1 00:00:33,139 --> 00:00:36,810 決行は 3日後。 2 00:00:36,810 --> 00:00:42,148 <再び動き始めた 雲霧仁左衛門と その一党は➡ 3 00:00:42,148 --> 00:00:46,820 米問屋 伊勢屋襲撃を企てた> 4 00:00:46,820 --> 00:00:49,155 これは わしへの挨拶じゃ。 5 00:00:49,155 --> 00:00:53,493 <火付盗賊改の安部式部は…> 受けて立つまで。 6 00:00:53,493 --> 00:00:56,396 <雲霧が 米問屋を襲うと見抜いたが➡ 7 00:00:56,396 --> 00:00:59,165 どの店かは つかめない。➡ 8 00:00:59,165 --> 00:01:03,036 そのころ 江戸に 天一坊と名乗る者が現れ➡ 9 00:01:03,036 --> 00:01:06,039 将軍の御落胤と吹聴した> 10 00:01:06,039 --> 00:01:10,176 吉宗公御落胤 天一坊である。 11 00:01:10,176 --> 00:01:13,079 (子どもの泣き声) おっ母! 12 00:01:13,079 --> 00:01:15,048 子どもを連れていくな! 13 00:01:15,048 --> 00:01:18,051 <果たして 天一坊は本物か。➡ 14 00:01:18,051 --> 00:01:26,351 天一坊の背後に見え隠れする 米問屋 柏屋のもくろみは何か…> 15 00:01:36,136 --> 00:01:38,805 (拍子木の音) 16 00:01:38,805 --> 00:01:46,146 火の用心 さっしゃりやしょう。 17 00:01:46,146 --> 00:01:49,816 (拍子木の音) 18 00:01:49,816 --> 00:01:56,690 ≪火の用心 さっしゃりやしょう。 19 00:01:56,690 --> 00:01:59,690 (拍子木の音) 20 00:02:08,501 --> 00:02:40,133 ♬~ 21 00:02:40,133 --> 00:02:42,068 (犬の吠え声) 22 00:02:42,068 --> 00:02:50,777 ♬~ 23 00:02:50,777 --> 00:03:04,777 ♬~ 24 00:03:07,827 --> 00:03:12,127 雲霧! 神妙に縛につけ! 25 00:03:29,849 --> 00:03:33,453 (狼煙の上がる音) 26 00:03:33,453 --> 00:03:37,153 (井口)長官 伊勢屋です! 27 00:03:40,126 --> 00:03:42,126 ああっ! 28 00:03:45,799 --> 00:03:47,799 や~! 29 00:03:51,137 --> 00:03:53,137 うう…! 30 00:03:58,011 --> 00:04:00,814 これまでだ。 31 00:04:00,814 --> 00:04:02,814 (きぬ擦れの音) 32 00:04:06,486 --> 00:04:08,486 うっ! 33 00:04:10,356 --> 00:04:22,836 ♬~ 34 00:04:22,836 --> 00:04:25,739 (藤兵衛)追え! 追え! 35 00:04:25,739 --> 00:04:32,445 ♬~ 36 00:04:32,445 --> 00:04:34,445 (藤兵衛)長官! 37 00:04:38,618 --> 00:04:40,653 仁左衛門。 38 00:04:40,653 --> 00:04:44,453 お主 米問屋の先に何を見ておる? 39 00:04:47,961 --> 00:04:52,832 捜せ~! 逃すな! 40 00:04:52,832 --> 00:04:57,470 いたぞ! (呼び子の音) 41 00:04:57,470 --> 00:05:04,811 (呼び子の音) 42 00:05:04,811 --> 00:05:11,151 ≪それ! 逃がすな~! ≪行け! 43 00:05:11,151 --> 00:05:19,025 ♬~ 44 00:05:19,025 --> 00:05:21,161 うわ~! 45 00:05:21,161 --> 00:05:26,032 あっ! うわっ! うわ~! 46 00:05:26,032 --> 00:05:39,032 ♬~ 47 00:05:45,351 --> 00:05:48,788 (藤兵衛)やつらは このまま引き下がるでしょうか…。 48 00:05:48,788 --> 00:05:52,659 いや 必ず またやる。 49 00:05:52,659 --> 00:05:57,463 まだ 米問屋を狙うつもりでしょうか? 50 00:05:57,463 --> 00:05:59,463 狙う。 51 00:06:01,134 --> 00:06:04,804 (木村)長官。 何だ? 52 00:06:04,804 --> 00:06:06,739 若年寄 片岡様が➡ 53 00:06:06,739 --> 00:06:09,676 常楽院にいる天一坊殿に 聞き取りに参るゆえ➡ 54 00:06:09,676 --> 00:06:11,678 同行願いたいとの事です。 55 00:06:11,678 --> 00:06:13,813 片岡様が…。 56 00:06:13,813 --> 00:06:18,484 (銅鉢の音) 57 00:06:18,484 --> 00:06:22,355 片岡様 なぜ 私を? 58 00:06:22,355 --> 00:06:24,824 天一坊という男➡ 59 00:06:24,824 --> 00:06:28,695 本物にせよ 偽物にせよ 天下の一大事。 60 00:06:28,695 --> 00:06:33,633 そのようなお方に どのように接すればよいのかと…。 61 00:06:33,633 --> 00:06:41,307 わしが最も信頼を寄せる そなたがいてくれると 心強い。 62 00:06:41,307 --> 00:06:44,777 ずるいか? いえ。 63 00:06:44,777 --> 00:06:53,453 (読経) 64 00:06:53,453 --> 00:07:01,153 (銅鉢の音) 65 00:07:06,032 --> 00:07:09,802 天一坊様がお見えになる。 66 00:07:09,802 --> 00:07:13,502 一同 控えられよ。 67 00:07:29,489 --> 00:07:32,189 天一坊である。 68 00:07:38,097 --> 00:07:42,969 若年寄 片岡繁盛にございます。 69 00:07:42,969 --> 00:07:47,774 公儀より 聞き取りのため参りました。 70 00:07:47,774 --> 00:07:52,445 火付盗賊改 安部式部にございます。 71 00:07:52,445 --> 00:07:54,445 大儀である。 72 00:07:56,115 --> 00:07:58,785 早速でございますが➡ 73 00:07:58,785 --> 00:08:07,794 そなた様が 上様のお子というのは どのような証しが? 74 00:08:07,794 --> 00:08:14,133 天一坊様は 紀州のさる在にて お生まれになりました。 75 00:08:14,133 --> 00:08:16,469 幼い頃より 母上から➡ 76 00:08:16,469 --> 00:08:19,372 いずれは 将軍になるやもしれぬ身と➡ 77 00:08:19,372 --> 00:08:22,672 言い聞かされておられたそうです。 78 00:08:25,478 --> 00:08:27,814 (せきばらい) 79 00:08:27,814 --> 00:08:40,093 ♬~ 80 00:08:40,093 --> 00:08:45,793 そして これが その母上より授かったもの。 81 00:08:54,640 --> 00:08:58,111 これは お預かりして よろしいでしょうか? 82 00:08:58,111 --> 00:09:00,046 いや それは…。 83 00:09:00,046 --> 00:09:02,448 構わぬ。 84 00:09:02,448 --> 00:09:07,320 では 持ち帰って 吟味致しとう存じます。 85 00:09:07,320 --> 00:09:10,790 いつごろ お返事頂けますでしょうか? 86 00:09:10,790 --> 00:09:13,126 さて そう すぐには…。 87 00:09:13,126 --> 00:09:15,461 いたずらに 時が かかるようでは➡ 88 00:09:15,461 --> 00:09:19,132 上様のお子であられる天一坊様に ご無礼にあたりますぞ。 89 00:09:19,132 --> 00:09:21,067 いや しかし…。 90 00:09:21,067 --> 00:09:24,367 控えよ 大膳! (大膳)はっ! 91 00:09:27,473 --> 00:09:31,744 本物かどうか 見極めがつかぬのは 当然の事。 92 00:09:31,744 --> 00:09:36,082 ここは じっくりと調べて頂こう。 93 00:09:36,082 --> 00:09:40,753 この機に 全てのお疑いを払拭して頂こう。 94 00:09:40,753 --> 00:09:45,091 はっ。 恐れ入りまする。 95 00:09:45,091 --> 00:10:09,115 ♬~ 96 00:10:09,115 --> 00:10:11,784 どう思う? 97 00:10:11,784 --> 00:10:14,454 あの天一坊という男➡ 98 00:10:14,454 --> 00:10:18,324 なかなか腹の据わった男と 見えましたが。 99 00:10:18,324 --> 00:10:24,130 これから戻って 詮議せねばならぬのう…。 100 00:10:24,130 --> 00:10:26,130 はっ。 101 00:10:30,002 --> 00:10:32,004 あいよ。 はい ありがとう。 102 00:10:32,004 --> 00:10:34,004 えいさ…。 103 00:10:49,288 --> 00:10:51,357 火付盗賊改は➡ 104 00:10:51,357 --> 00:10:57,830 柏屋 伊勢屋 丸髙屋の3軒に 網を張っていたようです。 105 00:10:57,830 --> 00:11:01,701 どの米問屋にも 密偵が張り付いております。 106 00:11:01,701 --> 00:11:07,173 どこかに穴があるはずだ。 それを探すのだ。 107 00:11:07,173 --> 00:11:09,173 へい。 108 00:11:30,196 --> 00:11:35,196 [ 回想 ] 今は これしか… 残りはいつか。 109 00:11:38,471 --> 00:11:41,807 やめろ! やめろ! 110 00:11:41,807 --> 00:11:45,507 おっ母! 子どもを連れていくな! 111 00:11:48,481 --> 00:11:52,181 [ 回想 ] (天一坊)あの子は… 俺だ。 112 00:11:53,819 --> 00:11:59,119 母も貧しくて 何度も 俺と一緒に死のうとしたらしい。 113 00:12:02,495 --> 00:12:07,795 この命 拾ったようなものか。 114 00:12:11,837 --> 00:12:14,507 ならば…➡ 115 00:12:14,507 --> 00:12:17,543 行けるところまで行ってみるか。 116 00:12:17,543 --> 00:12:41,743 ♬~ 117 00:13:03,489 --> 00:13:06,489 (走り寄る足音) 118 00:13:09,829 --> 00:13:13,129 天一坊様とお見受けします。 119 00:13:16,702 --> 00:13:20,840 拙者 武井半次郎と申す者。 120 00:13:20,840 --> 00:13:27,179 是非とも 天一坊様に お仕えさせて頂きたく存じます。 121 00:13:27,179 --> 00:13:29,849 なぜだ? 122 00:13:29,849 --> 00:13:32,752 それは…。 123 00:13:32,752 --> 00:13:36,122 仕官できれば どこでもよいのだろう? 124 00:13:36,122 --> 00:13:38,057 決して そのような事は…! 125 00:13:38,057 --> 00:13:40,793 よい。 126 00:13:40,793 --> 00:13:43,696 分かるぞ。 127 00:13:43,696 --> 00:13:49,696 明日の暮らしが立たない心細さ 藁にもすがりたい気持ち…。 128 00:13:52,405 --> 00:13:55,341 仕官するがよい。 129 00:13:55,341 --> 00:13:58,144 まことにございますか? 130 00:13:58,144 --> 00:14:01,814 断る理由があるか? 131 00:14:01,814 --> 00:14:04,717 しかし…➡ 132 00:14:04,717 --> 00:14:09,488 私は 支度金の50両 用意できませぬ…。 133 00:14:09,488 --> 00:14:12,391 50両? 何とぞ ご猶予賜りたく…。 134 00:14:12,391 --> 00:14:14,827 (大膳)この無礼者! (武井)何とぞ…! 135 00:14:14,827 --> 00:14:18,497 去れ! 何とぞ ご猶予を! 何とぞ…! 136 00:14:18,497 --> 00:14:23,169 うるさい! 天一坊様! 天一坊様! 137 00:14:23,169 --> 00:14:35,448 ♬~ 138 00:14:35,448 --> 00:14:39,118 50両とは何か。 139 00:14:39,118 --> 00:14:43,989 あなた様が お気になさる事ではございませぬ。 140 00:14:43,989 --> 00:14:57,689 ♬~ 141 00:15:34,106 --> 00:15:36,609 よいしょ! よいしょ! 142 00:15:36,609 --> 00:15:40,112 ≪(足音) 143 00:15:40,112 --> 00:15:43,783 ≪(柏屋)伊勢屋さん。 144 00:15:43,783 --> 00:15:48,120 まあ 此度は災難でしたなあ。 145 00:15:48,120 --> 00:15:50,055 どうぞ。 146 00:15:50,055 --> 00:15:54,460 まったく… 幸い事なきを得ましたが。 147 00:15:54,460 --> 00:15:59,799 賊が入った時に 伊勢屋さんは お留守だったとか…。 148 00:15:59,799 --> 00:16:03,469 どちらに? そ… それは…。 149 00:16:03,469 --> 00:16:06,806 夜遊びも ほどほどにな。 150 00:16:06,806 --> 00:16:10,142 あ… フフフ…。 151 00:16:10,142 --> 00:16:14,814 うん それにしても 物騒な世の中ですな。 152 00:16:14,814 --> 00:16:21,487 いや うちも雲霧一味に襲われて 箔が付いたというもの。 153 00:16:21,487 --> 00:16:23,823 フフフフ…。 うん? 154 00:16:23,823 --> 00:16:25,758 フフフフ! ハハハハハ! 155 00:16:25,758 --> 00:16:28,694 まったく。 156 00:16:28,694 --> 00:16:31,630 では これで。 はい。➡ 157 00:16:31,630 --> 00:16:35,330 夜遊びの方 頼みますよ。 158 00:16:40,773 --> 00:16:42,773 ≪(大膳)ごめん。 159 00:16:48,447 --> 00:16:51,747 大膳様…。 160 00:16:55,321 --> 00:16:59,458 何か 御用かな? 161 00:16:59,458 --> 00:17:02,361 はあ。 162 00:17:02,361 --> 00:17:08,801 急ぎ ご相談致したい事が ございまして…。 163 00:17:08,801 --> 00:17:11,704 何かな? 164 00:17:11,704 --> 00:17:14,704 ≪(大膳)実は…。 165 00:17:20,145 --> 00:17:23,048 (伝次郎)柏屋に 赤川大膳が? 166 00:17:23,048 --> 00:17:26,018 天一坊の側近だな。 167 00:17:26,018 --> 00:17:28,020 大膳は 柏屋に何を? 168 00:17:28,020 --> 00:17:32,424 (熊五郎)はい。 浪人たちから集めた金 5千両➡ 169 00:17:32,424 --> 00:17:35,761 常楽院に置いておくのは 物騒なので➡ 170 00:17:35,761 --> 00:17:39,431 柏屋で預かってもらえないかと。 171 00:17:39,431 --> 00:17:43,769 何? 5千両? 172 00:17:43,769 --> 00:17:50,069 3日後の夕刻 金を運ぶ算段をしておりました。 173 00:17:55,114 --> 00:18:00,786 お頭 伊勢屋を調べていたら 思わぬものに ぶつかりましたな。 174 00:18:00,786 --> 00:18:04,456 米問屋を襲うのが難しい以上 これは またとない…。 175 00:18:04,456 --> 00:18:08,794 伊勢屋の様子は どうだった? 176 00:18:08,794 --> 00:18:12,464 災難だと 笑って話しておりました。➡ 177 00:18:12,464 --> 00:18:18,764 金を盗られずに済み ほっとしているようです。 178 00:18:22,808 --> 00:18:27,146 (藤兵衛)米問屋の見張りを 更に増やしました。 179 00:18:27,146 --> 00:18:30,482 つけいる隙はありません。 180 00:18:30,482 --> 00:18:36,288 穴がないと分かれば 雲霧は 別のところを狙うかもしれん。 181 00:18:36,288 --> 00:18:38,757 (木村)長官。 182 00:18:38,757 --> 00:18:41,093 片岡様より使者があり➡ 183 00:18:41,093 --> 00:18:43,028 上様におかれましては➡ 184 00:18:43,028 --> 00:18:46,966 天一坊殿の持っていた短刀は 確かに 紀州におられた時➡ 185 00:18:46,966 --> 00:18:53,105 村の娘に渡したものに 相違ないとの事です。 186 00:18:53,105 --> 00:18:56,775 つまり… 身に覚えがあると? 187 00:18:56,775 --> 00:18:58,711 (木村)はっ。 188 00:18:58,711 --> 00:19:01,647 そうか…。 189 00:19:01,647 --> 00:19:05,784 はあ…。 190 00:19:05,784 --> 00:19:10,122 また 世間が騒がしくなるな。 191 00:19:10,122 --> 00:19:27,473 ♬~ 192 00:19:27,473 --> 00:19:31,173 (雷鳴) 193 00:19:35,280 --> 00:19:40,580 天一坊様は 本物の御落胤と決まったらしい。 194 00:19:42,755 --> 00:19:45,090 50両は 私がなんとか。 195 00:19:45,090 --> 00:19:49,962 いや… もうよい。 えっ? 196 00:19:49,962 --> 00:19:52,431 もうよいのだ。 197 00:19:52,431 --> 00:19:57,102 (雷鳴) 198 00:19:57,102 --> 00:20:00,005 あなたは 嘘が下手ですね。 199 00:20:00,005 --> 00:20:02,305 え? 200 00:20:11,450 --> 00:20:14,787 天一坊様に会った。 201 00:20:14,787 --> 00:20:17,087 分かるぞ。 202 00:20:19,124 --> 00:20:24,824 明日の暮らしが立たない心細さ 藁にもすがりたい気持ち…。 203 00:20:27,800 --> 00:20:29,800 仕官するがよい。 204 00:20:31,470 --> 00:20:36,341 あのような方に お仕えしたい…。 205 00:20:36,341 --> 00:20:41,341 まだ諦める事はありません。 きっと何か…。 206 00:20:43,082 --> 00:20:48,821 (雷鳴) 207 00:20:48,821 --> 00:20:56,161 ♬~ 208 00:20:56,161 --> 00:20:58,497 ごちそうさん! 少ねえって分かってんのに➡ 209 00:20:58,497 --> 00:21:00,432 来ちまうんだよな。 (お松)ありがとうございました。 210 00:21:00,432 --> 00:21:02,835 (治平)また お待ちしてます。 211 00:21:02,835 --> 00:21:28,527 ♬~ 212 00:21:28,527 --> 00:21:34,133 ほう… 将軍は覚えがあると。 213 00:21:34,133 --> 00:21:38,003 もう 世間は 世継ぎが 決まったかのような騒ぎです。 214 00:21:38,003 --> 00:21:40,703 ご苦労だった。 215 00:21:48,480 --> 00:21:51,150 ならば…➡ 216 00:21:51,150 --> 00:21:54,450 行けるところまで行ってみるか。 217 00:21:56,822 --> 00:21:58,757 フフ…。 218 00:21:58,757 --> 00:22:01,457 (足音) 219 00:22:05,831 --> 00:22:08,734 ああ… どうしたい? 220 00:22:08,734 --> 00:22:13,705 お頭… お願いが。 何だ? 221 00:22:13,705 --> 00:22:18,844 私の これまでの稼ぎは お頭にお預けしています。 222 00:22:18,844 --> 00:22:25,544 その中から 50両 頂きたいのです。 223 00:22:27,853 --> 00:22:33,853 お前の金だ。 好きに使うがいいさ。 224 00:22:50,108 --> 00:22:52,811 どうしたんだい? 225 00:22:52,811 --> 00:22:55,811 取りゃしないよ。 226 00:22:57,683 --> 00:23:01,683 何か 訳がありそうだね。 227 00:23:08,360 --> 00:23:10,362 そう…。 228 00:23:10,362 --> 00:23:14,833 下働きしていた家のお嬢様。 229 00:23:14,833 --> 00:23:17,502 ああ。 230 00:23:17,502 --> 00:23:23,375 今は 伊勢屋で 子どもに手習いを教えていた。 231 00:23:23,375 --> 00:23:26,575 いろはの「ろ」は? ういろうの「ろ」。 232 00:23:28,513 --> 00:23:34,319 天一坊様に仕官したくば 50両出せというのだ。➡ 233 00:23:34,319 --> 00:23:38,123 そんな金 どうやって…。 234 00:23:38,123 --> 00:23:42,794 私が 親戚に掛け合ってみます。 235 00:23:42,794 --> 00:23:46,465 お前の親を見捨てた者たちだぞ。 236 00:23:46,465 --> 00:23:48,800 亭主がいるんだね。 237 00:23:48,800 --> 00:23:51,703 ただ 恩返しがしたいだけだ。 238 00:23:51,703 --> 00:23:56,403 でも その金 どうやって渡すのさ。 239 00:24:01,813 --> 00:24:05,684 確かに。 240 00:24:05,684 --> 00:24:11,156 こんな汚れた金 渡せねえ…。 241 00:24:11,156 --> 00:24:16,856 やっぱり 俺みたいな 日陰者がする事じゃねえんだ…。 242 00:24:20,832 --> 00:24:24,503 何 50両? 243 00:24:24,503 --> 00:24:28,840 はい。 とても過分なお願いとは 分かっておりますが…。 244 00:24:28,840 --> 00:24:32,444 なぜ また そのような大金を? 245 00:24:32,444 --> 00:24:36,782 夫が… 天一坊様に仕官したいと。 246 00:24:36,782 --> 00:24:40,452 ああ そういう事か。 247 00:24:40,452 --> 00:24:42,788 それは よい。 248 00:24:42,788 --> 00:24:45,123 どうか…。 249 00:24:45,123 --> 00:24:48,460 あなたは子どもによくしてくれる。 250 00:24:48,460 --> 00:24:51,797 あなたの頼みなら…➡ 251 00:24:51,797 --> 00:24:54,797 考えておきましょう。 252 00:24:57,469 --> 00:24:59,404 ありがとうございます。 253 00:24:59,404 --> 00:25:01,404 お願い致します。 254 00:25:05,811 --> 00:25:10,682 今度 その事で ゆっくりと話をしましょう。 255 00:25:10,682 --> 00:25:12,684 え…。 256 00:25:12,684 --> 00:25:20,158 ゆっくりと… 話をね。➡ 257 00:25:20,158 --> 00:25:23,495 いろはの「い」は➡ 258 00:25:23,495 --> 00:25:25,795 色の「い」。 259 00:25:31,103 --> 00:25:36,441 (柏屋)この度は まことに おめでとうございます。➡ 260 00:25:36,441 --> 00:25:39,778 のう。 はっ。 261 00:25:39,778 --> 00:25:44,449 御落胤と認められた お気持ちは? 262 00:25:44,449 --> 00:25:47,119 別段 何も。 263 00:25:47,119 --> 00:25:49,788 おっ… ほう。 264 00:25:49,788 --> 00:25:52,457 町では 大層な評判です。 265 00:25:52,457 --> 00:25:59,131 恐らく 幕府も 覆す事はございますまい。 266 00:25:59,131 --> 00:26:02,431 聞きたい事がある。 何でしょう? 267 00:26:04,803 --> 00:26:07,472 浪人たちから 支度金として集めている金➡ 268 00:26:07,472 --> 00:26:09,408 どうするつもりだ? 269 00:26:09,408 --> 00:26:11,343 どうという事はございません。 270 00:26:11,343 --> 00:26:15,347 仕官したいなら その気持ちを 表す事が 肝要にございましょう。 271 00:26:15,347 --> 00:26:17,482 しかし 50両は大金…。 272 00:26:17,482 --> 00:26:20,385 (大膳)天一坊様が そのような事を ご案じなさる事は。 273 00:26:20,385 --> 00:26:22,821 (柏屋)そうでございますとも。 274 00:26:22,821 --> 00:26:27,821 (大膳)いつか 必ずや お役に立つものに存じます。 275 00:26:30,495 --> 00:26:36,301 (柏屋)いや 貧しき者を思いやる その気持ちこそ➡ 276 00:26:36,301 --> 00:26:39,771 大切でございますぞ。 277 00:26:39,771 --> 00:26:44,109 よき将軍となられましょう。 278 00:26:44,109 --> 00:27:29,109 ♬~ 279 00:27:57,115 --> 00:28:03,455 全ては 手はずどおりに 進んでおります。 280 00:28:03,455 --> 00:28:30,615 ♬~ 281 00:28:30,615 --> 00:28:35,086 次の狙いは 決まった。 282 00:28:35,086 --> 00:28:38,957 明日の夕刻。 283 00:28:38,957 --> 00:28:41,257 いずこを? 284 00:28:50,101 --> 00:28:53,004 富の市とおかねを呼べ。 285 00:28:53,004 --> 00:29:04,449 ♬~ 286 00:29:04,449 --> 00:29:07,786 あっ すみません! いえいえ。 287 00:29:07,786 --> 00:29:10,786 あいつは 雲霧一党のおかね…。 288 00:29:12,657 --> 00:29:15,460 粂三 おめえは おかね つけてくれ。 289 00:29:15,460 --> 00:29:17,395 へい! 290 00:29:17,395 --> 00:30:00,772 ♬~ 291 00:30:00,772 --> 00:30:03,441 それは確かか? へい。 292 00:30:03,441 --> 00:30:05,377 明日の申の刻➡ 293 00:30:05,377 --> 00:30:11,316 常楽院から柏屋へ金を運ぶ道筋で 襲うと書いてあったそうで。 294 00:30:11,316 --> 00:30:14,085 その文 誰か取りに来たのか? 295 00:30:14,085 --> 00:30:18,790 いえ 粂三が見張っておりやすが まだ誰も。 296 00:30:18,790 --> 00:30:22,460 見張っている事に 気付かれたのか…。 297 00:30:22,460 --> 00:30:28,800 気付かれたとすれば… 明日の襲撃は取りやめるだろう。 298 00:30:28,800 --> 00:30:32,671 どうします? 299 00:30:32,671 --> 00:30:35,371 うん…。 300 00:30:55,493 --> 00:30:57,493 はっ! 301 00:31:02,367 --> 00:31:07,105 わしは どうしても 50両が用意できなかった…。 302 00:31:07,105 --> 00:31:09,841 拙者とて同じ。 303 00:31:09,841 --> 00:31:14,841 貧乏人は 仕官もできぬという事か…。 304 00:31:22,854 --> 00:31:26,524 そうとは限りませんぞ。 305 00:31:26,524 --> 00:31:28,460 どういう事だ? 306 00:31:28,460 --> 00:31:32,797 耳寄りの話を聞いたんだ。 307 00:31:32,797 --> 00:31:34,797 (武井)何だ? 308 00:31:37,669 --> 00:31:40,138 (大膳)では 参ろう。 309 00:31:40,138 --> 00:31:42,438 (一同)はっ。 310 00:31:47,479 --> 00:32:04,496 (鐘の音) 311 00:32:04,496 --> 00:32:25,517 ♬~ 312 00:32:25,517 --> 00:32:27,852 (熊五郎) この間は お世話になりました。➡ 313 00:32:27,852 --> 00:32:30,522 いい盆栽が手に入ったので 持ってまいりました。 314 00:32:30,522 --> 00:32:32,791 おお! 庭へ置いといておくれ。 315 00:32:32,791 --> 00:32:34,791 へい! 316 00:32:39,464 --> 00:32:43,334 一刻たったら 迎えに来い。 へい。 317 00:32:43,334 --> 00:32:47,034 (鐘の音) 318 00:32:55,480 --> 00:32:58,383 (鐘の音) 319 00:32:58,383 --> 00:33:07,091 ♬~ 320 00:33:07,091 --> 00:33:11,029 (鐘の音) 321 00:33:11,029 --> 00:33:13,498 何者! 322 00:33:13,498 --> 00:33:18,369 ♬~ 323 00:33:18,369 --> 00:33:22,369 (走り寄る足音) 324 00:33:24,843 --> 00:33:27,178 お下がり下さい! 325 00:33:27,178 --> 00:34:13,157 ♬~ 326 00:34:13,157 --> 00:34:15,493 火付盗賊改である。 327 00:34:15,493 --> 00:34:19,163 雲霧一党だな。 これまでだ。 328 00:34:19,163 --> 00:34:21,833 (武井)盗人が ぬけぬけと! 329 00:34:21,833 --> 00:34:23,768 何だと? 330 00:34:23,768 --> 00:34:26,704 お前たちこそ 雲霧一党ではないか! 331 00:34:26,704 --> 00:34:29,707 火付盗賊改に化けて襲ってくると 聞いたのだ! 332 00:34:29,707 --> 00:34:32,110 たわけた事を申すな! 本当だ!➡ 333 00:34:32,110 --> 00:34:36,781 雲霧一党から 天一坊様の荷車をお守りすれば➡ 334 00:34:36,781 --> 00:34:39,684 仕官する道が開けると思い やって来たのだ! 335 00:34:39,684 --> 00:34:41,653 嘘をつけ! 336 00:34:41,653 --> 00:34:44,122 (式部)藤兵衛。 337 00:34:44,122 --> 00:34:47,992 こやつらの話 嘘ではない。 338 00:34:47,992 --> 00:34:51,996 あの文は 我らを たばかるためのものだ。 339 00:34:51,996 --> 00:34:56,296 では やつらが襲うのは…。 340 00:35:08,813 --> 00:35:33,972 ♬~ 341 00:35:33,972 --> 00:35:35,974 (藤兵衛)誰か! 342 00:35:35,974 --> 00:35:37,976 はあ 何か? 主は? 343 00:35:37,976 --> 00:35:40,445 出かけておりますが…。 あらためるぞ。 344 00:35:40,445 --> 00:35:47,318 ♬~ 345 00:35:47,318 --> 00:35:50,018 おのれ! 346 00:35:56,794 --> 00:36:00,131 ♬~(三味線) 347 00:36:00,131 --> 00:36:04,802 ここへ来たという事は…➡ 348 00:36:04,802 --> 00:36:08,473 覚悟ができているんだね。 349 00:36:08,473 --> 00:36:11,473 どうなんだ? 350 00:36:15,813 --> 00:36:17,813 はい…。 351 00:36:25,823 --> 00:36:28,493 そうかい。 352 00:36:28,493 --> 00:36:48,446 ♬~ 353 00:36:48,446 --> 00:36:50,782 ≪旦那様 大変です! 354 00:36:50,782 --> 00:36:53,117 何だ!? 355 00:36:53,117 --> 00:36:55,053 どうした? 356 00:36:55,053 --> 00:36:59,457 店が… 賊に襲われました! 357 00:36:59,457 --> 00:37:01,757 えっ? 358 00:37:06,798 --> 00:37:09,798 なぜ また うちが…。 359 00:37:18,142 --> 00:37:20,478 そんな…。 360 00:37:20,478 --> 00:37:29,821 ♬~ 361 00:37:29,821 --> 00:37:36,094 (柏屋)伊勢屋さんが やられましたか…。➡ 362 00:37:36,094 --> 00:37:39,430 油断大敵ですな。 363 00:37:39,430 --> 00:37:47,305 ええ。 こちらの金を 囮に使いましたな。 364 00:37:47,305 --> 00:37:53,778 う~ん 雲霧とやら…➡ 365 00:37:53,778 --> 00:37:56,078 お見事。 366 00:38:02,120 --> 00:38:07,420 お頭 その先とは? 367 00:38:11,462 --> 00:38:13,462 (灰を落とす音) 368 00:38:17,802 --> 00:38:24,502 いよいよ 次は 黒幕だ。 369 00:38:33,084 --> 00:38:38,422 <御落胤の証しとなる脇差しは 公儀に認められ➡ 370 00:38:38,422 --> 00:38:44,295 天一坊は 将軍への謁見を 許される事になった> 371 00:38:44,295 --> 00:40:26,797 ♬~ 372 00:40:26,797 --> 00:40:30,468 いよいよ 上様にお目見え。 373 00:40:30,468 --> 00:40:33,371 身が引き締まりますな。 374 00:40:33,371 --> 00:41:35,800 ♬~ 375 00:41:35,800 --> 00:41:39,670 上様お目見えの日をもって 大名となられるであろう。 376 00:41:39,670 --> 00:41:42,673 まだ間に合います。 行ってらっしゃいませ。 377 00:41:42,673 --> 00:41:45,810 名乗った途端に あの金は汚れた金になっちまう。 378 00:41:45,810 --> 00:41:47,745 紀州に行ってほしいのだ。 379 00:41:47,745 --> 00:41:50,681 恐らく 天一坊に関わる事だ。 380 00:41:50,681 --> 00:41:53,684 突然 何を言いだす!? 381 00:41:53,684 --> 00:41:58,155 ♬~ 382 00:41:58,155 --> 00:42:00,091 火付盗賊改である。 383 00:42:00,091 --> 00:42:02,026 お前たちに用はない! 384 00:42:02,026 --> 00:42:05,830 そなたが いなければ ここには いなかった。 385 00:42:05,830 --> 00:43:25,530 ♬~