1 00:00:10,544 --> 00:00:16,884 ♬~(「通りゃんせ」) 2 00:00:16,884 --> 00:00:20,354  回想  (岸辺露伴)「場所」というのは 重要だ。 3 00:00:20,354 --> 00:00:26,159 よく 幽霊は「人」に憑くというが 妖怪は「場所」に憑くというだろ。 4 00:00:26,159 --> 00:00:30,898 「坂」というのは そういう「場所」の一つだ。 5 00:00:30,898 --> 00:00:32,933 気をつけた方がいい。 6 00:00:32,933 --> 00:00:35,435 (泉 京香)「六壁坂」…。 7 00:00:37,771 --> 00:00:40,274 「坂」かぁ…。 8 00:00:46,914 --> 00:00:50,918 「平坂」。 ここだ。 9 00:00:55,923 --> 00:00:59,927 あれっ? 坂じゃない。 10 00:00:59,927 --> 00:01:04,831 ⚟(犬の鳴き声) (シャッター音) 11 00:01:06,533 --> 00:01:08,835 ふぅ~ん…。 12 00:01:13,874 --> 00:01:16,576 ⚟(猫の鳴き声) 13 00:01:30,891 --> 00:01:33,794 「『平坂』の怖い話。➡ 14 00:01:33,794 --> 00:01:38,231 決して振り返ってはいけない!➡ 15 00:01:38,231 --> 00:01:42,569 振り返ると 戻れない。➡ 16 00:01:42,569 --> 00:01:46,573 『かごめかごめ』が聞こえる時」。 17 00:01:48,375 --> 00:01:50,444 「かごめかごめ」? 18 00:01:50,444 --> 00:01:52,913 ♬~(「通りゃんせ」) 19 00:01:52,913 --> 00:01:55,248 はっ…。 20 00:01:55,248 --> 00:01:58,752 あ… これ「通りゃんせ」だ。 21 00:01:58,752 --> 00:02:03,557 っていうか 振り返っちゃったし。 22 00:02:05,192 --> 00:02:07,794 ここも ハズレかな~。 23 00:02:07,794 --> 00:02:10,897 ♬~(「通りゃんせ」) 24 00:02:12,532 --> 00:02:18,038 ♬~(「かごめかごめ」) 25 00:02:18,038 --> 00:02:21,341 はっ…。 (風の音) 26 00:02:21,341 --> 00:02:25,712 えっと… なんか…。 27 00:02:25,712 --> 00:02:42,229 ♬~(「かごめかごめ」) 28 00:02:42,229 --> 00:02:45,065 🖩 ん? 29 00:02:45,065 --> 00:02:49,903 ⚟(犬の鳴き声)はい もしもし。 あっ 会議の議事録! 30 00:02:49,903 --> 00:02:54,374 ああ~ すいません! すぐやります。 はい! 31 00:02:54,374 --> 00:03:00,947 ヤバイ! 忘れてた~! ⚟(犬の鳴き声) 32 00:03:00,947 --> 00:03:12,526 ♬~ 33 00:03:12,526 --> 00:03:16,863 ⚟こんにちは~。 泉で~す。 34 00:03:16,863 --> 00:03:18,865 ⚟(扉の開閉音) 35 00:03:23,737 --> 00:03:28,875 (息をのむ音) 先生ッ! まさか 夜逃げですか…? 36 00:03:28,875 --> 00:03:31,778 破産しちゃったから…。 37 00:03:31,778 --> 00:03:36,216 大丈夫です。 前借りの件は 編集長から 経理に頼んでありますし➡ 38 00:03:36,216 --> 00:03:39,119 漫画のネタも 私 いろいろ集めてますから➡ 39 00:03:39,119 --> 00:03:41,555 どんどん描いて この家 守りましょッ! 40 00:03:41,555 --> 00:03:46,226 ありがたいね 僕の家のことを そんなに心配してくれて。 41 00:03:46,226 --> 00:03:49,896 当然ですよォ。 私 ここ好きですもん。 42 00:03:49,896 --> 00:03:53,767 なんか 落ちつくっていうか ホッとするんですよねェー。 43 00:03:53,767 --> 00:03:57,771 泉くん ここは 君のカフェじゃあないんだぞ。 44 00:03:57,771 --> 00:04:02,476 とにかく 夜逃げは やめましょう 先生。違う 取材だッ。 45 00:04:02,476 --> 00:04:05,679 ああ~! えっ いつからですかぁ? 46 00:04:05,679 --> 00:04:09,850 あしたから。 そうだな… 2~3日くらいで戻る。 47 00:04:09,850 --> 00:04:15,188 次の号の締め切り あさってですけど。 いつもどおり あしたには上がるよ。 48 00:04:15,188 --> 00:04:17,524 さっすが 先生。 49 00:04:17,524 --> 00:04:22,829 でも 取材って 「六壁坂」ですか? 50 00:04:25,398 --> 00:04:30,103 どこから その名前が出てきた? フフン 調べたんです。 51 00:04:30,103 --> 00:04:34,107 先生が話してた 「危ないランニング男」のこと。 52 00:04:36,209 --> 00:04:40,080 先生が言ってたとおり 大事件には なってなかったですけどォ➡ 53 00:04:40,080 --> 00:04:44,618 記事の中に 「六壁坂村」って出てきて。 54 00:04:44,618 --> 00:04:49,222 ほら 先生 「坂には気をつけろ」とか 言ってたじゃないですかぁー。 55 00:04:49,222 --> 00:04:54,227 だから 妖怪伝説のために買い占めた 「場所」って そこなのかなーって。 56 00:04:59,232 --> 00:05:03,103 ちょっと思っていたんだが 君 案外 カンがいいな。 57 00:05:03,103 --> 00:05:06,006 フフン いや~ 担当編集として➡ 58 00:05:06,006 --> 00:05:09,509 作家さんのことは いろいろ知っておかないと。 59 00:05:09,509 --> 00:05:13,180 (小声で)特に露伴先生は。 なんだッ。 60 00:05:13,180 --> 00:05:18,885 あ おいしいケーキ買ってきました~。 だから ここは君のカフェじゃあない! 61 00:05:21,521 --> 00:05:27,694 でもォ~ 六壁坂は あんまり期待できないと思いますよ? 62 00:05:27,694 --> 00:05:32,866 どうして。 全然 情報がないんです 妖怪伝説の。 63 00:05:32,866 --> 00:05:38,538 「伝説があったらしい」っていうだけで 具体的なことが出てこないっていうか。 64 00:05:38,538 --> 00:05:41,341 普通 「こういう現象がー」とか➡ 65 00:05:41,341 --> 00:05:44,878 「こんな不思議なことがー」とか あるじゃないですかぁ。 66 00:05:44,878 --> 00:05:47,214 そういうのがないんですよねー。 67 00:05:47,214 --> 00:05:51,418 ああ。 だから信憑性がある。 えっ? 68 00:05:51,418 --> 00:05:57,057 書くことも 話すことも 絶対に「タブー」ってことだ。 69 00:05:57,057 --> 00:06:00,660 今みたいに簡単に 情報が発信できない頃なら➡ 70 00:06:00,660 --> 00:06:06,166 そのまま忘れられて 「あった」という事実だけが残る。 71 00:06:06,166 --> 00:06:10,837 ああ~ そぉーゆーのも あるかもしれませんよねェー。 72 00:06:10,837 --> 00:06:15,709 でも やっぱり 分かりやすい方がいいと思うんですよ。 73 00:06:15,709 --> 00:06:19,913 で これ。 74 00:06:19,913 --> 00:06:26,219 都市伝説とか そういう系の話を 「坂道」で厳選したリストです。 75 00:06:35,195 --> 00:06:38,865 いかにも ネットで集めたようなネタだなァー。 76 00:06:38,865 --> 00:06:41,768 でも 行けるところは行って確認してます。 77 00:06:41,768 --> 00:06:46,306 「坂」って書いてあっても 実は 「平らな道」だったとかもあったりして。 78 00:06:46,306 --> 00:06:50,877 別に傾斜してるかどうかは 重要じゃない。 えっ…。 79 00:06:50,877 --> 00:06:52,812 でも 平らだったら 坂じゃないですよォ。 80 00:06:52,812 --> 00:06:57,217 「坂」というのは 「境目」だという説がある。 81 00:06:57,217 --> 00:06:59,886 「境目」? 82 00:06:59,886 --> 00:07:08,495 「あるもの」と 「あるもの」を区切る…➡ 83 00:07:08,495 --> 00:07:12,165 境界線。 84 00:07:12,165 --> 00:07:17,170 「あっち」と 「こっち」。 85 00:07:19,506 --> 00:07:24,844 踏み込んではいけない 関わってはならない線引きだ。 86 00:07:24,844 --> 00:07:26,780 よくあるだろう。 87 00:07:26,780 --> 00:07:30,317 絶対に見てはいけないものを見てしまう 「見るなのタブー」。 88 00:07:30,317 --> 00:07:33,586 あ~ 「鶴の恩返し」とか? 89 00:07:33,586 --> 00:07:39,025 「覗くな」 「開けるな」 あるいは…➡ 90 00:07:39,025 --> 00:07:40,961 「振り返るな」。 91 00:07:40,961 --> 00:07:46,533 世界中にあるし 日本神話にも まさに 「境目」である「坂道」の話もあるしな。 92 00:07:46,533 --> 00:07:48,468 へぇ~。 93 00:07:48,468 --> 00:07:51,404 僕が今 興味を持っているのも そういう「坂」だ。 94 00:07:51,404 --> 00:07:54,708 そして…。 95 00:07:54,708 --> 00:07:58,878 そのタブーを超えた先…。 96 00:07:58,878 --> 00:08:01,681 そこに ネタがある。 97 00:08:03,717 --> 00:08:06,686 もちろん 簡単に超えていいものじゃない。 98 00:08:06,686 --> 00:08:09,823 分かりました。 で どこから取材します?あのなぁ…。 99 00:08:09,823 --> 00:08:12,292 ここ いいと思うんですよねー。 100 00:08:12,292 --> 00:08:17,297 転ぶと なんと 10年以内に死んでしまう という呪いの坂道。 101 00:08:19,833 --> 00:08:22,302 10年もあれば 死ぬヤツも出るだろうな。 102 00:08:22,302 --> 00:08:25,171 君 いいから帰れ。 僕は描き始めたいんだ。 103 00:08:25,171 --> 00:08:28,508 いや でもォ。 あしたまでに 原稿を上げるんだからな。 104 00:08:28,508 --> 00:08:31,311 いや そうですけど…。 え~い いいからァ! 105 00:08:31,311 --> 00:08:33,847 ちょっと 足踏みましたよォ。 何ィ⁉ 106 00:08:33,847 --> 00:08:38,685 いや… いやだ… ぐぐぐ あっ! ハァ ハァ…。 107 00:08:38,685 --> 00:08:40,887 どうぞ。 要らないッ。 108 00:08:43,523 --> 00:08:45,525 も~…。 109 00:08:52,532 --> 00:08:55,034 もォ~! 110 00:08:55,034 --> 00:08:57,237 ハッ! ケーキ! 111 00:09:00,807 --> 00:09:04,110 ハァ… せっかく調べたのに。 112 00:09:34,507 --> 00:09:37,844  回想 「坂」というのは 「境目」だという説がある。➡ 113 00:09:37,844 --> 00:09:41,714 絶対に見てはいけないものを見てしまう 「見るなのタブー」。➡ 114 00:09:41,714 --> 00:09:44,017 「覗くな」 「開けるな」 あるいは…。 115 00:09:45,718 --> 00:09:49,189 「振り返るな」…? 116 00:09:49,189 --> 00:09:52,192 あ そっか。 117 00:09:52,192 --> 00:09:57,063 「あそこ」 「坂道」じゃないから ボツにしたんだ。 118 00:09:57,063 --> 00:09:59,065 でも…。 119 00:10:01,768 --> 00:10:03,770 よしッ…! 120 00:10:12,212 --> 00:10:16,883 (ノック) ⚟(乙 雅三)ごめんください。➡ 121 00:10:16,883 --> 00:10:21,187 岸辺露伴先生 ご在宅でしょうか。 122 00:10:22,755 --> 00:10:24,757 ⚟突然 すいません。➡ 123 00:10:24,757 --> 00:10:29,462 私 株式会社エムエスリゾートの 乙と申しまして➡ 124 00:10:29,462 --> 00:10:33,900 あのォ… ちょっと ご相談がありまして そのォ~…➡ 125 00:10:33,900 --> 00:10:36,903 「六壁坂村」のことで…。 126 00:10:44,544 --> 00:10:51,251 ⚟お忙しいところ 大変 すみませんが お話だけでも聞いて頂けると。➡ 127 00:10:51,251 --> 00:10:55,255 あの~… 六壁坂につい…。 128 00:10:57,123 --> 00:10:59,125 はい。 129 00:10:59,125 --> 00:11:04,797 あ… 岸辺… 露伴先生ですよね。 130 00:11:04,797 --> 00:11:08,201 突然にすいません。 はじめまして。 ヘヘ…。 131 00:11:08,201 --> 00:11:13,873 あの~ 株式会社エムエスリゾート企画 営業部の…。 132 00:11:13,873 --> 00:11:15,875 ヘブンズ・ドアー。 133 00:11:17,544 --> 00:11:19,546 (へたり込む音) 134 00:11:22,415 --> 00:11:27,053 いきなりですまないが 六壁坂がらみは ちょっと前例があるんでね➡ 135 00:11:27,053 --> 00:11:29,756 名刺代わりに読ませてもらう。 136 00:11:33,726 --> 00:11:38,598 「乙 雅三 1980年生まれ。 出身は…」。 137 00:11:38,598 --> 00:11:42,602 いや 生い立ちはいいな。 もっと最近の…。 138 00:11:46,239 --> 00:11:49,576 「六壁坂村プロジェクト。➡ 139 00:11:49,576 --> 00:11:53,580 初めてのプロジェクトリーダーになる」。 140 00:11:57,917 --> 00:12:02,522 「交渉が難航している地主に また あいさつに行ったら➡ 141 00:12:02,522 --> 00:12:07,026 岸辺露伴という漫画家に 全部売ってしまったという。➡ 142 00:12:07,026 --> 00:12:08,962 ありえない!➡ 143 00:12:08,962 --> 00:12:14,200 当然 土産の高級メロンは取り返したが 帰り道には迷うし 最悪。➡ 144 00:12:14,200 --> 00:12:18,871 腹立って メロンは投げ捨てた」。 ハッ…。 145 00:12:18,871 --> 00:12:22,742 「部長も怒って 土地を買い取って来いと言う。➡ 146 00:12:22,742 --> 00:12:27,213 確かに 漫画家が持っていても しょうがない土地だ。➡ 147 00:12:27,213 --> 00:12:32,085 うまくいけば 地主と交渉するよりも 楽で安いかもしれない」。 148 00:12:32,085 --> 00:12:36,789 なるほど… 悪いが 売る気はないよ。 149 00:12:38,558 --> 00:12:44,564 とにかく 問題はないようだが 一応 書いておくか。 150 00:12:50,570 --> 00:12:54,374 「岸辺露伴には 危害は加えない」。 151 00:13:03,182 --> 00:13:07,987 「私は 人に背中を見られるのが嫌だ」。 152 00:13:07,987 --> 00:13:16,195 ♬~ 153 00:13:16,195 --> 00:13:21,868 「他人に背中を見られてはいけない。 絶対にダメだ。➡ 154 00:13:21,868 --> 00:13:28,574 理由はない。 だが 背中を見られるのは絶対に嫌だ!」。 155 00:13:31,878 --> 00:13:38,885 人は みな 本人にしか分からない 悩みや恐怖を持っているな。 156 00:13:46,392 --> 00:13:49,328 (本が閉じる音) あれ…? 157 00:13:49,328 --> 00:13:54,567 あ… 今 私 何…。 158 00:13:54,567 --> 00:13:57,904 あっ そうだ 名刺だ。 いや もういいよ …分かったから。 159 00:13:57,904 --> 00:14:02,742 「六壁坂村の山を買いたい」 というんだろう。えっ⁉ 160 00:14:02,742 --> 00:14:09,182 あ… うう… まあ そうなんですけど… どうして それを? 161 00:14:09,182 --> 00:14:12,518 やっぱり その… 漫画家さんって こう➡ 162 00:14:12,518 --> 00:14:17,824 観察眼とか いろいろ… アレですか。 163 00:14:19,392 --> 00:14:25,198 あの~… いかがでしょうか? ご検討頂く余地とか あったりしますか? 164 00:14:25,198 --> 00:14:29,001 いや… 悪いが 六壁坂は…。 165 00:14:29,001 --> 00:14:33,206 六壁坂は… 何でしょう? 166 00:14:35,708 --> 00:14:42,014 そうだな… まあ… 立ち話もなんだから 中で。 167 00:14:47,420 --> 00:14:49,889 どうぞ。 168 00:14:49,889 --> 00:14:53,226 いや… どーぞ! 169 00:14:53,226 --> 00:14:55,228 後から ついていきます。 170 00:14:55,228 --> 00:14:57,530 アハッ…。 171 00:15:12,512 --> 00:15:14,547 どうぞ。 あ はい。 172 00:15:14,547 --> 00:15:18,184 いや もう今 こう… 入りかけてますから➡ 173 00:15:18,184 --> 00:15:21,487 そんなに お気になさらずに どーぞ! 174 00:15:30,530 --> 00:15:32,532 ウフフフ…。 175 00:15:34,200 --> 00:15:40,506  心の声 この男… 僕の家まで ずっと こうやって来たのか? 176 00:15:48,314 --> 00:15:50,917 (扉が閉じる音) 177 00:16:12,171 --> 00:16:14,173 よしッ! 178 00:16:24,750 --> 00:16:28,621 それで… アレですか。 179 00:16:28,621 --> 00:16:35,695 先生が 六壁坂村の山林を購入されたのは 何か投資とか そういう…? 180 00:16:35,695 --> 00:16:38,598 いや 仕事に必要でね。 181 00:16:38,598 --> 00:16:43,202 でも 確か お仕事は「漫画家」…。 そうだよ。 182 00:16:43,202 --> 00:16:45,872 あ あ… 漫画に その 必要なんですか? 183 00:16:45,872 --> 00:16:49,542 山2つ 3つの… 土地が? 184 00:16:49,542 --> 00:16:51,544 必要だねぇ。 185 00:16:53,212 --> 00:16:59,852 ああ… 最近は 漫画もねぇ そういう… アレですかねぇ? 186 00:16:59,852 --> 00:17:05,057 そういう アレだね。 ハハッ… へぇ~…。 187 00:17:08,661 --> 00:17:10,663 (ティーカップを置く音) 188 00:17:13,399 --> 00:17:16,102 どうぞ。 189 00:17:18,170 --> 00:17:20,873 恐れ入ります。 190 00:17:25,845 --> 00:17:29,849 冷めないうちに。 191 00:17:34,020 --> 00:17:37,223 アッハ… 紅茶ですね エヘヘ。 192 00:17:46,399 --> 00:18:08,154 ♬~ 193 00:18:08,154 --> 00:18:10,456 いただきます…。 194 00:18:12,825 --> 00:18:15,027 (紅茶を飲む音) 195 00:18:16,662 --> 00:18:20,833 乙くん… だったか。 196 00:18:20,833 --> 00:18:25,137 好奇心から尋ねたいんだが… いいかな? 197 00:18:26,706 --> 00:18:29,542 何でしょう? 198 00:18:29,542 --> 00:18:36,048 「背中」に何か… 見られると 困ることでも? 199 00:18:39,185 --> 00:18:46,492 さあ…? 見られたこと ないんで。 200 00:18:49,829 --> 00:18:53,833  心の声  ちょっと待て。 何だ あれは…。 201 00:18:57,536 --> 00:19:00,539 おもしろすぎる…ッ! 202 00:19:02,341 --> 00:19:12,151 ♬~ 203 00:19:18,491 --> 00:19:20,426 おかしいな。 204 00:19:20,426 --> 00:19:23,362 どうされました? ああ…。 205 00:19:23,362 --> 00:19:28,768 一応 土地の権利書を確認しておこうと 思ったんだが 見当たらない。 206 00:19:28,768 --> 00:19:31,504 ええっ⁉ 207 00:19:31,504 --> 00:19:35,374 いや… それちょっと… いや すごく マズいですよ。 208 00:19:35,374 --> 00:19:39,178 うん 困ったな。 209 00:19:39,178 --> 00:19:41,847 金庫もバッグも探したんだが…。 210 00:19:41,847 --> 00:19:45,685 ハッ! もしかすると 2階の書庫かもしれない。 211 00:19:45,685 --> 00:19:50,322 君… 悪いが 手伝ってもらえると助かるんだが。 212 00:19:50,322 --> 00:19:52,825 あ… は はい。 213 00:19:55,161 --> 00:19:57,163 書庫の鍵。 214 00:20:12,211 --> 00:20:16,515 (鍵を落とす音) おおっと 慌てすぎだな 失礼。 215 00:20:25,224 --> 00:20:27,226 どーぞ。 216 00:20:29,728 --> 00:20:31,664 …どうも。 217 00:20:31,664 --> 00:20:35,167 書庫 2階でしたよね。 お先に どーぞ。 218 00:20:36,902 --> 00:20:38,971 …はい。 219 00:20:38,971 --> 00:20:45,578 ♬~ 220 00:20:45,578 --> 00:20:53,252 うっ… ううっ… ハァ ハァ ハァ…。 221 00:20:53,252 --> 00:20:58,924 うう… うっ… う う…。 ハァ。 222 00:20:58,924 --> 00:21:03,529 うっ ううっ… うっ。 ハァ。 223 00:21:03,529 --> 00:21:12,204 ♬~ 224 00:21:12,204 --> 00:21:14,206 (鍵を開ける音) 225 00:21:20,079 --> 00:21:23,082 何か…。 226 00:21:24,784 --> 00:21:28,654 背中が…。 え? 227 00:21:28,654 --> 00:21:31,157 背中が… 何か? 228 00:21:33,492 --> 00:21:35,427 かゆいッ。 229 00:21:35,427 --> 00:21:38,898 ああ… 何だ これェ~。 230 00:21:38,898 --> 00:21:40,833 ちょっと たまらないなぁ。 231 00:21:40,833 --> 00:21:44,370 ああ~ッ もうちょっと… くっ! 232 00:21:44,370 --> 00:21:46,438 ぐあッ! くっそォ…。 233 00:21:46,438 --> 00:21:50,142 ぐうっ… くくっ… うっ…。 234 00:21:52,111 --> 00:21:58,818 君… ものすごく 失礼な頼みなんだが…。 235 00:22:01,787 --> 00:22:06,792 かき… ますか。 お願いできるかなあ~っ。 236 00:22:09,195 --> 00:22:11,197 いいですよ…。 237 00:22:14,066 --> 00:22:16,068 おっ… うっ! 238 00:22:16,068 --> 00:22:21,207 この先の この… く~ッ。 うああ… あっ。 239 00:22:21,207 --> 00:22:23,709 (背中をかく音) あっあ…。 240 00:22:23,709 --> 00:22:25,644 ここですか。 そう! 241 00:22:25,644 --> 00:22:27,580 そうそうそうそう…。 242 00:22:27,580 --> 00:22:30,082 そこだッ! 243 00:22:35,888 --> 00:22:40,593 何だ… 別に どうって事…。 244 00:22:45,898 --> 00:22:48,734 おい…? 245 00:22:48,734 --> 00:22:50,769 終わった…。 246 00:22:50,769 --> 00:22:53,472 もう 終わりだ…。 247 00:22:55,241 --> 00:22:58,911 しっかりしろ。 悪かったよ…! 248 00:22:58,911 --> 00:23:02,715 好奇心をおさえられなくてね。 あやまる…。 249 00:23:02,715 --> 00:23:05,184 でも 背中には 何も問題ないようだが…。 250 00:23:05,184 --> 00:23:08,520 ダメだァァァァァッ! 251 00:23:08,520 --> 00:23:14,393 何だか わからないが… 見られたら 絶対にもう「終わり」なんだよーッ。 252 00:23:14,393 --> 00:23:18,130 おおお… 終わりなんだよォォォォーっ!! 253 00:23:18,130 --> 00:23:20,065 おい… 落ちつけ…。 254 00:23:20,065 --> 00:23:24,069 うわああああーッ! ああ ああ…。 255 00:23:24,069 --> 00:23:26,538 ああ… ぐぐぐ…。 256 00:23:26,538 --> 00:23:28,574 あああーッ!! 257 00:23:28,574 --> 00:23:32,211 ああッ! 何かが… 剥がれる…。 258 00:23:32,211 --> 00:23:35,547 ああッ! おっ… ああーッ! 259 00:23:35,547 --> 00:23:37,483 待って! 何が…。 260 00:23:37,483 --> 00:23:40,019 待ってッ! ああッ! うっ…。 261 00:23:40,019 --> 00:23:42,655 あ… ああ… 待っ…! 262 00:23:42,655 --> 00:23:45,224 ぐ… ぐうっ…。 263 00:23:45,224 --> 00:23:47,226 (剥がれる音) 264 00:23:52,097 --> 00:23:56,568 「六壁坂」… ハァ ハァ ハァ…。 265 00:23:56,568 --> 00:24:02,875 関わるんじゃ… なかった…。 266 00:24:06,679 --> 00:24:08,881 ああッ…。 267 00:24:14,186 --> 00:24:16,188 おい…。 268 00:24:19,525 --> 00:24:21,527 おいッ! 269 00:24:25,864 --> 00:24:28,334 (救急隊員の女)ここから段差があります。 (救急隊員の男)はい。 270 00:24:28,334 --> 00:24:31,036 (救急隊員の男)気をつけてね。 (救急隊員の女)下りま~す。 271 00:24:31,036 --> 00:24:32,972 (救急隊員の男)ゆっくりでいいよ ゆっくり…。 272 00:24:32,972 --> 00:24:37,810  心の声  結局… 背中には 傷一つなかった…。➡ 273 00:24:37,810 --> 00:24:40,813 一体 あれは…。 274 00:24:58,130 --> 00:25:02,434 ⚟露伴先生… 返してッ。 275 00:25:17,850 --> 00:25:20,853 露伴先生…。 276 00:25:23,188 --> 00:25:25,491 うッ…。 277 00:25:30,863 --> 00:25:37,035 どうして…。 今 救急車で…。 278 00:25:37,035 --> 00:25:47,045 ♬~ 279 00:25:47,045 --> 00:25:54,920 露伴先生 六壁坂… 返してッ。 280 00:25:54,920 --> 00:25:58,223 ヘブンズ・ドアー! 281 00:26:01,693 --> 00:26:04,163 何…? 282 00:26:04,163 --> 00:26:08,834 ねっ… 聞こえてます? 283 00:26:08,834 --> 00:26:14,506 今の何? 「ヘブンズ・ドアー」? 284 00:26:14,506 --> 00:26:27,019 ♬~ 285 00:26:27,019 --> 00:26:31,857  心の声  こいつは… 「乙 雅三」じゃあない。➡ 286 00:26:31,857 --> 00:26:35,694 恐らく 彼に取り憑いていた「何か」…。➡ 287 00:26:35,694 --> 00:26:39,331 それが 彼の「背中」を見た僕に…ッ。 288 00:26:39,331 --> 00:26:41,867 う… ああ。 ハァ…。 289 00:26:41,867 --> 00:26:45,871 ねぇ 返してよッ。 290 00:26:47,539 --> 00:26:50,042 うっ… うう…。 291 00:26:50,042 --> 00:26:55,547 六壁坂… 返してください。 292 00:26:55,547 --> 00:27:00,385 お前… 何なんだ 「返す」って。 293 00:27:00,385 --> 00:27:02,354 お前にか。 294 00:27:02,354 --> 00:27:07,659 「六壁坂は 六壁坂に」。 295 00:27:10,062 --> 00:27:12,064 は…? 296 00:27:14,500 --> 00:27:22,174 いいか もし よくある「すみかを奪われた」 というやつなら勘違いだ。 297 00:27:22,174 --> 00:27:25,010 僕は むしろ お前たちのために買ったんだからな。 298 00:27:25,010 --> 00:27:27,045 それも 全財産をはたいてッ! 299 00:27:27,045 --> 00:27:30,182 感謝してほしいくらいだねッ。 300 00:27:30,182 --> 00:27:33,852 ふーん…。 301 00:27:33,852 --> 00:27:37,322 でも 返してよッ。 302 00:27:37,322 --> 00:27:39,391 お前…。 303 00:27:39,391 --> 00:27:42,194 (風で窓が揺れる音) 304 00:27:45,531 --> 00:27:47,466 (風で窓が揺れる音) 305 00:27:47,466 --> 00:27:49,401 はっ…。 306 00:27:49,401 --> 00:27:58,110 そうそう 気をつけないとねぇ… せ・な・か。 307 00:28:00,812 --> 00:28:04,149 すごいなあ~ッ。 308 00:28:04,149 --> 00:28:09,488 これに 六壁坂 出てくるんですかッ? 309 00:28:09,488 --> 00:28:13,158 いいなあ~ッ その「背中」 いい…。 310 00:28:13,158 --> 00:28:15,160 黙ってろ。 311 00:28:15,160 --> 00:28:18,497 ねぇ うるさい? 312 00:28:18,497 --> 00:28:22,200 耳栓してあげましょうか? 313 00:28:24,169 --> 00:28:28,974 ということは 無駄なんだろうな。 314 00:28:31,843 --> 00:28:33,845 あ~ 誰か 覗いてるッ! 315 00:28:36,715 --> 00:28:40,852 やっぱり 怖いは怖いのか。 316 00:28:40,852 --> 00:28:43,655 よかった。 317 00:28:53,865 --> 00:29:00,572 (時計の鐘の音) 318 00:29:13,352 --> 00:29:15,654 よいしょ…。 319 00:29:30,702 --> 00:29:35,007 あれ? 珍しいな…。 320 00:29:35,007 --> 00:29:36,942 (ノック) 321 00:29:36,942 --> 00:29:40,679 露伴先生 泉で~す。 322 00:29:40,679 --> 00:29:44,850 原稿 受け取りに来ました。 こんにちは。 323 00:29:44,850 --> 00:29:46,785 (ノック) 324 00:29:46,785 --> 00:29:50,522 あっ… 先生 よかった。 あの~ 原稿を受け取り…。 325 00:29:50,522 --> 00:29:53,191 あっ… ありがとうございます。 326 00:29:53,191 --> 00:29:55,527 ああッ! ちょちょちょちょちょちょちょ…。 327 00:29:55,527 --> 00:29:59,865 先生 あの これ 昨日の取材リストには 入れてなかったんですけど➡ 328 00:29:59,865 --> 00:30:02,200 あの~ やっぱり 要らないと 気になって…。 言ったろう。 329 00:30:02,200 --> 00:30:04,536 君… しばらく 来なくていいからな。 330 00:30:04,536 --> 00:30:08,407 えっ…。 ちょっとォ! 露伴先生⁉ 331 00:30:08,407 --> 00:30:10,409 先生! 332 00:30:10,409 --> 00:30:14,546 も~ ホントに しばらく来ませんよー。 333 00:30:14,546 --> 00:30:16,548 フゥ…。 334 00:30:18,417 --> 00:30:21,119 なんか ちょっと つかれてたっぽい…? 335 00:30:22,888 --> 00:30:24,890 フゥ…。 336 00:30:26,558 --> 00:30:29,895 ハァー…。 337 00:30:29,895 --> 00:30:33,565 お疲れですねぇ。 338 00:30:33,565 --> 00:30:38,870 背中 見せれば 楽になれたのに~ッ。 339 00:30:40,439 --> 00:30:45,577 で… 今度は泉くんが➡ 340 00:30:45,577 --> 00:30:50,082 僕の姿をした お前を 背負うわけか。 341 00:30:50,082 --> 00:30:56,254 ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ…。 342 00:30:56,254 --> 00:30:58,190 ハァ ハァ…。 343 00:30:58,190 --> 00:31:00,692 ハァ…。 344 00:31:00,692 --> 00:31:02,894 返して。 345 00:31:04,529 --> 00:31:10,402 六壁坂… 返して…。 346 00:31:10,402 --> 00:31:13,538 ハァ ハァ…。 347 00:31:13,538 --> 00:31:17,342 絶対に嫌だね。 348 00:31:17,342 --> 00:31:25,884 あ お仕事終わったから じゃあ 六壁坂 返します? 349 00:31:25,884 --> 00:31:28,787 だからッ! 350 00:31:28,787 --> 00:31:33,792  心の声 落ちつけ。 こいつに 「人」の理屈は通じない。 351 00:31:35,560 --> 00:31:39,898  心の声  六壁坂に よそ者が手をつけた。➡ 352 00:31:39,898 --> 00:31:44,236 あるのは それだけだ。➡ 353 00:31:44,236 --> 00:31:50,742 乙 雅三に くっついたのも たまたまなのかもしれない。 354 00:31:50,742 --> 00:31:53,245 ♬~ 355 00:31:53,245 --> 00:31:55,580 (風の音) 356 00:31:55,580 --> 00:32:02,320 ♬~ 357 00:32:02,320 --> 00:32:07,159  心の声 確かなのは こいつは納得しないかぎり➡ 358 00:32:07,159 --> 00:32:10,862 僕の背中からは 離れない。➡ 359 00:32:10,862 --> 00:32:15,700 そして いつかは背中を見られて 僕は…。 360 00:32:15,700 --> 00:32:21,339 (ノック) ⚟(配達員)こんにちは お届けもので~す。 361 00:32:21,339 --> 00:32:23,942 しまった… 鍵ッ! 362 00:32:23,942 --> 00:32:26,545 (ドアノブが回る音) 363 00:32:31,550 --> 00:32:38,156 (扉が開く音) 364 00:32:40,559 --> 00:32:43,261 あ… どうも…。 365 00:32:44,896 --> 00:32:48,567 …言っても 無理だろうが➡ 366 00:32:48,567 --> 00:32:51,169 気にしないでくれ。 367 00:32:54,239 --> 00:32:57,242 ああ… これ お荷物です…。 368 00:33:01,847 --> 00:33:05,851 そこに… 置いといてくれ。 369 00:33:09,020 --> 00:33:11,056 ご苦労さま。 370 00:33:11,056 --> 00:33:13,191 どうも。 371 00:33:13,191 --> 00:33:16,495 あっ これ そこに落ちてましたよ。 372 00:33:27,739 --> 00:33:30,742 ハァ…。 373 00:33:32,878 --> 00:33:35,547 ⚟危なかったねぇ。 374 00:33:35,547 --> 00:33:41,853 ⚟ダメですよお~ 気をつけないとッ。 375 00:34:01,172 --> 00:34:04,009 ⚟ん? なになに? 376 00:34:04,009 --> 00:34:08,847 ⚟ハッハ… 昨日 徹夜で頑張ったもんねぇ。 377 00:34:08,847 --> 00:34:12,150 お疲れさまッ。 378 00:34:14,719 --> 00:34:17,322 ああ…。 379 00:34:17,322 --> 00:34:22,527 漫画を描くために徹夜したのは 初めてだ。 380 00:34:22,527 --> 00:34:27,332 あんなに じゃまされたこともな…。 381 00:34:27,332 --> 00:34:30,135 へぇ…。 382 00:34:31,870 --> 00:34:38,209 つまり お前は この岸辺露伴の…➡ 383 00:34:38,209 --> 00:34:40,278 いや…➡ 384 00:34:40,278 --> 00:34:44,683 漫画と読者を侮辱したッ。 385 00:34:47,218 --> 00:34:50,555 あれ? お出かけ? 386 00:34:50,555 --> 00:34:54,225 外 危ないですよ。 387 00:34:54,225 --> 00:34:57,562 お前を 六壁坂に返す。 388 00:34:57,562 --> 00:34:59,497 いや…➡ 389 00:34:59,497 --> 00:35:01,433 捨てる。 390 00:35:01,433 --> 00:35:03,668 え? 391 00:35:03,668 --> 00:35:06,571 無理無理無理無理無理無理無理無理。 392 00:35:06,571 --> 00:35:09,574 エヘヘヘヘ…。 393 00:35:09,574 --> 00:35:23,054 ♬~ 394 00:35:23,054 --> 00:35:27,525 ⚟ああ 危ない危ない。 こっちが ひやひやしちゃうよお~ッ。 395 00:35:27,525 --> 00:35:30,528 行けッ! ハァ…。 396 00:35:32,397 --> 00:35:35,400 うっ…。 397 00:35:35,400 --> 00:35:39,704 う~ん… ハァ ハァ…。 398 00:35:42,874 --> 00:35:46,544 ハァー…。 なに? 誰か 助けでも呼ぶ? 399 00:35:46,544 --> 00:35:50,882 ああ。 人じゃなくて タクシーだがな。 400 00:35:50,882 --> 00:35:55,553 座席に座っていれば 背中を見られずに移動ができる。 401 00:35:55,553 --> 00:36:01,860 ふ~ん。 でも 乗るの難しいと思うよ? 402 00:36:03,361 --> 00:36:06,498 車道まで行けるかなぁ。 403 00:36:06,498 --> 00:36:10,368 もっと狭い道だったら よかったんですけどね。 404 00:36:10,368 --> 00:36:12,370 おしいッ! 405 00:36:18,109 --> 00:36:20,045 ああッ! 406 00:36:20,045 --> 00:36:27,185 うっ… ハァ ああ… ハァ ハァ ハァ。 407 00:36:27,185 --> 00:36:30,088 ハァッ ハァッ…。 408 00:36:30,088 --> 00:36:33,792 ああッ! ああ… ハァーッ。 409 00:36:35,527 --> 00:36:42,033 あ~あ 無理だな。 詰んじゃったよ。 410 00:36:42,033 --> 00:36:44,869 詰みだ 詰みだ! 411 00:36:44,869 --> 00:36:51,176 こんなとこ歩いたら 絶対に 背中を見られちゃうなあ~ッ! ハハッ。 412 00:36:52,744 --> 00:36:58,416 ハッ。 乙 雅三は 僕の家まで来た。 413 00:36:58,416 --> 00:37:01,820 ここを通って 来たんだろ? 414 00:37:01,820 --> 00:37:03,855 方法はある。 415 00:37:03,855 --> 00:37:10,361 ⚟(足音) 416 00:37:15,366 --> 00:37:17,368 (笑い声) 417 00:37:19,237 --> 00:37:21,506 ハァ ハァ…。 418 00:37:21,506 --> 00:37:25,376 こんなことします? 恥ずかしいなあ~ッ。 ハハハ…。 419 00:37:25,376 --> 00:37:29,380 でもね 露伴先生 一つ 忘れてますよ。 420 00:37:29,380 --> 00:37:35,520 「乙 雅三」の時は… オレが じゃましなかったってこと。 421 00:37:35,520 --> 00:37:37,856 おい そこのバカ! あぁ? 422 00:37:37,856 --> 00:37:42,160 それとも おめェ マヌケか? おい。 何だァ⁉ 423 00:37:45,196 --> 00:37:47,132 ぐっ…。 う うっ! 424 00:37:47,132 --> 00:37:51,503 ハァ ハァ…。 ううう~ッ! 425 00:37:51,503 --> 00:37:54,873 うぐッ! ぐ ぐ ぐッ…。 ぬうッ…。 ああ…。 426 00:37:54,873 --> 00:37:57,776 うおあああああ…。 427 00:37:57,776 --> 00:38:01,246 ううっ… ぐっ うう…。 428 00:38:01,246 --> 00:38:05,116 ぐうっ…。 くっ… うっ…。 429 00:38:05,116 --> 00:38:09,487 うぐっ… ううっ うっ! (剥がれていく音) 430 00:38:09,487 --> 00:38:12,190 ぐ…! ううッ! 431 00:38:13,825 --> 00:38:16,127 ヘブンズ・ドアー…! (ページがめくれる音) 432 00:38:21,699 --> 00:38:25,003 (書き込む音) 433 00:38:27,172 --> 00:38:31,176 「振り返らない 歩きスマホをしない」。 434 00:38:35,046 --> 00:38:39,350 おい! 今 オレのこと言ったのか! ああッ⁉ 435 00:38:46,858 --> 00:38:48,860 残念だったな…。 436 00:38:48,860 --> 00:38:54,065 僕には 乙 雅三が持っていなかった 「ギフト」があるッ。 437 00:38:56,034 --> 00:38:58,536 うっ…。 438 00:38:58,536 --> 00:39:02,807 4時間で 3キロほどか…。 439 00:39:02,807 --> 00:39:06,144 ハッ 無理ですね。 440 00:39:06,144 --> 00:39:11,482 六壁坂 行くなんて 絶対に無理だッ。 441 00:39:11,482 --> 00:39:16,821 そうだな…。 ⚟(足音) 442 00:39:16,821 --> 00:39:22,493 もう諦めて 背中見せちゃいましょうよォ。 443 00:39:22,493 --> 00:39:27,665 ねぇ 見せましょうよ。 楽になれるからッ。 444 00:39:27,665 --> 00:39:34,172 ⚟(足音) 445 00:39:34,172 --> 00:39:36,507 ⚟先生? 446 00:39:36,507 --> 00:39:39,811 どうしたんですか? そんなとこ 座り込んで。 447 00:39:41,379 --> 00:39:43,881 具合 悪いんですか? 来るな 泉くん! 448 00:39:43,881 --> 00:39:46,784 えっ? 大丈夫だ。 449 00:39:46,784 --> 00:39:48,820 でも… 顔色 良くないですよ。 450 00:39:48,820 --> 00:39:54,192 何でもないから それ以上 近づかないでくれッ! 451 00:39:54,192 --> 00:39:59,530 先生! 「背中」 どうかしましたか? 452 00:39:59,530 --> 00:40:01,866 いや…。 でも 変ですよ。 後ろに何かあるんですか? 453 00:40:01,866 --> 00:40:04,202 いや いいから来るなッ。 ハハハ。 454 00:40:04,202 --> 00:40:08,072 露伴先生 見せちゃいましょうよッ。 455 00:40:08,072 --> 00:40:10,875 どうせ もう限界でしょう。 黙れッ! 456 00:40:12,877 --> 00:40:16,848 先生 やっぱり変ですって! 457 00:40:16,848 --> 00:40:21,219 ほ~ら 見たがってる。 フフ…。 458 00:40:21,219 --> 00:40:25,223 見せましょうよォ~っ。 459 00:40:30,561 --> 00:40:33,464 …ハッ。 460 00:40:33,464 --> 00:40:35,433 フフッ…。 461 00:40:35,433 --> 00:40:40,972 フハハハハハハハハハハハハ…。 462 00:40:40,972 --> 00:40:44,676 ハハハハハーハハハハ…! 先生? 463 00:40:44,676 --> 00:40:48,246 ハハッ… フッフ…。 いやぁ~。 464 00:40:48,246 --> 00:40:56,454 泉くん 「見るなのタブー」の話 覚えてるか。 465 00:40:56,454 --> 00:40:58,456 もちろんですよォ。 466 00:40:58,456 --> 00:41:02,193 「覗くな」 「開けるな」 あと 「振り返るな」。 467 00:41:02,193 --> 00:41:06,064 最初 ボツにしちゃったネタで 似た感じのがあったのを思い出して➡ 468 00:41:06,064 --> 00:41:09,767 で 資料の新バージョン 作ったんですけどォ 「ここ」の。 469 00:41:11,536 --> 00:41:18,042 「平坂」の。 ああ… よくできてた。 470 00:41:18,042 --> 00:41:21,846 そうですかぁ? いやぁ~! 471 00:41:23,548 --> 00:41:30,221 「平坂で 『かごめかごめ』が聞こえる時 振り返ってはいけない。➡ 472 00:41:30,221 --> 00:41:34,425 振り返った者は 『神隠し』にあう」。 473 00:41:36,094 --> 00:41:39,097 非常に おもしろいッ。 474 00:41:40,865 --> 00:41:43,568 ちゃんと読んでくれたんですねー! 475 00:41:43,568 --> 00:41:47,271 急に 「取材したい」ってメール来たから びっくりしましたよ。 476 00:41:52,243 --> 00:41:55,913 この 「振り返ってはいけない」話は➡ 477 00:41:55,913 --> 00:42:00,518 聖書にもあるし ギリシア神話にもある。 478 00:42:00,518 --> 00:42:03,187 日本の神話にも 似た話があってね➡ 479 00:42:03,187 --> 00:42:05,690 その中で 「坂道」が出てくる。 480 00:42:05,690 --> 00:42:09,327 名前は…➡ 481 00:42:09,327 --> 00:42:12,196 「黄泉比良坂」。 482 00:42:12,196 --> 00:42:16,934 あっ それも調べました。 黄泉の国につながってる坂道で。 483 00:42:16,934 --> 00:42:25,743 ♬~ 484 00:42:25,743 --> 00:42:29,514 「平坂」。 485 00:42:29,514 --> 00:42:36,053 ヨミ ヨモツ… ひら坂。 486 00:42:36,053 --> 00:42:39,090 「黄泉比良坂」! 487 00:42:39,090 --> 00:42:41,859 字は違うけど そっか…! 488 00:42:41,859 --> 00:42:47,565 もちろん ここだけが 「比良坂」じゃあないんだろうが➡ 489 00:42:47,565 --> 00:42:53,371 ここも… 「あの世」に 通じているッ! 490 00:42:53,371 --> 00:42:57,909 ♬~(「通りゃんせ」) そう思わせる何かがあるに違いないッ! 491 00:42:57,909 --> 00:43:01,179 へぇー なるほど! 492 00:43:01,179 --> 00:43:05,850 フン それが何の…。ハァ…。 493 00:43:05,850 --> 00:43:09,520 ♬~(「かごめかごめ」) 494 00:43:09,520 --> 00:43:13,191 あ… 変わった? 495 00:43:13,191 --> 00:43:20,531 ♬~ (「かごめかごめ」) 496 00:43:20,531 --> 00:43:23,868 泉くん! はい! 497 00:43:23,868 --> 00:43:29,173 僕の「背中」が どうかしたかと 言っていたな。 498 00:43:31,542 --> 00:43:33,878 確かめてみてくれ。 499 00:43:33,878 --> 00:43:38,749 なんだぁ 結局 押しつけちゃうんだッ。 500 00:43:38,749 --> 00:43:52,897 ♬~(「かごめかごめ」) 501 00:43:52,897 --> 00:43:57,702 お前… 振り返ったな。 502 00:44:00,505 --> 00:44:02,507 (ページがめくれる音) 503 00:44:06,711 --> 00:44:13,851 (風の音) 504 00:44:13,851 --> 00:44:20,024 ♬~ 505 00:44:20,024 --> 00:44:25,196 「平坂で 『かごめかごめ』が聞こえる時…」。 やめろ…。 506 00:44:25,196 --> 00:44:28,032 「振り返ってはいけない。➡ 507 00:44:28,032 --> 00:44:31,536 振り返った者は 『神隠し』にあう」。あああ…。 508 00:44:31,536 --> 00:44:34,906 岸辺… 露伴ッ! 509 00:44:34,906 --> 00:44:38,776 何か見えるかァ⁉ あああ お前 最初からあーッ! 510 00:44:38,776 --> 00:44:41,546 いやぁ 別の手を考えてはいたよ。 511 00:44:41,546 --> 00:44:48,419 ヘブンズ・ドアーで 僕自身に「お前を忘れる」と書き込むとか。 512 00:44:48,419 --> 00:44:51,556 お前たちみたいな存在は 伝説と同じで➡ 513 00:44:51,556 --> 00:44:54,892 忘れられたら 消えるんじゃあないか⁉ 514 00:44:54,892 --> 00:44:59,230 まあ やったことはない …が! 515 00:44:59,230 --> 00:45:03,100 その前に こっちの伝説を 試す価値はあるッ。 516 00:45:03,100 --> 00:45:06,504 お前… お前だって どうなるか…! 517 00:45:06,504 --> 00:45:08,439 そうかもしれないな! 518 00:45:08,439 --> 00:45:14,378 だが… 余裕たっぷりのヤツが 慌てる姿は おもしろい! 519 00:45:14,378 --> 00:45:21,018 まったく… 顔を見れないのが残念だよーッ! 520 00:45:21,018 --> 00:45:24,055 うっ… うあ… やめろォ! あっ。 521 00:45:24,055 --> 00:45:28,526 ああっ! ああ… ああーッ! 522 00:45:28,526 --> 00:45:32,330 ああああああ…。 523 00:45:32,330 --> 00:45:41,539 うわああああああああああああああああ。 524 00:45:41,539 --> 00:45:44,742 やめろおおおおーッ! 525 00:45:56,554 --> 00:46:00,424 ⚟(犬の鳴き声) んっ…。 526 00:46:00,424 --> 00:46:02,360 ⚟(犬の鳴き声) あれっ? 527 00:46:02,360 --> 00:46:04,362 えっ 何で? 528 00:46:09,834 --> 00:46:12,737 どうかしたか? えっ… いや…。 529 00:46:12,737 --> 00:46:15,172 今 「かごめかごめ」が 聞こえてませんでした? 530 00:46:15,172 --> 00:46:20,044 あれは 「通りゃんせ」だ。 え? そうでしたか? 531 00:46:20,044 --> 00:46:24,515 う~ん… でも やっぱり ここ「境目」かも。 532 00:46:24,515 --> 00:46:26,851 さっき 「変な感じ」もしたし。 533 00:46:26,851 --> 00:46:30,321 ここ 昔から 「不思議なこと」があったらしくて…。 534 00:46:30,321 --> 00:46:36,827 泉くん 「境目」は むやみに踏み込むものじゃあない。 535 00:46:38,863 --> 00:46:41,532 帰る。 取材は終わった。 536 00:46:41,532 --> 00:46:43,868 えっ 見ただけじゃないですかぁ。 537 00:46:43,868 --> 00:46:46,203 十分だッ。 え~? 538 00:46:46,203 --> 00:46:48,873 それにしても… 君は あれだな➡ 539 00:46:48,873 --> 00:46:52,343 「カンがいい」というより 「あたりやすい」タイプだな。 540 00:46:52,343 --> 00:46:57,548 あたりやすいって 何にですか? ある意味… 感心するよ。 541 00:46:57,548 --> 00:46:59,583 おっ! ⚟(犬のほえる声) 542 00:46:59,583 --> 00:47:01,585 「ある意味」だ。 褒めてないよ。 えっ。 543 00:47:03,287 --> 00:47:37,688 ♬~ 544 00:47:37,688 --> 00:47:39,890 (滴が落ちる音) 545 00:47:42,860 --> 00:48:40,151 ♬~