1 00:00:02,202 --> 00:00:05,105 <100年ぶりの将軍上洛に沸く京。➡ 2 00:00:05,105 --> 00:00:10,410 雲霧仁左衛門は 幕府からの莫大な金の流れを見越して➡ 3 00:00:10,410 --> 00:00:12,946 京へ潜入していた。➡ 4 00:00:12,946 --> 00:00:17,818 一方 雲霧一党を追う 火付盗賊改 安部式部は➡ 5 00:00:17,818 --> 00:00:20,821 幕府老中の命を受けて 京へ。➡ 6 00:00:20,821 --> 00:00:24,124 御用商人 今津屋と 裏取り引きをする公家➡ 7 00:00:24,124 --> 00:00:27,794 竜胆右中将の蔵を荒らした仁左衛門と➡ 8 00:00:27,794 --> 00:00:33,600 再び 京で 相まみえることになったのである> 9 00:00:33,600 --> 00:00:46,313 ♬~ 10 00:00:52,019 --> 00:00:57,791 (伝次郎)竜胆屋敷の蔵から頂いた金は 金にして 2千両足らず➡ 11 00:00:57,791 --> 00:01:01,795 あとは このようなものが。 12 00:01:01,795 --> 00:01:04,631 (仁左衛門)ご苦労。 (熊五郎)都のお大臣と言うからには➡ 13 00:01:04,631 --> 00:01:08,769 もっと うなるほど蓄えがあるかと 思いましたがねえ。 14 00:01:08,769 --> 00:01:15,642 (留造)はあ~ こちとら 古道具屋に 押し入ったわけじゃあねえや。 15 00:01:15,642 --> 00:01:19,112 だが ものは考えようだ。 16 00:01:19,112 --> 00:01:21,949 千両箱を抱えて走るより➡ 17 00:01:21,949 --> 00:01:26,420 その茶杓 10本 手にして走る方が よほど 楽ではないか。 18 00:01:26,420 --> 00:01:29,790 え? え… ほんじゃ この 茶杓➡ 19 00:01:29,790 --> 00:01:32,292 百両ってことで? 20 00:01:34,661 --> 00:01:38,799 それが 京の面白えとこだ。 21 00:01:38,799 --> 00:01:40,834 武家伝奏の方は どうだ? 22 00:01:40,834 --> 00:01:44,137 (勘助)手はずどおり動いておりやす。 お任せくだせえ。 23 00:01:44,137 --> 00:01:47,174 武家伝奏? 24 00:01:47,174 --> 00:01:52,679 竜胆より 更に力を持っている公家だ。 25 00:02:01,088 --> 00:02:03,790 おはようさんどす。 26 00:02:07,761 --> 00:02:10,263 行っといでやす。 行っといでやす。行っといでやす。 27 00:02:14,635 --> 00:02:19,272 (おつる)先代のありがたさを かみしめながら頂きましょう。 28 00:02:19,272 --> 00:02:22,175 (次右衛門 佐一)頂きます。 29 00:02:22,175 --> 00:02:25,078 あの竜胆という公家はなあ➡ 30 00:02:25,078 --> 00:02:30,884 舌先三寸で京の商人をだまして➡ 31 00:02:30,884 --> 00:02:34,287 方々から お金をせしめていたそうや。 32 00:02:34,287 --> 00:02:36,790 面目おへん…。 33 00:02:36,790 --> 00:02:42,662 すぐに 武家伝奏の中末吉大納言さんを あたりなはれ。 34 00:02:42,662 --> 00:02:46,500 武家伝奏の中末吉大納言さん…。 35 00:02:46,500 --> 00:02:49,970 今は 誰よりも 力を持ったはるようですけど➡ 36 00:02:49,970 --> 00:02:54,141 なかなか したたかな お人やとか。 37 00:02:54,141 --> 00:02:59,646 うちも 一緒に行きまひょう。 義姉さんが…。 よろしおすんか? 38 00:02:59,646 --> 00:03:04,251 お内裏の修繕普請だけは どんな手を使うてでも➡ 39 00:03:04,251 --> 00:03:08,922 今津屋のもんにせな あきまへんさかいになあ。 40 00:03:08,922 --> 00:03:13,760 <武家伝奏とは 朝廷と武家の間を取り持つ 公家の役職で➡ 41 00:03:13,760 --> 00:03:17,597 関白に次ぐ要職とされていた。➡ 42 00:03:17,597 --> 00:03:21,268 中末吉大納言は 朝廷の代表として➡ 43 00:03:21,268 --> 00:03:25,572 京都所司代と交渉に当たっていた> 44 00:03:28,141 --> 00:03:31,278 (中末吉)中将さん。 45 00:03:31,278 --> 00:03:35,115 麿が後押しをしてきたいうのに➡ 46 00:03:35,115 --> 00:03:38,985 ぬすっとに蔵を荒らされるとは➡ 47 00:03:38,985 --> 00:03:42,989 情けないことでございますなあ。 48 00:03:42,989 --> 00:03:47,427 (竜胆) ほんまに 面目ないことでございます。 49 00:03:47,427 --> 00:03:51,298 100年ぶりの 公方さんのご上洛➡ 50 00:03:51,298 --> 00:03:56,169 我らにとって 今が稼ぎ時やいうのに。 51 00:03:56,169 --> 00:04:01,742 この先は どうしたらよろしおすか? 52 00:04:01,742 --> 00:04:08,248 しばらくの間は じっとしたはるんがよろし。 53 00:04:13,253 --> 00:04:20,127 そのうち また何ぞあったら お声をかけます。 54 00:04:20,127 --> 00:04:26,133 何とぞ 見捨てへんよう お願いいたします。 55 00:04:32,606 --> 00:04:37,277 それにしても 京へ来た早々 雲霧が現れるとは…。 56 00:04:37,277 --> 00:04:40,113 フッ 因縁じゃの。 57 00:04:40,113 --> 00:04:48,622 ♬~ 58 00:04:48,622 --> 00:04:53,493 雲霧仁左衛門…。 うわさには聞いていたが➡ 59 00:04:53,493 --> 00:04:55,962 金の匂いを嗅ぎつけたようじゃの。 60 00:04:55,962 --> 00:04:59,432 こたびのこと 手始めにすぎぬかと。 61 00:04:59,432 --> 00:05:04,070 手始めにすぎぬ…。 はい。 雲霧は➡ 62 00:05:04,070 --> 00:05:09,376 汚れた金に目をつけ それを 盗み取ることを信条といたしております。 63 00:05:09,376 --> 00:05:13,246 汚れた金? こしゃくな奴めが。 64 00:05:13,246 --> 00:05:20,387 何とぞ 私に 雲霧召し捕りのお許しを 頂きとうござります。 65 00:05:20,387 --> 00:05:24,257 そなたは 雲霧の手口を 知り抜いておるそうな。 66 00:05:24,257 --> 00:05:29,930 だが ここは 京じゃ。 何事も 京都町奉行と図るがよい。 67 00:05:29,930 --> 00:05:31,965 かしこまりました。 68 00:05:31,965 --> 00:05:35,268 こちらは ぬすっとどころではないと申すに。 69 00:05:37,804 --> 00:05:44,477 そろそろ 武家伝奏が 御所の修繕の費えを 伝えに来る頃であろう。 70 00:05:44,477 --> 00:05:47,347 武家伝奏…。 71 00:05:47,347 --> 00:05:51,218 お内裏の修繕普請は 今津屋でと➡ 72 00:05:51,218 --> 00:05:54,120 麿は はなから考えておりました。 73 00:05:54,120 --> 00:05:56,623 まことでございますか? 74 00:05:56,623 --> 00:06:02,062 おつるさんは しっかりもんや。 この人の目が光ってたら➡ 75 00:06:02,062 --> 00:06:07,734 もう それだけで 安心して ご普請を任せられるいうもんや。 76 00:06:07,734 --> 00:06:10,637 恐れ入ります。 77 00:06:10,637 --> 00:06:17,143 事が決まりましたら なんぞ お礼をさせていただきとうございます。 78 00:06:20,313 --> 00:06:25,252 お礼をしてくれるんやったら➡ 79 00:06:25,252 --> 00:06:29,122 おいしい お茶がありがたい。 80 00:06:29,122 --> 00:06:32,892 とびきりのお茶を お持ちいたします。 81 00:06:32,892 --> 00:06:35,762 とびきりのお茶をなあ。 82 00:06:35,762 --> 00:06:38,398 ハハ…。 83 00:06:38,398 --> 00:06:40,934 これは 楽しみや。 84 00:06:40,934 --> 00:06:45,138 どうぞ よろしゅう お頼み申し上げます。 85 00:06:48,808 --> 00:06:53,513 武家伝奏 中末吉大納言。 86 00:06:53,513 --> 00:06:56,483 一筋縄ではいかぬ男のようだな。 87 00:06:56,483 --> 00:07:02,889 はい。 竜胆とは格が違うとか。 88 00:07:02,889 --> 00:07:07,761 中末吉の一声で 御所修繕の御用金が動くわけだ。 89 00:07:07,761 --> 00:07:10,463 そのようで。 90 00:07:12,565 --> 00:07:19,339 う~ん。 こら 京の栂尾でとれた茶か。 91 00:07:19,339 --> 00:07:23,043 都の茶も また うまい…。 92 00:07:27,080 --> 00:07:29,582 はあ~。 93 00:07:29,582 --> 00:07:33,386 (鐘の音) 94 00:07:33,386 --> 00:07:38,925 (中末吉)主膳正殿 日頃は格別なる お計らい➡ 95 00:07:38,925 --> 00:07:43,096 まことに かたじけのうござりまする。 96 00:07:43,096 --> 00:07:47,267 某は ただ 所司代としての務めを➡ 97 00:07:47,267 --> 00:07:51,271 果たしているだけのことにございますれば お気遣いご無用に願いまする。 98 00:07:51,271 --> 00:07:58,978 ならば 麿も 武家伝奏としての お務めを果たしましょう。 99 00:07:58,978 --> 00:08:05,652 御所修繕の目論見書き これに持参いたしました。 100 00:08:05,652 --> 00:08:35,648 ♬~ 101 00:08:35,648 --> 00:08:38,251 「三拾万両」…。 102 00:08:38,251 --> 00:08:46,960 ♬~ 103 00:08:46,960 --> 00:08:52,465 これは 帝のご意思に基づくものに あらしゃいます。 104 00:08:54,267 --> 00:08:58,138 御意のままに。 目論見書き しかと これに…。 105 00:08:58,138 --> 00:09:01,141 よしなに願います。 106 00:09:04,878 --> 00:09:08,748 これほどの大きなご普請が務まるんは➡ 107 00:09:08,748 --> 00:09:14,220 やはり 今津屋でございますやろな。 108 00:09:14,220 --> 00:09:16,222 今津屋…。 109 00:09:16,222 --> 00:09:20,560 委細 承知つかまつりましてございます。 110 00:09:20,560 --> 00:09:28,234 ♬~ 111 00:09:28,234 --> 00:09:32,906 この度は 御所修繕普請の ご用命を賜りまして➡ 112 00:09:32,906 --> 00:09:35,942 まことに ありがとうございます。 113 00:09:35,942 --> 00:09:39,779 心して 相務めまする。 114 00:09:39,779 --> 00:09:43,082 子細は追って沙汰する。 115 00:09:43,082 --> 00:09:48,087 おつる そちは 大した商人よの。 116 00:09:49,756 --> 00:09:54,594 義姉さん いろいろと おおきに すんまへんどした…。 117 00:09:54,594 --> 00:09:56,629 これからが大変どす。 118 00:09:56,629 --> 00:09:59,098 せえだい お気張りやす。 119 00:09:59,098 --> 00:10:01,101 へえ。 120 00:10:07,807 --> 00:10:11,411 どうやら 今津屋に決まったようだな…。 121 00:10:11,411 --> 00:10:15,115 こっちも忙しくなりそうだ。 122 00:10:15,115 --> 00:10:17,050 ♬~(三味線) 123 00:10:17,050 --> 00:10:21,788 (与之助) ♬「まる たけ えびす に おし おいけ」 124 00:10:21,788 --> 00:10:27,961 ♬「あね さん ろっかく たこ にしき」 125 00:10:27,961 --> 00:10:32,799 ♬「し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう」 126 00:10:32,799 --> 00:10:36,503 ♬「せった ちゃらちゃら うおのたな」 127 00:10:39,439 --> 00:10:43,977 えらい 今日は 早い時分から お越しどすなあ。 128 00:10:43,977 --> 00:10:47,647 何や 知らん 疲れてしもうてなあ。 129 00:10:47,647 --> 00:10:50,683 今津屋さんの若旦さんともなれば➡ 130 00:10:50,683 --> 00:10:53,987 いろいろ 気苦労がおありどすやろなあ…。 131 00:10:53,987 --> 00:10:58,858 若旦那? この佐一は跡取りやない。 132 00:10:58,858 --> 00:11:01,594 違うんどすか? 133 00:11:01,594 --> 00:11:05,398 今津屋は 弟の次右衛門に継がす。 134 00:11:05,398 --> 00:11:07,767 それが 親の遺言でな。 135 00:11:07,767 --> 00:11:12,405 そうどすか…。 殺生な話どすなあ。 136 00:11:12,405 --> 00:11:15,308 いや その方がありがたいんや。 137 00:11:15,308 --> 00:11:21,114 わては どうも商いには向いてへん。 138 00:11:21,114 --> 00:11:24,617 これは 余計な話をしてしもうたなあ。 139 00:11:27,287 --> 00:11:32,292 いろいろ 聞かせとうおくれやす。 140 00:11:35,161 --> 00:11:37,163 (唾を飲み込む音) 141 00:11:38,898 --> 00:11:44,437 御所の修繕普請に 30万両とはな。 142 00:11:44,437 --> 00:11:48,808 諸国の民は 凶作続きで飢えているという昨今➡ 143 00:11:48,808 --> 00:11:51,311 これで よいのでしょうか? 144 00:11:51,311 --> 00:11:57,016 それが 帝の御心とも思えませぬが。 145 00:11:58,818 --> 00:12:02,689 上様ご上洛については 金を惜しむなというのが➡ 146 00:12:02,689 --> 00:12:06,259 江戸からのお達しとなれば 是非もない。 147 00:12:06,259 --> 00:12:10,129 これでは 蒼井様も苦労が絶えませぬな。 148 00:12:10,129 --> 00:12:13,132 いかにも お気の毒にござりまする。 149 00:12:13,132 --> 00:12:20,607 いや 黙って公家の言いなりに なってるだけとも思えぬがな…。 150 00:12:20,607 --> 00:12:27,947 そやけど 若旦さん お内裏のご普請には えらい お金がかかりますやろな。 151 00:12:27,947 --> 00:12:30,617 そら そうやがな。 152 00:12:30,617 --> 00:12:34,487 材木をそろえるだけでも 手間がかかるよってになあ。 153 00:12:34,487 --> 00:12:38,358 そしたら お金のやり取りが大変どすな。 154 00:12:38,358 --> 00:12:40,627 そない思うか? へえ。 155 00:12:40,627 --> 00:12:45,965 次右衛門の旦さんのお店に 大八車で運び込まれるんどすか? 156 00:12:45,965 --> 00:12:48,868 ハハハハ…➡ 157 00:12:48,868 --> 00:12:54,073 そんな心配はしてくれんで ええんや。 158 00:12:56,442 --> 00:13:05,151 ♬「まる たけ えびす に おし おいけ」 159 00:13:05,151 --> 00:13:09,989  回想  ♬「あね さん ろっかく たこ にしき」 160 00:13:09,989 --> 00:13:15,261 ♬「し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう」 161 00:13:15,261 --> 00:13:19,766 ♬「せった ちゃらちゃら うおのたな」 162 00:13:19,766 --> 00:13:36,115 ♬~ 163 00:13:36,115 --> 00:13:43,623 今津屋 おつる 徳兵衛…。 164 00:13:43,623 --> 00:13:54,333 ♬~ 165 00:13:57,637 --> 00:14:00,940 (ため息) 166 00:14:04,077 --> 00:14:07,914 どうぞ こちらへ。 はあ…。 はあ➡ 167 00:14:07,914 --> 00:14:11,217 お願いいたします。 168 00:14:18,391 --> 00:14:21,260 御免。 (高坂)お~ これは 安部殿➡ 169 00:14:21,260 --> 00:14:23,596 何しに参られた? 170 00:14:23,596 --> 00:14:27,266 雲霧の召し捕りに 某も お加えくだされ。 171 00:14:27,266 --> 00:14:32,939 江戸で捕らえられなんだ雲霧を 京で捕らえてみせると申されるか? 172 00:14:32,939 --> 00:14:35,975 お役に立ちとうござる。 173 00:14:35,975 --> 00:14:41,414 安部殿は 上様ご上洛に際しての警護について➡ 174 00:14:41,414 --> 00:14:46,619 検分するために参られたのだ。 それに専念なされよ。 175 00:14:46,619 --> 00:14:49,956 とは申せ 雲霧が現れた今➡ 176 00:14:49,956 --> 00:14:52,625 このまま 指をくわえて 見てるわけにはまいらぬ。 177 00:14:52,625 --> 00:14:56,963 町奉行には 任せておけぬと? 178 00:14:56,963 --> 00:15:00,466 まさか そのような…。 179 00:15:05,238 --> 00:15:08,241 30万両の金が動く。 180 00:15:08,241 --> 00:15:12,011 そして 京に雲霧がいる。 181 00:15:12,011 --> 00:15:17,316 それなのに動けぬとは 無念でござりまする。 182 00:15:19,252 --> 00:15:25,124 本来 ご老中からの お指図があるまでは 動きようがないが。 183 00:15:25,124 --> 00:15:30,396 ここには わしと お主がおる。 184 00:15:30,396 --> 00:15:34,600 はい。 ただ 2人だけでも雲霧を…。 185 00:15:34,600 --> 00:15:37,503 (半蔵)いや 3人でござりまする。 186 00:15:37,503 --> 00:15:39,705 中野殿…。 187 00:15:42,275 --> 00:15:46,145 某は どこまでも お供いたしまする。 188 00:15:46,145 --> 00:15:51,284 フフ。さっ。 かたじけない。 189 00:15:51,284 --> 00:15:53,286 では…。 190 00:15:56,155 --> 00:15:58,791 (おいち)さあさあ 休んどくれやす。 191 00:15:58,791 --> 00:16:02,061 すんまへん。 ちょっと 休もうか。 へい。 192 00:16:02,061 --> 00:16:04,096 ほな 頂こうか。 193 00:16:04,096 --> 00:16:07,567 さあ どうぞ。 頂きます。 194 00:16:07,567 --> 00:16:10,069 おおきに。 ほな おむすび 頂きますわ。 195 00:16:10,069 --> 00:16:12,004 ええ どうぞ。 頂きます。 196 00:16:12,004 --> 00:16:14,240 うまそうやな~。 いや~ ちょうど 腹減っとったんや~。 197 00:16:14,240 --> 00:16:18,110 (おいち)ここに 池を? へえ 外の堀から➡ 198 00:16:18,110 --> 00:16:22,381 水を引き込む段取りですわ。 そうどすかあ。 199 00:16:22,381 --> 00:16:26,586 (足音) 200 00:16:26,586 --> 00:16:29,388 こちらへ。 201 00:16:29,388 --> 00:16:32,091 あれは 錠前の職人どすか? 202 00:16:32,091 --> 00:16:36,762 へえ せんだって 中将さんのお屋敷に 賊が押し入ったんで➡ 203 00:16:36,762 --> 00:16:41,601 この際 古い錠前は取り替えよう ということになったそうどす。 204 00:16:41,601 --> 00:16:45,471 なるほど。 そら もっともや…。 205 00:16:45,471 --> 00:16:50,943 ♬~ 206 00:16:50,943 --> 00:16:55,414 この型の錠前は そんじょそこらのもんやおへん。 207 00:16:55,414 --> 00:17:01,554 鍵なくしたら 扉ごと壊してしまわな 中へは入れまへんよってに➡ 208 00:17:01,554 --> 00:17:07,560 どうぞ お気を付けて。 おかげさんで助かります。 209 00:17:10,229 --> 00:17:14,066 (次右衛門)ここは 由緒あるお寺だったんどすか? 210 00:17:14,066 --> 00:17:17,370 さあ どやろなあ。 211 00:17:17,370 --> 00:17:24,744 へ…? こういうとこがあったら 何かと便利。 212 00:17:24,744 --> 00:17:31,083 それで 所司代さんに お頼みして 修繕してもろたんや。 213 00:17:31,083 --> 00:17:37,390 このお寺を どう お使いになるんどす? 214 00:17:37,390 --> 00:17:43,763 例えば ここを 博打場にするとか。 215 00:17:43,763 --> 00:17:45,698 ハハハハ…。 216 00:17:45,698 --> 00:17:52,271 これは 文無しの竜胆にでもさしたろか…。 217 00:17:52,271 --> 00:17:58,978 (笑い声) 218 00:18:01,714 --> 00:18:06,552 時に 礼金は どうなってるんや? 219 00:18:06,552 --> 00:18:09,455 礼金…。 決まってるがな。 220 00:18:09,455 --> 00:18:13,225 この中末吉の骨折り料や。 221 00:18:13,225 --> 00:18:16,228 お茶のことでございますか…。 222 00:18:16,228 --> 00:18:22,234 そやがな。 お茶のことやがな。 223 00:18:22,234 --> 00:18:27,373 申し訳ございまへん。 そのことは 両替商の義姉が仕切っておりますんで。 224 00:18:27,373 --> 00:18:33,746 おつるさんも けちくさいなあ。 ハハ…。 225 00:18:33,746 --> 00:18:36,582 まあ ええ。 226 00:18:36,582 --> 00:18:40,386 30万両の大仕事や。 227 00:18:40,386 --> 00:18:43,589 2万両は もらわへんとなあ。 228 00:18:43,589 --> 00:18:49,929 2… 2万両…。 義姉上に そうお伝えしとくれやす。 229 00:18:49,929 --> 00:18:54,767 か… かしこまりました。 230 00:18:54,767 --> 00:19:01,574 次右衛門さんとは 長いつきあいを したいもんでございますなあ。 231 00:19:01,574 --> 00:19:04,777 ハハハハ…。 232 00:19:06,879 --> 00:19:10,750 これは お公家さんと旦那さん…。 233 00:19:10,750 --> 00:19:14,754 大納言様。 近頃は えらい景気がええようやのう。 234 00:19:14,754 --> 00:19:19,892 有り金残らず 置いていかんかい! 235 00:19:19,892 --> 00:19:27,767 おかしい連中が増えたもんやなあ。 何やと!? 痛い目に遭いたいんかい! 236 00:19:27,767 --> 00:19:33,072 あ~あ… 抜きよった。 237 00:19:33,072 --> 00:19:36,776 あほやなあ。 238 00:19:38,944 --> 00:19:41,247 うわ! うわ! 239 00:19:41,247 --> 00:19:43,249 うわ~! 240 00:19:48,020 --> 00:19:51,390 ご苦労さん。 241 00:19:51,390 --> 00:19:57,196 身に降りかかる火の粉は払わへんとなあ。 242 00:20:01,133 --> 00:20:03,969 (熊五郎)中末吉大納言…。 243 00:20:03,969 --> 00:20:06,772 とんでもねえ食わせもんだ。 244 00:20:06,772 --> 00:20:09,809 やはり 公家と商人が結託して➡ 245 00:20:09,809 --> 00:20:13,546 御所の修繕費用を 水増ししていたわけですね。 246 00:20:13,546 --> 00:20:19,118 その 水増しした分を頂く…。 材木屋の次右衛門の店に➡ 247 00:20:19,118 --> 00:20:24,290 近々 御用金が運び込まれる…。 そんな気配は あんのかい? 248 00:20:24,290 --> 00:20:29,428 呉服屋の若旦那 佐一は そのことについては口を濁すばかりで…。 249 00:20:29,428 --> 00:20:31,497 ふん。 次右衛門の店に➡ 250 00:20:31,497 --> 00:20:34,266 金が運び込まれることはあるまい。 251 00:20:34,266 --> 00:20:38,637 ♬~ 252 00:20:38,637 --> 00:20:42,508 今津屋の本店は おつるが切り盛りする両替商だ。 253 00:20:42,508 --> 00:20:48,314 公儀からの為替を扱い 手形を振り出せば 用は足りる。 254 00:20:48,314 --> 00:20:50,649 なるほど そうでしたねえ。 255 00:20:50,649 --> 00:20:57,156 だが 公家への礼に 手形は使えまい。 256 00:20:57,156 --> 00:21:01,594 中末吉の屋敷に運び込まれる…。 257 00:21:01,594 --> 00:21:05,264 その道中を狙いますかい…。 258 00:21:05,264 --> 00:21:10,136 さて どうしたものか…。 259 00:21:10,136 --> 00:21:22,615 ♬~ 260 00:21:22,615 --> 00:21:25,518 2万両…。 261 00:21:25,518 --> 00:21:30,356 武家伝奏が そう言うたんやな。 へえ。 262 00:21:30,356 --> 00:21:34,793 礼金は 1万両と 話がついてたというのに…。 263 00:21:34,793 --> 00:21:38,130 1万両で話が? 264 00:21:38,130 --> 00:21:41,167 よう まあ いけしゃあしゃあと言うたもんや。 265 00:21:41,167 --> 00:21:43,636 どないしはるおつもりどす? 266 00:21:43,636 --> 00:21:47,806 中末吉さんを怒らせると ばっさりいかれまっせ…。 267 00:21:47,806 --> 00:21:50,442 ばっさり? 268 00:21:50,442 --> 00:21:54,747 あんな公家に なめられて たまりますかいな。 269 00:21:59,819 --> 00:22:04,089 北山に 安当寺という寺がござりまする。 270 00:22:04,089 --> 00:22:06,392 安当寺…。 はい。 271 00:22:06,392 --> 00:22:09,261 とうの昔に廃寺になったというのに➡ 272 00:22:09,261 --> 00:22:14,400 いつの間にか 立派な寺に生まれ変わっておりまして。 273 00:22:14,400 --> 00:22:19,605 それも 上様ご上洛にかこつけての普請かのう。 274 00:22:19,605 --> 00:22:22,508 公家の衆が由緒と理屈を並べて➡ 275 00:22:22,508 --> 00:22:26,378 所司代に 談じ込んだと 聞いておりまするが➡ 276 00:22:26,378 --> 00:22:31,951 糸を引いていたのが 中末吉様のようで…。 277 00:22:31,951 --> 00:22:35,821 己は表に出ず 裏で そうっと…。 278 00:22:35,821 --> 00:22:40,426 御所の普請が決まった途端 本性を現したようで。 279 00:22:40,426 --> 00:22:44,129 昨日も その寺の検分に現れて 賊に襲われたものの➡ 280 00:22:44,129 --> 00:22:47,032 これを 見事 返り討ちに…。 281 00:22:47,032 --> 00:22:50,803 もっとも 本人は…。 282 00:22:50,803 --> 00:22:52,838  回想 危ないとこを➡ 283 00:22:52,838 --> 00:22:58,544 通りすがりの ご浪人さんが 助けてくれはりましてなあ。 284 00:22:58,544 --> 00:23:01,247 …などと申されていると。 285 00:23:02,915 --> 00:23:05,951 う~ん。 286 00:23:05,951 --> 00:23:10,756 武家伝奏 今津屋…。 287 00:23:13,626 --> 00:23:15,928 よいしょ。 288 00:23:15,928 --> 00:23:17,930 あいよ。 289 00:23:20,599 --> 00:23:23,636 しっかりな。 (3人)へい! 290 00:23:23,636 --> 00:23:27,773 この堀から お屋敷の庭に 水を引き込むよってにな。 291 00:23:27,773 --> 00:23:32,611 ⚟エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ。 292 00:23:32,611 --> 00:23:37,316 エイホ エイホ エイホ エイホ~。 293 00:23:44,223 --> 00:23:47,793 うちの次右衛門から 話は聞きました。 294 00:23:47,793 --> 00:23:51,630 さよか。 よろしゅう お頼みします。 295 00:23:51,630 --> 00:23:55,301 お約束が違います。 296 00:23:55,301 --> 00:23:58,971 う~ん… 違たかいな? 297 00:23:58,971 --> 00:24:02,775 お約束は 1万両でございます。 298 00:24:04,576 --> 00:24:11,250 よう考えてみたら 30万両の大仕事や。 299 00:24:11,250 --> 00:24:16,755 口利き料が1万では 安すぎる思てなあ。 300 00:24:16,755 --> 00:24:19,091 お約束は 守っていただきます。 301 00:24:19,091 --> 00:24:23,796 今津屋! 無礼やないか。 302 00:24:25,965 --> 00:24:30,102 商人は 約束が命。 303 00:24:30,102 --> 00:24:36,408 一旦 取り決めたお金を 後から変えてもろては困ります。 304 00:24:36,408 --> 00:24:40,612 払わへんて言うんか…。 305 00:24:40,612 --> 00:24:46,618 お支払いいたします。 そやけど 2万両は払えしまへん! 306 00:24:48,787 --> 00:24:52,658 何どしたら この浮いた1万両➡ 307 00:24:52,658 --> 00:24:58,797 そのまま お上へ 余りましたと お返しいたしましょうか。 308 00:24:58,797 --> 00:25:03,635 いや… これこれ 何を言いだすんや。 1万両で➡ 309 00:25:03,635 --> 00:25:06,939 よろしゅうございますなあ。 310 00:25:09,441 --> 00:25:12,244 分かった…。 311 00:25:12,244 --> 00:25:16,048 そなたには かなわへん…。 312 00:25:17,750 --> 00:25:21,587 そしたら すぐに この度のお礼に➡ 313 00:25:21,587 --> 00:25:27,393 うちが選びました おいしいお茶を お持ちいたします。 314 00:25:35,601 --> 00:25:50,416 ♬~ 315 00:25:50,416 --> 00:25:57,790 ⚟(足音) 316 00:25:57,790 --> 00:26:00,759 今津屋の おつるに 値切られましたか。 317 00:26:00,759 --> 00:26:03,896 脅されたようなもんでございます。 318 00:26:03,896 --> 00:26:10,069 1万両は お上に返す…。 フフフ。 319 00:26:10,069 --> 00:26:15,941 今津屋おつる その辺りの男より よほど肝が据わっておりまするな。 320 00:26:15,941 --> 00:26:21,580 そやから 蒼井様にお渡しする分が 少ななってしもたんです。 321 00:26:21,580 --> 00:26:24,249 そのようなもの 当てにはしておりませぬ。 322 00:26:24,249 --> 00:26:30,122 それよりも 雲霧仁左衛門と申す ぬすっとに 気を付けられませ。 323 00:26:30,122 --> 00:26:35,394 せんだって 竜胆右中将の お屋敷を襲たていう。 324 00:26:35,394 --> 00:26:39,598 江戸から来ている 火付盗賊改の安部式部によれば➡ 325 00:26:39,598 --> 00:26:44,403 雲霧は 汚れた金に目をつけると。 326 00:26:44,403 --> 00:26:47,306 汚れた金でございますか。 327 00:26:47,306 --> 00:26:49,608 安部は なかなかの切れ者。 328 00:26:49,608 --> 00:26:52,644 あやつが 雲霧を追うことによって 何かに気付くやもしれません。 329 00:26:52,644 --> 00:26:54,780 フフフフ…。 330 00:26:54,780 --> 00:26:57,282 危ないことなんかあらしません。 331 00:26:57,282 --> 00:27:00,719 錠前は 頑丈なものに改めましたし➡ 332 00:27:00,719 --> 00:27:04,223 うちには 腕利きの用心棒もいてますし。 333 00:27:04,223 --> 00:27:10,229 さりながら 備えは幾重にも固めねばなりません…。 334 00:27:11,897 --> 00:27:14,233 よっ。 335 00:27:14,233 --> 00:27:16,168 よっ。 336 00:27:16,168 --> 00:27:20,105 ほな 行きまひょか。 へい。 337 00:27:20,105 --> 00:27:22,407 (使用人たち)行っといでやす。 338 00:27:31,383 --> 00:27:35,187 (子犬の鳴き声) 339 00:27:37,589 --> 00:27:41,894 何や お前 親に はぐれたんか…。 340 00:27:47,933 --> 00:27:50,836 大納言様のお屋敷に茶壺が…。 341 00:27:50,836 --> 00:27:56,041 いかにも重そうだが これまた みやびだねえ。 342 00:28:03,215 --> 00:29:06,211 ♬~ 343 00:29:06,211 --> 00:29:09,982 安部殿も 一緒か? お奉行…。 344 00:29:09,982 --> 00:29:14,553 あれほど ならぬと申したに。 頑固な男よ。 345 00:29:14,553 --> 00:29:18,890 どこまでも 正義を貫く…。 346 00:29:18,890 --> 00:29:22,728 お奉行と よく似たお方でござりまする。 347 00:29:22,728 --> 00:29:26,732 早々に引き揚げるよう 申し伝えよ。 348 00:29:32,070 --> 00:29:34,973 役人が出張ってやがる…。 349 00:29:34,973 --> 00:29:49,621 ♬~ 350 00:29:49,621 --> 00:29:53,091 雲霧は 現れませんでした。 351 00:29:53,091 --> 00:29:57,596 ふむ。 屋敷を見張らねばならぬな…。 352 00:29:57,596 --> 00:30:11,310 ♬~ 353 00:30:15,013 --> 00:30:18,784 ハハハハハ…。 354 00:30:18,784 --> 00:30:22,654 こたびは お口添え まことに ありがとうございます。 355 00:30:22,654 --> 00:30:27,426 お礼の品として お茶を お持ちいたしました。 356 00:30:27,426 --> 00:30:35,300 こんなに気を遣わんでもええのに…。 ハハハハ ハハハハ。 357 00:30:35,300 --> 00:30:39,171 まあ お茶やったら➡ 358 00:30:39,171 --> 00:30:44,976 ありがたく もろときましょか。 ハハハハ…。 359 00:30:52,317 --> 00:30:55,220 あ~… ハハハハ。 360 00:30:55,220 --> 00:31:00,926 ほんまに うまそうな お茶やなあ。 361 00:31:00,926 --> 00:31:07,399 ハハハハ…。 う~ん。 362 00:31:07,399 --> 00:31:09,901 (扉が閉まる音) 363 00:31:26,818 --> 00:31:55,647 ♬~ 364 00:31:55,647 --> 00:32:00,619 外の堀から屋敷の庭の池に水を引くと 見せかけておりやすが…。 365 00:32:00,619 --> 00:32:08,927 ♬~ 366 00:32:08,927 --> 00:32:14,266 (勘助)外から蔵の床下につながる穴を こっそりと掘っておりやす。 367 00:32:14,266 --> 00:32:46,298 ♬~ 368 00:32:46,298 --> 00:32:50,001 (小判を探り当てる音) よし ここと…。 369 00:32:57,809 --> 00:33:00,579 (小判を探り当てる音) ここだ。 370 00:33:00,579 --> 00:33:28,940 ♬~ 371 00:33:28,940 --> 00:33:30,876 見事だ。 372 00:33:30,876 --> 00:33:35,113 狙いどおりだぜ。 ハハハハハ。 373 00:33:35,113 --> 00:33:39,417 小判の雨が降ってきやがったぜ。 ハハハハ。 374 00:33:39,417 --> 00:33:41,353 おお…。 375 00:33:41,353 --> 00:33:50,629 ⚟(物音) 376 00:33:50,629 --> 00:33:54,332 お出会い召されい! お出会い召されい! 377 00:33:56,134 --> 00:33:59,804 どないしたんや? 蔵の中から怪しい物音がいたしまする。 378 00:33:59,804 --> 00:34:02,374 何やて…。 379 00:34:02,374 --> 00:34:05,377 とにかく 扉を開けてみい。 はい。 380 00:34:11,750 --> 00:34:14,786 あれ? 大納言さん…。 381 00:34:14,786 --> 00:34:16,922 貸せ! もう! 382 00:34:16,922 --> 00:34:22,260 ♬~ 383 00:34:22,260 --> 00:34:28,066 これは…! 鍵穴が塞がってるがな! 384 00:34:28,066 --> 00:34:31,603 ⚟(中末吉)早う なんとかせい! 385 00:34:31,603 --> 00:34:36,274 ⚟(物音) 屋敷が騒がしい…。 参るぞ! 386 00:34:36,274 --> 00:34:38,276 (半蔵 藤兵衛)はっ。 387 00:34:44,416 --> 00:34:48,119 安部殿…。 何をなさるおつもりじゃ? 388 00:34:48,119 --> 00:34:52,958 知れたこと。 ぬすっとを捕らえに参る。 389 00:34:52,958 --> 00:34:56,428 ならば 某と同じじゃ。 390 00:34:56,428 --> 00:34:59,631 お奉行殿…。 391 00:34:59,631 --> 00:35:02,901 困った御仁じゃのう。 392 00:35:02,901 --> 00:35:06,571 それ 皆の者! 安部殿に続け! 393 00:35:06,571 --> 00:35:09,074 (一同)はっ! 394 00:35:16,247 --> 00:35:23,021 もっと力を入れて! 何をしとるのや もう! はよ…。 395 00:35:23,021 --> 00:35:24,956 あっ。 396 00:35:24,956 --> 00:35:28,259 何といたされた? 蔵の中に 何もんかが…。 397 00:35:28,259 --> 00:35:32,130 直ちに蔵を開けてくださりませ。 それが 鍵穴が塞がってますのや。 398 00:35:32,130 --> 00:35:34,933 なんと…。 御免! 399 00:35:34,933 --> 00:35:38,603 おい 扉を打ち破れ! (一同)はっ! 400 00:35:38,603 --> 00:35:43,908 (扉を打つ音) 401 00:35:46,344 --> 00:35:50,782 何や… 何も変わってへんやないか。 402 00:35:50,782 --> 00:35:55,954 気のせいやったんかいな。 人騒がせな。 403 00:35:55,954 --> 00:36:00,725 ♬~ 404 00:36:00,725 --> 00:36:04,596 これ 勝手に蔵へ入ったらあかん…。 405 00:36:04,596 --> 00:36:17,075 ♬~ 406 00:36:17,075 --> 00:36:19,277 「く」…。 407 00:36:21,746 --> 00:36:23,782 「も」…。 408 00:36:23,782 --> 00:36:27,385 「くも」…。 409 00:36:27,385 --> 00:36:30,588 えい! 410 00:36:30,588 --> 00:36:32,924 してやられたか…。 411 00:36:32,924 --> 00:36:54,913 ♬~ 412 00:37:10,762 --> 00:37:15,066 はあ…。 ただいま。 413 00:37:15,066 --> 00:37:22,574 <今津屋は 先代 徳兵衛が 万里小路に開いた古着屋から始まった。➡ 414 00:37:22,574 --> 00:37:30,315 発祥の地であるこの店は 既に閉じられ 僅かに名残をとどめるのみとなっていた> 415 00:37:30,315 --> 00:37:38,389 ♬~ 416 00:37:38,389 --> 00:37:42,093  回想 (おつる 佐一)♬「まるたけ えびす に おしおいけ」 417 00:37:42,093 --> 00:37:46,397 ♬「あね さん ろっかく たこ にしき」 418 00:37:46,397 --> 00:37:48,767 (次右衛門)義姉さん! 佐一! 419 00:37:48,767 --> 00:37:52,771 兄さんが 大坂の商いから 帰ってきやはったで! 420 00:37:56,508 --> 00:38:00,345 お帰り! 421 00:38:00,345 --> 00:38:03,047 ご苦労さんどした…。 422 00:38:06,718 --> 00:38:08,653 (戸が開く音) 423 00:38:08,653 --> 00:38:12,056 おかみさん ここに おいででございましたか。 424 00:38:12,056 --> 00:38:13,992 どないしましたんや? 425 00:38:13,992 --> 00:38:16,928 所司代の蒼井様から お召しがございました。 426 00:38:16,928 --> 00:38:18,930 蒼井様が…。 427 00:38:18,930 --> 00:38:21,566 (雷鳴) 428 00:38:21,566 --> 00:38:24,235 こたびの お礼をさせていただきたく➡ 429 00:38:24,235 --> 00:38:29,073 蒼井様に お目にかかりたいと 思うていたところでございました。 430 00:38:29,073 --> 00:38:34,245 礼など要らぬ。 そなたと取り引きをしたい。 431 00:38:34,245 --> 00:38:37,916 取り引き… でございますか。 432 00:38:37,916 --> 00:38:44,255 この蒼井主膳の金蔵の番を務めてくれ。 と 申されますと…。 433 00:38:44,255 --> 00:38:47,592 こたびの上様ご上洛に際して➡ 434 00:38:47,592 --> 00:38:50,261 百万両の金が 京へ流れる。 435 00:38:50,261 --> 00:38:52,197 百万両…。 436 00:38:52,197 --> 00:38:56,601 だが 身共は その半分しか使うつもりはない。 437 00:38:56,601 --> 00:38:59,270 残りの五十万両は? 438 00:38:59,270 --> 00:39:03,141 京を治めるための備えとしたい。 439 00:39:03,141 --> 00:39:07,345 それは 蒼井様の備えでは? 440 00:39:07,345 --> 00:39:10,215 ハハハハハ。 441 00:39:10,215 --> 00:39:12,217 そうやもしれぬの。 442 00:39:12,217 --> 00:39:15,053 だが 今津屋の備えにもなる。 443 00:39:15,053 --> 00:39:18,723 十万両は そなたの裁量に任せよう。 444 00:39:18,723 --> 00:39:22,360 つまり 十万両くれてやるゆえ➡ 445 00:39:22,360 --> 00:39:26,731 四十万両を 一旦 世の中から消し去り➡ 446 00:39:26,731 --> 00:39:30,568 いつでも生かせるようにせえと仰せで? 447 00:39:30,568 --> 00:39:33,471 さすがは おつる。 話が早い。 448 00:39:33,471 --> 00:39:37,342 そんな大それたこと うちには できしません。 449 00:39:37,342 --> 00:39:42,080 いや そなたなら できる。 両替商 材木屋 呉服屋。 450 00:39:42,080 --> 00:39:45,750 この3つを束ねる今津屋ならばのう。 451 00:39:45,750 --> 00:39:49,254 お許しください。 もし それが露見すれば➡ 452 00:39:49,254 --> 00:39:52,257 この首 胴にはついておりません。 453 00:39:52,257 --> 00:39:55,126 身共がついてる限り 露見はせぬ。 けど…。 454 00:39:55,126 --> 00:39:57,128 引き受けねば➡ 455 00:39:57,128 --> 00:40:01,266 次右衛門は 島送りにいたさねばならぬ。 456 00:40:01,266 --> 00:40:03,601 次右衛門…? 457 00:40:03,601 --> 00:40:05,937 次右衛門が何をしたと? 458 00:40:05,937 --> 00:40:08,406 せんだって 竜胆屋敷にて➡ 459 00:40:08,406 --> 00:40:11,776 浅野屋の主に危害を加えたことは 知っておるの。 460 00:40:11,776 --> 00:40:17,282  回想 こんな奴は 皆で思い知らせたれ! ああ~! 461 00:40:17,282 --> 00:40:20,785 今津屋の次右衛門 なめたらあかんで! 462 00:40:20,785 --> 00:40:24,622 あれは 中将さんを お助けせんとしたことでございます。 463 00:40:24,622 --> 00:40:28,126 次右衛門を生かすも殺すも いや➡ 464 00:40:28,126 --> 00:40:33,431 今津屋が浮かぶも沈むも この蒼井主膳正次第…。 465 00:40:33,431 --> 00:40:36,334 (雷鳴) 466 00:40:36,334 --> 00:40:39,637 汚うございます。 467 00:40:39,637 --> 00:40:44,442 フフ 何としてでも➡ 468 00:40:44,442 --> 00:40:49,814 そなたに 身共の金蔵の番をしてもらいたいのじゃ。 469 00:40:49,814 --> 00:40:54,452 うん? やってくれるな。 470 00:40:54,452 --> 00:40:59,157 ♬~ 471 00:40:59,157 --> 00:41:05,263 (雷鳴) 472 00:41:05,263 --> 00:41:15,273 ♬~ 473 00:41:15,273 --> 00:41:18,943 博打は博打でも 闘茶でさあ。 474 00:41:18,943 --> 00:41:22,613 公家の遊びか。 楽しそうじゃねえか。 475 00:41:22,613 --> 00:41:25,283 必ず もうかる話や。 476 00:41:25,283 --> 00:41:28,286 当家には 鉄の掟がありまっさかい。 477 00:41:28,286 --> 00:41:31,089 竜胆と中末吉の動きを探ってみてくれ。 478 00:41:31,089 --> 00:41:35,293 世の中 イカサマばかりじゃ。 479 00:41:35,293 --> 00:42:55,106 ♬~