1 00:00:14,515 --> 00:00:17,451 (仁左衛門) その女を 奉公にやと? 2 00:00:17,518 --> 00:00:20,454 (ヤエ) お願いします。→ 3 00:00:20,521 --> 00:00:26,460 私も 娘の シズも 行く当てが ないんです。→ 4 00:00:26,527 --> 00:00:32,466 越後屋さんは 貧しい者にも お優しいと 聞きました。→ 5 00:00:32,533 --> 00:00:34,468 どんな仕事でも します。→ 6 00:00:34,535 --> 00:00:36,470 私たちを ここで 働かせてください。 7 00:00:36,537 --> 00:00:39,540 (仁左衛門) しかしなぁ。 (ヤエ) お願いします。 8 00:00:42,543 --> 00:00:46,480 {\an8}(仁左衛門) その娘 心 病んでるんと 違うんか?→ 9 00:00:46,547 --> 00:00:53,487 {\an8}それに 身重では 奉公したとして 何が できるっちゅうんや? 10 00:00:53,554 --> 00:00:56,557 {\an8}(ヤエ) シズや。 あれを。 あれ。 11 00:00:58,559 --> 00:01:02,430 {\an8}(ヤエ) どうぞ これを。 (仁左衛門) うん? これは? 12 00:01:02,496 --> 00:01:05,499 {\an8}(ヤエ) いいから ご覧ください。 13 00:01:08,502 --> 00:01:12,440 (仁左衛門) 船頭 落水し 溺れ死ぬ。 14 00:01:12,506 --> 00:01:18,446 {\an8}(仁左衛門) その娘が 書いたんか? どういう意味や? 15 00:01:18,512 --> 00:01:23,451 {\an8}(ヤエ) お告げです。 (仁左衛門) お告げ? 16 00:01:23,517 --> 00:01:27,455 {\an8}(ヤエ) シズには 先の世で 起こる 凶事が 分かるんです。→ 17 00:01:27,521 --> 00:01:36,464 {\an8}この子の力は 必ずや 旦那さまの 役に立つと 思いますが。 18 00:01:36,530 --> 00:01:42,470 {\an8}(仁左衛門) ハハハ。 そんなこと あるわけ ないやろ。→ 19 00:01:42,536 --> 00:01:46,540 {\an8}アホなことも 休み休み 言いや。 20 00:01:46,540 --> 00:02:09,497 ♪~ 21 00:02:41,529 --> 00:02:44,465 (ざわめき) 22 00:02:44,532 --> 00:02:47,468 (仁左衛門) おい。 何の騒ぎや? 23 00:02:47,535 --> 00:02:49,470 (男性) どざえもんでんがな。→ 24 00:02:49,537 --> 00:02:54,475 船宿の若衆が 酒に酔うて お堀に 落ちたらしい。 25 00:02:54,542 --> 00:02:57,478 (男性) ホンマに 船頭が 溺れ死ぬて。→ 26 00:02:57,545 --> 00:03:01,482 しゃれにも ならんがな。 (男性) ほな 運ぼか。 27 00:03:10,491 --> 00:03:18,499 ♪~ 28 00:03:18,499 --> 00:03:21,435 (ヤエ) ホントに 私たちを。→ 29 00:03:21,502 --> 00:03:23,437 この子を 雇ってくださるんですか? 30 00:03:23,504 --> 00:03:26,440 (仁左衛門) ああ。 ただ その前に→ 31 00:03:26,507 --> 00:03:28,442 一つ 聞いておきたいことが あるんや。 32 00:03:28,509 --> 00:03:31,445 (ヤエ) はい。 何でしょう? 33 00:03:31,512 --> 00:03:34,448 (仁左衛門) その娘の 不思議な力っちゅうのは→ 34 00:03:34,515 --> 00:03:38,452 いつからや? (ヤエ) ああ。→ 35 00:03:38,519 --> 00:03:44,458 おなかの子の父親を。 シズの夫を 亡くしてからです。 36 00:03:44,525 --> 00:03:46,460 (仁左衛門) 何が あったんや? 37 00:03:46,527 --> 00:03:49,463 (ヤエ) 夫婦で 芝居見物に 出掛けた 帰り→ 38 00:03:49,530 --> 00:03:54,468 人けのない道で 何者かに 襲われまして。→ 39 00:03:54,535 --> 00:03:59,473 よほど 恐ろしかったので ございましょう。→ 40 00:03:59,540 --> 00:04:02,409 それ以来 すっかり 心を 閉ざしてしまいました。 41 00:04:02,476 --> 00:04:06,413 (仁左衛門) なるほどなぁ。 心 病んでしもうた 代わりに→ 42 00:04:06,480 --> 00:04:09,416 不思議な力を 授かったっちゅうことか。→ 43 00:04:09,483 --> 00:04:14,421 かわいそうに。 そうか。→ 44 00:04:14,488 --> 00:04:20,427 シズ。 ここをな わが家のように 思うて→ 45 00:04:20,494 --> 00:04:23,430 心 安らかに 過ごすんやで。 46 00:04:23,497 --> 00:04:27,501 (ヤエ) ありがとうございます。 (仁左衛門) かめへん かめへん。 47 00:04:47,521 --> 00:04:51,525 (仁左衛門) ほな 留守 頼んだで。 (番頭) 承知いたしました。 48 00:04:57,531 --> 00:04:59,533 傘が どないしたんや? 49 00:04:59,533 --> 00:05:20,487 ♪~ 50 00:05:20,487 --> 00:05:25,426 傘や。 傘 あるだけ 店先に並べろ。 51 00:05:25,492 --> 00:05:28,429 (番頭) ですが とても 降りだすとは。 52 00:05:28,495 --> 00:05:31,432 (雷鳴) 53 00:05:31,498 --> 00:05:34,501 急げ。 (番頭) はい。 54 00:05:40,507 --> 00:05:44,511 シズ。 おおきにやで。 55 00:05:52,519 --> 00:05:55,456 (男性) 雨だ 雨。 参った 参った。 56 00:05:55,522 --> 00:05:59,460 (男性) 傘 ねえか? (番頭) 旦那。 こちらで。 57 00:05:59,526 --> 00:06:03,464 (番頭) 押すな 押すな。 順番! 58 00:06:05,466 --> 00:06:09,403 (番頭) こら! 持ってくなよ。 59 00:06:09,470 --> 00:06:13,474 (仁左衛門) そない。 そない 急がんで かまへんがな。 60 00:06:13,474 --> 00:06:30,491 ♪~ 61 00:06:30,491 --> 00:06:40,501 (シズ) そう。 火が出るの? 怖いわね。 62 00:06:40,501 --> 00:06:54,515 ♪~ 63 00:06:54,515 --> 00:06:56,517 (鐘の音) 64 00:07:01,455 --> 00:07:05,459 (男性) 火事や! 逃げろ 逃げ…。 65 00:07:09,463 --> 00:07:11,398 (手代) やけどに効く 軟こう あるよ。 はいはいはい。→ 66 00:07:11,465 --> 00:07:16,470 やけどに効く 軟こうだよ! 並んで 並んで。 並んで 並んで。 67 00:07:16,470 --> 00:07:28,482 ♪~ 68 00:07:28,482 --> 00:07:36,490 (シズ) お船が? まあ それは 大変。 69 00:07:42,496 --> 00:07:45,432 (番頭) 旦那さま! 旦那さま。→ 70 00:07:45,499 --> 00:07:49,436 塩を積んだ 播磨の船が 岩にぶつかって 沈んだそうです。 71 00:07:49,503 --> 00:07:53,440 言うたとおり なったやろ。 買い占めてた塩 売れ。 72 00:07:53,507 --> 00:07:56,443 多少 値 高くしても 絶対に 売れる。 73 00:07:56,510 --> 00:08:00,447 売って 売って 売りまくれ。 (番頭) はい! 74 00:08:00,514 --> 00:08:04,384 (仁左衛門) 皆さん。 そんな 押さんでも 大丈夫でっせ。→ 75 00:08:04,451 --> 00:08:06,386 ほらほら。 ほらほら。 うんうん。→ 76 00:08:06,453 --> 00:08:09,456 塩やったら 売るほど ありますんで。 77 00:08:13,460 --> 00:08:15,462 また よろしく どうぞ。 78 00:08:20,467 --> 00:08:24,404 (仁左衛門) おお。 ええがな ええがな。 これ。 79 00:08:24,471 --> 00:08:27,407 (ヤエ) こんな 立派な着物を。 80 00:08:27,474 --> 00:08:31,411 (仁左衛門) 遠慮せんで ええて。 これも シズの おかげや。 81 00:08:31,478 --> 00:08:36,416 (ヤエ) 私にまで。 ホントに ありがとうございます。 82 00:08:36,483 --> 00:08:39,419 (仁左衛門) ええ ええ。 かめへん かめへん。 83 00:08:39,486 --> 00:08:43,423 なあ? シズ。 何か 欲しいもん あるんやったら→ 84 00:08:43,490 --> 00:08:46,493 遠慮のう 言うんやで。 なっ? 85 00:08:54,501 --> 00:08:57,504 (仁左衛門) ほな また どうぞ ごひいきに。 86 00:09:02,442 --> 00:09:05,379 (半次郎) ずいぶんと 繁盛しているようだな。 87 00:09:05,445 --> 00:09:08,382 (仁左衛門) おかげさまで。 88 00:09:08,448 --> 00:09:11,451 (半次郎) 拙者は 決して 忘れぬからな。 89 00:09:28,468 --> 00:09:30,404 咲? 90 00:09:30,470 --> 00:09:34,408 \(ヤエ) 失礼します。 お茶を お持ちしました。 91 00:09:34,474 --> 00:09:39,479 (仁左衛門) ああ。 入れ。 うん。 92 00:09:48,488 --> 00:09:50,490 (仁左衛門) おおきに おおきに。 93 00:09:53,493 --> 00:09:55,429 (ヤエ) どうぞ。 94 00:09:55,495 --> 00:09:57,431 (仁左衛門) ヤエ。 ヤエ。 ヤエ。 ヤエ。 95 00:09:57,497 --> 00:10:00,434 (ヤエ) はい。 (仁左衛門) あんな→ 96 00:10:00,500 --> 00:10:05,439 シズのことなんやけどな。 (ヤエ) あの子が 何か? 97 00:10:05,505 --> 00:10:07,441 (仁左衛門) シズはな どないして→ 98 00:10:07,507 --> 00:10:11,445 これから 起こる災厄を 知ることが できるんや?→ 99 00:10:11,511 --> 00:10:15,515 まさか 神仏の声でも 聞こえるんとちゃうやろな? 100 00:10:17,517 --> 00:10:23,457 (ヤエ) おなかの子が。 シズの腹の中にいる 赤ん坊が→ 101 00:10:23,523 --> 00:10:26,460 これから起こる 凶事を 教えてくれているのです。 102 00:10:26,526 --> 00:10:30,464 (仁左衛門) えっ。 おなかの子が? 103 00:10:30,530 --> 00:10:33,467 (シズ)《火が出るの?》 104 00:10:33,533 --> 00:10:35,469 (シズ)《お船が?》 105 00:10:35,535 --> 00:10:40,474 (ヤエ) もちろん その声は シズにしか 聞こえません。 106 00:10:40,540 --> 00:10:47,481 お告げは シズを通して おなかの子が 伝えているのです。 107 00:10:47,547 --> 00:10:51,485 で 子は いつ 生まれるんや? 108 00:10:51,551 --> 00:10:53,487 分かりません。 109 00:10:53,553 --> 00:10:57,491 すでに 十月十日は 過ぎているのですけど→ 110 00:10:57,557 --> 00:11:01,428 一向に 生まれる気配がなくて。 111 00:11:01,495 --> 00:11:04,431 そんなこと あり得るんか? (ヤエ) ええ。 ですから 私も→ 112 00:11:04,498 --> 00:11:07,434 有名な お坊さまに 色々と 相談しているのです。 113 00:11:07,501 --> 00:11:12,439 ああ。 空元のことやな。 (ヤエ) ご存じでしたか? 114 00:11:12,506 --> 00:11:16,443 ほんで 空元は 何やと? (ヤエ) それが…。 115 00:11:16,510 --> 00:11:19,446 (手代) 旦那さま! (仁左衛門) 何や? 116 00:11:19,513 --> 00:11:24,451 (手代) あの娘が 見当たりません。 (ヤエ) シズが!? 117 00:11:24,518 --> 00:11:28,522 (男性) よう。 姉ちゃん。 俺たちと 遊んでかねえか? 118 00:11:33,527 --> 00:11:37,464 (男性) せっかく 誘ってやってんだい。 何とか言えよ。 119 00:11:37,531 --> 00:11:40,467 (男性) カワイイ顔 してんじゃねえか。 120 00:11:40,534 --> 00:11:43,470 たっぷりと かわいがってやるからよ。 121 00:11:43,537 --> 00:11:45,472 \(半次郎) やめんか! 122 00:11:45,539 --> 00:11:47,474 (男性) 何だ? お前。 123 00:11:47,541 --> 00:11:49,476 (半次郎) その娘は 嫌がっておろう。 124 00:11:49,543 --> 00:11:52,546 (男性) うるせえ。 カッコつけてんじゃねえ。 125 00:11:59,553 --> 00:12:01,488 (男性) 野郎。 126 00:12:09,496 --> 00:12:12,499 まだ やるか? 127 00:12:15,502 --> 00:12:19,506 (男性) チクショー。 覚えてやがれ! 128 00:12:24,511 --> 00:12:28,515 (半次郎) 大丈夫か? ケガは ないか? 129 00:12:35,522 --> 00:12:38,458 (半次郎) 身重の体で あまり 出歩くでない。→ 130 00:12:38,525 --> 00:12:41,528 おなかの子に 何かあったら どうする? 131 00:12:47,534 --> 00:12:50,537 お主 名は? 132 00:12:57,544 --> 00:12:59,546 (半次郎) 拙者に? 133 00:13:03,483 --> 00:13:06,419 (半次郎) かたじけない。 134 00:13:06,486 --> 00:13:09,422 \(ヤエ) シズ! 135 00:13:09,489 --> 00:13:13,493 (ヤエ) 駄目じゃないか。 黙って 出てったりしちゃ。 136 00:13:15,495 --> 00:13:18,431 この人は?→ 137 00:13:18,498 --> 00:13:21,434 まさか うちの娘に 妙な まねを。 138 00:13:21,501 --> 00:13:23,436 (半次郎) バカなことを 申すな。→ 139 00:13:23,503 --> 00:13:27,440 拙者は この娘が 絡まれていたのを 助けただけだ。 140 00:13:27,507 --> 00:13:30,443 (ヤエ) そうだったんですか。 それは 失礼しました。→ 141 00:13:30,510 --> 00:13:36,449 さあ シズ。 帰るよ。 みんな 心配してるからね。→ 142 00:13:36,516 --> 00:13:39,519 さっ。 うん。 よかった よかった。 143 00:13:45,525 --> 00:13:47,527 シズか。 144 00:13:49,529 --> 00:14:05,478 (唱える声) 145 00:14:11,651 --> 00:14:20,660 (苦しむ声) 146 00:14:31,671 --> 00:14:33,673 《シズ…》 147 00:14:37,677 --> 00:14:41,615 (シズ)《あなた。 嫌!》 148 00:14:41,681 --> 00:14:43,683 (悲鳴) 149 00:14:47,687 --> 00:14:49,689 (ヤエ) シズ。 150 00:14:51,691 --> 00:14:54,694 (シズ) おっ母。 (ヤエ) 何だい? 151 00:14:57,697 --> 00:15:02,636 (シズ) 殺して。 私を殺して。 152 00:15:02,702 --> 00:15:06,573 (ヤエ) 何 バカなこと 言ってんだい。→ 153 00:15:06,640 --> 00:15:09,576 どんなに 苦しくても つらくても→ 154 00:15:09,643 --> 00:15:14,581 人は 生きていかなくちゃ ならないんだよ。→ 155 00:15:14,648 --> 00:15:17,584 今は つらいけど 苦しんだ分→ 156 00:15:17,651 --> 00:15:25,659 そのうち 必ず いいことがある。 だから 頑張るんだよ。 157 00:15:46,513 --> 00:15:52,452 (空元) 見よ。 シズの お告げで 災厄を逃れた人たちだ。→ 158 00:15:52,519 --> 00:15:55,455 お主と シズには つらいことばかりで あろうが→ 159 00:15:55,522 --> 00:15:59,459 おかげで ああして 救われた命がある。→ 160 00:15:59,526 --> 00:16:01,461 あの人たちに代わって 礼を言うぞ。 161 00:16:01,528 --> 00:16:04,397 (ヤエ) ああ。 そんな。→ 162 00:16:04,464 --> 00:16:07,400 私と シズが 生きながらえていられるのは→ 163 00:16:07,467 --> 00:16:10,403 空元さまの おかげです。 164 00:16:10,470 --> 00:16:14,407 (空元) どうした? 顔色が よくないぞ。→ 165 00:16:14,474 --> 00:16:16,409 何か 気掛かりなことでも? 166 00:16:16,476 --> 00:16:21,414 実は シズのことなんですが。 167 00:16:21,481 --> 00:16:25,418 日ごと 元気もなくしていくようで 心配で なりません。 168 00:16:25,485 --> 00:16:29,422 空元さま。 やはり 件が? 169 00:16:29,489 --> 00:16:35,428 (空元) さよう。 シズの不可思議な力を 考えるに→ 170 00:16:35,495 --> 00:16:38,431 シズの腹にいるのは 件としか 考えられん。 171 00:16:38,498 --> 00:16:45,438 ですが 人の頭を持った 牛の怪物など→ 172 00:16:45,505 --> 00:16:50,443 ホントに そんなものが この世に 存在するのでしょうか? 173 00:16:50,510 --> 00:16:56,449 する。 わしは 件のことを 夢に見たのだ。→ 174 00:16:56,516 --> 00:17:01,454 件の寿命は 短く 生まれ落ちると→ 175 00:17:01,521 --> 00:17:04,391 不吉な お告げを残して すぐに 死んでしまう。→ 176 00:17:04,457 --> 00:17:10,397 おそらく シズの腹の中にいる 件は その死を避けるために→ 177 00:17:10,463 --> 00:17:13,400 いまだに 腹に とどまり続けているのであろう。 178 00:17:13,466 --> 00:17:15,402 なぜ そのようなことに? 179 00:17:15,468 --> 00:17:19,406 (空元) 全ては 仏の おぼしめしよ。→ 180 00:17:19,472 --> 00:17:23,410 シズの力があれば 多くの者たちを→ 181 00:17:23,476 --> 00:17:26,413 これから起こるであろう 災厄から 救える。→ 182 00:17:26,479 --> 00:17:32,419 シズには 気の毒だが わしには シズの宿す 件が→ 183 00:17:32,485 --> 00:17:37,424 救世のために 仏が遣わしたものとしか 思えん。 184 00:17:37,490 --> 00:17:42,429 確かに。 ですが…。 185 00:17:42,495 --> 00:17:46,433 どうした? (ヤエ) 越後屋です。 186 00:17:46,499 --> 00:17:49,436 もし 空元さまの 言うとおりでしたら→ 187 00:17:49,502 --> 00:17:55,442 越後屋は その 大切な仏の力を 私利私欲のため→ 188 00:17:55,508 --> 00:17:57,444 金もうけのためにしか 使おうとしません。 189 00:17:57,510 --> 00:18:02,449 愚かな男よ。 欲に惑わされて われを失うとは。 190 00:18:02,515 --> 00:18:09,456 しかも すずめの涙ほどの給金で こき使うんです。 191 00:18:09,522 --> 00:18:15,462 これでは あまりにも シズが ふびんで。 192 00:18:15,528 --> 00:18:18,465 (空元) よかれと 思って 越後屋を 紹介したのだが→ 193 00:18:18,531 --> 00:18:23,536 裏目に出たか。 わしに いい考えがある。 194 00:18:26,539 --> 00:18:30,477 (ヤエ) すみません。 中村 半次郎さまの お宅は? 195 00:18:30,543 --> 00:18:33,480 (女性) 中村。 ああ。 196 00:18:33,546 --> 00:18:36,483 お主は 確か…。 197 00:18:36,549 --> 00:18:42,489 ああ。 どうも。 その節は。 198 00:18:42,555 --> 00:18:45,492 (半次郎) そのような ひどい扱いを? 199 00:18:45,558 --> 00:18:47,494 (ヤエ) シズを 医者に見せたいから→ 200 00:18:47,560 --> 00:18:53,500 給金を 上げてくれと 申しても 一切 聞こうとは しません。→ 201 00:18:53,566 --> 00:18:58,505 それどころか 嫌なら 出ていけと。→ 202 00:18:58,571 --> 00:19:06,446 もし あの店を 追い出されたら 私も シズも 野垂れ死にです。→ 203 00:19:06,513 --> 00:19:14,454 まっ。 私は 年ですから 構いませんけど シズだけは…。 204 00:19:14,521 --> 00:19:19,459 (半次郎) 事情は 分かった。 拙者でよければ 力になろう。 205 00:19:19,526 --> 00:19:23,463 本当ですか? ああー。→ 206 00:19:23,530 --> 00:19:29,469 私たちのような者のために。 ありがとうございます。 207 00:19:29,536 --> 00:19:35,475 似ているのだ。 シズさんが 妹に。 208 00:19:35,542 --> 00:19:41,481 明るく 心根の優しい娘だった。 209 00:19:41,548 --> 00:19:47,487 しかし 今から 2年前。 妹は 不治の病に かかった。 210 00:19:47,554 --> 00:19:51,491 (ヤエ) まあ。 (半次郎) 幼少のころより 病弱で→ 211 00:19:51,558 --> 00:19:55,495 何一つ 若い娘らしいことが できなかった。 212 00:19:55,562 --> 00:19:58,498 妹を 哀れに思った 拙者は→ 213 00:19:58,565 --> 00:20:03,436 せめて 一度くらい いい思いを させてやりたいと→ 214 00:20:03,503 --> 00:20:08,441 越後屋に 着物を 仕立てさせた。 だが…。 215 00:20:08,508 --> 00:20:12,445 (半次郎)《売った?》 (仁左衛門)《すんませんな》→ 216 00:20:12,512 --> 00:20:15,448 《店の者が 勘違いしてしもうたようで》 217 00:20:15,515 --> 00:20:18,451 (半次郎)《すぐに 新しいものを 作り直せ》 218 00:20:18,518 --> 00:20:22,455 (仁左衛門)《着物が 必要というんであれば→ 219 00:20:22,522 --> 00:20:25,458 他の店 行ったら どないですか?》→ 220 00:20:25,525 --> 00:20:27,460 《そもそも この越後屋は→ 221 00:20:27,527 --> 00:20:32,465 あんたたちの身の丈に 合うてなかったんと 違いますか》 222 00:20:32,532 --> 00:20:34,534 (仁左衛門)《あっ》 223 00:20:36,536 --> 00:20:40,540 《わび料です。 遠慮のう 受け取ってください》 224 00:20:40,540 --> 00:21:03,496 ♪~ 225 00:21:03,496 --> 00:21:14,507 (咲)《ごめんなさい。 兄上。 私 もう…》 226 00:21:19,512 --> 00:21:24,517 《咲…。 咲!》 227 00:21:32,525 --> 00:21:38,531 (半次郎) 結局 一度も この着物に 袖を通すことなく 死んだ。 228 00:21:42,535 --> 00:21:46,472 (半次郎) 人は 変わらぬものよ。→ 229 00:21:46,539 --> 00:21:52,478 必ず 拙者が 越後屋の首を 縦に 振らせてやる。 230 00:21:52,545 --> 00:21:55,548 (ヤエ) ありがとうございます。 231 00:22:07,427 --> 00:22:10,363 (手代) 大丈夫ですか? 旦那さま。 232 00:22:10,430 --> 00:22:12,432 (仁左衛門) 大丈夫 大丈夫。 233 00:22:17,437 --> 00:22:24,444 (仁左衛門) シズ。 新しい お告げ あったか? 234 00:22:24,444 --> 00:22:38,391 ♪~ 235 00:22:38,391 --> 00:22:43,329 (仁左衛門) 越後屋。 侍に 斬り殺される。→ 236 00:22:43,396 --> 00:22:48,334 わしが? ホンマか? 237 00:22:48,401 --> 00:22:51,337 ホンマに 起こるんか? 238 00:22:51,404 --> 00:22:53,339 \(番頭) 旦那さま。→ 239 00:22:53,406 --> 00:22:57,343 旦那さま。 お客さまが。 (仁左衛門) 後にしてもらえ。 240 00:22:57,410 --> 00:22:59,412 (番頭) それが…。 241 00:23:06,419 --> 00:23:08,354 (仁左衛門) 話は 分かった。 242 00:23:08,421 --> 00:23:14,360 そやけど 今までの3倍っちゅうのは ちと 法外すぎやせんか? 243 00:23:14,427 --> 00:23:16,362 (半次郎) 言ったはずだ。→ 244 00:23:16,429 --> 00:23:21,367 お主が 妹にした仕打ちは 絶対に 忘れぬと。→ 245 00:23:21,434 --> 00:23:25,371 もし シズ親子を 粗略に 扱うようなことが あれば→ 246 00:23:25,438 --> 00:23:28,374 今度という 今度は 絶対に 許さぬぞ! 247 00:23:28,441 --> 00:23:30,376 (仁左衛門) 分かった。 248 00:23:30,443 --> 00:23:34,380 そちらの言い分 のまさせていただきます。 249 00:23:34,447 --> 00:23:36,382 ねっ。 250 00:23:42,388 --> 00:23:45,324 (半次郎) 元気だったか?→ 251 00:23:45,391 --> 00:23:49,395 あのときの花 大切に 持っておるぞ。 252 00:23:51,397 --> 00:23:53,399 (半次郎) ほら。 253 00:24:02,408 --> 00:24:04,410 どうした? 254 00:24:12,418 --> 00:24:15,421 何か 言いたいことが あるのか? 255 00:24:18,424 --> 00:24:23,429 (シズ) 人を 斬るのね? 256 00:24:30,436 --> 00:24:33,372 おなかの子も 殺そうとするの? 257 00:24:33,439 --> 00:24:36,375 おい。 どういう意味だ? 258 00:24:39,378 --> 00:24:44,317 (半次郎) 拙者が 人を斬る? なぜ そのようなことを。 259 00:24:44,383 --> 00:24:48,387 それに 拙者が お主の腹の子を 殺すなど…。 260 00:24:54,393 --> 00:24:56,395 おい。 シズ。 261 00:24:58,397 --> 00:25:00,399 (女性) では ごゆっくり。 262 00:25:07,406 --> 00:25:10,343 \(男性) いいんですか?→ 263 00:25:10,409 --> 00:25:16,415 天下の 越後屋の旦那が そんなことを 依頼して。 264 00:25:21,420 --> 00:25:27,360 このままやったら 私は やつに 確実に殺される。 265 00:25:27,426 --> 00:25:32,365 殺される前に こっちが 先に やるしかないやろ。 266 00:25:32,431 --> 00:25:38,371 \(男性) しかし 安くは ないですよ。 267 00:25:38,371 --> 00:25:52,385 ♪~ 268 00:25:52,385 --> 00:25:58,391 これは 前金や。 残りは 仕事が 終わった後で。 269 00:26:01,394 --> 00:26:03,329 (男性) いいでしょう。→ 270 00:26:03,396 --> 00:26:08,401 で 誰を消せば いいんです? 271 00:26:24,417 --> 00:26:31,424 ♪~ 272 00:26:31,424 --> 00:26:33,426 (半次郎) 何者だ? 273 00:26:33,426 --> 00:27:40,426 ♪~ 274 00:27:59,412 --> 00:28:05,351 (唱える声) 275 00:28:05,418 --> 00:28:08,354 (半次郎) ヤエ殿。 ここに おったか? 捜したぞ。 276 00:28:08,421 --> 00:28:11,357 (ヤエ) お侍さま。 どうされたんです?→ 277 00:28:11,424 --> 00:28:13,359 その おケガは。 278 00:28:13,426 --> 00:28:16,362 (半次郎) ついさっき 拙者は 何者かに襲われ→ 279 00:28:16,429 --> 00:28:18,364 やむなく その者を斬った。 (ヤエ) えっ!? 280 00:28:18,431 --> 00:28:20,366 (半次郎) だが なぜだ? なぜ シズは→ 281 00:28:20,433 --> 00:28:23,369 拙者が 誰かを斬ることを 知っていたのだ?→ 282 00:28:23,436 --> 00:28:27,373 あの娘は いったい 何なのだ? 283 00:28:27,440 --> 00:28:29,442 答えろ! 284 00:28:31,444 --> 00:28:35,381 (空元) シズは→ 285 00:28:35,448 --> 00:28:41,320 お告げを伝える みこに すぎません。→ 286 00:28:41,387 --> 00:28:43,322 シズの腹の中にいる子が→ 287 00:28:43,389 --> 00:28:46,325 これから 起こるであろう 凶事を 知らせるのです。 288 00:28:46,392 --> 00:28:50,329 腹の子が? まさか。 289 00:28:50,396 --> 00:28:54,333 (空元) 嘘では ありません。 なぜなら シズが宿したのは→ 290 00:28:54,400 --> 00:29:00,339 人ではない。 件なのです。 291 00:29:00,406 --> 00:29:03,342 (半次郎) 人の頭を持った 牛の怪物のことか。 292 00:29:03,409 --> 00:29:08,347 なぜ そのようなことに? (空元) 全ては み仏の おぼしめし。 293 00:29:08,414 --> 00:29:13,352 (空元) この世の 恵まれぬ者たちを 救うため→ 294 00:29:13,419 --> 00:29:15,354 件は 遣わされたのです。 295 00:29:15,421 --> 00:29:18,357 (半次郎) では 越後屋が 大もうけしているのも? 296 00:29:18,424 --> 00:29:23,362 (空元) さよう。 件の力によるものです。→ 297 00:29:23,429 --> 00:29:30,369 しかし 物事に 裏と表が あるように→ 298 00:29:30,436 --> 00:29:34,373 件の お告げにも 恐ろしい 一面が ございます。 299 00:29:34,440 --> 00:29:36,375 どういう意味だ? 300 00:29:36,442 --> 00:29:40,312 (空元) お告げを 受け取った者は 一度 受け取るごとに→ 301 00:29:40,379 --> 00:29:45,317 100日ずつ 寿命が 削られていくのです。 302 00:29:45,384 --> 00:29:49,321 何と!? そのことを 越後屋は? 303 00:29:49,388 --> 00:29:53,325 もちろん 承知のはず。 そうだな? ヤエ。 304 00:29:53,392 --> 00:29:57,329 (ヤエ) はっ!? (空元) どうした? まさか!? 305 00:29:57,396 --> 00:30:01,333 申し訳ありません。 言いそびれておりました。 306 00:30:01,400 --> 00:30:04,336 (空元) 何ということだ。 奉公に上がる前に→ 307 00:30:04,403 --> 00:30:06,338 必ず その話は伝えるように 言っておいたのに。 308 00:30:06,405 --> 00:30:09,341 (ヤエ) 申し訳ありません。 (半次郎) いくぞ。→ 309 00:30:09,408 --> 00:30:13,345 手遅れにならぬうちに 寿命のことを 知らせねば。 310 00:30:13,412 --> 00:30:16,348 この アホ!→ 311 00:30:16,415 --> 00:30:19,351 仕留め損なったって どういうこっちゃ? 312 00:30:19,418 --> 00:30:23,355 (男性) 申し訳ござりませぬ。 (せき) 313 00:30:23,422 --> 00:30:28,360 (半次郎) 越後屋。 お主に 話がある。 314 00:30:28,427 --> 00:30:31,363 この者は? (仁左衛門) やれ。→ 315 00:30:31,430 --> 00:30:34,366 殺せ。 殺してしまえ! (半次郎) 待て。 拙者の話を聞け。 316 00:30:34,433 --> 00:30:36,435 (仁左衛門) 殺せ! 317 00:30:36,435 --> 00:30:48,380 ♪~ 318 00:30:48,380 --> 00:30:50,316 (ヤエ) シズ! 319 00:30:50,382 --> 00:30:53,385 (ヤエ) シズ。 シズ。 320 00:30:53,385 --> 00:31:05,397 ♪~ 321 00:31:05,397 --> 00:31:07,399 (仁左衛門) 何してんねん。 いけ! 322 00:31:07,399 --> 00:31:29,421 ♪~ 323 00:31:29,421 --> 00:31:32,424 (仁左衛門) お告げを。 324 00:31:34,426 --> 00:31:39,298 (仁左衛門) お告げを 取り消して…。 325 00:31:39,365 --> 00:31:41,367 (仁左衛門) 取り消してくれ。 326 00:31:49,375 --> 00:31:52,311 (半次郎) お告げが 的中したと いうことか。 327 00:31:52,378 --> 00:31:57,316 (空元) わしは 誤った。 シズの力があれば→ 328 00:31:57,383 --> 00:31:59,318 恵まれぬ者を 救えると 思っていたが→ 329 00:31:59,385 --> 00:32:03,322 時に お告げは 思わぬ不幸を もたらす。→ 330 00:32:03,389 --> 00:32:06,325 件は 人が扱えるような 代物ではない。 331 00:32:06,392 --> 00:32:08,327 (半次郎) ならば どうする? (空元) シズを。→ 332 00:32:08,394 --> 00:32:12,331 件を 人の目に 触れぬ場所に 幽閉するしか。 333 00:32:12,398 --> 00:32:15,334 (半次郎) 駄目だ。 件が この世にある限り→ 334 00:32:15,401 --> 00:32:18,337 また いつか 同じことが 繰り返されるとも 限らん。 335 00:32:18,404 --> 00:32:21,340 (空元) では? 336 00:32:21,407 --> 00:32:23,342 殺すしかない。 337 00:32:23,409 --> 00:32:25,344 (ヤエ) お侍さん。 (半次郎) だが どうする?→ 338 00:32:25,411 --> 00:32:27,346 どうやって 身ごもった シズを 傷つけずに→ 339 00:32:27,413 --> 00:32:30,349 おなかの子だけを 殺すのだ? 340 00:32:30,416 --> 00:32:34,353 (空元) しかたがない。 地獄へ 落ちることになろうが→ 341 00:32:34,420 --> 00:32:39,291 わしが 全てを背負って 鬼となろう。 シズ。 誠に すまん。 342 00:32:39,358 --> 00:32:43,295 (ヤエ) 冗談じゃない。 そんなこと させるもんか。 343 00:32:43,362 --> 00:32:45,297 シズは 私の娘だよ。 (空元) 分かってくれ。 ヤエ。 344 00:32:45,364 --> 00:32:48,300 夫を ならず者に殺され 苦しんできた この子を→ 345 00:32:48,367 --> 00:32:51,370 哀れと 思わないのかい? (シズ) 違う。 346 00:32:53,372 --> 00:32:57,710 あの人は おっ母。 あんたに 殺されたんだ。 347 00:33:02,314 --> 00:33:06,251 あの人は おっ母。 あんたに 殺されたんだ。 348 00:33:06,318 --> 00:33:09,254 (空元) 何だと? (ヤエ) シズ。 何 言ってんだい。→ 349 00:33:09,321 --> 00:33:13,258 おかしなこと 言わないでおくれ。 350 00:33:13,325 --> 00:33:16,261 (シズ) おっ母は 私の おなかの子を→ 351 00:33:16,328 --> 00:33:19,264 件にしたいと 迫ってきた。 (半次郎) 誠か? 352 00:33:19,331 --> 00:33:23,268 夫が断ったら 包丁を出して いきなり 切りつけてきた。 353 00:33:23,335 --> 00:33:26,338 (夫)《シズ!》 354 00:33:32,344 --> 00:33:34,346 (夫)《シズ…》 355 00:33:34,346 --> 00:33:53,365 ♪~ 356 00:33:53,365 --> 00:33:56,368 (ヤエ)《シズ。 シズ》 357 00:33:56,368 --> 00:34:18,323 ♪~ 358 00:34:18,323 --> 00:34:28,333 (唱える声) 359 00:34:28,333 --> 00:34:38,343 ♪~ 360 00:34:41,346 --> 00:34:44,283 (うなり声) 361 00:34:44,349 --> 00:34:47,286 (絶叫) 362 00:34:47,352 --> 00:34:53,358 おっ母が おなかの子を 化け物に。 おっ母は 鬼だ! 363 00:35:02,367 --> 00:35:06,371 (半次郎) シズ! (空元) 何ということを! 364 00:35:14,313 --> 00:35:17,316 永遠に救われぬ さだめよ。 365 00:35:17,316 --> 00:35:27,326 ♪~ 366 00:35:27,326 --> 00:35:31,263 (空元) 己の娘を その手で あやめるとは。 367 00:35:31,330 --> 00:35:37,269 (半次郎) なぜだ? シズは 実の娘であろう。→ 368 00:35:37,336 --> 00:35:40,272 なぜ そのような 仕打ちを? 369 00:35:40,339 --> 00:35:44,343 (ヤエ) わ… 私 何てことを。 370 00:35:51,350 --> 00:36:00,292 (ヤエ) 許して。 許して。 ごめんよ。 ごめんよ。→ 371 00:36:00,359 --> 00:36:05,297 貧乏が 悪いんだ。 私も お前も おなかの子も→ 372 00:36:05,364 --> 00:36:07,299 金がないと 暮らしていけなかった。 373 00:36:07,366 --> 00:36:09,234 (半次郎) 金? (ヤエ) だから→ 374 00:36:09,301 --> 00:36:17,309 件の書物を 手に入れて 件を この手で つくってしまった。 375 00:36:28,320 --> 00:36:31,256 (ヤエ) お許しください。 お許しください。→ 376 00:36:31,323 --> 00:36:37,262 お許しください。 お許しください。 お許しください。 お許しください。 377 00:36:37,329 --> 00:36:42,267 (ヤエ) お許しください。 お許しください。 お許しください。 378 00:36:42,334 --> 00:36:50,275 (空元) ヤエ。 もう よい。 お主も 被害者だ。→ 379 00:36:50,342 --> 00:36:55,347 このように すさんだ世が 悪いのだ。 全てはな…。 380 00:37:07,359 --> 00:37:11,229 お告げに 夢中になっていた 越後屋は→ 381 00:37:11,296 --> 00:37:14,232 遠からず 寿命を削って 死ぬはずだった。 382 00:37:14,299 --> 00:37:17,235 そうなりゃ あるじの いない店なんぞ→ 383 00:37:17,302 --> 00:37:20,238 乗っ取るのは 朝飯前さ。 384 00:37:20,305 --> 00:37:26,244 ところが あんたたちが 変な義侠心に 目覚めちまうから。 385 00:37:26,311 --> 00:37:30,248 あーあ。 どっかで 若い娘でも さらってきて→ 386 00:37:30,315 --> 00:37:33,318 また やり直すしかないね。 (空元) 貴様…。 387 00:37:35,320 --> 00:37:40,325 (ヤエ) 地獄へ落ちな。 くそ坊主。 388 00:37:48,333 --> 00:37:53,338 この恨み 決して 許さぬぞ。 389 00:37:57,342 --> 00:38:17,295 ♪~ 390 00:38:17,295 --> 00:38:25,303 いくら 鬼のような女でも シズの母親は 斬れん。 391 00:38:33,311 --> 00:38:46,324 ♪~ 392 00:38:46,324 --> 00:38:50,262 [シズが 跡形もなく 消え去った後→ 393 00:38:50,328 --> 00:38:57,335 時折 不吉な凶事を 記した紙が 道端で 見つかるようになった] 394 00:39:03,341 --> 00:39:10,215 [それを拾った者は 寿命が 100日 減る] 395 00:39:10,282 --> 00:39:13,218 [そんな噂を 人々は 耳にした] 396 00:39:13,285 --> 00:39:15,287 (男性) お告げ? 397 00:39:20,292 --> 00:39:25,230 [件が 寿命を集めているのだ] 398 00:39:25,297 --> 00:39:31,303 [いつか この世に 生まれてくるために] 399 00:39:31,303 --> 00:39:59,331 ♪~ 400 00:40:21,286 --> 00:40:28,226 (詩弦) 何だか 奇妙な夢を 見ていたわ。 401 00:40:28,293 --> 00:40:33,231 (礼) 君が 見ていたのは 夢じゃない。 402 00:40:33,298 --> 00:40:40,238 (詩弦) だとしたら 私が見たのは…。 403 00:40:40,305 --> 00:40:44,242 (礼) 君の前世だ。 404 00:40:44,309 --> 00:40:48,246 今 君が 苦しんでいるのは→ 405 00:40:48,313 --> 00:40:52,317 そのときに 背負った 罪のせいだよ。 406 00:40:56,321 --> 00:41:00,325 (詩弦) 私の前世…。 407 00:41:07,332 --> 00:41:13,271 《この恨み 決して 許さぬぞ》 408 00:41:13,271 --> 00:41:27,285 ♪~ 409 00:41:27,285 --> 00:41:31,289 (シズ) 《永遠に救われぬ さだめよ》 410 00:41:37,295 --> 00:41:40,232 (詩弦) 私が ヤエだった? 411 00:41:40,298 --> 00:41:43,301 (礼) やっと 気付いたようだね。 412 00:41:45,303 --> 00:41:49,241 (詩弦) だから お父さん あんなこと。 413 00:41:49,307 --> 00:41:52,244 (蔵之介)《お前のせいだ。 絶対 許さない》→ 414 00:41:52,310 --> 00:41:58,316 《お前が 生まれたせいだ…》 415 00:42:07,325 --> 00:42:14,199 (礼) 君は 自分の娘である シズを 苦しめた。 416 00:42:14,266 --> 00:42:18,270 今世で 罪を償うといい。 417 00:42:22,274 --> 00:42:28,213 (礼) さあ そろそろ 戻ろう。 418 00:42:28,280 --> 00:42:31,216 (詩弦) 戻るって どこに? 419 00:42:31,283 --> 00:42:39,291 地上へ。 まだ 君の苦しみは 終わってない。 420 00:42:48,300 --> 00:42:52,304 (勇介) 詩弦! 詩弦! 421 00:42:55,307 --> 00:42:57,309 (勇介) 詩弦! 422 00:43:00,312 --> 00:43:02,314 (勇介) 大丈夫か? 423 00:43:08,320 --> 00:43:13,258 (詩弦) 私…。 私…。 424 00:43:13,325 --> 00:43:17,495 {\an8}嫌っ!