1 00:02:11,109 --> 00:02:31,129 ♬~ 2 00:02:31,129 --> 00:02:51,149 ♬~ 3 00:02:51,149 --> 00:03:11,102 ♬~ 4 00:03:11,102 --> 00:03:31,122 ♬~ 5 00:03:31,122 --> 00:03:41,122 ♬~ 6 00:03:47,138 --> 00:03:50,138 (女性)キャーッ! (男性)助けてくれ! 7 00:03:52,143 --> 00:03:54,145 (男性)うわーっ! 8 00:03:54,145 --> 00:03:56,145 (女性)キャーッ! 9 00:03:58,083 --> 00:04:01,086 (不破) 有り金 残らず かっさらえ!➡ 10 00:04:01,086 --> 00:04:04,089 面見たやつは 一人も生かしておくんじゃねえ! 11 00:04:04,089 --> 00:04:06,089 (男性)うわーっ! 12 00:04:08,093 --> 00:04:12,097 (店主)あっ! な… 何者じゃ➡ 13 00:04:12,097 --> 00:04:15,100 誰か! 14 00:04:15,100 --> 00:04:17,100 ≪(手代たち)旦那様! 15 00:04:19,104 --> 00:04:23,108 か… 金なら みんなやる 無益な殺生は やめてくれ 16 00:04:23,108 --> 00:04:29,114 (不破)押し込んだら皆殺し それが俺たちの定法だ 17 00:04:29,114 --> 00:04:31,116 (店主)お冴 逃げろ! 18 00:04:31,116 --> 00:04:34,119 (女性)ああっ! お冴 逃げて! (お冴)おとっつぁん おっかさん… 19 00:04:34,119 --> 00:04:37,119 (店主)お冴 逃げろ! (女性)ああっ! 20 00:04:41,126 --> 00:04:44,129 (不破)おい!➡ 21 00:04:44,129 --> 00:04:47,129 娘が逃げた 外だ 追え! (浪人)何! 22 00:04:49,134 --> 00:04:51,134 (女性)キャーッ! 23 00:04:56,141 --> 00:05:00,141 (不破)くそ 捜せ! 捜すんだ! (浪人)へい! 24 00:05:05,083 --> 00:05:08,086 ≪(浪人)おい いたか! ≪(浪人)いねえ! 25 00:05:08,086 --> 00:05:10,088 ≪(浪人)あの尼 くそ どこ行きやがった 26 00:05:10,088 --> 00:05:12,090 ≪(浪人)おい こっちだ 来い! ≪(浪人)へい! 27 00:05:12,090 --> 00:05:14,090 ≪(浪人)おい 向こうだ! 28 00:05:21,099 --> 00:05:24,102 ≪(大五郎)♬ 一条 戻り橋 29 00:05:24,102 --> 00:05:27,105 ♬ 二条の きぐすり屋 30 00:05:27,105 --> 00:05:32,110 ♬ 三条 酒屋に 四条の芝居 31 00:05:32,110 --> 00:05:38,116 ♬ 五条橋 弁慶に 六条の本願寺 32 00:05:38,116 --> 00:05:40,118 ♬ 七条 米相場に 33 00:05:40,118 --> 00:05:45,123 ♬ 八条の大百姓 大百姓… 34 00:05:45,123 --> 00:05:48,126 (お冴)お願いでございます! 助けて 助けてくださいまし! 35 00:05:48,126 --> 00:05:52,126 ≪(浪人)いたぞ! あそこだ! 36 00:05:56,134 --> 00:06:01,072 (不破)娘 両親以下一家ことごとく 死に絶えたというのに➡ 37 00:06:01,072 --> 00:06:04,075 一人だけ生き残っては 心苦しかろう 38 00:06:04,075 --> 00:06:06,075 後を追わせてやるぜ 39 00:06:09,080 --> 00:06:13,084 (不破)面見られたからには 貴様も 生かしておくわけにはいかん 40 00:06:13,084 --> 00:06:15,086 やれ! 41 00:06:15,086 --> 00:06:35,106 ♬~ 42 00:06:35,106 --> 00:06:54,125 ♬~ 43 00:06:54,125 --> 00:06:58,125 (お冴)あの浪人は 両親の敵 斬って… 斬ってくださいまし! 44 00:07:10,074 --> 00:07:15,074 (万然)金を払えば 頼みを聞いてくださるというのか 45 00:07:17,081 --> 00:07:22,086 (万然)約束をたがえぬ保証は? 46 00:07:22,086 --> 00:07:28,092 ≪ けんけん ぱー! けんけん ぱー!➡ 47 00:07:28,092 --> 00:07:31,095 けんけん ぱー! 48 00:07:31,095 --> 00:07:33,097 子供が証人といわれるか 49 00:07:33,097 --> 00:07:36,097 ≪ けんけん ぱー! 50 00:07:38,102 --> 00:07:43,102 (万然)ここに 100両ござる 51 00:07:46,110 --> 00:07:50,114 このお冴さんを 守ってくだされ 52 00:07:50,114 --> 00:07:56,120 私を守るより 両親の敵を討ってくださいまし 53 00:07:56,120 --> 00:07:59,057 和尚様からも お願いを 54 00:07:59,057 --> 00:08:06,064 仏に仕える身としては 人を殺せとは頼みにくい 55 00:08:06,064 --> 00:08:12,070 が… 守るためには 攻めねばならぬこともござろう➡ 56 00:08:12,070 --> 00:08:18,076 この一件 ただの物取りとは思われぬ➡ 57 00:08:18,076 --> 00:08:23,081 同じ絹問屋が 続けて 3軒も襲われてはのう 58 00:08:23,081 --> 00:08:29,087 この辺りは 絹の産地ゆえ 問屋の数も多い 59 00:08:29,087 --> 00:08:34,092 それが 相次いで 押し込みの皆殺しに遭い➡ 60 00:08:34,092 --> 00:08:37,095 残るは 1軒になってしもうた 61 00:08:37,095 --> 00:08:39,097 (一刀)その1軒とは? 62 00:08:39,097 --> 00:08:45,103 (万然)屋号は 上田屋 あるじの名は 吉兵衛殿 63 00:08:45,103 --> 00:09:00,051 ♬~ 64 00:09:00,051 --> 00:09:03,054 (弥市)いらっしゃいませ あるじの吉兵衛殿は? 65 00:09:03,054 --> 00:09:08,059 (吉兵衛)はい 手前でございますが 66 00:09:08,059 --> 00:09:13,064 今朝方 同業の井草屋が 盗賊に襲われたこと➡ 67 00:09:13,064 --> 00:09:15,066 知っていような 68 00:09:15,066 --> 00:09:17,068 (吉兵衛)もちろん存じております 69 00:09:17,068 --> 00:09:20,071 主人以下 皆殺しにされ➡ 70 00:09:20,071 --> 00:09:23,074 娘さんのお冴さんは 行方が知れないそうで 71 00:09:23,074 --> 00:09:27,078 その娘 わしが かくまっている 72 00:09:27,078 --> 00:09:30,081 100両で引き取らんか? 73 00:09:30,081 --> 00:09:35,081 (吉兵衛)あなた様は お冴さんを 手前に売りつけるつもりで? 74 00:09:43,094 --> 00:09:46,097 みなしごになった 哀れな娘でございます 75 00:09:46,097 --> 00:09:50,101 よろしゅうございます 引き取らせていただきます 76 00:09:50,101 --> 00:09:52,101 弥市 (弥市)はい 77 00:10:01,045 --> 00:10:05,045 それで お冴さんの居所は? 78 00:10:07,051 --> 00:10:09,051 井草屋の菩提寺 79 00:10:13,057 --> 00:10:15,059 弥市 (弥市)はい 80 00:10:15,059 --> 00:10:18,059 代官所へ (弥市)はい 81 00:10:38,082 --> 00:10:42,086 (下山)江戸の岡っ引き 心の字洗蔵というのは お前か 82 00:10:42,086 --> 00:10:45,089 (洗蔵)へい よろしくお願いいたしやす 83 00:10:45,089 --> 00:10:50,094 (下山)拙者は 当代官所目付け 下山源之進だ 84 00:10:50,094 --> 00:10:54,098 女すりを追って この秩父へ来たそうだな 85 00:10:54,098 --> 00:10:57,034 七変化のお葉という➡ 86 00:10:57,034 --> 00:11:01,038 幻の女すりとうたわれるほどの したたか者で➡ 87 00:11:01,038 --> 00:11:04,041 江戸の十手者も まだ 正体をつかんじゃおりません 88 00:11:04,041 --> 00:11:06,043 (下山)その女が 当地へ来たことは 確かなのか? 89 00:11:06,043 --> 00:11:09,046 へい すり仲間をたたいて 吐かせたところじゃ➡ 90 00:11:09,046 --> 00:11:11,048 お葉は ここの祭りで 荒稼ぎをして➡ 91 00:11:11,048 --> 00:11:14,051 そのまま 長えわらじを履くってんで➡ 92 00:11:14,051 --> 00:11:17,054 ここで ふん縛らなきゃ 当分 機会がござんせん 93 00:11:17,054 --> 00:11:21,058 (下山) お前の用向きは よく分かった 94 00:11:21,058 --> 00:11:24,061 だがな 当代官所の手の者は➡ 95 00:11:24,061 --> 00:11:27,064 目下 相次ぐ強盗の詮議に 追われている 96 00:11:27,064 --> 00:11:31,068 (洗蔵)うわさは 伺いやした 絹問屋が 3軒も襲われたとか 97 00:11:31,068 --> 00:11:34,071 うむ まあ そういう次第でな➡ 98 00:11:34,071 --> 00:11:40,077 女すりの捕り物に 人手を割くわけにはゆかんのだ 99 00:11:40,077 --> 00:11:42,079 半六 半六! 100 00:11:42,079 --> 00:11:45,082 (半六)へい へいへい… 101 00:11:45,082 --> 00:11:48,085 (下山)この下っ引きを 案内に付けてやる 102 00:11:48,085 --> 00:11:51,088 半六 心得ているな (半六)へい そりゃもう 103 00:11:51,088 --> 00:11:56,093 音に聞こえた 江戸の洗蔵親分の お手伝い もう このとおり➡ 104 00:11:56,093 --> 00:12:00,097 は… 張り切ってまさあ! ≪(弥市)ごめんくださいまし➡ 105 00:12:00,097 --> 00:12:02,097 あっ 下山様 106 00:12:08,105 --> 00:12:10,105 主人の吉兵衛が これを 107 00:12:13,110 --> 00:12:15,112 (洗蔵)主人 吉兵衛ってのは? 108 00:12:15,112 --> 00:12:19,112 へい ただ一軒 まだ強盗に 襲われてねえ 絹問屋なんで 109 00:12:25,122 --> 00:12:28,122 よし 分かった すぐに参る 110 00:12:36,133 --> 00:12:39,136 (半六)御苦労さん 111 00:12:39,136 --> 00:12:42,139 (洗蔵)代官所の役人を 手紙一本で呼び出す➡ 112 00:12:42,139 --> 00:12:44,141 大した権勢じゃねえか (半六)ああ それはそれ➡ 113 00:12:44,141 --> 00:12:46,143 やまぶき色の何とやらってね ヘヘッ 114 00:12:46,143 --> 00:12:48,145 江戸だって同じでござんしょう ヘヘッ 115 00:12:48,145 --> 00:12:50,147 フッ 違えねえ 116 00:12:50,147 --> 00:12:52,149 どの道 おいらは 強盗の詮議に来たわけじゃなし➡ 117 00:12:52,149 --> 00:12:54,151 さあ 案内頼むぜ (半六)おっと 合点➡ 118 00:12:54,151 --> 00:12:57,088 祭りは たけなわでござんすぜ 119 00:12:57,088 --> 00:13:02,093 (お囃子) 120 00:13:02,093 --> 00:13:06,097 ♬~ 121 00:13:06,097 --> 00:13:08,099 ごちそうさま 122 00:13:08,099 --> 00:13:12,103 (お囃子) 123 00:13:12,103 --> 00:13:20,111 ♬~ 124 00:13:20,111 --> 00:13:22,113 大五郎ちゃん お祭り 行ってみたい? 125 00:13:22,113 --> 00:13:24,115 うん 126 00:13:24,115 --> 00:13:27,118 連れてってあげたいけど 私 出られないの 127 00:13:27,118 --> 00:13:29,118 1人で行っちゃ駄目よ 危ないから 128 00:13:31,122 --> 00:13:37,128 <いつもならば 父の帰りを 黙って待っている子であった> 129 00:13:37,128 --> 00:13:42,133 <だが 風に乗って聞こえてくる 祭りばやしの音は➡ 130 00:13:42,133 --> 00:13:46,137 やはり この子を じっとさせては おかないのだ> 131 00:13:46,137 --> 00:13:50,141 <まだ 3歳なのである> 132 00:13:50,141 --> 00:13:52,141 (男性) さあ どうだい どうだい えっ? 133 00:14:01,085 --> 00:14:05,089 (はと笛) 134 00:14:05,089 --> 00:14:11,095 (男性)どうだ 面白いだろう うん? ほら 吹いてごらん 135 00:14:11,095 --> 00:14:13,097 (男の子)ねえ はと笛買って 136 00:14:13,097 --> 00:14:16,100 (女性)まあ この子ったら 見るもの みんな欲しがって 137 00:14:16,100 --> 00:14:19,103 (男性)ヘヘヘ… ええ 3文いただきやす➡ 138 00:14:19,103 --> 00:14:22,103 へい ありがとうございます (女性)これでいいわね 139 00:14:25,109 --> 00:14:29,109 (男性)おう 坊や 銭がねえんなら 帰んな うん? 140 00:14:34,118 --> 00:14:41,125 <この子にとって 祭りとは 一体 何であったろうか> 141 00:14:41,125 --> 00:14:44,128 <自分が 普通の身の上でないことを➡ 142 00:14:44,128 --> 00:14:48,128 いやおうなく 思い知らされる子であった> 143 00:15:08,085 --> 00:15:10,087 (お葉)あっ! (男性)おっと 危ない➡ 144 00:15:10,087 --> 00:15:14,087 大丈夫かね? (お葉)すいません 145 00:15:28,105 --> 00:15:31,108 (留吉)あっ! びっくりした (お葉)ほくろ お前もやったのかい 146 00:15:31,108 --> 00:15:34,108 (留吉)ヘヘヘ… あっしも ちょっとしたもんでしょ 147 00:15:36,113 --> 00:15:41,118 (留吉) あら さすがは 七変化の姉御 148 00:15:41,118 --> 00:15:43,120 心の字洗蔵が 江戸から追ってくる 149 00:15:43,120 --> 00:15:45,122 早いとこ 稼ぎまくんなくちゃ 150 00:15:45,122 --> 00:15:48,125 違えねえ 何てったって 江戸いちばんの十手者だもんな 151 00:15:48,125 --> 00:15:51,128 (お葉) でも 私の面は割れちゃいないんだ 152 00:15:51,128 --> 00:15:53,128 さっ 幕を張んな (留吉)へい 153 00:16:08,079 --> 00:16:11,079 ばか! 周りを見張んだよ (留吉)すんません 154 00:16:17,088 --> 00:16:20,091 さあ 出来た (留吉)さすが 早えや 155 00:16:20,091 --> 00:16:22,093 これから先は 私が一人で抜くよ 156 00:16:22,093 --> 00:16:25,096 (留吉)そ… そりゃ殺生だ あっしも抜かせておくんなさいよ 157 00:16:25,096 --> 00:16:27,098 ちょいと稼いだあとは 気が緩むもんだ➡ 158 00:16:27,098 --> 00:16:29,100 お前は 受けと幕に回っとくれ 159 00:16:29,100 --> 00:16:33,104 しかしね 短え間に稼ぐには やっぱり2人で手っとり早く ね? 160 00:16:33,104 --> 00:16:35,106 お前が それほどの腕かい 161 00:16:35,106 --> 00:16:37,108 いいから 言うとおりにおし (留吉)へい… 162 00:16:37,108 --> 00:16:39,110 間違っても きょろつくんじゃないよ (留吉)あ… 姉御➡ 163 00:16:39,110 --> 00:16:42,110 ちょっと待っておくんなさいよ あっしも その 化粧直しが… 164 00:17:01,065 --> 00:17:04,065 (お葉)あっ! どうも 165 00:17:31,095 --> 00:17:34,095 (侍)あっ おっと 無礼者! (お葉)失礼いたしました 166 00:17:42,106 --> 00:17:44,108 どこ 行っちゃったんだ 167 00:17:44,108 --> 00:17:46,110 (女性)嫌! 何すんのやめて! 168 00:17:46,110 --> 00:17:48,112 (留吉)どうも すいやせん 169 00:17:48,112 --> 00:17:50,112 ちっ! あのばか! 170 00:17:52,116 --> 00:17:55,119 (侍)うん? あっ あ… ない!➡ 171 00:17:55,119 --> 00:17:59,056 あっ! あの女だ! すりだ! 172 00:17:59,056 --> 00:18:02,059 すりだぞ! すりだ! すりだ!➡ 173 00:18:02,059 --> 00:18:04,061 すりだ! (男性)捕まえろ! 174 00:18:04,061 --> 00:18:06,063 (侍)おーい すりだ すりだ… (洗蔵)待った 待った待った➡ 175 00:18:06,063 --> 00:18:09,066 そのすりは? (侍)お… 女だ 確かにこっち来た 176 00:18:09,066 --> 00:18:14,071 (洗蔵)いや こっちは来ねえ あっちだ! (半六)お… 親分! 177 00:18:14,071 --> 00:18:19,076 (半六)ちょっとどいて どいてくれ ちきしょう どこ行っちまったんだ 178 00:18:19,076 --> 00:18:22,076 心の字洗蔵… 179 00:18:25,082 --> 00:18:28,085 坊や いい子だから ちょいと預かっておくれ 180 00:18:28,085 --> 00:18:31,085 これ あげるから 頼んだよ うん 181 00:18:47,104 --> 00:18:50,104 (半六)おっ あれ? 親分 182 00:18:57,047 --> 00:19:00,050 (男性)おう 3文だ➡ 183 00:19:00,050 --> 00:19:04,054 細けえ銭はねえのかい? うん?➡ 184 00:19:04,054 --> 00:19:09,059 しょうがねえな 待ってなよ (はと笛) 185 00:19:09,059 --> 00:19:11,061 (侍)おい どうした 186 00:19:11,061 --> 00:19:13,063 (はと笛) 187 00:19:13,063 --> 00:19:17,063 坊主 どうして そんな大きな銭 持ってんだ 188 00:19:22,072 --> 00:19:25,075 旦那 あの財布は? (侍)おっ わ… わしんじゃ! 189 00:19:25,075 --> 00:19:28,078 お葉のやつ 子供を受けに使いやがった 190 00:19:28,078 --> 00:19:31,081 坊主 出せ! (洗蔵)坊主 その財布はな➡ 191 00:19:31,081 --> 00:19:33,083 このお侍さんのだ さあ 返しな 192 00:19:33,083 --> 00:19:38,088 (侍)さあ 返せ! (半六)何だ このガキ この➡ 193 00:19:38,088 --> 00:19:40,090 あっ 痛! 痛… 痛て! 痛いよ 痛たた! 194 00:19:40,090 --> 00:19:42,090 待った! 195 00:19:45,095 --> 00:19:47,097 (半六)ほらよ ほらほら (洗蔵)さあ 坊主➡ 196 00:19:47,097 --> 00:19:52,097 さあ その財布出すんだ えっ! こら 言うこと聞かねえか ほら 197 00:19:54,104 --> 00:19:57,104 これでもまだ 財布を離さねえ ただ者じゃねえぜ この子は 198 00:20:06,050 --> 00:20:12,056 (万然)ここは寺社領じゃ 代官所の役人が 何しに来られた 199 00:20:12,056 --> 00:20:14,058 絹問屋 上田屋吉兵衛より➡ 200 00:20:14,058 --> 00:20:19,063 同業の井草屋の娘 お冴につき 身柄保護の願いが出された 201 00:20:19,063 --> 00:20:24,068 よって 我ら立ち会いの上 お冴を上田屋に引き渡す 202 00:20:24,068 --> 00:20:27,071 (万然)身柄保護とは それはまた どういうことじゃ 203 00:20:27,071 --> 00:20:31,075 同業のよしみで お冴さんを 引き取ろうということですよ 204 00:20:31,075 --> 00:20:35,079 みなしごを放っとくわけには まいりませんからな 205 00:20:35,079 --> 00:20:38,082 それにしては 捕り方まで引き連れて➡ 206 00:20:38,082 --> 00:20:40,084 ちと ものものしすぎるのう 207 00:20:40,084 --> 00:20:44,088 (下山)娘は 押し込みの一味に 命を狙われているに相違ない➡ 208 00:20:44,088 --> 00:20:47,091 そのための備えだ 209 00:20:47,091 --> 00:20:52,096 今日からは この上田屋が お冴さんの親代わり 210 00:20:52,096 --> 00:20:58,035 このとおり 代官所からの 差し紙もございますからな 211 00:20:58,035 --> 00:21:02,039 なるほど しかし お冴さんが ここにいることが➡ 212 00:21:02,039 --> 00:21:04,041 どうして 分かったのかのう 213 00:21:04,041 --> 00:21:09,046 (吉兵衛)浪人が知らせたんですよ 100両でね 214 00:21:09,046 --> 00:21:11,046 浪人が… 215 00:21:15,052 --> 00:21:17,054 その浪人とは? 216 00:21:17,054 --> 00:21:23,060 (万然)わしらが依頼した 拝一刀に相違ない 217 00:21:23,060 --> 00:21:26,063 どうしましょう➡ 218 00:21:26,063 --> 00:21:29,066 和尚様 私は 上田屋に 行かなければならないのですか? 219 00:21:29,066 --> 00:21:35,072 相手は 代官所の差し紙を 持っている 嫌とは言えまい 220 00:21:35,072 --> 00:21:39,076 (お冴)でも 強盗を操っているのは 上田屋かもしれない➡ 221 00:21:39,076 --> 00:21:42,079 和尚様は そう おっしゃったじゃありませんか 222 00:21:42,079 --> 00:21:45,082 うむ… 拝一刀は それを承知の上で➡ 223 00:21:45,082 --> 00:21:49,086 あんたの居所を上田屋に知らせた 224 00:21:49,086 --> 00:21:52,086 どういうつもりかのう 225 00:21:54,091 --> 00:22:01,098 お金で雇われるような人は 所詮 お金で裏切るのでしょう 226 00:22:01,098 --> 00:22:03,100 あんな見知らぬ浪人を 頼りにしたのは➡ 227 00:22:03,100 --> 00:22:05,102 とんだ間違いだった 228 00:22:05,102 --> 00:22:11,108 (万然)いやいや あの浪人は 一旦 仕事を引き受けた以上➡ 229 00:22:11,108 --> 00:22:15,112 裏切るような人物とは 見えなんだ 230 00:22:15,112 --> 00:22:18,115 でも 現に こうして… (万然)お冴さん➡ 231 00:22:18,115 --> 00:22:22,119 あんたは 拝一刀に こう言うたな 232 00:22:22,119 --> 00:22:28,125 自分の命を守ってもらうよりは 二親のあだを討ってほしいと 233 00:22:28,125 --> 00:22:31,128 (お冴)はい 言いました 234 00:22:31,128 --> 00:22:34,131 その言葉に偽りがなければ➡ 235 00:22:34,131 --> 00:22:38,135 どうじゃ 自分をおとりにしてみんか?➡ 236 00:22:38,135 --> 00:22:42,139 命懸けの仕事を 人に頼んだからには➡ 237 00:22:42,139 --> 00:22:46,143 こっちも 命懸けになることが必要じゃ➡ 238 00:22:46,143 --> 00:22:48,143 違うかな? 239 00:22:53,150 --> 00:22:56,153 分かりました 240 00:22:56,153 --> 00:22:59,089 私 上田屋に参ります 241 00:22:59,089 --> 00:23:03,093 (万然)うむ わしも一緒に行こう 242 00:23:03,093 --> 00:23:08,098 拝一刀を見込んだ この目を 信じたいからのう 243 00:23:08,098 --> 00:23:28,118 ♬~ 244 00:23:28,118 --> 00:23:30,118 ♬~ 245 00:23:32,122 --> 00:23:36,126 (洗蔵)なあ 坊主 財布を お前に預けていったのは➡ 246 00:23:36,126 --> 00:23:39,129 どんな姉ちゃんだったか そいつを おいらに教えてくれたら➡ 247 00:23:39,129 --> 00:23:41,131 すぐに この縄を解いてやるぜ➡ 248 00:23:41,131 --> 00:23:44,134 その上 あめでも笛でも 好きなものを買ってやるぜ 249 00:23:44,134 --> 00:23:47,137 (半六)おい 小僧! へえ 強情なガキですぜ➡ 250 00:23:47,137 --> 00:23:50,137 さっきから ひと言も 口を利きやがらねえ 251 00:23:54,144 --> 00:23:58,081 並の子供じゃねえことは 確かだ お葉の身内かもしれねえな 252 00:23:58,081 --> 00:24:00,083 (半六)あっ なるほどね 253 00:24:00,083 --> 00:24:03,086 子供を受けに使うとは これは うめえ手かも 254 00:24:03,086 --> 00:24:06,089 (洗蔵)よし この子に本縄をかけろ 255 00:24:06,089 --> 00:24:09,092 ほ… 本縄って こんな ちびにですか? 256 00:24:09,092 --> 00:24:12,092 容赦はいらねえ ぎりぎりに縛り上げるんだ 257 00:24:14,097 --> 00:24:18,101 (男性)おいおい… 見ろよ! (半六)おい そこ空けろ空けろ…➡ 258 00:24:18,101 --> 00:24:20,103 寄ってくんじゃない 寄ってくんじゃない 259 00:24:20,103 --> 00:24:24,107 (男性)あの子供 まだ3つぐらいだ (男性)何をしたっていうんだ 260 00:24:24,107 --> 00:24:27,110 (男性)でもまあ 悪びれない子だぜ 261 00:24:27,110 --> 00:24:32,115 <人に依頼されたら その信義は 必ず貫く> 262 00:24:32,115 --> 00:24:36,119 <そういう父の姿を 見てきた子であった> 263 00:24:36,119 --> 00:24:40,119 <それが 誇りと知る子であった> 264 00:24:44,127 --> 00:24:46,127 (半六)ほら 行くんだよ 265 00:24:52,135 --> 00:24:56,135 (半六)どけどけ 邪魔だ邪魔だ ほらほら… 行け 266 00:25:02,079 --> 00:25:05,082 洗蔵のやつ あんな子供に本縄なんかかけて➡ 267 00:25:05,082 --> 00:25:07,084 どうするつもりなんだい (留吉)ヘッ➡ 268 00:25:07,084 --> 00:25:10,087 姉御が 捕まんねえんで 八つ当たりしてるんですぜ きっと 269 00:25:10,087 --> 00:25:14,091 まさか あれほど 筋金入りの十手者が 270 00:25:14,091 --> 00:25:17,094 ヘヘッ 焼きが回ったんでさ 271 00:25:17,094 --> 00:25:22,099 七変化のお葉を お縄にしてえ一心でよ 272 00:25:22,099 --> 00:25:24,101 あの子を おとりに➡ 273 00:25:24,101 --> 00:25:27,104 私をつり出す魂胆 そうとしか思えないね 274 00:25:27,104 --> 00:25:30,107 (留吉)おっと その手には 乗らねえでおくんなさいよ 姉御 275 00:25:30,107 --> 00:25:32,109 さあさあ 早いとこ ずらかりやしょうぜ 276 00:25:32,109 --> 00:25:34,111 でも そうしたら あの子はどうなんのか➡ 277 00:25:34,111 --> 00:25:36,113 私は それが心配なんだよ (留吉)ほらほら➡ 278 00:25:36,113 --> 00:25:38,115 そんな仏心 起こしっこなしだよ 279 00:25:38,115 --> 00:25:40,117 あのガキがどうなろうと こちとら 知ったこっちゃねえんだから 280 00:25:40,117 --> 00:25:42,119 ささ… 行きやしょう 281 00:25:42,119 --> 00:25:44,121 あ痛っ! (お葉)なんて言いぐさだい 282 00:25:44,121 --> 00:25:46,123 本はといえば お前の どじから起こったんだよ 283 00:25:46,123 --> 00:25:49,126 (留吉)姉御 姉御! ちょ… 待っとくんなさいよ 284 00:25:49,126 --> 00:25:54,131 (お囃子) 285 00:25:54,131 --> 00:25:57,067 ♬~ 286 00:25:57,067 --> 00:25:59,069 (洗蔵) ちょっと すまねえ 皆の衆➡ 287 00:25:59,069 --> 00:26:01,071 せっかくの祭りの最中 すまねえが➡ 288 00:26:01,071 --> 00:26:03,073 しばらく この舞台 貸してくんねえ➡ 289 00:26:03,073 --> 00:26:07,077 おいら 江戸の十手者で 心の字洗蔵➡ 290 00:26:07,077 --> 00:26:11,081 七変化のお葉という女すりを追って この祭りへ やって来たんだ 291 00:26:11,081 --> 00:26:16,086 お葉はな 幻の女すりと うたわれるほどの したたか者で➡ 292 00:26:16,086 --> 00:26:19,089 俺たち十手者には まだ 面は割れていなかったが➡ 293 00:26:19,089 --> 00:26:22,092 この祭りで とうとう 尻尾を出しやがった 294 00:26:22,092 --> 00:26:24,092 それが この子よ 295 00:26:26,096 --> 00:26:29,099 (洗蔵) この子はな すりとった財布の➡ 296 00:26:29,099 --> 00:26:31,101 受けをやってたんだ➡ 297 00:26:31,101 --> 00:26:34,104 だが お葉のことについちゃ ひとっ言も口を割らねえ➡ 298 00:26:34,104 --> 00:26:36,104 どうしても割らねえ 299 00:26:40,110 --> 00:26:44,114 だから おいら 代官所に申し出て➡ 300 00:26:44,114 --> 00:26:47,117 この子を たたきにかけてもらう 301 00:26:47,117 --> 00:26:49,119 まだ子供じゃねえか! (半六)静かに聞け!➡ 302 00:26:49,119 --> 00:26:52,122 黙って聞くんだよ! (洗蔵)御定書の七十九条には➡ 303 00:26:52,122 --> 00:26:55,125 子供でも たたきは行うと 書いてあるんだ!➡ 304 00:26:55,125 --> 00:27:00,063 この子が口を割らねえ以上 おいらは容赦はしねえぜ! 305 00:27:00,063 --> 00:27:03,066 き… 汚えぞ! ガキに 憂さ晴らししようってのかい 306 00:27:03,066 --> 00:27:05,068 (男性たち)そうだ そうだ! (男性)そんなガキに➡ 307 00:27:05,068 --> 00:27:07,070 善悪の区別が分かるかよ! 308 00:27:07,070 --> 00:27:11,070 そうじゃねえ! おいらは お葉の心に呼びかけてえのよ 309 00:27:14,077 --> 00:27:17,080 (洗蔵)聞いてるか お葉!➡ 310 00:27:17,080 --> 00:27:21,084 おいらは 人間は生まれたときは みんな 真っさらでよ➡ 311 00:27:21,084 --> 00:27:23,086 悪は 一人もいねえと思ってる➡ 312 00:27:23,086 --> 00:27:28,091 だから 人間は憎まねえ 犯した罪を憎むんだ 313 00:27:28,091 --> 00:27:30,093 すりとはいえ 名人と うたわれるほどの➡ 314 00:27:30,093 --> 00:27:33,096 お前には 生まれたまんまの 真っさらな気持ちが➡ 315 00:27:33,096 --> 00:27:37,100 まだ 残ってるはずだ 俺は そいつを信じてる➡ 316 00:27:37,100 --> 00:27:42,105 だが もしも お前が この子を救わなかったら➡ 317 00:27:42,105 --> 00:27:45,105 俺は 初めて お前という人間を憎むぜ 318 00:27:52,115 --> 00:27:55,118 この子の仕置きはな 明朝 八つ➡ 319 00:27:55,118 --> 00:27:58,118 場所は 代官所の門前だ 320 00:28:03,059 --> 00:28:06,059 (下山)どけ どけどけ! (捕り方)どけどけ! 321 00:28:11,067 --> 00:28:13,067 (下山)それ! 322 00:28:23,079 --> 00:28:27,083 付け回っているようだが 何か用か 323 00:28:27,083 --> 00:28:32,088 絹問屋押し込みの嫌疑だ 神妙に同道しろ! 324 00:28:32,088 --> 00:28:38,088 そういう口実で わしを始末する魂胆か 325 00:28:44,100 --> 00:28:47,100 鉄砲隊 撃て! 326 00:28:55,111 --> 00:28:57,047 鉄砲! 早くせい! 327 00:28:57,047 --> 00:29:17,047 ♬~ 328 00:29:24,074 --> 00:29:27,077 (水音) 329 00:29:27,077 --> 00:29:31,077 (下山)鉄砲隊 急げ! 撃て! 330 00:29:34,084 --> 00:29:39,089 (銃声) 331 00:29:39,089 --> 00:29:44,094 (吉兵衛)それじゃ 生きているんですか? 拝一刀は 332 00:29:44,094 --> 00:29:49,094 うむ 下流の岸に泳ぎ着いたのを 目撃した百姓がいる 333 00:29:54,104 --> 00:29:56,106 これで あの男は➡ 334 00:29:56,106 --> 00:30:01,044 私たちのつながりを はっきり知ったことになる➡ 335 00:30:01,044 --> 00:30:04,047 どうしますかな 下山さん 336 00:30:04,047 --> 00:30:10,053 あくまでも 絹問屋押し込み犯人で 追求すればよい 337 00:30:10,053 --> 00:30:17,060 ただし お代官様には 相当な貢ぎ物をな 338 00:30:17,060 --> 00:30:19,062 またですか? 339 00:30:19,062 --> 00:30:23,066 (下山)ところで 井草屋の娘の始末は? 340 00:30:23,066 --> 00:30:27,070 (吉兵衛)お冴には 万然和尚が付いてますよ 341 00:30:27,070 --> 00:30:31,074 うかつに手出しはできませんよ (下山)では どうする 342 00:30:31,074 --> 00:30:38,081 (吉兵衛)まあ 時と場所を選びましょう 343 00:30:38,081 --> 00:30:41,081 私に いい考えがあります 344 00:30:44,087 --> 00:30:46,089 (弥市)いかがでございますか➡ 345 00:30:46,089 --> 00:30:51,094 この上田屋を 御自分の家と お思いになって➡ 346 00:30:51,094 --> 00:30:56,099 さあさあ どうぞ 347 00:30:56,099 --> 00:31:02,038 自分の家と思うには 般若湯がいるのう ハハハ… 348 00:31:02,038 --> 00:31:05,038 これは 恐れ入りました では 早速 349 00:31:19,055 --> 00:31:23,059 和尚様 このお食事 もしや毒でも 350 00:31:23,059 --> 00:31:27,063 (万然)いやいや このうちの中で 殺すことはあるまい 351 00:31:27,063 --> 00:31:31,063 世間の疑惑を招くからのう 352 00:31:33,069 --> 00:31:39,075 お役人まで共謀となれば 私は どの道 助からないのでは 353 00:31:39,075 --> 00:31:42,078 (万然) 逃げ場がないことは確かじゃ 354 00:31:42,078 --> 00:31:47,083 むしろ ここが いちばん安全かもしれぬ 355 00:31:47,083 --> 00:31:51,087 来てくれるでしょうか? あの人は 356 00:31:51,087 --> 00:31:54,090 「子貸し 腕貸しつかまつる」 357 00:31:54,090 --> 00:32:01,097 わしはな あの のぼりゆえに 拝一刀を信じたのじゃ 358 00:32:01,097 --> 00:32:04,100 (お冴)あの のぼりが どうして 359 00:32:04,100 --> 00:32:08,104 あれはな 親子ともども➡ 360 00:32:08,104 --> 00:32:15,111 六道四生順逆の境を歩むという 旗印じゃ 361 00:32:15,111 --> 00:32:21,117 他人は裏切ることはできても 親子の間は 決して裏切らぬ 362 00:32:21,117 --> 00:32:26,117 親も 子の手前 決して 人を裏切らぬという印じゃ 363 00:32:28,124 --> 00:32:31,127 (万然)さあさあ… 食おう食おう 364 00:32:31,127 --> 00:32:37,127 敵の腹中に入らば 毒もまた うましじゃ 365 00:32:46,142 --> 00:32:49,145 (半六)へえ なんて度胸のいいガキなんだ➡ 366 00:32:49,145 --> 00:32:51,147 あしたの朝 たたきにかけられるってのに➡ 367 00:32:51,147 --> 00:32:53,147 ちっとも おびえちゃいませんぜ 368 00:32:56,152 --> 00:32:59,152 (洗蔵)すりの仲間で育ったせいか 369 00:33:01,091 --> 00:33:03,093 いや そうじゃねえ 370 00:33:03,093 --> 00:33:08,098 この子は もっと すさまじい 修羅場をくぐり抜けてるようだ 371 00:33:08,098 --> 00:33:28,118 ♬~ 372 00:33:28,118 --> 00:33:31,118 ごちそうさま 373 00:33:36,126 --> 00:33:40,130 (捕り方)用意はいいか? 急げ! (捕り方たち)はっ 374 00:33:40,130 --> 00:33:45,135 (下山)洗蔵 洗蔵は おらんか! ≪(洗蔵)へい あっしに何か 375 00:33:45,135 --> 00:33:49,139 (下山)このとおり 今夜は 当代官所を挙げて➡ 376 00:33:49,139 --> 00:33:52,142 強盗の探索に 繰り出すことになった 377 00:33:52,142 --> 00:33:54,144 江戸いちばんの腕を 貸してもらいたい 378 00:33:54,144 --> 00:33:56,146 (洗蔵) 何か 手がかりがありますんで 379 00:33:56,146 --> 00:34:01,084 首領とおぼしき浪人者が 近くに潜んでいることが確実だ 380 00:34:01,084 --> 00:34:04,087 (洗蔵)その浪人ってえのは? 381 00:34:04,087 --> 00:34:06,087 人相書きだ 382 00:34:09,092 --> 00:34:13,096 (洗蔵)「姓名 拝一刀」 えっ? (下山)知っているのか? 383 00:34:13,096 --> 00:34:15,098 いや うわさだけは 384 00:34:15,098 --> 00:34:18,101 あっしの知るかぎりじゃ 刺客一筋 385 00:34:18,101 --> 00:34:22,105 押し込み強盗を働くような 人物とは思えませんがね 386 00:34:22,105 --> 00:34:25,108 働いたのだ それが (洗蔵)証拠は ありますんで? 387 00:34:25,108 --> 00:34:29,112 (下山)証拠なぞ どうにでもなる (洗蔵)何ですって 388 00:34:29,112 --> 00:34:32,115 当代官所の目星に狂いはない 389 00:34:32,115 --> 00:34:35,115 岡っ引きは 指図どおりに動けばよいのだ 390 00:34:37,120 --> 00:34:39,122 子供のたたきについては➡ 391 00:34:39,122 --> 00:34:42,125 お前の希望どおり 執り行うように計らった 392 00:34:42,125 --> 00:34:46,125 とやかく申さず 手を貸してもらおう 393 00:34:53,136 --> 00:34:56,139 刺客 拝一刀 394 00:34:56,139 --> 00:34:58,074 異名 子連れ狼 395 00:34:58,074 --> 00:35:13,089 ♬~ 396 00:35:13,089 --> 00:35:16,092 (洗蔵)ああ ここが 押し込みに遭った家でござんすね 397 00:35:16,092 --> 00:35:20,092 (下山)見張りを置いてあるゆえ ここには潜むまい 398 00:36:12,081 --> 00:36:15,084 やっぱりそうか 399 00:36:15,084 --> 00:36:17,086 これだけの家に見張りは 2~3人 400 00:36:17,086 --> 00:36:21,090 それも 殺しの跡を嫌って ろくに見回りもしねえ 401 00:36:21,090 --> 00:36:25,094 度胸と心得のある者には 絶好の隠れがだろうぜ 402 00:36:25,094 --> 00:36:29,098 なぜ 1人で入ってきた 聞きてえことがあってよ 403 00:36:29,098 --> 00:36:35,104 刺客 拝一刀 異名は 子連れ狼だな? 404 00:36:35,104 --> 00:36:37,106 その子は どこにいる 405 00:36:37,106 --> 00:36:40,109 お前の方が よく知っているはずだ 406 00:36:40,109 --> 00:36:46,109 そうか それで分かった あの子が 物おじしねえ訳が 407 00:36:48,117 --> 00:36:50,119 親と子が 一つ ろう屋に入るのもよかろう 408 00:36:50,119 --> 00:36:53,122 御用だ 神妙にしろい 409 00:36:53,122 --> 00:36:55,124 1つ聞く 410 00:36:55,124 --> 00:36:59,124 お前は わしを 押し込み強盗と信じているのか? 411 00:37:01,064 --> 00:37:06,069 代官所の役人は なぜ わしを強盗に仕立てたいか➡ 412 00:37:06,069 --> 00:37:09,069 その理由も読めんのか 413 00:37:11,074 --> 00:37:17,074 お前は 子供を たたきにかける資格はないな 414 00:37:19,082 --> 00:37:23,082 ≪(下山)洗蔵! 奥に誰かいるのか 415 00:37:33,096 --> 00:37:36,096 いや 誰もおりやせん 416 00:37:41,104 --> 00:37:43,106 (洗蔵)念のため 見回ったんですがね➡ 417 00:37:43,106 --> 00:37:47,110 旦那のおっしゃるとおり 人の気配もござんせん 418 00:37:47,110 --> 00:37:50,110 (下山)よし 行こうか (捕り方たち)はっ 419 00:37:52,115 --> 00:37:54,115 (半六)あっ はあ へい 420 00:38:06,062 --> 00:38:11,067 (吉兵衛)ええ あの大沼の先にな ごく近しい親戚がありましてな➡ 421 00:38:11,067 --> 00:38:15,071 しばらく かくまってもらうよう わしから よく頼んであげますよ 422 00:38:15,071 --> 00:38:18,074 あそこなら 押し込みの一味に 気付かれる懸念はありません➡ 423 00:38:18,074 --> 00:38:21,077 安心して 御とう留になれますよ 424 00:38:21,077 --> 00:38:24,080 和尚様 (万然)うむ 来る 425 00:38:24,080 --> 00:38:27,080 拝一刀は きっと来る 426 00:38:51,107 --> 00:38:54,110 さあさあ 押し込みに気付かれると まずい 427 00:38:54,110 --> 00:38:57,046 ねっ 急ぎましょう 急ぎましょう なっ? 428 00:38:57,046 --> 00:39:00,046 (弥市)さあさあ 参りましょう さあ行こう 429 00:39:09,058 --> 00:39:22,071 ♬~ 430 00:39:22,071 --> 00:39:24,073 (吉兵衛) ああ 御苦労さん 御苦労さん➡ 431 00:39:24,073 --> 00:39:28,073 先生 お願いしますよ 432 00:39:32,081 --> 00:39:35,084 父と母を斬った浪人です! 433 00:39:35,084 --> 00:39:40,089 そうか とうとう 正体を現したか 434 00:39:40,089 --> 00:39:42,089 (弥市)さあさあ 435 00:39:46,095 --> 00:39:53,102 (吉兵衛)この沼に落ちたやつはね 決して 浮かび上がらないんだよ 436 00:39:53,102 --> 00:39:57,102 和尚様 あの人は とうとう 437 00:39:59,041 --> 00:40:01,043 (箱車を押す音) 438 00:40:01,043 --> 00:40:03,043 おお 439 00:40:08,050 --> 00:40:11,053 やっぱり 私の目に狂いはなかった 440 00:40:11,053 --> 00:40:26,068 ♬~ 441 00:40:26,068 --> 00:40:30,072 敵の顔ぶれが そろったようだな 442 00:40:30,072 --> 00:40:33,072 (下山)召し捕れ! (捕り方たち)はっ 443 00:40:41,083 --> 00:40:45,087 (下山)召し捕れ! 急げ 444 00:40:45,087 --> 00:40:47,089 いかなる刺客といえども これでは手が出せまい 445 00:40:47,089 --> 00:40:51,089 拝一刀は 代官所に任せておいて こっちは手はずどおり 446 00:40:59,035 --> 00:41:01,035 (下山)うわっ! 447 00:41:03,039 --> 00:41:05,039 い… 急いで急いで (弥市)はい 448 00:41:10,046 --> 00:41:30,066 ♬~ 449 00:41:30,066 --> 00:41:33,069 ♬~ 450 00:41:33,069 --> 00:41:35,069 (吉兵衛)もっと早く こがないかい 451 00:41:43,079 --> 00:41:45,079 (弥市)ううっ 452 00:41:56,092 --> 00:42:00,096 (不破)手遅れだな 拝一刀 娘の命は 453 00:42:00,096 --> 00:42:20,116 ♬~ 454 00:42:20,116 --> 00:42:34,116 ♬~ 455 00:42:44,140 --> 00:42:48,144 (万然)拝殿 かたじけない 456 00:42:48,144 --> 00:42:52,144 よくぞ わしらの頼みを貫いてくださった 457 00:42:54,150 --> 00:42:56,150 ありがとうございます 458 00:43:14,103 --> 00:43:17,106 「幼年の者ながら その罪 軽からず」➡ 459 00:43:17,106 --> 00:43:24,113 「依って 御定書七十九条により 三重たたきに処す」 460 00:43:24,113 --> 00:43:26,113 (男性)やめてください 461 00:43:30,119 --> 00:43:33,122 (男性)あんまりだよ 462 00:43:33,122 --> 00:43:37,126 (留吉)あ… 姉御 おい かわいそうじゃねえか➡ 463 00:43:37,126 --> 00:43:40,126 やめろよ! (男性)死んじゃいますよ 464 00:43:46,135 --> 00:43:48,135 やるんだ 465 00:43:51,140 --> 00:43:53,142 (お葉)お待ちくださいまし! (留吉)姉御! 466 00:43:53,142 --> 00:43:56,142 私が 七変化のお葉です 467 00:43:59,081 --> 00:44:01,083 (お葉)どうか この子を 468 00:44:01,083 --> 00:44:03,085 この子には 何の関わりもないんです 469 00:44:03,085 --> 00:44:07,085 (洗蔵)そうか お前が 七変化のお葉か 470 00:44:09,091 --> 00:44:12,091 (洗蔵)坊主 さあ もういい 立ちな 471 00:44:14,096 --> 00:44:16,098 (洗蔵)なあ 坊主 このお姉ちゃんが➡ 472 00:44:16,098 --> 00:44:18,100 お前に 財布を預けたんだな? 473 00:44:18,100 --> 00:44:21,103 違う (洗蔵)何!➡ 474 00:44:21,103 --> 00:44:26,108 そうじゃねえってのか? (お葉)坊や なぜ そんな 475 00:44:26,108 --> 00:44:29,111 違う (洗蔵)坊主➡ 476 00:44:29,111 --> 00:44:31,113 うそをつくと たたきにかけるぞ 477 00:44:31,113 --> 00:44:34,116 このお姉ちゃんから 財布を預かったんだな? 478 00:44:34,116 --> 00:44:36,118 違う 479 00:44:36,118 --> 00:44:40,122 もういいんだよ 坊や 私から預かったと言っとくれ 480 00:44:40,122 --> 00:44:44,126 違う (お葉)なぜ 私をかばうんだよ 481 00:44:44,126 --> 00:44:46,128 そうだと言っとくれったら 482 00:44:46,128 --> 00:44:48,130 違う 483 00:44:48,130 --> 00:44:53,130 よーし もう こうなりゃ 何が何でも 言わしてみせるぜ 484 00:44:57,072 --> 00:44:59,074 (半六)ちょ… ちょっと 待ってください 当のお葉が➡ 485 00:44:59,074 --> 00:45:01,076 名乗って出たからには もう 勘弁してやってください 486 00:45:01,076 --> 00:45:05,080 いや! お葉は 面も割れてなきゃ 手証も挙がってねえ 487 00:45:05,080 --> 00:45:07,082 ましてや すりの現場を 押さえたわけじゃねえ 488 00:45:07,082 --> 00:45:10,085 この坊主が 違うって言うかぎり 縄はかけらんねえ 489 00:45:10,085 --> 00:45:14,089 どけ! (お葉)あっ や… やめて! 490 00:45:14,089 --> 00:45:31,106 ♬~ 491 00:45:31,106 --> 00:45:34,106 どうだ このお姉ちゃんだな? 492 00:45:36,111 --> 00:45:38,111 違う 493 00:45:40,115 --> 00:45:44,119 やめて やめて! 私が 確かに お葉です➡ 494 00:45:44,119 --> 00:45:47,122 やめて も… もうやめてください 495 00:45:47,122 --> 00:45:49,124 証拠は 496 00:45:49,124 --> 00:45:52,127 (半六)あれっ あれっ? これ 親分の!➡ 497 00:45:52,127 --> 00:45:55,130 こいつ… こいつ! 498 00:45:55,130 --> 00:45:59,068 (洗蔵)分かった お前は確かに お葉だ➡ 499 00:45:59,068 --> 00:46:03,072 さあ坊主 もう こうなったら➡ 500 00:46:03,072 --> 00:46:05,074 お前が いくら かばい立てしても無駄だぜ 501 00:46:05,074 --> 00:46:07,076 違う 502 00:46:07,076 --> 00:46:09,076 まだ言うか 503 00:46:16,085 --> 00:46:19,088 やめて! 504 00:46:19,088 --> 00:46:23,092 坊や お前は こんなに打たれても➡ 505 00:46:23,092 --> 00:46:25,094 預かったこと 裏切るまいとしてるんだね 506 00:46:25,094 --> 00:46:30,094 悪かった 私が悪かった 507 00:46:35,104 --> 00:46:40,104 (お葉のおえつ) 508 00:46:43,112 --> 00:46:45,112 負けたぜ 坊主 509 00:46:47,116 --> 00:46:49,118 坊や➡ 510 00:46:49,118 --> 00:46:55,124 私は もう一生 人様のものに 手はかけないよ➡ 511 00:46:55,124 --> 00:46:58,060 ありがとう 512 00:46:58,060 --> 00:47:01,060 ありがとうね 513 00:47:04,066 --> 00:47:06,068 (洗蔵)さあ もういい➡ 514 00:47:06,068 --> 00:47:11,073 坊主 行きな (半六)よかった よかった➡ 515 00:47:11,073 --> 00:47:13,073 気をつけていくんだよ 516 00:47:18,080 --> 00:47:31,093 ♬~ 517 00:47:31,093 --> 00:47:34,093 (洗蔵)さすがだぜ 子連れ狼 518 00:47:41,103 --> 00:47:47,109 <親子ともども 四生順逆の道を歩む 子連れ狼> 519 00:47:47,109 --> 00:47:51,113 <親は 子の手前も 決して人を裏切らず➡ 520 00:47:51,113 --> 00:47:55,117 子は その親に倣って信義を守る> 521 00:47:55,117 --> 00:47:59,054 <修羅悲願の中に生きる おおかみの子> 522 00:47:59,054 --> 00:48:03,054 <悲しい宿命の 3歳であった>