1 00:00:34,030 --> 00:00:49,830 ♬~ 2 00:00:54,417 --> 00:00:57,620 おいおい 長屋住まいだって いうじゃねえか 花嫁はさ。 3 00:00:57,620 --> 00:01:00,323 本当かい? どうでも もらってくれなきゃ➡ 4 00:01:00,323 --> 00:01:04,861 首くくるって言ったそうだぜ 若旦那の清太郎がよ。 5 00:01:04,861 --> 00:01:07,163 そんなにいい女なのかい? らしいぜ。 6 00:01:07,163 --> 00:01:09,699 (男1)ケチであこぎな 武蔵屋さんも➡ 7 00:01:09,699 --> 00:01:12,602 伜には甘いって訳か。 8 00:01:12,602 --> 00:01:15,038 (男2)まあまあ まあまあ いいじゃねえか。➡ 9 00:01:15,038 --> 00:01:18,675 振る舞い酒も頂けるんだからよ。 (一同)おう! ハハハ…。 10 00:01:18,675 --> 00:01:20,677 置いとくよ。 おう ありがとよ。 11 00:01:20,677 --> 00:01:23,579 (清太郎)お千代さんは来る。 絶対に来る。 12 00:01:23,579 --> 00:01:27,679 お千代さんは もう来る。 お千代さんは 来る。 13 00:01:32,155 --> 00:01:36,055 お千代さん 遅いねぇ。 14 00:01:39,829 --> 00:01:41,798 (男1)お千代ちゃん きれいだね。 15 00:01:41,798 --> 00:01:45,435 (男2)お千代ちゃん 一番だねぇ。 16 00:01:45,435 --> 00:01:48,805 (騒ぐ声) 17 00:01:48,805 --> 00:01:50,905 (一同)シーッ! 18 00:01:52,742 --> 00:01:58,214 (お千代)おじさん 長い間 実の娘同様➡ 19 00:01:58,214 --> 00:02:02,085 かわいがって頂いて ありがとうございました。 20 00:02:02,085 --> 00:02:04,085 (治平)うん。 21 00:02:07,657 --> 00:02:14,430 近江屋さん あたしゃ こんな体で 婚礼には出られません。 22 00:02:14,430 --> 00:02:17,734 よろしくお頼み申します。 23 00:02:17,734 --> 00:02:21,504 (吉五郎)はい。 任せて下さい。 24 00:02:21,504 --> 00:02:24,804 では そろそろ。 25 00:02:29,879 --> 00:02:37,620 (男)♬「めでた めでたの」 26 00:02:37,620 --> 00:02:49,232 (男たち)♬「お~ え~ やれ~」 27 00:02:49,232 --> 00:02:51,901 (男)来た来た! 来た来た 来た来た。 28 00:02:51,901 --> 00:03:02,078 ♬~(祝い唄) 29 00:03:02,078 --> 00:03:04,881 (男)おお! お千代さんだ。 おお! 30 00:03:04,881 --> 00:03:10,286 (女1)お美しいですね。 (女2)ねえ 本当。 31 00:03:10,286 --> 00:03:13,489 お千代さん! (清兵衛)これ 清太郎。 32 00:03:13,489 --> 00:03:16,125 武蔵屋さん この近江屋が➡ 33 00:03:16,125 --> 00:03:20,129 お千代の父親代わりという事で 参りました。 34 00:03:20,129 --> 00:03:23,366 近江屋さん ご苦労さまです。 35 00:03:23,366 --> 00:03:25,666 さあ 中へ。 36 00:03:28,938 --> 00:03:32,175 お千代 よく来てくれたねぇ。 37 00:03:32,175 --> 00:03:37,046 若旦那 末永く よろしくお願いします。 38 00:03:37,046 --> 00:03:41,017 頼むのは 私のほうだよ。 ささ。 39 00:03:41,017 --> 00:03:45,721 今日からは この武蔵屋の身代を 預かったんだからね。 40 00:03:45,721 --> 00:03:49,258 身代を預かったって それじゃあ…。 41 00:03:49,258 --> 00:03:52,962 武蔵屋のしきたりでね。 私が嫁をもらったから➡ 42 00:03:52,962 --> 00:03:56,365 おとっつぁんは隠居したのさ。 ほら このとおり➡ 43 00:03:56,365 --> 00:04:01,771 金蔵の鍵も ちゃんと預かったんだよ。 44 00:04:01,771 --> 00:04:06,576 お千代 本当によく来てくれた。 45 00:04:06,576 --> 00:04:15,084 ♬~ 46 00:04:15,084 --> 00:04:18,955 武蔵屋さん ますます繁盛 間違いなし! 47 00:04:18,955 --> 00:04:21,691 お酒 どんどん運んどくれ。 ≪(女)は~い! 48 00:04:21,691 --> 00:04:23,626 頼むよ。 49 00:04:23,626 --> 00:04:28,464 (六之助)三河屋でござい! お酒持ってきたよ。 50 00:04:28,464 --> 00:04:31,367 やあ おめでとうございます。 (おもん)ありがとうよ。 51 00:04:31,367 --> 00:04:33,369 へえ。 52 00:04:33,369 --> 00:04:51,354 ♬~ 53 00:04:51,354 --> 00:04:57,554 お千代 お客も みんな帰ったよ。 54 00:05:02,865 --> 00:05:06,168 お千代。➡ 55 00:05:06,168 --> 00:05:13,476 お千代 待たせてすまなかったね。 56 00:05:13,476 --> 00:05:19,015 あれ? こんな大事な時に➡ 57 00:05:19,015 --> 00:05:26,215 どうして こうも眠いんだろう…。 58 00:05:28,257 --> 00:05:31,060 おやすみ。 59 00:05:31,060 --> 00:05:36,760 (清太郎)もう 飲めない…。 60 00:05:39,101 --> 00:05:44,473 ♬~ 61 00:05:44,473 --> 00:05:47,376 (清太郎)お千代。 62 00:05:47,376 --> 00:05:51,180 しつこい男だ。 フン! 63 00:05:51,180 --> 00:05:53,115 (おもん)お千代ねえさん。 64 00:05:53,115 --> 00:06:16,105 ♬~ 65 00:06:16,105 --> 00:06:19,875 (合図の音) 66 00:06:19,875 --> 00:06:23,279 ♬~ 67 00:06:23,279 --> 00:06:27,149 おもん ご苦労だったな。 68 00:06:27,149 --> 00:06:55,249 ♬~ 69 00:06:57,279 --> 00:08:14,590 ♬~ 70 00:08:14,590 --> 00:08:18,861 <享保の頃 江戸市中は無論の事➡ 71 00:08:18,861 --> 00:08:25,701 関東一円 東海道 中山道 上方に至るまで➡ 72 00:08:25,701 --> 00:08:32,508 各地で 縦横無尽に 盗み働きを していた一味があった。➡ 73 00:08:32,508 --> 00:08:35,444 一人も傷つけず 大金を奪い➡ 74 00:08:35,444 --> 00:08:39,615 雲か霧のように 消えてしまうところから➡ 75 00:08:39,615 --> 00:08:43,419 人呼んで 「雲霧一党」。➡ 76 00:08:43,419 --> 00:08:49,191 その頭の名は 雲霧仁左衛門という> 77 00:08:49,191 --> 00:08:54,391 ♬~ 78 00:08:58,868 --> 00:09:02,268 (男)ご一統 こちらです。 お願いします! 79 00:09:06,475 --> 00:09:08,775 (高瀬俵太郎) 山田様。 80 00:09:14,617 --> 00:09:16,852 お千代が連れていかれた…。 81 00:09:16,852 --> 00:09:23,659 お役人様。 (藤兵衛)手がかり無しだ。 くっ! 82 00:09:23,659 --> 00:09:27,463 清太郎…。 おとっつぁん…。 83 00:09:27,463 --> 00:09:33,636 まさしく 雲か霧のように消えた。 84 00:09:33,636 --> 00:09:36,336 山田様。 うん。 85 00:09:42,244 --> 00:09:45,144 「狐の嫁入り」か。 86 00:09:47,149 --> 00:09:49,685 クソッ! 87 00:09:49,685 --> 00:09:54,123 (政蔵)山田様 近江屋も もぬけの殻でございました。 88 00:09:54,123 --> 00:09:57,927 近江屋? お千代の父親代わりに ついてきたという男か? 89 00:09:57,927 --> 00:10:01,163 (政蔵)へい。 90 00:10:01,163 --> 00:10:04,133 やはり 一味であったか。 91 00:10:04,133 --> 00:10:09,905 清太郎が お千代を見初めたのは 2年前だっていいますぜ。 92 00:10:09,905 --> 00:10:13,742 何! では 2年前から 仕込んでいたというのか!? 93 00:10:13,742 --> 00:10:17,942 (留次郎)七化けのお千代。 94 00:10:20,216 --> 00:10:24,186 七化けのお千代? 95 00:10:24,186 --> 00:10:28,290 (留次郎)おぼこ娘にもなれりゃ 大家の奥方➡ 96 00:10:28,290 --> 00:10:31,860 お中臈から色里の女まで➡ 97 00:10:31,860 --> 00:10:36,332 ぴったり なり切っちまうという うめえ化けっぷりで➡ 98 00:10:36,332 --> 00:10:40,269 誰言うともなく「七化けのお千代」。 99 00:10:40,269 --> 00:10:44,907 ♬~ 100 00:10:44,907 --> 00:10:48,577 お松っつぁん! お千代ねえさん お連れしたぜ。 101 00:10:48,577 --> 00:10:51,146 (お松)あら まあ! 102 00:10:51,146 --> 00:10:55,651 おもんちゃん! 来たよ! ほら おもんちゃんってば! 103 00:10:55,651 --> 00:10:59,521 ヨイショ。 はい ねえさん。 はい そこ どいて どいて。 104 00:10:59,521 --> 00:11:04,026 まあ お千代ちゃん しばらくぶりだね。 105 00:11:04,026 --> 00:11:06,528 お頭が お待ちかねだよ。 106 00:11:06,528 --> 00:11:10,199 おもんちゃん ほら 早く お千代ねえさん ご案内して。 107 00:11:10,199 --> 00:11:12,499 はい どうぞ。 108 00:12:18,701 --> 00:12:23,038 (仁左衛門)お千代 長い間 ご苦労であった。 109 00:12:23,038 --> 00:12:27,543 はい。 当分 ここで ゆっくりするがいい。 110 00:12:27,543 --> 00:12:31,013 はい。 111 00:12:31,013 --> 00:12:34,883 あれから もう 17年か。 112 00:12:34,883 --> 00:12:38,354 えっ? 113 00:12:38,354 --> 00:12:46,462 17年前の今日 馬道の お助け小屋の前で お前を拾った。 114 00:12:46,462 --> 00:12:49,031 ああ。 向こう見ずにも➡ 115 00:12:49,031 --> 00:12:54,670 わしの懐を狙ったお前は まだ 子供であった。 116 00:12:54,670 --> 00:12:58,207 はい。 どこまでも ついてきて➡ 117 00:12:58,207 --> 00:13:01,110 困ったものだ。 118 00:13:01,110 --> 00:13:04,913 おとっつぁんは 火事で焼け死んでしまうし➡ 119 00:13:04,913 --> 00:13:09,251 お助け小屋では 邪魔にされるし。 120 00:13:09,251 --> 00:13:15,190 お頭に拾ってもらって 私は 幸せでございます。 121 00:13:15,190 --> 00:13:18,827 幸せか。 122 00:13:18,827 --> 00:13:22,731 はい。 幸せでございます。 123 00:13:22,731 --> 00:13:25,601 ♬~ 124 00:13:25,601 --> 00:13:32,674 いつの日か お頭が おつとめから 身を引かれたら…。 125 00:13:32,674 --> 00:13:35,477 ♬~ 126 00:13:35,477 --> 00:13:39,081 どうする? 127 00:13:39,081 --> 00:13:45,821 ずっと 私が おそばにいて お頭のお世話を。 128 00:13:45,821 --> 00:13:51,593 ♬~ 129 00:13:51,593 --> 00:13:55,464 (藤兵衛)雲霧仁左衛門とは どんな男だ? 130 00:13:55,464 --> 00:13:57,399 (留次郎)分かりやせん。 131 00:13:57,399 --> 00:14:02,237 雲霧一味にいたお前が知らぬとは どういう事だ? 132 00:14:02,237 --> 00:14:10,646 頭の顔 知ってるのは ほんの一握り。 133 00:14:10,646 --> 00:14:19,888 あっしも 仲間裏切ったからには とことん勤めさして頂きやす。 134 00:14:19,888 --> 00:14:25,388 我らの密偵になったは よい分別だ 鹿伏の留次郎。 135 00:14:28,530 --> 00:14:32,734 ああ 嫌えだよ。 大嫌えだ 女なんか! 136 00:14:32,734 --> 00:14:35,704 何だよ!? いきなり。 えっ!? 137 00:14:35,704 --> 00:14:41,109 因果小僧六之助が女嫌い? 笑わすんじゃないよ! 138 00:14:41,109 --> 00:14:43,409 嘘じゃねえよ。 139 00:14:46,715 --> 00:14:51,553 ああ! どうして 女ってのは みんな面倒なんだろうな? 140 00:14:51,553 --> 00:14:54,223 小頭に聞いてみたらどうだい? 141 00:14:54,223 --> 00:14:57,125 小頭は 物知りだからね。 142 00:14:57,125 --> 00:15:01,597 私の勘じゃ 以前は れっきとしたお侍だ…。 143 00:15:01,597 --> 00:15:05,897 おとっつぁん。 (六之助)あっ 小頭。 144 00:15:08,370 --> 00:15:12,975 ♬~ 145 00:15:12,975 --> 00:15:16,945 盗賊改の長官が替わりました。 146 00:15:16,945 --> 00:15:21,683 今度は 誰だ? 安部式部信旨。 147 00:15:21,683 --> 00:15:25,654 御先手組組頭 千石取り。 148 00:15:25,654 --> 00:15:32,694 なかなかの人物との 評判でございます。 149 00:15:32,694 --> 00:15:35,464 安部式部。 150 00:15:35,464 --> 00:15:55,684 ♬~ 151 00:15:55,684 --> 00:15:57,619 (安部式部)刀屋か? 152 00:15:57,619 --> 00:16:02,357 はあ。 その方 刀は売るだけで➡ 153 00:16:02,357 --> 00:16:04,293 買わぬのか? 154 00:16:04,293 --> 00:16:08,697 目利きも致します。 買いも致します。 155 00:16:08,697 --> 00:16:12,134 ならば これは どうだ? 156 00:16:12,134 --> 00:16:14,670 はっ。 157 00:16:14,670 --> 00:16:20,275 金に換えようとしたが どの刀屋も 無銘だと言って 買い渋る。 158 00:16:20,275 --> 00:16:24,613 ほう。 銘が刻まれておらぬと? 159 00:16:24,613 --> 00:16:28,313 まずは 拝見を致します。 160 00:16:39,061 --> 00:17:04,753 (せみの声) 161 00:17:04,753 --> 00:17:10,892 おそれながら 手前には これを 買うだけの金子がござりませぬ。 162 00:17:10,892 --> 00:17:13,462 何と見た? 163 00:17:13,462 --> 00:17:18,066 無銘なれど まさしく助国。 164 00:17:18,066 --> 00:17:21,269 お家重代のものにござりましょう。 165 00:17:21,269 --> 00:17:25,140 刀屋でも分からぬものを その方…。 166 00:17:25,140 --> 00:17:30,640 ただの刀好きの浪人にござります。 167 00:17:32,948 --> 00:17:34,948 さようか。 168 00:17:40,422 --> 00:17:43,458 お戯れを。 169 00:17:43,458 --> 00:17:48,030 ハハハ… いや これは 無礼を致した。 170 00:17:48,030 --> 00:18:16,091 ♬~ 171 00:18:16,091 --> 00:18:21,296 (式部)こたび 新たに 火付 盗賊改の任に当たる事となった。 172 00:18:21,296 --> 00:18:25,167 この安部式部が着任したは ただ一つ。 173 00:18:25,167 --> 00:18:30,067 雲霧仁左衛門一味を洗い出し 根こそぎ 捕らえる事にある。 174 00:18:32,007 --> 00:18:38,613 世上 雲霧一味について ひそかに 喝采を送る者があると聞くが➡ 175 00:18:38,613 --> 00:18:41,083 たわけた事だ。 176 00:18:41,083 --> 00:18:44,853 盗賊に 正義などない! 177 00:18:44,853 --> 00:18:50,053 そのような心を持つ者は わしの組には要らぬ。 178 00:18:52,928 --> 00:18:59,134 無論 そのような不心得者は 一人もいないと信じる。 179 00:18:59,134 --> 00:19:02,037 おそれながら➡ 180 00:19:02,037 --> 00:19:04,873 密偵の事にござりまするが。 これ! 高瀬! 181 00:19:04,873 --> 00:19:06,873 構わぬ。 182 00:19:10,011 --> 00:19:13,682 密偵は 遠慮なく使うがよい。 183 00:19:13,682 --> 00:19:17,586 金なら わしが いくらでも出す。 184 00:19:17,586 --> 00:19:22,491 雲霧一党を砕くためなら お役料はもとより➡ 185 00:19:22,491 --> 00:19:27,091 先祖伝来の蓄えも 全て投げ出すつもりでおる。 186 00:19:30,098 --> 00:19:33,598 密偵どもには わしが じきじきに会う。 187 00:19:39,241 --> 00:19:41,777 この者は 豊治郎。 188 00:19:41,777 --> 00:19:44,412 そっちは かつて 雲霧の一味におりました➡ 189 00:19:44,412 --> 00:19:47,149 鹿伏の留次郎と申します。 190 00:19:47,149 --> 00:19:51,019 よろしく頼むぞ。 191 00:19:51,019 --> 00:19:52,988 (豊治郎)ははっ。 へい。 192 00:19:52,988 --> 00:19:55,023 お京ちゃん ここ 置いとくからね。 193 00:19:55,023 --> 00:19:57,923 (お京)ありがとうございます。 また 来るから。 194 00:20:11,773 --> 00:20:16,678 これは お京と申しまして 元は めんびきでございました。 195 00:20:16,678 --> 00:20:21,449 ほう。 女すりとな? 196 00:20:21,449 --> 00:20:24,049 京でございます。 197 00:20:31,259 --> 00:20:36,364 お指図のありました 医者の竹村玄洞。 198 00:20:36,364 --> 00:20:43,872 ご推察のとおり 裏で あこぎな 高利貸しをやっております。➡ 199 00:20:43,872 --> 00:20:50,278 ここ3日ばかり 州走りの熊五郎が 調べております。➡ 200 00:20:50,278 --> 00:20:54,015 金が返せず 家屋敷はもちろん➡ 201 00:20:54,015 --> 00:21:00,422 女房娘まで 売るはめに なったという人は 数知れず。 202 00:21:00,422 --> 00:21:03,325 金蔵の所在は? 203 00:21:03,325 --> 00:21:06,761 熊五郎の調べでは➡ 204 00:21:06,761 --> 00:21:11,399 金蔵は 家の中に 小さな土蔵を作ってあり➡ 205 00:21:11,399 --> 00:21:18,907 その周りに 腕の立つ浪人が 常に 3人つめております。 206 00:21:18,907 --> 00:21:20,842 他には? 207 00:21:20,842 --> 00:21:27,148 (吉五郎)主の玄洞の他に 番頭と手代が 1人ずつ。➡ 208 00:21:27,148 --> 00:21:34,248 家事のほうは おさとという番頭の 女房が取り仕切っておりまして。 209 00:21:36,825 --> 00:21:44,566 しかし 家の中の絵図面はおろか 引き込みを 誰にするか➡ 210 00:21:44,566 --> 00:21:49,066 金蔵を どうやって 開けたらよいものか。 211 00:21:54,009 --> 00:21:59,614 富の市に つなぎをつけてくれ。 212 00:21:59,614 --> 00:22:02,314 富の市を? 213 00:22:04,486 --> 00:22:23,786 (笛の音) 214 00:22:26,274 --> 00:22:28,310 (笛の音) 215 00:22:28,310 --> 00:22:36,918 (富の市)エヘヘヘ… さすがは 人のお命を助ける名医 玄洞先生。 216 00:22:36,918 --> 00:22:45,093 私のような者にまで 情けをかけて下さいまして。 217 00:22:45,093 --> 00:22:47,729 (浪人)おう 気を付けろ! 218 00:22:47,729 --> 00:22:51,466 すみません。 219 00:22:51,466 --> 00:22:54,235 (玄洞)ううっ! ううっ! 220 00:22:54,235 --> 00:23:01,977 ううっ! ううっ! 221 00:23:01,977 --> 00:23:05,613 お茶をお持ち致しました。 飲めるか! ああっ! 222 00:23:05,613 --> 00:23:08,984 すみません すみません。 223 00:23:08,984 --> 00:23:10,919 ああ…。 224 00:23:10,919 --> 00:23:13,154 (番頭)先生! 先生! (おさと)先生! 225 00:23:13,154 --> 00:23:15,123 大変です! い…。 226 00:23:15,123 --> 00:23:17,993 入り口で 首をくくって! 227 00:23:17,993 --> 00:23:20,862 (玄洞)誰だ? (番頭)けけけ…。 228 00:23:20,862 --> 00:23:23,431 (おさと)今朝ほど 借金の事で来た 夫婦者です。 229 00:23:23,431 --> 00:23:27,402 はっ 20両 取り損なったか。 230 00:23:27,402 --> 00:23:30,338 おさと 番屋へ行っておいで。 231 00:23:30,338 --> 00:23:33,942 はい! 番屋… 早く 番屋。 232 00:23:33,942 --> 00:23:38,546 (玄洞)ああ… ああ…。 233 00:23:38,546 --> 00:23:42,017 ああ 効く。 234 00:23:42,017 --> 00:23:44,519 ありがとうございました。 (男)お京ちゃん! 235 00:23:44,519 --> 00:23:49,090 は~い。 (男1)酒だよ 酒! お京ちゃん こっち こっち。 236 00:23:49,090 --> 00:23:52,827 (男2)お京ちゃん お京ちゃん こっち! こっち こっち!➡ 237 00:23:52,827 --> 00:23:55,130 お京ちゃん! お京ちゃん! 238 00:23:55,130 --> 00:23:58,830 は~い! はい お待ち遠さま! ありがとよ。 239 00:24:00,935 --> 00:24:04,205 ≪(男)お京ちゃんのお酒 あんたには やらないよ。 240 00:24:04,205 --> 00:24:07,642 奥の座敷 空いてるよ。 241 00:24:07,642 --> 00:24:11,146 (勘蔵)奥は高くて 行けねえよ。 242 00:24:11,146 --> 00:24:15,083 水くさい事 お言いでないよ。 243 00:24:15,083 --> 00:24:29,898 ♬~ 244 00:24:29,898 --> 00:24:32,598 慣れねえもんでよ。 245 00:24:34,669 --> 00:24:39,641 気持ち 私の。 246 00:24:39,641 --> 00:24:43,111 いいのかい? 他の客が怒るぜ。 247 00:24:43,111 --> 00:24:47,715 ああ そんな事 どうだっていいんだよ。 248 00:24:47,715 --> 00:24:51,619 ♬~ 249 00:24:51,619 --> 00:25:00,395 こんな商売 早く辞めて 誰かと 所帯持ちたい。 250 00:25:00,395 --> 00:25:03,998 俺で どうだ? 251 00:25:03,998 --> 00:25:06,298 本当? 252 00:25:08,369 --> 00:25:10,605 本当だ。 253 00:25:10,605 --> 00:25:17,078 ♬~ 254 00:25:17,078 --> 00:25:19,614 あっ おさと おさと! 255 00:25:19,614 --> 00:25:24,014 忘れ物! …でっせ。 頼みましたよ。 256 00:25:39,934 --> 00:25:42,837 (おさと)うっ! 257 00:25:42,837 --> 00:25:44,839 あっ…。 258 00:25:44,839 --> 00:26:03,158 ♬~ 259 00:26:03,158 --> 00:26:07,028 (勘蔵)竹村玄洞をやるぜ。 260 00:26:07,028 --> 00:26:13,701 引き込みをやるのに ちょうどいい女が見つかったんだ。 261 00:26:13,701 --> 00:26:16,201 明日 戌の刻。 262 00:26:19,507 --> 00:26:21,509 (射的屋)当たり~! 263 00:26:21,509 --> 00:26:24,379 ヘヘヘ… どうでえ? 見ろよ。 264 00:26:24,379 --> 00:26:26,781 にいさん やるじゃない。 いいだろう? 265 00:26:26,781 --> 00:26:28,781 おう。 266 00:26:32,620 --> 00:26:35,924 ヨッシャ! 次は 真ん中に当ててやるぜ。 267 00:26:35,924 --> 00:26:38,924 はい どうぞ。 よし。 268 00:26:43,498 --> 00:26:46,901 (射的屋)大当たり~! 269 00:26:46,901 --> 00:27:12,727 ♬~ 270 00:27:12,727 --> 00:27:20,034 ああ… ああ… 州走り どこ行きやがった。 271 00:27:20,034 --> 00:27:22,634 (熊五郎)だらしのねえ野郎だ。 272 00:27:24,672 --> 00:27:28,372 図体ばかり でかくなりやがって。 273 00:27:30,612 --> 00:27:34,649 お前の足の速いのは よく分かったよ。 274 00:27:34,649 --> 00:27:37,318 で 何の用でえ? 275 00:27:37,318 --> 00:27:45,059 竹村玄洞の世話をしている 番頭の女房が 殺された。 276 00:27:45,059 --> 00:27:48,329 殺された!? どういう訳で? 277 00:27:48,329 --> 00:27:52,166 そいつは よく分からねえが➡ 278 00:27:52,166 --> 00:27:57,038 引き込みを入れるなら 今だ。 279 00:27:57,038 --> 00:27:59,774 (六之助)小頭 そういう訳だから➡ 280 00:27:59,774 --> 00:28:03,645 誰か 早いうちに 竹村玄洞の家へ 引き込みを。 281 00:28:03,645 --> 00:28:09,450 私じゃ 年取り過ぎてますかね? 282 00:28:09,450 --> 00:28:14,850 ブッ! 今は お頭の帰りを待とう。 283 00:28:17,025 --> 00:28:26,334 (読経) 284 00:28:26,334 --> 00:28:30,838 ハハハ…。 285 00:28:30,838 --> 00:28:40,948 ♬~ 286 00:28:40,948 --> 00:28:45,320 [ 心の声 ] 草間の勘蔵。 287 00:28:45,320 --> 00:28:47,789 おい これ やろう。 ありがとう。 288 00:28:47,789 --> 00:28:49,724 よく出るぞ。 289 00:28:49,724 --> 00:29:13,014 ♬~ 290 00:29:13,014 --> 00:29:16,884 今日 戌の刻 手はずどおりに。 291 00:29:16,884 --> 00:29:56,190 ♬~ 292 00:29:56,190 --> 00:29:59,627 お願いします! こんな時に お願いするのは➡ 293 00:29:59,627 --> 00:30:03,598 ぶしつけでございますが どうか 働かせて下さい! 294 00:30:03,598 --> 00:30:07,969 ああ まあ とにかく 旦那様に お伺いを立ててみましょう。 295 00:30:07,969 --> 00:30:10,669 ありがとうございます! 296 00:30:14,475 --> 00:30:16,444 (吉五郎)草間の勘蔵…。 297 00:30:16,444 --> 00:30:21,682 奴は 6年前に 掟を破り お頭が縁を切ったはず。 298 00:30:21,682 --> 00:30:24,085 じゃ あっしらの他に➡ 299 00:30:24,085 --> 00:30:26,454 竹村玄洞を狙ってる奴が いるって訳ですかい? 300 00:30:26,454 --> 00:30:28,423 勘蔵が 口を利いて➡ 301 00:30:28,423 --> 00:30:32,260 その女を 竹村玄洞の家へ 下働きに入れたんですね? 302 00:30:32,260 --> 00:30:37,999 以前から 玄洞に近づき よしみを通じていたのであろう。 303 00:30:37,999 --> 00:30:41,869 では 番頭の女房を殺したのも? 304 00:30:41,869 --> 00:30:46,607 恐らく 勘蔵であろうな。 305 00:30:46,607 --> 00:30:51,245 久しぶりに 私が 引き込みに入ろうと思ってたのに。 306 00:30:51,245 --> 00:30:56,784 草間の勘蔵は 血を見るのが 何よりも好きな男。 307 00:30:56,784 --> 00:31:01,022 どこの組織に ついてるのか知らぬが➡ 308 00:31:01,022 --> 00:31:04,792 押し込むとすれば 今夜だな。 309 00:31:04,792 --> 00:31:09,197 何としても その急ぎ働きを 止めないと。 310 00:31:09,197 --> 00:31:12,497 止めるだけじゃ つまらねえ。 311 00:31:14,769 --> 00:31:18,269 狙ったもんは頂かねえとな。 312 00:31:23,611 --> 00:31:33,521 (笛の音) 313 00:31:33,521 --> 00:31:35,621 富の市か。 314 00:31:37,692 --> 00:31:43,492 (笛の音) 315 00:31:50,271 --> 00:31:53,808 (フクロウの鳴き声) 316 00:31:53,808 --> 00:32:02,183 ♬~ 317 00:32:02,183 --> 00:32:04,118 お京さん もう休んでいいですよ。 318 00:32:04,118 --> 00:32:06,787 ちょいと 戸締まりを。 319 00:32:06,787 --> 00:32:19,066 ♬~ 320 00:32:19,066 --> 00:32:21,969 (笛の音) 321 00:32:21,969 --> 00:32:28,509 ♬~ 322 00:32:28,509 --> 00:32:32,413 (笛の音) 323 00:32:32,413 --> 00:32:43,124 ♬~ 324 00:32:43,124 --> 00:32:48,763 (富の市)お頭 玄洞の 向かいの家の様子が 妙なんで。 325 00:32:48,763 --> 00:32:51,465 (フクロウの鳴き声) 326 00:32:51,465 --> 00:33:06,865 ♬~ 327 00:33:13,788 --> 00:33:17,688 (鐘の音) 328 00:33:25,366 --> 00:33:28,166 (鐘の音) 329 00:33:36,611 --> 00:33:40,381 お京! 手前 密偵だったのか!? 330 00:33:40,381 --> 00:33:43,181 今頃 気付いたのかい? 331 00:33:45,219 --> 00:33:47,188 野郎! 332 00:33:47,188 --> 00:34:05,473 ♬~ 333 00:34:05,473 --> 00:34:08,309 火付盗賊改 安部式部である! 334 00:34:08,309 --> 00:34:10,878 神妙に 縛につけ! 335 00:34:10,878 --> 00:34:19,320 ♬~ 336 00:34:19,320 --> 00:34:21,822 手に余れば 斬り捨てい! 337 00:34:21,822 --> 00:34:27,395 安部式部 相当な腕だ。 338 00:34:27,395 --> 00:34:29,330 ヘヘヘ…。 339 00:34:29,330 --> 00:35:11,706 ♬~ 340 00:35:11,706 --> 00:35:14,575 お頭。 341 00:35:14,575 --> 00:35:16,510 誰の仕業だ? 342 00:35:16,510 --> 00:35:21,348 あ… 暁の星右衛門…。 343 00:35:21,348 --> 00:35:28,956 殺さず 犯さず 貧しき者には 難儀をかけず。 344 00:35:28,956 --> 00:35:33,794 お前は また 掟を破った。 345 00:35:33,794 --> 00:35:38,394 許して… 許しておくんなせえ! 346 00:35:45,406 --> 00:35:47,406 野郎! 347 00:36:00,588 --> 00:36:02,588 うん! 348 00:36:57,678 --> 00:37:01,282 ああっ!➡ 349 00:37:01,282 --> 00:37:04,618 ああっ 痛い 痛い…。 350 00:37:04,618 --> 00:37:09,190 鍵… 鍵… 鍵… ああっ! 351 00:37:09,190 --> 00:37:30,477 ♬~ 352 00:37:30,477 --> 00:37:32,479 引っ立てい! 353 00:37:32,479 --> 00:37:45,879 ♬~ 354 00:37:47,928 --> 00:37:52,433 ≪(玄洞)いや どうも どうも。 お騒がせ致しました。 355 00:37:52,433 --> 00:37:55,169 ≪(藤兵衛) 今後は 用心致すがよい。 356 00:37:55,169 --> 00:37:58,369 ありがとうございました。 357 00:38:17,892 --> 00:39:06,892 ♬~ 358 00:39:10,277 --> 00:39:14,581 (式部)お京 ご苦労であった。 はっ。 359 00:39:14,581 --> 00:39:18,218 雲霧一味でなかったのが 無念でございます。 360 00:39:18,218 --> 00:39:21,488 ≪(政蔵)山田様! 361 00:39:21,488 --> 00:39:23,524 あっ…。 362 00:39:23,524 --> 00:39:26,827 政蔵 遠慮は要らぬ。 申せ。 363 00:39:26,827 --> 00:39:33,400 へえ。 昨夜 竹村玄洞方へ 賊が押し込み➡ 364 00:39:33,400 --> 00:39:37,104 蔵の金全て 奪われてございます。 365 00:39:37,104 --> 00:39:41,275 何! 合鍵を使ったようで。 366 00:39:41,275 --> 00:39:43,275 合鍵? 367 00:39:45,646 --> 00:39:50,250 合鍵…。 殺生は? 368 00:39:50,250 --> 00:39:55,050 いえ。 一人も 傷つけず。 369 00:40:01,929 --> 00:40:03,929 雲霧…。 370 00:40:07,401 --> 00:40:09,336 …仁左衛門。 371 00:40:09,336 --> 00:40:30,324 ♬~ 372 00:40:30,324 --> 00:40:34,194 長官…。 いえ…。 373 00:40:34,194 --> 00:40:44,805 ♬~ 374 00:40:44,805 --> 00:40:47,674 安部式部。 375 00:40:47,674 --> 00:40:50,174 ♬~ 376 00:40:52,479 --> 00:41:36,857 ♬~ 377 00:41:36,857 --> 00:41:40,094 地獄へ送ってやる! 378 00:41:40,094 --> 00:41:45,899 お頭。 今日限り お前とは 縁を切る。 379 00:41:45,899 --> 00:41:47,901 (式部)雲霧仁左衛門とは➡ 380 00:41:47,901 --> 00:41:52,039 お前にとって それほどまでに 大事な男なのか? 381 00:41:52,039 --> 00:41:56,043 ♬~ 382 00:41:56,043 --> 00:41:59,346 はめたのか!? もう 後戻りはできまい。 383 00:41:59,346 --> 00:42:03,546 火の元には くれぐれも ご用心とな。 384 00:42:07,087 --> 00:43:27,087 ♬~