1 00:00:01,768 --> 00:00:06,607 <江戸から京へ運ばれた ばく大な御用金。➡ 2 00:00:06,607 --> 00:00:08,942 仁左衛門と その一党は➡ 3 00:00:08,942 --> 00:00:14,414 その御用金に群がる公家や商家を 次々と襲っていった。➡ 4 00:00:14,414 --> 00:00:20,787 京都所司代 蒼井と裏でつながる 大店 今津屋の材木屋 呉服屋から➡ 5 00:00:20,787 --> 00:00:24,958 汚れた金を盗んだ仁左衛門の 次なる狙いは…。➡ 6 00:00:24,958 --> 00:00:29,296 一方 時を同じくして 京へやって来た安部式部も➡ 7 00:00:29,296 --> 00:00:34,167 京都所司代の悪事に その目を光らせていた> 8 00:00:34,167 --> 00:00:47,180 ♬~ 9 00:00:59,326 --> 00:01:04,131 あんた 自分が何をしたんか 分かってるんか? 10 00:01:04,131 --> 00:01:08,001 (佐一)すんまへん…。 すんまへんと ちゃう。 11 00:01:08,001 --> 00:01:12,406 何をしたんか分かってるんかと 聞いてますのや。 12 00:01:12,406 --> 00:01:15,609  回想 (佐一) 私に やらせてください。 13 00:01:15,609 --> 00:01:17,644 (蒼井)おお。 やってくれるか? 14 00:01:17,644 --> 00:01:23,951 30万両の大普請 この今津屋佐一に やらせとくれやす。 15 00:01:28,188 --> 00:01:35,929 あんたは 蒼井様から 30万両のご普請を 10万両で請け負うて➡ 16 00:01:35,929 --> 00:01:38,799 その10万両を失うたんや。 17 00:01:38,799 --> 00:01:42,135 それは わしが…。 そやから あんたは ほんまに➡ 18 00:01:42,135 --> 00:01:45,639 何も分かってへんのや。 何もて? 19 00:01:45,639 --> 00:01:51,311 蒼井様が どれほど恐ろしいお人かいうことや。 20 00:01:51,311 --> 00:01:55,115 あんたが思うてるほど 甘いお人やない。 21 00:01:58,452 --> 00:02:00,754 あんたも はよ食べよし。 22 00:02:00,754 --> 00:02:05,592 蒼井様から お呼びがかかってるんや。 あんたを連れてこいって。 23 00:02:05,592 --> 00:02:10,397 へ? わしは どうなるんどすか? 24 00:02:10,397 --> 00:02:13,100 10万両の肩代わり。 25 00:02:13,100 --> 00:02:15,035 そんなアホな。 26 00:02:15,035 --> 00:02:18,772 あんたが まいた種や。 自分で なんとかしよし。 27 00:02:18,772 --> 00:02:22,109 お母さん 助けとくれやす。 28 00:02:22,109 --> 00:02:26,613 そんな時だけ 「お母さん お母さん」て 言わんときよし。 29 00:02:26,613 --> 00:02:28,949 虫のええ。 30 00:02:28,949 --> 00:02:37,424 ♬~ 31 00:02:37,424 --> 00:02:42,295 ちょっと… 厠に行ってきます。 32 00:02:42,295 --> 00:02:53,306 ♬~ 33 00:02:53,306 --> 00:02:55,308 (ため息) 34 00:03:23,103 --> 00:03:25,605 (高坂)今津屋佐一に預けたのは➡ 35 00:03:25,605 --> 00:03:29,276 10万両ではなく 30万両だと? 36 00:03:29,276 --> 00:03:32,112 だから そうじゃと申しておるではないか。 37 00:03:32,112 --> 00:03:34,948 江戸から送られた新たな御用金➡ 38 00:03:34,948 --> 00:03:37,284 30万両全てじゃ。 39 00:03:37,284 --> 00:03:41,621 されど 今津屋佐一は 我らの調べにも 確かに➡ 40 00:03:41,621 --> 00:03:48,395 蒼井様から お預かりしたのは 10万両であったと申しております。 41 00:03:48,395 --> 00:03:52,632 そなたら 京都所司代である このわしと➡ 42 00:03:52,632 --> 00:03:56,436 今津屋佐一の言葉 どちらを信じるというのじゃ? 43 00:03:56,436 --> 00:04:01,742 それに そなたらが駆けつけた時には 蔵の中は 空っぽであったのであろう? 44 00:04:01,742 --> 00:04:04,077  回想 10万両は? 45 00:04:04,077 --> 00:04:06,980 ここにあった10万両は? 46 00:04:06,980 --> 00:04:09,883 その目で 10万両を見たわけではあるまい。 47 00:04:09,883 --> 00:04:15,088 では 蒼井様は 今津屋佐一が➡ 48 00:04:15,088 --> 00:04:18,959 うそ偽りを申しておると そう おっしゃるのですか? 49 00:04:18,959 --> 00:04:20,961 そうとしか思えんの。 50 00:04:20,961 --> 00:04:22,963 なぜ そのような うそを? 51 00:04:22,963 --> 00:04:26,266 それは わしに聞くことではあるまい。 52 00:04:26,266 --> 00:04:30,137 今津屋佐一を問いただせばよい。 53 00:04:30,137 --> 00:04:32,139 それでは そのように。 54 00:04:32,139 --> 00:04:37,410 じゃが その今津屋佐一の姿が どこにも見当たらぬのじゃ。 55 00:04:37,410 --> 00:04:41,615 今朝方 突如 姿をくらましたそうじゃ。 56 00:04:41,615 --> 00:04:45,285 今津屋のおつるが さよう知らせてきよった。 57 00:04:45,285 --> 00:04:47,621 これで分かったであろう。 58 00:04:47,621 --> 00:04:53,426 うそ偽りを申しておるのは誰か…。 のう? 59 00:04:57,297 --> 00:05:16,383 ♬~(三味線) 60 00:05:16,383 --> 00:05:18,318 若旦さん。 61 00:05:18,318 --> 00:05:21,254 胡蝶…。 62 00:05:21,254 --> 00:05:28,929 ♬~ 63 00:05:28,929 --> 00:05:33,266 (伝次郎)各所の木戸から 京の七口に至るまで➡ 64 00:05:33,266 --> 00:05:35,936 所司代の役人どもが出張って➡ 65 00:05:35,936 --> 00:05:38,271 今津屋佐一を捜しておるようです。 66 00:05:38,271 --> 00:05:40,607 まるで お尋ね者だねえ。 67 00:05:40,607 --> 00:05:43,944 10万両は 俺たちの手にあるってのに。 68 00:05:43,944 --> 00:05:48,615 恐らく その10万両が まことは 30万両であったと➡ 69 00:05:48,615 --> 00:05:51,651 佐一に無理やりにでも 口裏を合わさせるため➡ 70 00:05:51,651 --> 00:05:56,489 人の手には渡したくないのであろう。 71 00:05:56,489 --> 00:06:01,194 己の私腹を肥やすためにございますな。 72 00:06:02,896 --> 00:06:09,569 結局 一番の悪党は 所司代様ってことになるじゃねえか。 73 00:06:09,569 --> 00:06:14,441 ならば 都に巣くう鬼の面➡ 74 00:06:14,441 --> 00:06:17,944 拝みに参るとするか。 75 00:06:53,146 --> 00:06:55,949 ご苦労さんどすなあ。 76 00:06:55,949 --> 00:07:00,120 けど ここに若旦さんは➡ 77 00:07:00,120 --> 00:07:04,124 いたはらしまへんえ。 フフ…。 78 00:07:08,928 --> 00:07:12,065 (藤兵衛)上七軒の柳屋だけではなく➡ 79 00:07:12,065 --> 00:07:15,568 蒼井様の手の者が 大勢 出張っておりましたが➡ 80 00:07:15,568 --> 00:07:19,372 いまだ 佐一は見つかっておらぬ様子に ございました。 81 00:07:19,372 --> 00:07:21,741 (半蔵)しかし あれほどの役人が出張っては➡ 82 00:07:21,741 --> 00:07:25,578 商人一人が 到底 逃げ切れるものではありません。 83 00:07:25,578 --> 00:07:28,248 急がねばな。 84 00:07:28,248 --> 00:07:33,253 蒼井様よりも先に 佐一を見つけ出さねばならぬ。 85 00:07:34,921 --> 00:07:38,591 まだ 見つからぬのか? はっ。 申し訳ありませぬ。 86 00:07:38,591 --> 00:07:41,261 一体 どこに逃げ隠れしておるのか…。 87 00:07:41,261 --> 00:07:44,764 ならば どこにも 逃げ隠れできぬようにしてやればよい。 88 00:07:44,764 --> 00:07:48,101 …と 申しますと? 都中に あらぬうわさの一つも➡ 89 00:07:48,101 --> 00:07:52,772 流してやればよい。 さすれば 虫のように あぶり出されてきよるわ。 90 00:07:52,772 --> 00:07:55,275 はっ。所司代様! 何じゃ? 91 00:07:55,275 --> 00:07:58,278 高坂様が お目通りを願っておられます。 92 00:07:58,278 --> 00:08:01,781 高坂…。 はっ。 93 00:08:03,983 --> 00:08:06,353 高坂! 何と申した? 94 00:08:06,353 --> 00:08:08,288 いま一度 申してみい! 95 00:08:08,288 --> 00:08:11,891 このお屋敷の蔵を 某に➡ 96 00:08:11,891 --> 00:08:14,361 検めさせてくださいませ。 97 00:08:14,361 --> 00:08:22,736 お主… それは わしの申したことを 疑うておるということか? 98 00:08:22,736 --> 00:08:26,573 30万両は全て 今津屋佐一に渡したと➡ 99 00:08:26,573 --> 00:08:28,908 申したであろう! 某とて➡ 100 00:08:28,908 --> 00:08:36,383 まこと申せば 蒼井様を疑いとうはないのです。 101 00:08:36,383 --> 00:08:39,586 このとおりにございます。 102 00:08:39,586 --> 00:08:42,088 高坂…。 103 00:08:42,088 --> 00:08:47,761 これまで 幾度となく 引き立ててやった恩を忘れ➡ 104 00:08:47,761 --> 00:08:54,100 よくも さような無礼を 申せたものじゃのう。 105 00:08:54,100 --> 00:08:56,136 蒼井様。 去れ。 106 00:08:56,136 --> 00:08:58,271 これ以上 申せば➡ 107 00:08:58,271 --> 00:09:00,707 いくら わしと お主の仲とて➡ 108 00:09:00,707 --> 00:09:04,010 断じて許さぬぞ! 109 00:09:30,770 --> 00:09:38,077 ♬~ 110 00:09:38,077 --> 00:09:41,881 この金は 誰にも渡さぬ。 111 00:09:51,925 --> 00:09:55,762 これは どういうことえ? 112 00:09:55,762 --> 00:10:00,266 次右衛門さんや佐一さんの蔵が ぬすっとに襲われてから➡ 113 00:10:00,266 --> 00:10:03,269 お客さんの足が うちから遠のいてしもて。 114 00:10:03,269 --> 00:10:06,773 どうしようもおへん。 (ため息) 115 00:10:06,773 --> 00:10:11,945 それと そこら辺で あることないこと➡ 116 00:10:11,945 --> 00:10:14,414 えらい うわさされてるみたいで。 117 00:10:14,414 --> 00:10:16,483 あることないこと? 118 00:10:16,483 --> 00:10:20,787 へえ。 ほんまは 金は盗まれたんやのうて➡ 119 00:10:20,787 --> 00:10:25,959 佐一さんが持ち逃げしたんやとか…➡ 120 00:10:25,959 --> 00:10:28,995 芸妓に入れ揚げて 使い込んだやとか…。 121 00:10:28,995 --> 00:10:31,431 もう 佐一のことは ほっとき! 122 00:10:31,431 --> 00:10:34,801 うちから逃げたもんのことに 構てる暇はおへん! 123 00:10:34,801 --> 00:10:37,003 ああ… へえ。 124 00:10:39,139 --> 00:10:41,174 はあ~ 怖っ。 125 00:10:41,174 --> 00:10:56,990 ♬~(三味線) 126 00:10:56,990 --> 00:11:30,290 ♬~ 127 00:11:30,290 --> 00:11:34,627 (亀菊)いや! 胡蝶はんやおへんか? おいでやす。へえ。 128 00:11:34,627 --> 00:11:38,431 ちょうど ええ紅が入ったんで 見ていかはりますか? 129 00:11:38,431 --> 00:11:41,801 冷やかしでも よろしおすか? どうぞ どうぞ。 130 00:11:41,801 --> 00:11:46,306 楽しみどすなあ。 へえ。おおきに。 131 00:11:46,306 --> 00:12:19,606 ♬~ 132 00:12:19,606 --> 00:12:22,642 おい! さっき ここに入った 芸妓は どこに行った? 133 00:12:22,642 --> 00:12:25,945 あ~ 胡蝶はんどすか? 134 00:12:25,945 --> 00:12:29,816 それやったら 随分前に お勝手から。 135 00:12:29,816 --> 00:12:32,619 しまった! 136 00:12:32,619 --> 00:12:42,295 ♬~ 137 00:12:42,295 --> 00:12:44,797 おい! 芸妓を見なかったか? 138 00:12:44,797 --> 00:12:49,669 あ~ 芸妓はん? それやったら あっちに…。 139 00:12:49,669 --> 00:13:00,179 ♬~ 140 00:13:19,932 --> 00:13:24,404 胡蝶 大丈夫やったんか? 141 00:13:24,404 --> 00:13:29,709 京の通りやったら お役人さんより詳しおすさかい。 142 00:13:35,148 --> 00:13:37,784 どうしやはったんどす? 143 00:13:37,784 --> 00:13:42,422 いつまでも こんなとこに居てたら あかんと思てなあ。 144 00:13:42,422 --> 00:13:45,792 お前にも これ以上 迷惑はかけられへん。 145 00:13:45,792 --> 00:13:51,431 あきまへん。 今 出ていったら すぐ お役人に捕まってしまいます。 146 00:13:51,431 --> 00:13:54,333 わしは 何も悪いことはしてへんのや! 147 00:13:54,333 --> 00:13:59,806 けど 蒼井様は 若旦さんを ひどい目に遭わせるおつもりどす。 148 00:13:59,806 --> 00:14:02,508 違いおへん。 149 00:14:06,079 --> 00:14:09,949 ♬~ 150 00:14:09,949 --> 00:14:14,387 佐一は 変わらず 胡蝶のそばで おとなしくしているそうです。 151 00:14:14,387 --> 00:14:18,591 所司代の 役人どもも 我らの ぬすっと宿には➡ 152 00:14:18,591 --> 00:14:21,394 そうたやすく感づけねえでしょうな。 153 00:14:21,394 --> 00:14:23,329 安部式部や奉行所の連中は➡ 154 00:14:23,329 --> 00:14:25,765 気がかりですが 今のところは まだ。 155 00:14:25,765 --> 00:14:28,401 所司代屋敷の守りは 手薄。 156 00:14:28,401 --> 00:14:31,604 お頭の狙いどおりじゃねえですか。 157 00:14:31,604 --> 00:14:35,308 今こそ 絶好の機会。 158 00:14:36,943 --> 00:14:41,781 いや まだだ。 159 00:14:41,781 --> 00:14:46,285 それは 江戸のお千代からの つなぎにございますか? 160 00:14:48,421 --> 00:14:53,259 今に 面白いことが起きる。 161 00:14:53,259 --> 00:14:58,631 ♬~ 162 00:14:58,631 --> 00:15:01,601 <そのころ 江戸から京へ向かって➡ 163 00:15:01,601 --> 00:15:05,238 ある知らせが 急ぎ運ばれていた> 164 00:15:05,238 --> 00:15:09,242 佐一が見つからぬ今 もはや 江戸に➡ 165 00:15:09,242 --> 00:15:13,946 蒼井様への疑いを訴えるよりほか ありますまい。 166 00:15:13,946 --> 00:15:16,849 逸ってはなりませぬ 高坂殿。 167 00:15:16,849 --> 00:15:21,587 されど もし 先に 蒼井様に 佐一を見つけられれば➡ 168 00:15:21,587 --> 00:15:27,393 どんな手を使うても 佐一に 口裏を合わせさせるはず。 169 00:15:27,393 --> 00:15:32,932 さよう。 それこそが 蒼井様の考えでございましょう。 170 00:15:32,932 --> 00:15:38,137 佐一も それに気付いて 身を隠しておるに違いありませぬ。 171 00:15:40,273 --> 00:15:43,609 しかし… おかしいとは思いませぬか? 172 00:15:43,609 --> 00:15:48,481 おかしいとは? これだけ 我らや蒼井様が➡ 173 00:15:48,481 --> 00:15:54,287 人手と時をかけて捜しても 見つからぬとは。 174 00:15:54,287 --> 00:16:00,893 もしや 佐一は 誰かに かくまわれておるのやもしれませぬな。 175 00:16:00,893 --> 00:16:08,100 我らの目を 佐一に釘付けにしておきたい誰か…。 176 00:16:15,441 --> 00:16:19,245 これは…。 わしが 佐一に請け負わせたご普請じゃ。 177 00:16:19,245 --> 00:16:21,180 それを そなたに頼みたい。 178 00:16:21,180 --> 00:16:26,586 つまり 盗まれた10万両の肩代わりを➡ 179 00:16:26,586 --> 00:16:29,489 うちにさせるて言わはるんどすか? 180 00:16:29,489 --> 00:16:31,924 さすがは おつる。 話が早い。 181 00:16:31,924 --> 00:16:36,796 子の不始末を 親が肩代わりするのは 至極 当然のことであろう。 182 00:16:36,796 --> 00:16:49,108 ♬~ 183 00:16:49,108 --> 00:16:51,410 できぬと申すか。 184 00:16:51,410 --> 00:16:53,479 堪忍しとくれやす。 185 00:16:53,479 --> 00:16:58,184 それは いっぺん うちが お断りした商いどす。 186 00:16:58,184 --> 00:17:00,219 それに…。 それに? 187 00:17:00,219 --> 00:17:05,558 誰かさんの仕業で おかしな うわさまで立てられて➡ 188 00:17:05,558 --> 00:17:10,229 今津屋は ええ迷惑をしております。 189 00:17:10,229 --> 00:17:14,233 お前には わしが預けた50万両➡ 190 00:17:14,233 --> 00:17:17,103 その取り分である 10万両があるではないか。 191 00:17:17,103 --> 00:17:20,940 お待ちください。 それとこれとは 話が違います! 192 00:17:20,940 --> 00:17:25,778 やはり お前は うわさどおりの刃金の女じゃのう。 193 00:17:25,778 --> 00:17:30,550 商いと佐一 どちらが大事と申すのじゃ? 194 00:17:30,550 --> 00:17:32,919 えっ? わしを見くびるなよ。 195 00:17:32,919 --> 00:17:35,588 いずれ 佐一は わしが必ず見つけ出す。 196 00:17:35,588 --> 00:17:39,759 その時に 佐一が生きておるか死んでおるか。 197 00:17:39,759 --> 00:17:42,795 わしには どちらでもよいことじゃ。 198 00:17:42,795 --> 00:17:48,267 ♬~ 199 00:17:48,267 --> 00:17:50,937 フフフフ…。 200 00:17:50,937 --> 00:17:57,109 やはり 子より大事なものはあるまい。 のう おつる。 201 00:17:57,109 --> 00:18:01,881 急げよ。 上様のご上洛が迫っておる。 202 00:18:01,881 --> 00:18:12,091 ♬~ 203 00:18:21,901 --> 00:18:24,370 よき夢を見ておったようじゃな 小太郎。 204 00:18:24,370 --> 00:18:28,240 笑うておったぞ。 (小太郎)お父様の夢を見ました。 205 00:18:28,240 --> 00:18:30,242 おお。 友之進のか? 206 00:18:30,242 --> 00:18:32,578 お父様と上賀茂の大きな木を➡ 207 00:18:32,578 --> 00:18:34,914 見に行っておりました。 208 00:18:34,914 --> 00:18:39,085 上賀茂の大木か…。 209 00:18:39,085 --> 00:18:42,388 誰かおるか? ⚟はい ここに。 210 00:18:46,959 --> 00:18:51,397 すまぬが 小太郎を 上賀茂の大木に 連れていってやってくれ。 211 00:18:51,397 --> 00:18:53,699 かしこまりました。 212 00:19:16,889 --> 00:19:21,694 見事な大木にござりまするな 若様。 213 00:19:24,363 --> 00:19:28,234 これは わしの お父上なのじゃ。 214 00:19:28,234 --> 00:19:32,071 ほう。 蒼井の家に生まれた者は➡ 215 00:19:32,071 --> 00:19:35,374 この木の ようにならねばならんと教えられた。 216 00:19:35,374 --> 00:19:42,081 大きく手を広げ 皆を守れる男になれと。 217 00:19:42,081 --> 00:19:44,583 ご立派な父上ですな。 218 00:19:44,583 --> 00:19:48,921 そうじゃ。 ここは 我らしか知らぬ 大切な場所なのじゃ。 219 00:19:48,921 --> 00:19:51,590 ハハハハ…。 220 00:19:51,590 --> 00:19:56,095 若様も かような男に育ってくだされ。 221 00:19:56,095 --> 00:20:00,399 おお。 さあ 若様 参りましょう。 222 00:20:00,399 --> 00:20:23,889 ♬~ 223 00:20:51,984 --> 00:20:57,857 ほんまに これが そんな大層 値打ちのあるもんとは思えしまへんなあ。 224 00:20:57,857 --> 00:21:01,794 お前と 一緒になって この店を開くいう時に➡ 225 00:21:01,794 --> 00:21:05,397 大恩ある人から 譲り受けたんや。 226 00:21:05,397 --> 00:21:09,268 我が家のお宝いうやっちゃ。 フフ…。フフフ。 227 00:21:09,268 --> 00:21:12,104 きゃあ! 危なあ~! 228 00:21:12,104 --> 00:21:15,975 今 この子が蹴りましたんや。 229 00:21:15,975 --> 00:21:18,777 アッハハハハ…。 230 00:21:18,777 --> 00:21:21,413 そうか そうか。 231 00:21:21,413 --> 00:21:24,283 すまん すまん。 我が家のお宝は➡ 232 00:21:24,283 --> 00:21:28,154 お前もやなあ。 アハハハ…。 233 00:21:28,154 --> 00:21:33,959 ♬~ 234 00:21:33,959 --> 00:21:35,895 ⚟(物音) 235 00:21:35,895 --> 00:21:37,830 佐一か!? 236 00:21:37,830 --> 00:21:39,832 (風の音) 237 00:21:41,834 --> 00:21:44,303 (ため息) 238 00:21:44,303 --> 00:21:53,012 あんた… 佐一のこと 守っておくれやす。 239 00:21:55,314 --> 00:22:01,253 (鐘の音) 240 00:22:01,253 --> 00:22:07,893 ⚟エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ…。 241 00:22:07,893 --> 00:22:15,935 エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ エイホ…。 242 00:22:15,935 --> 00:22:18,637 いよいよ 来たか。 243 00:22:22,708 --> 00:22:27,413 ご苦労でござった。 はっ。 かたじけのうございます。 244 00:22:32,384 --> 00:22:35,788 江戸表ご老中 大月図書頭様から➡ 245 00:22:35,788 --> 00:22:39,491 急ぎ 安部様へ お伝えせよと。 246 00:22:47,399 --> 00:22:50,302 これは…。 247 00:22:50,302 --> 00:22:56,642 ♬~ 248 00:22:56,642 --> 00:22:59,979 上様のご上洛が お取りやめじゃと…? 249 00:22:59,979 --> 00:23:03,949 はっ。 うそじゃ。 うそに決まっておる。 250 00:23:03,949 --> 00:23:09,655 遅かれ早かれ 蒼井様のもとにも この知らせは届きまする。 251 00:23:09,655 --> 00:23:14,093 なぜじゃ? なぜ かようなことに!? 252 00:23:14,093 --> 00:23:19,598 もしや お主らが江戸にあることないこと 申し立てたのではあるまいな! 253 00:23:19,598 --> 00:23:26,772 まさか。 全ては 上様がお決めになられたことです。 254 00:23:26,772 --> 00:23:28,807 なんということじゃ…。 255 00:23:28,807 --> 00:23:32,278 ここまで来て… 上様は 何を お考えなのじゃ! 256 00:23:32,278 --> 00:23:36,148 上様は 京へ届けられた ばく大な御用金のことを➡ 257 00:23:36,148 --> 00:23:40,953 大層 お気になされておるご様子。 258 00:23:40,953 --> 00:23:46,292 直ちに 京へ 吟味役を 遣わされるとのことでございます。 259 00:23:46,292 --> 00:23:48,627 吟味役じゃと? さよう。 260 00:23:48,627 --> 00:23:54,967 これまで 全ての御用金が 蒼井様の 手によって いかに使われてきたのか➡ 261 00:23:54,967 --> 00:23:58,837 そして いかほどが 蔵に蓄えられているのかも➡ 262 00:23:58,837 --> 00:24:03,075 厳密に 吟味されるとのことでございます。 263 00:24:03,075 --> 00:24:07,579 何じゃと… 全ての御用金を…。 264 00:24:09,248 --> 00:24:17,256 これで 蔵を開けぬわけには まいりませぬな 蒼井様。 265 00:24:19,591 --> 00:24:24,396 何か 不服でございますか? 266 00:24:24,396 --> 00:24:29,201 不服など あるはずがない。 267 00:24:32,271 --> 00:24:34,606 ほんまかいな? これ。 268 00:24:34,606 --> 00:24:38,277 ほんまやがな。 公方さん お越しにならへんねんて! 269 00:24:38,277 --> 00:24:40,612 えらいことや。 すんまへん! ちょっと➡ 270 00:24:40,612 --> 00:24:43,615 ちょっと すんまへんな! あっ 前 すんまへん! 271 00:24:46,952 --> 00:24:49,288 何で こんなことに…。 272 00:24:49,288 --> 00:24:55,427 (与之助)何でも 所司代さんの金遣いが 公方様の目に留まったらしいで。 273 00:24:55,427 --> 00:25:00,566 京雀が みんな えらいうわさしてるで。 274 00:25:00,566 --> 00:25:06,572 悪事が千里を 走っていきよったなあ。 275 00:25:12,077 --> 00:25:16,882 何があったんか ちょっと調べてんか? へえ。 276 00:25:18,584 --> 00:25:26,258 ♬~ 277 00:25:26,258 --> 00:25:30,095 (亀菊)京の町は 大騒ぎにございます。 278 00:25:30,095 --> 00:25:33,766 まさか 上洛が お取りやめになるとはなあ。 279 00:25:33,766 --> 00:25:40,539 所司代が 御用金を使い過ぎたことが 上様の目に留まったってことだ。 280 00:25:40,539 --> 00:25:42,775 お千代からのつなぎによりますと➡ 281 00:25:42,775 --> 00:25:46,111 江戸から 吟味役も向かっておるとのことです。 282 00:25:46,111 --> 00:25:49,415 よし! なら その吟味役とやらに化けて➡ 283 00:25:49,415 --> 00:25:53,285 所司代屋敷の蔵に 乗り込もうじゃねえですか。 284 00:25:53,285 --> 00:25:59,091 いや。 それは 我らのつとめに及ばず。 285 00:25:59,091 --> 00:26:05,297 ♬~ 286 00:26:18,744 --> 00:26:21,780 番頭はん。 287 00:26:21,780 --> 00:26:27,252 へい。 ちょっと 蒼井様のとこ行ってくるさかい。 288 00:26:27,252 --> 00:26:29,254 行っといでやす。 289 00:26:32,124 --> 00:26:34,927 何じゃ? おつる。 この忙しい時に。 290 00:26:34,927 --> 00:26:39,264 今日は 一つ 商いにやって参りました。 291 00:26:39,264 --> 00:26:42,267 商いじゃと? はい。 292 00:26:42,267 --> 00:26:47,406 聞いておらぬのか? 上様のご上洛は お取りやめになったのじゃ。 293 00:26:47,406 --> 00:26:51,276 お前も もう これ以上 もうけ話はないと思え! 294 00:26:51,276 --> 00:26:55,147 そやさかい 商いに参ったのです。 295 00:26:55,147 --> 00:26:58,050 何じゃと? このままやと➡ 296 00:26:58,050 --> 00:27:01,353 今津屋は ろくなもうけは おへん。 297 00:27:01,353 --> 00:27:03,889 そやさかい 蒼井様に➡ 298 00:27:03,889 --> 00:27:10,229 今日は うちのお知恵を 一つ買うてもらいに来たんどす。 299 00:27:10,229 --> 00:27:13,565 お前の知恵じゃと? 300 00:27:13,565 --> 00:27:18,904 蒼井様が 蔵に こっそり ため込んではるお金➡ 301 00:27:18,904 --> 00:27:23,742 きれいさっぱり 蒼井様のもんにする お知恵どす。 302 00:27:23,742 --> 00:27:28,580 何!? そんな知恵があると申すか? へえ。 303 00:27:28,580 --> 00:27:32,084 して それを いくらで売ると言うのじゃ? 304 00:27:32,084 --> 00:27:35,921 10万両で どうどすか? 305 00:27:35,921 --> 00:27:39,591 おのれ… やり返しおったな。 306 00:27:39,591 --> 00:27:44,463 それが お嫌どしたら このお話は忘れとくれやす。 307 00:27:44,463 --> 00:27:48,100 ああ… 相分かった。 308 00:27:48,100 --> 00:27:51,770 さあ さあ。 309 00:27:51,770 --> 00:27:54,806 おおきに。 310 00:27:54,806 --> 00:27:57,009 これを…。 311 00:27:59,511 --> 00:28:01,446 これは…!? 312 00:28:01,446 --> 00:28:04,216 蔵のお金を 盗んで もろたらよろし。 313 00:28:04,216 --> 00:28:08,554 雲霧仁左衛門に。 314 00:28:08,554 --> 00:28:11,056 何じゃと? 雲霧に? 315 00:28:11,056 --> 00:28:16,261 へえ。 いくら ため込んではるんかは 知りまへんけど。 316 00:28:18,230 --> 00:28:22,734 フフ… ハハハハ…。 317 00:28:22,734 --> 00:28:25,237 なかなか 面白そうな話じゃな。 318 00:28:25,237 --> 00:28:31,577 ほなら ゆっくり 詳しい話をさせてもらいまひょ。おお。 319 00:28:31,577 --> 00:28:38,450 「今宵 京都所司代の お宝頂戴仕る 雲」。 320 00:28:38,450 --> 00:28:41,253 雲霧から この投げ文が!? 321 00:28:41,253 --> 00:28:43,922 蒼井様のお屋敷に投げ込まれたそうじゃ。 322 00:28:43,922 --> 00:28:46,825 なんと 大胆不敵な! 323 00:28:46,825 --> 00:28:51,663 雲霧も 蒼井様の蔵に目をつけよったか…。 324 00:28:51,663 --> 00:28:54,933 長官 どうなさいましたか? 325 00:28:54,933 --> 00:29:00,539 いや 雲霧が これを…。 326 00:29:00,539 --> 00:29:03,208 何故かと思うてな。 327 00:29:03,208 --> 00:29:06,211 我々を からかっておるに 違いありません! 328 00:29:06,211 --> 00:29:12,551 蒼井様から我らに 蔵の警固に当たれと ご命令がありました。 329 00:29:12,551 --> 00:29:17,222 ♬~ 330 00:29:17,222 --> 00:29:24,363 所司代屋敷の周りを 安部式部と 奉行所の連中が固めております。 331 00:29:24,363 --> 00:29:28,900 そうか。 はっ。 332 00:29:28,900 --> 00:29:33,739 蔵に 金はない。 333 00:29:33,739 --> 00:29:40,746 ♬~ 334 00:29:43,382 --> 00:29:48,086 この所司代屋敷に目をつけるとは 不届き千万! 335 00:29:48,086 --> 00:29:52,257 安部殿 ここは 腕の見せどころじゃのう。 336 00:29:52,257 --> 00:29:56,128 はっ。 江戸からの吟味役が ご到着される前に➡ 337 00:29:56,128 --> 00:30:00,132 蔵を荒らされては 面目丸潰れじゃ。 のう 高坂。 338 00:30:00,132 --> 00:30:02,768 さようなことは 断じてさせませぬ。 339 00:30:02,768 --> 00:30:06,405 もし 万に一つのことあらば 分かっておるな。 340 00:30:06,405 --> 00:30:08,940 お上の御用金じゃ。 341 00:30:08,940 --> 00:30:14,279 そなたらの首は 飛ぶと思え。 よいな。 342 00:30:14,279 --> 00:30:16,281 はっ。 343 00:30:22,154 --> 00:30:25,991 我らの首が飛ぶ。 344 00:30:25,991 --> 00:30:28,126 なるほど。 345 00:30:28,126 --> 00:30:32,631 フフッ。 そういうことか。 346 00:30:32,631 --> 00:30:34,666 半蔵。 347 00:30:34,666 --> 00:30:38,503 はっ。 蒼井様をつけよ。 348 00:30:38,503 --> 00:30:40,972 はっ。 349 00:30:40,972 --> 00:31:32,124 ♬~ 350 00:31:32,124 --> 00:31:34,159 何奴!? 351 00:31:34,159 --> 00:31:43,735 ♬~ 352 00:31:43,735 --> 00:31:47,973 もしや お主 雲霧仁左衛門? 353 00:31:47,973 --> 00:31:52,310 お初に お目にかかる。 蒼井主膳正殿。 354 00:31:52,310 --> 00:31:57,983 先刻の投げ文どおり 金を頂きに参り申した。 355 00:31:57,983 --> 00:32:00,752 何じゃと!? あれは わしらが用意した偽の文…。 356 00:32:00,752 --> 00:32:06,258 よう お考えになられましたな。 蔵の金は 我らに盗まれたことにして➡ 357 00:32:06,258 --> 00:32:13,598 その責めは 安部式部や奉行所の者たちに負わせる。 358 00:32:13,598 --> 00:32:16,268 どなたの入れ知恵ですかな? 359 00:32:16,268 --> 00:32:19,171 なぜ… ここが分かった? 360 00:32:19,171 --> 00:32:23,408 小太郎殿に教えていただきました。 361 00:32:23,408 --> 00:32:26,945 小太郎に? 362 00:32:26,945 --> 00:32:33,618 あの大木は お父上であると。 363 00:32:33,618 --> 00:32:36,421 ⚟(呼び子の音) 364 00:32:36,421 --> 00:32:39,958 ⚟(呼び子の音) 365 00:32:39,958 --> 00:32:52,304 ♬~ 366 00:32:52,304 --> 00:32:54,239 雲霧仁左衛門。 367 00:32:54,239 --> 00:32:57,976 よう気付いたな 安部式部。 368 00:32:57,976 --> 00:33:01,379 今日こそは 逃さぬ。 369 00:33:01,379 --> 00:33:06,918 ここに 汚れた金を隠した まことの悪党が誰か➡ 370 00:33:06,918 --> 00:33:11,256 それを知っての上でか? 371 00:33:11,256 --> 00:33:20,398 ♬~ 372 00:33:20,398 --> 00:33:26,605 京で悪事を働く野郎は 誰一人許さぬ。 373 00:33:26,605 --> 00:34:01,406 ♬~ 374 00:34:07,245 --> 00:34:09,247 消えたぞ。 375 00:34:12,117 --> 00:34:14,819 雲霧…。 376 00:34:17,889 --> 00:34:19,824 おのれ 雲霧! 377 00:34:19,824 --> 00:34:22,127 すぐに捜せ。 (一同)はっ。 378 00:34:37,776 --> 00:34:41,646 蒼井様… かつての あなたは➡ 379 00:34:41,646 --> 00:34:45,517 かように 欲にまみれた お人ではなかった。 380 00:34:45,517 --> 00:34:48,119 お役目に一所懸命で➡ 381 00:34:48,119 --> 00:34:54,426 配下の者は 皆 あなた様をお慕い申し上げておりました。 382 00:34:54,426 --> 00:35:01,232 我らだけではない。 ご嫡男である友之進殿も➡ 383 00:35:01,232 --> 00:35:06,738 そんな あなたを 誇りに思うておられました。 384 00:35:06,738 --> 00:35:10,375 ♬~ 385 00:35:10,375 --> 00:35:15,246 わしにとって 何よりの自慢じゃった。 386 00:35:15,246 --> 00:35:20,752 友之進は わしの宝じゃった…。 387 00:35:23,588 --> 00:35:27,459 じゃが わしは その宝を 突如 奪われた。 388 00:35:27,459 --> 00:35:32,464 病で。 あんなにも呆気なく…。 389 00:35:36,768 --> 00:35:39,404 父上…。 390 00:35:39,404 --> 00:35:42,607 友之進。 391 00:35:42,607 --> 00:35:47,312 申し訳… ございません…。 392 00:35:50,949 --> 00:35:56,121 友之進! 友之進! 393 00:35:56,121 --> 00:36:06,631 (すすり泣き) 394 00:36:09,067 --> 00:36:12,737 わしに残されたのは 小太郎だけじゃった…。 395 00:36:12,737 --> 00:36:14,673 小太郎は まだ幼い。 396 00:36:14,673 --> 00:36:18,376 わしが いずれ お役目を去る日が来たとて まだまだ若輩。 397 00:36:18,376 --> 00:36:23,081 到底 ご公儀の出世争いは 勝ち抜けぬ。 398 00:36:23,081 --> 00:36:28,753 それゆえに あなたは 金を…。 399 00:36:28,753 --> 00:36:32,924 金さえあれば 地位も名誉も思いのままじゃ。 400 00:36:32,924 --> 00:36:36,261 さすれば 友之進殿も浮かばれると? 401 00:36:36,261 --> 00:36:41,399 そうじゃ! わしが小太郎にできることは それだけじゃ。 そうであろう? 402 00:36:41,399 --> 00:36:46,938 ♬~ 403 00:36:46,938 --> 00:36:51,810 友之進殿が 自慢に思うておられたのは➡ 404 00:36:51,810 --> 00:36:57,115 かような父の姿ではなかったであろう。 もう よい。 聞きとうない。 405 00:37:09,194 --> 00:37:15,366 蒼井様。 子であろうが 孫であろうが➡ 406 00:37:15,366 --> 00:37:22,574 ただ その成長を じっと見守るだけでよかったのです。 407 00:37:22,574 --> 00:37:26,778 それが 親の務めでありましょう。 408 00:37:33,251 --> 00:37:36,087 フン…➡ 409 00:37:36,087 --> 00:37:38,923 フフ…➡ 410 00:37:38,923 --> 00:37:43,595 フフ… ハハハハ…➡ 411 00:37:43,595 --> 00:37:47,932 アハハハハ… アハハハハ! 412 00:37:47,932 --> 00:37:53,438 さような きれい事 もう 聞き飽きたわ。 413 00:37:55,673 --> 00:37:58,576 わしを誰と心得ておる。 414 00:37:58,576 --> 00:38:01,045 わしは 京都所司代であるぞ。 415 00:38:01,045 --> 00:38:06,351 これまで どれほど 都の表裏を見てきたと思うておる? 416 00:38:06,351 --> 00:38:09,254 わしが まことを教えてやろう。 417 00:38:09,254 --> 00:38:14,225 所詮 この世は 盗って盗られての騙し合い。 418 00:38:14,225 --> 00:38:18,897 世のため人のためと言うておる者ほど➡ 419 00:38:18,897 --> 00:38:21,800 馬鹿を見る。 420 00:38:21,800 --> 00:38:28,072 ♬~ 421 00:38:28,072 --> 00:38:32,577 ほれ。 行かぬのか? 422 00:38:32,577 --> 00:38:37,448 どこへでも 連れていくがよい。 423 00:38:37,448 --> 00:38:44,189 ハハハ… ハッハハハハ…! 424 00:38:44,189 --> 00:38:49,761 ハハハハハハ…! 425 00:38:49,761 --> 00:39:00,972 フハハハハハハ…! ハハハハハ…! 426 00:39:03,308 --> 00:39:08,112 そうか 蒼井様が…。 へえ。 427 00:39:20,058 --> 00:39:22,894 えらいこっちゃなあ…。 428 00:39:22,894 --> 00:39:48,052 ♬~ 429 00:39:48,052 --> 00:39:51,256 胡蝶! びっくりするやないか! 430 00:39:51,256 --> 00:39:55,093 若旦さんこそ どこ行こうとしたはったんどすか? 431 00:39:55,093 --> 00:39:59,397 いや どっこも行こうとしてへんがな。 432 00:39:59,397 --> 00:40:04,936 ちょっと 表が気になってな。 433 00:40:04,936 --> 00:40:11,276 若旦さんは うちと一緒に居てるんは もう飽きはったんどすか? 434 00:40:11,276 --> 00:40:14,946 アホな! そんなことあらへん! 435 00:40:14,946 --> 00:40:17,982 ほな よろしおすけど。 436 00:40:17,982 --> 00:40:22,687 はい。 これ 頼まれてた絵筆どす。 437 00:40:22,687 --> 00:40:25,290 おおきに。 438 00:40:25,290 --> 00:40:36,801 ♬~ 439 00:40:36,801 --> 00:40:41,439 どうしてるやろうなあ… お母さん。 440 00:40:41,439 --> 00:41:15,273 ♬~ 441 00:41:15,273 --> 00:41:19,143 あってはならぬ金が どこかに眠っているようじゃ。 442 00:41:19,143 --> 00:41:23,014 このお金があったら 今津屋を立て直せます。 443 00:41:23,014 --> 00:41:25,983 50万両は からくりの奥にある…。 444 00:41:25,983 --> 00:41:28,786 手がかりは 東寺の五重塔。 445 00:41:28,786 --> 00:41:31,589 若旦さん… さいなら。 446 00:41:33,291 --> 00:41:35,226 仕上げと参ろう。 447 00:41:35,226 --> 00:42:55,239 ♬~