1 00:00:12,840 --> 00:00:17,210 (明智左馬助) 殿 8日の旅でしたら これで十分かと。 2 00:00:17,210 --> 00:00:22,050 (明智十兵衛光秀)ああ。 そなたを ようやく美濃から呼び寄せた途端➡ 3 00:00:22,050 --> 00:00:25,720 今度は わしが美濃への旅だ。 4 00:00:25,720 --> 00:00:31,860 留守中 よろしく頼むぞ。 承知いたしました。 5 00:00:31,860 --> 00:00:35,230 ≪(木下藤吉郎) 木下藤吉郎でござりまする!➡ 6 00:00:35,230 --> 00:00:40,570 そろそろお発ちかと思うて ご挨拶に参りました。 おお…。 7 00:00:40,570 --> 00:00:42,600 それはご丁寧に。 8 00:00:42,600 --> 00:00:46,300 これは 供の者に渡しておきます。 うむ。 9 00:00:48,080 --> 00:00:56,750 (藤吉郎)これは 嫁のねねが作った 強飯と牛蒡とタコの煮物でござります。➡ 10 00:00:56,750 --> 00:01:02,690 明智様は 共に京を取り締まるご同役で 大変お世話になっておる。➡ 11 00:01:02,690 --> 00:01:08,200 そのお方が旅に出られると申しますと 是非ご道中でお食べ頂きたいと。 12 00:01:08,200 --> 00:01:11,700 おお… それは かたじけない。 ありがたく頂きます。 13 00:01:11,700 --> 00:01:13,640 いやいや いやいや…。 14 00:01:13,640 --> 00:01:22,210 ところで… こたびは 岐阜城に 松永久秀様や➡ 15 00:01:22,210 --> 00:01:27,080 奉公衆の三淵藤英様なども 信長様に招かれておいでと➡ 16 00:01:27,080 --> 00:01:29,380 ひそかに聞いております。 17 00:01:29,380 --> 00:01:33,220 明智様も行かれるとなると…➡ 18 00:01:33,220 --> 00:01:42,930 やはり 次の戦のお話でもあるのですかな? 19 00:01:42,930 --> 00:01:45,800 ハッハッハッハ…。 さあて…➡ 20 00:01:45,800 --> 00:01:51,410 私は妻子と会うために参りますゆえ その儀は しかとは。 21 00:01:51,410 --> 00:01:56,110 (藤吉郎)またまた おとぼけになる。 22 00:02:03,690 --> 00:02:11,430 この幕府には 越前の朝倉義景と つながりのある者が あまたおります。 23 00:02:11,430 --> 00:02:16,200 成り上がり者の織田に支えられるより 由緒正しき大大名➡ 24 00:02:16,200 --> 00:02:20,700 朝倉辺りに支えてほしいと いろいろ企てをいたす者がおる。 25 00:02:20,700 --> 00:02:23,710 かかる輩を一掃せねば 幕府は新しくなりませぬ。 26 00:02:23,710 --> 00:02:30,050 そのためには 朝倉を倒すのが一番。➡ 27 00:02:30,050 --> 00:02:34,220 そう思われませぬか? 28 00:02:34,220 --> 00:02:39,390 私は 10年もの月日を越前で過ごした。 29 00:02:39,390 --> 00:02:45,560 朝倉様と戦をするには 相当の兵の数と 銭が要る。 30 00:02:45,560 --> 00:02:48,560 銭ですか…。 31 00:02:50,230 --> 00:02:53,270 では 御免。 32 00:02:53,270 --> 00:03:05,180 ♬~ 33 00:03:05,180 --> 00:03:08,680 (駒)十兵衛様! 34 00:03:08,680 --> 00:03:13,190 おお 駒殿。 35 00:03:13,190 --> 00:03:17,690 (駒)お久しうございます。 うむ。 36 00:03:17,690 --> 00:03:22,560 駒殿は 何用でここへ? 37 00:03:22,560 --> 00:03:27,700 (駒)はい… 実は こちらを…。 38 00:03:27,700 --> 00:03:31,540 (若侍)駒殿 公方様が お待ちかねでございます。 39 00:03:31,540 --> 00:03:34,580 ん? はい。 40 00:03:34,580 --> 00:03:40,380 では 長旅 お気を付けて。 うむ。 41 00:03:45,550 --> 00:03:51,730 「公方様が お待ちかね」!? 42 00:03:51,730 --> 00:06:32,530 ♬~ 43 00:06:43,700 --> 00:06:46,030 (足利義昭)おお!➡ 44 00:06:46,030 --> 00:06:51,210 先日 百貫文 持参してくれたばかりではないか。 45 00:06:51,210 --> 00:06:53,140 今日もまた! 46 00:06:53,140 --> 00:06:59,710 公方様は 貧しい人 病に苦しむ人を救う館を➡ 47 00:06:59,710 --> 00:07:03,150 いくつも造りたいと仰せられました。 48 00:07:03,150 --> 00:07:09,320 その中の一つでもいいので お力になれたらと思い…。 49 00:07:09,320 --> 00:07:15,200 しかし それでは そなたが困るであろう。 50 00:07:15,200 --> 00:07:19,330 大丈夫でございます。 丸薬芳仁丸は➡ 51 00:07:19,330 --> 00:07:22,370 お寺や神社に 日々買い取って頂いております。 52 00:07:22,370 --> 00:07:27,010 近頃は 堺の商人たちも 仕入れたいと訪ねてきて➡ 53 00:07:27,010 --> 00:07:31,350 私どもは てんてこまいでございます。 54 00:07:31,350 --> 00:07:38,350 (義昭)芳仁丸と名付けたのか? よい薬じゃな。 55 00:07:46,360 --> 00:07:54,240 うん 確かに これをのむと この辺りがスッキリするのじゃ。 56 00:07:54,240 --> 00:07:57,010 (駒)それは よろしうございました。 57 00:07:57,010 --> 00:08:01,710 (笑い声) 58 00:08:06,650 --> 00:08:16,990 わしは仏門から この俗世に戻って… 何年になろう。 59 00:08:16,990 --> 00:08:25,500 今もやまぬ諸国の戦のこと 幕府のこと➡ 60 00:08:25,500 --> 00:08:34,000 それが終日 頭から去らぬ。 気が休まらぬ。 61 00:08:37,210 --> 00:08:40,820 そなたと こうして会うていると➡ 62 00:08:40,820 --> 00:08:46,520 いっとき すがすがしうなるのが不思議じゃ。 63 00:08:48,190 --> 00:08:54,360 そなた 蛍は好きか? 蛍? 64 00:08:54,360 --> 00:08:58,200 皆に気付かれぬよう ここを出よう。 65 00:08:58,200 --> 00:09:02,500 時折 抜け出す忍び口があるのじゃ。 66 00:09:04,970 --> 00:09:08,640 (ヒグラシの声) 67 00:09:08,640 --> 00:09:14,780 (虫の声) 68 00:09:14,780 --> 00:09:44,680 ♬~ 69 00:09:44,680 --> 00:09:50,550 (摂津晴門)何 蛍をご覧になっておる?➡ 70 00:09:50,550 --> 00:09:53,820 その女とか。 (摂津家家臣)はっ。 71 00:09:53,820 --> 00:10:02,200 (摂津)どうにも困ったお方じゃのう。 72 00:10:02,200 --> 00:10:05,530 やむをえぬ。 奉行たちを集めよ。 73 00:10:05,530 --> 00:10:10,710 岐阜城で何が話し合われるのか 急ぎ調べさせるのじゃ。 74 00:10:10,710 --> 00:10:18,510 織田の動き次第では 手を打たねばならぬ。 75 00:10:25,850 --> 00:10:29,150 (松永久秀)4百貫。 はっ。 76 00:10:38,070 --> 00:10:42,240 (松永)よっ。 松永様。 77 00:10:42,240 --> 00:10:46,740 (松永)下がってよいぞ。 (一同)はっ。 78 00:10:46,740 --> 00:10:50,410 お久しうございます。 うむ。 79 00:10:50,410 --> 00:10:58,150 信長殿が 上洛の折 豪商たちから 召し上げられた逸品ばかりじゃ。 80 00:10:58,150 --> 00:11:02,690 来た途端 値踏みせよと仰せつかった。 フフフ…。 81 00:11:02,690 --> 00:11:07,200 8千貫ぐらいにはなるであろうな。 8千貫も…。 82 00:11:07,200 --> 00:11:09,230 (松永)戦は金がかかる。 83 00:11:09,230 --> 00:11:16,700 信長殿は 公方様のために上洛をし 城を造り 金を遣った。 84 00:11:16,700 --> 00:11:22,400 だが ご自分の領地が増えたわけではない。 85 00:11:24,050 --> 00:11:27,920 まあ わしに言わせれば 金などは戦に勝てば➡ 86 00:11:27,920 --> 00:11:33,390 いくらでも転がり込んでくる。 今の信長殿の勢いをもってすれば➡ 87 00:11:33,390 --> 00:11:38,730 たとえ 相手が誰であろうと 負けることはあるまい。 88 00:11:38,730 --> 00:11:43,230 朝倉は 上洛を果たした信長殿が憎いのだ。 89 00:11:43,230 --> 00:11:49,040 隙あらば 取って代わろうと思っておるのだ。 90 00:11:49,040 --> 00:11:52,040 ≪お越しにございます。 91 00:11:53,940 --> 00:11:57,080 三淵様…。 92 00:11:57,080 --> 00:12:00,580 (三淵藤英)おう 参られたか。 はっ。 93 00:12:00,580 --> 00:12:06,280 (松永)信長殿とは どのような話になったのじゃ? 94 00:12:10,260 --> 00:12:14,130 信長様は はっきりと仰せられた。 95 00:12:14,130 --> 00:12:17,830 朝倉と一戦交えたいと。 (松永)おお!➡ 96 00:12:17,830 --> 00:12:21,700 それでよいのじゃ! (三淵)しかし 私は申し上げておいた。➡ 97 00:12:21,700 --> 00:12:26,840 公方様は 朝倉様に お世話になったことがあるゆえ➡ 98 00:12:26,840 --> 00:12:30,380 共に戦うわけにはまいりますまいと。 99 00:12:30,380 --> 00:12:36,050 戦に加わるには大義名分が必要。 さようであろう。 100 00:12:36,050 --> 00:12:44,250 やるなら 信長殿お一人でどうぞ そういうことか。 101 00:12:48,230 --> 00:12:53,930 (若侍)明智様 殿がお呼びでござります。 102 00:13:02,180 --> 00:13:04,980 (若侍)明智様でござります。 103 00:13:07,520 --> 00:13:10,320 御免。 104 00:13:22,700 --> 00:13:28,500 (帰蝶)奇妙丸 そこは そなたの座ではあるまい。➡ 105 00:13:28,500 --> 00:13:32,700 こちらへおいで。 帰蝶様。 106 00:13:34,710 --> 00:13:38,050 (帰蝶)十兵衛…。 107 00:13:38,050 --> 00:13:42,350 懐かしいのう。 108 00:13:45,720 --> 00:13:50,020 長らく ご無沙汰をいたしておりました。 109 00:13:58,070 --> 00:14:02,670 (奇妙丸)母上 この者が泣き虫十兵衛か。 110 00:14:02,670 --> 00:14:06,670 フフッ… そうじゃ。 111 00:14:06,670 --> 00:14:14,680 幼き頃 高い木に登って下りられなくなり 声上げて泣いておった十兵衛じゃ。 112 00:14:14,680 --> 00:14:19,020 いや… また そのような…。 113 00:14:19,020 --> 00:14:23,690 気にいたすな。 わしも木に登って泣いたことがある。 114 00:14:23,690 --> 00:14:29,990 その折 母上から そなたのことを聞いた。 会えてうれしいぞ。 115 00:14:38,040 --> 00:14:45,380 お許しあれ。 信長様に似て 愛想悪き子ゆえ…。 116 00:14:45,380 --> 00:14:53,720 あの子が嫡男の奇妙丸じゃ。 清須で9年 私が育てた。 117 00:14:53,720 --> 00:14:58,060 奇妙丸様…? 118 00:14:58,060 --> 00:15:00,960 そのお子は? 119 00:15:00,960 --> 00:15:08,670 天から降ってきた大事な預かりものじゃ。 120 00:15:08,670 --> 00:15:15,180 もはや 実の我が子のように思える。 121 00:15:15,180 --> 00:15:20,380 もはや 9年たちましたか。 122 00:15:23,050 --> 00:15:29,690 会うことはなかったが 信長様から 時折 様子は聞いておった。 123 00:15:29,690 --> 00:15:34,530 何かと相談なされるがよいと いつも申し上げておるのじゃ。 124 00:15:34,530 --> 00:15:37,330 それは 恐れ多きお言葉…。 125 00:15:39,030 --> 00:15:46,910 こたびも 随分お悩みのご様子。 戦をしてよいものかどうか➡ 126 00:15:46,910 --> 00:15:52,610 お集まりになった方々の話を聞き 更に迷うておられる。 127 00:15:54,380 --> 00:16:01,260 (帰蝶)今 庭におられる。 お話しすれば お聞き入れになるはず。 128 00:16:01,260 --> 00:16:04,960 何とぞ よしなに。 129 00:16:06,660 --> 00:16:09,360 はっ。 130 00:16:28,350 --> 00:16:35,150 帰蝶様は 朝倉との戦をどう思われますか? 131 00:16:44,800 --> 00:16:51,540 我が兄の子 斎藤龍興は 朝倉を唆し➡ 132 00:16:51,540 --> 00:16:55,040 この美濃を取り返そうと企んでおる。➡ 133 00:16:55,040 --> 00:17:00,920 国境では 既に朝倉方と小競り合いが続いておる。 134 00:17:00,920 --> 00:17:06,650 京が いっとき穏やかになったとて 足元の美濃に火がつけば➡ 135 00:17:06,650 --> 00:17:11,490 全て また一から始めねばなりますまい。 136 00:17:11,490 --> 00:17:16,660 それゆえ 私は申し上げました。 137 00:17:16,660 --> 00:17:21,660 朝倉をお討ちなされと。 138 00:17:47,360 --> 00:17:54,360 (鷹の鳴き声) 139 00:17:57,370 --> 00:18:00,840 お越しになりました。 140 00:18:00,840 --> 00:18:04,040 (鷹の鳴き声) 141 00:18:13,320 --> 00:18:15,790 (鷹の鳴き声) 142 00:18:15,790 --> 00:18:18,990 (信長のため息) 143 00:18:18,990 --> 00:18:24,670 (織田信長)朝倉相手に一人では勝てぬ。 144 00:18:24,670 --> 00:18:28,870 何か よい手はないか? 145 00:18:31,440 --> 00:18:37,380 こちらへ参る日 京の御所の前を通りました。 146 00:18:37,380 --> 00:18:44,820 崩れていた塀が いつの間にか 見事に修繕されておりました。 147 00:18:44,820 --> 00:18:52,560 聞けば 信長様が命じられ 塀と南の御門をお直しになったと…。 148 00:18:52,560 --> 00:18:59,030 昔 父上が 荒れ果てた御所の話を聞き➡ 149 00:18:59,030 --> 00:19:06,770 帝の御座所がそれでは 武士の面目が立たぬとお直ししたのだが➡ 150 00:19:06,770 --> 00:19:14,070 今また見る影もないと 公家たちが嘆くのを聞いた。 151 00:19:19,790 --> 00:19:25,590 父上への供養と思うてな…。 152 00:19:35,000 --> 00:19:43,180 昔 読んだ書物に 8歳の子が 父親に問う話がありました。 153 00:19:43,180 --> 00:19:51,520 尊い仏は 誰から仏の道を教わったのかと…。 154 00:19:51,520 --> 00:19:57,690 一番尊い仏から教わったのだと 父親が答えると➡ 155 00:19:57,690 --> 00:20:07,690 その一番尊い仏は誰から教わったのかと 問われ 父親は答えられず…。 156 00:20:10,040 --> 00:20:16,810 空より降ってきた者からと 答えたという話です。 157 00:20:16,810 --> 00:20:25,390 何かに迷うた折 私は いつも その書物のことを思い出します。 158 00:20:25,390 --> 00:20:33,390 空より降ってきた者から 道を聞いてみたいと…。 159 00:20:35,060 --> 00:20:41,570 フッ… 以前話した 父上の話とよう似ておるな。 160 00:20:41,570 --> 00:20:49,080 この世で一番偉いのはお天道様で その次は都におわす帝。 161 00:20:49,080 --> 00:20:53,750 将軍は その帝の門を守る者であると。 162 00:20:53,750 --> 00:21:05,450 その将軍が 帝の門を守る役目を放り出し 門は破れ 世が乱れた。 163 00:21:08,030 --> 00:21:17,710 帝が この戦をどう思われるか お聞きしてみたいものだな。 164 00:21:17,710 --> 00:21:23,580 この戦が 天下を平らかにするための 避けて通れぬ道であると申し上げ➡ 165 00:21:23,580 --> 00:21:28,220 それをお認め頂ければ 大義名分は立つ。 違うか? 166 00:21:28,220 --> 00:21:33,050 そうなれば 諸国の大名たちも納得いたし 兵も集まりましょう。 167 00:21:33,050 --> 00:21:41,230 しかし お認めにならねば 信長様お一人の戦となります。 168 00:21:41,230 --> 00:21:45,100 賭けだな…。 169 00:21:45,100 --> 00:21:49,740 帝は 拝謁を許されると思うか? 170 00:21:49,740 --> 00:21:54,610 あのように 南の御門をお直しになったのです。 171 00:21:54,610 --> 00:22:01,680 たたけば門は開くやもしれませぬ。 うむ。 172 00:22:01,680 --> 00:22:06,190 (若侍)殿 参られました。 173 00:22:06,190 --> 00:22:11,030 十兵衛 後の話は酒を酌みながら話そう。 174 00:22:11,030 --> 00:22:13,830 はっ。 まずは 裏門へ行け。 175 00:22:13,830 --> 00:22:19,030 は? そなたの妻子が来ておるぞ。 176 00:22:25,210 --> 00:22:27,510 御免! 177 00:22:33,080 --> 00:22:35,720 (たま)父上! 178 00:22:35,720 --> 00:22:40,020 (岸)父上! (熙子)お岸 たま! 179 00:22:41,590 --> 00:22:45,860 皆 よう来てくれた。 180 00:22:45,860 --> 00:22:50,730 お岸 たま➡ 181 00:22:50,730 --> 00:22:54,600 息災であったか? (2人)はい。 182 00:22:54,600 --> 00:22:59,300 ハッハッハッハ…。 あ~ 大きくなったのう。 183 00:23:02,810 --> 00:23:05,310 熙子…。 184 00:23:11,020 --> 00:23:14,020 伝吾。 185 00:23:20,530 --> 00:23:25,200 明日早朝 京へ戻る。 186 00:23:25,200 --> 00:23:34,210 また 戦ですか? うむ 恐らく…。 187 00:23:34,210 --> 00:23:38,710 だが 案ずるな。 188 00:23:49,560 --> 00:23:55,860 これは お岸やたまの願いでございますし➡ 189 00:23:55,860 --> 00:24:00,070 私の願いでもございます。 190 00:24:00,070 --> 00:24:02,370 うむ。 191 00:24:04,340 --> 00:24:11,210 私どもを京へお呼び頂けませぬか。➡ 192 00:24:11,210 --> 00:24:14,520 お岸が申しました。➡ 193 00:24:14,520 --> 00:24:21,190 お父上のご苦労をしのぶのではなく 目の当たりにしたいと。➡ 194 00:24:21,190 --> 00:24:28,060 戦へおいでになるのなら お見送りしたいと。 195 00:24:28,060 --> 00:24:36,060 それが 美濃では かなわぬと。 196 00:24:39,370 --> 00:24:50,670 私も 十兵衛様のご出陣を お見送りしとうございます。 197 00:25:01,060 --> 00:25:04,760 京へ…。 198 00:25:09,670 --> 00:25:13,670 騒がしき都へ…。 199 00:25:22,680 --> 00:25:30,020 伝吾を守りにつければ… 来られるか。 200 00:25:30,020 --> 00:25:33,690 来るか 京へ。 201 00:25:33,690 --> 00:25:36,490 はい! 202 00:25:49,180 --> 00:25:56,550 織田信長が上洛の折 参内したいと申しておる。 203 00:25:56,550 --> 00:26:04,160 会うべきか どうであろうか。 204 00:26:04,160 --> 00:26:10,500 (望月東庵)お会いになってみれば よろしいかと…。 205 00:26:10,500 --> 00:26:14,330 どのような武将であろうか。 206 00:26:14,330 --> 00:26:17,370 う~ん…。 207 00:26:17,370 --> 00:26:23,680 越後の上杉輝虎も➡ 208 00:26:23,680 --> 00:26:32,350 上洛し天下に平安と 静謐をもたらせてみせると➡ 209 00:26:32,350 --> 00:26:41,830 胸張っておりましたが 今日まで音沙汰はなし。 210 00:26:41,830 --> 00:26:50,570 信長は それを曲がりなりにも果たした。 211 00:26:50,570 --> 00:26:54,370 う~ん…。 212 00:26:54,370 --> 00:26:56,370 うん。 213 00:26:59,210 --> 00:27:06,210 見るべきところはあるかと…。 214 00:27:17,660 --> 00:27:22,800 (駒)あの堀の所で 5匹捕まえました。 (義昭)5匹もか あの蛍を! 215 00:27:22,800 --> 00:27:27,100 (駒)はい。 では 出します。 (義昭)うむ。 216 00:27:34,820 --> 00:27:38,690 (義昭)おお… 飛んだ! 217 00:27:38,690 --> 00:27:44,690 (駒)もう少し暗くなれば 光るのが見えましょう。 218 00:27:47,390 --> 00:27:57,840 昔 旅の一座にいた頃 皆で こうやって 蛍を見 歌を歌い… 楽しうございました。 219 00:27:57,840 --> 00:28:01,540 そのころのことを もそっと詳しう聞きたい。 220 00:28:01,540 --> 00:28:08,650 先日 お話しいたしました。 いや 何度聞いても そなたの話は面白い。 221 00:28:08,650 --> 00:28:15,790 今日はな お手玉も用意させたのじゃ。 フフフ…。 222 00:28:15,790 --> 00:28:19,330 昔の技を見せてくれぬか。 223 00:28:19,330 --> 00:28:23,660 ほれ。 フフフッ 困ります 公方様。 224 00:28:23,660 --> 00:28:28,360 (笑い声) 225 00:28:34,170 --> 00:28:36,670 (義昭)引くな。 226 00:28:38,350 --> 00:28:43,520 (義昭) このまま 昔 歌うた歌を聴かせてくれ。➡ 227 00:28:43,520 --> 00:28:49,820 しかれば時が過ぎ 日暮れて蛍が光る。 228 00:28:49,820 --> 00:28:52,620 このままでよい。 229 00:29:05,970 --> 00:29:44,680 〽 思えば蛍は我が身より 230 00:29:44,680 --> 00:29:59,380 〽 出し思いのはかなさや 231 00:30:05,530 --> 00:30:09,200 永禄13年2月。 232 00:30:09,200 --> 00:30:16,000 上洛した信長は ただちに参内し 帝に拝謁した。 233 00:30:19,210 --> 00:30:24,380 信長は 昇殿を許される身分ではなかったが➡ 234 00:30:24,380 --> 00:30:28,220 帝は破格の扱いをしたのである。 235 00:30:28,220 --> 00:31:12,920 ♬~ 236 00:31:56,280 --> 00:31:58,980 帝は…。 237 00:32:01,820 --> 00:32:04,520 どのような…。 238 00:32:04,520 --> 00:32:14,530 帝は わしを ようご存じであった。 239 00:32:14,530 --> 00:32:23,540 今川義元との戦 美濃との戦➡ 240 00:32:23,540 --> 00:32:28,040 将軍を擁しての上洛➡ 241 00:32:28,040 --> 00:32:33,850 いずれも見事なりと仰せになり…➡ 242 00:32:33,850 --> 00:32:41,590 武勇の誉を天下に示したと…➡ 243 00:32:41,590 --> 00:32:47,890 当代一の武将なりと…。 244 00:32:52,070 --> 00:32:55,870 お褒め頂いた。 245 00:32:57,740 --> 00:33:04,740 帝が… わしを…。 246 00:33:09,680 --> 00:33:14,550 御所の修復もありがたしとの お言葉を賜り➡ 247 00:33:14,550 --> 00:33:19,250 更には こう仰せになられた。 248 00:33:21,030 --> 00:33:29,030 天下静謐のため 一層励むようにと。 249 00:33:32,210 --> 00:33:39,080 この都 この畿内を平らかにすべし。 250 00:33:39,080 --> 00:33:45,390 そのための戦ならば やむなしと…。 251 00:33:45,390 --> 00:33:49,560 勅命を頂いたのじゃ。 252 00:33:49,560 --> 00:33:54,360 戦の勅命を! 253 00:34:05,510 --> 00:34:08,010 (山崎吉家)殿! 254 00:34:08,010 --> 00:34:11,040 (朝倉義景)何事じゃ。 255 00:34:11,040 --> 00:34:15,350 (山崎)幕府政所頭人 摂津晴門様からの文にございます。 256 00:34:15,350 --> 00:34:17,350 はい。 257 00:34:19,220 --> 00:34:23,020 (山崎)織田信長が上洛いたし 諸国の大名を集め➡ 258 00:34:23,020 --> 00:34:31,530 戦の用意を始めた由。 紛れもなく この越前をにらんでの動きだと。 259 00:34:31,530 --> 00:34:38,310 幕府は あくまで わしや上杉輝虎殿に 将軍を支えてほしいとある。 260 00:34:38,310 --> 00:34:43,710 摂津殿は わしの古き友じゃ。 261 00:34:43,710 --> 00:34:47,710 織田ごとき成り上がり者に 何ができるとの思いが➡ 262 00:34:47,710 --> 00:34:51,220 ヒタヒタと伝わる文ではないか。 263 00:34:51,220 --> 00:34:58,090 幕府は わしが織田を討ち 上洛する日を待ち望んでおるのじゃ。 264 00:34:58,090 --> 00:35:04,500 これは わしに立てという文ぞ! (山崎)殿! 265 00:35:04,500 --> 00:35:11,170 景鏡たちには 近々 美濃を攻め 織田を討つと申し伝えてある。 266 00:35:11,170 --> 00:35:14,670 それが早まったと伝えよ。 267 00:35:16,340 --> 00:35:21,540 山崎 戦の備えじゃ! 268 00:35:24,820 --> 00:35:29,660 妙覚寺に参り 信長様にお会いしてまいりました。 269 00:35:29,660 --> 00:35:35,560 (義昭)ご苦労であった。 若狭への出陣の話は 聞いてまいったか? 270 00:35:35,560 --> 00:35:39,700 信長様は ここ数日お加減が悪く➡ 271 00:35:39,700 --> 00:35:43,370 あまり詳しいお話は 伺うことはかないませんでした。 272 00:35:43,370 --> 00:35:50,240 こたびは あまたのお大名が 織田様の呼びかけで上洛なされておる。➡ 273 00:35:50,240 --> 00:35:55,380 そのご対応でお疲れになったのでは? 274 00:35:55,380 --> 00:35:59,050 (義昭)それでなくとも 内裏の屋根までお直しをし➡ 275 00:35:59,050 --> 00:36:03,790 わざわざ その屋根を見て回ったという。 それは疲れよう。 276 00:36:03,790 --> 00:36:09,330 そのかいあって 帝より 若狭の武藤なにがしという➡ 277 00:36:09,330 --> 00:36:15,670 悪逆非道の者を 成敗いたせとの勅命を頂いたのじゃ。 278 00:36:15,670 --> 00:36:21,340 そのことで 幕府のご一同様にお伝えするようにと➡ 279 00:36:21,340 --> 00:36:25,180 信長様から仰せつかってまいりました。 280 00:36:25,180 --> 00:36:38,190 帝の勅命は 天からのご命令であり 幕府も総出で 若狭の武藤を討つべきと。 281 00:36:38,190 --> 00:36:44,060 幕府も総出? 織田様がそのように? 282 00:36:44,060 --> 00:36:46,700 はい。 283 00:36:46,700 --> 00:36:52,570 (義昭)ほかならぬ信長殿の意向とあらば 致し方あるまい。➡ 284 00:36:52,570 --> 00:36:58,410 その若狭の武藤なる者 討てばよい。➡ 285 00:36:58,410 --> 00:37:03,180 ただ わしは戦は好まぬ。 286 00:37:03,180 --> 00:37:10,660 戦があれば和議の仲立ちをいたすのが 将軍の務めと思うておる。 287 00:37:10,660 --> 00:37:18,360 この都にとどまり吉報を待つ。 そう お伝えせよ。 288 00:37:20,000 --> 00:37:22,800 あとは任せる。 289 00:37:31,010 --> 00:37:35,520 若狭の武藤なにがしを討つ。 290 00:37:35,520 --> 00:37:40,820 白々しい口実じゃな。 はっきり申されればよいのじゃ。 291 00:37:40,820 --> 00:37:47,020 越前まで足をのばして 朝倉義景を討つつもりじゃと。 292 00:37:48,560 --> 00:37:51,030 (三淵)明智殿。 293 00:37:51,030 --> 00:38:00,540 以前に申したとおり 公方様は 朝倉と戦うつもりはない。 294 00:38:00,540 --> 00:38:06,350 多くの大名に支えられることを 望んでおられる。 295 00:38:06,350 --> 00:38:09,780 朝倉様も そのお一人じゃ。 296 00:38:09,780 --> 00:38:15,490 それを織田様もわきまえるべきと存じる。 297 00:38:15,490 --> 00:38:19,360 お言葉なれど 朝倉様に この京と畿内を守り➡ 298 00:38:19,360 --> 00:38:23,800 天下を鎮めんとする気概はありませぬ。 公方様が上洛のため➡ 299 00:38:23,800 --> 00:38:29,000 越前を出て 信長様を頼ろうとされた折 己の非力を棚に上げ➡ 300 00:38:29,000 --> 00:38:33,340 立腹し 誰一人 国の外に出さんと 厳命されたお方。 301 00:38:33,340 --> 00:38:36,010 それは三淵様もご存じではありませぬか。 302 00:38:36,010 --> 00:38:38,810 あのまま越前に留め置かれていれば➡ 303 00:38:38,810 --> 00:38:42,020 幕府は かように息吹き返すことはなかった。 304 00:38:42,020 --> 00:38:48,350 あの折は 三淵様のご英断があり あの場を切り抜けられた。➡ 305 00:38:48,350 --> 00:38:53,690 それがなければ織田様に 上洛のお手柄が 転がり込むこともなかった。 306 00:38:53,690 --> 00:38:58,570 三淵様が あの場を切り抜けられた? 307 00:38:58,570 --> 00:39:10,780 (摂津)あの折 朝倉様のご嫡男 阿君丸様に 毒を盛った者がいたであろう。➡ 308 00:39:10,780 --> 00:39:16,650 ご嫡男を失い 朝倉様は憔悴され 戦意を失われた。➡ 309 00:39:16,650 --> 00:39:21,520 そのおかげで 公方様は 越前から解き放たれたのじゃ。 310 00:39:21,520 --> 00:39:31,520 あの毒の指図をされたのは 三淵様ぞ。 311 00:39:35,670 --> 00:39:42,540 加えて申せば その毒を京から越前へ運んだのは➡ 312 00:39:42,540 --> 00:39:48,380 かつて私の家臣であった者じゃ。➡ 313 00:39:48,380 --> 00:39:55,680 明智様も よくよくお考え頂きたい。 314 00:39:57,520 --> 00:40:03,820 大事は皆の力で成すのじゃ。 315 00:40:05,830 --> 00:40:12,210 どなたかお一人の力で 天下を 支えられるとお思いになられるのは➡ 316 00:40:12,210 --> 00:40:16,710 思い上がりというもの。 317 00:40:16,710 --> 00:40:25,390 幕府は この都を守らねばならぬ。 318 00:40:25,390 --> 00:40:31,260 織田様が戦をおやりになろうとも➡ 319 00:40:31,260 --> 00:40:38,560 我らは 京の外へ 一歩たりとも出るつもりはない。➡ 320 00:40:38,560 --> 00:40:47,560 そのように織田様にお伝え下さりませ。 321 00:40:58,420 --> 00:41:05,220 (三淵)あの折 ああして 越前を出たことは正しかったと➡ 322 00:41:05,220 --> 00:41:11,360 今でも思うておる。 悔いはない。➡ 323 00:41:11,360 --> 00:41:17,040 しかし この戦は気が進まぬ。➡ 324 00:41:17,040 --> 00:41:20,370 私の弱さのせいかもしれぬ。 325 00:41:20,370 --> 00:41:27,850 ともあれ 私は都に残る。 326 00:41:27,850 --> 00:41:33,650 ご武運を祈るとしか申し上げようがない。 327 00:41:39,590 --> 00:41:42,060 許されよ。 328 00:41:42,060 --> 00:41:53,070 ♬~ 329 00:41:53,070 --> 00:41:57,240 (いななき) 330 00:41:57,240 --> 00:42:10,690 ♬~ 331 00:42:10,690 --> 00:42:13,030 出陣じゃ! 332 00:42:13,030 --> 00:42:15,530 (一同)オ~! 333 00:42:15,530 --> 00:42:22,300 永禄13年4月 織田信長は 諸国の兵を従え➡ 334 00:42:22,300 --> 00:42:28,000 朝倉義景の待ち受ける 越前を目指したのである。 335 00:42:31,710 --> 00:42:34,710 織田信長は死んではならぬのです! 336 00:42:34,710 --> 00:42:38,050 逃げることなどできぬ! 命と引き換えになりますぞ! 337 00:42:38,050 --> 00:42:41,550 本望でござる! 目障りじゃ。 どけ! お願い申し上げまする! 338 00:42:41,550 --> 00:42:44,860 信長殿の負けじゃ。 何のために戦うのでしょうか。 339 00:42:44,860 --> 00:42:46,790 何っ!? 十兵衛様…。 340 00:42:46,790 --> 00:42:49,060 公方様は…。 長政じゃ。 これより出陣いたす。 341 00:42:49,060 --> 00:42:51,100 うう~っ! 342 00:42:51,100 --> 00:42:56,600 大きな国ができれば 平穏が訪れ 麒麟がくる…。 343 00:43:04,040 --> 00:43:07,710 国宝「洛中洛外図屏風」は➡ 344 00:43:07,710 --> 00:43:14,050 足利義輝が 狩野永徳に描かせたものだと いわれています。 345 00:43:14,050 --> 00:43:18,720 そこには 金閣や清水寺などの➡ 346 00:43:18,720 --> 00:43:21,390 今も残る名所の数々や➡ 347 00:43:21,390 --> 00:43:24,730 都の四季の移ろいが描かれていて➡ 348 00:43:24,730 --> 00:43:29,400 色彩豊かな着物を身にまとう 当時の人々の営みを➡ 349 00:43:29,400 --> 00:43:32,400 今に伝えています。 350 00:43:35,270 --> 00:43:38,410 御所の近くには 織田信長が➡ 351 00:43:38,410 --> 00:43:41,080 度々宿泊した 妙覺寺が➡ 352 00:43:41,080 --> 00:43:43,020 描かれています。 353 00:43:43,020 --> 00:43:48,960 二条殿に隣接する妙覺寺は 両替町通沿いにあったといい➡ 354 00:43:48,960 --> 00:43:53,660 町の名前が その名残をとどめています。 355 00:43:59,100 --> 00:44:05,710 妙覺寺は豊臣秀吉によって 現在の場所に移されました。 356 00:44:05,710 --> 00:44:09,580 日蓮宗の本山である妙覺寺は➡ 357 00:44:09,580 --> 00:44:12,580 美濃の斎藤家とゆかりが深く➡ 358 00:44:12,580 --> 00:44:16,350 道三の遺児が住職を務めていたことから➡ 359 00:44:16,350 --> 00:44:21,720 信長は ここを宿所に選んだとも伝わっています。 360 00:44:21,720 --> 00:44:25,060 信長は妙覺寺を拠点に➡ 361 00:44:25,060 --> 00:44:28,760 新たな国づくりを目指したのです。 362 00:45:03,360 --> 00:45:08,200 (保本)<小石川養生所に つぐみという娘がやって来た。➡ 363 00:45:08,200 --> 00:45:12,370 なぜか 赤ひげは つぐみを預かるという。➡ 364 00:45:12,370 --> 00:45:15,210 つぐみは もめ事を起こすが➡ 365 00:45:15,210 --> 00:45:20,080 やがて父親から教え込まれた 医術の知識を持っていることが分かった> 366 00:45:20,080 --> 00:45:23,720 (新出)医者になる気はないか。 (つぐみ)私が医者に? 367 00:45:23,720 --> 00:45:25,650 さらしは多めにな。 368 00:45:25,650 --> 00:45:29,390 <つぐみは 赤ひげに医者になれと言われたが➡