1 00:00:11,411 --> 00:00:15,782 (明智左馬助) 殿 8日の旅でしたら これで十分かと。 2 00:00:15,782 --> 00:00:20,621 (明智十兵衛光秀)ああ。 そなたを ようやく美濃から呼び寄せた途端➡ 3 00:00:20,621 --> 00:00:24,291 今度は わしが美濃への旅だ。 4 00:00:24,291 --> 00:00:30,430 留守中 よろしく頼むぞ。 承知いたしました。 5 00:00:30,430 --> 00:00:33,800 ⚟(木下藤吉郎) 木下藤吉郎でござりまする!➡ 6 00:00:33,800 --> 00:00:39,139 そろそろお発ちかと思うて ご挨拶に参りました。おお…。 7 00:00:39,139 --> 00:00:41,174 それはご丁寧に。 8 00:00:41,174 --> 00:00:44,878 これは 供の者に渡しておきます。 うむ。 9 00:00:46,647 --> 00:00:55,322 (藤吉郎)これは 嫁のねねが作った 強飯と牛蒡とタコの煮物でござります。➡ 10 00:00:55,322 --> 00:01:01,261 明智様は 共に京を取り締まるご同役で 大変お世話になっておる。➡ 11 00:01:01,261 --> 00:01:06,767 そのお方が旅に出られると申しますと 是非ご道中でお食べ頂きたいと。 12 00:01:06,767 --> 00:01:10,270 おお… それは かたじけない。 ありがたく頂きます。 13 00:01:10,270 --> 00:01:12,205 いやいや いやいや…。 14 00:01:12,205 --> 00:01:20,781 ところで… こたびは 岐阜城に 松永久秀様や➡ 15 00:01:20,781 --> 00:01:25,652 奉公衆の三淵藤英様なども 信長様に招かれておいでと➡ 16 00:01:25,652 --> 00:01:27,955 ひそかに聞いております。 17 00:01:27,955 --> 00:01:31,792 明智様も行かれるとなると…➡ 18 00:01:31,792 --> 00:01:41,501 やはり 次の戦のお話でもあるのですかな? 19 00:01:41,501 --> 00:01:44,371 ハッハッハッハ…。 さあて…➡ 20 00:01:44,371 --> 00:01:49,977 私は妻子と会うために参りますゆえ その儀は しかとは。 21 00:01:49,977 --> 00:01:54,681 (藤吉郎)またまた おとぼけになる。 22 00:02:02,255 --> 00:02:09,997 この幕府には 越前の朝倉義景と つながりのある者が あまたおります。 23 00:02:09,997 --> 00:02:14,768 成り上がり者の織田に支えられるより 由緒正しき大大名➡ 24 00:02:14,768 --> 00:02:19,272 朝倉辺りに支えてほしいと いろいろ企てをいたす者がおる。 25 00:02:19,272 --> 00:02:22,275 かかる輩を一掃せねば 幕府は新しくなりませぬ。 26 00:02:22,275 --> 00:02:28,615 そのためには 朝倉を倒すのが一番。➡ 27 00:02:28,615 --> 00:02:32,786 そう思われませぬか? 28 00:02:32,786 --> 00:02:37,958 私は 10年もの月日を越前で過ごした。 29 00:02:37,958 --> 00:02:44,131 朝倉様と戦をするには 相当の兵の数と 銭が要る。 30 00:02:44,131 --> 00:02:47,134 銭ですか…。 31 00:02:48,802 --> 00:02:51,838 では 御免。 32 00:02:51,838 --> 00:03:03,750 ♬~ 33 00:03:03,750 --> 00:03:07,254 (駒)十兵衛様! 34 00:03:07,254 --> 00:03:11,758 おお 駒殿。 35 00:03:11,758 --> 00:03:16,263 (駒)お久しうございます。 うむ。 36 00:03:16,263 --> 00:03:21,134 駒殿は 何用でここへ? 37 00:03:21,134 --> 00:03:26,273 (駒)はい… 実は こちらを…。 38 00:03:26,273 --> 00:03:30,110 (若侍)駒殿 公方様が お待ちかねでございます。 39 00:03:30,110 --> 00:03:33,146 ん? はい。 40 00:03:33,146 --> 00:03:38,952 では 長旅 お気を付けて。 うむ。 41 00:03:44,124 --> 00:03:50,297 「公方様が お待ちかね」!? 42 00:03:50,297 --> 00:06:31,091 ♬~ 43 00:06:42,269 --> 00:06:44,604 (足利義昭)おお!➡ 44 00:06:44,604 --> 00:06:49,776 先日 百貫文 持参してくれたばかりではないか。 45 00:06:49,776 --> 00:06:51,711 今日もまた! 46 00:06:51,711 --> 00:06:58,285 公方様は 貧しい人 病に苦しむ人を救う館を➡ 47 00:06:58,285 --> 00:07:01,721 いくつも造りたいと仰せられました。 48 00:07:01,721 --> 00:07:07,894 その中の一つでもいいので お力になれたらと思い…。 49 00:07:07,894 --> 00:07:13,767 しかし それでは そなたが困るであろう。 50 00:07:13,767 --> 00:07:17,904 大丈夫でございます。 丸薬芳仁丸は➡ 51 00:07:17,904 --> 00:07:20,940 お寺や神社に 日々買い取って頂いております。 52 00:07:20,940 --> 00:07:25,578 近頃は 堺の商人たちも 仕入れたいと訪ねてきて➡ 53 00:07:25,578 --> 00:07:29,916 私どもは てんてこまいでございます。 54 00:07:29,916 --> 00:07:36,923 (義昭)芳仁丸と名付けたのか? よい薬じゃな。 55 00:07:44,931 --> 00:07:52,806 うん 確かに これをのむと この辺りがスッキリするのじゃ。 56 00:07:52,806 --> 00:07:55,575 (駒)それは よろしうございました。 57 00:07:55,575 --> 00:08:00,280 (笑い声) 58 00:08:05,218 --> 00:08:15,562 わしは仏門から この俗世に戻って… 何年になろう。 59 00:08:15,562 --> 00:08:24,070 今もやまぬ諸国の戦のこと 幕府のこと➡ 60 00:08:24,070 --> 00:08:32,579 それが終日 頭から去らぬ。 気が休まらぬ。 61 00:08:35,782 --> 00:08:39,386 そなたと こうして会うていると➡ 62 00:08:39,386 --> 00:08:45,091 いっとき すがすがしうなるのが不思議じゃ。 63 00:08:46,760 --> 00:08:52,932 そなた 蛍は好きか? 蛍? 64 00:08:52,932 --> 00:08:56,770 皆に気付かれぬよう ここを出よう。 65 00:08:56,770 --> 00:09:01,074 時折 抜け出す忍び口があるのじゃ。 66 00:09:03,543 --> 00:09:07,213 (ヒグラシの声) 67 00:09:07,213 --> 00:09:13,353 (虫の声) 68 00:09:13,353 --> 00:09:43,249 ♬~ 69 00:09:43,249 --> 00:09:49,122 (摂津晴門)何 蛍をご覧になっておる?➡ 70 00:09:49,122 --> 00:09:52,392 その女とか。 (摂津家家臣)はっ。 71 00:09:52,392 --> 00:10:00,767 (摂津)どうにも困ったお方じゃのう。 72 00:10:00,767 --> 00:10:04,104 やむをえぬ。 奉行たちを集めよ。 73 00:10:04,104 --> 00:10:09,275 岐阜城で何が話し合われるのか 急ぎ調べさせるのじゃ。 74 00:10:09,275 --> 00:10:17,083 織田の動き次第では 手を打たねばならぬ。 75 00:10:24,424 --> 00:10:27,727 (松永久秀)4百貫。 はっ。 76 00:10:36,636 --> 00:10:40,807 (松永)よっ。 松永様。 77 00:10:40,807 --> 00:10:45,311 (松永)下がってよいぞ。 (一同)はっ。 78 00:10:45,311 --> 00:10:48,982 お久しうございます。 うむ。 79 00:10:48,982 --> 00:10:56,723 信長殿が 上洛の折 豪商たちから 召し上げられた逸品ばかりじゃ。 80 00:10:56,723 --> 00:11:01,261 来た途端 値踏みせよと仰せつかった。 フフフ…。 81 00:11:01,261 --> 00:11:05,765 8千貫ぐらいにはなるであろうな。 8千貫も…。 82 00:11:05,765 --> 00:11:07,800 (松永)戦は金がかかる。 83 00:11:07,800 --> 00:11:15,275 信長殿は 公方様のために上洛をし 城を造り 金を遣った。 84 00:11:15,275 --> 00:11:20,980 だが ご自分の領地が増えたわけではない。 85 00:11:22,615 --> 00:11:26,486 まあ わしに言わせれば 金などは戦に勝てば➡ 86 00:11:26,486 --> 00:11:31,958 いくらでも転がり込んでくる。 今の信長殿の勢いをもってすれば➡ 87 00:11:31,958 --> 00:11:37,297 たとえ 相手が誰であろうと 負けることはあるまい。 88 00:11:37,297 --> 00:11:41,801 朝倉は 上洛を果たした信長殿が憎いのだ。 89 00:11:41,801 --> 00:11:47,607 隙あらば 取って代わろうと思っておるのだ。 90 00:11:47,607 --> 00:11:50,610 ⚟お越しにございます。 91 00:11:52,512 --> 00:11:55,648 三淵様…。 92 00:11:55,648 --> 00:11:59,152 (三淵藤英)おう 参られたか。 はっ。 93 00:11:59,152 --> 00:12:04,857 (松永)信長殿とは どのような話になったのじゃ? 94 00:12:08,828 --> 00:12:12,699 信長様は はっきりと仰せられた。 95 00:12:12,699 --> 00:12:16,402 朝倉と一戦交えたいと。 (松永)おお!➡ 96 00:12:16,402 --> 00:12:20,273 それでよいのじゃ! (三淵)しかし 私は申し上げておいた。➡ 97 00:12:20,273 --> 00:12:25,411 公方様は 朝倉様に お世話になったことがあるゆえ➡ 98 00:12:25,411 --> 00:12:28,948 共に戦うわけにはまいりますまいと。 99 00:12:28,948 --> 00:12:34,621 戦に加わるには大義名分が必要。 さようであろう。 100 00:12:34,621 --> 00:12:42,829 やるなら 信長殿お一人でどうぞ そういうことか。 101 00:12:46,799 --> 00:12:52,505 (若侍)明智様 殿がお呼びでござります。 102 00:13:00,747 --> 00:13:03,549 (若侍)明智様でござります。 103 00:13:06,085 --> 00:13:08,888 御免。 104 00:13:21,267 --> 00:13:27,073 (帰蝶)奇妙丸 そこは そなたの座ではあるまい。➡ 105 00:13:27,073 --> 00:13:31,277 こちらへおいで。 帰蝶様。 106 00:13:33,279 --> 00:13:36,616 (帰蝶)十兵衛…。 107 00:13:36,616 --> 00:13:40,920 懐かしいのう。 108 00:13:44,290 --> 00:13:48,594 長らく ご無沙汰をいたしておりました。 109 00:13:56,636 --> 00:14:01,240 (奇妙丸)母上 この者が泣き虫十兵衛か。 110 00:14:01,240 --> 00:14:05,244 フフッ… そうじゃ。 111 00:14:05,244 --> 00:14:13,252 幼き頃 高い木に登って下りられなくなり 声上げて泣いておった十兵衛じゃ。 112 00:14:13,252 --> 00:14:17,590 いや… また そのような…。 113 00:14:17,590 --> 00:14:22,261 気にいたすな。 わしも木に登って泣いたことがある。 114 00:14:22,261 --> 00:14:28,568 その折 母上から そなたのことを聞いた。 会えてうれしいぞ。 115 00:14:36,609 --> 00:14:43,950 お許しあれ。 信長様に似て 愛想悪き子ゆえ…。 116 00:14:43,950 --> 00:14:52,291 あの子が嫡男の奇妙丸じゃ。 清須で9年 私が育てた。 117 00:14:52,291 --> 00:14:56,629 奇妙丸様…? 118 00:14:56,629 --> 00:14:59,532 そのお子は? 119 00:14:59,532 --> 00:15:07,240 天から降ってきた大事な預かりものじゃ。 120 00:15:07,240 --> 00:15:13,746 もはや 実の我が子のように思える。 121 00:15:13,746 --> 00:15:18,951 もはや 9年たちましたか。 122 00:15:21,621 --> 00:15:28,261 会うことはなかったが 信長様から 時折 様子は聞いておった。 123 00:15:28,261 --> 00:15:33,099 何かと相談なされるがよいと いつも申し上げておるのじゃ。 124 00:15:33,099 --> 00:15:35,902 それは 恐れ多きお言葉…。 125 00:15:37,603 --> 00:15:45,478 こたびも 随分お悩みのご様子。 戦をしてよいものかどうか➡ 126 00:15:45,478 --> 00:15:51,184 お集まりになった方々の話を聞き 更に迷うておられる。 127 00:15:52,952 --> 00:15:59,826 (帰蝶)今 庭におられる。 お話しすれば お聞き入れになるはず。 128 00:15:59,826 --> 00:16:03,529 何とぞ よしなに。 129 00:16:05,231 --> 00:16:07,934 はっ。 130 00:16:26,919 --> 00:16:33,726 帰蝶様は 朝倉との戦をどう思われますか? 131 00:16:43,369 --> 00:16:50,109 我が兄の子 斎藤龍興は 朝倉を唆し➡ 132 00:16:50,109 --> 00:16:53,613 この美濃を取り返そうと企んでおる。➡ 133 00:16:53,613 --> 00:16:59,485 国境では 既に朝倉方と小競り合いが続いておる。 134 00:16:59,485 --> 00:17:05,224 京が いっとき穏やかになったとて 足元の美濃に火がつけば➡ 135 00:17:05,224 --> 00:17:10,062 全て また一から始めねばなりますまい。 136 00:17:10,062 --> 00:17:15,234 それゆえ 私は申し上げました。 137 00:17:15,234 --> 00:17:20,239 朝倉をお討ちなされと。 138 00:17:45,932 --> 00:17:52,939 (鷹の鳴き声) 139 00:17:55,942 --> 00:17:59,412 お越しになりました。 140 00:17:59,412 --> 00:18:02,615 (鷹の鳴き声) 141 00:18:11,891 --> 00:18:14,360 (鷹の鳴き声) 142 00:18:14,360 --> 00:18:17,563 (信長のため息) 143 00:18:17,563 --> 00:18:23,235 (織田信長)朝倉相手に一人では勝てぬ。 144 00:18:23,235 --> 00:18:27,440 何か よい手はないか? 145 00:18:30,009 --> 00:18:35,948 こちらへ参る日 京の御所の前を通りました。 146 00:18:35,948 --> 00:18:43,389 崩れていた塀が いつの間にか 見事に修繕されておりました。 147 00:18:43,389 --> 00:18:51,130 聞けば 信長様が命じられ 塀と南の御門をお直しになったと…。 148 00:18:51,130 --> 00:18:57,603 昔 父上が 荒れ果てた御所の話を聞き➡ 149 00:18:57,603 --> 00:19:05,344 帝の御座所がそれでは 武士の面目が立たぬとお直ししたのだが➡ 150 00:19:05,344 --> 00:19:12,651 今また見る影もないと 公家たちが嘆くのを聞いた。 151 00:19:18,357 --> 00:19:24,163 父上への供養と思うてな…。 152 00:19:33,572 --> 00:19:41,747 昔 読んだ書物に 8歳の子が 父親に問う話がありました。 153 00:19:41,747 --> 00:19:50,089 尊い仏は 誰から仏の道を教わったのかと…。 154 00:19:50,089 --> 00:19:56,262 一番尊い仏から教わったのだと 父親が答えると➡ 155 00:19:56,262 --> 00:20:06,272 その一番尊い仏は誰から教わったのかと 問われ 父親は答えられず…。 156 00:20:08,607 --> 00:20:15,381 空より降ってきた者からと 答えたという話です。 157 00:20:15,381 --> 00:20:23,956 何かに迷うた折 私は いつも その書物のことを思い出します。 158 00:20:23,956 --> 00:20:31,964 空より降ってきた者から 道を聞いてみたいと…。 159 00:20:33,632 --> 00:20:40,139 フッ… 以前話した 父上の話とよう似ておるな。 160 00:20:40,139 --> 00:20:47,646 この世で一番偉いのはお天道様で その次は都におわす帝。 161 00:20:47,646 --> 00:20:52,318 将軍は その帝の門を守る者であると。 162 00:20:52,318 --> 00:21:04,029 その将軍が 帝の門を守る役目を放り出し 門は破れ 世が乱れた。 163 00:21:06,599 --> 00:21:16,275 帝が この戦をどう思われるか お聞きしてみたいものだな。 164 00:21:16,275 --> 00:21:22,148 この戦が 天下を平らかにするための 避けて通れぬ道であると申し上げ➡ 165 00:21:22,148 --> 00:21:26,785 それをお認め頂ければ 大義名分は立つ。 違うか? 166 00:21:26,785 --> 00:21:31,624 そうなれば 諸国の大名たちも納得いたし 兵も集まりましょう。 167 00:21:31,624 --> 00:21:39,799 しかし お認めにならねば 信長様お一人の戦となります。 168 00:21:39,799 --> 00:21:43,669 賭けだな…。 169 00:21:43,669 --> 00:21:48,307 帝は 拝謁を許されると思うか? 170 00:21:48,307 --> 00:21:53,179 あのように 南の御門をお直しになったのです。 171 00:21:53,179 --> 00:22:00,252 たたけば門は開くやもしれませぬ。 うむ。 172 00:22:00,252 --> 00:22:04,757 (若侍)殿 参られました。 173 00:22:04,757 --> 00:22:09,595 十兵衛 後の話は酒を酌みながら話そう。 174 00:22:09,595 --> 00:22:12,398 はっ。まずは 裏門へ行け。 175 00:22:12,398 --> 00:22:17,603 は? そなたの妻子が来ておるぞ。 176 00:22:23,776 --> 00:22:26,078 御免! 177 00:22:31,650 --> 00:22:34,286 (たま)父上! 178 00:22:34,286 --> 00:22:38,591 (岸)父上! (熙子)お岸 たま! 179 00:22:40,159 --> 00:22:44,430 皆 よう来てくれた。 180 00:22:44,430 --> 00:22:49,301 お岸 たま➡ 181 00:22:49,301 --> 00:22:53,172 息災であったか? (2人)はい。 182 00:22:53,172 --> 00:22:57,877 ハッハッハッハ…。 あ~ 大きくなったのう。 183 00:23:01,380 --> 00:23:03,882 熙子…。 184 00:23:09,588 --> 00:23:12,591 伝吾。 185 00:23:19,098 --> 00:23:23,769 明日早朝 京へ戻る。 186 00:23:23,769 --> 00:23:32,778 また 戦ですか? うむ 恐らく…。 187 00:23:32,778 --> 00:23:37,283 だが 案ずるな。 188 00:23:48,127 --> 00:23:54,433 これは お岸やたまの願いでございますし➡ 189 00:23:54,433 --> 00:23:58,637 私の願いでもございます。 190 00:23:58,637 --> 00:24:00,939 うむ。 191 00:24:02,908 --> 00:24:09,782 私どもを京へお呼び頂けませぬか。➡ 192 00:24:09,782 --> 00:24:13,085 お岸が申しました。➡ 193 00:24:13,085 --> 00:24:19,758 お父上のご苦労をしのぶのではなく 目の当たりにしたいと。➡ 194 00:24:19,758 --> 00:24:26,632 戦へおいでになるのなら お見送りしたいと。 195 00:24:26,632 --> 00:24:34,640 それが 美濃では かなわぬと。 196 00:24:37,943 --> 00:24:49,254 私も 十兵衛様のご出陣を お見送りしとうございます。 197 00:24:59,631 --> 00:25:03,335 京へ…。 198 00:25:08,240 --> 00:25:12,244 騒がしき都へ…。 199 00:25:21,253 --> 00:25:28,594 伝吾を守りにつければ… 来られるか。 200 00:25:28,594 --> 00:25:32,264 来るか 京へ。 201 00:25:32,264 --> 00:25:35,067 はい! 202 00:25:47,746 --> 00:25:55,120 織田信長が上洛の折 参内したいと申しておる。 203 00:25:55,120 --> 00:26:02,728 会うべきか どうであろうか。 204 00:26:02,728 --> 00:26:09,068 (望月東庵)お会いになってみれば よろしいかと…。 205 00:26:09,068 --> 00:26:12,905 どのような武将であろうか。 206 00:26:12,905 --> 00:26:15,941 う~ん…。 207 00:26:15,941 --> 00:26:22,247 越後の上杉輝虎も➡ 208 00:26:22,247 --> 00:26:30,923 上洛し天下に平安と 静謐をもたらせてみせると➡ 209 00:26:30,923 --> 00:26:40,399 胸張っておりましたが 今日まで音沙汰はなし。 210 00:26:40,399 --> 00:26:49,141 信長は それを曲がりなりにも果たした。 211 00:26:49,141 --> 00:26:52,945 う~ん…。 212 00:26:52,945 --> 00:26:54,947 うん。 213 00:26:57,783 --> 00:27:04,790 見るべきところはあるかと…。 214 00:27:16,235 --> 00:27:21,373 (駒)あの堀の所で 5匹捕まえました。 (義昭)5匹もか あの蛍を! 215 00:27:21,373 --> 00:27:25,677 (駒)はい。 では 出します。 (義昭)うむ。 216 00:27:33,385 --> 00:27:37,256 (義昭)おお… 飛んだ! 217 00:27:37,256 --> 00:27:43,262 (駒)もう少し暗くなれば 光るのが見えましょう。 218 00:27:45,964 --> 00:27:56,408 昔 旅の一座にいた頃 皆で こうやって 蛍を見 歌を歌い… 楽しうございました。 219 00:27:56,408 --> 00:28:00,112 そのころのことを もそっと詳しう聞きたい。 220 00:28:00,112 --> 00:28:07,219 先日 お話しいたしました。 いや 何度聞いても そなたの話は面白い。 221 00:28:07,219 --> 00:28:14,359 今日はな お手玉も用意させたのじゃ。 フフフ…。 222 00:28:14,359 --> 00:28:17,896 昔の技を見せてくれぬか。 223 00:28:17,896 --> 00:28:22,234 ほれ。 フフフッ 困ります 公方様。 224 00:28:22,234 --> 00:28:26,939 (笑い声) 225 00:28:32,744 --> 00:28:35,247 (義昭)引くな。 226 00:28:36,915 --> 00:28:42,087 (義昭) このまま 昔 歌うた歌を聴かせてくれ。➡ 227 00:28:42,087 --> 00:28:48,393 しかれば時が過ぎ 日暮れて蛍が光る。 228 00:28:48,393 --> 00:28:51,196 このままでよい。 229 00:29:04,543 --> 00:29:25,230 〽 思えば蛍は我が身より 230 00:29:25,230 --> 00:29:43,248 〽 思えば蛍は我が身より 231 00:29:43,248 --> 00:29:57,963 〽 出し思いのはかなさや 232 00:30:04,102 --> 00:30:07,773 永禄13年2月。 233 00:30:07,773 --> 00:30:14,579 上洛した信長は ただちに参内し 帝に拝謁した。 234 00:30:17,783 --> 00:30:22,954 信長は 昇殿を許される身分ではなかったが➡ 235 00:30:22,954 --> 00:30:26,792 帝は破格の扱いをしたのである。 236 00:30:26,792 --> 00:31:11,503 ♬~ 237 00:31:54,846 --> 00:31:57,549 帝は…。 238 00:32:00,385 --> 00:32:03,088 どのような…。 239 00:32:03,088 --> 00:32:13,098 帝は わしを ようご存じであった。 240 00:32:13,098 --> 00:32:22,107 今川義元との戦 美濃との戦➡ 241 00:32:22,107 --> 00:32:26,611 将軍を擁しての上洛➡ 242 00:32:26,611 --> 00:32:32,417 いずれも見事なりと仰せになり…➡ 243 00:32:32,417 --> 00:32:40,158 武勇の誉を天下に示したと…➡ 244 00:32:40,158 --> 00:32:46,465 当代一の武将なりと…。 245 00:32:50,635 --> 00:32:54,439 お褒め頂いた。 246 00:32:56,308 --> 00:33:03,315 帝が… わしを…。 247 00:33:08,253 --> 00:33:13,124 御所の修復もありがたしとの お言葉を賜り➡ 248 00:33:13,124 --> 00:33:17,829 更には こう仰せになられた。 249 00:33:19,598 --> 00:33:27,606 天下静謐のため 一層励むようにと。 250 00:33:30,775 --> 00:33:37,649 この都 この畿内を平らかにすべし。 251 00:33:37,649 --> 00:33:43,955 そのための戦ならば やむなしと…。 252 00:33:43,955 --> 00:33:48,126 勅命を頂いたのじゃ。 253 00:33:48,126 --> 00:33:52,931 戦の勅命を! 254 00:34:04,075 --> 00:34:06,578 (山崎吉家)殿! 255 00:34:06,578 --> 00:34:09,614 (朝倉義景)何事じゃ。 256 00:34:09,614 --> 00:34:13,919 (山崎)幕府政所頭人 摂津晴門様からの文にございます。 257 00:34:13,919 --> 00:34:15,921 はい。 258 00:34:17,789 --> 00:34:21,593 (山崎)織田信長が上洛いたし 諸国の大名を集め➡ 259 00:34:21,593 --> 00:34:30,101 戦の用意を始めた由。 紛れもなく この越前をにらんでの動きだと。 260 00:34:30,101 --> 00:34:36,875 幕府は あくまで わしや上杉輝虎殿に 将軍を支えてほしいとある。 261 00:34:36,875 --> 00:34:42,280 摂津殿は わしの古き友じゃ。 262 00:34:42,280 --> 00:34:46,284 織田ごとき成り上がり者に 何ができるとの思いが➡ 263 00:34:46,284 --> 00:34:49,788 ヒタヒタと伝わる文ではないか。 264 00:34:49,788 --> 00:34:56,661 幕府は わしが織田を討ち 上洛する日を待ち望んでおるのじゃ。 265 00:34:56,661 --> 00:35:03,068 これは わしに立てという文ぞ! (山崎)殿! 266 00:35:03,068 --> 00:35:09,741 景鏡たちには 近々 美濃を攻め 織田を討つと申し伝えてある。 267 00:35:09,741 --> 00:35:13,244 それが早まったと伝えよ。 268 00:35:14,913 --> 00:35:20,118 山崎 戦の備えじゃ! 269 00:35:23,388 --> 00:35:28,226 妙覚寺に参り 信長様にお会いしてまいりました。 270 00:35:28,226 --> 00:35:34,132 (義昭)ご苦労であった。 若狭への出陣の話は 聞いてまいったか? 271 00:35:34,132 --> 00:35:38,269 信長様は ここ数日お加減が悪く➡ 272 00:35:38,269 --> 00:35:41,940 あまり詳しいお話は 伺うことはかないませんでした。 273 00:35:41,940 --> 00:35:48,813 こたびは あまたのお大名が 織田様の呼びかけで上洛なされておる。➡ 274 00:35:48,813 --> 00:35:53,952 そのご対応でお疲れになったのでは? 275 00:35:53,952 --> 00:35:57,622 (義昭)それでなくとも 内裏の屋根までお直しをし➡ 276 00:35:57,622 --> 00:36:02,360 わざわざ その屋根を見て回ったという。 それは疲れよう。 277 00:36:02,360 --> 00:36:07,899 そのかいあって 帝より 若狭の武藤なにがしという➡ 278 00:36:07,899 --> 00:36:14,239 悪逆非道の者を 成敗いたせとの勅命を頂いたのじゃ。 279 00:36:14,239 --> 00:36:19,911 そのことで 幕府のご一同様にお伝えするようにと➡ 280 00:36:19,911 --> 00:36:23,748 信長様から仰せつかってまいりました。 281 00:36:23,748 --> 00:36:36,761 帝の勅命は 天からのご命令であり 幕府も総出で 若狭の武藤を討つべきと。 282 00:36:36,761 --> 00:36:42,634 幕府も総出? 織田様がそのように? 283 00:36:42,634 --> 00:36:45,270 はい。 284 00:36:45,270 --> 00:36:51,142 (義昭)ほかならぬ信長殿の意向とあらば 致し方あるまい。➡ 285 00:36:51,142 --> 00:36:56,981 その若狭の武藤なる者 討てばよい。➡ 286 00:36:56,981 --> 00:37:01,753 ただ わしは戦は好まぬ。 287 00:37:01,753 --> 00:37:09,227 戦があれば和議の仲立ちをいたすのが 将軍の務めと思うておる。 288 00:37:09,227 --> 00:37:16,935 この都にとどまり吉報を待つ。 そう お伝えせよ。 289 00:37:18,570 --> 00:37:21,372 あとは任せる。 290 00:37:29,581 --> 00:37:34,085 若狭の武藤なにがしを討つ。 291 00:37:34,085 --> 00:37:39,390 白々しい口実じゃな。 はっきり申されればよいのじゃ。 292 00:37:39,390 --> 00:37:45,597 越前まで足をのばして 朝倉義景を討つつもりじゃと。 293 00:37:47,132 --> 00:37:49,601 (三淵)明智殿。 294 00:37:49,601 --> 00:37:59,110 以前に申したとおり 公方様は 朝倉と戦うつもりはない。 295 00:37:59,110 --> 00:38:04,916 多くの大名に支えられることを 望んでおられる。 296 00:38:04,916 --> 00:38:08,353 朝倉様も そのお一人じゃ。 297 00:38:08,353 --> 00:38:14,058 それを織田様もわきまえるべきと存じる。 298 00:38:14,058 --> 00:38:17,929 お言葉なれど 朝倉様に この京と畿内を守り➡ 299 00:38:17,929 --> 00:38:22,367 天下を鎮めんとする気概はありませぬ。 公方様が上洛のため➡ 300 00:38:22,367 --> 00:38:27,572 越前を出て 信長様を頼ろうとされた折 己の非力を棚に上げ➡ 301 00:38:27,572 --> 00:38:31,910 立腹し 誰一人 国の外に出さんと 厳命されたお方。 302 00:38:31,910 --> 00:38:34,579 それは三淵様もご存じではありませぬか。 303 00:38:34,579 --> 00:38:37,382 あのまま越前に留め置かれていれば➡ 304 00:38:37,382 --> 00:38:40,585 幕府は かように息吹き返すことはなかった。 305 00:38:40,585 --> 00:38:46,925 あの折は 三淵様のご英断があり あの場を切り抜けられた。➡ 306 00:38:46,925 --> 00:38:52,263 それがなければ織田様に 上洛のお手柄が 転がり込むこともなかった。 307 00:38:52,263 --> 00:38:57,135 三淵様が あの場を切り抜けられた? 308 00:38:57,135 --> 00:39:09,347 (摂津)あの折 朝倉様のご嫡男 阿君丸様に 毒を盛った者がいたであろう。➡ 309 00:39:09,347 --> 00:39:15,220 ご嫡男を失い 朝倉様は憔悴され 戦意を失われた。➡ 310 00:39:15,220 --> 00:39:20,091 そのおかげで 公方様は 越前から解き放たれたのじゃ。 311 00:39:20,091 --> 00:39:30,101 あの毒の指図をされたのは 三淵様ぞ。 312 00:39:34,239 --> 00:39:41,112 加えて申せば その毒を京から越前へ運んだのは➡ 313 00:39:41,112 --> 00:39:46,951 かつて私の家臣であった者じゃ。➡ 314 00:39:46,951 --> 00:39:54,259 明智様も よくよくお考え頂きたい。 315 00:39:56,094 --> 00:40:02,400 大事は皆の力で成すのじゃ。 316 00:40:04,402 --> 00:40:10,775 どなたかお一人の力で 天下を 支えられるとお思いになられるのは➡ 317 00:40:10,775 --> 00:40:15,280 思い上がりというもの。 318 00:40:15,280 --> 00:40:23,955 幕府は この都を守らねばならぬ。 319 00:40:23,955 --> 00:40:29,827 織田様が戦をおやりになろうとも➡ 320 00:40:29,827 --> 00:40:37,135 我らは 京の外へ 一歩たりとも出るつもりはない。➡ 321 00:40:37,135 --> 00:40:46,144 そのように織田様にお伝え下さりませ。 322 00:40:56,988 --> 00:41:03,795 (三淵)あの折 ああして 越前を出たことは正しかったと➡ 323 00:41:03,795 --> 00:41:09,934 今でも思うておる。 悔いはない。➡ 324 00:41:09,934 --> 00:41:15,606 しかし この戦は気が進まぬ。➡ 325 00:41:15,606 --> 00:41:18,943 私の弱さのせいかもしれぬ。 326 00:41:18,943 --> 00:41:26,417 ともあれ 私は都に残る。 327 00:41:26,417 --> 00:41:32,223 ご武運を祈るとしか申し上げようがない。 328 00:41:38,162 --> 00:41:40,631 許されよ。 329 00:41:40,631 --> 00:41:51,642 ♬~ 330 00:41:51,642 --> 00:41:55,813 (いななき) 331 00:41:55,813 --> 00:42:09,260 ♬~ 332 00:42:09,260 --> 00:42:11,596 出陣じゃ! 333 00:42:11,596 --> 00:42:14,098 (一同)オ~! 334 00:42:14,098 --> 00:42:20,872 永禄13年4月 織田信長は 諸国の兵を従え➡ 335 00:42:20,872 --> 00:42:26,577 朝倉義景の待ち受ける 越前を目指したのである。 336 00:42:30,281 --> 00:42:33,284 織田信長は死んではならぬのです! 337 00:42:33,284 --> 00:42:36,621 逃げることなどできぬ! 命と引き換えになりますぞ! 338 00:42:36,621 --> 00:42:40,124 本望でござる!目障りじゃ。 どけ! お願い申し上げまする! 339 00:42:40,124 --> 00:42:43,428 信長殿の負けじゃ。 何のために戦うのでしょうか。 340 00:42:43,428 --> 00:42:45,363 何っ!? 十兵衛様…。 341 00:42:45,363 --> 00:42:47,632 公方様は…。長政じゃ。 これより出陣いたす。 342 00:42:47,632 --> 00:42:49,667 うう~っ! 343 00:42:49,667 --> 00:42:55,173 大きな国ができれば 平穏が訪れ 麒麟がくる…。