1 00:00:06,060 --> 00:00:34,760 ♬~ 2 00:00:37,900 --> 00:00:40,200 (牧)上手 上手。 3 00:00:41,770 --> 00:00:43,770 (明智左馬助)ただいま帰りました。 (常)お帰りなさいませ。 4 00:00:43,770 --> 00:00:45,770 (熙子)お帰りなさい。 (お岸)お帰りなさいませ。 5 00:00:45,770 --> 00:00:49,070 ここでよいかな。 (常)はい ありがとうございます。 6 00:00:53,240 --> 00:00:56,910 (左馬助)またです。 何がです? 7 00:00:56,910 --> 00:01:03,190 十兵衛様ですよ。 難しい顔をして書物を読んでおられます。 8 00:01:03,190 --> 00:01:06,090 ここのところ いつもあれだ。 9 00:01:06,090 --> 00:01:09,860 少しは外に出て 剣術の稽古でもしなければ➡ 10 00:01:09,860 --> 00:01:14,730 体がなまってしまいます。 何かお考えがおありなのでしょう。 11 00:01:14,730 --> 00:01:18,870 (泣き声) 12 00:01:18,870 --> 00:01:22,210 (牧)たま どうしました?➡ 13 00:01:22,210 --> 00:01:24,910 おしめですね。 14 00:01:37,760 --> 00:01:42,530 このころ 京は平穏な時を迎えていた。 15 00:01:42,530 --> 00:01:49,230 三好長慶が京や畿内の実権を 完全に掌握していたからである。 16 00:01:49,230 --> 00:01:57,110 松永久秀は大和の国を任され 三好一族の支配体制は盤石であった。 17 00:01:57,110 --> 00:02:04,720 将軍 足利義輝は 長慶の完全な傀儡となっていた。 18 00:02:04,720 --> 00:02:07,180 (近衛前久)何故じゃ?➡ 19 00:02:07,180 --> 00:02:12,180 何故 義輝殿は改元の申し出をなされぬ? 20 00:02:14,060 --> 00:02:17,830 (前久)今年は 60年に一度の甲子の年。➡ 21 00:02:17,830 --> 00:02:22,730 この年は 古より必ず改元が行われてまいった。➡ 22 00:02:22,730 --> 00:02:28,870 帝に改元のお伺いを立てるのは 代々 将軍家の務めであるぞ。➡ 23 00:02:28,870 --> 00:02:32,210 それをせねば 改元はできぬ。 24 00:02:32,210 --> 00:02:37,550 前代未聞のことじゃ。 将軍の名に傷がつく。 25 00:02:37,550 --> 00:02:40,880 (足利義輝)某を将軍と思われますか? 26 00:02:40,880 --> 00:02:46,760 (前久)何と? 京を治めているのは誰であろう? 27 00:02:46,760 --> 00:02:52,500 私ではない。 三好長慶です。 私には何の力もない。 28 00:02:52,500 --> 00:02:56,900 三好は将軍家に仕える者。 そもそも身分が違う。 29 00:02:56,900 --> 00:03:01,510 将軍家に仕える者? フッ…。 30 00:03:01,510 --> 00:03:07,810 その家臣に娘を人質に出す主君が どこにおりましょう。 31 00:03:09,380 --> 00:03:12,850 将軍などと 名ばかり…。 32 00:03:12,850 --> 00:03:17,190 帝も私を軽んじておられます。 33 00:03:17,190 --> 00:03:20,860 何を申される。 帝がさような…。 34 00:03:20,860 --> 00:03:23,530 (義輝) 関白殿下は 6年前のことをお忘れか! 35 00:03:23,530 --> 00:03:31,400 朽木にいた頃 帝は私に何も知らせず 勝手に永禄に改元あそばされた。 36 00:03:31,400 --> 00:03:35,540 軽んじている証拠。 37 00:03:35,540 --> 00:03:43,240 悔しうて 私は その後もしばらく 弘治の年号を使うた…。 38 00:03:44,880 --> 00:03:48,220 あの時から 私は帝を信用しておりませぬ。 39 00:03:48,220 --> 00:03:52,090 おやめなされ 帝に対し奉り そのような…。 40 00:03:52,090 --> 00:03:55,090 (義輝)帝が何ほどのものですか。 武家の後ろ盾がなければ➡ 41 00:03:55,090 --> 00:03:59,230 何もできぬではありませぬか。 言葉がすぎる! 42 00:03:59,230 --> 00:04:03,100 私は改元など知りませぬ! 43 00:04:03,100 --> 00:06:55,410 ♬~ 44 00:07:24,840 --> 00:07:27,540 (細川藤孝)御免。 45 00:07:31,510 --> 00:07:33,840 (明智十兵衛光秀)藤孝殿! 46 00:07:33,840 --> 00:07:36,510 お久しうございます。 47 00:07:36,510 --> 00:07:38,850 これは驚いた…。 48 00:07:38,850 --> 00:07:42,520 (藤孝)十兵衛殿のお顔を 見たくなりましてな。 はあ…。 49 00:07:42,520 --> 00:07:48,190 まあ どうぞ 汚い所ですが…。 50 00:07:48,190 --> 00:07:50,860 熙子。 51 00:07:50,860 --> 00:07:54,160 は~い。 52 00:07:55,730 --> 00:07:59,200 お客様ですか? いつも話しておるだろう。 53 00:07:59,200 --> 00:08:04,040 細川藤孝殿だ。 妻にございます。 54 00:08:04,040 --> 00:08:07,810 ようこそおいでなさいました。 55 00:08:07,810 --> 00:08:14,810 (藤孝)いや~ ご壮健そうで何より。 藤孝殿こそ。 56 00:08:25,830 --> 00:08:30,530 (熙子)どうぞ。 (藤孝)これはかたじけない。 57 00:08:34,500 --> 00:08:38,180 あ… かようなものしかありませぬ。 58 00:08:38,180 --> 00:08:40,510 ご勘弁下さい。 いや~ めっそうもない。 59 00:08:40,510 --> 00:08:45,180 突然 お邪魔した私が悪いのです。 それに 過分なおもてなし。 60 00:08:45,180 --> 00:08:49,480 かえって 恐縮しております。 そう言って頂けると…。 61 00:08:52,060 --> 00:08:55,190 ≪(牧)ご無礼をいたします。 62 00:08:55,190 --> 00:08:58,860 ご無礼いたします。 さあ。 63 00:08:58,860 --> 00:09:02,730 十兵衛の子にございます。 おお! 64 00:09:02,730 --> 00:09:05,470 さあ ご挨拶を。 65 00:09:05,470 --> 00:09:08,810 岸でございます。 66 00:09:08,810 --> 00:09:12,480 これは たまでございます。 67 00:09:12,480 --> 00:09:17,150 ハッハッハ… 岸殿に たま殿。 68 00:09:17,150 --> 00:09:21,850 まあ どちらもかわいらしい。 先が楽しみですな。 69 00:09:24,820 --> 00:09:27,490 おっ…。 70 00:09:27,490 --> 00:09:34,160 たま いかがした? 穴が開くほど藤孝殿を見つめて…。 71 00:09:34,160 --> 00:09:37,070 だっこして頂きなされ。 72 00:09:37,070 --> 00:09:39,500 よろしうございますか? ああ…。 73 00:09:39,500 --> 00:09:43,840 どれどれ…。 よい子じゃ よい子じゃ。 74 00:09:43,840 --> 00:09:47,180 おお… お~ よしよし。 75 00:09:47,180 --> 00:09:50,080 (熙子)あら珍しい。 76 00:09:50,080 --> 00:09:54,520 人見知りをする子で 知らない方には懐かないのですけれど➡ 77 00:09:54,520 --> 00:09:56,450 こんなに おとなしくして…。 78 00:09:56,450 --> 00:10:00,390 たまは 藤孝殿がお気に入りのようですね。 79 00:10:00,390 --> 00:10:03,090 お~ よしよし。 80 00:10:05,530 --> 00:10:08,830 京で 何かありましたか? 81 00:10:13,400 --> 00:10:17,870 わざわざ 私の顔を見に来たわけではありますまい? 82 00:10:17,870 --> 00:10:22,870 いや 十兵衛殿にお会いしたかったのは 本当です…。 83 00:10:24,550 --> 00:10:29,220 されど 確かに それだけではありませぬ。 84 00:10:29,220 --> 00:10:34,090 実は 近く 二条御所で 能が催されるのですが➡ 85 00:10:34,090 --> 00:10:41,230 十兵衛殿も 是非 京へと 共に見たいと 上様が仰せでございます。 86 00:10:41,230 --> 00:10:45,900 公方様が? 私を…? 87 00:10:45,900 --> 00:10:50,770 上様は 十兵衛殿を 以前から買っておられますので…。 88 00:10:50,770 --> 00:10:58,250 いや… それは ありがたいお話ながら にわかには信じられませぬ。 89 00:10:58,250 --> 00:11:03,550 私は一介の牢人にすぎませぬゆえ。 90 00:11:05,060 --> 00:11:09,530 上様は変わってしまわれた…。 91 00:11:09,530 --> 00:11:14,400 都は今 以前にも増して 三好の力は強くなり➡ 92 00:11:14,400 --> 00:11:17,700 上様は ないがしろにされているのです。 93 00:11:20,540 --> 00:11:26,410 5年前 私がお目にかかった時も 確かにお元気がないご様子でしたが…。 94 00:11:26,410 --> 00:11:30,550 (藤孝) あのころよりも ひどいありさまです。 95 00:11:30,550 --> 00:11:35,420 将軍としての務めを果たそうとせず 怠惰な日々を送っておられます。 96 00:11:35,420 --> 00:11:38,890 それではいけませぬと 我ら奉公衆がおいさめしても➡ 97 00:11:38,890 --> 00:11:43,760 耳を貸さず かたくなに心を閉ざしておられるのです。 98 00:11:43,760 --> 00:11:48,900 近頃 私などは遠ざけられて…。 99 00:11:48,900 --> 00:11:50,830 それは何故? 100 00:11:50,830 --> 00:11:54,240 (藤孝)小言を言われるのが 煩わしいのでしょう。➡ 101 00:11:54,240 --> 00:11:59,540 お恥ずかしいことながら まこと困り果てております。 102 00:12:02,510 --> 00:12:06,850 (藤孝)十兵衛殿 京へおいで頂きたい。 103 00:12:06,850 --> 00:12:12,190 そして できることなら 上様のご真意を探って頂きたい。➡ 104 00:12:12,190 --> 00:12:15,860 朝倉様へは ここに来る前に 既にお目にかかって➡ 105 00:12:15,860 --> 00:12:23,160 話を通してきました。 何とぞ お願いいたします。 106 00:12:28,440 --> 00:12:32,210 あの魚 無理をしたな。 107 00:12:32,210 --> 00:12:35,510 大切なお客様ですから…。 108 00:12:38,080 --> 00:12:41,550 まだ質に入れるものがあったか…。 109 00:12:41,550 --> 00:12:44,550 なんとかなるものでございます。 110 00:12:56,100 --> 00:13:02,100 すまぬ…。 おやめ下さい そのような…。 111 00:13:04,510 --> 00:13:09,810 実は… 京に呼ばれた。 112 00:13:11,380 --> 00:13:18,860 公方様が 共に能を見よと仰せなんだ。 113 00:13:18,860 --> 00:13:21,160 まあ…。 114 00:13:23,530 --> 00:13:25,860 公方様が…。 115 00:13:25,860 --> 00:13:32,160 何故 わしが呼ばれたのか よく分からないのだが…。 116 00:13:33,740 --> 00:13:40,210 (熙子)それでも お行きになりたいのですね 京へ。 117 00:13:40,210 --> 00:13:43,110 うむ…。 118 00:13:43,110 --> 00:13:49,220 すまないと思うておる。 お前には苦労ばかりかけて…。 119 00:13:49,220 --> 00:13:53,090 何ですか 先ほどから すまぬ すまぬと 水くさい。 120 00:13:53,090 --> 00:13:55,390 フッ…。 121 00:14:02,170 --> 00:14:07,500 この越前に来て もう8年になる…。 122 00:14:07,500 --> 00:14:14,840 しかし 相も変わらぬ この暮らし向きだ。 123 00:14:14,840 --> 00:14:19,720 子どもたちに読み書きを教えるのは それはそれで楽しいが➡ 124 00:14:19,720 --> 00:14:23,850 これでよいとは思うてはおらぬ。 125 00:14:23,850 --> 00:14:30,530 もっと何かできることがあるはずだ。 126 00:14:30,530 --> 00:14:39,540 その何かを見つけるためにも 京へ行ってみたい。 127 00:14:39,540 --> 00:14:43,840 己の力を試してみたいのだ。 128 00:14:46,210 --> 00:14:50,550 よく分かりました。 129 00:14:50,550 --> 00:14:56,250 どうぞ行ってらっしゃいませ。 あとのことは案ずることはありません。 130 00:14:59,560 --> 00:15:01,860 すまぬ…。 131 00:15:04,390 --> 00:15:07,160 また。 132 00:15:07,160 --> 00:15:11,860 (笑い声) 133 00:15:18,510 --> 00:15:21,180 (朝倉義景)京へ行くのだな。 134 00:15:21,180 --> 00:15:24,080 はい。 135 00:15:24,080 --> 00:15:29,850 (義景)細川殿から話は聞いておる。 行ってくるがいい。 136 00:15:29,850 --> 00:15:34,190 ありがとうございまする。 137 00:15:34,190 --> 00:15:43,530 ただし 京で見たこと 聞いたこと➡ 138 00:15:43,530 --> 00:15:51,830 逐一 わしに知らせるのだ。 よいな。 139 00:15:55,550 --> 00:15:57,480 はっ…。 140 00:15:57,480 --> 00:16:32,380 ♬~ 141 00:16:32,380 --> 00:16:38,680 そなたの家のことは案ぜずともよい。 142 00:16:42,060 --> 00:16:48,770 留守の間 このわしが しかと面倒を見るゆえ➡ 143 00:16:48,770 --> 00:16:53,770 心おきなく行ってまいれ。 144 00:16:59,210 --> 00:17:01,510 はっ。 145 00:17:05,480 --> 00:17:09,350 (老人) おかげで 腰もだいぶよくなりましたよ。 146 00:17:09,350 --> 00:17:12,360 (望月東庵)それはよかった。 147 00:17:12,360 --> 00:17:16,490 (老人)先生の鍼は 本当に効きますねえ…。 148 00:17:16,490 --> 00:17:21,160 お駒ちゃんの薬もよく効くそうですが…。 149 00:17:21,160 --> 00:17:24,830 ん? 近所のばあさんが喜んでましたよ。 150 00:17:24,830 --> 00:17:28,500 お駒ちゃんからもらった薬をのんだら➡ 151 00:17:28,500 --> 00:17:31,410 腹痛がすぐ治ったって。➡ 152 00:17:31,410 --> 00:17:35,180 しかも タダらしいじゃないですか。➡ 153 00:17:35,180 --> 00:17:40,850 私も分けてもらおうかな。 ハッハッハッハ…。➡ 154 00:17:40,850 --> 00:17:43,550 うわ~っ! 155 00:18:00,870 --> 00:18:04,140 (芳仁) これを渡そうと思うていたのじゃ。➡ 156 00:18:04,140 --> 00:18:09,840 何にでも効く薬じゃ。 皆が喜ぶ。 157 00:18:12,820 --> 00:18:16,120 ≪(老人)じゃ 先生 また。 158 00:18:19,160 --> 00:18:21,860 (駒)先生…。 159 00:18:27,030 --> 00:18:32,700 どういうつもりで そんなもの作っておるのだ? 160 00:18:32,700 --> 00:18:35,510 そんなものって…。 161 00:18:35,510 --> 00:18:39,840 ばあさんに薬をやったそうだな? 162 00:18:39,840 --> 00:18:45,720 言ったはずだぞ。 むやみに配るなと。 163 00:18:45,720 --> 00:18:50,850 申し訳ありません…。 医者にかかるお金がないというので…。 164 00:18:50,850 --> 00:18:56,730 効能も分からぬ 怪しげな薬じゃぞ。 165 00:18:56,730 --> 00:19:00,200 お言葉ですが 効能ぐらいは分かってます。 166 00:19:00,200 --> 00:19:05,030 この薬は 薬草さえそろえば 本当に安く作れます。 167 00:19:05,030 --> 00:19:09,010 医者にかかれないような貧しい人を 助けることができます。 168 00:19:09,010 --> 00:19:14,480 もしものことがあった時 どうするのだ。 169 00:19:14,480 --> 00:19:23,150 薬というものはな 十分に気を付けて 扱わねばならんのだ。 170 00:19:23,150 --> 00:19:27,020 物によっては その時は効いても➡ 171 00:19:27,020 --> 00:19:33,160 後々 ほかの所が 悪くなったりすることもある。 172 00:19:33,160 --> 00:19:38,840 下手をすれば 命に関わることもあるんじゃぞ。 173 00:19:38,840 --> 00:19:44,710 何かあった時 お前は責めを負えるのか。 174 00:19:44,710 --> 00:19:48,510 この薬は そんなに危ないものではありません。 175 00:19:48,510 --> 00:19:53,850 フフッ… なぜ お前にそれが分かる? 176 00:19:53,850 --> 00:19:57,720 分かります! 私も薬のことは学んできました。 177 00:19:57,720 --> 00:20:00,520 出過ぎた口をたたくな!➡ 178 00:20:00,520 --> 00:20:04,190 お前の何倍もの年月を わしは学んでおる。 179 00:20:04,190 --> 00:20:09,870 素性も分からぬ じいさんが作ったものを 認めるわけにはいかんのだ! 180 00:20:09,870 --> 00:20:13,540 芳仁さんは 先生がおっしゃるような 怪しい人ではありません。 181 00:20:13,540 --> 00:20:15,870 貧しい人を助けたい一心で この薬を…。 182 00:20:15,870 --> 00:20:22,210 なら… ならば そのじいさんの弟子にでも なるがよかろう! 183 00:20:22,210 --> 00:20:25,110 何ですか その言いぐさ。 184 00:20:25,110 --> 00:20:27,880 何だ! 私がいなくなったら 困るくせに。 185 00:20:27,880 --> 00:20:36,560 ハッ ふざけるな! お前がいなくたって わしは一向に困らんよ。 186 00:20:36,560 --> 00:20:39,230 本当にいいんですか 私がいなくなっても? 187 00:20:39,230 --> 00:20:42,900 構わんと言ってるだろうが。 じゃあ 出ていきますよ。 188 00:20:42,900 --> 00:20:48,570 ああ 行け 行け 行け! こんな怪しげな薬を作る者は要らぬわ! 189 00:20:48,570 --> 00:20:52,910 分かりました。 出ていきます。 お世話になりました! 190 00:20:52,910 --> 00:21:07,610 ♬~ 191 00:21:09,190 --> 00:21:11,130 あ~っ! (伊呂波太夫)アハハハッ! 192 00:21:11,130 --> 00:21:13,860 下手だねえ 相変わらず。 193 00:21:13,860 --> 00:21:17,200 うまい下手ではありませぬ。 運があるかどうかでございます。 194 00:21:17,200 --> 00:21:21,540 弱いのよ。 さき様は 勝負事に向いていない。➡ 195 00:21:21,540 --> 00:21:24,440 お~! アハハハ! 196 00:21:24,440 --> 00:21:28,210 もう一度! 何度やっても同じだよ。 197 00:21:28,210 --> 00:21:30,150 負けたままでは終われませぬ。 198 00:21:30,150 --> 00:21:33,880 そういうとこ 昔から少しも変わらないね。 199 00:21:33,880 --> 00:21:37,750 (前久)何が? 弱いのに負けず嫌いなところ。➡ 200 00:21:37,750 --> 00:21:40,760 フフフフフ…。 201 00:21:40,760 --> 00:21:42,890 ≪(女)太夫。 202 00:21:42,890 --> 00:21:45,190 どうぞ。 203 00:21:48,230 --> 00:21:51,130 あら 駒ちゃん。 204 00:21:51,130 --> 00:21:57,430 お邪魔ですか? フフッ いいのよ どうぞ。 205 00:22:01,180 --> 00:22:04,080 (太夫)どうしたの 急に? 206 00:22:04,080 --> 00:22:09,050 先生と けんかしてしまって…。 へえ~ 珍しいわね。 207 00:22:09,050 --> 00:22:13,520 何があったの? 薬のことで…。 208 00:22:13,520 --> 00:22:18,190 あの丸薬ね。 怪しげな薬だから もう作るなと…。 209 00:22:18,190 --> 00:22:22,190 何にでも効くのにねえ。 210 00:22:23,870 --> 00:22:27,200 駒ちゃん。 うちの一座にいた子。 211 00:22:27,200 --> 00:22:32,880 今は お医者様のお手伝いをしているの。 (前久)ほう。 212 00:22:32,880 --> 00:22:38,750 そうだ。 あんた 駒ちゃんの薬 分けてもらえばいいのよ。 213 00:22:38,750 --> 00:22:42,220 近頃 胸が キリキリすると言っていたでしょう? 214 00:22:42,220 --> 00:22:46,890 治ったの? いえ 今日は楽な方だが➡ 215 00:22:46,890 --> 00:22:50,230 御所に出向くと この辺りが…。 216 00:22:50,230 --> 00:22:54,560 いろいろ やっかいなことがあってのう…。 217 00:22:54,560 --> 00:23:00,860 将軍様に困ってるんでしょう。 (前久)さすが地獄耳…。 218 00:23:02,370 --> 00:23:04,370 この人 関白。 219 00:23:04,370 --> 00:23:08,840 えっ? (太夫)そんなふうに 見えないんだけどね。 フフフッ。➡ 220 00:23:08,840 --> 00:23:12,840 殿下 ひとつ お言葉を。 221 00:23:14,520 --> 00:23:19,190 近衛前久である。 駒と申します。 222 00:23:19,190 --> 00:23:22,530 いいのよ そんな堅苦しくしないで。 223 00:23:22,530 --> 00:23:25,860 私の弟みたいなものなんだから。 224 00:23:25,860 --> 00:23:30,530 弟!? (太夫)駒ちゃんには 話してなかったかしら。 225 00:23:30,530 --> 00:23:36,870 私 子どもの頃 近衛家に拾われて しばらくの間 育てられたの。 226 00:23:36,870 --> 00:23:40,540 赤ん坊のこの子のお守りを よくしていたわ。 227 00:23:40,540 --> 00:23:46,220 おしめを替えたり… この子 小便たれでね。 228 00:23:46,220 --> 00:23:50,550 なかなか おしめが取れなくて…。 それゆえ➡ 229 00:23:50,550 --> 00:23:54,420 今も頭が上がらぬのだ。 (太夫)フフッ…。➡ 230 00:23:54,420 --> 00:23:59,900 そうだ。 駒ちゃんも一緒に行かない? 231 00:23:59,900 --> 00:24:01,830 どこへ? 232 00:24:01,830 --> 00:24:04,500 大和。 (駒)大和? 233 00:24:04,500 --> 00:24:10,170 今 一座は大和にいるのだけれど 興行が打てなくて困っているの。 234 00:24:10,170 --> 00:24:13,840 何故です? 大和の国を治める➡ 235 00:24:13,840 --> 00:24:20,520 松永久秀の奥方が死んで 松永が鳴り物禁止の触れを出したのだ。 236 00:24:20,520 --> 00:24:24,850 そのお触れを取り下げてもらうために じか談判に行くの。 237 00:24:24,850 --> 00:24:29,850 ちょうど この人も松永様に用があるというし…。 238 00:24:41,400 --> 00:24:48,080 松永久秀は 3年前に築いた多聞山城にいた。 239 00:24:48,080 --> 00:24:52,380 (前久)面を上げよ。 (松永久秀)ははっ! 240 00:24:55,220 --> 00:25:00,560 (前久)三好方からの改元の申し出… 見送ることになる。➡ 241 00:25:00,560 --> 00:25:03,830 将軍を差し置いて 改元を決めてしまっては➡ 242 00:25:03,830 --> 00:25:07,700 何かと面倒なことになるゆえ。 243 00:25:07,700 --> 00:25:12,840 ほう~…。 244 00:25:12,840 --> 00:25:18,510 帝は それほど将軍家に 気を遣っておられるのですか?➡ 245 00:25:18,510 --> 00:25:24,850 朝廷も何かとご心労が絶えませぬことで。 246 00:25:24,850 --> 00:25:30,520 昔から 改元の伺い立ては 将軍がするというのが習わしなのじゃ。 247 00:25:30,520 --> 00:25:33,860 さようでございますか➡ 248 00:25:33,860 --> 00:25:36,530 分かりました。 249 00:25:36,530 --> 00:25:38,860 時に松永。 (松永)はっ。 250 00:25:38,860 --> 00:25:42,530 先日 妙な噂を耳にした。 251 00:25:42,530 --> 00:25:45,430 (松永)妙な噂とは? 252 00:25:45,430 --> 00:25:50,870 将軍を亡きものにせんと企んでおる 輩がいるというのじゃ。 253 00:25:50,870 --> 00:25:54,540 なんと それは まことで? 254 00:25:54,540 --> 00:25:57,210 (前久)とぼけておるのか?➡ 255 00:25:57,210 --> 00:26:01,820 おのが子の久通が一枚かんでいるという 話もあるが…。 256 00:26:01,820 --> 00:26:06,490 息子が? ハハハ… アッハッハ!➡ 257 00:26:06,490 --> 00:26:12,830 ばかばかしい! アッハッハッハッハ…!➡ 258 00:26:12,830 --> 00:26:20,700 関白殿下ともあろうお方が そのような ざれ言を真に受けるのは➡ 259 00:26:20,700 --> 00:26:24,400 いかがなものですかな。 260 00:26:33,150 --> 00:26:36,520 (子どもたち)お坊様だ! お坊様だ~!➡ 261 00:26:36,520 --> 00:26:40,860 お坊様が来たぞ~! お坊様だ~! 262 00:26:40,860 --> 00:26:50,200 ♬~ 263 00:26:50,200 --> 00:26:54,500 (覚慶)おお そうか。 慌てるな。 慌てるな 慌てるな ほら。 264 00:27:01,810 --> 00:27:04,710 いつも ありがとうございます。 265 00:27:04,710 --> 00:27:08,680 おお 体の具合はどうじゃ? だいぶ 楽になりました。 266 00:27:08,680 --> 00:27:11,490 それは よかったのう。 ハッハッハ! 267 00:27:11,490 --> 00:27:15,160 帰って食べよう。 どこのお坊様? 268 00:27:15,160 --> 00:27:18,830 知らない。 お名前を伺っても➡ 269 00:27:18,830 --> 00:27:22,700 教えては下さらんのじゃ。 よくここへ見えて➡ 270 00:27:22,700 --> 00:27:27,170 こうして いろいろ物を分けて下さる。 271 00:27:27,170 --> 00:27:32,170 私らにとっては 生き仏様のようなお方じゃ。 272 00:27:36,850 --> 00:27:42,720 今日は これで しまいじゃ。 また来る。 すまんのう。 273 00:27:42,720 --> 00:27:53,200 ♬~ 274 00:27:53,200 --> 00:27:56,530 (覚慶)おお 売れておるか? ぼちぼちですわ。 275 00:27:56,530 --> 00:28:00,230 ハハッ 頑張ってな。 ありがとうございます。 276 00:28:09,110 --> 00:28:12,480 よくお見えになるそうですね?➡ 277 00:28:12,480 --> 00:28:17,820 皆さん 喜んでおられました。 生き仏様のようなお方だと。 278 00:28:17,820 --> 00:28:21,160 ハッハッハッハッハ…。 279 00:28:21,160 --> 00:28:27,500 恐れ多いことを… 私は ただ 己ができることをしておるだけ…。 280 00:28:27,500 --> 00:28:31,800 あれぐらいしかできない…。 281 00:28:33,840 --> 00:28:36,140 では…。 282 00:28:42,850 --> 00:28:45,750 (太夫)先ほども申し上げましたが➡ 283 00:28:45,750 --> 00:28:51,520 鳴り物禁止の件 なんとかなりませぬか? 284 00:28:51,520 --> 00:28:57,860 駄目だ。 喪が明けるまで待ってくれ。 285 00:28:57,860 --> 00:29:04,670 駄目ですか…。 お主も あれとは 仲がよかったのだから➡ 286 00:29:04,670 --> 00:29:09,810 わしの気持ちも分かるであろう? 287 00:29:09,810 --> 00:29:17,810 お優しい方でした。 本当に残念です。 うん。 288 00:29:26,360 --> 00:29:29,490 のう 太夫。 289 00:29:29,490 --> 00:29:37,830 このままずっと大和にいる気はないか? 290 00:29:37,830 --> 00:29:40,170 は? 291 00:29:40,170 --> 00:29:46,040 (松永)わしは家督をせがれに譲り 今は隠居の身だ。➡ 292 00:29:46,040 --> 00:29:53,720 三好の殿も近頃は病がちで… もはや我らの出る幕はない。 293 00:29:53,720 --> 00:30:00,190 ここらで ゆるりとしたいと思うのだが 女房に先立たれ➡ 294 00:30:00,190 --> 00:30:06,060 もう寂しうて寂しうてかなわんのじゃ。 295 00:30:06,060 --> 00:30:08,360 それで 私を? 296 00:30:13,740 --> 00:30:19,540 わしのそばに いてくれんか。 297 00:30:19,540 --> 00:30:22,440 あ…。 298 00:30:22,440 --> 00:30:30,190 お気持ちはありがたいことながら…。 うん うん。 299 00:30:30,190 --> 00:30:35,890 私には やることがございますので。 フフフッ。 300 00:30:35,890 --> 00:30:40,760 ええ… この上 まだ稼ぐつもりか。 え? 301 00:30:40,760 --> 00:30:46,240 そんなに稼いでどうするんだ? 誰か貢いでいる男でもおるのか? 302 00:30:46,240 --> 00:30:50,110 はい おります。 えっ… あ…。 303 00:30:50,110 --> 00:30:54,110 どこのどいつだ? その果報者は! 304 00:30:59,580 --> 00:31:04,190 (三淵藤英) よく来てくれた。 上様もお喜びだ。 305 00:31:04,190 --> 00:31:06,520 私でお役に立てれば…。 306 00:31:06,520 --> 00:31:12,410 おおよそのことは 藤孝から聞いておろうが 能を見たあと➡ 307 00:31:12,410 --> 00:31:20,090 上様からそなたに話があるはず。 はい…。 308 00:31:20,090 --> 00:31:27,790 恐らく 三好長慶を討てという話だろう。 309 00:31:31,560 --> 00:31:35,260 どういうことでございましょう? 310 00:31:37,440 --> 00:31:43,180 (三淵)実は… 我らも言われたのじゃ。➡ 311 00:31:43,180 --> 00:31:46,180 三好を斬れと。 312 00:31:47,910 --> 00:31:53,590 (三淵)将軍家に力を取り戻すためには 三好を成敗するほかないと。 313 00:31:53,590 --> 00:31:58,260 無論 おいさめした。 お考えを改めるよう…。 314 00:31:58,260 --> 00:32:04,060 ひょっとして そのために上様は私を? 315 00:32:04,060 --> 00:32:07,870 (三淵)そうかもしれぬ。➡ 316 00:32:07,870 --> 00:32:12,740 どう受け止めるかは そなた次第じゃ。 317 00:32:12,740 --> 00:33:07,190 ♬~ 318 00:33:07,190 --> 00:33:10,100 (義輝)面を上げよ。 319 00:33:10,100 --> 00:33:12,100 はっ。 320 00:33:34,420 --> 00:33:37,720 お告げのとおりじゃ。 321 00:33:39,890 --> 00:33:43,760 (義輝)夢に観音菩薩が現れてな…。 322 00:33:43,760 --> 00:33:48,570 菩薩…? (義輝)そう➡ 323 00:33:48,570 --> 00:33:55,910 菩薩がわしに告げられたのじゃ。 越前から助けが来る。 324 00:33:55,910 --> 00:34:03,520 それを頼みにせよとな。 そなたのことじゃ。➡ 325 00:34:03,520 --> 00:34:08,190 近頃 わしの呼びかけには誰も応じぬ。➡ 326 00:34:08,190 --> 00:34:12,860 諸大名に書状を送っても 何かと口実をつけて➡ 327 00:34:12,860 --> 00:34:19,730 誰も上洛しようとせんのじゃ。 将軍も軽んじられたものよ。 328 00:34:19,730 --> 00:34:25,200 もはや 誰も当てにできぬ。 329 00:34:25,200 --> 00:34:31,080 それで そなたを呼んだのじゃ。➡ 330 00:34:31,080 --> 00:34:35,080 あることを頼もうと思うてな。 331 00:34:37,220 --> 00:34:43,560 (義輝)だが よう分からなくなってきた…。 332 00:34:43,560 --> 00:34:53,230 正直に言おう。 三好長慶を討てと そなたに頼もうと思うていたのじゃ。➡ 333 00:34:53,230 --> 00:34:58,100 今 京がどうなっているか そなたも知っておろう。 334 00:34:58,100 --> 00:35:04,180 三好の力はますます強くなり 将軍の権威は地に落ちてしもうた。 335 00:35:04,180 --> 00:35:10,880 それを取り戻すには 三好を成敗するほかない。 336 00:35:13,190 --> 00:35:18,860 されど 頭を冷やして よう考えた…。 337 00:35:18,860 --> 00:35:24,530 武家の鑑でなければならぬ将軍が 己の意に沿わぬからと➡ 338 00:35:24,530 --> 00:35:31,200 その者の闇討ちを企てては ますます 将軍の権威は落ちる一方じゃ…。 339 00:35:31,200 --> 00:35:33,870 仰せのとおりにございます。 340 00:35:33,870 --> 00:35:41,750 十兵衛 覚えておるか? 昔 そなたに麒麟の話をしたのを。 341 00:35:41,750 --> 00:35:46,890 はい。 しかと覚えておりまする。 342 00:35:46,890 --> 00:35:52,590 立派な征夷大将軍となろう。 世を平らかにできよう。 343 00:35:54,230 --> 00:35:59,100 さすれば 麒麟がくる。 344 00:35:59,100 --> 00:36:04,040 この世に麒麟が舞い降りると…。 345 00:36:04,040 --> 00:36:08,510 (義輝)わしは 麒麟を呼べる男になりたいのじゃ。➡ 346 00:36:08,510 --> 00:36:12,380 それは将軍になってから ずっと願い続けてきたことじゃ…。➡ 347 00:36:12,380 --> 00:36:17,520 しかし 思うようにならぬ…。 348 00:36:17,520 --> 00:36:23,520 やればやるほど 皆の心は わしから離れていく…。 349 00:36:25,860 --> 00:36:31,160 何もかも うまくいかぬ…。 350 00:36:35,530 --> 00:36:43,210 上様 恐れながら 私に考えがございます。 351 00:36:43,210 --> 00:36:46,910 (義輝)何だ? 申してみよ。 352 00:36:48,880 --> 00:36:54,750 将軍家に力を取り戻すには 強い大名の支えがいります。 353 00:36:54,750 --> 00:36:58,560 分かっておる。 しかし 誰も呼びかけには応じぬ。 354 00:36:58,560 --> 00:37:03,160 尾張の織田信長がおります。 355 00:37:03,160 --> 00:37:07,030 織田信長? はい。 356 00:37:07,030 --> 00:37:11,500 今川義元を討ち果たし 強く 大きくなりました。 357 00:37:11,500 --> 00:37:15,370 あれは ただ者ではありませぬ。 勢いがあります。 358 00:37:15,370 --> 00:37:23,850 信長が上洛し 上様をお支え申すなら 大いに力になりましょう。 359 00:37:23,850 --> 00:37:26,180 (義輝)上洛してくれるのか? 360 00:37:26,180 --> 00:37:29,880 私がお連れいたします。 361 00:37:39,200 --> 00:37:42,530 ならば 十兵衛 そなたに託す。 362 00:37:42,530 --> 00:37:44,530 織田信長を連れてきてくれ。 363 00:37:46,200 --> 00:37:48,200 はっ! 364 00:38:09,430 --> 00:38:12,360 東庵先生。 365 00:38:12,360 --> 00:38:18,140 おっ これは 十兵衛様! 366 00:38:18,140 --> 00:38:26,440 越前から いつ? ささ お上がり下され。 367 00:38:29,180 --> 00:38:32,180 (東庵)いかがなされた? 368 00:38:35,520 --> 00:38:41,390 久しぶりに京に参り 気が高ぶっております。 369 00:38:41,390 --> 00:38:49,870 少し落ち着かねばと歩き回っておるうち 近くを通りかかりましたもので…。 370 00:38:49,870 --> 00:38:57,570 それはそれは…。 で 京へは何用で? 371 00:39:10,160 --> 00:39:13,490 あるお方に会うてまいりました。 372 00:39:13,490 --> 00:39:18,160 私が大事に思うておるお方です。 373 00:39:18,160 --> 00:39:25,500 そのお方は 迷うておられる。 374 00:39:25,500 --> 00:39:30,840 雲がかかった月のように。 375 00:39:30,840 --> 00:39:37,520 その雲を払うてさしあげたい…。 376 00:39:37,520 --> 00:39:41,850 私は そのための手だてを申し上げた。 377 00:39:41,850 --> 00:39:47,730 しかし この先のことを思うと➡ 378 00:39:47,730 --> 00:39:54,030 大きな山を前にしたような 心地がいたします。 379 00:39:56,400 --> 00:40:04,400 果たして この足で その山に登れるのかどうか…。 380 00:40:08,080 --> 00:40:13,380 しかし 登るほかはありませぬ。 381 00:40:15,220 --> 00:40:20,090 (東庵)わしも 長く医者をやってきたが➡ 382 00:40:20,090 --> 00:40:28,570 この年になって ようよう 分かってきたことがありましてな。 383 00:40:28,570 --> 00:40:38,910 手を尽くしても助からぬ命もあれば 治る者もある。 384 00:40:38,910 --> 00:40:49,550 治る者は 己の生きる力で病を治す。 385 00:40:49,550 --> 00:40:53,260 医者は ただひたすらに➡ 386 00:40:53,260 --> 00:40:59,960 その手助けをしてるだけじゃ ということがな。 387 00:41:01,870 --> 00:41:06,540 (東庵)雲が晴れるか否か…➡ 388 00:41:06,540 --> 00:41:15,550 十兵衛様 目の前のことを一つずつ➡ 389 00:41:15,550 --> 00:41:20,220 やっていくしかないのでは ありませぬか?➡ 390 00:41:20,220 --> 00:41:23,920 一つずつ…。 391 00:41:26,560 --> 00:41:37,570 山は大きい方がいい。 登り切るとよい眺めじゃ。➡ 392 00:41:37,570 --> 00:41:40,470 ハッハッハッハッハ…。 393 00:41:40,470 --> 00:41:55,120 ♬~ 394 00:41:55,120 --> 00:42:02,730 一方 河内では 絶大な権力を誇った 三好長慶が病に倒れ➡ 395 00:42:02,730 --> 00:42:05,730 息を引き取った。 396 00:42:12,200 --> 00:42:17,540 京は再び動乱の時代に入った。 397 00:42:17,540 --> 00:42:31,090 ♬~ 398 00:42:31,090 --> 00:42:34,560 次の将軍!? 次の将軍をお助けせねばと…。 399 00:42:34,560 --> 00:42:37,230 麒麟のくる世を作りたいと。 麒麟!? 400 00:42:37,230 --> 00:42:40,570 大惨事じゃ! 十兵衛 また会おう。 401 00:42:40,570 --> 00:42:43,230 義輝様の使いで参ったそうじゃな。 402 00:42:43,230 --> 00:42:47,910 義輝様を支えるために 一体 どの大名が上洛した? 403 00:42:47,910 --> 00:42:50,580 将軍様を討つ手はずは 既についていると…。 404 00:42:50,580 --> 00:42:56,280 夏は終わった… わしの夏は…。 上様! 405 00:43:03,100 --> 00:43:08,840 かつて 大和国と呼ばれた奈良県。 406 00:43:08,840 --> 00:43:14,840 武士ではなく 寺社勢力が支配する国でした。 407 00:43:17,520 --> 00:43:24,390 守護大名に代わり 実質的な守護となっていた興福寺。 408 00:43:24,390 --> 00:43:29,530 畿内の武家の家督を 相続することのない男子の多くが➡ 409 00:43:29,530 --> 00:43:32,430 ここで出家しました。 410 00:43:32,430 --> 00:43:38,540 覚慶 後の足利義昭もその一人です。 411 00:43:38,540 --> 00:43:46,240 松永久秀は 興福寺を抑え 大和国を制圧します。 412 00:43:47,880 --> 00:43:52,220 久秀が築いた多聞山城。 413 00:43:52,220 --> 00:43:55,120 興福寺や奈良の街道などを➡ 414 00:43:55,120 --> 00:44:00,560 見渡すことのできる 山の上に築かれました。 415 00:44:00,560 --> 00:44:04,830 今は中学校が建つこの地には➡ 416 00:44:04,830 --> 00:44:09,170 天守の先駆けとなった 高矢倉などが築かれ➡ 417 00:44:09,170 --> 00:44:14,510 後世の城造りに影響を与えました。 418 00:44:14,510 --> 00:44:21,180 三好長慶の重臣として 一国の主にまで上り詰めた久秀。 419 00:44:21,180 --> 00:44:28,180 長慶の死後 揺らぐ畿内の情勢を 大和から見守ることとなるのです。 420 00:45:05,060 --> 00:45:13,200 ♬~(テーマ音楽) 421 00:45:13,200 --> 00:45:21,200 ♬~ 422 00:45:24,210 --> 00:45:29,050 ≪(宗房)エイ エイ ヤア!➡