1 00:02:11,119 --> 00:02:31,139 ♬~ 2 00:02:31,139 --> 00:02:51,159 ♬~ 3 00:02:51,159 --> 00:03:11,112 ♬~ 4 00:03:11,112 --> 00:03:31,132 ♬~ 5 00:03:31,132 --> 00:03:42,143 ♬~ 6 00:03:42,143 --> 00:03:46,147 (男性)こら 待て待て! (男性)泥棒! どけどけ 7 00:03:46,147 --> 00:03:48,149 (男性)えらい騒々しい宿場だね➡ 8 00:03:48,149 --> 00:03:51,152 どこの連中だい (おひで)鬼権一家だよ 9 00:03:51,152 --> 00:03:53,154 鬼権といやあ 確か 渡世人じゃねえか 10 00:03:53,154 --> 00:03:55,156 真っ昼間から こんな騒ぎやってよ➡ 11 00:03:55,156 --> 00:03:58,092 よくまあ 堅気の人から 文句の一つも出ねえもんだね 12 00:03:58,092 --> 00:04:00,094 そんな度胸のあるやつは➡ 13 00:04:00,094 --> 00:04:02,096 とっくに この宿場を出ちまってるよ 14 00:04:02,096 --> 00:04:04,098 おまけに ありゃ 出入りの前祝いだ 15 00:04:04,098 --> 00:04:07,101 け… けんか!? い… いつだい? 16 00:04:07,101 --> 00:04:09,103 あしたの朝だってさ (男性)や… やめた 17 00:04:09,103 --> 00:04:12,106 おいら 一足 次の宿まで 足延ばすぜ 18 00:04:12,106 --> 00:04:14,108 つまんねえ とばっちり受けちゃ かなわねえからな 本当によう 19 00:04:14,108 --> 00:04:16,110 あばよっと (おひで)あっ 20 00:04:16,110 --> 00:04:18,112 ちぇっ 21 00:04:18,112 --> 00:04:22,116 うるさいね 全く 商売の邪魔だよ 22 00:04:22,116 --> 00:04:27,116 (けん騒) 23 00:04:33,127 --> 00:04:35,129 (子分)ほら やれやれやれ! 24 00:04:35,129 --> 00:04:39,133 (鬼権)おう 政 いいかげんに 酒はやめさせろ➡ 25 00:04:39,133 --> 00:04:42,136 あしたがあるんだぞ (鉄砲政)ヘヘヘ…➡ 26 00:04:42,136 --> 00:04:44,138 助っ人も ろくすっぽ 集まらねえような➡ 27 00:04:44,138 --> 00:04:48,142 川島一家なんて この7人衆だけで 片つけてみせまさあ 28 00:04:48,142 --> 00:04:51,145 (子分たち)ハハハ… (鉄砲政)まあ 若えやつらには➡ 29 00:04:51,145 --> 00:04:53,147 もう少し 飲ませといてやっておくんなせい 30 00:04:53,147 --> 00:04:57,085 川島じゃ 家財道具から 3人の娘まで たたき売って➡ 31 00:04:57,085 --> 00:05:00,088 大枚 500両という金を つくったそうだぜ 32 00:05:00,088 --> 00:05:03,091 (鬼権)やれ どうせ出入りには 間に合わねえだろう 33 00:05:03,091 --> 00:05:06,091 ハハハ… 34 00:05:10,098 --> 00:05:13,101 (大五郎)♬ 一条 戻り橋 35 00:05:13,101 --> 00:05:15,103 ♬ 二条の きぐすり屋 36 00:05:15,103 --> 00:05:20,108 ♬ 三条 酒屋に 四条の芝居 37 00:05:20,108 --> 00:05:25,113 ♬ 五条橋 弁慶に 六条の本願寺 38 00:05:25,113 --> 00:05:28,116 (おひで)おじさん もう一本 39 00:05:28,116 --> 00:05:32,120 (店主)もう よしときな また 番頭さんに どなられるよ 40 00:05:32,120 --> 00:05:35,123 構うもんかい 今日は どうせ暇なんだ 41 00:05:35,123 --> 00:05:39,127 やくざの出入りがあるって宿場に わざわざ 泊まる客はいないよ 42 00:05:39,127 --> 00:05:43,131 全くな うちも 今夜は早じめえだ➡ 43 00:05:43,131 --> 00:05:46,134 あっ こりゃ いらっしゃいまし 44 00:05:46,134 --> 00:05:48,136 (一刀)飯を 2つくれ (店主)へい➡ 45 00:05:48,136 --> 00:05:50,138 あの お酒は? いらん 46 00:05:50,138 --> 00:05:56,144 (店主)へい ただいま (おひで)ちぇっ しけてやがら 47 00:05:56,144 --> 00:06:00,144 お客さん お気にしないでください 酔ってるもんですから 48 00:06:02,083 --> 00:06:07,088 (おひでの歌声) 49 00:06:07,088 --> 00:06:21,088 ♬~ 50 00:06:24,105 --> 00:06:26,105 何だい 坊や 51 00:06:28,109 --> 00:06:32,109 大人が 唄うたって泣くなんて おかしいかい? 52 00:06:34,115 --> 00:06:38,119 そう ありがとう 53 00:06:38,119 --> 00:06:41,122 この唄はね➡ 54 00:06:41,122 --> 00:06:47,128 山で 杉の苗木を植えるときに うたう唄さ 55 00:06:47,128 --> 00:06:51,132 うちの村にゃ ろくすっぽ 田んぼがなくってね➡ 56 00:06:51,132 --> 00:06:55,136 杉の木がなくちゃ 食っていけねえんだ 57 00:06:55,136 --> 00:06:59,073 だから 苗木を植えるときには 村中 総出でね➡ 58 00:06:59,073 --> 00:07:06,080 他の土地の田植えと一緒さ そりゃ 楽しかったもんだよ 59 00:07:06,080 --> 00:07:10,084 それもこれも こうなっちまったら おしまいさ 60 00:07:10,084 --> 00:07:17,091 ああ… 一度でいいから 村に帰って 苗木を植えてみたいね 61 00:07:17,091 --> 00:07:20,091 一度こっきりでいいからさ 62 00:07:22,096 --> 00:07:27,096 (すすり泣き) 63 00:07:33,107 --> 00:07:38,112 (歌声) 64 00:07:38,112 --> 00:07:47,112 ♬~ 65 00:07:49,123 --> 00:07:51,125 (女性)お兄さん! ちょっと あんた アハハッ 66 00:07:51,125 --> 00:07:54,128 (女性)ちょっと 寄っておいきよ いいじゃないか ねっ? 67 00:07:54,128 --> 00:07:57,064 (亀次郎)おい うちのひで どこだ (女性)さあね 68 00:07:57,064 --> 00:07:59,064 また どっかで ずっこけて飲んでやがんな 69 00:08:06,073 --> 00:08:09,076 (店主)ああ しょうがねえな いらっしゃい! ああ 番頭さんか 70 00:08:09,076 --> 00:08:12,079 ああ! やっぱり こんな所にいやがった 71 00:08:12,079 --> 00:08:15,082 ほら! (おひで)痛いね! 何すんだよ 72 00:08:15,082 --> 00:08:18,085 何すんだも かにすんだもあるかい 油ばっかり売りやがって 73 00:08:18,085 --> 00:08:21,088 客はどうしたんだ 客は! (おひで)うるさいね 74 00:08:21,088 --> 00:08:24,091 人が せっかく いい気持ちで 居眠りしてるのに➡ 75 00:08:24,091 --> 00:08:27,094 たまには休まないと こちとらの身が もたないよ 76 00:08:27,094 --> 00:08:29,096 (亀次郎) 「たまに」が 聞いてあきれるよ 77 00:08:29,096 --> 00:08:31,098 自分のしょってる借金 忘れたのか 78 00:08:31,098 --> 00:08:34,101 客の一人も くわえ込まねえで 飲んだくれていられる身分か! 79 00:08:34,101 --> 00:08:36,101 この尼! 80 00:08:38,105 --> 00:08:40,107 (亀次郎) こいつ! 逆らって逃げたな➡ 81 00:08:40,107 --> 00:08:44,111 この尼! やめろ 飯が食えぬ 82 00:08:44,111 --> 00:08:48,115 すいません… この尼ときたら この野郎 83 00:08:48,115 --> 00:08:50,117 やめろというんだ! 84 00:08:50,117 --> 00:08:53,120 ほっといていただきましょう この女にはね 高い金払ってるんだ 85 00:08:53,120 --> 00:08:56,123 客でもないのに 余計な口出しは… 86 00:08:56,123 --> 00:09:00,061 わしは 客だ (亀次郎)客?➡ 87 00:09:00,061 --> 00:09:04,065 そりゃまあ お客さんと御一緒なら➡ 88 00:09:04,065 --> 00:09:06,067 文句の言う筋合いは ございませんがね 89 00:09:06,067 --> 00:09:09,067 でも 旦那 宿賃をお持ちで? 90 00:09:14,075 --> 00:09:26,087 ♬~ 91 00:09:26,087 --> 00:09:29,087 ま… 毎度ありがとうございます 92 00:09:33,094 --> 00:09:38,099 (おひで)ああ すっとした 番頭さんの顔ったらなかったね➡ 93 00:09:38,099 --> 00:09:40,101 無理もないさ 500両って大金➡ 94 00:09:40,101 --> 00:09:43,104 生まれてこの方 見たことないんだから 95 00:09:43,104 --> 00:09:48,109 もっとも 私だってそうだけど はい いいよ 坊や 96 00:09:48,109 --> 00:09:50,109 いや わしはいい 97 00:09:53,114 --> 00:09:56,117 坊やが ねんねしたら すぐ行くからね お侍さん 98 00:09:56,117 --> 00:09:58,052 いらん ええっ!? 99 00:09:58,052 --> 00:10:03,057 明日は 早立ちをする 握り飯を頼む 100 00:10:03,057 --> 00:10:06,060 (おひで)それだけ? それだけだ 101 00:10:06,060 --> 00:10:09,060 (おひで)あたいを 抱きたかったわけじゃないのかい 102 00:10:11,065 --> 00:10:13,067 まあ そうだろうね 103 00:10:13,067 --> 00:10:17,071 こんな 飲兵衛女 抱いたって 面白くも おかしくもありゃしない 104 00:10:17,071 --> 00:10:21,071 500両も持ってりゃ どんな上玉だって 抱けるもんね 105 00:10:23,077 --> 00:10:26,077 だったら さっき なぜ 助けたりしたんだい 106 00:10:36,090 --> 00:10:40,094 (おひで)こら待て ああ… 107 00:10:40,094 --> 00:10:43,094 ああ! ごめん 108 00:10:46,100 --> 00:10:49,103 (おひで)ほら たんま! 捕まえた 109 00:10:49,103 --> 00:10:52,106 ちょっと たんまね 110 00:10:52,106 --> 00:10:54,108 一息つかなきゃ もたないわ 111 00:10:54,108 --> 00:10:57,044 坊やの すばしっこいことったら ウフフッ 112 00:10:57,044 --> 00:11:00,047 また 番頭に叱られるのではないか 113 00:11:00,047 --> 00:11:04,051 平気 平気 私は御浪人の係なんだから 114 00:11:04,051 --> 00:11:08,051 朝まで ずーっと お世話するのが 役目だもん 115 00:11:13,060 --> 00:11:18,065 それに 何年ぶりかしらね 子供と遊ぶなんて 116 00:11:18,065 --> 00:11:20,067 楽しいわ 117 00:11:20,067 --> 00:11:24,067 子供のおっかさんて いいだろうね 118 00:11:26,073 --> 00:11:29,073 坊やのおっかさん 亡くなったんですか? 119 00:11:31,078 --> 00:11:33,078 そうなんですね 120 00:11:35,082 --> 00:11:38,085 かわいそうに 121 00:11:38,085 --> 00:11:41,085 坊や おっかさんが恋しくない? 122 00:11:43,090 --> 00:11:47,094 本当に恋しくないの? 123 00:11:47,094 --> 00:11:49,094 本当に? 124 00:11:52,099 --> 00:11:54,099 悪いこと言ったかしら 125 00:11:58,105 --> 00:12:02,105 ねえ 今夜 坊やに添い寝しちゃいけない? 126 00:12:06,113 --> 00:12:10,117 私みたいに 汚れた女じゃ いけないかしら 127 00:12:10,117 --> 00:12:12,117 お風呂に入って きれいになってくるけど 128 00:12:14,121 --> 00:12:19,126 (おひでの歌声) 129 00:12:19,126 --> 00:12:31,126 ♬~ 130 00:12:37,144 --> 00:12:40,144 こういう生き方もあるんですね 131 00:12:43,150 --> 00:12:48,155 亭主に沿って 一生を穏やかに暮らす 132 00:12:48,155 --> 00:12:54,155 それも一生 私のようなのも一生 133 00:12:57,097 --> 00:13:02,102 親が悪いと 割食うね 134 00:13:02,102 --> 00:13:06,102 いやおうなしに お金に換えられちまうんだから 135 00:13:20,120 --> 00:13:22,120 (おひで)さあ 136 00:13:24,124 --> 00:13:28,128 道中 お気をつけて 世話になった 137 00:13:28,128 --> 00:13:31,131 坊や さようなら 138 00:13:31,131 --> 00:13:33,133 さようなら 坊や 139 00:13:33,133 --> 00:13:35,135 さようなら 140 00:13:35,135 --> 00:13:38,138 さようなら さようなら 141 00:13:38,138 --> 00:13:58,092 ♬~ 142 00:13:58,092 --> 00:14:09,103 ♬~ 143 00:14:09,103 --> 00:14:11,105 坊や! 144 00:14:11,105 --> 00:14:13,105 坊や 145 00:14:23,117 --> 00:14:26,117 ≪(おひで)坊や! 146 00:14:29,123 --> 00:14:32,126 ほらね 忘れ物 147 00:14:32,126 --> 00:14:35,129 おとっつぁんは? 148 00:14:35,129 --> 00:14:55,149 ♬~ 149 00:14:55,149 --> 00:15:15,102 ♬~ 150 00:15:15,102 --> 00:15:35,122 ♬~ 151 00:15:35,122 --> 00:15:44,122 ♬~ 152 00:15:53,140 --> 00:15:58,078 何じゃ てめえは 鬼権こと 大場の権六か? 153 00:15:58,078 --> 00:16:02,082 (鉄砲政) この野郎 親分を呼び捨てに! 154 00:16:02,082 --> 00:16:06,086 何だ てめえは 何のいわくがあって! 155 00:16:06,086 --> 00:16:09,089 刺客 子連れ狼 156 00:16:09,089 --> 00:16:12,089 1殺 500両 参る! 157 00:16:16,096 --> 00:16:18,098 (鉄砲政)ちくしょう!➡ 158 00:16:18,098 --> 00:16:20,100 川島がつくった 500両は このためか!➡ 159 00:16:20,100 --> 00:16:22,100 やれ! やっちまえ 160 00:16:56,136 --> 00:16:59,072 危ない! 鉄砲だよ 161 00:16:59,072 --> 00:17:01,072 (鉄砲政)この野郎 162 00:17:03,076 --> 00:17:05,076 (おひで)危ない 坊や 163 00:17:16,089 --> 00:17:19,092 (銃声) 164 00:17:19,092 --> 00:17:21,092 ちゃん! 165 00:17:37,110 --> 00:17:41,110 お姉ちゃん あ… 166 00:17:47,120 --> 00:17:50,120 気にしなくていいんだよ 167 00:17:52,125 --> 00:17:55,125 坊やの身代わりになれたんだ 168 00:17:57,064 --> 00:18:03,070 私なんか 誰も…➡ 169 00:18:03,070 --> 00:18:07,074 悲しんでくれる人なんか いやしない 170 00:18:07,074 --> 00:18:14,081 くず… 浮き世のくずさ 171 00:18:14,081 --> 00:18:19,081 もう一度 国に帰りたかった 172 00:18:21,088 --> 00:18:25,088 今頃 山で 苗木を… 173 00:18:29,096 --> 00:18:31,098 (女性たちの歌声) 174 00:18:31,098 --> 00:18:35,102 苗木唄が聞こえてくる 175 00:18:35,102 --> 00:18:40,107 (女性たちの歌声) 176 00:18:40,107 --> 00:18:48,115 ♬~ 177 00:18:48,115 --> 00:18:51,118 お姉ちゃん 178 00:18:51,118 --> 00:18:56,123 (女性たちの歌声) 179 00:18:56,123 --> 00:19:15,123 ♬~ 180 00:19:18,078 --> 00:19:22,078 (手代)大丈夫か? (手代)大丈夫か? しっかりしろ 181 00:19:42,102 --> 00:19:45,105 (男性)おい どうした (武士)おい しっかりしろ➡ 182 00:19:45,105 --> 00:19:48,108 ほら 立って 仕事をするんだ (治作の悲鳴) 183 00:19:48,108 --> 00:19:51,111 (武士)待てい 184 00:19:51,111 --> 00:19:53,113 (武士)待たぬか! 185 00:19:53,113 --> 00:19:55,113 (武士たち)待てい! 186 00:19:57,050 --> 00:20:00,050 (武士)待てい (武士)待たんか! 187 00:20:10,063 --> 00:20:12,065 (治作)あっ! 188 00:20:12,065 --> 00:20:16,065 (治作の悲鳴) 189 00:20:19,072 --> 00:20:25,078 (橋本)市毛様! あまりに ひどすぎる 190 00:20:25,078 --> 00:20:28,081 百姓の命を 何と思っていられるのですか 191 00:20:28,081 --> 00:20:32,085 (次平太)耳をそいだだけだ 手当ての上 ろうに放り込め 192 00:20:32,085 --> 00:20:35,088 (橋本)お奉行! (一平太)控えい!➡ 193 00:20:35,088 --> 00:20:37,090 代官所の手代風情が 何を申す 194 00:20:37,090 --> 00:20:39,092 (橋本)し… しかし (次平太)静まれ! 静まれ! 195 00:20:39,092 --> 00:20:44,097 (一平太)よいか この 釜無川の堤防造りは➡ 196 00:20:44,097 --> 00:20:46,099 本来ならば その方たちの代官➡ 197 00:20:46,099 --> 00:20:49,102 原田殿が やらねばならなかった仕事だ➡ 198 00:20:49,102 --> 00:20:52,105 それを 今日まで放置したために➡ 199 00:20:52,105 --> 00:20:55,108 橋奉行たる わしが やらねばならなくなった➡ 200 00:20:55,108 --> 00:20:58,045 釜無川は 毎年 氾濫し➡ 201 00:20:58,045 --> 00:21:02,049 田畑の流出の損害は 甚だしいものがある 202 00:21:02,049 --> 00:21:06,053 (一平太)この堤防造りは その百姓のためでもある 203 00:21:06,053 --> 00:21:10,057 百姓が 総力を挙げて手伝うのが 当然であろう 204 00:21:10,057 --> 00:21:14,061 し… しかし 明日のために 今日 飢えて死んでしまっては➡ 205 00:21:14,061 --> 00:21:19,066 何にもなりません (一平太)政とは そういうものだ 206 00:21:19,066 --> 00:21:21,068 怠ける者は許さんぞ 207 00:21:21,068 --> 00:21:25,072 以後は ろう入りなどという 生ぬるい罪では済まさぬぞ 208 00:21:25,072 --> 00:21:28,072 ことごとく死罪にしてくれる! いいな! 209 00:21:33,080 --> 00:21:35,080 おい 210 00:21:38,085 --> 00:21:40,087 (武士)仕事せんか! (武士)早くしろ! 211 00:21:40,087 --> 00:21:42,089 (手代)大丈夫か? 212 00:21:42,089 --> 00:21:45,092 (治作の悲鳴) 213 00:21:45,092 --> 00:21:48,095 (武士)仕事せんか! (武士)素早く建てろ! 214 00:21:48,095 --> 00:21:52,099 (武士)早くしろ (武士)早くしないか 仕事を! 215 00:21:52,099 --> 00:21:57,104 (男性たちの歌声) 216 00:21:57,104 --> 00:22:11,118 ♬~ 217 00:22:11,118 --> 00:22:24,131 ♬~ 218 00:22:24,131 --> 00:22:27,134 (三左衛門)苗木植えを 手伝いたいとおっしゃるので? 219 00:22:27,134 --> 00:22:32,139 さよう しかし苗木植えなど 全く百姓仕事 220 00:22:32,139 --> 00:22:34,141 いくら 御浪人とは申せ➡ 221 00:22:34,141 --> 00:22:37,144 お武家様のなさることでは ございませぬ 222 00:22:37,144 --> 00:22:42,144 いささか 念願の筋あって 是非 お願いいたしたい 223 00:22:47,154 --> 00:22:52,159 (三左衛門)お子様連れの旅 さぞ 大変でございましょうな 224 00:22:52,159 --> 00:22:55,162 よろしゅうございます 苗木植え お手伝い願いましょう 225 00:22:55,162 --> 00:22:59,099 まあ その間は むさ苦しい所ですが➡ 226 00:22:59,099 --> 00:23:02,102 この家に 御とう留くださいませ かたじけない 227 00:23:02,102 --> 00:23:04,104 ≪(おとよ)おじいちゃん!➡ 228 00:23:04,104 --> 00:23:08,108 おじいちゃん 大ごとだよ➡ 229 00:23:08,108 --> 00:23:10,110 おじいちゃん (三左衛門)ほれ お客様の前だぞ 230 00:23:10,110 --> 00:23:12,110 (おとよ)あっ… (三左衛門)ハハハ… 231 00:23:15,115 --> 00:23:17,115 何!? 治作が! 232 00:23:23,123 --> 00:23:25,125 片耳を切られた上 おろう入りとは➡ 233 00:23:25,125 --> 00:23:27,127 あまりに むごいお仕置きでは ございますまいか 234 00:23:27,127 --> 00:23:32,132 (原田)治作は お前の身内か? 三左衛門 (三左衛門)はい➡ 235 00:23:32,132 --> 00:23:36,136 孫娘の夫でございます ですが お代官様 私は➡ 236 00:23:36,136 --> 00:23:39,139 身内だから申し上げているのでは ございませぬ➡ 237 00:23:39,139 --> 00:23:43,143 この村の庄屋として 橋奉行様のなさりようが➡ 238 00:23:43,143 --> 00:23:45,145 あまりに むごすぎるのではないかと 239 00:23:45,145 --> 00:23:48,148 分かっておる (三左衛門)全村の男という男を➡ 240 00:23:48,148 --> 00:23:50,150 堤防工事に駆り出され➡ 241 00:23:50,150 --> 00:23:55,155 畑仕事も山の仕事も 女手だけで 済まさなければなりません 242 00:23:55,155 --> 00:23:57,090 そればかりか➡ 243 00:23:57,090 --> 00:24:00,093 あのような むごいお仕置きに 縛られてるとあっては➡ 244 00:24:00,093 --> 00:24:03,096 いつかは 村人たちの我慢の緒が! 245 00:24:03,096 --> 00:24:09,102 分かっておる それを抑えるのが お前の役目だ 246 00:24:09,102 --> 00:24:13,106 しかし (原田)橋奉行 市毛一平太殿は➡ 247 00:24:13,106 --> 00:24:18,106 堤防を完成するためには 何でもする男だ 248 00:24:20,113 --> 00:24:26,119 村が騒げば 村を焼き 逆らえば 人を斬るだろう 249 00:24:26,119 --> 00:24:30,123 それほど すさまじい御仁なのだ 250 00:24:30,123 --> 00:24:33,126 腕も 兄弟そろって 念流 免許皆伝 251 00:24:33,126 --> 00:24:37,130 配下の者も 手だれをそろえている 252 00:24:37,130 --> 00:24:41,134 正直 言うとな 三左衛門 253 00:24:41,134 --> 00:24:45,138 わしも 市毛殿のやり方は 行き過ぎだと思う 254 00:24:45,138 --> 00:24:53,146 だが あの すさまじい執念と その念流の前には➡ 255 00:24:53,146 --> 00:24:55,148 手も口も出せぬのだ 256 00:24:55,148 --> 00:25:00,086 (女性たちの歌声) 257 00:25:00,086 --> 00:25:20,106 ♬~ 258 00:25:20,106 --> 00:25:22,108 ♬~ 259 00:25:22,108 --> 00:25:25,111 (おひで) 《気にしなくていいんだよ》➡ 260 00:25:25,111 --> 00:25:30,116 《坊やの 身代わりになれたんだ》➡ 261 00:25:30,116 --> 00:25:36,116 《もう一度 国に帰りたかった》 262 00:25:38,124 --> 00:25:42,128 《今頃 山で苗木を》 263 00:25:42,128 --> 00:26:02,082 ♬~ 264 00:26:02,082 --> 00:26:22,102 ♬~ 265 00:26:22,102 --> 00:26:24,104 (おとよ)坊やも 手伝ってくれんのかい? うん 266 00:26:24,104 --> 00:26:28,108 (おとよ)ふーん いっぱい苗木を植えようね➡ 267 00:26:28,108 --> 00:26:32,112 よいしょ よいしょ ≪(女性)飯だぞ 268 00:26:32,112 --> 00:26:36,112 (おとよ)ほら まんまだよ みんな 飯だぞ! 269 00:26:42,122 --> 00:26:44,124 (おとよ)どうぞ 270 00:26:44,124 --> 00:26:46,126 (女性)やっぱり 働いた後は おいしいね 271 00:26:46,126 --> 00:26:49,129 (おとよ)ほれ 272 00:26:49,129 --> 00:26:54,134 (おとよ)まあ めんこい子だこと (女性)本当にな➡ 273 00:26:54,134 --> 00:26:56,136 いくつんなっただ? 274 00:26:56,136 --> 00:27:01,074 あら 3つけ? うーん 丈夫な子だよ 275 00:27:01,074 --> 00:27:03,074 (おとよ)ほら いくらでも食えよ 276 00:27:05,078 --> 00:27:07,078 あっ お茶をどうぞ 277 00:27:12,085 --> 00:27:15,088 お侍様 278 00:27:15,088 --> 00:27:20,093 何で お侍様は 苗木なんて植えてくださるんだね 279 00:27:20,093 --> 00:27:23,096 おじいちゃんから聞いて びっくりしただ 280 00:27:23,096 --> 00:27:25,098 (女性)本当にな 281 00:27:25,098 --> 00:27:29,102 お侍様が おらたちの 手伝いしてくださるなんて➡ 282 00:27:29,102 --> 00:27:33,106 まあ 黒南風が吹くより 珍しいこったもんな 283 00:27:33,106 --> 00:27:36,109 黒南風とは 何でござる 284 00:27:36,109 --> 00:27:40,113 (おとよ)梅雨時に吹く 南風のことですだ 285 00:27:40,113 --> 00:27:43,116 季節外れの風でな➡ 286 00:27:43,116 --> 00:27:46,119 これが吹けば 豊作だといわれるども 287 00:27:46,119 --> 00:27:50,123 (女性) まんず 吹くことはねえなっす 288 00:27:50,123 --> 00:27:52,123 黒南風か 289 00:28:03,069 --> 00:28:07,069 (武士)早くしろ 早くせんか! 290 00:28:14,080 --> 00:28:17,083 (武士)何をしとるか! 立て! 291 00:28:17,083 --> 00:28:21,083 (武士)ええい 何をしておる 早くしろ 早く! 292 00:28:23,089 --> 00:28:25,089 (武士)こら! 293 00:28:31,097 --> 00:28:33,099 (手代)ええい ひどすぎる➡ 294 00:28:33,099 --> 00:28:36,099 これじゃあ 百姓たちは死んでしまうぞ 295 00:28:46,112 --> 00:28:48,112 ≪(橋本)お代官! 296 00:28:50,116 --> 00:28:53,119 (橋本)市毛様のこと これ以上は… 297 00:28:53,119 --> 00:28:55,121 (原田)分かっておる 298 00:28:55,121 --> 00:28:57,056 (橋本) お代官は 何度 申し上げても➡ 299 00:28:57,056 --> 00:29:01,056 「分かっておる」ばかりで それでは 何の役にも… 300 00:29:03,062 --> 00:29:05,064 (橋本) 当 釜無領に百姓一揆が起これば➡ 301 00:29:05,064 --> 00:29:08,067 その責任は 市毛様にではなく お代官に 302 00:29:08,067 --> 00:29:12,071 (原田)分かっておる (橋本)分かっておられません! 303 00:29:12,071 --> 00:29:17,076 せめて… せめて 江戸表 勘定奉行所に➡ 304 00:29:17,076 --> 00:29:20,079 市毛様のことを 訴えるくらいのこと 305 00:29:20,079 --> 00:29:23,082 やることは 全てやったよ 306 00:29:23,082 --> 00:29:25,084 訴えも出した 307 00:29:25,084 --> 00:29:30,089 勘定奉行宛てに じかに手紙も出した 308 00:29:30,089 --> 00:29:33,092 大目付に訴えも出した 309 00:29:33,092 --> 00:29:37,096 しかし 全て無駄だったよ 310 00:29:37,096 --> 00:29:39,098 (橋本)それでは お代官は➡ 311 00:29:39,098 --> 00:29:42,101 この事態に対し もはや 取るべき手はないと 312 00:29:42,101 --> 00:29:45,104 (原田)ない 313 00:29:45,104 --> 00:29:50,109 役人として 踏むだけの手続きは踏んだ 314 00:29:50,109 --> 00:29:53,112 もう これ以上は動けぬ 315 00:29:53,112 --> 00:29:57,112 動けば 法規を破ることになろう 316 00:29:59,052 --> 00:30:05,058 後は ただ待つことだけだ 317 00:30:05,058 --> 00:30:09,058 待つ? 何を待つのですか 318 00:30:11,064 --> 00:30:13,064 わしにも分からぬ 319 00:30:22,075 --> 00:30:24,077 (次平太)何事だ 320 00:30:24,077 --> 00:30:28,081 (一平太)橋本とか申したな 何だ その格好は 321 00:30:28,081 --> 00:30:31,084 (橋本)市毛様 御兄弟に 果たし合いが所望です 322 00:30:31,084 --> 00:30:34,087 (一平太)ほう 理由は? 323 00:30:34,087 --> 00:30:38,091 いかに 橋奉行とはいえ 釜無領内にて 代官所を無視し➡ 324 00:30:38,091 --> 00:30:41,094 村人たちを 虐げたる所業➡ 325 00:30:41,094 --> 00:30:43,096 代官所手代として 腹に据えかね申した 326 00:30:43,096 --> 00:30:46,099 (一平太)代官所の面目のため➡ 327 00:30:46,099 --> 00:30:50,103 釜無領 全村人のために わしらを斬るというのか 328 00:30:50,103 --> 00:30:55,108 ハハハッ けなげなものだと 褒めて遣わす 329 00:30:55,108 --> 00:31:00,046 だが 手代連れの身で 橋奉行に逆らうというのは➡ 330 00:31:00,046 --> 00:31:04,050 許すわけにはいかぬ 斬る! 331 00:31:04,050 --> 00:31:06,050 (橋本)望むところだ 332 00:31:08,054 --> 00:31:12,058 これは 果たし合いではない 無礼討ちじゃ 333 00:31:12,058 --> 00:31:16,062 (次平太)兄者 俺にやらせろ 334 00:31:16,062 --> 00:31:22,068 お前では 無礼討ちにはならぬ 黙って見ていろ 335 00:31:22,068 --> 00:31:42,088 ♬~ 336 00:31:42,088 --> 00:31:51,097 ♬~ 337 00:31:51,097 --> 00:31:54,100 冥土の土産に見届けい 338 00:31:54,100 --> 00:31:57,103 念流 上段斬り! 339 00:31:57,103 --> 00:31:59,103 (橋本)うわーっ! 340 00:32:05,111 --> 00:32:08,111 他に 代官所の面目を立てたい者は? 341 00:32:22,128 --> 00:32:25,131 いただきます (三左衛門)ハハハ…➡ 342 00:32:25,131 --> 00:32:29,135 やっぱり お侍様のお子は どこか違いますのう➡ 343 00:32:29,135 --> 00:32:34,140 折り目 正しいことじゃて ハハハ…➡ 344 00:32:34,140 --> 00:32:39,145 ひとつ いかがでしょう? 地酒で お口に合いますかどうか 345 00:32:39,145 --> 00:32:43,149 かたじけないが 酒は 辞退いたします 346 00:32:43,149 --> 00:32:45,151 (三左衛門) さようでございますか➡ 347 00:32:45,151 --> 00:32:49,151 では どうぞ どうぞ… ハハハ… 348 00:32:51,157 --> 00:32:53,159 (三左衛門) お体は 痛みませぬか?➡ 349 00:32:53,159 --> 00:32:57,096 いや どんなに 武芸に優れたお方でも➡ 350 00:32:57,096 --> 00:33:03,102 百姓仕事となると また 別でございますからのう 351 00:33:03,102 --> 00:33:06,102 これで 2日 お働きですのう 352 00:33:08,107 --> 00:33:12,111 お見受けしたところ 御浪人さんの お子連れ 353 00:33:12,111 --> 00:33:14,113 失礼ではございますが➡ 354 00:33:14,113 --> 00:33:21,120 食うや食わずの御難渋の末 思い余って 百姓仕事と…➡ 355 00:33:21,120 --> 00:33:26,125 まあ 半日も もつかどうかと 思っておりましたが➡ 356 00:33:26,125 --> 00:33:29,128 一日二日と 拝見をしているうちに➡ 357 00:33:29,128 --> 00:33:35,134 私は 大変な思い違いを していることに気付きましてな 358 00:33:35,134 --> 00:33:38,137 拝様 どういう訳で わしら百姓の仕事を➡ 359 00:33:38,137 --> 00:33:40,139 手伝う気に おなりになられたのか➡ 360 00:33:40,139 --> 00:33:44,143 その訳を 伺わせては いただけませぬか?➡ 361 00:33:44,143 --> 00:33:49,143 わしだけでなく 家の者も皆 同じ思いでおるのでございますが 362 00:33:51,150 --> 00:33:56,155 時には 珍しき黒南風が吹くという 363 00:33:56,155 --> 00:34:01,093 わしのことも ささいな珍事と思うてくれぬか 364 00:34:01,093 --> 00:34:08,093 行きずりの浪人の山仕事 黒南風にも似たることとな 365 00:34:27,119 --> 00:34:30,119 (武士) 貴様! 何しておるか こら! 366 00:34:34,126 --> 00:34:39,131 ええい 遅い! ちっとも はかどらん 367 00:34:39,131 --> 00:34:41,133 (次平太) 疲れが出てきているんだ 兄者 368 00:34:41,133 --> 00:34:44,136 今年も大水が出れば この工事も 無に帰してしまう➡ 369 00:34:44,136 --> 00:34:46,138 わしも失脚だ 370 00:34:46,138 --> 00:34:48,140 また 元の無役の身に戻らねばならぬ 371 00:34:48,140 --> 00:34:52,144 (次平太)16か所のせきを造り 水流を調節する➡ 372 00:34:52,144 --> 00:34:54,146 兄者の案が 大がかりすぎたのではないかな 373 00:34:54,146 --> 00:34:59,085 人手だ 人手さえあれば… 374 00:34:59,085 --> 00:35:04,090 次平太 手代どもに言って 村々を回らせろ 375 00:35:04,090 --> 00:35:07,093 まだ 働ける男たちが 残ってるかもしれぬ 376 00:35:07,093 --> 00:35:11,097 少々 年寄りでも 頑丈なのがいるぞ 百姓には 377 00:35:11,097 --> 00:35:15,101 (次平太)いるかな (一平太)いなければ 女も駆り出す 378 00:35:15,101 --> 00:35:18,104 そんなことをしたら 畑仕事をする者がいなくなるぞ 379 00:35:18,104 --> 00:35:21,107 今は 苗木植えに 村中の人手が出ているが➡ 380 00:35:21,107 --> 00:35:24,110 それも 駄目になってしまう (一平太)かまわん 381 00:35:24,110 --> 00:35:27,113 俺たちに問題なのは この堤防だけだ 382 00:35:27,113 --> 00:35:30,116 畑だの 山の木だのは 代官に任せておけ 383 00:35:30,116 --> 00:35:34,120 とにかく 人手を集めるのだ 一人でも多くな 384 00:35:34,120 --> 00:35:49,135 ♬~ 385 00:35:49,135 --> 00:35:52,138 (おとよ)ハハハッ そんなに深く掘っちゃ駄目だ ほれ 386 00:35:52,138 --> 00:35:57,076 (女性)全く よく働くな (女性)本当に めんこい子だ もう 387 00:35:57,076 --> 00:35:59,078 (女性たちの笑い声) 388 00:35:59,078 --> 00:36:02,081 (おとよ)おじいちゃん 苗木 (三左衛門)ああ はいよ ほれ 389 00:36:02,081 --> 00:36:04,083 (女性)ほら こっちにもあるよ (三左衛門)よいしょ➡ 390 00:36:04,083 --> 00:36:06,085 大丈夫か ほら よし 391 00:36:06,085 --> 00:36:08,087 (手代)精が出るのう 三左 392 00:36:08,087 --> 00:36:10,089 (三左衛門)あっ これは お見回り 御苦労様でございます 393 00:36:10,089 --> 00:36:12,089 (手代)今日は ちと やっかいな用を 仰せつかってな 394 00:36:14,093 --> 00:36:18,097 (手代)見ろ 屈強な男がいるぞ 395 00:36:18,097 --> 00:36:21,100 (三左衛門)いえ あのお方は 御浪人さんで 396 00:36:21,100 --> 00:36:23,100 ただの素浪人なら同じことだ 397 00:36:28,107 --> 00:36:33,112 (手代)その方 直ちに支度せい! お前を堤工事に召しい出す 398 00:36:33,112 --> 00:36:35,114 お断りいたす (手代)何! 399 00:36:35,114 --> 00:36:37,116 (手代)何者だ 貴様! 400 00:36:37,116 --> 00:36:42,121 (手代)許さん 同道せい! 断ると申しておる 401 00:36:42,121 --> 00:36:44,121 (手代)うるさい! 402 00:36:46,125 --> 00:36:49,128 (手代)おのれ! (手代)手向かいいたすか! 403 00:36:49,128 --> 00:36:51,128 (手代)斬れ 斬れい! 404 00:36:56,135 --> 00:36:58,135 (女性の悲鳴) 405 00:37:00,072 --> 00:37:02,072 去ねい! 406 00:37:15,087 --> 00:37:17,087 (三左衛門)拝様 大変なことを! 407 00:37:19,091 --> 00:37:23,095 あなた方には 何の関わりもないことです 408 00:37:23,095 --> 00:37:26,098 たとえ これから 何が起ころうと それは➡ 409 00:37:26,098 --> 00:37:29,101 黒南風が吹くごとく 410 00:37:29,101 --> 00:37:32,104 どこから吹いてきて どこへ吹き抜けるか➡ 411 00:37:32,104 --> 00:37:35,107 何人にも関わりないことです 412 00:37:35,107 --> 00:37:38,110 (三左衛門)しかし 早く逃げていただかないと➡ 413 00:37:38,110 --> 00:37:41,113 代官所の追っ手が…➡ 414 00:37:41,113 --> 00:37:43,115 お子様とて 無事には済みませぬ 415 00:37:43,115 --> 00:37:47,119 さあ 一時も早く うちへ寄ってくだされば 路銀も 416 00:37:47,119 --> 00:37:51,123 かたじけない その お志だけは頂戴いたす 417 00:37:51,123 --> 00:37:56,123 なれど この苗木を 植え付けるまでは やらせてほしい 418 00:37:58,064 --> 00:38:00,066 それが目的で 当地へ参った 419 00:38:00,066 --> 00:38:04,070 (三左衛門)しかし… 奇妙と思われるかもしれぬが➡ 420 00:38:04,070 --> 00:38:11,077 我ら親子は この苗木一本に 命を賭している 421 00:38:11,077 --> 00:38:17,077 命を… 我らのことは 御放念願いたい 422 00:38:19,085 --> 00:38:22,088 <この子の心の和みは消えた> 423 00:38:22,088 --> 00:38:25,091 <この村を去らねばならぬときが➡ 424 00:38:25,091 --> 00:38:29,095 刻一刻と 近づいていることを 知る子だった> 425 00:38:29,095 --> 00:38:31,097 <この道の向こうから➡ 426 00:38:31,097 --> 00:38:35,101 やがて 姿を現すであろう死の姿を➡ 427 00:38:35,101 --> 00:38:39,105 じっと見守って待つ子であった> 428 00:38:39,105 --> 00:38:44,110 何! 刀を斬り折っただと? (手代)はっ 429 00:38:44,110 --> 00:38:48,114 すさまじいまでの手だれの者にて 我ら 5人 ことごとく 430 00:38:48,114 --> 00:38:51,117 (一平太)武士たる者が いかに困窮したとて➡ 431 00:38:51,117 --> 00:38:55,121 百姓仕事を手伝うと思うか 手だれの者なら なおさらだ 432 00:38:55,121 --> 00:38:59,121 (手代)しかし 現に… (一平太)刀を見せい 433 00:39:03,062 --> 00:39:05,062 次平太 434 00:39:09,068 --> 00:39:11,068 折ったのではない 斬ったのだ 435 00:39:13,072 --> 00:39:15,074 恐ろしい腕だ 436 00:39:15,074 --> 00:39:19,078 刀もいい 恐らく肉の厚い…➡ 437 00:39:19,078 --> 00:39:21,078 例えば 胴太貫 438 00:39:29,088 --> 00:39:33,092 胴太貫を持った 手だれの者といえば… 439 00:39:33,092 --> 00:39:36,095 次平太 (次平太)うん 440 00:39:36,095 --> 00:39:41,095 ひょっとすると 元 公儀介しゃく人 拝一刀 441 00:39:44,103 --> 00:39:48,107 柳生が 血眼になって 追ってる相手だ 442 00:39:48,107 --> 00:39:52,111 やつを倒せば 柳生に 全面的に取り入ることができる 443 00:39:52,111 --> 00:39:54,111 やるか 444 00:39:59,051 --> 00:40:02,054 鉄砲隊を貸せじゃと? (手代)はっ 445 00:40:02,054 --> 00:40:07,059 その上 代官所の手代小者 全員 武装して集まれと 446 00:40:07,059 --> 00:40:09,061 早速 御手配を 447 00:40:09,061 --> 00:40:13,065 (原田)無用じゃ (手代)はっ? 448 00:40:13,065 --> 00:40:18,070 (原田)武装の必要はない 鉄砲隊も貸さぬ 449 00:40:18,070 --> 00:40:22,074 いや それどころか 当代官所の者 一人たりとも➡ 450 00:40:22,074 --> 00:40:25,077 この争いに巻き込まれることを 禁ずる 451 00:40:25,077 --> 00:40:27,079 (手代)お代官! 452 00:40:27,079 --> 00:40:32,084 行って 市毛殿に わしが そう申してたと伝えい 453 00:40:32,084 --> 00:40:35,087 (手代)しかし… 454 00:40:35,087 --> 00:40:37,089 待ちに待ったときが来たのだ 455 00:40:37,089 --> 00:40:40,089 のう? おう? フッ 456 00:40:47,099 --> 00:40:49,099 (武士)推参! 457 00:40:57,042 --> 00:41:00,045 (一平太)原田殿 いかなる御所存だ 458 00:41:00,045 --> 00:41:02,047 我らに 鉄砲隊はもとより➡ 459 00:41:02,047 --> 00:41:04,049 一切の助勢を断ると 申されたというが 460 00:41:04,049 --> 00:41:06,051 (原田)そのとおりでござる 461 00:41:06,051 --> 00:41:12,057 相手は 元 公儀介しゃく人 拝一刀 全国に手配されている人物だ 462 00:41:12,057 --> 00:41:15,060 (原田)それは違いますな (一平太)何! 463 00:41:15,060 --> 00:41:19,064 (原田)柳生烈堂殿よりの手配書は 確かに届いております 464 00:41:19,064 --> 00:41:23,068 立ち寄ったら すぐ知らせてほしいとのな 465 00:41:23,068 --> 00:41:27,072 しかし これは 御公儀の手配書ではない➡ 466 00:41:27,072 --> 00:41:29,074 柳生殿 個人の依頼書で➡ 467 00:41:29,074 --> 00:41:34,079 勘定奉行所配下の代官としては 関わり合いのないことです➡ 468 00:41:34,079 --> 00:41:39,084 となれば これは 市毛殿 お手前と 拝一刀の私闘じゃ 469 00:41:39,084 --> 00:41:45,090 私闘に代官所の武器 人間を お貸しするわけにはまいらぬ 470 00:41:45,090 --> 00:41:49,094 これが 役人の規則と申すもの (一平太)しかし… 471 00:41:49,094 --> 00:41:52,097 (原田)そこもとの配下の方々を お使いになるかならぬかは➡ 472 00:41:52,097 --> 00:41:54,099 御自由じゃ 473 00:41:54,099 --> 00:41:59,104 だが 代官所に 助太刀を求められるのは➡ 474 00:41:59,104 --> 00:42:02,107 筋違いかと存ずる (一平太)こんなことをして➡ 475 00:42:02,107 --> 00:42:05,110 我らが 首尾よく 一刀を討ち果たした場合➡ 476 00:42:05,110 --> 00:42:08,113 柳生に対して 何と言い抜けられる御所存だ 477 00:42:08,113 --> 00:42:14,113 我らは 役人の規則を守った それだけのことでござろうな 478 00:42:21,126 --> 00:42:23,126 ちゃん! 479 00:42:31,136 --> 00:42:51,156 ♬~ 480 00:42:51,156 --> 00:42:59,098 ♬~ 481 00:42:59,098 --> 00:43:01,100 (一平太)その方か➡ 482 00:43:01,100 --> 00:43:03,102 堤防工事を拒みし ふていの浪人とは 483 00:43:03,102 --> 00:43:06,105 わしは 領内の者ではない 484 00:43:06,105 --> 00:43:08,107 苗木を植えたは➡ 485 00:43:08,107 --> 00:43:12,111 ある祈りを果たさんがため 命に代えても 486 00:43:12,111 --> 00:43:19,118 されば たっての人集めを断り 手向かいいたしたまででござる 487 00:43:19,118 --> 00:43:23,122 (一平太)黙れ! 浪人連れとはいえ 武士は武士だ 488 00:43:23,122 --> 00:43:26,125 それが 百姓の手伝いをして 何の祈りだ 489 00:43:26,125 --> 00:43:29,128 まして 命を懸けるなど たわけたことを 490 00:43:29,128 --> 00:43:34,133 余人には分からぬこと お見捨て置き願いたい 491 00:43:34,133 --> 00:43:36,135 (一平太)待て!➡ 492 00:43:36,135 --> 00:43:42,141 その方 元 公儀介しゃく人 拝一刀であろう➡ 493 00:43:42,141 --> 00:43:44,143 公儀の追及の手を 逃れんがために➡ 494 00:43:44,143 --> 00:43:47,146 百姓の中に紛れ込んだに 相違ない➡ 495 00:43:47,146 --> 00:43:49,148 やれい! 496 00:43:49,148 --> 00:44:09,101 ♬~ 497 00:44:09,101 --> 00:44:29,121 ♬~ 498 00:44:29,121 --> 00:44:35,127 ♬~ 499 00:44:35,127 --> 00:44:38,130 (一平太)かたじけない 原田殿 御助勢くださるか 500 00:44:38,130 --> 00:44:40,132 いや (一平太)何! 501 00:44:40,132 --> 00:44:44,136 それがしは お手前たちの 私闘の後始末に参っただけ 502 00:44:44,136 --> 00:44:49,141 我らに構わず 続けられよ ここにて 拝見いたす 503 00:44:49,141 --> 00:44:52,144 (次平太)おのれ! 504 00:44:52,144 --> 00:44:54,146 いかがなされた 505 00:44:54,146 --> 00:44:56,146 行くぞ 次平太 506 00:45:03,088 --> 00:45:07,092 (一平太)念流 市毛一平太 507 00:45:07,092 --> 00:45:09,092 同じく 次平太 508 00:45:17,102 --> 00:45:20,105 水鴎流 拝一刀 509 00:45:20,105 --> 00:45:40,125 ♬~ 510 00:45:40,125 --> 00:46:00,078 ♬~ 511 00:46:00,078 --> 00:46:11,078 ♬~ 512 00:46:21,099 --> 00:46:23,101 いかがなさる 513 00:46:23,101 --> 00:46:30,101 橋奉行を倒した とが人として 我らを捕らえるか 514 00:46:37,115 --> 00:46:40,115 このまま行っても よいのだな? 515 00:47:02,074 --> 00:47:22,094 ♬~ 516 00:47:22,094 --> 00:47:28,100 (原田)市毛殿は 堤防工事の途中 事故で亡くなられた 517 00:47:28,100 --> 00:47:35,107 拝一刀などという浪人は 当領内には来なかったのだ 518 00:47:35,107 --> 00:47:38,110 よいな? (手代たち)はっ 519 00:47:38,110 --> 00:47:41,113 <関わりのない者の巻き添えを 極力 避けるのは➡ 520 00:47:41,113 --> 00:47:45,117 刺客道のおきてである> 521 00:47:45,117 --> 00:47:50,122 <たとえ それが しがない宿場の飯盛女であっても> 522 00:47:50,122 --> 00:47:52,124 <だが➡ 523 00:47:52,124 --> 00:47:56,128 人知れず しょく罪を済ませた この親子の行く手に待つものは➡ 524 00:47:56,128 --> 00:48:01,128 やはり 冥府魔道の刺客業しかない> 525 00:48:11,076 --> 00:48:17,082 <「柳生草術五車」 己の心の動きを 顔に表さぬ 不動不乱の術> 526 00:48:17,082 --> 00:48:20,085 <この術を使う男 月玉> 527 00:48:20,085 --> 00:48:26,091 <烈堂は 柳生の宿敵 拝一刀に この月玉を差し向けた> 528 00:48:26,091 --> 00:48:31,096 <闇の中で じっと待つ 一刀 獣のように迫る 月玉> 529 00:48:31,096 --> 00:48:35,096 <次週は 萬屋錦之介 中村賀津雄 兄弟で送る…>