1 00:02:11,072 --> 00:02:31,092 ♬~ 2 00:02:31,092 --> 00:02:51,112 ♬~ 3 00:02:51,112 --> 00:03:11,065 ♬~ 4 00:03:11,065 --> 00:03:31,085 ♬~ 5 00:03:31,085 --> 00:03:42,096 ♬~ 6 00:03:42,096 --> 00:03:49,103 <「箱根八里は馬でも越すが 越すに越されぬ大井川」> 7 00:03:49,103 --> 00:03:51,105 <この唄にも唄われている 大井川は➡ 8 00:03:51,105 --> 00:03:58,046 東海道五十三次 島田と金谷の宿の間にある> 9 00:03:58,046 --> 00:04:02,050 <この川は 江戸時代 東海道の要所とされ➡ 10 00:04:02,050 --> 00:04:07,055 幕府は 敵の攻撃を防ぐため わざと橋を架けさせず➡ 11 00:04:07,055 --> 00:04:12,060 また 舟で渡ることも禁じていた> 12 00:04:12,060 --> 00:04:16,064 <そのために こうした 川越え人足の制度が置かれ➡ 13 00:04:16,064 --> 00:04:20,068 旅人たちは 必ず この裸虫を雇って➡ 14 00:04:20,068 --> 00:04:23,068 川を渡らなければならなかった> 15 00:05:16,057 --> 00:05:19,060 (お静)ああっ 16 00:05:19,060 --> 00:05:21,062 (辰造)おい 御新造さん 17 00:05:21,062 --> 00:05:23,064 そう 片一方の手すりに しがみついちゃ➡ 18 00:05:23,064 --> 00:05:26,067 あっしが重くてしかたがねえって 言ったでしょう ええっ? 19 00:05:26,067 --> 00:05:29,070 もっと 真ん中に座って ゆったりしてくだせえよ 20 00:05:29,070 --> 00:05:31,072 (お静)でも… (権太)へっ➡ 21 00:05:31,072 --> 00:05:33,074 それに そう きちんと座っていなさるから➡ 22 00:05:33,074 --> 00:05:35,076 ふらふら体が揺れるんですぜ➡ 23 00:05:35,076 --> 00:05:39,080 着物の裾 押っ広げて でんと あぐらかいてもらわなくちゃ 24 00:05:39,080 --> 00:05:41,082 (お静)そんな (辰造)御新造さん➡ 25 00:05:41,082 --> 00:05:43,084 そう 片一方の手すりに しがみついちゃ➡ 26 00:05:43,084 --> 00:05:46,087 あっしが重くてしかたがねえって 言ったでしょう 27 00:05:46,087 --> 00:05:49,090 (松吉)ヘヘッ さあ あぐらかいて あぐらかいて 28 00:05:49,090 --> 00:05:51,092 (一同)おら おら! 29 00:05:51,092 --> 00:05:55,096 酒手は弾みますから そんなことを 30 00:05:55,096 --> 00:05:57,031 (甚六)そいつは どうも でもね どうにでも➡ 31 00:05:57,031 --> 00:06:02,036 あぐらかいてくんなきゃ 担ぎにくくて 担ぎにくくて 32 00:06:02,036 --> 00:06:05,039 (辰造)ほれほれ 御新造さん 危ねえじゃねえすか 33 00:06:05,039 --> 00:06:08,042 慣れたお客さんならね こっちが言わなくても➡ 34 00:06:08,042 --> 00:06:12,046 あぐらをかいて 弁天様 拝ましてくれますぜ 35 00:06:12,046 --> 00:06:15,049 (お静)ええっ! 36 00:06:15,049 --> 00:06:18,052 (権太)ヘヘヘ… これが あっしら裸虫の役得でね➡ 37 00:06:18,052 --> 00:06:20,054 さあ 押っ広げた 押っ広げた 38 00:06:20,054 --> 00:06:23,057 (一同)おら おら 39 00:06:23,057 --> 00:06:25,059 やめて やめて 40 00:06:25,059 --> 00:06:27,061 酒手は 1分 いえ 2分 弾みますから 41 00:06:27,061 --> 00:06:31,061 (権太)間違いねえな? よし 行こう行こう 42 00:06:58,025 --> 00:07:02,029 (辰造)ヘヘヘ… 旦那 酒手を2分 お願えいたしやす 43 00:07:02,029 --> 00:07:05,032 (清吉) 何! 俺は 後ろで見てたんだぞ 44 00:07:05,032 --> 00:07:08,035 お前たちは! 45 00:07:08,035 --> 00:07:11,038 よし 川役人の方にお届けして 46 00:07:11,038 --> 00:07:15,042 (権太)どうするんでい (清吉)お前たちは ゆすりだ! 47 00:07:15,042 --> 00:07:17,044 お届けして 罰してもらうから そう思え 48 00:07:17,044 --> 00:07:21,048 (松吉)ヘヘヘ… おう 川役人に届けるとよ ヘッ 49 00:07:21,048 --> 00:07:24,051 (甚六)どうぞ どうぞ ヘヘヘ… 50 00:07:24,051 --> 00:07:27,054 いくら届けたって 川役人は こちとらの言いなりよ 51 00:07:27,054 --> 00:07:30,057 いいか 川役人っていうのはな➡ 52 00:07:30,057 --> 00:07:33,060 お上の御状箱が 無事 この川を越え➡ 53 00:07:33,060 --> 00:07:37,064 江戸へ向かうかどうかを 見極めるのが お役目なんだ 54 00:07:37,064 --> 00:07:42,069 その御状箱を通す俺たちに 川役人が少しでも文句を言ってみろ 55 00:07:42,069 --> 00:07:47,074 俺たち人足は 一人だって集まらなくなるんだぜ 56 00:07:47,074 --> 00:07:50,077 そうよ 俺たち人足の御機嫌 損ねたら➡ 57 00:07:50,077 --> 00:07:54,081 御用が務まらなくなって すぐ これだ ヘッ 58 00:07:54,081 --> 00:07:56,083 まあ うそだと思うんなら 試しにやってみるんだな 59 00:07:56,083 --> 00:07:58,019 川役人は 知らん顔で➡ 60 00:07:58,019 --> 00:08:01,022 すぱすぱ たばこでも吸ってるのが 関の山よ 61 00:08:01,022 --> 00:08:03,024 さあ 御新造さんの約束どおり➡ 62 00:08:03,024 --> 00:08:07,028 酒手を弾んで いただきやしょうかね 2分ね 63 00:08:07,028 --> 00:08:12,033 いや 旦那が文句つけなっすったから 3分 頂きやしょうか 64 00:08:12,033 --> 00:08:14,035 (お静)あんた… 65 00:08:14,035 --> 00:08:26,047 ♬~ 66 00:08:26,047 --> 00:08:29,050 (辰造) どうも ありがとさんでございやす 67 00:08:29,050 --> 00:08:32,053 (一同)ヘヘヘ… 68 00:08:32,053 --> 00:08:35,056 (権太)御新造さん 今夜 島田の宿でござんすか? 69 00:08:35,056 --> 00:08:38,059 さぞ 旦那と しっぽりぬれて ヘヘヘ… 70 00:08:38,059 --> 00:08:40,061 (甚六) どうも 道中お気をつけなすって 71 00:08:40,061 --> 00:08:43,064 (一同)アハハ… 72 00:08:43,064 --> 00:09:03,017 ♬~ 73 00:09:03,017 --> 00:09:05,019 ♬~ 74 00:09:05,019 --> 00:09:08,022 (刈造)ごろんぼ野郎 ふざけたまねしやがって 75 00:09:08,022 --> 00:09:11,025 (松吉)ああ 俺っち裸虫の 縄張りを荒らすつもりだぜ 76 00:09:11,025 --> 00:09:14,028 いや 待つんだ いくら ごろんぼ野郎でも➡ 77 00:09:14,028 --> 00:09:17,031 人斬り包丁 持ってやがら (辰造)しかし 兄ぃ 78 00:09:17,031 --> 00:09:19,033 待て待て… 深みに入るまで待つんでい 79 00:09:19,033 --> 00:09:23,033 なるほど 川ん中なら こっちのもんだい 野郎! 80 00:09:28,042 --> 00:09:31,042 行くんだ! (一同)へい 81 00:09:57,004 --> 00:10:01,008 (辰造)待ちやがれ! 勝手に川を渡るのは 御法度だぜ 82 00:10:01,008 --> 00:10:05,012 おう 引き返して 俺っちの連台か 肩に乗ってもらおうかい 83 00:10:05,012 --> 00:10:08,015 (権太)おう 浪人さんよ 渡し賃が ねえとは言わせねえぜ➡ 84 00:10:08,015 --> 00:10:11,018 こんな立派な刀 持ってんだからな (甚六)どうなんだい➡ 85 00:10:11,018 --> 00:10:14,021 おしかい つんぼかい 何とか返答したら どうなんだい! 86 00:10:14,021 --> 00:10:18,025 (一刀)わしは なにも 川を 渡ろうとしているわけではない 87 00:10:18,025 --> 00:10:22,029 (辰造)何! お前たちと同じ 裸虫の稼業が➡ 88 00:10:22,029 --> 00:10:26,033 わしにも できるかどうか こうして 試しておるのだ 89 00:10:26,033 --> 00:10:29,036 何だと 90 00:10:29,036 --> 00:10:32,039 どうだ 仲間に入れてくれぬか 91 00:10:32,039 --> 00:10:35,042 (甚六)ええ? お前 正気で? 92 00:10:35,042 --> 00:10:39,046 本気だ 頼む このとおりだ 93 00:10:39,046 --> 00:10:42,049 しかしよ お前は仮にも 侍じゃねえか 94 00:10:42,049 --> 00:10:48,055 その侍が 百姓町人を肩に乗せて 川を渡るなんて 95 00:10:48,055 --> 00:10:51,058 とうに 侍であることは忘れている 96 00:10:51,058 --> 00:10:55,058 食うためなのだ 頼む 97 00:11:03,003 --> 00:11:07,007 (刈造) おう 飯を食ったのは 何時でい 98 00:11:07,007 --> 00:11:10,010 辰の下刻だったと思う 99 00:11:10,010 --> 00:11:14,010 おう ガキに飯 食わしてやれ (権太)へい 100 00:11:23,023 --> 00:11:26,026 (権太)おら 食え➡ 101 00:11:26,026 --> 00:11:29,026 朝食っただけなら 腹 減ってるだろう 食え 102 00:11:35,035 --> 00:11:39,039 俺が 思とったとおりだ (辰造)えっ? 103 00:11:39,039 --> 00:11:42,042 さすがは 侍のガキだ 104 00:11:42,042 --> 00:11:47,047 肝も太えが 何ちったかな しつけってやつも➡ 105 00:11:47,047 --> 00:11:50,050 行き届いていやがら (辰造)そんなもんですかね 106 00:11:50,050 --> 00:11:54,054 こじきじゃねえから 施しは受けねえ 107 00:11:54,054 --> 00:12:00,060 その侍の親子が 何だって お前 裸虫になりてえんだ 108 00:12:00,060 --> 00:12:06,066 その訳は 申したはず 我ら親子が食うためにな 109 00:12:06,066 --> 00:12:08,066 それが うそだってんでい! 110 00:12:13,073 --> 00:12:17,077 (刈造) 親は我慢できても 子供は正直だ 111 00:12:17,077 --> 00:12:20,080 手を出すに決まってら それが出さねえ 112 00:12:20,080 --> 00:12:23,080 聞かせてもらおうじゃねえか 訳を 113 00:12:25,085 --> 00:12:28,088 (刈造) 聞かしてもらおうじゃねえか 114 00:12:28,088 --> 00:12:31,091 何度 聞かれても 同じことだ 115 00:12:31,091 --> 00:12:36,096 我ら親子が 生きるため 他に訳はない 116 00:12:36,096 --> 00:12:38,096 訳は ねえんだな? 117 00:12:40,100 --> 00:12:44,104 (刈造)分かった すぐ仕事を 始めてもらおうじゃねえか 118 00:12:44,104 --> 00:12:46,106 兄ぃ (刈造)黙ってろい 119 00:12:46,106 --> 00:12:48,108 この地団太の刈造が➡ 120 00:12:48,108 --> 00:12:52,112 二本差しを 仲間に入れてやろうってんだい 121 00:12:52,112 --> 00:12:54,114 文句あんのか (辰造)そ… そりゃ➡ 122 00:12:54,114 --> 00:12:56,116 兄ぃが いいってんなら 俺は 何も文句はねえ 123 00:12:56,116 --> 00:13:00,054 てめえたち 文句はねえな? 124 00:13:00,054 --> 00:13:02,056 (一同)へい… 125 00:13:02,056 --> 00:13:08,062 決まった こいつは 俺の片腕の辰ってんだ➡ 126 00:13:08,062 --> 00:13:13,067 こいつは松 権… 甚六➡ 127 00:13:13,067 --> 00:13:17,071 あとは ぼちぼち 覚えてもらおうじゃねえか 128 00:13:17,071 --> 00:13:21,075 拙者は… (刈造)いや 名乗ることはねえ 129 00:13:21,075 --> 00:13:26,080 呼び名はな ああ ガキ連れにしておこう 130 00:13:26,080 --> 00:13:28,082 いいな 野郎ども➡ 131 00:13:28,082 --> 00:13:32,086 今日から ガキ連れは 俺たちの仲間だ➡ 132 00:13:32,086 --> 00:13:34,088 びしびし仕事を教えてやれ➡ 133 00:13:34,088 --> 00:13:41,095 ガキはな 代わりばんこに 面倒見させてもらおうじゃねえか 134 00:13:41,095 --> 00:13:43,097 (一同)ヘヘヘ… 135 00:13:43,097 --> 00:13:47,101 (刈造)おう 飯を食え 仲間の飯だ 遠慮はいらねえよ 136 00:13:47,101 --> 00:13:51,101 かたじけない 大五郎 137 00:13:55,109 --> 00:13:58,045 全くよ しつけってやつは 恐ろしいもんだぜ 138 00:13:58,045 --> 00:14:02,049 俺の ガキのころと そっくりだぜ (辰造)ばか野郎! 139 00:14:02,049 --> 00:14:06,049 (一同)ハハハ… 140 00:14:08,055 --> 00:14:12,055 あれ? 日が照ってんのに 降ってきやがったよ 141 00:14:37,084 --> 00:14:41,088 <大井川は 上水が 2尺5寸で➡ 142 00:14:41,088 --> 00:14:47,094 それから 1尺までの増水には馬 2尺の増水で人を止め➡ 143 00:14:47,094 --> 00:14:51,098 それ以上の水かさになれば 川止めとなる> 144 00:14:51,098 --> 00:14:57,037 <ただし 幕府の御用通信である 御状箱だけは 止めることはない> 145 00:14:57,037 --> 00:14:59,039 <いかなる水かさであろうが➡ 146 00:14:59,039 --> 00:15:04,044 選ばれた川越え人足が 川渡しするのである> 147 00:15:04,044 --> 00:15:08,048 (刈造)今日で 4日 ガキ連れも どうやら半人前だ 148 00:15:08,048 --> 00:15:12,052 兄ぃ もう 肩越し水だ 渡れねえぞ 149 00:15:12,052 --> 00:15:17,057 川止めだ 川番所 行ってこい (辰造)へへい 150 00:15:17,057 --> 00:15:21,061 (新山)やむをえまい 川止めにいたす しかし辰造➡ 151 00:15:21,061 --> 00:15:25,065 明朝 京都所司代からの 御状箱の一行が着くゆえ➡ 152 00:15:25,065 --> 00:15:29,069 手慣れた者を集め 何としても 川をお渡ししなければならないぞ 153 00:15:29,069 --> 00:15:32,072 (辰造)へい 154 00:15:32,072 --> 00:15:37,077 <この三葉葵の紋の入った箱が 御状箱である> 155 00:15:37,077 --> 00:15:42,082 <「御状」とは 大阪城代 京都所司代 各地代官所から➡ 156 00:15:42,082 --> 00:15:47,082 幕府へ上申される 公用通信の書状のことである> 157 00:15:57,031 --> 00:16:00,034 (新山) お待ち申し上げておりました 158 00:16:00,034 --> 00:16:03,034 (甚六)親分 お役人がみえました (刈造)おう 159 00:16:14,048 --> 00:16:19,053 (尾笹)用意はいいな? (新山)はっ 御状箱をお運び申せ 160 00:16:19,053 --> 00:16:23,053 へい 野郎ども行くんだい (男性たち)よし おう 行くぞ 161 00:16:31,065 --> 00:16:33,065 (男性)気をつけろよ! 162 00:16:35,069 --> 00:16:40,069 (刈造)ガキ連れ てめえには この仕事は まだ早えや 163 00:16:43,077 --> 00:16:47,081 しっかり 御用を務めるんだぞ 164 00:16:47,081 --> 00:16:59,026 ♬~ 165 00:16:59,026 --> 00:17:01,028 (男性)おい 早く入るぞ! 166 00:17:01,028 --> 00:17:21,048 ♬~ 167 00:17:21,048 --> 00:17:23,050 ♬~ 168 00:17:23,050 --> 00:17:25,052 (尾笹)うわーっ! (役人)あっ! 169 00:17:25,052 --> 00:17:28,055 (森田)取り返せ! (役人)急げ! 行け行け… 170 00:17:28,055 --> 00:17:30,055 (森田)追え! 追うんだ! 171 00:17:53,080 --> 00:18:13,033 ♬~ 172 00:18:13,033 --> 00:18:33,053 ♬~ 173 00:18:33,053 --> 00:18:43,063 ♬~ 174 00:18:43,063 --> 00:18:46,066 (役人)逃すな! (役人)逃がさん! 逃がさんぞ! 175 00:18:46,066 --> 00:19:06,019 ♬~ 176 00:19:06,019 --> 00:19:08,021 ♬~ 177 00:19:08,021 --> 00:19:10,021 (大五郎)ちゃん! 178 00:19:12,025 --> 00:19:14,027 (男性)親方! (男性)兄ぃ! 179 00:19:14,027 --> 00:19:16,029 (辰造)な… 何てことを… 180 00:19:16,029 --> 00:19:19,029 (刈造)手ぇ出すんじゃねえ (松吉)あ… しかし 181 00:19:21,034 --> 00:19:24,037 (刈造)お前が どんな素性で➡ 182 00:19:24,037 --> 00:19:27,040 どんな たくらみがあるか知らねえが➡ 183 00:19:27,040 --> 00:19:30,040 悪い人じゃ なさそうだ 184 00:19:35,048 --> 00:19:37,050 早く 消えちめえな 185 00:19:37,050 --> 00:19:40,053 いいか みんな 追うんじゃねえぞ 186 00:19:40,053 --> 00:19:45,053 見ろい 何にもなかったじゃねえか 187 00:19:48,061 --> 00:20:07,061 ♬~ 188 00:20:13,020 --> 00:20:16,023 (南条)何! 拝一刀が? 189 00:20:16,023 --> 00:20:19,026 水鴎流の使い手 拝一刀に間違いない 190 00:20:19,026 --> 00:20:22,029 大井川の裸虫に まんまと紛れ込んで 191 00:20:22,029 --> 00:20:25,032 (手下)うむ どこまでも かん知にたけたやつだ 192 00:20:25,032 --> 00:20:28,035 (手下)御状箱を奪うとは 大胆不敵なやつ➡ 193 00:20:28,035 --> 00:20:31,038 今度こそは 我々が 草の根をかき分けても 194 00:20:31,038 --> 00:20:33,040 (新吾) まだ 遠くへは行かないはずだ 195 00:20:33,040 --> 00:20:38,045 (手下)よし 行こう (南条)待て! 慌てることはない 196 00:20:38,045 --> 00:20:42,049 (新吾)なんと! 黒くわ衆の 長年の恨みを晴らすとき 197 00:20:42,049 --> 00:20:45,052 封廻状を奪った大罪にとれば もっけの幸い 198 00:20:45,052 --> 00:20:50,057 この機会を逃しては! (手下)南条氏 いかがなされた 199 00:20:50,057 --> 00:20:55,062 拝一刀による 我らが仲間の 無残な最期を忘れたか! 200 00:20:55,062 --> 00:20:57,998 忘れてはおらん 201 00:20:57,998 --> 00:21:18,018 ♬~ 202 00:21:18,018 --> 00:21:38,038 ♬~ 203 00:21:38,038 --> 00:21:58,058 ♬~ 204 00:21:58,058 --> 00:22:02,058 ♬~ 205 00:22:05,065 --> 00:22:08,068 (手下)首領亡き後 我らが指図を仰ぐは貴公のみ 206 00:22:08,068 --> 00:22:10,070 それを何とされた! 207 00:22:10,070 --> 00:22:12,072 貴公が立たずば 我らだけでも! 208 00:22:12,072 --> 00:22:15,075 (一同)そうだ! (南条)待て! 209 00:22:15,075 --> 00:22:20,080 我ら 黒くわ衆が 隠密としての使命を何と心得る➡ 210 00:22:20,080 --> 00:22:26,080 亡き首領 岩根小角が残した言葉を忘れたか 211 00:22:29,089 --> 00:22:32,092 しかし このような危急の際には 212 00:22:32,092 --> 00:22:38,098 (新吾)御状箱の秘密が知れたら 我らのみならず 柳生の大事 213 00:22:38,098 --> 00:22:42,102 隠密御用の面目が立たん (南条)黙れ! 214 00:22:42,102 --> 00:22:46,106 我らが使命は いかなるときにも 表に立たず➡ 215 00:22:46,106 --> 00:22:51,111 敵と立ち向こうことにある すなわち忍びなり 影なり 216 00:22:51,111 --> 00:22:55,115 我らが生死もまた 影なり 217 00:22:55,115 --> 00:23:02,055 表に立っての行動は この南条が 断じて許さん➡ 218 00:23:02,055 --> 00:23:04,057 新吾 (新吾)はっ! 219 00:23:04,057 --> 00:23:08,061 早速 江戸表へ早馬を立て 烈堂様の御意向を伺え 220 00:23:08,061 --> 00:23:10,061 はっ! 221 00:23:21,074 --> 00:23:24,074 (新吾)開門! 開門! 222 00:23:27,080 --> 00:23:31,080 (役人)何者だ 馬を降りろ 人別をあらためる 223 00:23:36,089 --> 00:23:40,089 隠密御用なれば 馬上にて御免! 224 00:23:44,097 --> 00:23:47,100 (役人)黒くわ衆だ 何事が 225 00:23:47,100 --> 00:24:07,053 ♬~ 226 00:24:07,053 --> 00:24:10,056 ♬~ 227 00:24:10,056 --> 00:24:16,062 (新吾)開門! 火急の使者でござる 御開門!➡ 228 00:24:16,062 --> 00:24:18,062 開門! 229 00:24:25,071 --> 00:24:30,076 (下田)光ごけを用いて作った この液にて書かれた文字は➡ 230 00:24:30,076 --> 00:24:37,076 暗夜にても 月光を受ければ その姿を現す 231 00:24:39,085 --> 00:24:44,090 (下田)こけの調合も 一段と 完成に近づきましてございます 232 00:24:44,090 --> 00:24:46,092 (烈堂)うむ 233 00:24:46,092 --> 00:24:50,096 (烈堂)しかし いずれにしても 未完であることには変わりはない 234 00:24:50,096 --> 00:24:55,101 一刻も早く 完璧な物を調合せい (下田)はっ➡ 235 00:24:55,101 --> 00:25:01,101 柳生の一門 百草組の面目に懸けましても 236 00:25:04,044 --> 00:25:06,046 ≪(門弟)御前 早馬にて➡ 237 00:25:06,046 --> 00:25:10,046 火急の黒くわ衆の使いが 到着いたしておりますが 238 00:25:14,054 --> 00:25:20,060 何! 誠か (新吾)はっ 239 00:25:20,060 --> 00:25:23,063 あの御状箱を 一刀に奪われたと申すのだな 240 00:25:23,063 --> 00:25:28,068 (新吾)はっ 裸虫に ふんしたる拝一刀が➡ 241 00:25:28,068 --> 00:25:31,071 大井の渡しにて 御状箱の一行を襲い 242 00:25:31,071 --> 00:25:34,074 防ぐことは できなかったのか 243 00:25:34,074 --> 00:25:38,078 うぬら黒くわ衆は 一体 何をしていたのだ! 244 00:25:38,078 --> 00:25:43,083 畏れながら 我ら黒くわ者は 隠密御用 245 00:25:43,083 --> 00:25:48,088 既に首領 岩根小角は 一刀のために倒されたとは申せ➡ 246 00:25:48,088 --> 00:25:52,092 表は姿を現さないのが 我らの職務 247 00:25:52,092 --> 00:25:56,096 故にこそ こうして お知らせに参ったのでございます 248 00:25:56,096 --> 00:25:58,096 もうよい! 249 00:26:00,033 --> 00:26:06,039 おのれ 一刀め 御状箱を奪ったからには➡ 250 00:26:06,039 --> 00:26:11,044 我ら裏柳生の秘密を 嗅ぎつけおったな (新吾)はっ 251 00:26:11,044 --> 00:26:14,047 たとえ あの御状箱を奪ったところで➡ 252 00:26:14,047 --> 00:26:18,051 一見して解読できる書状ではない 253 00:26:18,051 --> 00:26:21,054 しかし もはや 一刻の猶予もならんぞ 254 00:26:21,054 --> 00:26:24,057 何としても 御状箱を取り返すのじゃ 255 00:26:24,057 --> 00:26:26,059 (一同)はっ! 256 00:26:26,059 --> 00:26:30,063 さもなくば 我ら柳生の命運も尽きようぞ 257 00:26:30,063 --> 00:26:35,068 よいか 一刀を捜し出すのだ 258 00:26:35,068 --> 00:26:38,068 草の根を分けても 捜し出すのだ! 259 00:27:15,041 --> 00:27:20,041 (鳥の羽音) 260 00:27:31,057 --> 00:27:35,057 (高見)御前 黒くわ衆の使いばとが戻りました 261 00:27:44,070 --> 00:27:49,075 皆の者 一刀の所在が相分かった 馬を引け! 262 00:27:49,075 --> 00:28:09,028 ♬~ 263 00:28:09,028 --> 00:28:29,048 ♬~ 264 00:28:29,048 --> 00:28:32,051 ♬~ 265 00:28:32,051 --> 00:28:36,051 (役人)何者だ 馬を降りろ 待て! 266 00:28:38,057 --> 00:28:41,060 柳生烈堂じゃ まかり通るぞ 267 00:28:41,060 --> 00:28:44,063 (役人)柳生 一体何事が 268 00:28:44,063 --> 00:28:56,063 ♬~ 269 00:29:59,005 --> 00:30:01,005 えい えい! 270 00:30:43,049 --> 00:30:47,053 既に 拝一刀の四方は 我らが取り囲み➡ 271 00:30:47,053 --> 00:30:52,058 袋のねずみでございます (烈堂)うむ よかろう 272 00:30:52,058 --> 00:30:56,062 まず一番手は 黒くわ衆で総掛かり 273 00:30:56,062 --> 00:30:59,999 岩根小角をはじめとして 一刀に倒されし黒くわ衆は➡ 274 00:30:59,999 --> 00:31:03,002 既に 30有余名➡ 275 00:31:03,002 --> 00:31:07,006 我ら柳生がいでて 始末をつけるは たやすいが➡ 276 00:31:07,006 --> 00:31:12,011 それでは 公儀に名だたる 黒くわ衆の面目が立つまい 277 00:31:12,011 --> 00:31:17,016 よいか 今こそ 黒くわ衆が全力を挙げ➡ 278 00:31:17,016 --> 00:31:21,020 一刀と 雌雄を決する そのときぞ 279 00:31:21,020 --> 00:31:23,022 行け! (南条)はっ!➡ 280 00:31:23,022 --> 00:31:25,022 行くぞ! (手下たち)おう! 281 00:31:34,033 --> 00:31:38,037 これでよし フフッ 282 00:31:38,037 --> 00:31:42,041 こざかしいぞ 拝一刀 283 00:31:42,041 --> 00:31:45,044 御状箱の秘密を暴き➡ 284 00:31:45,044 --> 00:31:50,049 あわよくば 幕閣に訴え出んとの 魂胆であろうが➡ 285 00:31:50,049 --> 00:31:55,054 おのれに あの御状箱の秘密が解けるか 286 00:31:55,054 --> 00:31:57,054 フフフ… 287 00:31:59,058 --> 00:32:02,061 笑止なり 拝一刀 288 00:32:02,061 --> 00:32:08,067 蟷螂の斧をもって 天下の柳生に挑むとは 289 00:32:08,067 --> 00:32:11,067 ハハハ… 290 00:32:17,076 --> 00:32:23,082 《この何の変哲もない 所司代から幕閣へ宛てた書状》 291 00:32:23,082 --> 00:32:28,087 《この中に 柳生の秘密が隠されている》 292 00:32:28,087 --> 00:32:48,107 ♬~ 293 00:32:48,107 --> 00:33:04,057 ♬~ 294 00:33:04,057 --> 00:33:09,057 (諏訪守)《うう…》 (烈堂)《諏訪殿 許されい》 295 00:33:12,065 --> 00:33:16,069 (諏訪守)《拝… 無念じゃ》 296 00:33:16,069 --> 00:33:21,074 《しかし あのつえを かわせなんだは それがしの不覚》 297 00:33:21,074 --> 00:33:26,079 《だが 烈堂は 明らかに 秘密露見を恐れて➡ 298 00:33:26,079 --> 00:33:31,084 こ… このわしを》 《諏訪守様》 299 00:33:31,084 --> 00:33:36,089 《その秘密とは? それは何事でござりまする》 300 00:33:36,089 --> 00:33:39,092 《御状箱じゃ》 301 00:33:39,092 --> 00:33:46,099 《あの 六十余州から 日々 幕閣へ集まる御状箱じゃ》 302 00:33:46,099 --> 00:33:48,099 《御状箱!?》 303 00:33:53,106 --> 00:33:59,045 《よいか 拝 その全ての御状箱の中に➡ 304 00:33:59,045 --> 00:34:03,049 柳生の秘密が 隠されているために➡ 305 00:34:03,049 --> 00:34:08,054 わしは その全貌を つかむことができなかった》 306 00:34:08,054 --> 00:34:15,061 《しかし 柳生が あの公用通信たる 御状箱を➡ 307 00:34:15,061 --> 00:34:20,066 私事に用いていることに 間違いはない》 308 00:34:20,066 --> 00:34:24,070 《わしが それを突き止めたればこそ➡ 309 00:34:24,070 --> 00:34:28,074 立ち合いに名を借りて 烈堂めは》 310 00:34:28,074 --> 00:34:32,078 《諏訪守様 その秘密とは?》 311 00:34:32,078 --> 00:34:37,083 《何とぞ 私めに いまひと言》 312 00:34:37,083 --> 00:34:42,088 《あの御状箱の中に… 拝…》 313 00:34:42,088 --> 00:34:47,093 《あの御状箱の中…》 314 00:34:47,093 --> 00:34:49,093 《諏訪守様!》 315 00:35:05,044 --> 00:35:10,044 (鈴の音) 316 00:35:12,051 --> 00:35:17,051 (鈴の音) 317 00:35:23,062 --> 00:35:28,062 (鈴の音) 318 00:35:56,095 --> 00:35:58,095 黒くわ衆か 319 00:36:02,034 --> 00:36:08,040 公儀探索を務める お主たちが 柳生の犬となり➡ 320 00:36:08,040 --> 00:36:13,045 烈堂ごときの 手足となって働くのか 321 00:36:13,045 --> 00:36:15,047 (南条)違う おのれは➡ 322 00:36:15,047 --> 00:36:20,052 我ら黒くわ一族の者 30有余名を手にかけた 323 00:36:20,052 --> 00:36:26,058 ならばこそ 忍びの術は用いず 尋常に勝負を挑むのだ 324 00:36:26,058 --> 00:36:28,060 たわけな 325 00:36:28,060 --> 00:36:34,066 うぬらが 柳生の手足とならずば わしを敵対することもあるまいに 326 00:36:34,066 --> 00:36:40,066 (新吾)問答無用! 我らが黒くわの恨み 受けてみよ! 327 00:37:20,046 --> 00:37:22,048 ちゃん 328 00:37:22,048 --> 00:37:42,068 ♬~ 329 00:37:42,068 --> 00:38:02,021 ♬~ 330 00:38:02,021 --> 00:38:05,024 ♬~ 331 00:38:05,024 --> 00:38:07,024 ああっ! 332 00:38:42,061 --> 00:39:02,014 ♬~ 333 00:39:02,014 --> 00:39:22,034 ♬~ 334 00:39:22,034 --> 00:39:24,036 ♬~ 335 00:39:24,036 --> 00:39:26,038 黒くわの忍びずれが➡ 336 00:39:26,038 --> 00:39:31,038 姿を敵の前に現し 尋常の勝負を挑むとは 337 00:39:33,045 --> 00:39:35,045 たわけ! 338 00:39:37,049 --> 00:39:40,049 次の手だては よいか (松野)はっ 339 00:39:51,063 --> 00:40:11,016 ♬~ 340 00:40:11,016 --> 00:40:16,021 ♬~ 341 00:40:16,021 --> 00:40:18,021 (松野)かかれ! 342 00:40:23,028 --> 00:40:25,028 (門弟)しめた! 343 00:40:27,032 --> 00:40:31,036 (松野)二手に分かれろ (門弟たち)はっ 344 00:40:31,036 --> 00:40:51,056 ♬~ 345 00:40:51,056 --> 00:40:59,999 ♬~ 346 00:40:59,999 --> 00:41:02,001 (門弟)引き返せ! 347 00:41:02,001 --> 00:41:21,020 ♬~ 348 00:41:21,020 --> 00:41:23,022 ♬~ 349 00:41:23,022 --> 00:41:26,022 (門弟たち)おっ! (門弟)箱車がない 350 00:42:14,073 --> 00:42:17,076 (隊長)待て!➡ 351 00:42:17,076 --> 00:42:21,080 ここから抜けたな この先は 断崖絶壁だ➡ 352 00:42:21,080 --> 00:42:23,080 後を追え! (門弟たち)はっ 353 00:43:03,055 --> 00:43:05,055 ちゃん! 354 00:43:24,076 --> 00:43:28,080 (烈堂)今日こそ ここで おのれをしとめる 355 00:43:28,080 --> 00:43:30,082 おのれの運命も これまでぞ 356 00:43:30,082 --> 00:43:50,102 ♬~ 357 00:43:50,102 --> 00:44:10,055 ♬~ 358 00:44:10,055 --> 00:44:23,068 ♬~ 359 00:44:23,068 --> 00:44:25,068 烈堂 360 00:44:29,074 --> 00:44:32,077 黒くわ衆を総掛かりさせ➡ 361 00:44:32,077 --> 00:44:35,080 一門を繰り出しての うろたえぶりは やはり➡ 362 00:44:35,080 --> 00:44:40,085 御状箱を奪われたためか (烈堂)ほざくな! 363 00:44:40,085 --> 00:44:45,090 あの御状箱に秘められた 柳生封廻状の秘密➡ 364 00:44:45,090 --> 00:44:49,090 必ず暴き出してみせる 365 00:45:23,061 --> 00:45:25,061 あっ! ああっ! 366 00:45:37,075 --> 00:45:40,075 御状箱は? (松野)はっ 367 00:45:44,082 --> 00:45:46,082 (松野)これに 368 00:45:53,091 --> 00:45:56,094 一刀は 封廻状を身に着けておる 369 00:45:56,094 --> 00:46:01,033 一刀を捜せ 一刀を捕らえるのだ! (門弟たち)はっ 370 00:46:01,033 --> 00:46:19,033 ♬~ 371 00:46:27,059 --> 00:46:29,061 <きこりの親子に助けられた 大五郎は➡ 372 00:46:29,061 --> 00:46:32,064 執ように襲いかかる 柳生の魔手から逃れた> 373 00:46:32,064 --> 00:46:35,067 <自らの命を救ってくれた親子の 死に対する➡ 374 00:46:35,067 --> 00:46:39,071 深い悲しみの涙を拭って 大五郎はさまよい➡ 375 00:46:39,071 --> 00:46:42,074 村の藪女に 死生眼を持つ 不吉な子と言われながらも➡ 376 00:46:42,074 --> 00:46:44,076 ぐれんの炎の中から 赤子を救う> 377 00:46:44,076 --> 00:46:48,080 <だが この過酷な運命に生きる 大五郎にとって➡ 378 00:46:48,080 --> 00:46:50,080 父 一刀と巡り会えることが 次回…>