1 00:02:00,065 --> 00:02:04,069 (ナレーター)<黒船 この方 泣きの涙に 捨て所なく・ 2 00:02:04,069 --> 00:02:09,074 江戸は ひとしく 針地獄のさま 呈しおり候> 3 00:02:09,074 --> 00:02:15,080 <尽きせぬ この世の恨み一切 いかようなりとも始末の儀> 4 00:02:15,080 --> 00:02:20,085 <請け負い申し 万に一つも しくじりあるまじく候> 5 00:02:20,085 --> 00:02:25,090 <ただし 右の条々 闇の稼業の定書> 6 00:02:25,090 --> 00:02:29,090 <口外法度の仕留人> 7 00:02:32,097 --> 00:02:52,117 ・~ 8 00:02:52,117 --> 00:03:06,065 ・~ 9 00:03:06,065 --> 00:03:09,065 (石田)急げ! 急げ! (山村)早くしろ! 10 00:03:17,076 --> 00:03:22,081 (石田)気をつけろ! 急げ! (山村)急げー! 11 00:03:22,081 --> 00:03:42,101 ・~ 12 00:03:42,101 --> 00:03:45,101 (山村)早くしろ! (石田)おい 急げ! 13 00:03:49,108 --> 00:03:54,108 (米谷)控えい! 控えい! 御雪のお通りだ! 控えい! 14 00:03:58,050 --> 00:04:01,053 (米谷)急げ! 御雪が解けるぞ! 急げ! 15 00:04:01,053 --> 00:04:04,056 (山村)走れ! 走れ 走れー! 16 00:04:04,056 --> 00:04:07,056 (石田)急げー! 急げ! 急げー! 17 00:04:16,068 --> 00:04:20,072 ・ 邪魔だ! どけ どけー! (石田)控えい! 控えい! 18 00:04:20,072 --> 00:04:22,072 (男性)うわー! 19 00:04:28,080 --> 00:04:31,083 (米谷)早くしろ! (石田)出立! 20 00:04:31,083 --> 00:04:34,083 ・ 急げー! 21 00:04:54,106 --> 00:04:56,108 (せみの鳴き声) 22 00:04:56,108 --> 00:04:58,108 (風鈴の音) 23 00:05:03,048 --> 00:05:05,048 (主水)はあ 24 00:05:09,054 --> 00:05:11,054 はあ 25 00:05:16,061 --> 00:05:18,061 ああ? 26 00:05:22,067 --> 00:05:26,071 何だよ 井戸まで かれちまいやがった 27 00:05:26,071 --> 00:05:30,075 あーあ こら まるで ぬるま湯だ 28 00:05:30,075 --> 00:05:34,079 (せん)あやは 箱根だそうですね (りつ)そうで ございます 29 00:05:34,079 --> 00:05:39,084 (せん)箱根は 涼しいでしょうね (りつ)そりゃあ もう・ 30 00:05:39,084 --> 00:05:43,088 真夏でも 秋口ほどの 涼しさだといいますし 31 00:05:43,088 --> 00:05:47,092 (りつ)こんな むしむしした所とは 別天地で ございましょう 32 00:05:47,092 --> 00:05:50,095 (せん)そうでしょうねえ 33 00:05:50,095 --> 00:05:53,098 (せん)あやは 本当に幸せです 34 00:05:53,098 --> 00:05:57,035 本当に いい婿殿に巡り会えました 35 00:05:57,035 --> 00:06:03,041 暑さの折は 体に悪かろうと 避暑代わりに 湯治に行く 36 00:06:03,041 --> 00:06:08,046 何をするにも 貢殿は あやのことを考える 37 00:06:08,046 --> 00:06:13,051 どこぞの お方とは まるで 違った お心掛けです 38 00:06:13,051 --> 00:06:18,056 母上 お言葉ですがね・ 39 00:06:18,056 --> 00:06:23,061 私といえども母上や りつのことは いちばんに考えておりますぞ 40 00:06:23,061 --> 00:06:26,064 ほう どのようにでございますか? 41 00:06:26,064 --> 00:06:33,071 はっ このところ 黒船騒ぎで まとまった休みも取れませんので・ 42 00:06:33,071 --> 00:06:36,074 どこへも 御案内することは できませんが 43 00:06:36,074 --> 00:06:41,079 母上 私はですね まっ この夏を うちに居ながら・ 44 00:06:41,079 --> 00:06:44,082 いちばん涼しく過ごす方法を たった 今 考えつきました 45 00:06:44,082 --> 00:06:47,085 どのような? はあ 46 00:06:47,085 --> 00:06:50,088 例えば この井戸ですな 井戸? 47 00:06:50,088 --> 00:06:55,093 この井戸の内側へ はしご段を作ります 48 00:06:55,093 --> 00:06:58,030 その はしご段を伝って・ 49 00:06:58,030 --> 00:07:05,037 一段ずつ 下へ 下りて参りますな 50 00:07:05,037 --> 00:07:08,040 そうすると だんだん ひんやりとして参ります 51 00:07:08,040 --> 00:07:12,044 ああ 相当 冷えて参りますな 52 00:07:12,044 --> 00:07:15,047 そこへ参りますと 水浴びもできます 53 00:07:15,047 --> 00:07:21,047 しかも その上 誰にも見られず 大層 涼しく… 54 00:07:42,074 --> 00:07:45,077 (貢) おい どうして 湯がないんだ? 55 00:07:45,077 --> 00:07:48,080 ええ? いや どうして 湯がないんだ? 56 00:07:48,080 --> 00:07:53,085 風呂なら お客さん 今夜は 入れねえだよ 57 00:07:53,085 --> 00:07:55,087 何を言ってるんだ ここは 湯治場じゃないか 58 00:07:55,087 --> 00:07:59,024 おお 御雪様の お通りだでよ 59 00:07:59,024 --> 00:08:02,027 おゆき様? おい 一体 誰だい? それは 60 00:08:02,027 --> 00:08:04,029 (男性)ああ とにかく 今夜は・ 61 00:08:04,029 --> 00:08:09,034 湯を出したり 火を たいたりすることは 御法度でよ 62 00:08:09,034 --> 00:08:14,039 何しろ 御雪様が 解けると いけねえだからよ 63 00:08:14,039 --> 00:08:16,041 解ける? 64 00:08:16,041 --> 00:08:29,054 ・~ 65 00:08:29,054 --> 00:08:31,056 どうした? 66 00:08:31,056 --> 00:08:34,059 (あや)何か分かりませんけど ひどく騒々しくて・ 67 00:08:34,059 --> 00:08:38,063 それに 見ていたら 役人が 「見下ろすな」って言うんです 68 00:08:38,063 --> 00:08:41,066 役人? ・(ふさ)ごめんくださ… 69 00:08:41,066 --> 00:08:43,068 (ふさ)ああ! お客さん! そんなことしたら・ 70 00:08:43,068 --> 00:08:45,070 く… 首が ちょん斬られてしまうだよ! 71 00:08:45,070 --> 00:08:48,073 ええ? 何だい 物騒な話だなあ あ… 72 00:08:48,073 --> 00:08:50,075 一体 何があったっていうんだい? 73 00:08:50,075 --> 00:08:53,078 あれえ 何にも知らなかったんですかあ・ 74 00:08:53,078 --> 00:08:55,080 まあ まあ こんなときに いらっしゃるから・ 75 00:08:55,080 --> 00:08:58,016 おら てっきり 知ってると思っただあ 76 00:08:58,016 --> 00:09:00,018 でも お客さん方 お江戸の方だから・ 77 00:09:00,018 --> 00:09:02,020 御雪様のことは 知ってるでしょう? 78 00:09:02,020 --> 00:09:05,023 だから その おゆき様ってのは 一体 何なんだい? 79 00:09:05,023 --> 00:09:07,025 将軍様の召し上がる 雪のことですよ 80 00:09:07,025 --> 00:09:12,030 ほら 毎年 富士山から 夏に 雪を運んでるでねえですか 81 00:09:12,030 --> 00:09:15,033 ああ そうかい いや それなら知ってるぞ 82 00:09:15,033 --> 00:09:18,036 しかし その道中の湯や火を 差し止めるってのは・ 83 00:09:18,036 --> 00:09:20,038 聞いたことがないな (ふさ)そうですか?・ 84 00:09:20,038 --> 00:09:23,041 まっ そういえば 去年から 決まったことなんですけどね・ 85 00:09:23,041 --> 00:09:26,044 何しろ 大変なんですよ 去年から? 86 00:09:26,044 --> 00:09:28,044 ・(米谷)どけどけーい! 87 00:09:31,049 --> 00:09:34,052 (役人)御雪 御到着! 88 00:09:34,052 --> 00:09:38,052 控えい! 控えーい! (役人)御苦労さまで ございます 89 00:09:40,058 --> 00:09:44,062 ここへ泊まるのか? 役人は (ふさ)はい 離れの方に・ 90 00:09:44,062 --> 00:09:47,065 だから 今夜は おとなしくしてねえと・ 91 00:09:47,065 --> 00:09:50,068 何しろ 難癖ばっかりつける お役人様だで 92 00:09:50,068 --> 00:09:53,071 …で 雪は? (ふさ)箱の中ですよ・ 93 00:09:53,071 --> 00:09:59,010 裏の穴蔵へ入れてね 塩を御雪の上に 山ほどかけて・ 94 00:09:59,010 --> 00:10:01,012 すっぽり 箱が 見えねえようにするんですと・ 95 00:10:01,012 --> 00:10:07,018 塩は 冷たいでしょう? だから 箱の中の雪が 解けねえんですと 96 00:10:07,018 --> 00:10:10,021 それに 富士山から この箱根までは 涼しいから・ 97 00:10:10,021 --> 00:10:13,024 まあ 昼間でも ああして運んでこれるけど・ 98 00:10:13,024 --> 00:10:16,027 さあ あしたからが大変・ 99 00:10:16,027 --> 00:10:20,031 夜っぴいて 江戸まで運ぶんですと ふーん 100 00:10:20,031 --> 00:10:22,033 (ふさ)まあ そういうわけで・ 101 00:10:22,033 --> 00:10:25,036 今夜は あんどんも つけられないけど フフッ・ 102 00:10:25,036 --> 00:10:29,040 まあ お客さん方は 若んだから 灯がない方が いいでしょう? 103 00:10:29,040 --> 00:10:33,044 (ふさの笑い声) 104 00:10:33,044 --> 00:10:37,048 (あや)冷たい御飯 うん? 105 00:10:37,048 --> 00:10:41,048 あー ひでえなあ 全く 106 00:10:44,055 --> 00:10:48,059 何だ これも 冷たいなあ 朝の残り物じゃないのか? 107 00:10:48,059 --> 00:10:51,062 本当に すまんなあ こんなときに 連れてきちまって 108 00:10:51,062 --> 00:10:53,064 いいんです そんなこと 109 00:10:53,064 --> 00:10:58,003 そうだ お茶は 熱いかもしれんぞ どうだ? 110 00:10:58,003 --> 00:11:02,007 冷たいわ ハァ… ひどい話だ もう 111 00:11:02,007 --> 00:11:07,007 こうなったら 明るいうちに 飯 済まさなくちゃな さあさあ 112 00:11:22,027 --> 00:11:24,029 とっつぁん (男性)あっ はい 113 00:11:24,029 --> 00:11:26,031 お前 ここで いつから 商売してんだい? (男性)はい・ 114 00:11:26,031 --> 00:11:29,034 昨日からでございます ふーん 115 00:11:29,034 --> 00:11:31,036 どうりで 見ねえ顔だな (男性)はい 116 00:11:31,036 --> 00:11:36,041 この仏像よ ゆんべ 浄福寺で 盗まれた物じゃねえのか? 117 00:11:36,041 --> 00:11:40,045 (男性)とんでもございません これは れっきとした方から・ 118 00:11:40,045 --> 00:11:45,050 買い求めました物で ございまして はい 119 00:11:45,050 --> 00:11:47,052 へい どうぞ 御内聞に 120 00:11:47,052 --> 00:11:49,054 ははっ あっ そうかい へい 121 00:11:49,054 --> 00:11:53,058 そういや 何だな 触れ書きの品とは この鼻の格が・ 122 00:11:53,058 --> 00:11:55,060 ちょっと違うようだな へい へい 123 00:11:55,060 --> 00:11:57,062 ・(おきん) いいかね お立ち会い!・ 124 00:11:57,062 --> 00:12:00,065 昨日 長崎から 届いたばかりの ほやほや・ 125 00:12:00,065 --> 00:12:03,068 名前をチャルゴールとござい!・ 126 00:12:03,068 --> 00:12:07,072 ちょいと お高くて 30と5両 高くて高くて ちょっと無理ねえ・ 127 00:12:07,072 --> 00:12:10,075 我々 貧乏人にゃあ 無理だ! それで こっちだ! 128 00:12:10,075 --> 00:12:15,080 (おきん)初お目見え! ばっ! いいかい?・ 129 00:12:15,080 --> 00:12:20,085 ほら! きれいだろう 透き通ってるの ほら! 130 00:12:20,085 --> 00:12:22,087 見たことないだろ 何だと思う? 131 00:12:22,087 --> 00:12:27,092 かの有名なシードボルト先生が とある愛人に あげたという品物だ 132 00:12:27,092 --> 00:12:31,096 何する物か 知ってるかい? ろうそく立てじゃないんだよ 133 00:12:31,096 --> 00:12:35,100 この赤いの これを こう入れる・ 134 00:12:35,100 --> 00:12:40,105 いいねえ 何だ? 酒だよ 西洋の酒だよ 135 00:12:40,105 --> 00:12:44,109 一杯いかがですか? 皆さん どうぞ 飲むかい? 136 00:12:44,109 --> 00:12:46,111 おおー! お兄さん いいねえ はいはい… はい 137 00:12:46,111 --> 00:12:50,115 金が 先だ エヘヘッ はい! ありがとうございやす! 138 00:12:50,115 --> 00:12:52,115 (男性)おっ 八丁堀だ 139 00:12:57,055 --> 00:13:00,058 (おきん)どうして あたいの 商売邪魔すんだよ もう・ 140 00:13:00,058 --> 00:13:03,061 本当に嫌だ もう… 邪魔してるわけじゃねえやな 141 00:13:03,061 --> 00:13:06,064 この泥棒市は 俺の見回り場所だ 142 00:13:06,064 --> 00:13:10,068 まっ もっとも 袖の下 出しゃ 大目に見てやるよ 143 00:13:10,068 --> 00:13:12,070 (おきん)何で あたいが 払わなきゃ なんないんだい! 144 00:13:12,070 --> 00:13:16,074 (大吉)おっ おきん (おきん)おう! 何だい? 145 00:13:16,074 --> 00:13:19,074 何だよ もう 忙しいのに もう 146 00:13:21,079 --> 00:13:25,083 何? (大吉)おい あの… 半次は? 147 00:13:25,083 --> 00:13:27,085 長崎 行っちゃったんだよ 148 00:13:27,085 --> 00:13:31,089 あの写真の方もさ 上玉が引っ掛からないし・ 149 00:13:31,089 --> 00:13:35,093 何か いいねた 探してくるって 1回目に送られてきたの これだよ 150 00:13:35,093 --> 00:13:37,095 (大吉)やっぱり そうか (おきん)うん 151 00:13:37,095 --> 00:13:40,098 いや なあ 旅先で 半次に会ったって 野郎がな (おきん)へっ? 152 00:13:40,098 --> 00:13:43,101 どう間違えたのか 俺んとこ やって来やがってさ 153 00:13:43,101 --> 00:13:45,103 うん (大吉)お前に用があるんだって 154 00:13:45,103 --> 00:13:47,105 あたいに? (大吉)あいつだ 155 00:13:47,105 --> 00:13:49,107 (おきん)はい あの… 156 00:13:49,107 --> 00:13:53,111 (与市)おきんさん ですね? (おきん)ええ 157 00:13:53,111 --> 00:13:55,113 半次さんから伺って来た者ですが (おきん)はっ 158 00:13:55,113 --> 00:13:58,113 あの ちょっと… 159 00:14:01,052 --> 00:14:06,057 こちらに これがあると伺って (おきん)これ? 160 00:14:06,057 --> 00:14:09,060 ええ まあ ここは 泥棒市ですから・ 161 00:14:09,060 --> 00:14:12,063 やつら みんな これしてきた者 ばっかりですけど 162 00:14:12,063 --> 00:14:15,066 短筒です 西洋の あの… 163 00:14:15,066 --> 00:14:17,068 こっち! ペストル? 164 00:14:17,068 --> 00:14:19,070 それなら… (与市)あるんですか? 165 00:14:19,070 --> 00:14:24,075 それを譲ってください いくらでも 金なら出す 166 00:14:24,075 --> 00:14:28,075 お願いです あの西洋の短筒を 167 00:14:35,086 --> 00:14:38,089 そりゃあ あなた方に お話ししても・ 168 00:14:38,089 --> 00:14:41,092 分かってくださらないと 思いますが・ 169 00:14:41,092 --> 00:14:44,095 私たち 藤沢宿の者は・ 170 00:14:44,095 --> 00:14:47,095 どれだけ あの 御雪御用の連中に 泣かされたか 171 00:14:49,100 --> 00:14:54,105 やつらは 夜っぴいて 箱根から御雪を運び・ 172 00:14:54,105 --> 00:15:00,045 明け方 藤沢宿に着いて 昼間は 宿で休むことになっている 173 00:15:00,045 --> 00:15:05,050 私のうちは 宿屋だったんです 174 00:15:05,050 --> 00:15:09,054 ・(与市)去年は うちが やつらを泊める番に当たり・ 175 00:15:09,054 --> 00:15:14,054 女房の お咲が用意した部屋に 通したんですが… 176 00:15:17,062 --> 00:15:19,064 (米谷)《御主人!》 (与市)《はい》 177 00:15:19,064 --> 00:15:22,067 (米谷)《わしは それほど 死人に 見えるかな?》 (お咲)《は?》 178 00:15:22,067 --> 00:15:24,069 (米谷)《何の遺恨があって・ 179 00:15:24,069 --> 00:15:26,071 死人の部屋に あつらえたのだ!》 (お咲)《そんな…》 180 00:15:26,071 --> 00:15:28,071 (米谷) 《では あれは どういうことだ》 181 00:15:30,075 --> 00:15:34,079 (米谷)《逆さびょうぶとは 丁重な扱いだのう》 182 00:15:34,079 --> 00:15:39,084 《おのれら この米谷を 何と心得る!》 183 00:15:39,084 --> 00:15:42,087 《恐れ多くも 将軍家御用を承る者を・ 184 00:15:42,087 --> 00:15:47,092 あのような 逆さびょうぶで迎えるのか!》 185 00:15:47,092 --> 00:15:51,096 (与市)やつらが 難癖をつける ためにしたことは 分かっていた 186 00:15:51,096 --> 00:15:54,099 でも いくら わびても・ 187 00:15:54,099 --> 00:15:58,036 金と女 目当ての やつらは 許そうとしなかった 188 00:15:58,036 --> 00:16:03,041 お咲は とうとう そのために耐え切れなくなって・ 189 00:16:03,041 --> 00:16:06,044 舌をかんで 死んだんだ・ 190 00:16:06,044 --> 00:16:11,049 いや それだけじゃない 御雪御用の宿から・ 191 00:16:11,049 --> 00:16:16,054 不浄の死人を出した 御雪を汚したと… 192 00:16:16,054 --> 00:16:20,058 あげくの果ては 私から取れるだけの大金を… 193 00:16:20,058 --> 00:16:24,062 なるほど その恨みを晴らすために・ 194 00:16:24,062 --> 00:16:27,065 短筒が欲しいっていうのは まあ よく分かったが・ 195 00:16:27,065 --> 00:16:33,071 だが あんた その西洋の短筒 ぶっ放したこと あんのかい? 196 00:16:33,071 --> 00:16:36,074 (与市)いや… (大吉)だったら お前・ 197 00:16:36,074 --> 00:16:39,077 手に入れたって やれるかどうか 分かりゃしねえじゃねえか 198 00:16:39,077 --> 00:16:43,081 いやさ 悪いこと言わないからね・ 199 00:16:43,081 --> 00:16:45,083 おやめよ (与市)えっ? 200 00:16:45,083 --> 00:16:48,086 いやあ どうしても あんたがさ その御雪御用のやつら・ 201 00:16:48,086 --> 00:16:52,090 やりたいってんなら 他の人 頼めばいいじゃない 202 00:16:52,090 --> 00:16:56,094 (与市)頼む? 誰をです? 203 00:16:56,094 --> 00:17:00,031 さあね まっ それにはさ・ 204 00:17:00,031 --> 00:17:04,035 5両ほど 金は かかるんだけどね (与市)5… 205 00:17:04,035 --> 00:17:06,035 うん 206 00:17:08,039 --> 00:17:11,042 おっ 何だ何だ お前! 207 00:17:11,042 --> 00:17:15,046 ええ? その面 信用できねえって面だな 208 00:17:15,046 --> 00:17:18,049 だったら いいんだぜ 別に 俺たちゃ… 209 00:17:18,049 --> 00:17:23,054 待ってください あなた方は 一体 誰に頼めというんですか? 210 00:17:23,054 --> 00:17:28,054 それより 短筒を さあ 金なら ここに 211 00:17:36,067 --> 00:17:39,070 もう うちも 何もかも たたき売って・ 212 00:17:39,070 --> 00:17:46,077 この金を作ってきたんです 頼む 私に やらせてくれ 213 00:17:46,077 --> 00:17:50,077 でなきゃ 俺は この1年 何のために生きてきたのか 214 00:17:52,083 --> 00:17:54,085 (大吉)おい! 待て 待て 待て おきん 215 00:17:54,085 --> 00:17:58,085 ちょいと ちょいと お待ちを お前 さあさあ 216 00:18:00,024 --> 00:18:04,028 (おきん)あ痛っ! あ痛っ! 何するんだよ もったいない! 217 00:18:04,028 --> 00:18:06,030 売っちゃおう 売っちゃおう あれ 売っちゃおう ねっ? 218 00:18:06,030 --> 00:18:08,032 ばか えっ? 219 00:18:08,032 --> 00:18:10,034 ばか! (おきん)「ばか」って! 220 00:18:10,034 --> 00:18:12,036 30両は 持ってるよ あいつ ねえ 221 00:18:12,036 --> 00:18:15,039 お前は ばかか お前は! 痛っ! 222 00:18:15,039 --> 00:18:17,041 半公が仕入れてきた 例の物は お前・ 223 00:18:17,041 --> 00:18:21,045 弾が付いてねえって言ってたろう そんな がせねた売りつけてみろ 224 00:18:21,045 --> 00:18:23,047 それこそ お前 御用だぞ ちきしょう 225 00:18:23,047 --> 00:18:27,051 ぼろもうけの口が 転がり込んで きたっていうのに もう 226 00:18:27,051 --> 00:18:34,058 確かに ぼろ口だな あらぁ いや 俺もな 御雪御用の連中が・ 227 00:18:34,058 --> 00:18:37,061 あくどいことしてるってのは 聞いてたけどよ 228 00:18:37,061 --> 00:18:41,065 まさか あれほど ひでえとは 思わなかったな 229 00:18:41,065 --> 00:18:44,068 おきん えっ? 230 00:18:44,068 --> 00:18:47,071 お前 何とか あの男 口説け 231 00:18:47,071 --> 00:18:51,075 御雪御用の連中は 俺と大吉 2人で消してやる 232 00:18:51,075 --> 00:18:54,078 なっ? ちょうどいいじゃねえか 233 00:18:54,078 --> 00:18:59,017 三味線弾きも 半公もいねえしよ ハハハッ 234 00:18:59,017 --> 00:19:05,023 1人頭 10両がとこの仕事んなるぜ ヘヘヘ… 235 00:19:05,023 --> 00:19:07,023 おきん 236 00:19:18,036 --> 00:19:21,039 ・(足音) 237 00:19:21,039 --> 00:19:24,039 (あや)あなた うん… 238 00:19:27,045 --> 00:19:29,047 ・(信吾のうなされる声) ・(信助)信吾! 239 00:19:29,047 --> 00:19:31,049 ・(おなつ)信吾ちゃん! ・(信吾のうなされる声) 240 00:19:31,049 --> 00:19:33,051 ・(信助) この度は 布団を もう1… 241 00:19:33,051 --> 00:19:35,053 (男性)ああ 医者だ! 早う 医者を呼ばんと! 242 00:19:35,053 --> 00:19:38,056 しかし この夜更けじゃ… (男性)ええ? 243 00:19:38,056 --> 00:19:40,058 ・(あや)あなた ・(おなつ)こんな震えて… 244 00:19:40,058 --> 00:19:43,061 ・(信助)困ったことになったなあ ・(おなつ)信吾ちゃん! 245 00:19:43,061 --> 00:19:46,064 (信助)信吾! 信吾! 熱が… 246 00:19:46,064 --> 00:19:48,066 (おなつ)信吾ちゃん… (信助)信吾… 247 00:19:48,066 --> 00:19:51,066 (信吾)寒い… 寒いよう… 248 00:19:53,071 --> 00:19:58,009 信吾! (おなつ)あなた… 249 00:19:58,009 --> 00:20:00,009 ちょっと 失礼 250 00:20:03,014 --> 00:20:06,017 熱いなあ (信吾)寒い 寒い… 251 00:20:06,017 --> 00:20:08,019 うん? 寒いか? (信吾)寒いよう 252 00:20:08,019 --> 00:20:10,021 こら もっと 熱が出るかもしれんなあ 253 00:20:10,021 --> 00:20:13,024 (おなつ)いくら 布団を掛けても 「寒い」って言うんです 254 00:20:13,024 --> 00:20:15,026 夕方から 少し おかしいとは 思ってたんですけど・ 255 00:20:15,026 --> 00:20:17,028 急に ひきつけを 256 00:20:17,028 --> 00:20:20,031 少し明かり あの 明かりを (信助)いや でも… 257 00:20:20,031 --> 00:20:22,033 人の命に 関わる場合じゃありませんか 258 00:20:22,033 --> 00:20:27,038 (信助)はい 259 00:20:27,038 --> 00:20:30,038 (火打ち石の音) 260 00:20:32,043 --> 00:20:34,045 (火打ち石の音) 261 00:20:34,045 --> 00:20:54,065 ・~ 262 00:20:54,065 --> 00:20:58,002 ・~ 263 00:20:58,002 --> 00:21:00,004 これは 胸を やられたかもしれんなあ 264 00:21:00,004 --> 00:21:02,006 (おなつ)ええっ! もっと 温めなければ 265 00:21:02,006 --> 00:21:06,010 (信助)いや でも 温めると申しましても これ以上は 266 00:21:06,010 --> 00:21:09,010 湯だ 湯がいるぞ 267 00:21:11,015 --> 00:21:14,018 (藤兵衛)あっ あっ お客様 明かりは いや 病人が出たんだ 268 00:21:14,018 --> 00:21:16,020 湯を沸かしてくれないか 頼むよ 早く 269 00:21:16,020 --> 00:21:18,020 しかし あの… 270 00:21:23,027 --> 00:21:25,029 どけい! 何をするんだ? 271 00:21:25,029 --> 00:21:28,032 (石田)何ぃ! 272 00:21:28,032 --> 00:21:32,036 誰が 火を付けてよいと 申したんだ えっ! 273 00:21:32,036 --> 00:21:36,040 おのれらは 裏の穴蔵に 御雪が 到着したことを知らんのか! 274 00:21:36,040 --> 00:21:39,043 あっ お待ちくださいませ 275 00:21:39,043 --> 00:21:41,045 子供が 死にかけているのでございます 276 00:21:41,045 --> 00:21:44,048 お願い申し上げます どうか 湯を使わせてくださいませ 277 00:21:44,048 --> 00:21:47,051 (山村)ならん! (信助)なぜでございますか! 278 00:21:47,051 --> 00:21:50,054 御雪に万一のことがあっては ならんからだ! 279 00:21:50,054 --> 00:21:54,058 恐れ多くも あの御雪は 将軍家御用の品なのだぞ 280 00:21:54,058 --> 00:21:57,061 もし 火を使って 火事でも出せば 何とする! 281 00:21:57,061 --> 00:22:00,064 おのれの素っ首 一つぐらいでは 収まりは つかんのだぞ! 282 00:22:00,064 --> 00:22:05,069 あの そうではございますが 火の扱いには 十分 用心して・ 283 00:22:05,069 --> 00:22:07,071 使わせていただきます どうか お願い申し上げます 284 00:22:07,071 --> 00:22:10,074 (米谷) ならんと申したら ならんのだ! 285 00:22:10,074 --> 00:22:13,077 (信助) お役人様 お願い申し上げます・ 286 00:22:13,077 --> 00:22:15,079 せめて 湯治場の湯を・ 287 00:22:15,079 --> 00:22:18,082 いや 元湯だけでも 使わせてくださいませ 288 00:22:18,082 --> 00:22:21,085 それも ならんな (信助)なぜで ございますか? 289 00:22:21,085 --> 00:22:24,088 湯を使えば 付近の熱気が上がり・ 290 00:22:24,088 --> 00:22:29,093 ひいては それが 御雪を 解かす事態に つながるからだ 291 00:22:29,093 --> 00:22:31,095 しかし それくらいで 解ける物なら・ 292 00:22:31,095 --> 00:22:35,099 既に自然に解けてるはずじゃ ありませんか (米谷)何ぃ! 293 00:22:35,099 --> 00:22:40,104 第一 道中 火を差し止めるという お触れは 一体 どなたが? 294 00:22:40,104 --> 00:22:43,107 黙れ! その お触れはな・ 295 00:22:43,107 --> 00:22:48,112 この表台所頭 米谷市次郎の触れ出したものだ・ 296 00:22:48,112 --> 00:22:53,117 御雪道中の全てについては この米谷に任されておる・ 297 00:22:53,117 --> 00:22:58,117 どうだ? まだ 何か 申し述べたいことがあるかな 298 00:23:06,063 --> 00:23:08,063 もし 299 00:23:11,068 --> 00:23:14,071 すまないな 元湯の出る所を教えてくれぬか 300 00:23:14,071 --> 00:23:18,075 どうしても 湯がいるんだ あの子を温めねばならん 301 00:23:18,075 --> 00:23:22,079 お客様 私だって そうしてあげとうございます 302 00:23:22,079 --> 00:23:27,084 でも そのことが あの お役人方に 知れれば 私は おろか・ 303 00:23:27,084 --> 00:23:31,084 この湯治場中の者たちに 難儀が かかるのでございます 304 00:23:36,093 --> 00:23:40,097 でも 火をおこし 湯を出す手だてはございます 305 00:23:40,097 --> 00:23:43,097 何? ちょ… ちょっと ちょっと こちらに 306 00:23:45,102 --> 00:23:50,107 お客様 あの お役人たちは 口にこそ出しませんが・ 307 00:23:50,107 --> 00:23:55,107 はっきり 金子を 所望しているので ございますよ 308 00:23:59,050 --> 00:24:05,056 …で その金子 いかほどなんだ? (藤兵衛)まず どんなに安くとも・ 309 00:24:05,056 --> 00:24:09,060 50両 50両? 310 00:24:09,060 --> 00:24:14,065 2年前までは そんなことは ございませんでした 311 00:24:14,065 --> 00:24:19,070 でも あの米谷様 そして 石田 山村様方が・ 312 00:24:19,070 --> 00:24:23,074 御雪道中の 支配になられてからは 全て… 313 00:24:23,074 --> 00:24:28,074 ・(あや) あなた! 早く! お2階の方が! 314 00:24:34,085 --> 00:24:38,089 信吾が うわごとを… それに さっきより・ 315 00:24:38,089 --> 00:24:41,092 熱が ひどくなりまして そうか 316 00:24:41,092 --> 00:24:45,096 (あや)あなた これを ああ 317 00:24:45,096 --> 00:24:47,098 この薬 2粒ずつ 熱冷ましです 318 00:24:47,098 --> 00:24:50,101 いっとき置きに飲ましてください (信助)ありがとうございます 319 00:24:50,101 --> 00:24:53,104 しかし これで いっときは しのげても… 320 00:24:53,104 --> 00:24:55,106 うちの人から聞きましたけど・ 321 00:24:55,106 --> 00:24:58,042 湯は いけないと お役人が申されたのですね 322 00:24:58,042 --> 00:25:03,047 まあ とにかく その薬を それから 坊やの手足を こすり続けて 323 00:25:03,047 --> 00:25:06,050 湯のことは 私が何とかしよう 324 00:25:06,050 --> 00:25:08,052 あやも ここで 手伝ってあげてくれんか はい 325 00:25:08,052 --> 00:25:11,055 もう一度 私 行ってくる 326 00:25:11,055 --> 00:25:13,055 (あや)あなた うん 327 00:25:16,060 --> 00:25:21,065 (あや)あなた どうなさる おつもりです 相手は お役人です 328 00:25:21,065 --> 00:25:23,067 追われてる あなたのことが 分かったら… 329 00:25:23,067 --> 00:25:26,067 しかし 放っとくわけには いかないじゃないか 330 00:25:30,074 --> 00:25:37,081 信助とか申したのう? わしはのう 禄高は 僅か 70石だが・ 331 00:25:37,081 --> 00:25:41,085 そのような金には 不自由は しておらんのでのう 332 00:25:41,085 --> 00:25:43,087 とんでも ございませぬ 333 00:25:43,087 --> 00:25:45,089 そのようなつもりは 毛頭ございませぬ 334 00:25:45,089 --> 00:25:51,095 大切な御雪御用の お役目を 妨げます おわびといたしまして 335 00:25:51,095 --> 00:25:55,099 ただ 今は 持ち合わせが ございませぬ故・ 336 00:25:55,099 --> 00:25:59,036 江戸へ帰りましたら 即刻 お届けに上がります故 337 00:25:59,036 --> 00:26:04,041 (米谷)信助! おのれは よほど 耳が悪いと見えるのう 338 00:26:04,041 --> 00:26:07,044 はっ? 339 00:26:07,044 --> 00:26:13,050 わしはのう! 何よりも お役目大事と考えておる男でのう 340 00:26:13,050 --> 00:26:18,055 だからこそ 御雪道中の道筋には 厳しく お触れを出し・ 341 00:26:18,055 --> 00:26:22,059 不慮の事態を起こさぬように 心掛けておるのだ 342 00:26:22,059 --> 00:26:29,066 御雪に万一のことがあれば わしの首が飛ぶのでのう ハハハ… 343 00:26:29,066 --> 00:26:31,068 そのような はした金で・ 344 00:26:31,068 --> 00:26:37,074 代々続いた 賄い頭の家柄を 棒に振るわけには いかんのでのう 345 00:26:37,074 --> 00:26:40,077 お役人様! お願いでございます! 346 00:26:40,077 --> 00:26:43,080 あの子のためなら 命に代えましても 347 00:26:43,080 --> 00:26:46,083 どうか お願いでございます! (信助)お願いでございます! 348 00:26:46,083 --> 00:26:52,089 ほう 命に代えてものう 349 00:26:52,089 --> 00:26:56,093 それならば たやすいことではないか 350 00:26:56,093 --> 00:26:59,029 それほどまでに申すなら 火をおこし・ 351 00:26:59,029 --> 00:27:05,035 湯を使わせてやってもよい 命に代えてもと言うならのう 352 00:27:05,035 --> 00:27:12,042 ただ 命なぞ もろうても 何の役にも立たぬからのう 353 00:27:12,042 --> 00:27:16,046 おなつ とか申したのう? (おなつ)はい 354 00:27:16,046 --> 00:27:21,051 (米谷)女子の身なら 察しもつこう 金も要らぬ 命も要らぬ・ 355 00:27:21,051 --> 00:27:27,057 その代わり 何を差し出せば よいかはのう 356 00:27:27,057 --> 00:27:29,057 お役人様! 357 00:27:31,061 --> 00:27:36,061 ・(信吾のうなされる声) 358 00:27:39,069 --> 00:27:45,075 (米谷) 《女子の身なら 察しもつこう 金も要らぬ 命も要らぬ・ 359 00:27:45,075 --> 00:27:50,075 その代わり 何を差し出せば よいかはのう》 360 00:27:54,084 --> 00:27:58,022 (信助) おなつ お前 どこへ行くんだ? 361 00:27:58,022 --> 00:28:00,024 (おなつ)あなた… 362 00:28:00,024 --> 00:28:03,024 おなつ! ばか! (おなつ)あっ! 363 00:28:05,029 --> 00:28:09,033 お前は… お前は! (おなつ)あなた! でも…・ 364 00:28:09,033 --> 00:28:12,033 このままだと 信吾が 信吾が… 365 00:28:16,040 --> 00:28:21,040 よし 私が 何とかしよう 366 00:28:23,047 --> 00:28:25,049 待っていなさい 367 00:28:25,049 --> 00:28:45,069 ・~ 368 00:28:45,069 --> 00:28:50,074 ・~ 369 00:28:50,074 --> 00:28:55,074 ・(湯の湧き出る音) 370 00:29:05,022 --> 00:29:08,025 (流水音) 371 00:29:08,025 --> 00:29:28,045 ・~ 372 00:29:28,045 --> 00:29:48,065 ・~ 373 00:29:48,065 --> 00:30:07,065 ・~ 374 00:30:14,024 --> 00:30:17,027 (藤兵衛)何を なさいます! おやめくださいませ!・ 375 00:30:17,027 --> 00:30:20,030 乱暴な! 何を なさいます・ 376 00:30:20,030 --> 00:30:22,030 おい! 元湯を止めろ! 元湯を止めろ! 377 00:30:27,037 --> 00:30:29,039 ・(男性) もし! おやめくださいませ! 378 00:30:29,039 --> 00:30:31,041 おのれ! 379 00:30:31,041 --> 00:30:34,044 どけっ! 380 00:30:34,044 --> 00:30:36,044 うっ 381 00:30:38,048 --> 00:30:40,048 はっ 382 00:30:43,053 --> 00:30:47,057 (信助)うお! ああ! 383 00:30:47,057 --> 00:30:50,060 (あや)あなた… 384 00:30:50,060 --> 00:30:52,062 (山村)えい! 385 00:30:52,062 --> 00:30:54,062 ああ… 386 00:31:04,008 --> 00:31:08,008 ・(おなつ) あなた! 信吾が… 信吾が! 387 00:31:29,033 --> 00:31:34,038 信吾は 糸井様の おかげで・ 388 00:31:34,038 --> 00:31:41,045 ほんの僅かでは あったとしても 命を永らえることが できたんです 389 00:31:41,045 --> 00:31:47,051 でも… あの役人たちは 人でなしです 390 00:31:47,051 --> 00:31:50,054 鬼のようなことをしながら・ 391 00:31:50,054 --> 00:31:53,054 何の おとがめもなく 済まされるなんて 392 00:31:55,059 --> 00:32:00,059 (泣き声) 393 00:32:11,075 --> 00:32:16,080 あや あの人に これ以上 不幸なことが起こらないように・ 394 00:32:16,080 --> 00:32:18,082 お前が無事に 江戸まで 送り届けてくれないか? 395 00:32:18,082 --> 00:32:22,086 でも あなた どうしても 先に? 396 00:32:22,086 --> 00:32:26,090 うむ… やつらに 顔を見られ過ぎてしまったからな 397 00:32:26,090 --> 00:32:28,092 あなた… 398 00:32:28,092 --> 00:32:31,095 いやあ 大丈夫 めったなことは しやしないよ 399 00:32:31,095 --> 00:32:36,100 それよりな 御雪様の連中は 夕方には ここを出る 400 00:32:36,100 --> 00:32:38,102 やつは 先へ行かして・ 401 00:32:38,102 --> 00:32:41,105 女は 女同士で ゆっくり 旅をして帰ってくればよい 402 00:32:41,105 --> 00:32:45,109 もし お前 気分が 悪くなるようなことがあったら・ 403 00:32:45,109 --> 00:32:48,112 すぐ そばの はたごで休め よいな 404 00:32:48,112 --> 00:32:50,112 はい 405 00:33:02,059 --> 00:33:19,076 ・~ 406 00:33:19,076 --> 00:33:21,076 出立! 407 00:33:23,080 --> 00:33:28,085 (石田)急げー! 急げー! 御雪が解けるぞ! 急げー!・ 408 00:33:28,085 --> 00:33:30,085 急げ! 急げー! 409 00:33:33,090 --> 00:33:36,093 (泣き声) 410 00:33:36,093 --> 00:33:38,093 おなつさん 411 00:33:42,099 --> 00:33:46,103 (米谷)急げー! 急げ! 急げ! (石田)走れ! 走れー!・ 412 00:33:46,103 --> 00:33:50,103 急げー! 急げ! 急げー! 413 00:33:58,048 --> 00:34:04,054 (大吉)なるほどな まず 箱根に泊まって 次は 藤沢か 414 00:34:04,054 --> 00:34:08,058 雪を解かさねえために 昼日中 運ばねえってのは・ 415 00:34:08,058 --> 00:34:13,063 こいつは まあ 理屈だけどよ だが お前 相手は雪だろう 416 00:34:13,063 --> 00:34:16,066 夜中だってのに この くそ暑いのに お前・ 417 00:34:16,066 --> 00:34:19,069 どうやって解けずに 江戸まで運べんだ これ 418 00:34:19,069 --> 00:34:22,072 それには お前 いろいろと 仕掛けが あるんだってよ 419 00:34:22,072 --> 00:34:24,074 おい どっかに道具箱ねえか 420 00:34:24,074 --> 00:34:26,076 道具箱? おう 421 00:34:26,076 --> 00:34:28,076 ああ これか 422 00:34:30,080 --> 00:34:35,085 これが 仮に御雪の箱だとするわな へい 423 00:34:35,085 --> 00:34:39,089 下の四隅に 水抜きの穴を開けてだ・ 424 00:34:39,089 --> 00:34:43,093 箱に いっぱい おがくずを詰めてだな うん 425 00:34:43,093 --> 00:34:48,098 箱の周りに 木炭と塩を こう 混ぜ合わせたもんで 壁を作るんだ 426 00:34:48,098 --> 00:34:51,101 …で 真ん中に いっぱい雪を詰め込む 427 00:34:51,101 --> 00:34:54,104 この 木炭と塩ってのは・ 428 00:34:54,104 --> 00:34:57,040 雪を なかなか解かさない仕掛けが あるんだってよ 429 00:34:57,040 --> 00:35:02,045 ヘヘヘッ だけどよ この くそ暑っ… 430 00:35:02,045 --> 00:35:06,049 ばか野郎 開けるなよ! 431 00:35:06,049 --> 00:35:08,051 だが お前 それじゃあ 汚れちまって・ 432 00:35:08,051 --> 00:35:11,054 第一 雪が塩っ辛くて しょうがねえじゃねえか 433 00:35:11,054 --> 00:35:15,058 ばかだなぁ そんな汚え物 将軍様が 食うわけねえじゃねえか 434 00:35:15,058 --> 00:35:17,060 つまりな うん 435 00:35:17,060 --> 00:35:19,062 いっぱい詰まった雪ん中に・ 436 00:35:19,062 --> 00:35:22,065 もう一個 きりの箱で出来た 雪の箱があるんだ 437 00:35:22,065 --> 00:35:26,069 つまり そん中の雪を 解かさないための・ 438 00:35:26,069 --> 00:35:31,074 おがくずであり 木炭と塩であり 雪であるわけだ 439 00:35:31,074 --> 00:35:33,076 なるほどな うーん… 440 00:35:33,076 --> 00:35:37,080 全く 将軍なんて ぜいたくなことするもんだぜ 441 00:35:37,080 --> 00:35:43,086 この くそ暑いのに 御雪を食おうってんだからな 442 00:35:43,086 --> 00:35:46,089 こちとら 土用の うしの日に うなぎ食えるか・ 443 00:35:46,089 --> 00:35:49,089 食えねえかっていうのによ 全くだ 444 00:35:51,094 --> 00:35:53,096 だけどよ 八丁堀 うん? 445 00:35:53,096 --> 00:35:56,096 銭の方は 大丈夫なんだろうな? 446 00:35:59,036 --> 00:36:02,039 おきんなら 必ず口説く 447 00:36:02,039 --> 00:36:06,043 それに あの男は 女房の命日が あさってだから・ 448 00:36:06,043 --> 00:36:09,046 その日のうちに やってくれねえかぎり・ 449 00:36:09,046 --> 00:36:13,046 銭は びた一文 出さねえと こう言ってるそうだ うん 450 00:36:15,052 --> 00:36:20,057 こいつは 御雪御用の連中 お出迎えに・ 451 00:36:20,057 --> 00:36:23,057 六郷辺りまで 出張らなくちゃならねえな 452 00:36:32,069 --> 00:36:34,071 (妙心尼)こちの人 (大吉)は? 453 00:36:34,071 --> 00:36:38,075 (妙心尼)困ります お葬式の最中に 454 00:36:38,075 --> 00:36:41,078 (妙心尼)本堂にまで 匂いが 漂ってくるでは ありませんか 455 00:36:41,078 --> 00:36:47,084 また 死んだのか? この くそ暑さじゃ 無理もねえな 456 00:36:47,084 --> 00:36:51,088 だから夏は うなぎでも食わなきゃ 長生き できねえんだよ 457 00:36:51,088 --> 00:36:55,092 特に 俺たちゃ うんと精つけなきゃな 458 00:36:55,092 --> 00:36:59,029 (妙心尼)な… なりません そのように はしたないこと! 459 00:36:59,029 --> 00:37:01,029 あちっ あちち… 460 00:37:03,033 --> 00:37:07,037 (妙心尼)でも 本当においしそう 461 00:37:07,037 --> 00:37:09,039 お経なんか ありがてえとこだけ ちょろっと やってくりゃ・ 462 00:37:09,039 --> 00:37:13,043 それで いいじゃねえか なあ? 463 00:37:13,043 --> 00:37:16,046 そのあとは 水入らずで (妙心尼)ああ… 464 00:37:16,046 --> 00:37:22,052 なりませぬ… うーん なりませぬ… 465 00:37:22,052 --> 00:37:24,052 では… 466 00:37:32,062 --> 00:37:52,082 ・~ 467 00:37:52,082 --> 00:38:00,023 ・~ 468 00:38:00,023 --> 00:38:04,027 (米谷)急げ! 急げ! 夜明けは 近いぞ! 469 00:38:04,027 --> 00:38:06,029 (石田)急げ! 急げ! 470 00:38:06,029 --> 00:38:19,042 ・~ 471 00:38:19,042 --> 00:38:22,045 (米谷)夜が明けるぞ! 472 00:38:22,045 --> 00:38:35,058 ・~ 473 00:38:35,058 --> 00:38:38,061 (女の子)やだ やだ やだー! (女性)お待ち! 駄目だよ!・ 474 00:38:38,061 --> 00:38:41,064 大きな声を出したら 御雪様に斬られるんだよ! 475 00:38:41,064 --> 00:38:43,066 おい 今日は 御雪様は どこへ お泊まりになるんだ? 476 00:38:43,066 --> 00:38:46,069 (女性) 今年は 名主様の お屋敷ですよ・ 477 00:38:46,069 --> 00:38:48,071 全く 疫病神が 来たみたいなようなもんですよ・ 478 00:38:48,071 --> 00:38:52,075 御雪様御用の お役人様たちは 今 お休みになってますからね・ 479 00:38:52,075 --> 00:38:56,079 静かにしてないと また どんな 言いがかりを つけられるか・ 480 00:38:56,079 --> 00:39:01,079 全く 困ったことですよ さあ 帰ろ帰ろ もう本当に 481 00:39:06,022 --> 00:39:11,027 いいか 俺たちは 先に 川崎へ渡って 当たりをつける 482 00:39:11,027 --> 00:39:13,029 まず やつらの顔を確かめるんだ 483 00:39:13,029 --> 00:39:16,032 俺たちは 顔を知らねえんだからな 484 00:39:16,032 --> 00:39:18,034 まあ そいつは いいが・ 485 00:39:18,034 --> 00:39:20,036 銭は 一体どうなるんだい? ええ? 486 00:39:20,036 --> 00:39:23,039 俺たちは まだ 一文も… 焦るなって! 487 00:39:23,039 --> 00:39:25,041 今度は お前 いつもの1両仕事とは違って・ 488 00:39:25,041 --> 00:39:27,043 1人頭 10両には なるんだ 489 00:39:27,043 --> 00:39:31,047 だからこそ おきんだって あの男に食いついてだな 490 00:39:31,047 --> 00:39:33,049 あんた 一体どこまで ついてくるんです? 491 00:39:33,049 --> 00:39:35,051 どこまで ついてくるって 旅は 道連れじゃないの 492 00:39:35,051 --> 00:39:38,054 仲良く行こうよね フフフッ 493 00:39:38,054 --> 00:39:44,060 ねぇ あんたさ 人をやるって大変なことなんだよ 494 00:39:44,060 --> 00:39:47,063 分かる? だからさ あたいが さっきから言ってるように・ 495 00:39:47,063 --> 00:39:50,066 どーんと任して あんたは 安心して ねっ? 496 00:39:50,066 --> 00:39:53,069 前金だけでも (与市)ほっといてください! 497 00:39:53,069 --> 00:39:57,007 見ず知らずの あんたの話なんか 一体 誰が! 498 00:39:57,007 --> 00:39:59,009 「一体 誰が」ってね あんただって・ 499 00:39:59,009 --> 00:40:02,012 一旦は 「お願いします」って 言ったじゃないの 500 00:40:02,012 --> 00:40:05,015 どうして信用できないのかな もう 501 00:40:05,015 --> 00:40:07,017 (与市)あんた (おきん)ええ? 502 00:40:07,017 --> 00:40:09,019 (与市) 本当に やってくれるんですか? 503 00:40:09,019 --> 00:40:13,023 やるよ やるとも! ね? だから 504 00:40:13,023 --> 00:40:17,027 しかし そんな かたりのような手口 一体 誰が… 505 00:40:17,027 --> 00:40:21,031 (役人たち) 控え 控えい! 控えーい! 506 00:40:21,031 --> 00:40:41,051 ・~ 507 00:40:41,051 --> 00:40:59,002 ・~ 508 00:40:59,002 --> 00:41:03,006 ・(役人)御雪 御到着! 509 00:41:03,006 --> 00:41:05,008 (米谷)明かりを消せ! 510 00:41:05,008 --> 00:41:25,028 ・~ 511 00:41:25,028 --> 00:41:27,030 ・~ 512 00:41:27,030 --> 00:41:30,033 (ばちが空を切る音) (大吉)おっ 糸さん 513 00:41:30,033 --> 00:41:32,035 何だよ 514 00:41:32,035 --> 00:41:34,035 お前 何だって こんな所へ? 515 00:41:36,039 --> 00:41:40,043 まさか お前 あの役人どもを 516 00:41:40,043 --> 00:41:43,046 そっちこそ 何だって こんなとこに いるんだい? 517 00:41:43,046 --> 00:41:46,049 多分 同じ穴の むじなだろうぜ 518 00:41:46,049 --> 00:41:50,053 やつら しばらく ここで休憩して それから 渡し場へ行くんだ 519 00:41:50,053 --> 00:41:54,053 まあ 急ぐこともあるめえ さあ 520 00:42:20,083 --> 00:42:24,087 お出迎えに上がりました お役目 御苦労さまにございます・ 521 00:42:24,087 --> 00:42:26,089 江戸までの護衛の者 人足たちは・ 522 00:42:26,089 --> 00:42:29,092 向こう岸で お待ちしております さあ お早く! 523 00:42:29,092 --> 00:42:32,095 川崎の衆 (役人)はっ! 524 00:42:32,095 --> 00:42:37,100 御雪御用以外の者 同席は許されぬ習わし故 これにて 525 00:42:37,100 --> 00:42:39,100 (役人)はっ! では お気をつけて 526 00:42:55,118 --> 00:43:02,058 (米谷)これで 無事 江戸に入れる 御雪も つつがなく フフフ… 527 00:43:02,058 --> 00:43:05,061 (一同)ハハハ…! 528 00:43:05,061 --> 00:43:08,064 どうした! 舟を出せ! 529 00:43:08,064 --> 00:43:10,066 船頭! 530 00:43:10,066 --> 00:43:12,066 (大吉)へい 531 00:43:21,077 --> 00:43:23,077 (くるみを鳴らす音) 532 00:43:25,081 --> 00:43:27,081 (大吉)舟は 出ねえぜ (石田)おのれ! 533 00:43:36,092 --> 00:43:38,092 (石田)おのれ! 534 00:43:46,102 --> 00:43:49,102 (指を突き刺す音) (石田)ううっ! うわー! 535 00:44:03,052 --> 00:44:05,054 ひっ 536 00:44:05,054 --> 00:44:25,074 ・~ 537 00:44:25,074 --> 00:44:45,094 ・~ 538 00:44:45,094 --> 00:44:54,094 ・~ 539 00:45:24,067 --> 00:45:26,069 (おきん)あー! (大吉)お… おきん・ 540 00:45:26,069 --> 00:45:29,072 与市は どうした? 541 00:45:29,072 --> 00:45:34,077 あー! あっ あ… 542 00:45:34,077 --> 00:45:37,080 まかれたの (大吉)ま… まかれた? 543 00:45:37,080 --> 00:45:42,085 おきん! それじゃあ お前 金づるに逃げられたのか? 544 00:45:42,085 --> 00:45:45,088 ばか野郎! 仕事は 終わっちまったんだ・ 545 00:45:45,088 --> 00:45:47,088 銭は どうするんだ 銭は? 546 00:45:50,093 --> 00:45:53,093 何あれ? 御雪さん? 547 00:46:03,039 --> 00:46:06,042 (大吉)よっ! えい! 548 00:46:06,042 --> 00:46:09,042 (おきん)あっ! (大吉)ハハハ! おほー! 549 00:46:12,048 --> 00:46:14,050 ああ こりゃ冷てえ! 550 00:46:14,050 --> 00:46:16,050 (大吉)そら 551 00:46:23,059 --> 00:46:27,063 (おきん)うわ! (大吉)オホホ…! うわー 冷てえ 552 00:46:27,063 --> 00:46:39,075 ・~ 553 00:46:39,075 --> 00:46:42,075 ウフフ あー! 554 00:46:48,084 --> 00:46:52,088 あっ ああ 痛た… きたきた… 555 00:46:52,088 --> 00:46:55,091 今度の仕事は 一文にも ならなかったなあ 556 00:46:55,091 --> 00:46:58,027 (おきん)だけどさ おかげで 御雪さんに ありつけたじゃない・ 557 00:46:58,027 --> 00:47:03,032 こりゃ 千両の値打ちだよ! 将軍の上前 はねたんだからねえ 558 00:47:03,032 --> 00:47:06,035 それより 何だな こいつは 蜜か何か かけた方が・ 559 00:47:06,035 --> 00:47:08,037 うめえんじゃねえのかな 560 00:47:08,037 --> 00:47:11,040 うん 甘く煮た小豆も 合うんじゃないかねえ 561 00:47:11,040 --> 00:47:13,040 ハハハッ (おきん)やーっ! 562 00:47:21,050 --> 00:47:41,070 ・~ 563 00:47:41,070 --> 00:48:01,024 ・~ 564 00:48:01,024 --> 00:48:21,044 ・~ 565 00:48:21,044 --> 00:48:41,064 ・~ 566 00:48:41,064 --> 00:48:54,064 ・~ 567 00:48:59,015 --> 00:49:04,020 <愛 それは 激しく燃えて 過去を断ち切るに余りあった> 568 00:49:04,020 --> 00:49:09,025 <およそ 心とは かけ離れた 言葉しか言えない男と女> 569 00:49:09,025 --> 00:49:11,027 <そして 死> 570 00:49:11,027 --> 00:49:15,027 <次週 『暗闇仕留人』に ご期待ください>