1 00:01:12,244 --> 00:01:15,247 <江戸城に居座ること八か月> 2 00:01:15,247 --> 00:01:21,247 <無言を貫くこの侍 御書院番士 的矢六兵衛> 3 00:01:23,255 --> 00:01:26,258 <徐々に明かされる その意地と覚悟> 4 00:01:26,258 --> 00:01:31,263 (六兵衛の妻) 父 母になってくださいまし 5 00:01:31,263 --> 00:01:35,267 (清右衛門)的矢六兵衛という 一閃の光芒を見た 6 00:01:35,267 --> 00:01:37,269 (福地) あなたは それでよいのですか? 7 00:01:37,269 --> 00:01:39,271 (六兵衛の妻)かまいませぬ 8 00:01:39,271 --> 00:01:43,275 <名実ともに江戸は終わり 時代は明治に移った> 9 00:01:43,275 --> 00:01:46,278 (本多)黒書院を汚してはならん 10 00:01:46,278 --> 00:01:48,280 引きずり出しましょうぞ! 11 00:01:48,280 --> 00:01:50,282 <明治天皇の入城までに➡ 12 00:01:50,282 --> 00:01:54,286 六兵衛を追い出せと命じられた 加倉井であったが➡ 13 00:01:54,286 --> 00:01:57,289 いまだ その使命は果たせぬまま> 14 00:01:57,289 --> 00:01:59,291 (加倉井しずゑ)お給金さえ 持ってくればいいと➡ 15 00:01:59,291 --> 00:02:01,293 お思いではございませぬか! (加倉井隼人)なぬ? 16 00:02:01,293 --> 00:02:04,296 旦那様は 何も分かっておりません 17 00:02:04,296 --> 00:02:07,299 <そして ついに運命の日を迎える> 18 00:02:07,299 --> 00:02:11,303 新しい時代を 共に生きようぞ 19 00:02:11,303 --> 00:02:16,241 ♬~ 20 00:02:16,241 --> 00:02:21,246 <この日 総勢 三三〇〇余りに上る➡ 21 00:02:21,246 --> 00:02:25,246 御鳳輦の大行列が 東京に入った> 22 00:02:27,252 --> 00:02:33,258 <二六〇有余年の泰平に生きてきた 江戸市民にとって➡ 23 00:02:33,258 --> 00:02:37,262 至尊を仰ぐは ひとえに 将軍 公方様であった> 24 00:02:37,262 --> 00:02:41,266 <徳川将軍に代わって 江戸を支配する天皇➡ 25 00:02:41,266 --> 00:02:47,272 天朝様についての知識は ほとんど持ち合わせていなかった> 26 00:02:47,272 --> 00:02:51,276 ♬~ 27 00:02:51,276 --> 00:02:55,280 長太郎 武士の時代は終わりますが➡ 28 00:02:55,280 --> 00:02:59,280 武士の魂は忘れてはなりませんよ 29 00:03:01,286 --> 00:03:03,288 <お城の奥御殿には➡ 30 00:03:03,288 --> 00:03:08,293 天皇の玉座である 高御座が据えられた> 31 00:03:08,293 --> 00:03:12,230 <いよいよ 新たな時代の支配者➡ 32 00:03:12,230 --> 00:03:16,234 新政府の顕官や公家衆が やってくるのだ> 33 00:03:16,234 --> 00:03:19,237 ♬~ 34 00:03:19,237 --> 00:03:24,242 <城内の景色も一変し 侍は居場所を失った> 35 00:03:24,242 --> 00:03:28,242 (福地)ところで 次のお勤め先は どうなりましたか? 36 00:03:31,249 --> 00:03:34,252 (本多)拙者個人のことなど➡ 37 00:03:34,252 --> 00:03:38,256 庶民が知る必要はないでござる! (福地)では➡ 38 00:03:38,256 --> 00:03:42,256 的矢六兵衛の件につきましては いかがか? 39 00:03:44,262 --> 00:03:47,265 はあ!? 40 00:03:47,265 --> 00:03:50,268 三〇有余年もお勤めのあなたは➡ 41 00:03:50,268 --> 00:03:53,271 あやつが来たときから 知っておるどころか➡ 42 00:03:53,271 --> 00:03:57,275 借金まみれの六兵衛や 先代の的矢殿についても➡ 43 00:03:57,275 --> 00:04:00,275 ご存じなのではないか? 44 00:04:02,280 --> 00:04:05,283 マトヤ… 45 00:04:05,283 --> 00:04:08,283 マトヤ… 46 00:04:10,288 --> 00:04:15,227 よう知らんのう! 47 00:04:15,227 --> 00:04:17,227 で…➡ 48 00:04:19,231 --> 00:04:25,231 そのマトヤが 何かしたのか? 49 00:04:27,239 --> 00:04:34,246 何をしたのか 御目付のあなたが いちばん分かっておろうに 50 00:04:34,246 --> 00:04:50,046 ♬~ 51 00:04:52,264 --> 00:04:56,264 (清右衛門) もとより 決めておられたのか? 52 00:05:05,277 --> 00:05:07,277 分かり申した 53 00:05:27,232 --> 00:05:30,235 54 00:05:30,235 --> 00:05:35,240 (家達) これで 時代が変わるのですね 55 00:05:35,240 --> 00:05:38,243 (天璋院)しかし 上様➡ 56 00:05:38,243 --> 00:05:43,248 駿府から わざわざ お忍びで来られるとはのう 57 00:05:43,248 --> 00:05:47,248 (家達) 権現様に呼ばれた気がしたのです 58 00:05:55,260 --> 00:05:58,263 (天璋院)よいですか 上様 59 00:05:58,263 --> 00:06:01,266 政の栄枯盛衰や➡ 60 00:06:01,266 --> 00:06:05,270 一家の毀誉褒貶に惑わされて➡ 61 00:06:05,270 --> 00:06:08,270 その良心を見失うてはなりませぬ 62 00:06:10,275 --> 00:06:15,213 周りに流されず 立派に生き抜くのです 63 00:06:15,213 --> 00:06:17,215 (家達)はい 64 00:06:17,215 --> 00:06:21,219 ♬~ 65 00:06:21,219 --> 00:06:24,222 <この 天皇の渡御をもって➡ 66 00:06:24,222 --> 00:06:27,225 江戸城は 東京城と改められ➡ 67 00:06:27,225 --> 00:06:31,225 西の丸御殿は 皇居と定まった> 68 00:06:33,231 --> 00:06:38,236 <旧幕府軍は 次々と降伏し 錦旗にまつろわざるは➡ 69 00:06:38,236 --> 00:06:42,236 函館に拠る 榎本武揚の一軍だけとなった> 70 00:06:44,242 --> 00:06:49,247 <いや 日本国を 巨鳥の目にて俯瞰すれば➡ 71 00:06:49,247 --> 00:06:51,249 いまひとつ➡ 72 00:06:51,249 --> 00:06:53,251 事もあろうに➡ 73 00:06:53,251 --> 00:06:58,256 天朝様の居城となった 西の丸 黒書院に➡ 74 00:06:58,256 --> 00:07:03,261 巌のごとく動かざる武士があった> 75 00:07:03,261 --> 00:07:05,261 ハァー 76 00:07:17,209 --> 00:07:36,009 ♬~ 77 00:07:38,230 --> 00:07:48,240 ♬~ 78 00:07:48,240 --> 00:07:59,251 ♬~ 79 00:07:59,251 --> 00:08:03,255 (公家)錦の御旗が よう映えるなぁ 80 00:08:03,255 --> 00:08:07,259 (公家)帝がお住まいになるに ふさわしい 81 00:08:07,259 --> 00:08:10,262 (公家)ほんに ほんに (一同)ホホホホッ 82 00:08:10,262 --> 00:08:13,198 ホホホホッ 83 00:08:13,198 --> 00:08:19,204 (公家)聖上にあらしゃいます 84 00:08:19,204 --> 00:08:25,210 <近侍する者たちをお供として 天皇は奥御殿の居室へと向かう> 85 00:08:25,210 --> 00:08:29,214 (公家)聖上にあらしゃいます 86 00:08:29,214 --> 00:08:32,217 <三〇〇年にわたる 武士の世を保ってきた➡ 87 00:08:32,217 --> 00:08:35,220 お城の支配者が変わり…> 88 00:08:35,220 --> 00:08:40,220 (公家)聖上にあらしゃいます 89 00:08:42,227 --> 00:08:46,227 <今ここに 新時代が到来した> 90 00:08:49,234 --> 00:08:53,238 <だが 将軍の 御座所である黒書院には➡ 91 00:08:53,238 --> 00:08:56,241 いまだ 的矢六兵衛がいた> 92 00:08:56,241 --> 00:08:59,244 ≪(戸の音) 93 00:08:59,244 --> 00:09:02,247 天朝様が すでに お城に入られた 94 00:09:02,247 --> 00:09:04,249 のう 六兵衛➡ 95 00:09:04,249 --> 00:09:07,249 ≪ 聞いておるか? 96 00:09:10,255 --> 00:09:12,190 ハァ… 97 00:09:12,190 --> 00:09:14,192 (家臣)アッ こちら… アアー! 98 00:09:14,192 --> 00:09:17,195 封禁せる黒書院に お疑いを抱かれぬよう➡ 99 00:09:17,195 --> 00:09:20,198 ないしょで遠回りまでさせておる 100 00:09:20,198 --> 00:09:24,198 お主 一体 この先 どうするつもりじゃ? 101 00:09:27,205 --> 00:09:32,210 まさか 老いて死ぬるまで 居座るつもりではあるまいな? 102 00:09:32,210 --> 00:09:37,215 ♬~ 103 00:09:37,215 --> 00:09:40,215 わしも そこまでは つきあいきれぬぞ 104 00:09:46,224 --> 00:09:50,228 ≪(薩摩将校)街にも城にも 徳川の古くさ~いにおいが➡ 105 00:09:50,228 --> 00:09:52,230 染みついちょる 106 00:09:52,230 --> 00:09:55,233 もう 江戸じゃなく東京や 107 00:09:55,233 --> 00:10:01,239 新政府の都じゃけん 街を 西洋風に作り替えんといかんがぁ 108 00:10:01,239 --> 00:10:03,241 ≪(薩摩将校)そんとおりじゃ! 江戸んまんまじゃ➡ 109 00:10:03,241 --> 00:10:06,244 異国に バカにさるっじゃろうが 110 00:10:06,244 --> 00:10:09,247 (薩摩将校) アアー 戦で燃えてくれた方が➡ 111 00:10:09,247 --> 00:10:13,184 作り直しやすかったかもしれん 112 00:10:13,184 --> 00:10:18,189 オオッ こん城も壊して 大砲を備えた要塞にすべきじゃ! 113 00:10:18,189 --> 00:10:20,191 (薩摩将校) じゃっど じゃっど! そやっど 114 00:10:20,191 --> 00:10:22,193 (小源太)失礼 (薩摩将校)なんや? 115 00:10:22,193 --> 00:10:28,199 (小源太)拙者 尾張徳川家家臣 田島小源太にござる 116 00:10:28,199 --> 00:10:31,202 江戸がダメだと 言うておられるが➡ 117 00:10:31,202 --> 00:10:33,204 二六〇有余年の歴史に 触れずして➡ 118 00:10:33,204 --> 00:10:36,207 やれ 西洋化などと 語らないでいただきたい! 119 00:10:36,207 --> 00:10:39,210 (薩摩将校) ぬしゃあ 尾張が 何を偉そうに! 120 00:10:39,210 --> 00:10:43,214 それがしの話を聞けい! (薩摩将校)オオッ!? 121 00:10:43,214 --> 00:10:46,217 城ん中は 意味の分からぬ しきたりがあふれ➡ 122 00:10:46,217 --> 00:10:49,220 情けない侍がおったことは事実 123 00:10:49,220 --> 00:10:55,226 されど 今も 武士の魂が生きておる! 124 00:10:55,226 --> 00:10:59,230 街には うまい食い物や伝統がある 125 00:10:59,230 --> 00:11:01,232 それを知ろうともせず➡ 126 00:11:01,232 --> 00:11:05,236 表だけ見て壊すいうのは 間違っておるのではござらぬか! 127 00:11:05,236 --> 00:11:09,240 (薩摩将校)ンンッ! (薩摩将校)フゥー! 128 00:11:09,240 --> 00:11:11,242 其処許は いかがお思いか? 129 00:11:11,242 --> 00:11:18,249 ♬~ 130 00:11:18,249 --> 00:11:20,251 ≪(足音) 131 00:11:20,251 --> 00:11:23,254 (西郷)オッ 見つけもした 132 00:11:23,254 --> 00:11:26,257 アッ 西郷様~! 133 00:11:26,257 --> 00:11:29,260 (西郷) 大久保どん 話し合いが始まいが 134 00:11:29,260 --> 00:11:31,262 (大久保)おう (小源太)「大久保」!? 135 00:11:31,262 --> 00:11:35,266 ハァ ハァ… 大久保様! し… 失礼つかまつりまする! 136 00:11:35,266 --> 00:11:40,271 (大久保)うんにゃ 君ん意見は もっともじゃ 137 00:11:40,271 --> 00:11:43,274 君たち 敬意を払いやんせ 138 00:11:43,274 --> 00:11:46,277 (薩摩将校たち)はっ… 139 00:11:46,277 --> 00:11:50,281 (西郷)アアー 加倉井どんを呼んでくれんか? 140 00:11:50,281 --> 00:11:54,281 六兵衛どんについての 話し合いがあっと 141 00:11:56,287 --> 00:11:58,287 (大久保)うむ 142 00:12:04,295 --> 00:12:12,237 (岩倉)御黒書院の汚れ どうしはるおつもりや? 143 00:12:12,237 --> 00:12:21,246 (有栖川宮)あれなぁ 勝殿が 追い出しとるはずやったんやけど 144 00:12:21,246 --> 00:12:26,251 (中山)勝殿は駿府やろ? 145 00:12:26,251 --> 00:12:30,255 立つ鳥 跡を濁さずどころか➡ 146 00:12:30,255 --> 00:12:35,260 汚れ残したまま 消えはって 147 00:12:35,260 --> 00:12:39,264 (有栖川宮)汚れ 汚れいうても➡ 148 00:12:39,264 --> 00:12:47,164 六兵衛は 旗本の亀鑑として あがめられておりますさかい 149 00:12:49,274 --> 00:12:51,274 せやなぁ? 加倉井はん 150 00:12:56,281 --> 00:13:01,286 はい まるで お城の守り神のように 151 00:13:01,286 --> 00:13:04,289 (大久保)言語道断! 152 00:13:04,289 --> 00:13:06,291 直ちに 引きずり出すべし! 153 00:13:06,291 --> 00:13:13,231 ♬~ 154 00:13:13,231 --> 00:13:17,235 (西郷)ハァー 155 00:13:17,235 --> 00:13:23,241 そげんこつ 決して してはいかん 156 00:13:23,241 --> 00:13:26,244 ♬~ 157 00:13:26,244 --> 00:13:33,251 いげんして? (西郷)腕ずく 力ずくは➡ 158 00:13:33,251 --> 00:13:35,253 いけもはん 159 00:13:35,253 --> 00:13:46,264 ♬~ 160 00:13:46,264 --> 00:13:50,268 (カラスの鳴き声) 161 00:13:50,268 --> 00:13:52,268 奥向の結論はのう➡ 162 00:13:54,272 --> 00:13:58,276 ともかく お主を 黒書院から連れ出して➡ 163 00:13:58,276 --> 00:14:03,281 天朝様のお目に触れぬ所に 移せとのことじゃ 164 00:14:03,281 --> 00:14:06,284 お城に残っていてもかまわぬ 165 00:14:06,284 --> 00:14:10,288 ♬~ 166 00:14:10,288 --> 00:14:13,224 のう 167 00:14:13,224 --> 00:14:17,224 せめて これくらいは 聞き分けてくれまいか? 168 00:14:19,230 --> 00:14:21,230 まあ…➡ 169 00:14:24,235 --> 00:14:28,239 今更 去ねと言うたところで➡ 170 00:14:28,239 --> 00:14:31,239 従うお主でもあるまい 171 00:14:38,249 --> 00:14:40,249 六兵衛よ➡ 172 00:14:42,253 --> 00:14:46,257 漏れ聞くところによれば 拝領屋敷は 皆➡ 173 00:14:46,257 --> 00:14:53,264 近々 新政府に上地されて 役人の住まいとなるそうだ 174 00:14:53,264 --> 00:15:00,271 そうとなれば お主 家を失うであろう 175 00:15:00,271 --> 00:15:03,271 身の振りようを 考えねばなるまいぞ 176 00:15:06,277 --> 00:15:09,280 いずれにせよ➡ 177 00:15:09,280 --> 00:15:14,218 ご家族を 放っておくわけにはまいるまい 178 00:15:14,218 --> 00:15:18,222 のう 六兵衛 179 00:15:18,222 --> 00:15:21,222 もし 天朝様が お主のことを お耳にでもしたら➡ 180 00:15:23,227 --> 00:15:27,231 腹を切るどころか…➡ 181 00:15:27,231 --> 00:15:31,231 ご家族の命を いくつ差し出しても 足らぬであろうぞ! 182 00:15:33,237 --> 00:15:36,240 (女官)小耳に挟んだのですが➡ 183 00:15:36,240 --> 00:15:43,247 ことごとく恭順せる 徳川の家来どもの中に➡ 184 00:15:43,247 --> 00:15:49,253 ただ一人 まつろわぬ旗本があるそうです 185 00:15:49,253 --> 00:15:56,260 (女官)アァ… それがうわさの 汚れにございますか? 186 00:15:56,260 --> 00:16:01,265 (女官)徳川幕府の怨念という話も 187 00:16:01,265 --> 00:16:04,268 (女官)あな恐ろしや 188 00:16:04,268 --> 00:16:08,268 (女官たち)オホホホッ 189 00:16:11,275 --> 00:16:15,175 (勝)今日で すべて終わりですなぁ 190 00:16:18,216 --> 00:16:23,221 (慶喜)一つ 気にかかることがある 191 00:16:23,221 --> 00:16:27,225 例の的矢六兵衛は どうなったのだ? 192 00:16:27,225 --> 00:16:30,228 (勝)実は あやつ➡ 193 00:16:30,228 --> 00:16:35,233 黒書院に居座っておりまする 194 00:16:35,233 --> 00:16:37,235 さようか 195 00:16:37,235 --> 00:16:42,240 上様 黒書院でございますぞ? 196 00:16:42,240 --> 00:16:47,240 その方には 話してもよいかもしれぬ 197 00:16:54,252 --> 00:17:02,260 ♬~ 198 00:17:02,260 --> 00:17:05,263 的矢六兵衛であるが➡ 199 00:17:05,263 --> 00:17:09,267 実は 予が城を出る前の晩➡ 200 00:17:09,267 --> 00:17:13,204 あやつと 黒書院で会うた (勝)なんですと? 201 00:17:13,204 --> 00:17:16,207 まあ 予が一方的に➡ 202 00:17:16,207 --> 00:17:19,207 心中を 打ち明けたようなものであるが… 203 00:17:22,213 --> 00:17:28,219 ⦅予の役目は 幕府を終わらせることである⦆ 204 00:17:28,219 --> 00:17:32,223 ⦅それで 命を落とすことになろうとも➡ 205 00:17:32,223 --> 00:17:35,223 予にしかできぬことだ⦆ 206 00:17:38,229 --> 00:17:42,233 (慶喜)⦅たとえ 千万に反対されようとも➡ 207 00:17:42,233 --> 00:17:45,236 予は 己の道を進む⦆ 208 00:17:45,236 --> 00:17:51,242 ⦅お主も お主の信ずる道を進むがよい⦆ 209 00:17:51,242 --> 00:18:04,255 ♬~ 210 00:18:04,255 --> 00:18:07,258 (勝)しかし 上様➡ 211 00:18:07,258 --> 00:18:09,260 あやつとは 一体➡ 212 00:18:09,260 --> 00:18:13,160 どのような ご関係でございますか? 213 00:18:15,199 --> 00:18:21,205 あの男は 幕府に仕えた侍だ 214 00:18:21,205 --> 00:18:24,205 それ以上でも それ以下でもない 215 00:18:26,210 --> 00:18:38,222 ♬~ 216 00:18:38,222 --> 00:18:42,222 (雨音) (雷鳴) 217 00:18:45,229 --> 00:18:49,229 ≪(雷鳴) 218 00:18:51,235 --> 00:18:56,240 参ったのう… 219 00:18:56,240 --> 00:19:00,240 このまま ここで 見張り続けるわけにもいかぬし 220 00:19:04,248 --> 00:19:08,248 ≪(小源太)お… お待ちくだされ! ≪(木戸)戸を外せ! 221 00:19:11,255 --> 00:19:14,191 ≪(雷鳴) 222 00:19:14,191 --> 00:19:18,195 き… 木戸様! 223 00:19:18,195 --> 00:19:23,200 申し訳ございません! まだ 六兵衛と 話がついておらず… 224 00:19:23,200 --> 00:19:25,202 しばし お待ちを (木戸)それどころじゃあるまぁ! 225 00:19:25,202 --> 00:19:27,204 はっ (木戸)天朝様が➡ 226 00:19:27,204 --> 00:19:29,206 黒書院の六兵衛を 知ってしもうて➡ 227 00:19:29,206 --> 00:19:32,209 直接 見たいと言うちょられるけぇ なんと!? 228 00:19:32,209 --> 00:19:35,212 (雨音) 229 00:19:35,212 --> 00:19:38,212 (雷鳴) (女官たち)キャアー! 230 00:19:40,217 --> 00:19:43,220 (雷鳴) (女官たち)キャアー! 231 00:19:43,220 --> 00:19:49,226 ♬~ 232 00:19:49,226 --> 00:19:53,230 (雷鳴) (女官たち)キャアー! 233 00:19:53,230 --> 00:20:13,184 ♬~ 234 00:20:13,184 --> 00:20:16,187 ♬~ 235 00:20:16,187 --> 00:20:18,189 的矢六兵衛か 236 00:20:18,189 --> 00:20:32,989 ♬~ 237 00:20:37,208 --> 00:20:40,208 長州の木戸であります 238 00:20:48,219 --> 00:20:51,219 なんないと物申されい 239 00:21:00,231 --> 00:21:02,233 <木戸孝允> 240 00:21:02,233 --> 00:21:05,236 <徹頭徹尾の倒幕論者で➡ 241 00:21:05,236 --> 00:21:09,240 徳川を敵として戦い続けてきた> 242 00:21:09,240 --> 00:21:12,243 <幾度となく 死線をくぐり抜けてきた➡ 243 00:21:12,243 --> 00:21:15,243 勤王の志士である> 244 00:21:27,258 --> 00:21:33,264 誠 大した貫禄じゃ 245 00:21:33,264 --> 00:21:36,267 どねぇしても 物を言わんちゅうなら➡ 246 00:21:36,267 --> 00:21:39,270 それでもかまわんけぇ 247 00:21:39,270 --> 00:21:43,270 まっ 聞くだけは聞きんさい 248 00:21:53,284 --> 00:21:55,286 かしこくも 天朝様におかせられては➡ 249 00:21:55,286 --> 00:21:59,290 御自ら 説諭なさるとの仰せじゃが➡ 250 00:21:59,290 --> 00:22:02,293 ご本心は そうじゃなかろう 251 00:22:02,293 --> 00:22:04,295 何分➡ 252 00:22:04,295 --> 00:22:10,301 ご宝算 僅か十七歳の 幼冲の天子にあらせられる 253 00:22:10,301 --> 00:22:13,237 座りっぱなしの いこじな旗本に➡ 254 00:22:13,237 --> 00:22:16,237 ご興味をお持ちになられたんじゃ 255 00:22:22,246 --> 00:22:24,248 ええかね 的矢君 256 00:22:24,248 --> 00:22:28,252 一体 君が 聖上に対し 奉り➡ 257 00:22:28,252 --> 00:22:31,255 何を申し上げるつもりかは 知らんが➡ 258 00:22:31,255 --> 00:22:34,255 聞こし召すお耳はないでよ 259 00:22:36,260 --> 00:22:39,263 いわば 君は➡ 260 00:22:39,263 --> 00:22:43,263 珍奇なる見せ物でしかないけぇ 261 00:22:45,269 --> 00:22:47,271 天朝様は 珍獣か もののけのように➡ 262 00:22:47,271 --> 00:22:49,273 おもしろうご覧あそばされ➡ 263 00:22:49,273 --> 00:22:52,273 しかるのちに 君は… 264 00:22:55,279 --> 00:22:58,282 大不敬の罪により➡ 265 00:22:58,282 --> 00:23:00,284 首を➡ 266 00:23:00,284 --> 00:23:03,284 はねられるだけじゃ 267 00:23:05,289 --> 00:23:09,289 ≪(雷鳴) 268 00:23:25,242 --> 00:23:28,245 (木戸)ところで おんし➡ 269 00:23:28,245 --> 00:23:33,250 城におる連中から 旗本の亀鑑と➡ 270 00:23:33,250 --> 00:23:37,254 あがめられちょる っちゅうじゃないか 271 00:23:37,254 --> 00:23:39,254 旗本なんぞ… 272 00:23:42,259 --> 00:23:44,261 のう おんし➡ 273 00:23:44,261 --> 00:23:49,261 まるで 徳川の世が 今も 安泰であるかのようっちゃのう 274 00:23:51,268 --> 00:23:55,272 フンッ まあ ええ 275 00:23:55,272 --> 00:23:59,276 もし ここで改悛せるんじゃったら➡ 276 00:23:59,276 --> 00:24:04,276 我らが新政府に 有為の人材として 登用せちゃるでよ? 277 00:24:07,284 --> 00:24:11,288 まあ 新政府の禄など はめんちゅうなら➡ 278 00:24:11,288 --> 00:24:14,225 それはそれでかまわん 279 00:24:14,225 --> 00:24:18,229 これまでの罪は 問わんことにせちゃろう 280 00:24:18,229 --> 00:24:20,229 どねぇかい? 281 00:24:22,233 --> 00:24:26,237 (的矢六兵衛)フッ… 282 00:24:26,237 --> 00:24:28,237 (木戸)笑うたの? 283 00:24:31,242 --> 00:24:34,245 鼻で笑うたの!? 284 00:24:34,245 --> 00:24:37,248 おのれ~! 285 00:24:37,248 --> 00:24:39,250 お待ちくだされ! 286 00:24:39,250 --> 00:24:41,252 ご寛恕くださりませ 木戸様! 287 00:24:41,252 --> 00:24:45,256 六兵衛は座り続けること八月 すでに 正気を欠いております 288 00:24:45,256 --> 00:24:49,260 (木戸)黙れ! どうかしちょるのは こやつばかりじゃあるまぁ 289 00:24:49,260 --> 00:24:53,264 この無礼者を まるで 触りゃあば たたりある神仏のごとく➡ 290 00:24:53,264 --> 00:24:55,266 放っちょったのは なんでじゃ? 291 00:24:55,266 --> 00:24:58,269 一体 何をためろうて 何を恐れちょるんか!? 292 00:24:58,269 --> 00:25:01,272 いえ 恐れておるわけではなく… 293 00:25:01,272 --> 00:25:08,279 ♬~ 294 00:25:08,279 --> 00:25:10,279 頼む 295 00:25:12,216 --> 00:25:14,216 六兵衛 296 00:25:17,221 --> 00:25:20,224 ここを退いてくれ 297 00:25:20,224 --> 00:25:26,230 ♬~ 298 00:25:26,230 --> 00:25:29,233 わしにできることなら なんでもする 299 00:25:29,233 --> 00:25:32,236 官軍には 頼りとうないかもしれぬが➡ 300 00:25:32,236 --> 00:25:36,236 わしとお主の仲ではござらぬか! 301 00:25:44,248 --> 00:25:48,252 ♬~ 302 00:25:48,252 --> 00:25:50,254 フンッ 303 00:25:50,254 --> 00:25:54,258 (木戸)おのれ! こんなぁ! なりませぬ! 304 00:25:54,258 --> 00:25:56,260 (木戸)どけ! なりませぬ! 305 00:25:56,260 --> 00:26:00,260 木戸様! 何とぞ お許しくだされ! 306 00:26:02,266 --> 00:26:05,269 なぜ この狼藉者をかばうんじゃ! 307 00:26:05,269 --> 00:26:08,272 この男は 狼藉者ではございません! 308 00:26:08,272 --> 00:26:12,209 本物の武士でございます! 309 00:26:12,209 --> 00:26:15,212 何が武士じゃ! 310 00:26:15,212 --> 00:26:20,217 わしは この男に 武士の何たるかを教わりました 311 00:26:20,217 --> 00:26:22,219 おのれ! わしは この男を➡ 312 00:26:22,219 --> 00:26:24,221 死なせとうありませぬ! 313 00:26:24,221 --> 00:26:26,223 (木戸)アアッ! アッ! 314 00:26:26,223 --> 00:26:36,233 ♬~ 315 00:26:36,233 --> 00:26:47,244 ♬~ 316 00:26:47,244 --> 00:26:50,247 なりませぬ! ハァ ハァ… 317 00:26:50,247 --> 00:26:57,147 ≪(雷鳴) 318 00:27:01,258 --> 00:27:06,263 ここは… 黒書院 319 00:27:06,263 --> 00:27:08,265 ハァ ハァ… 320 00:27:08,265 --> 00:27:12,165 将軍様の御座所にござります 321 00:27:15,205 --> 00:27:19,209 その刀を…➡ 322 00:27:19,209 --> 00:27:22,209 お収めくだされ! 323 00:27:25,215 --> 00:27:27,215 どけ 324 00:27:35,225 --> 00:27:37,227 どけ~! 325 00:27:37,227 --> 00:27:41,231 ≪(雷鳴) 326 00:27:41,231 --> 00:27:44,231 ≪(公家)聖上! ≪(公家)聖上! 327 00:27:49,239 --> 00:27:54,239 (木戸)控えい! 聖上のお出ましじゃ 控えい! 328 00:27:57,247 --> 00:28:00,250 (小声で)六兵衛 天朝様ぞ 329 00:28:00,250 --> 00:28:02,252 分かっておるのか? 330 00:28:02,252 --> 00:28:22,206 ♬~ 331 00:28:22,206 --> 00:28:40,006 ♬~ 332 00:28:46,230 --> 00:28:52,236 <天皇を前にしても 六兵衛は 口を開かなかった> 333 00:28:52,236 --> 00:28:56,240 <物一つ言わず かたくなに意志を貫いた➡ 334 00:28:56,240 --> 00:29:00,244 名もなき一人の侍> 335 00:29:00,244 --> 00:29:03,247 <だが その様は➡ 336 00:29:03,247 --> 00:29:08,252 江戸に生きた武士たちの魂を 背負っているようだ> 337 00:29:08,252 --> 00:29:14,191 ♬~ 338 00:29:14,191 --> 00:29:19,196 <対峙する二つの時代は 不動かつ無言> 339 00:29:19,196 --> 00:29:23,200 <これは まさしく 儀である> 340 00:29:23,200 --> 00:29:28,205 <なし崩しに変わる時代を 見かねた男の➡ 341 00:29:28,205 --> 00:29:33,210 天下禅譲の儀にほかならぬ> 342 00:29:33,210 --> 00:29:38,215 ♬~ 343 00:29:38,215 --> 00:29:45,222 ≪(雷鳴) 344 00:29:45,222 --> 00:30:05,242 ♬~ 345 00:30:05,242 --> 00:30:08,245 (鳥のさえずり) 346 00:30:08,245 --> 00:30:10,245 (天皇)しかと 347 00:30:13,183 --> 00:30:33,203 ♬~ 348 00:30:33,203 --> 00:30:52,903 ♬~ 349 00:31:00,230 --> 00:31:20,250 ♬~ 350 00:31:20,250 --> 00:31:40,270 ♬~ 351 00:31:40,270 --> 00:31:53,283 ♬~ 352 00:31:53,283 --> 00:31:56,286 六兵衛どん… 353 00:31:56,286 --> 00:32:01,286 ♬~ 354 00:32:21,244 --> 00:32:29,252 355 00:32:29,252 --> 00:32:36,259 ♬~ 356 00:32:36,259 --> 00:32:40,263 (大久保)てぇした侍じゃ 357 00:32:40,263 --> 00:32:46,269 (西郷)おいたちも 六兵衛どんに負けんよう➡ 358 00:32:46,269 --> 00:32:51,274 国家の大業を成し遂げようぞ! 359 00:32:51,274 --> 00:32:56,279 ♬~ 360 00:32:56,279 --> 00:32:58,279 (男性)的矢殿 361 00:33:00,283 --> 00:33:03,286 (男性)的矢殿 (男性)的矢殿 362 00:33:03,286 --> 00:33:12,229 ♬~ 363 00:33:12,229 --> 00:33:15,232 (男性)来られたぞ 364 00:33:15,232 --> 00:33:18,235 (男性)的矢殿 365 00:33:18,235 --> 00:33:20,237 (男性)的矢殿 366 00:33:20,237 --> 00:33:33,250 ♬~ 367 00:33:33,250 --> 00:33:35,250 (本多)的矢殿 368 00:33:37,254 --> 00:33:40,257 拙者も お城を出るゆえ➡ 369 00:33:40,257 --> 00:33:43,257 目付として 最後に一つ よろしいか? 370 00:33:46,263 --> 00:33:48,263 其処許の勤仕➡ 371 00:33:51,268 --> 00:33:53,270 見事であった 372 00:33:53,270 --> 00:34:13,223 ♬~ 373 00:34:13,223 --> 00:34:29,239 ♬~ 374 00:34:29,239 --> 00:34:36,246 (向山)的矢六兵衛殿 ご下城さっしゃいまする~! 375 00:34:36,246 --> 00:34:56,266 ♬~ 376 00:34:56,266 --> 00:35:04,274 ♬~ 377 00:35:04,274 --> 00:35:08,278 (福地)「的矢六兵衛と名乗った侍➡ 378 00:35:08,278 --> 00:35:15,218 その男は 流れゆく時と 変節せる人心の中にあって➡ 379 00:35:15,218 --> 00:35:20,223 母なる国の花のごとく 風のごとくに変わらぬ➡ 380 00:35:20,223 --> 00:35:23,223 良心そのものであった」 381 00:35:26,229 --> 00:35:30,233 (配下)これからは 横になって お休みなされよ! 382 00:35:30,233 --> 00:35:33,236 (配下) うなぎには気をつけなされ! 383 00:35:33,236 --> 00:35:35,238 (配下)死んではなりますまいぞ! 384 00:35:35,238 --> 00:35:42,138 ♬~ 385 00:35:45,248 --> 00:35:47,248 (勝)⦅あやつだ⦆ 386 00:35:49,252 --> 00:35:53,252 ⦅御書院番士 的矢六兵衛⦆ 387 00:35:55,258 --> 00:35:58,261 ⦅追い払えと申すか?⦆ 388 00:35:58,261 --> 00:36:00,263 (斬る音) ⦅ウッ…⦆ 389 00:36:00,263 --> 00:36:10,273 ♬~ 390 00:36:10,273 --> 00:36:23,219 ♬~ 391 00:36:23,219 --> 00:36:25,221 (配下たち)⦅オオー⦆ 392 00:36:25,221 --> 00:36:36,121 ♬~ 393 00:36:40,236 --> 00:36:42,236 六兵衛? 394 00:36:44,240 --> 00:36:47,243 六兵衛! 395 00:36:47,243 --> 00:36:50,246 六兵衛 どこじゃ! 396 00:36:50,246 --> 00:36:53,249 (茶坊主)的矢殿 ご下城~! 397 00:36:53,249 --> 00:36:56,252 六兵衛 六兵衛 398 00:36:56,252 --> 00:36:58,254 六兵衛! 399 00:36:58,254 --> 00:37:02,258 ♬~ 400 00:37:02,258 --> 00:37:06,262 (西郷)⦅お前は 誰ね?⦆ 401 00:37:06,262 --> 00:37:17,207 ♬~ 402 00:37:17,207 --> 00:37:20,210 ⦅ハハハッ⦆ 403 00:37:20,210 --> 00:37:24,214 ⦅立派な侍じゃ!⦆ 404 00:37:24,214 --> 00:37:27,214 ⦅ほれぼれするがぁ⦆ 405 00:37:29,219 --> 00:37:34,224 ⦅頼む 拙者に預けてくだされ!⦆ 406 00:37:34,224 --> 00:37:44,234 ♬~ 407 00:37:44,234 --> 00:37:48,238 ⦅お主の覚悟➡ 408 00:37:48,238 --> 00:37:52,242 しかと受け止めさせていただく⦆ 409 00:37:52,242 --> 00:37:56,246 ♬~ 410 00:37:56,246 --> 00:37:59,249 ⦅アッ 肥前忠吉⦆ 411 00:37:59,249 --> 00:38:02,252 ⦅それも 初代⦆ 412 00:38:02,252 --> 00:38:04,254 ⦅それほどのものか!⦆ 413 00:38:04,254 --> 00:38:08,258 ♬~ 414 00:38:08,258 --> 00:38:10,260 (福地)⦅アッ 短い⦆ 415 00:38:10,260 --> 00:38:12,195 (腰物役) ⦅殿中のお定め事に従い➡ 416 00:38:12,195 --> 00:38:16,199 一尺の小さ刀にすり上げたか⦆ 417 00:38:16,199 --> 00:38:20,203 ⦅あやつにとって 刀とは 飾るものでも売るものでもない⦆ 418 00:38:20,203 --> 00:38:23,203 ⦅振るうものなんじゃ⦆ 419 00:38:26,209 --> 00:38:30,213 ⦅この六兵衛の態度➡ 420 00:38:30,213 --> 00:38:34,217 まるで 幕府に弓引いた 徳川家の裏切り者を➡ 421 00:38:34,217 --> 00:38:36,219 膝詰めに 責めているかのようじゃ⦆ 422 00:38:36,219 --> 00:38:41,224 ♬~ 423 00:38:41,224 --> 00:38:44,227 ⦅徳川は永遠なり⦆ 424 00:38:44,227 --> 00:38:53,236 ♬~ 425 00:38:53,236 --> 00:38:56,239 (男性)加倉井殿 六兵衛! 426 00:38:56,239 --> 00:39:01,244 (淀屋)⦅その男は 名も名乗らず 理由も言わんと➡ 427 00:39:01,244 --> 00:39:05,248 旗本株が欲しいて言うんよ⦆ 428 00:39:05,248 --> 00:39:10,253 ⦅何者なんかは分かれへんけど➡ 429 00:39:10,253 --> 00:39:16,192 旗本にふさわしい男や思うわ⦆ 430 00:39:16,192 --> 00:39:19,195 (慶勝)⦅的矢とやら⦆ 431 00:39:19,195 --> 00:39:24,200 ⦅物言う口がなくとも 物食う口はあろう?⦆ 432 00:39:24,200 --> 00:39:33,209 ♬~ 433 00:39:33,209 --> 00:39:36,212 (慶勝)⦅まるで 戦国の世からよみがえった➡ 434 00:39:36,212 --> 00:39:39,212 大大名のようであるなぁ⦆ 435 00:39:41,217 --> 00:39:43,219 六兵衛! 436 00:39:43,219 --> 00:39:49,225 ♬~ 437 00:39:49,225 --> 00:39:53,229 (大村) ⦅説得の一つもできんのかね!⦆ 438 00:39:53,229 --> 00:39:57,233 ♬~ 439 00:39:57,233 --> 00:39:59,235 (大村)⦅ふむ…⦆ 440 00:39:59,235 --> 00:40:01,237 ⦅おんしこそ➡ 441 00:40:01,237 --> 00:40:06,242 新国家の軍隊を率いる 将器と信じちょります⦆ 442 00:40:06,242 --> 00:40:10,246 ♬~ 443 00:40:10,246 --> 00:40:14,184 ⦅ひとつ うなずかれい⦆ 444 00:40:14,184 --> 00:40:21,191 ♬~ 445 00:40:21,191 --> 00:40:25,195 (六兵衛の妻) ⦅的矢六兵衛の妻にございます⦆ 446 00:40:25,195 --> 00:40:28,198 ⦅アッ…⦆ 447 00:40:28,198 --> 00:40:30,200 ⦅これを➡ 448 00:40:30,200 --> 00:40:33,200 お渡しくださいませぬか⦆ 449 00:40:35,205 --> 00:40:38,208 ⦅六兵衛殿は 随分と 腹をくくってらっしゃる⦆ 450 00:40:38,208 --> 00:40:44,214 ♬~ 451 00:40:44,214 --> 00:40:47,217 (配下)加倉井殿 六兵衛 待たれよ! 452 00:40:47,217 --> 00:40:57,227 ♬~ 453 00:40:57,227 --> 00:40:59,229 ⦅食うてくだされ⦆ 454 00:40:59,229 --> 00:41:03,233 ♬~ 455 00:41:03,233 --> 00:41:05,235 (小源太)⦅食うてくだされ⦆ 456 00:41:05,235 --> 00:41:09,239 (配下)⦅遠慮いたすな⦆ (配下)⦅食うんじゃ 六兵衛殿⦆ 457 00:41:09,239 --> 00:41:28,258 ♬~ 458 00:41:28,258 --> 00:41:30,258 ⦅アアッ…⦆ 459 00:41:33,263 --> 00:41:35,265 ⦅ンンッ…⦆ 460 00:41:35,265 --> 00:41:45,275 ♬~ 461 00:41:45,275 --> 00:41:47,275 ⦅ウッ!⦆ 462 00:41:49,279 --> 00:41:52,282 ⦅六兵衛! 死んではならん!⦆ 463 00:41:52,282 --> 00:41:57,287 ♬~ 464 00:41:57,287 --> 00:41:59,287 ⦅アアッ⦆ 465 00:42:02,292 --> 00:42:04,294 (小源太)⦅なぜ のまん!?⦆ 466 00:42:04,294 --> 00:42:06,296 (福地) ⦅いいかげんにしたまえ!⦆ 467 00:42:06,296 --> 00:42:09,299 ⦅死んでしまうぞ 六兵衛!⦆ 468 00:42:09,299 --> 00:42:22,245 ♬~ 469 00:42:22,245 --> 00:42:26,245 ⦅お前に 子はあるのかな?⦆ 470 00:42:29,252 --> 00:42:31,254 ⦅ウウッ… ウッ…⦆ 471 00:42:31,254 --> 00:42:34,257 ⦅だったら お薬をのんでよ⦆ 472 00:42:34,257 --> 00:42:39,262 ⦅お前が死んでしまったら 子が かわいそうだよ⦆ 473 00:42:39,262 --> 00:42:45,268 ♬~ 474 00:42:45,268 --> 00:42:48,271 ⦅上様のおっしゃるとおりじゃ!⦆ 475 00:42:48,271 --> 00:42:52,275 ⦅お主には 妻と子供がおるであろう!⦆ 476 00:42:52,275 --> 00:42:56,279 ⦅お主が どこで何をしようと もはや かまわぬが➡ 477 00:42:56,279 --> 00:42:59,282 死ぬことは 断じて許さぬ!⦆ 478 00:42:59,282 --> 00:43:19,235 ♬~ 479 00:43:19,235 --> 00:43:26,242 ⦅家柄だ 血筋だと こだわり続けるうちに➡ 480 00:43:26,242 --> 00:43:33,249 天下の旗本にふさわしい武士は 一人もいなくなった⦆ 481 00:43:33,249 --> 00:43:37,253 ♬~ 482 00:43:37,253 --> 00:43:42,258 ⦅武士の時代 最後のときを迎えて➡ 483 00:43:42,258 --> 00:43:47,263 我らは 的矢六兵衛という➡ 484 00:43:47,263 --> 00:43:50,263 一閃の光芒を見た⦆ 485 00:43:52,268 --> 00:43:54,270 六兵衛 待たれよ! 486 00:43:54,270 --> 00:44:10,286 ♬~ 487 00:44:10,286 --> 00:44:12,221 (腰物役)的矢様 488 00:44:12,221 --> 00:44:16,225 お預かりしておりました お腰物にござりまする 489 00:44:16,225 --> 00:44:26,235 ♬~ 490 00:44:26,235 --> 00:44:38,135 ♬~ 491 00:44:56,265 --> 00:45:16,219 ♬~ 492 00:45:16,219 --> 00:45:36,239 ♬~ 493 00:45:36,239 --> 00:45:48,251 ♬~ 494 00:45:48,251 --> 00:45:51,254 六兵衛! 495 00:45:51,254 --> 00:45:54,257 ≪ 六兵衛! 496 00:45:54,257 --> 00:46:04,267 ♬~ 497 00:46:04,267 --> 00:46:06,269 六兵衛… 498 00:46:06,269 --> 00:46:12,208 ♬~ 499 00:46:12,208 --> 00:46:14,210 六兵衛 500 00:46:14,210 --> 00:46:19,210 ♬~ 501 00:46:22,218 --> 00:46:24,220 六兵衛! 502 00:46:24,220 --> 00:46:27,223 おい 六兵衛! 503 00:46:27,223 --> 00:46:30,226 六兵衛! 504 00:46:30,226 --> 00:46:34,230 ハァ ハァ ハァ… 505 00:46:34,230 --> 00:46:38,234 このまま 黙して去るつもりか? 506 00:46:38,234 --> 00:46:41,234 水くさいではないか 六兵衛 507 00:46:44,240 --> 00:46:47,240 どうして わしにすら 口を利いてくれぬ! 508 00:46:51,247 --> 00:46:54,247 のう 六兵衛 509 00:46:58,254 --> 00:47:01,254 なんとか言うてくれ 六兵衛! 510 00:47:07,263 --> 00:47:17,206 ♬~ 511 00:47:17,206 --> 00:47:20,206 世話をかけ申した 512 00:47:23,212 --> 00:47:26,215 許せ 513 00:47:26,215 --> 00:47:34,223 ♬~ 514 00:47:34,223 --> 00:47:37,226 それだけか? 515 00:47:37,226 --> 00:47:40,226 六兵衛… 516 00:47:43,232 --> 00:47:47,236 それだけなのか? 517 00:47:47,236 --> 00:47:52,241 お主には 言いたいことが 山ほどあるはずじゃ 518 00:47:52,241 --> 00:47:59,248 ♬~ 519 00:47:59,248 --> 00:48:02,251 物言えば きりがない 520 00:48:02,251 --> 00:48:05,254 しからば…➡ 521 00:48:05,254 --> 00:48:08,257 体に 物を言わせるのみ 522 00:48:08,257 --> 00:48:28,210 ♬~ 523 00:48:28,210 --> 00:48:45,227 ♬~ 524 00:48:45,227 --> 00:48:49,231 わしに… ウッ… 525 00:48:49,231 --> 00:48:52,234 受け取れと申すか? 526 00:48:52,234 --> 00:48:54,236 うむ 527 00:48:54,236 --> 00:49:14,190 ♬~ 528 00:49:14,190 --> 00:49:34,210 ♬~ 529 00:49:34,210 --> 00:49:54,230 ♬~ 530 00:49:54,230 --> 00:50:13,182 ♬~ 531 00:50:13,182 --> 00:50:17,186 ウゥ… ウウッ… 532 00:50:17,186 --> 00:50:34,203 ♬~ 533 00:50:34,203 --> 00:50:45,103 ♬~ 534 00:50:47,216 --> 00:51:07,236 ♬~ 535 00:51:07,236 --> 00:51:27,256 ♬~ 536 00:51:27,256 --> 00:51:47,276 ♬~ 537 00:51:47,276 --> 00:51:59,288 ♬~ 538 00:51:59,288 --> 00:52:05,294 的矢六兵衛は 十月の勤番を終えたのではない 539 00:52:05,294 --> 00:52:10,299 ♬~ 540 00:52:10,299 --> 00:52:15,237 三〇〇年にわたる…➡ 541 00:52:15,237 --> 00:52:18,240 武士の勤仕をやりおおしたのだ 542 00:52:18,240 --> 00:52:24,246 ♬~ 543 00:52:24,246 --> 00:52:30,252 六兵衛 この先 お主は どう生きていく? 544 00:52:30,252 --> 00:52:35,252 金も職も失って 何一つ分からぬ先の世を 545 00:52:37,259 --> 00:52:41,263 じゃが お主も わしも➡ 546 00:52:41,263 --> 00:52:45,263 己の信じる道ならば それを進もう 547 00:52:47,269 --> 00:52:50,272 共に生きた 江戸の景色を見ながら 548 00:52:50,272 --> 00:53:10,292 ♬~ 549 00:53:10,292 --> 00:53:30,245 ♬~ 550 00:53:30,245 --> 00:53:50,265 ♬~ 551 00:53:50,265 --> 00:54:10,285 ♬~ 552 00:54:10,285 --> 00:54:30,239 ♬~ 553 00:54:30,239 --> 00:54:49,039 ♬~