 00:36:04,617 お上が それでよしとおぼし召しなら…➡ 275 00:36:04,617 --> 00:36:08,317 やむをえませぬが…。 276 00:36:12,958 --> 00:36:17,658 天正2年3月28日。 277 00:36:21,300 --> 00:36:27,000 東大寺正倉院の扉が開かれた。 278 00:36:34,847 --> 00:36:43,547 古きより伝わる 香木の蘭奢待が 110年ぶりに運び出されたのである。 279 00:37:00,139 --> 00:37:19,291 ♬~ 280 00:37:19,291 --> 00:37:21,960 (浄実)こちらへ。 281 00:37:21,960 --> 00:37:52,925 ♬~ 282 00:37:52,925 --> 00:37:55,925 これが…。 283 00:37:59,798 --> 00:38:04,937 こちらが 3代将軍 足利義満公が➡ 284 00:38:04,937 --> 00:38:07,606 切り取りし跡でございます。 285 00:38:07,606 --> 00:38:12,478 こちらは 6代将軍 義教公。➡ 286 00:38:12,478 --> 00:38:19,478 これは 8代将軍 義政公が 切り取りし跡にございます。 287 00:38:21,954 --> 00:38:29,294 その次が わしか…。 288 00:38:29,294 --> 00:38:33,165 拝領つかまつりたい。 289 00:38:33,165 --> 00:38:39,104 この信長にも 是非。 290 00:38:39,104 --> 00:39:02,594 ♬~ 291 00:39:02,594 --> 00:39:10,269 (佐久間信盛)殿もこれで 歴代将軍と肩を並べられました。 292 00:39:10,269 --> 00:39:29,955 ♬~ 293 00:39:29,955 --> 00:39:35,655 1つ 帝に差し上げよう。 294 00:39:38,230 --> 00:39:44,230 帝も きっとお喜びじゃ。 295 00:39:53,579 --> 00:39:59,451 これは蘭奢待…! 296 00:39:59,451 --> 00:40:07,125 ちんが喜ぶと思うたのであろうか? 信長は。 297 00:40:07,125 --> 00:40:14,125 まことに… まことにもって 恐れ多いことにござりまする! 298 00:40:17,803 --> 00:40:26,945 毛利輝元が 関白に これを所望したいと願うているそうじゃ。 299 00:40:26,945 --> 00:40:32,284 毛利に贈ってやるがよい。 300 00:40:32,284 --> 00:40:42,628 しかし 毛利は 目下 信長と にらみ合うている間柄…。 301 00:40:42,628 --> 00:40:48,500 それは ちんのあずかり知らぬこと。 302 00:40:48,500 --> 00:40:53,500 毛利に贈ってやれ。 303 00:40:55,641 --> 00:40:58,941 は…。 304 00:41:00,979 --> 00:41:10,279 織田信長… よくよくの変わり者よのう。 305 00:41:16,995 --> 00:41:25,671 同じ頃 信長に加勢していた三淵藤英は 坂本城に急きょ預けられた。 306 00:41:25,671 --> 00:41:36,615 三淵様には この一年 山城の一乗寺 静原山の城攻めをはじめ➡ 307 00:41:36,615 --> 00:41:41,486 幾度も お力添えを賜りました。 308 00:41:41,486 --> 00:41:50,786 その三淵様の居城を いきなりお取り壊しにするとは…。 309 00:42:01,840 --> 00:42:11,140 信長様のお考え 時に計りかねることがございます。 310 00:42:13,518 --> 00:42:17,218 (三淵)主とは そういうもの。 311 00:42:18,991 --> 00:42:28,000 その時にこそ どう付き従うか… そこが家臣の器。 312 00:42:28,000 --> 00:42:32,000 家臣の器…。 313 00:42:34,272 --> 00:42:38,572 もはや 古い考えかもしれぬが。 314 00:42:41,146 --> 00:42:47,619 坂本城… よき城でござるな。 315 00:42:47,619 --> 00:43:01,166 ♬~ 316 00:43:01,166 --> 00:43:04,169 丹波を押さえ込め! 丹波を? 丹波じゃ。 317 00:43:04,169 --> 00:43:06,972 信長が いよいよ この丹波に攻め寄せるのじゃな? 318 00:43:06,972 --> 00:43:10,308 丹波は難しい国でございます。 敵ばかりですよ。 319 00:43:10,308 --> 00:43:12,644 信長はどうか? どうだ? 320 00:43:12,644 --> 00:43:14,579 容赦せぬぞ。 父上。 321 00:43:14,579 --> 00:43:18,316 これが 信長様の下されたご判断か。 322 00:43:18,316 --> 00:43:21,653 一に戦 二に戦。 まず戦じゃ。 323 00:43:21,653 --> 00:43:26,353 明智様が ご主君なら いかなる戦にも 身をなげうつことができる。 324 00:43:33,965 --> 00:43:36,635 京都府宇治市。 325 00:43:36,635 --> 00:43:43,335 戦国武将たちに愛好された 茶の生産地として知られています。 326 00:43:44,976 --> 00:43:49,648 かつて 宇治川が流れ込んでいた巨椋池。 327 00:43:49,648 --> 00:43:54,519 その中の島に築かれたのが 槇島城でした。 328 00:43:54,519 --> 00:44:02,661 織田信長に反旗を翻した 将軍 義昭が籠城した城です。 329 00:44:02,661 --> 00:44:11,361 しかし 信長率いる大軍勢に攻め込まれ 義昭は あえなく降伏しました。 330 00:44:13,672 --> 00:44:16,341 誓澄寺の毘沙門天は➡ 331 00:44:16,341 --> 00:44:21,012 槇島城の守り神として 祭られていたものです。 332 00:44:21,012 --> 00:44:27,712 戦火の中 城から持ち出されたと 伝えられています。 333 00:44:32,958 --> 00:44:37,629 中世からの名が今も残る 枇杷庄。 334 00:44:37,629 --> 00:44:44,329 槇島城から敗走する義昭は この地にたどりつきました。 335 00:44:45,971 --> 00:44:52,310 京から追放された義昭は 河内 紀伊へと流浪を続け➡ 336 00:44:52,310 --> 00:44:58,310 その後 備後の国 鞆の浦で再起を図るのです。 337 00:45:46,832 --> 00:45:51,832 (夢の助)まずは ギヤマンに水を注ぎます。 338 00:45:54,806 --> 00:45:59,678 この水に 半紙をかざしますと…。