1 00:00:02,202 --> 00:00:08,141 (斎藤山城守利政)よいな 信長の顔が見えたら 遠慮はいらぬ➡ 2 00:00:08,141 --> 00:00:11,278 わしの肩をたたけ。➡ 3 00:00:11,278 --> 00:00:17,150 見て つまらぬやつだと思うたら わしは寺へ遅れて入る。 4 00:00:17,150 --> 00:00:26,827 連れてきた 800の兵に寺を取り囲ませ 信長の様子次第で事を決める。 5 00:00:26,827 --> 00:00:30,130 (明智十兵衛光秀)は…。 6 00:00:32,299 --> 00:00:37,004 (見張りの者)参りました! 織田勢がこちらに向かってまいります! 7 00:00:47,648 --> 00:00:50,550 100…。 8 00:00:50,550 --> 00:00:54,521 いやいや 200…。 9 00:00:54,521 --> 00:00:57,824 300…。 10 00:01:00,227 --> 00:01:03,931 これは…。 11 00:01:03,931 --> 00:01:15,542 ♬~ 12 00:01:15,542 --> 00:01:17,477 ん! 13 00:01:17,477 --> 00:02:09,763 ♬~ 14 00:02:14,935 --> 00:02:17,637 (利政)寺へ行くぞ。 15 00:02:20,807 --> 00:02:25,278 あの男の正体が見えぬ。➡ 16 00:02:25,278 --> 00:02:29,950 奇妙な婿殿じゃ。➡ 17 00:02:29,950 --> 00:02:33,820 急げ! (一同)はっ! 18 00:02:33,820 --> 00:05:14,514 ♬~ 19 00:05:35,268 --> 00:05:38,972 (利政)う~む…。 20 00:05:49,282 --> 00:05:52,953 (利政)う~む…。 21 00:05:52,953 --> 00:05:56,256 遅い! 22 00:06:01,228 --> 00:06:05,899 信長は 着いたと申したな。 23 00:06:05,899 --> 00:06:10,203 何をぐずぐずしておる! (近習)はっ! 24 00:06:13,240 --> 00:06:16,543 さては臆したか! 25 00:06:20,580 --> 00:06:22,916 (舌打ち) 26 00:06:22,916 --> 00:06:44,938 ♬~ 27 00:06:44,938 --> 00:06:49,809 (近習)織田上総介様 ただいま こちらへ! 28 00:06:49,809 --> 00:07:27,514 ♬~ 29 00:07:58,278 --> 00:08:00,880 (織田信長)お初にお目にかかりまする。 30 00:08:00,880 --> 00:08:06,219 織田上総介でござります。 31 00:08:06,219 --> 00:08:12,225 着替えに手間取り お待たせいたしました。 お許し下さりませ。 32 00:08:14,561 --> 00:08:18,898 斎藤山城守じゃ。 33 00:08:18,898 --> 00:08:23,570 いつも かように 着替えに手間をおかけになるのか? 34 00:08:23,570 --> 00:08:29,275 かように立派な装束は 慣れておりませぬゆえ 往生いたしました。 35 00:08:30,910 --> 00:08:35,248 着慣れぬ装束は 身につかぬものじゃ。 36 00:08:35,248 --> 00:08:42,922 仰せのとおりでござりますが 何分 帰蝶が着ていけと申して譲りませぬゆえ➡ 37 00:08:42,922 --> 00:08:46,593 やむなくこの始末でござります。 38 00:08:46,593 --> 00:08:51,464 帰蝶が? 39 00:08:51,464 --> 00:08:57,937 この色は お義父上の好みの色ゆえ これにせよと。 40 00:08:57,937 --> 00:09:03,243 まことに お好みの色でござりますか? 41 00:09:07,213 --> 00:09:15,088 とにもかくにも 今日 私が山城守様に目通りいたすのを➡ 42 00:09:15,088 --> 00:09:19,559 最も喜んだのは帰蝶でござります。 43 00:09:19,559 --> 00:09:26,433 また 最も困り果てたのも 帰蝶でござります。 44 00:09:26,433 --> 00:09:32,572 困り果てた? 帰蝶が 何を困り果てたのじゃ? 45 00:09:32,572 --> 00:09:41,581 私が 山城守様に 討ち取られてしまうのではと…。 46 00:10:01,601 --> 00:10:08,475 わしが 信長殿を討ち取る? 47 00:10:08,475 --> 00:10:13,213 今日 率いてまいられた鉄砲の数は いかほどじゃ? 48 00:10:13,213 --> 00:10:20,220 300は下るまい? それだけの備えをされた信長殿を…。 49 00:10:23,857 --> 00:10:27,627 どうやって討ち取れよう。 50 00:10:27,627 --> 00:10:31,297 あれは ただの寄せ集めでござります。 51 00:10:31,297 --> 00:10:37,170 いざという時 どれほど役に立ちますか。 (利政)寄せ集め? 52 00:10:37,170 --> 00:10:43,877 あれも帰蝶が山城守様に侮られぬようにと 仕組んだこと。 53 00:10:43,877 --> 00:10:52,318 今日の私は 帰蝶の手の上で踊る 尾張一のたわけでござります。 54 00:10:52,318 --> 00:10:57,991 なるほど… それならば たわけじゃ。 アッハッハッハ…。 55 00:10:57,991 --> 00:11:05,598 (一同の笑い声) 56 00:11:05,598 --> 00:11:10,937 それにしても この大事な席に➡ 57 00:11:10,937 --> 00:11:19,279 ご家老の林佐渡守殿の姿が ないように見受けられるが? 58 00:11:19,279 --> 00:11:26,152 佐渡守だけではありませぬ。 父 信秀以来の古き重臣たちは皆➡ 59 00:11:26,152 --> 00:11:30,890 参っておりませぬ。 (利政)何故? 60 00:11:30,890 --> 00:11:35,628 たわけの信長には不要でござりますゆえ。 61 00:11:35,628 --> 00:11:43,303 たわけなら なおのこと 重臣たちに 守ってもらわねば 事は立ち行くまい。 62 00:11:43,303 --> 00:11:46,206 両名 これへ! 63 00:11:46,206 --> 00:11:49,208 ⚟(佐々成政)はっ! ⚟(前田利家)はっ! 64 00:12:08,261 --> 00:12:11,564 山城守様に名乗るがよい。 65 00:12:13,132 --> 00:12:19,872 (佐々)佐々成政にござります。 (前田)前田利家にござります。 66 00:12:19,872 --> 00:12:28,581 この両名 尾張の小さき村から 出てまいった土豪の三男坊 四男坊➡ 67 00:12:28,581 --> 00:12:34,587 すなわち 家を継げぬ 食いはぐれ者にござります。 68 00:12:38,625 --> 00:12:49,269 されど 戦となれば無類の働きをいたし 一騎当千のつわものでござります。 69 00:12:49,269 --> 00:12:57,644 食いはぐれ者は失うものがござりませぬ。 70 00:12:57,644 --> 00:13:03,916 戦うて 家を造り 国をつくり➡ 71 00:13:03,916 --> 00:13:08,254 新しき世を作る。 72 00:13:08,254 --> 00:13:12,959 その気構えだけで戦いまする。 73 00:13:19,866 --> 00:13:24,604 父 信秀が よう申しておりました。 74 00:13:24,604 --> 00:13:28,941 織田家は さしたる家柄ではない。 75 00:13:28,941 --> 00:13:34,614 元は越前の片田舎で 神主をやっていたとか➡ 76 00:13:34,614 --> 00:13:38,484 斯波家の家来であったとか➡ 77 00:13:38,484 --> 00:13:48,961 それか 尾張へ出てきて のし上がった 成り上がり者じゃと。 78 00:13:48,961 --> 00:13:56,269 万 おのれで新たにつくるほかない。 79 00:13:57,970 --> 00:14:02,809 それをやった男が美濃にもおる。 80 00:14:02,809 --> 00:14:08,915 そういう男は手ごわいぞと…。 81 00:14:08,915 --> 00:14:12,785 家柄も血筋もない。 82 00:14:12,785 --> 00:14:18,257 鉄砲は百姓でも撃てる。 83 00:14:18,257 --> 00:14:24,597 その鉄砲は金で買える。 84 00:14:24,597 --> 00:14:31,938 これからは戦も世の中も どんどん変わりましょう。 85 00:14:31,938 --> 00:14:36,943 我らも変わらねば。 86 00:14:42,582 --> 00:14:46,285 そう思われませぬか? 87 00:14:48,955 --> 00:14:51,958 なるほどのう…。 88 00:14:54,827 --> 00:15:00,233 帰蝶は わしを見て育った。 89 00:15:00,233 --> 00:15:07,907 わしと同じと思うておるのであろうな 信長殿を…。 90 00:15:07,907 --> 00:15:19,619 信長殿は たわけじゃが 見事なたわけじゃ。 91 00:15:21,921 --> 00:15:25,792 それは 褒め言葉でござりますか? 92 00:15:25,792 --> 00:15:31,798 (利政)褒め言葉かどうか 帰って誰ぞにお聞きなされ。 93 00:15:35,468 --> 00:15:38,471 そういたしましょう。 94 00:15:38,471 --> 00:15:43,209 うむ。 それがよい。 95 00:15:43,209 --> 00:16:05,198 (笑い声) 96 00:16:07,233 --> 00:16:12,104 (牧)殿がそこまで仰せられたのは よくよくのことじゃ。 97 00:16:12,104 --> 00:16:17,877 あの殿が 信長様が帰られるのを 門の所まで見送られて➡ 98 00:16:17,877 --> 00:16:21,581 そばにいた私に 帰蝶はよい所に嫁に行ったと➡ 99 00:16:21,581 --> 00:16:24,484 つぶやかれたのです。 あの口の悪い殿が…! 100 00:16:24,484 --> 00:16:27,453 (牧)まあ それは よほど気に入られたのじゃ。 101 00:16:27,453 --> 00:16:33,192 よかった よかった。 伝吾などは 信長様と殿が仲たがいをして➡ 102 00:16:33,192 --> 00:16:39,131 戦になるやもしれんと言うて 今日は戦支度までしていたのですよ。 103 00:16:39,131 --> 00:16:42,268 内心 私も ひやひやしていました。 104 00:16:42,268 --> 00:16:47,607 (熙子)私も黙っておりましたが 一日中 胸騒ぎがしておりました。 105 00:16:47,607 --> 00:16:52,278 焼き上がったばかりでございます。 ああ。 106 00:16:52,278 --> 00:16:58,150 戦になれば 帰蝶様も離縁されて お帰りになるであろうし。 107 00:16:58,150 --> 00:17:02,889 おつらい立場ですから。 そしたら また この館へも➡ 108 00:17:02,889 --> 00:17:08,227 おいでになるであろうし そしたら 大変なことになりますからね。 109 00:17:08,227 --> 00:17:11,898 何が大変ですか? 帰蝶様は十兵衛様のことが➡ 110 00:17:11,898 --> 00:17:14,233 お好きですからね。 うっ あっ…! 111 00:17:14,233 --> 00:17:18,104 (熙子)昔から妻木でも よく母が申していました。 112 00:17:18,104 --> 00:17:23,910 帰蝶様がいつも明智荘へおいでになるのは 十兵衛様に会いたいからだと。 113 00:17:23,910 --> 00:17:27,246 まあ! (熙子)ゆくゆくは 十兵衛様に➡ 114 00:17:27,246 --> 00:17:31,918 お嫁入りされるのではと 皆が噂しておりました。 115 00:17:31,918 --> 00:17:34,253 この魚は 小骨が多いな! 116 00:17:34,253 --> 00:17:38,257 お取りしましょうか。 うむ。 117 00:17:48,801 --> 00:17:53,940 (駒)そもそも 子どもを診てくれたら 百貫 下さるというから来たのに➡ 118 00:17:53,940 --> 00:17:57,276 毎日 スギナを煎じて飲ませていたら 治ったって。 119 00:17:57,276 --> 00:18:00,546 ばかにしてると思いましたよ。 治っていようがいまいが➡ 120 00:18:00,546 --> 00:18:04,417 わざわざ京から来たのだから 50貫ぐらい よこしたっていいじゃありませんか。➡ 121 00:18:04,417 --> 00:18:08,421 駿河一の大あきんどが 聞いてあきれますよ。 122 00:18:08,421 --> 00:18:11,891 (望月東庵)まあ そう怒るな。➡ 123 00:18:11,891 --> 00:18:16,762 子どもの代わりに その母親を診て20貫。➡ 124 00:18:16,762 --> 00:18:20,232 今川のご家老を診て 10貫。 125 00:18:20,232 --> 00:18:24,904 この調子で あと ひとつきいれば 百貫近くはいく。 126 00:18:24,904 --> 00:18:28,574 あと ひとつきも!? いつまで こんな所にいるのですか! 127 00:18:28,574 --> 00:18:33,446 今からお脈をとる太原雪斎様は お坊様だが➡ 128 00:18:33,446 --> 00:18:38,584 今川様の軍師といわれる偉~いお方だ。 129 00:18:38,584 --> 00:18:46,459 そのお方を診れば 15貫ぐらいにはなるというお話じゃ。 130 00:18:46,459 --> 00:18:49,595 なっ そしたら 帰ろう。 ん? 131 00:18:49,595 --> 00:18:54,266 どうですかね。 (ため息) 132 00:18:54,266 --> 00:18:59,138 そんなことよりも 薬は そろっておるのか? 133 00:18:59,138 --> 00:19:01,874 あっ 忘れてた! 134 00:19:01,874 --> 00:19:06,746 何をやっておる! 途中に薬屋があったはず。 135 00:19:06,746 --> 00:19:10,750 買ってきなさい。 はい。 136 00:19:13,486 --> 00:19:15,788 フフフ…。 137 00:19:26,899 --> 00:19:31,237 あの… お願いいたします。 (薬種問屋の男)何用かね? 138 00:19:31,237 --> 00:19:33,906 地骨皮と竜胆を頂きたいのです。 139 00:19:33,906 --> 00:19:36,809 あと 車前子と甘草と人参も…。 140 00:19:36,809 --> 00:19:39,578 (薬種問屋の男) おい 新入り 相手してやれ。 141 00:19:39,578 --> 00:19:41,881 (男)はい! 142 00:19:48,921 --> 00:19:53,225 菊丸さん! どうしてここに!? 143 00:19:54,794 --> 00:20:00,933 (菊丸)地骨皮 竜胆 車前子…。 144 00:20:00,933 --> 00:20:04,804 お駒さん どうしてこんな所へ? 菊丸さんこそ どうして? 145 00:20:04,804 --> 00:20:08,274 菊丸と呼ばないで下さい。 ここでは春次と呼ばれてるんです。 146 00:20:08,274 --> 00:20:10,609 春次? 去年まで あちこちで➡ 147 00:20:10,609 --> 00:20:13,512 味噌を売っていたんですがね あんまり もうからないから➡ 148 00:20:13,512 --> 00:20:17,483 いろいろ考えて お駒さんから薬草のこと教わって➡ 149 00:20:17,483 --> 00:20:21,954 面白かったこと 思い出して こういう所で働くのもいいかと…。 150 00:20:21,954 --> 00:20:24,623 へえ~。 駿河は住みいいし。 151 00:20:24,623 --> 00:20:29,295 私は 東庵先生のお供で。 ああ…。 152 00:20:29,295 --> 00:20:33,966 またお会いできるとは 何だか不思議なご縁ですね。 153 00:20:33,966 --> 00:20:37,303 そうですね。 154 00:20:37,303 --> 00:20:39,605 ⚟待て~! 155 00:20:53,319 --> 00:20:57,189 よそ者が ここで商いをしたいなら それ相応の挨拶をしろ! 156 00:20:57,189 --> 00:20:59,658 コソコソ稼ぎやがって! 157 00:20:59,658 --> 00:21:04,263 おめえの売った草履は すぐ緒が切れるそうだな! 158 00:21:04,263 --> 00:21:06,198 オラッ! オラッ! 159 00:21:06,198 --> 00:21:08,901 オラッ どけどけ~! 160 00:21:30,489 --> 00:21:33,626 (藤吉郎)ああ… どうも…。 161 00:21:33,626 --> 00:21:36,962 あ…。 あ…。 162 00:21:36,962 --> 00:21:40,833 去年 関所で会った…! 163 00:21:40,833 --> 00:21:44,303 あの時 字を教えてくれただろ。 164 00:21:44,303 --> 00:21:47,640 少し読めるようになったんだ。 ほら➡ 165 00:21:47,640 --> 00:21:54,980 「師のいわく 初心の人 二つの矢を持つことなかれ」。 166 00:21:54,980 --> 00:21:58,317 ねっ 読めるんだ。 アハハハハッ! 167 00:21:58,317 --> 00:22:01,587 痛い…! あっ…➡ 168 00:22:01,587 --> 00:22:05,257 触らないで。 今 薬をつけるから。 169 00:22:05,257 --> 00:22:09,929 チクショー どこへ行っても ああいう輩がいるんだ。 170 00:22:09,929 --> 00:22:13,799 場所代を払えだの 手間賃を納めろだの 人が働いた上前をはねて➡ 171 00:22:13,799 --> 00:22:17,803 のうのうと暮らしていやがる! わしはな ああいうやつを許さん。 172 00:22:17,803 --> 00:22:21,941 いつか きっと懲らしめてやる。 173 00:22:21,941 --> 00:22:27,813 字を読めるようになって 出世して この敵を取ってみせる…。 174 00:22:27,813 --> 00:22:30,616 必ず! はい はい。 175 00:22:30,616 --> 00:22:34,320 分かりましたから じっとしてて! (藤吉郎)はい。 176 00:22:41,627 --> 00:22:49,969 (太原雪斎)東庵殿は 死んだ織田信秀と懇意であったそうだな。 177 00:22:49,969 --> 00:22:52,304 はい。 178 00:22:52,304 --> 00:22:58,177 (雪斎)あれは わしと同じで 戦に明け暮れた男であった。➡ 179 00:22:58,177 --> 00:23:03,249 体は ボロボロであったろう。 180 00:23:03,249 --> 00:23:09,121 (東庵)う~む さようでございましたな。 181 00:23:09,121 --> 00:23:17,263 (雪斎)わしは どうだ? あと どれほど もつかな? 182 00:23:17,263 --> 00:23:27,273 さて… 私は 占いはいたしませぬゆえ。 183 00:23:27,273 --> 00:23:35,614 京で坊主の修行をしていた頃 東庵殿は名医と聞いていた。 184 00:23:35,614 --> 00:23:41,954 博打好きの奇妙な医者だと。 185 00:23:41,954 --> 00:23:50,296 私も 雪斎様のお噂は聞いておりました。 186 00:23:50,296 --> 00:23:58,971 戦好きの奇妙なお坊様だと。 187 00:23:58,971 --> 00:24:07,780 お互い奇妙な者同士。 助け合おうではないか。 188 00:24:07,780 --> 00:24:15,254 どう助け合うのでございますか? 189 00:24:15,254 --> 00:24:21,126 我が殿 今川義元様にお願いし➡ 190 00:24:21,126 --> 00:24:27,833 東庵殿が 一生 この駿府で 気楽に過ごせるよう取り計らう。 191 00:24:27,833 --> 00:24:36,942 そのかわり わしを そなたの力で あと2年 生かしてほしい。 192 00:24:36,942 --> 00:24:39,278 あと2年? 193 00:24:39,278 --> 00:24:46,285 2年あれば 尾張の織田を討ち果たせる。 194 00:24:50,889 --> 00:24:58,630 織田信秀は消えたが 跡継ぎの信長は油断がならぬ。 195 00:24:58,630 --> 00:25:04,436 うつけ者と噂されたが 美濃の蝮が娘を与えた。➡ 196 00:25:04,436 --> 00:25:08,240 あれを滅ぼしておかねば➡ 197 00:25:08,240 --> 00:25:14,546 駿河の者は枕を高うして眠れぬ。 198 00:25:17,583 --> 00:25:26,592 織田を潰すのが わしに課せられた仕事だ。 199 00:25:26,592 --> 00:25:38,937 まことに 奇妙なお坊様でございますな。 200 00:25:38,937 --> 00:25:49,948 (笑い声) 201 00:25:49,948 --> 00:25:57,289 天文22年 今川軍は 知多半島にある 織田方の緒川城を攻略するため➡ 202 00:25:57,289 --> 00:26:00,559 その北に村木砦を築いた。 203 00:26:00,559 --> 00:26:04,229 周囲の城は 既に今川方に下っており➡ 204 00:26:04,229 --> 00:26:09,568 緒川城は孤立したため 信長の助けを求めた。 205 00:26:09,568 --> 00:26:16,909 しかし 信長は 尾張に内紛があり 身動きがとれなかった。 206 00:26:16,909 --> 00:26:20,779 (利政)信長が今川方の村木砦を➡ 207 00:26:20,779 --> 00:26:23,582 急きょ攻めることに決したと伝えてきた。 208 00:26:23,582 --> 00:26:30,255 ついては 信長が留守の間 那古野城を守ってくれぬかと申してきた。 209 00:26:30,255 --> 00:26:34,927 (明智光安)目下 尾張は 身内の争いに汲々としておるゆえ➡ 210 00:26:34,927 --> 00:26:39,598 留守中 清須の彦五郎に 城を奪われるおそれがある。 211 00:26:39,598 --> 00:26:42,267 そういうことでござりますな? 212 00:26:42,267 --> 00:26:48,607 (利政)彦五郎は織田の一族じゃが 今川と通じておる。➡ 213 00:26:48,607 --> 00:26:52,478 下手をすれば 信長は挟み撃ちじゃ。 214 00:26:52,478 --> 00:26:56,949 よって わしは援軍を送ることにした。 215 00:26:56,949 --> 00:27:00,219 (光安)して 某は何を? 216 00:27:00,219 --> 00:27:05,891 (利政)そなたは彦五郎の動きを見 事と次第によっては その背後をつけ。 217 00:27:05,891 --> 00:27:09,561 はっ! 十兵衛は 信長のもとへ行け。 218 00:27:09,561 --> 00:27:14,867 信長が村木砦をどう攻めるか しかと見届けてまいれ。 219 00:27:20,906 --> 00:27:25,577 (斎藤高政)父上。 信長の那古野城へ 援軍を送り込むというのは➡ 220 00:27:25,577 --> 00:27:28,480 まことでござりますか! 221 00:27:28,480 --> 00:27:35,587 (利政)一刻を争う話ゆえ 皆を集め話す余裕がなかった。➡ 222 00:27:35,587 --> 00:27:37,923 援軍は明日発つ。 223 00:27:37,923 --> 00:27:43,262 うつけ者の信長を助け 今川と戦うおつもりですか! 224 00:27:43,262 --> 00:27:47,599 今川と戦うとは ひと言も申しておらぬ。 225 00:27:47,599 --> 00:27:50,502 那古野城の留守を預かるだけじゃ。 226 00:27:50,502 --> 00:27:56,275 (稲葉良通)信長のために行うのであれば 今川の敵と見なされます。 227 00:27:56,275 --> 00:28:01,880 我らは 同意しかねます! 228 00:28:01,880 --> 00:28:10,222 (利政)ならば 己の館へ戻って 昼寝でもしておれ。 229 00:28:10,222 --> 00:28:13,892 父上! 高政➡ 230 00:28:13,892 --> 00:28:22,901 信長をうつけ者と申したが その目で見て うつけと申しているのか? 231 00:28:22,901 --> 00:28:24,836 噂では。 232 00:28:24,836 --> 00:28:30,542 わしは見た。 話した。 233 00:28:32,578 --> 00:28:41,286 口惜しいが 信長を甘く見ると そなたも稲葉も…。 234 00:28:48,126 --> 00:28:52,431 皆 信長に ひれ伏す時が来るぞ。 235 00:29:00,539 --> 00:29:03,442 (利政)今はまだ若い。 236 00:29:03,442 --> 00:29:13,118 しかし 信長の若さの裏に したたかで無垢で底知れぬ野心が見える。 237 00:29:13,118 --> 00:29:18,123 まるで 昔のわしを見るような…。 238 00:29:23,562 --> 00:29:30,435 さほどに信長を気に入られましたか! 239 00:29:30,435 --> 00:29:36,742 ああ… 気に入った。 240 00:29:43,582 --> 00:29:49,454 十兵衛はどう思う? 信長が今川に勝てるならよい。 241 00:29:49,454 --> 00:29:55,193 しかし 万が一 負けた場合 援軍を送った 我らが今川とにらみ合うことになる。 242 00:29:55,193 --> 00:29:58,930 拙速と思わぬか。 243 00:29:58,930 --> 00:30:04,603 (利政)援軍を送らねば 明らかに信長は不利になる。➡ 244 00:30:04,603 --> 00:30:08,273 見殺しにせよと申すか。 245 00:30:08,273 --> 00:30:12,944 見殺しはいけませぬ。 那古野城には 帰蝶様がおられる。 246 00:30:12,944 --> 00:30:16,281 ここは万難を排し…。 光安殿に聞いているのではない! 247 00:30:16,281 --> 00:30:19,184 (光安)はっ。 248 00:30:19,184 --> 00:30:24,189 十兵衛 答えよ! 249 00:30:30,629 --> 00:30:32,631 (唾を飲み込む音) 250 00:30:34,499 --> 00:30:41,640 私も… 高政様の仰せのとおり…➡ 251 00:30:41,640 --> 00:30:45,977 この援軍は いささか 拙速かと…。 252 00:30:45,977 --> 00:30:47,913 十兵衛! 253 00:30:47,913 --> 00:30:51,316 清須の彦五郎様が 今川と通じているとなれば➡ 254 00:30:51,316 --> 00:30:54,986 彦五郎様とも一戦を交える覚悟が 肝要でございます。 255 00:30:54,986 --> 00:31:01,259 また 清須には 守護の斯波様もおられ まことに やっかい。 256 00:31:01,259 --> 00:31:04,162 それを思うと いささかの疑念が…。 257 00:31:04,162 --> 00:31:06,465 (利政)分かった。 258 00:31:08,133 --> 00:31:11,603 もう何も申すな。 259 00:31:11,603 --> 00:31:15,273 尾張の守護など何の力もない。 260 00:31:15,273 --> 00:31:20,579 彦五郎など その気になれば 3日で潰せるわ。 261 00:31:22,948 --> 00:31:31,256 敵は今川じゃ。 その今川に 信長が立ち向かおうとしておる。 262 00:31:36,495 --> 00:31:39,798 放っておけるか。 263 00:31:42,300 --> 00:31:44,970 わしはやる。➡ 264 00:31:44,970 --> 00:31:51,977 わしは誰が何と言おうと 援軍を出す! 265 00:31:54,646 --> 00:31:59,351 (利政)皆 さっさと帰れ! 光安。 (光安)はっ! 266 00:32:15,600 --> 00:32:23,475 土岐様が追い払われ 美濃には守護がいなくなった。 267 00:32:23,475 --> 00:32:27,779 誰がこの国を守る? 268 00:32:29,948 --> 00:32:35,287 一度会うただけの 海のものとも 山のものとも分からぬ男のために➡ 269 00:32:35,287 --> 00:32:37,622 兵を出す。 270 00:32:37,622 --> 00:32:41,493 それが この国の主だ。 271 00:32:41,493 --> 00:32:45,197 この国は潰れるぞ。 272 00:32:47,966 --> 00:32:51,303 (稲葉)高政様。 273 00:32:51,303 --> 00:32:57,642 もはや ぐずぐずできませぬ。 高政様が家督を継ぎ➡ 274 00:32:57,642 --> 00:33:04,916 政を執るべきじゃ。 このままでは国衆が治まらぬ。 275 00:33:04,916 --> 00:33:12,257 わしが家督を継げば 国衆はついてくるか? 276 00:33:12,257 --> 00:33:21,600 わしが請け負う。 急ぎ国衆を集め 家督を譲れと殿に迫るほかない! 277 00:33:21,600 --> 00:33:25,303 十兵衛は どう思う? 278 00:33:33,945 --> 00:33:38,617 幼い時から 互いを見てきた仲じゃ。 279 00:33:38,617 --> 00:33:42,621 十兵衛の気持ちを知りたい。 280 00:33:50,962 --> 00:33:57,969 いずれ お主が継ぐものと思うていた。 281 00:34:04,509 --> 00:34:10,215 稲葉殿の仰せのとおりかもしれぬ。 282 00:34:15,921 --> 00:34:19,257 天文23年1月。 283 00:34:19,257 --> 00:34:25,931 知多郡の村木砦で 織田信長の鉄砲隊が 今川軍に向かって火を噴いた。 284 00:34:25,931 --> 00:34:27,866 放て~! 285 00:34:27,866 --> 00:34:32,270 (銃声) 286 00:34:32,270 --> 00:34:35,607 構え~! 287 00:34:35,607 --> 00:34:38,276 放て~! (銃声) 288 00:34:38,276 --> 00:34:45,150 信長が戦で初めて鉄砲を使った 村木砦の戦いである。 289 00:34:45,150 --> 00:34:51,823 戦いは9時間に及んだが 鉄砲を使い 用意周到に攻め込んだ信長の軍勢が➡ 290 00:34:51,823 --> 00:34:56,294 砦から今川勢を一掃した。 291 00:34:56,294 --> 00:34:59,597 お前もか…。 292 00:35:09,240 --> 00:35:12,243 お前もか…。 293 00:35:16,581 --> 00:35:25,590 信長は この戦で多くの側近を失ったが 味方の緒川城を守ることに成功した。 294 00:35:25,590 --> 00:35:28,293 信長は勝った。 295 00:35:29,928 --> 00:35:33,264 エイエイ。 296 00:35:33,264 --> 00:35:35,600 (一同)オ~! 297 00:35:35,600 --> 00:35:38,937 エイエイ。 298 00:35:38,937 --> 00:35:41,606 (一同)オ~! 299 00:35:41,606 --> 00:35:47,312 (一同)エイエイ オ~! 300 00:35:50,949 --> 00:35:57,288 (深芳野)〽 一りよー 301 00:35:57,288 --> 00:36:02,560 〽 二りよー 302 00:36:02,560 --> 00:36:08,433 〽 ならべよー 303 00:36:08,433 --> 00:36:16,574 〽 この宿踊を 304 00:36:16,574 --> 00:36:20,278 (深芳野)ハハハッ… フフッ…。 305 00:36:45,937 --> 00:36:49,274 (侍女)若様。 母上は? 306 00:36:49,274 --> 00:36:52,177 (侍女)それが… 私どももお捜ししているのですが…➡ 307 00:36:52,177 --> 00:36:55,146 どこにもおいでにならず…。 いつからだ? 308 00:36:55,146 --> 00:36:57,148 (侍女)ふたときほど前から…。➡ 309 00:36:57,148 --> 00:37:01,152 それまで ここで お酒を召し上がり いつもどおり…。 310 00:37:03,221 --> 00:37:08,927 皆を集めよ。 手分けして捜せ! はい。 311 00:37:12,230 --> 00:37:17,902 お方様~! お方様~! 312 00:37:17,902 --> 00:37:24,576 お方様~! どうか お返事なさいませ お方様~! 313 00:37:24,576 --> 00:37:28,913 お方様~! お方様~! 314 00:37:28,913 --> 00:38:03,915 ♬~ 315 00:38:24,903 --> 00:38:28,907 目を開けよ…。 316 00:38:30,775 --> 00:38:37,482 わしを… 見よ。 317 00:38:39,250 --> 00:38:43,588 (利政)わしを…。 318 00:38:43,588 --> 00:38:49,594 母上は ずっと… お一人でございました。 319 00:38:51,262 --> 00:38:59,137 ずっと… 父上をお待ちしておりました。 320 00:38:59,137 --> 00:39:07,845 この部屋で… 来る日も来る日も…。 321 00:39:10,215 --> 00:39:15,887 (高政)父上は… 母上を飼い殺しにされたのだ。➡ 322 00:39:15,887 --> 00:39:22,560 守護様から頂いた慰み者として! 323 00:39:22,560 --> 00:39:26,231 (利政)それは違う!➡ 324 00:39:26,231 --> 00:39:37,842 わしは 心の底から深芳野を大事に思うて 慈しんできたのじゃ。 325 00:39:37,842 --> 00:39:45,149 では 何故 母上の望みを絶たれた!? 326 00:39:47,518 --> 00:39:49,454 望み? 327 00:39:49,454 --> 00:39:57,929 母上は事あるごとに 血を分けた私が 守護代に就くことを願われていた。 328 00:39:57,929 --> 00:40:01,266 何度も父上に申し上げた! 329 00:40:01,266 --> 00:40:08,139 しかし 父上は 小見の方の子たちを大事にし➡ 330 00:40:08,139 --> 00:40:13,278 それに継がせることをほのめかされた。 それは違う! 331 00:40:13,278 --> 00:40:21,619 わしは そなたに継がせるつもりじゃと 深芳野に申したはず。 332 00:40:21,619 --> 00:40:24,289 (高政)聞いてはおりませぬ! 333 00:40:24,289 --> 00:40:31,629 申したぞ。 わしは そう申したであろう? 334 00:40:31,629 --> 00:40:41,306 わしは そなたを悲しませるようなことは 何一つ言わなかったはずじゃ。➡ 335 00:40:41,306 --> 00:40:44,642 のう… のう 深芳野…。 336 00:40:44,642 --> 00:40:49,347 では 今…。 337 00:40:53,318 --> 00:40:57,188 母上の御魂にお誓いなされ! 338 00:40:57,188 --> 00:41:03,494 母上の喪が明けぬうちに 望みをかなえると! 339 00:41:05,263 --> 00:41:13,137 お誓いなされ。 私に家督を継がせると!➡ 340 00:41:13,137 --> 00:41:21,145 この哀れな母上に… せめてもの償いとおぼし召し…。 341 00:41:22,814 --> 00:41:27,285 私を守護代に! 342 00:41:27,285 --> 00:41:57,281 ♬~ 343 00:41:57,281 --> 00:42:01,285 よかろう。 344 00:42:07,592 --> 00:42:14,298 家督をそなたに…。 345 00:42:30,281 --> 00:42:32,617 (銃声) ハッハッハッハ…! 346 00:42:32,617 --> 00:42:36,954 あの信長という男は やすやすとは負けぬと思う。 347 00:42:36,954 --> 00:42:40,625 織田信長様の評判がよい。 何~? 348 00:42:40,625 --> 00:42:43,528 このまま 兄上に 美濃を任せておくわけにはまいらぬ。 349 00:42:43,528 --> 00:42:48,299 打ちにお行きになればよろしいかと…。 お打ちになれば 片がつくというもの。 350 00:42:48,299 --> 00:42:52,637 高政! 許さんぞ! 道三は我が父にあらず。 351 00:42:52,637 --> 00:42:55,339 十兵衛。 そなたは わしの味方じゃ。