1 00:00:02,202 --> 00:00:05,138 <100年ぶりの将軍上洛に沸く京。➡ 2 00:00:05,138 --> 00:00:09,409 雲霧仁左衛門と その一党は 京に潜入し➡ 3 00:00:09,409 --> 00:00:14,114 利権に群がる公家の屋敷を 次々と襲った。➡ 4 00:00:14,114 --> 00:00:19,987 更に 京都所司代 蒼井主膳正との裏取引で 潤っている➡ 5 00:00:19,987 --> 00:00:23,790 今津屋の材木屋から 金を盗み出した。➡ 6 00:00:23,790 --> 00:00:29,663 一方 火付盗賊改 安部式部は 蒼井の不正を疑いつつ➡ 7 00:00:29,663 --> 00:00:34,501 雲霧一党の次なる狙いを 阻止せんとしていた…> 8 00:00:34,501 --> 00:00:47,814 ♬~ 9 00:00:47,814 --> 00:00:51,618 (鐘の音) 10 00:00:59,526 --> 00:01:01,929 (高坂)材木屋が襲われた今➡ 11 00:01:01,929 --> 00:01:06,767 その方らの店2軒が 次に狙われるおそれがある。 12 00:01:06,767 --> 00:01:10,637 (おつる)お騒がせをいたしまして まことに申し訳ございません。 13 00:01:10,637 --> 00:01:13,106 奉行所の手の者をやる上➡ 14 00:01:13,106 --> 00:01:16,143 しばらくの間 見張りを置いてはどうじゃ。 15 00:01:16,143 --> 00:01:18,412 とんでもないことでございます。 16 00:01:18,412 --> 00:01:22,115 この上 ご迷惑をおかけするわけには まいりません。 17 00:01:22,115 --> 00:01:25,152 どうぞ お気遣いのないよう お願いします。 18 00:01:25,152 --> 00:01:27,287 (佐一)お願いします。 19 00:01:27,287 --> 00:01:31,992 今は 大事ないと申すか。 恐れ入ります…。 20 00:01:33,627 --> 00:01:40,133 相分かった。 少しでも 変わったことがあれば きっと申し出よ。 21 00:01:40,133 --> 00:01:42,803 承知いたしました。 22 00:01:42,803 --> 00:01:51,144 ♬~ 23 00:01:51,144 --> 00:01:54,815 お母さん…。 さあ 行きますえ! 24 00:01:54,815 --> 00:02:01,922 ♬~ 25 00:02:01,922 --> 00:02:06,259 今津屋は 雲霧を侮っておりまするな。 26 00:02:06,259 --> 00:02:10,097 (式部)フッフ…。 27 00:02:10,097 --> 00:02:14,601 あれが おつるか…。 28 00:02:14,601 --> 00:02:17,604 腹の見えぬ女性じゃの。 29 00:02:24,778 --> 00:02:28,281 頂きます。 頂きます。 30 00:02:39,626 --> 00:02:49,803 ♬~ 31 00:02:49,803 --> 00:02:54,441 先代から受け継がれてきた 今津屋の教えを守ってたら➡ 32 00:02:54,441 --> 00:02:58,645 雲霧など 恐れることはおへんな。 33 00:02:58,645 --> 00:03:02,516 そのとおりや。 ぬすっとに振り回されるような➡ 34 00:03:02,516 --> 00:03:05,519 今津屋であってはあきまへん。 35 00:03:08,255 --> 00:03:13,093 わしが しっかりと 叔父さんの代わりを務めてみせます。 36 00:03:13,093 --> 00:03:15,896 任せといておくれやす。 37 00:03:18,598 --> 00:03:22,102 やっと やる気になってくれましたんか…。 38 00:03:22,102 --> 00:03:30,110 ♬~ 39 00:03:39,519 --> 00:03:45,225  回想 (徳兵衛)お頭… かたじけねえ。 40 00:03:52,432 --> 00:03:55,135 (蒼井)その後 雲霧の動きは知れぬか。 41 00:03:55,135 --> 00:03:57,437 杳として知れませぬ。 42 00:03:57,437 --> 00:04:03,744 今津屋に 見張りを置こうとしたところ 今は 大事ないとのこと。 43 00:04:03,744 --> 00:04:06,246 なかなか はかばかしゅうまいりませぬ。 44 00:04:06,246 --> 00:04:10,117 用心のため 身内以外の者を 入れとうないのであろう。 45 00:04:10,117 --> 00:04:15,388 何か 我らに立ち入られては まずいことがあるのやもしれませぬ。 46 00:04:15,388 --> 00:04:17,924 店に見張りを置かずとも➡ 47 00:04:17,924 --> 00:04:21,261 いくらでも探索のしようがあろう。 48 00:04:21,261 --> 00:04:26,133 そもそも 火付盗賊改がついていながら なんという体たらくじゃ。 49 00:04:26,133 --> 00:04:28,769 面目次第もございませぬ。 50 00:04:28,769 --> 00:04:33,940 帳簿を こそこそと調べる間があるのなら まずは その力を➡ 51 00:04:33,940 --> 00:04:37,777 ぬすっと退治に 向けてもらいたいものよの。 52 00:04:37,777 --> 00:04:41,414  回想 (藤兵衛)材木の中に「肩衝」。 53 00:04:41,414 --> 00:04:44,117 買い上げた先は 「今津屋」。 54 00:04:44,117 --> 00:04:47,154 なぜ こんなところに 茶器が紛れ込んでいるのか。 55 00:04:47,154 --> 00:04:53,426 わしは 御用繁多で ぬすっとの捕縛にまでは 手が回らぬ。 56 00:04:53,426 --> 00:04:56,630 頼んだぞ。 57 00:04:56,630 --> 00:05:02,435 それと そなたには これを渡しておこう。 58 00:05:02,435 --> 00:05:06,306 せんだって書き違えた帳簿を 正しておいた。 59 00:05:06,306 --> 00:05:10,110 なおも疑いがあるのなら 申し出るがよい。 60 00:05:17,918 --> 00:05:24,391 お~ これは また 一段と よい肩衝でございますな。 61 00:05:24,391 --> 00:05:27,928 大坂の茶道具屋より求めたものでのう。 62 00:05:27,928 --> 00:05:32,399 さすがは蒼井様 お目が高うございます。 63 00:05:32,399 --> 00:05:34,935 百両というところで…。 64 00:05:34,935 --> 00:05:40,273 それを 十阿弥哲斎が目利きをすれば いくらになる…? 65 00:05:40,273 --> 00:05:46,413 さて 3百両… いや 5百両にもなりましょうな。 66 00:05:46,413 --> 00:05:51,251 ならば そなたに売って進ぜよう。 ありがとうございます。 67 00:05:51,251 --> 00:05:56,089 上様ご上洛において 誰よりも金を稼いでおるのは➡ 68 00:05:56,089 --> 00:05:58,792 そなたやもしれぬのう…。 ハハハ。 69 00:05:58,792 --> 00:06:00,727 これは お戯れを…。 70 00:06:00,727 --> 00:06:05,065 一介の浪人の身であったことを思えば 大したものよの。 71 00:06:05,065 --> 00:06:08,902 これも皆 蒼井様のおかげでござりまする…。 72 00:06:08,902 --> 00:06:18,078 ♬~ 73 00:06:18,078 --> 00:06:20,013 これ 何をする!? 74 00:06:20,013 --> 00:06:25,385 この方が また一段と 肩衝に風雅が増すというもの…。 75 00:06:25,385 --> 00:06:31,591 はあ~ ハハ…。 わしには 及ばぬ境地じゃのう。 76 00:06:43,103 --> 00:06:50,610 (留造)ほう~ なかなか ええもんやなあ ええ~ しかし。 77 00:06:50,610 --> 00:06:57,117 所司代屋敷に来る客も 多士済々というところだな。 78 00:06:57,117 --> 00:07:02,088 あの宗匠 よく見る顔だぜ…。 79 00:07:02,088 --> 00:07:14,901 ♬~ 80 00:07:14,901 --> 00:07:18,571 変わりはないようじゃな。 雲霧の狙いは➡ 81 00:07:18,571 --> 00:07:22,442 やはり 今津屋の呉服屋なのでしょうか。 82 00:07:22,442 --> 00:07:26,079 雲霧は 狙いを 定めたところからは➡ 83 00:07:26,079 --> 00:07:29,916 根こそぎ奪い取ると聞いている。 84 00:07:29,916 --> 00:07:32,752 いつかは きっと…。 85 00:07:32,752 --> 00:07:44,097 ♬~ 86 00:07:44,097 --> 00:07:46,933 (勘助)町奉行所の連中が張ってるぜ。 87 00:07:46,933 --> 00:07:49,402 ここが気になるんだろうね。 88 00:07:49,402 --> 00:07:52,305 気を付けねえとな。 89 00:07:52,305 --> 00:07:57,143 これは ようこそ お越しやす。 90 00:07:57,143 --> 00:07:59,779 これ! へい。お茶も お出しせんと➡ 91 00:07:59,779 --> 00:08:04,050 何をしてますのや! へい。掃除も行き届いてまへんで。 92 00:08:04,050 --> 00:08:07,087 へい。しっかりしよし! すんまへん! 93 00:08:07,087 --> 00:08:09,856 気ぃの付かんことで 申し訳ございまへん。 94 00:08:09,856 --> 00:08:14,227 いいえ…。 どうぞ ごゆっくりと。 95 00:08:14,227 --> 00:08:18,431 番頭さん ちょっと来てんか。 (幸兵衛)へい。 96 00:08:21,101 --> 00:08:26,806 番頭さん 何どす? この帳簿は。 97 00:08:26,806 --> 00:08:32,379 字は汚いし 書き損じは多いし どないなってますんや! 98 00:08:32,379 --> 00:08:35,582 お許しください…。 99 00:08:35,582 --> 00:08:41,388 そういう気ぃの緩みが お店を傾けてしまいますんや。 100 00:08:44,090 --> 00:08:46,025 今は 大事な時や。 101 00:08:46,025 --> 00:08:49,763 たるんでるもんには すぐにでも暇を取らせるさかい➡ 102 00:08:49,763 --> 00:08:52,265 心得といてや。 103 00:08:52,265 --> 00:08:55,168 承知いたしました…。 104 00:08:55,168 --> 00:09:00,540 何があったんや… ほんまに。 105 00:09:00,540 --> 00:09:03,043 (鐘の音) 106 00:09:05,345 --> 00:09:09,716 辻褄は 合うているようですな。 107 00:09:09,716 --> 00:09:12,719 慌てて書き直したのであろう。 108 00:09:14,554 --> 00:09:17,557 あの肩衝は 一体…。 109 00:09:29,102 --> 00:09:34,874 (仁左衛門)次は 今津屋の呉服屋だ。 110 00:09:34,874 --> 00:09:36,810 みんなに抜かりはねえと思うが➡ 111 00:09:36,810 --> 00:09:40,246 役人も指をくわえて 見ちゃあいめえ。 112 00:09:40,246 --> 00:09:43,917 へい。 奉行所の連中が張り付いておりやす。 113 00:09:43,917 --> 00:09:46,386 心して かからねえとな。 114 00:09:46,386 --> 00:09:50,256 今度は どのようにして 店に入り込むかだ。 115 00:09:50,256 --> 00:09:54,093 そこは 私に任せておくんなさい。 116 00:09:54,093 --> 00:09:57,397 頼んだぞ。 (一同)へい。 117 00:09:57,397 --> 00:10:04,270 ♬~ 118 00:10:04,270 --> 00:10:08,274 与之助に つなぎをとってくれ…。 119 00:10:11,978 --> 00:10:15,115 おおきに。 また お越しやす。 120 00:10:15,115 --> 00:10:17,317 お呼びでございますか…。 121 00:10:23,289 --> 00:10:28,795 あんた この3人に 暇を取らせたそうやな。 122 00:10:28,795 --> 00:10:31,297 へえ。 さようで…。 123 00:10:31,297 --> 00:10:35,635 この3人は 皆 うちの親類筋から来てんのやで。 124 00:10:35,635 --> 00:10:40,507 たとえ そうでも いつまた 雲霧に狙われるかもしれんという時に➡ 125 00:10:40,507 --> 00:10:42,809 気ぃの抜けたもんは いりまへん。 126 00:10:42,809 --> 00:10:49,315 気ぃの抜けたもんは いらん? えらいもんやなあ。 127 00:10:49,315 --> 00:10:53,153 この3人は これまで 文句も言わんと➡ 128 00:10:53,153 --> 00:10:59,025 まだ頼りないあんたのもとで 勤めてくれたんやで。 129 00:10:59,025 --> 00:11:06,266 人を あんじょう使いこなすのも お店の主の務めと違うか。 130 00:11:06,266 --> 00:11:08,768 お母さん…。 131 00:11:08,768 --> 00:11:13,273 この3人は うちで預かるさかいに➡ 132 00:11:13,273 --> 00:11:18,278 今まで どれだけ働いてくれてたか 思い知ることやな。 133 00:11:20,780 --> 00:11:23,683 ♬~(三味線) 134 00:11:23,683 --> 00:11:28,288 若旦さんが こんな時分に お越しやすとは…。 135 00:11:28,288 --> 00:11:33,126 ここにいると 気ぃが休まるのや。 136 00:11:33,126 --> 00:11:36,429 動いたらあかんで。 すんまへん…。 137 00:11:37,997 --> 00:11:41,634 いろいろ 大変どすなあ。 138 00:11:41,634 --> 00:11:48,408 叔父さんの分まで気張らなあかんと思うと 余計な力が入ってしもてな…。 139 00:11:48,408 --> 00:11:54,213 ♬~(三味線) 140 00:11:54,213 --> 00:11:56,216 どないや? 141 00:11:57,984 --> 00:12:02,255 いや~ おおきに! 142 00:12:02,255 --> 00:12:06,593 お上手どすなあ。 143 00:12:06,593 --> 00:12:11,898 子供の頃は 絵ぇを描いて暮らしたいと 思うてたのや。 144 00:12:13,766 --> 00:12:21,274 ♬~ 145 00:12:21,274 --> 00:12:25,612 佐一 ここにおったんか。 146 00:12:25,612 --> 00:12:28,281 おお 上手やなあ! 147 00:12:28,281 --> 00:12:30,216 すぐに お手伝いします! ハハ! 148 00:12:30,216 --> 00:12:35,521 かまへん かまへん。 描いたら 後で見せてんか。 描き。 149 00:12:38,291 --> 00:12:41,628 絵ぇを描いて暮らす…。 150 00:12:41,628 --> 00:12:44,130 面白そうどすなあ。 151 00:12:44,130 --> 00:12:46,966 そんな甘い夢を見てた わしに➡ 152 00:12:46,966 --> 00:12:53,139 所詮 今津屋の跡取りは 務まらんわなあ。 153 00:12:53,139 --> 00:12:58,444 子供の頃に過ごした 小さな店が懐かしいわ。 154 00:13:00,380 --> 00:13:09,122 小さな店で 若旦さんと 身を寄せ合うて暮らせたら➡ 155 00:13:09,122 --> 00:13:11,991 うちは幸せどす…。 156 00:13:11,991 --> 00:13:21,100 ♬~(三味線) 157 00:13:21,100 --> 00:13:23,136 胡蝶…。 158 00:13:23,136 --> 00:13:27,607 ♬~(三味線) 159 00:13:27,607 --> 00:13:30,109 若旦さん。 160 00:13:30,109 --> 00:13:33,613 胡蝶。 161 00:13:33,613 --> 00:13:42,121 ♬~ 162 00:13:42,121 --> 00:13:44,157 その後 次右衛門は どうした? 163 00:13:44,157 --> 00:13:48,995 ひとまず 有馬へ湯治に行かせました。 さようか。 164 00:13:48,995 --> 00:13:54,434 その折は ご配慮を頂きまして まことに ありがとうございます。 165 00:13:54,434 --> 00:13:57,337 よい。 それより➡ 166 00:13:57,337 --> 00:14:01,240 安部式部が御用金の動きについて 嗅ぎ回っておる。 167 00:14:01,240 --> 00:14:03,910 帳簿など 遺漏なきようにのう。 168 00:14:03,910 --> 00:14:06,579 かしこまりました。 169 00:14:06,579 --> 00:14:10,917 金を何かに替えておくのも よいやもしれぬ。 170 00:14:10,917 --> 00:14:12,952 何かに? 171 00:14:12,952 --> 00:14:17,090 例えば 茶道具じゃ。 172 00:14:17,090 --> 00:14:24,263 ♬~ 173 00:14:24,263 --> 00:14:32,138 (与之助)私は 武州八王子の名主 松川源左衛門の息子で 与三郎と申します。 174 00:14:32,138 --> 00:14:35,274 ほう それは また遠くから…。 175 00:14:35,274 --> 00:14:37,276 父から 京へ行って➡ 176 00:14:37,276 --> 00:14:41,414 風雅というものは いかなるものか 学んでこいと言われまして➡ 177 00:14:41,414 --> 00:14:47,120 それならば 高名な十阿弥先生を お訪ねしようと参った次第でございます。 178 00:14:47,120 --> 00:14:49,956 ハハハハ 先生などと…。 179 00:14:49,956 --> 00:14:53,426 所司代様のお屋敷にも お出入りされていると➡ 180 00:14:53,426 --> 00:14:55,962 聞き及んでおります。 181 00:14:55,962 --> 00:14:59,432 蒼井様からは 目をかけていただいておりましてな。 182 00:14:59,432 --> 00:15:03,302 お会いできて うれしゅうございます。 183 00:15:03,302 --> 00:15:07,507 これから 京の物好きが集まりますので 一緒に どうでしょう? 184 00:15:09,742 --> 00:15:12,245 はい。 喜んで! 185 00:15:13,913 --> 00:15:17,383 茶の湯の道は 奥が深い。 186 00:15:17,383 --> 00:15:21,921 この高麗茶碗などは 一度 割れてしもうたものじゃが…➡ 187 00:15:21,921 --> 00:15:28,261 こうして つぎ合わせてみますと えも言われぬ味わいが出るというもの。 188 00:15:28,261 --> 00:15:32,598 なるほど。 それが わびさびいうもんで…。 189 00:15:32,598 --> 00:15:36,936 さぞかし ええ値ぇが するのですやろなあ。 190 00:15:36,936 --> 00:15:40,273 ほんの 5百両というところですかな。 191 00:15:40,273 --> 00:15:42,275 5百両…! 192 00:15:42,275 --> 00:15:46,412 私に譲ってもらえまへんか。 193 00:15:46,412 --> 00:15:49,949 ああ いや 私に。 いや 私に。 194 00:15:49,949 --> 00:15:57,623 どうしてもと申されるのであれば… まあ 考えましょう。 195 00:15:57,623 --> 00:16:10,236 ♬~ 196 00:16:10,236 --> 00:16:16,442 近頃 買い求めたのですが 趣のない石灯籠ですなあ。 197 00:16:20,746 --> 00:16:22,682 (たたく音) (一同)おお~! 198 00:16:22,682 --> 00:16:25,918 これは なんとなさいます! 199 00:16:25,918 --> 00:16:29,789 少しばかり傷んでる方が 味わいが出るものです。 200 00:16:29,789 --> 00:16:32,091 (一同)ほう。 201 00:16:32,091 --> 00:16:36,262 なるほど。 茶の湯は 奥が深うございますねえ。 202 00:16:36,262 --> 00:16:40,266 まことに。 確かに。 203 00:16:42,401 --> 00:16:53,613 ♬~ 204 00:16:53,613 --> 00:16:57,116 おう お主 昨日のおなごは どうじゃった? 205 00:16:57,116 --> 00:17:03,623 風流な庵の裏に 蔵と用心棒か…。 206 00:17:15,501 --> 00:17:19,906 お頭…。 もし この先➡ 207 00:17:19,906 --> 00:17:23,242 あっしが 阿漕な商売に手を染めて➡ 208 00:17:23,242 --> 00:17:26,245 人様を泣かせるようなことがあったら➡ 209 00:17:26,245 --> 00:17:32,251 そん時は いつでも 徳兵衛の命を 盗りに来てやっておくんなせえ。 210 00:17:32,251 --> 00:18:36,115 ♬~ 211 00:18:36,115 --> 00:18:40,386 うちは負けしまへんえ…。 212 00:18:40,386 --> 00:18:43,289 相変わらず 雲霧は尻尾を出さぬか。 213 00:18:43,289 --> 00:18:49,395 今津屋を外から張り込んでおりまするが 一向に その気配がござりませぬ。 214 00:18:49,395 --> 00:18:51,464 このまま 京から➡ 215 00:18:51,464 --> 00:18:55,601 消えてしまうかもしれぬのう。 きっと 捕らえますゆえ➡ 216 00:18:55,601 --> 00:18:58,638 時が来るまで お待ちくださりませ。 217 00:18:58,638 --> 00:19:02,208 時が来るまでのう…。 218 00:19:02,208 --> 00:19:05,878 ところで せんだって渡した帳簿は見たか。 219 00:19:05,878 --> 00:19:07,813 拝見つかまつりました。 220 00:19:07,813 --> 00:19:09,749 何か差し障りがあったかのう。 221 00:19:09,749 --> 00:19:13,052 いえ ござりませなんだ。 222 00:19:13,052 --> 00:19:16,856 だが 疑念は晴れぬか。 223 00:19:18,924 --> 00:19:20,926 いえ…。 224 00:19:23,362 --> 00:19:27,667 フン… しっかり励んでくれ。 225 00:19:31,103 --> 00:19:35,908 ♬~ 226 00:19:35,908 --> 00:19:40,579 あの結構な肩衝は いかがなされました? 227 00:19:40,579 --> 00:19:46,285 肩衝か…。 そんなものもあったかのう…。 228 00:19:56,395 --> 00:20:04,270 安部殿は 雲霧が次に狙うのは やはり 今津屋の呉服屋だと? 229 00:20:04,270 --> 00:20:08,974 次かどうかは知れぬが いずれ きっと…。 230 00:20:08,974 --> 00:20:16,716 外堀を埋め 内堀を埋め やがては 本丸を攻め落とす…。 231 00:20:16,716 --> 00:20:19,418 それが 雲霧でござる。 232 00:20:19,418 --> 00:20:22,621 やっかいじゃのう。 233 00:20:22,621 --> 00:20:27,126 攻めながら 相手の弱みを探る…。 234 00:20:27,126 --> 00:20:30,629 まことに 手ごわい男でござる。 235 00:20:30,629 --> 00:20:33,532 今津屋の おつるは➡ 236 00:20:33,532 --> 00:20:38,504 いかにして 雲霧に対するつもりなのか…。 237 00:20:38,504 --> 00:20:44,176 今津屋の弱みとは 何でござりましょう。 238 00:20:44,176 --> 00:20:46,479 ⚟ごめんやす。 239 00:20:55,154 --> 00:20:58,991 ♬~ 240 00:20:58,991 --> 00:21:02,294 こちらどす。 おお~ さようか。 241 00:21:06,098 --> 00:21:10,402 今津屋にも 行きつけの茶屋がありましょうな。 242 00:21:10,402 --> 00:21:15,608 確か 上七軒の柳屋という店であったはず。 243 00:21:15,608 --> 00:21:22,948 まあ もっとも おつるは 色街など行くこともなかろうが…。 244 00:21:22,948 --> 00:21:25,618 柳屋…。 245 00:21:25,618 --> 00:21:31,957 ♬~ 246 00:21:31,957 --> 00:21:33,959 おおきに。 247 00:21:43,302 --> 00:21:48,140 旦那さん 毛利様にお届けした反物が➡ 248 00:21:48,140 --> 00:21:51,811 間違うておりましたようで えらいお叱りを受けました。 249 00:21:51,811 --> 00:21:55,981 毛利様の係は誰や? 頼りない。 250 00:21:55,981 --> 00:22:03,722 毛利様の係は せんだって 旦那さんが暇を出した清七でして➡ 251 00:22:03,722 --> 00:22:07,259 今は 両替屋の方におります。 252 00:22:07,259 --> 00:22:10,162 そうやったな…。 253 00:22:10,162 --> 00:22:13,132 ひとまず わてが お詫びしておきます。 254 00:22:13,132 --> 00:22:16,135 頼んます…。 へい。 255 00:22:19,405 --> 00:22:21,340 (ため息) 256 00:22:21,340 --> 00:22:23,609 お越しやす。 257 00:22:23,609 --> 00:22:34,920 ♬~ 258 00:22:36,789 --> 00:22:41,126 雲霧という ぬすっとが 今津屋さんを狙うているかもしれぬと➡ 259 00:22:41,126 --> 00:22:46,432 蒼井様は それはもう 案じておいでで。 ありがたいことでございます。 260 00:22:47,100 --> 00:22:53,706 当面は 入り用なお金だけ残しておいて あとは 茶器に替えておいた方がよいと➡ 261 00:22:53,706 --> 00:22:55,975 蒼井様は 仰せにございます。 262 00:22:55,975 --> 00:22:59,278 金を茶器に替えておく? 263 00:23:01,747 --> 00:23:06,619 一見すると 何の変哲もない茶碗や香炉➡ 264 00:23:06,619 --> 00:23:13,359 茶釜でも ものによっては 千両 二千両の値打ちがある。 265 00:23:13,359 --> 00:23:18,097 なるほど。 ぬすっとも 値打ちの分からへんもんには➡ 266 00:23:18,097 --> 00:23:20,933 手ぇをつけしまへんか…。 いかにも。 267 00:23:20,933 --> 00:23:25,404 はしりもと 台所といったところに 転がっている湯呑茶碗を➡ 268 00:23:25,404 --> 00:23:28,107 賊は 盗みますまい。 269 00:23:28,107 --> 00:23:32,411 その 一見すると 何の変哲もない名器は➡ 270 00:23:32,411 --> 00:23:35,614 哲斎先生が ご用意くださるので? 271 00:23:37,283 --> 00:23:42,087 お任せくだされ。 また お金が入り用な折は➡ 272 00:23:42,087 --> 00:23:47,793 その茶器を 私が高い値で売って進ぜましょう。 273 00:23:47,793 --> 00:23:54,300 さすがは蒼井様。 目ぇの付けどころが違いますなあ。 274 00:23:55,968 --> 00:24:00,572 (小太郎)「子曰く 学びて時に之を習う➡ 275 00:24:00,572 --> 00:24:03,375 亦た説ばしからずや」。 276 00:24:03,375 --> 00:24:06,745 小太郎 学問を怠るでないぞ。 277 00:24:06,745 --> 00:24:10,582 知恵に優れた者が立身を遂げる。 それが 今の世じゃ。 278 00:24:10,582 --> 00:24:12,518 はい。 おじい様。 279 00:24:12,518 --> 00:24:14,753 ますます励みます。 うん。 280 00:24:14,753 --> 00:24:19,591 よい心掛けじゃ。 とは申せ 健やかなることが何よりじゃ。 281 00:24:19,591 --> 00:24:23,929 そなたに もしものことあらば 蒼井家は 立ち行かぬゆえにな。 282 00:24:23,929 --> 00:24:25,965 うん。 283 00:24:25,965 --> 00:24:28,267 「子曰く…」。 284 00:24:28,267 --> 00:24:31,770 配下の者は 皆 手はずどおり動いております。 285 00:24:31,770 --> 00:24:36,608 今津屋の呉服屋には 相変わらず…? 286 00:24:36,608 --> 00:24:42,614 はい。 町奉行と盗賊改が 張り付いておりやす。 287 00:24:48,120 --> 00:24:50,923 ご苦労なことだ。 288 00:24:52,958 --> 00:24:56,295 フッ…。 289 00:24:56,295 --> 00:25:00,232 おひとつ どうぞ。 これに ついで。 290 00:25:00,232 --> 00:25:03,569 何どす? このお茶碗は。 291 00:25:03,569 --> 00:25:07,740 そんな汚いもんで 飲まんかてよろしおすがな。 292 00:25:07,740 --> 00:25:11,076 フフフ…。 何がおかしいんどす? 293 00:25:11,076 --> 00:25:13,912 やっぱり そう思うか。 294 00:25:13,912 --> 00:25:18,784 この茶碗は 3百両するらしい。 295 00:25:18,784 --> 00:25:22,254 3百両? そのお茶碗が…? 296 00:25:22,254 --> 00:25:25,591 ほんまに おかしな世の中や。 297 00:25:25,591 --> 00:25:29,928 買わはったんどすか? 余計な金は 家に置いとかんと➡ 298 00:25:29,928 --> 00:25:34,600 こういうもんに替えとく方が安心やと ある人に そう勧められてな。 299 00:25:34,600 --> 00:25:36,935 そんなことを勧めるんは➡ 300 00:25:36,935 --> 00:25:40,806 さしずめ 十阿弥さん というとこどすか? 301 00:25:40,806 --> 00:25:44,410 よう分かるな…。 やっぱり そうどすか。 302 00:25:44,410 --> 00:25:48,781 いや それは…。 誰にも言わしまへん。 303 00:25:48,781 --> 00:25:54,653 フフ… こんなとこで暮らしてたら そういう話に詳しゅうなります。 304 00:25:54,653 --> 00:25:57,790 そうやろな…。 305 00:25:57,790 --> 00:26:01,660 胡蝶は わしよりも よっぽど 世間を よう知ってるわ…。 306 00:26:01,660 --> 00:26:04,463 それも生きる術どす。 307 00:26:06,899 --> 00:26:08,934 何で そのお茶碗が➡ 308 00:26:08,934 --> 00:26:12,438 そないにしますんやろな…。 309 00:26:20,245 --> 00:26:25,117 また 来とうおくれやす。 ああ 今日は帰るわ。 310 00:26:25,117 --> 00:26:27,586 ⚟いつでも待ってます。 ⚟ああ。 311 00:26:27,586 --> 00:26:32,257 あれが 胡蝶という芸妓です。 このところ 今津屋の佐一は➡ 312 00:26:32,257 --> 00:26:35,160 三日にあげず 通っているようです。 313 00:26:35,160 --> 00:26:45,404 ♬~ 314 00:26:45,404 --> 00:26:47,906 胡蝶か…。 315 00:26:50,109 --> 00:26:55,280 十阿弥哲斎先生が来やはりました。 316 00:26:55,280 --> 00:26:59,284 それで… 茶道具を買わされましたんか? 317 00:26:59,284 --> 00:27:02,554 へえ 2千両ほど 買うことにしました。 318 00:27:02,554 --> 00:27:08,894 2千両…。 蒼井様への つきあいとしては➡ 319 00:27:08,894 --> 00:27:10,929 ちょうどええとこやな。 320 00:27:10,929 --> 00:27:14,566 時が来たら 買い取ってくれますんやろか。 321 00:27:14,566 --> 00:27:16,902 蒼井様の口利きやさかい➡ 322 00:27:16,902 --> 00:27:21,773 がらくたが盗まれん限り 損は おへんやろ。 323 00:27:21,773 --> 00:27:25,577 がらくたか…。 324 00:27:25,577 --> 00:27:28,914 そういうたら お母さんも がらくたの茶碗を➡ 325 00:27:28,914 --> 00:27:31,383 大事にしてはりましたなあ。 326 00:27:31,383 --> 00:27:33,919 あれは がらくたやあらへん。 327 00:27:33,919 --> 00:27:38,590 お父さんがくれはった 二つとない宝物どす。 328 00:27:38,590 --> 00:27:51,169 ♬~ 329 00:27:51,169 --> 00:27:58,610 わしが暇を取らせた3人どすけど うちのお店に戻してもらえまへんか。 330 00:27:58,610 --> 00:28:01,513 いてへんかったら 便利が悪おっしゃろ。 331 00:28:01,513 --> 00:28:05,050 すんまへん…。 すぐに戻しまひょ。 332 00:28:05,050 --> 00:28:07,352 おおきに。 333 00:28:08,921 --> 00:28:15,060 近頃 上七軒の胡蝶とかいう芸妓を➡ 334 00:28:15,060 --> 00:28:19,231 ひいきにしてるそうやなあ。 335 00:28:19,231 --> 00:28:21,900 遊びに行くなとは言わしまへん。 336 00:28:21,900 --> 00:28:24,937 そやけど お店の主たるもん➡ 337 00:28:24,937 --> 00:28:29,074 たやすう 人に気ぃ許したらあきまへんえ。 338 00:28:29,074 --> 00:28:32,911 へえ。 心しておきます。 339 00:28:32,911 --> 00:28:36,248 分かってるんやったら よろしおす。 340 00:28:36,248 --> 00:28:43,021 ♬~ 341 00:28:43,021 --> 00:28:47,259 せんだっての肩衝が 5百両で売れましてござりまする。 342 00:28:47,259 --> 00:28:51,763 さようか。 これは手間賃じゃ。 343 00:28:51,763 --> 00:28:53,799 ありがとうございます。 344 00:28:53,799 --> 00:28:56,602 今津屋の首尾は どうじゃ? はい。 345 00:28:56,602 --> 00:28:59,938 ひとまず 2千両で話がつきました。 346 00:28:59,938 --> 00:29:02,908 今津屋の呉服屋にしては はした金じゃの。 347 00:29:02,908 --> 00:29:08,046 それでも 2千両分の茶道具を 用意するのは 大変でございます。 348 00:29:08,046 --> 00:29:11,917 ハハハ… どうせ 誰が見ても 値打ちなど分からぬのじゃ。 349 00:29:11,917 --> 00:29:15,220 ひとまず その辺りのがらくたを 入れておけばよい。 350 00:29:15,220 --> 00:29:17,889 さようでございますな。 351 00:29:17,889 --> 00:29:21,560 今日は これをお持ちいたしました。 352 00:29:21,560 --> 00:29:28,233 ♬~ 353 00:29:28,233 --> 00:29:32,037 ほう ほう…。 354 00:29:33,905 --> 00:29:39,077 ホッホホホ… これは よい香炉じゃのう。 355 00:29:39,077 --> 00:29:42,748 何とぞ 帝様にご高覧いただきまして➡ 356 00:29:42,748 --> 00:29:47,386 この香炉の蓋に御歌を一首 頂戴いたしとうございます。 357 00:29:47,386 --> 00:29:51,923 この香炉に 帝の歌を添えれば いくらになる? 358 00:29:51,923 --> 00:29:54,960 まず 3千両の値がつきましょう。 359 00:29:54,960 --> 00:30:01,633 3千両…。 お骨折りいただいたお礼は 5百両にて。 360 00:30:01,633 --> 00:30:04,336 悪うはないのう。 361 00:30:16,148 --> 00:30:19,017 扱いには くれぐれも気ぃ付けてや。 362 00:30:19,017 --> 00:30:21,019 (3人)へい。 363 00:30:23,422 --> 00:30:28,960 ♬~ 364 00:30:28,960 --> 00:30:34,766 さてと どうやって中へ入るか…? 365 00:30:34,766 --> 00:30:38,437 この 裏手の塀を越えるってのは どうだい? 366 00:30:38,437 --> 00:30:41,440 忍び返しか…。 367 00:30:45,644 --> 00:30:50,649 塀に細工を施すのも難しい…。 よいしょ。 368 00:30:54,319 --> 00:30:58,156 どないしまひょか。 369 00:30:58,156 --> 00:31:07,766 ♬~ 370 00:31:07,766 --> 00:31:13,572 うん? あやつは 州走りの熊五郎…。 371 00:31:16,108 --> 00:31:32,557 ♬~ 372 00:31:32,557 --> 00:31:35,293 気取られたか…。 373 00:31:35,293 --> 00:32:05,924 ♬~ 374 00:32:05,924 --> 00:32:11,396 おのれ…! あれが 州走りの➡ 375 00:32:11,396 --> 00:32:15,600 州走りの…! 376 00:32:18,770 --> 00:32:21,473 熊五郎や。 377 00:32:24,276 --> 00:32:30,782 今津屋の先代は 着物を ちょっとでも 安う人に買うてもらおうと思て➡ 378 00:32:30,782 --> 00:32:34,653 古着屋を始めたと聞いております。 379 00:32:34,653 --> 00:32:41,793 ところが 骨董の品は 古うても汚うても値打ちがつく。 380 00:32:41,793 --> 00:32:45,964 それが 私には よう分からしまへん。 381 00:32:45,964 --> 00:32:50,302 古い着物でも それが名人の作であり➡ 382 00:32:50,302 --> 00:32:54,806 偉い人が着ていたものであれば 大きな値打ちがつく。 383 00:32:54,806 --> 00:32:58,677 その値打ちを見極めるのが 目利きの仕事であり…。 384 00:32:58,677 --> 00:33:03,515 えらいもんどすなあ。 えらいのは➡ 385 00:33:03,515 --> 00:33:08,753 その品に 2千両も出せる➡ 386 00:33:08,753 --> 00:33:12,924 今津屋さんです。 387 00:33:12,924 --> 00:33:15,827 銭金のあるもんが えらいということで…。 388 00:33:15,827 --> 00:33:18,730 さて これは こちらの はしりもとに➡ 389 00:33:18,730 --> 00:33:22,601 散らして置いておきましょう。 390 00:33:22,601 --> 00:33:27,772 さすがの雲霧も まさか ここを狙うことはござるまい。 391 00:33:27,772 --> 00:33:30,108 ハハハハハ…。➡ 392 00:33:30,108 --> 00:33:32,043 ハハハ…。 393 00:33:32,043 --> 00:33:37,616 ♬~ 394 00:33:37,616 --> 00:33:41,953 州走りの熊五郎が 今津屋の呉服屋にのう。 395 00:33:41,953 --> 00:33:45,824 追ったのですが 見失うてしまいました。 面目ござりませぬ。 396 00:33:45,824 --> 00:33:49,694 いや だが これで雲霧一党が➡ 397 00:33:49,694 --> 00:33:54,966 次なる狙いを佐一の店に定めたのは 明白じゃ。 398 00:33:54,966 --> 00:33:59,271 まず 呉服屋の警固に力を入れるべきかと。 399 00:34:02,374 --> 00:34:05,911 さようじゃのう…。 400 00:34:05,911 --> 00:34:08,947 例のもんを お届けいたしました。 401 00:34:08,947 --> 00:34:12,250 確かに お受け取りいたしました。 402 00:34:12,250 --> 00:34:17,389 がらくたの お買い取り よろしゅう お頼申します。 403 00:34:17,389 --> 00:34:21,259 ♬~ 404 00:34:21,259 --> 00:34:27,065 昨日も よかったぞ。 そうか お花も絶品じゃ。 405 00:34:27,065 --> 00:34:31,970 ♬~ 406 00:34:31,970 --> 00:34:36,408 蒼井様には 足を向けて寝られぬのう。 407 00:34:36,408 --> 00:34:41,913 ヘヘヘヘヘへ… ハハハハハ…。 408 00:34:47,619 --> 00:34:52,123 さて 一働きだ。 409 00:34:52,123 --> 00:34:54,626 はい。 (一同)へい。 410 00:34:54,626 --> 00:35:07,339 ♬~ 411 00:35:09,240 --> 00:35:16,748 時に ご住持は 茶の湯に精通されていると お伺いしましたが…。 412 00:35:16,748 --> 00:35:22,921 ハハハハ ほんの まね事でございますよ。 413 00:35:22,921 --> 00:35:28,727 近頃 肩衝が高値で売り買いされた というような うわさが➡ 414 00:35:28,727 --> 00:35:33,398 お耳に入っておりませぬか? 肩衝…。 415 00:35:33,398 --> 00:35:38,937 おお… そういえば 東山のご隠居が➡ 416 00:35:38,937 --> 00:35:44,109 5百両で唐物の肩衝を お買い求めになったとか…。 417 00:35:44,109 --> 00:35:49,781 その唐物の肩衝を売ったのは どなたで? 418 00:35:49,781 --> 00:35:52,684 さるお方が所蔵していたものを➡ 419 00:35:52,684 --> 00:35:57,288 十阿弥哲斎殿が仲立ちをしたと 聞いております。 420 00:35:57,288 --> 00:36:00,191 十阿弥哲斎…。 421 00:36:00,191 --> 00:36:04,362 武家の出で 目利きの腕もさることながら➡ 422 00:36:04,362 --> 00:36:08,066 商売も お上手なようで。 423 00:36:08,066 --> 00:36:13,938 庵には 金蔵が建っているとか…。 424 00:36:13,938 --> 00:36:16,241 なるほど…。 425 00:36:30,755 --> 00:36:33,591 これは 私の祖父が➡ 426 00:36:33,591 --> 00:36:36,628 京の親類に 預けてあったという 茶釜でございますが➡ 427 00:36:36,628 --> 00:36:40,265 どれほどの値打ちがするものなので ございましょう? 428 00:36:40,265 --> 00:36:43,768 ほう…。 これは➡ 429 00:36:43,768 --> 00:36:46,604 なかなかの値打ちもので ござりまするぞ。 430 00:36:46,604 --> 00:36:48,640 さようでございますか。 431 00:36:48,640 --> 00:36:53,278 30両。 いや 50両で 買わせていただきましょう。 432 00:36:53,278 --> 00:36:59,084 50両? 先生に お買いいただけたら 何よりでございます。 433 00:36:59,084 --> 00:37:02,087 しばし お待ちを…。 434 00:37:10,695 --> 00:37:45,530 ♬~ 435 00:37:45,530 --> 00:37:50,935 あれは 120~130両はする値打ちもの。 436 00:37:50,935 --> 00:37:52,871 ⚟お待たせしました。 437 00:37:52,871 --> 00:37:55,273 与三郎さん…。 438 00:37:55,273 --> 00:37:59,477 えっ 何じゃ これは…。 439 00:38:03,715 --> 00:38:06,417 何じゃ これ…。 440 00:38:11,055 --> 00:38:13,725 哲斎様…。 ああ~ 哲斎様! 441 00:38:13,725 --> 00:38:16,628 旦那~! 442 00:38:16,628 --> 00:38:19,597 何事だ! 何事じゃ! 443 00:38:19,597 --> 00:38:21,900 うわ~…。 何事じゃ! 444 00:38:21,900 --> 00:38:26,571 うわ… ああ… ああ~…。 445 00:38:26,571 --> 00:38:59,771 ♬~ 446 00:38:59,771 --> 00:39:03,541 お買い上げ ありがとうございます。 447 00:39:03,541 --> 00:39:18,056 ♬~ 448 00:39:33,071 --> 00:40:12,744 ♬~ 449 00:40:12,744 --> 00:40:15,947 さすがは 安部式部…。 450 00:40:15,947 --> 00:40:21,619 雲霧仁左衛門…。 やはり ここを先に狙ったか。 451 00:40:21,619 --> 00:40:26,424 思わぬところに汚れた金が こぼれていたわ…。 452 00:40:26,424 --> 00:40:29,327 たとえ 汚れた金でも➡ 453 00:40:29,327 --> 00:40:32,630 ぬすっとの手には渡さん! 454 00:40:32,630 --> 00:41:15,206 ♬~ 455 00:41:15,206 --> 00:41:17,942 江戸から新たに 30万両が送られてくる。 456 00:41:17,942 --> 00:41:19,877 30万両…。 457 00:41:19,877 --> 00:41:23,614 その御用金は どこの蔵に入るのか。 458 00:41:23,614 --> 00:41:26,417 この大普請 今津屋佐一にやらせとくれやす! 459 00:41:26,417 --> 00:41:29,620 ぬすっとが盗まれちゃいけねえよ。 460 00:41:29,620 --> 00:41:33,424 一刻も早う 蒼井様の本性をさらさねばならん。 461 00:41:35,126 --> 00:42:55,339 ♬~