1 00:02:10,112 --> 00:02:12,114 <小高い丘の 城跡の・ 2 00:02:12,114 --> 00:02:15,117 崩れかけた あずまやで・ 3 00:02:15,117 --> 00:02:19,121 その子は 父を待っていた> 4 00:02:19,121 --> 00:02:21,123 <この日の 朝には・ 5 00:02:21,123 --> 00:02:23,125 帰るはずの父であった> 6 00:02:23,125 --> 00:02:28,130 <それが 3つ目の朝となり 4つ目の夜が来て・ 7 00:02:28,130 --> 00:02:31,133 5つ目の朝が雨だった> 8 00:02:31,133 --> 00:02:51,153 ・~ 9 00:02:51,153 --> 00:03:11,106 ・~ 10 00:03:11,106 --> 00:03:31,126 ・~ 11 00:03:31,126 --> 00:03:51,146 ・~ 12 00:03:51,146 --> 00:03:57,146 ・~ 13 00:04:02,091 --> 00:04:06,095 <阿部怪異によって開かれた 水門のため・ 14 00:04:06,095 --> 00:04:11,100 江戸市中は 水没の危険にさらされ・ 15 00:04:11,100 --> 00:04:17,106 その危機を察した長崎屋清衛門 拝一刀 柳生烈堂は・ 16 00:04:17,106 --> 00:04:22,111 今 その濁流を防ぐために 急いでいた> 17 00:04:22,111 --> 00:04:25,114 <江戸を救う手だては ただ一つ> 18 00:04:25,114 --> 00:04:30,119 <拝一刀が 命を懸けて手に入れた 投擲雷をもって・ 19 00:04:30,119 --> 00:04:33,122 新川土手の片側を爆破し・ 20 00:04:33,122 --> 00:04:36,125 たとえ 両国一帯は水没しようとも・ 21 00:04:36,125 --> 00:04:43,125 大半の江戸の町を救うためには それより他に 手だてがなかった> 22 00:04:45,134 --> 00:04:47,136 <そのころ・ 23 00:04:47,136 --> 00:04:51,140 独り 八丁河岸に残されていた 大五郎は> 24 00:04:51,140 --> 00:04:54,140 (大五郎)ちゃーん! 25 00:04:56,145 --> 00:05:00,145 ちゃーん! 26 00:05:09,091 --> 00:05:13,095 <それは 父の刀であった> 27 00:05:13,095 --> 00:05:16,098 <だが 父の姿は そこにはなく・ 28 00:05:16,098 --> 00:05:21,103 ただ 刀だけが この荒野に突き立っていた> 29 00:05:21,103 --> 00:05:25,107 <そして もう一本のそれが・ 30 00:05:25,107 --> 00:05:29,111 柳生烈堂の物であることに 気付くのも・ 31 00:05:29,111 --> 00:05:32,114 さしたる時はいらなかった> 32 00:05:32,114 --> 00:05:37,114 <その刀には 血のりの痕はなかった> 33 00:05:39,121 --> 00:05:41,123 <ということは・ 34 00:05:41,123 --> 00:05:47,129 父が生きているということの 証左であることを知る子であった> 35 00:05:47,129 --> 00:05:52,134 <だが 投擲雷がなくなっている> 36 00:05:52,134 --> 00:06:12,087 ・~ 37 00:06:12,087 --> 00:06:32,107 ・~ 38 00:06:32,107 --> 00:06:42,117 ・~ 39 00:06:42,117 --> 00:06:45,117 ちゃーん! 40 00:06:47,122 --> 00:06:51,126 (仙太) おい 何してる 早く来い!・ 41 00:06:51,126 --> 00:06:54,126 早く逃げねえと 土手が切れる 溺れて死んでしまうぞ 42 00:06:57,065 --> 00:07:00,068 (仙太)どこの子だ うちの人は どうした 43 00:07:00,068 --> 00:07:02,070 はぐれたのか 44 00:07:02,070 --> 00:07:04,072 こんな小さな子供 置いてきぼりにして 45 00:07:04,072 --> 00:07:06,072 さあ 早く乗るんだ 46 00:07:10,078 --> 00:07:12,078 しっかり つかまってるんだぞ 47 00:07:16,084 --> 00:07:18,086 みんな あの向こうの住吉山だ 48 00:07:18,086 --> 00:07:20,088 あそこなら 土手が切れても大丈夫だ 49 00:07:20,088 --> 00:07:22,088 お前のうちの人も あそこだろう 50 00:07:29,097 --> 00:07:31,099 しかし 今どき 水門を開けるなんて・ 51 00:07:31,099 --> 00:07:33,101 一体 どこの大ばか野郎が! 52 00:07:33,101 --> 00:07:53,121 ・~ 53 00:07:53,121 --> 00:08:03,121 ・~ 54 00:08:05,067 --> 00:08:10,072 (清衛門)拝様 ここでは まだ 河口に近すぎて 55 00:08:10,072 --> 00:08:12,072 (一刀)よし 運ぶのだ 56 00:08:19,081 --> 00:08:21,081 長崎屋 57 00:08:25,087 --> 00:08:30,092 大事ないか (清衛門)な… 何これしきの 58 00:08:30,092 --> 00:08:33,095 長崎屋 59 00:08:33,095 --> 00:08:38,100 (清衛門)お… 拝様 私には お構いなく 早く! 60 00:08:38,100 --> 00:08:41,103 (清衛門)程なく 満潮時でございますぞ 拝様 61 00:08:41,103 --> 00:08:46,108 今 この左右の土手が切れれば 江戸全体は 水の中 62 00:08:46,108 --> 00:08:48,110 お願いでござりまする 63 00:08:48,110 --> 00:08:54,110 お二人の力で 何とぞ この江戸を 64 00:08:56,118 --> 00:09:00,055 (清衛門)何とぞ 何とぞ! 65 00:09:00,055 --> 00:09:04,059 (烈堂)町人ながら 武士も及ばぬ覚悟 見事だ 66 00:09:04,059 --> 00:09:09,059 その町人に 我らが 後れを取っては 恥辱ぞ 67 00:09:19,074 --> 00:09:22,077 あの土手の曲がりはなまでだ 68 00:09:22,077 --> 00:09:42,097 ・~ 69 00:09:42,097 --> 00:10:02,050 ・~ 70 00:10:02,050 --> 00:10:07,055 ・~ 71 00:10:07,055 --> 00:10:12,060 <彼らも 今や 人ではなかった> 72 00:10:12,060 --> 00:10:18,066 <まさに それは おおかみであり 老いたりとはいえ 虎であった> 73 00:10:18,066 --> 00:10:38,086 ・~ 74 00:10:38,086 --> 00:10:51,099 ・~ 75 00:10:51,099 --> 00:10:55,103 5つ数える間しかない 先に行けい 烈堂 76 00:10:55,103 --> 00:10:58,039 (烈堂) 地獄へ行くに 後先もあるまい 77 00:10:58,039 --> 00:11:01,042 死ぬるなよ 烈堂 78 00:11:01,042 --> 00:11:04,042 (烈堂)うぬこそ 生きておれい 79 00:11:26,067 --> 00:11:30,071 (爆発音) 80 00:11:30,071 --> 00:11:33,074 あっ 坊主 おい どこへ行く おい 81 00:11:33,074 --> 00:11:35,074 危ねえぞ! 82 00:11:45,086 --> 00:11:51,092 (仙太) おい 坊主 危ないぞ! おい! 83 00:11:51,092 --> 00:11:53,094 (爆発音) 84 00:11:53,094 --> 00:11:55,096 (仙太)危ない! 85 00:11:55,096 --> 00:12:15,116 ・~ 86 00:12:15,116 --> 00:12:35,116 ・~ 87 00:13:01,096 --> 00:13:16,111 ・~ 88 00:13:16,111 --> 00:13:18,113 (烈堂)《何ということだ》・ 89 00:13:18,113 --> 00:13:24,119 《我が手に 一刀の命に 等しきものを抱き取ろうとは》・ 90 00:13:24,119 --> 00:13:27,119 《まさに 奇しき》 91 00:13:53,148 --> 00:13:56,151 《阿部監物殿の お血筋ともあれば・ 92 00:13:56,151 --> 00:14:01,151 この かばね 捨てておくわけにも》 93 00:14:21,109 --> 00:14:28,116 頼む あの者も 回向を頼めまいか (辰次)へい そりゃ・ 94 00:14:28,116 --> 00:14:32,120 1人埋めるも 2人埋めるも 同じことでごぜえやすから 95 00:14:32,120 --> 00:14:35,123 頼む よしなに 96 00:14:35,123 --> 00:14:38,126 (辰次)あの… お墓には 何と 97 00:14:38,126 --> 00:14:44,132 阿部頼母… 阿部頼母 98 00:14:44,132 --> 00:14:48,136 (辰次)あの… お侍さんのお名前は? 99 00:14:48,136 --> 00:14:50,138 拝一刀 100 00:14:50,138 --> 00:15:03,084 ・~ 101 00:15:03,084 --> 00:15:09,090 《大五郎 生きておれよ 父も生きて ここにあり》 102 00:15:09,090 --> 00:15:12,093 《これより 立ち戻る》 103 00:15:12,093 --> 00:15:26,107 ・~ 104 00:15:26,107 --> 00:15:28,109 (烈堂)《この わしが・ 105 00:15:28,109 --> 00:15:35,116 柳生烈堂が 宿敵の子を手に抱くか》 106 00:15:35,116 --> 00:15:55,136 ・~ 107 00:15:55,136 --> 00:16:04,078 ・~ 108 00:16:04,078 --> 00:16:07,081 (烈堂)誰かある!・ 109 00:16:07,081 --> 00:16:11,081 戻ったぞ! 誰かある! 110 00:16:19,093 --> 00:16:22,096 (松野)御前様! (おいく)まあ おけがを 111 00:16:22,096 --> 00:16:25,099 (松野)その子は? (烈堂)わしは大事ないわ・ 112 00:16:25,099 --> 00:16:29,103 六斎を呼べ この子の手当てを (松野)はい 113 00:16:29,103 --> 00:16:31,103 (烈堂)早う 114 00:16:48,122 --> 00:16:50,122 (辰次)もう いいだろう 115 00:16:52,126 --> 00:16:54,126 (辰次)重そうだな 116 00:16:59,067 --> 00:17:02,070 (辰次)出た! ああ… 出た! 117 00:17:02,070 --> 00:17:06,074 (おびえる声) (男性)動いた! 118 00:17:06,074 --> 00:17:08,076 (頼母のくしゃみ) 119 00:17:08,076 --> 00:17:12,076 (頼母)ああ 寒… ああ寒い! 120 00:17:15,083 --> 00:17:18,086 (頼母)ああ 寒う・ 121 00:17:18,086 --> 00:17:20,086 ここは… 122 00:17:23,091 --> 00:17:28,096 (頼母)地獄か? それとも… 123 00:17:28,096 --> 00:17:33,101 (辰次)まだ生きてる (頼母)誰じゃ 何者じゃ 124 00:17:33,101 --> 00:17:36,104 (辰次)わしら ここの墓守でございます 125 00:17:36,104 --> 00:17:43,111 (頼母)墓守? ああ そうか 墓守 126 00:17:43,111 --> 00:17:46,114 わしゃ 助かったのか ハハハ… 127 00:17:46,114 --> 00:17:52,120 わしゃ 助かっただ! ハハハ… 128 00:17:52,120 --> 00:17:57,058 とにかく おい 墓守 いや とにかく寒うて かなわん 129 00:17:57,058 --> 00:18:02,058 酒はないのか? 般若湯持ってこい 般若湯! 130 00:18:15,076 --> 00:18:19,080 (頼母)ハハハ… しかし 何だの・ 131 00:18:19,080 --> 00:18:24,085 このわしが 死んだと思うて 埋めようとしていたとはな・ 132 00:18:24,085 --> 00:18:29,085 アハハ… 133 00:18:36,097 --> 00:18:40,101 (頼母)わしは めったなことでは くたばらんわい 134 00:18:40,101 --> 00:18:44,101 あのとき 濁流にのまれた瞬間に… 135 00:18:50,111 --> 00:18:53,114 (頼母) わしは 最後の力を振り絞って・ 136 00:18:53,114 --> 00:18:56,117 我が秘薬 蘇毒をのんだ・ 137 00:18:56,117 --> 00:19:02,056 あれさえのめば 生きながら 死んだも同然のありさまとなる 138 00:19:02,056 --> 00:19:07,061 そうなれば 水を飲むことも 溺れることもない 139 00:19:07,061 --> 00:19:10,064 これぞ 我が秘術 毒流れの業じゃ 140 00:19:10,064 --> 00:19:14,068 ハハハ… 141 00:19:14,068 --> 00:19:18,072 しかして 毒は消え去り かくのごとく 蘇生しえたり 142 00:19:18,072 --> 00:19:23,077 フハハ…・ 143 00:19:23,077 --> 00:19:27,081 ところで このわしを ここまで運んでくれたは・ 144 00:19:27,081 --> 00:19:29,083 そも 何人じゃ 145 00:19:29,083 --> 00:19:34,088 (辰次)それが 拝一刀とおっしゃる 146 00:19:34,088 --> 00:19:39,093 拝一刀が!? た… 助けてくれ!・ 147 00:19:39,093 --> 00:19:45,093 お… 拝一刀が ここにおるのか! 助けてくれ! 148 00:19:51,105 --> 00:19:55,109 (六斎)投薬いたしましたなれば 朝までには 熱も下がりましょう・ 149 00:19:55,109 --> 00:19:57,045 ただ… (烈堂)ただ? 150 00:19:57,045 --> 00:20:01,049 (六斎)水に流された際に 受けたとみえる 手足の傷・ 151 00:20:01,049 --> 00:20:04,052 これが うまねば よろしゅうございますが・ 152 00:20:04,052 --> 00:20:10,058 では 明日また参りますが この飲み薬を 日に3度・ 153 00:20:10,058 --> 00:20:14,062 それから これを 朝夕 傷口に塗るように 154 00:20:14,062 --> 00:20:19,067 (松野)かしこまりました (六斎)では 明日 夕刻にでも また 155 00:20:19,067 --> 00:20:23,067 待て 六斎 話がある 156 00:20:25,073 --> 00:20:28,076 屋敷の者を全て集めるように 157 00:20:28,076 --> 00:20:32,080 皆に 伝えておきたいことがあるのでな 158 00:20:32,080 --> 00:20:38,086 (おいく)えっ? では 兄は (烈堂)死んだ・ 159 00:20:38,086 --> 00:20:42,090 松野 お前の弟も・ 160 00:20:42,090 --> 00:20:47,095 六斎 おいの東馬も倒されたぞ・ 161 00:20:47,095 --> 00:20:50,098 他にも ゆかりの者もおろう・ 162 00:20:50,098 --> 00:20:56,104 だが 皆 柳生の門弟は死んだ・ 163 00:20:56,104 --> 00:20:59,104 生き残ったは わし一人じゃ 164 00:21:09,050 --> 00:21:15,056 (烈堂)だが 拝一刀は 恐らく まだ生きておる・ 165 00:21:15,056 --> 00:21:18,059 あの一刀が生きておるかぎり・ 166 00:21:18,059 --> 00:21:23,059 わしは たとえ 一人になろうとも 雌雄を決する覚悟ぞ 167 00:21:25,066 --> 00:21:27,068 (六斎)御前様 私どもは・ 168 00:21:27,068 --> 00:21:30,071 たとえ 刀を取ることはできずとも・ 169 00:21:30,071 --> 00:21:32,073 同じ覚悟でございます 170 00:21:32,073 --> 00:21:39,080 (烈堂)いや 六斎 お前たちは 柳生の里へ帰るのだ 171 00:21:39,080 --> 00:21:41,082 (松野)なぜでございます 172 00:21:41,082 --> 00:21:44,085 これ以上 一門の命を失うことは… 173 00:21:44,085 --> 00:21:49,090 (おいく)御前様 拝一刀は 兄の敵でございます・ 174 00:21:49,090 --> 00:21:52,093 たとえ 力 及ばずとも せめて 一太刀・ 175 00:21:52,093 --> 00:21:55,096 お願いでございます (烈堂)ならぬ 176 00:21:55,096 --> 00:21:58,099 無為に命を失うな 177 00:21:58,099 --> 00:22:02,103 お前たちは 亡くなった者のためにも・ 178 00:22:02,103 --> 00:22:05,103 柳生の里へ帰るのだ 179 00:22:07,108 --> 00:22:09,110 (烈堂)そうせねば・ 180 00:22:09,110 --> 00:22:14,115 誰が 今は亡き者たちを回向する?・ 181 00:22:14,115 --> 00:22:16,115 そうであろう 六斎 182 00:22:25,126 --> 00:22:28,129 そうであろうが 松野 183 00:22:28,129 --> 00:22:30,129 (松野)はい 184 00:22:32,133 --> 00:22:38,139 よいな 柳生の里へ戻れ 185 00:22:38,139 --> 00:22:42,139 そして 亡き者たちの回向を末長く 186 00:22:44,145 --> 00:22:46,147 (六斎) 御前様は いかがなさります・ 187 00:22:46,147 --> 00:22:48,149 一人残らず去りますれば・ 188 00:22:48,149 --> 00:22:52,153 お身回りの お世話さえ する者が何にも… 189 00:22:52,153 --> 00:22:55,156 よいのだ 190 00:22:55,156 --> 00:22:58,156 雌雄を決する日は遠くない 191 00:23:03,097 --> 00:23:07,097 恐らく 遅くも一両日 192 00:23:10,104 --> 00:23:12,104 さらばじゃ 193 00:24:23,110 --> 00:24:26,113 (烈堂)《雨だれよ》・ 194 00:24:26,113 --> 00:24:30,117 《なんじは たがために涙するや》・ 195 00:24:30,117 --> 00:24:38,125 《その涙は 今ついえんとする 柳生への惜別か・ 196 00:24:38,125 --> 00:24:41,128 はたまた 哀れみか》・ 197 00:24:41,128 --> 00:24:47,134 《天下 六十余州に 剣名をはせた裏柳生》・ 198 00:24:47,134 --> 00:24:54,134 《その力をもって歩みし柳生も 残るは わし一人》 199 00:25:02,083 --> 00:25:06,087 (烈堂) 《わしが 最後の一人となった》・ 200 00:25:06,087 --> 00:25:10,087 《だが 涙は まだ早い》 201 00:25:41,122 --> 00:25:44,125 <においがあった> 202 00:25:44,125 --> 00:25:49,130 <水へ落ちたあと ずっと その においに包まれていた> 203 00:25:49,130 --> 00:25:53,134 <それは 父とは違う においであり・ 204 00:25:53,134 --> 00:25:57,071 樹齢300年余の 杉の木のような においであった> 205 00:25:57,071 --> 00:26:14,088 ・~ 206 00:26:14,088 --> 00:26:19,093 <そして その においは 敵のにおい> 207 00:26:19,093 --> 00:26:21,095 <この においこそ・ 208 00:26:21,095 --> 00:26:26,100 父と己の 不倶戴天の敵のにおい> 209 00:26:26,100 --> 00:26:33,100 <そして 今 己が その敵の 手中にあることを知る子であった> 210 00:27:46,113 --> 00:27:49,113 熱は下がったようじゃの 211 00:27:51,118 --> 00:27:53,120 待て 212 00:27:53,120 --> 00:27:58,058 そなたは 刀を見なかったのか? 213 00:27:58,058 --> 00:28:01,061 父の刀と わしの刀 214 00:28:01,061 --> 00:28:05,061 それが 河原に突き立っていたはずじゃ 215 00:28:08,068 --> 00:28:11,071 見たか 216 00:28:11,071 --> 00:28:13,073 そうか 217 00:28:13,073 --> 00:28:19,073 あれはな まだ分かるまいが 侍の約束事じゃ 218 00:28:22,082 --> 00:28:28,088 あれには 2つの意味がある その一つは・ 219 00:28:28,088 --> 00:28:33,093 再び あの刀を 引き抜くときが来るまでは 争わぬ 220 00:28:33,093 --> 00:28:38,098 つまり その間の和睦を意味するのじゃ 221 00:28:38,098 --> 00:28:40,100 分かるな? 222 00:28:40,100 --> 00:28:42,102 いま一つは・ 223 00:28:42,102 --> 00:28:47,107 命あるかぎり 必ず あの場所に立ち戻り・ 224 00:28:47,107 --> 00:28:53,113 再び 雌雄を決するという 無言の約束じゃ 225 00:28:53,113 --> 00:28:57,051 されば そなたの父は 必ずや あの場所に立ち戻る 226 00:28:57,051 --> 00:28:59,053 わしもだ 227 00:28:59,053 --> 00:29:02,056 分かるな? 228 00:29:02,056 --> 00:29:09,063 そのときは 必ず連れてゆく それまでは ここで待て 229 00:29:09,063 --> 00:29:12,063 これも わしが 侍として約束しよう 230 00:29:19,073 --> 00:29:23,073 そうか 分かったようじゃの 231 00:29:25,079 --> 00:29:28,082 これへ参れ 232 00:29:28,082 --> 00:29:30,082 来い 233 00:29:41,095 --> 00:29:45,095 恐ろしゅうはないのか? わしが 234 00:29:47,101 --> 00:29:52,106 わしはな いかなる手段を用いても・ 235 00:29:52,106 --> 00:29:55,106 そなたらを殺せと 命じ続けてきたのじゃ 236 00:29:57,044 --> 00:30:00,047 そなたを人質に取らば・ 237 00:30:00,047 --> 00:30:05,047 一刀めは 手も足も出まいと 思うたこともあった 238 00:30:08,055 --> 00:30:14,055 その そなたが 今 こうして ここにおる 239 00:30:16,063 --> 00:30:18,063 えにしじゃのう 240 00:30:20,067 --> 00:30:26,067 しかし やはり わしは そなたを殺すことになろう 241 00:30:28,075 --> 00:30:31,075 そなたの父を斬った そのあとでな 242 00:30:35,082 --> 00:30:39,086 その 澄み切った死生眼 243 00:30:39,086 --> 00:30:42,086 加うるに その胆力 244 00:30:44,091 --> 00:30:50,097 生かしておいては いずれ 柳生に あだをなそう 245 00:30:50,097 --> 00:30:53,097 父にも増した力としてな 246 00:30:55,102 --> 00:31:01,041 よいか 覚悟せよ 247 00:31:01,041 --> 00:31:08,048 そなたの命は 必ず このわしが申し受ける 248 00:31:08,048 --> 00:31:10,048 必ずな! 249 00:31:33,073 --> 00:31:37,077 《いずこに 大五郎》 250 00:31:37,077 --> 00:31:40,080 《父は ここぞ》 251 00:31:40,080 --> 00:32:00,100 ・~ 252 00:32:00,100 --> 00:32:20,120 ・~ 253 00:32:20,120 --> 00:32:40,140 ・~ 254 00:32:40,140 --> 00:33:00,093 ・~ 255 00:33:00,093 --> 00:33:05,093 ・~ 256 00:33:13,106 --> 00:33:18,111 礼を言うぞ それには及ばぬ 257 00:33:18,111 --> 00:33:22,111 大五郎は預かっておる 無事じゃ 258 00:33:24,117 --> 00:33:26,117 かたじけない 259 00:33:39,132 --> 00:33:43,136 明… 午の刻に 260 00:33:43,136 --> 00:33:46,136 明… 午の刻 261 00:33:58,085 --> 00:34:18,105 ・~ 262 00:34:18,105 --> 00:34:20,107 ・~ 263 00:34:20,107 --> 00:34:24,111 フフフ… そういうことか 264 00:34:24,111 --> 00:34:31,118 命あらば 再び相まみえ 雌雄を決せんという約束か ハッ 265 00:34:31,118 --> 00:34:34,121 それは まあ よいとして・ 266 00:34:34,121 --> 00:34:38,125 このわしは どうすればよいか 267 00:34:38,125 --> 00:34:42,129 ここは いちばん じっくりと考えねばな 268 00:34:42,129 --> 00:34:46,133 二度と しくじりは許されぬぞ 269 00:34:46,133 --> 00:34:51,138 あの2人が戦えば どちらかが倒れる・ 270 00:34:51,138 --> 00:34:54,141 必ず どちらかがな 271 00:34:54,141 --> 00:34:59,079 例えば 烈堂が勝つとするか 272 00:34:59,079 --> 00:35:04,084 しかし これは始末に終えぬぞ 273 00:35:04,084 --> 00:35:10,090 あの老いぼれには わしの毒術は さっぱり効かぬ 274 00:35:10,090 --> 00:35:16,096 それに あやつは わしが白状させられた血書を… 275 00:35:16,096 --> 00:35:20,100 それ故に この水害が 柳生烈堂のせいであると・ 276 00:35:20,100 --> 00:35:24,104 上様に申し立てるには… 277 00:35:24,104 --> 00:35:26,104 とすると… 278 00:35:28,108 --> 00:35:32,112 逆に 拝一刀が勝ち・ 279 00:35:32,112 --> 00:35:36,116 あやつが生き残ったとすれば… 280 00:35:36,116 --> 00:35:48,128 ・~ 281 00:35:48,128 --> 00:35:50,130 (頼母)うわーっ! 助けてくれ!・ 282 00:35:50,130 --> 00:35:56,136 あやつは 烈堂以上に わしが 手も足も出せぬ相手じゃ 283 00:35:56,136 --> 00:36:00,073 だがな このままでは わしは切腹 284 00:36:00,073 --> 00:36:03,076 わしの命は… 285 00:36:03,076 --> 00:36:08,081 何とかして あの2人が この世から いなくなる手だては… 286 00:36:08,081 --> 00:36:12,085 そうじゃ もし 2人が 相打ちにでもなってくれば 287 00:36:12,085 --> 00:36:17,090 相打ち! そうじゃ そうじゃ 288 00:36:17,090 --> 00:36:22,095 相打ちになるということが ないでもないぞ 289 00:36:22,095 --> 00:36:26,099 あの2人が 同時に この世から消えてくれれば 290 00:36:26,099 --> 00:36:28,101 これに越したことはない 291 00:36:28,101 --> 00:36:34,107 相打ち… 相打ち どうすれば 相打ちに 292 00:36:34,107 --> 00:36:38,111 この刀と この刀が斬り合って・ 293 00:36:38,111 --> 00:36:44,117 相打ちになるには… ハハハ… 294 00:36:44,117 --> 00:36:48,121 なんと このように たやすいことが 今まで アハハ… 295 00:36:48,121 --> 00:36:52,125 この2人の刀に 毒を塗ればよいではないか 296 00:36:52,125 --> 00:36:56,129 なんと たやすいこと! アハハ… 297 00:36:56,129 --> 00:37:00,067 その刀 毒薬使いの わしの目の前にある 298 00:37:00,067 --> 00:37:04,071 天佑神助とは まさに このことじゃ アハハ… 299 00:37:04,071 --> 00:37:08,075 わしの 何という運の強さであろうか 300 00:37:08,075 --> 00:37:14,081 まさしく 烈堂 一刀は 天下に隠れもなき 剣の手だれ 301 00:37:14,081 --> 00:37:19,086 あの2人が立ち合えば 手傷を負わぬはずはない 302 00:37:19,086 --> 00:37:22,089 さすれば 2人の白刃に毒薬を塗れば・ 303 00:37:22,089 --> 00:37:25,092 毒が回って 2人とも死ぬ! 304 00:37:25,092 --> 00:37:29,096 2人は 一緒に死ぬ! まさしく相打ちじゃ! 305 00:37:29,096 --> 00:37:34,101 2人は 一緒に死ぬのじゃ! アハハ… 306 00:37:34,101 --> 00:37:37,104 よし フフッ 307 00:37:37,104 --> 00:37:43,110 ・ ねんねこ さいころ 毒屋の子 308 00:37:43,110 --> 00:37:48,115 ・ 杯もてこい 毒のましょ… 309 00:37:48,115 --> 00:37:53,120 ・ 杯もてこい 毒のましょ 310 00:37:53,120 --> 00:37:58,058 ・ 毒は苦うて よう のまぬ 311 00:37:58,058 --> 00:38:03,063 ・ お乳は甘うて のめるけど 312 00:38:03,063 --> 00:38:10,070 ・ ねんねん さいころ 毒屋の子 313 00:38:10,070 --> 00:38:16,076 ・ 杯もてこい 毒のましょ 314 00:38:16,076 --> 00:38:22,082 ・ 毒は苦うて よう のまぬ 315 00:38:22,082 --> 00:38:28,088 ・ ひと塗り ふた塗り さんに塗り 316 00:38:28,088 --> 00:38:35,095 ・ 死塗りで天下は わしのもの 317 00:38:35,095 --> 00:38:38,098 フフフ… 318 00:38:38,098 --> 00:38:42,102 既に裏柳生なく 黒くわなく・ 319 00:38:42,102 --> 00:38:46,106 やがて 烈堂 一刀もなく・ 320 00:38:46,106 --> 00:38:50,110 ここに 幕府の陰の力となるは・ 321 00:38:50,110 --> 00:38:53,113 唇役 阿部怪異 322 00:38:53,113 --> 00:38:57,050 ハハハ… 323 00:38:57,050 --> 00:39:01,054 世の中は変わるのじゃ 324 00:39:01,054 --> 00:39:07,060 今に わしが天下を握るぞ ハハハ… 325 00:39:07,060 --> 00:39:12,065 裏柳生に代わり 幕閣に代わり… 326 00:39:12,065 --> 00:39:16,065 ハハハ… 327 00:39:19,072 --> 00:39:21,074 侍に あらざるゆえ・ 328 00:39:21,074 --> 00:39:27,080 斬るにも値せぬと言われた このわしが 329 00:39:27,080 --> 00:39:32,085 どこの誰の 種とも分からぬ子と言われ・ 330 00:39:32,085 --> 00:39:35,085 不浄な生まれの このわしが… 331 00:39:38,091 --> 00:39:41,091 ざまあ見やがれ! 332 00:39:44,097 --> 00:39:46,099 この げせんな言葉を・ 333 00:39:46,099 --> 00:39:49,102 一度でもいいから 言うてみたかった 334 00:39:49,102 --> 00:39:55,108 侍の子ではない このわしに ぴったりの この言葉を 335 00:39:55,108 --> 00:39:59,108 くそ ざまあ見やがれ! 336 00:40:02,048 --> 00:40:06,052 烈堂や 一刀は 口が裂けても こうは言えまい 337 00:40:06,052 --> 00:40:13,059 だが わしは言えるぞ ざまあ見ろ 烈堂! 338 00:40:13,059 --> 00:40:16,059 くたばれ 一刀! 339 00:40:18,064 --> 00:40:24,064 ざまあ見ろ! ざまあ見ろ! 340 00:40:26,072 --> 00:40:28,072 ざまあ見… 341 00:41:03,043 --> 00:41:06,043 ちゃーん! 342 00:41:11,051 --> 00:41:13,051 ちゃーん! 343 00:41:15,055 --> 00:41:17,057 ちゃーん! 344 00:41:17,057 --> 00:41:37,077 ・~ 345 00:41:37,077 --> 00:41:57,097 ・~ 346 00:41:57,097 --> 00:42:17,117 ・~ 347 00:42:17,117 --> 00:42:34,134 ・~ 348 00:42:34,134 --> 00:42:37,137 始まったぞ 始まったぞ 349 00:42:37,137 --> 00:42:41,137 まさに 天下分け目の対決じゃ 350 00:42:48,148 --> 00:42:52,152 (頼母)ハハッ これぞ まさしく 高見の見物 351 00:42:52,152 --> 00:42:55,155 はてさて どちらに加勢… 声を掛けたらよいものか 352 00:42:55,155 --> 00:42:59,092 アハハ… 353 00:42:59,092 --> 00:43:03,096 死ね! 死ね 烈堂! 354 00:43:03,096 --> 00:43:06,099 死ね 一刀! 死ね! 355 00:43:06,099 --> 00:43:11,104 ヘヘッ やはり 両方に声を掛けてやらねばな 356 00:43:11,104 --> 00:43:15,108 死ね 烈堂! 死ね 一刀! 357 00:43:15,108 --> 00:43:18,111 死ね! あっ! 358 00:43:18,111 --> 00:43:21,114 わ… わしが死んでたまるか ハハハ… 359 00:43:21,114 --> 00:43:25,114 死ね! 死ね! 360 00:44:14,100 --> 00:44:19,105 あっ! 構えが変わったぞ 361 00:44:19,105 --> 00:44:39,125 ・~ 362 00:44:39,125 --> 00:44:59,078 ・~ 363 00:44:59,078 --> 00:45:14,093 ・~ 364 00:45:14,093 --> 00:45:18,097 水鴎流 竜尾 365 00:45:18,097 --> 00:45:38,117 ・~ 366 00:45:38,117 --> 00:45:58,071 ・~ 367 00:45:58,071 --> 00:46:03,076 ・~ 368 00:46:03,076 --> 00:46:06,079 柳生流 一刀両断 369 00:46:06,079 --> 00:46:26,099 ・~ 370 00:46:26,099 --> 00:46:29,102 ・~ 371 00:46:29,102 --> 00:46:32,102 水鴎流 波切りの太刀か 372 00:46:36,109 --> 00:46:38,111 (烈堂)フフフ…・ 373 00:46:38,111 --> 00:46:42,115 もそっと深みへ誘い込まれれば・ 374 00:46:42,115 --> 00:46:47,120 うぬが術中に 落ちたであろうがのう 来い! 375 00:46:47,120 --> 00:47:07,073 ・~ 376 00:47:07,073 --> 00:47:16,082 ・~ 377 00:47:16,082 --> 00:47:19,085 <死闘は続いた> 378 00:47:19,085 --> 00:47:23,085 <それは いつ果てるともない死闘であった> 379 00:47:26,092 --> 00:47:31,097 <そして その日は 既に暮れようとしていた> 380 00:47:31,097 --> 00:47:43,097 ・~ 381 00:47:48,114 --> 00:47:50,116 <再び やいばを合わせた2人> 382 00:47:50,116 --> 00:47:53,119 <血を吐き へどを吐き 心と技と・ 383 00:47:53,119 --> 00:47:57,056 そして 体力の限りを尽くしての 死闘が続く> 384 00:47:57,056 --> 00:48:01,060 <おおかみと 虎… いずれが生き残るや> 385 00:48:01,060 --> 00:48:03,062 <大五郎の行く手は 生か死か> 386 00:48:03,062 --> 00:48:07,066 <ひそかに ほくそ笑む怪物 阿部頼母> 387 00:48:07,066 --> 00:48:09,066 <次回…> 388 00:54:04,256 --> 00:54:05,124 389 00:54:05,124 --> 00:54:09,128 「時代劇専門チャンネル」の 全てが分かる番組情報誌 390 00:54:09,128 --> 00:54:11,128 『時代劇専門チャンネルガイド』 391 00:54:17,136 --> 00:54:19,138 番組表・コラム 392 00:54:19,138 --> 00:54:23,142 時代劇クロスワードなど読み応え十分! 393 00:54:23,142 --> 00:54:25,142 更に… 394 00:54:28,147 --> 00:54:30,147 いま お問い合わせ いただくと… 395 00:54:58,177 --> 00:55:00,179 そして もうひとつは ホームページ 396 00:55:00,179 --> 00:55:03,179 お申し込み お待ちしております