1 00:00:03,180 --> 00:00:07,120 (織田信長)信勝… これを飲め。 2 00:00:07,120 --> 00:00:10,920 (織田信勝)申し訳ございませぬ。 3 00:00:10,920 --> 00:00:14,220 飲め。 4 00:00:20,260 --> 00:00:22,560 飲め。 5 00:00:24,130 --> 00:00:27,130 お前が飲め! 6 00:00:32,840 --> 00:00:50,840 (泣き声) 7 00:01:03,810 --> 00:01:08,810 (土田御前)ううう…! 8 00:01:28,130 --> 00:01:34,430 母上… 申し訳ございませぬ…。 9 00:01:37,610 --> 00:01:41,480 満足ですか? 10 00:01:41,480 --> 00:01:49,180 弟を手にかけ 尾張を手中に収めた…。 11 00:01:50,950 --> 00:02:02,650 そなたはむごい… 私はこの先 何をよすがに生きていけばよいのか…。 12 00:02:04,230 --> 00:02:07,140 それほどお嫌ですか? 13 00:02:07,140 --> 00:02:14,840 私も母上の子です。 14 00:02:16,580 --> 00:02:25,920 されど 幼き頃より 遠ざけられました…。 15 00:02:25,920 --> 00:02:33,220 母上を喜ばそうと すればするほど 遠ざけられた…。 16 00:02:38,270 --> 00:02:46,140 そなたは いつも私の大切なものをこわす…。➡ 17 00:02:46,140 --> 00:02:53,280 私が大切に育てた小鳥を死なせ 茶器を割り…➡ 18 00:02:53,280 --> 00:03:02,890 幼き頃より そなたはいつも 物をこわし 私を傷つけた…。 19 00:03:02,890 --> 00:03:09,770 そなたがそばにいるだけで 私の心は穏やかではなかった…。 20 00:03:09,770 --> 00:03:18,770 それを癒やしてくれたのが 信勝であった…。 21 00:03:21,580 --> 00:03:26,450 そなたはまた 私の大切なものをこわしたのじゃ! 22 00:03:26,450 --> 00:03:29,750 私の大切なものを…! 23 00:03:35,120 --> 00:03:43,600 (御前) そなたは弟を殺しただけではない。➡ 24 00:03:43,600 --> 00:03:49,940 この母も殺したのです…。 25 00:03:49,940 --> 00:04:10,230 (泣き声) 26 00:04:10,230 --> 00:04:30,930 ♬~ 27 00:04:47,930 --> 00:04:51,270 終わった…。 28 00:04:51,270 --> 00:04:59,270 わしは父も 弟も…。 29 00:05:02,550 --> 00:05:07,250 母も失った…。 30 00:05:13,560 --> 00:07:55,260 ♬~ 31 00:07:59,590 --> 00:08:03,190 斎藤道三の死から2年がたった。 32 00:08:03,190 --> 00:08:08,860 この年 近江 朽木に戦火を逃れていた 将軍 足利義輝は➡ 33 00:08:08,860 --> 00:08:14,160 三好長慶と和睦し 5年ぶりに京へ戻った。 34 00:08:21,440 --> 00:08:27,220 (三好長慶)これなるは 心ばかりの品にございまする。 35 00:08:27,220 --> 00:08:50,240 ♬~ 36 00:08:50,240 --> 00:08:55,580 京は上様あってこその京なれば➡ 37 00:08:55,580 --> 00:08:59,450 首を長うして お待ち申し上げておりました。 38 00:08:59,450 --> 00:09:04,450 どうぞ ごゆるりとお過ごし下さいませ。 39 00:09:07,190 --> 00:09:09,890 (足利義輝)うむ…。 40 00:09:22,740 --> 00:09:30,410 「子曰わく 人の己を知らざるを憂えず」…。 41 00:09:30,410 --> 00:09:36,710 光秀は越前で禄を受けず 浪人暮らしをしていた。 42 00:09:39,560 --> 00:09:45,230 「己の能なきを憂うなり」。 43 00:09:45,230 --> 00:09:48,560 (明智左馬助)いいぞ もう一度。 44 00:09:48,560 --> 00:09:53,440 (称念寺の和尚)心地よいですな。 子どもたちの元気な声は。 45 00:09:53,440 --> 00:09:56,910 (牧)ええ… まことに。 46 00:09:56,910 --> 00:10:01,240 評判もよろしいですぞ。 十兵衛殿に教わると➡ 47 00:10:01,240 --> 00:10:08,580 読み書きはもちろん 行儀作法も 身につくと 親たちが皆 口をそろえて…。 48 00:10:08,580 --> 00:10:12,250 教え方がうまいのでしょうな。 49 00:10:12,250 --> 00:10:16,250 あの子は子どもが好きですから。 50 00:10:30,270 --> 00:10:33,610 (近習)お召しに応じ 明智殿が参られました。 51 00:10:33,610 --> 00:10:38,950 (鷹の鳴き声) 52 00:10:38,950 --> 00:10:44,250 (朝倉義景)どうだ? 見事な鷹だろう。 53 00:10:47,620 --> 00:10:49,560 (明智十兵衛光秀)はい。 54 00:10:49,560 --> 00:10:57,630 わしが丹念に育て上げた。 これだけのものはそうはおらぬぞ。 55 00:10:57,630 --> 00:11:00,300 (鳴き声) 56 00:11:00,300 --> 00:11:03,300 (義景)そちに頼みがある。 57 00:11:05,140 --> 00:11:08,580 京へ行ってきてくれ。 58 00:11:08,580 --> 00:11:11,910 京へ? 59 00:11:11,910 --> 00:11:16,910 公方様が京へ戻られたことは 聞いておるか? いえ…。 60 00:11:18,590 --> 00:11:21,290 (義景)三好と和睦したそうじゃ。 61 00:11:23,260 --> 00:11:28,930 (義景)めでたいことゆえ 諸大名に挨拶に参れと➡ 62 00:11:28,930 --> 00:11:32,630 上洛をお求めになっておられる。 63 00:11:34,270 --> 00:11:39,940 わしにも書状が届いたが わざわざ京まで出向いて➡ 64 00:11:39,940 --> 00:11:44,240 火中の栗を拾うこともあるまい。 65 00:11:46,820 --> 00:11:51,120 面倒なことに巻き込まれるのは ごめんじゃ。 66 00:11:52,960 --> 00:11:57,630 それで私に…。 67 00:11:57,630 --> 00:12:01,500 この鷹を献上するのだ。 68 00:12:01,500 --> 00:12:08,900 公方様は 大層 鷹狩りがお好きなようなのでな。 69 00:12:08,900 --> 00:12:14,900 それで しばらく様子見じゃ。 70 00:12:26,460 --> 00:12:31,160 (熙子)公方様にお目通りを? そうだ。 71 00:12:31,160 --> 00:12:34,160 鷹を届ける。 72 00:12:36,930 --> 00:12:42,600 それで 先ほどから うれしそうなお顔を。 うむ。 73 00:12:42,600 --> 00:12:46,280 義輝様は立派な志をお持ちの方だ。 74 00:12:46,280 --> 00:12:50,950 将軍が戻られ 京の様子も きっと変わったであろう。 75 00:12:50,950 --> 00:12:54,620 この目で見てきたいのだ。 分かりました。 76 00:12:54,620 --> 00:12:57,290 うちのことは心配なさらず。 77 00:12:57,290 --> 00:13:03,090 子どもたちのことは… 左馬助に任せておけば…。 78 00:13:03,090 --> 00:13:06,100 いかがした? 79 00:13:06,100 --> 00:13:10,830 気分でも悪いのか? 大事ありませぬ。 80 00:13:10,830 --> 00:13:14,130 顔色が悪いぞ。 81 00:13:19,540 --> 00:13:22,840 実は…。 82 00:13:24,910 --> 00:13:27,250 ややこが…。 83 00:13:27,250 --> 00:13:29,250 何? 84 00:13:33,590 --> 00:13:37,460 熙子…➡ 85 00:13:37,460 --> 00:13:41,260 でかした! ハッハッハッハ…! 86 00:13:41,260 --> 00:13:43,200 あっ… 痛うございます。 87 00:13:43,200 --> 00:13:48,600 おお… おお すまぬ すまぬ。 大事にせねばな。 88 00:13:48,600 --> 00:13:53,940 ああ そうか ややこが…。 89 00:13:53,940 --> 00:13:56,850 ああ… うむ。 90 00:13:56,850 --> 00:14:00,820 母上は このことを? まず十兵衛様にと思って まだ…。 91 00:14:00,820 --> 00:14:04,890 ああ…。 母上! 母上! 92 00:14:04,890 --> 00:14:09,190 熙子にややこが! フフフッ…。 ハハハッ! 93 00:14:20,900 --> 00:14:32,470 一服一銭 よい茶でござる。 茶はいかがかな。 94 00:14:34,450 --> 00:14:37,450 ふう…。 95 00:14:48,130 --> 00:14:52,600 (細川藤孝)おお 十兵衛殿! 96 00:14:52,600 --> 00:14:55,270 お久しうございまする。 97 00:14:55,270 --> 00:14:58,170 (三淵藤英)よう参られた。 98 00:14:58,170 --> 00:15:02,540 その節は ご心配をおかけいたしました。 99 00:15:02,540 --> 00:15:07,220 藤孝殿には 朝倉家へ口添えの書状まで送って頂き➡ 100 00:15:07,220 --> 00:15:13,560 まことに助かりました。 いえ ご無事で何よりでした。 101 00:15:13,560 --> 00:15:18,260 早速ながら 朝倉義景様からこちらを。 102 00:15:19,900 --> 00:15:24,570 公方様への献上の品にござりまする。 これはすばらしい! 103 00:15:24,570 --> 00:15:29,440 上様も さぞお喜びになるでしょう。 何とぞ よしなに。 104 00:15:29,440 --> 00:15:32,910 (三淵)うむ かたじけない。 105 00:15:32,910 --> 00:15:39,780 それにしても 朝倉殿が 上洛されなかったのは残念であった。 106 00:15:39,780 --> 00:15:43,920 京では さまざまな争いが起こっておる。 107 00:15:43,920 --> 00:15:50,260 それを穏やかに収めるためにも 諸大名に上洛を求めているのだが➡ 108 00:15:50,260 --> 00:15:53,160 応じた大名は少ない。 109 00:15:53,160 --> 00:15:55,600 そうでしたか…。 110 00:15:55,600 --> 00:15:59,940 尾張の織田信長殿が 間もなく上洛されます。 111 00:15:59,940 --> 00:16:04,540 信長様が京へ…? 112 00:16:04,540 --> 00:16:07,210 十兵衛殿。 はっ。 113 00:16:07,210 --> 00:16:13,210 上様は 公家の二条家に招かれ 能を見られることになっておる。 114 00:16:14,880 --> 00:16:19,180 我らと共に お主も同道いたせ。 115 00:16:21,220 --> 00:16:23,520 はっ! 116 00:16:36,570 --> 00:16:39,470 (三淵)上様➡ 117 00:16:39,470 --> 00:16:43,470 明智十兵衛にございます。 118 00:16:45,250 --> 00:16:51,120 うむ… 覚えておるぞ。 朽木で会うたな。 119 00:16:51,120 --> 00:16:53,590 あれから何年たつかのう。 120 00:16:53,590 --> 00:16:56,490 9年にござりまする。 121 00:16:56,490 --> 00:17:02,790 時が変われば人も世も変わる。 122 00:17:04,530 --> 00:17:09,400 されど いつ見ても変わらず胸を打つのは能じゃ。 123 00:17:09,400 --> 00:17:13,210 能はよい。 そなたも見るがよい。 124 00:17:13,210 --> 00:17:17,210 はっ。 ありがたき幸せ。 125 00:17:32,560 --> 00:17:38,860 公方様は 以前と変わらぬご様子 安心いたしました。 126 00:17:40,900 --> 00:17:43,900 いかがなされた? 127 00:17:45,770 --> 00:17:48,470 実は…。 128 00:17:50,250 --> 00:17:52,550 (三淵)藤孝。 129 00:17:59,590 --> 00:18:02,490 (藤孝)これは斎藤殿…。 130 00:18:02,490 --> 00:18:16,070 ♬~ 131 00:18:16,070 --> 00:18:23,770 (斎藤高政) 次 会うた時は そなたの首をはねる。 132 00:18:36,220 --> 00:18:42,560 (藤孝)斎藤殿は数日前に上洛されました。 まさか この席においでとは…。 133 00:18:42,560 --> 00:18:48,560 (三淵)今は義龍と名乗っておられる。 義龍…。 134 00:18:52,240 --> 00:19:04,520 〽 尋ねても この上 嵐の雲にのりて 135 00:19:04,520 --> 00:19:13,860 〽 龍女は南方にとび去り行けば 136 00:19:13,860 --> 00:19:22,540 〽 龍神は猿澤の池乃青波 137 00:19:22,540 --> 00:19:30,880 〽 けたて けたてて その丈千尋の 138 00:19:30,880 --> 00:19:39,550 〽 大蛇となって 天にむらがり 139 00:19:39,550 --> 00:19:45,430 〽 地に蟠りて 140 00:19:45,430 --> 00:19:52,730 〽 池水をかへして 141 00:20:00,240 --> 00:20:04,540 (藤孝)何 まことか? 142 00:20:21,530 --> 00:20:24,270 何かありましたか? 143 00:20:24,270 --> 00:20:29,970 それが… 妙な噂がありまして…。 噂? 144 00:20:31,610 --> 00:20:34,510 上洛する信長殿のお命を➡ 145 00:20:34,510 --> 00:20:38,480 斎藤義龍殿の刺客が 狙っているというのです。 146 00:20:38,480 --> 00:20:42,620 は? (藤孝)既に京で待ち構えているとか…。 147 00:20:42,620 --> 00:20:47,320 将軍のお膝元で そのような狼藉を…。 148 00:20:49,290 --> 00:20:51,960 藤孝殿…。 149 00:20:51,960 --> 00:20:54,860 我らは何とも…。 ならば➡ 150 00:20:54,860 --> 00:20:59,860 公方様が斎藤殿とお話をして頂くわけには まいりませぬか。 151 00:21:05,240 --> 00:21:11,910 今の上様には 抑えるお力はありませぬ。 ん? 152 00:21:11,910 --> 00:21:17,250 実は… 十兵衛殿にもお話ししようと 思っていたのですが➡ 153 00:21:17,250 --> 00:21:21,590 上様は京へ戻られたとはいえ まだ間がなく➡ 154 00:21:21,590 --> 00:21:27,890 以前にも増して力を持っているのは 三好長慶様なのです。 155 00:21:30,270 --> 00:21:35,140 しかし 何か手を打たねば…! 156 00:21:35,140 --> 00:21:40,140 何故 十兵衛殿は そこまで信長殿を…? 157 00:21:43,280 --> 00:21:45,580 いや…。 158 00:21:47,150 --> 00:21:56,630 以前 信長様が道三様と対面した折 こんなことを言っておられました。 159 00:21:56,630 --> 00:21:59,530 家柄も血筋もない。 160 00:21:59,530 --> 00:22:05,430 これからは戦も世の中も どんどん変わりましょう。 161 00:22:05,430 --> 00:22:10,570 万 おのれで新たにつくるほかない。 162 00:22:10,570 --> 00:22:14,240 我らも変わらねば。 163 00:22:14,240 --> 00:22:17,580 我らも変わらねばならぬと。 164 00:22:17,580 --> 00:22:20,280 変わる…? 165 00:22:22,250 --> 00:22:26,590 やすやすと死なせたくはないお方です。 166 00:22:26,590 --> 00:22:32,930 では 松永久秀殿に相談されてみては?➡ 167 00:22:32,930 --> 00:22:39,600 今 京を治めているのは実のところ 松永殿ゆえ。 168 00:22:39,600 --> 00:22:42,600 松永様? 169 00:22:44,270 --> 00:22:47,970 (近習)殿 明智殿が参られました。 170 00:22:52,610 --> 00:22:56,950 (松永久秀)十兵衛! ハハッ➡ 171 00:22:56,950 --> 00:22:59,850 生きておったか! お久しぶりでございます。 172 00:22:59,850 --> 00:23:04,850 (松永)ああ よいよい 堅苦しい挨拶はいらん。 フフッ。 173 00:23:07,560 --> 00:23:11,430 (松永)心配しておったのだぞ。 174 00:23:11,430 --> 00:23:16,730 お忙しいところ 申し訳ございませぬ。 (松永)ああ。 175 00:23:20,580 --> 00:23:30,250 そんなことより 山城守様のこと 残念であったな。 176 00:23:30,250 --> 00:23:33,150 はい…。 177 00:23:33,150 --> 00:23:37,930 越前におるのか? はい。 178 00:23:37,930 --> 00:23:41,800 子どもたちに読み書きを教えております。 179 00:23:41,800 --> 00:23:45,270 そうか…。 180 00:23:45,270 --> 00:23:52,610 だが 無事でよかった。 何年ぶりかの? 181 00:23:52,610 --> 00:23:59,950 11年ぶりでございます。 ああ そんなになるか…。➡ 182 00:23:59,950 --> 00:24:04,790 ああ あの時だ。 長慶様が襲われた時…。 183 00:24:04,790 --> 00:24:09,090 [ 回想 ] かたじけない! 松永様 早く! おう! 184 00:24:10,890 --> 00:24:14,890 そなたには借りがあるな。 185 00:24:16,560 --> 00:24:22,440 恐れながら その借りを お返し頂くわけにはまいりませぬか? 186 00:24:22,440 --> 00:24:25,240 ん? 187 00:24:25,240 --> 00:24:28,580 (いななき) 188 00:24:28,580 --> 00:24:33,450 そのころ 織田信長は 尾張平定の報告のため➡ 189 00:24:33,450 --> 00:24:36,450 初めての上洛途中にあった。 190 00:24:36,450 --> 00:24:39,450 (いななき) 191 00:24:53,270 --> 00:25:00,140 (斎藤義龍)三好家の重鎮 松永殿が わざわざお越しになるとは…。 192 00:25:00,140 --> 00:25:07,220 斎藤殿にお願いの儀があり まかり越しました。 193 00:25:07,220 --> 00:25:09,880 (義龍)お願い? 194 00:25:09,880 --> 00:25:17,560 公方様がお戻りになり これでようやく 京も静かになると思うておりましたが➡ 195 00:25:17,560 --> 00:25:21,430 やはり不届き者が後を絶ちませぬ。 196 00:25:21,430 --> 00:25:26,570 あちらこちらで狼藉を働き 手を焼いております。 197 00:25:26,570 --> 00:25:32,240 厳しく取り締まらねばなりませぬが 何分 我らだけでは手が…。 198 00:25:32,240 --> 00:25:34,580 手を貸せと? 199 00:25:34,580 --> 00:25:41,920 いかにも。 実は 不穏な動きがございましてな。 200 00:25:41,920 --> 00:25:47,590 つわものぞろいの斎藤家に 是非とも お力を貸して頂きたいと。 201 00:25:47,590 --> 00:25:53,590 フッ… 不穏な動きとは? 202 00:26:09,210 --> 00:26:19,510 上洛している織田信長殿を 何者かが 狙うているということでございます。 203 00:26:21,220 --> 00:26:24,520 何かご存じか? 204 00:26:26,560 --> 00:26:29,560 いや…。 205 00:26:32,230 --> 00:26:39,570 公方様がお戻りになったというのに かような狼藉は言語道断。 206 00:26:39,570 --> 00:26:44,450 厳しく取り締まらねばなりませぬ。 207 00:26:44,450 --> 00:26:51,920 斎藤殿は近く将軍家の要職に就くと 聞いております。 208 00:26:51,920 --> 00:26:56,790 ならば 京の安寧を守るのも➡ 209 00:26:56,790 --> 00:27:02,530 将軍家にお仕えする者の 役目かと存じます。 210 00:27:02,530 --> 00:27:07,530 お引き受け頂けますな? 211 00:27:18,080 --> 00:27:23,380 (松永)これで貸し借りなしだな。 212 00:27:25,750 --> 00:27:29,560 ありがとうござりまする。 (松永)フフッ。➡ 213 00:27:29,560 --> 00:27:35,230 斎藤殿がお主を呼んでおるぞ。 話があるそうだ。 214 00:27:35,230 --> 00:28:04,860 ♬~ 215 00:28:04,860 --> 00:28:11,730 松永久秀を担ぎ上げるとは 考えたな。 216 00:28:11,730 --> 00:28:16,430 こたびのこと どうやって知った? 217 00:28:19,870 --> 00:28:22,540 まあ よい。 218 00:28:22,540 --> 00:28:28,840 遅かれ早かれ 信長は我が手で討ってみせる。 219 00:28:31,550 --> 00:28:38,890 お主は道を誤ったな。 わしに素直に従うておれば➡ 220 00:28:38,890 --> 00:28:42,760 今頃 美濃で要職に就いておった。 221 00:28:42,760 --> 00:28:48,760 フッ 今や浪人の身か…。 222 00:28:50,510 --> 00:28:53,240 悔いてはおらぬ。 223 00:28:53,240 --> 00:28:56,580 (義龍)強がるな。 224 00:28:56,580 --> 00:29:05,850 わしはいずれ尾張をのみ込み 美濃を大きく豊かな国にするつもりじゃ。 225 00:29:05,850 --> 00:29:11,150 それは わし一人ではできぬ。 助けがいる…。 226 00:29:16,500 --> 00:29:25,540 どうだ? もう一度考え直し わしに仕えてみぬか? 227 00:29:25,540 --> 00:29:28,240 手を貸せ。 228 00:29:30,880 --> 00:29:34,750 断る。 どこか仕官の口でもあるのか? 229 00:29:34,750 --> 00:29:36,750 そんなものはない。 ならば…。 230 00:29:36,750 --> 00:29:40,450 今更 お主に仕える気はない。 231 00:29:44,230 --> 00:29:48,900 ハッハッハッハ…。 232 00:29:48,900 --> 00:29:54,900 相変わらず頑固な男よ…。 233 00:29:59,240 --> 00:30:07,940 一体 どうした? 次に会うたら わしの首をはねると申していたお主が…。 234 00:30:11,250 --> 00:30:17,930 今まで 血を流し過ぎた…。 235 00:30:17,930 --> 00:30:29,270 弟を殺し… 父を殺し… わしに従う者は あまたおるが➡ 236 00:30:29,270 --> 00:30:37,150 ただ わしを恐れ 表向き そうしているにすぎぬ。 237 00:30:37,150 --> 00:30:45,620 腹の中では何を企んでおるのか 分かったものではない。 238 00:30:45,620 --> 00:30:48,520 悔いておるのか? 239 00:30:48,520 --> 00:30:54,630 悔いておる…➡ 240 00:30:54,630 --> 00:31:05,630 と申したら わしについてくるか? 241 00:31:09,910 --> 00:31:13,210 お主にはつかぬ。 242 00:31:17,250 --> 00:31:24,590 十兵衛… お主 一体 何がしたいのだ? 243 00:31:24,590 --> 00:31:39,940 ♬~ 244 00:31:39,940 --> 00:31:43,610 道三様に言われたのだ。 245 00:31:43,610 --> 00:31:51,610 大きな国をつくれと… 誰も手出しのできぬ大きな国を…。 246 00:31:54,960 --> 00:32:00,830 今は まだ自分でも どうしてよいのか分からぬ。 247 00:32:00,830 --> 00:32:10,910 しかし 道三様のそのお言葉が ずっとこの胸の内にあるのだ。 248 00:32:10,910 --> 00:32:13,810 (斎藤道三)大きな国をつくるのじゃ。 249 00:32:13,810 --> 00:32:20,810 誰も手出しのできぬ 大きな国を。 250 00:32:22,520 --> 00:32:25,520 大きな国…。 251 00:32:29,260 --> 00:32:32,260 父上が。 252 00:32:36,930 --> 00:32:39,630 美濃よりもか。 253 00:32:41,800 --> 00:32:44,800 そうだ。 254 00:32:52,280 --> 00:32:57,950 分かった。 行け。 255 00:32:57,950 --> 00:33:22,140 ♬~ 256 00:33:22,140 --> 00:33:24,840 (義龍)さらばだ。 257 00:33:26,910 --> 00:33:30,790 (義龍)もう会うこともあるまい。 258 00:33:30,790 --> 00:33:41,930 ♬~ 259 00:33:41,930 --> 00:33:48,230 斎藤義龍は2年後 病によりこの世を去る。 260 00:33:53,270 --> 00:33:58,950 3日後 信長は 将軍 義輝に謁見した。 261 00:33:58,950 --> 00:34:01,950 (義輝)面を上げよ。 262 00:34:04,550 --> 00:34:08,420 織田上総介にございまする。 263 00:34:08,420 --> 00:34:14,230 本日は尾張の平定がなりますことを 公方様にお知らせいたすべく➡ 264 00:34:14,230 --> 00:34:16,900 参上つかまつりました。 265 00:34:16,900 --> 00:34:20,230 うむ。 大儀である。 266 00:34:20,230 --> 00:34:25,910 ありがたきお言葉。 恐悦至極に存じまする。 267 00:34:25,910 --> 00:34:29,240 (義輝)京は初めてか? はい。 268 00:34:29,240 --> 00:34:34,580 田舎者ゆえ 都の全てが 目新しいものばかりでございます。 269 00:34:34,580 --> 00:34:37,490 (義輝)さようか…。➡ 270 00:34:37,490 --> 00:34:41,260 わしに何かしてほしいことはあるか? 271 00:34:41,260 --> 00:34:47,130 恐れながら 上様にお願いの儀がございまする。 272 00:34:47,130 --> 00:34:50,930 申してみよ。 はっ。 273 00:34:50,930 --> 00:34:54,600 尾張は ようやく一つにまとまります。 274 00:34:54,600 --> 00:35:01,880 されど 駿河の今川義元殿が 美濃の斎藤義龍殿と手を組み➡ 275 00:35:01,880 --> 00:35:05,750 今にも尾張に攻め入らんとしております。 276 00:35:05,750 --> 00:35:16,220 これ以上 無益な戦を繰り返せば 田畑は荒れ 国は疲弊するばかり。 277 00:35:16,220 --> 00:35:21,900 万民のためにも 何とぞ 兵を退くよう➡ 278 00:35:21,900 --> 00:35:28,200 上様からお命じ下されたく お願い申し上げまする。 279 00:35:30,240 --> 00:35:36,540 相分かった。 そなたの申すとおりだ。 280 00:35:38,110 --> 00:35:41,580 (義輝)今川は何であったかのう? 281 00:35:41,580 --> 00:35:45,920 (三淵)は? (義輝)官職じゃ。 282 00:35:45,920 --> 00:35:49,790 (三淵)治部大輔にございます。 283 00:35:49,790 --> 00:35:56,260 織田上総介 そなたにも官職を授けてやろう。 284 00:35:56,260 --> 00:36:01,100 左京大夫でどうじゃ? 285 00:36:01,100 --> 00:36:04,100 今川より上だぞ。 286 00:36:09,540 --> 00:36:15,880 それで 今川が引き下がりましょうか? 287 00:36:15,880 --> 00:36:21,560 引き下がらぬようなら 将軍家の相伴衆になるがよい。➡ 288 00:36:21,560 --> 00:36:26,230 相伴衆なら 今川も手を出すまい。 289 00:36:26,230 --> 00:36:31,100 皆 そう思わぬか? 290 00:36:31,100 --> 00:36:52,250 ♬~ 291 00:36:52,250 --> 00:36:54,550 (ため息) 292 00:36:56,120 --> 00:37:04,200 わしは 幼き頃より 父と共に 近江と京を行ったり来たりしてきた。 293 00:37:04,200 --> 00:37:12,870 そしてまた5年ぶりに京に戻ってきたが… もはや全てが変わっていた…。➡ 294 00:37:12,870 --> 00:37:20,170 父もいない。 帝もかわった。 皆 いなくなった…。 295 00:37:21,880 --> 00:37:30,220 それゆえ 今のわしには それぐらいのことしかできぬ…。 296 00:37:30,220 --> 00:37:48,240 ♬~ 297 00:37:48,240 --> 00:37:50,240 信長様。 298 00:37:55,120 --> 00:37:57,590 お久しぶりでございます。 299 00:37:57,590 --> 00:38:01,460 藤孝殿から聞いた。 越前にいるらしいな。 300 00:38:01,460 --> 00:38:03,390 はっ。 301 00:38:03,390 --> 00:38:07,860 あれから わしもいろいろあってな…。 302 00:38:07,860 --> 00:38:11,160 お疲れのご様子…。 303 00:38:13,730 --> 00:38:18,730 わしが相伴衆になれば 今川が手を引くと思うか? 304 00:38:22,210 --> 00:38:24,550 いえ…。 305 00:38:24,550 --> 00:38:29,420 今川は尾張に入り込んで 出城を築こうとしておる。 306 00:38:29,420 --> 00:38:33,550 こちらは手も足も出ぬ。 307 00:38:33,550 --> 00:38:43,250 それで上洛したのだが… 将軍も苦しんでおられるようだ。 308 00:38:44,900 --> 00:38:49,600 今の世は どこかおかしい。 309 00:38:51,770 --> 00:38:57,240 尾張が心配じゃ。 わしは帰る。 いずれまた。 310 00:38:57,240 --> 00:38:59,240 あ…。 311 00:39:06,520 --> 00:39:09,420 信長様がこちらにいらしたのですか? 312 00:39:09,420 --> 00:39:14,860 ああ 昼間 ふらりとな。 313 00:39:14,860 --> 00:39:19,530 明日 尾張に帰るので挨拶がしたいと。 314 00:39:19,530 --> 00:39:23,400 で これを。 315 00:39:23,400 --> 00:39:25,410 ほう。 316 00:39:25,410 --> 00:39:30,540 それにしても あれは妙な男じゃのう。 317 00:39:30,540 --> 00:39:33,450 …と申しますと。 うむ。 318 00:39:33,450 --> 00:39:38,420 尾張を差し出す代わりに 摂津をくれと申すのじゃ。 319 00:39:38,420 --> 00:39:43,120 ん? 国を取り替えてくれというのだ。 320 00:39:43,120 --> 00:39:50,860 尾張は周りを敵に囲まれて 戦が絶えん。➡ 321 00:39:50,860 --> 00:39:58,910 戦は もううんざりだ。 だから 摂津と取り替えてくれと申すのだ。➡ 322 00:39:58,910 --> 00:40:02,580 堺で交易をして商いをしたい。➡ 323 00:40:02,580 --> 00:40:07,250 わしなら それぐらいできるであろうと…。 ハッハッハッハ!➡ 324 00:40:07,250 --> 00:40:12,590 摂津は三好様の領国だ。 そんなことができるわけがない…。 325 00:40:12,590 --> 00:40:20,930 ったく… 何を考えておるのか 本気なのか ざれ言なのか よく分からぬ。 326 00:40:20,930 --> 00:40:23,600 あれは一体 どういう男なのじゃ? 327 00:40:23,600 --> 00:40:28,470 松永様は いかが思われましたか? まあ うつけだとは聞いておる。 328 00:40:28,470 --> 00:40:33,470 確かにうつけかもしれんが ただのうつけではないな。 329 00:40:35,210 --> 00:40:41,150 亡き道三様は 信長様から目を離すなと仰せられました。 330 00:40:41,150 --> 00:40:45,290 山城守様がそう申されたのか…。 331 00:40:45,290 --> 00:40:50,160 道三様は 信長様のことを買っておられました。 332 00:40:50,160 --> 00:40:57,870 将軍様にも目通りしたらしいが… フフッ がっかりしたと申しておった。 333 00:40:57,870 --> 00:40:59,830 ハッハッハッハ…! 334 00:40:59,830 --> 00:41:05,130 もはや将軍家は当てにできんと。 335 00:41:07,240 --> 00:41:13,110 (松永)まあ 無理もあるまい。 義輝様は まだお若い。➡ 336 00:41:13,110 --> 00:41:16,920 それに京に戻られるのも5年ぶりじゃ。➡ 337 00:41:16,920 --> 00:41:21,590 そのうち 将軍らしさも身につくであろう。 フフフ…。 338 00:41:21,590 --> 00:41:26,590 そうだとよいのですが…。 (松永)うん? 339 00:41:30,260 --> 00:41:32,930 私は公方様が戻られ➡ 340 00:41:32,930 --> 00:41:37,270 京も落ち着いたであろうと思うて 参りましたが➡ 341 00:41:37,270 --> 00:41:42,140 大名同士の争いの 仲立ちもできぬご様子…。 342 00:41:42,140 --> 00:41:47,280 まことに京を治めているのは三好様…➡ 343 00:41:47,280 --> 00:41:55,160 このままでは 武士を束ね 世を平らかにできるのは誰なのか…➡ 344 00:41:55,160 --> 00:41:59,460 私には分からなくなってまいりました。 345 00:42:01,230 --> 00:42:06,100 それは わしにも分からぬ。 346 00:42:06,100 --> 00:42:14,780 また戦になるかもしれぬし ならぬかもしれぬ。 347 00:42:14,780 --> 00:42:17,580 フフフ…。 348 00:42:17,580 --> 00:42:31,120 ♬~ 349 00:42:31,120 --> 00:42:34,600 先鋒は三河の者こそ ふさわしいかと。 350 00:42:34,600 --> 00:42:36,530 三河の兵で守りを固めております。 351 00:42:36,530 --> 00:42:38,470 松平竹千代…!? 352 00:42:38,470 --> 00:42:41,270 竹千代…。 戦へ参ります。 353 00:42:41,270 --> 00:42:43,200 戦から身を引きなされ。 354 00:42:43,200 --> 00:42:45,940 何とぞ 今川をお討ち下さい! 355 00:42:45,940 --> 00:42:49,610 また 戦ですか。 必ず生きて戻ってまいる。 356 00:42:49,610 --> 00:42:51,950 アリ! 尾張の織田信長は➡ 357 00:42:51,950 --> 00:42:53,880 大一番の戦に向かっているのだ。 358 00:42:53,880 --> 00:42:56,180 にもかかわらず わしはこの国で何をしておる! 359 00:43:03,920 --> 00:43:07,590 愛知県清須市。 360 00:43:07,590 --> 00:43:10,500 斯波氏によって守護所が置かれて以来➡ 361 00:43:10,500 --> 00:43:16,200 尾張の政治の中心として 繁栄を見せた地です。 362 00:43:18,940 --> 00:43:22,280 この地を掌握した織田信長は➡ 363 00:43:22,280 --> 00:43:28,580 那古野城から ここ清須城に拠点を移しました。 364 00:43:32,290 --> 00:43:35,960 当時の清須城には天守はなく➡ 365 00:43:35,960 --> 00:43:41,300 方形の館であったと推定されています。 366 00:43:41,300 --> 00:43:44,630 近年行われた発掘調査では➡ 367 00:43:44,630 --> 00:43:50,330 幅8メートルを超える堀の跡が 発見されました。 368 00:43:52,310 --> 00:43:54,980 信長が暮らした館は➡ 369 00:43:54,980 --> 00:44:02,780 現在 新幹線が走るこの辺りまで 広がっていたと考えられています。 370 00:44:02,780 --> 00:44:07,550 清須城のすぐそばを流れる五条川。 371 00:44:07,550 --> 00:44:14,460 川湊が築かれ 多くの人や物資で にぎわいました。 372 00:44:14,460 --> 00:44:20,930 商人や鍛冶職人を集め 城下町づくりにいそしんだ信長は➡ 373 00:44:20,930 --> 00:44:26,930 この清須から尾張統一を目指したのです。 374 00:45:03,180 --> 00:45:06,080 ♬~(テーマ音楽) 375 00:45:06,080 --> 00:45:09,550 <平戸藩 御船手方の雙星彦馬は➡ 376 00:45:09,550 --> 00:45:14,390 上司の取り持ちによって ようやく 織江という妻を得た> 377 00:45:14,390 --> 00:45:17,660 (彦馬)貝は この2枚があって 1対だ。 378 00:45:17,660 --> 00:45:21,330 ほら 夫婦と同じだな。 379 00:45:21,330 --> 00:45:24,230 <しかし 2人の輝かしい日々は➡ 380 00:45:24,230 --> 00:45:29,070 妻の 突然の失踪によって 断ち切られた>