1 00:00:03,500 --> 00:00:17,920 ♬~ 2 00:00:17,920 --> 00:00:20,250 [ 回想 ] (足利義輝)この世に 誰も見たことのない➡ 3 00:00:20,250 --> 00:00:22,920 麒麟という生き物がいる。➡ 4 00:00:22,920 --> 00:00:30,800 わしは その麒麟を まだ連れてくることができぬ。 5 00:00:30,800 --> 00:00:33,800 無念じゃ。 6 00:00:36,940 --> 00:00:41,810 (常)朝から ずっとじゃ。 (木助)さっき まきは もう十分だと➡ 7 00:00:41,810 --> 00:00:46,950 申したのじゃが 何とも仰せにならん。 8 00:00:46,950 --> 00:00:50,620 (牧)近江から帰って ずっとそうなのですよ。 9 00:00:50,620 --> 00:00:55,490 心ここにあらずといった様子で…。 10 00:00:55,490 --> 00:00:57,490 (明智光安) わしも 気にはなっておりました。 11 00:00:57,490 --> 00:01:00,960 近江の様子はどうじゃと聞いても 何も申しませぬ。 12 00:01:00,960 --> 00:01:05,570 今川と織田の和睦を進める使者が 公方様のご命令で➡ 13 00:01:05,570 --> 00:01:10,440 近江を発ったと しゃべったのはそれだけで。 14 00:01:10,440 --> 00:01:16,580 私には それすら申しませぬ。 (ため息) 15 00:01:16,580 --> 00:01:22,450 やはり こういう時 十兵衛に嫁がおらぬというのは➡ 16 00:01:22,450 --> 00:01:26,250 何かと不都合でございますな。 17 00:01:26,250 --> 00:01:28,250 は? 18 00:01:33,930 --> 00:01:39,800 (光安)母親に申せぬことも 嫁には漏らすということもございます。➡ 19 00:01:39,800 --> 00:01:44,570 案外 そういうことが大事でござってな。 20 00:01:44,570 --> 00:01:48,940 そのようなものでございましょうか。 いや… ま…➡ 21 00:01:48,940 --> 00:01:54,640 その限りではないにせよ… のう。 22 00:01:56,280 --> 00:01:59,620 (明智左馬助) 父上 お呼びでござりますか? 23 00:01:59,620 --> 00:02:04,230 うむ。 (左馬助)伯母上 おいででござりましたか。 24 00:02:04,230 --> 00:02:06,890 (光安)そなた 明日 伝吾たちを連れ➡ 25 00:02:06,890 --> 00:02:10,570 鷹狩りに行くと申していたな。 はい。 26 00:02:10,570 --> 00:02:13,900 (光安)十兵衛も 誘ってみたらどうじゃ。 27 00:02:13,900 --> 00:02:16,800 あ… はあ。 28 00:02:16,800 --> 00:02:20,780 ああ… このところ 館に引きこもってばっかりなので➡ 29 00:02:20,780 --> 00:02:23,580 そうしてもらえると助かります。 30 00:02:23,580 --> 00:02:25,510 承知いたしました。 31 00:02:25,510 --> 00:02:32,590 妻木の方にでも 足を運んでみたらどうじゃ。 32 00:02:32,590 --> 00:02:35,490 妻木? (左馬助)はあ…? 33 00:02:35,490 --> 00:02:39,260 妻木で鷹狩りはよいかもしれぬぞ。 34 00:02:39,260 --> 00:02:43,130 ああ… 妻木。 35 00:02:43,130 --> 00:02:47,600 (笑い声) 36 00:02:47,600 --> 00:02:49,540 (光安)のう。 37 00:02:49,540 --> 00:05:30,540 ♬~ 38 00:05:46,250 --> 00:05:54,950 十兵衛。 麒麟がくる道は遠いのう。 39 00:05:57,590 --> 00:06:01,460 (熙子)ここで何をしておいでです? 40 00:06:01,460 --> 00:06:04,200 (明智十兵衛光秀)熙子殿。 41 00:06:04,200 --> 00:06:10,070 このような所で… 鷹狩りですか? 42 00:06:10,070 --> 00:06:17,750 鷹狩りに… この近くまで 皆と一緒に来たのですが…➡ 43 00:06:17,750 --> 00:06:24,220 はぐれてしまい あちこち走り回って ようやくここに。 44 00:06:24,220 --> 00:06:27,560 面目ない次第です。 45 00:06:27,560 --> 00:06:32,230 それは困りましたね。 46 00:06:32,230 --> 00:06:42,870 久しぶりに野に出て 空を見ると 晴れていて 見事に澄んでいた。 47 00:06:42,870 --> 00:06:46,570 気持ちがよいので のんびり馬を走らせているうちに➡ 48 00:06:46,570 --> 00:06:50,570 皆と離れてしまった。 49 00:06:52,450 --> 00:06:57,220 でも まあ よいのです。 50 00:06:57,220 --> 00:07:04,860 本当に… 澄んで… 静かな音がします。 51 00:07:04,860 --> 00:07:12,860 静かな音? 耳を澄ますと 空は音がします。 52 00:07:16,470 --> 00:07:19,410 へえ…。 53 00:07:19,410 --> 00:07:24,210 道中 風が冷たくありませんでしたか? 54 00:07:24,210 --> 00:07:26,510 少し。 55 00:07:31,890 --> 00:07:34,790 囲炉裏で温めた石です。 56 00:07:34,790 --> 00:07:40,230 皆で習い事をしていると 部屋が寒くて これを懐に入れておくと➡ 57 00:07:40,230 --> 00:07:44,230 少し寒さが しのげます。 58 00:07:47,100 --> 00:07:53,240 ああ… 温かい! 59 00:07:53,240 --> 00:07:56,240 (熙子)よかった。 60 00:08:01,520 --> 00:08:06,520 (熙子)館へお寄り下さい。 父が喜ぶと思います。 61 00:08:08,190 --> 00:08:12,890 いえ 今日は帰ります。 62 00:08:17,200 --> 00:08:20,870 では これにて。 63 00:08:20,870 --> 00:08:32,880 ♬~ 64 00:08:32,880 --> 00:08:36,220 お見送りいたします。 65 00:08:36,220 --> 00:09:04,380 ♬~ 66 00:09:04,380 --> 00:09:07,080 熙子殿。 67 00:09:09,850 --> 00:09:12,150 (熙子)はい。 68 00:09:15,720 --> 00:09:21,020 この十兵衛の嫁になりませぬか。 69 00:09:24,200 --> 00:09:33,870 共に幼い頃 大きくなったら お嫁においでと 私は申した。 70 00:09:33,870 --> 00:09:39,550 熙子殿も そのことを覚えておられた。 71 00:09:39,550 --> 00:09:43,250 私も覚えていました。 72 00:09:47,890 --> 00:09:54,890 今日 ここへ 皆とはぐれるべくして はぐれてきたような気もします。 73 00:10:00,230 --> 00:10:06,230 返答は急がぬゆえ お考え頂きたい。 74 00:10:15,780 --> 00:10:21,920 尾張と三河の国境で戦っていた 織田信秀と今川義元は➡ 75 00:10:21,920 --> 00:10:27,600 足利義輝の仲立ちもあり 和議を結んだ。 76 00:10:27,600 --> 00:10:32,470 その結果 今川方は 劣勢だった織田信秀から➡ 77 00:10:32,470 --> 00:10:37,170 尾張に接した重要な拠点を手に入れた。 78 00:10:39,210 --> 00:10:45,950 病深まる織田信秀の先行きは いよいよ危ういものとなった。 79 00:10:45,950 --> 00:10:54,290 (うめき声) 80 00:10:54,290 --> 00:10:57,630 (織田信秀)皆に 申しておく。 81 00:10:57,630 --> 00:11:04,430 信長 信勝 よく聞け。 82 00:11:04,430 --> 00:11:13,570 わしに万が一のことがあった時 この末盛城は➡ 83 00:11:13,570 --> 00:11:17,270 信勝に与える。 84 00:11:25,190 --> 00:11:27,120 (信秀)佐久間➡ 85 00:11:27,120 --> 00:11:33,120 信勝を支え この城をよろしう頼む。 86 00:11:35,260 --> 00:11:38,170 (佐久間盛重)ははっ! 87 00:11:38,170 --> 00:11:41,940 信長。 88 00:11:41,940 --> 00:11:49,810 そなたには これまでどおり 那古野城を任せる。➡ 89 00:11:49,810 --> 00:11:56,510 引き続き 平手と共に力を尽くせ。 90 00:11:58,290 --> 00:12:03,290 (織田信長)那古野城で どう 力を尽くせと仰せですか? 91 00:12:09,900 --> 00:12:15,570 この末盛城ならば 三河に近く 今川をも にらみ据えた城であり➡ 92 00:12:15,570 --> 00:12:19,440 力の尽くしがいがござります。 しかし 那古野城は➡ 93 00:12:19,440 --> 00:12:23,240 北の清須城に近いというだけで もはや主軸の城とは言い難い! 94 00:12:23,240 --> 00:12:28,920 (信秀)黙れ! 清須には尾張の守護 斯波様がおわすのじゃ。 95 00:12:28,920 --> 00:12:34,590 そこに一番近い那古野城こそ 我が家の要ぞ! 96 00:12:34,590 --> 00:12:38,890 では何故 父上は那古野城を出られた? 97 00:12:40,460 --> 00:12:43,930 何故 この末盛城におられるのじゃ! 98 00:12:43,930 --> 00:12:52,630 そなたに家督を譲ろうと思うたゆえ 大事な城を譲ったのじゃ! 99 00:12:57,280 --> 00:13:00,950 納得できませぬ…! 100 00:13:00,950 --> 00:13:08,250 ならば出ていけ。 話はここまでじゃ! 101 00:13:15,230 --> 00:13:19,230 (平手政秀)若殿! (信秀)捨ておけ! 102 00:13:37,920 --> 00:13:43,620 (帰蝶)殿 義父上様のお話 いかがでござりました? 103 00:13:51,270 --> 00:13:57,940 父上は この城を信勝に与えるそうじゃ。 104 00:13:57,940 --> 00:14:08,880 家老の佐久間盛重も お気に入りの 柴田勝家も 皆 信勝につけるという。 105 00:14:08,880 --> 00:14:13,880 大事なものは 全て信勝のものじゃ。 106 00:14:16,560 --> 00:14:19,890 (帰蝶)それは奇妙でございますね。 107 00:14:19,890 --> 00:14:25,570 義父上様は 家督を信長様に お譲りになるおつもりでございましょう? 108 00:14:25,570 --> 00:14:30,240 ならば 大事なものは 殿にお与えなさるべきじゃ。 109 00:14:30,240 --> 00:14:34,580 こは 母上の企みぞ。 110 00:14:34,580 --> 00:14:42,920 いずれ家督も わしではなく 信勝に継がせようという魂胆であろう。 111 00:14:42,920 --> 00:14:50,260 父上が病で気弱になっておられるのに つけ込んでのやり口じゃ! 112 00:14:50,260 --> 00:14:56,600 あの剛毅な義父上様が… 義母上様にさほどに甘いとは…。 113 00:14:56,600 --> 00:15:04,200 甘い… 甘い 甘い 甘い 甘い! 114 00:15:04,200 --> 00:15:14,210 2年前 松平広忠の首を取ったのも こたび 今川との和議を平手にやらせたのも➡ 115 00:15:14,210 --> 00:15:22,090 皆 父上が お喜びになると思うてやったのじゃ。 116 00:15:22,090 --> 00:15:27,560 それを何一つお褒めにならぬ。 117 00:15:27,560 --> 00:15:33,900 ただただ お叱りになるのじゃ。 118 00:15:33,900 --> 00:15:37,770 たわけと仰せられるのじゃ。 119 00:15:37,770 --> 00:15:43,470 何故か分かるか? 120 00:15:46,480 --> 00:15:52,480 母上が不服を唱えられたからじゃ。 121 00:15:55,190 --> 00:16:00,590 父上は母上の言いなりじゃ! 122 00:16:00,590 --> 00:16:09,870 (泣き声) 123 00:16:09,870 --> 00:16:40,570 ♬~ 124 00:16:40,570 --> 00:16:45,440 (土田御前) 帰蝶殿 信長に言うてやって下され。 125 00:16:45,440 --> 00:16:53,580 お帰りの折は お父上に きちんとご挨拶においでなされと。 126 00:16:53,580 --> 00:16:56,280 はい。 127 00:17:01,390 --> 00:17:08,530 そうじゃ。 そなた 京の医師 望月東庵殿を存じておろう。 128 00:17:08,530 --> 00:17:13,400 はい。 美濃の母が 何かとお世話頂きました。 129 00:17:13,400 --> 00:17:18,210 (御前)我が殿が 急ぎ ここへ呼べと仰せられるのじゃ。 130 00:17:18,210 --> 00:17:20,540 東庵殿を!? 131 00:17:20,540 --> 00:17:25,880 医者なら 尾張にも あまたいるでは ありませぬかと申し上げると➡ 132 00:17:25,880 --> 00:17:29,220 双六がしたいと仰せられるのじゃ。 133 00:17:29,220 --> 00:17:34,090 あのお体で… 双六を。➡ 134 00:17:34,090 --> 00:17:39,790 もし そなたに 急ぎ呼び寄せる手だてがあるならと…。 135 00:17:42,760 --> 00:17:49,760 無理であろうな。 無理じゃ 無理じゃ。 136 00:18:03,080 --> 00:18:08,080 御前様が そなたをお呼びじゃ。 (侍女)はい。 137 00:18:11,530 --> 00:18:34,210 ♬~ 138 00:18:34,210 --> 00:18:39,510 大殿… 義父上様…。 139 00:18:44,220 --> 00:18:47,130 (帰蝶)帰蝶にござります。➡ 140 00:18:47,130 --> 00:18:52,570 かような折 恐れ多く 身の縮む思いがいたしますが➡ 141 00:18:52,570 --> 00:18:58,270 何としても お伺いしたき儀があり 参りました。 お許し下さい! 142 00:18:59,910 --> 00:19:04,180 義父上様の胸の内を お聞かせ願いたいのです。 143 00:19:04,180 --> 00:19:10,520 この織田家を継ぐのは どちらのお子が ふさわしいとお思いでしょうか。 144 00:19:10,520 --> 00:19:17,220 信長様と信勝様のどちらでございますか? 145 00:19:20,530 --> 00:19:26,200 お教え下さい。 お教え下されば 東庵先生を京から呼んでさしあげます。 146 00:19:26,200 --> 00:19:30,900 誰よりも早くお呼びいたします。 ですから どうか…! 147 00:19:37,810 --> 00:19:47,220 お願いでございます。 私は 尾張に 命を預けに参った女子でございます。 148 00:19:47,220 --> 00:19:53,090 預けるお方がいかなるお方か 何としても知りとうございます。 149 00:19:53,090 --> 00:19:58,830 義父上様にとって 信長様がどれほどのお方か➡ 150 00:19:58,830 --> 00:20:01,770 お教え願いとうございます。 151 00:20:01,770 --> 00:20:06,470 どうか! どうか! 152 00:20:14,450 --> 00:20:18,150 信長は…。 153 00:20:35,270 --> 00:20:49,820 帰蝶… 信長をよろしう頼むぞ…。 154 00:20:49,820 --> 00:22:05,560 ♬~ 155 00:22:05,560 --> 00:22:09,430 どこへ 行っておった? 156 00:22:09,430 --> 00:22:13,430 義父上様の所へ。 157 00:22:13,430 --> 00:22:20,910 父上は… 何か仰せであったか? 158 00:22:20,910 --> 00:22:24,210 お聞きになりたいですか? 159 00:22:26,780 --> 00:22:29,580 やめておこう。 聞くまい。 160 00:22:29,580 --> 00:22:32,490 義父上様は こう仰せられました。 161 00:22:32,490 --> 00:22:44,490 信長は わしの若い頃にうり二つじゃ。 まるで 己を見ているようじゃと。 162 00:22:47,930 --> 00:23:01,630 よいところも 悪いところも…。 それゆえ かわいいと… そう伝えよと…。 163 00:23:12,890 --> 00:23:16,890 最後に こう仰せられました。 164 00:23:19,230 --> 00:23:25,110 尾張を任せる… 強くなれと。 165 00:23:25,110 --> 00:23:46,410 ♬~ 166 00:24:11,890 --> 00:24:14,790 (帰蝶)京の東庵先生を呼ばねばならぬ。➡ 167 00:24:14,790 --> 00:24:18,560 急ぎ 京に使いを出すのじゃ! (侍女)はっ。 168 00:24:18,560 --> 00:24:21,860 急いでくれ! その者をこちらへ! 169 00:24:30,900 --> 00:24:34,570 (若い医師)この2人は 薬湯で洗え! その後 阿仙薬をつける。 よいな! 170 00:24:34,570 --> 00:24:36,910 はっ! 添え木は まだあるか? 171 00:24:36,910 --> 00:24:38,910 (駒)はい! 172 00:24:41,580 --> 00:24:45,250 (駒)太夫! (伊呂波太夫)これは… 大変だね! 173 00:24:45,250 --> 00:24:48,920 (駒)丹波から三好様の敵が入ってきて 戦があったそうなのです。 174 00:24:48,920 --> 00:24:51,260 (太夫)聞いた。 (駒)町衆が巻き添えになって➡ 175 00:24:51,260 --> 00:24:54,160 子どもや年寄りたちが…。 東庵先生は? 176 00:24:54,160 --> 00:24:58,130 (駒)薬代を稼いでくると申されて 九条様のお屋敷へ。 177 00:24:58,130 --> 00:25:02,200 薬代? 九条様へ? (駒)先生は 戦で ひどい目に遭った人から➡ 178 00:25:02,200 --> 00:25:05,100 お代は頂かないのです。 でも 手伝って下さる先生に➡ 179 00:25:05,100 --> 00:25:08,880 お礼をしなくてはならないし 薬も ただでは手に入らないし…➡ 180 00:25:08,880 --> 00:25:11,780 お金が要るので。 はあ~➡ 181 00:25:11,780 --> 00:25:16,220 それで 九条家で闘鶏を…。 え? 182 00:25:16,220 --> 00:25:19,120 あっ 先生 お帰りなさいませ。 183 00:25:19,120 --> 00:25:21,420 (駒)先生! 184 00:25:43,240 --> 00:25:47,580 (望月東庵)勝つ自信はあったのじゃ。➡ 185 00:25:47,580 --> 00:25:56,590 連戦連勝のあの鶏が… まさか あの若鶏に負けるとは…。 186 00:25:56,590 --> 00:25:58,530 (鳴き声) 187 00:25:58,530 --> 00:26:02,200 (老公卿)東庵 そなたの負けじゃ。 188 00:26:02,200 --> 00:26:04,130 (鶏の鳴き声) 189 00:26:04,130 --> 00:26:06,530 (駒)いくら負けたのですか? 190 00:26:06,530 --> 00:26:09,200 40貫。 191 00:26:09,200 --> 00:26:12,870 40貫も!? (ため息) 192 00:26:12,870 --> 00:26:19,210 太夫 頼む。 2貫ばかり貸してもらえぬか。 193 00:26:19,210 --> 00:26:25,550 明日までに 40貫払わねば 家を丸ごと形に取ると言われたのだ。 194 00:26:25,550 --> 00:26:28,890 せめて… せめて あと半分でも取り返したい! 195 00:26:28,890 --> 00:26:32,760 やめて下さい! 人が当てにならぬというのに➡ 196 00:26:32,760 --> 00:26:36,760 鶏が当てになりますか! 賭け事は もうやらぬと➡ 197 00:26:36,760 --> 00:26:41,900 おっしゃったじゃありませんか! 薬代はどうする。 198 00:26:41,900 --> 00:26:48,580 あのけが人たちから 療治代をむしり取れと申すのか? 199 00:26:48,580 --> 00:26:53,280 そんなことはできぬぞ! 200 00:26:56,250 --> 00:27:01,850 これをお読み下さい。 先ほど 尾張から早馬で届いたのです。 201 00:27:01,850 --> 00:27:06,730 帰蝶様から 先生にと…。 帰蝶様? 202 00:27:06,730 --> 00:27:11,030 へえ~ 尾張から…。 203 00:27:15,200 --> 00:27:17,900 ん? 204 00:27:20,870 --> 00:27:23,570 (東庵)うん…。 205 00:27:25,550 --> 00:27:33,890 (東庵)はっ… 織田信秀様が わしと双六を…! 206 00:27:33,890 --> 00:27:37,560 使者の方も そのように仰せでした。 207 00:27:37,560 --> 00:27:45,230 (東庵)尾張へご来駕あれば 謝礼は望みのまま…。➡ 208 00:27:45,230 --> 00:27:48,900 望みのまま…。➡ 209 00:27:48,900 --> 00:27:54,570 行くしかないか。 ここは若い者に任せて。 210 00:27:54,570 --> 00:27:56,910 でも 明日までに 40貫払わなければ…。 211 00:27:56,910 --> 00:27:59,810 (太夫)それは何とでも。 212 00:27:59,810 --> 00:28:04,720 私が肩代わりいたしましょう。➡ 213 00:28:04,720 --> 00:28:08,860 ただし お願いがあるのです。 214 00:28:08,860 --> 00:28:12,530 今日 来たのは そのことで…。 (東庵)ん? 215 00:28:12,530 --> 00:28:17,400 尾張へ行かれるのなら ちょうどよろしうございます。 216 00:28:17,400 --> 00:28:22,540 そのあと 足をのばして 駿河の国まで行って頂けませぬか? 217 00:28:22,540 --> 00:28:24,470 (東庵)駿河? 218 00:28:24,470 --> 00:28:30,880 駿河に 友野二郎兵衛と申される 国一番の豪商がおいでなのです。 219 00:28:30,880 --> 00:28:35,750 ほう。 その方のお子が病弱で➡ 220 00:28:35,750 --> 00:28:40,890 是非 京から名医をお呼びしたいと 頼まれたのです。 221 00:28:40,890 --> 00:28:47,560 それがかなえば 謝礼は 百貫出してもいいと仰せなのです。➡ 222 00:28:47,560 --> 00:28:54,900 もし 先生がよろしければ 早速 段取りいたしますが…。 223 00:28:54,900 --> 00:28:58,600 百貫…! 224 00:29:01,510 --> 00:29:07,210 (東庵)こりゃ また豪気なお方じゃ。 225 00:29:09,180 --> 00:29:12,090 どう思う? 226 00:29:12,090 --> 00:29:18,190 もし 先生がお行きになるのでしたら 私も…。 227 00:29:18,190 --> 00:29:20,860 (東庵)行くか? 228 00:29:20,860 --> 00:29:25,200 途中 美濃に寄って 確かめてみたいことがあります。 229 00:29:25,200 --> 00:29:30,200 それをお許し下されば…。 明智家のお侍のことでしょ。 230 00:29:31,870 --> 00:29:36,740 子どもの頃 私を助けて下さったのが 明智家のどなただったのか➡ 231 00:29:36,740 --> 00:29:39,740 知っておきたいのです。 232 00:29:46,420 --> 00:29:51,220 (近習)殿 土岐頼芸様よりの 頂き物でござります。 233 00:29:51,220 --> 00:29:54,560 (鷹の鳴き声) 234 00:29:54,560 --> 00:30:01,900 (斎藤山城守利政)おお 来たか。 それが お館様ご自慢の鷹じゃな。 235 00:30:01,900 --> 00:30:08,200 (近習)土岐様がこれまで誰にも触らせずに お育てになった鷹とのことでございます。 236 00:30:12,250 --> 00:30:17,120 (利政)見事じゃの。 以前より噂には聞いていたが➡ 237 00:30:17,120 --> 00:30:20,590 よくぞ 手放すお気持ちになられたものじゃ。 238 00:30:20,590 --> 00:30:22,890 (近習)これへ。 239 00:30:26,930 --> 00:30:30,230 おお…。 240 00:30:32,800 --> 00:30:39,510 (鳴き声) 241 00:30:39,510 --> 00:30:41,510 (近習)あっ! 242 00:30:53,150 --> 00:30:57,290 ううっ…! (せきこみ) 243 00:30:57,290 --> 00:30:59,630 (利政)いかがした? 244 00:30:59,630 --> 00:31:03,930 (うめき声) 245 00:31:11,570 --> 00:31:14,270 その方…。 246 00:31:15,910 --> 00:31:18,210 殺すな! 247 00:31:26,920 --> 00:31:30,590 (鷹の鳴き声) 248 00:31:30,590 --> 00:31:37,890 土岐頼芸様… このわしを…。 249 00:31:43,600 --> 00:31:46,600 このわしを…。 250 00:31:48,940 --> 00:31:52,240 このわしを! 251 00:32:00,950 --> 00:32:07,560 いや~ めでたい めでたい! ハハハッ!➡ 252 00:32:07,560 --> 00:32:13,230 熙子殿の父上とは お会いする度に 他人とは思えぬと➡ 253 00:32:13,230 --> 00:32:15,570 話し合うていたのじゃ。➡ 254 00:32:15,570 --> 00:32:22,910 ついにお身内になるわけじゃ。 いや~ うれしいのう 牧殿! 255 00:32:22,910 --> 00:32:26,780 (牧)光安殿 まことに ありがとうござります。 256 00:32:26,780 --> 00:32:30,250 夫 光綱亡きあと➡ 257 00:32:30,250 --> 00:32:37,920 光安殿には まことに 父親のように 私どものことを見守って頂き➡ 258 00:32:37,920 --> 00:32:43,260 今日 こうして 十兵衛が立派に巣立ってまいります。➡ 259 00:32:43,260 --> 00:32:46,600 お礼の言葉とてござりませぬ。 260 00:32:46,600 --> 00:32:50,270 母上 別に巣立つわけではありませぬ。 261 00:32:50,270 --> 00:32:54,140 熙子殿が 我がもとへ 嫁入りしてくれたというだけで…。 262 00:32:54,140 --> 00:32:57,610 のう 熙子殿。 はい。 263 00:32:57,610 --> 00:33:01,280 巣立ってまいったのは 私の方でございます。➡ 264 00:33:01,280 --> 00:33:07,090 以後 よろしくお導き下さりますよう お願い申し上げます。 265 00:33:07,090 --> 00:33:10,090 よう参られた。 266 00:33:10,090 --> 00:33:16,560 亡き兄上に代わり このとおり 礼を申し上げる! 267 00:33:16,560 --> 00:33:21,230 (すすり泣き) 光安殿…。 268 00:33:21,230 --> 00:33:25,530 母上。 叔父上も…。 269 00:33:27,110 --> 00:33:30,240 父上! 270 00:33:30,240 --> 00:33:33,150 (光安)何事じゃ! 271 00:33:33,150 --> 00:33:37,120 稲葉山城より 直ちに登城するよう 狼煙が上がっております。 272 00:33:37,120 --> 00:33:39,420 (光安)何!? 273 00:33:45,590 --> 00:33:50,930 叔父上。 うむ そなたも参れ。 急ごう。 274 00:33:50,930 --> 00:33:53,600 はっ。 (光安)左馬助。 (左馬助)はっ。 275 00:33:53,600 --> 00:33:58,940 母上 熙子殿 館へお戻りなされ。 わしは登城の用意を。 276 00:33:58,940 --> 00:34:00,940 はい。 277 00:34:09,550 --> 00:34:13,420 見よ。 278 00:34:13,420 --> 00:34:17,420 鷹の爪に塗られた毒が➡ 279 00:34:17,420 --> 00:34:23,900 わしの身代わりとなった この若者の血を凍らせてしもうた!➡ 280 00:34:23,900 --> 00:34:27,600 誰の仕業と思う。 281 00:34:29,240 --> 00:34:34,240 鷹は あの鷺山から贈られてきた。 282 00:34:35,910 --> 00:34:42,250 この国の守護であり わしが神仏のごとく敬うてきた➡ 283 00:34:42,250 --> 00:34:48,120 土岐頼芸様から贈られてきたのじゃ。➡ 284 00:34:48,120 --> 00:34:53,590 まことに恐ろしき話じゃ!➡ 285 00:34:53,590 --> 00:34:57,460 何故 わしが殺されなければならぬのだ? 286 00:34:57,460 --> 00:35:03,870 わしは この美濃のために 命を懸けて働いてきたのじゃ。 287 00:35:03,870 --> 00:35:09,210 土岐の内輪もめを収め そなたたち国衆の領地が➡ 288 00:35:09,210 --> 00:35:13,550 他国に荒らされぬよう戦い 年貢は低く抑え➡ 289 00:35:13,550 --> 00:35:21,220 鳥羽川の水を引いて 八代や土居の 荒れ地を豊かな土地に変えた。 290 00:35:21,220 --> 00:35:26,560 そのわしが 何故 殺されなければならぬのだ? 291 00:35:26,560 --> 00:35:32,900 稲葉良通 答えよ! 292 00:35:32,900 --> 00:35:35,800 何故じゃ? 293 00:35:35,800 --> 00:35:38,800 長井秀元。 294 00:35:41,910 --> 00:35:43,840 答えよ! 295 00:35:43,840 --> 00:35:49,250 見よ! この哀れな姿を。 296 00:35:49,250 --> 00:35:55,920 わしは許さぬ。 わしの家臣に手をかけた 土岐様を もはや守護とは思わぬ。➡ 297 00:35:55,920 --> 00:35:58,820 ただの鷹好きのたわけじゃ。➡ 298 00:35:58,820 --> 00:36:04,820 さような者を この美濃に 遊ばせておくわけにはいかぬ。 299 00:36:08,200 --> 00:36:11,900 土岐様と一戦交えるまでじゃ。 300 00:36:14,540 --> 00:36:22,210 その若侍の死が無駄になるか ならぬかは その方たちの肩にかかっておる。➡ 301 00:36:22,210 --> 00:36:29,510 土岐様を敵と見なすことに異論のある者は 今 この場から立ち去れ! 302 00:36:31,220 --> 00:36:33,920 立ち去れ! 303 00:36:49,580 --> 00:36:52,480 (利政)では よいな。 304 00:36:52,480 --> 00:36:57,250 皆 心は一つじゃな? 305 00:36:57,250 --> 00:37:05,860 今日から 鷺山に近づく者は 裏切り者として成敗いたす。 306 00:37:05,860 --> 00:37:10,730 いずれ 戦になるやもしれぬ。 307 00:37:10,730 --> 00:37:15,530 おのおの覚悟せよ! 308 00:37:15,530 --> 00:37:46,230 ♬~ 309 00:37:46,230 --> 00:37:52,570 (斎藤高政)わしは 土岐様を守る。 父上と戦う。➡ 310 00:37:52,570 --> 00:37:58,270 わしが立てば 稲葉たちも従うと申しておる。 311 00:38:02,850 --> 00:38:05,550 (高政)一緒にやろう。 312 00:38:08,190 --> 00:38:12,190 (高政)共に父上を倒すのじゃ! 313 00:38:32,880 --> 00:38:36,220 よう来たな 駒!➡ 314 00:38:36,220 --> 00:38:40,090 待ちかねておったのじゃ! お呼び頂き ありがとうございました。 315 00:38:40,090 --> 00:38:44,560 飛んでまいりました。 (帰蝶)変わらぬのう。 316 00:38:44,560 --> 00:38:48,890 帰蝶様も。 相変わらず バタバタと生きておる。 317 00:38:48,890 --> 00:38:52,770 それは同じでございます。 東庵先生は? 318 00:38:52,770 --> 00:38:56,770 末盛城へまっすぐ向かわれました。 そうか。 319 00:38:56,770 --> 00:39:01,840 先ほど 末盛城の使いが参り 今朝 大殿様はご自分で起き上がられて➡ 320 00:39:01,840 --> 00:39:05,510 かゆを所望されたという。 間に合うたな! 321 00:39:05,510 --> 00:39:10,850 それは よろしうございました。 そなたとは 積もる話があるのじゃ。 322 00:39:10,850 --> 00:39:14,520 しばらくは ここにいよ。 ありがとうございます。 323 00:39:14,520 --> 00:39:18,190 ただ 東庵先生のお許しがあり次第 美濃へ参って➡ 324 00:39:18,190 --> 00:39:22,860 明智のお城にも行ってみようかと。 おお それはよい。 325 00:39:22,860 --> 00:39:28,530 よいが… 十兵衛が 嫁をもろうたという話は聞いておるか? 326 00:39:28,530 --> 00:39:31,440 十兵衛様が? 327 00:39:31,440 --> 00:39:33,740 (帰蝶)急な話じゃ。 328 00:39:38,540 --> 00:39:45,540 (帰蝶)噂では… 色白の… よい嫁御という。 329 00:39:47,220 --> 00:39:53,220 (帰蝶)十兵衛が参ったら チクチクいじめてやろうかと思うておる。 330 00:39:59,230 --> 00:40:03,100 それは よろしうございました。 331 00:40:03,100 --> 00:40:11,240 私の嫁入りを喜んでくれた母上は 去年 お隠れになってしもうた。 332 00:40:11,240 --> 00:40:17,940 動かぬようで… 時は流れておるのじゃな。 333 00:40:27,790 --> 00:40:32,530 (御前)東庵殿がおいでと申し上げたら にっこりとお笑いになり➡ 334 00:40:32,530 --> 00:40:38,470 よし 双六の盤を出せと…。 はっ さようでございますか。 335 00:40:38,470 --> 00:40:42,940 これまで 何度 対戦をいたしましたか…。 ハハッ。 336 00:40:42,940 --> 00:40:46,610 まことに よきお相手でございますゆえ。 337 00:40:46,610 --> 00:40:50,480 さぞ お喜びでございましょう。 338 00:40:50,480 --> 00:40:54,480 私は 後ほど…。 はは…。 339 00:41:10,240 --> 00:41:17,910 信秀様 お久しうございます。 340 00:41:17,910 --> 00:41:23,250 双六の東庵 ハハハッ…➡ 341 00:41:23,250 --> 00:41:29,550 ただいま参上つかまつりました。 342 00:41:32,590 --> 00:41:42,270 (鳥の鳴き声) 343 00:41:42,270 --> 00:41:59,820 ♬~ 344 00:41:59,820 --> 00:42:09,520 一足先に お上がりになったか。 345 00:42:11,230 --> 00:42:20,530 天文21年3月 織田信秀は その生涯を閉じた。 346 00:42:31,550 --> 00:42:34,450 何故 土岐様と戦われるのかと。 347 00:42:34,450 --> 00:42:38,460 穏やかに この美濃を出ていって頂く。 348 00:42:38,460 --> 00:42:40,590 あああ~っ! 349 00:42:40,590 --> 00:42:43,930 字が読めぬと 出世できぬと言われてな。 ハハハハハッ! 350 00:42:43,930 --> 00:42:46,270 謝るのじゃ! 高政! 351 00:42:46,270 --> 00:42:50,140 美濃の親父殿が わしと対面したい? 352 00:42:50,140 --> 00:42:52,940 信長を殺さぬかと…。 353 00:42:52,940 --> 00:42:56,640 これは 父上と私の戦じゃ。 354 00:43:04,480 --> 00:43:07,450 愛知県名古屋市。 355 00:43:07,450 --> 00:43:16,450 末盛城は 織田信秀が 三河からの進攻に 備えて築城した 平山城です。 356 00:43:18,130 --> 00:43:25,130 信秀は 古渡城からこの城に移り 居城としました。 357 00:43:26,810 --> 00:43:35,510 城跡の周りに巡らされた 深い堀跡が 当時の名残をとどめています。 358 00:43:38,280 --> 00:43:41,190 織田家の一分家でありながら➡ 359 00:43:41,190 --> 00:43:46,960 本家をしのぐほど 勢力を拡大していった信秀。 360 00:43:46,960 --> 00:43:53,960 しかし 志半ばにして 末盛城で亡くなりました。 361 00:43:55,630 --> 00:44:01,630 万松寺は 信秀が創建した 織田家の菩提寺です。 362 00:44:03,240 --> 00:44:11,240 信長が喪主となり 万松寺で信秀の葬儀が執り行われました。 363 00:44:14,250 --> 00:44:19,930 家督を継いだ信長は 父 信秀の遺志を受け継ぎ➡ 364 00:44:19,930 --> 00:44:24,930 更なる高みを 目指していくこととなるのです。 365 00:45:03,500 --> 00:45:08,240 幕府転覆の血判状 鳴門秘帖探索の密命を帯び➡ 366 00:45:08,240 --> 00:45:11,140 江戸を発った 法月弦之丞。➡ 367 00:45:11,140 --> 00:45:13,580 中山道 妻籠宿で➡ 368 00:45:13,580 --> 00:45:15,910 天下の奇人 平賀源内に➡ 369 00:45:15,910 --> 00:45:19,250 鳴門秘帖の件は 藍玉造りを巡る➡ 370 00:45:19,250 --> 00:45:23,590 幕府と阿波の金がらみの対立が もとであり➡ 371 00:45:23,590 --> 00:45:26,260 全ては茶番だといわれる。➡ 372 00:45:26,260 --> 00:45:29,160 そんな弦之丞を 江戸から追ってきた➡