1 00:02:41,060 --> 00:03:01,080 ♬~ 2 00:03:01,080 --> 00:03:21,100 ♬~ 3 00:03:21,100 --> 00:03:41,054 ♬~ 4 00:03:41,054 --> 00:04:01,074 ♬~ 5 00:04:01,074 --> 00:04:12,085 ♬~ 6 00:04:12,085 --> 00:04:16,089 <4月 参勤交代の季節である> 7 00:04:16,089 --> 00:04:19,092 <通則は 隔年交代> 8 00:04:19,092 --> 00:04:25,092 <関東の大名は半年 水戸や 役付け大名は定府である> 9 00:04:27,033 --> 00:04:31,037 <このころ 渡り徒士が 横行しだす> 10 00:04:31,037 --> 00:04:36,042 <「渡り徒士」とは この参勤交代の飾り人間である> 11 00:04:36,042 --> 00:04:40,046 <大々名は 家士も多く 供先警護に人不足はないが➡ 12 00:04:40,046 --> 00:04:43,049 10万石以下の小大名には➡ 13 00:04:43,049 --> 00:04:49,055 常時 それに足るだけの家士を 雇っておくだけの余裕はない> 14 00:04:49,055 --> 00:04:54,060 <従って 参勤交代のときだけの 徒士を雇い入れるのだが➡ 15 00:04:54,060 --> 00:04:57,063 この連中 中身は 何だか分からぬという➡ 16 00:04:57,063 --> 00:05:00,066 流れ者である> 17 00:05:00,066 --> 00:05:04,070 <一定の主人を持たず 一季半季で 点々とする彼らは➡ 18 00:05:04,070 --> 00:05:07,073 当然のごとく 無頼のやからと化し➡ 19 00:05:07,073 --> 00:05:10,076 たとえ 役人に追われることがあっても➡ 20 00:05:10,076 --> 00:05:13,079 雇われ先に潜り込んでしまえば それまでであり➡ 21 00:05:13,079 --> 00:05:17,079 ために 街道の嫌われ者であった> 22 00:05:19,085 --> 00:05:23,089 (中村)やつも 好き者よ 女とみると 見逃さぬわ 23 00:05:23,089 --> 00:05:26,092 (田中)ばかめ あれは行き倒れの病女よ➡ 24 00:05:26,092 --> 00:05:28,027 俺は病女は ごめんだ 25 00:05:28,027 --> 00:05:30,029 (木村)慌てるこじきは もらいが少ないか 26 00:05:30,029 --> 00:05:33,029 (田中)ああ 行こう 行こう… (木村)ハハハ… 27 00:05:44,043 --> 00:05:46,045 (つる)ああ… 28 00:05:46,045 --> 00:05:49,045 ああ… ううっ 29 00:05:51,050 --> 00:05:53,050 (つる)うう… 30 00:05:56,055 --> 00:05:58,057 (赤間)いかがなされた 31 00:05:58,057 --> 00:06:02,061 はい 持病の しゃくが… 32 00:06:02,061 --> 00:06:05,061 何… しゃく? 33 00:06:07,066 --> 00:06:09,068 それはいかんな 34 00:06:09,068 --> 00:06:14,068 といって こうしておったのでは 体が冷えて ますます悪くなる 35 00:06:20,079 --> 00:06:22,079 (赤間)しっかりなされ 36 00:06:36,028 --> 00:06:40,032 しばらく 辛抱いたされ しからば落ち着くであろう 37 00:06:40,032 --> 00:06:43,032 (つる)ああ… うう… 38 00:06:45,037 --> 00:06:49,037 そうだ 痛みに効く薬があったはずだ 39 00:07:31,017 --> 00:07:35,021 ここを… ここを押さえてくださいまし 40 00:07:35,021 --> 00:07:39,025 こうか? (つる)もっと強く 41 00:07:39,025 --> 00:07:43,029 (赤間)これでええんか? (つる)はい… 42 00:07:43,029 --> 00:07:48,029 少し… 治まりかけてまいりました 43 00:07:56,042 --> 00:07:59,045 何をなさいます! 御無体な 44 00:07:59,045 --> 00:08:04,050 ヘヘヘ… 急ぐことはないな 45 00:08:04,050 --> 00:08:07,053 しゃくが治まるまで 待っててやってもいいぜ 46 00:08:07,053 --> 00:08:19,065 ♬~ 47 00:08:19,065 --> 00:08:22,068 (田中)あの男 今頃 うまくやっとるかのう 48 00:08:22,068 --> 00:08:27,006 (中村)うむ しかし なかなか いい女は通らんな 49 00:08:27,006 --> 00:08:30,009 焦るな 焦るな 急ぐ旅でもなしに 50 00:08:30,009 --> 00:08:33,012 刈谷まで あと4日かけて 着けばいいんだから 51 00:08:33,012 --> 00:08:37,016 俺たちの楽しみといえば 女しかないからのう 52 00:08:37,016 --> 00:08:39,018 (一同)ハハハ… (中村)いや そうでなきゃ➡ 53 00:08:39,018 --> 00:08:43,022 とっくに 渡り徒士の足なぞ 洗っておるわ 54 00:08:43,022 --> 00:08:47,026 フッ もっとも 変わり者は いねえでもねえがな 55 00:08:47,026 --> 00:08:49,028 (田中・中村)うん? 56 00:08:49,028 --> 00:08:52,031 (田中)河津さんよ 一杯どうだい 57 00:08:52,031 --> 00:08:54,031 (河津)いらぬ 58 00:09:12,051 --> 00:09:14,051 (木村)おい (田中)えっ? 59 00:09:16,055 --> 00:09:19,058 ヘヘッ いい女だな 色女房ってとこだぞ 60 00:09:19,058 --> 00:09:22,061 娘の方もな (中村)うん やるか? 61 00:09:22,061 --> 00:09:26,061 見逃す手はあるめえ (中村)よし 拙者に任しとけ 62 00:09:34,006 --> 00:09:36,008 (中村)痛っ (田中・木村)ハハハ… 63 00:09:36,008 --> 00:09:38,010 ガキ! (田中・木村)ハハハ… 64 00:09:38,010 --> 00:09:43,010 (中村)何でい ええ! ガキのくせに 謝りもしねえで 65 00:09:45,017 --> 00:09:48,020 その目は!➡ 66 00:09:48,020 --> 00:09:53,025 ガキだと思って 見逃してやりゃ 人を小ばかにした面しやがってよ 67 00:09:53,025 --> 00:09:56,028 容赦はしねえぞ 68 00:09:56,028 --> 00:09:58,030 オラ! いいか! 69 00:09:58,030 --> 00:10:01,033 (田中・木村)ハハハ… (中村)あっ痛! この野郎 70 00:10:01,033 --> 00:10:04,036 (田中・木村)ハハハ… (中村)うるせえやい! 71 00:10:04,036 --> 00:10:06,038 (田中・木村)おっ! ハハハ… 72 00:10:06,038 --> 00:10:09,041 (中村)これが 怖くねえか?➡ 73 00:10:09,041 --> 00:10:13,045 ええ! 斬られたくなかったら ちゃんと謝れ! 74 00:10:13,045 --> 00:10:16,048 (田中・木村)ハハハ… (中村)おっ? 75 00:10:16,048 --> 00:10:18,048 (田中・木村)ハハハ… 76 00:10:22,054 --> 00:10:26,054 (田中・木村)ほう ハハハ… 77 00:10:29,996 --> 00:10:31,998 (田中)フフフ… どうした どうした➡ 78 00:10:31,998 --> 00:10:36,002 貴様 この棒が怖くて ガキ一匹 たたき斬れねえのか? 79 00:10:36,002 --> 00:10:41,007 (中村)よーし! たたき殺してやるぞ 80 00:10:41,007 --> 00:10:43,009 何でい!? 痛っ 81 00:10:43,009 --> 00:10:45,011 いいかげんにせい 82 00:10:45,011 --> 00:10:48,011 相手は がんぜない わっぱではないか 83 00:11:01,027 --> 00:11:03,029 (大五郎)ちゃん! 84 00:11:03,029 --> 00:11:23,049 ♬~ 85 00:11:23,049 --> 00:11:43,002 ♬~ 86 00:11:43,002 --> 00:12:01,002 ♬~ 87 00:12:08,027 --> 00:12:23,042 ♬~ 88 00:12:23,042 --> 00:12:27,042 ≪(つるのあえぎ声) 89 00:12:35,054 --> 00:12:49,068 ♬~ 90 00:12:49,068 --> 00:12:52,071 (赤間)この野郎!➡ 91 00:12:52,071 --> 00:12:56,075 おのれ! 謀りおったな! 92 00:12:56,075 --> 00:12:59,078 伸吾殿 は… 早く! 93 00:12:59,078 --> 00:13:01,078 (伸吾)はい… 94 00:13:06,085 --> 00:13:10,089 (赤間)おのれ! 95 00:13:10,089 --> 00:13:14,093 夫の敵 河津勘兵衛 覚悟! (赤間)何! 96 00:13:14,093 --> 00:13:19,098 河津の… 違う 人違いだ! 97 00:13:19,098 --> 00:13:23,102 俺は 赤間… 赤間源十郎だ! 98 00:13:23,102 --> 00:13:27,039 (つる)伸吾殿 早くとどめを! (伸吾)はい 99 00:13:27,039 --> 00:13:30,042 (赤間) 人違いだ! 俺は河津じゃない➡ 100 00:13:30,042 --> 00:13:32,044 ま… 待ってくれい! 101 00:13:32,044 --> 00:13:36,048 そのようなことは 初めから分かっております 102 00:13:36,048 --> 00:13:38,050 何だと 103 00:13:38,050 --> 00:13:42,054 夫の敵 河津勘兵衛は 念流の使い手 104 00:13:42,054 --> 00:13:48,060 その上 夫の渡辺勇之進を 刺し殺して 蓄電して以来 7年 105 00:13:48,060 --> 00:13:50,062 わらわと 夫の弟 伸吾 106 00:13:50,062 --> 00:13:53,065 訪ね歩けど ようとして行方知れず 107 00:13:53,065 --> 00:13:56,068 しかも 殿から➡ 108 00:13:56,068 --> 00:14:01,073 渡辺家 家門再興に課せられし あだ討ちの期限も 7年 109 00:14:01,073 --> 00:14:03,075 この月のうちに本懐を遂げねば➡ 110 00:14:03,075 --> 00:14:06,078 永久に 渡辺家は絶えてしまうのです 111 00:14:06,078 --> 00:14:13,078 くそ! 俺を身代わりにしたって その河津という侍が生きていたら 112 00:14:15,087 --> 00:14:18,090 河津… (つる)フフフ… 113 00:14:18,090 --> 00:14:21,093 たとえ 生きていても 河津勘兵衛殿は➡ 114 00:14:21,093 --> 00:14:23,095 蓄電した御領内に 足を踏み入れるような➡ 115 00:14:23,095 --> 00:14:26,098 武士ではないわ 116 00:14:26,098 --> 00:14:29,034 それに この土地は天領 117 00:14:29,034 --> 00:14:34,039 (赤間)それじゃ この尼! (つる)やっと お分かりの御様子 118 00:14:34,039 --> 00:14:39,044 天領なれば 代官所の役人の 御検分も 至って簡単 119 00:14:39,044 --> 00:14:43,048 わらわの持参する あだ討ち赦免状さえ見せれば➡ 120 00:14:43,048 --> 00:14:45,050 御証文は下される 121 00:14:45,050 --> 00:14:49,054 ならば たとえ 河津殿が現れても➡ 122 00:14:49,054 --> 00:14:55,060 天領の役人の証文に盾つくは 将軍家に盾つくも同じこと 123 00:14:55,060 --> 00:14:58,063 くそ! この悪魔め! (つる)フフフ… 124 00:14:58,063 --> 00:15:00,065 伸吾殿 早く とどめを! 125 00:15:00,065 --> 00:15:13,065 ♬~ 126 00:15:17,082 --> 00:15:20,082 (つる)おのれ 逃がすものか! 127 00:15:22,087 --> 00:15:25,087 (つる)伸吾殿 早く とどめを 128 00:15:29,028 --> 00:15:31,028 (つる)待て 129 00:15:34,033 --> 00:15:38,033 (つる)伸吾殿 早く 早く とどめを 130 00:15:44,043 --> 00:15:46,043 (赤間)ああーっ! 131 00:16:04,063 --> 00:16:06,065 (つる)お待ちくださりませ 132 00:16:06,065 --> 00:16:09,068 (中村)遅すぎるな あの男 133 00:16:09,068 --> 00:16:14,073 よっぽど好きもんの女で やつを離さんのじゃないかな 134 00:16:14,073 --> 00:16:18,077 だけどよ こっちは 5人そろって 刈谷へ行かにゃ➡ 135 00:16:18,077 --> 00:16:21,080 雇ってもらえねえんだぜ (田中)なーに 心配することはねえ 136 00:16:21,080 --> 00:16:24,083 (田中)そのうち 追いついてくるさ 137 00:16:24,083 --> 00:16:27,019 (中村)いやあ それにしても 遅すぎる 138 00:16:27,019 --> 00:16:29,021 (田中)うん? うーん… 139 00:16:29,021 --> 00:16:31,021 何かあったのかな 140 00:16:37,029 --> 00:16:39,031 (つる)お願いの儀がござります 141 00:16:39,031 --> 00:16:44,036 私は 越前 丸岡藩 水野佐渡守の家中にて➡ 142 00:16:44,036 --> 00:16:49,041 あれなる 河津勘兵衛がために 非業な最期を遂げし➡ 143 00:16:49,041 --> 00:16:53,045 渡辺勇之進が妻 つるにござりまする 144 00:16:53,045 --> 00:16:57,049 また あれなるは 亡夫の弟 伸吾 145 00:16:57,049 --> 00:17:02,054 かん難辛苦の末 2人で力を合わせ ただいま ようやく➡ 146 00:17:02,054 --> 00:17:05,054 本懐を遂げることが できましてござります 147 00:17:11,063 --> 00:17:15,067 あだ討ち赦免状でございます どうぞ 御披見くださいませ 148 00:17:15,067 --> 00:17:18,070 (一刀) それがしには 関わりなきこと 149 00:17:18,070 --> 00:17:22,074 (つる)いいえ お急ぎのところ 恐れ入りますが➡ 150 00:17:22,074 --> 00:17:25,077 このように巡り会ったのも 何かの御縁 151 00:17:25,077 --> 00:17:29,014 何とぞ 立会人に なってくださりませぬか? 152 00:17:29,014 --> 00:17:31,016 ここは 天領なれば➡ 153 00:17:31,016 --> 00:17:35,020 代官所まで 届けいでれば それで 済むこと 154 00:17:35,020 --> 00:17:39,024 届ければ 検視もござります 155 00:17:39,024 --> 00:17:42,027 その折に 我ら両名➡ 156 00:17:42,027 --> 00:17:45,030 尋常に名乗り 立ち合いつかまつり➡ 157 00:17:45,030 --> 00:17:49,030 見事 討ち取った旨 御証言いただきとうございます 158 00:17:59,044 --> 00:18:03,048 御承知のごとく あだ討ちは たとえ 本懐を遂げても➡ 159 00:18:03,048 --> 00:18:07,052 相手を討つにあたって 見苦しきことがあれば➡ 160 00:18:07,052 --> 00:18:11,056 家門の再興も 御加増も かないませぬなればゆえ➡ 161 00:18:11,056 --> 00:18:16,061 何とぞ 何とぞ 御証言を いただきとうございます 162 00:18:16,061 --> 00:18:22,067 それがしには 見ておらぬゆえ 証言のいたしようもない 163 00:18:22,067 --> 00:18:25,070 いいえ! あなた様は見ておられました 164 00:18:25,070 --> 00:18:31,009 我ら両人が 尋常に立ち合い 敵を討ち取るところを➡ 165 00:18:31,009 --> 00:18:34,009 さあ さあ これを 166 00:18:52,030 --> 00:18:54,032 ここに 25両ございますぞえ 167 00:18:54,032 --> 00:18:58,036 25両 あなた様が 一生かかっても 拝めぬほどの大枚ですぞ 168 00:18:58,036 --> 00:19:01,039 ただ ひと言の 御証言をいただくだけで 25両 169 00:19:01,039 --> 00:19:05,043 悪い取り引きでは ありますまいに 170 00:19:05,043 --> 00:19:07,043 断ると申しておる 171 00:19:15,053 --> 00:19:18,056 (つる)では この場のことは➡ 172 00:19:18,056 --> 00:19:21,059 一切 見なかったことにして いただきとうございます➡ 173 00:19:21,059 --> 00:19:25,059 構えて 他言は御無用に 174 00:19:32,004 --> 00:19:36,004 素浪人が やせ我慢をしよって 175 00:19:38,010 --> 00:19:41,013 伸吾殿 すぐ 代官所にお届けを 176 00:19:41,013 --> 00:19:46,018 いえ その前に あの男の印籠を この印籠と… 177 00:19:46,018 --> 00:19:50,022 ない… あれは 河津の紋入りの 178 00:19:50,022 --> 00:19:53,025 苦心の末に手に入れた物を…➡ 179 00:19:53,025 --> 00:19:57,029 どこで なくしたのであろう 180 00:19:57,029 --> 00:20:00,032 姉上 御心配は無用です 181 00:20:00,032 --> 00:20:06,038 今の浪人が連れた わっぱが (つる)何! わらしが?➡ 182 00:20:06,038 --> 00:20:08,038 さあ 早く 183 00:20:40,005 --> 00:20:43,008 国元を出て 7年になりまする 184 00:20:43,008 --> 00:20:48,013 お金がなければ 飛脚便にて 取り寄せておりますほどに➡ 185 00:20:48,013 --> 00:20:51,016 入用なだけ差し上げまする 186 00:20:51,016 --> 00:20:55,016 100両では いかがなもの 187 00:21:02,027 --> 00:21:07,032 敵の所在を突き止めるまでに 5年 その足取りを追って➡ 188 00:21:07,032 --> 00:21:12,037 更に 2年の歳月が あっという間に流れ➡ 189 00:21:12,037 --> 00:21:14,039 ようやくにして かなった悲願が➡ 190 00:21:14,039 --> 00:21:20,045 あなた様の一言にて 瓦解するやもしれません 191 00:21:20,045 --> 00:21:24,049 もうじき 御検使も みえましょうほどに 192 00:21:24,049 --> 00:21:26,985 立ち退いていただきませぬと 不審に問われたり➡ 193 00:21:26,985 --> 00:21:30,985 事情の説明を求められたり することになりましょう 194 00:21:35,994 --> 00:21:38,997 1つだけ伺いたい 195 00:21:38,997 --> 00:21:43,001 そなたは 夫の敵を討ちたいがために➡ 196 00:21:43,001 --> 00:21:46,004 きこくの修羅道に入られたのか 197 00:21:46,004 --> 00:21:52,010 それとも 家門再興 加増となり 烈女賢婦と言われんがために➡ 198 00:21:52,010 --> 00:21:56,014 敵を追うたのか 199 00:21:56,014 --> 00:21:58,016 なんということを 200 00:21:58,016 --> 00:22:00,018 それは もちろん 夫の…➡ 201 00:22:00,018 --> 00:22:04,018 亡き夫の恨みを 晴らさんがためでござります 202 00:22:13,031 --> 00:22:17,035 ならば 人の目 人の口➡ 203 00:22:17,035 --> 00:22:21,039 気にすることもござるまい 204 00:22:21,039 --> 00:22:41,059 ♬~ 205 00:22:41,059 --> 00:22:43,059 ♬~ 206 00:22:51,069 --> 00:22:56,069 (伸吾)姉上 御検使が参りました (つる)何! 御検使殿が 207 00:22:58,076 --> 00:23:15,093 ♬~ 208 00:23:15,093 --> 00:23:19,097 あの浪人は 証言を 承知いたしてくれましたか? 209 00:23:19,097 --> 00:23:21,099 浪々の身のくせに 強情者よ 210 00:23:21,099 --> 00:23:25,103 100両 拝ましたのに 証言を断ると言いおったわ 211 00:23:25,103 --> 00:23:27,103 100両で!? 212 00:23:29,040 --> 00:23:34,045 では やはり あの男は (つる)何? 知っておるのか 213 00:23:34,045 --> 00:23:37,048 うわさに聞く 子連れ狼では? 214 00:23:37,048 --> 00:23:42,053 では 1殺 500両の? 215 00:23:42,053 --> 00:23:44,053 確かでございましょう 216 00:23:50,061 --> 00:23:53,061 あだ討ち赦免状にござりまする (検使)うむ 217 00:24:04,075 --> 00:24:07,078 して この者が 河津勘兵衛である証拠は? 218 00:24:07,078 --> 00:24:12,083 憎き夫の敵ゆえ この者の顔は 忘れようにも 忘れ難く➡ 219 00:24:12,083 --> 00:24:15,086 私の脳裏に はっきりと 焼き付いておりまする 220 00:24:15,086 --> 00:24:17,086 それに… 221 00:24:21,092 --> 00:24:24,095 (つる)この印籠の紋は 確かに 河津の物 222 00:24:24,095 --> 00:24:26,097 うむ 223 00:24:26,097 --> 00:24:29,034 して 見事 本懐を遂げられたという➡ 224 00:24:29,034 --> 00:24:31,036 証人がおるとよいのだが 225 00:24:31,036 --> 00:24:33,036 それは… 226 00:24:38,043 --> 00:24:41,046 (検使)後ろからの突かれ (検使)うむ 227 00:24:41,046 --> 00:24:44,049 どうやら 初太刀が後ろのようであれば➡ 228 00:24:44,049 --> 00:24:46,049 殊の外… 229 00:24:50,055 --> 00:24:53,058 それに この男 今 改めるに➡ 230 00:24:53,058 --> 00:24:55,060 どうやら 渡り徒士に身をやつし➡ 231 00:24:55,060 --> 00:24:59,064 諸国を逃亡して歩いたと 見受けられる➡ 232 00:24:59,064 --> 00:25:01,064 その連れが参ったらしい 233 00:25:12,077 --> 00:25:15,080 (つる)《なんということぞな》➡ 234 00:25:15,080 --> 00:25:20,085 《河津勘兵衛 かかるところに現れるとは》 235 00:25:20,085 --> 00:25:23,088 (検使)貴殿は? (河津)はっ 236 00:25:23,088 --> 00:25:27,025 恥ずかしながら 渡り徒士をしてる浪々の身ゆえ➡ 237 00:25:27,025 --> 00:25:29,027 名乗るほどの者ではござらぬが➡ 238 00:25:29,027 --> 00:25:32,030 仲間の1人が はぐれましたによって➡ 239 00:25:32,030 --> 00:25:36,034 ただいま 尋ねながら 戻ってまいりましたところで 240 00:25:36,034 --> 00:25:39,037 (検使) ただいま あだ討ち本懐があった 241 00:25:39,037 --> 00:25:43,037 お主の捜しておるのは その男 河津勘兵衛ではないかな? 242 00:25:51,049 --> 00:25:53,051 確かに 243 00:25:53,051 --> 00:25:56,054 (検使)あだ討ちなれば これ以上の探索は御無用➡ 244 00:25:56,054 --> 00:25:59,057 引き取られい 245 00:25:59,057 --> 00:26:04,062 (つる)《河津勘兵衛 なぜ 真実を名乗らぬ》➡ 246 00:26:04,062 --> 00:26:06,064 《名乗れるものなら 名乗ってみよ》➡ 247 00:26:06,064 --> 00:26:11,069 《いえ たとえ 名乗っても 御検使役人の前だ》➡ 248 00:26:11,069 --> 00:26:15,073 《この死んだ男が 河津だと わらわは言い張るぞえ》➡ 249 00:26:15,073 --> 00:26:17,075 《証拠の印籠もあるゆえ➡ 250 00:26:17,075 --> 00:26:20,078 御検使は わらわの言い分を 聞いてくれようぞ》➡ 251 00:26:20,078 --> 00:26:22,080 《ましてや 街道のならず者》➡ 252 00:26:22,080 --> 00:26:27,018 《渡り徒士風情の言い分など 取り上げてはくれますまいて》➡ 253 00:26:27,018 --> 00:26:30,021 《こなたには れっきとした 丸岡藩発行の➡ 254 00:26:30,021 --> 00:26:32,021 御赦免状もあるゆえにな》 255 00:26:39,030 --> 00:26:41,030 (検使)待たれい 256 00:26:46,037 --> 00:26:48,039 その方 ただいま➡ 257 00:26:48,039 --> 00:26:51,042 あれなる小屋より 出てまいった様子なれば 尋ねたい 258 00:26:51,042 --> 00:26:56,047 それがしは ただ あの小屋にて 雨宿りをしておっただけ 259 00:26:56,047 --> 00:27:01,052 なれば ここにての あだ討ちの 義挙を見ておられただろうが 260 00:27:01,052 --> 00:27:03,054 それがしは 何も知らぬ 261 00:27:03,054 --> 00:27:05,056 (検使)これは異なこと 262 00:27:05,056 --> 00:27:10,061 あだ討ちは 確か 雨の降り始めしときと聞いたが 263 00:27:10,061 --> 00:27:12,063 知らぬと申したら 知らぬ 264 00:27:12,063 --> 00:27:16,067 ≪(武士)御検使様! 御検使様 265 00:27:16,067 --> 00:27:19,070 (検使)何か用か (武士)はっ 火急の御命令にて➡ 266 00:27:19,070 --> 00:27:23,074 直ちに お戻り願いたいとのこと (検使)火急の用とはな 267 00:27:23,074 --> 00:27:28,013 はっ 御領地内 三宿の本陣にて 一大事発生とのこと 268 00:27:28,013 --> 00:27:30,015 詳しくは 分かりませぬが 269 00:27:30,015 --> 00:27:32,017 うむ➡ 270 00:27:32,017 --> 00:27:35,020 火急な用なれば 検視はこれまで 271 00:27:35,020 --> 00:27:37,022 明日にでも 代官所へ参られるがよかろう 272 00:27:37,022 --> 00:27:40,025 見事 本懐の彰状を遣わす 273 00:27:40,025 --> 00:27:44,029 それを持ち 国元に帰られるがよかろう 274 00:27:44,029 --> 00:27:46,031 御免 275 00:27:46,031 --> 00:27:59,044 ♬~ 276 00:27:59,044 --> 00:28:02,047 (河津)待て! 277 00:28:02,047 --> 00:28:05,050 街道 御無頼の徒と承る 渡り徒士の➡ 278 00:28:05,050 --> 00:28:12,057 しかも 名も名乗れぬ お方が 私に何の御用でござりましょう➡ 279 00:28:12,057 --> 00:28:15,060 御用がなければ 行かしてもらいますぞえ➡ 280 00:28:15,060 --> 00:28:17,062 これ 伸吾殿 281 00:28:17,062 --> 00:28:19,064 (河津) 討たれたはずの河津勘兵衛が➡ 282 00:28:19,064 --> 00:28:23,068 かん婦 つるに待てと言うのだ 283 00:28:23,068 --> 00:28:26,071 これは異なことを 284 00:28:26,071 --> 00:28:30,008 河津勘兵衛殿は もはや この世にはおりませぬ 285 00:28:30,008 --> 00:28:34,012 それは 既に 天領代官所の御検使殿も 286 00:28:34,012 --> 00:28:36,014 (河津)黙れ! 287 00:28:36,014 --> 00:28:38,016 ひきょうにも 返り討ちを恐れ➡ 288 00:28:38,016 --> 00:28:42,020 何の関わりもない男を かん計を用いて敵に仕立て上げ➡ 289 00:28:42,020 --> 00:28:45,023 あだ討ち本懐とは 片腹痛い 290 00:28:45,023 --> 00:28:49,027 ウフフ… これは また 言いがかりも甚だしい 291 00:28:49,027 --> 00:28:51,029 なれば 御検使殿がおるときに➡ 292 00:28:51,029 --> 00:28:54,032 名乗り出たはずでは ござりませぬか 293 00:28:54,032 --> 00:28:58,036 そうもせで 今に及んでの言いがかりは➡ 294 00:28:58,036 --> 00:29:01,039 そなたは 河津勘兵衛ではない証拠 295 00:29:01,039 --> 00:29:03,041 なれば 言うて遣わそう 296 00:29:03,041 --> 00:29:07,045 御検使見参の折 名乗り出て 返り討ちにいたせば➡ 297 00:29:07,045 --> 00:29:10,048 殊勝なる女子の あだ討ちと思い込みし➡ 298 00:29:10,048 --> 00:29:15,053 彼らとて 侍の端くれ さすれば 儀によって捨て置けず➡ 299 00:29:15,053 --> 00:29:19,057 うぬらを助勢する成り行きなるは 人情の必定 300 00:29:19,057 --> 00:29:25,063 無益な殺生を増やすは それがしの 好むところではないからだ➡ 301 00:29:25,063 --> 00:29:32,003 さあ 夫の敵なれば 尋常にかかってまいれ➡ 302 00:29:32,003 --> 00:29:34,005 夫の敵が討ちたいがために➡ 303 00:29:34,005 --> 00:29:37,008 それがしの後を 追ってまいったのであろう 304 00:29:37,008 --> 00:29:40,008 とくと かかってまいるのだ 305 00:29:42,013 --> 00:29:47,018 刺客 子連れ狼 拝一刀様と お見受けいたします 306 00:29:47,018 --> 00:29:53,018 何とぞ 御助勢 賜りとう存じます これ 早く 500両 307 00:29:55,026 --> 00:29:57,026 子連れ狼… 308 00:30:01,032 --> 00:30:03,032 さあ 309 00:30:06,037 --> 00:30:08,039 ここに 500両ございます 310 00:30:08,039 --> 00:30:13,044 確かに 河津勘兵衛と見誤って 別人を討ったのは わらわの不覚 311 00:30:13,044 --> 00:30:15,046 しかし あの男が➡ 312 00:30:15,046 --> 00:30:19,050 証拠の印籠を 持参しておったがためでござります 313 00:30:19,050 --> 00:30:22,053 (つる)ひきょうなのは あの河津勘兵衛 314 00:30:22,053 --> 00:30:25,056 亡き夫のかん言を聞かばこそ➡ 315 00:30:25,056 --> 00:30:29,994 ひきょうにも待ち伏せて 闇討ちにいたしたのでござります 316 00:30:29,994 --> 00:30:33,998 (つる)しかし わらわは女子 義弟 伸吾は病弱の身 317 00:30:33,998 --> 00:30:39,003 哀れとおぼし召されて どうか 御助勢をお願いいたします 318 00:30:39,003 --> 00:30:42,006 今は ただ 亡き夫の敵を➡ 319 00:30:42,006 --> 00:30:47,011 夫の敵を討ちたいのでございます 320 00:30:47,011 --> 00:30:52,016 お願いでございます ここに確かに 500両ございます 321 00:30:52,016 --> 00:30:55,019 どうか 御助勢を 322 00:30:55,019 --> 00:30:59,023 確かに 1殺 500両 323 00:30:59,023 --> 00:31:05,023 話を聞き 納得いたさば 引き受けよう 324 00:31:08,032 --> 00:31:14,038 では お聞きくださいませ 325 00:31:14,038 --> 00:31:18,038 過ぐる 7年前のことでござります 326 00:31:20,044 --> 00:31:26,050 (つる)亡き夫 渡辺勇之進も あれなる 河津勘兵衛殿も➡ 327 00:31:26,050 --> 00:31:29,988 お殿様の おかご衆として 警固に当たっておりましたが➡ 328 00:31:29,988 --> 00:31:33,992 去る日 お殿様 墓参の折➡ 329 00:31:33,992 --> 00:31:36,995 家督相続を巡って 反対派の差し向けた➡ 330 00:31:36,995 --> 00:31:40,995 刺客 浪人たちに おかごが襲撃されました 331 00:31:44,002 --> 00:31:48,006 (つる)その折 河津勘兵衛殿は➡ 332 00:31:48,006 --> 00:31:52,010 どのようなわけか おかごのそばを 離れて 遠くへ参り➡ 333 00:31:52,010 --> 00:31:56,014 夫 勇之進は 最後まで おかごのそばを離れず➡ 334 00:31:56,014 --> 00:31:58,016 殿を守り抜きました➡ 335 00:31:58,016 --> 00:32:02,020 後日 おかごのそばを離れたことを➡ 336 00:32:02,020 --> 00:32:06,024 御家老より 激しく追及された 河津殿は➡ 337 00:32:06,024 --> 00:32:09,027 お殿様より ちっ居 申しつけられたるも➡ 338 00:32:09,027 --> 00:32:14,032 夫 勇之進のかん言のためと 逆恨みいたし➡ 339 00:32:14,032 --> 00:32:20,032 ひきょうにも 夫 勇之進を 闇討ちにいたしたのでござります 340 00:32:31,049 --> 00:32:33,049 (勇之進)《貴様!》 341 00:32:35,053 --> 00:32:41,059 今の話 しかと相違ありますまいか? 342 00:32:41,059 --> 00:32:46,059 答えなきは 相違なきものと思うて よろしいな 343 00:32:48,066 --> 00:32:51,069 では お引き受けくださるので ございますね? 344 00:32:51,069 --> 00:32:54,072 断る 345 00:32:54,072 --> 00:32:56,074 しかし 河津殿は➡ 346 00:32:56,074 --> 00:32:59,077 ひきょうな振る舞いを 認めたではござりませぬか 347 00:32:59,077 --> 00:33:04,082 誠 待ち伏せ 闇討ちをいたすような男なら➡ 348 00:33:04,082 --> 00:33:07,085 そなたの言い分を 黙って聞いてはおらぬ 349 00:33:07,085 --> 00:33:11,089 ひきょうな振る舞いは 断じていたさんと➡ 350 00:33:11,089 --> 00:33:15,093 必死に抗弁するはず 351 00:33:15,093 --> 00:33:17,095 そなたのようにな 352 00:33:17,095 --> 00:33:31,042 ♬~ 353 00:33:31,042 --> 00:33:33,044 待たれい 354 00:33:33,044 --> 00:33:38,049 河津殿 げせぬことが 1つある 355 00:33:38,049 --> 00:33:42,053 おかご警固を巡って 対立したのは分かる しかし➡ 356 00:33:42,053 --> 00:33:49,060 渡辺勇之進が 貴殿を待ち伏せ 闇討ちにせんとした理由は いかに 357 00:33:49,060 --> 00:33:55,066 (つる)何とおっしゃいます! 待ち伏せたのは この河津勘兵衛 358 00:33:55,066 --> 00:33:57,068 それがしと 渡辺勇之進とは➡ 359 00:33:57,068 --> 00:33:59,070 その折 空席であった かご衆 目付けの役を➡ 360 00:33:59,070 --> 00:34:03,074 競い合う立場にあった (つる)それで 私の夫を!➡ 361 00:34:03,074 --> 00:34:05,076 ああーっ! 362 00:34:05,076 --> 00:34:10,081 (つるのすすり泣き) 363 00:34:10,081 --> 00:34:17,088 しかし あの おかご襲撃のみぎり➡ 364 00:34:17,088 --> 00:34:21,092 攻めることが 最大の守りであると 信ずる拙者は➡ 365 00:34:21,092 --> 00:34:24,095 数に勝る 浪士の出ばなをくじき➡ 366 00:34:24,095 --> 00:34:28,032 その誠意を失わしめるためには… 367 00:34:28,032 --> 00:34:31,035 《勇之進殿 頼む》 368 00:34:31,035 --> 00:34:34,035 (河津)斬って出る以外にない 369 00:34:44,048 --> 00:34:47,051 (河津) 拙者の思ったとおりになって➡ 370 00:34:47,051 --> 00:34:51,051 浪士どもを 撃退できたのでござるが… 371 00:34:57,061 --> 00:35:00,064 《殿! 御無事で》 (佐渡守)《おう 勇之進か》 372 00:35:00,064 --> 00:35:03,067 (河津)そのあとで 藩内の風評は➡ 373 00:35:03,067 --> 00:35:08,072 当然 拙者を排撃するところと なり申した➡ 374 00:35:08,072 --> 00:35:11,075 自ら斬って出るとは 何事➡ 375 00:35:11,075 --> 00:35:17,081 おかご脇を離れず 殿を守護し 奉ることこそが 士たる者の道➡ 376 00:35:17,081 --> 00:35:20,084 己の腕を過信いたし➡ 377 00:35:20,084 --> 00:35:25,089 それを誇示せんがための 武士にあるまじき行為➡ 378 00:35:25,089 --> 00:35:31,028 そして 目付けの役も 当然 渡辺勇之進殿に内定した➡ 379 00:35:31,028 --> 00:35:33,030 だがしかし➡ 380 00:35:33,030 --> 00:35:37,034 あの折 攻めて出なければ 勝ち目がなかったことを➡ 381 00:35:37,034 --> 00:35:41,038 拙者よりも よく知っていた者が もう一人いた➡ 382 00:35:41,038 --> 00:35:46,038 それこそ 渡辺勇之進だったのでござる 383 00:35:49,046 --> 00:35:53,050 (河津) おかご衆 目付け就任に当たって➡ 384 00:35:53,050 --> 00:35:56,053 それ故 拙者のおることが➡ 385 00:35:56,053 --> 00:36:01,058 彼にとって 目の上のこぶであったのでござろう 386 00:36:01,058 --> 00:36:13,070 ♬~ 387 00:36:13,070 --> 00:36:16,073 《勇之進殿!》 388 00:36:16,073 --> 00:36:20,077 だがしかし 勇之進を倒した瞬間➡ 389 00:36:20,077 --> 00:36:25,082 拙者の心の中に 大きな疑問が生じたのでござる 390 00:36:25,082 --> 00:36:27,018 それまでは 攻めて出た己の所存が➡ 391 00:36:27,018 --> 00:36:29,020 絶対 正しいものと確信いたし➡ 392 00:36:29,020 --> 00:36:34,025 少しも 己の信念を 疑ってはおらなんだのに 393 00:36:34,025 --> 00:36:38,029 その瞬間 たとえ不利でも かご脇を離れず➡ 394 00:36:38,029 --> 00:36:42,033 殿を死守することが 真の士道ではなかったかどうか 395 00:36:42,033 --> 00:36:45,033 (馬のひづめの音) 396 00:36:58,049 --> 00:37:01,052 (竹内)その方どもは! (つる)はい 397 00:37:01,052 --> 00:37:05,056 あだ討ち本懐を遂げ 先刻 届け出ましたまま 398 00:37:05,056 --> 00:37:12,063 おう その方のことは聞いておる 近頃 あっぱれな烈女であるとな 399 00:37:12,063 --> 00:37:17,068 しかし 御妻女殿 せっかくの敵討ちなれど➡ 400 00:37:17,068 --> 00:37:20,071 御主君 佐渡守様が 奇禍に遭われるとは➡ 401 00:37:20,071 --> 00:37:23,071 その方も よくよく 運のないことであるな 402 00:37:25,076 --> 00:37:28,012 何と言われました! 403 00:37:28,012 --> 00:37:32,016 (竹内)佐渡守殿には たまたま お国入りの道中➡ 404 00:37:32,016 --> 00:37:37,021 この先の三宿の本陣にて 何者かに お命を奪われ申した➡ 405 00:37:37,021 --> 00:37:41,025 よって 我らは しらみつぶしに 下手人を探索しておる 406 00:37:41,025 --> 00:38:01,045 ♬~ 407 00:38:01,045 --> 00:38:16,045 ♬~ 408 00:38:18,062 --> 00:38:21,062 なんということ 409 00:38:23,067 --> 00:38:25,069 嘆くのも もっともじゃ 410 00:38:25,069 --> 00:38:29,006 御主君刺殺とあれば お家断絶は免れまいて 411 00:38:29,006 --> 00:38:34,011 その方 積年の苦心の本懐も 水泡に帰したわけだからのう 412 00:38:34,011 --> 00:38:39,016 (つるの泣き声) 413 00:38:39,016 --> 00:38:44,021 その方は? やはり あだ討ちにゆかりの者か 414 00:38:44,021 --> 00:38:49,026 (河津)はっ 敵として討たれた男の 渡り徒士仲間でございます➡ 415 00:38:49,026 --> 00:38:53,030 それで こうして遺骸を引き取りに (竹内)ふむ 416 00:38:53,030 --> 00:39:00,037 渡り徒士とな して 雇われ先は! その期日は! 417 00:39:00,037 --> 00:39:06,043 なぜ答えぬ 答えねば 疑わしき者として ひっ捕らえるぞ 418 00:39:06,043 --> 00:39:09,046 申せ! 419 00:39:09,046 --> 00:39:13,050 お雇われ先は 三州 刈谷藩 松平様 420 00:39:13,050 --> 00:39:17,054 期日は 4日後の 16日でござります 421 00:39:17,054 --> 00:39:21,058 うむ 松平殿か 422 00:39:21,058 --> 00:39:24,061 その方は? 423 00:39:24,061 --> 00:39:26,997 なぜ答えぬ 424 00:39:26,997 --> 00:39:31,001 (河津)この者も それがしが 渡り徒士仲間にてござる 425 00:39:31,001 --> 00:39:34,001 子連れの渡り徒士か 426 00:39:37,007 --> 00:39:40,010 (竹内)貴様が! (小坂)子連れ狼 覚悟! 427 00:39:40,010 --> 00:39:59,029 ♬~ 428 00:39:59,029 --> 00:40:02,032 (武士)おのれー! 429 00:40:02,032 --> 00:40:22,052 ♬~ 430 00:40:22,052 --> 00:40:42,006 ♬~ 431 00:40:42,006 --> 00:40:53,017 ♬~ 432 00:40:53,017 --> 00:41:00,024 (つる)わらわは 見事 本懐を遂げましたのじゃ… 433 00:41:00,024 --> 00:41:04,028 アハハ…➡ 434 00:41:04,028 --> 00:41:07,031 ハハハ… 435 00:41:07,031 --> 00:41:13,031 ハハハ… フフフ… 436 00:41:23,047 --> 00:41:25,047 ちゃん! 437 00:41:26,984 --> 00:41:47,004 ♬~ 438 00:41:47,004 --> 00:42:07,024 ♬~ 439 00:42:07,024 --> 00:42:20,037 ♬~ 440 00:42:20,037 --> 00:42:24,041 (河津) 拙者が お待ち申しておったのは➡ 441 00:42:24,041 --> 00:42:27,044 お立ち合い 願いたいがためでござる 442 00:42:27,044 --> 00:42:31,048 是非に お願いつかまつる 443 00:42:31,048 --> 00:42:35,052 旧主君 越前 丸岡藩主➡ 444 00:42:35,052 --> 00:42:39,056 水野佐渡守殿の 敵を討たんがためか? 445 00:42:39,056 --> 00:42:42,059 違う 446 00:42:42,059 --> 00:42:47,064 河津勘兵衛 既に 丸岡藩に いとまを頂きし身なれば➡ 447 00:42:47,064 --> 00:42:50,067 何の関わりもなきこと 448 00:42:50,067 --> 00:42:53,070 されど 身は 一介の渡り徒士とはいえ➡ 449 00:42:53,070 --> 00:42:58,075 既に 雇われ先が決まれば そこの藩士たるも同じこと 450 00:42:58,075 --> 00:43:02,079 しかし 主家の名を 一旦 聞かれし上は 藩士として➡ 451 00:43:02,079 --> 00:43:05,082 主家の名を汚す災いを 既に見聞きされた貴殿を➡ 452 00:43:05,082 --> 00:43:09,086 お生かしして 帰すわけにはまいらぬ 453 00:43:09,086 --> 00:43:15,092 主家の汚名を未然に防ぐは 武士たる者の覚悟と心得申す 454 00:43:15,092 --> 00:43:20,097 たってと申されるなら これも何かの宿縁 455 00:43:20,097 --> 00:43:23,100 お立ち合い申そう 456 00:43:23,100 --> 00:43:25,100 かたじけない 457 00:43:42,052 --> 00:43:45,055 拙者に勝機あれば➡ 458 00:43:45,055 --> 00:43:50,060 あのお子のことは 身命に懸けて お引き受けつかまつる 459 00:43:50,060 --> 00:43:52,062 その お気遣いは御無用 460 00:43:52,062 --> 00:43:57,067 我ら親子は 冥府魔道に生きる者 461 00:43:57,067 --> 00:44:01,071 六道四生順逆の境は 覚悟の上 462 00:44:01,071 --> 00:44:21,091 ♬~ 463 00:44:21,091 --> 00:44:41,045 ♬~ 464 00:44:41,045 --> 00:44:51,045 ♬~ 465 00:45:30,027 --> 00:45:35,027 ひと言 お伺いしたきことがござる 466 00:45:39,036 --> 00:45:41,038 申されよ 467 00:45:41,038 --> 00:45:46,043 先ほども 申し上げたことでござる 468 00:45:46,043 --> 00:45:52,049 かご脇を離れたるは 士として正しいか 正しくないか➡ 469 00:45:52,049 --> 00:45:56,053 それがし いまだ その答えを得ず 470 00:45:56,053 --> 00:46:02,059 かく 渡り徒士となって 放浪つかまつるしだいでござる 471 00:46:02,059 --> 00:46:05,062 渡り徒士となったのも➡ 472 00:46:05,062 --> 00:46:11,062 また そのような出来事に 遭遇いたすこともあろうかと 473 00:46:15,072 --> 00:46:19,076 拝殿 教えてくだされ 474 00:46:19,076 --> 00:46:22,079 誠の士道とは 475 00:46:22,079 --> 00:46:25,082 拝殿 士道とは! 476 00:46:25,082 --> 00:46:30,020 常に 心に死あるをもって➡ 477 00:46:30,020 --> 00:46:35,025 御奉公つかまつることが 士道であろうと存ずる 478 00:46:35,025 --> 00:46:39,029 されば 拙者の行為は 479 00:46:39,029 --> 00:46:44,034 攻めに出て 成功すればよしとする その判断は甘い 480 00:46:44,034 --> 00:46:50,040 やはり 己の腕を 過信していたことにもなる 481 00:46:50,040 --> 00:46:55,045 やはり 拙者は間違っていたことに 482 00:46:55,045 --> 00:47:01,051 しかし それは あくまで おかご衆という役目上からのこと 483 00:47:01,051 --> 00:47:07,057 誠の武士とは 死をもって 主君に お仕えすることにある 484 00:47:07,057 --> 00:47:11,061 攻めるも 守るも 所詮は同じこと 485 00:47:11,061 --> 00:47:17,061 赤心忠誠に みじんも変わりはござるまい 486 00:47:21,071 --> 00:47:26,071 それがしが もし そこもとの立場であったら… 487 00:47:30,013 --> 00:47:33,013 やはり 斬って出る! 488 00:47:36,019 --> 00:47:38,019 かたじけない 489 00:47:40,023 --> 00:48:00,043 ♬~ 490 00:48:00,043 --> 00:48:02,045 ♬~ 491 00:48:02,045 --> 00:48:06,049 <渡り徒士に身をやつしてまで 侍の道を極めんとして➡ 492 00:48:06,049 --> 00:48:10,053 河津勘兵衛は 死んでいった> 493 00:48:10,053 --> 00:48:14,057 <だが 既に 8度死せる 冥府魔道の道を行く➡ 494 00:48:14,057 --> 00:48:19,062 拝一刀親子には 侍の道の上に 生き死にを懸けることすら➡ 495 00:48:19,062 --> 00:48:22,065 許されぬ身であった> 496 00:48:22,065 --> 00:48:25,068 <逃れようもない宿命の刺客道を➡ 497 00:48:25,068 --> 00:48:28,005 今日もまた 行かねばならないのだ> 498 00:48:28,005 --> 00:48:33,005 <いつ 果てるともしれない 魔道きこくの この道を> 499 00:48:41,018 --> 00:48:43,020 <夜のしじまを切り裂く 呼び子の響き> 500 00:48:43,020 --> 00:48:46,023 <巧みに逃げるは 泥棒 可の字> 501 00:48:46,023 --> 00:48:49,026 <その泥棒が 一刀に刺客を依頼した> 502 00:48:49,026 --> 00:48:52,029 <可の字を公儀差し回しの忍者 草と見破った一刀は➡ 503 00:48:52,029 --> 00:48:55,032 わなと知りつつ 刺客を引き受けた> 504 00:48:55,032 --> 00:48:58,035 <その裏には 忍者 草としての使命と➡ 505 00:48:58,035 --> 00:49:03,035 人としての情の間で もがき苦しむ 人間 可の字の姿があった 次回…>