1 00:00:04,600 --> 00:00:08,470 永禄11年7月。 2 00:00:08,470 --> 00:00:15,240 足利義昭の一行は 美濃の立政寺に到着した。 3 00:00:15,240 --> 00:00:30,830 ♬~ 4 00:00:30,830 --> 00:00:33,300 (足利義昭)織田尾張守か。 5 00:00:33,300 --> 00:00:36,970 (織田信長) はっ! 織田信長にござります。 6 00:00:36,970 --> 00:00:43,310 (義昭)足利義昭じゃ。 わざわざの出迎え 大儀であった。 7 00:00:43,310 --> 00:00:47,980 本日ただいまより 公方様に末永うお仕えする覚悟で➡ 8 00:00:47,980 --> 00:00:53,850 お待ちしておりました。 何とぞ よろしくお導き下さりますよう。 9 00:00:53,850 --> 00:00:59,320 私はまだ将軍ではない。 公方と呼ばれるのは まだ早い。 10 00:00:59,320 --> 00:01:06,600 恐れながら 我が心の内では 既に将軍にあらせられます。 11 00:01:06,600 --> 00:01:14,470 公方様でござります。 それゆえ 私は 公方様にふさわしき品々を取りそろえ➡ 12 00:01:14,470 --> 00:01:18,610 お待ちいたしておりました。 ご披露いたせ! 13 00:01:18,610 --> 00:01:20,540 (近習たち)は! 14 00:01:20,540 --> 00:01:32,960 ♬~ 15 00:01:32,960 --> 00:01:38,630 この品々は 公方様への忠義の証しとして 用意いたしました。 16 00:01:38,630 --> 00:01:43,630 お納め頂ければ うれしうございます。 17 00:01:46,970 --> 00:01:50,310 (義昭)この銭は… いくらあるのじゃ? 18 00:01:50,310 --> 00:01:53,640 1千貫ございます。 19 00:01:53,640 --> 00:01:56,980 1千貫か…! 20 00:01:56,980 --> 00:02:04,250 これだけあれば 1万の貧しき民が ひとつきは過ごせよう。 21 00:02:04,250 --> 00:02:06,550 は? 22 00:02:08,920 --> 00:02:13,600 そなたの心遣い 身にしみる。 23 00:02:13,600 --> 00:02:15,930 ははっ! 24 00:02:15,930 --> 00:02:19,600 その太刀もお手に取ってご覧下さりませ。 25 00:02:19,600 --> 00:02:25,270 美濃随一の関の刀鍛冶に鍛えさせた 業物にて…。 26 00:02:25,270 --> 00:02:36,890 ♬~ 27 00:02:36,890 --> 00:02:42,620 あの銭は 貧しい者に施すための銭ではない。 28 00:02:42,620 --> 00:02:48,960 戦は 何かと金がかかるゆえ その備えとして差し上げたのじゃ。 29 00:02:48,960 --> 00:02:51,870 まるで分かっておられぬ。 30 00:02:51,870 --> 00:02:56,640 刀を抜いて ご覧になった時のお顔を見たか。 31 00:02:56,640 --> 00:03:01,910 ネズミが蛇ににらまれて 仰天したような目であったぞ。 32 00:03:01,910 --> 00:03:07,580 そなたから聞いていたゆえ さほどに驚きはせぬが➡ 33 00:03:07,580 --> 00:03:11,450 あれが武家の棟梁ではな。 34 00:03:11,450 --> 00:03:16,930 三淵殿も細川殿も さぞやご苦労なことであろう。 35 00:03:16,930 --> 00:03:21,260 (明智十兵衛光秀)僅か6歳で 興福寺一乗院にお入りあそばされ➡ 36 00:03:21,260 --> 00:03:30,270 爾来23年 29歳になるまで 僧侶としてお暮らしになられたのです。 37 00:03:30,270 --> 00:03:34,140 武士として育てられたことは 一度もございませぬ。 38 00:03:34,140 --> 00:03:43,620 突如 刀を持たされ戦へ行けと申されても 体が動かず 心も動きますまい。 39 00:03:43,620 --> 00:03:47,960 よくぞ 戦の修羅場を迎える お覚悟をなされたと➡ 40 00:03:47,960 --> 00:03:51,290 私は感じ入ってございます。 41 00:03:51,290 --> 00:03:57,970 しかし そうは申しても あのお方を 生かすも殺すも信長様次第でございます。 42 00:03:57,970 --> 00:04:02,240 この先 どうなされますか? 43 00:04:02,240 --> 00:04:05,540 何も変わりはない。 44 00:04:10,580 --> 00:04:15,580 そなたと話したとおりにやる。 45 00:04:17,450 --> 00:04:23,160 都へ出 幕府を立て直す。 46 00:04:23,160 --> 00:04:32,270 将軍の下 諸国をまとめ 大きな世を作る。 47 00:04:32,270 --> 00:04:36,270 大きな世だ。 48 00:04:37,940 --> 00:04:40,940 それでよかろう? 49 00:04:42,610 --> 00:04:45,610 おい。 (小姓)はっ。 50 00:04:52,950 --> 00:04:59,290 今のところ 我らの上洛を阻むのは 京の三好一族と➡ 51 00:04:59,290 --> 00:05:03,570 その仲間になった近江の六角承禎。 52 00:05:03,570 --> 00:05:06,570 これと一戦交えねばなるまい。 53 00:05:09,240 --> 00:05:14,910 存じておろうが わしの妹のお市が嫁した 近江の浅井長政が➡ 54 00:05:14,910 --> 00:05:18,780 共に上洛を果たしたいと文をよこした。 55 00:05:18,780 --> 00:05:23,590 この浅井を うまく使ってみてはどうかと思う。 56 00:05:23,590 --> 00:05:29,460 明日から4~5日 浅井の城へ行き 話し合うてみるつもりじゃ。 57 00:05:29,460 --> 00:05:36,760 ほう それはよろしうございます。 私も 何か役立つことがあれば いずこへでも。 58 00:05:38,600 --> 00:05:40,540 うむ。 59 00:05:40,540 --> 00:05:46,940 そなたには 頼みたいことがある。 は? 60 00:05:46,940 --> 00:05:52,810 京へ上り 三好一族の兵数を調べてもらいたい。 61 00:05:52,810 --> 00:05:59,290 あと一つ 朝廷が 三好たちをどう見ているか。 62 00:05:59,290 --> 00:06:03,890 三好たちと手を切って 我らに乗り換えるつもりが➡ 63 00:06:03,890 --> 00:06:08,190 まことにあるのかどうかを 探ってもらいたい。 64 00:06:09,770 --> 00:06:12,070 できるか? 65 00:06:14,240 --> 00:06:16,570 やってみましょう。 66 00:06:16,570 --> 00:06:21,910 フッ… 京には 既に木下藤吉郎を 潜り込ませてある。 67 00:06:21,910 --> 00:06:25,580 藤吉郎とうまくやってくれ。 藤吉郎? 68 00:06:25,580 --> 00:06:29,580 猿面をした あのおしゃべりだ。 69 00:06:31,250 --> 00:06:33,250 ああ…! 70 00:06:34,920 --> 00:09:15,620 ♬~ 71 00:09:23,220 --> 00:09:29,900 (木下藤吉郎)さあさあ ご覧じろ 今朝方 若狭より届いたばかりのサバにそうろう! 72 00:09:29,900 --> 00:09:36,570 程よき塩加減にござる。 召しませ召しませ 買わねば損々! 73 00:09:36,570 --> 00:09:38,910 木下殿➡ 74 00:09:38,910 --> 00:09:43,210 私だ。 明智だ。 75 00:09:48,920 --> 00:09:50,850 (兵)どけ! 76 00:09:50,850 --> 00:10:12,940 ♬~ 77 00:10:12,940 --> 00:10:15,840 (藤吉郎)まあ お座り下され。 78 00:10:15,840 --> 00:10:21,280 京の中でそのお姿では 逆に目立ちます。 すぐ着替えを用意させましょう。 79 00:10:21,280 --> 00:10:25,620 ああ かたじけない。 京は3年ぶりで勝手が分からぬ。 80 00:10:25,620 --> 00:10:30,290 三好の一党が あちこちで 目を 光らせているように見受けられるが…。 81 00:10:30,290 --> 00:10:34,960 (藤吉郎)こんな所に明智様を送り込むとは 殿も人使いが荒い。 82 00:10:34,960 --> 00:10:38,630 もはや京では 織田様が➡ 83 00:10:38,630 --> 00:10:43,970 足利義昭様を擁して攻め上ってくると 噂が広まっております。 84 00:10:43,970 --> 00:10:51,310 織田方の者と分かれば 即刻コレでござる。 85 00:10:51,310 --> 00:10:56,650 もっとも その噂を広めたのは某ですが。 86 00:10:56,650 --> 00:11:02,260 アハハハハハハッ! 87 00:11:02,260 --> 00:11:05,160 木下殿は そういうお役目で来られたのか? 88 00:11:05,160 --> 00:11:10,600 乱波を使って洛中に 織田は強いぞ 10万の兵で来るぞと言い触らし➡ 89 00:11:10,600 --> 00:11:13,940 三好の一党を浮き足だたせてこいとの ご命令で…。 ほう。 90 00:11:13,940 --> 00:11:17,810 それはよい。 人は 目に見えぬ敵ほど不気味なものはない。 91 00:11:17,810 --> 00:11:21,610 戦う気持ちを萎えさせる上策と存ずる。 これがうまくいったら➡ 92 00:11:21,610 --> 00:11:25,480 次の戦は 1, 000の兵を持たせてやると 仰せられました。 93 00:11:25,480 --> 00:11:31,950 わしのような成り上がり者に 1, 000人の兵を! ハハハハッ!➡ 94 00:11:31,950 --> 00:11:36,830 殿は時々 恐ろしいことを平気で命じられます。 95 00:11:36,830 --> 00:11:42,600 「城を みつきで造れ」とか➡ 96 00:11:42,600 --> 00:11:47,300 「敵の城に乗り込んで そこの大将を味方にしてこい」とか。 97 00:11:47,300 --> 00:11:49,970 ハハハハハハ…! 98 00:11:49,970 --> 00:11:54,840 だが 後でちゃんと褒美を下さる。 99 00:11:54,840 --> 00:12:00,320 わしは子どもの頃 家が貧しうて 親に市場で針を売ってこいと言われて➡ 100 00:12:00,320 --> 00:12:04,190 みんな売り尽くしたなら 麦飯を腹いっぱい食わせてやると…。 101 00:12:04,190 --> 00:12:08,590 しかし 一度も 食わしてもろうたことはなかった。➡ 102 00:12:08,590 --> 00:12:14,590 何百本 何千本の針を売っても…。 103 00:12:16,460 --> 00:12:24,610 いつもそのことを思い出します。 それに比べると信長様は偉い。 104 00:12:24,610 --> 00:12:33,310 必ず約束を守って下さる。 わしを褒めて下さる。 フフフッ! 105 00:12:34,950 --> 00:12:37,290 今から どちらかへお出かけになりますか? 106 00:12:37,290 --> 00:12:40,960 殿から 明智様をしかとお守りせよと 仰せつかっております。 107 00:12:40,960 --> 00:12:44,960 どこへでも ついてまいります。 108 00:12:47,300 --> 00:12:51,970 (物売りの男)織田軍の兵は 10万だそうだ。 三好方は戦上手だが…。 109 00:12:51,970 --> 00:12:54,870 その年の夏 京の人々は➡ 110 00:12:54,870 --> 00:13:01,240 三好軍と足利義昭の上洛軍が 戦を開始するという噂におびえ➡ 111 00:13:01,240 --> 00:13:05,240 市中から逃げ出す者で ごった返した。 112 00:13:06,920 --> 00:13:08,850 ここからは 私一人でよい。 113 00:13:08,850 --> 00:13:12,590 そう おっしゃらず。 この家でございますか? 114 00:13:12,590 --> 00:13:15,490 しばし 待たれよ。 115 00:13:15,490 --> 00:13:19,190 そう おっしゃらず。 116 00:13:22,600 --> 00:13:25,270 御免。 (望月東庵)駒➡ 117 00:13:25,270 --> 00:13:30,940 流気丸と黄連丸を切らしておるぞ! 118 00:13:30,940 --> 00:13:34,610 東庵殿 お久しうございます。 119 00:13:34,610 --> 00:13:39,950 これは驚いた。 いつ京へ!? 120 00:13:39,950 --> 00:13:45,290 昨日。 そうか 何年ぶりじゃ!? 121 00:13:45,290 --> 00:13:48,190 (駒)先生 黄連丸は…。 122 00:13:48,190 --> 00:13:52,630 駒殿… 変わりはないか? 123 00:13:52,630 --> 00:13:58,300 何も… 変わりは…。 うむ それは 何より。 124 00:13:58,300 --> 00:14:02,570 あ… さあ お上がりなされ…。 125 00:14:02,570 --> 00:14:05,910 は…。 先生 黄連丸は 奥の棚に…。 126 00:14:05,910 --> 00:14:09,210 ああ 奥の棚か! 127 00:14:13,580 --> 00:14:15,520 あ…! あ~っ! 128 00:14:15,520 --> 00:14:18,250 そなた 駿河の…! 129 00:14:18,250 --> 00:14:22,120 藤吉郎でございます! (東庵)藤吉郎か! 130 00:14:22,120 --> 00:14:26,590 存じておるのか? はい! お駒ちゃんには字を教わりました。 131 00:14:26,590 --> 00:14:30,270 あの折は まことに世話になった。 いや~! 132 00:14:30,270 --> 00:14:32,970 これは奇遇じゃ! 133 00:14:38,140 --> 00:14:40,610 (藤吉郎)一度 会いたかった。➡ 134 00:14:40,610 --> 00:14:45,280 あの折 字を教わったおかげで 今日のわしがあるのじゃ。➡ 135 00:14:45,280 --> 00:14:52,950 わしは 織田信長様の下で 立派な侍になれた。➡ 136 00:14:52,950 --> 00:14:56,290 出世をしたのじゃ! ハハハハッ! 137 00:14:56,290 --> 00:15:00,160 織田信長様のご家来に!? はい! 138 00:15:00,160 --> 00:15:05,900 敵の大将の首も ぎょうさん取って 信長様に認められ…! 139 00:15:05,900 --> 00:15:11,770 その名はまずいぞ! ここでは申してならぬ! 140 00:15:11,770 --> 00:15:16,240 (藤吉郎)ん!? 今 奥で療治をしておるのは➡ 141 00:15:16,240 --> 00:15:21,540 三好長逸様のお身内じゃ。 142 00:15:23,580 --> 00:15:26,920 お一人で…? いやいやいや…。 143 00:15:26,920 --> 00:15:33,920 表に ご家臣が5~6人控えているはずだ。 144 00:15:36,600 --> 00:15:40,940 (東庵)ここは療治をする場所。 145 00:15:40,940 --> 00:15:44,810 騒ぎは困る。 146 00:15:44,810 --> 00:15:47,810 私は 駒殿に聞きたいことがあって 参ったのです。 147 00:15:47,810 --> 00:15:53,280 長居はしませぬ。 木下殿 行かれるがよい。 148 00:15:53,280 --> 00:15:55,950 致し方ない。 149 00:15:55,950 --> 00:15:59,950 また お目にかかる。 今日は これにて…。 150 00:16:01,560 --> 00:16:06,430 ≪東庵殿! 何をしておる! 早うしてくれぬか! 151 00:16:06,430 --> 00:16:11,130 あ~ はい ただいま。 152 00:16:19,910 --> 00:16:24,250 (三好勢の武士) 待て。 東庵殿に 何用で参ったのだ? 153 00:16:24,250 --> 00:16:28,120 は…。 我らは三好長虎様の輩下の者➡ 154 00:16:28,120 --> 00:16:33,120 懐に 何故 短刀を所持しておる? 155 00:16:36,590 --> 00:16:38,590 追え! 156 00:16:42,260 --> 00:16:44,560 追え 追え! 157 00:16:46,130 --> 00:16:49,430 向こうだ! こっちだ! 158 00:17:06,220 --> 00:17:10,890 伊呂波太夫から 駒殿は息災だと聞いていた。 159 00:17:10,890 --> 00:17:14,230 変わらぬな。 (駒)変わりましたよ。 160 00:17:14,230 --> 00:17:20,570 美濃にいた頃は泣き虫でしたが 今は めったに泣かぬようになりました。 161 00:17:20,570 --> 00:17:25,240 もともと 駒殿は強い。 強くはありませぬ。 162 00:17:25,240 --> 00:17:30,580 大人になっただけでございます。 フフ…。 163 00:17:30,580 --> 00:17:35,450 (駒)私に何をお聞きになりたいのですか? 164 00:17:35,450 --> 00:17:41,920 足利義昭様の上洛を 朝廷がどう受け取めるのか知りたい。 165 00:17:41,920 --> 00:17:45,790 太夫は 関白殿下 近衛様とは親しいはず。 166 00:17:45,790 --> 00:17:49,600 太夫に会うて話を聞いてみたい。 167 00:17:49,600 --> 00:17:55,270 十兵衛様は 織田様と足利様の上洛を? 168 00:17:55,270 --> 00:17:58,940 そのために来た。 169 00:17:58,940 --> 00:18:03,240 京で 三好様と戦をなさるのですか? 170 00:18:13,450 --> 00:18:16,420 戦は避けたいが…。 (駒)でも➡ 171 00:18:16,420 --> 00:18:19,420 戦になる。 172 00:18:23,130 --> 00:18:26,900 (駒)この京が また火に包まれ➡ 173 00:18:26,900 --> 00:18:31,900 多くの人が家を焼かれ 巻き添えになり…。 174 00:18:35,240 --> 00:18:38,580 そうですね? 175 00:18:38,580 --> 00:18:41,580 やむをえぬのだ。 176 00:18:43,250 --> 00:18:47,920 この乱世を収めるには 戦のない世にするには➡ 177 00:18:47,920 --> 00:18:50,260 幕府を立て直さねばならん。 178 00:18:50,260 --> 00:18:53,560 皆 そう申して 戦をしてきたのです。 179 00:18:56,930 --> 00:19:00,270 (駒)もし 十兵衛様が 昔と変わらぬ十兵衛様なら➡ 180 00:19:00,270 --> 00:19:05,540 足利様に申し上げて下さい。 上洛をなさるのなら➡ 181 00:19:05,540 --> 00:19:09,410 刀を抜かずにおいで下さいと。➡ 182 00:19:09,410 --> 00:19:12,210 織田様に申して下さい。 183 00:19:12,210 --> 00:19:17,910 私たちの家に火をつけないで下さいと。 184 00:19:23,560 --> 00:19:30,860 (駒)ようやく またお会いできたのに… こういうお話はしたくありませんでした。 185 00:19:37,910 --> 00:19:41,580 太夫の所へご案内いたします。 186 00:19:41,580 --> 00:19:52,920 ♬~ 187 00:19:52,920 --> 00:19:57,790 (ヒグラシの声) 188 00:19:57,790 --> 00:20:02,260 こっち来よ。 うちは ええ子ばかりだから…。 189 00:20:02,260 --> 00:20:20,620 ♬~ 190 00:20:20,620 --> 00:20:24,950 知らせもなく参り ご容赦願う。 191 00:20:24,950 --> 00:20:31,830 駒殿の案内で一座へ行き こちらだと聞き及び…。 192 00:20:31,830 --> 00:20:37,130 (伊呂波太夫)駒ちゃんは? 表の橋の所で待っていると…。 193 00:20:41,300 --> 00:20:47,170 じゃあ 行くね。 その気になったら 一座へ訪ねておいで。➡ 194 00:20:47,170 --> 00:20:50,870 ここの主には話をしておいたから。 195 00:20:57,320 --> 00:20:59,990 踊りのうまい子がいるというから➡ 196 00:20:59,990 --> 00:21:04,590 一座へ入らないかと 口説きに来てみたのですよ。➡ 197 00:21:04,590 --> 00:21:08,590 邪魔をしたね。 198 00:21:16,940 --> 00:21:20,610 太夫は あそこにはよく来るのか? 199 00:21:20,610 --> 00:21:24,480 よくでもないけれど 私の母親が➡ 200 00:21:24,480 --> 00:21:28,280 あそこで私を産んだという噂を 聞いたことがあって➡ 201 00:21:28,280 --> 00:21:32,620 何となく 時折来て➡ 202 00:21:32,620 --> 00:21:37,490 これが私の里なのかと…。 203 00:21:37,490 --> 00:21:44,970 その母親の名も分からず 全て人づてに聞いた話で…➡ 204 00:21:44,970 --> 00:21:51,310 はっきりしているのは 生まれてすぐ 近衛様の門前に捨てられ➡ 205 00:21:51,310 --> 00:21:55,610 近衛様に拾われたということ。 206 00:21:57,180 --> 00:22:02,920 ここへ来て いつも思うのですよ。 207 00:22:02,920 --> 00:22:12,920 世の中は 醜いか美しいか どちらかだと…。 208 00:22:18,270 --> 00:22:21,270 (太夫)駒ちゃん。 209 00:22:30,610 --> 00:22:37,950 (太夫)三好様が勝つか 織田様が勝つか 朝廷は息を潜めて見ていますよ。 210 00:22:37,950 --> 00:22:43,820 織田様が勝てば すぐに義昭様を将軍に任ずる。 211 00:22:43,820 --> 00:22:49,300 それは間違いありません。 その証しが欲しいとおっしゃるのなら➡ 212 00:22:49,300 --> 00:22:53,630 朝廷のしかるべきお方を お引き合わせいたします。 213 00:22:53,630 --> 00:22:58,330 お高くつきますが。 その儀 お頼み申す。 214 00:23:00,910 --> 00:23:08,580 ただ 三好様はお強いですよ。 あまたの鉄砲を持ち➡ 215 00:23:08,580 --> 00:23:14,920 いざとなれば 兵も京の周りから 手当たりしだい 集めてくる。 216 00:23:14,920 --> 00:23:18,590 お金があるから何でもやれる。 217 00:23:18,590 --> 00:23:22,460 それほど金があるのか。 218 00:23:22,460 --> 00:23:30,200 (太夫)堺の会合衆がついていますからね。 お金はいくらでも都合してくれる。 219 00:23:30,200 --> 00:23:36,610 豪商たちが 三好の後ろ盾だとは聞いている。 220 00:23:36,610 --> 00:23:45,620 会合衆の今井宗久などというお方は 鉄砲の玉薬を一手に握っていて➡ 221 00:23:45,620 --> 00:23:52,290 明からの船が一隻入る度に 1万貫もうけるといわれています。 222 00:23:52,290 --> 00:24:00,170 そういうお方たちと三好様は 長年つきあわれていて だから強い。➡ 223 00:24:00,170 --> 00:24:05,570 長い戦になるでしょうね。 224 00:24:05,570 --> 00:24:08,910 どけ どけ! 邪魔だ 邪魔だ! 225 00:24:08,910 --> 00:24:13,610 (太夫)お~ 怖い。 226 00:24:19,250 --> 00:24:24,930 薬のことで二条のお寺へ行った時 私が作った丸薬に興味があると➡ 227 00:24:24,930 --> 00:24:27,830 声をかけてこられた方がおりました。 228 00:24:27,830 --> 00:24:34,270 今井宗久と名乗られました。 (太夫)へえ~ それで どうしたの? 229 00:24:34,270 --> 00:24:37,610 (駒)私の丸薬を売ってみたいと おっしゃるので➡ 230 00:24:37,610 --> 00:24:41,280 そういうつもりで作っておりませんと お断りしたのです。 231 00:24:41,280 --> 00:24:44,610 (太夫)あら~ もったいない! 232 00:24:44,610 --> 00:24:50,950 会合衆が 三好様から離れると 三好様は 戦をするのが難しくなるのですね? 233 00:24:50,950 --> 00:24:55,620 戦は お金で動くものだからね。 234 00:24:55,620 --> 00:24:59,960 そのお方 明日も お寺へおいでとお聞きしました。 235 00:24:59,960 --> 00:25:06,660 十兵衛様 一緒にお会いしてみませんか。 236 00:25:39,930 --> 00:25:42,630 頂戴いたします。 237 00:25:56,970 --> 00:25:59,300 はあ…。 238 00:25:59,300 --> 00:26:02,000 (今井宗久)うまいかな? 239 00:26:04,910 --> 00:26:08,250 喉… 渇いていたもので。 240 00:26:08,250 --> 00:26:11,150 ハッハッハッハ…! 241 00:26:11,150 --> 00:26:14,590 それほどの大ごとを持ち込んだのだ。 242 00:26:14,590 --> 00:26:19,920 喉も渇くであろうな。 フフフ…。 243 00:26:19,920 --> 00:26:26,800 私が申したのは もう京で戦は見たくないから…➡ 244 00:26:26,800 --> 00:26:28,800 ですから…。 245 00:26:32,500 --> 00:26:35,940 (駒)薬は人の命を守るもの。➡ 246 00:26:35,940 --> 00:26:41,280 その薬を売ってみたいと仰せられる方が 三好様の戦のために➡ 247 00:26:41,280 --> 00:26:45,980 お金や鉄砲をお出しになるのは おかしくはありませぬか? 248 00:26:49,150 --> 00:26:54,290 私は 今井様に薬を売って頂いて かまわないと決めました。 249 00:26:54,290 --> 00:27:00,290 そのかわり 戦の手助けはやめて頂きたいのです。 250 00:27:04,900 --> 00:27:08,240 (ため息) 251 00:27:08,240 --> 00:27:16,110 私とて この古き美しき都が 再び火に包まれるのは見たくはない。 252 00:27:16,110 --> 00:27:20,580 こうして茶をたてている方が よほど楽しい。 253 00:27:20,580 --> 00:27:23,250 ならば! (宗久)ただ➡ 254 00:27:23,250 --> 00:27:30,590 三好様と手を切ったとて 織田信長様が三好様以上に堺を守り➡ 255 00:27:30,590 --> 00:27:35,470 我らの商いを支えて下さるかどうか 分からぬのです。 256 00:27:35,470 --> 00:27:39,600 分からぬことに 踏み込むわけにはまいらぬ。 257 00:27:39,600 --> 00:27:44,480 (駒)戦こそ どちらが勝つか 分からぬことではありませぬか。➡ 258 00:27:44,480 --> 00:27:49,280 もし織田様が勝ったら 織田様は堺の方々を➡ 259 00:27:49,280 --> 00:27:52,950 敵として 攻めておいでになるかもしれませぬ。➡ 260 00:27:52,950 --> 00:27:56,290 三好様の手助けをするのは➡ 261 00:27:56,290 --> 00:28:01,290 そういうことに 踏み込むことではありませぬか? 262 00:28:04,560 --> 00:28:11,860 ですから 戦から一歩お引きになって 下さいとお願いしております。 263 00:28:13,900 --> 00:28:23,580 今日 一緒においでになったお方は そう申されているのかな? 264 00:28:23,580 --> 00:28:29,250 じきじきに お話しして頂けますか? 265 00:28:29,250 --> 00:28:35,930 フフフ… そのつもりで おいでになったのであろう? 266 00:28:35,930 --> 00:28:42,230 はい。 明智十兵衛様でございます。 267 00:28:57,210 --> 00:29:00,620 今井宗久にございます。 268 00:29:00,620 --> 00:29:03,920 明智十兵衛でございます。 269 00:29:11,230 --> 00:29:18,900 (宗久)明智様のお名前は 尾張の帰蝶様より よう伺っておりました。 270 00:29:18,900 --> 00:29:25,240 帰蝶様は 馬の鞍や鉄砲を よくお買い上げ下さいました。 271 00:29:25,240 --> 00:29:32,920 織田様の戦の度に玉薬もあまた…。➡ 272 00:29:32,920 --> 00:29:37,590 堺では 織田様の 戦の切り盛りをしているのは➡ 273 00:29:37,590 --> 00:29:42,460 帰蝶様ではないかと 専らの噂でございましてな。 274 00:29:42,460 --> 00:29:52,460 その帰蝶様が 最も頼りにされたお方が 明智様だとお聞きしておりました。 275 00:29:56,940 --> 00:29:59,640 それは…。 276 00:30:02,610 --> 00:30:08,490 前置きはさておき… 堺の商人は…➡ 277 00:30:08,490 --> 00:30:17,160 フッフッフ… 私もそうだが 異国との商いで生きております。 278 00:30:17,160 --> 00:30:24,640 それが守られるなら 三好様 織田様➡ 279 00:30:24,640 --> 00:30:30,340 どちらがお勝ちになってもよいと 思うております。 280 00:30:33,640 --> 00:30:45,640 (宗久)実は私は こたびは織田様が有利と見ております。 281 00:30:49,990 --> 00:30:57,670 織田様は 次の将軍 足利義昭という 大きな旗印をお持ちになり➡ 282 00:30:57,670 --> 00:31:05,370 三好様が担がれた旗印は 摂津で倒れてしまわれた。 283 00:31:06,940 --> 00:31:13,620 (宗久)それゆえ まとまりに欠ける。 284 00:31:13,620 --> 00:31:27,160 ♬~ 285 00:31:27,160 --> 00:31:34,300 商人は融通した金が戻らぬ者に 金は出しませぬ。 286 00:31:34,300 --> 00:31:37,640 鉄砲は売りませぬ。 287 00:31:37,640 --> 00:31:44,940 私は 三好様から離れてもよいと 思うておるのです。 288 00:31:47,650 --> 00:31:54,520 ただ 織田様にはお約束願いたい。 289 00:31:54,520 --> 00:32:00,660 私が好きなこの京の町に火はかけぬと。➡ 290 00:32:00,660 --> 00:32:06,660 そして 堺は守ると。 291 00:32:12,280 --> 00:32:18,620 (宗久)その証しに… 上洛の折には➡ 292 00:32:18,620 --> 00:32:25,620 鎧 兜を召されたまま おいでにならぬこと…。 293 00:32:31,630 --> 00:32:41,330 (宗久)それをおのみ頂けるのであれば 手を打ちましょう。 294 00:32:43,240 --> 00:32:50,240 (宗久)堺の会合衆も否とは申しますまい。 295 00:32:52,320 --> 00:32:55,220 (宗久)お駒さん。 296 00:32:55,220 --> 00:33:06,600 ♬~ 297 00:33:06,600 --> 00:33:13,270 それで お駒さんも ご納得かな? 298 00:33:13,270 --> 00:33:57,270 ♬~ 299 00:34:08,260 --> 00:34:50,630 ♬~ 300 00:34:50,630 --> 00:34:54,970 (柴田勝家) 鎧 兜を身に着けずに上洛せよ? 301 00:34:54,970 --> 00:34:58,840 そは 三好方の罠じゃ!➡ 302 00:34:58,840 --> 00:35:03,780 さような商人のたわ言に 耳を傾けてはなりませぬぞ。➡ 303 00:35:03,780 --> 00:35:08,520 我々は正々堂々と戦に臨み➡ 304 00:35:08,520 --> 00:35:12,260 近江で六角を倒し 京へなだれ込むまで! 305 00:35:12,260 --> 00:35:16,930 (稲葉良通)さよう! 明智殿は 朝廷の意向を知るために➡ 306 00:35:16,930 --> 00:35:23,270 京へ行かれたのであり 戦のやり方まで 指図を受けに行ったわけではあるまい。 307 00:35:23,270 --> 00:35:28,140 戦のやり方は我らで決める! 308 00:35:28,140 --> 00:35:30,610 並の戦ならば それでよろしいかと。 309 00:35:30,610 --> 00:35:35,950 しかし こたびは 足利義昭様を頂き 京へ上り➡ 310 00:35:35,950 --> 00:35:39,620 将軍にお就きになるまでの見守り役を 我らは負うておるのです。 311 00:35:39,620 --> 00:35:43,490 戦に勝つだけでなく 京の騒ぎと人心を鎮め➡ 312 00:35:43,490 --> 00:35:48,960 新たな将軍が穏やかな世を作るであろうと 皆が胸をなで下ろすよう➡ 313 00:35:48,960 --> 00:35:51,860 気を配ることも肝要かと存じます。 314 00:35:51,860 --> 00:35:58,640 そのためにも鎧は脱いで 入京すべきだと申しておるのです。 315 00:35:58,640 --> 00:36:04,910 殿。 明智殿は まるで 将軍家の使い番のような物言いをする。 316 00:36:04,910 --> 00:36:08,580 京の人心を鎮めるために 我らは➡ 317 00:36:08,580 --> 00:36:13,250 2万 3万の兵を 従えていくのでござりますか?➡ 318 00:36:13,250 --> 00:36:15,590 おかしな話じゃ! 319 00:36:15,590 --> 00:36:19,260 (稲葉)この美濃とて まだ斎藤龍興の残党が➡ 320 00:36:19,260 --> 00:36:24,930 隙あらば城を取り返さんと あちこちで構えております。 321 00:36:24,930 --> 00:36:32,270 それを放って わざわざ京まで出かけて さような気配りなど! 322 00:36:32,270 --> 00:36:37,140 ともあれ 堺の衆が三好への金の流れを 断つと申しておるのです。 323 00:36:37,140 --> 00:36:41,950 それが まことならば 近江の六角のもとへ 三好が助けをよこすことなど➡ 324 00:36:41,950 --> 00:36:45,820 できぬはず。 まずは 六角との戦で様子を見➡ 325 00:36:45,820 --> 00:36:49,620 上洛の次第を考えればと存じまするが いかがか。 326 00:36:49,620 --> 00:36:53,960 戦は さほど甘くはないぞ! 327 00:36:53,960 --> 00:36:56,860 それは私も分かっております! さよう! 笑止千万! 328 00:36:56,860 --> 00:36:59,630 それ以外に得策があるなら教えて下され! 329 00:36:59,630 --> 00:37:02,530 (一同の怒号) 330 00:37:02,530 --> 00:37:04,530 もうよい! 331 00:37:10,570 --> 00:37:16,250 この儀は 織田の一存で決まることではない。 332 00:37:16,250 --> 00:37:24,950 立政寺の公方様にもお伺いをして決める。 よいな。 333 00:37:36,930 --> 00:37:40,270 鎧 兜を着けずに京へ入る? 334 00:37:40,270 --> 00:37:43,610 それは妙案じゃな! 335 00:37:43,610 --> 00:37:50,480 私が上洛して最初になすべきことは 京の者たちに恐れを抱かせぬことじゃ。➡ 336 00:37:50,480 --> 00:37:57,150 都で無事平穏に暮らせる。 それができると約束してみせることじゃ。 337 00:37:57,150 --> 00:38:04,560 鎧を脱いで京へ入る。 三淵 よい案じゃとは思わぬか。 338 00:38:04,560 --> 00:38:09,860 (三淵藤英)まこと 公方様にふさわしい 上洛となりましょう。 339 00:38:12,240 --> 00:38:17,570 織田様のお考えはいかがかな? 340 00:38:17,570 --> 00:38:26,250 上洛は 公方様のおぼし召しどおりに 執り行われるべきかと存じます。 341 00:38:26,250 --> 00:38:31,120 我らは 付き従うまで…。 342 00:38:31,120 --> 00:38:33,820 うむ。 343 00:38:39,800 --> 00:38:45,270 わしは 父上から 戦に出た武士は 勝って馬からおりるまで➡ 344 00:38:45,270 --> 00:38:48,970 兜は取るなと教えられた。 345 00:38:51,940 --> 00:38:57,280 わしは 柴田勝家たちの言い分を是とする。 346 00:38:57,280 --> 00:39:00,880 義昭様のおぼし召しには不承知じゃ。 347 00:39:00,880 --> 00:39:04,880 そのことをそなたの腹におさめておけ。 348 00:39:06,560 --> 00:39:12,230 ただ そなたが案じておることは分かる。 349 00:39:12,230 --> 00:39:17,570 我らに大事なことは 上洛したあとのことじゃ。 350 00:39:17,570 --> 00:39:19,900 そうだな? 351 00:39:19,900 --> 00:39:22,570 さようでございます。 352 00:39:22,570 --> 00:39:29,250 やむをえぬ。 とにかく近江で戦じゃ。 353 00:39:29,250 --> 00:39:33,120 六角を討とう。 宗久が申すとおり➡ 354 00:39:33,120 --> 00:39:38,420 三好が加勢できねば 六角は造作もないはず。 355 00:39:50,930 --> 00:39:54,800 いまひとつ 大事なことがある。 356 00:39:54,800 --> 00:40:00,100 は? この後のことに関わることじゃ。 357 00:40:01,950 --> 00:40:09,290 十兵衛 そなたは 義昭様のおそばに仕えるのか➡ 358 00:40:09,290 --> 00:40:14,960 それとも わしの家臣となるか➡ 359 00:40:14,960 --> 00:40:18,960 今 それを決めよ。 360 00:40:35,280 --> 00:40:38,980 私の心は決まっております。 361 00:40:41,650 --> 00:40:44,950 将軍のおそばに参ります。 362 00:40:51,660 --> 00:40:57,330 残念だが… 分かった。 363 00:40:57,330 --> 00:41:03,030 以後 そのように扱う。 よいな。 364 00:41:04,610 --> 00:41:06,610 は! 365 00:41:12,950 --> 00:41:21,290 その年の9月 織田信長は 上洛を阻む近江の六角承禎を攻めた。 366 00:41:21,290 --> 00:41:26,160 六角と三好の軍勢は たちまち ちりぢりとなった。 367 00:41:26,160 --> 00:41:28,970 織田軍は勝った。 368 00:41:28,970 --> 00:41:33,840 (悲鳴) 369 00:41:33,840 --> 00:41:58,330 ♬~ 370 00:41:58,330 --> 00:42:02,930 9月の末 織田信長は 武装することなく➡ 371 00:42:02,930 --> 00:42:07,230 足利義昭を奉じて京へ入った。 372 00:42:12,280 --> 00:42:18,950 三好勢は 既に京から去り 京が戦火に巻き込まれることはなかった。 373 00:42:18,950 --> 00:42:27,650 久しく息を潜めていた室町幕府が 再び動き始める瞬間であった。 374 00:42:30,960 --> 00:42:34,830 十兵衛殿が幕臣に列せられ 心強く思うております。 375 00:42:34,830 --> 00:42:37,300 よくご無事で…。 わしは負けぬ。 376 00:42:37,300 --> 00:42:41,170 織田信長とは その程度の代物か! 織田信長め! 377 00:42:41,170 --> 00:42:43,640 織田殿に狙いをつけているという話だ。 378 00:42:43,640 --> 00:42:45,980 朝倉様を? 討つ。 379 00:42:45,980 --> 00:42:48,310 公方様が駒ちゃんを覚えていたの? 380 00:42:48,310 --> 00:42:50,980 この都を美しう保てるのは そなたしかおらぬ。 381 00:42:50,980 --> 00:42:53,320 その美しき都に戻さねばなりませぬ。 382 00:42:53,320 --> 00:42:56,020 自信はあるか? ございます! 383 00:43:02,840 --> 00:43:06,250 大阪府堺市。 384 00:43:06,250 --> 00:43:10,920 今井宗久は 国際貿易により栄えたこの町の➡ 385 00:43:10,920 --> 00:43:14,220 有力商人として知られています。 386 00:43:16,260 --> 00:43:22,130 堺に鉄砲の製造法が伝わると ここは一大生産地となり➡ 387 00:43:22,130 --> 00:43:27,830 商人たちは 戦国の世の特需に沸きました。 388 00:43:30,600 --> 00:43:37,940 宗久をはじめとする商人たちは 茶の湯を通し 戦国武将と交流。 389 00:43:37,940 --> 00:43:44,940 茶室では 鉄砲や火薬などの商談が 行われたといいます。 390 00:43:46,620 --> 00:43:52,290 海と濠で守られたこの町は 大名たちの支配を受けず➡ 391 00:43:52,290 --> 00:43:56,590 商人たちによって治められていました。 392 00:43:58,160 --> 00:44:02,900 大寺さんの名で親しまれている開口神社。 393 00:44:02,900 --> 00:44:08,240 会合衆と呼ばれる 有力商人たちは ここに集まり➡ 394 00:44:08,240 --> 00:44:13,540 自治や経済について 話し合いを行ったといいます。 395 00:44:15,110 --> 00:44:20,590 会合衆である宗久は 織田信長との仲介役を務め➡ 396 00:44:20,590 --> 00:44:25,590 やがて 信長に重用されるのです。 397 00:45:02,860 --> 00:45:08,800 ♬~(テーマ音楽) 398 00:45:08,800 --> 00:45:21,610 ♬~ 399 00:45:21,610 --> 00:45:29,410 ♬~(太鼓)