1 00:00:03,170 --> 00:00:06,139 (お信)何でしょう これ。 (小吉)分からねえ。 2 00:00:06,139 --> 00:00:08,775 桜田御門の近くで拾ったんだ。 3 00:00:08,775 --> 00:00:12,112 何かのまじないかね? 4 00:00:12,112 --> 00:00:15,782 あっ 分かった! 5 00:00:15,782 --> 00:00:20,621 「下され」と 楷書 つまり 真書で書いてあります。 6 00:00:20,621 --> 00:00:22,623 ああ。 7 00:00:26,126 --> 00:00:29,029 「死んで下され」という 暗示ものですよ。 8 00:00:29,029 --> 00:00:31,298 死んでくれか。 9 00:00:31,298 --> 00:00:35,302 しかし また 何でそんなものを こんな いい紙に書くかね。 10 00:00:35,302 --> 00:00:38,171 越前の奉書紙のようですね。 11 00:00:38,171 --> 00:00:41,942 読めた! 越前の紙だから越前守。 12 00:00:41,942 --> 00:00:46,647 つまり 「老中 水野越前守に 死んでくれ」と書いてるんだ。 13 00:00:46,647 --> 00:00:50,317 はあ~ うめえこと考えたもんだなあ。 14 00:00:50,317 --> 00:00:53,220 まあ…。 15 00:00:53,220 --> 00:00:56,823 <天保の改革が始まって2年余り。➡ 16 00:00:56,823 --> 00:01:02,629 厳しい倹約令や風俗取締で 町は火が消えたようでした。➡ 17 00:01:02,629 --> 00:01:06,633 改革の手を緩めない 老中 水野越前守に➡ 18 00:01:06,633 --> 00:01:11,104 江戸の人々は 恨みを募らせていたのです> 19 00:01:11,104 --> 00:01:23,116 ♬~ 20 00:01:30,123 --> 00:01:33,427 (麟太郎)はあっ うっ うっ! 21 00:01:33,427 --> 00:01:38,966 <この年の春 麟太郎は直心影流の免許皆伝を得て➡ 22 00:01:38,966 --> 00:01:43,437 虎之助の代稽古を務めるまでに なりましたが…> 23 00:01:43,437 --> 00:01:46,306 はあっ! ⚟(虎之助)今 戻った。 24 00:01:46,306 --> 00:01:50,310 あっ お帰りなさい。 お早かったですね。 25 00:01:50,310 --> 00:01:53,080 ほかの者は どうした? 26 00:01:53,080 --> 00:01:56,650 それが…。 27 00:01:56,650 --> 00:02:01,254 先生が お出かけと知ると 皆 帰ってしまいました。 28 00:02:01,254 --> 00:02:03,190 もめごとでもあったのか? 29 00:02:03,190 --> 00:02:07,928 いいえ。 きっと 私の腕が未熟だからです。 30 00:02:07,928 --> 00:02:09,863 そうか…。 31 00:02:09,863 --> 00:02:12,599 お前が蘭学を学んでいることを➡ 32 00:02:12,599 --> 00:02:15,402 快く思わぬ者がいるのだな。 33 00:02:15,402 --> 00:02:20,240 南町奉行の鳥居様は 奥儒者 林家のご出身ですから➡ 34 00:02:20,240 --> 00:02:24,144 蘭学を 夷狄の邪説と見なして 憎んでおいでです。 35 00:02:24,144 --> 00:02:29,616 関わると どんな災いに遭うかしれないと 皆 恐れているのでしょう。 36 00:02:29,616 --> 00:02:31,551 ふむ…。 37 00:02:31,551 --> 00:02:35,288 先生 私は当分 稽古を休みましょうか? 38 00:02:35,288 --> 00:02:38,191 門弟がいなくなっては 道場が立ちゆかなくなりますよ。 39 00:02:38,191 --> 00:02:40,160 余計な気を回すな。 しかし…。 40 00:02:40,160 --> 00:02:42,429 西洋は強い。 41 00:02:42,429 --> 00:02:45,799 エゲレス一国で 大国 清を破ったのだ。 42 00:02:45,799 --> 00:02:51,004 武芸者も これからは 西洋の兵学を学ばねばなるまいな。 43 00:02:54,508 --> 00:02:56,810 ひるまず学べ。 44 00:02:56,810 --> 00:03:00,781 「千万人と雖も吾往かん」だ。 45 00:03:00,781 --> 00:03:02,783 はい! 46 00:03:04,618 --> 00:03:08,088 まあ おいしそうなマクワウリ。 47 00:03:08,088 --> 00:03:10,757 本所の岡野様が たくさん届けてくださったので➡ 48 00:03:10,757 --> 00:03:12,692 お裾分けを。 49 00:03:12,692 --> 00:03:15,629 ありがたく 頂戴いたします。 50 00:03:15,629 --> 00:03:20,767 はあ 夏も終わりだというのに まだまだ暑いですねえ。 51 00:03:20,767 --> 00:03:23,403 今 麦湯をお持ちいたしましょう。 52 00:03:23,403 --> 00:03:27,274 あっ お客様は よろしいのでございますか? 53 00:03:27,274 --> 00:03:29,776 客? (お徳)ついさっき➡ 54 00:03:29,776 --> 00:03:35,282 妙な人が 勝様のお宅はどこかと 訪ねてみえられましたけど。 55 00:03:35,282 --> 00:03:39,786 妙な人。 誰かしら…。 56 00:03:44,291 --> 00:03:48,295 こちら 勝殿のお宅か? 57 00:03:51,798 --> 00:03:55,969 足軽長屋ではないか…。 58 00:03:55,969 --> 00:03:58,305 おお お客さんかい? 59 00:03:58,305 --> 00:04:00,240 勝殿に取り次いでもらいたい。 60 00:04:00,240 --> 00:04:02,175 誰だ? あんた。 61 00:04:02,175 --> 00:04:05,378 口のきき方を知らぬやつだ。 主を呼べ! 62 00:04:05,378 --> 00:04:07,314 何だとっ! 63 00:04:07,314 --> 00:04:09,249 (都甲)麟太郎! 64 00:04:09,249 --> 00:04:11,918 あっ 都甲先生。 65 00:04:11,918 --> 00:04:13,854 いやあ いいところで。 66 00:04:13,854 --> 00:04:16,089 今から お前さんのとこへ 行くところだった。 67 00:04:16,089 --> 00:04:18,024 急ぎのご用でも? 68 00:04:18,024 --> 00:04:22,262 オランダ語を教えてくれと しつこく頼みに来るやつがいてな。 69 00:04:22,262 --> 00:04:27,400 なかなか帰らんので 勝殿のお屋敷で 蘭学を教えてくると言って➡ 70 00:04:27,400 --> 00:04:31,104 追い返したのさ。 お屋敷って…。 71 00:04:31,104 --> 00:04:34,407 わしも武士。 うそは気が引けるがな。 72 00:04:34,407 --> 00:04:38,278 本を届けるということになれば まんざら うそにはならん。 73 00:04:38,278 --> 00:04:40,280 ありがとうございます。 74 00:04:40,280 --> 00:04:44,151 でも 先生は 母がお気に入りですからね。 75 00:04:44,151 --> 00:04:46,419 たまには 顔を見たいのでは? 76 00:04:46,419 --> 00:04:49,289 ぬはははは。 ご明察。 77 00:04:49,289 --> 00:04:52,125 酒と美女は 命の薬だ。 78 00:04:52,125 --> 00:04:54,628 ははは…。 おっ 美女といえば➡ 79 00:04:54,628 --> 00:04:57,297 例の弁天様はどうした? 80 00:04:57,297 --> 00:05:00,200 ええ それが その…。 81 00:05:00,200 --> 00:05:03,103 あっ 母です。 母上! 82 00:05:03,103 --> 00:05:05,305 ああ…。 83 00:05:06,973 --> 00:05:09,943 都甲先生 お暑うございます。 84 00:05:09,943 --> 00:05:13,246 くしゃみをしませんでしたか? 噂をしていたんですよ。 85 00:05:13,246 --> 00:05:15,182 あら どんな? 86 00:05:15,182 --> 00:05:18,752 先生は 母上と会うと 寿命が延びるそうです。 87 00:05:18,752 --> 00:05:23,390 鼻の下も ちと伸びまする。 ぬははは! まあ。 88 00:05:23,390 --> 00:05:26,693 ⚟俺が勝だ 文句あるか! 89 00:05:39,406 --> 00:05:43,410 ガマと蛇のにらみ合い…。 90 00:05:53,286 --> 00:05:57,123 すまん。 まさか ここまで追ってくるとは。 91 00:05:57,123 --> 00:05:59,426 何か? 92 00:05:59,426 --> 00:06:01,361 改めて ご紹介する。 93 00:06:01,361 --> 00:06:05,565 こちら 信州松代藩士 佐久間修理殿。 94 00:06:05,565 --> 00:06:07,901 では 象山先生ですね。 95 00:06:07,901 --> 00:06:10,570 神田お玉ヶ池で 塾を開いておいでの。 96 00:06:10,570 --> 00:06:13,473 象山書院をご存じか。 97 00:06:13,473 --> 00:06:16,776 ご子息は よく学問をなさるようだ。 98 00:06:21,248 --> 00:06:24,117 さあ 冷たいうちに どうぞ。 99 00:06:24,117 --> 00:06:27,020 マクワウリなんぞ 振る舞わなくていい。 100 00:06:27,020 --> 00:06:29,589 その先生は 俺を中間と間違えたんだ。 101 00:06:29,589 --> 00:06:31,892 もういいじゃありませんか。 102 00:06:34,094 --> 00:06:36,129 ご無礼つかまつった。 103 00:06:36,129 --> 00:06:40,767 なれど ご直参ともあろうものが 中間小者のようなナリで➡ 104 00:06:40,767 --> 00:06:44,404 人前に出るとは思いも寄らず。 まだ言うか? 105 00:06:44,404 --> 00:06:46,773 まあまあ 御両所。 106 00:06:46,773 --> 00:06:50,977 出先まで押しかけるなど 非礼とは存じましたが…。 107 00:06:53,647 --> 00:06:58,952 何としても オランダ語をご教示たまわりたく。 108 00:06:58,952 --> 00:07:02,555 お手前は 西洋の砲術を学び➡ 109 00:07:02,555 --> 00:07:07,894 「海防八策」なる意見書を 上書されたと承っておる。 110 00:07:07,894 --> 00:07:11,765 わしが お教えすることなど 何もないと存ずるが。 111 00:07:11,765 --> 00:07:14,367 「海防八策」…? 112 00:07:14,367 --> 00:07:17,237 優れた献策と自負しております。 113 00:07:17,237 --> 00:07:23,576 なれど 1年足らずの西洋研究で 仕上げたものゆえ まだまだ…。 114 00:07:23,576 --> 00:07:25,512 たった1年で…! 115 00:07:25,512 --> 00:07:28,448 それがし いまだオランダ語を識らず。 116 00:07:28,448 --> 00:07:32,085 洋書を漢訳で読んでいては 学問が進みませぬ。 117 00:07:32,085 --> 00:07:37,390 今すぐ原書を読めるよう 是非とも ご教示たまわりたい。 118 00:07:37,390 --> 00:07:39,326 むむ…。 119 00:07:39,326 --> 00:07:42,595 是非とも! 120 00:07:42,595 --> 00:07:47,100 年寄りには荷が重い。 ほかを当たってくだされ。 121 00:07:47,100 --> 00:07:49,602 そこをまげて 何とぞ…。 122 00:07:49,602 --> 00:07:53,273 しつけえなあ! 嫌だっつってんじゃねえかよ。 123 00:07:53,273 --> 00:07:55,208 よそを当たれや。 124 00:07:55,208 --> 00:07:58,144 口出しは無用に願う。 125 00:07:58,144 --> 00:08:02,882 象山先生 「海防八策」とは どのような案でしょうか。 126 00:08:02,882 --> 00:08:04,818 是非 お聞かせください。 127 00:08:04,818 --> 00:08:08,221 国家の安寧に関わることだ。 軽々には話せぬ。 128 00:08:08,221 --> 00:08:11,725 えらく もったいつけるじゃねえか。 おい 麟 聞くな聞くな。 129 00:08:11,725 --> 00:08:14,627 旦那様…。 130 00:08:14,627 --> 00:08:20,233 要は 西洋に倣って大砲を鋳立て 軍艦をつくり➡ 131 00:08:20,233 --> 00:08:23,236 水軍の修練をすべしということだ。 132 00:08:23,236 --> 00:08:25,572 西洋に倣って? 133 00:08:25,572 --> 00:08:28,074 しかし 今は蘭学を学んでいるだけで➡ 134 00:08:28,074 --> 00:08:30,577 謀反でも たくらんでいるかのように 見られます。 135 00:08:30,577 --> 00:08:32,512 愚かな。 136 00:08:32,512 --> 00:08:36,249 西洋のことを知らずして どうして西洋と対等に渡り合えるのだ。 137 00:08:36,249 --> 00:08:41,588 孫子や呉子の兵法では 西洋の軍艦には勝てぬぞ。 138 00:08:41,588 --> 00:08:44,624 至極簡単な理屈ではないか。 139 00:08:44,624 --> 00:08:48,461 はい…。 はい。 140 00:08:48,461 --> 00:08:53,767 子供にも分かる道理が通らぬようでは この国の先行きは危うい。 141 00:08:53,767 --> 00:08:56,669 今のうちに 土台から作り直さねばならぬ。 142 00:08:56,669 --> 00:09:00,573 ふむ… それには わしも同意する。 143 00:09:00,573 --> 00:09:06,880 国を建て直す大仕事が この双肩にかかっているのです。 144 00:09:06,880 --> 00:09:11,751 都甲先生 それがし オランダ語を習得することは➡ 145 00:09:11,751 --> 00:09:15,755 すなわち 日本のため! 146 00:09:19,459 --> 00:09:21,428 日本のため! 147 00:09:21,428 --> 00:09:24,230 そう! 日本のため! 148 00:09:24,230 --> 00:09:28,067 あいつ てめえ一人で 国背負っている気だぜ。 149 00:09:28,067 --> 00:09:31,905 この暑いのに仰々しい。 あ~ 嫌だ嫌だ。 150 00:09:31,905 --> 00:09:34,808 面白い方ではありませんか。 151 00:09:34,808 --> 00:09:39,245 何というか… 少し人間離れしていて。 152 00:09:39,245 --> 00:09:42,248 褒めてんのか? それ。 はい。 153 00:09:42,248 --> 00:09:44,918 都甲先生を お送りしてきました。 154 00:09:44,918 --> 00:09:49,088 象山先生の オランダ語指南役には 別の方を紹介されるそうです。 155 00:09:49,088 --> 00:09:54,894 だろうな。 あいつが弟子になったら 都甲先生も気骨が折れら。 156 00:09:54,894 --> 00:09:58,598 兄上。 佐久間様は またおいでになりますか? 157 00:09:58,598 --> 00:10:04,104 どうかな。 お順は また会いたいのかい? 158 00:10:04,104 --> 00:10:07,941 はい。 お話が大層面白うございました。 159 00:10:07,941 --> 00:10:11,811 だまされんなよ お順。 山師は弁が立つんだ。 160 00:10:11,811 --> 00:10:14,414 あの方は 山師ではありません。 161 00:10:14,414 --> 00:10:20,120 <この10年後 お順が 佐久間象山の妻になろうとは…➡ 162 00:10:20,120 --> 00:10:24,624 まだ神様も ご存じない話> 163 00:10:24,624 --> 00:10:27,293 (銀次)へ~え そんな妙なやつがねえ。 164 00:10:27,293 --> 00:10:31,798 俺は天下の大先生だって面して 人を見下ろしやがる。 165 00:10:31,798 --> 00:10:34,434 へへへへ 旦那とは そりが合わねえはずだ。 166 00:10:34,434 --> 00:10:37,804 ああいうやつとは 友達づきあいできねえよ。 167 00:10:37,804 --> 00:10:42,308 浅草も寂しくなったな~ 矢場もなくなっちまったし。 168 00:10:42,308 --> 00:10:46,513 あら。 向こうはにぎやかですぜ。 ああ。 169 00:10:48,114 --> 00:10:51,651 よくも水を引っかけたな! 170 00:10:51,651 --> 00:10:54,454 ウロウロしてるからだろ まぬけめ! 171 00:10:54,454 --> 00:10:56,389 まぬけだと! 172 00:10:56,389 --> 00:10:58,992 つまらねえ喧嘩だな。 173 00:10:58,992 --> 00:11:02,262 みんな ギスギスしてやすね。 ああ。 174 00:11:02,262 --> 00:11:04,264 やってるねえ。 175 00:11:10,403 --> 00:11:13,606 あっ! 痛っ。 176 00:11:13,606 --> 00:11:17,277 やりやがったな てめえ! 177 00:11:17,277 --> 00:11:27,287 (騒ぎ声) 178 00:11:27,287 --> 00:11:29,789 お~ やれやれ~! 179 00:11:29,789 --> 00:11:32,625 景気づけに もういっちょ。 180 00:11:32,625 --> 00:11:34,561 何だよ うるせえな。 181 00:11:34,561 --> 00:11:36,963 人の陰に隠れて ひきょうなまねは よしな。 182 00:11:36,963 --> 00:11:41,301 いや その… へっ。 183 00:11:41,301 --> 00:11:45,305 どうもすいやせん。 あっ! 184 00:11:45,305 --> 00:11:47,974 あの野郎…。 おっとっと ごめんよ! 185 00:11:47,974 --> 00:11:50,643 しまった…! 186 00:11:50,643 --> 00:11:52,579 いけね 悪いのが来た。 187 00:11:52,579 --> 00:11:55,815 仙太 何してんだよ。 いやあ 何も。 188 00:11:55,815 --> 00:11:58,451 頭 早く止めねえと けが人が出ますぜ。 189 00:11:58,451 --> 00:12:00,386 おう。 へい。 190 00:12:00,386 --> 00:12:03,089 ご苦労さんです。 191 00:12:03,089 --> 00:12:05,592 べ~! 192 00:12:07,594 --> 00:12:09,529 お~い! 待ちなよ! 193 00:12:09,529 --> 00:12:11,931 おい もういいじゃねえか ほっとけ あんなやつ。 194 00:12:11,931 --> 00:12:13,967 そうじゃねえんで…。 195 00:12:13,967 --> 00:12:17,470 ぶつかったはずみに つい…。 196 00:12:19,405 --> 00:12:23,109 何やってんだ 中見てみろ。 身元が分かるもん 入ってねえかい? 197 00:12:23,109 --> 00:12:25,411 へいへい。 あっ…。 198 00:12:25,411 --> 00:12:28,615 (2人)小判!? 199 00:12:28,615 --> 00:12:31,951 仙太ですかい? 古いなじみでさあ。 200 00:12:31,951 --> 00:12:36,289 死んだ 実のオヤジが 最後に仕込んだ弟子なんでさ。 201 00:12:36,289 --> 00:12:38,791 頭の 実のオヤジさんってのは? 202 00:12:38,791 --> 00:12:41,628 下谷で 錺師をしておりやした。 203 00:12:41,628 --> 00:12:44,530 仙太が何か? いやあ 別に。 204 00:12:44,530 --> 00:12:46,499 家 知ってっかい? 205 00:12:46,499 --> 00:12:50,003 平右衛門町です。 浅草橋のすぐ近くで。 206 00:12:53,973 --> 00:12:56,275 仙太は うちかい? 207 00:12:59,646 --> 00:13:03,383 大家さん 店賃なら待ってくれって頼んだろ。 208 00:13:03,383 --> 00:13:07,587 俺だよ さっき浅草で…。 209 00:13:07,587 --> 00:13:11,090 うわっ! 家まで追ってきやがった! 210 00:13:11,090 --> 00:13:13,026 痛ててて。 まあ 待ちない。 211 00:13:13,026 --> 00:13:15,395 放してくれよ 俺は悪いことはしてねえよ。 212 00:13:15,395 --> 00:13:20,233 悪いことしてねえんなら 裏から逃げんな! 213 00:13:20,233 --> 00:13:23,770 俺は 詫びを言いに来たんだぜ。 214 00:13:23,770 --> 00:13:25,705 へっ? 215 00:13:25,705 --> 00:13:28,274 実は これを…。 216 00:13:28,274 --> 00:13:31,277 あれ…。 217 00:13:31,277 --> 00:13:33,413 あっ それ 俺の財布。 218 00:13:33,413 --> 00:13:35,348 ぶつかったはずみに つい。 219 00:13:35,348 --> 00:13:38,251 あんた 巾着切りか! 面目ねえ…。 220 00:13:38,251 --> 00:13:40,186 とっくに足は洗ったんだが…。 221 00:13:40,186 --> 00:13:43,956 何が ついだよ。 盗人め。 222 00:13:43,956 --> 00:13:45,892 仙太。 223 00:13:45,892 --> 00:13:48,127 な… 何でえ。 224 00:13:48,127 --> 00:13:50,630 口封じに斬る気か? 225 00:13:50,630 --> 00:13:53,966 すまなかった。 許してやってくれ。 226 00:13:53,966 --> 00:13:58,304 申し訳ねえ! このとおり! 227 00:13:58,304 --> 00:14:03,009 お武家さんに頭下げられたなぁ 俺ぁ 初めてだ…。 228 00:14:10,883 --> 00:14:12,819 (仙太)まあ ひとつ やっておくんなせえ。 229 00:14:12,819 --> 00:14:14,787 いや 俺ぁ 下戸なんだよ。 230 00:14:14,787 --> 00:14:17,090 (仙太)いや そんなこと言わず 一杯だけでも。 231 00:14:17,090 --> 00:14:19,392 仲直りのしるしに。 232 00:14:19,392 --> 00:14:22,095 じゃあ 一杯だけな。 233 00:14:22,095 --> 00:14:24,764 悪いな。 こっちが おごらなきゃなんねえのに。 234 00:14:24,764 --> 00:14:28,101 今日のところは 俺に花を持たせてくんねえ。 235 00:14:28,101 --> 00:14:30,903 近所に 顔の利く酒屋があんだ。 236 00:14:36,809 --> 00:14:41,280 お前 錺師なんだってね。 いい腕なんだろうな。 237 00:14:41,280 --> 00:14:44,283 えっ…。 道具の手入れが行き届いてんのは➡ 238 00:14:44,283 --> 00:14:48,154 腕がいい証拠だ。 へへ…。 239 00:14:48,154 --> 00:14:53,159 錺金具をこしらえてまさあ。 寺や神社の金物をね。 240 00:14:54,827 --> 00:14:57,130 ほら こんなものを。 241 00:14:57,130 --> 00:15:01,367 ほお~ 釘隠しか。 見事な細工だ。 242 00:15:01,367 --> 00:15:03,736 へ~え きれいなもんですねえ。 243 00:15:03,736 --> 00:15:08,074 ははは… 金物細工なら 何だって造ってみせまさあ。 244 00:15:08,074 --> 00:15:10,009 何だってね。 245 00:15:10,009 --> 00:15:13,579 …ああ でも 今はいけねえや。 246 00:15:13,579 --> 00:15:20,353 ぜいたくは ご法度で 寺も神社も 上等な錺金具なんか使っちゃくれねえ。 247 00:15:20,353 --> 00:15:22,755 注文が めっきり減っちまってね。 248 00:15:22,755 --> 00:15:26,092 でも 稼ぎは悪かねえんだろ? 小判なんて持ってさ。 249 00:15:26,092 --> 00:15:28,027 プッ。 250 00:15:28,027 --> 00:15:29,962 財布ん中 見たんですかい? 251 00:15:29,962 --> 00:15:33,399 すまん。 所が分かるもんが 入ってねえかなと思ってな。 252 00:15:33,399 --> 00:15:38,104 ああ あれは賭場で遊んだら たまたま いい目が出ちまったもんで…。 253 00:15:38,104 --> 00:15:41,007 ささ もう一杯やってくんねえ。 えっ…。 254 00:15:41,007 --> 00:15:43,276 頂戴しやす。 255 00:15:43,276 --> 00:15:47,280 ⚟(鐘の音) 256 00:15:52,418 --> 00:15:57,957 はあ… 旦那様 どこ行ったんだろう…。 257 00:15:57,957 --> 00:16:00,927 ♬「さっさ押せ押せ 来たさのさっさ~」 258 00:16:00,927 --> 00:16:04,564 ♬「さっさ押せ押せ 来たさのさっさ」 259 00:16:04,564 --> 00:16:06,599 お~い おいおい…。 おい! 大丈夫かい? 260 00:16:06,599 --> 00:16:09,735 大丈夫だ。 261 00:16:09,735 --> 00:16:12,238 あ~ 俺ぁ うれしくってねえ。 262 00:16:12,238 --> 00:16:15,741 旦那は 俺の腕を分かってくださる。 はっはっは…。 263 00:16:15,741 --> 00:16:21,914 ねえ 旦那。 いい出来でしょう? 264 00:16:21,914 --> 00:16:26,252 寺の金具に こんくれえ使ったって 仏のバチは当たらねえや。 265 00:16:26,252 --> 00:16:28,754 ああ 当たらねえ。 266 00:16:28,754 --> 00:16:31,257 ぜいたくがいけねえって言うけど➡ 267 00:16:31,257 --> 00:16:35,928 物の値が上がったなあ 俺たちのせいじゃねえ。 268 00:16:35,928 --> 00:16:40,766 お上が造る小判の値打ちが 下がったからだ。 ねえ 旦那。 269 00:16:40,766 --> 00:16:42,702 お前 酔ってんのかい? 270 00:16:42,702 --> 00:16:44,637 だって そうじゃねえかよ。 271 00:16:44,637 --> 00:16:48,941 今の小判と 昔の慶長小判を 比べてみねえな。 272 00:16:48,941 --> 00:16:52,411 同し1両でも 金が半分しか入ってねえんだぜ。 273 00:16:52,411 --> 00:16:54,347 たったの半分だ。 274 00:16:54,347 --> 00:16:56,282 確かにな…。 275 00:16:56,282 --> 00:17:02,088 前は小判1枚で買えたものが 今は2枚出さなきゃ買えねえんだ。 276 00:17:02,088 --> 00:17:05,391 物価が上がるのは 当ったり前だ。 277 00:17:08,227 --> 00:17:12,098 なのに お上は妙な理屈をこね回して➡ 278 00:17:12,098 --> 00:17:15,735 こんな細工物さえ ぜいたくだって言いやがる。 279 00:17:15,735 --> 00:17:22,542 俺ぁ 悔しくって クサクサして 今日も あんな悪さを…。 280 00:17:25,077 --> 00:17:28,281 旦那。 旦那。 281 00:17:30,750 --> 00:17:34,387 申し訳ありやせん。 282 00:17:34,387 --> 00:17:36,756 ん? (いびき) 283 00:17:36,756 --> 00:17:41,260 あれ。 いけねえ とうとう潰れやがった。 284 00:17:41,260 --> 00:17:45,765 小判の値が下がったか。 違えねえや。 285 00:17:45,765 --> 00:17:47,700 (いびき) うっ…。 286 00:17:47,700 --> 00:17:52,538 おいおい ちょっと…。 何だよ おいおい。 287 00:17:52,538 --> 00:17:54,941 おいおい 大丈夫かよ お前。 288 00:17:54,941 --> 00:17:58,778 <元禄以来 幕府は 幾度か小判を改鋳し➡ 289 00:17:58,778 --> 00:18:02,748 その度に 金の含有量を減らしてきました。➡ 290 00:18:02,748 --> 00:18:05,217 それには 事情があって…> 291 00:18:05,217 --> 00:18:09,055 (後藤)どうぞ お納めください。 292 00:18:09,055 --> 00:18:12,091 <この男は 後藤三右衛門。➡ 293 00:18:12,091 --> 00:18:16,729 金貨鋳造を一手に請け負う 金座の頭領です> 294 00:18:16,729 --> 00:18:19,765 心遣い 痛み入る。 295 00:18:19,765 --> 00:18:22,368 ご老中の方は いかがした? 296 00:18:22,368 --> 00:18:26,906 昨日 ご機嫌伺いにあがりました。 297 00:18:26,906 --> 00:18:30,576 改鋳のお声がかかる頃かと 存じまして。 298 00:18:30,576 --> 00:18:35,448 ご勝手向きのことを考えると➡ 299 00:18:35,448 --> 00:18:37,650 そろそろだな…。 300 00:18:40,252 --> 00:18:45,091 <粗悪な小判を造り 前の良質な小判と交換すれば➡ 301 00:18:45,091 --> 00:18:48,127 その差額が 儲けになります。➡ 302 00:18:48,127 --> 00:18:54,400 財政赤字に苦しむ幕府にとって 貨幣改鋳は 打ち出の小づちでした> 303 00:18:54,400 --> 00:18:59,939 お奉行様も どうぞよしなに…。 304 00:18:59,939 --> 00:19:03,342 <金座は 金貨改鋳の手数料を取り➡ 305 00:19:03,342 --> 00:19:09,215 後藤家には 日に2百両が入ると 言われるほどでした。➡ 306 00:19:09,215 --> 00:19:15,421 悪貨は インフレを引き起こし 人々の暮らしを追い詰めたのです> 307 00:19:23,362 --> 00:19:25,731 もっと静かにできねえか。 308 00:19:25,731 --> 00:19:28,234 俺ぁ 頭が痛いんだよ。 309 00:19:29,902 --> 00:19:36,075 母上は ひと晩中 蚊やりをたいて お帰りを待っていたのに! 310 00:19:36,075 --> 00:19:38,978 父上は朝帰り! 311 00:19:38,978 --> 00:19:43,582 仙太のやつが酔っ払ってたから 介抱してたんだよ。 312 00:19:43,582 --> 00:19:47,086 あっ いけねえ。 313 00:19:47,086 --> 00:19:49,755 持ってきちまったよ。 314 00:19:49,755 --> 00:19:52,591 ほら これ見てみろ。 315 00:19:52,591 --> 00:19:57,263 まあ きれい。 316 00:19:57,263 --> 00:19:59,265 釘隠しですね。 317 00:19:59,265 --> 00:20:04,403 見事だろ。 仙太は腕がいいんだよ。 318 00:20:04,403 --> 00:20:07,606 はい。 319 00:20:07,606 --> 00:20:12,478 お信… お順のやつ ますます似てきたな。 320 00:20:12,478 --> 00:20:24,957 ♬~ 321 00:20:24,957 --> 00:20:28,828 (鈴の音) 322 00:20:28,828 --> 00:20:30,830 寝る。 323 00:20:35,134 --> 00:20:38,804 ♬「てぐるま おぐるま てんぐるま」 324 00:20:38,804 --> 00:20:42,675 ♬「てんてん ぐるまじゃ だれがのじゃ」 325 00:20:42,675 --> 00:20:44,677 (子供たち)俺がのじゃ~! 326 00:20:44,677 --> 00:20:48,981 ♬「てんてん ぐるまじゃ だれがのじゃ」 327 00:20:48,981 --> 00:20:50,916 (子供たち)俺がのじゃ~! 328 00:20:50,916 --> 00:20:53,219 お民さん。 329 00:20:55,855 --> 00:20:57,857 勝様。 330 00:21:00,159 --> 00:21:03,763 子供の頃 よくこうして遊んだんですよ。 331 00:21:03,763 --> 00:21:07,600 <深川の岡場所が取り潰されたあと➡ 332 00:21:07,600 --> 00:21:13,472 文吉こと お民は 柳橋の花街に住み替えていました> 333 00:21:13,472 --> 00:21:16,108 うれしそうだな。 334 00:21:16,108 --> 00:21:20,946 だって 勝様に 買っていただいたんですもの。 335 00:21:20,946 --> 00:21:24,784 ほら きれい。 336 00:21:24,784 --> 00:21:28,120 ああ きれいだ。 337 00:21:28,120 --> 00:21:30,623 ⚟(男性)若旦那 さあさあ こちらでございます。➡ 338 00:21:30,623 --> 00:21:32,558 どうぞ どうぞ。 (男性)うん うんうん うんうん。 339 00:21:32,558 --> 00:21:34,560 いけない… こっちに。 340 00:21:36,295 --> 00:21:39,965 本当に御利益があるのかい? ええ それはもう! 341 00:21:39,965 --> 00:21:43,636 若旦那の縁談を蹴る女がいるなんて ありません。 342 00:21:43,636 --> 00:21:45,571 そうだろ そうだろ。 ええ。 343 00:21:45,571 --> 00:21:50,309 あすには よい話が。 うん。 344 00:21:50,309 --> 00:21:53,145 あっ…。 345 00:21:53,145 --> 00:21:56,815 シ~ッ。 346 00:21:56,815 --> 00:21:59,852 どうか 一緒になれますように。 347 00:21:59,852 --> 00:22:03,088 (かしわ手) 348 00:22:03,088 --> 00:22:20,940 ♬~ 349 00:22:20,940 --> 00:22:27,613 <深川のお福も 今は 柳橋で船宿を営んでいます> 350 00:22:27,613 --> 00:22:31,417 女将さん ご用ですか? 351 00:22:31,417 --> 00:22:34,620 (お福)ああ ちょいとお座りよ。 352 00:22:38,791 --> 00:22:41,293 何です? 353 00:22:41,293 --> 00:22:44,964 実はね あんたを落籍して 嫁にしたいから➡ 354 00:22:44,964 --> 00:22:48,300 口を利いてくれって 頼まれちまってねえ。 355 00:22:48,300 --> 00:22:52,171 知ってるだろ。 魚宗の若旦那。 356 00:22:52,171 --> 00:22:55,074 どうか 一緒になれますように。 357 00:22:55,074 --> 00:22:57,443 (かしわ手) 358 00:22:57,443 --> 00:23:01,247 そういう話は断ってくださいと お願いしたじゃありませんか。 359 00:23:01,247 --> 00:23:05,251 魚宗は大店で 若旦那の人柄も確かだ。➡ 360 00:23:05,251 --> 00:23:07,586 悪い話じゃないよ。➡ 361 00:23:07,586 --> 00:23:10,256 いくら売れっ子芸者の文吉でも➡ 362 00:23:10,256 --> 00:23:14,760 この先 ずっと 全盛が続くわけじゃないんだから。 363 00:23:14,760 --> 00:23:18,397 私 23ですよ。 まだ そう老けちゃいません。 364 00:23:18,397 --> 00:23:22,268 花の盛りに望まれて嫁ぐなら 何よりじゃないか。 365 00:23:22,268 --> 00:23:26,472 思し召しはありがたく。 でも 断っておくんなさい。 366 00:23:28,407 --> 00:23:31,777 勝様のことかい? 367 00:23:31,777 --> 00:23:33,712 えっ? 368 00:23:33,712 --> 00:23:37,416 会ってるんだろう 勝様と。 369 00:23:37,416 --> 00:23:41,620 そりゃ… 剣術の道場が ついそこですから➡ 370 00:23:41,620 --> 00:23:44,823 帰りがけに ちょっとお寄りになったり…。 371 00:23:46,425 --> 00:23:49,295 勝様は いいお方さ。 372 00:23:49,295 --> 00:23:53,799 殿様も奥様も 心のあったかい人たちだ。 373 00:23:53,799 --> 00:23:59,305 けどね あちらは れっきとしたお旗本だよ。 374 00:23:59,305 --> 00:24:04,243 さきざき あんたが 泣くようなことになるとねえ…。 375 00:24:04,243 --> 00:24:08,447 勝様は どう考えておいでなんだろう。 376 00:24:10,249 --> 00:24:16,588 女将さん 取り越し苦労すると しわが増えますよ。 377 00:24:16,588 --> 00:24:18,524 えっ? 378 00:24:18,524 --> 00:24:21,093 勝様とは 何でもありゃしません。 379 00:24:21,093 --> 00:24:27,399 私 いずれ婿でも取って 実家の炭屋を 継ごうかと思ってんですから。 380 00:24:27,399 --> 00:24:31,704 じゃあ お座敷がありますから。 381 00:24:37,076 --> 00:24:39,578 うそばっかり…。 382 00:24:52,124 --> 00:24:54,059 贋金が どうしたって? 383 00:24:54,059 --> 00:24:56,628 平右衛門町の酒屋の主が しょっぴかれやした。 384 00:24:56,628 --> 00:25:00,366 料理屋で使った小判が 金めっきの贋金だったそうで。 385 00:25:00,366 --> 00:25:02,301 平右衛門町…。 386 00:25:02,301 --> 00:25:05,571 酒屋は 贋金とは知らなかったと 言ってやすが➡ 387 00:25:05,571 --> 00:25:08,474 厳しい詮議を受けているようですぜ。➡ 388 00:25:08,474 --> 00:25:10,743 あっしぁ どうも腑に落ちねえんで。 389 00:25:10,743 --> 00:25:13,579 仙太の財布には小判が入ってた。 390 00:25:13,579 --> 00:25:16,615 職人にゃ 過ぎた大金だ。 なのに…。 391 00:25:16,615 --> 00:25:20,352 大家さん 店賃なら待ってくれって頼んだろ。 392 00:25:20,352 --> 00:25:25,924 ひょっとして 大家には渡せねえ 訳ありの小判で 酒を買ったんじゃ…。 393 00:25:25,924 --> 00:25:27,960 あれだけ細工道具がそろってて いい腕がありゃあ➡ 394 00:25:27,960 --> 00:25:30,763 贋小判だって 案外たやすく…。 言うな! 395 00:25:32,598 --> 00:25:35,934 めったなことを言うな。 396 00:25:35,934 --> 00:25:41,106 贋金造りは 引き回しの上 磔だ。 へい。 397 00:25:41,106 --> 00:25:44,610 けど 罪もねえ酒屋が 責め問いにでもあっちゃ…。 398 00:25:44,610 --> 00:25:46,545 分かってる。 399 00:25:46,545 --> 00:25:50,249 財布をすっちまったばっかりに…。 400 00:25:56,288 --> 00:26:00,726 旦那様…。 401 00:26:00,726 --> 00:26:04,596 放っておくわけには いかねえな。 402 00:26:04,596 --> 00:26:07,499 贋金造ったやつが名乗り出ねえで➡ 403 00:26:07,499 --> 00:26:12,438 酒屋が責め殺されたりしたら 取り返しがつかねえ。 404 00:26:12,438 --> 00:26:14,440 はい。 405 00:26:19,078 --> 00:26:21,580 けどよ…。 406 00:26:21,580 --> 00:26:33,592 ♬~ 407 00:26:33,592 --> 00:26:36,929 死なせたくねえなあ…。 408 00:26:36,929 --> 00:27:06,725 ♬~ 409 00:27:06,725 --> 00:27:09,228 旦那様。 410 00:27:11,597 --> 00:27:16,401 マクワウリが おいしく漬かったので お土産にどうかと。 411 00:27:19,905 --> 00:27:26,378 平右衛門町… 私が お届けにまいりましょうか? 412 00:27:26,378 --> 00:27:29,748 いや…。 413 00:27:29,748 --> 00:27:33,919 こいつを返してくる。 414 00:27:33,919 --> 00:27:36,755 一緒に行くかい。 415 00:27:36,755 --> 00:27:38,957 はい。 416 00:27:42,394 --> 00:27:45,264 もうすぐそこが 大川ですねえ。 417 00:27:45,264 --> 00:27:47,933 ああ。 両国橋を渡れば 本所だよ。 418 00:27:47,933 --> 00:27:50,769 本所 懐かしい…。 419 00:27:50,769 --> 00:27:56,942 お信 仙太の家には 俺一人で行こうと思う。 420 00:27:56,942 --> 00:27:58,944 はい。 421 00:28:02,548 --> 00:28:05,851 私 ここで待っていますから。 422 00:28:17,062 --> 00:28:19,731 ええい。 423 00:28:19,731 --> 00:28:25,537 ⚟(男性)贋金だってよ。 ⚟(女性)まさか あの酒屋さんがねえ。 424 00:28:25,537 --> 00:28:28,240 ⚟(女性)信じらんないよ。 425 00:28:31,910 --> 00:28:34,813 はあ…。 426 00:28:34,813 --> 00:28:39,585 堪忍してくんな…。 427 00:28:39,585 --> 00:28:41,620 ⚟(戸が開く音) 428 00:28:41,620 --> 00:28:43,922 だっ 誰だい。 429 00:28:43,922 --> 00:28:45,924 ⚟俺だよ。 430 00:28:47,793 --> 00:28:50,596 旦那…。 431 00:28:50,596 --> 00:28:55,267 マクワウリが よく漬かったんで お前に届けろと女房に言われてな。 432 00:28:55,267 --> 00:28:58,170 ほれ。 433 00:28:58,170 --> 00:29:02,341 それと… こいつを返しに来た。 434 00:29:02,341 --> 00:29:05,877 うっかり 持って帰っちまってな。 435 00:29:05,877 --> 00:29:10,048 そんなもののために… 何だって わざわざ。 436 00:29:10,048 --> 00:29:14,553 何でって… 友達だからだよ。 437 00:29:14,553 --> 00:29:55,260 ♬~ 438 00:29:55,260 --> 00:30:00,032 いい細工だ。 お前は 大した腕だ。 439 00:30:00,032 --> 00:30:05,737 仙太 その腕で 人泣かすんじゃねえぞ。 440 00:30:16,782 --> 00:30:20,419 うめえなあ…。 441 00:30:20,419 --> 00:30:22,788 ⚟(物音) 442 00:30:22,788 --> 00:30:28,293 旦那… 戻ってきたのかい? 443 00:30:34,800 --> 00:30:37,602 いけねえ 町方だ。 444 00:30:39,671 --> 00:30:44,176 悪いことしてねえんなら 裏から逃げんな! 445 00:30:57,823 --> 00:31:00,258 や~! わ~! 446 00:31:00,258 --> 00:31:02,761 待て~! 待て~! 447 00:31:07,132 --> 00:31:18,276 ♬~ 448 00:31:18,276 --> 00:31:21,613 あら 麟太郎。 449 00:31:21,613 --> 00:31:24,516 ⚟おい。 450 00:31:24,516 --> 00:31:27,419 お話は 無事に済んだのですか? 451 00:31:27,419 --> 00:31:32,257 ああ あとは 仙太が てめえで決めるこった。 452 00:31:32,257 --> 00:31:35,127 帰るか。 はい。 453 00:31:35,127 --> 00:31:37,329 ⚟捕り物だ! 454 00:31:40,432 --> 00:31:42,634 ⚟捕り物だ! 455 00:31:45,270 --> 00:31:47,205 (男性)とんだ恥さらしだ。 (男性)贋の小判➡ 456 00:31:47,205 --> 00:31:49,641 造りやがったんだってよ。 (女性)お里が知れるよ! 457 00:31:49,641 --> 00:31:51,576 ⚟(男性)バカなことしやがって。 458 00:31:51,576 --> 00:31:53,512 ⚟仙太! 459 00:31:53,512 --> 00:31:56,314 おい 行け! 460 00:31:56,314 --> 00:31:58,984 聞いてくれ! 461 00:31:58,984 --> 00:32:01,386 酒屋には 何の罪もねえ。 462 00:32:01,386 --> 00:32:05,090 贋の小判を造ったのは この俺だ。 463 00:32:05,090 --> 00:32:08,760 俺一人でやったんだ! 464 00:32:08,760 --> 00:32:10,796 試してみたかったんだよ。 465 00:32:10,796 --> 00:32:15,267 俺の腕があれば 本物そっくりの小判が 造れるんじゃねえかって。 466 00:32:15,267 --> 00:32:17,936 黙れ! 467 00:32:17,936 --> 00:32:21,273 俺が造った小判は 俺が造った贋の小判は➡ 468 00:32:21,273 --> 00:32:23,208 たった一枚っきりだ! 469 00:32:23,208 --> 00:32:26,778 けどよ… お上は もっとうまく➡ 470 00:32:26,778 --> 00:32:31,416 何百万両も贋金を造ってるぞ! 471 00:32:31,416 --> 00:32:35,287 金座の造る小判には 金座の造る小判には➡ 472 00:32:35,287 --> 00:32:38,190 昔の半分しか 金が入ってねえ! 473 00:32:38,190 --> 00:32:42,060 あれは 贋金じゃねえのか! 474 00:32:42,060 --> 00:32:45,430 そうだ。 仙太の言うとおりだ! 475 00:32:45,430 --> 00:32:49,968 今の小判は 贋金だ! 476 00:32:49,968 --> 00:32:53,271 ええ。 そうですとも! 477 00:32:56,842 --> 00:33:01,079 ⚟(男性)天保小判は 贋金だ! 贋金だ! 478 00:33:01,079 --> 00:33:03,381 よく言った! よく言ったぞ! おい 行くぞ。 479 00:33:03,381 --> 00:33:05,450 へい。 ⚟(男性)おい 贋金じゃねえか。 480 00:33:05,450 --> 00:33:07,586 ⚟(女性)そうよ 贋金よ! 481 00:33:07,586 --> 00:33:09,621 ⚟(男性)贋金だ! ⚟(女性)贋金よ! 482 00:33:09,621 --> 00:33:14,359 ⚟(男性)仙太! ⚟(男性)だまされるなよ! 483 00:33:14,359 --> 00:33:16,761 ⚟(男性)仙太! よく言ったぞ! 484 00:33:16,761 --> 00:33:20,065 偉えぞ 仙太。 485 00:33:30,108 --> 00:33:33,612 わあ きれい…。 486 00:33:33,612 --> 00:33:37,115 そっと持つのですよ。 火玉が落ちないように。 487 00:33:37,115 --> 00:33:39,050 はい。 488 00:33:39,050 --> 00:33:41,620 線香花火か…。 489 00:33:41,620 --> 00:33:46,958 ば~っと でかいの打ち上げて 送ってやりたかったがなあ。 490 00:33:46,958 --> 00:33:49,995 送るって 誰を? うん…。 491 00:33:49,995 --> 00:33:54,299 父上のお友達ですよ。 492 00:33:54,299 --> 00:33:59,137 今日 お別れしたんです。 493 00:33:59,137 --> 00:34:01,373 ふ~ん。 494 00:34:01,373 --> 00:34:04,075 あいつみてえだな…。 495 00:34:04,075 --> 00:34:09,381 ちっぽけなくせに 精いっぱい はじけてやがる。 496 00:34:09,381 --> 00:34:12,751 ええ。 497 00:34:12,751 --> 00:34:15,553 きれいですねえ。 498 00:34:23,094 --> 00:34:26,598 <それから 数日が過ぎて…> 499 00:34:29,267 --> 00:34:32,604 母上! 父上の様子が変です。 500 00:34:32,604 --> 00:34:35,941 えっ? 机に向かって 何か書いてますよ。 501 00:34:35,941 --> 00:34:37,943 ええっ! 502 00:34:40,812 --> 00:34:44,616 どうなさったのです? 旦那様が筆を執るなんて。 503 00:34:44,616 --> 00:34:47,419 具合でも悪いのですか? 横になった方がいいんじゃ…。 504 00:34:47,419 --> 00:34:50,622 ああ~ ガチャガチャうるせえなあ。 向こう行ってろよ。 505 00:34:50,622 --> 00:34:53,658 でも…。 ⚟(セミの声) 506 00:34:53,658 --> 00:34:57,395 セミが鳴いているな。 (お信 お順)はい。 507 00:34:57,395 --> 00:35:00,298 あいつらは 長え間 土の中にいて➡ 508 00:35:00,298 --> 00:35:05,136 やっと はい出てきたと思ったら たった数日で寿命が尽きる。 509 00:35:05,136 --> 00:35:09,374 その間 ああやって 精いっぱい鳴いてるんだ。 510 00:35:09,374 --> 00:35:12,177 そういうことだ 分かったな。 511 00:35:27,592 --> 00:35:32,464 今朝からずっと ああして 机に向かっているんですよ。 512 00:35:32,464 --> 00:35:34,766 何を書いているんですか? 513 00:35:34,766 --> 00:35:37,802 さあ セミがどうとか言って…。 514 00:35:37,802 --> 00:35:42,273 あっ ひょっとして遺言のつもりかも。 515 00:35:42,273 --> 00:35:44,776 やっぱり どこかお悪いのかしら。 516 00:35:44,776 --> 00:35:47,278 麟太郎 何か聞いていませんか? 517 00:35:47,278 --> 00:35:49,280 いいえ。 518 00:35:49,280 --> 00:35:52,951 何でしょうね 願かけかなあ。 519 00:35:52,951 --> 00:35:57,822 ええ…。 あっ そういえば 柳橋の第六天。 520 00:35:57,822 --> 00:35:59,824 えっ? 何ですか。 521 00:35:59,824 --> 00:36:04,062 この間 お参りに行ってたでしょ? 何か願かけでも? 522 00:36:04,062 --> 00:36:06,364 いや 別に…。 523 00:36:06,364 --> 00:36:09,567 あっ そうだ。 都甲先生に 本をお返ししなければ。 524 00:36:09,567 --> 00:36:11,503 ちょっと出てきます。 525 00:36:11,503 --> 00:36:14,739 じき 夕飯ですよ。 ⚟すぐ戻りますから。 526 00:36:14,739 --> 00:36:18,243 麟太郎まで変…。 527 00:36:18,243 --> 00:36:22,247 2人とも どうしたのかしら。 528 00:36:31,589 --> 00:36:37,095 <2年半に及んだ 天保の改革が 突然 終わりを迎えたのは➡ 529 00:36:37,095 --> 00:36:41,966 秋風の吹く 閏9月のことでした。➡ 530 00:36:41,966 --> 00:36:47,105 水野忠邦の強引な政策が 有力大名の反感を買い➡ 531 00:36:47,105 --> 00:36:52,610 金座からの賄賂などを理由に 老中を罷免されたのです> 532 00:36:52,610 --> 00:36:57,782 ⚟(騒ぎ声) 533 00:36:57,782 --> 00:37:01,653 何でしょう。 やけに騒がしい…。 534 00:37:01,653 --> 00:37:04,589 (戸が開く音) 535 00:37:04,589 --> 00:37:07,358 父上! 大変です。 火事か? 536 00:37:07,358 --> 00:37:10,729 西の丸下の 水野様の上屋敷が襲われています。 537 00:37:10,729 --> 00:37:13,231 えっ ご老中のお屋敷が? 538 00:37:13,231 --> 00:37:15,233 町の者が大勢押しかけて➡ 539 00:37:15,233 --> 00:37:18,570 番小屋を壊し 屋敷に石を投げ込んでいるそうです。 540 00:37:18,570 --> 00:37:20,905 行ってみましょう。 よしなよ。 541 00:37:20,905 --> 00:37:23,942 石つぶては 強いもんに投げるもんだ。 542 00:37:23,942 --> 00:37:26,077 お役御免になった者に➡ 543 00:37:26,077 --> 00:37:29,581 寄ってたかって 投げつけたりするもんじゃねえ。 544 00:37:29,581 --> 00:37:35,386 しかし ご重役の上屋敷が襲われるなど 聞いたこともありません。 545 00:37:35,386 --> 00:37:38,923 あいつの言ってたとおりか。 546 00:37:38,923 --> 00:37:40,859 あいつって? 547 00:37:40,859 --> 00:37:43,261 佐久間象山さ。 548 00:37:43,261 --> 00:37:45,263 この国の先行きは危うい。 549 00:37:45,263 --> 00:37:48,933 今のうちに 土台から作り直さねばならぬ。 550 00:37:48,933 --> 00:37:51,970 ご公儀も焼きが回った。 551 00:37:51,970 --> 00:37:57,108 世の中 もういっぺん 土台から建て直さねえと➡ 552 00:37:57,108 --> 00:37:59,911 今に立ちゆかなくなるぜ。 553 00:38:02,714 --> 00:38:05,550 はい…。 554 00:38:05,550 --> 00:38:11,222 ⚟(騒ぎ声) 555 00:38:11,222 --> 00:38:17,896 <この夜 水野の上屋敷を襲った群衆は 数万人に上ったと伝えられます。➡ 556 00:38:17,896 --> 00:38:22,567 一方 懐刀と呼ばれた この男は…。➡ 557 00:38:22,567 --> 00:38:28,072 水野の失脚を察知すると 先手を打って収賄容疑を密告。➡ 558 00:38:28,072 --> 00:38:32,911 見事な手のひら返しで 町奉行職にとどまったのです> 559 00:38:32,911 --> 00:38:35,246 (与力)馬の支度が整いました。 560 00:38:35,246 --> 00:38:38,249 よし 打ち出すぞ。 561 00:38:41,753 --> 00:38:45,256 <江戸では こんな落首が はやりました。➡ 562 00:38:45,256 --> 00:38:49,594 「鳥居をば 残し本社は打ちこわし」…> 563 00:38:49,594 --> 00:38:51,596 フン。 564 00:39:05,210 --> 00:39:07,979 駄目駄目 勝手に見ちゃ。 565 00:39:07,979 --> 00:39:11,783 でも ちょっとだけなら…。 566 00:39:21,226 --> 00:39:25,563 「俺ほどのバカな者は 世の中にも あんまり あるまいと思う。➡ 567 00:39:25,563 --> 00:39:29,367 故に 孫や ひこのために 話して聞かせるが➡ 568 00:39:29,367 --> 00:39:34,572 よくよく不法者 バカ者の戒めにするがいいぜ」。 569 00:39:36,140 --> 00:39:41,746 フフ まあ 旦那様の話し方そのまんま…。 570 00:39:41,746 --> 00:39:43,681 ⚟何してんだよ! 571 00:39:43,681 --> 00:39:45,617 まだ書きかけだぞ 読むな! 572 00:39:45,617 --> 00:39:47,619 いいじゃありませんか。 573 00:39:47,619 --> 00:39:52,757 ん? 「ガキの時分より悪さばかりして➡ 574 00:39:52,757 --> 00:39:54,792 おふくろも困ったということだ」。 575 00:39:54,792 --> 00:39:58,396 よせって。 576 00:39:58,396 --> 00:40:01,766 俺はな 生まれてきた甲斐に➡ 577 00:40:01,766 --> 00:40:06,404 少しは 人のためになることを 書こうって気でいたんだ。 578 00:40:06,404 --> 00:40:12,610 仙太が 言いたいだけのことを 精いっぱい叫んでいたようにな。 579 00:40:12,610 --> 00:40:14,545 はい。 580 00:40:14,545 --> 00:40:18,783 けど これまで バカを尽くしてきたせいで➡ 581 00:40:18,783 --> 00:40:24,956 どこをどう切り取っても バカバカしい話しか出てこねえ。 582 00:40:24,956 --> 00:40:28,626 そうですねえ…。 583 00:40:28,626 --> 00:40:34,332 でも 面白いですよ 旦那様の話。 584 00:40:36,134 --> 00:40:39,437 あっ。 ウフッ。 585 00:40:39,437 --> 00:40:45,243 「強情ゆえ みんなが持て扱ったと 用人の利平次というジジイが話した」。 586 00:40:45,243 --> 00:40:49,113 やめろって言ってんだよ もう。 面白いじゃありませんか。 587 00:40:49,113 --> 00:40:51,449 おお ちょっと お信! ちょっと…。 588 00:40:51,449 --> 00:40:53,518 貸せ貸せ 貸せ貸せ貸せ! もう。 589 00:40:53,518 --> 00:40:56,988 <「俺のまねをば しないがいい」と➡ 590 00:40:56,988 --> 00:41:00,758 子々孫々の戒めに書き残した この自叙伝➡ 591 00:41:00,758 --> 00:41:05,096 まさか 令和の世まで 読み継がれることになろうとは…> 592 00:41:05,096 --> 00:41:08,399 あ~ もう! もう~! 593 00:41:08,399 --> 00:41:12,937 <お信も小吉も 夢にも思っていませんでした> 594 00:41:12,937 --> 00:41:15,840 いいじゃありませんか。 595 00:41:15,840 --> 00:41:20,278 何読んでんだよ。 読むな! 596 00:41:20,278 --> 00:41:22,780 縁談ですか。 嫁をもらうのは早すぎます。 597 00:41:22,780 --> 00:41:24,716 あいつ 好きな女でもいるのかな。 598 00:41:24,716 --> 00:41:26,651 愚か者! なぜ長英を逃がした! 599 00:41:26,651 --> 00:41:30,288 私には まだやるべきことがある。 死んでも死にきれぬ…。 600 00:41:30,288 --> 00:41:32,623 お民さん お嫁に行くことが 決まったんですよ。 601 00:41:32,623 --> 00:41:36,127 これっきりでいいの? 私が妻に迎えたいのは お民さんだけだ。 602 00:41:36,127 --> 00:41:40,298 あいつら やっていけるかねえ。 まあ なんとかなりますよ。 603 00:41:40,298 --> 00:42:55,306 ♬~