1 00:00:09,790 --> 00:00:17,490 (明智十兵衛光秀)巣口から 玉薬と玉を込めます。 2 00:00:20,130 --> 00:00:25,830 火縄に火をつけ 挟み…。 3 00:00:38,820 --> 00:00:44,690 こちらを 今少し ほほに当てます。 (斎藤山城守利政)うむ。 4 00:00:44,690 --> 00:00:47,830 こうか? そうです。 5 00:00:47,830 --> 00:00:50,730 もそっと右に向けます。 6 00:00:50,730 --> 00:00:53,160 ああ 行き過ぎです。 7 00:00:53,160 --> 00:00:55,160 さよう! 8 00:01:02,440 --> 00:01:08,110 では 指をお引き下さい。 うむ 分かった。 こうだな。 9 00:01:08,110 --> 00:01:12,780 よし 引けばいいのだな。 どうぞ! 10 00:01:12,780 --> 00:01:14,780 (銃声) 11 00:01:16,650 --> 00:01:20,660 見よ! 当たった! ハハハハッ! 12 00:01:20,660 --> 00:01:23,430 はい お見事でございます。 13 00:01:23,430 --> 00:01:29,330 これを 将軍家が手に入れておるのか…。 14 00:01:29,330 --> 00:01:34,070 確かに恐ろしい威力があります。 弓矢では これほどの力で➡ 15 00:01:34,070 --> 00:01:38,010 相手を倒すことはできませぬ。 う~む…。 16 00:01:38,010 --> 00:01:44,150 しかし 戦で使えるかどうかとなると…。 17 00:01:44,150 --> 00:01:49,820 撃つまでに手間がかかり過ぎます。 一度撃って 次にまた撃つまでに➡ 18 00:01:49,820 --> 00:01:54,690 敵は斬り込んでくる。 玉を撃つために欠かせぬ玉薬は➡ 19 00:01:54,690 --> 00:02:03,770 この美濃では手に入りませぬ。 全て堺でしか手に入らぬ渡来の品です。 20 00:02:03,770 --> 00:02:08,640 これを戦道具として 将軍家が手に入れてるのだとは➡ 21 00:02:08,640 --> 00:02:11,440 考えにくうございます。 22 00:02:11,440 --> 00:02:19,140 では 本能寺に命じてまで 作らせようとしているのは何故じゃ? 23 00:02:21,790 --> 00:02:31,130 これは 遊び道具とは思えぬ。 何故 京の公方様がご執心なのか…➡ 24 00:02:31,130 --> 00:02:34,830 それを知りたいものじゃ。 25 00:02:50,150 --> 00:02:52,080 何故…? 26 00:02:52,080 --> 00:05:32,780 ♬~ 27 00:05:48,790 --> 00:05:51,090 う~ん…。 28 00:06:13,950 --> 00:06:16,420 ドンッ! (藤田伝吾)おおおっ…! 29 00:06:16,420 --> 00:06:18,760 ハッハッハ…。 30 00:06:18,760 --> 00:06:23,090 お呼びでございますか? うん…。 31 00:06:23,090 --> 00:06:26,430 これを組み分けにして 中を見てみたいのじゃ。 32 00:06:26,430 --> 00:06:29,770 もそっと早う撃つことはできぬかと 思うてな。 33 00:06:29,770 --> 00:06:34,440 作り直すということで…? そなた➡ 34 00:06:34,440 --> 00:06:37,770 関の刀鍛冶と親しいと申しておったな。 35 00:06:37,770 --> 00:06:43,450 隣家の次男で よし三というのが 孫六の弟子をしております。 36 00:06:43,450 --> 00:06:45,780 ああ。 その者に頼めぬか? 37 00:06:45,780 --> 00:06:51,120 刀鍛冶なら中をあけるぐらいは…。 うん? 38 00:06:51,120 --> 00:06:56,460 先日 そのよし三に 刀の研ぎを頼みに参ったのですが➡ 39 00:06:56,460 --> 00:07:02,270 その折 鉄砲に絡んだ妙な話を聞きました。 ん? 40 00:07:02,270 --> 00:07:08,070 (伝吾)以前 この近くに 伊平次という男が いたのを ご存じでございますか?➡ 41 00:07:08,070 --> 00:07:11,740 年中 酔っ払って 人に けんかを売っていたようなやつですが…。 42 00:07:11,740 --> 00:07:15,610 伊平次? 伊平次は 刀鍛冶になろうと➡ 43 00:07:15,610 --> 00:07:20,750 関へ行ったのですが あの酒癖で どこの鍛冶屋も長続きせず➡ 44 00:07:20,750 --> 00:07:26,090 近江の国友村へ 流れていったというのです。 45 00:07:26,090 --> 00:07:29,960 ほう。 そこで 今 何をやってるかというと➡ 46 00:07:29,960 --> 00:07:36,730 京のある筋から頼まれ 鉄砲を修理しているとか➡ 47 00:07:36,730 --> 00:07:40,100 作っているとかいうのです。 ん!? 48 00:07:40,100 --> 00:07:43,440 (伝吾)これは噂でしかないと よし三は申すのですが➡ 49 00:07:43,440 --> 00:07:48,780 国友村では 近頃 評判の話だと…。 その伊平次が➡ 50 00:07:48,780 --> 00:07:54,120 鉄砲を作っておると? (伝吾)そういう噂が…。➡ 51 00:07:54,120 --> 00:07:57,020 真偽の程が分かりませぬので お伝えしたものかどうか➡ 52 00:07:57,020 --> 00:07:59,790 迷うておりましたが…。 53 00:07:59,790 --> 00:08:03,060 国友村か。 54 00:08:03,060 --> 00:08:08,400 うん…。 近江の国だが 3日で行けるな。 (伝吾)は? 55 00:08:08,400 --> 00:08:12,270 伊平次だな! (伝吾)はっ。 56 00:08:12,270 --> 00:08:14,270 (いななき) 57 00:08:23,750 --> 00:08:29,420 (菊丸)お駒さん そんなに速く歩かないで下さいよ。 58 00:08:29,420 --> 00:08:34,090 (駒)私は普通に歩いていますよ。 菊丸さんが遅いんでしょう? 59 00:08:34,090 --> 00:08:38,430 (菊丸)だから 言ってるじゃないですか。 ゆうべ 首を寝違えて➡ 60 00:08:38,430 --> 00:08:40,760 痛くてしょうがないんですよ。 (駒)だったら➡ 61 00:08:40,760 --> 00:08:44,630 ついてこなければよかったでしょ。 (菊丸)お駒さん一人で➡ 62 00:08:44,630 --> 00:08:49,110 この道を来るのは危ないと 東庵先生からも言われましたし。 63 00:08:49,110 --> 00:08:53,440 (駒)明智荘へ行って 十兵衛様と お母上様に ご挨拶だけしたら➡ 64 00:08:53,440 --> 00:08:56,350 今日中にお城に帰りますから ご心配無用! 65 00:08:56,350 --> 00:09:00,780 そんなに首が痛いのなら ここで待っていればいいのよ。 66 00:09:00,780 --> 00:09:03,780 (菊丸)お駒さん…。 67 00:09:07,590 --> 00:09:11,060 えっ? 十兵衛様は…。 68 00:09:11,060 --> 00:09:16,400 (牧)今朝 近江の国友村という所へ 出かけたのですよ。➡ 69 00:09:16,400 --> 00:09:19,070 駒さんがおいでと分かっていたら➡ 70 00:09:19,070 --> 00:09:23,410 十兵衛も 出発を遅らせましたでしょうに。➡ 71 00:09:23,410 --> 00:09:29,080 まあ… 京へお帰りになるの。 72 00:09:29,080 --> 00:09:35,420 東庵先生も尾張からお戻りになったので 明日 発つことになりました。 73 00:09:35,420 --> 00:09:40,090 それで 十兵衛様にもご挨拶をと…。 74 00:09:40,090 --> 00:09:43,760 (牧)それは ご丁寧に。 75 00:09:43,760 --> 00:09:51,760 十兵衛様は いつ お戻りに? (牧)3日のうちにはと申しておりました。 76 00:09:54,770 --> 00:10:01,110 (牧)お上がりなさい。 お城へは 夕暮れまでに戻ればよろしいのでしょ。 77 00:10:01,110 --> 00:10:05,450 ありがとうございます。 でも お城に戻って➡ 78 00:10:05,450 --> 00:10:11,750 いろいろ片づけものもありますので。 ここで いとま乞いをさせて頂きます。 79 00:10:18,460 --> 00:10:21,360 (駒)私…。 80 00:10:21,360 --> 00:10:27,360 本当は… 京へ戻りたくないのです。 81 00:10:30,070 --> 00:10:39,150 京は 戦ばかりで 身寄りは東庵先生だけで…➡ 82 00:10:39,150 --> 00:10:44,150 親も 兄弟も…。 83 00:10:46,020 --> 00:10:53,320 ここにいた方が… よほど ここにいた方が…。 84 00:10:57,830 --> 00:11:03,640 ここも 戦ばかりですよ。 85 00:11:03,640 --> 00:11:49,490 ♬~ 86 00:11:49,490 --> 00:11:53,790 あれ? 早いですね。 87 00:11:55,360 --> 00:11:59,060 十兵衛様にお会いになりましたか? 88 00:12:02,070 --> 00:12:06,770 今朝 近江に行かれたと…。 89 00:12:06,770 --> 00:12:10,110 え~っ! 近江に!? 90 00:12:10,110 --> 00:12:14,780 そう。 じゃあ お会いにならないまま? 91 00:12:14,780 --> 00:12:18,650 そう。 それはないでしょう! 92 00:12:18,650 --> 00:12:24,950 もう会えないかもしれないのに! どうして 近江などへ行くかな~! 93 00:12:27,120 --> 00:12:29,820 しかたない。 94 00:12:31,460 --> 00:12:37,760 しかたない。 またお会いできる いつか…。 95 00:12:54,150 --> 00:12:59,020 (鶴平)確かに 関の孫六様のご紹介状でございます。 96 00:12:59,020 --> 00:13:03,720 遠路お越し頂き 恐悦至極に存じます。 97 00:13:05,430 --> 00:13:08,770 関では このようなものを扱わぬと申され➡ 98 00:13:08,770 --> 00:13:14,100 国友村のこちらなら ご教示 頂けるのではないかと 紹介頂きました。 99 00:13:14,100 --> 00:13:18,980 せっかくではございますが 鉄砲につきましては➡ 100 00:13:18,980 --> 00:13:22,450 決して 口外は無用とのご沙汰があり➡ 101 00:13:22,450 --> 00:13:25,780 どなたにも 何も申し上げることはできませぬ。➡ 102 00:13:25,780 --> 00:13:29,450 お許し下さりませ。 お… お待ち下さい。 103 00:13:29,450 --> 00:13:33,320 そのような ご沙汰は どこからの? 104 00:13:33,320 --> 00:13:38,130 将軍家よりのご沙汰でございます。 将軍家? 105 00:13:38,130 --> 00:13:45,800 では 仕事に戻りますゆえ これにて。 あっ しばらく! 106 00:13:45,800 --> 00:13:50,470 こちらに 関から参った 伊平次と呼ばれる刀鍛冶がいるはずと➡ 107 00:13:50,470 --> 00:13:54,140 聞いております。 会わせて頂くことはできませぬか? 108 00:13:54,140 --> 00:13:59,140 それも ご容赦頂きとうございます。 109 00:14:12,430 --> 00:14:15,100 (若い鍛冶屋)もし…。 ん? お武家様。 110 00:14:15,100 --> 00:14:17,100 おう。 111 00:14:23,440 --> 00:14:28,310 伊平次の居場所 よろしければお教えいたします。 112 00:14:28,310 --> 00:14:30,310 おっ…。 113 00:14:52,140 --> 00:14:54,440 早う。 114 00:14:56,010 --> 00:15:02,750 伊平次は 今 ここにはおりませぬ。 京の本能寺へ行けば会えるやも。 115 00:15:02,750 --> 00:15:07,080 本能寺? 鉄砲作りの腕を買われて➡ 116 00:15:07,080 --> 00:15:10,780 本能寺で養われていると聞きました。 117 00:15:20,430 --> 00:15:25,100 何 京へ行く!? また行くのか? 118 00:15:25,100 --> 00:15:29,400 鉄砲のことを調べよと仰せになられたのは 殿でございますよ。 119 00:15:31,440 --> 00:15:35,740 何日 行く? 旅のかかりは いかほどじゃ? 120 00:15:42,790 --> 00:15:45,490 このくらいかと。 121 00:15:50,460 --> 00:15:52,800 このくらいにしとけ。 122 00:15:52,800 --> 00:15:56,800 こたびは 全額お出し願います。 123 00:15:58,470 --> 00:16:00,800 何とぞ。 124 00:16:00,800 --> 00:16:13,380 ♬~ 125 00:16:13,380 --> 00:16:17,290 京は 度重なる戦火に街を焼かれ➡ 126 00:16:17,290 --> 00:16:22,430 公家や僧侶 将軍さえも逃げ出す 都と化していた。 127 00:16:22,430 --> 00:16:26,760 近江にいた 将軍 足利義輝を京に戻したのは➡ 128 00:16:26,760 --> 00:16:31,100 細川晴元という 有力大名であった。 129 00:16:31,100 --> 00:16:36,770 しかし その晴元も 家臣たちの内部抗争に手を焼いていた。 130 00:16:36,770 --> 00:16:41,110 とりわけ 強力な軍事力を持った 三好長慶と➡ 131 00:16:41,110 --> 00:16:44,010 長慶を支える松永久秀は➡ 132 00:16:44,010 --> 00:16:48,450 既に主君 晴元を脅かす存在になり➡ 133 00:16:48,450 --> 00:16:52,790 晴元の足元も盤石ではなかった。 134 00:16:52,790 --> 00:17:01,490 将軍の帰還した都は もろく 不安定な勢力に支えられていたのである。 135 00:17:07,300 --> 00:17:10,300 下がれ。 前へ出るな。 136 00:17:26,090 --> 00:17:28,990 お尋ね申す。 (行者)ん? ここは 本能寺か? 137 00:17:28,990 --> 00:17:32,760 ああ。 中へは ここから入っていけばよいのか? 138 00:17:32,760 --> 00:17:38,430 (商家の主)駄目駄目 門の奥は お侍だらけで 誰も中へ入ってならぬと➡ 139 00:17:38,430 --> 00:17:41,770 お触れが出ております。 (職人)何でも 公方様が➡ 140 00:17:41,770 --> 00:17:43,710 お立ち寄りになっていると 誰かが申しておりましたよ。 141 00:17:43,710 --> 00:17:46,110 へえ~ 公方様? 公方様? 142 00:17:46,110 --> 00:17:51,780 将軍 足利義輝様ですよ。 143 00:17:51,780 --> 00:17:55,780 (細川藤孝)背に負うているのは鉄砲か? 144 00:18:00,790 --> 00:18:03,060 いかにも。 145 00:18:03,060 --> 00:18:08,930 (藤孝)今 この寺に 我らが お守りせねばならぬお方がおいでなのだ。 146 00:18:08,930 --> 00:18:15,070 怪しい者がおれば 処断せよと言われている。 147 00:18:15,070 --> 00:18:20,940 ほう。 (藤孝)その方に 鉄砲を買う金があるとは思えぬ。➡ 148 00:18:20,940 --> 00:18:27,650 盗んだか? それとも ここでしかるべき人を撃てと➡ 149 00:18:27,650 --> 00:18:31,350 誰かに命じられて 来たか? どちらでもない。 150 00:18:33,090 --> 00:18:35,990 なるほど。 151 00:18:35,990 --> 00:18:41,430 いずれにせよ その鉄砲を ここで持たせておくわけにはいかぬ。 152 00:18:41,430 --> 00:18:46,100 お渡し願おう。 理不尽な申されようじゃ。 153 00:18:46,100 --> 00:18:48,400 断る。 154 00:18:55,780 --> 00:18:59,120 理不尽を通すぞ。 155 00:18:59,120 --> 00:19:02,820 (悲鳴) 156 00:19:06,390 --> 00:19:09,290 手出しは無用! 157 00:19:09,290 --> 00:19:11,290 はっ。 158 00:20:04,110 --> 00:20:07,110 ≪(足利義輝)藤孝 やめい。 159 00:20:09,450 --> 00:20:14,150 おお~! 公方様じゃ! 公方様! 160 00:20:24,800 --> 00:20:31,140 (義輝)見事な太刀さばきじゃ。 鹿島の太刀と見たが そうか? 161 00:20:31,140 --> 00:20:33,810 はっ。 162 00:20:33,810 --> 00:20:39,680 やはりそうか。 我が師の太刀筋とよう似ておる。 163 00:20:39,680 --> 00:20:43,820 藤孝。 そなたも同じ流派。 164 00:20:43,820 --> 00:20:47,490 仲間同士の斬り合いはやめておけ。 ははっ! 165 00:20:47,490 --> 00:20:50,490 行くぞ。 はっ! 166 00:21:00,840 --> 00:21:03,440 (三淵藤英) もしやと思うたが やはりそうか。 167 00:21:03,440 --> 00:21:08,110 あっ! 堺でお会いした美濃のお方じゃな。 168 00:21:08,110 --> 00:21:14,450 明智十兵衛でござる。 私は三淵藤英と申します。 169 00:21:14,450 --> 00:21:19,790 あれは私の弟で 細川藤孝と申す者にて➡ 170 00:21:19,790 --> 00:21:24,460 公方様のおそばに仕えています。 それゆえ 気が立っていて➡ 171 00:21:24,460 --> 00:21:30,330 ご無礼をいたしたのかと思います。 お許し下さい。 いや…。 172 00:21:30,330 --> 00:21:36,330 おい ご挨拶いたせ。 明智十兵衛殿だ。 173 00:21:47,480 --> 00:21:53,480 (藤孝) 同じ流派ゆえ 腕前は すぐに分かった。 174 00:21:57,490 --> 00:22:00,830 どう分かった? 175 00:22:00,830 --> 00:22:05,100 斬られるかと思うた。 176 00:22:05,100 --> 00:22:07,800 私も危なかった。 177 00:22:09,440 --> 00:22:13,310 うそでしょう。 余裕しゃくしゃくでしたよ。➡ 178 00:22:13,310 --> 00:22:16,610 ハッハッハッハ…。 179 00:22:18,450 --> 00:22:23,450 それは 京では持ち歩かぬ方がよい。 目立つ。 180 00:22:25,120 --> 00:22:30,120 では 私は 公方様のもとへ。 うむ。 181 00:22:34,130 --> 00:22:37,470 弟は いささか血の気が多い。 182 00:22:37,470 --> 00:22:41,800 武術がお好きな公方様に よく似ている。 それゆえ➡ 183 00:22:41,800 --> 00:22:46,140 公方様のお気に入りなのです。 はあ…。 184 00:22:46,140 --> 00:22:51,480 その鉄砲 堺で手に入れたものかな? さよう。 185 00:22:51,480 --> 00:22:58,150 松永久秀殿に頼み 手に入れた。 そうです よくご存じで。 186 00:22:58,150 --> 00:23:03,760 今日も松永殿と会うつもりです。 十兵衛殿は もうお会いになりましたか? 187 00:23:03,760 --> 00:23:07,630 いや 鉄砲のお礼を申し上げたいと 思うておりますが。 188 00:23:07,630 --> 00:23:12,440 では 一緒に参られますか? あ いや…➡ 189 00:23:12,440 --> 00:23:18,770 しかし… 私は 本能寺へ参らねば。 (三淵)本能寺? 190 00:23:18,770 --> 00:23:23,110 美濃の伊平次という刀鍛冶が ここに来ているはずなのです。 191 00:23:23,110 --> 00:23:28,990 ほう… 国友村の伊平次という鍛冶なら 存じていますが…。 192 00:23:28,990 --> 00:23:34,120 その伊平次です。 伊平次は 先月まで➡ 193 00:23:34,120 --> 00:23:40,000 確かに ここにいましたが 今は行方が分からない。 は? 194 00:23:40,000 --> 00:23:43,800 我々も鉄砲のことで 伊平次を捜していたのだが➡ 195 00:23:43,800 --> 00:23:48,670 とんと居場所が分からない。 ここに… いない? 196 00:23:48,670 --> 00:23:51,670 いないのです。 197 00:24:02,290 --> 00:24:06,760 松永殿に 三淵が参ったと伝えて頂きたい。 198 00:24:06,760 --> 00:24:10,430 (警固の長)三淵…? いずくの三淵じゃ? 199 00:24:10,430 --> 00:24:16,100 将軍 足利義輝様のおそばにお仕えする 三淵藤英じゃ。 200 00:24:16,100 --> 00:24:19,770 (警固の長)ほほう… 将軍の。 201 00:24:19,770 --> 00:24:24,110 今 我が殿は多忙につき 誰ともお会いにならぬ。 202 00:24:24,110 --> 00:24:27,780 松永殿が会うと仰せられたゆえ 参ったのだ。 203 00:24:27,780 --> 00:24:30,450 (警固の長)とりあえず 太刀を預かろう。 断る。 204 00:24:30,450 --> 00:24:33,350 では 通すわけにはいかぬ! 無礼者!➡ 205 00:24:33,350 --> 00:24:37,650 どけ。 通るぞ。 206 00:24:40,790 --> 00:24:44,130 (松永久秀)うわ~っ! 熱い! 熱っ…! 207 00:24:44,130 --> 00:24:47,430 (警固の長)待て! (松永)あ~っ! 208 00:24:49,800 --> 00:24:53,670 松永殿。 (松永)あ~ もうよい。 もう 火を消せ!➡ 209 00:24:53,670 --> 00:24:56,140 (松永)あ~ 早う消せ! もう! はっ! 210 00:24:56,140 --> 00:24:59,480 (松永)ああ… あ~っ!➡ 211 00:24:59,480 --> 00:25:06,180 はあ… ああ よいよい。 下がれ 下がれ! 212 00:25:10,090 --> 00:25:15,960 (松永)これは これは 三淵様。 見苦しいところをご覧に入れて➡ 213 00:25:15,960 --> 00:25:24,100 失礼をいたしました。 実は しゃっくりが 2日も止まらなくなりまして➡ 214 00:25:24,100 --> 00:25:29,970 熱い目に遭えば 止まると誰かが申すゆえ 今 灸を試したところ➡ 215 00:25:29,970 --> 00:25:35,710 まあ~ 熱いの何の! (笑い声) 216 00:25:35,710 --> 00:25:41,650 あ? あっ 止まりました。 アッハッハッハ! 217 00:25:41,650 --> 00:25:46,360 さあ…。 ああ 三淵様 今日のお連れは? 218 00:25:46,360 --> 00:25:51,130 去年 堺で この鉄砲を世話して頂いた 明智十兵衛でございます。 219 00:25:51,130 --> 00:25:55,000 おお~! 美濃の若い衆! はい。 220 00:25:55,000 --> 00:25:58,800 (松永)さっ 上がれ 上がれ上がれ! 三淵様も さあ どうぞ お上がりなされ。➡ 221 00:25:58,800 --> 00:26:01,400 さあさあさあさあ! ハッハッハ…。➡ 222 00:26:01,400 --> 00:26:04,740 三淵様 どこで この若武者と? 223 00:26:04,740 --> 00:26:09,410 本能寺で たまたま会いました。 (松永)本能寺? 224 00:26:09,410 --> 00:26:13,280 例の伊平次に会いに参ったそうな。 225 00:26:13,280 --> 00:26:21,990 はは~ さては 美濃の斎藤山城守様も 戦で鉄砲を使おうという魂胆じゃな。 226 00:26:21,990 --> 00:26:25,760 いや そういうことでは…。 いやいやいや 隠すな隠すな。 ハッハッハ。 227 00:26:25,760 --> 00:26:30,630 わしも この三淵様も できるだけ多くの鉄砲をそろえて➡ 228 00:26:30,630 --> 00:26:34,770 敵に備えようと考えておるのじゃ。 229 00:26:34,770 --> 00:26:38,110 そこで 腕利きの伊平次に 作らせようと思ったのだが➡ 230 00:26:38,110 --> 00:26:41,980 その伊平次が捕まらんのだ。 お待ち下さい。 231 00:26:41,980 --> 00:26:47,120 我らも公方様も 鉄砲を多く持とうとする 意図はございません。 232 00:26:47,120 --> 00:26:52,790 (松永)フッフッフッフ… また そのように しらじらしいことを仰せになる。 233 00:26:52,790 --> 00:26:57,460 わしの主 三好長慶様も その上におわす 細川晴元様も➡ 234 00:26:57,460 --> 00:27:01,330 次の戦では 鉄砲を使うと明言しておられる。 235 00:27:01,330 --> 00:27:06,070 それは 公方様にも そのおつもりがあると読んだからじゃ。 236 00:27:06,070 --> 00:27:09,940 公方様は戦に鉄砲を使うおつもりはない。 237 00:27:09,940 --> 00:27:14,410 それに そもそも 誰を相手に戦をするのです? フッ➡ 238 00:27:14,410 --> 00:27:18,110 知れたことを。 (三淵)誰です? 239 00:27:22,080 --> 00:27:25,420 細川晴元様じゃ。 240 00:27:25,420 --> 00:27:32,760 お言葉だが 公方様は 細川晴元様を 敵とは思っておりませぬ。 241 00:27:32,760 --> 00:27:37,100 フッフッフッフ… またまた しらじらしい。 242 00:27:37,100 --> 00:27:40,770 今は そうであっても つい去年まで➡ 243 00:27:40,770 --> 00:27:44,440 血で血を洗う争いを していたではありませんか。 244 00:27:44,440 --> 00:27:51,310 某も あなたの家臣に まあ~ だいぶ 命を狙われた。 245 00:27:51,310 --> 00:27:56,790 それは お互いさまです。 それゆえ もう二度と そうならぬよう➡ 246 00:27:56,790 --> 00:28:02,390 戦道具も兵の数も五分としておこうと 更に申せば➡ 247 00:28:02,390 --> 00:28:08,730 互いに譲り合い この都で 共に生きてゆく道を見つけようと➡ 248 00:28:08,730 --> 00:28:13,400 そのために こうして 松永殿とお会いしております。 249 00:28:13,400 --> 00:28:16,070 では はっきり申し上げよう。 250 00:28:16,070 --> 00:28:23,410 鉄砲の数は それぞれ 100丁を上限として 持つというのは いかがかな? 251 00:28:23,410 --> 00:28:26,080 100丁も…? (三淵)さような数合わせには➡ 252 00:28:26,080 --> 00:28:32,420 同意しかねる。 まあ 今日は 明智殿もおいでだ。➡ 253 00:28:32,420 --> 00:28:35,320 また出直しましょう。 254 00:28:35,320 --> 00:28:43,430 改めて申し上げておくが 私は二度と この都で戦をするつもりはない。 255 00:28:43,430 --> 00:28:50,730 今の穏やかな暮らしを長く続けたい。 それだけです。 256 00:28:57,780 --> 00:29:00,680 三淵殿…。 お主は ここにおれ。 257 00:29:00,680 --> 00:29:06,590 ああ 上がれ。 上がれ。 はっ。 258 00:29:06,590 --> 00:29:12,060 美濃の山城守様は 大層 ご活躍のようだな。 259 00:29:12,060 --> 00:29:16,400 尾張の織田信秀を さんざん 蹴散らかしたそうだな。 ハッハッハ。 260 00:29:16,400 --> 00:29:20,740 お主も 存分の働きだったのであろう。 いえ 私などは…。 261 00:29:20,740 --> 00:29:26,410 いや 謙遜は無用だ。 わしが 山城守様を崇拝していることは➡ 262 00:29:26,410 --> 00:29:33,280 前にも申した。 その山城守様が 鉄砲のことで2度も 堺や京に➡ 263 00:29:33,280 --> 00:29:38,750 お主を遣わすというのは よほど お主を頼りにしている証拠だ。 264 00:29:38,750 --> 00:29:42,630 鉄砲が さほど大事でしょうか? 265 00:29:42,630 --> 00:29:46,100 これを このまま 戦で使えるとは思いませぬし➡ 266 00:29:46,100 --> 00:29:50,770 何故 公方様が 本能寺を通してまで 鉄砲を集めようとしておられるのか➡ 267 00:29:50,770 --> 00:29:52,700 腑に落ちませぬ。 268 00:29:52,700 --> 00:29:54,700 おい。 269 00:29:56,440 --> 00:30:08,780 お主は 鉄砲の玉が 弓矢や刀に倍する 威力を持っていることを知っておる。 270 00:30:08,780 --> 00:30:14,780 我々も 皆 知っておる。 271 00:30:16,460 --> 00:30:23,800 玉が当たれば 命を失うと。 272 00:30:23,800 --> 00:30:27,140 何を…! 動くな~! 273 00:30:27,140 --> 00:30:32,810 動けば撃つ。 どうだ 動けるか? 274 00:30:32,810 --> 00:30:36,480 動けまい。➡ 275 00:30:36,480 --> 00:30:41,820 弓矢や槍なら かわせる。 だが 鉄砲の玉は かわせない。➡ 276 00:30:41,820 --> 00:30:47,490 銃口を向けるだけで 相手の動きを封じることができる。➡ 277 00:30:47,490 --> 00:30:51,790 玉が当たるかどうかではない。 278 00:30:55,360 --> 00:30:57,360 うっ…。 279 00:30:59,100 --> 00:31:06,440 フフフフ… ハッハッハッハ…! 280 00:31:06,440 --> 00:31:10,780 玉など入っておらん。 ハッハッハッハ! 281 00:31:10,780 --> 00:31:15,650 だが 鉄砲の怖さをお互いが知っていれば➡ 282 00:31:15,650 --> 00:31:20,120 気楽に攻め込むことはできん。 283 00:31:20,120 --> 00:31:25,820 戦のありようは 変わるぞ。 284 00:31:27,800 --> 00:31:33,140 わしならば 戦う前に こう考える。 285 00:31:33,140 --> 00:31:39,010 敵は 鉄砲を何丁持っている? こちらの3倍持っているのか。 286 00:31:39,010 --> 00:31:44,150 ならば 戦は やめておこう。 287 00:31:44,150 --> 00:31:47,820 戦は減るぞ。➡ 288 00:31:47,820 --> 00:31:51,690 あの三淵という男は そのことに気付いておる。➡ 289 00:31:51,690 --> 00:31:58,460 なかなかの切れ者よ。 公方様が目をかけておられるゆえんじゃ。 290 00:31:58,460 --> 00:32:02,770 あのお方は 戦が嫌だと仰せでした。 291 00:32:02,770 --> 00:32:05,670 松永様もお嫌いですか? 292 00:32:05,670 --> 00:32:12,780 わしは 幼い頃 母上に しゃっくりが 3日続くと死ぬと言われてな➡ 293 00:32:12,780 --> 00:32:17,450 それ以来 しゃっくりが大嫌いなのじゃ。 294 00:32:17,450 --> 00:32:22,790 わしは 死ぬのが恐ろしい。 295 00:32:22,790 --> 00:32:28,460 そんなわしが好んで戦をすると思うか?➡ 296 00:32:28,460 --> 00:32:30,790 フフフフ…。 297 00:32:30,790 --> 00:32:36,130 お二人が そうお思いなら しばらく この京は平穏でございますな。 298 00:32:36,130 --> 00:32:42,810 ん? 私は 去年 戦で荒れ果てたこの京を見て➡ 299 00:32:42,810 --> 00:32:52,480 胸が痛みました。 焼け出された子どもたちや年寄りや…。 300 00:32:52,480 --> 00:32:56,350 美濃も戦に明け暮れています。 301 00:32:56,350 --> 00:33:00,820 負けるわけにはいかないから 私も戦います。 しかし➡ 302 00:33:00,820 --> 00:33:09,100 終わったあと 数日 口の中に苦さが残るのです。 303 00:33:09,100 --> 00:33:15,800 人を斬ると いつも苦さが…。 304 00:33:18,110 --> 00:33:28,410 これでよいのか いつも… これでよいのかと…。 305 00:33:32,120 --> 00:33:37,460 今の松永様のお話を伺い ホッといたしました。 306 00:33:37,460 --> 00:33:42,800 鉄砲の意味も 少しばかりは。 307 00:33:42,800 --> 00:33:46,470 うむ。 ハハッ…。 308 00:33:46,470 --> 00:33:54,140 ただ この都には あまた 難題は残っておる。 309 00:33:54,140 --> 00:34:01,840 今は まだ言えぬが 平穏な暮らしは まだまだ先じゃな。 310 00:34:03,420 --> 00:34:09,760 そうだ 伊平次に会いに行こうではないか。 はっ? 311 00:34:09,760 --> 00:34:16,630 三淵様には内緒なのだが 伊平次の居所は突き止めてあるのじゃ。➡ 312 00:34:16,630 --> 00:34:22,330 フフフフ…。 あ… ご存じでしたか。 313 00:34:29,440 --> 00:34:31,780 おお! 314 00:34:31,780 --> 00:34:34,780 旦那! 315 00:34:36,450 --> 00:34:39,120 おう! 316 00:34:39,120 --> 00:34:42,460 そこの男前のおにいさん! 317 00:34:42,460 --> 00:34:44,390 さあさあ こっちだ こっちだ。 318 00:34:44,390 --> 00:34:57,470 ♬~ 319 00:34:57,470 --> 00:35:02,740 キャッ! ハッハッハッハ! あら…。 わしじゃ わしじゃ。 320 00:35:02,740 --> 00:35:06,080 伊平次は おらぬか? うん? 321 00:35:06,080 --> 00:35:10,780 上か。 よし 後でな。 ハッハッハッハ。 322 00:35:17,090 --> 00:35:19,760 開けるぞ。 323 00:35:19,760 --> 00:35:21,700 キャッ! な… 何だ!? 324 00:35:21,700 --> 00:35:24,700 すまん 続けてくれ。 325 00:35:26,640 --> 00:35:29,940 伊平次 開けるぞ。 326 00:35:38,450 --> 00:35:41,350 おう 入った 入った。 はっ…。 327 00:35:41,350 --> 00:35:47,120 (タケ)何? この人たち。 すまんのう 伊平次に ちと所用があってな。 328 00:35:47,120 --> 00:35:50,030 (伊平次)何度来られても できないものはできない。 329 00:35:50,030 --> 00:35:56,470 そう言わずに…。 20丁でよいから作ってくれんか? 330 00:35:56,470 --> 00:36:05,740 金は ほかの3割増しで払うぞ~。 331 00:36:05,740 --> 00:36:08,080 ほれっ。 ハッハッハッハ! 332 00:36:08,080 --> 00:36:10,980 お主の作った鉄砲を 本能寺で見せてもろうたが➡ 333 00:36:10,980 --> 00:36:16,420 まあ~ 渡来のものに 勝るとも劣らぬ出来栄えじゃ。 334 00:36:16,420 --> 00:36:20,760 しかも 安い! 335 00:36:20,760 --> 00:36:28,630 お主さえ ウンと申してくれれば 国友村に お主のために 鍛冶場も作るつもりじゃ。 336 00:36:28,630 --> 00:36:31,770 なっ 頼む! 20丁。 337 00:36:31,770 --> 00:36:35,440 わしは しばらく 鉄砲は 作らぬことにしたのです。 (松永)えっ? 338 00:36:35,440 --> 00:36:39,310 面倒くさいのでね。 な… 何が面倒くさいのじゃ! 339 00:36:39,310 --> 00:36:42,780 松永様に 20丁 お作りしたとする。 (松永)うん。 340 00:36:42,780 --> 00:36:46,450 松永様は 三好長慶様のご家老分ゆえ➡ 341 00:36:46,450 --> 00:36:48,780 三好様は よろしいのですが➡ 342 00:36:48,780 --> 00:36:53,660 ご主君の細川晴元様は 途端に不機嫌におなりになる。 343 00:36:53,660 --> 00:36:57,130 近頃 三好様との仲が お悪いらしく➡ 344 00:36:57,130 --> 00:37:00,460 三好方に負けぬよう 30丁作れと仰せになる。 345 00:37:00,460 --> 00:37:05,730 すると それを知った将軍様が 50丁作れとお命じになる。 346 00:37:05,730 --> 00:37:10,410 将軍様は 細川様と仲直りをし 京へお戻りになったが➡ 347 00:37:10,410 --> 00:37:14,280 いつまた けんか別れをなさるか 知れたもんじゃない。 348 00:37:14,280 --> 00:37:17,750 そんな ゴタゴタに巻き込まれて 仕事はしたくない。 いや…。 349 00:37:17,750 --> 00:37:21,420 こうやって 好きな女子と グジャグジャしとる方が➡ 350 00:37:21,420 --> 00:37:25,090 よほど性に合っておる。 のう? おタケ。 ほれ! キャ~! 351 00:37:25,090 --> 00:37:29,420 危ない 危ない 危ない…。 伊平次 伊平次… 伊平次! 伊平次! 352 00:37:29,420 --> 00:37:34,100 伊平次… あの伊平次だな? 353 00:37:34,100 --> 00:37:39,430 ん? 分かるか? わしだ。 明智十兵衛だ。 354 00:37:39,430 --> 00:37:42,100 あっ! キャ~! 355 00:37:42,100 --> 00:37:47,780 昔 伝吾の家の裏庭の井戸に落ちた 伊平次だ。 356 00:37:47,780 --> 00:37:50,450 そうだ! 思い出した! さようでございます。 357 00:37:50,450 --> 00:37:53,120 伝吾様の井戸に落ちて…。 溺れて…。 358 00:37:53,120 --> 00:37:56,450 井戸に いつも冷やしてある瓜があり それを盗って食おうとして…。 359 00:37:56,450 --> 00:38:00,790 ハハッ そうだ! 瓜泥棒の伊平次だ! ハッハッハッハ! 360 00:38:00,790 --> 00:38:04,660 十兵衛様が 縄を投げて下さらねば あのまま溺れて死んでおりました。 361 00:38:04,660 --> 00:38:07,060 いやいやいや こんな所でお目にかかるとは! 362 00:38:07,060 --> 00:38:11,930 その節は ありがとうございました。 うん あのころは 手のつけられぬ悪童と➡ 363 00:38:11,930 --> 00:38:16,070 村の子どもたちが恐れておった。 もう何年になるかのう。 364 00:38:16,070 --> 00:38:19,410 12年… いやいやいや もっとでござりますか? 365 00:38:19,410 --> 00:38:24,280 待て 待て 待て 待て 待て! わしを置いてくな。 わしを忘れるな。 366 00:38:24,280 --> 00:38:28,420 その方たちの昔話は分かった。 わしの用件が まだ終わっておらぬぞ! 367 00:38:28,420 --> 00:38:31,320 それは もうお断りしたはず。 だから もう~! 368 00:38:31,320 --> 00:38:33,290 どういう間柄で? ああ…。 369 00:38:33,290 --> 00:38:39,290 あ… それは 鉄砲でございますか? うむ そうじゃ。 370 00:38:41,000 --> 00:38:46,300 これを そなたに組み分けしてもらいたいのじゃ。 371 00:38:48,740 --> 00:38:51,640 あ…。 372 00:38:51,640 --> 00:38:56,110 堺で出回ってる渡来物ですね。 うん。 373 00:38:56,110 --> 00:38:58,450 わしが世話した鉄砲じゃ。 はい。 374 00:38:58,450 --> 00:39:03,290 堺で松永様に世話して頂いたんだ。 これをバラバラにしてどうなさるんです? 375 00:39:03,290 --> 00:39:06,250 ああ 鉄砲の仕組みを 一から学びたいのだ。 376 00:39:06,250 --> 00:39:11,390 ものをよく知れば その用い方 改めるべきところが見えてくるだろう。 377 00:39:11,390 --> 00:39:13,330 ああ そりゃそうだ。 378 00:39:13,330 --> 00:39:16,730 やってみますか? すぐにできますよ。 379 00:39:16,730 --> 00:39:19,400 ここでか? (伊平次)あ… まさか。➡ 380 00:39:19,400 --> 00:39:23,740 近くの寺に道具が預けてあるんです。 ちょっと着替えますので。 381 00:39:23,740 --> 00:39:25,670 おう。 382 00:39:25,670 --> 00:39:30,080 ちょっと… 私は どうすりゃいいのよ! 383 00:39:30,080 --> 00:39:34,080 ハハハ…。 おい じゃ…。 384 00:39:36,420 --> 00:39:40,720 (松永)後でな。 ハハハ…。 385 00:39:43,090 --> 00:39:48,430 松永様 私の都合を先んじてしまい 申し訳ありませぬ。 386 00:39:48,430 --> 00:39:54,100 気にするな。 よいよい よいぞ~。 387 00:39:54,100 --> 00:39:57,440 お主たちに そういう縁があったとはな…。 388 00:39:57,440 --> 00:40:03,110 え~… これは 天が与えた僥倖じゃ。 389 00:40:03,110 --> 00:40:09,990 あの様子では お主が頼めば 鉄砲20丁 用意するのではないか? 390 00:40:09,990 --> 00:40:12,290 そうは思わんか。 は? 391 00:40:14,120 --> 00:40:19,460 頼む。 三好の殿に きつう命じられておるのじゃ。 392 00:40:19,460 --> 00:40:22,130 鉄砲20丁 どうしても用意せねばならん。 393 00:40:22,130 --> 00:40:26,470 三淵などに先を越されては わしの立場がない。 394 00:40:26,470 --> 00:40:29,800 なっ? お主から 伊平次に頼んでくれ。 このとおりじゃ! 395 00:40:29,800 --> 00:40:35,140 いやいやいや… それは困りますよ。 そう言わずに… なっ。 396 00:40:35,140 --> 00:40:41,020 わしに恩を売れ。 わしはな お主の主君 山城守様のように➡ 397 00:40:41,020 --> 00:40:44,490 いずれは 必ずや大名になってみせる! その折には➡ 398 00:40:44,490 --> 00:40:50,160 必ずや お主に あふれんばかりの恩を返すつもりじゃ! 399 00:40:50,160 --> 00:40:53,060 なっ? 損はさせぬ。 頼む! 400 00:40:53,060 --> 00:40:57,830 あっ わしは ここにおらん方がよいな。 先に行っておるからな 後で会おう! 401 00:40:57,830 --> 00:41:00,500 いやいや 松永様…! いやいやいや 先に行っておる。 402 00:41:00,500 --> 00:41:03,100 松永様! 頼むぞ 頼むぞ! 403 00:41:03,100 --> 00:41:07,440 旦那 もうお帰り? 遊んでいきんさいよ~。 404 00:41:07,440 --> 00:41:10,350 十兵衛様。 私は そういう遊びは…。 何をしておるのですか。 405 00:41:10,350 --> 00:41:15,650 お待たせいたしました。 これを。 どうぞ。 406 00:41:17,450 --> 00:41:19,450 (ため息) 407 00:41:33,800 --> 00:41:36,140 (望月東庵)どうした? 408 00:41:36,140 --> 00:41:42,810 あのお一人が 十兵衛様に よく似ていらっしゃったので。 ん? 409 00:41:42,810 --> 00:41:49,680 ここは京だぞ。 十兵衛様がいるわけがあるまい。 410 00:41:49,680 --> 00:41:52,680 さっ 行くぞ。 411 00:41:58,360 --> 00:42:01,760 いらっしゃるわけないものね。 412 00:42:01,760 --> 00:42:05,100 ああ つまらない。 413 00:42:05,100 --> 00:42:19,450 ♬~ 414 00:42:19,450 --> 00:42:22,150 (伊平次)十兵衛様。 415 00:42:31,060 --> 00:42:34,000 松永様が誰に討たれるのだ? 誰が討つんだ。 416 00:42:34,000 --> 00:42:38,470 お二人を討ちたいのは晴元様であろう。 細川晴元は嫌いです。 417 00:42:38,470 --> 00:42:41,470 殿~! お逃げ下さい! 418 00:42:43,140 --> 00:42:46,810 十兵衛様! 駒殿が気になる。 ここで寝よ。 419 00:42:46,810 --> 00:42:51,680 戦じゃ! 大柿城が主戦場だと。 420 00:42:51,680 --> 00:42:56,380 将軍が争うなと ひと言 お命じにならねば 世は平らかにはなりませぬ! 421 00:43:03,390 --> 00:43:06,800 滋賀県長浜市。 422 00:43:06,800 --> 00:43:09,700 琵琶湖に注ぐ姉川のほとりに➡ 423 00:43:09,700 --> 00:43:16,000 鉄砲の産地としてにぎわいを見せた 国友の町があります。 424 00:43:18,810 --> 00:43:23,480 もともと 鍛冶師が多く暮らしていた国友。 425 00:43:23,480 --> 00:43:30,820 種子島に伝来した翌年から 鉄砲作りが始まったと伝わります。 426 00:43:30,820 --> 00:43:33,720 銃身を作る鍛冶師。 427 00:43:33,720 --> 00:43:36,160 銃床を作る台師。 428 00:43:36,160 --> 00:43:41,830 カラクリを作る金具師に分かれ 製造されていました。 429 00:43:41,830 --> 00:43:47,170 銃身の底を塞ぐネジの大量生産を 可能にしたことから➡ 430 00:43:47,170 --> 00:43:52,840 国友の鉄砲は 多くの戦で使われていきます。 431 00:43:52,840 --> 00:43:58,710 太平の時代が訪れると 芸術性が求められ➡ 432 00:43:58,710 --> 00:44:03,710 金細工や象眼を施すようになりました。 433 00:44:05,790 --> 00:44:10,130 この技術は 曳山の飾り金具など➡ 434 00:44:10,130 --> 00:44:14,430 工芸品作りに引き継がれています。 435 00:44:17,800 --> 00:44:24,470 人々を魅了する国友の優れた技術は 戦国乱世の後に➡ 436 00:44:24,470 --> 00:44:28,470 日本各地に広がっていきました。 437 00:45:04,350 --> 00:45:06,950 (忠相)根付? 438 00:45:06,950 --> 00:45:11,790 申し訳ありません。 私が踏んでしまったのです。 439 00:45:11,790 --> 00:45:17,590 あなたのせいではありません。 落とした私が悪いのです。 440 00:45:17,590 --> 00:45:24,800 ですが これは あなたのおじい様が 昔々 その昔に➡ 441 00:45:24,800 --> 00:45:28,970 お守り代わりにしろと くれたものですから。