1 00:00:02,202 --> 00:00:06,073 <雲霧仁左衛門は イカサマの闘茶の会にて➡ 2 00:00:06,073 --> 00:00:13,413 ひともうけを企む公家の竜胆と中末吉から 賭け金の全てを奪い去った。➡ 3 00:00:13,413 --> 00:00:17,618 一方 安部式部は 雲霧一党を取り逃すも➡ 4 00:00:17,618 --> 00:00:21,421 京の都で捕縛せんと 気持ちを新たにする。➡ 5 00:00:21,421 --> 00:00:24,324 仁左衛門は 所司代 蒼井が➡ 6 00:00:24,324 --> 00:00:30,163 将軍ご上洛に関わる御用金の保管を委ねた 今津屋を➡ 7 00:00:30,163 --> 00:00:33,634 次なる狙いと決めたのであった> 8 00:00:33,634 --> 00:00:45,946 ♬~ 9 00:00:47,648 --> 00:00:51,518 (藤兵衛)なんと… 全員 連れていかれた? 10 00:00:51,518 --> 00:00:54,821 (半蔵)お奉行じきじきに 竜胆 中末吉らの➡ 11 00:00:54,821 --> 00:00:56,757 お取り調べを なされようとしましたところ➡ 12 00:00:56,757 --> 00:01:00,928 蒼井様配下の者たちが参りまして 所司代預かりとして➡ 13 00:01:00,928 --> 00:01:03,964 取り調べをするとのことで 連れ去りました。➡ 14 00:01:03,964 --> 00:01:07,601 また 気になるうわさを 耳にいたしまして…。 15 00:01:07,601 --> 00:01:10,938 闘茶の会の胴元と なっていたのが➡ 16 00:01:10,938 --> 00:01:13,974 今津屋次右衛門ではないかというのです。 17 00:01:13,974 --> 00:01:17,611 その件については 蒼井様に伝えたのだが➡ 18 00:01:17,611 --> 00:01:21,949 「御用商人たる今津屋が そのようなまねをするはずはない。➡ 19 00:01:21,949 --> 00:01:24,985 捨てとけ」と まあ 一笑に付されての。 20 00:01:24,985 --> 00:01:29,690 蒼井様は 竜胆と 中末吉 今津屋を➡ 21 00:01:29,690 --> 00:01:36,296 我らに探られては 何か困ることがあるようですな。 22 00:01:36,296 --> 00:01:39,967 (式部)高坂殿 御用金の使途について➡ 23 00:01:39,967 --> 00:01:43,437 一度 つぶさに帳簿を調べてみたいのですが。 24 00:01:43,437 --> 00:01:47,240 承知した。 勘定方に命じて調べさせよう。 25 00:01:51,812 --> 00:01:55,148 ほう これは見事じゃ…。 26 00:01:55,148 --> 00:01:57,184 さぞ 値が張ったであろう。 27 00:01:57,184 --> 00:01:59,319 (おつる)こたびの博打の一件で➡ 28 00:01:59,319 --> 00:02:02,923 次右衛門の失態が公になってましたら➡ 29 00:02:02,923 --> 00:02:07,761 今津屋は お取り潰しも免れぬところ。 30 00:02:07,761 --> 00:02:10,263 それを救うていただいたのですから➡ 31 00:02:10,263 --> 00:02:13,767 茶碗など お安いもんでございます。 32 00:02:13,767 --> 00:02:18,105 次右衛門のような うつけ者は 今津屋にとって 百害あって一利なし。 33 00:02:18,105 --> 00:02:20,907 さっさと暇を出すがよい。 34 00:02:24,778 --> 00:02:26,713 ⚟(戸が閉まる音) 35 00:02:26,713 --> 00:02:37,491 ♬~ 36 00:02:37,491 --> 00:02:44,431 次の狙いは 今津屋材木屋だ。 37 00:02:44,431 --> 00:02:47,968 まずは 熊五郎に店に入り込んでもらい➡ 38 00:02:47,968 --> 00:02:49,903 手はずを整えたあと➡ 39 00:02:49,903 --> 00:02:51,838 おつとめをする首尾となる。 40 00:02:51,838 --> 00:02:54,141 承知いたしました。 41 00:02:54,141 --> 00:02:57,978 だが どうやって入り込むかが やっかいだ。 42 00:02:57,978 --> 00:03:01,948 確か 今津屋は 店の者は 身内だけで固めて➡ 43 00:03:01,948 --> 00:03:05,085 よそ者は 決して入れない 仕組みでやしたね。ああ。 44 00:03:05,085 --> 00:03:07,988 刃金の女の鉄の掟ってやつだな。 45 00:03:07,988 --> 00:03:12,959 私は 引き続き 佐一を通して 今津屋に探りを入れてみます。 46 00:03:12,959 --> 00:03:15,262 そうしてくれ…。 47 00:03:18,398 --> 00:03:22,269 熊五郎…。 へ… へい。 48 00:03:22,269 --> 00:03:29,609 ♬~ 49 00:03:29,609 --> 00:03:32,112 よいか。 50 00:03:32,112 --> 00:03:38,418 今津屋材木屋に つけいる術は これだけだ。 51 00:03:38,418 --> 00:03:52,432 ♬~ 52 00:03:52,432 --> 00:03:54,367 おはようさん。 おはようさんどす。 53 00:03:54,367 --> 00:03:56,303 この すかたん! 54 00:03:56,303 --> 00:04:00,574 事もあろうに イカサマ博打なんぞに 手ぇ出して。 55 00:04:00,574 --> 00:04:03,076 あんた 今津屋を潰す気か! 56 00:04:03,076 --> 00:04:06,379 佐一 あんたも あんたや。 57 00:04:06,379 --> 00:04:09,282 次右衛門が こないなアホなこと してると知りながら➡ 58 00:04:09,282 --> 00:04:11,918 何で すぐに うちに言わへんかったんや? 59 00:04:11,918 --> 00:04:14,955 (佐一)わ… わしかて叔父さんを止めたし お母さんにかて…。 60 00:04:14,955 --> 00:04:19,659 次右衛門 大体 あんたは 一体 先代から何を学んだんや? 61 00:04:19,659 --> 00:04:23,930 「月とすっぽん」も ええとこや。 62 00:04:23,930 --> 00:04:29,736 今後 公方様ご入洛に関わる商いは うちと佐一とでやるさかい➡ 63 00:04:29,736 --> 00:04:34,107 あんたは 口出し無用や! 64 00:04:34,107 --> 00:04:37,777 こんな調子やったら 今津屋は 佐一に継がせて➡ 65 00:04:37,777 --> 00:04:40,413 あんたは 番頭に格下げやで! 66 00:04:40,413 --> 00:04:42,616 ⚟ごめんやす。 67 00:04:45,252 --> 00:04:50,090 ああ 一つ下げてんか。 「働かざるもん食うべからず」や。 68 00:04:50,090 --> 00:04:53,793 (畳をたたく音) (次右衛門)な… 何が先代や! 69 00:04:53,793 --> 00:04:56,830 何が「月とすっぽん」や! 70 00:04:56,830 --> 00:05:01,535 あんたよりな わしの方が兄さんのことは よう知ってるんや! 71 00:05:01,535 --> 00:05:06,439 知ってたら こないなことになりますかいな! 72 00:05:06,439 --> 00:05:10,911 叔父さん! 佐一 行かんでええ。 73 00:05:10,911 --> 00:05:17,250 そこに並んだ品の名を見て 何か気付かぬか。 74 00:05:17,250 --> 00:05:20,921 材木の中に 「肩衝」…。➡ 75 00:05:20,921 --> 00:05:23,256 買い上げた先は 今津屋。 76 00:05:23,256 --> 00:05:26,259 なぜ こんなところに 茶器が紛れ込んでいるのか。 77 00:05:26,259 --> 00:05:31,765 しかも 百両もの値が ついております。 78 00:05:31,765 --> 00:05:40,273 ♬~ 79 00:05:40,273 --> 00:05:44,277 しかし これで 蒼井様と今津屋との間に➡ 80 00:05:44,277 --> 00:05:49,783 何らかの密約があると見ても よいのではありませぬか。 81 00:05:49,783 --> 00:05:58,091 安部殿。 蒼井様相手ともなれば お互い 腹をくくらねばならぬの。 82 00:06:02,362 --> 00:06:05,265 ああ~…。 83 00:06:05,265 --> 00:06:08,235 何が ご入洛や…。 84 00:06:08,235 --> 00:06:13,240 何が… おつるや。 85 00:06:16,243 --> 00:06:20,580 おやじさん 一本 もらおうか。 へい おいでやす。 86 00:06:20,580 --> 00:06:25,452 ほう こんな いい身なりのお方が いらっしゃる店なら➡ 87 00:06:25,452 --> 00:06:28,088 うどんも さぞ うまいんだろうねえ。 88 00:06:28,088 --> 00:06:30,590 まあ お近づきに。 89 00:06:30,590 --> 00:06:32,892 (次右衛門)おおきに。 90 00:06:36,763 --> 00:06:41,635 ああ いけない。 また 癖が出てしまいました。 91 00:06:41,635 --> 00:06:46,273 こうやって 飲んでいるお方の 気性を見てしまうんですよ。 92 00:06:46,273 --> 00:06:51,144 手が震えて こぼしてしまうと ここ一番に弱いとか➡ 93 00:06:51,144 --> 00:06:56,916 あ~ 口を寄せて迎えに行くと ケチだとか。 ハハハ…。 94 00:06:56,916 --> 00:07:01,221 あんたさん その話をどこで…? 95 00:07:01,221 --> 00:07:05,892 もしかして この注ぎ方を どなたかに聞かはりましたんか? 96 00:07:05,892 --> 00:07:12,666 ええ。 あの 昔 私に商いのイロハを 教えていただいた➡ 97 00:07:12,666 --> 00:07:17,904 師匠にですが。 その方の名ぁは? 98 00:07:17,904 --> 00:07:20,573 徳兵衛さんといいますが。 99 00:07:20,573 --> 00:07:22,909 あっ。 100 00:07:22,909 --> 00:07:26,379 あっ… 徳兵衛さんを ご存じなんですか? 101 00:07:26,379 --> 00:07:30,583 ご存じも何も わしの兄さんどすがな! 102 00:07:30,583 --> 00:07:32,619 本当ですか? 103 00:07:32,619 --> 00:07:36,389 この酒の注ぎ方も その訳も➡ 104 00:07:36,389 --> 00:07:40,260 兄さんが 全くおんなじことを言うてました。 105 00:07:40,260 --> 00:07:43,763 火の用心。 106 00:07:43,763 --> 00:07:49,402 義姉さんの言うとおり 「月とすっぽん」ですわ。 107 00:07:49,402 --> 00:07:54,774 兄さんは ほんまに才覚があったさかい…➡ 108 00:07:54,774 --> 00:08:02,048 わしは 商いには 向いてへんのかもしれまへん。 109 00:08:02,048 --> 00:08:08,922 「もうけたい気持ちが先走ったら 商いは終いや!」って➡ 110 00:08:08,922 --> 00:08:14,060 徳兵衛さんに 私も よく叱られました。 111 00:08:14,060 --> 00:08:18,365 ちゃんと心を入れ替えて 正直になったら➡ 112 00:08:18,365 --> 00:08:25,905 次右衛門さんみたいに素直な人は 必ず成功します。 113 00:08:25,905 --> 00:08:29,576 源三郎さん… どしたな? へい。 114 00:08:29,576 --> 00:08:33,446 一つ 頼みがあるんですけどな。 何でしょう? 115 00:08:33,446 --> 00:08:38,752 うちの材木屋 手伝うてもらえまへんやろか? 116 00:08:38,752 --> 00:08:42,255 え? 一生のお願いどす! 117 00:08:52,766 --> 00:08:58,104 いいでしょう。 これも恩返しだ。 やりましょう。 118 00:08:58,104 --> 00:09:02,809 ほんまどすか?ええ。 おおきに! おおきに! 119 00:09:07,781 --> 00:09:10,216 おつるが承知しなくても➡ 120 00:09:10,216 --> 00:09:15,088 必ず店に入れると 次右衛門は 約束してくれやしたが…。 121 00:09:15,088 --> 00:09:19,926 あとは 刃金の女が どう出るか。 122 00:09:19,926 --> 00:09:21,928 案ずるには及ばぬ。 123 00:09:21,928 --> 00:09:26,633 今の次右衛門は おつるの言うことなど聞きもしまい。 124 00:09:30,603 --> 00:09:34,374 今津屋材木屋との取り引きにおきまして➡ 125 00:09:34,374 --> 00:09:37,243 肩衝百両にて買い入れとありますが➡ 126 00:09:37,243 --> 00:09:42,382 いかなる訳か承りたく存じます。 127 00:09:42,382 --> 00:09:45,752 そこに記されております肩衝と申すは➡ 128 00:09:45,752 --> 00:09:50,256 せんだって 蒼井様が お持ちであったものではないのかと。 129 00:09:52,091 --> 00:09:58,264 そなた わしが 御用金を横領し 私物をせしめたとでも申すのか? 130 00:09:58,264 --> 00:10:00,934 そうではございませぬ。 131 00:10:00,934 --> 00:10:05,271 肩衝を いずこより お求めに なられたのかを お伺いいたしたく…。 132 00:10:05,271 --> 00:10:08,475 火付盗賊改の分際で 無礼であろう! 133 00:10:13,613 --> 00:10:18,284 ハッハハハハ…。 134 00:10:18,284 --> 00:10:20,220 ハハハハハハ…。 135 00:10:20,220 --> 00:10:25,158 ア… アハハハハハ…。 136 00:10:25,158 --> 00:10:29,429 肩衝は 出入りの茶道具屋より 買い求めたものじゃ。 137 00:10:29,429 --> 00:10:33,800 それを つい 帳簿に記してしもうただけのこと。 138 00:10:33,800 --> 00:10:39,439 疑うとあらば その茶道具屋のもとへ行き 確かめるがよい。 139 00:10:39,439 --> 00:10:44,310 じゃが そなたら わしが 所司代であることを忘れてはならぬぞ。 140 00:10:44,310 --> 00:10:48,982 あらぬ疑いをかけ それが もし➡ 141 00:10:48,982 --> 00:10:53,653 事実無根であれば どうなるか…。 142 00:10:53,653 --> 00:10:56,456 覚悟しておくがよい。 143 00:10:56,456 --> 00:11:01,761 ♬~ 144 00:11:01,761 --> 00:11:03,696 おじい様! 145 00:11:03,696 --> 00:11:06,933 ど~れ 小太郎 励んでおるかのう。 146 00:11:06,933 --> 00:11:09,969 ああ よう書けておるぞ。 147 00:11:09,969 --> 00:11:12,105 愛い奴じゃ…。 148 00:11:12,105 --> 00:11:17,977 全ては お前のため 蒼井家のためじゃ…。 149 00:11:17,977 --> 00:11:21,614 うん。 う~ん。 150 00:11:21,614 --> 00:11:26,953 これほどの大店を築かれるとは 大したもんですな! 151 00:11:26,953 --> 00:11:30,623 そう言うてもろたら 兄さんも喜んでますやろう。 152 00:11:30,623 --> 00:11:33,660 ささ どうぞ。 失礼します。 153 00:11:33,660 --> 00:11:37,497 ほう~ 蔵も立派ですな! 154 00:11:37,497 --> 00:11:41,134 ぬすっとも おいそれとは手を出せますまい。 155 00:11:41,134 --> 00:11:46,806 近頃は 雲霧いう盗賊が 京を荒らし回っておりますが➡ 156 00:11:46,806 --> 00:11:52,512 うちの蔵が破られることは まず ありまへん。 157 00:11:54,547 --> 00:11:58,418 実は 材木屋今津屋の蔵は➡ 158 00:11:58,418 --> 00:12:03,590 よそさんの蔵とは 違うつくりになってますねん。 159 00:12:03,590 --> 00:12:07,760 よそとは違う蔵と申しますと? 160 00:12:07,760 --> 00:12:10,263 ⚟(佐一)叔父さん! 161 00:12:11,931 --> 00:12:14,400 何や? 162 00:12:14,400 --> 00:12:18,605 何や? すんません。 何や 何や?あれは 誰や? 163 00:12:18,605 --> 00:12:21,941 まさか 外から人を雇うたんと 違うやろな。 164 00:12:21,941 --> 00:12:27,814 そのまさかや。 わしは もう 義姉さんの言いなりにはならん。 165 00:12:27,814 --> 00:12:31,618 わしは わしのやり方で 店を大きゅうするのや。 166 00:12:31,618 --> 00:12:35,955 心配になって見に来たら このざまや! 167 00:12:35,955 --> 00:12:38,291 ええから わしの話を聞いてくれ。 168 00:12:38,291 --> 00:12:40,793 すごい お人と出会うたのや。 169 00:12:40,793 --> 00:12:44,430 源三郎さん。 はい~! 170 00:12:44,430 --> 00:12:47,800 その源三郎さんというお人は➡ 171 00:12:47,800 --> 00:12:51,137 お父さんの癖から 商いのやり方から➡ 172 00:12:51,137 --> 00:12:54,440 日頃 言うてたこととか みんな 知ったはるんや。 173 00:12:54,440 --> 00:12:59,646 しかも 江戸で 年に 12万両もの売り上げのある➡ 174 00:12:59,646 --> 00:13:04,083 日本橋の若竹屋いう大きな呉服屋の 大番頭さんや。 175 00:13:04,083 --> 00:13:08,755 京へは 反物の買い付けに来てはるんやけど➡ 176 00:13:08,755 --> 00:13:11,791 叔父さんも やる気になったはるし➡ 177 00:13:11,791 --> 00:13:18,931 しばらく いてもろて 知恵を借りるんも ええのと違うやろか。 178 00:13:18,931 --> 00:13:22,602 分かった。 え? 179 00:13:22,602 --> 00:13:24,637 にわか雇いで おってもらい。 180 00:13:24,637 --> 00:13:31,110 それで お店の売り上げが 上がるんやったら ええのと違うか。 181 00:13:31,110 --> 00:13:34,947 おおきに。 叔父さん 喜ばはるわ。 182 00:13:34,947 --> 00:13:47,293 ♬~ 183 00:13:47,293 --> 00:13:49,228  回想 (徳兵衛)ええか。➡ 184 00:13:49,228 --> 00:13:52,965 腕のある盗賊ほど➡ 185 00:13:52,965 --> 00:13:58,137 わしらの思いも寄らん手を使うて➡ 186 00:13:58,137 --> 00:14:02,909 一番弱いところを突いて➡ 187 00:14:02,909 --> 00:14:06,245 つけいるのや。 188 00:14:06,245 --> 00:14:08,948 一番弱い…? 189 00:14:11,384 --> 00:14:18,157 それは 人の心や。 190 00:14:18,157 --> 00:14:25,264 弱みさえ握れば どんなに頑丈な蔵でも➡ 191 00:14:25,264 --> 00:14:30,136 いともたやすく破られるもんや…。➡ 192 00:14:30,136 --> 00:14:34,607 気ぃ付けえよ。 193 00:14:34,607 --> 00:14:36,943 あんさんと 一緒に➡ 194 00:14:36,943 --> 00:14:42,115 汗水垂らして築いた 大事なお店や。 195 00:14:42,115 --> 00:14:47,120 必ず 守り抜いてみせますさかいな。 196 00:14:48,988 --> 00:14:52,425 ささ どんどん やっとくれやす。 197 00:14:52,425 --> 00:14:54,360 ああ そういえば 昼間➡ 198 00:14:54,360 --> 00:14:59,966 材木屋今津屋の蔵は よその蔵とは違うと言っていましたが➡ 199 00:14:59,966 --> 00:15:03,569 それは どういう意味で? 200 00:15:03,569 --> 00:15:08,374 そればっかりは 源三郎さんといえども➡ 201 00:15:08,374 --> 00:15:12,578 お教えするわけにはまいりまへんのや。 すんまへんな。 202 00:15:12,578 --> 00:15:18,284 ああ~ いや… 聞いた私が野暮でしたな。 ハハ。 203 00:15:20,086 --> 00:15:25,958 そんな お上御用達の御用木というだけで➡ 204 00:15:25,958 --> 00:15:29,095 商いになりますんやろか? 205 00:15:29,095 --> 00:15:33,966 大丈夫。 商人は 縁起を担ぐものなんです。 206 00:15:33,966 --> 00:15:38,104 明日 外を回ってみます。 207 00:15:38,104 --> 00:15:41,140 御用木の手配を お願いします。 208 00:15:41,140 --> 00:15:46,779 そうどすか。 ほな そうしときますわ…。フフフ…。 209 00:15:46,779 --> 00:15:52,952 え~ ほんまに ええお人に来てもろた。 210 00:15:52,952 --> 00:15:59,959 御用達の御用木や。 ヘヘヘ…。 211 00:16:05,598 --> 00:16:16,242 ♬~ 212 00:16:16,242 --> 00:16:19,378 さすがは 徳兵衛さんだ。 213 00:16:19,378 --> 00:16:23,082 いい錠前を使ってやがるぜ。 214 00:16:23,082 --> 00:16:39,098 ♬~ 215 00:16:39,098 --> 00:16:43,970 こいつは やっぱり 中を見ねえと 分からねえな。 216 00:16:43,970 --> 00:16:47,807 源三郎さんが 雲霧かもしれへんやて? 217 00:16:47,807 --> 00:16:51,811 昨夜な 富松屋はんとこ行ってな。 218 00:16:51,811 --> 00:16:57,950 ほれ あそこの若旦さんは 江戸の呉服屋で修業してはったやろ? 219 00:16:57,950 --> 00:17:04,056 それで聞いたのや。 日本橋の若竹屋はんの話。 220 00:17:04,056 --> 00:17:09,228 そしたら 確かに 10万両以上の売り上げのある大店で➡ 221 00:17:09,228 --> 00:17:12,231 源三郎いう大番頭もいるそうや。 222 00:17:12,231 --> 00:17:16,903 ほな 何の疑いもあらへんやないか。 223 00:17:16,903 --> 00:17:23,376 ところが その源三郎はんは 持病持ちで 足腰が弱うて➡ 224 00:17:23,376 --> 00:17:29,181 とてもとても 京なんぞ 来れたもんやないいうやないか。 225 00:17:29,181 --> 00:17:34,587 昔 お父さんの教えを受けた人が 江戸の大店で番頭をしてて➡ 226 00:17:34,587 --> 00:17:40,760 たまたま買い付けに来た京で たまたま入った路地裏の屋台で➡ 227 00:17:40,760 --> 00:17:47,099 お父さんの弟に会うて 偶然にも程があるやろ。 228 00:17:47,099 --> 00:17:50,403 ほな もし 雲霧やったら 叔父さんは…。 229 00:17:50,403 --> 00:17:52,338 ほっといたらええ。 230 00:17:52,338 --> 00:17:55,775 また 痛い目ぇに遭いますやろ。 231 00:17:55,775 --> 00:18:03,049 ♬~ 232 00:18:03,049 --> 00:18:09,822 袋足袋~ さし足袋~。 233 00:18:09,822 --> 00:18:14,660 袋足袋~ さし足袋~。 234 00:18:14,660 --> 00:18:19,365 足袋屋さん 一つ もらおうか。 へえ。 235 00:18:19,365 --> 00:18:22,568 おっ さすが 京の足袋屋 いいの履いてるねえ。 236 00:18:22,568 --> 00:18:25,604 同じの もらおうか。 いや~ これが分かるとは➡ 237 00:18:25,604 --> 00:18:28,107 旦那も通どすなあ。 238 00:18:31,744 --> 00:18:34,447 ありがとよ。 おおきに。 239 00:18:36,382 --> 00:18:39,085 通どすなあ。 240 00:18:41,220 --> 00:18:43,589 (胡蝶)お母さんは 冷とおすなあ…。 241 00:18:43,589 --> 00:18:45,624 そうやろ。 242 00:18:45,624 --> 00:18:50,930 それで わしな こっそり 叔父さんに教えてやろうと思うてるんや。 243 00:18:50,930 --> 00:18:54,767 教えるて その源三郎はんが➡ 244 00:18:54,767 --> 00:18:58,270 雲霧かもしれへんいうことどすか? そうや。 245 00:18:58,270 --> 00:19:01,040 そしたら なんぼ 叔父さんかて➡ 246 00:19:01,040 --> 00:19:04,076 気になって 源三郎さんの動きに 用心するやろ。 247 00:19:04,076 --> 00:19:08,781 そうどすなあ…。 けど お母さんのことやさかい➡ 248 00:19:08,781 --> 00:19:12,551 何か お考えがあってのことと 違いますやろか? 249 00:19:12,551 --> 00:19:15,221 何か言うたらしまへんどした? 250 00:19:15,221 --> 00:19:18,724 それが 何も言わんのや…。 251 00:19:21,560 --> 00:19:28,067 けどな 胡蝶… わし 怖いんや。 何がどす? 252 00:19:28,067 --> 00:19:33,873 この先 今津屋が どうなってしまうのやろかと思うてな。 253 00:19:36,742 --> 00:19:41,380 先のことなんか 誰にも分からしまへん。 254 00:19:41,380 --> 00:19:44,583 考えても無駄どっせ。 255 00:19:44,583 --> 00:20:06,405 ♬~(三味線) 256 00:20:06,405 --> 00:20:08,340 どうぞ。 257 00:20:08,340 --> 00:20:11,110 いや~。 258 00:20:11,110 --> 00:20:13,779 次右衛門が佐一の言葉を信じて➡ 259 00:20:13,779 --> 00:20:15,815 熊五郎さんを疑いだしたら➡ 260 00:20:15,815 --> 00:20:19,418 蔵の鍵を手に入れるのは 難しいかと思われます。 261 00:20:19,418 --> 00:20:23,956 しかも つなぎでは 今津屋材木屋の蔵の中には➡ 262 00:20:23,956 --> 00:20:28,794 お宝を盗まれねえよう 何か 細工が 施してあるかもしれねえとか…。 263 00:20:28,794 --> 00:20:32,131 こいつは やっかいですぜ。 264 00:20:32,131 --> 00:20:35,634 熊五郎のアニキが まんまと 今津屋に潜り込めたから➡ 265 00:20:35,634 --> 00:20:37,970 もう こっちのもんだと 思ってましたがねえ。 266 00:20:37,970 --> 00:20:42,475 蔵の方は 探る手はずを 既に考えております。 267 00:20:44,744 --> 00:20:48,681 気になるのは おつるの動き。 268 00:20:48,681 --> 00:20:52,318 おつるは 止めても止まらぬ。 269 00:20:52,318 --> 00:20:55,321 好きなようにさせておけ。 270 00:20:59,458 --> 00:21:05,264 これを 今すぐに 奉行所に届けておくれやす。へい。 271 00:21:05,264 --> 00:21:11,604 ♬~ 272 00:21:11,604 --> 00:21:15,407 その源三郎なる者が 雲霧の手の者であるなら➡ 273 00:21:15,407 --> 00:21:22,948 捕縛して尋問の上 雲霧一党のねぐらを吐かせるかだな。 274 00:21:22,948 --> 00:21:28,821 いえ 雲霧であれば どのような拷問を受けようが➡ 275 00:21:28,821 --> 00:21:34,660 いや 死んでも吐きませぬ。 276 00:21:34,660 --> 00:21:38,430 まずは 人手をかけ 夜は 今津屋材木屋周辺の➡ 277 00:21:38,430 --> 00:21:41,934 警戒を強めることが 肝要でございましょう。 278 00:21:44,303 --> 00:21:47,640 安部殿 いかがいたした? 279 00:21:47,640 --> 00:21:51,510 いや これを機に➡ 280 00:21:51,510 --> 00:21:57,016 今津屋と蒼井様の関わりを あぶり出せぬものかと思いましてな。 281 00:22:00,753 --> 00:22:03,589 源三郎さんが雲霧? 282 00:22:03,589 --> 00:22:07,259 そんなはずがあるかいな。 けど お母さんが…。 283 00:22:07,259 --> 00:22:09,261 義姉さんが江戸に行って 確かめたわけやないやろ? 284 00:22:09,261 --> 00:22:12,398 信じたいいう叔父さんの気持ちは よう分かる。 285 00:22:12,398 --> 00:22:17,102 けど もし源三郎さんが雲霧やったら えらいことになるんやで。 286 00:22:17,102 --> 00:22:20,973 アホやな 佐一…。 ⚟(熊五郎)失礼します。 287 00:22:20,973 --> 00:22:22,975 へい。 288 00:22:22,975 --> 00:22:30,649 早速 御用木を使って店を建て替えたい という方を連れてまいりました。 289 00:22:30,649 --> 00:22:33,285 手付金です。 290 00:22:33,285 --> 00:22:39,158 御用木を よそに取られては困りますし 一刻も早く建て替えたいと思いましてな。 291 00:22:39,158 --> 00:22:43,629 けど まだ手配もしておりませんのに…。 292 00:22:43,629 --> 00:22:48,500 次右衛門さん このお金は お互いを信用する証しです。 293 00:22:48,500 --> 00:22:53,639 受け取ることが礼儀ですよ。 294 00:22:53,639 --> 00:22:55,841 へい。 295 00:23:02,348 --> 00:23:06,218 しかし よく雲霧だと気付かれたな。 296 00:23:06,218 --> 00:23:10,589 こんな手ぇの込んだことをする ずる賢い盗賊いうたら➡ 297 00:23:10,589 --> 00:23:13,392 雲霧しかないと思いましてな。 298 00:23:13,392 --> 00:23:16,595 警固にあたっては 材木屋だけではなく➡ 299 00:23:16,595 --> 00:23:20,399 呉服屋と この両替商 それぞれの蔵について➡ 300 00:23:20,399 --> 00:23:26,272 直ちに我らが手分けをして 中を検めておきたいのだが よいか? 301 00:23:26,272 --> 00:23:31,143 へえ 隅々まで お検めくださいまし。 302 00:23:31,143 --> 00:23:34,613 帳簿も 検めさせてもらうやもしれぬ。 303 00:23:34,613 --> 00:23:40,286 どうぞ。 ほな 後で 奉行所に届けさせまひょ。 304 00:23:40,286 --> 00:23:45,124 ♬~ 305 00:23:45,124 --> 00:23:48,794 本当に いいんですか? 私は 赤の他人ですよ。 306 00:23:48,794 --> 00:23:51,630 いやいや。 源三郎さんは もう➡ 307 00:23:51,630 --> 00:23:54,300 身内も同然。 308 00:23:54,300 --> 00:23:58,170 わしにとっては… いや 今津屋にとっても➡ 309 00:23:58,170 --> 00:24:01,373 神さん仏さんですわ。 310 00:24:07,746 --> 00:24:11,250 どうぞ。 お邪魔します。 311 00:24:15,254 --> 00:24:17,189 ええで。 へい。 312 00:24:17,189 --> 00:24:23,395 あっ よその蔵と 変わらないようですが…? 313 00:24:29,268 --> 00:24:33,472 今から これを収めますよってな。 314 00:24:47,286 --> 00:25:19,752 ♬~ 315 00:25:19,752 --> 00:25:26,525 兄さんが わしだけに教えてくれた 銭箱の隠し部屋どす。 316 00:25:26,525 --> 00:25:32,031 義姉さんにも 佐一にも 決して明かしまへん。 317 00:25:40,606 --> 00:25:44,109 おお~ 見事な細工ですなあ。 318 00:25:44,109 --> 00:25:47,413 ⚟さあさあ どうぞ こちらどす。 319 00:25:52,418 --> 00:25:56,121 ね… 義姉さん 何事どす? 320 00:25:56,121 --> 00:25:58,624 これが材木屋の蔵どす。 321 00:25:58,624 --> 00:26:01,593 ちょうど 開けてますさかい お検めください。 322 00:26:01,593 --> 00:26:04,096 では 失礼する。 323 00:26:29,922 --> 00:27:08,360 ♬~ 324 00:27:08,360 --> 00:27:10,662 ⚟(物音) 325 00:27:20,906 --> 00:27:25,377 どこに行かはったんやろ。 326 00:27:25,377 --> 00:27:29,248 誰 探してるんや? 327 00:27:29,248 --> 00:27:33,252 どうかしたのか? へえ ご苦労さんどす。 328 00:27:36,588 --> 00:27:41,093 次右衛門! 何でもあらしまへん。 329 00:27:41,093 --> 00:27:43,762 ほっといておくれやす。 330 00:27:43,762 --> 00:27:50,936 ♬ 待つ人は~ 331 00:27:50,936 --> 00:27:56,408 ♬ 来もせぬのに~ 332 00:27:56,408 --> 00:28:02,881 ♬ 月は出て~ 333 00:28:02,881 --> 00:28:06,752 ♬ 人は心よ~ 334 00:28:06,752 --> 00:28:11,757 ♬ 姿はいらぬ~ 335 00:28:23,201 --> 00:28:29,575 ♬ あなた思えば~ 336 00:28:29,575 --> 00:28:35,747 ♬ 千里も一里~ 337 00:28:35,747 --> 00:28:40,586 ♬ よいよいよいよい ♬ よいよいよいやさ~ 338 00:28:40,586 --> 00:28:46,925 ♬ 早く助けてちょうだいよ 339 00:28:46,925 --> 00:28:49,261 今晩中に? 340 00:28:49,261 --> 00:28:51,196 そうだ。 341 00:28:51,196 --> 00:28:55,767 盗賊改に感づかれないうちに 熊五郎を助ける。 342 00:28:55,767 --> 00:28:57,703 日延べをするゆとりはないんだ。 343 00:28:57,703 --> 00:29:00,606 与之助の話によると 今津屋の蔵の前には➡ 344 00:29:00,606 --> 00:29:03,408 奉行所の連中が見張ってるとか。 345 00:29:05,344 --> 00:29:08,213 面白い。 346 00:29:08,213 --> 00:29:15,087 熊五郎を助けるだけではなく お宝も頂こう。 347 00:29:15,087 --> 00:29:24,363 ♬~ 348 00:29:24,363 --> 00:29:28,567 一体 どこへ消えうせたのか… 見当もつきませぬ。 349 00:29:28,567 --> 00:29:31,370 店の周辺も くまなく探したのだな? 350 00:29:31,370 --> 00:29:35,240 はい。 それらしい怪しい者は おりませんでした。 351 00:29:35,240 --> 00:29:40,112 蔵の中は しかと確かめたのであろうな。 はい。 352 00:29:40,112 --> 00:29:45,584 どんな些細なことでもよい。 何か思い当たることはないか。 353 00:29:45,584 --> 00:29:53,325 ♬~ 354 00:29:53,325 --> 00:29:57,596 そういえば 蔵に入った時 僅かに ほこりが落ちてきたかと。 355 00:29:57,596 --> 00:30:00,399 ほこり…。 356 00:30:00,399 --> 00:30:02,934 長官 もしや…。 357 00:30:02,934 --> 00:30:12,411 ♬~ 358 00:30:12,411 --> 00:30:17,783 おやじ 一杯くれ。 へえ おいでやす。 359 00:30:17,783 --> 00:30:38,804 ♬~ 360 00:30:38,804 --> 00:30:41,306 待ってたぜ。 361 00:30:41,306 --> 00:30:46,144 ♬~ 362 00:30:46,144 --> 00:30:48,180 ⚟(笑い声) 363 00:30:48,180 --> 00:30:52,017 勘助。 364 00:30:52,017 --> 00:30:56,455 ああ~ 飲んだ…。 なんぼ飲んだんや? お前は。 365 00:30:56,455 --> 00:30:58,990 俺 一升や。 お前は? 366 00:30:58,990 --> 00:31:01,393 わしは おちょこ…。 こんな まずいもんが食えるかい! 367 00:31:01,393 --> 00:31:04,930 大坂で修業して出直してこい! 何やと!? 368 00:31:04,930 --> 00:31:07,399 何やねん! 何や? あれ。 369 00:31:07,399 --> 00:31:09,935 何や? 370 00:31:09,935 --> 00:31:14,639 何やって 何や? お前 やるのか この野郎! 371 00:31:17,275 --> 00:32:15,100 ♬~ 372 00:32:15,100 --> 00:32:17,035 よいしょ。 373 00:32:17,035 --> 00:32:23,809 ♬~ 374 00:32:23,809 --> 00:32:27,679  回想 よそとは違う蔵と申しますと…。 375 00:32:27,679 --> 00:32:29,648 ♬~ 376 00:32:29,648 --> 00:32:34,486 材木屋今津屋の蔵は よその蔵とは違うと言っていましたが➡ 377 00:32:34,486 --> 00:32:38,957 それは どういう意味で? 378 00:32:38,957 --> 00:32:42,794 あかん…。 あかん! 379 00:32:42,794 --> 00:32:45,297 蔵を開けろ! はっ。 380 00:32:45,297 --> 00:32:49,301 おい 主を呼べ。 はっ。 381 00:32:49,301 --> 00:32:52,170 ああ~。 すんまへん。 382 00:32:52,170 --> 00:33:03,682 ♬~ 383 00:33:03,682 --> 00:33:07,486 ああ~… どいとくれやす どいとくれやす! 384 00:33:10,388 --> 00:33:12,891 急げ! へい! 385 00:33:15,093 --> 00:33:17,596 よし。 386 00:33:17,596 --> 00:33:21,399 ♬~ 387 00:33:21,399 --> 00:33:24,603 灯りを持てい! (一同)はっ。 388 00:33:24,603 --> 00:33:31,476 ♬~ 389 00:33:31,476 --> 00:33:34,279 すいまへん すいまへん すいまへん! 390 00:33:34,279 --> 00:33:41,052 ♬~ 391 00:33:41,052 --> 00:33:44,623 ない… ない…➡ 392 00:33:44,623 --> 00:33:48,960 ない ない ない ない ない! 393 00:33:48,960 --> 00:33:50,996 ああ…。 394 00:33:50,996 --> 00:34:00,906 ♬~ 395 00:34:00,906 --> 00:34:03,108 貸せ。 396 00:34:06,244 --> 00:34:08,546 (藤兵衛)やられた。 397 00:34:15,921 --> 00:34:18,390 どうや? 加減は。 398 00:34:18,390 --> 00:34:21,259 お金…! 399 00:34:21,259 --> 00:34:24,162 か… 金を取り返さんとあかん! 400 00:34:24,162 --> 00:34:26,932 叔父さん お金のことは もう どうでもええんや。 401 00:34:26,932 --> 00:34:29,834 ええことあるかい! 雲霧から奪い返すんや! 402 00:34:29,834 --> 00:34:32,037 次右衛門! 403 00:34:36,107 --> 00:34:41,913 こうなったら もう 死んでお詫びするしかおまへん…。 404 00:34:41,913 --> 00:34:46,418 こんな すかたんは 死なな治らんのですわ。 405 00:34:46,418 --> 00:34:52,791 義姉さん ほんまに役立たずで すんまへんどした。 406 00:34:52,791 --> 00:34:54,793 次右衛門! 407 00:34:58,129 --> 00:35:00,365 死ぬて何や! 408 00:35:00,365 --> 00:35:04,569 え? そないなこと言うて➡ 409 00:35:04,569 --> 00:35:08,907 生きとうても生きられへんかった あの人に➡ 410 00:35:08,907 --> 00:35:13,578 先代の徳兵衛はんに 申し訳が立つと思うんか? 411 00:35:13,578 --> 00:35:15,880 二度と言うたらあかん! 412 00:35:20,085 --> 00:35:23,955 あんたには黙ってたけどな➡ 413 00:35:23,955 --> 00:35:28,760 あの人が病を患うて➡ 414 00:35:28,760 --> 00:35:32,931 もう治る見込みがないと悟らはった時➡ 415 00:35:32,931 --> 00:35:38,737 「今津屋は 次右衛門に継がせる」て➡ 416 00:35:38,737 --> 00:35:43,274 キッパリと言わはったんやで。 417 00:35:43,274 --> 00:35:46,111 笑うて こうも言わはった。 418 00:35:46,111 --> 00:35:50,782 「あいつは 不器用な奴やけど 根は真面目や。➡ 419 00:35:50,782 --> 00:35:57,555 真面目すぎて空回りする時もあるけど その真面目さが➡ 420 00:35:57,555 --> 00:36:04,729 きっと 実を結んで 花開く時が来るて。➡ 421 00:36:04,729 --> 00:36:12,070 それまで辛抱強う待ってやってなあ」 言うてな。 422 00:36:12,070 --> 00:36:19,944 あんた まさか あの人に… あの人の➡ 423 00:36:19,944 --> 00:36:26,084 先代の徳兵衛はんの遺言を 踏みにじるつもりやないやろな! 424 00:36:26,084 --> 00:36:29,587 すんまへん… すんまへん…。 425 00:36:32,590 --> 00:36:36,394 あんたは 疲れてるんや…。 426 00:36:36,394 --> 00:36:40,598 材木屋のことは うちと佐一とが なんとかするさかいに➡ 427 00:36:40,598 --> 00:36:43,501 今津屋のことは しばらく忘れて➡ 428 00:36:43,501 --> 00:36:49,107 有馬で ゆっくり湯治しといで。 429 00:36:49,107 --> 00:36:52,143 ええな。 430 00:36:52,143 --> 00:36:56,648 義姉さん… おおきに! 431 00:37:00,118 --> 00:37:03,354 そうと決まったら…。 (手をたたく音) 432 00:37:03,354 --> 00:37:09,160 先代に感謝して 朝ごはんを頂きまひょ。 433 00:37:09,160 --> 00:37:13,364 (3人)おおきに 頂きます。 434 00:37:13,364 --> 00:37:37,856 ♬~ 435 00:37:48,099 --> 00:37:53,972 お頭 すまねえ! 436 00:37:53,972 --> 00:37:56,174 勘弁してくれ! 437 00:38:00,545 --> 00:38:03,581 もう どうにもならねえんでさあ…。 438 00:38:03,581 --> 00:38:09,053 何度も切れようと思ったんだが 心底 惚れちまって…➡ 439 00:38:09,053 --> 00:38:11,723 おつるとは 京の町で➡ 440 00:38:11,723 --> 00:38:15,226 店を持つ約束まで しちまったんでさあ。 441 00:38:15,226 --> 00:38:17,929 もう どうにも ならねえんだ。 442 00:38:26,371 --> 00:38:30,074 腕一本ぶった切ってくれてもいい。 443 00:38:30,074 --> 00:38:36,781 いや おつると一緒になれねえなら いっそ 一思いに…。 444 00:38:55,233 --> 00:38:58,236 餞別だ 徳兵衛。 445 00:39:07,345 --> 00:39:12,050 商いに行き詰まったら これを売ればいい。 446 00:39:15,220 --> 00:39:20,925 お前は これまで己の命を顧みず 幾度も 一党の者を救い➡ 447 00:39:20,925 --> 00:39:25,129 つとめを見事に果たしてくれた。 448 00:39:27,365 --> 00:39:34,072 商いをするからには 京で一番の大店にするんだ。 449 00:39:34,072 --> 00:39:40,878 ただし 何があろうと まっとうにな。 450 00:39:42,747 --> 00:39:49,087 さもなくば この雲霧が黙ってはおらん。 451 00:39:49,087 --> 00:39:51,756 よいな。 452 00:39:51,756 --> 00:39:54,259 お頭…。 453 00:39:54,259 --> 00:40:08,106 ♬~ 454 00:40:08,106 --> 00:40:13,912 惚れた女 幸せにしてやれ。 455 00:40:13,912 --> 00:40:20,285 お頭… かたじけねえ。 456 00:40:20,285 --> 00:41:14,072 ♬~ 457 00:41:16,407 --> 00:41:20,278 思わぬところに 汚れた金が こぼれていたわ…。 458 00:41:20,278 --> 00:41:22,213 3千両の値がつきましょう。 459 00:41:22,213 --> 00:41:24,949 安部式部が 御用金の動きについて 嗅ぎ回っておる。 460 00:41:24,949 --> 00:41:27,418 金を何かに替えておくのも よいやもしれぬ。 461 00:41:27,418 --> 00:41:29,354 うちは負けしまへんえ…。 462 00:41:29,354 --> 00:41:31,289 今津屋の跡取りは務まらんわなあ。 463 00:41:31,289 --> 00:41:33,291 うちは幸せどす…。 464 00:41:33,291 --> 00:41:35,293 さて 一働きだ。 465 00:41:35,293 --> 00:42:55,106 ♬~