1 00:01:45,810 --> 00:01:48,813 (仁左衛門)その女を 奉公にやと? 2 00:01:48,813 --> 00:01:51,816 (ヤエ)お願いします。➡ 3 00:01:51,816 --> 00:01:57,822 私も 娘の シズも 行く当てが ないんです。➡ 4 00:01:57,822 --> 00:02:03,828 越後屋さんは 貧しい者にも お優しいと 聞きました。➡ 5 00:02:03,828 --> 00:02:05,830 どんな仕事でも します。➡ 6 00:02:05,830 --> 00:02:07,832 私たちを ここで 働かせてください。 7 00:02:07,832 --> 00:02:10,832 (仁左衛門)しかしなぁ。 (ヤエ)お願いします。 8 00:02:13,838 --> 00:02:17,842 (仁左衛門)その娘 心 病んでるんと 違うんか?➡ 9 00:02:17,842 --> 00:02:24,849 それに 身重では 奉公したとして 何が できるっちゅうんや? 10 00:02:24,849 --> 00:02:27,849 (ヤエ)シズや。 あれを。 あれ。 11 00:02:29,854 --> 00:02:33,792 (ヤエ)どうぞ これを。 (仁左衛門)うん? これは? 12 00:02:33,792 --> 00:02:36,792 (ヤエ)いいから ご覧ください。 13 00:02:39,798 --> 00:02:43,802 (仁左衛門)船頭 落水し 溺れ死ぬ。 14 00:02:43,802 --> 00:02:49,808 (仁左衛門)その娘が 書いたんか? どういう意味や? 15 00:02:49,808 --> 00:02:54,813 (ヤエ)お告げです。 (仁左衛門)お告げ? 16 00:02:54,813 --> 00:02:58,817 (ヤエ)シズには 先の世で 起こる 凶事が 分かるんです。➡ 17 00:02:58,817 --> 00:03:07,826 この子の力は 必ずや 旦那さまの 役に立つと 思いますが。 18 00:03:07,826 --> 00:03:13,832 (仁左衛門)ハハハ。 そんなこと あるわけ ないやろ。➡ 19 00:03:13,832 --> 00:03:17,836 アホなことも 休み休み 言いや。 20 00:03:17,836 --> 00:03:25,844 ♬~ 21 00:03:25,844 --> 00:03:30,849 ♬~ 22 00:03:30,849 --> 00:03:40,849 ♬~ 23 00:04:12,807 --> 00:04:15,827 (ざわめき) 24 00:04:15,827 --> 00:04:18,830 (仁左衛門)おい。 何の騒ぎや? 25 00:04:18,830 --> 00:04:20,832 (男性)どざえもんでんがな。➡ 26 00:04:20,832 --> 00:04:25,837 船宿の若衆が 酒に酔うて お堀に 落ちたらしい。 27 00:04:25,837 --> 00:04:28,840 (男性)ホンマに 船頭が 溺れ死ぬて。➡ 28 00:04:28,840 --> 00:04:32,840 しゃれにも ならんがな。 (男性)ほな 運ぼか。 29 00:04:41,786 --> 00:04:49,794 ♬~ 30 00:04:49,794 --> 00:04:52,797 (ヤエ)ホントに 私たちを。➡ 31 00:04:52,797 --> 00:04:54,799 この子を 雇ってくださるんですか? 32 00:04:54,799 --> 00:04:57,802 (仁左衛門)ああ。 ただ その前に➡ 33 00:04:57,802 --> 00:04:59,804 一つ 聞いておきたいことが あるんや。 34 00:04:59,804 --> 00:05:02,807 (ヤエ)はい。 何でしょう? 35 00:05:02,807 --> 00:05:05,810 (仁左衛門)その娘の 不思議な力っちゅうのは➡ 36 00:05:05,810 --> 00:05:09,814 いつからや? (ヤエ)ああ。➡ 37 00:05:09,814 --> 00:05:15,820 おなかの子の父親を。 シズの夫を 亡くしてからです。 38 00:05:15,820 --> 00:05:17,822 (仁左衛門)何が あったんや? 39 00:05:17,822 --> 00:05:20,825 (ヤエ)夫婦で 芝居見物に 出掛けた 帰り➡ 40 00:05:20,825 --> 00:05:25,830 人けのない道で 何者かに 襲われまして。➡ 41 00:05:25,830 --> 00:05:30,835 よほど 恐ろしかったので ございましょう。➡ 42 00:05:30,835 --> 00:05:33,771 それ以来 すっかり 心を 閉ざしてしまいました。 43 00:05:33,771 --> 00:05:37,775 (仁左衛門)なるほどなぁ。 心 病んでしもうた 代わりに➡ 44 00:05:37,775 --> 00:05:40,778 不思議な力を 授かったっちゅうことか。➡ 45 00:05:40,778 --> 00:05:45,783 かわいそうに。 そうか。➡ 46 00:05:45,783 --> 00:05:51,789 シズ。 ここをな わが家のように 思うて➡ 47 00:05:51,789 --> 00:05:54,792 心 安らかに 過ごすんやで。 48 00:05:54,792 --> 00:05:58,792 (ヤエ)ありがとうございます。 (仁左衛門)かめへん かめへん。 49 00:06:18,816 --> 00:06:22,816 (仁左衛門)ほな 留守 頼んだで。 (番頭)承知いたしました。 50 00:06:28,826 --> 00:06:30,828 傘が どないしたんや? 51 00:06:30,828 --> 00:06:41,773 ♬~ 52 00:06:41,773 --> 00:06:51,783 ♬~ 53 00:06:51,783 --> 00:06:56,788 傘や。 傘 あるだけ 店先に並べろ。 54 00:06:56,788 --> 00:06:59,791 (番頭)ですが とても 降りだすとは。 55 00:06:59,791 --> 00:07:02,794 (雷鳴) 56 00:07:02,794 --> 00:07:05,794 急げ。 (番頭)はい。 57 00:07:11,803 --> 00:07:15,803 シズ。 おおきにやで。 58 00:07:23,815 --> 00:07:26,818 (男性)雨だ 雨。 参った 参った。 59 00:07:26,818 --> 00:07:30,822 (男性)傘 ねえか? (番頭)旦那。 こちらで。 60 00:07:30,822 --> 00:07:34,822 (番頭)押すな 押すな。 順番! 61 00:07:36,761 --> 00:07:40,765 (番頭)こら! 持ってくなよ。 62 00:07:40,765 --> 00:07:44,769 (仁左衛門)そない。 そない 急がんで かまへんがな。 63 00:07:44,769 --> 00:08:01,786 ♬~ 64 00:08:01,786 --> 00:08:11,796 (シズ)そう。 火が出るの? 怖いわね。 65 00:08:11,796 --> 00:08:25,810 ♬~ 66 00:08:25,810 --> 00:08:27,810 (鐘の音) 67 00:08:32,750 --> 00:08:36,750 (男性)火事や! 逃げろ 逃げ…。 68 00:08:40,758 --> 00:08:42,760 (手代)やけどに効く 軟こう あるよ。 はいはいはい。➡ 69 00:08:42,760 --> 00:08:47,765 やけどに効く 軟こうだよ! 並んで 並んで。 並んで 並んで。 70 00:08:47,765 --> 00:08:59,777 ♬~ 71 00:08:59,777 --> 00:09:07,777 (シズ)お船が? まあ それは 大変。 72 00:09:13,791 --> 00:09:16,794 (番頭)旦那さま! 旦那さま。➡ 73 00:09:16,794 --> 00:09:20,798 塩を積んだ 播磨の船が 岩にぶつかって 沈んだそうです。 74 00:09:20,798 --> 00:09:24,802 言うたとおり なったやろ。 買い占めてた塩 売れ。 75 00:09:24,802 --> 00:09:27,805 多少 値 高くしても 絶対に 売れる。 76 00:09:27,805 --> 00:09:31,809 売って 売って 売りまくれ。 (番頭)はい! 77 00:09:31,809 --> 00:09:35,747 (仁左衛門)皆さん。 そんな 押さんでも 大丈夫でっせ。➡ 78 00:09:35,747 --> 00:09:37,749 ほらほら。 ほらほら。 うんうん。➡ 79 00:09:37,749 --> 00:09:40,749 塩やったら 売るほど ありますんで。 80 00:09:44,756 --> 00:09:46,756 また よろしく どうぞ。 81 00:09:51,763 --> 00:09:55,767 (仁左衛門)おお。 ええがな ええがな。 これ。 82 00:09:55,767 --> 00:09:58,770 (ヤエ)こんな 立派な着物を。 83 00:09:58,770 --> 00:10:02,774 (仁左衛門)遠慮せんで ええて。 これも シズの おかげや。 84 00:10:02,774 --> 00:10:07,779 (ヤエ)私にまで。 ホントに ありがとうございます。 85 00:10:07,779 --> 00:10:10,782 (仁左衛門)ええ ええ。 かめへん かめへん。 86 00:10:10,782 --> 00:10:14,786 なあ? シズ。 何か 欲しいもん あるんやったら➡ 87 00:10:14,786 --> 00:10:17,786 遠慮のう 言うんやで。 なっ? 88 00:10:25,797 --> 00:10:28,797 (仁左衛門)ほな また どうぞ ごひいきに。 89 00:10:33,738 --> 00:10:36,741 (半次郎)ずいぶんと 繁盛しているようだな。 90 00:10:36,741 --> 00:10:39,744 (仁左衛門)おかげさまで。 91 00:10:39,744 --> 00:10:42,744 (半次郎)拙者は 決して 忘れぬからな。 92 00:10:59,764 --> 00:11:01,766 咲? 93 00:11:01,766 --> 00:11:05,770 ≪(ヤエ)失礼します。 お茶を お持ちしました。 94 00:11:05,770 --> 00:11:10,770 (仁左衛門)ああ。 入れ。 うん。 95 00:11:19,784 --> 00:11:21,784 (仁左衛門)おおきに おおきに。 96 00:11:24,789 --> 00:11:26,791 (ヤエ)どうぞ。 97 00:11:26,791 --> 00:11:28,793 (仁左衛門)ヤエ。 ヤエ。 ヤエ。 ヤエ。 98 00:11:28,793 --> 00:11:31,796 (ヤエ)はい。 (仁左衛門)あんな➡ 99 00:11:31,796 --> 00:11:36,801 シズのことなんやけどな。 (ヤエ)あの子が 何か? 100 00:11:36,801 --> 00:11:38,803 (仁左衛門)シズはな どないして➡ 101 00:11:38,803 --> 00:11:42,807 これから 起こる災厄を 知ることが できるんや?➡ 102 00:11:42,807 --> 00:11:46,807 まさか 神仏の声でも 聞こえるんとちゃうやろな? 103 00:11:48,813 --> 00:11:54,819 (ヤエ)おなかの子が。 シズの腹の中にいる 赤ん坊が➡ 104 00:11:54,819 --> 00:11:57,822 これから起こる 凶事を 教えてくれているのです。 105 00:11:57,822 --> 00:12:01,826 (仁左衛門)えっ。 おなかの子が? 106 00:12:01,826 --> 00:12:04,829 (シズ)《火が出るの?》 107 00:12:04,829 --> 00:12:06,831 (シズ)《お船が?》 108 00:12:06,831 --> 00:12:11,836 (ヤエ)もちろん その声は シズにしか 聞こえません。 109 00:12:11,836 --> 00:12:18,843 お告げは シズを通して おなかの子が 伝えているのです。 110 00:12:18,843 --> 00:12:22,847 で 子は いつ 生まれるんや? 111 00:12:22,847 --> 00:12:24,849 分かりません。 112 00:12:24,849 --> 00:12:28,853 すでに 十月十日は 過ぎているのですけど➡ 113 00:12:28,853 --> 00:12:32,790 一向に 生まれる気配がなくて。 114 00:12:32,790 --> 00:12:35,793 そんなこと あり得るんか? (ヤエ)ええ。 ですから 私も➡ 115 00:12:35,793 --> 00:12:38,796 有名な お坊さまに 色々と 相談しているのです。 116 00:12:38,796 --> 00:12:43,801 ああ。 空元のことやな。 (ヤエ)ご存じでしたか? 117 00:12:43,801 --> 00:12:47,805 ほんで 空元は 何やと? (ヤエ)それが…。 118 00:12:47,805 --> 00:12:50,808 (手代)旦那さま! (仁左衛門)何や? 119 00:12:50,808 --> 00:12:55,813 (手代)あの娘が 見当たりません。 (ヤエ)シズが!? 120 00:12:55,813 --> 00:12:59,813 (男性)よう。 姉ちゃん。 俺たちと 遊んでかねえか? 121 00:13:04,822 --> 00:13:08,826 (男性)せっかく 誘ってやってんだい。 何とか言えよ。 122 00:13:08,826 --> 00:13:11,829 (男性)カワイイ顔 してんじゃねえか。 123 00:13:11,829 --> 00:13:14,832 たっぷりと かわいがってやるからよ。 124 00:13:14,832 --> 00:13:16,834 ≪(半次郎)やめんか! 125 00:13:16,834 --> 00:13:18,836 (男性)何だ? お前。 126 00:13:18,836 --> 00:13:20,838 (半次郎)その娘は 嫌がっておろう。 127 00:13:20,838 --> 00:13:23,838 (男性)うるせえ。 カッコつけてんじゃねえ。 128 00:13:30,848 --> 00:13:32,848 (男性)野郎。 129 00:13:40,791 --> 00:13:43,791 まだ やるか? 130 00:13:46,797 --> 00:13:50,797 (男性)チクショー。 覚えてやがれ! 131 00:13:55,806 --> 00:13:59,806 (半次郎)大丈夫か? ケガは ないか? 132 00:14:06,817 --> 00:14:09,820 (半次郎)身重の体で あまり 出歩くでない。➡ 133 00:14:09,820 --> 00:14:12,820 おなかの子に 何かあったら どうする? 134 00:14:18,829 --> 00:14:21,829 お主 名は? 135 00:14:28,839 --> 00:14:30,839 (半次郎)拙者に? 136 00:14:34,779 --> 00:14:37,782 (半次郎)かたじけない。 137 00:14:37,782 --> 00:14:40,785 ≪(ヤエ)シズ! 138 00:14:40,785 --> 00:14:44,785 (ヤエ)駄目じゃないか。 黙って 出てったりしちゃ。 139 00:14:46,791 --> 00:14:49,794 この人は?➡ 140 00:14:49,794 --> 00:14:52,797 まさか うちの娘に 妙な まねを。 141 00:14:52,797 --> 00:14:54,799 (半次郎)バカなことを 申すな。➡ 142 00:14:54,799 --> 00:14:58,803 拙者は この娘が 絡まれていたのを 助けただけだ。 143 00:14:58,803 --> 00:15:01,806 (ヤエ)そうだったんですか。 それは 失礼しました。➡ 144 00:15:01,806 --> 00:15:07,812 さあ シズ。 帰るよ。 みんな 心配してるからね。➡ 145 00:15:07,812 --> 00:15:10,812 さっ。 うん。 よかった よかった。 146 00:15:16,821 --> 00:15:18,821 シズか。 147 00:15:20,825 --> 00:15:36,825 (唱える声) 148 00:17:40,798 --> 00:17:49,798 (苦しむ声) 149 00:18:00,818 --> 00:18:02,818 《シズ…》 150 00:18:06,824 --> 00:18:10,828 (シズ)《あなた。 嫌!》 151 00:18:10,828 --> 00:18:12,828 (悲鳴) 152 00:18:16,834 --> 00:18:18,834 (ヤエ)シズ。 153 00:18:20,838 --> 00:18:23,838 (シズ)おっ母。 (ヤエ)何だい? 154 00:18:26,844 --> 00:18:31,849 (シズ)殺して。 私を殺して。 155 00:18:31,849 --> 00:18:35,786 (ヤエ)何 バカなこと 言ってんだい。➡ 156 00:18:35,786 --> 00:18:38,789 どんなに 苦しくても つらくても➡ 157 00:18:38,789 --> 00:18:43,794 人は 生きていかなくちゃ ならないんだよ。➡ 158 00:18:43,794 --> 00:18:46,797 今は つらいけど 苦しんだ分➡ 159 00:18:46,797 --> 00:18:54,797 そのうち 必ず いいことがある。 だから 頑張るんだよ。 160 00:19:15,826 --> 00:19:21,832 (空元)見よ。 シズの お告げで 災厄を逃れた人たちだ。➡ 161 00:19:21,832 --> 00:19:24,835 お主と シズには つらいことばかりで あろうが➡ 162 00:19:24,835 --> 00:19:28,839 おかげで ああして 救われた命がある。➡ 163 00:19:28,839 --> 00:19:30,841 あの人たちに代わって 礼を言うぞ。 164 00:19:30,841 --> 00:19:33,777 (ヤエ)ああ。 そんな。➡ 165 00:19:33,777 --> 00:19:36,780 私と シズが 生きながらえていられるのは➡ 166 00:19:36,780 --> 00:19:39,783 空元さまの おかげです。 167 00:19:39,783 --> 00:19:43,787 (空元)どうした? 顔色が よくないぞ。➡ 168 00:19:43,787 --> 00:19:45,789 何か 気掛かりなことでも? 169 00:19:45,789 --> 00:19:50,794 実は シズのことなんですが。 170 00:19:50,794 --> 00:19:54,798 日ごと 元気もなくしていくようで 心配で なりません。 171 00:19:54,798 --> 00:19:58,802 空元さま。 やはり 件が? 172 00:19:58,802 --> 00:20:04,808 (空元)さよう。 シズの不可思議な力を 考えるに➡ 173 00:20:04,808 --> 00:20:07,811 シズの腹にいるのは 件としか 考えられん。 174 00:20:07,811 --> 00:20:14,818 ですが 人の頭を持った 牛の怪物など➡ 175 00:20:14,818 --> 00:20:19,823 ホントに そんなものが この世に 存在するのでしょうか? 176 00:20:19,823 --> 00:20:25,829 する。 わしは 件のことを 夢に見たのだ。➡ 177 00:20:25,829 --> 00:20:30,834 件の寿命は 短く 生まれ落ちると➡ 178 00:20:30,834 --> 00:20:33,771 不吉な お告げを残して すぐに 死んでしまう。➡ 179 00:20:33,771 --> 00:20:39,777 おそらく シズの腹の中にいる 件は その死を避けるために➡ 180 00:20:39,777 --> 00:20:42,780 いまだに 腹に とどまり続けているのであろう。 181 00:20:42,780 --> 00:20:44,782 なぜ そのようなことに? 182 00:20:44,782 --> 00:20:48,786 (空元)全ては 仏の おぼしめしよ。➡ 183 00:20:48,786 --> 00:20:52,790 シズの力があれば 多くの者たちを➡ 184 00:20:52,790 --> 00:20:55,793 これから起こるであろう 災厄から 救える。➡ 185 00:20:55,793 --> 00:21:01,799 シズには 気の毒だが わしには シズの宿す 件が➡ 186 00:21:01,799 --> 00:21:06,804 救世のために 仏が遣わしたものとしか 思えん。 187 00:21:06,804 --> 00:21:11,809 確かに。 ですが…。 188 00:21:11,809 --> 00:21:15,813 どうした? (ヤエ)越後屋です。 189 00:21:15,813 --> 00:21:18,816 もし 空元さまの 言うとおりでしたら➡ 190 00:21:18,816 --> 00:21:24,822 越後屋は その 大切な仏の力を 私利私欲のため➡ 191 00:21:24,822 --> 00:21:26,824 金もうけのためにしか 使おうとしません。 192 00:21:26,824 --> 00:21:31,829 愚かな男よ。 欲に惑わされて われを失うとは。 193 00:21:31,829 --> 00:21:38,836 しかも すずめの涙ほどの給金で こき使うんです。 194 00:21:38,836 --> 00:21:44,842 これでは あまりにも シズが ふびんで。 195 00:21:44,842 --> 00:21:47,845 (空元)よかれと 思って 越後屋を 紹介したのだが➡ 196 00:21:47,845 --> 00:21:52,845 裏目に出たか。 わしに いい考えがある。 197 00:21:55,853 --> 00:21:59,857 (ヤエ)すみません。 中村 半次郎さまの お宅は? 198 00:21:59,857 --> 00:22:02,860 (女性)中村。 ああ。 199 00:22:02,860 --> 00:22:05,863 お主は 確か…。 200 00:22:05,863 --> 00:22:11,869 ああ。 どうも。 その節は。 201 00:22:11,869 --> 00:22:14,872 (半次郎)そのような ひどい扱いを? 202 00:22:14,872 --> 00:22:16,874 (ヤエ)シズを 医者に見せたいから➡ 203 00:22:16,874 --> 00:22:22,880 給金を 上げてくれと 申しても 一切 聞こうとは しません。➡ 204 00:22:22,880 --> 00:22:27,885 それどころか 嫌なら 出ていけと。➡ 205 00:22:27,885 --> 00:22:35,826 もし あの店を 追い出されたら 私も シズも 野垂れ死にです。➡ 206 00:22:35,826 --> 00:22:43,834 まっ。 私は 年ですから 構いませんけど シズだけは…。 207 00:22:43,834 --> 00:22:48,839 (半次郎)事情は 分かった。 拙者でよければ 力になろう。 208 00:22:48,839 --> 00:22:52,843 本当ですか? ああー。➡ 209 00:22:52,843 --> 00:22:58,849 私たちのような者のために。 ありがとうございます。 210 00:22:58,849 --> 00:23:04,855 似ているのだ。 シズさんが 妹に。 211 00:23:04,855 --> 00:23:10,861 明るく 心根の優しい娘だった。 212 00:23:10,861 --> 00:23:16,867 しかし 今から 2年前。 妹は 不治の病に かかった。 213 00:23:16,867 --> 00:23:20,871 (ヤエ)まあ。 (半次郎)幼少のころより 病弱で➡ 214 00:23:20,871 --> 00:23:24,875 何一つ 若い娘らしいことが できなかった。 215 00:23:24,875 --> 00:23:27,878 妹を 哀れに思った 拙者は➡ 216 00:23:27,878 --> 00:23:32,816 せめて 一度くらい いい思いを させてやりたいと➡ 217 00:23:32,816 --> 00:23:37,821 越後屋に 着物を 仕立てさせた。 だが…。 218 00:23:37,821 --> 00:23:41,825 (半次郎)《売った?》 (仁左衛門)《すんませんな》➡ 219 00:23:41,825 --> 00:23:44,828 《店の者が 勘違いしてしもうたようで》 220 00:23:44,828 --> 00:23:47,831 (半次郎)《すぐに 新しいものを 作り直せ》 221 00:23:47,831 --> 00:23:51,835 (仁左衛門)《着物が 必要というんであれば➡ 222 00:23:51,835 --> 00:23:54,838 他の店 行ったら どないですか?》➡ 223 00:23:54,838 --> 00:23:56,840 《そもそも この越後屋は➡ 224 00:23:56,840 --> 00:24:01,845 あんたたちの身の丈に 合うてなかったんと 違いますか》 225 00:24:01,845 --> 00:24:03,845 (仁左衛門)《あっ》 226 00:24:05,849 --> 00:24:09,853 《わび料です。 遠慮のう 受け取ってください》 227 00:24:09,853 --> 00:24:21,865 ♬~ 228 00:24:21,865 --> 00:24:32,809 ♬~ 229 00:24:32,809 --> 00:24:43,809 (咲)《ごめんなさい。 兄上。 私 もう…》 230 00:24:48,825 --> 00:24:53,825 《咲…。 咲!》 231 00:25:01,838 --> 00:25:07,838 (半次郎)結局 一度も この着物に 袖を通すことなく 死んだ。 232 00:25:11,848 --> 00:25:15,852 (半次郎)人は 変わらぬものよ。➡ 233 00:25:15,852 --> 00:25:21,858 必ず 拙者が 越後屋の首を 縦に 振らせてやる。 234 00:25:21,858 --> 00:25:24,858 (ヤエ)ありがとうございます。 235 00:27:04,828 --> 00:27:07,831 (手代)大丈夫ですか? 旦那さま。 236 00:27:07,831 --> 00:27:09,831 (仁左衛門)大丈夫 大丈夫。 237 00:27:14,838 --> 00:27:21,845 (仁左衛門)シズ。 新しい お告げ あったか? 238 00:27:21,845 --> 00:27:35,792 ♬~ 239 00:27:35,792 --> 00:27:40,797 (仁左衛門)越後屋。 侍に 斬り殺される。➡ 240 00:27:40,797 --> 00:27:45,802 わしが? ホンマか? 241 00:27:45,802 --> 00:27:48,805 ホンマに 起こるんか? 242 00:27:48,805 --> 00:27:50,807 ≪(番頭)旦那さま。➡ 243 00:27:50,807 --> 00:27:54,811 旦那さま。 お客さまが。 (仁左衛門)後にしてもらえ。 244 00:27:54,811 --> 00:27:56,811 (番頭)それが…。 245 00:28:03,820 --> 00:28:05,822 (仁左衛門)話は 分かった。 246 00:28:05,822 --> 00:28:11,828 そやけど 今までの3倍っちゅうのは ちと 法外すぎやせんか? 247 00:28:11,828 --> 00:28:13,830 (半次郎)言ったはずだ。➡ 248 00:28:13,830 --> 00:28:18,835 お主が 妹にした仕打ちは 絶対に 忘れぬと。➡ 249 00:28:18,835 --> 00:28:22,839 もし シズ親子を 粗略に 扱うようなことが あれば➡ 250 00:28:22,839 --> 00:28:25,842 今度という 今度は 絶対に 許さぬぞ! 251 00:28:25,842 --> 00:28:27,844 (仁左衛門)分かった。 252 00:28:27,844 --> 00:28:31,848 そちらの言い分 のまさせていただきます。 253 00:28:31,848 --> 00:28:33,848 ねっ。 254 00:28:39,789 --> 00:28:42,792 (半次郎)元気だったか?➡ 255 00:28:42,792 --> 00:28:46,792 あのときの花 大切に 持っておるぞ。 256 00:28:48,798 --> 00:28:50,798 (半次郎)ほら。 257 00:28:59,809 --> 00:29:01,809 どうした? 258 00:29:09,819 --> 00:29:12,819 何か 言いたいことが あるのか? 259 00:29:15,825 --> 00:29:20,825 (シズ)人を 斬るのね? 260 00:29:27,837 --> 00:29:30,840 おなかの子も 殺そうとするの? 261 00:29:30,840 --> 00:29:33,840 おい。 どういう意味だ? 262 00:29:36,780 --> 00:29:41,785 (半次郎)拙者が 人を斬る? なぜ そのようなことを。 263 00:29:41,785 --> 00:29:45,785 それに 拙者が お主の腹の子を 殺すなど…。 264 00:29:51,795 --> 00:29:53,795 おい。 シズ。 265 00:29:55,799 --> 00:29:57,799 (女性)では ごゆっくり。 266 00:30:04,808 --> 00:30:07,811 ≪(男性)いいんですか?➡ 267 00:30:07,811 --> 00:30:13,811 天下の 越後屋の旦那が そんなことを 依頼して。 268 00:30:18,822 --> 00:30:24,828 このままやったら 私は やつに 確実に殺される。 269 00:30:24,828 --> 00:30:29,833 殺される前に こっちが 先に やるしかないやろ。 270 00:30:29,833 --> 00:30:35,772 ≪(男性)しかし 安くは ないですよ。 271 00:30:35,772 --> 00:30:49,786 ♬~ 272 00:30:49,786 --> 00:30:55,786 これは 前金や。 残りは 仕事が 終わった後で。 273 00:30:58,795 --> 00:31:00,797 (男性)いいでしょう。➡ 274 00:31:00,797 --> 00:31:05,797 で 誰を消せば いいんです? 275 00:31:21,818 --> 00:31:28,825 ♬~ 276 00:31:28,825 --> 00:31:30,827 (半次郎)何者だ? 277 00:31:30,827 --> 00:31:46,843 ♬~ 278 00:31:46,843 --> 00:32:01,858 ♬~ 279 00:32:01,858 --> 00:32:16,873 ♬~ 280 00:32:16,873 --> 00:32:31,888 ♬~ 281 00:32:31,888 --> 00:32:37,888 ♬~ 282 00:34:54,797 --> 00:35:00,803 (唱える声) 283 00:35:00,803 --> 00:35:03,806 (半次郎)ヤエ殿。 ここに おったか? 捜したぞ。 284 00:35:03,806 --> 00:35:06,809 (ヤエ)お侍さま。 どうされたんです?➡ 285 00:35:06,809 --> 00:35:08,811 その おケガは。 286 00:35:08,811 --> 00:35:11,814 (半次郎)ついさっき 拙者は 何者かに襲われ➡ 287 00:35:11,814 --> 00:35:13,816 やむなく その者を斬った。 (ヤエ)えっ!? 288 00:35:13,816 --> 00:35:15,818 (半次郎)だが なぜだ? なぜ シズは➡ 289 00:35:15,818 --> 00:35:18,821 拙者が 誰かを斬ることを 知っていたのだ?➡ 290 00:35:18,821 --> 00:35:22,825 あの娘は いったい 何なのだ? 291 00:35:22,825 --> 00:35:24,825 答えろ! 292 00:35:26,829 --> 00:35:30,833 (空元)シズは➡ 293 00:35:30,833 --> 00:35:36,773 お告げを伝える みこに すぎません。➡ 294 00:35:36,773 --> 00:35:38,775 シズの腹の中にいる子が➡ 295 00:35:38,775 --> 00:35:41,778 これから 起こるであろう 凶事を 知らせるのです。 296 00:35:41,778 --> 00:35:45,782 腹の子が? まさか。 297 00:35:45,782 --> 00:35:49,786 (空元)嘘では ありません。 なぜなら シズが宿したのは➡ 298 00:35:49,786 --> 00:35:55,792 人ではない。 件なのです。 299 00:35:55,792 --> 00:35:58,795 (半次郎)人の頭を持った 牛の怪物のことか。 300 00:35:58,795 --> 00:36:03,800 なぜ そのようなことに? (空元)全ては み仏の おぼしめし。 301 00:36:03,800 --> 00:36:08,805 (空元)この世の 恵まれぬ者たちを 救うため➡ 302 00:36:08,805 --> 00:36:10,807 件は 遣わされたのです。 303 00:36:10,807 --> 00:36:13,810 (半次郎)では 越後屋が 大もうけしているのも? 304 00:36:13,810 --> 00:36:18,815 (空元)さよう。 件の力によるものです。➡ 305 00:36:18,815 --> 00:36:25,822 しかし 物事に 裏と表が あるように➡ 306 00:36:25,822 --> 00:36:29,826 件の お告げにも 恐ろしい 一面が ございます。 307 00:36:29,826 --> 00:36:31,828 どういう意味だ? 308 00:36:31,828 --> 00:36:35,765 (空元)お告げを 受け取った者は 一度 受け取るごとに➡ 309 00:36:35,765 --> 00:36:40,770 100日ずつ 寿命が 削られていくのです。 310 00:36:40,770 --> 00:36:44,774 何と!? そのことを 越後屋は? 311 00:36:44,774 --> 00:36:48,778 もちろん 承知のはず。 そうだな? ヤエ。 312 00:36:48,778 --> 00:36:52,782 (ヤエ)はっ!? (空元)どうした? まさか!? 313 00:36:52,782 --> 00:36:56,786 申し訳ありません。 言いそびれておりました。 314 00:36:56,786 --> 00:36:59,789 (空元)何ということだ。 奉公に上がる前に➡ 315 00:36:59,789 --> 00:37:01,791 必ず その話は伝えるように 言っておいたのに。 316 00:37:01,791 --> 00:37:04,794 (ヤエ)申し訳ありません。 (半次郎)いくぞ。➡ 317 00:37:04,794 --> 00:37:08,798 手遅れにならぬうちに 寿命のことを 知らせねば。 318 00:37:08,798 --> 00:37:11,801 この アホ!➡ 319 00:37:11,801 --> 00:37:14,804 仕留め損なったって どういうこっちゃ? 320 00:37:14,804 --> 00:37:18,808 (男性)申し訳ござりませぬ。 (せき) 321 00:37:18,808 --> 00:37:23,813 (半次郎)越後屋。 お主に 話がある。 322 00:37:23,813 --> 00:37:26,816 この者は? (仁左衛門)やれ。➡ 323 00:37:26,816 --> 00:37:29,819 殺せ。 殺してしまえ! (半次郎)待て。 拙者の話を聞け。 324 00:37:29,819 --> 00:37:31,821 (仁左衛門)殺せ! 325 00:37:31,821 --> 00:37:43,766 ♬~ 326 00:37:43,766 --> 00:37:45,768 (ヤエ)シズ! 327 00:37:45,768 --> 00:37:48,771 (ヤエ)シズ。 シズ。 328 00:37:48,771 --> 00:38:00,783 ♬~ 329 00:38:00,783 --> 00:38:02,785 (仁左衛門)何してんねん。 いけ! 330 00:38:02,785 --> 00:38:16,799 ♬~ 331 00:38:16,799 --> 00:38:24,807 ♬~ 332 00:38:24,807 --> 00:38:27,807 (仁左衛門)お告げを。 333 00:38:29,812 --> 00:38:34,750 (仁左衛門)お告げを 取り消して…。 334 00:38:34,750 --> 00:38:36,750 (仁左衛門)取り消してくれ。 335 00:38:44,760 --> 00:38:47,763 (半次郎)お告げが 的中したと いうことか。 336 00:38:47,763 --> 00:38:52,768 (空元)わしは 誤った。 シズの力があれば➡ 337 00:38:52,768 --> 00:38:54,770 恵まれぬ者を 救えると 思っていたが➡ 338 00:38:54,770 --> 00:38:58,774 時に お告げは 思わぬ不幸を もたらす。➡ 339 00:38:58,774 --> 00:39:01,777 件は 人が扱えるような 代物ではない。 340 00:39:01,777 --> 00:39:03,779 (半次郎)ならば どうする? (空元)シズを。➡ 341 00:39:03,779 --> 00:39:07,783 件を 人の目に 触れぬ場所に 幽閉するしか。 342 00:39:07,783 --> 00:39:10,786 (半次郎)駄目だ。 件が この世にある限り➡ 343 00:39:10,786 --> 00:39:13,789 また いつか 同じことが 繰り返されるとも 限らん。 344 00:39:13,789 --> 00:39:16,792 (空元)では? 345 00:39:16,792 --> 00:39:18,794 殺すしかない。 346 00:39:18,794 --> 00:39:20,796 (ヤエ)お侍さん。 (半次郎)だが どうする?➡ 347 00:39:20,796 --> 00:39:22,798 どうやって 身ごもった シズを 傷つけずに➡ 348 00:39:22,798 --> 00:39:25,801 おなかの子だけを 殺すのだ? 349 00:39:25,801 --> 00:39:29,805 (空元)しかたがない。 地獄へ 落ちることになろうが➡ 350 00:39:29,805 --> 00:39:34,744 わしが 全てを背負って 鬼となろう。 シズ。 誠に すまん。 351 00:39:34,744 --> 00:39:38,748 (ヤエ)冗談じゃない。 そんなこと させるもんか。 352 00:39:38,748 --> 00:39:40,750 シズは 私の娘だよ。 (空元)分かってくれ。 ヤエ。 353 00:39:40,750 --> 00:39:43,753 夫を ならず者に殺され 苦しんできた この子を➡ 354 00:39:43,753 --> 00:39:46,753 哀れと 思わないのかい? (シズ)違う。 355 00:39:48,758 --> 00:39:51,758 あの人は おっ母。 あんたに 殺されたんだ。 356 00:41:25,805 --> 00:41:29,825 あの人は おっ母。 あんたに 殺されたんだ。 357 00:41:29,825 --> 00:41:32,828 (空元)何だと? (ヤエ)シズ。 何 言ってんだい。➡ 358 00:41:32,828 --> 00:41:36,832 おかしなこと 言わないでおくれ。 359 00:41:36,832 --> 00:41:39,835 (シズ)おっ母は 私の おなかの子を➡ 360 00:41:39,835 --> 00:41:42,838 件にしたいと 迫ってきた。 (半次郎)誠か? 361 00:41:42,838 --> 00:41:46,842 夫が断ったら 包丁を出して いきなり 切りつけてきた。 362 00:41:46,842 --> 00:41:49,842 (夫)《シズ!》 363 00:41:55,851 --> 00:41:57,853 (夫)《シズ…》 364 00:41:57,853 --> 00:42:11,867 ♬~ 365 00:42:11,867 --> 00:42:16,872 ♬~ 366 00:42:16,872 --> 00:42:19,875 (ヤエ)《シズ。 シズ》 367 00:42:19,875 --> 00:42:31,887 ♬~ 368 00:42:31,887 --> 00:42:41,831 ♬~ 369 00:42:41,831 --> 00:42:51,841 (唱える声) 370 00:42:51,841 --> 00:43:01,841 ♬~ 371 00:43:04,854 --> 00:43:07,857 (うなり声) 372 00:43:07,857 --> 00:43:10,860 (絶叫) 373 00:43:10,860 --> 00:43:16,860 おっ母が おなかの子を 化け物に。 おっ母は 鬼だ! 374 00:43:25,875 --> 00:43:29,875 (半次郎)シズ! (空元)何ということを! 375 00:43:37,820 --> 00:43:40,823 永遠に救われぬ さだめよ。 376 00:43:40,823 --> 00:43:50,833 ♬~ 377 00:43:50,833 --> 00:43:54,837 (空元)己の娘を その手で あやめるとは。 378 00:43:54,837 --> 00:44:00,843 (半次郎)なぜだ? シズは 実の娘であろう。➡ 379 00:44:00,843 --> 00:44:03,846 なぜ そのような 仕打ちを? 380 00:44:03,846 --> 00:44:07,846 (ヤエ)わ… 私 何てことを。 381 00:44:14,857 --> 00:44:23,866 (ヤエ)許して。 許して。 ごめんよ。 ごめんよ。➡ 382 00:44:23,866 --> 00:44:28,871 貧乏が 悪いんだ。 私も お前も おなかの子も➡ 383 00:44:28,871 --> 00:44:30,873 金がないと 暮らしていけなかった。 384 00:44:30,873 --> 00:44:32,808 (半次郎)金? (ヤエ)だから➡ 385 00:44:32,808 --> 00:44:40,808 件の書物を 手に入れて 件を この手で つくってしまった。 386 00:44:51,827 --> 00:44:54,830 (ヤエ)お許しください。 お許しください。➡ 387 00:44:54,830 --> 00:45:00,836 お許しください。 お許しください。 お許しください。 お許しください。 388 00:45:00,836 --> 00:45:05,841 (ヤエ)お許しください。 お許しください。 お許しください。 389 00:45:05,841 --> 00:45:13,849 (空元)ヤエ。 もう よい。 お主も 被害者だ。➡ 390 00:45:13,849 --> 00:45:18,849 このように すさんだ世が 悪いのだ。 全てはな…。 391 00:45:30,866 --> 00:45:34,803 お告げに 夢中になっていた 越後屋は➡ 392 00:45:34,803 --> 00:45:37,806 遠からず 寿命を削って 死ぬはずだった。 393 00:45:37,806 --> 00:45:40,809 そうなりゃ あるじの いない店なんぞ➡ 394 00:45:40,809 --> 00:45:43,812 乗っ取るのは 朝飯前さ。 395 00:45:43,812 --> 00:45:49,818 ところが あんたたちが 変な義侠心に 目覚めちまうから。 396 00:45:49,818 --> 00:45:53,822 あーあ。 どっかで 若い娘でも さらってきて➡ 397 00:45:53,822 --> 00:45:56,822 また やり直すしかないね。 (空元)貴様…。 398 00:45:58,827 --> 00:46:03,827 (ヤエ)地獄へ落ちな。 くそ坊主。 399 00:46:11,840 --> 00:46:16,840 この恨み 決して 許さぬぞ。 400 00:46:20,849 --> 00:46:31,860 ♬~ 401 00:46:31,860 --> 00:46:40,803 ♬~ 402 00:46:40,803 --> 00:46:48,803 いくら 鬼のような女でも シズの母親は 斬れん。 403 00:46:56,819 --> 00:47:09,832 ♬~ 404 00:47:09,832 --> 00:47:13,836 [シズが 跡形もなく 消え去った後➡ 405 00:47:13,836 --> 00:47:20,836 時折 不吉な凶事を 記した紙が 道端で 見つかるようになった] 406 00:47:26,849 --> 00:47:33,789 [それを拾った者は 寿命が 100日 減る] 407 00:47:33,789 --> 00:47:36,792 [そんな噂を 人々は 耳にした] 408 00:47:36,792 --> 00:47:38,792 (男性)お告げ? 409 00:47:43,799 --> 00:47:48,804 [件が 寿命を集めているのだ] 410 00:47:48,804 --> 00:47:54,810 [いつか この世に 生まれてくるために] 411 00:47:54,810 --> 00:48:06,822 ♬~ 412 00:48:06,822 --> 00:48:22,822 ♬~ 413 00:48:44,793 --> 00:48:51,800 (詩弦)何だか 奇妙な夢を 見ていたわ。 414 00:48:51,800 --> 00:48:56,805 (礼)君が 見ていたのは 夢じゃない。 415 00:48:56,805 --> 00:49:03,812 (詩弦) だとしたら 私が見たのは…。 416 00:49:03,812 --> 00:49:07,816 (礼)君の前世だ。 417 00:49:07,816 --> 00:49:11,820 今 君が 苦しんでいるのは➡ 418 00:49:11,820 --> 00:49:15,820 そのときに 背負った 罪のせいだよ。 419 00:49:19,828 --> 00:49:23,828 私の前世…。 420 00:49:30,839 --> 00:49:36,779 《この恨み 決して 許さぬぞ》 421 00:49:36,779 --> 00:49:50,826 ♬~ 422 00:49:50,826 --> 00:49:54,826 (シズ) 《永遠に救われぬ さだめよ》 423 00:50:00,836 --> 00:50:03,839 私が ヤエだった? 424 00:50:03,839 --> 00:50:06,839 (礼)やっと 気付いたようだね。 425 00:50:08,844 --> 00:50:12,848 だから お父さん あんなこと。 426 00:50:12,848 --> 00:50:15,851 (蔵之介)《お前のせいだ。 絶対 許さない》➡ 427 00:50:15,851 --> 00:50:21,851 《お前が 生まれたせいだ…》 428 00:50:30,866 --> 00:50:37,806 (礼)君は 自分の娘である シズを 苦しめた。 429 00:50:37,806 --> 00:50:41,806 今世で 罪を償うといい。 430 00:50:45,814 --> 00:50:51,820 (礼)さあ そろそろ 戻ろう。 431 00:50:51,820 --> 00:50:54,823 戻るって どこに? 432 00:50:54,823 --> 00:51:02,823 地上へ。 まだ 君の苦しみは 終わってない。 433 00:51:11,840 --> 00:51:15,840 (勇介)詩弦! 詩弦! 434 00:51:18,847 --> 00:51:20,847 (勇介)詩弦! 435 00:51:23,852 --> 00:51:25,852 (勇介)大丈夫か? 436 00:51:31,860 --> 00:51:36,865 私…。 私…。 437 00:51:36,865 --> 00:51:39,865 嫌っ!